特許第6076970号(P6076970)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許60769703次元画像情報を生成する方法および装置
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6076970
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】3次元画像情報を生成する方法および装置
(51)【国際特許分類】
   H04N 13/02 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   H04N13/02 100
   H04N13/02 570
【請求項の数】4
【全頁数】26
(21)【出願番号】特願2014-516140(P2014-516140)
(86)(22)【出願日】2011年12月22日
(65)【公表番号】特表2014-520459(P2014-520459A)
(43)【公表日】2014年8月21日
(86)【国際出願番号】CA2011001391
(87)【国際公開番号】WO2012174633
(87)【国際公開日】20121227
【審査請求日】2014年11月19日
(31)【優先権主張番号】PCT/CA2011/000739
(32)【優先日】2011年6月21日
(33)【優先権主張国】CA
(73)【特許権者】
【識別番号】512330949
【氏名又は名称】フロント、ストリート、インベストメント、マネジメント、インコーポレイテッド、アズ、マネジャー、フォー、フロント、ストリート、ダイバーシファイド、インカム、クラス
【氏名又は名称原語表記】FRONT STREET INVESTMENT MANAGEMENT INC., AS MANAGER FOR FRONT STREET DIVERSIFIED INCOME CLASS
(74)【代理人】
【識別番号】100107582
【弁理士】
【氏名又は名称】関根 毅
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100103263
【弁理士】
【氏名又は名称】川崎 康
(74)【代理人】
【識別番号】100117787
【弁理士】
【氏名又は名称】勝沼 宏仁
(74)【代理人】
【識別番号】100088889
【弁理士】
【氏名又は名称】橘谷 英俊
(72)【発明者】
【氏名】トーマス、エヌ.ミッチェル
(72)【発明者】
【氏名】新小田 一 郎
(72)【発明者】
【氏名】マーティン、ベケット
【審査官】 佐野 潤一
(56)【参考文献】
【文献】 特表2004−524553(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/003208(WO,A1)
【文献】 特開2008−118377(JP,A)
【文献】 特開2010−130636(JP,A)
【文献】 特開2010−011415(JP,A)
【文献】 特開2009−010627(JP,A)
【文献】 特開昭61−267462(JP,A)
【文献】 特開2001−061165(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04N 13/00 −15/00
H04N 5/222− 5/257
H04N 5/335
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
3次元画像情報を生成する装置であって、
レンズであって、前記レンズの開口面に前記レンズの視野内で捕捉された光を案内するように動作可能である単一の画像化経路を有するレンズと、
前記単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第1の部分、および前記単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第2の部分を備えた、前記開口面に近接して配置された偏光子であって、前記単一の画像化経路の前記第1および第2の部分は、前記レンズの前記視野内に第1および第2の斜視視点をそれぞれ与える偏光子と、
前記単一の画像化経路内に配置された変調器であって、前記単一の画像化経路の前記第1の部分を通して第1の画像を形成することと、前記単一の画像化経路の前記第2の部分を通して第2の画像を形成することの間で交番するように、前記変調器を通過する光の偏光状態を選択的に変更するように動作可能であり、前記第1の画像は前記第1の斜視視点からの前記視野内のオブジェクトを示しており、前記第2の画像は前記第2の斜視視点からの前記オブジェクトを示しており、前記第1および第2の画像は共に、前記オブジェクトの3次元空間属性を示すように動作可能である変調器と、
第1および第2の画像を受け取るように単一の画像化経路中に配置された画像センサとを備え、
前記画像センサは、前記第1および第2の画像を別に記録するように動作可能に構成されており、
前記画像センサはその表面にわたって碁盤目状に配列された単位セルを有するカラーフィルタアレイを通して前記第1および第2の画像を受け取るように構成されており、前記単位セルは、異なる伝達スペクトルを有する複数の赤フィルタ素子を有しており、
前記単位セルは緑フィルタ素子、青フィルタ素子、第1の赤フィルタ素子および第2の赤フィルタ素子を含み、前記第2の赤フィルタは酸素で処理していないヘモグロビンと比較した場合に、酸素で処理したヘモグロビンによって測定可能な程度に異なった範囲まで伝達される光の波長を伝達するように構成され、擬似カラーで表示されるべき前記第2の赤フィルタ素子に関連したセンサ素子に対応する前記第1および第2の画像の部分を発生させることをさらに備える、ことを特徴とする、
装置。
【請求項2】
単一の画像化経路および関連する視野を有するレンズを使用して、3次元画像情報を生成する方法であって、
前記レンズの開口面に前記レンズの前記視野内で捕捉された光を案内することと、
前記開口面に近接して配置された偏光子で前記捕捉された光を受けることであって、前記偏光子は、前記単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第1の部分、および前記単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第2の部分を備えており、前記単一の画像化経路の前記第1および第2の部分は、前記レンズの前記視野内の第1および第2の斜視視点それぞれを与えることと、
前記単一の画像化経路の前記第1の部分を通して第1の画像を画像センサ上に形成することと、前記単一の画像化経路の前記第2の部分を通して第2の画像を前記画像センサ上に形成することの間で交番するように、変調器を通過する光の偏光状態を選択的に変更するように前記単一の画像化経路に配置された前記変調器を制御することであって、
前記第1の画像は前記第1の斜視視点からの前記視野内のオブジェクトを示しており、前記第2の画像は前記第2の斜視視点からの前記オブジェクトを示しており、前記第1および第2の画像は共に、前記オブジェクトの3次元空間属性を示すように動作可能であることを含み、
前記画像センサ上で前記第1および第2の画像を形成することは、第1および第2の画像をカラーフィルタアレイを通して受けることを含み、カラーフィルタアレイは、当該画像センサの表面にわたって碁盤目状に配列された単位セルを有し、前記単位セルは、異なる伝達スペクトルを有する複数の赤フィルタ素子を有し、
前記単位セルは緑フィルタ素子、青フィルタ素子、第1の赤フィルタ素子および第2の赤フィルタ素子を含み、前記第2の赤フィルタは酸素で処理していないヘモグロビンと比較した場合に、酸素で処理したヘモグロビンによって測定可能な程度に異なった範囲まで伝達される光の波長を伝達するように構成され、擬似カラーで表示されるべき前記第2の赤フィルタ素子に関連したセンサ素子に対応する前記第1および第2の画像の部分を発生させることをさらに備える、
ことを特徴とする方法。
【請求項3】
単一の画像化経路および関連する視野を有するレンズを使用して、3次元画像情報を生成する方法であって、
前記レンズの開口面に前記レンズの前記視野内で捕捉された光を案内することと、
前記開口面に近接して配置された偏光子で前記捕捉された光を受けることであって、前記偏光子は、前記単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第1の部分、および前記単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第2の部分を備えており、前記単一の画像化経路の前記第1および第2の部分は、前記レンズの前記視野内の第1および第2の斜視視点それぞれを与えることと、
前記単一の画像化経路の前記第1の部分を通して第1の画像を画像センサ上に形成することと、前記単一の画像化経路の前記第2の部分を通して第2の画像を前記画像センサ上に形成することの間で交番するように、変調器を通過する光の偏光状態を選択的に変更するように前記単一の画像化経路に配置された前記変調器を制御することであって、
前記第1の画像は前記第1の斜視視点からの前記視野内のオブジェクトを示しており、前記第2の画像は前記第2の斜視視点からの前記オブジェクトを示しており、前記第1および第2の画像は共に、前記オブジェクトの3次元空間属性を示すように動作可能であることを含み、
前記画像センサ上で前記第1および第2の画像を形成することは、第1および第2の画像をカラーフィルタアレイを通して受けることを含み、カラーフィルタアレイは、当該画像センサの表面にわたって碁盤目状に配列された単位セルを有し、前記単位セルは、異なる伝達スペクトルを有する複数の赤フィルタ素子を有し、
前記単位セルは緑フィルタ素子、青フィルタ素子、第1の赤フィルタ素子および第2の赤フィルタ素子を含み、前記第2の赤フィルタは酸素で処理していないヘモグロビンと比較した場合に、酸素で処理したヘモグロビンによって測定可能な程度に異なった範囲まで伝達される光の波長を伝達するように構成され、
画像表示システムにおいて前記第1および第2の画像を受けること、および擬似カラーで表示されるべき第2の赤フィルタ素子に関連したセンサ素子に対応する前記第1および第2の画像の部分を発生させることをさらに備える、
方法。
【請求項4】
擬似カラーで表示されるべき前記第2の赤カラーフィルタ素子に関連するセンサ素子に対応する前記第1および第2の画像の部分を発生させることは、ユーザの選択に応答して擬似カラーで表示されるべき前記複数のカラーフィルタ素子の一つに関連するセンサ素子に対応する前記第1および第2の画像の部分を生じさせることであることを特徴とする請求項に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は概して、3次元画像情報を生成することに関し、より詳細には、単一の画像経路を使用して3次元画像情報を生成することに関する。
【背景技術】
【0002】
従来の2次元(2D)画像化では、3次元(3D)シーン内のオブジェクトを描写する光線が、2D画像面上で捕捉およびマッピングされ、したがって深度情報は記録されない。立体視光学系は、異なる斜視視点から別の画像を生成することによって、深度情報を描写する画像を生成することが可能である。実際のシーンを見て、ユーザが描写された図内の深度を認識することが可能になる際に、人間の眼の動作を模倣するように、ユーザのそれぞれの右目および左目に別の画像は別に描写させることができる。別のまたは立体画像は普通、1対の空間的に分離された画像化経路のいずれかを有する光学系によって、または単一の画像化経路の異なる部分を使用して異なる斜視視野を有する画像を生成することによって生成される。画像はその後、別の画像がユーザのそれぞれの右目および左目に到達することを選択的に可能にすることができるアイウェアを使用して描写することができる。別の方法では、ユーザの左右の眼それぞれに向かって空間的に分離させた画像を投影するように特別なディスプレイを構成することができる。
【0003】
立体画像化の使用により、また3D内視鏡を使用して外科医に3D視野を与えることができる、外科手術の領域の応用例が発見された。立体画像化はまた、ロボット・アクチュエータの制御がアクチュエータから離れているオペレータに3D画像情報を提供することによって容易にされる場合、例えば海底探索などの遠隔操作で有用である可能性がある。
立体画像化の他の応用例は、身体測定システム、およびエンターテインメント業界で使用される3Dフィルム生成機器内で見ることができる。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0004】
本発明の一態様によると、3次元画像情報を生成する装置が提供される。装置は、レンズの開口面にレンズの視野内で捕捉された光を案内するように動作可能である単一の画像化経路を有するレンズと、単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第1の部分、および単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第2の部分を備えた、開口面に近接して配置された偏光子であって、単一の画像化経路の第1および第2の部分は、レンズの視野内に第1および第2の斜視視点をそれぞれ与える偏光子とを備えている。この装置はまた、単一の画像化経路内に配置された変調器を備えており、変調器は、単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の画像を形成することと、単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の画像を形成することの間で交番するように、変調器を通過する光の偏光状態を選択的に変更するように動作可能であり、第1の画像は第1の斜視視点からの視野内のオブジェクトを示しており、第2の画像は第2の斜視視点からのオブジェクトを示しており、第1および第2の画像は共に、オブジェクトの3次元空間属性を示すように動作可能である。装置は第1および第2の画像受け取るように単一の画像化経路中に配置された画像センサを含んでいる。
【0005】
開口面の位置は、レンズの物理的開口の位置、または物理的開口の複合体の位置の一方によって画定することができる。
【0006】
偏光子の第1の部分は、第1の直線偏光配向を有する直線偏光子を備えることができ、偏光子の第2の部分は、第2の直線偏光配向を有する直線偏光子を備えることができ、第1の直線偏光配向は、第2の直線偏光配向と垂直である。
【0007】
第1の直線偏光配向は、45度に配向させることができる。
【0008】
変調器は、偏光子の後に単一の画像化経路内に配置することができ、変調器は、第1の直線偏光状態を有する光を伝達することと、第2の直線偏光状態を有する光を伝達することの間で交番するように動作可能に構成することができる。
【0009】
4分の1波長板が、変調器の後に単一の画像化経路内に配置可能である。
【0010】
変調器は、偏光子の前に単一の画像化経路内に配置することができ、変調器は、伝達のために第1および第2の直線偏光状態の一方を選択し、選択した直線偏光状態を伝達することと、選択した直線偏光状態の偏光配向の90°の変化を生じさせることの間で交番するように動作可能に構成されている。
【0011】
4分の1波長板が、変調器の前に単一の画像化経路内に配置可能である。
【0012】
偏光子の第1の部分は、左手側の楕円形偏光配向を有する偏光子を備えることができ、偏光子の第2の部分は、右手側の楕円形偏光配向を有する偏光子を備えることができる。
【0013】
変調器を、偏光子の後に単一の画像化経路内に配置することができ、変調器は、左手側の楕円形偏光配向を有する光を伝達することと、右手側の楕円形偏光配向を有する光を伝達することの間で交番するように動作可能に構成することができる。
【0014】
変調器は、偏光子の前に単一の画像化経路内に配置することができ、変調器は、伝達するために左手側および右手側の楕円形偏光配向の一方を選択し、選択した偏光配向を伝達することと、選択した偏光配向に左手側の偏光配向と右手側の偏光配向の間の変更をさせることの間で交番するように動作可能に構成することができる。
【0015】
左手側の楕円形偏光配向は、左手側の円形偏光配向を含むことができ、右手側の楕円形偏光配向は、右手側の円形偏光配向を含むことができる。
【0016】
変調器は、レンズの前に配置することができる。
【0017】
画像センサは、第1および第2の画像を別に記録するように動作可能に構成されている。
【0018】
変調器は、レンズと画像センサの間に配置することができる。
【0019】
変調器は、液晶材料を含むことができる。
【0020】
変調器は、ファラデー回転子を含むことができる。
【0021】
変調器は、単一の画像経路内に第1の偏光配向を有する変調器の第1の領域を案内することと、単一の画像経路内に第2の偏光配向を有する変調器の第2の領域を案内することの間で交番するように移動するために動作可能な空間変調器を備えることができる。
【0022】
変調器は、捕捉された光の収束または発散角が変調器に関連する許容基準の角度より小さい、単一の画像化経路内の位置に配置することができる。
【0023】
偏光子は、開口面に近接して配置されたレンズ要素の表面に塗布された偏光コーディングを含むことができる。
【0024】
偏光子と開口面の間の変位は、偏光子の第1および第2の部分による口径食による第1および第2の画像の強度変化が、人間の眼によって検出可能な閾値より小さくなり得るように十分小さい可能性がある。
【0025】
変位は、第1および第2の画像に関連する画像面にわたって30%より下に強度変化を小さくするように十分小さい可能性がある。
【0026】
レンズは、ほぼ円形断面の単一の画像化経路を画定する複数のほぼ円形レンズ要素を備えることができ、偏光子は左半分および右半分を備えることができ、偏光子の左右半分はそれぞれ、単一の画像化経路の左右半円部をそれぞれ画定する。
【0027】
レンズは、ほぼ円形断面の単一の画像化経路を画定する複数のほぼ円形レンズ要素を備えることができ、偏光子は左側セクタおよび右側セクタを備えることができ、偏光子の左右側セクタはそれぞれ、レンズの垂直中心線の周りに配置された単一の画像化経路の左右側セクタそれぞれを画定することができる。
【0028】
偏光子の第1および第2の部分は、第1および第2の画像を形成しながら、第1および第2の斜視視点に位置を変えさせる範囲で変わるように動作可能であってもよく、それぞれの視点位置の変更は、3次元空間属性の表示の対応する変化を与える。
【0029】
装置は偏光子に結合されたアクチュエータを備えることができ、アクチュエータは、風景配向および肖像画配向の一方に画像を生成するように装置を選択的に構成することを容易にするために、偏光子の配向を90度だけ回転させるように動作可能に構成されている。
【0030】
装置は、偏光子に近接して単一の画像化経路の第1の部分内に配置された第1の可変式絞りと、偏光子に近接して単一の画像化経路の第2の部分内に配置された第2の可変式絞りとをさらに備えることができる。
【0031】
絞りは、虹彩とすることができ、偏光子の前方に配置可能である。
【0032】
画像センサはその表面にわたって碁盤目状に配列された単位セルを有するカラーフィルタアレイを通して前記第1および第2の画像を受け取るように構成されていると良く、単位セルは、複数の赤フィルタ素子を有し、各ユニットにおける少なくとも一つの赤フィルタ素子はsRGB色空間の外に帰着する異なる伝達スペクトルを有している。
【0033】
単位セルは緑フィルタ素子、青フィルタ素子、第1の赤フィルタ素子および第2の赤フィルタ素子を含むことができ、第2の赤フィルタ素子はある波長範囲の赤色光を伝達し、その波長範囲は第1の赤フィルタの周波数範囲とは大きく異なり、約660nmの波長を含む。
【0034】
装置は緑フィルタ素子、青フィルタ素子、第1の赤フィルタ素子および第2の赤フィルタ素子を含むことができ、この第2の赤フィルタは酸素で処理しないヘモグロビンと比較し酸素で処理したヘモグロビンによって測定可能な程度に異なった程度まで伝達された光の波長を伝達する。
【0035】
装置は、青光または緑光を伝達するフィルタ素子以外の単位セル中のフィルタ素子の少なくとも一つによりフィルタリングされたセンサ画素からの信号に基づいた擬似カラー信号を発生するようにユーザ選択により構成可能な画像表示システムを含むことができる。
【0036】
画像センサは、当該画像センサの表面にわたって碁盤目状に配列された単位セルを有するカラーフィルタアレイを通して前記第1および第2の画像を受け取るように構成されており、前記単位セルは、異なる伝達スペクトルを有する複数のカラーフィルタ素子を有し、前記複数のフィルタ素子の少なくとも第1番目のフィルタ素子は、約700から1000nmの範囲にわたる不可視波長を有することができる。
【0037】
複数のカラーフィルタ素子のうち少なくともその第1番目のカラーフィルタは約700nmから約800nの間、および約800nmから約1000nmの間の波長範囲にわたる不可視波長範囲を有することができる。
【0038】
複数のカラーフィルタ素子の他のカラーフィルタ素子は約700nmから約800nの間、および約800nmから約1000nmの間の波長範囲にわたる不可視波長範囲を有することができる。
【0039】
本発明の他の態様によると、単一の画像化経路および関連する視野を有するレンズを使用して、3次元画像情報を生成する方法が提供される。この方法は、
前記レンズの開口面に前記レンズの前記視野内で捕捉された光を案内すること、
前記開口面に近接して配置された偏光子で前記捕捉された光を受けることであって、前記偏光子は、前記単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第1の部分、および前記単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第2の部分を備えており、前記単一の画像化経路の前記第1および第2の部分は、前記レンズの前記視野内の第1および第2の斜視視点それぞれを与えることを含んでいる。この方法は、また、前記単一の画像化経路の前記第1の部分を通して第1の画像を画像センサ上に形成することと、前記単一の画像化経路の前記第2の部分を通して第2の画像を前記画像センサ上に形成することの間で交番するように、変調器を通過する光の偏光状態を選択的に変更するように前記単一の画像化経路に配置された前記変調器を制御することであって、前記第1の画像は前記第1の斜視視点からの前記視野内のオブジェクトを示しており、前記第2の画像は前記第2の斜視視点からの前記オブジェクトを示しており、前記第1および第2の画像は共に、前記オブジェクトの3次元空間属性を示すように動作可能であることを含んでいる。
【0040】
レンズの開口面に光を案内することは、レンズの物理的開口の位置、または物理的開口の複合体の位置の一方に配置されたレンズの開口面にレンズの視野内で捕捉された光を案内することを含むことができる。
【0041】
捕捉された光を受けることは、偏光子の第1の部分を通して第1の直線偏光配向を有する光を受けることと、偏光子の第2の部分を通して第2の直線偏光配向を有する光を受けることを含むことができ、第1の直線偏光配向は、第2の直線偏光配向と垂直に配向されている。
【0042】
第1の直線偏光配向は、45度に配向させることができる。
【0043】
変調器は、偏光子の後に単一の画像化経路内に配置することができ、変調器の偏光状態を制御することは、第1の直線偏光状態を有する光を伝達することと、第2の直線偏光状態を有する光を伝達することの間で交番することを含むことができる。
【0044】
変調器によって伝達された直線的に偏光した光は、4分の1波長板を通して案内され、それによって、4分の1波長板によって伝達された光を円形に偏光させることができる。
【0045】
変調器は、偏光子の前に単一の画像化経路内に配置することができ、変調器の偏光状態を制御することは、伝達するために第1および第2の直線偏光状態の一方を選択すること、および選択された直線偏光された状態を送信することと選択された直線偏光状態の偏光配向を90°変化させることとの間で交番することを選択することを含むことができる。レンズの開口面に光を案内することは、変調器の前方に配置された4分の1波長板を通してレンズの視野内で補捉された光を案内し、それによって、オブジェクトからの円形に偏光した光および楕円形に偏光した光のうちの少なくとも一方を直線的に偏光させることを含むことができる。
【0046】
直線的に偏光させることは、円形に偏光した光および楕円形に偏光した光のうちの一方を第1の偏光状態および第2の偏光状態のうちの一方に偏光させることを含むことができる。
【0047】
捕捉された光を受けることは、偏光子の第1の部分を通して左手側の楕円形偏光状態を有する光を受けること、および偏光子の第2の部分を通して右手側の楕円形偏光状態を有する光を受けることを含むことができる。
【0048】
変調器は、偏光子の後に単一の画像化経路内に配置することができ、変調器の偏光状態を制御することは、左手側の楕円形偏光状態を有する光を伝達することと、右手側の楕円形偏光状態を有する光を伝達することの間で交番することを含むことができる。
【0049】
変調器は、偏光子の前に単一の画像化経路内に配置することができ、変調器の偏光状態を制御することは、伝達するために左手側および右手側の楕円形偏光状態の一方を選択し、選択した偏光状態を伝達することと、選択した偏光状態に左手側の偏光状態と右手側の偏光状態の間の変更をさせることの間で交番することを含むことができる。
【0050】
左手側の楕円形偏光状態は、左手側の円形偏光配向状態を含むことができ、右手側の楕円形偏光状態は、右手側の円形偏光配向状態を含むことができる。
【0051】
変調器の偏光状態を制御することは、レンズの前に配置された変調器の偏光状態を制御することを含むことができる。
【0052】
変調器の偏光状態を制御することは、液晶材料の状態を制御することを含むことができる。
【0053】
変調器の偏光状態を制御することは、ファラデー回転子の状態を制御することを含むことができる。
【0054】
変調器の偏光状態を制御することは、単一の画像経路内に第1の偏光状態を有する変調器の第1の領域を案内することと、単一の画像経路内に第2の偏光状態を有する変調器の第2の領域を案内することの間で交番するように変調器を移動させることを含むことができる。
【0055】
変調器の偏光状態を制御することは、捕捉された光の収束角または発散角が変調器に関連する許容基準の角度より小さい、単一の画像化経路内の位置、に配置された変調器の偏光状態を制御することを含むことができる。
【0056】
偏光子で捕捉された光を受けることは、開口面に近接して配置されたレンズ要素の表面に塗布された偏光コーディングで捕捉された光を受けることを含むことができる。
【0057】
偏光子で捕捉された光を受けることは、偏光子の第1および第2の部分による口径食による第1および第2の画像の強度変化が、人間の眼によって検出可能な閾値より小さくなり得るように十分小さい変位によって開口面から変位された偏光子で捕捉された光を受けることを含むことができる。
【0058】
変位は、第1および第2の画像に関連する画像面にわたって30%より下に強度変化を小さくするように十分小さい可能性がある。
【0059】
レンズは、ほぼ円形断面の単一の画像化経路を画定する複数のほぼ円形レンズ要素を備えることができ、捕捉された光を受けることは、偏光子の左半分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達すること、および偏光子の右半分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達することを含むことができ、偏光子の左右半分はそれぞれ、単一の画像化経路の左右半円部をそれぞれ画定する。
【0060】
レンズは、ほぼ円形断面の単一の画像化経路を画定する複数のほぼ円形レンズ要素を備えることができ、捕捉された光を受けることは、偏光子の左側セクタ部を通して第1の偏光状態を有する光を伝達すること、および偏光子の右側セクタ部を通して第2の偏光状態を有する光を伝達することを含むことができ、偏光子の左右側セクタ部は、レンズの垂直中心線周りに配置されている。
【0061】
この方法は、第1および第2の画像を形成しながら、第1および第2の斜視視点に位置を変えさせるように、画像経路の第1および第2の部分の範囲を変更することを含むことができ、斜視視点位置の変更は、3次元空間属性の表示の対応する変化を与える。
【0062】
この方法は、風景配向および肖像画配向の一方に画像を生成するように、90度だけ偏光子を選択的に回転させることを含むことができる。
【0063】
偏光子を通して補捉された光を受けることは、第1の可変式絞りを通して単一の画像化経路の第1の部分に関連する補捉された光を受けることと、第2の可変式絞りを通して単一の画像化経路の第2の部分に関連する補捉された光を受けることとを含むことができる。
【0064】
可変式絞りは、虹彩とすることができる。
【0065】
単一の画像化経路の第1の部分に関連する補捉された光は、第1の可変式絞りを通して偏光子に案内可能であり、単一の画像化経路の第2の部分に関連する補捉された光は、第2の可変式絞りを通して偏光子に案内可能である。
【0066】
方法は、第1の可変式絞りを調節することによって画像化経路の第1の部分に沿って装置の焦点の深さを調節することと、第2の可変式絞りを調節することによって画像化経路の第2の部分に沿って装置の焦点の深さを調節することとを含むことができる。
【0067】
画像上に第1および第2の画像を形成することは、カラーフィルタアレイを通して第1および第2の画像を受け取ることを含むことができ、カラーフィルタアレイは画像センサのセンサの表面上を碁盤目上に横切る単位セルを有し、その単位セルは異なる伝達スペクトルを有する複数の赤フィルタ素子を含んでいる。
【0068】
各単位セル中の少なくとも一つの赤フィルタ素子はsRGBカラー空間の外に位置する伝達スペクトルを有することができる。
【0069】
単位セルは、緑フィルタ素子、青フィルタ素子、第1の赤フィルタ素子および第2の赤フィルタ素子を含むことができ、第2の赤フィルタ素子は、第1の赤フィルタ素子の波長範囲と大きく異なるとともに約660nm波長を含む波長範囲の光を伝達するように構成されている。
【0070】
単位セルは、緑フィルタ素子、青フィルタ素子、第1の赤フィルタ素子および第2の赤フィルタ素子を含むことができ、第2の赤フィルタ素子は、酸素で処理しないヘモグロビンと比較し酸素で処理したヘモグロビンによって測定可能な程度に異なった程度まで伝達された光の波長を伝達するように構成されている。
【0071】
その方法は、画像表示システムの表面で第1および第2の画像を受け取ること、および、画像表示システムによって擬似カラー複数の赤色フィルタ素子の一つと関連するセンサ素子に、第1および第2の画像の部分を生じさせることを含む。
【0072】
複数の赤色フィルタ素子の一つと関連するセンサ素子に対応する第1および第2の画像の部分を擬似カラーで生じさせることは、ユーザの選択に応答して複数の赤色フィルタ素子の一つと関連するセンサ素子に対応する第1および第2の画像の部分を生じさせることを含む
【0073】
画像センサ上に第1および第2の画像を形成することは、画像センサの表面に碁盤目状に配列された単位セルを有するカラーフィルタアレイを通して前記第1および第2の画像を受け取ることを含み、単位セルは異なる透過スペクトルを有する複数のカラー複数のカラーフィルタ要素を含み、複数の複数のフィルタ素子の少なくとも一つは約700nmから約1000nmの範囲の不可視波長範囲を有している。
【0074】
複数のフィルタ素子の少なくともその第1番目のカラーフィルタ素子は約700nmから約800nの間、および約800nmから約1000nmの間の波長範囲にわたる不可視波長範囲を有することを特徴とする。
【0075】
複数のフィルタ素子の他のものは他の約700nmから約800nの間、および約800nmから約1000nmの間の波長範囲にわたる不可視波長範囲を有する
【0076】
本発明の別の態様によると、単一の画像化経路および関連する視野を有するレンズを使用して、3次元画像情報を生成する装置が提供される。この装置は、レンズの開口面にレンズの視野内で捕捉された光を案内すること、単一の画像経路の第1の部分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達すること、および単一の画像経路の第2の部分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達することを含んでおり、単一の画像化経路の第1および第2の部分は、レンズの視野内の第1および第2の斜視視点それぞれを与える。この装置はまた、単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の画像を形成することと、単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の画像を形成することの間で交番するように、単一の画像経路を通過する光の偏光状態を選択的に変更することを含んでおり、第1の画像は第1の斜視視点からの視野内のオブジェクトを示しており、第2の画像は第2の斜視視点からのオブジェクトを示しており、第1および第2の画像は共に、オブジェクトの3次元空間属性を示すように動作可能である。この装置は、第1および第2の画像のディジタル表現を発生させる画像センス手段をさらに含む。
【0077】
本発明の別の態様によると、3次元画像情報を生成する装置が提供される。装置は、レンズの開口面にレンズの視野内で捕捉された光を案内するように動作可能である単一の画像化経路を有するレンズと、単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の状態を有する光を伝達するように配置された第1の部分、および単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の状態を有する光を伝達するように配置された第2の部分を備えた、開口面に近接して配置された光学要素であって、単一の画像化経路の第1および第2の部分は、レンズの視野内に第1および第2の斜視視点をそれぞれ与える光学要素とを備えている。この装置はまた、単一の画像化経路内に配置された変調器を備えており、変調器は、単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の画像を形成することと、単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の画像を形成することの間で交番するように、変調器を通過する光の状態を選択的に変更するように動作可能であり、第1の画像は第1の斜視視点からの視野内のオブジェクトを示しており、第2の画像は第2の斜視視点からのオブジェクトを示しており、第1および第2の画像は共に、オブジェクトの3次元空間属性を示すように動作可能である。この装置は、単一の画像化経路内に配置された画像センサをも含む。
【0078】
光学要素の第1の部分は、単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達するように配置された偏光子を備えることができ、光学要素の第2の部分は、単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達するように配置された偏光子を備えることができ、変調器は、第1の偏光状態と第2の偏光状態の間で交番するように、変調器を通過する光の偏光状態を選択的に変更するように動作可能である。
【0079】
本発明の他の態様および特性は、添付の図面と合わせて、本発明の特定の実施形態の以下の説明を検討すれば当業者には明らかになるであろう。
【0080】
以下の図では、本発明の実施形態が示されている。
【図面の簡単な説明】
【0081】
図1】本発明の第1の実施形態による3次元画像情報を生成する装置の斜視図である。
図2】液晶画像変調器の部分切り取り斜視図である。
図3図1に示す装置の動作状態を示す上面図である。
図4図1に示す装置を実施するための空間変調器の実施形態の上面図である。
図5図4に示す空間変調器を制御するための電流波形を示す一連のグラフである。
図6図4に示す空間変調器のための代替アクチュエータの斜視図である。
図7図1に示す装置で使用される偏光子の代替実施形態を示す図である。
図8図1に示す装置で使用される偏光子の代替実施形態を示す図である。
図9図1に示す装置で使用される偏光子の代替実施形態を示す図である。
図10】本発明の他の実施形態による3次元画像情報を生成する装置の上面図である。
図11】本発明のさらなる他の実施形態において使用される干渉フィルタについての伝達スペクトルのグラフィカルな描写である。
図12】本発明のさらなる実施形態による、3次元画像情報を生成する装置の上面図である。
図13】本発明のさらにさらなる実施形態による、3次元画像情報を生成する装置の上面図である。
図14】本発明の他の代替実施形態による3次元画像情報を生成する装置の上面図である。
図15】改良された赤および近赤外線画像生成のための本発明のさらなる実施例による3次元画像情報を生成する装置の略構成図である。
【発明を実施するための形態】
【0082】
図1を参照すると、本発明の第1の実施形態による3次元画像情報を生成する装置全体が、100で示されている。装置100は、普通は中心軸103に沿って配向された単一の画像化経路を有するレンズ102を備えている。レンズ102は、レンズの開口面104にレンズの視野内で捕捉された光を案内するように動作可能である。
【0083】
装置100はまた、開口面104に近接して配置された偏光子108を備えている。開口面104は、レンズ102の物理的開口面であってもよく、または開口面の複合体であってもよい。偏光子108は、単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第1の部分110、および単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の偏光状態を有する光を伝達するように配置された第2の部分112を備えている。単一の画像化経路の第1および第2の部分は、レンズ102の視野内に第1および第2の斜視視点をそれぞれ与える。
【0084】
装置100はさらに、単一の画像化経路内に配置された変調器106を備えている。変調器106は、単一の画像化経路の第1の部分を通して第1の画像を形成することと、単一の画像化経路の第2の部分を通して第2の画像を形成することの間で交番するように、変調器を通過する光の偏光状態を選択的に変更するように動作可能である。第1の画像は第1の斜視視点からの視野内のオブジェクト(オブジェクト116など)を示しており、第2の画像は第2の斜視視点からのオブジェクトを示している。第1および第2の画像は共に、オブジェクト116の3次元空間属性を示すように動作可能である。
【0085】
図1に示す実施形態では、レンズ102は、ズーム・レンズ群124を作り、開口面104の位置を画定するレンズ要素118、120および122を含む複数のレンズ要素を備えている。ズーム・レンズ群124の焦点長さは、レンズ要素118および120を移動することによって変更することができる。レンズ102はまた、画像面114で画像を集束させるための焦点レンズ126を備えている。他の実施形態では、レンズ102は、より多くのまたは少ない数のレンズ要素で作ることができ、画像化で使用されるプライム、電送または他のタイプのレンズであってもよい。
【0086】
変調器106は、選択的に変調器に変調器を通過する光の偏光状態を変えさせる制御信号を受信する入力128を備えている。装置100はまた、制御信号を生成する出力132を有するコントローラ130を備えている。コントローラ130はまた、第1および第2の画像を記録するために画像面114に配置された電荷結合素子(図示せず)などの画像記憶素子に関連する制御回路から受信することができる、同期信号(SYNCH)を受信する入力134を備えている。変調器106は、液晶デバイス、ファラデー回転子、または制御信号または駆動信号を受信することに応じて、デバイスを通過する光の偏光状態を変更するように動作可能な他の電気光学デバイスを使用して実施することができる。別の方法では、変調器106は、本明細書で以下に詳細に記載するように、偏光素子を機械的に移動することによって実施することができる。
【0087】
一実施形態では、偏光子108の第1の部分110は、第1の直線偏光配向を有する直線偏光子を使用して実施することができ、偏光子108の第2の部分112は、第2の直線偏光配向を有する直線偏光子を使用して実施することができ、第1の直線偏光配向は第2の直線偏光配向と垂直である。図1に示す実施形態では、第1および第2の偏光配向はそれぞれ、垂直に対して+45°および−45°であるが、他の実施形態では、偏光は別に(例えば、垂直および水平に)配向させることができる。有利には、±45°で第1および第2の偏光配向を配向させることにより、光が例えば車道または水域などの表面に反射する場合に起こるように、部分的に偏光されているレンズ102の視野から受ける光による第1と第2の画像間の差を防ぐ。
【0088】
別の実施形態では、偏光子108の第1の部分110は、左手側の楕円形偏光状態を有する光を伝達するように動作可能な偏光子を備えることができ、偏光子108の第2の部分112は、右手側の楕円形偏光状態を有する光を伝達するように動作可能な偏光子を備えることができる。別の方法では、偏光子108の第1および第2の部分110および112は、それぞれ左手側の円形偏光状態および右手側の円形偏光状態を有する光を伝達するように動作可能な材料を含むことができる。
【0089】
図1に示すように配向された場合、装置100は、普通「風景配向」と呼ばれるもの(すなわち、画像の最長寸法が水平に配向されている)画像を生成するように構成されている。得られる第1および第2の画像は、左右の画像に分離され、これにより有利には、第1および第2の画像を、ユーザの水平に分離された左右の眼によって普通に見られる画像に対応させる。しかし、特に静止画像写真では、カメラのユーザが風景配向および肖像画配向の両方(すなわち、画像の長い方の寸法が垂直に配向している場合)の画像を撮ることは普通である。装置100の代替実施形態では、装置は、風景モードまたは肖像画モードのいずれかの構成を可能にするように構成することができる。特に、偏光子108は、矢印136によって示される方向に90度だけ回転させることができ、それによって第1および第2の画像は、図1に示すような装置の配向で垂直に分離されている。この構成では、装置100が肖像画モードで画像を撮るように配向されている場合、第1および第2の画像は水平に分離されたままであり、それによってそれぞれ左右の斜視視点を有する第1および第2の画像が与えられる。偏光子108の90度の回転は、ユーザによって手動で動作されるアクチュエータを有する機械回転子を使用して実施することができる。別の方法では、機械回転子は、肖像画モードのユーザ選択に応じて、または加速度計または重力センサ(図示せず)などの配向センサによって生成される配向信号に応じて自動的に、のいずれかで、電気モータによって作動させることができる。
【0090】
変調器
一実施形態では、変調器106は、光の偏光状態を変調させるために液晶を使用して実施することができる。図2を参照すると、液晶画像変調器が全体的に200で示されている。変調器200は、第1のガラス・プレート204と第2のガラス・プレート206の間に配置された液晶材料層202を備えている。第1のガラス・プレート204は、第1のガラス・プレートの表面にわたって延びる、第1の透明電極208を備えている。第2のガラス・プレート206は、第2のガラス・プレートの表面にわたって延びる、第2の透明電極212を備えている。液晶変調器200はまた、第1の電極208への電気接続を行なうためのコネクタ210、および第2の透明電極212への電気接続を行なうためにコネクタ214を備えている。コネクタ210および214は、液晶材料の偏光性状を変えるように、液晶層202内に電界を生じさせるために、電極208と212の間に駆動電圧を加えることを容易にする。
【0091】
変調器200はまた、第1の直線偏光配向を有する光を伝達することを可能にする偏光層216を備えている。この場合、第1の直線偏光配向は垂直に対して−45°の角度である。他の実施形態では、第1の直線配向偏光は、本明細書で前に開示したように別に配向させることができる。図2では、様々な層の厚さは等尺度で示されていない。
【0092】
液晶層202は、コネクタ210と214の間に加えられた駆動電圧がない緩和状態で、層を通過する光の偏光配向の回転を生じさせる捩れネマチック液晶材料であってもよい。例えば、液晶は、直線に偏光された光に緩和状態で偏光配向の90°の回転を受けさせるように構成することができる。駆動信号がコネクタ210と214の間に加えられると、捩れネマチック液晶材料は、光が偏光配向を変えることなく層202を通過することが可能になるように再配向する。一実施形態では、液晶層202は、電圧VとVの間で変化する50%負荷サイクル方形波を有する駆動信号の付加によって作動させることができ、ここで電圧は光の偏光配向に対する(偏光層216を通る伝達後に受けられるような)−45°偏光配向から+45°偏光配向への90°の変化を与えるように、安全動作電圧の範囲内で選択される。コントローラ130(図1に示す)は、光を通過させることを可能にするように液晶層102を作動させることが望ましい場合に、駆動信号を選択的に生成するように構成することができる。液晶の非作動状態では、駆動ポテンシャルはコネクタ210と214の間に加えられない。別の方法では、コントローラ130は、駆動電圧信号を選択的に生成するように変調器ドライバ(図示せず)を制御する、低レベル作動信号を与えることができる。
【0093】
画像化経路内で偏光子108の前に(図1に示すように)変調器200が配置されている実施形態での使用では、光は偏光層216に衝突し、−45°偏光配向を有する光だけは、液晶層202に伝達される。コネクタ210と214の間に加えられる駆動電圧がない状態で、垂直に偏光された光は、偏光配向の回転を受け、+45°偏光配向を有する光として液晶層から出る。駆動電圧がコネクタ210と214の間に加えられる場合、−45°偏光配向を有する光は、偏光配向に対する偏光なしで伝達される。偏光器200は、この動作モードではしたがって、駆動電圧の付加に応じて、−45°と+45°の間で伝達された−45°の偏光の偏光状態を選択的に変える。
【0094】
動作
図2に示す変調器200の動作は、上面図に装置100を示す、図3をさらに参照して説明されている。図示する実施形態では、偏光子108の第1の部分110は、+45°で偏光された光を伝達し、−45°で偏光された光を遮断するように動作可能な直線偏光子を備えている。偏光子108の第2の部分112は、−45°で偏光された光を伝達し、+45°で偏光された光を遮断するように動作可能な直線偏光子を備えている。液晶画像変調器200は、入射光が偏光層216に衝突するように構成されており、これは液晶層202を通過する前に−45°で偏光された光を伝達するように構成されている。
【0095】
図3を参照すると、第1の点140から出る光線150は、ランダムに偏光された光を含むことができ、−45°で偏光された光成分は偏光層216によって伝達される、あるいは偏光された光成分が遮断される。図3に示す操作実施形態では、(図1に示すコントロール130によって生成される)制御信号PCは、変調器200を緩和状態にさせる信号状態PC1を有し、これにより液晶層に−45°から+45°まで90°だけ光の偏光配向を変化させ、それによって光線144及び152は+45°で偏光される。光線152は、レンズ102によって捕捉され、開口面104に案内され、ここで光線は偏光子108の第1の部分110を通過し、画像面114上に衝突する。第2の点140から出る光線142はまた、ランダムに偏光された光を含むことができ、前のように、−45°で偏光された光成分のみが偏光層216を通して伝達される。変調器200から出る光線144はしたがって、+45°で偏光され、偏光子108の第2の部分112によって遮断され、したがって画像面114には到達しない。偏光子108の第1の部分110はしたがって、第1の画像を形成する際に必要とされるレンズ102の単一の画像化経路の第1の部分を画定する。
【0096】
制御信号PCが信号状態PC2に状態を変えると、変調器200は活性または非捩れネマチック状態に置かれ、偏光層216を通過する−45°で偏光された光は、偏光配向の変化を受けることなく液晶層202を通して伝達され、それによって−45°偏光状態で配向されたままになる。光線144は、レンズ102によって撮られ、開口面104に案内され、ここで光線144は偏光子108の第2の部分112を通して伝達され、画像面114上に衝突する。光線152は、偏光子108の第1の点110で遮断され、画像面114に到達しない。偏光子108の第2の部分112はしたがって、第2の画像を形成する際に必要とされる、レンズ102の単一の画像化経路の第2の部分を画定する。
【0097】
第1および第2の画像がユーザのそれぞれ左右の眼に選択的に案内された場合、ユーザは実際のオブジェクト116を見ている場合に3D情報を識別することが可能であるのとほぼ同じ方法で、画像から3D情報を識別することが可能になる。
【0098】
別の実施形態では、第1および第2の画像は、ビデオ表示モニタ上に別のビデオ領域として交互に表示することができる。様々なタイプの能動および受動メガネ類は、このように表示した第1および第2の画像をユーザの眼に案内するために利用可能である。受動タイプのメガネ類は普通、メガネ類内の受動フィルタ素子が画像を分離することを可能にするための、表示した画像の追加の波長または偏光処理によるものである。動的タイプのメガネ類は普通、別の方法ではそれぞれの左右の眼への第1および第2の画像の伝達を可能にするように、ディスプレイから同期信号を受信する受信機を備えている。別の方法では、第1および第2の画像は、それぞれの画像内の識別可能な特徴を調和させ、識別された特徴間の横方向シフトを判断するように処理することができる。判断した横方向シフトは、装置100の画像化パラメータの知識と共に、オブジェクト上の点の間、または異なる深度でのオブジェクトの間の深度の差を算出するために使用することができる。
【0099】
有利には、偏光子108は、吸収性偏光フィルムまたは薄膜偏光子などの比較的薄い材料の使用を可能にする、受動的偏光素子であってもよい。このような材料により、偏光子108を、レンズ要素間に限られた空間を有するレンズ102内であっても、開口面104に極めて近接させて、またはそこに配置することが可能になる。単一の画像化経路の第1または第2の部分を通る光の選択的伝達による画像の口径食を少なくするまたはなくすように、レンズ102の開口面に少なくとも近接して起こる第1および第2の画像を生成するように、光の選択的伝達/遮断を行なうことが有利である。いくつかの実施形態では、偏光子は、システム開口を画定し、レンズ102によって捕捉される光量を制御するレンズの虹彩(図示せず)に近接して配置することができる。別の方法では、偏光子108の第1および第2の部分110および112は、レンズの開口面を画定するレンズ要素、またはレンズの開口面に近接して配置されたレンズ要素にコーティングとして直接塗布することができる。
【0100】
特定のレンズを使用して所望の画像化品質または性能を達成するために、開口面104からの偏光子108の最大変位を示す距離許容範囲を作り出すように、光感度分析を行なうことができる。このような分析は、偏光子108の第1および第2の部分110および112による口径食による第1および第2の画像の幾何的ずれを考慮することができ、距離許容範囲は、許容可能な3D情報品質の基準を満たすように開口面からの最大距離を与える。偏光子108を開口面から離すように移動させることによって画像化品質が影響を受ける程度は、レンズ102を作るレンズ要素の構成、およびシステムの所望の画像化性能によるものである。極めて高性能の画像化システムでは、偏光子108は、口径食を最小限に抑え、したがって画像にわたってほぼ均一の画像強度を有する第1および第2の画像を与えるように、開口面104に極めて近接して配置させなければならない可能性がある。より低い性能の画像化システムでは、画像の縁部でのかなり明らかな画像強度減退を可能にすることが許容可能である可能性がある。というのは、人間の眼はこのような減退にそれほど敏感ではないからである。重要ではない画像化応用例では、画像の外縁部での30%から50%までの画像減退が許容可能である可能性がある。
【0101】
液晶変調器200などの変調器は普通、光伝達方向により厚く、したがって開口面で容易に対応することができない。有利には、変調器200は、レンズ102内の任意の数の位置に配置することができる。本実施形態では、変調器106はレンズ102の前に配置されているが、他の実施形態では、適切に構成された変調器は、例えば任意のレンズ要素間、または集束レンズ126と画像面114の間に十分均等に配置することができる。
【0102】
能動偏光要素として作動する変調器は、それぞれの第1および第2の偏光状態を有する光の間に強度比率の表現で特徴とすることができる。実際の問題として、多くの能動偏光要素では、偏光子に衝突する光の収束または発散角が前記変調器に関連する許容可能な基準の角度より大きい場合、偏光比率が減退する。このような実施形態では、捕捉された光の収束または発散角が前記変調器に関連する許容可能な基準の角度より小さい単一の画像化経路内の点に変調器200を配置することが望ましい可能性がある。いくつかの実施形態では、レンズ102は、光が平行に近づける領域を有することができ、これにより、特定のレンズに関連する他の間隙および設計制約を受ける、変調器200にほぼ最適な位置を与える。図1および3に示す実施形態では、オブジェクト116がレンズ102からかなり離れて置かれる限り、変調器200に入る光は、ほぼ低い角度入射を有する。
【0103】
別の方法では、液晶変調器200が画像化経路内で偏光子108の後に逆向きの配向で配置されている実施形態での使用では、+45°偏光配向を有する光は、偏光子108の第1の部分110を通して伝達され、−45°偏光配向を有する光は、偏光子の第2の部分112を通して伝達される。制御信号PCが第1の状態PC1にある場合、液晶層は緩和ネマチック状態にあり、−45°および+45°偏光配向の両方の光は、偏光配向の回転を受ける。偏光子108の第1の部分110から+45°の偏光配向を有する光は、−45°の偏光配向を有するように回転されるが、画像面114に偏光層216を通して伝達されて、第1の画像が形成される。偏光子108の第2の部分112から−45°の偏光配向を有する光は、+45°の偏光配向を有するように回転され、偏光層216によって遮断される。制御信号PCが状態をPC2に変えると、非捩れネマチック状態にある液晶は、偏光配向への変化なしで−45°または+45°偏光配向のいずれかを有する光を通過させ、−45°に偏光された光は、画像面114に偏光層216を通して伝達されて、第2の画像が形成される。偏光子108の第1の部分110からの+45°に偏光された光は、偏光層216によって遮断される。
【0104】
空間変調器実施形態
代替実施形態では、図1に示す変調器106は、図4に全体が380で示された空間変調器を使用して実施することができる。図4を参照すると、空間変調器380は、+45°偏光配向を有する光を伝達するように動作可能な第1の領域384、および−45°偏光配向を有する光を伝達するように動作可能な第2の領域386を有する偏光子382を備えている。偏光子382はアーム388上に取り付けられ、次に、旋回軸390上に取り付けられて、空間変調器380の横移動を行なう。アーム388はまた、部分的にアームに沿って取り付けられた磁石392を備えている。磁石392は、コイル410および412をそれぞれ有する第1および第2の電磁石394および396の間に配置されている。偏光子382、アーム388、旋回軸390、ならびに電磁石394および396は共に、第1のアーム位置(実線で示す)と第2の位置(404に破線で示す)の間で矢印402の方向に横に偏光子382を移動させる力を生成するように動作可能な機械的アクチュエータを作る。本実施形態では、第1および第2のアーム位置は、アームおよび偏光子382の第1および第2の位置をそれぞれ画定する、1対の止め具414および416によって画定されている。止め具414および416はそれぞれ、アーム388および偏光子382の移動の調節を行なうように、相補的ねじ込み部422に係合するねじ込み部420を備えている。
【0105】
レンズ(図1に示すレンズ102など)の単一の画像化経路の範囲が、406に破線で示されている。第1のアーム位置では、第1の偏光領域384は、+45°偏光配向を有する光が、−45°偏光配向を有する光を遮断しながら単一の画像化経路を通過することを可能にするように配置されている。第2のアーム位置404では、第2の偏光領域386は、−45°偏光配向を有する光が、+45°偏光配向を有する光を遮断しながら単一の画像化経路を通過することを可能にするように配置されている。
【0106】
空間変調器380を駆動するために、図1に示す変調器ドライバ130は、図4に示す変調器ドライバ430と置換することができる。変調器ドライバ430は、第1の電磁石394のコイル410を駆動するための第1の対の出力432と、第2の電磁石396のコイル412を駆動するための第2の対の出力434とを備えている。
【0107】
変調器ドライバ430はまた、第1および第2の画像を捕捉するために、画像センサの動作を同期するように同期信号(SYNC)を生成する出力436を備えている。別の方法では、出力436は、画像センサの所定の画像捕捉率でアーム388の動作の同期を容易にするように、画像センサによって生成される同期信号を受信する入力として構成することができる。実際、変調器ドライバ430は、SYNCH信号を内部に生成する、または入力436でSYNC信号を受信するいずれかである。SYNCH信号に応じて、コントローラは、それぞれのコイル410および412を駆動するように、出力432および434で電力波形を生成する。それぞれのコイル410および412を通した電流は、所望の止め具414または416に向かって移動するように、アーム388上に力を加えさせる。有利には、変調器ドライバ430はプッシュプル式コントローラとして実施することができ、電磁石394および396の一方は磁石392に引力に与え、電磁石のもう一方は磁石に反発力を与え、それによって止め具416と414の間で移動しながら、アームへの力を大きくする。
【0108】
アーム388を第1の電磁石394に向かって移動させるように、コイル410および412に与えられる電流駆動の例示的な波形が、図5にグラフで示されている。コイル410を通る電流波形が440で示されており、コイル412を通る電流波形が442で示されている。SYNCH信号パルス波形は、446で示されている。SYNCH信号446の立ち上がりは、第1の期間444の開始時間を規定し、そこで電流440はアーム388上の引力を生成するように急速に上昇する。引力は、アーム388の慣性を超え、アームを止め具414および第2の電磁石396から離れるように加速させる。第1の期間444中、電流442は最初ゼロであり、アーム388が加速し始めると、電流422はアームが止め具416に近づいたときに減速力を与えるように迅速に大きくなり、それによってアームの動作を減衰させて、止め具と係合する場合にアームの揺れを防ぐ。
【0109】
アーム388は、止め具416で停止し、電流440および442は、止め具416でアームを保持するように、各コイル410および412内の小さな保持電流まで小さくなる。アーム388が止め具416に保持される第2の期間448は、第1の画像の完全な捕捉に十分な時間を与える。
【0110】
同様に、SYNCH信号446のその後の立ち上がりは、第3の期間450の開始時間を規定し、電流442は、引力および電流440を生じさせ、アーム388上の反発力がアームを止め具414に向かって移動させる。アーム388が止め具414に静止している期間452は、第4の期間452を規定し、これにより第2の画像の完全な捕捉のために十分な時間を与える。
【0111】
図6を参照すると、空間変調器380(図4に示す)のアクチュエータ部の代替実施形態が、全体として500で示されている。アクチュエータ500は、モータを通して延びる回転子シャフト506を有するモータ502を備えている。アーム388は、全体が図4で示されるように、横移動のためにシャフト506に取り付けられている。本実施形態では、モータ502は、1対の磁石508および510を使用して実施され、シャフト506は磁石の間にアクチュエータ・コイル516を支持する。アクチュエータ・コイル516は、駆動電流を受けるように変調器出力432に結合され、それによりトルクをシャフト506上に生成させる。普通、アクチュエータ500は、アナログ計測動作と同様の方法で作動し、止め具414と416の間で移動を行なう。他の実施形態では、モータ部502は、シャフト506が磁化され、コイルが電極片(すなわち、508および510)の周りに巻かれるように構成することができる。
【0112】
可変立体視
図1に示す実施形態では、単一の画像化経路は円形の形状をしており、偏光子108の第1の部分110は、画像化経路の第1の半円部を覆うように延びており、第2の部分112は、画像化経路の第2の半円部を覆うように延びている。
【0113】
代替実施形態では、第1および第2の部分110および112はそれぞれ、図7図8および図9に示すように、半円面積より小さい単一の画像化経路のセクタを覆うように延びることができる。図7を参照すると、偏光子108は、第1および第2の部分110および112が画像化経路406を越えて外側に延びるような寸法をしている。第1の部分110によって覆われた(破線406によって示された)単一の画像化経路の領域の重心が、550で示されており、第2の部分112によって覆われた単一の画像化経路の領域の重心が552で示されている。重心550および552は、図1に示すレンズ102などの、レンズを通して形成される第1および第2の画像それぞれに対する斜視中心を画定するものとして見ることができる。2つの重心550と552の間の距離Dは、画像間の立体視分離を示しており、これは装置によって生成される「3D量」に大まかに等しい。
【0114】
図8を参照すると、偏光子108の第1の部分110を矢印554の方向に内向きに、第2の部分112を矢印556の方向に内向きに移動することによって、重なり合った領域558は2つの偏光子部分の間に形成される。重なり合った領域558を通過する光は、−45°偏光配向を有する偏光子108の部分、および+45°偏光配向を有する部分の両方を通過し、したがって、偏光配向とは関係なく遮断される。このような状態では、重心550および552はそれぞれ外向きにシフトされ、したがって、斜視視点はまた外向きにシフトされて、第1と第2の画像の間のより大きな立体視分離を行なう。
【0115】
図9を参照すると、矢印560の方向への内向きへの偏光子108の第1の部分110の、および矢印562の方向への内向きへの第2の部分112のさらなる移動により、2つの偏光子部分間の重なり合った領域564が、ある程度大きくなる。重なり合った領域564を通過する光は再び、偏光子108の−45°および+45°偏光部分の両方を通過し、それによって遮断される。このような状態では、重心550および552は再び、外向きにシフトされ、それにより斜視視点をさらに変える。
【0116】
一実施形態では、本明細書に全体を参照として援用する、「METHOD AND APPARATUS FOR GENERATING THREE DIMENSIONAL IMAGE INFORMATION USING A SINGLE IMAGING PATH」という名称の2009年7月10日出願の同一出願人のPCT特許出願PCT/CA2009/00957号に開示されているように、偏光子108の部分110および112の移動は、小型ステッパ・モータなどのアクチュエータによって行なうことができ、第1および第2の画像を可変立体視を提供するように形成しながら、重心の分離の程度を変更することができる。
【0117】
円形偏光実施形態
上記実施形態を直線偏光配向に関連して説明したが、上記変調器200はまた、楕円形または円形に偏光させた光に影響があるように構成することができる。図10を参照すると、円形偏光実施形態は全体が600で示されている。本実施形態では、変調器602はレンズ要素118の前に配置されており、−45°の偏光配向を有する光を伝達する直線偏光層604を備えている。液晶602はまた、右手側の円形偏光または左手側の円形偏光のいずれかを生成するために、+90°位相遅延と−90°位相遅延の間で選択的に切り換わるように構成された液晶層606を含んでいる。
【0118】
偏光子108の第1および第2の部分110および112は、+45°および−45°偏光配向を有する光をそれぞれ伝達するように動作可能な直線偏光子である。偏光子108はさらに、右手側の円形偏光を有する光を偏光子108の部分110を通して伝達される+45°の配向で直線に偏光させた光に変換させるように配向された、第1の方形波プレート608を備えている。偏光子108はまた、左手側の円形偏光を有する光を偏光子108の部分112を通して伝達される−45°の配向で直線に偏光させた光に変換させるように配向された、第2の方形波プレート610を備えている。偏光子108の第1および第2の部分110および112はしたがって、本明細書で前に記載したように、第1および第2の画像を画像面114に形成させる。
【0119】
非偏光実施形態
他の実施形態では、図2の偏光子108の偏光子部分110および112は、第1および第2の画像を生成するように光の別の性状に影響を与えるフィルタ部と置き換えることができる。例えば、部分110および112は、青色、緑色、および赤色光などの特定の狭い帯域の光波長を伝達する干渉フィルタであってもよい。このような干渉フィルタの伝達スペクトルが、図11に700および702にグラフで示されている。図11を参照すると、フィルタ110は700で示すように、第1の複数の光波長λB1、λG1およびλR1を伝達するように構成することができ、フィルタ112は702で示すように、第2の複数の光波長λB2、λG2およびλR2を通過するように構成することができる。図4に示す変調器などの空間変調器は、第1の領域384が第1の複数の波長700を伝達し、第2の領域386が第2の複数の波長702を伝達するように構成することができる。実際、空間変調器は、第1および第2の波長範囲を単一の画像化経路を通して選択的に受けることを可能にすることを交互にさせる。第2の複数の波長702が単一の画像化経路を通して受けられる場合、干渉フィルタ部分110はこれらの波長を遮断し、干渉フィルタ部分112は第2の複数の波長を伝達し、これは画像面114で第1の画像を形成するように画像化される。第1の複数の波長700が単一の画像化経路を通して受けられる場合、干渉フィルタ部分112はこれらの波長を遮断し、干渉フィルタ部分110は第1の複数の波長を伝達し、これは画像面114で第2の画像を形成するように画像化される。人間の眼は、波長の僅かなずれにあまり敏感でない受容体を含んでいるので、左右の眼によって識別される画像は、スペクトルまたは色概観はあまり違わないが、単一の画像化経路の第1および第2の部分によって与えられる異なる斜視視点を有する。第1および第2の複数の波長は、それぞれの伝達帯域が僅かな重なりを有するように十分異なっている。例えば、10ナノメートルの領域内の波長の差は、波長にかなりの強度視差がない限り、人間の眼で視覚的に識別することはできない。人間の眼の中の受容体はこのような小さなずれに敏感でないので、眼によって受けられる第1および第2の画像は、異なるスペクトルまたは色コンテンツを有するものとして認識されない。
【0120】
円形偏光入力実施形態
上記実施形態が直線偏光配向に関連して説明されたが、他の実施形態では、装置は、楕円形または円形に偏光した光に動作するように構成可能である。図12を参照すると、装置の円形偏光入力実施形態が、全体を800で示されている。本実施形態では、変調器200は、装置800の入力端において、レンズ102の視野内のレンズ要素118と、ポイント140との間に配置される。変調器200は、−45°の偏光配向を有する光を伝達する直線偏光層216を備えている。4分の1波長板217が、偏光層216とポイント140との間に配置され、それにより、入射する円形および楕円形に偏光した光は、4分の1波長板217による伝達によって直線的に偏光させられる。その伝達された直線的偏光光の−45°の成分のみが偏光層216によってさらに伝達される。変調器200は、前述したように動作し、交互に、それが制御信号PCの制御の下でそのPC1緩和状態にあるときは、伝達光を+45°偏光させ、それが制御信号PCの制御の下でそのPC2活性状態にあるときは、伝達光を−45°偏光させる。
【0121】
本実施形態では、偏光子108の第1および第2の部分110および112は、+45°および−45°偏光配向を有する光をそれぞれ伝達するように動作可能な直線偏光子である。偏光子108の第1および第2の部分110および112はしたがって、本明細書で前に記載したように、第1および第2の画像を交互に画像面114に形成させる。装置800の単一の画像化経路の第1の部分110を通して伝達される第1の偏光状態を有する光は、レンズ102の視野内に第1の斜視視点を与える。装置800の単一の画像化経路の第2の部分112を通して伝達される第2の偏光状態を有する光は、レンズ102の視野内に第2の斜視視点を与える。偏光子108の第1および第2の部分110および112はしたがって、本明細書で前に記載したように、第1および第2の画像を交互に画像面114に形成させる。第1の画像は、第1の斜視視点からレンズ102の視野内にオブジェクトを表し、第2の画像は、第2の斜視視点からオブジェクトを表し、第1および第2の画像はともに、オブジェクトの3次元空間属性を表すように動作可能である。
【0122】
円形偏光出力実施形態
図13において全体を900で示されている本発明の代替実施形態では、変調器200は、装置900の出力端において、レンズ126と、画像面114との間に配置され、偏光層216が画像面114に面している。4分の1波長板217が、偏光層216と、画像面114との間に配置される。本実施形態では、偏光子108の部分110を通過する光線150は、偏光子から出るときの直線偏光が+45°であり、偏光子の部分112を通過する光線142は、偏光子から出るときの直線偏光が−45°である。
【0123】
変調器200は、PC1緩和状態にあるとき、光線150の偏光を90°変えて+135°に、光線142の偏光を90°変えて+45°にする。+135°の偏光は、操作上、−45°に平行な偏光の光のみを伝達する偏光層216の働きを基準にして−45°と等価である。そのため、光線150および142が偏光層216に衝突する場合、光線150しか4分の1波長板217に伝達されず、光線142は、妨げられる。4分の1波長板217は、光線150を円形に偏光させる。
【0124】
変調器200は、そのPC2活性状態にあるとき、光線150の偏光を変えず、+45°直線偏光のままにし、光線142の偏光を−45°のままにする。光線150および142が偏光層216に衝突する場合、光線142のみ4分の1波長板217に伝達される。次いで、4分の1波長板217は、変調器200がPC1緩和状態にあるときの光線150と同じ円形状態に、円形に偏光させる。
【0125】
この機構によって、光線150および142は、交互に画像面に画像を形成し、偏光子108の部分110および部分112をそれぞれ通って進む光を表す。装置900の単一の画像化経路の第1の部分110を通して第1の偏光状態を有する光は、レンズ102の視野内に第1の斜視視点を与える。装置900の単一の画像化経路の第2の部分112を通して第2の偏光状態を有する光は、レンズ102の視野内に第2の斜視視点を与える。偏光子108の第1および第2の部分110および112はしたがって、本明細書で前に記載したように、第1および第2の画像を画像面114に形成させる。第1の画像は、第1の斜視視点からレンズ102の視野内にオブジェクトを表し、第2の画像は、第2の斜視視点からオブジェクトを表し、第1および第2の画像はともに、オブジェクトの3次元の空間属性を表すように動作可能である。両方の場合において、画像は、円形に偏光した光を使用して形成される。このことは、特にまたは優先的に、入射する円形に偏光した光を使用する、距離計などのデバイス、および最新のSLRカメラなどのある種の画像化デバイスには有利であり得る。これにより、装置900は、そのような画像化デバイスおよび距離計に入力フロントエンドとして結合されることが可能になる。
【0126】
可変絞り
前述の実施形態すべてにおいて実装可能な本発明のさらなる実施形態は、1対の可変式絞りの追加を含む。図14を参照すると、図12において説明された実施形態に基づく例示的な実施形態が、全体を1000で示されている。装置1000は、レンズの一部として偏光子108に近接して配置された1対の可変式絞り996および998を有するレンズ902を含む。本実施形態では、可変式絞り996および998は、単一の画像化経路内の偏光子108の前方に配置される。有利には、可変式絞り996および998は、開口面104上のレンズ902の物理的開口に、または物理的開口の共役部の場所に配置可能であり、偏光子108は、可変式絞りを通して伝達される光を受けるように配置可能である。一実施形態では、可変式絞り996および998は、虹彩として実装可能である。概して、可変式絞り996および998は、絞り996および998の開口が調節されることを可能にする任意の構成体とすることができ、開口は、楕円形、長方形、正方形、または他の形状を有することができる。個々の絞りから連続的な絞りへ形態を変化させるように可変絞りの対が構成されても良い。レンズ902の他の要素すべては、図12に示されるレンズ102について上述した通りであり、変調器200は、図12に関連して説明されたようにレンズ902の前方に配置される。4分の1波長板217は、本明細書で前に記載したように、変調器200の前方に配置される。
【0127】
動作に際しては、可変式絞り996および998は、装置1000の焦点の深さを変えるように調節可能である。一実施形態では、可変式絞り996および998は、互いとは無関係に調節可能であり、それにより、単一の画像化経路の第1の部分に対しておよび単一の画像化経路の第2の部分に対して、装置1000の焦点の深さを独立して調節することが容易になる。他の実施形態は、画像経路の第1および第2の部分のそれぞれに対して焦点の深さが実質的に一致するように、対応する絞り調節を可能にすることができる。
【0128】
複数の赤センス素子を備えた画像化アレイ
3次元画像化の主要な応用分野の一つは、この技術から非侵襲手術が特に利点をもちらす、医学分野である。例として、医療関係者は手術中に酸素が飽和した血液と酸素が非常に欠乏した血液を区別することの容易さを必要としている。血液のこの二つの状態は熟練された目には血液自体ばかりでなく、血液が浸透した生体組織(tissue)についても赤の異なった色調を呈する。残念なことに、多く画像化装置やモニタで用いられるsRGBカラー空間は、可視スペクトルの赤の最端においてsRGBカラー空間において異なる赤の色調を適切に表現できないという限界を有している。しかも、これは医療関係者が興味を持っている領域である。sRGBカラー空間は、標準の赤、緑および青の色空間であり、モニタ、プリンタおよびインターネットに使用するために、ヒューレットパッカード社およびマイクロソフト社の共同で創造されたものである。
【0129】
図15を参照すると、3D画像化用画像センサ160が、図1、3、10、12、13、または14による装置100、600、800、900および1000のいずれか一つに関して配置されている。図1、3、10、12、13、または14を参照すれば、画像センサ160は画像平面114において中心軸113に沿った単一の画像化経路内に配置され、第1および第2の画像のディジタル表現を生成するための画像センサとして機能する。画像センサ160は、複数のセンサ素子すなわち画素166および対応するフィルタ素子168のアレイを有する色フィルタアレイ165を備えた光感応アレイ162を含む。この実施例においては、センサ素子166はフィルタ素子168と同じ大きさ、形、配置を有している。
【0130】
市場で入手可能な画像センサにおいては、色フィルタアレイはしばしばバイヤー(Bayer)型であり、各2×2単位セルが赤フィルタ、青フィルタ、2つの緑フィルタを含む単位セルのアレイを含んでいる。単位セルは、一般的に画像センサのほぼすべての画素を覆うように、画像センサの表面にわたって格子状にされる。いくつかの他のフィルタ配置が従来知られており、ここにとどまるべきではない。
【0131】
上述した医療従事者の要望を述べると、一つの実施例では、画像センサ160は、4つのフィルタ素子168を含む単位セル172を有する色フィルタアレイ165、および4つの対応して下に位置するセンサ素子166を含む。各単位セル172については、一つのセンサ素子は緑フィルタで、一つのセンサ素子は青フィルタで、残りのセンサ素子は赤フィルタ(図15における赤1および赤2として表示されている)によりフィルタリングされる。各単位セルの第1番目の赤フィルタ(赤1)は例えばセンサ素子に対応した第1の波長範囲内の光を透過するように選択され、単位セルの第2の赤フィルタ(赤2)はセンサ素子に対応した第2の波長範囲内の光を透過するように選択される。第2の波長範囲は第1の赤フィルタの波長範囲とはかなり異なっている。第1の波長範囲は市場で入手可能な画像センサのための従来の赤フィルタの波長範囲と同じでも良い。第2の波長範囲は、例えば約660nmを中心とするものでも良い。この実施例におけるこの特定の波長は、可視スペクトルにおいて、酸素飽和した血液と酸素が非常に欠乏した血液間で生ずる光吸収の最大の差が生じるところである。可視スペクトルの赤端での他の波長範囲は2つの赤フィルタ素子のために選択される。一般に、第2の赤フィルタ素子は、酸素非飽和ヘモグロビンと比べて酸素飽和ヘモグロビンによって測定上異なる程度まで光の波長を透過するように構成される。いろいろなセンサ要素166からの信号は、センサ要素からの信号を処理するための処理回路を含む画像表示制御回路170に供給される。結果としての画像は画像表示システム175上に表示されてもよい。
【0132】
市販の2×2単位セルあたり単一の赤フィルタを用いる画像センサは一般的に赤の色調のレンダリングが可能である。しかしながら、図15の実施例では、センサ160の単位セル172内の複数の赤フィルタを含むことは、赤の色調を高い忠実度で表現できることを可能にする。代替実施例では、例えば、しかし限定されない、 4×4素子アレイのように、4素子を超えるものを画像センサ160内に用いることができる。このような、より多くの、2つの赤フィルタ素子より多い複数の赤フィルタを有する単位セルセンサを採用することができ、赤色波長の2つよりも多い波長範囲がモニタされ、センサ160により受け取ることができる。
【0133】
複数の赤フィルタ素子を採用するという概念のさらなる拡張において、センサ160から3D画像データを受け取り、処理するために画像表示制御器170が構成され、赤色光の異なる色調のための異なる偽色を発生し、それによって酸素飽和および酸素欠乏血液間の差を強調し、このような2つの状態の血液が供給された組織間の差異を強調する。この実施例においては、赤色は、第1の波長範囲の赤フィルタを有するセンサ素子166からの情報に関連させることができ、偽色は第2の波長範囲の赤フィルタを有するセンサ素子からの情報に関連させることができる。2つの赤フィルタ素子より多くが用いられると、適切な偽色が赤画像情報のさらなる波長範囲と関連させることができる。
【0134】
さらなる実施例は、約600nmから約1000nmまでの最も有用なヘモグロビン光吸収スペクトル範囲を持ち、この大部分は人間の可視領域外の近赤外範囲におよんでいる、という事実に依存している。酸素を除去されたヘモグロビンは、波長約800nmでいわゆる等吸収点を有する。この等吸収点より下の光波長(すなわち、波長約800nm未満)については、血液中の酸素飽和ヘモグロビンは酸素飽和でないヘモグロビンよりもより強く光を吸収する。この等吸収点より上の光波長(すなわち、波長約800nm超)については、吸収作用は反対となり、血液中の酸素不飽和ヘモグロビンはより強く光を吸収する。結果として、熟練した外科医の目が検出するのに慣れている、酸素飽和および酸素不飽和血液間の光透過の差は、もし近赤外領域が適当なセンサとともに用いられるならば、より強調される。
【0135】
フィルタのないシリコンを基礎とする画像センサアレイは一般的に全領域にわたって感応性がある。標準的な市販および消費者向け可視光応用においては、これらのセンサは、センサが飽和するのを避けるべくその範囲を制限するために、適当な赤外フィルタによりフィルタリングされなければならない。色を見るのに貢献しないがセンサに過負荷を与え得る近赤外領域で、過大な信号から問題が生ずる。血液の酸素飽和の特別な場合では、シリコンセンサ固有の波長領域はそれでも血液の酸素飽和が光吸収において最大の差を生じる遠赤外および近赤外波長領域を検知するのに良く適している。
【0136】
一つの実施例においては、カラーフィルタアレイ165の青、緑及び可視の(第1の)赤に対応するフィルタ素子168を有する第1から第3のセンサ素子166に、市販のセンサと同様に、従来知られているセンサとともに、赤外フィルタが望まない遠赤外あるいは近赤外の青、緑、および赤のフィルタの伝送スペクトルの肩部を除くために、追加的に設けられても良い。各単位セル172の第2の赤フィルタ(Red2)の実現において、第4のセンサ素子を提供するため、約700nmから約1000nmの範囲を超える距離の伝送範囲を有する近赤外の伝送フィルタ素子により置き換えられても良い。より詳細に述べれば、波長範囲は等吸収点よりも下あるいは上に延びるように選択されてよい。画像センサ160上の単位セル172におけるこれらの4つのセンサ素子からの信号は、酸素飽和した血液や組織と相対的に酸素が欠乏したそれらとの差を明確にするために、ユーザが選択可能な擬似カラー中で3次元画像を描画するのに用いられる。第4の近赤外センサ素子の使用はユーザによるモード選択可能なものである。このようにして、本発明の装置は、第4の(近赤外の)画素が撮像のために活性化されない場合、可視光の3次元画像システムとして機能し、第4の(近赤外の)画素が撮像のために活性化されるとき、酸素飽和3D撮像装置として機能する。
【0137】
画像表示装置175は、第1および第2の画像を表示するのに用いられ、ユーザ選択により、青や緑の光を伝送するのでない単位セル172中の少なくとも一つのフィルタ素子168によりフィルタリングされるセンサ素子166からの信号に基づいて擬似カラーを発生するように構成される。第2の赤フィルタによりフィルタリングされ、酸素飽和ヘモグロビンと酸素不飽和ヘモグロビン間の差を検出するのに適した波長において動作するセンサ素子を用いるある実施例においては、可視擬似カラーにおいてヘモグロビン酸素飽和感応画素からの信号を処理するのに特別なメリットがある。画像表示制御装置170および/または表示システム175はユーザがそのような酸素飽和感応情報を偽色で一時的に表示させること、およびさもなければ標準的な青、緑、赤を検出するセンサ画素からの信号のみを用いることを許可する。例えば、これは外科医が彼の仕事を、通常の青、緑、赤情報に基づいた可視光中で見ながら進めることを可能にするが、擬似カラー中で酸素感応画像情報を得るために、すべてのフィルタ単位セル中の第2の赤画素でフィルタされたセンサ画素からの信号を一時的に選択して用いることを可能とする。
【0138】
有利には、本明細書に記載された実施形態は、単一の画像化経路を通る3D画像情報の生成を容易にし、開口面が開口面での厚い変調要素の使用を除外するように配置されている画像化システムにおいて特に有用である。記載した実施形態はまた、口径食に敏感であり、開口面に近接した変調器要素の正確な配置を必要とする画像化システムにおいて有用である。
【0139】
本発明の特定の実施形態が記載および図示されているが、このような実施形態は添付の特許請求の範囲により解釈されるように、本発明を例示するだけのものであり、本発明を限定するものではない。
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