特許第6076919号(P6076919)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076919
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】レーザー用はんだ付けヘッド
(51)【国際特許分類】
   B23K 3/06 20060101AFI20170130BHJP
   B23K 1/005 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B23K3/06 K
   B23K1/005 A
【請求項の数】2
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-3625(P2014-3625)
(22)【出願日】2014年1月10日
(65)【公開番号】特開2015-131314(P2015-131314A)
(43)【公開日】2015年7月23日
【審査請求日】2015年11月10日
(73)【特許権者】
【識別番号】390014834
【氏名又は名称】株式会社ジャパンユニックス
(74)【代理人】
【識別番号】100119404
【弁理士】
【氏名又は名称】林 直生樹
(74)【代理人】
【識別番号】100072453
【弁理士】
【氏名又は名称】林 宏
(74)【代理人】
【識別番号】100177769
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 徹
(72)【発明者】
【氏名】河野 寛史
(72)【発明者】
【氏名】野木 達彌
【審査官】 竹下 和志
(56)【参考文献】
【文献】 特開平5−50229(JP,A)
【文献】 特開2011−143420(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B23K 1/00 − 3/08
B23K 26/00 − 26/70
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
レーザー光を導入するレーザー導入部と、レーザー光をはんだ付け対象に投射するレーザー投射口とを有し、内部に光学部品が配設されているハウジング、
線状はんだを前記はんだ付け対象に供給するはんだノズル、
前記はんだノズルを、前記ハウジングに、該ハウジングの回りを回動可能なるように取り付けるノズル取付機構、
前記ノズル取付機構を介して前記はんだノズルを回動させる駆動手段、を有し、
前記ノズル取付機構は、前記ハウジングの外周に回転自在に取り付けられて前記駆動手段で駆動、回転させられる回転部材と、該回転部材より下方位置で前記ハウジングの回りに回転自在に配設されて該回転部材に連結された円環状のノズル支持部材とを有し、該ノズル支持部材に前記はんだノズルが支持されており、
前記ハウジングには、前記回転部材の上面と側面とを覆うカバーが取り付けられ、該カバーの下端部は前記ノズル支持部材に近接する位置まで延在し、該カバーと前記ノズル支持部材とによって前記回転部材が覆われている、
ことを特徴とするレーザー用はんだ付けヘッド。
【請求項2】
前記回転部材は歯車からなり、前記駆動手段は電動モータであって、該電動モータの駆動軸に取り付けられた駆動歯車が前記回転部材に噛合していることを特徴とする請求項に記載のはんだ付けヘッド。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、はんだ付け対象にレーザー光を投射し、はんだノズルから供給される線状はんだを溶融させてはんだ付けを行うレーザー用はんだ付けヘッドに関するものである。
【背景技術】
【0002】
はんだ付け対象にレーザー光を投射し、はんだノズルから供給される線状はんだを溶融させてはんだ付けを行うレーザー用はんだ付けヘッドは、例えば特許文献1や特許文献2等に開示されているように、従来より公知である。このようなはんだ付けヘッドは、自動はんだ付け機械(はんだ付けロボット)の操作アームに取り付けて使用されるもので、はんだ付け時には、はんだ付け対象である電子部品の配置や形状等に応じて前記操作アームの位置や向きあるいは姿勢等を様々に変化させるため、前記はんだ付けヘッドの位置や向きあるいは姿勢も様々に変化することになる。
【0003】
ところが、前記従来のはんだ付けヘッドは、レーザー光を投射するためのハウジングに、前記はんだノズルを固定的な配置で取り付けているため、前記操作アームの位置や向きあるいは姿勢を様々に変化させながらはんだ付けする際に、前記はんだノズルが、電子部品や、はんだ付け装置の他の部品等に接触するおそれがあり、その場合にも、該はんだノズルの位置を変更することができないという問題があった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2002−1521号公報
【特許文献2】特開2005−254299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の目的は、はんだノズルをハウジングに可動に取り付けることにより、はんだ付け時に、前記はんだノズルの位置を、はんだ付け作業の障害にならない位置に適宜変更することができるように構成することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するため、本発明に係るレーザー用はんだ付けヘッドは、レーザー光を導入するレーザー導入部と、レーザー光をはんだ付け対象に投射するレーザー投射口とを有し、内部に光学部品が配設されているハウジング、線状はんだを前記はんだ付け対象に供給するはんだノズル、前記はんだノズルを、前記ハウジングに、該ハウジングの回りを回動可能なるように取り付けるノズル取付機構、前記ノズル取付機構を介して前記はんだノズルを回動させる駆動手段、を有し、前記ノズル取付機構は、前記ハウジングの外周に回転自在に取り付けられて前記駆動手段で駆動、回転させられる回転部材と、該回転部材より下方位置で前記ハウジングの回りに回転自在に配設されて該回転部材に連結された円環状のノズル支持部材とを有し、該ノズル支持部材に前記はんだノズルが支持されており、前記ハウジングには、前記回転部材の上面と側面とを覆うカバーが取り付けられ、該カバーの下端部は前記ノズル支持部材に近接する位置まで延在し、該カバーと前記ノズル支持部材とによって前記回転部材が覆われていることを特徴とするものである。
【0008】
本発明において、前記回転部材は歯車からなり、前記駆動手段は電動モータであって、該電動モータの駆動軸に取り付けられた駆動歯車が前記回転部材に噛合していることである。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、はんだノズルをハウジングに可動に取り付け、駆動手段で該ハウジングの回りを回動可能なるように構成したので、はんだ付け時に、前記はんだノズルを、はんだ付け作業の障害にならない位置に適宜変更することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明に係るはんだ付けヘッドの一実施形態を示す縦断面図である。
図2図1の右側面図である。
図3図1と同様の縦断面図で、はんだノズルを他の位置に移動させた状態を示す図である。
図4図3の右側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
図は本発明に係るレーザー用はんだ付けヘッドの一実施形態を示すもので、このはんだ付けヘッドは、はんだ付けロボットのアームに取り付けて使用されるもので、不図示のレーザー発振器から出力されたレーザー光3を導入してはんだ付け対象4に投射するための投射部1と、前記はんだ付け対象4をCCDカメラ5で撮像するための撮像部2とを有すると共に、前記はんだ付け対象4に線状はんだ7を供給するためのはんだノズル6を有している。
【0012】
前記投射部1は、前記レーザー光3の光軸L1に沿って図の上下に真っ直ぐ延びる主ハウジング11を有している。該主ハウジング11は、前記光軸L1に沿って上方から下方に向けて順に、第1ハウジング部分11aと第2ハウジング部分11bと第3ハウジング部分11cとを有していて、前記第1ハウジング部分11aの上端部に、前記レーザー発振器から光ファイバー14を通じてレーザー光3を導入するためのレーザー導入部13が形成され、前記第3ハウジング部分11cの下端部に、先細り状の投射ノズル15が連結されて、該投射ノズル15の先端部に、前記レーザー光3をはんだ付け対象4に向けて投射するためのレーザー投射口16が形成され、前記光軸L1が延びる光路に沿って、レンズ等の光学部品が配設されている。なお、前記光軸L1と前記主ハウジング11の軸線とは実質的に一致している。従って、以下の説明においては、前記軸線にも符号L1を付すものとする。
【0013】
前記レーザー導入部13には、前記光ファイバー14を接続するためのコネクタ17が設けられ、該コネクタ17に接続された前記光ファイバー14の先端部14aから、レーザー光3が、先広がり状態で出射されるようになっている。従って、前記光ファイバー14の先端部14aは実質的に光源としての役目を果たすものであり、このため以下の説明においては、前記レーザー導入部13における前記光ファイバー14の先端部14aを「光源」と呼ぶものとする。
【0014】
前記主ハウジング11における第1ハウジング部分11aの内部には、前記レーザー導入部13から導入された先広がり状のレーザー光3を円形の平行光又は平行光に近い形に変換する入光レンズ20が、前記光軸L1に沿って可動に設けられたレンズホルダー21に保持された状態で配設され、前記第3ハウジング部分11cの内部には、前記入光レンズ20からのレーザー光3を集光して前記レーザー投射口16からはんだ付け対象4にスポット状に投射する集光レンズ22が、前記レーザー投射口16の近くの定位置において該第3ハウジング部分11cに固定された状態で配設され、前記第2ハウジング部分11bの内部には、前記入光レンズ20から集光レンズ22に向かうレーザー光3は透過させるが、前記はんだ付け対象4から前記集光レンズ22を通して入射される可視光8は反射する半透鏡23が、前記光軸L1に対して45度傾斜する姿勢で配設されている。
【0015】
一方、前記撮像部2は、前記主ハウジング11の第2ハウジング部分11bから分岐して前記第1ハウジング部分11aと平行に延びる副ハウジング12を有し、該副ハウジング12の上端に前記CCDカメラ5が取り付けられている。また、該副ハウジング12の内部には、前記半透鏡23で水平方向に反射された平行光としての可視光8を上向きに反射する全反射鏡24と、該全反射鏡24で反射された可視光8を集光して前記CCDカメラ5に結像させる結像レンズ25とが、撮像用光軸L2に沿って配設されている。
前記主ハウジング11と副ハウジング12とは、前記はんだ付けヘッドのハウジング10を構成するものである。
【0016】
前記CCDカメラ5で撮像されたはんだ付け対象4の画像は、図示しないモニターに表示され、例えば、はんだ付けを行う前のティーチングの段階で、この画像を見ながらはんだ付け対象4に対するレーザービームの投射位置の位置決めを行うのに使用されたり、はんだ付け時にそのはんだ付けが正常に行われているか否かといったようなことを監視するのに使用される。
【0017】
前記主ハウジング11における前記第1ハウジング部分11aの、前記入光レンズ20に隣接する位置には、該入光レンズ20の位置を前記光軸L1に沿って調整するための位置調整機構28が設けられている。
前記位置調整機構28は、前記第1ハウジング部分11aの外側面に取り付けられた上方の支持部材29a及び下方の支持部材29bと、該上方の支持部材29a及び下方の支持部材29bに上端及び下端を回転自在に支持されて前記光軸L1と平行に配設された螺子軸30と、前記上方の支持部材29a上に載置された電動モータ31と、該電動モータ31の回転軸31aに取り付けられた小径の駆動歯車32と、前記螺子軸30に取り付けられて該駆動歯車32と噛合する大径の従動歯車33と、前記螺子軸30に螺合して該螺子軸30の回転により該螺子軸30に沿って移動するナット部材34と、前記入光レンズ20を保持する前記レンズホルダー21とを有し、該レンズホルダー21と前記ナット部材34とが、前記第1ハウジング部分11aの側面の縦長の窓孔35から延出する連結アーム21aを介して相互に連結されている。
【0018】
また、前記位置調整機構28は、前記上方の支持部材29aと下方の支持部材29bとに上端と下端とを支持されることによって前記螺子軸30に平行に配設されたガイド軸37と、該ガイド軸37に沿って摺動自在のスライダ38とを有し、該スライダ38が前記レンズホルダー21又はナット部材34に連結され、前記ガイド軸37とスライダ38とによって前記入光レンズ20の上下動を案内するように構成されている。前記ガイド軸37は、前記螺子軸30の両側の対称をなす位置に2つ設けることもできる。
【0019】
前記螺子軸30、ナット部材34、駆動歯車32、従動歯車33、ガイド軸37及びスライダ38は、前記上下の支持部材29a,29bに取り付けられたカバー36によって覆われていることが望ましい。
【0020】
そして、前記電動モータ31を正、逆に回転させると、前記螺子軸30が正、逆に回転し、それに伴って前記ナット部材34とレンズホルダー21とが該螺子軸30に沿って上下動し、前記入光レンズ20の位置が前記光軸L1に沿って図の上下方向に調整されるようになっている。
前記電動モータ31には、パルスモータを用いることが望ましい。このパルスモータは、回転数や回転角度等を正確に制御することができるので、前記入光レンズ20の位置を正確に把握しかつ制御することができる。しかし、前記入光レンズ20の位置を電磁的方法や光学的方法等によって検出する位置センサを別に設けることもできる。
【0021】
前記入光レンズ20は、通常、図1に示すように、前記位置調整機構28によって原点位置Aに保持されている。この原点位置Aは、前記レーザー導入部13即ち光源14aから導入された先広がり状のレーザー光3を、該入光レンズ20で前記光軸L1と平行な平行光に変換する位置であり、該入光レンズ20が原点位置Aにあるとき、該入光レンズ20の焦点は前記光源14aに一致している。また、平行光の状態で前記集光レンズ22に入射されたレーザー光3は、該集光レンズ22の焦点の位置に集光する。
【0022】
従って、前記入光レンズ20が原点位置Aに保持されている状態で、はんだ付け対象4を前記集光レンズ22の焦点の位置に配置すれば、該はんだ付け対象4に投射されるスポットSの径は最小になり、前記はんだ付け対象4を、前記集光レンズ22の焦点の位置より該集光レンズ22側に近づけて配置すれば、前記スポットSの径は、前記はんだ付け対象4を前記焦点上に配置した場合より大きくなる。
【0023】
いま、前記はんだ付け対象4が前記集光レンズ22の焦点の位置に配置されている場合に、前記入光レンズ20の位置を原点位置Aと光源14aとの間で調整することにより、前記はんだ付け対象4に投射されるレーザービームのスポットSの径を大小に調整することができる。
【0024】
即ち、前記電動モータ31で前記螺子軸30を正回転させて、図3及び図4に示すように、前記ナット部材34を該螺子軸30に沿って図の上方に移動させ、前記入光レンズ20を前記原点位置Aから光源14a側に移動させると、該光源14aが、前記入光レンズ20の焦点の位置より該入光レンズ20に近づくため、該光源14aから先広がりの状態で入光レンズ20に入射したレーザー光3は、該入光レンズ20によって平行光よりもやや拡大された拡大光の状態に変換される。そして、この拡大光の状態に変換されたレーザー光3は、そのまま半透鏡23を透過して前記集光レンズ22に入射され、該集光レンズ22で収束されて該集光レンズ22の焦点より遠くの位置に集光されることになる。このため、前記はんだ付け対象4に投射されるレーザー光3のスポットSの径は、前記入光レンズ20が原点位置AにあるときのスポットSの径より大きくなる。
【0025】
逆に、前記レーザー光3のスポットSの径を大きく調整した状態から、前記電動モータ31により前記螺子軸30を逆回転させて前記ナット部材34を該螺子軸30に沿って図の下方に移動させ、前記入光レンズ20を前記原点位置Aに近づけると、前記光源14aが該入光レンズ20から遠ざかって焦点の位置に近づくため、該入光レンズ20から出射されるレーザー光3は次第に平行光に近づいていく。このため、前記集光レンズ22によるレーザー光3の集光位置も次第に該集光レンズ22の焦点に近づくことになり、その結果、前記はんだ付け対象4に投射されるレーザー光3のスポットSの径は次第に小さくなる。
【0026】
また、前記はんだ付け対象4が、予め前記集光レンズ22の焦点の位置より該集光レンズ22に近い位置に配置されている場合にも、前記入光レンズ20の位置を調整することにより、前記はんだ付け対象4に投射されるレーザービームのスポットSの径を調整することができる。この場合、初期状態において、前記はんだ付け対象4に投射されるスポットSの径は、該はんだ付け対象4が前記集光レンズ22の焦点の位置にある場合より大きく設定されているが、前記入光レンズ20を原点位置Aから前記集光レンズ22に近づく方向(光源14aから遠ざかる方向)に変位させることにより、前記スポットSの径を小さく調整することができる。なお、図示した実施形態では、前記入光レンズ20の原点位置Aが第1ハウジング部分11aの下端部近くに設定されているが、該入光レンズ20を前述したように原点位置Aから前記集光レンズ22に近づく方向に変位させるように構成する場合には、その移動が可能な位置に前記原点位置Aが設定される。
【0027】
そして、前記電動モータ31を逆方向に回転させ、前記入光レンズ20を前記原点位置Aから前記集光レンズ22に近づく方向に移動させると、該入光レンズ20の焦点から光源14aが遠ざかるため、該光源14aから先広がりの状態で該入光レンズ20に入射したレーザー光3は、該入光レンズ20によって平行光よりもやや収束された収束光の状態に変換される。そして、この収束光の状態に変換されたレーザー光3は、そのまま半透鏡23を透過して前記集光レンズ22に入射され、該集光レンズ22で更に収束されて該集光レンズ22の焦点より手前の位置に集光されることになる。このため、前記はんだ付け対象4に投射されるレーザー光3のスポットSの径は小さくなる。
【0028】
このように、前記入光レンズ20の位置を光軸L1に沿って調整することにより、はんだ付けヘッドとはんだ付け対象4との距離を相対的に変化させることなく、該はんだ付け対象4に投射されるレーザー光3のスポットSの径を調整することができる。
【0029】
一方、前記はんだ付け対象4は、前記CCDカメラ5により、前記半透鏡23及び集光レンズ22を通じて常時撮像され、その状態が監視されているが、前記レーザー光3のスポットSの径の調整は、前記入光レンズ20の位置を調整することにより行われ、前記集光レンズ22は一定の位置に固定されたまま移動しないので、該集光レンズ22の焦点の位置も変化することはなく、このため、前記CCDカメラ5によるはんだ付け対象4の撮像に影響が及ばない。
【0030】
また、前記はんだノズル6は、不図示のはんだ供給装置からチューブ6bを通じて送られる線状はんだ7を、先端の供給口6aから前記はんだ付け対象4に向けて必要量ずつ供給するもので、前記ハウジング10に、ノズル取付機構40を介して、該ハウジング10の回りを回動可能なるように取り付けられ、駆動手段41で駆動されるように構成されている。
【0031】
前記ノズル取付機構40は、前記第3ハウジング部分11cの外周にベアリング42を介して前記軸線L1を中心に回転自在なるように取り付けられた回転部材43を有している。該回転部材43には、前記第3ハウジング部分11cの回りを回転自在の円環状をしたノズル支持部材47が、前記回転部材43の下面に固定された円環状の連結部材48を介して連結され、前記ノズル支持部材47の一端に、上下方向に延びる支持杆49が、螺子50で上下方向に位置調整可能に取り付けられ、該支持杆49の先端に、連結軸49aを中心に角度調整可能なるようにノズル取付具51が連結され、該ノズル取付具51に、前記はんだノズル6が、連結軸51aを中心に傾斜角度を調整可能なるように連結されている。
前記ノズル支持部材47及び連結部材48のうち少なくとも一方は、前記円環状以外の形状、例えばアーム形をしていても良い。
【0032】
図示した実施形態において、前記回転部材43は歯車により形成され、また、前記駆動手段41は電動モータ44により形成されていて、該電動モータ44が、第2ハウジング部分11bの外側面に固定された支持台45上に載置され、該電動モータ44の駆動軸44aに取り付けられた駆動歯車46が、前記回転部材43の外周の歯に噛合している。前記電動モータ44にはパルスモータを用いることが望ましい。
【0033】
前記電動モータ44の駆動軸44aと、駆動歯車46と、回転部材43と、連結部材48とは、前記ハウジング10に取り付けたカバー52で覆われている。
【0034】
そして、前記電動モータ44を正逆方向に必要な角度回転させることにより、前記回転部材43が従動回転し、それに追随して前記ノズル支持部材47が正逆に回転することにより、該ノズル支持部材47に支持された前記はんだノズル6が、図1及び図4に示すように、前記ハウジング10の回りを正逆方向に必要な角度回動するようになっている。
【0035】
このように前記はんだノズル6をハウジング10の回りで回動させる理由は、前記はんだ付けヘッドを用いてはんだ付け対象4をはんだ付けする際に、該はんだ付けヘッドの位置及び姿勢等を、はんだ付け対象4である電子部品の配置や形状等に応じて様々に変更するが、その場合に、前記はんだノズル6が電子部品やはんだ付け装置に付随する他の部品等に接触するのを防止するためである。
【符号の説明】
【0036】
3 レーザー光
4 はんだ付け対象
10 ハウジング
13 レーザー導入部
16 レーザー投射口
20 入光レンズ
22 集光レンズ
23 半透鏡
40 ノズル取付機構
41 駆動手段
43 回転部材
44 電動モータ
44a 駆動軸
46 駆動歯車
47 ノズル支持部材
図1
図2
図3
図4