特許第6076961号(P6076961)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6076961N官能基化したイミダゾール含有システムおよび使用方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076961
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】N官能基化したイミダゾール含有システムおよび使用方法
(51)【国際特許分類】
   B01D 53/14 20060101AFI20170130BHJP
   B01D 53/62 20060101ALI20170130BHJP
   B01D 53/40 20060101ALI20170130BHJP
   C07D 233/58 20060101ALN20170130BHJP
   C07D 233/61 20060101ALN20170130BHJP
   C07C 215/08 20060101ALN20170130BHJP
【FI】
   B01D53/14 210
   B01D53/62
   B01D53/40 220
   !C07D233/58
   !C07D233/61 102
   !C07C215/08
【請求項の数】22
【全頁数】48
(21)【出願番号】特願2014-502673(P2014-502673)
(86)(22)【出願日】2012年3月27日
(65)【公表番号】特表2014-511759(P2014-511759A)
(43)【公表日】2014年5月19日
(86)【国際出願番号】US2012030672
(87)【国際公開番号】WO2012135178
(87)【国際公開日】20121004
【審査請求日】2015年3月27日
(31)【優先権主張番号】61/468,314
(32)【優先日】2011年3月28日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】513243620
【氏名又は名称】ザ ボード オブ トラスティーズ オブ ザ ユニヴァーシティ オブ アラバマ
(74)【代理人】
【識別番号】100092093
【弁理士】
【氏名又は名称】辻居 幸一
(74)【代理人】
【識別番号】100082005
【弁理士】
【氏名又は名称】熊倉 禎男
(74)【代理人】
【識別番号】100084663
【弁理士】
【氏名又は名称】箱田 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100093300
【弁理士】
【氏名又は名称】浅井 賢治
(74)【代理人】
【識別番号】100119013
【弁理士】
【氏名又は名称】山崎 一夫
(74)【代理人】
【識別番号】100123777
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 さつき
(74)【代理人】
【識別番号】100162422
【弁理士】
【氏名又は名称】志村 将
(72)【発明者】
【氏名】バラ ジェイソン イー
【審査官】 福永 千尋
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04775519(US,A)
【文献】 国際公開第2009/066754(WO,A1)
【文献】 国際公開第2009/143376(WO,A1)
【文献】 国際公開第2011/121633(WO,A1)
【文献】 国際公開第2012/031281(WO,A1)
【文献】 特開昭61−136421(JP,A)
【文献】 特開昭57−047705(JP,A)
【文献】 特開昭62−292888(JP,A)
【文献】 米国特許第04624838(US,A)
【文献】 特開昭51−031678(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B01D 53/02−53/12
B01D 53/40
B01D 53/62
CAplus(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ストリームから揮発性化合物を除去する方法であって、
N官能基化イミダゾール、アミン及び水を含み、前記N官能基化イミダゾール及び前記アミンが前記水中に溶解されている溶媒システムを、前記ストリームと接触させることを含み、
ここで、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性であり、前記溶媒システムの20質量%〜60質量%であり、前記アミンは、前記溶媒システムの20質量%〜60質量%であり、かつ前記N官能基化イミダゾール及び前記アミンが、前記溶媒システム40質量%〜80質量%を構成し、
前記揮発性化合物が、二酸化炭素を含み、
前記N官能基化イミダゾールが、以下の構造:
【化1】
を有し、ここで、
前記N官能基化イミダゾールのR11-20アルキルあり、および
前記N官能基化イミダゾールのR2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素または1-20アルキルら選択され、
前記アミンが、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンまたはピペラジンである
前記方法。
【請求項2】
前記アミンが、前記溶媒システムの20質量%〜50質量%を構成し、
前記N官能基化イミダゾールが、前記溶媒システムの20質量%〜50質量%を構成し、
前記N官能基化イミダゾール及び前記アミンが、前記溶媒システム40質量%〜70質量%を構成する、請求項に記載の方法。
【請求項3】
前記アミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、またはジエタノールアミンある、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項4】
前記アミンが、2−アミノ−2−メチルプロパノールである、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項5】
前記アミンが、ジイソプロパノールアミンである、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項6】
前記アミンが、ペラジンである、請求項1又は2のいずれか1項に記載の方法。
【請求項7】
前記N官能基化イミダゾールが、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−ペンチルイミダゾール、1−ヘキシルイミダゾール、1−オクチルイミダゾール、1−デシルイミダゾール、1−ドデシルイミダゾールまたは1−テトラデシルイミダゾールである1−n−アルキルイミダゾールである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項8】
前記N官能基化イミダゾールが、1,2−ジメチルイミダゾールである、請求項1〜のいずれか1項に記載の方法。
【請求項9】
前記N官能基化イミダゾールが、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾールまたは1−ブチルイミダゾールである、請求項1〜6のいずれか1項に記載の方法。
【請求項10】
前記N官能基化イミダゾールおよび前記アミンが、1:1〜2:1というアミン対N官能基化イミダゾールの質量比で前記溶媒システム中に存在する、請求項1〜9のいずれか1項に記載の方法。
【請求項11】
前記ストリームが、天然ガスストリームまたは排煙ストリームである、請求項1〜10のいずれか1項に記載の方法。
【請求項12】
加熱すること、真空を適用すること、又はこれらの組合せにより前記溶媒システムを再生させることをさらに含む、請求項1〜11のいずれか1項に記載の方法。
【請求項13】
ストリームから二酸化炭素を捕捉するための溶媒システムであって、20質量%〜60質量%のN官能基化イミダゾールと、20質量%〜60質量%のアミンと、水とを含み、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性であり、前記N官能基化イミダゾール及び前記アミンが、前記溶媒システムの40質量%〜80質量%を占め、前記N官能基化イミダゾール及び前記アミンが、前記水中に溶解されており、
前記N官能基化イミダゾールが、以下の構造:
【化2】
を有し、ここで、
11-20アルキルあり、および
2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素または1-20アルキルら選択され、
前記アミンが、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、N−メチルエタノールアミン、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミンまたはピペラジンである
前記溶媒システム。
【請求項14】
前記アミンが、前記溶媒システムの20質量%〜50質量%を構成し、
前記N官能基化イミダゾールが、前記溶媒システムの20質量%〜50質量%を構成し、
前記N官能基化イミダゾール及び前記アミンが、前記溶媒システム40質量%〜70質量%を構成する、請求項13に記載の溶媒システム。
【請求項15】
前記アミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジグリコールアミンまたはジエタノールアミンある、請求項13に記載の溶媒システム。
【請求項16】
前記アミンが、2−アミノ−2−メチルプロパノールである、請求項13に記載の溶媒システム。
【請求項17】
前記アミンが、ジイソプロパノールアミンである、請求項13に記載の溶媒システム。
【請求項18】
前記アミンが、ペラジンである、請求項13に記載の溶媒システム。
【請求項19】
前記N官能基化イミダゾールが、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−ペンチルイミダゾール、1−ヘキシルイミダゾール、1−オクチルイミダゾール、1−デシルイミダゾール、1−ドデシルイミダゾールまたは1−テトラデシルイミダゾールである1−n−アルキルイミダゾールである、請求項13〜18のいずれか1項に記載の溶媒システム。
【請求項20】
前記N官能基化イミダゾールが、1,2−ジメチルイミダゾールである、請求項13〜18のいずれか1項に記載の溶媒システム。
【請求項21】
前記N官能基化イミダゾールが、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾールまたは1−ブチルイミダゾールである、請求項13〜18のいずれか1項に記載の溶媒システム。
【請求項22】
前記N官能基化イミダゾールおよび前記アミンが、1:1〜2:1というアミン対N官能基化イミダゾールの質量比で前記溶媒システム中に存在する、請求項13〜21のいずれか1項に記載の溶媒システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
優先出願の相互参照
本出願は、2011年3月28日に出願された米国仮特許出願第61/468,314号の優先権の利益を主張するものであり、その全体が参照により本明細書に援用される。
【0002】
本明細書に開示される主題は、概して、イミダゾールまたはイミダゾール−アミン混合物を含有するシステム、およびそれらの調製方法に関する。また、本明細書に記載される主題は、概して、ガスストリームおよび液体ストリームから揮発性化合物を捕捉、および減ずるために、本明細書に記載されるシステムを使用する方法に関する。
【背景技術】
【0003】
気候の安定化のために、二酸化炭素(CO2)排出を捕捉および隔離、または減ずることは、世界的な関心事となっている。天然ガス産業全体で広く用いられている、化学反応を介しガスストリームからCO2を減ずるための含水アミンのプロセスは、CO2捕捉技術を評価するベンチマークを代表する(NETL, Carbon Sequestration Technology Roadmap and Program Plan (2007); Rochelle, G.T., “Amine Scrubbing for CO2 Capture,” Science, 325:1652−1654 (2009))。アミンプロセスは、ガスストリームからCO2を減ずる点では有効である一方で、アミン再生の間、水を沸騰させることによるエネルギー消費が激しく、非常にエネルギーを消費する。ゆえに、含水アミンプロセスは、本質的に、多大なエネルギー消費に悩まされることとなる。しかしながら、揮発がほとんど無い、または全く無い新たな溶媒により、所望のエネルギー効率を提供することができる。
【0004】
イオン性液体は、CO2捕捉のための溶媒として、多くの注目を集めてきた(Bara, J.E., et al., “Guide to CO2 Separations in Imidazolium−based Room−Temperature Ionic Liquids,” Ind. Eng. Chem. Res., 48:2739−2751 (2009))。イオン性液体は蒸発しないので、エネルギー効率の大幅な改善を示す可能性を秘めている。しかしながら、CO2捕捉に対するイオン性液体の使用は、その物理的特性および熱力学特性の制限により、広まることはなかった。常に引き合いに出されるイオン性液体に伴う問題は、非常に低いCO2負荷、高い粘度および甚だしく高いコストである(NETL, Existing Plants, Emissions and Capture Setting CO2 Program Goals, DOE/NETL−2009/1366)。イオン性液体(すなわち、「タスク特異的」イオン性液体)内にアミン官能性を含有させること、またはたとえばモノエタノールアミン(MEA)等のアミン商品とイオン性液体を混合することにより、溶媒のCO2キャパシティを大幅に向上させ、また、エネルギー要求量を減少させる(NETL, Existing Plants, Emissions and Capture Setting CO2 Program Goals, DOE/NETL−2009/1366、 Camper, D. et al., “Room−Temperature Ionic Liquid Amine Solutions: Tunable Solvents for Efficient and Reversible Capture of CO2,” Ind. Eng. Chem. Res., 47:8496−8498 (2008))。イオン性液体−アミン混合物の使用に期待が持てる一方で、イオン性液体の粘度およびコストにおける欠点を打開する代替揮発性溶媒が求められている。
【発明の概要】
【0005】
本明細書に具現化され、概略が記載される開示物質、化合物、組成物および方法の目的に従い、開示される主題は、一つの態様において、化合物および組成物ならびに、そのような化合物および組成物を調製および使用するための方法に関連する。さらなる態様において、開示される主題は、商工業用天然ガス生産および電力産業における揮発性化合物の捕捉に使用できるシステムに関する。さらに具体的には、揮発性化合物の減少のためのシステムが本明細書に開示される。当該システムは、N官能基化イミダゾールを含有し、および任意選択的にアミンを含むことができる。当該開示システムにおける使用のためのN官能基化イミダゾールは、中性条件下(たとえば、酸性プロトンが得られない条件下)で非イオン性である。他の例において、N官能基化イミダゾールは、両方の窒素原子上で官能基化されていない。
【0006】
本明細書において、CO2、SO2またはH2Sをストリーム(たとえば、ガスストリームまたは液体ストリーム)から減少させるための方法がさらに提示される。当該方法には、N官能基化イミダゾール、および任意選択的にアミンを含有するシステムの有効量とストリームを接触させることを含み、ここで、N官能基化イミダゾールは中性条件下で非イオン性である。
【0007】
天然ガス供給ストリームをスイートニングする方法もまた、本明細書において提示される。当該方法には、精製天然ガス供給ストリームおよびガス濃厚システムを形成するために、天然ガス供給ストリームを本明細書に記載されるシステムの有効量と接触させること、および精製天然ガス供給ストリームを、ガス濃厚システムから分離することを含む。当該方法はさらに、たとえば、ガス濃厚システムを加熱、または加圧することによりシステムを再生させることを含む。
【0008】
さらなる利点は、以下に続く明細書において部分的に説明され、および明細書から部分的に明らかであり、または以下に記載される態様の実践により判明しうる。以下に記載される利点は、添付のクレームにおいて具体的に挙げられる要素および組み合わせを用いて、理解および達成される。前述の概略、および後述の詳述の両方が単なる例示および解説であり、何ら制限的なものではないことが理解される。
本明細書に組み込まれ、また一部を構成する、添付の図面は、本発明のいくつかの態様を図示し、そして記述と共に、本発明主旨の解説として供される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1図1は、ガス溶解装置の概略図である。
図2図2は、25℃での、80:20(v/v)1−ブチルイミダゾール−アミン混合物における、初期アミン分子毎のCO2分圧および負荷の間の関係性を図示するグラフである。
図3図3は、25〜80℃の温度での、80:20(v/v)1−ブチルイミダゾール+N−メチルエタノールアミン(NMEA)混合物における、CO2分圧および負荷の間の関係性を図示するグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書に記載される物質、化合物、組成物、品物および方法は、開示される主題の具体的な態様に関する以下の詳細な説明、および、それに含まれる実施例を参照することにより、さらに容易に理解されうる。
【0011】
本物質、化合物、組成物、キットおよび方法が開示および記述される前に、以下に記述される態様は、具体的な合成方法または具体的な試薬に限定されず、もちろんそれ自体が変化しうることが理解される。また、本明細書に使用される専門用語は、具体的な態様を記述する目的のためのみであり、限定される意図は無いことが理解される。
【0012】
また、本明細書を通じ、様々な公表文献が参照される。これらの公表文献の全体における開示は、これにより、参照により本出願に組み込まれ、開示された主題に関連する分野の状況を、より完全に説明する。開示された参照文献はまた、参照が依拠される文中に議論されるところに含まれる物質に対し、個々に、および具体的に、参照により本明細書に援用される。
A.一般的定義
【0013】
以下の本明細書およびクレームにおいて、以下の意味を有すると定義される多くの用語への参照が作成される。
【0014】
本明細書の記述およびクレームを通じ、「含有する(comprise)」ならびに、たとえば「含有すること(comprising)」および「含有する(comprises)」等の他の形態の文言は、限定されず、また除外もしないが、たとえば他の添加物、成分、整数または工程を含むことを意味する。
【0015】
本明細書の記述および添付のクレームに使用される、単数形の「ある(a)」、「ある(an)」および「その(the)」は、文脈で他に明確に定義されない限り、複数対象を含む。ゆえに、たとえば、「ある組成物(a composition)」という言及は、そのような組成物の2つ以上の混合物を含み、「その化合物(the compound)」という言及は、そのような化合物の2つ以上の混合物を含む等となる。
【0016】
「任意の」または「任意に」は、引き続き記載される事象もしくは状況が発生または発生しなくとも良いことを意味し、本明細書の記述が、当該事象または状況が発生する事例および発生しない事例を含むことを意味する。
【0017】
本明細書において、範囲は、「約(about)」一つの特定の値から、および/または「約(about)」他の特定の値までとして示される。そのような範囲が示される場合、他の態様では、一つの特定の値および/または他の特定の値までが含まれる。同様に、「約(about)」という先行詞の使用により値が近似値として示される場合、その特定の値が他の態様を形成することが理解される。さらに、各範囲のエンドポイントは、他のエンドポイントとの関連において重要であり、また他のエンドポイントとは無関係に重要であることの両方が理解される。また、本明細書に多くの値が開示され、そして本明細書における各値はまた、それ自身の値を加えて、「約」特定の値として開示されることが理解される。たとえば、もし「10」という値が開示される場合、「約10」もまた開示される。ある値が開示される場合、当業者には適切に理解されるように、その値「以下」、「その値以上」および、値の間の可能性のある範囲がまた開示されることが理解される。たとえば、「10」という値が開示される場合、「10以下」ならびに「10以上」もまた開示される。また、本出願を通じて、データは多くの異なる形式で提示され、このデータは、エンドポイントおよびスタートポイントおよび当該データポイントの任意の組み合わせに対する範囲を表すことが理解される。たとえば、特定のデータポイント「10」および特定のデータポイント「15」が開示される場合、10超および15超、10以上および15以上、10未満および15未満、10以下および15以下、ならびに10および15と等しい値、ならびに10および15の間、が開示されたとみなされる。また、2つの特定の単位間の各単位が開示されると理解される。たとえば、10および15が開示される場合、11,12,13および14もまた開示される。
【0018】
「減少する(reduce)」または、たとえば「減少すること(reducing)」もしくは「減少(reduction)」等の文言の他の形態は、ある事象または特性(たとえば、ストリームの中の揮発性化合物)の低下を意味する。これは、通常は一部の標準値または期待値に関するものであり、言い換えれば相対的なものであるが、標準値または相対値が常に参照される必要はないことが理解される。たとえば、「CO2を減少する」とは、標準または対照と比較して、ストリームの中のCO2の量が減少することを意味する。本明細書において、減少するとは、完全な除去を含むことができる。開示される方法において、減少とは、標準または対照と比較して、10%、20%、30%、40%、50%、60%、70%、80%、90%または100%の減少を指すことができる。「隔離する(sequester)」、「捕捉する(capture)」、「除去する(remove)」および「分離(separation)」という用語は、「減少する(reduce)」という用語の同意語として用いられることが理解される。
【0019】
「処理する(treat)」または、たとえば「処理した(treated)」もしくは「処理(treatment)」といった文言の他の形態は、所望する産物または効果を生み出すため(たとえば、特定の性質を減少もしくは除去するため、またはCO2減少等の事象)の適切な条件下で、2つ以上の化合物、組成物もしくは物質を加えるまたは混合することを意味する。「接触する(contact)」および「反応する(react)」という用語は、「処理する(treat)」という用語の同意語として用いられる。
【0020】
本明細書を通じて、識別子である「第一(first)」および「第二(second)」は、単に、開示される主題の様々な構成要素および工程の区別を助けるために用いられることが理解される。識別子「第一」および「第二」は、これらの用語に修飾された構成要素もしくは工程への、特定の順番、量、優先度または重要度を暗示することを意図していない。
B.化学的定義
【0021】
ある組成物中の特定の成分または構成要素の重量部分への、明細書および結びのクレーム中の参照は、重量部分が表される組成物または品物中の、成分または構成要素と、任意の他の成分または構成要素の間の重量の関係性を示す。ゆえに、成分Xが2重量部分、成分Yが5重量部分を含有する化合物において、XおよびYは、重量比で2:5存在し、当該化合部中に追加の成分が含有されているか否かに関わらず、そのような比で存在している。
【0022】
成分の重量パーセント(WT.%)は、逆のことが具体的に述べられない限り、当該成分が含まれている製剤または組成物の総重量に基づいている。
【0023】
本明細書に用いられる「イオン」という用語は、任意の分子、分子の一部、分子のクラスター、分子複合体、部分または電荷を帯びている原子(正電荷、負電荷、または一つの分子、分子のクラスター、分子複合体もしくは部分内に同時に両方の電荷(たとえば、両性イオン))を指す。
【0024】
「陰イオン」という用語は、あるタイプのイオンであり、「イオン」という用語の意味の範囲内に含まれる。「陰イオン」は、任意の分子、分子の一部(たとえば、両性イオン)、分子のクラスター、分子複合体、部分または正味の負電荷を帯びた原子である。
【0025】
「陽イオン」という用語は、あるタイプのイオンであり、「イオン」という用語の意味の範囲内に含まれる。「陽イオン」は、任意の分子、分子の一部(たとえば、両性イオン)、分子のクラスター、分子複合体、部分または正味の正電荷を帯びた原子である。
【0026】
本明細書において、「非イオン性」という用語は、イオン基、または水中で実質的に容易にイオン化される基が無いことを指す。「非イオン性」化合物は、中性pHで(たとえば、6.7〜7.3のpHで)電荷を帯びない。しかしながら、非イオン性化合物は、酸性条件下または塩基性条件下または当分野に既知の方法(たとえば、プロトン化、脱プロトン化、酸化、還元、アルカリ化、アセチル化、エステル化、脱エステル化、加水分解等)で電荷を有するように作製することができる。ゆえに、開示される「非イオン性」化合物は、たとえば、化合物をプロトン化するために酸性プロトンを利用できる条件下において、イオン性化合物となることができる。
【0027】
本明細書において、「揮発性化合物」という用語は、相当量を蒸発させる能力を有する、または大気条件でガスとして存在することができる化学的化合物を指す。本明細書に記載される「揮発性化合物」は、ストリームの中に見出され、たとえば天然ガス供給等のストリームよりも高い蒸気圧を有する。揮発性化合物の例には、たとえばCO2、O2、N2、CH4、H2、炭化水素、H2S、SO2、NO、NO2、COS、CS2等の軽ガスおよび酸性ガスが挙げられる。
【0028】
本明細書に使用される「置換された」という用語には、有機化合物のすべての許容置換基が含まれると企図される。広い態様において、許容置換基には、有機化合物の、非環式もしくは環式、分枝もしくは非分枝、炭素環式もしくは複素環式、または芳香族もしくは非芳香族置換基が挙げられる。置換基の実例には、たとえば以下に記載されるものが挙げられる。許容置換基は一つ以上であり、適切な有機化合物と同じまたは異なってもよい。本開示の目的のために、ヘテロ原子(たとえば、窒素)は、水素置換基および/または本明細書に記載される、ヘテロ原子の原子価を満たす有機化合物の任意の許容置換基を有することができる。本開示は、有機化合物の許容置換基による任意の様式に限定されるようには意図されない。また、「置換」または「と置換された」という用語は、そのような置換が、置換原子および置換基の許容される原子価に従うこと、および置換が安定化合物をもたらす(たとえば、転位、環化、脱離等のような転換を自発的には受けない化合物)という暗示的な条件を含む。
【0029】
本明細書において、「A1」、「A2」、「A3」および「A4」は、様々な特定の置換基を表す、包括的な符号として用いられる。これらの符号は、本明細書の記載に限定しないが、任意の置換基であることができ、一つの例においてある置換基であると定義される場合には、他の例においては、それらはいくつかの他の置換基として定義することができる。
【0030】
本明細書において、「脂肪族化合物」という用語は、非芳香族炭化水素基を指し、分枝および非分枝、アルキル、アルケニルまたはアルキニル基を含む。
【0031】
本明細書において、「アルキル」という用語は、たとえばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル、ドデシル、テトラデシル、ヘキサデシル、エイコシル、テトラコシル等の、1〜24炭素原子の分枝または非分枝の飽和炭化水素基である。アルキル基はまた、置換または非置換であってもよい。アルキル基は、限定されないが、以下に記載されるように、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホ‐オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシドまたはチオールを含む一つ以上の基と置換されてもよい。
【0032】
本明細書を通じ、「アルキル」は、ほとんどの場合、非置換アルキル基および置換アルキル基の両方を指すために用いられる。しかしながら、置換アルキル基はまた、本明細書において、アルキル基上の具体的な置換基(複数含む)を同定することにより具体的に言及される。たとえば、「ハロゲン化アルキル」という用語は、一つ以上のハロゲン化物(たとえば、フッ素、塩素、臭素またはヨウ素)と置換されたアルキル基を具体的に指す。「アルコキシアルキル」という用語は、以下に記載される一つ以上のアルコキシ基と置換されたアルキル基を具体的に指す。「アルキルアミノ」という用語は、以下に記載されるような一つ以上のアミノ基と置換されたアルキル基を具体的に指す。「アルキル」が一つの例において用いられ、そして、たとえば「アルキルアルコール」等の具体的な用語が他において用いられる場合において、「アルキル」という用語がまた、「アルキルアルコール」等の具体的な用語を指さないと暗示することは意図されない。
【0033】
この慣例はまた、本明細書に記載される他の基に対しても用いられる。すなわち、たとえば「シクロアルキル」という用語が非置換シクロアルキル部および置換シクロアルキル部の両方を指す一方で、置換部はさらに、本明細書に具体的に同定することができる。たとえば、特定の置換シクロアルキルは、たとえば「アルキルシクロアルキル」と言及することができる。同様に、置換アルコキシは、たとえば「ハロゲン化アルコキシ」と具体的に言及することができ、特定の置換アルケニルは、たとえば「アルケニルアルコール」等と具体的に言及することができる。さらに、一般的な用語(たとえば、「シクロアルキル」)および特定の用語(たとえば、「アルキルシクロアルキル」)の使用の慣例は、一般的な用語はまた特定の用語を含まないと暗示することは意図されない。
【0034】
本明細書に使用される「アルコキシ」という用語は、単一の末端エーテル結合を介して結合されるアルキル基である。すなわち、「アルコキシ」基は、A1が上記で定義されるアルキルである、OA1として定義することができる。
【0035】
本明細書に使用される「アルケニル」という用語は、少なくとも一つの炭素−炭素二重結合を含有する構造式を有する2〜24炭素原子の炭化水素基である。たとえば(A12)C=C(A34)等の非対称の構造は、EおよびZの異性体の両方を含むことが意図される。これは、非対称のアルケンが存在するか、または結合符号C=Cにより明確に示される本明細書の構造式において、推測することができる。アルケニル基は、限定されないが、以下に記載されるアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホ‐オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシドまたはチオールを含む基の一つ以上と置換することができる。
【0036】
本明細書に使用される「アルキニル」という用語は、少なくとも一つの炭素−炭素三重結合を含有する構造式を有する2〜24炭素原子の炭化水素基である。アルキニル基は、限定されないが、以下に記載されるアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホ‐オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシドまたはチオールを含む基の一つ以上と置換することができる。
【0037】
本明細書に使用される「アリール」という用語は、限定されないが、ベンゼン、ナフタレン、フェニル、ビフェニル、フェノキシベンゼン等を含む、任意の炭素系の芳香族基を含有する基である。「ヘテロアリール」という用語は、芳香族基の環の中に組み込まれたヘテロ原子を少なくとも一つ有する芳香族基を含有する基として定義される。ヘテロ原子の例には、限定されないが、窒素、酸素、硫黄およびリンが挙げられる。「アリール」という用語に含まれる「非ヘテロアリール」という用語は、ヘテロ原子を含有しない芳香族基を含有する基を定義する。アリール基およびヘテロアリール基は、置換されていても、置換されていなくてもよい。アリール基およびヘテロアリール基は、限定されないが、本明細書に記載されるアルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホ‐オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシドまたはチオールを含む基の一つ以上と置換することができる。「ビアリール」という用語は、アリール基の特定のタイプであり、アリールの定義の中に含まれる。ビアリールは、ナフタレンにあるような縮環構造を介して共に結合されるか、またはビフェニルにあるような炭素−炭素結合の一つ以上を介して付着される2つのアリール基を指す。
【0038】
本明細書に使用される「シクロアルキル」という用語は、少なくとも3つの炭素原子からなる非芳香族の炭素系の環である。シクロアルキル基の例として、限定されないが、シクロプロピル、シクロブチル、シクロペンチル、シクロヘキシル等が挙げられる。「ヘテロシクロアルキル」という用語は、環の炭素原子の少なくとも一つが、たとえば限定されないが、窒素、酸素、硫黄またはリン等のヘテロ原子と置換されている、上述のシクロアルキル基である。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、置換されていても、非置換であってもよい。シクロアルキル基およびヘテロシクロアルキル基は、限定されないが、本明細書に記載されるアルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホ‐オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシドまたはチオールを含む基の一つ以上と置換することができる。
【0039】
本明細書に使用される「シクロアルケニル」という用語は、少なくとも三つの炭素原子からなり、および少なくとも一つの二重結合(すなわち、C=C)を含む非芳香族の炭素系の環である。シクロアルケニル基の例として、限定されないが、シクロプロペニル、シクロブテニル、シクロペンテニル、シクロペンタジエニル、シクロヘキセニル、シクロヘキサジエニル等が挙げられる。「ヘテロシクロアルケニル」という用語は、上記で定義されるシクロアルケニル基の一つのタイプであり、「シクロアルケニル」という用語の意味の範囲内に含まれ、環の炭素原子の少なくとも一つが、たとえば限定されないが、窒素、酸素、硫黄またはリン等のヘテロ原子と置換されている。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、置換されていても、非置換であってもよい。シクロアルケニル基およびヘテロシクロアルケニル基は、限定されないが、アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、アルデヒド、アミノ、カルボン酸、エステル、エーテル、ハロゲン化物、ヒドロキシ、ケトン、ニトロ、シリル、スルホ‐オキソ、スルホニル、スルホン、スルホキシドまたはチオールを含む基の一つ以上と置換することができる。
【0040】
本明細書において、「環状基」という用語は、アリール基、非アリール基(すなわち、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、シクロアルケニルおよびヘテロシクロアルケニル基)のいずれか、またはその両方を指すために用いられる。環状基は、置換または非置換であってもよい環系の一つ以上を有している。環状基は、一つ以上のアリール基、一つ以上の非アリール基、または一つ以上のアリール基と一つ以上の非アリール基を含有することができる。
【0041】
本明細書に使用される「アルデヒド」という用語は、化学式−C(O)Hで表される。本明細書を通じて、「C(O)」または「CO」は、C=Oに対する略語である。
【0042】
本明細書に使用される「アミノ」という用語は、化学式−NA12で表され、A1およびA2は、それぞれ、たとえば上述の水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基等の、本明細書に記載される置換基でありうる。
【0043】
本明細書に使用される「カルボン酸」という用語は、化学式−C(O)OHで表される。本明細書に使用される「カルボキシレート」または「カルボキシル」基は、化学式−C(O)O-で表される。
【0044】
本明細書に使用される「エステル」という用語は、化学式−OC(O)A1または−C(O)OA1で表され、A1は、上述のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基でありうる。
【0045】
本明細書に使用される「エーテル」という用語は、化学式A1OA2で表され、A1およびA2は、独立して、上述のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基でありうる。
【0046】
本明細書に使用される「ケトン」という用語は、化学式A1C(O)A2で表され、A1およびA2は、独立して、上述のアルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基でありうる。
【0047】
本明細書に使用される「ハロゲン化物」または「ハロゲン」という用語は、フッ素、塩素、臭素、またはヨウ素を指す。
【0048】
本明細書に使用される「ヒドロキシル」という用語は、化学式−OHで表される。
【0049】
本明細書に使用される「ニトロ」という用語は、化学式−NO2で表される。
【0050】
本明細書に使用される「シリル」という用語は、化学式−SiA123で表され、A1、A2およびA3は、独立して、上述の水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルコキシ、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルケニル基でありうる。
【0051】
「スルホニル」という用語は、本明細書において、化学式−S(O)21で表されるスルホ‐オキソ基を指すために用いられ、A1は、上述の水素、アルキル、ハロゲン化アルキル、アルケニル、アルキニル、アリール、ヘテロアリール、シクロアルキル、シクロアルケニル、ヘテロシクロアルキルまたはヘテロシクロアルケニル基でありうる。
【0052】
本明細書に使用される「スルホニルアミノ」または「スルホンアミド」という用語は、化学式−S(O)2NH−で表される。
【0053】
本明細書に使用される「チオール」という用語は、化学式−SHで表される。
【0054】
本明細書に使用される「チオ」という用語は、化学式−S−で表される。
【0055】
本明細書において使用される「R1」、「R2」、「R3」、「Rn」等(nはある整数である)は、独立して、上に列記した基の一つ以上を保有することができる。たとえば、R1が直鎖アルキル基である場合、アルキル基の水素原子のうちの一つは、任意選択的に、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アミン基、アルキル基、ハロゲン化物等と置換することができる。選択された基に依存して、第一の基が第二の基の中に組み込むことができ、または代替的に、第一の基が第二の基に吊り下げる(すなわち、付着する)ことができる。たとえば、「アミノ基を含有するアルキル基」という表現を伴うアミノ基は、アルキル基の骨格内に組み込むことができる。あるいは、アミノ基は、アルキル基の骨格に付着することができる。選択される基(複数含む)の性質により、第一の基が第二の基に組み込まれる、または付着されるかどうかが決定される。
【0056】
本明細書に提示される化合物は、キラル中心を含有できることが理解される。そのようなキラル中心は、(R−)または(S−)構造のいずれかでありうる。本明細書に提示される化合物は、鏡像異性的に純粋であるか、またはジアステレオメリックな混合物もしくは鏡像異性的な混合物のいずれかでありうる。
【0057】
本明細書において、実質的に純粋とは、分析の標準方法(たとえば薄層クロマトグラフィー(TLC)、核磁気共鳴(NMR)、ゲル電気泳動、高速液体クロマトグラフィー(HPLC)および質量分析(MS)、ガスクロマトグラフィー質量分析(GC−MS)、ならびに、そのような純度を分析するために当業者に使用される類似方法)により測定される不純物が、容易には検出されないように見えるほどに十分に均質であること、またはさらなる精製が、物質の酵素活性および生物学的活性等の、物理的および化学的特性を検出可能なほどに変化させないように十分に純粋であることを意味する。実質的に化学的に純粋な化合物を生産するための、化合物の精製のための、伝統的および最新の方法の両方が当業者に公知である。しかし、実質的に化学的に純粋な化合物は、立体異性体の混合物であることができる。
【0058】
逆のことが述べられない限り、実線としてのみ示され、くし型線または点線としては示されていない化学的結合を有する化学式は、可能性のある各異性体(たとえば、各鏡像異性体、ジアステレオマー、およびメソ化合物、ならびに、たとえばラセミまたはスカレミック混合物等の異性体の混合物)が企図される。
【0059】
これより、開示される物質、化合物、組成物、品物および方法、付随する実施例において図示される例示の具体的な態様に対する参照が詳細になされる。
C.物質および組成物
【0060】
N官能基化したイミダゾール
本明細書において、N官能基化したイミダゾールを含有するシステムが提示される。これらの化合物は、たとえば二酸化炭素(CO2)、一酸化炭素(CO)、二酸化硫黄(SO2)、硫化水素(H2S)、酸化窒素(NO)、二酸化窒素(NO2)、硫化カルボニル(COS)および二硫化炭素(CS2)、メルカプタン、H2O、O2、H2、N2、C1〜C8炭化水素(たとえば、メタンおよびプロパン)、揮発性有機化合物、ならびにこれらの混合物、ならびにガスストリームおよび液体ストリーム由来の他の揮発性化合物等の、揮発性化合物の減少に対し有用である。N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性化合物である(すなわち、イミダゾールは中性条件下で電荷を帯びない)。中性条件には、N官能基化イミダゾールとの反応(すなわち、N官能基化イミダゾールをプロトン化すること)に利用できるプロトンが無いという条件が含まれる。プロトンは存在することができるが、N官能基化イミダゾールの塩基性度を含むシステムの条件は、N官能基化イミダゾールのプロトン化が多量には発生しないものである(すなわち、イミダゾリウムイオンを産生しない条件)。N官能基化イミダゾールに対する中性条件には、システムのpHが約6.7〜約7.3である条件が含まれる。一部の例において、システムのpHは、約6.7、約6.8、約6.9、約7.0、約7.1、約7.2、約7.3等であることができ、任意の表示値は、範囲の上のエンドポイント、または下のエンドポイントを形成ことができる。「中性条件」という用語は、本明細書において、特定のイミダゾールに関連して用いられ、ゆえに、この用語は、イミダゾールがプロトン化(すなわち、陽イオン化)されない条件を意味する。たとえば、システムのpHは、約6.8〜約7.2、または約6.9〜約7.1であることができる。さらに、本明細書に記載されるN官能基化イミダゾールは、イオン性液体(すなわち、すべての条件下で、イオンを含有する液体)の構成要素ではない。
【0061】
本明細書に記載されるN官能基化イミダゾールは、化学式I:
【化1】
およびその誘導体により表される。
【0062】
化学式Iにおいて、R1は、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシルまたはシアノである。
【0063】
また、化学式Iにおいて、R2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、置換もしくは非置換アミノ、シアノまたはニトロから選択される。
【0064】
化学式Iにおいて、さらに、隣接R基(すなわち、R1およびR2、R1およびR4、ならびにR2およびR3)は、組み合わせて、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキニル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルケニル、または置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキニルを形成することができる。R2、R3、R4およびR5はまた、それぞれがハロゲン化物、シアノ、ニトロおよび他の類似の基であることができる。
【0065】
一部の実施形態において、化学式Iにより表されるN官能基化イミダゾールは、N−アルキルイミダゾール、N−アルケニルイミダゾール、N−アルキニルイミダゾール、N−アリールイミダゾール、またはそれらの混合物から選択することができる。化学式Iの一部の例において、R1は、化学式I−Aにより表される非置換アルキルであることができる。化学式Iの他の例において、R1は、たとえば化学式I−Bにより表されるエトキシ化基等のヘテロアルキル基であることができる。化学式Iのさらなる例において、R1は、たとえばシアノアルキルまたはヒドロキシアルキル(それぞれ、化学式I−C、および化学式I−Dで表される)のような置換アルキル基であることができる。
【化2】
【化3】
【化4】
【化5】
【0066】
化学式I−Aにおいて、mは、0〜20の整数である。化学式I−B、I−CおよびI−Dにおいて、n、pおよびqは、それぞれ独立して、1〜20の整数である。一部の実施形態において、R2、R3およびR4はそれぞれ水素である。
【0067】
化学式Iの一部の例において、R1は、アルキル、アルケニル、アルキニル、ヘテロアルキル、ヘテロアルケニル、ヘテロアルキニル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、チオ、アミノ、アルコキシル、アリールオキシル、またはイミダゾール基と置換されビス−N置換イミダゾールを形成するシリルであることができる。たとえば、化学式Iは、以下に示される化学式I−Eにより表することができる。
【化6】
【0068】
化学式I−Eにおいて、Lは、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、またはシリルから選択される。
【0069】
また、化学式I−Eにおいて、R5、R6、およびR7は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、置換もしくは非置換アミノ、またはシアノから選択される。
【0070】
化学式I−Eの一部の例において、イミダゾールは、イミダゾール二量体である。他の言葉で言い換えれば、化学式I−Eの一部の例において、R2およびR5は同じ置換基であり、R3およびR6は同じ置換基であり、ならびにR4およびR7は同じ置換基である。
【0071】
化学式Iの特定の例には、以下の化合物が挙げられる:
【化7】
【化8】
【化9】
【化10】
【化11】
【化12】
【化13】
【0072】
アミン類
一部の実施形態において、システムを含有するN官能基化イミダゾールはさらに、一つ以上のアミン化合物を含有することができる。アミンは、1級アミン、2級アミン、3級アミン、環状アミン、またはそれらの混合物であることができる。本明細書に記載されるアミン化合物は、化学式IIにより表すことができる:
【化14】
【0073】
化学式IIにおいて、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシルまたはシアノからなる群から選択することができる。
【0074】
一部の実施形態において、アミンは1級アミンであることができる。これらの例に従い、R1、R2またはR3のうち2つは、水素であり、残りの基は水素以外であり、化学式II−Aに従う化合物を形成する。
【化15】
【0075】
化学式II−Aにおいて、R1は、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、または置換もしくは非置換アリールオキシルから選択される。本明細書に記載される1級アミンの特定の例には、モノエタノールアミン(MEA)、ジグリコールアミン(DGA)、2−アミノ−2−メチルプロパノール(AMP)、および1−(3−アミノプロピル)−イミダゾール(API)が挙げられる。
【0076】
一部の実施形態において、アミンは、2級アミンであることができ、ここで、R1、R2またはR3のうち一つは水素であり、残りの2つの基は水素以外である。本明細書に記載される2級アミンは、化学式II−Bで表すことができる。
【化16】
【0077】
化学式II−Bにおいて、R1およびR2は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、または置換もしくは非置換アリールオキシルから選択される。本明細書に記載される2級アミンの特定の例には、N−メチルエタノールアミン(NMEA)、ジエタノールアミン(DEA)およびジイソプロパノールアミン(DIPA)が挙げられる。
【0078】
さらなる実施形態において、アミンは3級アミンであることができ、ここで、R1、R2、およびR3は、化学式II−Cにより表されるように、水素以外である。
【化17】
【0079】
化学式II−Cにおいて、R1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、または置換もしくは非置換アリールオキシルから選択される。3級アミンの特定の例には、N−メチルジエタノールアミン(MDEA)が挙げられる。
【0080】
また、本明細書に記載されるシステムにおける使用のためのアミンには環状アミンを含有することができる。これらの例によると、R1、R2、またはR3のうちの2つは組み合わせて、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換シクロアルケニル、置換もしくは非置換シクロアルキニル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルケニル、または置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキニルを形成することができる。環状アミンは、化学式II−Dにより表すことができる。
【化18】
【0081】
化学式II−Dにおいて、R1およびR2をつなぐ線は、R1、NおよびR2を含む環状構造を形成するR1およびR2の間の結合(たとえば、一重結合または二重結合)を表す。本明細書に記載されるシステムにおける使用のために適した環状アミンの例には、置換もしくは非置換ピペラジン(PZ)および非置換イミダゾールが挙げられる。
【0082】
本明細書に記載されるアミンは、一つのアミノ官能基を含有することができる(すなわち、モノアミンとなることができる)か、または2つのアミノ官能基を含有することができる(すなわち、ジアミンとなることができる)か、または2つより多くのアミノ官能基を含有することができる(すなわち、ポリアミンとなることができる)。
【0083】
システム
本明細書に開示されるシステムは、一つ以上のN官能基化イミダゾール、および任意選択的に一つ以上のアミンを含有することができる。本明細書に開示されるシステムは、イオン性液体ではない。たとえば、一つ以上のN官能基化イミダゾールおよび一つ以上のアミンの組み合わせは、低溶解塩をもたらさない。酸性ガス(たとえば、CO2、H2S等)の添加で、システムは電荷を帯びることができる。さらに、本明細書に開示されるシステムは、蒸留することができるが、一方でイオン性液体はこのような性質は有していない。本明細書に開示されるシステムは生のままであることができ(すなわち、任意溶媒の追加をせずに、N官能基化イミダゾールおよび/またはアミンから構成することができる)、または一つ以上の追加溶媒中に溶解もしくは分散することができる。一部の実施形態において、システムは、主に一つ以上のN官能基化イミダゾールから構成される生のシステムである。主にN官能基化イミダゾールから構成されるシステムは、約3%以下の不純物を含有することができる(すなわち、システムは、システムの重量に基づき、約97%以上、約98%以上、または約99%以上のN官能基化イミダゾールを含有する)。
【0084】
一部の実施形態において、本システムは、本明細書に記載されるN官能基化イミダゾールの一つ以上、および本明細書に記載されるアミンの一つ以上の混合物(すなわち、イミダゾール−アミン混合物)から構成される生のシステムである。一つ以上のアミンを、一つ以上のN官能基化イミダゾールに添加すると、低い揮発性、低い粘度、および高いCO2キャパシティを有するシステムが得られる。システム中に存在するN官能基化イミダゾールおよびアミンの比率を変化させることにより、システムの特性を変えることができる。
【0085】
N官能基化イミダゾールは、システムの99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%を構成することができ、任意の表示値は、範囲の上のエンドポイント、または下のエンドポイントを形成することができる。さらなる例において、N官能基化イミダゾールは、システムの1〜99%、10〜90%、20〜80%、30〜70%、40〜60%または50%を構成することができる。たとえば、N官能基化イミダゾールは、システムの67%を構成することができる。
【0086】
同様に、アミンは、システムの99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%を構成することができ、任意の表示値は、範囲の上のエンドポイント、または下のエンドポイントを形成することができる。さらなる例において、アミンは、システムの1〜99%、10〜90%、20〜80%、30〜70%、40〜60%または50%を構成することができる。たとえば、アミンはシステムの33%を構成することができる。
【0087】
一部の実施形態において、システムは、N官能基化イミダゾールのアミンに対する比率として、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1等を有することができる。他の実施形態において、システムは、アミンのN官能基化イミダゾールに対する比率として、9:1、8:1、7:1、6:1、5:1、4:1、3:1、2:1、1:1等を有することができる。
【0088】
上述のように、本明細書に記載されるシステムは、一つ以上の追加の溶媒に溶解または分散させることができる。たとえば、一つ以上のN官能基化イミダゾール、または一つ以上のN官能基化イミダゾールと一つ以上のアミンの混合物は、たとえば水、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン、アセトニトリル、トルエン、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ピリジン、ジメチルホルムアミド、ジオキサン、グリコール溶媒、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、酢酸エチル、メチルエチルケトン、アセトン等の溶媒と混合させ、システムを提供することができる。これらの例において、N官能基化イミダゾール、またはN官能基化イミダゾールとアミンの混合物は、システムの約0.1%〜約99.9%を構成することができる。たとえば、N官能基化イミダゾール、またはN官能基化イミダゾールとアミンの混合物は、システムの約99%、98%、97%、96%、95%、94%、93%、92%、91%、90%、89%、88%、87%、86%、85%、84%、83%、82%、81%、80%、79%、78%、77%、76%、75%、74%、73%、72%、71%、70%、69%、68%、67%、66%、65%、64%、63%、62%、61%、60%、59%、58%、57%、56%、55%、54%、53%、52%、51%、50%、49%、48%、47%、46%、45%、44%、43%、42%、41%、40%、39%、38%、37%、36%、35%、34%、33%、32%、31%、30%、29%、28%、27%、26%、25%、24%、23%、22%、21%、20%、19%、18%、17%、16%、15%、14%、13%、12%、11%、10%、9%、8%、7%、6%、5%、4%、3%、2%、または1%を構成することができ、任意の表示値は、範囲の上のエンドポイント、または下のエンドポイントを形成することができる。さらなる例において、N官能基化イミダゾール、またはN官能基化イミダゾールとアミンの混合物は、システムの1〜99%、10〜90%、20〜80%、30〜70%、40〜60%または50%を構成することができる。
【0089】
本明細書に記載されるシステムには、実質的に、揮発性有機化合物が無い。実質的に無いとは、揮発性有機化合物、または揮発性有機化合物のようなものが、約3%、2%、1%、0.9%、0.8%、0.7%、0.6%、0.5%、0.4%、0.3%、0.2%、0.1%、0.001%、0.0001%未満で存在することを意味する。さらに、これらのシステムは、イミダゾリウムをベースとしたイオン性液体と比較して、低い粘度という特徴を有している。たとえば、本明細書に記載されるシステムは、イミダゾリウムをベースとしたイオン性液体よりも、少なくとも10倍、9倍、8倍、7倍、6倍、5倍、4倍、3倍または2倍粘度が低い。本明細書に記載されるシステムの固有粘度は、たとえば、示差粘度計を用いるASTM D5225−09において記載される方法に従い、測定することができる。たとえば、システムの固有粘度は、ULA(低粘度)スピンドルを備え付けられたBrookfield DV‐II+Pro Viscometer(Brookfield Engineering Laboratories, Inc.; Middleboro, MA)を用いて測定することができる。さらに、システムの固有粘度は、生で測定することができる(すなわち、追加の溶媒添加が無い)。一部の実施形態において、24℃でのシステムの粘度は、20cP未満、19cP未満、18cP未満、17cP未満、16cP未満、15cP未満、14cP未満、13cP未満、12cP未満、11cP未満、10cP未満、9cP未満、8cP未満、7cP未満、6cP未満、5cP未満、4cP未満、3cP未満、2cP未満、1cP未満、0.9cP未満、0.8cP未満、0.7cP未満、0.6cP未満、0.5cP未満、0.4cP未満、0.3cP未満、0.2cP未満、0.1cP未満等でありえ、任意の表示値は、範囲の上のエンドポイント、または下のエンドポイントを形成することができる。さらなる実施形態において、N官能基化イミダゾールは、約0.1cP〜約20cP、約0.2cP〜約19cP、約0.3cP〜約18cP、約0.4cP〜約17cP、約0.5cP〜約16cP、約0.6cP〜約15cP、約0.7cP〜約14cP、約0.8cP〜約13cP、約0.9cP〜約12cP、約1cP〜約11cP、約2cP〜約10cP、約3cP〜約9cP、約4cP〜約8cP、または約5cP〜約7cPの粘度を有することができる。たとえば、24℃で、1−エチルイミダゾールから構成されるシステムは、約2.02cPの粘度を有する。他の例において、1−ブチルイミダゾールから構成されるシステムは、24℃で約3.38cPの粘度を有する。さらなる例において、1−ヘキシルイミダゾールから構成されるシステムは、45℃で約2.99cPの粘度を有する。さらに、1−オクチルイミダゾールから構成されるシステムは、25℃で約7.77cPの粘度を有する。
【0090】
化学式IのN官能基化イミダゾールおよび化学式IIのアミンは、有機合成分野の当業者に公知の様々な方法で、または当分野の当業者により認識されるそれらの改変法で、調製することができる。本明細書に記載される化合物は、容易に入手可能な出発原料から調製することができる。最適な反応条件は、使用される特定の反応物質または溶媒により変化しうるが、そのような条件は当業者により決定することができる。保護および脱保護の使用、ならびに適切な保護基の選択は、当業者により決定することができる。保護基の化学的性質は、たとえば、Wuts and Greene, Protective Groups in Organic Synthesis,4th Ed., Wiley & Sons, 2006(参照により、その全体が本明細書に援用される)に記載されている。
【0091】
化学式Iおよび化学式IIのバリエーションには、各化合物に対して記載される様々な構成要素の付加、除去または移動が挙げられる。同様に、一つ以上のキラル中心が分子内に存在する場合、分子のキラリティーは変化する可能性がある。さらに、化合物合成は、様々な化学基の保護および脱保護を含むことができる。
【0092】
開示される化合物の調製に用いられるN官能基化イミダゾールおよびアミン、または開始物質および試薬は、たとえばAldrich Chemical Co.,(Milwaukee, WI)、Acros Organics (Morris Plains, NJ)、Fisher Scientific (Pittsburgh, PA)、Sigma (St. Louis, MO), Pfizer (New York, NY)、GlaxoSmithKline (Raleigh, NC)、Merck (Whitehouse Station, NJ)、Johnson & Johnson (New Brunswick, NJ)、Aventis (Bridgewater, NJ)、AstraZeneca (Wilmington, DE)、Novartis (Basel, Switzerland)、Wyeth (Madison, NJ)、Bristol−Myers−Squibb (New York, NY)、Roche (Basel, Switzerland)、Lilly (Indianapolis, IN)、Abbott (Abbott Park, IL)、Schering Plough (Kenilworth, NJ)、またはBoehringer Ingelheim (Ingelheim, Germany)等の市販業者より、または、たとえばFieser and Fieser’s Reagents for Organic Synthesis, Volumes 1−17 (John Wiley and Sons, 1991)、Rodd’s Chemistry of Carbon Compounds, Volumes 1−5 and Supplementals (Elsevier Science Publishers, 1989)、Organic Reactions, Volumes 1−40 (John Wiley and Sons, 1991)、March‘s Advanced Organic Chemistry, (John Wiley and Sons, 4th Edition)、およびLarock’s Comprehensive Organic Transformations (VCH Publishers Inc., 1989)等の参照文献に明記される方法に従う当業者に公知の方法による調製のいずれかにより、入手可能である。
【0093】
本明細書に記載される化合物を生産するための化学反応は、有機合成分野の当業者により選択される溶媒中で実行することができる。溶媒は、化学反応が実施される条件下(すなわち、温度および圧)で、実質的に、開始物質(反応物質)、中間物質または産物と反応しない可能性がある。化学反応は、一つの溶媒中で、または一つより多い溶媒の混合物中で実施することができる。産物または中間物質の形成は、当分野に公知の、適切な任意の方法に従いモニターすることができる。たとえば、産物形成は、たとえば核磁気共鳴分光計(たとえば、1Hまたは13C)、赤外線分光法、分光光度測定法(たとえば、UV可視光)、もしくは質量分析法等の分光器により、またはたとえば高速液体クロマトグラフィー(HPLC)もしくは薄層クロマトグラフィー等のクロマトグラフィーにより、モニターすることができる。
【0094】
図表1に示されるように、化学式Iに記載されるN官能基化イミダゾールは、たとえば、市販のイミダゾール(1)を強塩基(たとえば水素化ナトリウム、水酸化ナトリウム等)で処理し、イミダゾラートナトリウム塩(2)を形成することにより作製することができる。次いで、イミダゾラートナトリウム塩(2)をハロゲン化アルキルで処理し、N−アルキル化イミダゾール(3)を形成することができる。同様に、ハロゲン化アルキルの代わりに他のハロゲン化有機物を用いて、対応するN有機置換イミダゾールを産生することができる。
【化19】
【0095】
さらに、化合物(4)を作製するために、化学式I−Eに記載されるビス−N置換イミダゾールを、たとえばイミダゾラートナトリウム塩(2)の2当量をジハロゲン化アルキルで処理して作成することができる(図表2参照)。
【化20】
【0096】
さらに、化学式IのN置換イミダゾールは、米国公開特許出願第2009/0171098(N置換イミダゾールの合成方法の教示に対し、参照により本明細書に援用される)に記載される方法に従い、合成することができる。
【0097】
開示されるイミダゾール−アミン混合物は、本明細書に記載される方法により調製することができる。通常、システムの調製のために用いられる特定のN官能基化イミダゾール(複数含む)およびアミン(複数含む)は、本明細書に記載のように選択される。次いで、入手した特定のN官能基化イミダゾール(複数含む)およびアミン(複数含む)を組み合わせ、本明細書に記載されるシステムを得ることができる。
【0098】
システムの調製のために用いられるN官能基化イミダゾールおよびアミンの供給は、ある態様において、得られるシステムの所望の特性に依存する。本明細書に記載されるように、開示される組成物は複数の所望の特性を有することができ(たとえば、低粘度、低揮発性、高いCO2キャパシティ等)、それらは、少なくとも一部は、システムの調製のために用いられるイミダゾールおよびアミンの特性に由来する。ゆえに、開示されるシステムの調製のために、所望の特性を備えるN官能基化イミダゾールの一つ以上、および所望の特性を備えるアミンの一つ以上を選択し、供給する。所望されたイミダゾールおよびアミンの供給は、実行者の優先傾向および目的次第で、任意の順番で行うことができる。たとえば、特定のイミダゾールが供給され、次いで特定のアミンが供給されてもよい。あるいは、特定のアミンが供給され、次いで特定のイミダゾールが供給されてもよい。さらに、イミダゾールとアミンが同時に供給されてもよい。イミダゾールおよびアミンの選択に基づき調製される所望の特性として、たとえば、蒸気圧、粘度、密度、熱容量、熱伝導性および表面張力が挙げられる。たとえば、高圧を適用する場合において、システムは主にN官能基化イミダゾールから構成することができる。低圧を適用する場合においては、システムはN官能基化イミダゾールおよび一つ以上のアミンの組み合わせを含有することができる。さらに、システムで用いられるアミンは、適用する圧力レベルに応じて変化することができる。1級(10)アミン(たとえばモノエタノールアミン(MEA)またはジグリコールアミン(DGA))は、低圧適用における使用に適している。低圧適用の例には、発電所からの燃焼後CO2捕捉が挙げられる。2級(20)アミン(たとえば、N−メチルエタノールアミン(NMEA)またはピペラジン(PZ))または立体障害20アミン(たとえばジイソプロプラノールアミン(DIPA))は、中圧〜高圧適用の使用に対し適しうる。中圧〜高圧適用の例には、天然ガスからのCO2の除去がある。
【0099】
D.システムの使用方法
本明細書に記載されるシステムは、米国公開特許出願第2009/0291874号(揮発性化合物減少の方法および技術に対し、参照により本明細書に援用される)に記載されるように、ストリーム(たとえば、ガスストリームまたは液体ストリーム)から揮発性化合物を減少させるために用いることができる。本明細書に使用されるように、揮発性化合物は、源中に見いだされる、150g/mol未満の分子量の、望ましくない気体成分を含みうる。たとえば、揮発性化合物は、140g/mol未満、130g/mol未満、120g/mol未満、110g/mol未満、100g/mol未満、90g/mol未満、80g/mol未満、70g/mol未満、60g/mol未満、50g/mol未満、40g/mol未満、30g/mol未満、20g/mol未満等の分子量を有し、任意の表示値は、範囲の上のエンドポイント、または下のエンドポイントを形成することができる。揮発性化合物の例としては、CO2、CO、COS、H2S、SO2、NO,N2O、メルカプタン、H2O、O2、H2、N2、C1〜C8炭化水素(たとえば、メタンおよびプロパン)、揮発性有機化合物およびこれらの混合物が挙げられる。
【0100】
ストリームから揮発性化合物を減少させるための方法には、本明細書に記載されるシステムの有効量とストリームを接触させることが含まれうる。一部の実施形態において、システムは、主に、N官能基化イミダゾールから構成される。他の実施形態において、システムは、N官能基化イミダゾールおよびアミンを含有する。たとえば、ガスストリーム(たとえば天然ガスストリームまたは排煙ストリーム)からの揮発性化合物を、本方法に従い減少させることができる。
【0101】
本明細書において、天然ガス供給ストリームをスイートニングする方法がさらに記載される。当該方法には、本明細書に記載されるシステムの有効量と天然ガス供給ストリームとを接触させ、精製天然ガス供給ストリームおよびガス濃厚システムを形成することが含まれる。任意選択的に、天然ガス供給ストリームを、本明細書に記載される第二のシステムと接触させることができる。第二のシステムと天然ガス供給ストリームとの接触は、第一のシステムとの接触と同時に実施されてもよく(すなわち、ガス供給ストリームを、第一および第二のシステムの両方と接触させることができる)、または連続して実施されてもよい(すなわち、ガス供給ストリームを第一のシステムと接触させた後に、ガス供給ストリームを第二のシステムと接触させることができる)。次いで、精製天然ガス供給ストリームを、ガス濃厚システムから分離してもよい。一部の実施形態において、システムを再生するために、揮発性化合物をガス濃厚システムから減少させる。システムは、ガス濃厚システムを加熱または加圧することにより再生することができる。
【0102】
以下の実施例は、本明細書に記載される方法および組成物のある態様をさらに解説することを意図しており、クレームの範囲を限定する意図は無い。
【実施例】
【0103】
以下の実施例は、開示される主題に従う方法および結果を解説するために、以下に明記される。これらの実施例は、本明細書に開示される主題のすべての態様を包含することを意図せず、代表的な方法および結果を解説することを意図している。これらの実施例は、当業者に対し明らかな、本発明の同等物およびバリエーションを排除する意図はない。
【0104】
数値(たとえば、量、温度等)の点に関し、正確性を心掛けているが、一部、エラーおよび誤差が含まれる。他で示されない限り、部分は、重量部分であり、温度は、℃であるか、気温であり、圧力は、大気圧か、大気圧に近いものである。反応条件(たとえば、成分濃度、温度、圧力、ならびに、記載されたプロセスから得られる産物の精度および収率を最適化するために用いられる、他の反応範囲および条件)の多くのバリエーションおよび組み合わせがある。合理的で、所定の実験のみが、そのようなプロセス条件を最適化するために必要とされる。
【0105】
実施例1
物質
1−メチルイミダゾール(1)をSigma−Aldrich(Milwaukee,WI USA)より入手し、さらなる精製を行うことなく使用した。1−n−アルキルイミダゾール(2−10)をイミダゾラートナトリウム(NaIm)および、Bara et al.,“Versatile and Scalable Method for Producing N−Functionalized Imidazoles,”Ind.Eng.Chem.Res.,50(24);13614−13619 (2011)および米国公開特許出願第2009/0171098号(これらは、N官能基化イミダゾールおよびその合成に関する教示に対する部分がすべて、参照により本明細書に援用される)において記載される、相当する臭化アルキルから合成した。研究試薬グレードのCO2およびCH4をAirGas(Randor、PA USA)より購入した。
【0106】
実施例2
密度測定
Mettler Toledo DM45 DeltaRange密度メーター(電磁的に誘導された、ガラス製のU−form管の振動を介して操作する)を用いて、大気圧中における変動に対する自動補正を行いながら、各1−n−アルキルイミダゾールに対する密度値を得た。密度メーターは、最小サンプルサイズが1.2cm3で、0〜3g/cm3の範囲内にある液体サンプルを測定することができる。密度メーター測定の精度は、すべての操作温度に対し、±0.00005g/cm3である。1−n−アルキルイミダゾールの密度は、10℃の増加毎に20〜80℃の温度範囲にわたり記録され、化合物ごとに、合計で7回の密度測定が行われた。ユニットは、各稼働の間に脱イオン水で洗浄、次いでアセトンでリンスされ、さらに空気ストリームで乾燥させた。次のサンプルへと続ける前に、セルが清浄で空である密度の測定値は、20℃での空気の測定値(0.00120g/cm3)と一致していることで確認した。
【0107】
1−n−アルキルイミダゾールに対する、20〜80℃の温度範囲にわたる密度測定値を、表1に示す。
【表1】
【0108】
20〜50℃の範囲にある1−メチルイミダゾールを除き、すべての1−n−アルキルイミダゾールの測定濃度が、1.00000g/cm3未満であった。各化合物に対し、密度は、温度が上昇するにつれて、直線的に減少したことが観察され、1−n−アルキルイミダゾールの全体群にわたり、n−アルキル置換基の長さが増加するにつれて、密度が減少した。
【0109】
実施例3
粘度測定
粘度データは、Brookfield DV−II+Pro粘度計を使用して得た。粘度測定は、あらかじめ定めた流量に接触する、あるサイズのスピンドルのトルク値およびせん断率に基づいた。「ULA」スピンドルおよび被覆サンプルセルは、約16cm3の最小サンプルサイズを必要とする、これらの比較的低粘度の液(25cP未満)に対して用いられた。粘度計の精度は、トルク測定値の±1%であり、測定の再現性は±0.2%であった。各1−n−アルキルイミダゾールの粘度は、20〜80℃の範囲内で、10の温度で測定された。被覆サンプルチャンバーの温度は、−20〜200℃の操作範囲と、±0.01℃の温度安定性を有するBrookfield TC−602Pの循環バスを介して調節された。サンプルセルは、各稼働の間に脱イオン水およびアセトンでリンスすることにより洗浄され、次いで、空気乾燥された。粘度計は、稼働の間に、再度ゼロに設定された。
【0110】
20〜80℃の温度範囲にわたる1−n−アルキルイミダゾールに対する測定粘度値を、表2に示す。
【表2】
【0111】
表2に見られるように、10の1−n−アルキルイミダゾール化合物のほとんどすべての測定粘度値が、10cP未満であり、1−テトラデシルイミダゾールのみが、30℃以下で20cP超の粘度値を示した。各化合物に対し、粘度は、温度上昇とともに非線形状に減少することが確認された。粘度は、n−アルキル置換基の長さと強く相関し、20℃での最も小さい粘度と、最も大きい粘度の化合物間には桁違いの差があったが、最も高い温度では約3.5倍差にまで減少した。
【0112】
実施例4
CO2溶解度測定
1−n−アルキルイミダゾールのそれぞれにおけるCO2の溶解度を、天然ガス産業に対して開発された方法にもとづいた特注の装置(図1)を用いて測定した(Bara et al., Acc. Chem. Res. 2010, 43, 152 159を参照のこと)。
【0113】
セル本体は、対応する底蓋に突合せ溶接された外径2.5インチ(外径6.35cm)の衛生器具から組み立てられた。1/4インチ(0.635cm)VCRおよび1/8インチ(0.3175cm)の管継手が、上蓋に溶接され、PTFEガスケットおよびバネ懸架式クランプが容器を封じるために用いられた。衛生器具、ガスケットおよびクランプは、McMaster−Carrから購入した。スウェージロック器具は、Alabama Fluid Systems Technologies(Pelham、AL)より購入した。機械加工は、アラバマ大学のEngineering Technical Servicesで行われた。溶接は、McAbee Construction (Tuscaloosa, AL)で行われた。
【0114】
実験は、気温(25±0.5℃)で行われ、空気循環を介して温度を調節した。対象の1−n−アルキルイミダゾール化合物(約40mL)を、セルに加え、8mgの再現性で、溶媒の重量を、Mettler Toledo XS6002S Precision Balanceを用いて記録した。溶媒の体積は、上記のように測定された密度値を用いて算出された。1.75インチ(4.445cm)幅のかくはん子を加えて、気相と液相が完全に接触するようにした。次いで、容器を密封し、残りの空気を、システム圧力が、MKS Baratron圧力トランスデューサ―で計測してMKS PDR2000A Two−Channel Digital Power Supply/Readout上で約5トル未満と表示されるまでバキュームを用いて除去した(精度は測定値の±0.5%)。トランスデューサ―はまた、デジタルデータの取得とシステム温度および圧力の視覚モニタリングのために、LabView(National Instruments)と接続された。次いで、CO2を添加する前に、風袋重量を提示させるために、密封された器具の重量測定を行い、器具類の再接続、次いで攪拌プレート上にユニットを固定した。CO2は、3〜7atm間の圧力でセルに加え、平衡圧およびCO2添加重量を記録した。平衡に到達したことの確認は、読み出し情報およびデータ獲得ソフトウェアからの両方で、10分にわたる安定圧力測定値(±2トル)により決定された。溶媒粘度が低く、そして容器は攪拌することができたため、平衡は、30分未満で大体は到達した。
【0115】
バランスエラーからはるか遠くとなるように加えられたCO2の質量が十分であることを確実にするために、開始点として、3atmのCO2圧力を選択した。CO2圧の気圧ごとに、約350〜400mgのCO2が溶媒40mLに吸収された。容器に加えられたCO2のモル(nco2)は、CO2の質量増加および分子量(44.01g/mol)から算出された。蒸気相のCO2のモル(nvCO2)は、空のセルの体積からかくはん子および溶媒の体積を差し引き、理想気体の法則を適用することで算出した(式1)。
【数1】
【0116】
液相のCO2のモル(nlCO2)は、セルに加えられたCO2の総モルから差し引かれた蒸気相中のモルであるとみなされた(式2)。
【数2】
【0117】
この装置および技術を使用した再現性のエラーは、±4%であることが見いだされ、イオン性液体上で行われた同様のガス溶解度測定に対し従前に記載された同様の設備のエラーと一致した。たとえば、Bara et al., Acc. Chem. Res. 2010, 43, 152−159、 Armand et al., Nat. Mater. 2009, 8, 621−629、およびMcCabe et al., Unit Operations of Chemical Engineering, 6th Ed.; McGraw−Hill: Boston, 2001を参照のこと。
【0118】
溶媒密度は、CO2の添加でも一定であることが推測されていた(すなわち、膨張しない)。各1−n−アルキルイミダゾール中におけるCO2の溶解度は、検証された圧力範囲中で直線状であることが見いだされ、ヘンリーの法則定数(H(atm))が、以下の関係性から算出された(式3):
【数3】
【0119】
体積溶解度(S)は、式4に従い、大気圧ごとの1−n−アルキルイミダゾール(cm3 imid)のcm3ごとに溶解したCO2の標準立方センチメートル(cm3(STP))として算出された。
【数4】
【0120】
ヘンリー定数(H(atm))に関する、1−n−アルキルイミダゾール中の、低圧、25±0.5℃でのCO2の溶解度データおよび体積溶解度(S)を、表3に示す。
【表3】
不確実性は、平均からの±1標準偏差として表す。
【0121】
実施例5
密度および粘度の比較
1−n−アルキルイミダゾールに対しては、密度は、n−アルキル鎖の長さおよび温度に影響を受ける。温度の上昇および側鎖長の増加は両方とも、密度の減少に対して認められた。1−n−アルキルイミダゾールに対する同様の傾向は、[Cnmim][X]イオン性液体ファミリー(たとえば、[C2mim][BF4]、[C4mim][BF4]、[C6mim][BF4])に対してもまた認められるが、イオン性液体密度は、たとえば、[C4mim][BF4]、[C4mim][PF6]、[C4mim][OTf]等の同質陽イオンを有するファミリーにわたり、陰イオンの性質にもまた強く影響を受ける。1−n−アルキルイミダゾールの密度が、所与の温度で、最小および最大密度の種の間で約15%変化するのみであることが認められる一方で、イオン性液体の密度は、より大きく変化することができる。たとえば、298Kで、[C4mim][Tf2N](r=1.44 g/cm3)および[C4mim][dca](r=1.06g/cm3)の密度において、30%の差異が認められる。たとえば、[C2min]等の小さな陽イオン、またはたとえばビス(パーフルオロエチルスルホニル)イミド([beti])等の大きなフッ素化を伴う陰イオンでは、さらに大きな展開が可能である。すべての[Cnmim][X]イオン性液体は、同温度で、それらの1−n−アルキルイミダゾール類似物よりも、約10%以上高い密度である。
【0122】
1−n−アルキルイミダゾールと[Cnmin][X]イオン性液体の間の密度における差異は、あるプロセス設計検討に影響を与える可能性があり(たとえば、容器内の上部圧力、質量流量率の増加)、差異の大きさ(10〜50%)は比較的小さく、多くの普遍的な有機化合物の範囲内である。普遍的な塩素化有機溶媒(たとえばクロロホルム)は、もっとも大きな密度のイオン性液体とほぼ同じ密度である一方で、臭素化化合物(たとえばブロモホルム)は、ほとんどの[Cnmim][X]イオン性液体の少なくとも2倍の密度でありうる。
【0123】
中性の1−n−アルキルイミダゾールから[Cnmim][X]イオン性液体への遷移に関連した密度変化は比較的小さい一方で、溶媒粘度には代償が強いられる。中性の1−n−アルキルイミダゾールから[Cnmim][X]イオン性液体への遷移の際、1桁かそれ以上、粘度が増加する。1−n−アルキルイミダゾールに対しては、鎖長の増加および温度低下と共に、粘度が増加することが確認された。同様の傾向が、同じ陰イオン[X]を有する[Cnmim]イオン性液体ファミリーにわたり、当てはまる。しかしながら、同じ[Cnmim]陽イオンを有するイオン性液体と異なる陰イオン種を有するイオン性液体の間の粘度の差異は、非常に大きく、ほとんど桁違いに及ぶ。
【0124】
実施例6
燃焼後CO2捕捉に対する共溶媒としての1−N−アルキルイミダゾール
1−n−アルキルイミダゾールが低圧CO2捕捉適用に対する溶媒/剤として使用できるかどうかを決定するために、1−ブチルイミダゾール(37.37g、158.2mmol)とモノエタノールアミン(MEA)(9.968g、163.2mmol)の混合物(混合物全体で、約80:20vol/vol)中でのCO2の取り込みを、実施例4に記載した同じ装置と、若干の改変を加えた実験手順を用いて測定した。最初に、約1000トルのCO2でのストリームを数分間、セルに供給した。次いで、バルブを閉じて、平衡圧606トルに達するまで減衰するためにセル中の圧力を観察した。セルの質量を得て式1を適用した後、118mmol(5.20g)のCO2が液相に吸収されたことを見出した。
【0125】
CO2の過剰な吸収の原因となっている正確な反応メカニズム(複数含む)を決定するために、1H NMR分光法を用いて最初の試みが実行された。1H NMRスペクトルは、d6−DMSO中ならびに重水素化されていない溶媒で得られた。溶媒が理論上のそのキャパシティの100%未満を吸収したときには元々は6.0〜6.5ppmの範囲にあるプロトンシグナルが、溶媒が理論上のそのキャパシティの100%超を吸収したときには、6.5〜7.0ppmの範囲へ、低磁場に変化させたことが観察された。化学的変化はまた、[C6mim][Tf2N]中でMEAによりCO2が捕捉された際に報告されたよりも、さらに低磁場であり、MEA−カルバミン酸塩産物の沈殿のために、0.50mol CO2/mol MEAに制限された。1−ブチルイミダゾール−MEA溶媒混合物に対しては、重水素化された溶媒がNMRサンプル中に含まれていない場合に、さらに低磁場(8.5〜8.75ppm)であったが、ブロードピークが観察され、これは、1−ブチルイミダゾールとMEAの間のH+交換を示唆している可能性がある。これらのデータは、1−ブチルイミダゾールは、アミンの存在中で、CO2捕捉のための化学反応において、直接参加の役割を有することができることを示唆している。
【0126】
実験が完了し、液相をすぐに粘度計へと移送させた後、直ちにCO2濃厚溶媒の粘度を測定した。CO2濃厚溶媒の粘度は、当初、25℃で約100cPとして測定されたが、値は数分後、85cPへと低くなり、これは反応産物(複数含む)からのCO2の消失のためと推測される。
【0127】
1−ブチルイミダゾール−MEA混合物の結果より、1−n−アルキルイミダゾールの混合物は、低圧CO2捕捉に対して、特にTSIL化合物と比較した場合に、CO2濃厚相に対して高いCO2キャパシティおよび比較的低い粘度を提供する効果的な溶媒/剤として用いることができることが示された。カルバミン酸塩−イミダゾリウム塩産物は、CO2、アミンおよび1−n−アルキルイミダゾールの間に形成された産物として存在する、可逆性のイオン性液体タイプとしてみなすことができる。
【0128】
実施例7
CO2およびCH4溶解度測定
1−n−アルキルイミダゾール中におけるCO2およびCH4の溶解度を、上述の実施例2で記載したように測定した。実験は、CO2およびCH4の両方の測定に対し、30、45、60および75℃の温度(オイルバスで調節されながら)で実施された。最初のガスチャージは、圧力が約5atm(標的圧力として選択された)で平衡となるまで、30℃で供給された。次いで、すべての温度に対する溶解値を、システムのこの既知のガス質量および加熱時の圧力変化から算出した(たとえば、Finotello et al., “Room−temperature ionic liquids: Temperature dependence of gas solubility selectivity,” Ind. Eng. Chem. Res., 47:3453−3459 (2008)(ガス可溶度測定および算出のその教示に対し、本明細書に援用される)を参照のこと)。1−n−アルキルイミダゾール化合物の蒸気圧は、ガスの分圧と比較して低く(最大で約5mmHg、通常は1トル未満)、そして非常に小さい(約0.1%)ため、実験温度および圧力条件下では無視できるものとして仮定することができる(たとえば、Emel’yanenko et al., “Building Blocks for ionic liquids: Vapor pressures and vaporization enthalpies of 1−(n−alkyl)−imidazoles,” J. Chem. Thermodyn., 43:1500−1505 (2011)、Verevkin et al., “Thermodynamics of Ionic Liquids Precursors: 1−Methylimidazole,” J. Phys. Chem. B, 115:4404−4411 (2011)を参照のこと)。ヘンリー定数(H)および体積溶解度(S)に関連した各エラーは、器具類に関連した全てのエラーが定量化された実験パラメーター(すなわち、圧力、温度、体積、質量等)のエラーの伝播にもとづき算出された。この方法においては、液体に溶解したガスのモルと、ガスの分子量の両方が、不確実性の程度を決定する際に考慮するべき要因である。CO2は、CH4よりも、より可溶性であり、また分子量も大きいので、CO2に対する測定は、CH4に対するエラーよりも桁違いに小さいエラーを示す(それぞれ、典型的な実験エラーは1〜2%と10〜15%)。CO2溶解度に対するエラーは、上述のものと一致する。
【0129】
30℃および75℃の間の温度での、1−n−アルキルイミダゾール中におけるCO2およびCH4のヘンリー定数(Hj(atm))および体積溶解度(Sj)を表4に示す。
【表4】
aエラーは、ある標準偏差を表す。bS[=](cm3ガス(STP))(cm3溶媒)-1atm-1
【0130】
表4は、任意の所与の温度で、1−メチルイミダゾールは、体積当たりで、CO2の最も高い溶解度、およびCH4の最も低い溶解度を示したことを明らかにする。1−ヘキシルイミダゾールは、同一条件下でCH4の最も高い体積溶解度を示した。1−n−アルキルイミダゾールのそれぞれにおける、両方のガスの溶解度は、温度が上昇するにつれて減少した。参考基準として、モルの溶解度データもまた、ヘンリー定数として表1に示されており、CO2は、1−オクチルイミダゾールおよび1−デシルイミダゾール中で最も高い溶解度となることが示されている一方で、CH4は1−ヘキシルイミダゾール中で最も高い溶解度となることがさらに示されている。しかしながら、より大きな1−n−アルキルイミダゾールには、より小さなヘンリー定数であることより示される、より大きなCO2溶解度は、主に、1−メチルイミダゾールおよび1−オクチルイミダゾールの間(すなわち、より大きなモル体積)の2倍超の分子量の増加によるものである。ゆえに、体積溶解度データは、従来的な溶媒、イオン性液体およびポリマーとの直接的な比較の形成において、有用である(Bara et al., “Guide to CO2 Separations in Imidazolium−Based Room−Temperature Ionic Liquids,” Ind. Eng. Chem. Res., 48:2739−2751 (2009)、Lin et al., “Materials selection guidelines for membranes that remove CO2 from gas mixtures,” J. Mol. Struct., 739:57−74 (2005))。
【0131】
表4の溶解度データは、1−メチルイミダゾールはまた、物理溶媒を用いたCH4からのCO2除去に対する吸収−再生プロセスの点に関して、1−n−アルキルイミダゾール溶媒の中で最も大きな機能キャパシティを有していることを示す。30℃〜75℃の間の、約60%のCO2溶解度の減少は、中程度の加熱および/または穏やかなバキュームの下で溶媒からCO2が容易に脱着されることを示す。
【0132】
1−n−アルキルイミダゾールの鎖長が増加するにつれ、CH4溶解度(SCH4)が、1−メチルイミダゾールから1−ヘキシルイミダゾールへと増加したが、1−オクチルイミダゾールおよび1−デシルイミダゾールで減少したことが示された。1−エチルイミダゾール中よりも、1−オクチルイミダゾールおよび1−デシルイミダゾール中のほうが、溶媒環境全体の極性がずっと低いが、これらの溶媒は、同レベルのCH4取込を示す。これらの傾向は、鎖長の増加により、CH4が溶解するための利用可能なスペースが最終的には制限されてしまうため、この分子ファミリーにおいては、炭化水素含量が大きくても、CH4溶解に必ずしも有利に働くわけではないことを示している。
【0133】
実施例8
市販の物理溶媒プロセスおよびイオン性液体への、1−メチルイミダゾールの比較
酸性ガス除去のための溶媒選択に適用される一般原則は、極性基(エーテル、ニトリル等)がCO2溶解およびCO2/CH4に有利に働く、ということである(Bara et al., “Guide to CO2 Separations in Imidazolium−Based Room−Temperature Ionic Liquids,” Ind. Eng. Chem. Res., 48:2739−2751 (2009)、Lin et al., “Materials selection guidelines for membranes that remove CO2 from gas mixtures,” J. Mol. Struct., 739: 57−74 (2005)を参照のこと)。ゆえに、天然ガスのスイートニングや、他の酸性ガスを除去する応用に対し、極性有機溶媒(たとえば、DMPEG、MeOH等)が主に使用される。しかしながら、市販の実行可能なプロセスにおいて使用される物理溶媒に対し、低揮発度、低粘度、安定性および好ましい価格での一括購入を含む、様々な要因が考慮される。さらに、処理されるガスストリームの違いおよび/または産生ガスに要求される純度の違いのため、あらゆるガス処理アプリケーションに適用できる物理溶媒は無い。最も使用されている物理溶媒のうち4つは、ポリ(エチレングリコール)(DMPEG)、プロピレン炭酸塩(PC)、N−メチル−2−ピロリドン(NMP)およびメタノール(MeOH)の入ったジメチルエーテルであり、それぞれ、独自の性質と制限を有する。溶媒特性および処理されるガス組成物に関連した多くの要因がまた、溶媒選択の決定に関与している。
【0134】
たとえば、DMPEGはCO2からのH2Sの選択分離を達成するのに効果的であるが、他の物理溶媒よりも高い粘度を有しているため、特に25℃以下で操作される場合の質量転移率が低い。PCは、再生中(約93℃)に不安定となってしまうため、H2Sが高濃度で存在する場合の使用に、通常は推奨されない。ここで検討される溶媒のうち、NMPは、H2S/CO2に対して最も高い選択性を有しているが、DMPEGまたはPCよりも揮発性が高い。周辺環境で、MeOHはかなり揮発性があるが、氷点下の温度にまで冷却されると(約−70.5℃の低さ)、MeOHは、CO2、H2Sおよび他の混入物の除去が完全に近いほど効果的となる。冷却MeOH(または任意の物理溶媒)は、酸性ガス負荷を増加するが、冷却のための電源供給のコストも増大し、溶媒粘度も潜在的に増加する。しかしながら、これらの操作費用は、溶媒循環率(プロセスフットプリント(process footprint))の減少により相殺することができ、資本支出の低減をもたらす。また、CH4の溶解度はCO2(または他の酸性ガス)よりも、温度とともにかなり低く変化するため、冷却を通じて選択性の増強が得られる。通常、CO2およびH2Sが最も高い比率で存在する混入物である一方で、たとえば硫化カルボニル(COS)、二硫化炭素(CS2)およびメルカプタン(RSH)等の他のマイナーな種類のガスもまた、除去することができる。溶媒選択およびプロセスデザインにおける他の検討事項は、吸収と、溶媒中に蓄積する、より大きな炭化水素のロスである。ゆえに、プロセスデザインは、溶媒の物理的特性および要求されるユニット操作の数の両方に依存して、これら溶媒のそれぞれでかなり異なってくる。
【0135】
表5は、論じた4つの物理溶媒、ならびに1−メチルイミダゾールの、プロセス操作に最も関連する物理特性を示す。イオン性液体(ILs)もまた、この比較中に含まれる。すべての物理的特性は、他に注記が無い限り、25℃でのものである。
【表5】
“bp”=沸点;a特性は安定性に依存する;b推定値;c−25℃でのMeOHに対する溶解度選択性データ。
【0136】
表5は、物理的特性の点で、1−メチルイミダゾールが最もNMPに似ていることを示す。NMPおよび1−メチルイミダゾールの両方ともが、PCと比べて約50%低い粘度であり、DMPEGと比べて約70%低い粘度である。1−メチルイミダゾールはNMPおよびDMPEGよりも約20%低いCO2溶解度を有するが、DMPEGおよびNMPよりも高いCO2/CH4選択性を有する。NMPに対してみられる、CO2/CH4およびH2S/CO2比の類似性、および塩基性の窒素中心の存在(それ自身を酸スカベンジャーとして使用させ、H2Sの酸性プロトン(複数含む)との可逆的な酸−塩基相互作用を与える)に基づく、より高いH2S/CO2選択性の可能性がまた、1−メチルイミダゾールに存在する。表5は、1−メチルイミダゾールが、IGCC、またはH2S/CO2に対するその選択性に基づく、燃焼前CO2捕捉に対し有用であることを明示する。
【0137】
実施例9
イミダゾールおよびアミンによるCO2捕捉
CO2捕捉応用に対するイミダゾールの有用性を、1−ブチルイミダゾールと他のアミン系の化合物(NMEA、API、AMP、ピペラジン、イミダゾールおよびDIPAを含む)との混合物の実験により検証した。上述およびShannon et al., “Properties of alkylimidazoles as solvents for CO2 capture and comparisons to imidazolium−based ionic liquids,” Ind. Eng. Chem. Res., 50:8665−8677 (2011)に記載のように、気温(25℃)、CO2分圧は5〜225kPaの間で、実験を実施した。吸収されたCO2と、様々な1−ブチルイミダゾール+アミンの組み合わせに対する圧力の間の関係性を、図2に示す。
【0138】
1−ブチルイミダゾール+イミダゾールを除き、すべての組み合わせで、分圧約10kPaでCO2の負荷が急増したことにより証明されるように、CO2との化学的反応が示された。ピペラジンのケース(1−ブチルイミダゾールでのみ難溶性)では、CO2と良く混ざったスラリーとの急速反応を介して、高レベルのCO2取込がさらに達成された。任意の適切な圧力測定を設備から得る前に、ピペラジンは、CO2と1:1の比率で化学量論的にほぼ飽和された。すべてのピペラジンがすでにCO2と反応したので、提示された線の傾斜(何の化学的反応も受けていないイミダゾールを含有する混合物のそれとほぼ平行)は、ゆえに、1−ブチルイミダゾールにおけるCO2の物理的溶解性の指標となる。
【0139】
約0.35mol CO2/molアミン以下の負荷で、2−アミノ−2−メチルプロパノール(AMP)は、1−ブチルイミダゾール中で可溶性のままであり、約10kPaの分圧でCO2吸収が急増を示した。しかしながら、この負荷以上でAMP−カルバミン酸塩が溶液から沈殿し、負荷と圧力との間の関係性が、物理溶媒のより代表的なものとなった。CO2との反応でのAMPの沈殿
は、カルバミン酸塩形成が有利に働く有機溶媒では通常に見られるが、炭酸塩形成が好ましいメカニズムである水溶液では見られない。
【0140】
NMEAはCO2の吸収で溶液から沈殿せず、最も良い負荷プロファイルを示した。分圧50kPaで、1−ブチルイミダゾール+NMEA混合物は、0.75mol CO2/mol NMEAの負荷を達成した。2Oアミンを含有する非水性溶媒では、圧力増加で発生する付加的な物理溶解性とともに、0.50mol CO2/molアミンのレベルが達成されることが期待された。しかし、これらの比較的低いCO2分圧での1−ブチルイミダゾール溶媒の物理溶解性は、化学量論的化学反応限界である0.50mol CO2/mol NMEAを超えるCO2吸収の比率(20%未満)を占めるのみであった。1−ブチルイミダゾールピミダゾールに対するデータの傾斜比較により、1−ブチルイミダゾール+NMEAの組み合わせが、CO2取込に相乗作用的な効果を生み出したことが明らかになった。
【0141】
大きくて、ヒンダード2OアミンであるDIPAはまた、NMEAと似た吸収作用を示したが、アミン基が、カルバミン酸塩を形成するためにCO2へ接近しづらくなるにつれ、全体の負荷は少なくなった。
【0142】
興味深いことに、API(アミン−イミダゾールのハイブリッド)は、10kPa以下で、0.50mol CO2/mol−NH2基の負荷を達成したにもかかわらず、圧力増加ではCO2に対し物理溶解性のみを示した。可能性のあるH+転移メカニズムに基づき、この作用は、APIの2分子間に形成されたカルバミン酸は、AMPのケースのように、またはNMEA含有溶媒と同様に、CO2取込レベルを促進するために1−ブチルイミダゾールにアクセスできず、大きな側基を有する1Oアミンは、アミン分子毎に0.50超の負荷を容易に達成するための候補にはなりそうにないことを示す。不均一の混合物であったピペラジンを除き、小さなアルカノールアミン(たとえばNMEAおよびMEA)は、イミダゾール系の溶媒で最も大きなCO2取込を達成することができる。
【0143】
NMEA、APIおよびDIPAについて、最大CO2負荷でのCO2濃厚混合物の粘度を、実験の完了後ただちに測定した。結果を表6にまとめる。
【表6】
【0144】
興味深いことに、すべてのCO2濃厚溶媒は、30〜40cPの範囲の粘度を有し、これは25℃での生の1−ブチルイミダゾールの粘度から8〜10倍の増加を表す。高いCO2濃厚状態での1−ブチルイミダゾール+NMEA粘度は、同様の負荷での1−ブチルイミダゾール+MEAを含有する混合物の粘度の約1/3ほどであった。粘度はCO2吸収とともに増加するが、観察された値は、ほとんどの従来型のILs(これらの分圧下では高レベルのCO2負荷は達成できない)および他の反応性および可逆性ILsよりもまだ低い(たとえば、Bara et al., “Guide to CO2 separations in imidazolium−based room−temperature ionic liquids,” Ind. Eng. Chem. Res., 48: 2739−2751 (2009)、Gardas et al., “A group contribution method for viscosity estimation of ionic liquids,” Fluid Phase Equilibr., 266: 195−201 (2008)を参照のこと)。さらに、この粘度範囲は、燃焼後CO2捕捉アプリケーションに提案されている一部の水性アミン溶媒、およびすでに天然ガス産業界において市販されている溶液のそれに近づいている。最初の結果は、粘度のさらなる減少は、吊り下がったアルキル鎖を短くしたN官能基化イミダゾール(たとえば、1−メチルイミダゾール、1,2−ジメチルイミダゾール等)で達成されると示唆している。
【0145】
気温での1−ブチルイミダゾール+NMEA混合物の実績にもとづき、負荷の温度依存を、イミダゾールパミン混合物における吸収および脱離についてのベースラインデータを作製するために特徴づけした。図3は、圧力10kPa超、温度範囲25〜80℃にわたる、これらのデータを示す。典型的な排煙条件(40℃、2psia CO2)に対して、1−ブチルイミダゾール+NMEA溶媒は、0.50mol CO2/molアミンに近づく負荷を達成している。図3に見られるように、CO2溶解性は、所与の圧力で温度が上昇するにつれ、減少する。1−ブチルイミダゾール+NMEA混合物は、温度が40℃から80℃に上昇する際、定圧で、約0.40mol CO2/mol NMEAの機能キャパシティを示す。CO2濃厚状態での比較的低い粘度と組み合わせて、これらのデータにより、イミダゾール+アミン溶媒は、従来型の吸収−抜取プロセス内で、CO2の捕捉および放出の両方の能力を有することが示される。
【0146】
溶媒混合物CO2捕捉を考案するために多種多様なイミダゾールおよびアミン誘導体を様々な濃度で用いることができるため、この具体的な組み合わせ(1−ブチルイミダゾール+NMEA(80:20 vol:vol))は、ただの代表的な例示である。イミダゾールの構造およびアミン成分の両方が、結果として得られる溶媒混合物の物理的特性および化学的特性の両方に影響を与える可能性がある。
【0147】
実施例10
SO2除去剤としてのイミダゾール
アルキルイミダゾールはまた、物理的および化学的相互作用を介したSO2の可逆的吸収に用いることができる。この特性は、アルキルイミダゾールは、排煙からSO2を回収するための化学的および物理的溶媒の両方として用いることができるという興味深い可能性を提示する。
【0148】
アルキルイミダゾール溶媒でのSO2の吸収を示すために、良く換気されたドラフト内で実験を行った。職員へのSO2暴露を確実に最小限にするために、携帯SO2センサーもまた用いた。1−ヘキシルイミダゾール(5.00g、32.8mmol)を、室温水のバスの中に収められた50mLの丸底フラスコ内で攪拌した。低圧SO2(約1psig)を、溶媒へ、沸騰させながら入れ、トータルの溶液体積が、単液相が存在しながら急速に膨張するのを観察した。沸騰SO2ストリームを暴露した5分後、フラスコ内容の質量は2.46gまで増加したのを観察し、これは38.4mmolまたは1.17molのSO2/mol 1−ヘキシルイミダゾールがフラスコ内に存在したことを示す。SO2ストリームの流入が停止した後、フラスコ内容物に、室温で数時間、N2ストリームを吹き付けた。この後、液相を、透明な粘着性ゲルへと移し、約0.5mol SO2/mol 1−ヘキシルイミダゾール(フラスコ内容の残質量より測定)を含有させた。SO2のロスは、物理的に溶解した部分である可能性があり、ゆえに、SO2は、1:2の比率でアルキルイミダゾールと反応することが示された。化学的に結合したSO2は、サンプルを、N2を吹き付けながら、100℃超に熱することにより、放出されうる。1−ヘキシルイミダゾールの不可逆的な分解が、H1 NMRを介して観察された。
【0149】
1−ヘキシルイミダゾールは、その非常に低い揮発性による利便性のために選択されたが、この反応は、任意のアルキルイミダゾール化合物でも為し得た可能性があった。ゆえに、SO2およびイミダゾール間の反応産物の特性(すなわち、粘度および固体/液体/ゲル状態)は、おそらくアルキル鎖の長さ、ならびにC(2)、C(4)および/またはC(5)部分での付加的な官能基化に依存する。炭素部分の官能基化はまた、化学反応を平衡に合わせる能力、または脱離温度を調節する能力を提供することができる。
【0150】
CO2捕捉のための1−ブチルイミダゾール+NMEA混合物と同様に、1−ヘキシルイミダゾールの実施例は最適化されたものではない。しかしながら、N官能基化イミダゾールは、電力産業界における、排煙からの可逆的なSO2捕捉の新たな可能性を提供する。可逆的なSO2捕捉は、SO2+CaSO3反応(CaSO3、次いで、CaSO3は酸化されてCaSO4になり、通常、乾式壁として用いられるために、販売される)に依拠した最新の「浄化(scrubbing)」技術として興味深いものである。SO2の直接的な回収は、排煙脱硫において固体を手で取り扱うという工学的なプロセスの問題を排除し、同時に、たとえばH2SO4等の高価値な硫黄産物の生産をもたらす。
【0151】
無水アミンにより提示されるものと類似の、酸−塩基反応を介したH2S除去へのイミダゾールの適用には、さらなる可能性がある。H2Sの最初のプロトン電離のpKaは約7.0であるため、1,2−ジアルキルイミダゾールおよび1,2,4−トリアルキルイミダゾールは、イミダゾリウム二硫化塩を形成するための、H2Sのほとんど定量的な脱プロトン化の能力を有する。
【0152】
添付のクレームにある化合物および方法は、クレームのいくつかの態様を説明することを意図している本明細書に記載される具体的な化合物および方法により範囲が限定されず、機能的に同等な任意の化合物および方法は、本開示の範囲内となる。本明細書に記述および提示される化合物および方法に加え、様々な改変が、添付のクレームの範囲内に含まれることが意図される。さらに、これらの化合物および方法のある代表的な化合物、方法および態様のみが具体的に開示されているが、たとえ具体的に列挙されていなくとも、他の化合物および方法および当該化合物および方法の様々な特性の組み合わせが、添付のクレームの範囲内に含まれることが意図される。ゆえに、工程、元素、成分または構成要素の組み合わせが本明細書に明示的に言及されうる。しかしながら他のすべての工程、元素、成分および構成要素の組み合わせが、たとえ明示的に述べられていなくとも、含まれる。
本発明のまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1〕ストリームから二酸化炭素を減少させる方法であって、
前記ストリームと、N官能基化イミダゾールおよびアミンを含有するシステムを接触させることを含み、
ここで、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性である、方法。
〔2〕前記N官能基化イミダゾールが、N−アルキルイミダゾール、N−アルケニルイミダゾール、N−アルキニルイミダゾール、N−アリールイミダゾールまたはそれらの混合物である、前記〔1〕に記載の方法。
〔3〕前記N官能基化イミダゾールが、以下の構造:
を有し、ここで、
1は、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロであり、および
2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、置換もしくは非置換アミノ、シアノまたはニトロから選択される、
前記〔1〕または〔2〕に記載の方法。
〔4〕前記アミンが、1級アミン、2級アミン、3級アミン、環状アミン、またはそれらの混合物からなる群から選択される、
前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の方法。
〔5〕前記アミンが、以下の構造:
を有し、ここで、
1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロからなる群から選択される、
前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の方法。
〔6〕前記1級アミンが、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、またはそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔4〕に記載の方法。
〔7〕前記2級アミンが、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、またはそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔4〕に記載の方法。
〔8〕前記3級アミンが、N−メチルジエタノールアミンである、前記〔4〕に記載の方法。
〔9〕前記環状アミンが、置換または非置換ピペラジンである、前記〔4〕に記載の方法。
〔10〕前記アミンが、モノアミン、ジアミンまたはポリアミンである、前記〔1〕〜〔9〕のいずれかに記載の方法。
〔11〕前記N官能基化イミダゾールが、前記システムの少なくとも10重量%を構成する、前記〔1〕〜〔10〕のいずれかに記載の方法。
〔12〕前記N官能基化イミダゾールが、前記システムの少なくとも25重量%を構成する、前記〔1〕〜〔11〕のいずれかに記載の方法。
〔13〕前記N官能基化イミダゾールが、前記システムの少なくとも50重量%を構成する、前記〔1〕〜〔12〕のいずれかに記載の方法。
〔14〕前記アミンが、前記システムの少なくとも10重量%を構成する、前記〔1〕〜〔13〕のいずれかに記載の方法。
〔15〕前記アミンが、前記システムの少なくとも25重量%を構成する、前記〔1〕〜〔14〕のいずれかに記載の方法。
〔16〕前記アミンが、前記システムの少なくとも50重量%を構成する、前記〔1〕〜〔15〕のいずれかに記載の方法。
〔17〕前記N官能基化イミダゾールおよびアミンが、9:1〜1:9の比率で存在する、前記〔1〕〜〔16〕のいずれかに記載の方法。
〔18〕前記N官能基化イミダゾールおよびアミンが、2:1の比率で存在する、前記〔1〕〜〔17〕のいずれかに記載の方法。
〔19〕前記システムは、実質的に揮発性化合物が無い、前記〔1〕〜〔18〕のいずれかに記載の方法。
〔20〕前記N官能基化イミダゾールの粘度が、24℃で、10cP未満である、前記〔1〕〜〔19〕のいずれかに記載の方法。
〔21〕前記N官能基化イミダゾールの粘度が、24℃で、8cP未満である、前記〔1〕〜〔19〕のいずれかに記載の方法。
〔22〕前記N官能基化イミダゾールの粘度が、24℃で、5cP未満である、前記〔1〕〜〔19〕のいずれかに記載の方法。
〔23〕ストリームから二酸化炭素、二酸化硫黄、または硫化水素を減少させる方法であって、 前記ストリームと、N官能基化イミダゾールを含有するシステムを接触させることを含み、
ここで、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性である、方法。
〔24〕前記N官能基化イミダゾールが、N−アルキルイミダゾール、N−アルケニルイミダゾール、N−アルキニルイミダゾール、N−アリールイミダゾール、またはそれらの混合物である、前記〔23〕に記載の方法。
〔25〕前記N官能基化イミダゾールが、以下の構造:
を有し、ここで、
1は、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロであり、および
2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、置換もしくは非置換アミノ、シアノまたはニトロから選択される、
前記〔23〕または〔24〕に記載の方法。
〔26〕前記システムが、さらにアミンを含有する、前記〔23〕〜〔25〕のいずれかに記載の方法。
〔27〕前記アミンが、1級アミン、2級アミン、3級アミン、環状アミン、またはそれらの組み合わせからなる群から選択される、前記〔26〕に記載の方法。
〔28〕前記アミンが、以下の構造:
を有し、ここで、
1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロからなる群から選択される、
前記〔26〕または前記〔27〕に記載の方法。
〔29〕前記1級アミンが、モノエタノールアミン、ジグリコールアミン、2−アミノ−2−メチルプロパノール、またはそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔27〕に記載の方法。
〔30〕前記2級アミンが、ジエタノールアミン、ジイソプロパノールアミン、またはそれらの混合物からなる群から選択される、前記〔27〕に記載の方法。
〔31〕前記3級アミンが、N−メチルジエタノールアミンである、前記〔27〕に記載の方法。
〔32〕前記環状アミンが、置換または非置換ピペラジンである、前記〔27〕に記載の方法。
〔33〕前記アミンが、モノアミン、ジアミン、またはポリアミンである、前記〔26〕〜〔32〕のいずれかに記載の方法。
〔34〕前記N官能基化イミダゾールが、前記システムの少なくとも10重量%を構成する、前記〔23〕〜〔33〕のいずれかに記載の方法。
〔35〕前記N官能基化イミダゾールが、前記システムの少なくとも25重量%を構成する、前記〔23〕〜〔34〕のいずれかに記載の方法。
〔36〕前記N官能基化イミダゾールが、前記システムの少なくとも50重量%を構成する、前記〔23〕〜〔35〕のいずれかに記載の方法。
〔37〕前記アミンが、前記システムの少なくとも10重量%を構成する、前記〔23〕〜〔36〕のいずれかに記載の方法。
〔38〕前記アミンが、前記システムの少なくとも25重量%を構成する、前記〔23〕〜〔37〕のいずれかに記載の方法。
〔39〕前記アミンが、前記システムの少なくとも50重量%を構成する、前記〔23〕〜〔38〕のいずれかに記載の方法。
〔40〕前記N官能基化イミダゾールおよび前記アミンが、9:1〜1:9の比率で存在する、前記〔23〕〜〔39〕のいずれかに記載の方法。
〔41〕前記N官能基化イミダゾールおよび前記アミンが、2:1の比率で存在する、前記〔23〕〜〔39〕のいずれかに記載の方法。
〔42〕前記システムは、実質的に揮発性化合物が無い、前記〔23〕〜〔41〕のいずれかに記載の方法。
〔43〕前記N官能基化イミダゾールの粘度が、24℃で、10cP未満である、前記〔23〕〜〔42〕のいずれかに記載の方法。
〔44〕前記N官能基化イミダゾールの粘度が、24℃で、8cP未満である、前記〔23〕〜〔42〕のいずれかに記載の方法。
〔45〕前記N官能基化イミダゾールの粘度が、24℃で、5cP未満である、前記〔23〕〜〔42〕のいずれかに記載の方法。
〔46〕前記ストリームが、ガスストリームまたは液体ストリームである、前記〔1〕〜「エラー」参照元が見つかりません、のいずれかに記載の方法。
〔47〕前記ガスストリームが、天然ガスストリームまたは排煙ストリームである、前記〔46〕に記載の方法。
〔48〕天然ガス供給ストリームをスイートニングするための方法であって、
精製天然ガス供給ストリームおよびガス濃厚システムを形成するために、前記天然ガス供給ストリームと、N官能基化イミダゾールを含有するシステムを接触させることであって、ここで、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性である、接触させることと、および、
前記ガス濃厚システムから前記精製天然ガス供給ストリームを分離することを含む、方法。
〔49〕前記システムが、アミンをさらに含有する、前記〔48〕に記載の方法。
〔50〕前記天然ガス供給ストリームと、N官能基化イミダゾールを含有する第二のシステムを接触させることであって、ここで、前記N官能基化イミダゾールは中性条件下で非イオン性である、接触させることをさらに含む、前記〔48〕または〔49〕に記載の方法。
〔51〕前記第二のシステムが、アミンをさらに含有する、前記〔50〕に記載の方法。
〔52〕前記システムを再生させることをさらに含む、前記〔48〕〜〔51〕のいずれかに記載の方法。
〔53〕前記システムが、前記ガス濃厚システムを加熱することにより再生される、前記〔52〕に記載の方法。
〔54〕前記システムが、前記ガス濃厚システムを加圧することにより再生される、前記〔52〕に記載の方法。
〔55〕揮発性化合物を減少させるためのシステムであって、
N官能基化イミダゾールであって、中性条件下で非イオン性である、N官能基化イミダゾール、および
二酸化炭素、硫化水素、二酸化硫黄、酸化窒素、二酸化窒素、硫化カルボニル、二硫化炭素、またはそれらの混合物からなる群から選択される揮発性化合物、
を含有するシステム。
〔56〕アミンをさらに含有する、前記〔55〕に記載のシステム。
本発明の更にまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1'〕ストリームから揮発性化合物を除去する方法であって、
前記ストリームと、N官能基化イミダゾールを含む溶媒システムを接触させることを含み、
ここで、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性であり、前記溶媒システムの約20質量%〜約80質量%を構成し、
前記揮発性化合物が、二酸化炭素、一酸化炭素、二酸化硫黄、硫化水素、チオール、酸化窒素、二酸化窒素、硫化カルボニル、二硫化炭素又はこれらの混合物を含む、
前記方法。
〔2'〕前記N官能基化イミダゾールが、前記溶媒システムの約30質量%〜約70質量%を構成する、前記〔1'〕に記載の方法。
〔3'〕前記N官能基化イミダゾールが、以下の構造:
を有し、ここで、
1は、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロであり、および
2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、置換もしくは非置換アミノ、シアノまたはニトロから選択される、
前記〔1'〕に記載の方法。
〔4'〕前記溶媒システムが、以下の構造を有するアミンを更に含む、前記〔1'〕に記載の方法:
ここで、
1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロからなる群から選択される。
〔5'〕前記アミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、またはN−メチルジエタノールアミンである、前記〔4'〕に記載の方法。
〔6'〕前記アミンが、2−アミノ−2−メチルプロパノールである、前記〔4'〕に記載の方法。
〔7'〕前記アミンが、ジイソプロパノールアミンである、前記〔4'〕に記載の方法。
〔8'〕前記アミンが、置換または非置換ピペラジンである、前記〔4'〕に記載の方法。
〔9'〕前記N官能基化イミダゾールおよび前記アミンが、9:1〜1:9の質量比で前記溶媒システム中に存在する、前記〔4'〕に記載の方法。
〔10'〕前記ストリームが、天然ガスストリームまたは排煙ストリームである、前記〔1'〕に記載の方法。
〔11'〕加熱すること、真空を適用すること、又はこれらの組合せにより前記溶媒システムを再生させることをさらに含む、前記〔1'〕に記載の方法。
〔12'〕前記溶媒システムが、水を更に含む、前記〔1'〕に記載の方法。
〔13'〕ストリームから揮発性化合物を捕捉するための溶媒システムであって、約20質量%〜約80質量%のN官能基化イミダゾールと、アミンとを含み、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性である、前記溶媒システム。
〔14'〕前記N官能基化イミダゾールが、前記溶媒システムの約30質量%〜約70質量%を構成する、前記〔13'〕に記載の溶媒システム。
〔15'〕前記N官能基化イミダゾールが、以下の構造:
を有し、ここで、
1は、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロであり、および
2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、置換もしくは非置換アミノ、シアノまたはニトロから選択される、
前記〔13'〕に記載の溶媒システム。
〔16'〕前記アミンが以下の構造を有する、前記〔13'〕に記載の溶媒システム:
ここで、
1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロからなる群から選択される。
〔17'〕前記アミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、またはN−メチルジエタノールアミンである、前記〔13'〕に記載の溶媒システム。
〔18'〕前記アミンが、2−アミノ−2−メチルプロパノールである、前記〔13'〕に記載の溶媒システム。
〔19'〕前記アミンが、ジイソプロパノールアミンである、前記〔13'〕に記載の溶媒システム。
〔20'〕前記アミンが、置換または非置換ピペラジンである、前記〔13'〕に記載の溶媒システム。
〔21'〕前記N官能基化イミダゾールおよび前記アミンが、9:1〜1:9の質量比で前記溶媒システム中に存在する、前記〔13'〕に記載の溶媒システム。
〔22'〕水を更に含む、前記〔13'〕に記載の溶媒システム。
本発明の更にまた別の態様は、以下のとおりであってもよい。
〔1''〕ストリームから揮発性化合物を除去する方法であって、
前記ストリームと、N官能基化イミダゾール及びアミンを含む溶媒システムを接触させることを含み、
ここで、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性であり、前記溶媒システムの20質量%〜80質量%であり、前記アミンは、前記溶媒システムの少なくとも10質量%であり、
前記揮発性化合物が、二酸化炭素を含み、
前記N官能基化イミダゾールが、以下の構造:
を有し、ここで、
前記N官能基化イミダゾールのR1は、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロであり、および
前記N官能基化イミダゾールのR2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、置換もしくは非置換アミノ、シアノまたはニトロから選択され、
前記アミンが、置換または非置換ピペラジンであるか、または以下の構造:
を有し、ここで、
前記アミンのR1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロからなる群から選択される、
前記方法。
〔2''〕前記アミンが、前記溶媒システムの20質量%〜60質量%を構成する、前記〔1''〕に記載の方法。
〔3''〕前記溶媒システムが、水を含み、
前記N官能基化イミダゾールが、前記溶媒システムの20質量%〜60質量%を構成し、
前記N官能基化イミダゾール及び前記アミンが、前記溶媒システム40質量%〜80質量%を構成する、前記〔2''〕に記載の方法。
〔4''〕前記アミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、またはN−メチルジエタノールアミンである、前記〔1''〕〜〔3''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔5''〕前記アミンが、2−アミノ−2−メチルプロパノールである、前記〔1''〕〜〔3''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔6''〕前記アミンが、ジイソプロパノールアミンである、前記〔1''〕〜〔3''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔7''〕前記アミンが、置換または非置換ピペラジンである、前記〔1''〕〜〔3''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔8''〕前記N官能基化イミダゾールが、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−ペンチルイミダゾール、1−ヘキシルイミダゾール、1−デシルイミダゾール、1−ドデシルイミダゾールまたは1−テトラデシルイミダゾールである1−n−アルキルイミダゾールである、前記〔1''〕〜〔7''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔9''〕前記N官能基化イミダゾールが、1,2−ジメチルイミダゾールである、前記〔1''〕〜〔7''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔10''〕前記N官能基化イミダゾールおよび前記アミンが、1:1〜2:1というアミン対N官能基化イミダゾールの質量比で前記溶媒システム中に存在する、前記〔1''〕〜〔9''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔11''〕前記ストリームが、天然ガスストリームまたは排煙ストリームである、前記〔1''〕〜〔10''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔12''〕加熱すること、真空を適用すること、又はこれらの組合せにより前記溶媒システムを再生させることをさらに含む、前記〔1''〕〜〔11''〕のいずれか1項に記載の方法。
〔13''〕ストリームから二酸化炭素を捕捉するための溶媒システムであって、20質量%〜80質量%のN官能基化イミダゾールと、少なくとも10質量%のアミンとを含み、前記N官能基化イミダゾールは、中性条件下で非イオン性であり、
前記N官能基化イミダゾールが、以下の構造:
を有し、ここで、
前記N官能基化イミダゾールのR1は、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロであり、および
前記N官能基化イミダゾールのR2、R3、およびR4は、それぞれ独立して、水素、ハロゲン、ヒドロキシル、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、置換もしくは非置換アミノ、シアノまたはニトロから選択され、
前記アミンが、置換または非置換ピペラジンであるか、または以下の構造:
を有し、ここで、
前記アミンのR1、R2、およびR3は、それぞれ独立して、水素、置換もしくは非置換C1-20アルキル、置換もしくは非置換C2-20アルケニル、置換もしくは非置換C2-20アルキニル、置換もしくは非置換C1-20ヘテロアルキル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルケニル、置換もしくは非置換C2-20ヘテロアルキニル、置換もしくは非置換シクロアルキル、置換もしくは非置換ヘテロシクロアルキル、置換もしくは非置換アリール、置換もしくは非置換ヘテロアリール、置換もしくは非置換チオ、置換もしくは非置換アミノ、置換もしくは非置換アルコキシル、置換もしくは非置換アリールオキシル、シリル、シロキシル、シアノまたはニトロからなる群から選択される、
前記溶媒システム。
〔14''〕前記アミンが、前記溶媒システムの20質量%〜60質量%を構成する、前記〔13''〕に記載の溶媒システム。
〔15''〕該溶媒システムが、水を含み、
前記N官能基化イミダゾールが、前記溶媒システムの20質量%〜60質量%を構成し、
前記N官能基化イミダゾール及び前記アミンが、前記溶媒システム40質量%〜80質量%を構成する、前記〔14''〕に記載の溶媒システム。
〔16''〕前記アミンが、モノエタノールアミン、N−メチルエタノールアミン、ジグリコールアミン、ジエタノールアミン、またはN−メチルジエタノールアミンである、前記〔13''〕〜〔15''〕のいずれか1項に記載の溶媒システム。
〔17''〕前記アミンが、2−アミノ−2−メチルプロパノールである、前記〔13''〕〜〔15''〕のいずれか1項に記載の溶媒システム。
〔18''〕前記アミンが、ジイソプロパノールアミンである、前記〔13''〕〜〔15''〕のいずれか1項に記載の溶媒システム。
〔19''〕前記アミンが、置換または非置換ピペラジンである、前記〔13''〕〜〔15''〕のいずれか1項に記載の溶媒システム。
〔20''〕前記N官能基化イミダゾールが、1−メチルイミダゾール、1−エチルイミダゾール、1−プロピルイミダゾール、1−ブチルイミダゾール、1−ペンチルイミダゾール、1−ヘキシルイミダゾール、1−デシルイミダゾール、1−ドデシルイミダゾールまたは1−テトラデシルイミダゾールである1−n−アルキルイミダゾールである、前記〔13''〕〜〔19''〕のいずれか1項に記載の溶媒システム。
〔21''〕前記N官能基化イミダゾールが、1,2−ジメチルイミダゾールである、前記〔13''〕〜〔19''〕のいずれか1項に記載の溶媒システム。
〔22''〕前記N官能基化イミダゾールおよび前記アミンが、1:1〜2:1というアミン対N官能基化イミダゾールの質量比で前記溶媒システム中に存在する、前記〔13''〕〜〔21''〕のいずれか1項に記載の溶媒システム。
図1
図2
図3