特許第6076916号(P6076916)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6076916優先噴射装置および対応する噴射方法を含むターボ機械
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076916
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】優先噴射装置および対応する噴射方法を含むターボ機械
(51)【国際特許分類】
   F02C 9/28 20060101AFI20170130BHJP
   F01D 17/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   F02C9/28 Z
   F01D17/00 M
【請求項の数】14
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-553987(P2013-553987)
(86)(22)【出願日】2012年2月17日
(65)【公表番号】特表2014-506652(P2014-506652A)
(43)【公表日】2014年3月17日
(86)【国際出願番号】FR2012050345
(87)【国際公開番号】WO2012114025
(87)【国際公開日】20120830
【審査請求日】2015年1月26日
(31)【優先権主張番号】1151388
(32)【優先日】2011年2月21日
(33)【優先権主張国】FR
(73)【特許権者】
【識別番号】501107994
【氏名又は名称】ターボメカ
【氏名又は名称原語表記】TURBOMECA
(74)【代理人】
【識別番号】110001173
【氏名又は名称】特許業務法人川口國際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ロワイエ,エリツク
(72)【発明者】
【氏名】ベネゼク,フイリツプ・ジヤン・ルネ・マリー
(72)【発明者】
【氏名】リユペール,パスカル
【審査官】 齊藤 公志郎
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第07003939(US,B1)
【文献】 特開2000−027660(JP,A)
【文献】 特開2009−216098(JP,A)
【文献】 特開2004−069186(JP,A)
【文献】 特開平05−018272(JP,A)
【文献】 特開平06−213005(JP,A)
【文献】 特開昭61−145326(JP,A)
【文献】 米国特許第06857272(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F02C 9/26−46
F02C 7/22−236
F23R 3/00−60
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃焼室(330)と、燃焼室(330)内の燃料噴射装置(340)と、燃料を燃料噴射装置(340)に供給する供給手段(360)とが装備されたターボ機械(10)であって、さらに、供給手段(360)の燃料流量の瞬時変動を決定する手段(370)と、噴射装置(340)の燃料流量を、決定手段(370)によって決定された供給手段(360)の燃料流量の瞬時変動に従って調節する調節手段(350)と、ガス発生器シャフト(320)と、ガス発生器シャフト(320)の瞬時加速(dNG/dt)を測定する手段(380)とを含み、噴射装置(340)の燃料流量は、ガス発生器シャフト(320)の瞬時加速(dNG/dt)に従ってさらに調節されることを特徴とする、ターボ機械(10)。
【請求項2】
燃料噴射装置(340)が、少なくとも1つの優先噴射器(344)および少なくとも1つの主要噴射器(342)を備える噴射ランプを備えることを特徴とする、請求項1に記載のターボ機械(10)。
【請求項3】
供給手段(360)の燃料流量の瞬時変動の値が、所定の閾値(Vref)より小さくなる場合、調節手段(350)が、主要噴射器(342)の燃料流量に対して優先噴射器(344)の燃料流量相対的増大させるように構成されていることを特徴とする、請求項2に記載のターボ機械(10)。
【請求項4】
調節手段(350)が、優先噴射器(344)の燃料流量を主要噴射器(342)の燃料流量に対して相対的に増大させるように噴射ランプの燃料流量を分配するように構成されていることを特徴とする、請求項3に記載のターボ機械(10)。
【請求項5】
調節手段(350)が、優先噴射器(344)と主要噴射器(342)との間の燃料流量の分配器を備えることを特徴とする、請求項2から4までのいずれか一項に記載のターボ機械(10)。
【請求項6】
供給手段(360)が燃料メータを備え、供給手段(360)の燃料流量の瞬時変動が、燃料メータに接続されたレゾルバを用いて測定されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載のターボ機械(10)。
【請求項7】
供給手段(360)が、燃料メータと、メータによって送られた燃料流量を調整するメータの制御装置とを備え、供給手段(360)の燃料流量の瞬時変動は、メータによって送られた燃料流量を調整するためにメータの制御装置に送信された設定値を読み取ることから決定されることを特徴とする、請求項1から5までのいずれか一項に記載のターボ機械(10)。
【請求項8】
ガス発生器シャフト(320)の瞬時加速の値(dNG/dt)が所定の閾値(Aref)より大きい場合、調節手段(350)が、主要噴射器(342)の流量に対する優先噴射器(344)の燃料流量における相対的な増大を抑制するように構成されていることを特徴とする、請求項1から7までのいずれか一項および請求項3に記載のターボ機械。
【請求項9】
請求項1から8までのいずれか一項に記載のターボ機械(10)の燃料噴射を調節する方法であって、
供給手段の燃料流量の瞬時変動を決定するステップ(EI)と、
ガス発生器シャフトの瞬時加速を測定するステップ(E5)と、
噴射装置の燃料流量を、供給手段の燃料流量の瞬時変動に従って(EII)、またガス発生シャフトの瞬時加速に従って(E6)調節するステップとを含むことを特徴とする、方法。
【請求項10】
燃料噴射装置(340)が、少なくとも1つの優先噴射器(344)および少なくとも1つの主要噴射器(342)を備える噴射ランプを備え、供給手段の燃料流量の瞬時変動の値が所定の閾値より小さくなる場合に、優先噴射器(344)の燃料流量が、主要噴射器(342)の燃料流量に対して相対的に増大される(E3)ことを特徴とする、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
優先噴射器(344)の燃料流量が、噴射装置からの全体流を優先噴射器(344)に優先的に分配することによって、主要噴射器(342)の燃料流量に対して相対的に増大されることを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項12】
優先噴射器(344)の燃料流量が、所定の期間増大されることを特徴とする、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
優先噴射器(344)の燃料流量が増大されたとき、主要噴射器(342)の流量に対する優先噴射器(344)の流量における相対的な増大は、ガス発生器シャフトの瞬時加速の値が所定の閾値より大きいときに抑制される(E7)ことを特徴とする、請求項10に記載の方法。
【請求項14】
主要噴射器(342)の流量に対する優先噴射器(344)の流量の相対的な増大が、所定の期間が経過した後に抑制されることを特徴とする、請求項13に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、一般に、ターボ機械の燃焼室内への燃料の噴射に関し、より詳細には、燃料の優先噴射を調節する装置および方法に関する。本発明の適用分野は、特に、産業用ターボ機械および航空ターボ機械の分野である。
【0002】
本発明は、ガス発生器のシャフトが、特に、噴射装置を用いて燃料噴射が達成される燃焼室を通り抜けるガスによって駆動される、ターボ機械に関する。より詳細には、本発明は、燃焼室と、燃焼室内の燃料噴射装置と、燃料を燃料噴射装置に供給する供給手段とが装備されたターボ機械に関する。
【背景技術】
【0003】
優先供給システムが、特許文献の米国特許第6,857,272号明細書から知られている。この優先供給システムは、燃料の流量に応じて所定の作動範囲に基づいて作動し、すなわちその優先噴射が可能にされるまたは可能にされない。
【0004】
しかし、そのようなシステムは、噴射が必要ではない作動状態であっても可能にされるという欠点を有する。実際、消炎のいかなるリスクも有さない低い燃料流量での定常状態の作動状態が存在するが、ここでは優先供給は必要でない場合でも可能にされる。この場合、特に極端な場合ではタービンリングを楕円形にし得るホットトレイル(hot trail)が生じる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】米国特許第6857272号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、燃焼室内の燃料の燃焼が、ホットトレイルの形成を回避しながらターボ機械の強力な速度変動によってあまり影響されずにいる、燃料噴射を調節するターボ機械および方法を提案することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この目的は、ターボ機械が、さらに、供給手段の燃料流量の瞬時変動を決定する手段と、噴射装置からの燃料流量を、決定手段によって決定された供給手段の燃料流量の瞬時変動に応じて調節する調節手段とを含むということによって達成される。
【0008】
《瞬時変動》とは、例えば、半秒(0.5s)以下の期間にわたる、またはさらに四分の一秒(0.25s)以下の程度の期間にわたるなどの、非常に短期間にわたる変動を意味する。燃焼室内で必要とされる燃料流量を決定するために、調節手段は、特に、供給手段の燃料流量の瞬時変動をパラメータとして使用する。この変動は、ターボ機械の作動状態を表すものである。したがって、噴射装置によって燃焼室内に送られる燃料の流量は、供給手段の燃料流量の瞬時変動に応じて、すなわちターボ機械の作動状態の変動に応じて調整される。
【0009】
供給手段の瞬時燃料流量が増大する場合、供給手段の燃料流量の瞬時変動は正であることが留意されよう。逆に言えば、供給手段の瞬時燃料流量が低減する場合、供給手段の流量の瞬時変動は負である。したがって、加速中、供給手段の流量の瞬時変動は正であるが、減速中、この瞬時変動は負である。
【0010】
例えば、正にせよ負にせよ瞬時変動が大きい場合、調節手段は、噴射装置の燃料流量を調整する。したがって、燃焼室内で、燃焼を維持する噴射装置の最小限の燃料流量を確保することが可能である。換言すれば、決定手段が、特に供給手段の流量を低下させる、強力な瞬時変動を決定した場合、調節手段は、燃焼室内の燃料の燃焼の消滅を回避するために、燃焼室内に噴射装置の最小限の燃料流量を確保することができる。
【0011】
供給手段の流量の変動に従って燃料の噴射を調節することにより、燃焼の消滅のリスクを防止しながら、例えば従来技術で直面されるものなどのホットトレイルの形成が回避される。実際、本発明者は、供給手段の燃料流量の変動が、(供給手段または噴射装置の)実際の燃料流量よりも燃焼の消滅リスクにより関連するパラメータであることに留意している。
【0012】
好ましくは、噴射装置は、少なくとも1つの優先噴射器および少なくとも1つの主要噴射器を備える噴射ランプを備える。
【0013】
好ましくは、調節手段は、供給手段の燃料流量の瞬時変動の値が所定の閾値より小さくなる場合、主要噴射器の燃料流量に対する優先噴射器の燃料流量における相対的な増大を可能にする。
【0014】
燃焼室内への燃料の噴射は、一方ではいわゆる主要噴射器(または一連の噴射器)と、他方ではいわゆる優先噴射器(または一連の噴射器)とを備える噴射ランプによって確実にされる。正常な作動状態下では、噴射は、主要噴射器および優先噴射器によって確実にされる。好ましくは、正常な作動状態下では、優先噴射器の燃料流量は、主要噴射器の燃料流量とほぼ等しい。換言すれば、正常な作動状態下で、複数の優先噴射器および/または主要噴射器が存在する場合、各々の優先噴射器の流量は、好ましくは各々の主要噴射器の流量と等しい。
【0015】
「正常な作動状態」とは、供給手段の燃料流量が、わずかに変動し、または過渡状態に従って変動し、燃焼室内の値の燃料の燃焼を消滅させるいかなるリスクも有さない作動状態を意味する。ターボ機械が異常な作動状態で、例えば、供給手段の燃料流量における突然の変動の場合に作動するとき、燃焼を消滅させるというリスクが存在する。例えば、そのような消滅リスクは、ヘリコプタに上昇姿勢をとらせることからなる(「急停止」の名称でも知られる)非常ブレーキ中に起こる。この過渡状態の間、ロータはもはやターボ機械から動力を引き出さず、供給手段の燃料流量は、機械の調節装置の反応性に対する操作の突発性に応じて、0.5秒またはそれより小さい秒で準ゼロ値に達するまで非常に迅速に低減する。このとき、本発明によれば、異常な作動状態下では、優先噴射器の流量が主要噴射器の流量に対して相対的に増大され、その結果、噴射の中断を回避し、または燃料の噴射流量における突然すぎる低減および燃焼室内の燃焼の消滅を回避する。より具体的には、供給手段の燃料流量の瞬時変動の値が所定の閾値より小さいとき、噴射は、優先噴射器によって優先的に確実にされ、すなわち優先噴射器の燃料流量は、主要噴射器の燃料流量に対して相対的に増大される。したがって、正常な作動状態下の場合、優先噴射器の流量は、主要噴射器の流量と等しく、異常な作動状態下では、優先噴射器の燃料流量は、主要噴射器の流量より大きいことが理解される。
【0016】
有利には、供給手段の燃料流量の瞬時変動の値が所定の閾値より小さい場合、燃焼室内への噴射は、単独でまたは主要噴射器と組み合わされて使用される優先噴射器によって確実にされ、このとき主要噴射器の流量は優先噴射器の流量より小さい。したがって、優先噴射器における燃料噴射は、主要噴射器によって達成される燃料噴射を犠牲にして行われ得る。すなわち、調節手段は、優先噴射器の流量を主要噴射器の流量に対して相対的に増大させ、一方で主要噴射器の流量を優先噴射器の流量に対して相対的に低減させることによって、たとえこれによって主要噴射器による噴射が中断される場合でも、優先噴射器による噴射に対して優先権を与える。したがって、この代替策によれば、燃料噴射装置の燃料供給流量に関わらず、調節手段は、優先噴射器によって最小限の燃料噴射流量を確保し、それによって燃焼消滅を回避する。
【0017】
好ましくは、所定の閾値は、正常な作動状態に対する相対的な過渡状態として考えられず、(すなわち異常な作動状態に対する相対的な過渡状態として考えられ)、すなわち燃焼室内の燃料の燃焼の消滅を引き起こし得る、供給手段の燃料流量における強力な瞬時的な低減に相当する負の値に等しい。したがって、燃焼室内の燃料の燃焼の消滅のいかなるリスクも有することなく、本発明に係るターボ機械の作動速度を非常に突然に減速させることが可能である。
【0018】
好ましくは、調節手段は、優先噴射器の燃料流量を主要噴射器の燃料流量に対して相対的に増大させるように噴射ランプから燃料流量を分配する可能性を与える。
【0019】
燃料室内に送られる全体流量に関しては、この全体流量は噴射ランプの全体流量に相当し、調節手段は、この全体流量を優先噴射器と主要噴射器との間で、優先噴射器の流量を主要噴射器の流量に対して相対的に増大させるように分配することが理解される。したがって、この所与の全体流量を保持するために、優先噴射器の流量を増大させることにより、主要噴射器の流量における低減が引き起こされる。
【0020】
有利には、この調節手段は、優先噴射器と主要噴射器との間の燃料流量の分配器を備える。
【0021】
流量分配器は、噴射ランプからの燃料供給流を主要噴射器と優先噴射器との間で分配する可能性を与える。この分配器は、逆止弁の機械式または油圧機械式部材およびばね(複数可)タイプまたは電磁弁タイプの電気機械式部材でよく、電磁弁タイプは、例えば電子制御ユニット(またはECU)によって制御される。代替策によれば、各々の噴射器は、ECUによって独立的に駆動され、ECUは、このとき分配器の役割を果たすことができる。
【0022】
有利には、供給手段は燃料メータを備え、供給手段の燃料流量の瞬時変動は、燃料メータに接続されたレゾルバを用いて測定される。
【0023】
燃料メータによって、燃料流量を調整することが可能である。レゾルバを用いることにより、メータの位置および変位速度を測定することが可能である。したがって、メータの燃料流量の瞬時変動を測定することが可能であり、メータの各位置は、所定の流量、したがって供給手段の流量に関連付けられる。例えば、メータの完全な進行が0と100との間で変化すると考えると(0:完全に閉鎖されたメータ、100:完全に開放されたメータ)、−40/s(1秒につきマイナス40)の瞬時変動、すなわち1秒間のメータの閉鎖方向におけるメータの位置の40の変動が、燃焼室内の燃料流量の調節を可能にする閾値を形成すると考えられる。換言すれば、メータの位置の1秒当たり−40%の変動が、閾値として得られてよい。
【0024】
代替策によれば、供給手段は、燃料メータと、燃料メータによって送られた燃料流量を調整するメータの制御装置とを備え、供給手段の燃料流量の瞬時変動は、メータによって送られる燃料流量を調整するためにメータの制御装置に送信された設定値を読み取ることから決定される。
【0025】
この代替策を用いることにより、設定値は、メータの位置を制御する可能性を与え、換言すれば、メータの開閉は、供給手段の燃料流量の瞬時変動を測定するパラメータとして使用される。メータの制御設定値を用いた供給手段の燃料流量の瞬時変動の測定は、レゾルバを用いて行われるものより正確かつ迅速であり、その理由は、供給手段の内部設定値が直接的に処理され、レゾルバによって実施される中間測定が回避されるためである。先述と同じようにして、メータの位置の1秒当たり−40%の変動を制御する設定値が、燃焼室内の燃料流量の調節を可能にする閾値として得られてよい。
【0026】
有利には、ターボ機械は、さらに、ガス発生器シャフトと、ガス発生器シャフトの瞬時加速を測定する手段とを備え、噴射装置の燃料流量は、ガス発生器シャフトの瞬時加速に従ってさらに調節される。当然ながら、ガス発生器シャフトの瞬時加速に従った噴射装置の燃料流量のこうした調節は、調節手段によって行われる。
【0027】
好ましくは、調節手段は、ガス発生器シャフトの瞬時加速の値が所定の閾値よりも大きい場合、主要噴射器の流量に対する優先噴射器の燃料流量における相対的な増大を抑制する可能性を与える。
【0028】
ガス発生器シャフトの瞬時的な(回転における)加速は、ターボ機械の作動状態および作動状態の過渡状態の指針である。したがって、ガス発生器シャフトの瞬時加速の特定の所定の閾値から、燃焼室内に燃焼の消滅のいかなるリスクも存在しないこと、および優先噴射器の燃料流量が主要噴射器の燃料流量より多くなることはもはや求められないことが考えられ得る。換言すれば、測定手段は、ガス発生器シャフトの減速(すなわち負の加速)を測定する可能性を与える。ガス発生器シャフトの減速は、燃焼室内の燃焼の消滅のリスクが存在し得る状況を反映する。例えば、この減速がゼロになるとき、燃焼のいかなるリスクももはや存在しないことが考えられ得る。続いて、「加速」という一般用語が使用されるが、この用語は、正の加速および負の加速、すなわち減速の両方を含んでいる。
【0029】
例えば、ゼロの瞬時加速が、所定の閾値としてこうして使用されてよい。実際、突然の減速後、ゼロの瞬時加速は、ターボ機械が異常な作動状態を離れたこと、つまりこれが、加速段階にあり(負の加速からゼロ加速への切り替え)、それにより燃焼室内の燃焼の消滅のいかなるリスクも存在しないことを示している。一代替策によれば、所定の閾値は、1秒当たりのガス発生器シャフトの(回転の)定格速度の3%に等しい。
【0030】
一代替策によれば、調節手段は、主要噴射器の燃料流量に対する優先噴射器の燃料流量における増大を徐々に抑制するという可能性を与える。徐々に抑制することにより、噴射を燃焼室内で保証することが可能になる。実際、優先噴射器の流量の増大の抑制が突然すぎると、優先噴射器の燃料供給においてごくわずかな中断のリスクを発生させ得る。3000分の1秒程度の期間の供給の中断が、燃焼室内の燃焼を消滅させるのに十分であることが留意されよう。例えば、流量の増大を抑制することは、流量の増大を低減する一連の複数の横ばい状態によって達成される。例えば、燃料の増大を抑制することは、一連の10回の横ばい状態によって達成され、その各々は、合計の燃料流量の増大の合計値における10%の低減に相当する。通常、ごくわずかな中断現象を回避するために、優先噴射器および/または主要噴射器の流量における増大および/または低減は、有利には徐々に制御される。
【0031】
本発明はまた、本発明に係るターボ機械の燃料噴射を調節する方法であって、
−供給手段の燃料流量の瞬時変動を決定するステップと、
−噴射装置の燃料流量を供給手段の燃料流量の瞬時変動に従って調節するステップとを含む、方法に関する。
【0032】
ターボ機械の燃焼室内の燃料流量を調節するために、方法は、一方では供給手段の燃料流量の瞬時変動を決定することと、他方ではそれによって決定された瞬時変動を、噴射装置の燃料の瞬時流量を調節するパラメータとして使用することとからなる。この方法は、本発明に係るターボ機械に適用され、ここでは、供給手段の燃料流量の瞬時変動を決定するステップは、供給手段の燃料流量の瞬時変動を決定する手段によって達成される。燃料流量に対する瞬時的な調節ステップは、燃焼室内の燃料流量を調節する手段によって達成される。
【0033】
この方法の適用の範囲内では、流量の調節は自動的に実行されてよいが、例えば、ユーザが、燃料の燃焼の消滅のリスクを有する状態下でのターボ機械の使用を予防的に保証することを意図するときに手動で可能にされてもよいことが留意されよう。換言すれば、ユーザは、優先噴射器の流量を主要噴射器の流量に対して相対的に増大させることによって、優先噴射器にターボ機器の使用を保証させることができる。燃料の燃焼の消滅のリスクを有するターボ機械の使用状態は、特に、ターボ機械がアイドリングに近い作動状態下で作動するとき、または周囲媒体が、水(雨または雪)をターボ機械内に取り込むというリスクを有するときの状態である。
【0034】
さらには、この方法は、有利には、装置から独立して、燃焼室内の燃焼の安定性(したがって所与の状態下での消滅のリスク)を予防的に評価するために、ターボ機械の試験範囲内で可能にされまたは不能にされ得る。このタイプの作動はまた、燃焼室内への燃料噴射を調節するこの方法によって、また関連する装置によって与えられた安全マージンの評価も可能にする。このタイプの取り扱いはまた、装置の適正な作動を試験する可能性も与える。
【0035】
好ましくは、優先噴射器の燃料流量は、供給手段の燃料流量の瞬時変動の値が所定の閾値より小さくなる場合、主要噴射器の燃料流量に対して相対的に増大される。
【0036】
方法のこの追加のステップは、流量のより良好な調節を可能にする優先噴射専用の噴射器を使用することによって、その適用を改善することを可能にする。所定の閾値は、好ましくは、供給手段の燃料流量の瞬時変動の値が、所定の閾値より小さくなるとき、ターボ機械が作動状態の強力な変動を受けるように選択されることが理解される。
【0037】
この追加のステップの適用は、いくつかの代替策を有する。通常、優先噴射器の燃料流量が、(異常なターボ機械の作動状態下で)主要噴射器の燃料流量に対して相対的に増大されるとき、優先噴射器の増大した流量の値は、(ターボ機械の等価の回転速度および負荷における)正常な作動状態下の優先噴射器の燃料流量の値より大きくなることが理解される。逆に言えば、ターボ機械の作動状態が再度正常になるとき、優先噴射器の流量における増大が抑制され、その値は、(ターボ機械の等価の回転速度および負荷における)異常な作動状態下の流量の値より小さいことが理解される。
【0038】
第1の代替策によれば、優先噴射器は、供給手段の燃料流量の瞬時変動の値が所定の閾値より小さくなるとき、設定された所定の燃料流量を送る。逆に言えば、優先噴射器は、供給手段の燃料流量の瞬時変動の値が所定の閾値より大きくなるとき、可変の燃料流量、好ましくは主要噴射器の流量と等しい燃料流量を送る。
【0039】
第2の代替策によれば、所定の閾値は、一連の所定の値である。供給手段の燃料流量の瞬時変動が、第1の所定の値より小さくなるとき、優先噴射器は、第1の設定された所定の流量に従って燃料を噴射する。次に、変動が、第1の所定の値より小さい第2の所定の値より小さくなる場合、優先噴射器の第1の流量は、第1の流量より大きい第2の設定された所定の流量に達するように増大される。したがって、優先噴射器は、最大流量、正常下での流量に相当する流量(すなわち最小限の流量)それぞれに達するために、存在する所定の閾値の数と同じだけの増分、減分それぞれに従ってその流量をそれぞれ増大し低減することによって燃料を噴射することができる。
【0040】
第3の代替策によれば、所定の閾値は、所定の値の連続範囲である。供給手段の流量の瞬時変動が値のこの範囲に入るとき、優先噴射器の流量は、瞬時変動の値に比例する燃料流量を送るために、値の範囲にわたって連続的に主要噴射器の流量に対して相対的に増大される。したがって、流量は、瞬時変動が所定の値の範囲の第1の限界よりわずかに小さくなるとき、主要噴射器の流量に対して相対的に増大され、これは、連続的に最大流量まで増大し、このとき瞬時変動は、所定の値の範囲の第2の限界より低くなるまで低減する。逆に言えば、優先噴射器の流量は、瞬時変動が所定値の範囲の第2の限界より大きくなるときに低減して、正常な作動状態下の流量に相当する燃料流量に到達するまでになり、このとき瞬時変動は、所定値の範囲の第1の限界より大きくなる。
【0041】
したがって、エンジンの作動状態が燃焼の消滅のリスクを有すると考えられるとき、優先噴射器の流量は主要噴射器の流量に対して相対的に増大され、それによって優先噴射器は、燃料の停止を防止することを目的とする待機機能を確実にし、一方で、エンジン作動状態が燃焼の消滅のいかなるリスクも有さないとき、優先噴射器の流量は、正常な作動状態下の燃料の流量に相当し、このときこの流量は主要噴射器の流量に対して相対的に増大されないことが理解される。
【0042】
好ましくは、優先噴射器の燃料流量は、噴射装置の全体流を優先噴射器に優先的に分配することによって、主要噴射器の燃料流量に対して相対的に増大される。
【0043】
有利には、優先噴射器の燃料流量は、所定の期間増大される。
【0044】
したがって、この所定の期間が経過したとき、流量の増大は抑制され、優先噴射器の燃料流量は、正常な作動状態下の燃料流量に相当する流量値に戻ることが理解される。例えば、所定の期間は15秒(15.0s)に等しい。
【0045】
有利には、ガス発生器シャフトの瞬時加速がさらに測定され、噴射装置の燃料流量は、ガス発生器シャフトの瞬時加速に応じてさらに調節される。
【0046】
好ましくは、優先噴射器の燃料流量が増大したとき、主要噴射器の流量に対する優先噴射器の流量の相対的な増大は、ガス発生器シャフトの瞬時加速の値が1つの(または前記)所定の閾値より大きいとき(または再度大きくなるとき)に抑制される。好ましくは、主要噴射器の流量に対する優先噴射器の流量の相対的な増大は、所定の期間が経過した後に抑制される。
【0047】
本発明およびその利点は、これ以後、非限定的な例として与えられるさまざまな実施形態からなる詳細な説明を読み取ることによってより良好に理解されるであろう。この説明は付属の図を参照する。
【図面の簡単な説明】
【0048】
図1】本発明に係るターボ機械を概略的に示す図である。
図2】本発明による調節方法のステップを説明するフロー図である。
【発明を実施するための形態】
【0049】
図1は、フリータービン20およびガス発生器30を備えるターボ機械10を示している。ガス発生器30は、圧縮機300と、ガス発生器シャフト320上に装着されたタービンホイール310と、燃焼室330とを含む。ガス発生器30を離れたガスは、タービンシャフト210上に装着されたフリータービン20のタービンホイール200を回転させる。
【0050】
ターボ機械10にはさらに、主要噴射器342および優先噴射器344を備える噴射ランプを備える噴射装置340が装備される。噴射装置340は、燃焼室330内の燃料流量を調節するために調節手段350によって調節される。調節手段350は、特に、優先噴射器344の流量を増大させるよう意図される。供給手段360は、噴射装置340に燃料を供給する。図を明確にするために、供給手段360と噴射装置340との間の接続は図示されない。供給手段360は、燃料メータおよび燃料メータの制御装置(不図示)を備える。
【0051】
ターボ機械10はまた、供給手段360の燃料流量の瞬時変動を決定する決定手段370も備える。これらの決定手段370は、例えば、燃料メータの制御装置に送信された設定値(制御設定値)を読み取るための手段を含んで、コンピュータおよびメモリ(不図示)を備える。決定手段370は、調節手段350に接続される。
【0052】
さらには、ターボ機械10は、ガス発生器シャフト320の加速を測定する測定手段380を備える。これらの測定手段380は、ガス発生器シャフト320の加速がそこから推測されるガス発生器シャフトの回転速度を、ガス発生器シャフト320に堅固に取り付けられたフォニックホイール322から、例えばコンピュータおよびメモリ(不図示)を用いて測定する。測定手段380は調節手段350に接続される。
【0053】
供給手段360と、決定手段370、測定手段380、調節手段350、および噴射装置340との間の接続上の矢印は、これらのさまざまな要素の中を循環する情報の流れを表している。
【0054】
このターボ機械10の作動は、図2を参照して説明される。図2のフロー図は、ターボ機械10の燃焼室330内への燃料噴射を自動的に調節する、本発明に係る方法を示している。
【0055】
方法は、好ましくは、ターボ機械が開始したときに始まり、ターボ機械が停止されたとき、たとえこれが方法の実行中に起こっても停止する。この理由のため、図2では方法の終了を示す「終了」は存在しない。続いて、調節方法の完全に実施されるサイクルを示すために、「調節サイクル」という用語を使用するものとする。
【0056】
したがって方法はステップE0《開始》で開始する。方法は次いで、供給手段360の燃料流量の瞬時変動が決定される第1のステップEI、および瞬時燃料流量が、ステップEI中に決定された供給手段360の燃料流量の瞬時変動に従って燃焼室330内で調節される第2のステップEIIの2つの主要ステップに分割される。
【0057】
ステップEIは、メータの瞬時速度dXR/dtを決定することからなる単一ステップE1を含み、XRは、メータの位置に相当する。この瞬時速度の決定は、公知の方法で、さらには決定手段370によって、特に、決定手段370の、メータの位置を駆動させるためにメータの制御装置に送信された設定値を読み取るための手段、コンピュータ、およびメモリを用いて達成される。メータの速度は、制御装置の設定値が、メータの流量を増大させることを目的とする場合は正であり、一方で制御設定値が、メータの流量を低減することを目的とする場合は負であることが留意されよう。ステップE1の最後に、供給手段360の燃料流量の瞬時変動を決定する第1のステップEIが完了される。実際、メータの瞬時速度dXR/dtは、供給手段360の燃料流量の変動を表している。ステップEIの最後に、方法はステップEIIに切り替わる。換言すれば、ステップE1の最後に、方法はステップE2に切り替わる。
【0058】
ステップE2は、メータの瞬時速度dXR/dtの値を所定の閾値Vrefに対して相対的に比較することからなる。ターボ機械の突然の減速中、瞬時速度dXR/dtは負であり、したがってこの突然の減速を検出するために、閾値Vrefもまた負である。瞬時的なdXR/dtの瞬時変動が、所定の閾値Vrefより小さい場合(ステップE3の最後で「はい」)、方法は、燃焼の消滅のリスクが存在するかを決定し、ステップE3に切り替わる。瞬時速度dXR/dtが所定の閾値Vref(ステップE3の最後で「NO」)より大きいまたはこれに等しい場合、方法はステップE4に切り替わる。ステップE2は、調節手段350によって行われる。
【0059】
ステップE3は、優先噴射器344の流量を主要噴射器342の流量に対して相対的に増大させることからなり、この増大は、調節手段350によって達成される。優先噴射器の流量が増大されたとき、瞬時流量を調節するステップEIIが完了され、調節方法は、その調節サイクルを完了し、ステップE1から再度始めることによって次のサイクルを開始する。当然ながら、次の調節サイクルの実行は、一時中断されてよい。すなわち、次のステップの実行はすぐではなく、一定の遅延が経過した後にこの次のサイクルを実行する。この一時中断は、例えばステップEIIとステップEIの間で達成される。
【0060】
さらには、次のサイクル中、ここでもステップE2がステップE3に至る場合、代替策に応じて、優先噴射器の燃料流量は再度増大されてよく、または前回のサイクル中に増大されたレベルで維持されてもよいことが理解される。
【0061】
ステップE4は、優先噴射器342の流量が、主要噴射器の流量に対して相対的に増大されていないことを確認することからなり、この増大は、例えば、前回の調節サイクル中に行われたステップE3からの結果である。この作動もまた、調節手段350によって達成される。優先噴射器344の流量が増大された場合(ステップE4の最後で「はい」)、方法は次いで、ステップE5に進み、ステップE5からE7は、優先噴射器のこの流量の増大が抑制され得るかを決定することからなる。換言すれば、ステップE5からE7の間、調節手段350は、燃焼室330内の燃焼の消滅のリスクが排除されたかを決定し、それに従って優先噴射器344の流量を調節する。優先噴射器344の流量が、主要噴射器342の流量に対して相対的に増大されない場合(ステップE5の最後で「いいえ」)、燃焼室330内の瞬時流量の調節ステップEIIが完了され、調節方法はその調節サイクルを完了し、ステップE1から再度始めることによって次のサイクルを開始する。
【0062】
ステップE5は、ガス発生器シャフト320の瞬時加速dNG/dtを決定することからなり、この場合NGはガス発生器シャフト320の回転速度に相当する。この決定は、さらに、測定手段380によって、特に測定手段380のフォニックホイール322、メモリおよびコンピュータを用いて連続的に達成される。ステップE5の最後に、方法はステップE6に切り替わる。
【0063】
ステップE6は、ガス発生器シャフト320の瞬時加速dNG/dtの値を所定の閾値Arefに対して相対的に比較することからなる。このステップは、調節手段350によって達成される。瞬時加速dNG/dtが、所定の閾値Arefより大きいまたはこれに等しい場合(ステップE53の後に「はい」)、方法は、主要噴射器の流量における増大が抑制され得ると考え、ステップE7に切り替わる。瞬時加速dNG/dtが、所定の閾値Arefより小さい場合(ステップE53の最後に「いいえ」)、方法は、燃焼の消滅のリスクが残り、それによって優先噴射器の燃料流量が変わらないままであると考える。この場合、燃焼室310内の燃料の瞬時流量を調節するステップEIIが完了され、調節方法はその調節サイクルを完了し、ステップE1から再度始めることによって次のサイクルを開始する。
【0064】
ステップE7は、優先噴射器344の燃料流量における増大を抑制することからなり、それにより、その流量は、再度主要噴射器342の流量に等しくなる。この抑制は、優先噴射器の非プライミングを回避するために、例えば3秒(3.0s)程度の期間にわたって徐々に行われる。さらには、主要噴射器がオフにされたとき、そのオンへの切り替えも徐々に行われる。ステップE7の最後に、瞬時流量の調節ステップEIIが完了され、燃焼室310内の瞬時燃料流量を調節する方法は、その調節サイクルを完了し、ステップE1で再度始めることによって次のサイクルを開始する。
【0065】
一代替策によれば、調節手段350は、一時中断遅延の後、優先噴射器344の流量の増大を徐々に(または代替策によれば、瞬時的に)抑制する。例えば、この遅延は3秒(3.0s)である。この遅延により、優先噴射器344の流量が、燃焼室330内の燃焼が依然として不安的であり消滅のリスクを有しながらも、正常な作動状態下の流量に戻されることを回避することが可能である。したがって、優先噴射器344の流量の増大を徐々に抑制することを一時中断することにより、燃焼が安定化した後、優先噴射器344の流量の増大を徐々に抑制することが予想される。こうしてターボ機械の安全性が改善される。この一時中断は、例えばステップE7の前または後に達成される。
【0066】
この代替策では、調節手段350は、流量の増大を徐々に抑制するコマンドの時間tnを記録し、次の調節サイクル中、時間tm≧tn+D(tmはtnプラスDより大きいまたはこれに等しい)で優先噴射器344における流量の増大を徐々に抑制することを正確に制御し、この場合Dは、メータの速度dXR/dtが、常に所定の閾値Vrefより大きいまたはこれに等しく、ガス発生器シャフトの加速dNG/dtが、Arefより大きい場合の一時中断遅延であることが理解される。
【0067】
一代替策によれば、ステップE5およびE6は省略され、方法は、回答がステップE4に対して《はい》である場合、ステップE4からステップE7に直接的に切り替わる。当然ながら、流量における増大を徐々に抑制することは、上記で説明されたように一時中断されてよい。
【0068】
別の代替策によれば、優先噴射器の流量は、ステップE3において所定の期間増大され、または代替策によれば、徐々に増大される。したがって、この代替策では、図2のステップE4からE7は省略され、優先噴射器における流量の増大は、所定の期間の最後に抑制され、または一代替策によれば、自動的に徐々に抑制される。当然ながら、一代替策によれば、次の調節サイクルは、所定の期間行われ、またはさらに別の代替策によれば、次の調節サイクルは、所定の期間が経過したときにのみ行われる。
図1
図2