(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076965
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】新規な構造のバスバー及びこれを備えた電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 2/20 20060101AFI20170130BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20170130BHJP
H01M 2/30 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
H01M2/20 A
H01M2/10 M
H01M2/30 C
【請求項の数】13
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2014-505071(P2014-505071)
(86)(22)【出願日】2012年4月10日
(65)【公表番号】特表2014-514715(P2014-514715A)
(43)【公表日】2014年6月19日
(86)【国際出願番号】KR2012002714
(87)【国際公開番号】WO2012148100
(87)【国際公開日】20121101
【審査請求日】2013年10月11日
【審判番号】不服2015-18365(P2015-18365/J1)
【審判請求日】2015年10月8日
(31)【優先権主張番号】10-2011-0038955
(32)【優先日】2011年4月26日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】504111015
【氏名又は名称】エルジー ケム. エルティーディ.
(74)【代理人】
【識別番号】100083138
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 伸二
(74)【代理人】
【識別番号】100189625
【弁理士】
【氏名又は名称】鄭 元基
(74)【代理人】
【識別番号】100196139
【弁理士】
【氏名又は名称】相田 京子
(72)【発明者】
【氏名】イ ジンギュ
(72)【発明者】
【氏名】ソン ジュンヨブ
(72)【発明者】
【氏名】キム テヒョク
(72)【発明者】
【氏名】キム ジョンモ
(72)【発明者】
【氏名】パク ミョンギ
(72)【発明者】
【氏名】ファン ヒョンジン
【合議体】
【審判長】
池渕 立
【審判官】
河本 充雄
【審判官】
小川 進
(56)【参考文献】
【文献】
国際公開第2006/090511(WO,A1)
【文献】
特開2001−126703(JP,A)
【文献】
特開2010−212241(JP,A)
【文献】
特開2007−250442(JP,A)
【文献】
特開2005−071677(JP,A)
【文献】
特表2009−529136(JP,A)
【文献】
特表2009−529216(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10- 2/30
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の板状型の電池セルの電極リード又は単位モジュールの電極端子をレーザー溶接による結合方式で電気的連結するためのバスバーであって、
前記電極リード又は電極端子と前記バスバーはそれぞれ板状の構造になっており、前記バスバーにおいてレーザー照射により前記電極リード又は前記電極端子の平坦部と溶接される部位が前記電極リード又は前記電極端子に密着するように、前記電極リード又は前記電極端子の位置している方向に突出した突起部が、前記電極リード又は前記電極端子の前記平坦部との溶接部位に形成されている、
ことを特徴とする、バスバー。
【請求項2】
前記突起部は、垂直断面からみて、半円形又は半楕円形に折れ曲がっていることを特徴とする、請求項1に記載のバスバー。
【請求項3】
前記電池セル同士の電気的連結は、並列連結であることを特徴とする、請求項1に記載のバスバー。
【請求項4】
前記突起部は、少なくとも一箇所以上に形成されたことを特徴とする、請求項1に記載のバスバー。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれかに記載のバスバーが、前記単位モジュールの電極端子に電気的に連結されていることを特徴とする電池モジュール。
【請求項6】
前記電池モジュールは、
直列及び/又は並列に連結された複数の前記単位モジュールが積層されている電池セル積層体と、
前記電池セル積層体の一側面の端部と、上端及び下端の一部を取り囲む構造となっている上ケースと、
前記電池セル積層体の他側面の端部と、上端及び下端の一部を取り囲みながら前記上ケースと結合する構造となっており、且つ前記バスバーが装着される装着部を有している下ケースと、
を備えることを特徴とする、請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項7】
前記下ケースの前面部に前記バスバーが設けられていることを特徴とする、請求項6に記載の電池モジュール。
【請求項8】
前記バスバーは、前記下ケースの前面に密着する本体と、前記単位モジュールの電極端子に電気的に連結される電極端子接続部と、からなることを特徴とする、請求項7に記載の電池モジュール。
【請求項9】
前記本体において、一側端部は、外部入出力端子と連結される入出力端子接続部であり、他側端部は、前記下ケースに装着される装着突起であることを特徴とする、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項10】
前記入出力端子接続部は、外部入出力端子が下方に挿入されるように、内側に湾入した部位が前記本体の上部に形成されていることを特徴とする、請求項9に記載の電池モジュール。
【請求項11】
前記電極端子接続部は、前記本体に対して垂直上方に折れ曲がっていることを特徴とする、請求項8に記載の電池モジュール。
【請求項12】
前記単位モジュールは、
電極リード同士が直列及び/又は並列に相互連結されている2つ又はそれ以上の電池セルと、
前記電池セルの前記電極リード部位を除いて電池セルの外面全体を取り囲むように相互結合する1対の高強度セルカバーと、
を備えることを特徴とする、請求項5に記載の電池モジュール。
【請求項13】
前記電池セルは、前記電極リードが上端及び下端にそれぞれ形成されている板状型の電池セルであることを特徴とする、請求項12記載の電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、新規な構造のバスバー及びこれを備えた電池モジュールに係り、特に、電池モジュールにおいて、電池セル又は単位モジュール(ppp単位セルppp)の電極リード同士をレーザー溶接による結合方式で電気的連結をするためのバスバーであって、これらの電極リードとバスバーはそれぞれ板状の構造になっており、該バスバーにおいてレーザー照射により電極リードと溶接される部位が電極リードに密着するように、電極リードの位置している方向に突出した突起部が、電極リードとの溶接部位に形成されているバスバーに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、充放電可能な二次電池は、ワイヤレスモバイル機器のエネルギー源として広範囲に用いられている。また、二次電池は、化石燃料を使用する既存のガソリン車、ディーゼル車などにおける大気汚染の問題などを解決する代案として提示されている電気自動車(EV)、ハイブリッド電気自動車(HEV)、プラグ−インハイブリッド電気自動車(Plug−In HEV)などの動力源としても注目されている。
【0003】
小型のモバイル機器にはデバイス1台当たり1個又は2〜3個の電池セルが用いられるが、自動車のような中大型のデバイスには、高出力・大容量の必要性から、複数の電池セルを電気的に連結させた電池モジュール、又は複数の電池モジュールを電気的に連結させた電池パックが用いられている。
【0004】
電池モジュールは、可能な限り小さいサイズ及び重量のものが好ましいことから、高い集積度で積み重ね可能であり且つ容量対比重量の小さい角型電池、パウチ型電池などが、中大型電池モジュールの電池セルとして主として用いられている。特に、アルミニウムラミネートシートなどを外装部材として使用するパウチ型電池は、重量が小さく、製造コストが低いといった利点から、最近では大きく関心を浴びている。
【0005】
一方、複数の電池セルで構成された電池モジュール又は電池パックをハイブリッド電気自動車、プラグ−インハイブリッド電気自動車、電気自動車などのように、自動車用電池として用いるには、要求される電池の容量に応じて様々な形態の単位電池を連結した電池パックを構成することが非常に重要である。
【0006】
すなわち、同一の形態の電池モジュール内で様々な形態の電気的直列/並列連結を有する構造は、高い競争力を有することができる。
【0007】
例えば、電池セルの電気的連結構造において、電池セル同士の電気的並列連結方法には種々の溶接方法が用いられているが、なかでも、超音波溶接が多く用いられている。しかし、このような超音波溶接を用いた電気的連結方法は、媒質に機械的荷重を直接に与えて、震動による摩擦を用いる方式であるがため、溶接部位における品質劣化及び電池セル内部の損傷を招くという問題があった。
【0008】
このような問題点を解決する代案としては、非接触溶接方法であるレーザー溶接が好適であるが、レーザー溶接を適用するには接触部位の信頼性確保が必要である。
【0009】
すなわち、レーザー溶接の特性上、接触面の信頼性が極めて重要であることから、一対一溶接の電気的連結にのみレーザー溶接が制限的に用いられている。
【0010】
そこで、電池同士の電気的連結時に、上記のような超音波溶接及びレーザー溶接における問題点を解決できる特定構造のバスバー及びこれを備えた電池モジュールが切実に望まれている現状である。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明は、上記のような従来技術の問題点と過去から要請されてきた技術的課題を解決することを目的とする。
【0012】
具体的に、本発明の目的は、電池同士の連結に用いられるバスバーの形態を変更して、レーザー溶接の信頼性を高め且つ工程の単純性を提供することによって、バスバーを用いて電池の電気的/機械的連結時に信頼性あるレーザー溶接を可能にすることにある。
【0013】
本発明の他の目的は、機械的締め付け及び電気的連結のために多数の部材を使用しなくとも簡単な組立方法で製造することができる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0014】
このような目的を達成するための本発明に係るバスバーは、
電池モジュールにおいて電池セル又は単位モジュール(ppp単位セルppp)の電極リードをレーザー溶接による結合方式で電気的連結するためのバスバーであって、
前記電極リードとバスバーはそれぞれ板状の構造になっており、
前記バスバーにおいてレーザー照射により電極リードと溶接される部位が電極リードに密着するように、電極リードの位置している方向に突出した突起部が電極リードとの溶接部位に形成されている。
【0015】
したがって、本発明に係るバスバーは、電極リードの位置している方向に突出した突起部が電極リードとの溶接部位に形成されているため、電池セル又は単位モジュール(ppp単位セルppp)の電極リードをレーザー溶接で電気的連結時に、レーザー照射により電極リードに溶接されるバスバーの部位が電極リードに容易に密着する。
【0016】
具体的に、レーザー溶接時に、高信頼性の接触面を確保するには支持形態の固定構造が必要であるが、これを工程に適用するためには、レーザー溶接機の構造を複雑にさせたり、電池モジュールの構造を複雑に変更しなければならないという問題点がある。
【0017】
これと関連して、本発明は、レーザー溶接時にバスバーの突起部によりバスバーの突起部と電極リードとが密着するため、レーザー溶接機や電池モジュールの構造を複雑に変更することなく、信頼性あるバスバーと電極リードとのレーザー溶接を可能にする。
【0018】
また、本発明のバスバーは、単位セルの電極リードをレーザー溶接により電気的に連結するので、従来の超音波溶接を用いる方法に比べて、溶接部位における品質低下と電池セルの内部損傷といった問題点を解決することができる。
【0019】
一つの好適な例において、前記突起部は、電極リードと溶接される部位が電極リードに密着する形状であれば特に制限されず、例えば、垂直断面からみて、半多角形、半円形、半楕円形の形状などに折れ曲がっている構造であればよく、特に、半円形又は半楕円形の形状に折れ曲がっている構造は、密着部位の滑らかな接触を達成できるので好ましい。
【0020】
特に、本発明に係るバスバーは、多数の部材を溶接する場合に特に好適であるから、前記単位セルの電気的連結は、好ましくは並列連結であればよい。
【0021】
前記突起部の突出高さは、上述した目的を達成できるいかなる高さであってもよく、例えば、バスバーの厚さを基準にすると、バスバー厚さの10%乃至1000%、好ましくは20%乃至500%、より好ましくは30%乃至400%であればよい。
【0022】
前記突起部は、電極リードとの溶接部位に対応して、少なくとも一箇所以上に形成されるとよい。すなわち、レーザー溶接部位が2箇所であるならば、突起部も2箇所にすればよく、レーザー溶接部位の個数に対応して突起部の個数が決定されるとよい。しかし、1箇所の溶接部位に2以上の突起部が形成されてもよいことは勿論である。
【0023】
前記単位セルは少なくとも2個以上であればよく、例えば、2個乃至10個であるとよい。
【0024】
一方、前記レーザー溶接は、バスバー上に電極リードを配置した状態で、好ましくは、バスバーの突起部を中心に電極リードの一側部又は両側部を加圧してバスバーに電極リードを密着させた後、バスバーの突起部に接触した電極リードの部位にレーザーを照射して行えばよい。
【0025】
したがって、本発明のバスバーは、上記の方法のように、レーザー溶接機が電極リードの一側部又は両側部を加圧した状態で、突起部が電極リードとレーザー溶接機により溶接されるため、レーザー溶接機の構造を変更しなくとも、バスバーと電極リードとの信頼性ある電気的連結を達成することができる。
【0026】
また、本発明は、前記バスバーを用いて、単位セル同士の電気的連結、及び外部入出力端子への単位セルの電極端子の連結を同時に行う電池モジュールを提供する。
【0027】
したがって、上記のように基本的なバスバーの形態を維持しながら、装着される位置に応じて様々な形態の電池モジュールを構成することができる。
【0028】
一つの好適な例において、前記電池モジュールは、
【0029】
直列及び/又は並列に連結された複数の単位セルが積層されている電池セル積層体と、
【0030】
前記電池セル積層体の一側面の端部と、上端及び下端の一部を取り囲む構造となっている上ケースと、
【0031】
前記電池セル積層体の他側面の端部と、上端及び下端の一部を取り囲みながら前記上ケースと結合する構造であり、且つバスバーが装着される装着部を有している下ケースと、
【0032】
を備えている。
【0033】
すなわち、前記電池モジュールにおいて電極端子同士が連結されており、且つ高い密集度に積み重なっている前記電池セル積層体は、組立式の締め付け構造で結合する上下分離型のケースに垂直に装着される。
【0034】
前記上下ケースは、電池セル積層体を上下ケースに装着した後、上下ケースを互いに組み立てた状態で、好ましくは、電池セル積層体の容易な放熱のために、電池セル積層体の外周面のみを取り囲み、その外面がケースの外部に露出する構造となっている。したがって、上述の通り、上ケースは、電池セル積層体の一側面の端部と上端及び下端の一部を取り囲む構造となっており、下ケースは、電池セル積層体の他側面の端部と上端及び下端の一部を取り囲む構造となっている。
【0035】
また、本発明に係る電池モジュールは、バスバーが下ケースの装着部に装着されているため、全体的に組立過程が簡素化する。
【0036】
一つの具体例において、前記下ケースの前面部にバスバーが設けられている構造であればよい。
【0037】
上記構造において、バスバーは、下ケースの前面に密着する本体と、単位セルの電極端子に電気的に連結される電極端子接続部と、からなるとよい。
【0038】
好ましくは、前記本体において、一側端部は、外部入出力端子と連結される入出力端子接続部であり、他側端部は、下ケースに装着される装着突起であればよい。
【0039】
前記入出力端子接続部は、外部入出力端子が下方に挿入されるように、内側に湾入した部位が本体の上部に形成されている構造であればよい。
【0040】
前記電極端子接続部は、本体に対して垂直上方に折れ曲がっている構造であればよい。
【0041】
前記電池セルは、例えば、電極端子が上端及び下端にそれぞれ形成されている板状型の電池セルであればよい。
【0042】
前記電池セル積層体は、好ましくは、電極端子が上端及び下端にそれぞれ形成されている板状型の電池セルを備えている複数個の単位モジュールで構成されている。該単位モジュールは、電極端子同士が直列及び/又は並列に連結されている2つ又はそれ以上の電池セルと、前記電池セルの電極端子部位を除いて電池セル積層体の外面全体を取り囲むように互いに結合される1対の高強度セルカバーと、を備えるとよい。
【図面の簡単な説明】
【0043】
【
図1】
図1は、本発明の一実施例に係るバスバーの平面模式図である。
【
図2】
図2は、本発明の一実施例に係るレーザー溶接過程を示す模式図である。
【
図3】
図3は、本発明の他の実施例に係るバスバーの垂直断面模式図である。
【
図4】
図4は、本発明のさらに他の実施例に係る電池モジュールの部分斜視図である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
以下では、本発明の実施例に係る図面を参照して説明するが、これは、本発明のより容易な理解を助けるためのもので、本発明の範ちゅうを限定するものではない。
【0045】
図1は、本発明の一実施例に係るバスバーの平面模式図であり、
図2は、本発明の一実施例に係るレーザー溶接過程を示す模式図である。
【0046】
まず、
図1を参照すると、3個の単位セル10の電極リード11をレーザー溶接による結合方式で電気的に連結するためのバスバー22が示されている。
【0047】
電極リード11とバスバー22はそれぞれ板状の構造となっており、電極リード11の位置している方向に突出した突起部23が、電極リード11との溶接部位に形成されているため、バスバー22は、レーザー照射により電極リード11と溶接される部位が電極リード11に密着する。
【0048】
図1のバスバー22は、突起部23が、垂直断面からみて、矩形に上方に折れ曲がっており、
図2のバスバー24は、垂直断面からみて、半円形に上方に折れ曲がっている。
【0049】
図2を参照すると、バスバー24上に電極リード11を配置した状態で、バスバー24の突起部25を中心にして電極リード11の両側部位を加圧(矢印)して、バスバー24に電極リード11を密着させた後、バスバー24の突起部25に接触した電極リード11の部位Bにレーザーを照射してレーザー溶接を行うことで、3個の単位セル10の電気的連結を並列連結としている。
【0050】
図3は、本発明の他の実施例に係るバスバーの垂直断面模式図である。
【0051】
図3を参照すると、バスバー26は、突起部26a,26bが両側に形成されており、左側に位置している単位セル40aの電極リード41とバスバー26の左側突起部26aとがレーザー溶接されることで、左側に位置している2個の単位セル40a同士が電気的に並列連結される。
【0052】
また、右側に位置している単位セル40bの電極リード42とバスバー26の右側突起部26bとがレーザー溶接されることで、右側に位置している2個の単位セル40b同士が電気的に並列連結される。
【0053】
したがって、左側の単位セル40aと右側の単位セル40bとがバスバー26により電気的に直列連結され、2P(並列)−2S(直列)連結構造が達成される。
【0054】
図4は、本発明のさらに他の実施例に係る電池モジュールを模式的に示す部分斜視図であり、
図5は、
図4のA部位を拡大して模式的に示す部分斜視図である。
【0055】
図4及び
図5を参照すると、電池モジュール200は、バスバー110により、単位モジュール120同士間の電気的連結、及び外部入出力端子(図示せず)への単位モジュール120の電極端子の連結を同時に行っている。
【0056】
また、電池モジュール200は、電池セル積層体140、上ケース(図示せず)、及び下ケース130で構成されている。
【0057】
電池セル積層体140は、電気的に並列連結された4個の単位モジュール120が側面方向に積層されており、上ケース(図示せず)は、電池セル積層体140の一側面の端部と上端及び下端の一部を取り囲む構造になっている。
【0058】
また、下ケース130は、電池セル積層体140の他側面の端部と上端及び下端の一部を取り囲みながら上ケースと結合する構造になっており、且つバスバー110が装着される装着部132を有している。
【0059】
バスバー110は、下ケース130の前面部に設けられており、下ケース130の前面に密着する本体112と、単位モジュール120の電極端子126に電気的に連結される電極端子接続部114と、で構成されている。
【0060】
また、本体112において、一側端部は外部入出力端子と連結される入出力端子接続部116となっており、他側端部は下ケース130の装着部132に装着される装着突起118となっている。
【0061】
入出力端子接続部116は、内側に湾入した部位が本体112の上部に形成されていて外部入出力端子が下方に挿入され、電極端子接続部114は、本体112に対して垂直上方に折れ曲がっている。
【0062】
また、電極端子接続部114の中央部には、単位モジュール120の電極端子126の方向に半楕円形に折れ曲がって突出した突起部115が形成されている。
【0063】
一方、単位モジュール120は、
電極リードが並列に相互連結されている2個の電池セル124、及び電池セル124の
電極リード以外の、電池セル124の外面全体を取り囲むようにして相互結合されている1対の高強度セルカバー122を備えている。
【0064】
図6は、板状型の電池セルの一例を示す模式図である。
【0065】
図6を参照すると、板状型の電池セル10は、2つの電極リード11,12が向かい合って電池本体13の上端部と下端部からそれぞれ突出した構造となっている。外装部材14は、上下2単位からなり、その内面に形成されている収納部に電極組立体(図示せず)を装着した状態で、相互接触部位である両側面14b、上端部14a及び下端部14cを貼り合わせることで電池セル10が作られる。外装部材14は、樹脂層/金属箔層/樹脂層のラミネート構造となっており、互いに接する両側面14b、上端部及び下端部14a,14cに熱と圧力を加え、それぞれの樹脂層を相互融着させることによって貼り合わせればよく、場合によっては、接着剤を使って貼り合わせてもよい。両側面14bは、上下外装部材14のそれぞれにおける同一の樹脂層が接するので、溶融により均一な封止が可能となる。一方、上端部14aと下端部14cには電極リード11,12が突出しているため、電極リード11,12の厚さ、及び電極リード11,12と外装部材14との素材の異質性を考慮して封止性を高めるように、電極リード11,12との間にフィルム状のシーリング部材16を介在した状態で熱融着させた構造になっている。
【0066】
以上では本発明の実施例に係る図面を参照して説明してきたが、本発明の属する分野における通常の知識を有する者であれば、以上の内容に基づいて本発明の範ちゅう内で様々な応用及び変形が可能であろう。
【産業上の利用可能性】
【0067】
以上説明した通り、本発明に係るバスバーは突起部を有しているため、レーザー溶接の信頼性を高め、工程の単純性を提供することによって、バスバーを用いて電池の電気的/機械的連結時に信頼性あるレーザー溶接を可能にする。
【0068】
また、本発明に係る電池モジュールは、上述した構造のバスバーを有しているため、機械的締め付け及び電気的連結のために多数の部材を使用しなくとも簡単な組立方法で製造することができる。