(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記選択されたグループのうちの少なくとも1つに関して、前記1つ又は複数の要求によって前記少なくとも1つのグループに関連する電気エネルギー消費を低減することになる、請求項1に記載の方法。
前記選択されたグループのうちの少なくとも1つに関して、前記1つ又は複数の要求によって前記少なくとも1つのグループに関連する電気エネルギー提供を増加することになる、請求項1に記載の方法。
電気エネルギーを消費するように構成された電気デバイスの場合、前記1つ又は複数の要求によって、前記関連する時間間隔の間、前記電気デバイスが前記配電網から消費する電気エネルギーの量が減少し、電気エネルギーを提供するように構成された電気デバイスの場合、前記1つ又は複数の要求によって、前記関連する時間間隔の間、前記電気デバイスによって前記配電網に提供される電気エネルギーの量が増加する、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
電気エネルギーを消費するように構成された電気デバイスの場合、前記1つ又は複数の要求によって、前記関連する時間間隔の間、前記電気デバイスが前記配電網から開放され、電気エネルギーを提供するように構成された電気デバイスの場合、前記1つ又は複数の要求によって、前記関連する時間間隔の間、前記電気デバイスが前記配電網に接続される、請求項4に記載の方法。
前記1つ又は複数の選択された電気デバイスが電気エネルギー発生器を備え、前記1つ又は複数の要求によって前記電気エネルギー発生器による電気エネルギー発生が増加することになる、請求項1〜5のいずれか一項に記載の方法。
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスのエネルギー回復特性に関するエネルギー回復情報を含み、複数のグループの前記選択が、前記エネルギー回復情報に基づいて実施される、請求項1〜8のいずれか一項に記載の方法。
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスに関する所有権情報を含み、複数のグループの前記選択が、前記所有権情報に基づいて実施される、請求項1〜9のいずれか一項に記載の方法。
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスに関する動作特性情報を含み、複数のグループの前記選択が、前記動作特性情報に基づいて実施される、請求項1〜10のいずれか一項に記載の方法。
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスのデバイスタイプに関する情報を含み、複数のグループの前記選択が、前記デバイスタイプに関する情報に基づいて実施される、請求項1〜11のいずれか一項に記載の方法。
前記プロファイル情報が、所与の電気デバイスが電気エネルギーを消費するように構成されているかどうか、又は前記所与の電気デバイスが電気エネルギーを提供するように構成されているかどうかの指示を含む、請求項1〜12のいずれか一項に記載の方法。
前記デバイス識別子を使用して、前記電気デバイスの電気エネルギー消費及び/又は提供パターンを前記制御ノードで監視し、それにより前記電気デバイスに関連する電気エネルギー消費/提供パターンに関する統計的情報をコンパイルするステップと、
前記統計的情報を前記デバイスデータベースに記憶するステップと、
前記統計的情報に基づいて電気デバイスをグループに割り当てるステップと
を含む、請求項18に記載の方法。
前記制御ノードが中央ノードと通信するように構成され、前記中央ノードが、前記電気デバイスのそれぞれに関連するユーザを識別するユーザデータベースを備える、請求項18又は19に記載の方法。
前記デバイスデータベースが、前記デバイス識別子とは異なる複数のさらなる識別子を記憶するように構成され、前記さらなる識別子がそれぞれ、対応する電気デバイスを識別し、前記ユーザデータベースが前記さらなる識別子を含む、請求項20に記載の方法。
前記要求が前記定義済み規則と両立するかどうかの決定に基づいて前記要求を前記電気デバイスに引き渡すかどうかを前記ゲートウェイで決定するステップを含む、請求項25に記載の方法。
前記要求のうちの1つ又は複数が前記定義済み規則と両立しない場合、前記デバイスデータベースを更新するステップを含む、請求項25〜27のいずれか一項に記載の方法。
前記エネルギー管理基準が、時間依存電気エネルギー市場価格、平衡管理サービス及び制約管理サービスのうちの少なくとも1つに関する財務データを含む、請求項29又は請求項30に記載の方法。
プロファイル情報がデバイスデータベースに記憶されている前記電気デバイスが、異なるユーザアカウントに関連付けられ、前記中央ノードが、前記ユーザが前記アカウントにアクセスし、前記デバイスデータベースに記憶されている情報を変更するためのユーザインタフェースを備える、請求項33に記載のシステム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
したがって、配電網におけるエネルギー消費をより有効な方法で管理する要求が増加している。ユーザに対する価格決定情報及び他の情報の提供を含む、この問題に対する手法の場合、ユーザには、例えばスマートメータでエネルギー料金を監視し、電気供給者からの価格信号に対して応答することが求められている。しかしながら、これは、監視を実施するユーザに少なからぬ負担を強いている。他の手法には、配電網における電気消費デバイスを中央位置で遠隔監視し、需要が多い時間帯の間、これらのデバイスを不能にするコマンドを送る方法が含まれている。しかしながら、この手法は、ユーザに少なからぬ不便を強いる恐れがあり、ユーザはそのデバイスを長時間にわたって使用することができなくなる可能性がある。
【0005】
本発明の目的は、従来技術のこれらの問題のいくつかを少なくとも緩和することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の態様によれば、複数の電気デバイスが分散しているある地理上の地域に電気エネルギーを供給する配電網における電気エネルギー消費を制御する方法が提供され、電気デバイスのそれぞれは、配電網から提供される電気エネルギーを消費するべくこの配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が増加し、及び/又はこれらの電気デバイスのそれぞれは、配電網に電気エネルギーを提供するべくこの配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が減少し、この方法は、
前記地域における前記電気デバイスに関するプロファイル情報を含んだデバイスデータベースを維持するステップと、
配電網によって供給される電気エネルギーの消費を制御すべき時間期間を識別するステップと、
前記プロファイル情報に基づいて、前記地域に位置している前記電気デバイスの複数のグループを選択するステップであって、それぞれの前記グループが複数の前記電気デバイスを備える、ステップと、
1つ又は複数の時間間隔と選択されたグループのそれぞれを関連付けるステップであって、所与の選択されたグループに関連する1つ又は複数の時間間隔が、他の選択されたグループに関連する1つ又は複数の時間間隔とは異なり、それぞれの前記時間間隔が、関連するグループの正味電気エネルギー消費を制御すべき前記時間期間の時間間隔である、ステップと、
電気デバイスによる電気エネルギー消費及び/又は提供を制御するように、1つ又は複数の要求(リクエイト)を送って、選択されたグループの電気デバイスで受け取るステップであって、それによりそれぞれの関連する時間間隔の間、前記地域における電気エネルギーの正味消費が低減される、ステップと
を含む。
【0007】
いくつかの実施形態では、選択されたグループのうちの少なくとも1つに関して、1つ又は複数の要求によって前記少なくとも1つのグループに関連する電気エネルギー消費を低減することになる。
【0008】
いくつかの実施形態では、選択されたグループのうちの少なくとも1つに関して、1つ又は複数の要求によって前記少なくとも1つのグループに関連する電気エネルギー提供を増加することになる。
【0009】
電気デバイスの異なるグループのエネルギー消費を異なる時間に制御することにより、配電網内の制御ノードは、所与の時間期間における正味エネルギー消費を低減することができる。時間期間を異なる時間間隔に分割し、各時間間隔で、異なるグループを制御することにより、ある電気デバイスの個別のどのユーザに対しても、又はデバイスのどのグループのユーザに対しても重大な不便をもたらすことなく、エネルギー消費の正味低減を達成することができる。さらに、各時間間隔で、異なるグループを制御することにより、異なる時間期間に配電網内で消費される総電気エネルギーの変化がより小さくなるようにエネルギー消費を適合させることができる。グループ及びそれらの制御は、非調整方式で個別のデバイスを制御することによっては恐らく不可能であろう程度まで、エネルギー消費パターンを制御するように調整することができる。
【0010】
いくつかの実施形態では、この方法は、電気エネルギーを消費するように構成された電気デバイスの場合、関連する時間間隔の間、その電気デバイスによって消費される電気エネルギーの量を低減するステップを含み、電気エネルギーを提供するように構成された電気デバイスの場合、関連する時間間隔の間、その電気デバイスによって提供される電気エネルギーの量を増加するステップを含む。
【0011】
いくつかの実施形態では、この方法は、関連する時間間隔の間、電気エネルギーを消費するように構成された電気デバイスを開放するステップを含み、関連する時間間隔の間、電気エネルギーを提供するように構成された電気デバイスを接続するステップを含む。
【0012】
いくつかの実施形態では、1つ又は複数の選択される電気デバイスは、電気エネルギー発生器を備えており、1つ又は複数の要求によって、その電気エネルギー発生器による電気エネルギー発生が増加することになる。
【0013】
いくつかの実施形態では、関連する1つ又は複数の時間間隔は、正味エネルギー消費が低減されるグループが前記時間期間全体を通して連続的に変更されるように構成されている。
【0014】
いくつかの実施形態では、所与の前記電気デバイスのためのプロファイル情報は、所与の電気デバイスを制御するための可用性に関しており、所与の電気デバイスの割当ては、所与の前記時間間隔の間、制御するために所与の電気デバイスを利用することができるかどうかに基づいて実施される。
【0015】
いくつかの実施形態では、プロファイル情報は、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスのエネルギー回復特性に関するエネルギー回復情報を含み、複数のグループの前記選択は、エネルギー回復情報に基づいて実施される。
【0016】
いくつかの実施形態では、プロファイル情報は、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスに関する所有権情報を含み、複数のグループの前記選択は、所有権情報に基づいて実施される。
【0017】
いくつかの実施形態では、プロファイル情報は、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスに関する動作特性情報を含み、複数のグループの前記選択は、動作特性情報に基づいて実施される。
【0018】
いくつかの実施形態では、プロファイル情報は、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスのデバイスタイプに関する情報を含み、複数のグループの前記選択は、デバイスタイプ情報に基づいて実施される。
【0019】
いくつかの実施形態では、プロファイル情報は、所与の電気デバイスが電気エネルギーを消費するように構成されているかどうか、又は所与の電気デバイスが電気エネルギーを提供するように構成されているかどうかの指示を含む。
【0020】
いくつかの実施形態では、プロファイル情報は、電気デバイスに関連するエネルギー消費及び/又は提供の量を示すエネルギー量インディケータを含み、この方法は、
前記時間期間の間に低減すべきエネルギー消費の正味量を識別するステップと、
エネルギー量インディケータに基づいて電気デバイスをグループに割り当てるステップと
を含む。
【0021】
いくつかの実施形態では、プロファイル情報は、所与の電気デバイスの位置を示す位置インディケータを含み、この方法は、
電気エネルギー消費を制御すべき所与の地域を識別するステップであって、所与の地域が配電網によって供給される前記地域であるステップと、
前記位置インディケータに基づいて、前記地域に位置している前記電気デバイスの複数の前記グループを選択するステップと
を含む。
【0022】
いくつかの実施形態では、この方法は、所与の地域に関連する制御ノードで前記デバイスデータベースを維持するステップを含む。
【0023】
いくつかの実施形態では、この方法は、1つ又は複数の要求を前記制御ノードから送るステップを含む。
【0024】
いくつかの実施形態では、デバイスデータベースは、前記所与の地域に位置している電気デバイスを識別するデバイス識別子を含んでいる。いくつかの実施形態では、この方法は、デバイス識別子を使用して、電気デバイスの電気エネルギー消費及び/又は提供パターンを制御ノードで監視し、それにより電気デバイスに関連する電気エネルギー消費/提供パターンに関する統計的情報を集計するステップと、デバイスデータベースに記録すべき統計的情報を中央ノードに提供するステップと、統計的情報に基づいて電気デバイスをグループに割り当てるステップとを含む。統計的情報を識別可能電気デバイス毎に中央ノードに提供して戻すことにより、配電網内で動作しているすべての電気デバイスの挙動の、正確で、最新の統計的モデルを維持することができ、したがって制御ノードによって実施される決定の信頼性及び有効性が改善される。
【0025】
いくつかの実施形態では、制御ノードは中央ノードと通信するように構成されており、中央ノードは、電気デバイスのそれぞれに関連するユーザを識別するユーザデータベースを備える。デバイスデータベースは、前記デバイス識別子とは異なるさらなる識別子であって、対応する電気デバイスをそれぞれ識別するさらなる識別子を記憶するように構成されていてもよく、ユーザデータベースは、前記さらなる識別子を含んでいる。これらの特徴により、個別のデバイスに関するデータをユーザデータベースとデバイスデータベースの間で共有することができ、それにより例えばユーザデータベースで実施された変更をユーザに関する個人データを制御ノードに局所的に記憶する必要を全く伴うことなくデバイスデータベースに反映することができる。
【0026】
いくつかの実施形態では、この方法は、さらなる識別子を変更するステップを含む。このステップは例えば毎日実施することができ、程度が改善された匿名性をユーザに提供する。
【0027】
いくつかの実施形態では、複数の電気デバイスは、前記地域の複数の地所にわたって分散している。これらの複数の地所のそれぞれは、配電フィーダを経て配電網に接続することができる。
【0028】
いくつかの実施形態では、この方法は、所与の前記複数の地所に関連するエネルギー管理システム内のゲートウェイを経て、1つ又は複数の前記要求を送って電気デバイスで受け取るステップを含み、前記エネルギー管理システムは、ゲートウェイに関連するデバイスを制御するために、所与の地所における電気デバイスによる電気エネルギー消費及び/又は提供を定義済み規則に従って制御するように構成されている。
【0029】
いくつかの実施形態では、この方法は、これらの要求が定義済み規則と両立するかどうかの決定に基づいてこれらの要求を電気デバイスに引き渡すかどうかをゲートウェイで決定するステップを含む。
【0030】
いくつかの実施形態では、この方法は、1つ又は複数の所定の時間に実行するために1つ又は複数の前記要求をバッファリングするステップを含む。
【0031】
いくつかの実施形態では、この方法は、これらの要求のうちの1つ又は複数が前記定義済み規則と両立しない場合、デバイスデータベースを更新するステップを含む。
【0032】
いくつかの実施形態では、この方法は、
前記プロファイル情報に基づいて、電気デバイスを割り当てて複数のモデルを生成するステップと、
複数のモデルを1つ又は複数のエネルギー管理基準に対して評価するステップと、
前記評価に基づいて好ましいモデルの1つ又は複数の特性を決定するステップと、
決定された特性に少なくとも部分的に基づいてグループの前記選択を実施するステップと
を含む。
【0033】
いくつかの実施形態では、決定は、前記生成された複数のモデルを補間及び/又は補外して、前記1つ又は複数の特性を決定するサブステップを含む。
【0034】
いくつかの実施形態では、エネルギー管理基準は、時間依存電気エネルギー市場価格、平衡管理サービス及び制約管理サービスのうちの少なくとも1つに関する財務データを含む。
【0035】
本発明の第2の態様によれば、複数の電気デバイスが分散しているある地域に電気エネルギーを供給する配電網における電気エネルギー消費を制御するための制御ノードが提供され、電気デバイスのそれぞれは、配電網から提供される電気エネルギーを消費するべくこの配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が増加し、及び/又はこれらの電気デバイスのそれぞれは、配電網に電気エネルギーを提供するべくこの配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が減少し、この制御ノードは、
要求を送って電気デバイスで受け取るため、及び前記電気デバイスのそれぞれに関するプロファイル情報を記憶するように構成されたデバイスデータベースを備えた中央ノードと通信するための通信手段と、
配電網における電気エネルギー消費を制御すべき時間期間の指示を受け取るように構成された入力手段と、
処理手段であって、
前記プロファイル情報に基づいて前記電気デバイスの複数のグループを選択することであって、それぞれの前記グループが複数の前記電気デバイスを備える、選択すること、
1つ又は複数の時間間隔と選択されたグループのそれぞれを関連付けることであって、所与の選択されたグループに関連する1つ又は複数の時間間隔が、他の選択されたグループに関連する1つ又は複数の時間間隔とは異なり、それぞれの前記時間間隔が、関連するグループの正味電気エネルギー消費を制御すべき前記時間期間の時間間隔である、関連付けること、並びに
電気デバイスによる電気エネルギー消費及び/又は提供を制御するように、通信手段を通して、1つ又は複数の要求を送って、選択されたグループの電気デバイスで受け取ることであって、それによりそれぞれの関連する時間間隔の間、前記地域における電気エネルギーの正味消費が低減される、受け取ること
を行うように構成された処理手段と
を備える。
【0036】
本発明の第3の態様によれば、複数の電気デバイスが分散しているある地域に電気エネルギーを供給する配電網における電気エネルギー消費を制御するシステムが提供され、電気デバイスのそれぞれは、配電網から提供される電気エネルギーを消費するべくこの配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が増加し、及び/又はこれらの電気デバイスのそれぞれは、配電網に電気エネルギーを提供するべくこの配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が減少し、このシステムは、
地域の異なる地域にそれぞれが関連する複数の制御ノードと、
前記中央ノードと
を備える。
【0037】
いくつかの実施形態では、プロファイル情報がデバイスデータベースに記憶されている電気デバイスは異なるユーザアカウントに関連付けられ、中央ノードは、前記ユーザが前記アカウントにアクセスし、デバイスデータベースに記憶されている情報を変更するためのユーザインタフェースを備える。この特徴により、ユーザは、ユーザが実時間で所有している電気デバイスの所望の動作特性を修正することが可能になり、それによりシステムがデバイスの使用を不便に制限するのを防止することができる。
【0038】
本発明の他の特徴及び利点は、単なる一例にすぎず、添付の図面を参照してなされる本発明の好ましい実施形態についての以下の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための形態】
【0040】
図2は、本発明の一実施形態を実施することができる配電網を示したものである。配電網は、1つ又は複数の制御ノード202に接続された中央ノード200を備えており、これらの1つ又は複数の制御ノード202は、それぞれある地域、例えば国、地方、州、郵便番号又は電気市場領域、或いは複数のユーザ地所(すなわち複数の住宅又は仕事場)を含んだ任意の他の地域をカバーしている。複数の制御ノード202のそれぞれは、電力線路206によって、変電所及び/又は配電フィーダを経て、以下、複数の電気デバイス208と呼ぶエネルギー消費/提供デバイス208a〜208lに接続されている。これらの電気デバイス208a〜208lのそれぞれは、電気エネルギーを消費及び/又は提供している。電気エネルギーを消費するこれらの電気デバイス208のいくつかの例には、電気湯沸し器、空調装置及び洗濯機などの家庭用機器、並びに工場機械類などの産業用デバイスがある。電気エネルギーのプロバイダのいくつかの例には、太陽パネル及び風力タービンなどの電気エネルギー発生器、及び電池などの電気貯蔵デバイスがある。個人用電気車両(PEV)などのさらに他の複数の電気デバイス208は、ある時は電気エネルギーを消費することができ、また、ある時は電気エネルギーを提供することができ、PEVは、典型的には大量の電気を貯蔵する能力を有しており、また、これらのPEVが静止している場合に電力網に接続して、電力の需要が多い時間帯であればその電力網に対する電力源としてそれらを使用することも可能であり、このような場合、これらのPEVの電池に貯蔵されている電気が電力網に逆に供給される。
【0041】
「電気デバイス」という用語は、本明細書においては、個別の複数の機器又はデバイス、並びに特定の事業地所又は家などのこのような複数の機器及びデバイスの集合を含むべく使用されている。それぞれの電気デバイス208a〜208lは、デバイスの所有者が制御スキームオペレータに、電気デバイス208a〜208lへの/電気デバイス208a〜208lからのエネルギー伝達の制御の許可を与える制御スキームに登録される。
【0042】
簡潔にするために
図2には12個の電気デバイス208a〜208lしか示されていないが、実際には配電網は、典型的には数百又は数千のこのようなデバイスを備えることができることは理解されよう。
【0043】
登録されたそれぞれの電気デバイス208a〜208lは、電気デバイス208a〜208lへの/電気デバイス208a〜208lからのエネルギーの伝達(すなわち提供及び/又は消費)を制御する関連する電気デバイス制御ユニット210a〜210lを有している。
図3は、1つの電気デバイス208及び1つの電気デバイス制御ユニット210の一例示的構造を示したものである。電気デバイス制御ユニット210は、配電網102への/配電網102からの電気デバイス208のエネルギー消費/提供を低減/増加するための制御要素304、並びにスマートメータ302の形態の測定デバイスを含む。制御要素304は、配電網102及び/又は任意の電気手段又は電子手段に/配電網102及び/又は任意の電気手段又は電子手段から電気デバイス208を接続/開放するためのスイッチを備えることができ、それにより電気デバイス208の複数の機能設定点による、電気デバイス208(例えばサーモスタット又は湿度センサ、照度センサ、圧力センサ及び赤外線センサ、等々)による電気消費/提供の変更を可能にすることができる。電気デバイス制御ユニット210は、通信インタフェース306を通して制御ノード202から命令を受け取り、通信インタフェース306を通して制御ノード202に計器測値を送るように構成されている。電気デバイス制御ユニット210は、スマートメータ302、制御要素304及び通信インタフェース306の機能を制御するように構成されたプロセッサ308を備える。電気デバイス制御ユニット210は、
図3にはこれらの電気デバイス208とは別のデバイスとして示されているが、いくつかの実施形態では、これらの電気デバイス制御ユニット210は、これらの電気デバイス208と一体である。
【0044】
図4は、中央ノード200の複数の例示的構成要素を示したものである。中央ノード200は、クロック402、プロセッサ404の形態の処理手段、ユーザデータベース406、通信インタフェース408の形態の通信手段及びユーザインタフェース410の形態の入力手段を備える。
【0045】
ユーザデータベース406は、ユーザ情報を含んだ複数のユーザアカウントを記憶している。
図5は、ユーザデータベース406の一例示的記録構造を示したものである。ユーザデータベース406には、ユーザ識別子502、名称504、アドレス506、パスワード508、及びそれぞれのユーザによって所有される複数の電気デバイス208のリストからなるデバイス欄510が含まれている。ユーザデータベース406に記録されている電気デバイス208毎に、電気デバイス208を識別するための関連するデバイス識別子512、本明細書においては「擬似識別子」と呼ばれている、同じく電気デバイス208を識別する他の識別子514、電気デバイス208に関連する位置を識別する位置識別子516、ユーザ定義可用性518及び複数のデバイスエネルギー回復特性520などの複数のデバイス動作特性及び統計的プロファイル522が記憶されている。複数のデバイス動作特性は、電気デバイス208のデバイスタイプ(すなわちデバイスが例えば空調装置であるか、冷蔵庫であるか、又は投込み電熱器であるか)を定義することも可能である。ユーザデータベース406は、銀行詳細及び/又はユーザの住所又は電話番号などの連絡詳細を含むことも可能である。ユーザデータベース406に記憶されている情報の使用については、以下でより詳細に説明する。
【0046】
ユーザインタフェース410は、ADSL、GSM及び/又は3Gなどの固定通信手段又は無線通信手段を通して、ユーザに/ユーザから情報を送り、受け取るように構成されている。ユーザは、ユーザインタフェース410を通して、ユーザデータベース406に記憶されているパスワードの正確な入力などによる認証手段及びアクセス制御機構を使用してユーザデータベース406にアクセスし、更新することができる。ユーザは、ユーザインタフェース410を通して、1つ又は複数の電気デバイス208を自身のユーザアカウントに登録することができ、及び/又は電気デバイスに関連するユーザデータベース406に記憶されている情報を更新することができる。
【0047】
図6は、制御ノード202の複数の例示的構成要素を示したものである。制御ノード202は、クロック602、プロセッサ604の形態の処理手段、デバイスデータベース606、通信インタフェース608の形態の通信手段及びネットワークインタフェース610の形態の入力手段を備える。
【0048】
デバイスデータベース606には、通信インタフェース408と608の間で確立することができる通信リンクを通して制御ノード202と通信することができるユーザデータベース406の一部が含まれている。
図7は、デバイスデータベース606の一例示的記録構造を示したものである。デバイスデータベース606には、複数の電気デバイス208に関する、デバイス識別子702、擬似識別子704、デバイス位置706、ユーザ定義可用性708及び複数のデバイスエネルギー回復特性710などの複数のデバイス動作特性、及びそれぞれの電気デバイス208のエネルギー消費/提供に関する複数のデバイス統計量712を記録するための欄などのプロファイル情報が含まれている。典型的にはデバイスデータベース606には、ユーザに関する情報は全く含まれていない。
【0049】
ネットワークインタフェース610は、所与の時間期間の間、所与の地域におけるエネルギー消費を制御するように、制御スキームオペレータなどのパーティから複数の命令を受け取るように構成されている。ネットワークインタフェース610は、ADSL、GSM及び/又は3Gなどの固定通信手段又は無線通信手段を通してこれらの情報を受け取るように構成されている。
【0050】
制御ノード202は、これらの命令を受け取ると、以下でより詳細に説明するように、通信インタフェース608を通して、制御ノードに関連する地域の複数の電気デバイス208に複数の要求を送るように構成されている。これらの要求は、デバイスデータベース606に記憶されている複数のデバイス識別子702を使用して送ることができ、これらのデバイス識別子702は、IPアドレスなどのネットワークアドレスを含むことができ、それによりこれらの要求を送るために複数の電気デバイス208を識別することができる。複数の電気デバイス208及び/又はそれらの関連する複数の電気デバイス制御ユニット210は、制御ノード202から複数の要求及び他の情報を受け取り、制御ノード202に情報を送るための通信インタフェース306を含む。本明細書においては、簡潔にするために、情報を受け取る、及び/又は送る複数の電気デバイス208が参照されており、複数の電気デバイス制御ユニット210は参照されていないが、このような参照がなされている場合、その参照には、関連する電気デバイス制御ユニット210に送られ、及び/又は関連する電気デバイス制御ユニット210から送られる情報が同じく含まれていることは理解されよう。
【0051】
制御ノード202は、制御ノード202の制御下にある個別の複数の電気デバイス208のエネルギー使用に関する統計的データを収集するように構成されていてもよい。上で言及したように、電気流制御ユニット210はスマートメータ302を含むことができ、関連する電気デバイス208のエネルギー消費に関するデータを制御ノード202に通信することができ、それにより制御ノード202は、例えば一日のうちの電気デバイス208が頻繁に使用される(したがって電気エネルギーが消費及び/又は提供される)時間帯、電気デバイス208が消費又は提供するエネルギーの量、等々に関する統計的データを蓄積することができる。この統計的情報は、デバイスデータベース606の「記録統計量」欄712に記憶することができる。また、この統計的情報は、ユーザデータベース406の統計的プロファイル欄522に記憶するために中央ノード200に通信することも可能である。
【0052】
デバイスデータベース606に記憶されるデータのいくつかは、ユーザによって提供されると、中央ノード200のユーザデータベース406から受け取られ、例えば複数の位置インディケータ516及びユーザ定義デバイス可用性518は、典型的にはこの方法でデバイスデータベース606に提供される。上で言及した複数の擬似識別子514は、この目的のために使用される。デバイスデータベース606に記憶されている所与の電気デバイス208の複数の擬似識別子704は、ユーザデータベース406内の前記所与の電気デバイス208の複数の擬似識別子514と同じであるか、又はこれらの擬似識別子514に対応している。例えばユーザがユーザインタフェース410を通してユーザの複数のデバイスのうちの1つ又は複数に関連する可用性などの情報を変更したためにユーザデータベース406に記憶されている情報を変更する場合、中央ノード200のプロセッサ404は、通信インタフェース408を通してこの変更を制御ノード202に通信することができる。データの変更は、対応する電気デバイス208の擬似識別子を使用して通信され、それにより制御ノード202のプロセッサ604は、デバイスデータベース606内の関連する電気デバイス208を識別し、デバイスデータベース606内の対応する項目に対する必要な変更を実施することができる。同様に、関連する電気デバイスを識別するための擬似識別子を使用して、特定の電気デバイス208に関する、制御ノード202から中央ノード200に送られるすべてのデータを送ることができる。
【0053】
この方法で複数の擬似識別子を使用することにより、以下の理由でデータの機密保護が改善される。第1に、これらの擬似識別子は、制御ノード202と個別の複数の電気デバイス208との間の通信のために使用される複数のデバイス識別子とは異なるため、非道な第3のパーティが通信を監視して、通信が関係している複数の電気デバイス208の位置又は何らかの他の特性を決定することがより困難である。第2に、これらの擬似識別子は、複数のデバイス識別子とは対照的に、それら自体は、例えば問題の電気デバイスのネットワーク位置に関する情報を全く提供しない。例えばある電気デバイス208の可用性情報が通信されている状況では、電気デバイスの位置及び制御すべき利用可能な時間の両方を何らかの通信で「盗聴」する可能性のある第3のパーティにオープンにすることは明らかに望ましくなく、後者の制御すべき利用可能な時間は、その電気デバイスが位置している地所がその時間に占有されないことを示すことができるため、これは有利である。これらの擬似識別子は、データの機密保護をさらに改善するために定期的に変更することができ、例えば毎日変更することができる。
【0054】
中央ノード200と複数の制御ノード202の間の通信は、典型的には通信インタフェース408、608を経ている。
【0055】
図8は、制御ノード202が所与の時間期間の間、所与の地域におけるエネルギー消費を制御する方法を示したものである。以下の説明では、様々なアクションを実施する制御ノード202が参照されている。簡潔にするために省略されているが、これらのアクションは、典型的には、適切である場合、クロック602と共にプロセッサ604によって実施されることは理解されよう。
【0056】
ステップ800で制御ノード202は、制御ノード202に関連する地域におけるエネルギー消費を制御すべき所与の地域を識別し、典型的にはこの識別は、ネットワークインタフェース610を通して受け取る複数の命令に基づいて実施される。例えば制御ノードが国と結合している場合、制御スキームオペレータは、都市、街路、郵便番号、又は複数のユーザ地所(すなわち複数の住宅又は仕事場)を含んだ任意の他の地域などの特定の地理上の領域におけるエネルギー消費を制御するように複数の命令を制御ノード202に送ることができる。ステップ802で制御ノード202は、エネルギー消費を制御すべき時間期間(例えば一日のうちの時間帯)を識別し、この場合も、ネットワークインタフェース610を通して受け取られる複数の命令は、この情報を含むことができる。
【0057】
ステップ804で制御ノード202は、識別された地域及び時間期間に基づいて複数の電気デバイス208の複数のグループを選択する。複数の電気デバイス208は、識別された地域に位置している複数の電気デバイスのみが選択されるよう、デバイスデータベース606に記憶されている複数の位置インディケータに基づいて選択される。制御ノード202は、複数のグループに割り当てるために、デバイスデータベース606に記憶されているユーザ定義可用性及び/又は複数のエネルギー回復特性に関する情報を使用することも可能である。いくつかの実施形態では、先行する時間期間からの統計的情報が制御ノード202によって使用され、それにより所与の電気デバイス208の可用性が決定される。ステップ806で制御ノード202は、時間期間を複数の時間間隔に分割する。ステップ808で制御ノードは、選択された複数のグループのそれぞれと1つ又は複数の時間間隔を関連付け、異なる時間間隔が異なるグループに関連付けられる。所与のグループに関連する時間間隔は、そのグループの電気エネルギー消費/提供を制御すべき時間期間の時間間隔である。
【0058】
ステップ810で制御ノード202は、それぞれの時間間隔の間に、エネルギー消費を制御するように1つ又は複数の要求を所与の地域のその時間間隔に関連する複数のグループのそれぞれの複数の電気デバイス208に送る。これらの要求は、複数の電気デバイス208によって受け取られ、例えば電気デバイス制御ユニット210に制御要素304を動作させ、それにより電気デバイス208による電気エネルギー消費を低減するか、又は電気エネルギー提供を増加することによって、それぞれの時間間隔におけるそれぞれのグループによる電気エネルギーの正味消費が減少、及び/又は電気エネルギーの提供が増加することになる。複数のエネルギーデバイス208の所与のグループの正味エネルギー消費は、ここでは、所与のグループの複数の電気デバイス208によって消費されるエネルギーの総量と、所与のグループの複数の電気デバイス208によって提供されるエネルギーの量の差として定義されており、言い換えると電気デバイス208によって提供される(例えば生成される)エネルギーは、等価量のエネルギーの「負の消費」として定義されている。したがって正味電気エネルギー消費の低減は、複数の電気デバイス208が電気エネルギーを消費するように構成されている場合、これらの電気デバイス208を配電網102から開放するか、さもなければ電気デバイス208の電気エネルギー消費量を低減することによって達成することができ、及び/又は複数の電気デバイス208が電気エネルギーを提供するように構成されている場合、これらの複数の電気デバイス208を配電網102に接続するか、さもなければ電気デバイス208の電気エネルギー提供量を増加することによって達成することができる。
【0059】
上で説明した例示的方法では、ステップ804で複数の位置インディケータに基づいて複数の電気デバイスが選択されているが、いくつかの実施形態では、この選択は、別法又は追加として、上で説明したようにデバイスデータベース606に記憶されているプロファイル情報などの複数の電気デバイスに関する他のプロファイル情報に基づいて実施することも可能である。このような実施形態では、エネルギー消費を制御すべき地域を識別するステップ(ステップ804)を省略することができる。
【0060】
図8を参照して上で説明したように複数の電気デバイス208の複数のグループのエネルギー消費及び/又は提供を制御することにより、ステップ802で識別される時間期間の間、ステップ800で識別される所与の地域のエネルギー消費の正味量を低減することができる。
【0061】
制御ノード202は、複数のグループの複数の発見的モデルを生成し、エネルギー管理基準に対するそれらの適切性を評価することができる。エネルギー管理基準は財務データを含むことができる。財務データは、時間依存エネルギー市場価格、平衡管理サービス及び制約管理サービスのうちの1つ又は複数に関していてもよい。エネルギー管理基準は、送電網及び/若しくは配電網の平衡要件、並びに/又はこれらの送配電網の非常容量要件に応答することができ、また、送電網輻輳の必要な低減又は配電網輻輳の必要な低減を含むことができる。評価は、所与の時間間隔の間に最大のエネルギー消費の増加又は減少を提供するモデル、エネルギー需要のピークの必要な時間シフトを提供するモデル、又はエネルギーコストの最大の節約を提供するモデルの決定を含むことができる。これらの発見的モデルは、電気エネルギーの現在及び/又は予測市場価格に基づいて決定される時間依存エネルギー価格を含むことができる。制御ノード202は、生成された複数の発見的モデルの評価に基づいて、それぞれの時間間隔の間に制御する複数の電気デバイス208、又は複数の電気デバイス208の複数のグループを決定することができ、この方法によれば、制御ノード202は、複数の電気デバイス208の複数のグループの割当て及び制御を最適化することができ、それによりエネルギー需要を必要な方法で管理することができる。
【0062】
いくつかの実施形態では、制御ノード202は、所与の制御開始時のために、モデルの複数のパラメータを変更することによって広範囲にわたる実施戦略を網羅する限られたセットの複数の発見的モデルを作成することができる。例えば複数のグループに対する複数の電気デバイス208の割当て、それぞれの制御グループが制御される複数の時間間隔、及びそれぞれのグループが異なる時間間隔の間に制御される程度は、すべて変更が可能である。このような多変数モデルのパラメータ空間は比較的広いため、制御ノード202は、複数のパラメータ値を無作為に選択することができ、又は歴史的に成功している複数のモデルに基づいて複数のパラメータを選択することができる。制御ノード202は、次に、複数の発見的モデルのそれぞれにおける複数の電気デバイスの1つ又は複数の特性又は値を決定することができ、また、エネルギー管理基準に対して評価されたモデルの有効性の評価に基づいて、好ましいモデルの複数の特性を決定することができる。これらの特性は、制御ノード202による制御に利用することができる複数の電気デバイス208の複数の動作特性、複数のエネルギー回復特性又は他の複数の特性に関していてもよい。制御ノード202は、好ましいモデルを含んだ複数の発見的モデルのセットのための財務予測セットを生成することも可能である。制御ノード202は、次に、好ましいモデルの複数の特性に少なくとも部分的に基づいて複数のグループを選択することができる。
【0063】
いくつかの実施形態では、制御ノード202は、複数の発見的モデル(又は生成された財務データ若しくはエネルギー消費データ)の評価の複数の結果の間を補間することができ、或いはこれらの結果から補外することができ、また、制御ノード202は、補間及び/又は補外された複数の特性に基づいて好ましいモデルの複数の特性を決定することができ、それにより複数の電気デバイス208のグループの割当て及び制御のための最適戦略を確立することができる。したがって実施すべき最適戦略を決定するために実施しなければならない計算の数が減少し、制御ノード202に対する計算の負担が軽減される。したがって延いては変化するエネルギー需要及び/又はエネルギー市場状態に制御ノード202が反応することができる速度が速くなり、それにより制御ノード202の有効性が向上する。さらに、制御ノード202に対する計算の負担、したがって制御ノード202を実施するコストを低減することができる。
【0064】
図9は、グループ1〜グループ6で定義される6つのグループが存在する一例のグラフ表現であり、それぞれのグループは、1単位のエネルギー消費のデフォルトレベルを有しており、すなわち全く制御されない場合、それぞれのグループは、示されている期間全体にわたって1時間当たり1単位のエネルギーを消費する。この例では、時間間隔1から時間間隔5までの時間期間の間、エネルギー消費が制御される(すなわち少なくとも1つのグループのエネルギー消費が低減される)。それぞれのグループは、制御ノード202からの上で言及した複数の要求によって制御され、それにより対応する1つ又は複数の関連する時間間隔の間、正味エネルギー消費が減少する。
図9の例では、これらの時間間隔のそれぞれは、1時間の継続期間を有することが仮定されているが、これらの時間間隔の継続期間は、要求事項に応じて変更することができることは理解されよう。
【0065】
図9に示されている例では、第1の時間間隔の間、グループ1がターンオフされ(すなわちグループ1のエネルギー消費がゼロに低減される)、第2の時間間隔の間、グループ2及び3がターンオフされ、第3の時間間隔の間、グループ4及び5がターンオフされ、第4の時間間隔及び複数のグループ時間間隔の間、グループ6及び1がターンオフされる。所与のグループの複数の電気デバイス208がターンオフされているそれぞれの時間間隔が経過すると、所与のグループの複数の電気デバイス208は、ただちにターンオンされ、それにより例えば制御ノード202から他の複数の要求が送られることになる。
【0066】
複数のグループのそれぞれの複数の電気デバイス208に関連するエネルギー消費を連続的に低減する(すなわちエネルギー消費を抑制する)ことにより、単一の時間間隔より長い任意の連続する期間の間、任意の単一の電気デバイス208又は任意の単一の電気デバイス208のグループをターンオフする必要なく、第1、第2及び第3の時間間隔の間に所与の地域で消費されるエネルギーの総量を低減することができ、これは、これらの電気デバイスのユーザに対する不便を軽減することができることを意味している。
【0067】
図9に示されているように、それぞれのグループの正味消費は、典型的にはグループがターンオフされていたそれぞれの時間間隔が経過した後に増加する。これは、個別の複数の電気デバイス208が不活動状態の期間中に失ったエネルギーを回復するためにより激しく働かなければならないことなどの複数の要因によるものであり、例えば空調装置の場合、空調装置が冷却する部屋が「オフ」時間間隔の間に著しく加熱され、そのため空調装置は、空調装置がターンオンされるとより大量のエネルギーを消費することになる。他の要因は、ユーザは、統計的には、複数の電気デバイス208の利用が不可能であった期間が経過すると、これらの電気デバイス208を使用する可能性がより高いことである。電気デバイス208が「オフ」期間に引き続いて平均的にエネルギーを回復する程度、及び電気デバイス208がこのエネルギーを回復するのに要する時間の平均的な長さは、本明細書においては電気デバイス208の「複数のエネルギー回復特性」と呼ばれている。
【0068】
図9の例では、それぞれのグループの複数の電気デバイス208のそれぞれは、同じ複数のエネルギー回復特性を有していることが仮定されており、1時間ターンオフされた後、これらのデバイスは、後続する第1の時間の間に2/3単位のエネルギーを回復し、また、後続する第2の時間の間に1/3単位のエネルギーを回復する。図の暗い影の領域は、非制御状態における複数のグループのエネルギー消費を表している。明るい影の領域は、上で説明したエネルギー回復によって増加するエネルギー使用を表している。この例の正味の結果は、3単位時間の総エネルギーが4時間先の平均だけシフトされていることである。エネルギー消費のこのシフトは、それぞれのグループが互いに独立して作用した場合及び/又は個別の複数のデバイスが非集合体化方式で制御される場合より、その大きさが大きく、時間が長い。
【0069】
図9の例では、時間間隔1〜3の間のエネルギー消費のすべての低減は、時間間隔5〜7の間のエネルギー消費の後続する増加によってオフセットされているが、実際には、エネルギー消費の後続する増加は、後続する期間の間、必ずしも複数の電気デバイス208を使用する必要はなく、また、例えば空調装置は、部屋を所望の温度に冷却するためにオフ期間の間に空調装置が使用したであろうエネルギーのすべてを使用する必要はないため、典型的にはエネルギー消費の初期低減の100%ではないことは理解されよう。
【0070】
さらに、後続するエネルギー消費に著しい後続する増加が存在しても、複数のグループの正味エネルギー消費を連続的に制御することにより、配電網102に対する総負荷を動的に適合させることができることが分かる。
図8及び
図9を参照して上で説明した方法を使用して、エネルギー消費のピークのタイミング及び/又はサイズを変更することができる。例えば所与の地域におけるエネルギー消費のピークが
図9の時間間隔1〜3の間に生じることが期待される場合、
図9を参照して説明したようにエネルギー消費を制御することにより、ピークのタイミングをシフトさせる効果及び/又はピークの大きさを小さくする効果を有することができ、それにより上で説明した「ホットスポット」を回避し、又は改善することができる。必ずしも所与の地域のすべての電気デバイス208を制御する必要はないため、これらの制御されない複数の電気デバイス208の消費のピークは、時間間隔1〜3の間に生じることになり、一方、制御される複数の電気デバイス208によるピークは、図に示されているように時間間隔5〜7へシフトされ、これは、ピークを円滑にする効果(すなわちより長い時間期間にわたってピークを広げる効果)、及びピークの大きさを小さくする効果を有している。シフトされるエネルギーの量及びシフトされる時間の長さは、制御ノード202のプロセッサ604によって、デバイスデータベース606に記憶されている、複数の電気デバイス208に関するプロファイル情報を使用して決定することができる。
【0071】
制御ノード202が、所与の地域における所与の量(例えば3MWh)のエネルギー消費を所与の平均時間長さだけシフトさせる複数の命令(例えばステップ800及び802を参照して上で説明した複数の命令の一部として)を受け取る場合、上で説明したステップ804は、期待平均電力消費の合計が所与の量(すなわち3MWh)になり、また、複数のエネルギー回復特性が、エネルギー消費がシフトされる時間の長さが所与の平均時間長さを平均するような複数のエネルギー回復特性である複数の電気デバイス208を含んだ複数のグループを選択する制御ノード202を含むことができる。制御ノード202は、次に、通信インタフェース608を通して、関連する複数の時間間隔の間、ターンオフする複数の要求を複数のグループの複数の電気デバイス208に送ることができる。所与のグループの複数の電気デバイス208は、これらの要求を送った後、エネルギー消費の実際の低減を確認するためにこれらの要求に対してポーリングされることになる。エネルギー消費の実際の低減が必要な量より多いか、又は必要な量より少ないことが決定された場合、グループの割当てを調整することができ、また、適切なエネルギー低減が達成されるまでプロセスが繰り返される。
【0072】
上記の例では、個別の複数のグループが制御される複数の時間間隔は重複していない。しかしながら、いくつかの実施形態では、制御ノード202は、例えば複数の時間間隔をユーザ定義可用性優先権に一致させるために、異なる複数のグループが制御される複数の時間間隔を重複させることができる。いくつかの実施形態では、例えば所与の時間期間の間に所与のグループの複数の電気デバイス208の可用性が変化すると、異なる複数の時間間隔の継続期間を変更することができる。
【0073】
上で説明したように、正味エネルギー消費を低減するためにあるグループが使用されると、そのグループは、典型的には、後続する複数の時間間隔の間にそのエネルギー(又はその一部)を回復することができる。本発明のいくつかの実施形態では、制御ノード202は、例えばネットワークオペレータから受け取った複数の要求に基づいて、異なる複数のグループを使用してこの回復を管理し、それにより後続する複数の時間間隔におけるエネルギー消費を低減する。この方法によれば、制御ノードは、時間期間中にエネルギー消費プロファイルを適合させることができ、また、必要に応じて所与の地域における電気エネルギーの正味消費を著しく促進することができる。上で言及したように、複数の命令は制御ノード202に対して発することができ、それにより所与の時間期間の間に所与の量だけエネルギー消費を低減することができる。例えば、場合によっては時間間隔0におけるエネルギー消費を低減し、時間間隔3が経過するまでエネルギー消費における正味回復が存在しないようにすることが望ましい。
図10は、これらの要求事項を表す目標エネルギー消費グラフを示したものである。制御ノード202は、このような複数の命令に応答して、目標エネルギー消費に合致するべく、適切な複数のグループを割り当てるためのアルゴリズムを使用する。次に、これらの複数のグループの複数の特性を決定するための一例示的方法について、
図11a及び
図11bを参照して説明する。
【0074】
図11aから分かるように、例えば本明細書においては「グループ1」と呼ばれている、複数の電気デバイス208の特定のグループをターンオフすることにより、あるエネルギーの量Aが時間間隔0の間に節約されている。グループ1のそれぞれの電気デバイス208は、ダッシュ線で示されているように同じ複数のエネルギー回復特性を有するように選択される。この例では、グループ1は、それぞれ時間間隔1の間にB
1の量のエネルギーを回復し、時間間隔2の間にB
2の量のエネルギーを回復し、また、時間間隔3の間にB
3の量のエネルギーを回復する。エネルギーのこれらの量は、それぞれ時間間隔iの間に回復される、Aに対する割合b
iであり、すなわち
【数1】
及び
【数2】
である。
【0075】
この例では、上で言及したように、制御ノード202は、間隔3を経過するまで所与の地域における総エネルギー消費が所与のレベル(
図10に線0.0で示されている)を超えない、という要求事項の下で動作している。この要求事項を達成するために、以下で説明するように、時間間隔1、2及び3で回復する際に、グループ1によって消費された追加エネルギーをオフセットするために、後続する複数の時間スロットの間、それぞれ同様のグループ可用性及び複数の回復特性を有する追加グループ2、3及び4が制御される。さらに、時間間隔1の間、グループ2に対して低減された、時間間隔2、3及び4の間に全面的又は部分的に回復されるエネルギー消費も、さらに他の複数のグループのエネルギー消費を低減することによって同じくオフセットされ、以下同様である。以下の説明では、Aは、時間間隔0における、
図10に線0.0で示されているレベル未満のエネルギー消費の減少を表しており、また、B
xyは、時間間隔yの間、あるグループを使用する結果として、時間間隔xにおける正規のレベルを超えるエネルギーの増加を表している。
【0076】
図11bに示されているように、時間間隔1におけるエネルギー消費回復をオフセットするために必要なエネルギーの量E(t)は、その時間間隔の間にグループ1が回復するエネルギーの量であり、
E(1)=b
1.A
で与えられる。
【0077】
したがって制御ノード202は、他のグループであるグループ2を選択し、時間間隔1の間、量E(1)だけグループ2のエネルギー消費を低減する。時間間隔2におけるエネルギー回復をオフセットするために必要なエネルギーの量は、時間間隔2の間にグループ1が回復するエネルギーの量プラス時間間隔1の間にグループ2が回復するエネルギーの量であり、
【数3】
で与えられる。
【0078】
したがって制御ノード202は、他のグループであるグループ3を選択し、時間間隔2の間、量E(2)だけグループ3のエネルギー消費を低減する。したがって時間間隔3におけるエネルギー回復をオフセットするために必要なエネルギーは、時間間隔3の間にグループ1、2及び3が回復するエネルギーの量であり、
【数4】
で与えられる。
【0079】
したがって制御ノード202は、他のグループであるグループ4を選択し、時間間隔3の間、量E(3)だけグループ4のエネルギー消費を低減する。後続する複数の時間間隔におけるエネルギー消費オフセットは、必要に応じて同様の方法で計算することができる。この手法を使用することにより、制御ノード202は、後の時間間隔に対するエネルギーの回復を促進するために、それぞれの時間間隔で低減しなければならないエネルギー消費の量を決定することができる。さらに、制御ノード202は、すべてのグループが最終的にそれらのエネルギーの回復を許容されると、これらの計算を使用してエネルギー消費パターンを決定することができる。
【0080】
したがって複数の電気デバイス208の複数のグループをそれらの複数のエネルギー回復特性に基づいて選択し、所与の時間間隔における複数のグループの総エネルギー回復がエネルギー消費の低減によってオフセットされるよう、選択された複数のグループのエネルギー消費を制御することにより、所望の量のエネルギー消費を所望の長さの時間だけシフトさせることができる。所与の時間間隔の間に所与のグループによって低減されるエネルギー消費の量は、グループの複数の電気デバイス208の数及び/又は複数の特性を変更することによって変更することができる。同様に、エネルギー回復の形は、複数の電気デバイス208の複数のエネルギー回復特性に従ってこれらの電気デバイス208を選択することによって制御することができる。
図9〜
図11bに関して上で説明したいくつかの例では、複数のグループのすべての電気デバイス208は、それぞれの関連する時間間隔の全体の間、制御に利用することができることが仮定されている。しかしながら、次に
図12a及び
図12bを参照して説明するように、所与の時間間隔の間、その全体にわたって電気デバイス208をターンオフさせない可用性プロファイルを有する複数の電気デバイス208を含んだ複数のグループを形成することも可能である。
【0081】
この例では、制御ノード202は、
図12aに示されているように1時間の間、あるグループを制御しなければならない。デバイス可用性はユーザ優先権によって定義され、したがってネットワークオペレータの要求と整合しないことがある(すなわちユーザの中には、自分たちの複数のデバイスが時間間隔全体にわたって制御されることを好まないユーザが存在している可能性がある)ため、制御ノード202は複数のグループを集合体化し、所与の時間期間の間、エネルギー消費の正味低減を構築することができる。この例では、制御に利用することができる複数の電気デバイス208の3つのグループ、すなわちグループ1、グループ2及びグループ3が存在している。これらのグループのそれぞれは、グループが制御される際に節約されるエネルギー(すなわちグループの低減される正味消費)の半分が45分間に回復要求されるよう、複数の平均エネルギー回復特性を有する複数の電気デバイス208を備えることが仮定されている。分かり易くするために、これらのグループの挙動は近似方形波応答として示されているが、実際にはエネルギー回復は、典型的には指数パターンに従う。それぞれのグループは、ユーザ優先権によって定義される、
図12bに示されている異なる可用性を有している。グループ1は、複数の電気デバイス208を備えており、これらの電気デバイス208は、それらをまる1時間ターンオフさせる(すなわちそれらのエネルギー消費を低減させる)ことができる可用性プロファイルを有しており、グループ2も複数の電気デバイス208を備えており、これらの電気デバイス208は、それらを45分間ターンオフさせる(すなわちそれらのエネルギー消費を低減させる)ことができるような可用性プロファイルを有しており、また、グループ3も複数の電気デバイス208を備えており、これらの電気デバイス208は、それらを30分間だけターンオフさせる(すなわちそれらのエネルギー消費を低減させる)ことができるような可用性プロファイルを有している。
【0082】
第1の時間間隔の間、消費が制御される複数の電気デバイス208のグループは、制御ノード202のプロセッサ604によって以下のように形成することができる。制御ノード202は、通信インタフェース608を通して、第1の時間間隔全体にわたってターンオフする(すなわちエネルギー消費を低減する)要求をグループ1の複数の電気デバイス208に送り、第1の時間間隔のうちの最初の30分間(又は第1の時間間隔の利用可能な45分間)だけターンオフする(すなわちエネルギー消費を低減する)要求をグループ2の複数の電気デバイス208に送り、また、第1の時間間隔の30分から1時間までの期間にわたってターンオフする(すなわちエネルギー消費を低減する)要求をグループ3の複数の電気デバイス208に送る。これらのグループは、典型的には極めて多数の電気デバイス208からなっており、これは、所与のグループ内でターンオフされる(すなわちそれらのエネルギー消費が低減される)電気デバイス208の数を変更して、そのグループに関連する正味消費の低減のサイズを変更することができることを意味しており、したがって例えばエネルギー消費の低減の量は、グループ1による寄与は実線で示され、グループ2による寄与は点線で示され、また、グループ3による寄与はダッシュ線で示されている
図12bの組合せグラフに示されているように、第1の時間間隔全体にわたって実質的に一定である。
【0083】
いくつかの実施形態では、第1の時間間隔の間に節約されたエネルギーの再生は、
図9の例で示されている3つ以上の時間間隔にわたって生じる。所与の電気デバイスのエネルギー再生は、制御ノード202のデバイスデータベース606の「複数のエネルギー回復特性」欄に記憶される。制御ノード202は、その制御下にある複数の電気デバイス208のそれぞれの複数のエネルギー再生特性を使用して、配電網におけるエネルギー消費の総合プロファイルを適合させるための戦略を展開する。
【0084】
図13は、例えば湯沸し器であってもよい電気デバイス208が時間間隔(1時間)と比較して長いエネルギー回復期間を有する一例を示したものである。
図13のダッシュ線は、この電気デバイス208のエネルギー再生特性を示している。このダッシュ線から分かるように、エネルギーを再生するために要する時間は多くの時間間隔にわたっており、また、重要なことには、後続する複数の時間間隔のそれぞれで電気デバイス208によって再生されるエネルギーの量は、時間間隔1の間に節約されたエネルギーの量よりはるかに少ない。したがって使用されている複数の電気デバイス208がエネルギーを速やかに再生せず、その代わりに長い時間期間にわたってエネルギーを再生する場合、節約されたエネルギーの再生を、後続する複数の時間間隔で他の複数のグループのオフを制御することによって将来の複数の時間間隔に対して促進することははるかに容易である。これは、
図13の実線で示されており、この実線は所望のエネルギー消費を表している。したがって複数の電気デバイス208を適切にグループ化し、複数の電気回復特性などの適切な複数の特性を有する複数の電気デバイス208を選択することにより、所与の地域における電力消費の形を操作することができる。
【0085】
図14aに示されているように、いくつかの実施形態では、1つ又は複数の電気デバイス208は、コンピュータをベースとする、例えばビル管理システム(BMS)であってもよいエネルギー管理システム(EMS)1400の制御の下で動作することができる。典型的には、EMS1400は、局所的に定義することができる複数のエネルギー管理規則(複数のEMS規則)に従って1つ又は複数の電気デバイス208のエネルギー需要及び/又は消費(或いは提供)を監視し、制御し、最適化する。EMS1400は、典型的には特定の地所(敷地又はビル)に位置しており、局所エネルギー管理を提供する。いくつかの構造では、EMS1400は、共通所有権を共有している分散した複数の電気デバイス208を制御することができる(例えば分散した複数の電気デバイス208はすべて特定の事業によって所有されている)。
【0086】
EMS1400の制御下にある複数の電気デバイス208のタイプは、加熱デバイス、冷凍デバイス、換気デバイス、照明デバイス、電力供給デバイス、火災デバイス及び安全保護デバイスのうちの1つ又は複数を含むことができる。それぞれのEMS1400は、例えば大きいビル内におけるエネルギーの使用を管理するために、そのビル内の複数の電気デバイス208の電力使用を制御するためのハードウェア構成要素及びソフトウェア構成要素を備えることができる。典型的には、EMS1400は、(例えば営業時間中は電力を停止することによって)ビルのユーザを混乱させ、又はビルのユーザに不便な思いをさせることなくビルのエネルギー効率を最適化するように構成される。
【0087】
制御ノード202は、ゲートウェイとして作用するインタフェースマネジャー1402を介してEMS1400とインタフェースするように構成されている。インタフェースマネジャー1402は、異なるプロトコルを使用している他のネットワークとEMS1400のインタフェースを可能にしている。インタフェースマネジャー1402は、インタフェースマネジャー1402による例えばEMS1400への/EMS1400からのデータ転送を可能にするために必要なインタフェースを提供するプロトコル変換器、インピーダンス整合デバイス、速度変換器、故障隔離器及び信号変換器を含むことができる。
【0088】
インタフェースマネジャー1402は、複数の電気デバイス208を制御するように、上で説明したシステムとは異なるシステムを含む異なるタイプのエネルギー管理システムからの複数の要求を処理することができる。
【0089】
図14bは、インタフェースマネジャー1402のいくつかの例示的構成要素を示したものである。インタフェースマネジャー1402は、制御ノード202とインタフェースするように構成された入力/出力インタフェース1404、EMS1400とインタフェースするように構成されたEMSインタフェース1406、プロセッサ1408及び記憶デバイス1410を備える。
【0090】
入力/出力インタフェース1404は、制御ノード202からデータ(複数の制御要求を含む)を受け取り、制御ノード202にデータを送るように構成されている。EMSインタフェース1400は、EMS1400にデータを送り、EMS1400からデータを受け取るように構成されている。プロセッサ1408は、以下でより詳細に説明するように、インタフェースマネジャー1402を通過するデータを処理するように構成されている。
【0091】
プロセッサ1408は、EMS1400の制御下で複数の電気デバイス208を制御するように、制御ノード202から受け取った複数の要求を処理する。プロセッサ1408は、論理(この論理は、記憶装置1410に記憶されるプログラムの形態であってもよい)を使用して、受け取った複数の要求のうちの複数のEMS規則と両立する複数の要求を決定する。複数のEMS規則と両立することが決定された複数の要求は、EMSインタフェース1406を経てEMS1400に引き渡されて実施され、また、複数のEMS規則と対立する複数の要求は、EMS1400に引き渡されることなく制御ノード202へ戻される。制御ノード202は、戻された要求を受け取ると、次にデバイスデータベース606を更新して、EMS1400の制御下にある複数の電気デバイス208が制御に利用することができないことを示すことができ、また、複数のグループを再割当てし、それに応じて新しい複数の要求を発することができる。
【0092】
複数のEMS規則は、ユーザデータベースの中に定義されている可用性に加えて、ユーザによって定義されるデバイス可用性に関していてもよい。一例示的構造では、EMS1400は、スーパマーケットなどの事業所の冷凍ユニットを制御することができる。事業所は、冷凍ユニットへの電力を制御するように複数のEMS規則を定義することができ、例えばこれらの事業所規則は、冷凍ユニットが24時間の期間の中で1時間を越えてオフに制御されないことを示すことができる。インタフェースマネジャー1402は、冷凍ユニットのオフを制御する要求を制御ノード202から受け取ると、その要求と冷凍ユニットのための複数のEMS規則とを比較し、対立が存在しているかどうか決定することができる。例えば要求は、2時間の間、冷凍ユニットのオフを制御する要求であってもよいが、その要求は、EMS規則によって規定されている最大時間を超過している。又は要求は、30分の間、冷凍ユニットのオフを制御する要求であってもよいが、インタフェースマネジャー1402は、EMS1400との協議によって、その前の24時間の間に冷凍ユニットが既に45分間にわたってそのオフが制御されていることを決定し、したがって30分の間、冷凍ユニットのオフを制御することは、これらのEMS規則に反することになることを決定することができる。これらの例示的ケースのいずれにおいても、インタフェースマネジャー1402は、その要求をEMS1400に引き渡すことなく制御ノード202に戻すことができる。
【0093】
複数のEMS規則は、デバイスデータベース606に記憶されている複数の電気デバイス208のユーザ定義可用性708に優先することをユーザが意図する複数の時間依存規則であってもよく、又はこれらのEMS規則は、局所事象、例えば特定の電気デバイス208を使用する予期しない必要性などに応答して、制御ノード202から受け取った複数の要求をくつがえすためにユーザによって一時的に適用することも可能である。例えばEMS1400は、複数のチェーン店のうちの1つであって、制御ノード202が事業所によって定義されるユーザ定義可用性に従って制御するように大抵の場合にその複数の電気デバイス208を利用することができる特定のスーパマーケット店で動作していてもよい。しかしながら、特定の店における、例えばその店の複数の電気デバイス208のうちの1つ又は複数の故障などの局所事象に応答して、ストアマネジャーは、その事業所の必要性に合致するために、その店の複数の電気デバイス208の通常の可用性をくつがえすことを要求することができる。いくつかの実施形態では、インタフェースマネジャー1402は、恐らくはオーバライドスイッチ又はボタンによって提供されるオーバライド機能を含むことができ、その機能が選択されると、インタフェースマネジャー1402による制御ノード202からEMS1400へのあらゆる要求の引渡しが防止される。このオーバライド機能は、ハードウェア又はソフトウェアによって提供することができ、また、ユーザが遠隔でアクセスすることも可能である。したがってユーザは、非常時には、制御ノード202による制御を速やかにくつがえすことができる。
【0094】
制御ノード202によって送られた複数の要求の両立性を決定するために、プロセッサ1408は、制御ノード202によって送られた複数の要求の中で規定されている複数のデバイスのための何らかの既存の複数のEMS規則が存在しているかどうかを決定するべく、EMSインタフェース1406を通してEMS1400に問い合わせることができる。プロセッサ1408は、次に、これらの要求と複数のEMS規則が対立しているかどうかを決定するために、それらを比較することができる。インタフェースマネジャー1402に記憶されている追加論理により、制御ノード202によって送られた、複数のEMS規則と対立する複数の要求がEMS1400に引き渡されることが防止され、また、EMS1400の制御下にある複数の電気デバイス208の動作を破壊することが防止される。したがってEMS規則が更新される毎にEMS1400の所有者がユーザデータベース406内のそれらのユーザ定義可用性518を更新する必要なく、ビルのユーザに強いられる不便が防止される。
【0095】
EMS1400の制御下にある複数の電気デバイス208を制御するための複数の要求は、インタフェースマネジャー1402を通して単一の伝送で長期間(すなわち数時間)にわたってEMS1400に送ることができる。インタフェースマネジャー1402は、次に、対応する期間の間、複数の要求と複数のEMS規則を比較し、対立が生じない場合、これらの要求をEMS1400に引き渡すことができる。1つ又は複数の対立が生じると、インタフェースマネジャー1402はすべての要求を制御ノード202に戻すことができ、又は両立する複数の要求をBMS1400に引き渡し、対立する複数の要求を制御ノード202に戻すことができる。インタフェースマネジャー1402は、次に、計画された時間における実施のために、複数のコマンドを局所的にキャッシュ又はバッファリングすることができる。
【0096】
長期間にわたってすべての要求を1つの伝送で送信することは、制御ノード202とEMS1400の間の通信リンクが故障した場合に、EMS1400による、制御ノード202からの複数の要求に則したその複数の電気デバイス208の制御を可能にする利点を有している。さらに、EMS1400の制御下にある、特定の複数のEMS規則が定義されていない(すなわち制御ノード202による制御に直接利用することができる)複数の電気デバイス208は、通信リンクの故障から保護されている。例えば所望の動作が完了する前に制御ノード202とEMS1400の間の通信リンクが故障しても、制御下にある電気デバイス208は、インタフェースマネジャー1402が完全なセットの複数の要求をキャッシュしているため、望ましくない状態で放置されることはない。さらに、同じ時間に複数の要求を送ることにより、インタフェースマネジャー1402は、要求が計画される時間間隔に先立ってこれらの要求と複数のEMS規則の両立性を決定する機会を有しており、したがって制御ノード202は、戻された複数の要求を、制御ノード202が電気デバイス208を制御する必要がある時点でこれらの要求が送られる場合よりはるかに早く受け取り、したがって制御ノード202は、複数の電気デバイス208の複数のグループを再割当てし、制御するためのより多くの時間を有している。したがって制御ノード202に対する計算の負担が軽減され、また、制御ノード202は、複数の電気デバイス208の可用性の変化にはるかに速やかに反応することができる。
【0097】
いくつかの実施形態では、インタフェースマネジャー1402又はEMS1400は、制御ノード202とEMS1400の間の通信リンクの故障を検出することができ、また、故障に応答して、制御ノード202によって制御されている電気デバイスをEMS1400によってのみ定義されている状態に戻すための複数の要求を局所的に生成することができる。通信故障は、例えば期待制御要求が受け取られていないことを認識することによって検出することができる。通信故障を検出することにより、通信リンクが故障した後に複数の電気デバイスが不適切な状態に留まることが防止され、また、EMS1400の制御下にある複数の電気デバイス208のユーザに対する混乱及び不便が最小化される。
【0098】
本明細書において説明されている技法及び方法は、様々な手段によって実施することができる。例えばこれらの技法は、ハードウェア(1つ又は複数のデバイス)、ファームウェア(1つ又は複数のデバイス)、ソフトウェア(1つ又は複数のモジュール)又はそれらの組合せで実施することができる。ハードウェア実施態様は、1つ又は複数の特定用途向け集積回路(ASIC)、ディジタル信号プロセッサ(DSP)、ディジタル信号処理デバイス(DSPD)、プログラム可能論理デバイス(PLD)、書替え可能ゲートアレイ(FPGA)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、本明細書において説明されている機能を実施するように設計された他の電子ユニット又はそれらの組合せの中で実施することができる。ファームウェア又はソフトウェアの場合、実施態様は、本明細書において説明されている機能を実施する少なくとも1つのチップセットの複数のモジュール(例えば手順、機能、等々)を通して実施することができる。ソフトウェアコードは、データ記憶装置に記憶することができ、また、プロセッサによって実行することができる。データ記憶装置は、プロセッサの中又はプロセッサの外部で実施することができる。プロセッサの外部で実施する場合、データ記憶装置は、当技術分野で知られている様々な手段を通してプロセッサに通信結合することができる。さらに、本明細書において説明されているシステムの構成要素は、それらの構成要素に関して説明されている様々な態様、等々の達成を容易にするために、追加構成要素によって再配置及び/又は補足することができ、また、それらは、当業者に理解されるように、所与の図面に示されている正確な構成に限定されない。
【0099】
上記実施形態は、本発明の実例による実施例であることを理解されたい。本発明の他の実施形態も想定されている。例えば上では、ユーザは、中央ノード200のユーザインタフェース310を通して中央ノード200と対話することができ、また、中央ノード200に情報を提供することができることが説明されている。いくつかの構造では、ユーザは、ユーザインタフェース310の代わりに他のどこかに位置しているユーザインタフェースを使用して中央ノード200と対話することができ、又はインターネットを通して中央ノード200と通信するためのインターネットブラウザを使用することができる。いくつかの構造では、ユーザによって実施されるものとして説明されている通信は、ユーザが実施する代わりに、例えばユーザカレンダ及び/又は他の個人情報にアクセスし、それにより例えばユーザに関連する複数のデバイスの利用可能な時間を決定するように構成することができるコンピュータアルゴリズムを使用して自動的に実施することも可能である。
【0100】
さらに、上では、制御ノード202は、制御ノード202が通信する1つ又は複数の電気デバイス208のネットワークアドレス、例えばIPアドレスなどを示すアドレスデータを記憶することができることが言及されている。いくつかの実施形態では、複数の電気デバイス208は、例えば加入者識別モジュールSIMカードなどの組込み済みの独自の識別子を有することができ、その場合、アドレスデータには、MSISDN番号などの所与のSIMカードの識別番号が含まれている。いくつかのケースでは、複数の電気デバイス208と複数の制御ノード202の間の通信は、電力線路通信(PLC)として知られている電力線路に沿ったデータ伝送によって実施することができる。
【0101】
中央ノード200及び制御ノード202は、上では離散構造で実施されるものとして説明されている。しかしながら、これらのノードのこれらの構成要素及び機能、例えばユーザデータベース及びデバイスデータベースは、複数の分散物理構造を使用して分散方式で実施することも可能である。
【0102】
多くの上記の例では、電気デバイス208へ流れるエネルギー及び/又は電気デバイス208から流れるエネルギーは、2つの値(例えばエネルギーオン/エネルギーオフ)の間で変更されている。しかしながら、いくつかの実施形態では、エネルギー消費/提供は、複数のデバイスをターンオン又はターンオフすることによっては単純に制御することはできず、むしろ制御ノード202は、全容量未満で動作するように複数のデバイスを制御することができる。
【0103】
図8〜
図13を参照して上で説明した多くの例では、電気エネルギーの正味消費の低減が、所与の時間間隔における複数の電気デバイス208の複数のグループの電気エネルギー消費の制御に関して説明されている。しかしながら、上で言及したように、いくつかの実施形態では、選択される複数のグループには、配電網102に電気エネルギーを提供する複数の電気デバイス208が含まれている。
【0104】
この場合、
図8のステップ800で識別される所与の地域における電気エネルギー消費の制御には、これらの電気エネルギー供給装置によるエネルギー提供量の増加を含むことができる。したがって
図9の例では、所与のグループは、電気エネルギーの消費を停止又は低減する代わりに、関連する複数の時間間隔の間、エネルギーを提供するための複数の要求を受け取る複数のエネルギー供給装置を備えることができ、したがって複数の要求によってもたらされる消費の低減にはエネルギー提供の増加が含まれている。
【0105】
いくつかのエネルギー供給装置は、エネルギー消費装置に関連して上で説明したエネルギー回復パターンと同じ又は同様のエネルギー回復パターンを示すことができる。例えば電気エネルギーの供給装置が、電気エネルギー蓄積デバイス、例えばその電池にエネルギーを蓄積するPEVなどを備えている場合、所与の時間間隔の間、その電池からエネルギーを提供するよう、制御ノード202によって電気エネルギー蓄積デバイスに要求することができ、後続する複数の時間間隔の間、PEVは、その電池を充電することにより、提供したエネルギーを回復することができる。
【0106】
風力タービンなどの電気エネルギーを生成するエネルギー供給装置は、「充電」に対する要求事項が存在せず、又はさもなければ電気エネルギー回復が提供されていないため、エネルギー回復を示すことは全くできない。
【0107】
いくつかの実施形態では、制御ノード202は、電気エネルギーを消費する1つ又は複数のグループと、電気エネルギーを提供する1つ又は複数のグループからなる複数のグループの組合せを選択する。いくつかの構造では、選択される複数のグループのうちの1つ又は複数は、電気エネルギーを消費する複数の電気デバイス208と、電気エネルギーを提供する複数の電気デバイスの組合せからなっている。
【0108】
任意の1つの実施形態に関連して説明されている任意の特徴は、単独で、又は説明されている他の特徴と組み合わせて使用することができ、また、複数の実施形態のうちの任意の他の実施形態の1つ又は複数の特徴と組み合わせて使用することも可能であり、又はこれらの実施形態のうちの任意の他の実施形態の任意の組合せで使用することも可能であることを理解されたい。さらに、特許請求の範囲で定義されている本発明の範囲を逸脱することなく、上では説明されていない等価物及び変更形態を使用することも可能である。
[発明の項目]
[項目1]
複数の電気デバイスが分散している或る地域に電気エネルギーを供給する配電網における電気エネルギー消費を制御する方法であって、
前記電気デバイスのそれぞれが、前記配電網から提供される電気エネルギーを消費するべく前記配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が増加し、及び/又は前記電気デバイスのそれぞれが、前記配電網に電気エネルギーを提供するべく前記配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が減少し、
当該方法が、
前記地域における前記電気デバイスに関するプロファイル情報を含んだデバイスデータベースを維持するステップと、
前記配電網によって供給される電気エネルギーの消費を制御すべき時間期間を識別するステップと、
前記プロファイル情報に基づいて、前記地域に位置している前記電気デバイスの複数のグループを選択するステップであり、それぞれの前記グループが複数の前記電気デバイスを備える、ステップと、
1つ又は複数の時間間隔と前記選択されたグループのそれぞれを関連付けるステップであり、所与の選択されたグループに関連する前記1つ又は複数の時間間隔が、他の選択されたグループに関連する前記1つ又は複数の時間間隔とは異なり、それぞれの前記時間間隔が、関連するグループの正味電気エネルギー消費を制御すべき前記時間期間の時間間隔である、ステップと、
前記電気デバイスによる電気エネルギー消費及び/又は提供を制御するように、1つ又は複数の要求を送って前記選択されたグループの前記電気デバイスで受け取るステップであり、それによりそれぞれの関連する時間間隔の間、前記地域における電気エネルギーの正味消費が低減される、ステップと
を含む、方法。
[項目2]
前記選択されたグループのうちの少なくとも1つに関して、前記1つ又は複数の要求によって前記少なくとも1つのグループに関連する電気エネルギー消費を低減することになる、項目1に記載の方法。
[項目3]
前記選択されたグループのうちの少なくとも1つに関して、前記1つ又は複数の要求によって前記少なくとも1つのグループに関連する電気エネルギー提供を増加することになる、項目1に記載の方法。
[項目4]
電気エネルギーを消費するように構成された電気デバイスの場合、前記1つ又は複数の要求によって、前記関連する時間間隔の間、前記電気デバイスが前記配電網から消費する電気エネルギーの量が減少し、電気エネルギーを提供するように構成された電気デバイスの場合、前記1つ又は複数の要求によって、前記関連する時間間隔の間、前記電気デバイスによって前記配電網に提供される電気エネルギーの量が増加する、項目1〜3のいずれか一項に記載の方法。
[項目5]
電気エネルギーを消費するように構成された電気デバイスの場合、前記1つ又は複数の要求によって、前記関連する時間間隔の間、前記電気デバイスが前記配電網から開放され、電気エネルギーを提供するように構成された電気デバイスの場合、前記1つ又は複数の要求によって、前記関連する時間間隔の間、前記電気デバイスが前記配電網に接続される、項目4に記載の方法。
[項目6]
前記1つ又は複数の選択された電気デバイスが電気エネルギー発生器を備え、前記1つ又は複数の要求によって前記電気エネルギー発生器による電気エネルギー発生が増加することになる、項目1〜5のいずれか一項に記載の方法。
[項目7]
前記関連する1つ又は複数の時間間隔が、正味エネルギー消費が低減される前記グループが前記時間期間全体を通して連続的に変更されるように構成されている、項目1〜6のいずれか一項に記載の方法。
[項目8]
所与の前記電気デバイスのための前記プロファイル情報が、前記所与の電気デバイスを制御するための可用性に関しており、前記所与の電気デバイスの割当てが、所与の前記時間間隔の間、制御に前記所与の電気デバイスを利用することができるかどうかに基づいて実施される、項目1〜7のいずれか一項に記載の方法。
[項目9]
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスのエネルギー回復特性に関するエネルギー回復情報を含み、複数のグループの前記選択が、前記エネルギー回復情報に基づいて実施される、項目1〜8のいずれか一項に記載の方法。
[項目10]
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスに関する所有権情報を含み、複数のグループの前記選択が、前記所有権情報に基づいて実施される、項目1〜9のいずれか一項に記載の方法。
[項目11]
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスに関する動作特性情報を含み、複数のグループの前記選択が、前記動作特性情報に基づいて実施される、項目1〜10のいずれか一項に記載の方法。
[項目12]
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスのうちの少なくともいくつかの電気デバイスのデバイスタイプに関する情報を含み、複数のグループの前記選択が、前記デバイスタイプ情報に基づいて実施される、項目1〜11のいずれか一項に記載の方法。
[項目13]
前記プロファイル情報が、所与の電気デバイスが電気エネルギーを消費するように構成されているかどうか、又は前記所与の電気デバイスが電気エネルギーを提供するように構成されているかどうかの指示を含む、項目1〜12のいずれか一項に記載の方法。
[項目14]
前記プロファイル情報が、前記電気デバイスに関連するエネルギー消費及び/又は提供の量を示すエネルギー量インディケータを含み、
当該方法が、
前記時間期間の間に低減すべき電気エネルギー消費の正味量を識別するステップと、
前記エネルギー量インディケータに基づいて電気デバイスをグループに割り当てるステップと
を含む、項目1〜13のいずれか一項に記載の方法。
[項目15]
前記プロファイル情報が、所与の電気デバイスの位置を示す位置インディケータを含み、
当該方法が、
電気エネルギー消費を制御すべき所与の地域を識別するステップであり、前記所与の地域が前記配電網によって供給される前記地域である、ステップと、
前記位置インディケータに基づいて、前記地域に位置している前記電気デバイスの複数の前記グループを選択するステップと
を含む、項目1〜14のいずれか一項に記載の方法。
[項目16]
前記所与の地域に関連する制御ノードで前記デバイスデータベースを維持するステップを含む、項目15に記載の方法。
[項目17]
前記1つ又は複数の要求を前記制御ノードから送るステップを含む、項目16に記載の方法。
[項目18]
前記デバイスデータベースが、前記所与の地域に位置している電気デバイスを識別するデバイス識別子を含む、項目16又は17に記載の方法。
[項目19]
前記デバイス識別子を使用して、前記電気デバイスの電気エネルギー消費及び/又は提供パターンを前記制御ノードで監視し、それにより前記電気デバイスに関連する電気エネルギー消費/提供パターンに関する統計的情報をコンパイルするステップと、
前記統計的情報を前記デバイスデータベースに記憶するステップと、
前記統計的情報に基づいて電気デバイスをグループに割り当てるステップと
を含む、項目18に記載の方法。
[項目20]
前記制御ノードが中央ノードと通信するように構成され、前記中央ノードが、前記電気デバイスのそれぞれに関連するユーザを識別するユーザデータベースを備える、項目18又は19に記載の方法。
[項目21]
前記デバイスデータベースが、前記デバイス識別子とは異なる複数のさらなる識別子を記憶するように構成され、前記さらなる識別子がそれぞれ、対応する電気デバイスを識別し、前記ユーザデータベースが前記さらなる識別子を含む、項目20に記載の方法。
[項目22]
所与の電気デバイスを識別する前記さらなる識別子を変更するステップを含む、項目21に記載の方法。
[項目23]
前記複数の電気デバイスが前記地域の複数の地所にわたって分散している、項目1〜22のいずれか一項に記載の方法。
[項目24]
それぞれの前記地所が配電フィーダを介して接続される、項目23に記載の方法。
[項目25]
所与の前記地所に関連するエネルギー管理システム内のゲートウェイを通して、1つ又は複数の前記要求を送って電気デバイスで受け取るステップを含み、
前記エネルギー管理システムが、前記ゲートウェイに関連するデバイスを制御するために、前記所与の地所における電気デバイスによる電気エネルギー消費及び/又は提供を定義済み規則に従って制御するように構成されている、項目23又は項目24に記載の方法。
[項目26]
前記要求が前記定義済み規則と両立するかどうかの決定に基づいて前記要求を前記電気デバイスに引き渡すかどうかを前記ゲートウェイで決定するステップを含む、項目25に記載の方法。
[項目27]
1つ又は複数の所定の時間に実行するために1つ又は複数の前記要求をバッファリングするステップを含む、項目25又は26に記載の方法。
[項目28]
前記要求のうちの1つ又は複数が前記定義済み規則と両立しない場合、前記デバイスデータベースを更新するステップを含む、項目25〜27のいずれか一項に記載の方法。
[項目29]
前記プロファイル情報に基づいて、電気デバイスを割り当てて複数のモデルを生成するステップと、
前記複数のモデルを1つ又は複数のエネルギー管理基準に対して評価するステップと、
前記評価に基づいて好ましいモデルの1つ又は複数の特性を決定するステップと、
決定された特性に少なくとも部分的に基づいてグループの前記選択を実施するステップと
を含む、項目1〜28のいずれか一項に記載の方法。
[項目30]
前記決定が、前記生成された複数のモデルを補間及び/又は補外して、前記1つ又は複数の特性を決定するサブステップを含む、項目29に記載の方法。
[項目31]
前記エネルギー管理基準が、時間依存電気エネルギー市場価格、平衡管理サービス及び制約管理サービスのうちの少なくとも1つに関する財務データを含む、項目29又は項目30に記載の方法。
[項目32]
複数の電気デバイスが分散しているある地域に電気エネルギーを供給する配電網における電気エネルギー消費を制御するための制御ノードであって、
前記電気デバイスのそれぞれが、前記配電網から提供される電気エネルギーを消費するべく前記配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が増加し、及び/又は前記電気デバイスのそれぞれが、前記配電網に電気エネルギーを提供するべく前記配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が減少し、
当該制御ノードが、
要求を送って前記電気デバイスで受け取るため、及び前記電気デバイスのそれぞれに関するプロファイル情報を記憶するように構成されたデバイスデータベースを備えた中央ノードと通信するための通信手段と、
配電網における電気エネルギー消費を制御すべき時間期間の指示を受け取るように構成された入力手段と、
処理手段と
を備え、
前記処理手段が、
前記プロファイル情報に基づいて前記電気デバイスの複数のグループを選択することであり、それぞれの前記グループが複数の前記電気デバイスを備える、選択すること、
1つ又は複数の時間間隔と前記選択されたグループのそれぞれを関連付けることであり、所与の選択されたグループに関連する前記1つ又は複数の時間間隔が、他の選択されたグループに関連する前記1つ又は複数の時間間隔とは異なり、それぞれの前記時間間隔が、関連するグループの正味電気エネルギー消費を制御すべき前記時間期間の時間間隔である、関連付けること、並びに
前記電気デバイスによる電気エネルギー消費及び/又は提供を制御するように、前記通信手段を通して、1つ又は複数の要求を送って前記選択されたグループの前記電気デバイスで受け取ることであり、それによりそれぞれの関連する時間間隔の間、前記地域における電気エネルギーの正味消費が低減される、受け取ること
を行うように構成されている、制御ノード。
[項目33]
複数の電気デバイスが分散しているある地域に電気エネルギーを供給する配電網における電気エネルギー消費を制御するためのシステムであって、
前記電気デバイスのそれぞれが、前記配電網から提供される電気エネルギーを消費するべく前記配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が増加し、及び/又は前記電気デバイスのそれぞれが、前記配電網に電気エネルギーを提供するべく前記配電網に接続可能であり、それにより前記地域における電気エネルギー消費の正味量が減少し、
当該システムが、
それぞれ前記地域の異なる地域に関連する、項目32に記載の複数の制御ノードと、
前記中央ノードと
を備える、システム。
[項目34]
プロファイル情報がデバイスデータベースに記憶されている前記電気デバイスが、異なるユーザアカウントに関連付けられ、前記中央ノードが、前記ユーザが前記アカウントにアクセスし、前記デバイスデータベースに記憶されている情報を変更するためのユーザインタフェースを備える、項目33に記載のシステム。