(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記指標が、前記目盛り上の異なる位置を特定する指標マークの群を含み、各指標マークが、前記脚部構成要素に対する前記上部構造体のそれぞれの回転位置に対応している、請求項1又は2に記載の骨寸法決めガイド。
前記指標が、前記指標が前記上部構造体及び前記本体の前記第2の一方に対してスライドできるように、前記上部構造体及び前記本体の前記第2の一方に連結され、前記指標のスライド位置が、前記上部構造体の前記脚部構成要素に対する前記回転位置に対応している、請求項1又は2に記載の骨寸法決めガイド。
前記本体が、前記脚部構成要素と前記上部構造体との間に連結される延長構成要素を更に含み、前記延長構成要素は、前記脚部構成要素から前記第1の軸を中心とした調節可能な回転方向に延び、前記上部構造体は、前記延長構成要素に対してスライドすることができるようになっており、前記目盛りが、前記上部構造体若しくは前記延長構成要素に連結されるか、又は前記上部構造体若しくは前記延長構成要素の上に形成され、前記指標が、前記上部構造体、前記延長構成要素若しくは前記脚部構成要素に連結されるか、又は前記上部構造体、前記延長構成要素若しくは前記脚部構成要素の上に形成される、請求項1〜5のいずれか一項に記載の骨寸法決めガイド。
前記上部構造体又は前記本体が、前記第1の表面に対して横方向に延びる整列軸を画定する少なくとも1つのガイド穴を更に含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の骨寸法決めガイド。
前記上部構造体が、前記第1の表面の平面において前記スタイラスの先端部の高さから所定の距離で第1の整列軸を定める第1のガイド穴を更に含み、前記本体が、前記第1の軸から所定の距離で大腿骨切除表面内へ延びる第2の整列軸を定める第2のガイド穴を画定し、前記第1のガイド穴と前記第2のガイド穴との間の距離が、前記上部構造体が前記本体に対してスライドするにつれて変化する、請求項7又は8に記載の骨寸法決めガイド。
前記脚部構成要素が、骨の側面と接触する第1及び第2の脚部を含み、前記第1及び第2の脚部は、前記第1の表面に対して横方向に延びる脚部面を画定する、請求項1〜9のいずれか一項に記載の骨寸法決めガイド。
前記脚部構成要素が、前記本体を骨の端部表面に固定するために固定ピンを受容するように構成された少なくとも1つの固定穴を更に含む、請求項1〜10のいずれか一項に記載の骨寸法決めガイド。
前記上部構造体が、ヘッド部、並びに、前記ヘッド部から前記本体に向かって延びる第1及び第2のアームを含み、前記第1及び第2のアームは、前記本体とスライド接触するようになっている、請求項1〜11のいずれか一項に記載の骨寸法決めガイド。
前記本体から延び、かつ前記上部構造体の前記ヘッド部のボアに受容される支持ロッドを更に含み、前記上部構造体が前記本体に対してスライドすると、前記支持ロッドは前記ボアを通過するようになっている、請求項12に記載の骨寸法決めガイド。
前記スタイラスが、前記上部構造体の前記ヘッド部に連結されるように構成された細長いスロットを含み、前記スタイラスが、前記上部構造体から前記支持ロッドに対して横方向に延び、前記スタイラスのスロットが、前記スタイラスが前記支持ロッドに対してスライドし、かつ前記支持ロッドを中心として回転することを可能にするように構成される、請求項13に記載の骨寸法決めガイド。
【背景技術】
【0002】
患者の一生の間において、例えば、疾患又は外傷の結果として患者に関節置換処置を行う必要が生じ得る。関節置換処置、即ち関節形成術は、患者の骨のうちの1つに連結される人工インプラントの使用を伴う場合がある。
【0003】
関節置換処置の実行中、人工インプラントの正しい寸法の選択においてある程度の柔軟性を整形外科医に提供することが一般的に重要である。具体的には、インプラントが連結される骨の解剖学的構造は、患者ごとに多少異なり得る。プロテーゼ関節を植え込むためには、プロテーゼを受容するように骨を準備することが一般的に必要である。人工膝関節では、遠位大腿骨及び近位脛骨の両方が、インプラントを受容するように骨の端部を成形するために正確に切除されることが必要となり得る。第1の準備工程として遠位大腿骨を準備するために、第1の切除を行うことにより、大腿骨の遠位端部に横断表面を形成する。この切除部は、本明細書で詳細には説明しない別個の器具を使用して位置決めされ得る。
【0004】
大腿骨膝関節インプラントは、典型的には、様々な範囲の標準寸法で提供される。大腿骨インプラントは、いったん選択されると、適切な回転整列をもたらすように位置決めされかつ方向付けられなければならない。インプラントの寸法を正しく選択すること、及び自然骨に対して大腿骨インプラントを正確に位置決めすることは、組み立てられた関節の自然な動きを確実にするために必須である。具体的には、インプラントは、膝関節が伸展及び屈曲している場合に大腿骨と脛骨との間の適切な隙間をもたらすように、また、周囲組織が確実に正しく平衡を保つように位置付けられなければならない。顆間切痕から膝蓋骨溝まで延びるホワイトサイド線(Whiteside's line)に対して大腿骨インプラントの回転を設定することが知られている。あるいは、大腿骨インプラントの回転は、上顆の頂点(high points)をつなぐ上顆横断軸(transepicondylar axis)に対して設定され得る。更なる解剖学的基準マークを使用することも可能である。
【0005】
大腿骨インプラントの適切な寸法を決定するために、遠位大腿骨切除表面上に取り付けられた大腿骨寸法決めガイドを使用して、遠位大腿骨の寸法を測定することが知られている。大腿骨インプラントの寸法は、前後側インプラント軸に平行に測定したインプラントの前後側寸法によって決定される。前後側インプラント軸は、大腿骨の遠位切除表面に垂直である平面から垂直に延び(インプラントが最終的な植え込み位置にある場合)、大腿骨インプラントの後顆と接触する。大腿骨インプラントの前後側寸法は、この後顆面からインプラントの前方先端部までの距離である。顆の自然の位置に対して回転させずに植え込まれることが意図されるインプラントでは、大腿骨の前後側寸法は、前後側大腿骨軸に平行に測定される。前後側大腿骨軸は、遠位大腿骨切除表面に垂直である平面から垂直に延び、大腿骨の自然の後顆と接触する。遠位大腿骨切除表面は、通常、大腿骨の解剖学的長手方向軸と垂直である。大腿骨の前後側寸法は、後顆面から、インプラントの前方先端部の予定される植え込み位置までの距離である。インプラントの前方先端部の予定される植え込み位置を表す、大腿骨の前方表面上の測定位置は、選択された大腿骨インプラントの寸法に応じて異なる。自然の大腿骨の前後側寸法の測定については、特定の既知の大腿骨寸法決めガイドに関して以下に記載し、かつ本発明の実施形態に関連して以下により詳細に論じる。
【0006】
インプラントを受容するように大腿骨を準備する目的で適切な切断ブロックを大腿骨に固定するために、大腿骨寸法決めガイドを使用してガイド孔の必要な場所を大腿骨内に特定することも知られている。大腿骨寸法決めガイドを含む、膝関節置換処置を行うための外科器具セットが、DePuy Orthopaedics,Inc.から商標Sigma High Performance Instruments(Sigma HP Instruments)で販売されている。Sigma HPの器具セットにより、外科医は、ほとんどの外科的アプローチ下で、全膝関節形成術を行うことができる。
【0007】
Sigma HPの大腿骨寸法決めガイドは、大腿骨インプラントの正しい寸法を決定し、大腿骨の遠位端部上で切断ブロックを支持するガイドピンを位置付けるために使用される。大腿骨寸法決めガイドの本体部分は、大腿骨切除表面上に着座する。後方脚部が、本体から後顆の下に延びる。大腿骨寸法決めガイドは、ホワイトサイド線が寸法決めガイドを通って概ね中央に延びた状態で、後顆表面が脚部上に載っている場合に、正しく位置決めされる。脚部が正しく位置決めされると、本体は、固定位置ピンホール(fixed position pin hole)を通って骨内に延びるピンで、骨に固定されることができる。スタイラスは、上昇及び下降し、かつ所定の位置にロックされることができるように、本体に連結される。スタイラスの先端部は、遠位大腿骨の前方皮質上を延びる。スタイラスは、切除表面に概ね平行に延びる軸を中心に回転することもでき、また、大腿骨の長手方向軸に概ね平行な前方皮質に沿って、本体への連結部を通ってスライドすることができる。スタイラスの先端部は、(対応するインプラントの前方先端部の植え込み位置に対応する)大腿骨インプラントの前方切断部の意図された出口点で大腿骨の前方皮質上に位置付けられる。顆の脚部(condylar feet)より上のスタイラスの先端部の高さは、前後側の距離に対応し、本体上の目盛りから読み取ることができる。測定された前後側の距離は、必要なインプラントの寸法を示す。
【0008】
スタイラス上の目盛りは、インプラントの寸法を示す。大腿骨インプラントの選択された寸法が、大腿骨の遠位横断表面に連結されるべき切断ブロックの寸法を決める。寸法決めガイドを通ってスライドするスタイラス位置、及び脚部より上のスタイラスの高さは、(大腿骨インプラントの寸法に対応する)それぞれの目盛り上の同じ値に設定される。スタイラスが前方皮質を通り抜ける際にスタイラスの先端部が前方皮質にちょうど接触すると、対応する寸法の大腿骨インプラントの前方部が、ノッチ又は張出し部を残さずに、骨の前方表面で終端をなす。
【0009】
Sigma HPの器具セットを使用して大腿骨インプラントを位置付けるための、代替的な2つの外科アプローチが存在する。これらは、「後部上昇(posterior up)」及び「前部下降(anterior down)」と呼ばれる。後部上昇は、遠位大腿骨の後ろ側(特に、寸法決めガイドの脚部が参照する後顆表面)に対して切断ブロックを正確に位置付けることに基づいている。前部下降は、遠位大腿骨の前側(特に、スタイラスの先端部)に対して切断ガイドを正確に位置付けることに基づいている。現行のSigma HP大腿骨寸法決めガイドでは、(前方切断部、後方切断部、及び面取り切断部を作るための)切断ブロックを支持するガイドピンの位置付けは、大腿骨寸法決めガイドに別々のガイドブロックを連結することにより決定される。
【0010】
ガイドブロック、及びガイドブロックが寸法決めガイドの残り部分に連結される位置は、選択したアプローチが後部上昇であるか又は前部下降であるかによって変わる。更に、後部上昇及び前部下降のブロックは、4つのバージョンで利用可能であり、各バージョンは、ホワイトサイド線又は上顆横断軸に対する大腿骨インプラントの異なる外旋角度(大腿骨の遠位端部を見ている外科医の視点から見た0°、3°、5°、及び7°の大腿骨回転)に関係している。前部下降アプローチでは、ガイドブロックは、スタイラスに近接して寸法決めガイドに連結され、かつ翼部を含み、この翼部は、大腿骨の遠位横断表面上を下方に延び、かつ、選択された切断ブロックを支持するガイドピンを位置付けるためのドリルガイドを含んでいる。ガイドブロックは、ホワイトサイド線との整列を示すブレードを更に含む。後部上昇アプローチでは、ガイドブロックは、脚部より上で、本体を骨に固定するピンに近接して、寸法決めガイドに連結される。後部上昇のガイドブロックは、翼部を含み、この翼部は、大腿骨の遠位横断表面上を延び、かつドリルガイドを含む。ガイドブロックは、上顆横断軸との整列を示す基準表面を更に含む。
【0011】
いったん切断ブロックピンが位置付けられたら、ガイドブロックを含む大腿骨寸法決めガイドを取り外すことができ、(大腿骨インプラントの選択された寸法に応じた)適切な切断ブロックを、ガイドピン上に位置付けて、前方切断、後方切断、及び面取り切断を行うことができる。
【0012】
米国特許第6458135号(Howmedica Osteonics Corp.に譲渡)は、大腿骨インプラントの必要な寸法を決定し、切断ブロックを大腿骨の遠位端部に固定する整列穴の必要な場所を決定するための、大腿骨寸法決めガイドを開示している。大腿骨寸法決めガイドは、大腿骨に沿って軸方向に延びる旋回軸を中心として選択的に旋回運動するための脚部構成要素に接続された、寸法決めブロックを備える。脚部構成要素は、後顆表面に接して位置付けられる一対の脚部を含む。回転の中心は、脚部間にある。戻り止め機構が、回転運動を所定の角度位置に制限する。ロック機構が解放され、装置は手動で回されて、必要な位置でロックされる。寸法決めブロックは、大腿骨の切除された遠位横断表面上に位置付けられる。脚部構成要素に対する寸法決めブロックの回転(したがって、寸法決めブロックを通して穿設されるべき整列穴の位置の回転)により、大腿骨を中心とした大腿骨インプラントの回転位置を変えることができる。必要とされる大腿骨インプラントの寸法は、寸法決めブロック上のガイド構造体を使用するか、又は寸法決めブロックに連結されたスタイラスによって、決定され得る。
【0013】
Howmedicaの装置では、整列穴の位置は、寸法決めブロックに連結された、大腿骨プロテーゼの選択された寸法に対応する適切なドリルガイドブシュの選択を通じて、後顆表面と直接的に関係づけられる。Howmedicaの器具セットでは、最初の前方切断を行うのに、単一の切断ブロックを使用し、前方切断の位置は、脚部構成要素に対する整列穴の位置を調節する各ドリルガイドブシュによって異なる。
【0014】
前方切断の位置の更なる調節が、寸法決めブロックと脚部構成要素との間のスライド連結を通じてもたらされる。したがって、Howmedicaの大腿骨寸法決めブロックは、外科医が、後部上昇の外科アプローチに従うことを可能にするに過ぎない。
【0015】
米国特許第7488324号(Biomet Manufacturing Corporationに譲渡)は、大腿骨インプランの選択及び方向付けを容易にする、モジュール式大腿骨寸法決めガイドを開示している。基部が、大腿骨の切除された遠位横断表面に連結される。延長部分は、後顆表面の下に位置付けられる一対の脚部を有する。この延長部分は、基部に回転可能に連結される。回転の中心は、脚部間にある。上部構造体部分は、切断ブロックを遠位大腿骨に連結するために大腿骨内へと軸方向に延びる整列穴を準備するために、一対のドリルガイドを有する。この上部構造体は、大腿骨インプラントの必要な寸法を決定するためスタイラスを更に含む。
【0016】
整列穴を位置付けるため、Biometの大腿骨寸法決めガイドは、延長部分を基部に対して回転させる(それにより、大腿骨軸を中心にドリルガイドを回転させる)第1のアクチュエーターを備える。寸法決めガイドは、基部に対する上部構造体の高さを調節する(それにより、脚部に対してドリルガイドを上昇又は下降させる)第2のアクチュエーターを更に備える。
【0017】
Biometの装置では、整列穴の位置は、スタイラスの先端部が前方皮質に接触するまで、スタイラス、したがってドリルガイドを下降させるように第2のアクチュエーターを制御することで、スタイラスの先端部を基準とする。その結果、Biometの大腿骨寸法決めブロックは、外科医が前部下降の外科アプローチに従うことを可能にするに過ぎない。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本発明の実施形態による大腿骨寸法決めガイドが使用され得る前に、大腿骨の遠位端部は、大腿骨の長手方向軸に対して横向きの表面を作るため、大腿骨の遠位部分を除去する初期切除を受けなければならない。大腿骨寸法決めガイドは、整列穴を切除表面内に穿設することができるか、又は切除表面から延びるガイドピンを定置することができるように構成される。具体的には、本発明の実施形態による大腿骨寸法決めガイドは、ドリルガイド穴を含み、このドリルガイド穴により、骨の切除表面内に穴を穿設することができるか、又は、ガイドピンをドリルガイドを通して骨に直接挿入することができる。大腿骨寸法決めガイドは、整列穴/ガイドピンの位置を、後顆又は前方皮質に対して所定の距離に、及び大腿骨の軸を中心とした回転位置に固定する。切断ブロックを骨の表面上に位置付けて、大腿骨の端部の成形切除を行うために、整列穴又はガイドピンが用いられる。したがって、整列穴又はガイドピンの位置は、大腿骨インプラントの最終植え込み位置を決定する。
【0033】
既知であるSigma HPの大腿骨寸法決めガイドに関連して上述したように、大腿骨インプラントを受容するように大腿骨の遠位端部を準備するために切断ブロックを位置付けるための選択肢は、2つ(即ち、前部下降及び後部上昇)存在する。この選択は、一部には、外科医の好みによる。前部下降アプローチは、遠位大腿骨の前方皮質に刻み目がつくこと、又は大腿骨インプラントが、プロテーゼの後顆の位置に対する制御を少し犠牲にして、前方皮質に覆いかぶさることを妨げる。後部上昇アプローチにより、後顆の位置を正確に制御できるので、膝が屈曲している場合に関節の張力がより良好に制御される。大腿骨インプラントは、規則的な寸法増分の、様々な範囲の寸法で提供され得る。例えば、大腿骨インプラントは、3mmの増分で提供されてよいが、他の増分も可能であることが理解されるであろう。本発明の実施形態による大腿骨寸法決めガイドは、大腿骨インプラントの選択された寸法に関係なく、前方皮質又は後顆から一定の位置で切除表面内に延びるガイド穴又はピンを位置決めすることを必要とする。スタイラスは、適切な寸法のインプラント、したがって、切断ブロックに対するガイドを提供する。ガイドピンの位置は、大腿骨寸法決めガイドを使用して選択されるので、切断ブロックは、切断ブロックが骨切断部の位置をピン位置に対して調節するのを可能にすることを必要とするのではなく、ピンホールと骨切断部の位置との間に一定の距離を有するように設計され得る。切断ブロックは、更なる調節機構を提供してもよく、その調節機構により、外科医は、前方皮質又は後顆に対する切断ブロックの位置を制御することができる。3mmの寸法増分を有する例示的な範囲の大腿骨インプラントでは、切断ブロックは、ガイドピン又はガイド穴に対する(したがって前方皮質又は後顆に対する)各切断ブロックの位置を、±1.5mmの範囲内で変化させることができるように構成され得る。これにより、標準寸法の大腿骨インプラントの中間の寸法である大腿骨に適合する柔軟性が可能となる。切断ブロックの調節機構は、各ガイドピンを受容する一連の3つの穴を含んでもよい。第1の穴は通常の位置にあり、残りの穴は、第1の穴より1.5mm上及び1.5mm下にある。
【0034】
図1及び
図2は、大腿骨寸法決めガイドの斜視図を示す。
図3及び
図4は、大腿骨寸法決めガイドの分解組立図を示す。大腿骨寸法決めガイドは、脚部構成要素2と延長部品4とを含み、これらは全体として本体6を形成する。脚部構成要素2及び延長部品4は、以下により詳細に説明するように、互いに回転可能に連結される。脚部構成要素2は、第1の面8(
図2及び
図4で見ることができる)を含み、この第1の面8は、使用中、大腿骨の遠位切除表面に接して位置する。
【0035】
同様に、延長部品4も、大腿骨にもたれかかる第1の表面10(
図2及び
図4で見ることができる)を有する。脚部構成要素2は、使用中に後顆の下に延びる第1及び第2の脚部12を含む。具体的には、脚部位置決め表面14は、大腿骨寸法決めガイドを大腿骨切除表面上で後顆の位置に対して位置決めするために、対応の後顆表面にもたれかかるように配置される。
【0036】
脚部構成要素2は、第1及び第2のピンホール16を更に含む。大腿骨寸法決めガイドが大腿骨切除表面上に正しく位置付けられて、脚部位置決め表面が対応の後顆表面にもたれかかるようになると、固定ピンが、ピンホール16を通って骨の切除表面に打ち込まれて、大腿骨寸法決めガイドを適所に固定し、脚部構成要素2が大腿骨に対して更に動くことを妨げる。
【0037】
延長部品4は脚部構成要素2に回転可能に連結され、それにより、脚部構成要素2が大腿骨にピン留めされると、延長部品は、回転するときに骨表面上をスライドすることによって回転可能となる。回転の中心は概ね脚部12間に位置付けられ、大腿骨寸法決めガイドが骨にピン留めされると、この回転の中心はホワイトサイド線と概ね整列するようになっている。しかしながら、
図1〜
図6に示される大腿骨寸法決めガイドでは、回転中心に枢動接続部が存在しない。これにより、外科医はホワイトサイド線をはっきり見ることができ、このことは、大腿骨インプラントの必要とされる回転整列を判断することの助けとなる。
図10A及び
図10Bに示される本発明の実施形態による大腿骨寸法決めガイドでは、回転中心に枢動接続部が存在している。延長部品4は、第1及び第2の弓状溝18を含み、この弓状溝18は、脚部構成要素2及び延長部品4の回転中心から放射状に広がる曲線により画定される。各溝18は、脚部構成要素のピンホール16の延長スリーブ部分20を受容するように構成されており、それにより、延長部品4が脚部構成要素2に対して回転する際、その動きが、溝18の中をスライドするピンホールのスリーブ20により妨げられる。脚部構成要素2に対する延長部品4の回転運動の範囲は、弓状溝18の外側閉端部にもたれかかるピンホールのスリーブ20により制限される。
【0038】
延長部品4は、以下により詳細に説明されるように、後部上昇アプローチで切除大腿骨内に延びる整列穴又はガイドピンの軸を決定するための、第1の対のガイド穴22を更に含む。ガイド穴22は、脚部構成要素2に形成された弓状溝26を通って延びるスリーブ部分24を含む。脚部構成要素のスロット26は、脚部構成要素2の縁部まで延びているので端部が開いており、延長部品のスロット18と同じ始点を有するが、そのスロット18の曲率半径より大きな曲率半径を有する曲線により画定されている。延長部品4が脚部構成要素2に対して回転すると、ガイド穴のスリーブ24は、脚部構成要素の溝26に沿ってスライドする。脚部構成要素2に対する延長部品4の回転運動の範囲は、脚部構成要素の溝26の閉端部にもたれかかるガイド穴のスリーブ24によって更に制限される。
【0039】
延長部品4を脚部構成要素2に固定するため、脚部構成要素2が延長部品4と保持バー28との間に挟まれるように、保持バー28がガイド穴のスリーブ24間に延在している。組み立てられた大腿骨寸法決めガイドに更なる安定性をもたらすため、差込部29(
図1及び
図2では見えない)が、脚部構成要素2から、延長部品4に形成された弓状スロット30内へ延びており、それにより、差込部29は、延長部品が脚部構成要素2に対して回転する際に、スロット30内でスライドする。弓状スロット30は、脚部構成要素2と延長部品4との間の回転中心に始点を有する曲線により画定される。
【0040】
ロック機構は、所定の回転位置で延長部品4を脚部構成要素2にロックするために設けられる。ロック機構は、延長部品4に枢動可能に連結されるレバー32を含む。レバー32は、トリガ34によって、具体的には延長部品4から外側に延びるバー36に対してトリガ34を握ることによって、操作される。レバー32は、トリガ34及びバー36に形成されたラグ37間に延びるバネ(図示せず)によって脚部構成要素2に向かって付勢され、それにより、トリガ34が解放されると、レバーは脚部構成要素2にもたれかかって、延長部品の更なる回転を妨げる。レバー32は溝38を含み、溝38は、延長部品4内に形成されたバー39に連結されて、レバーを延長部品4に対して回転させる。レバー32を延長部品4に連結する代替的な機構が可能であり、唯一の要件は、レバー32と脚部構成要素2との間の相対運動が、ロック及びロック解除を可能にするためにもたらされることであることが理解されるであろう。例えば、ピンが、レバー32の概ね溝38の位置に形成された穴に圧入されて設けられてもよい。このピンは、延長部品4の穴の中に受容され、かつその中で回転することができる。ロック機構については以下により詳細に説明される。
【0041】
大腿骨寸法決めガイドは上部構造体40を更に含み、この上部構造体40は延長部品4に連結されており、概して脚部12に向かって、また脚部12から離れて、延長部品4に対してスライドするように構成されている。上部構造体40は、ヘッド部42とアーム44とを含み、アーム44は下方に延びており、かつ延長部品4の側部に形成されたチャネル46内でスライドするように構成されている。支持ロッド48は、延長部品4の中心部から上方に延びて、上部構造体のヘッド42を貫通する。支持ロッド48は、チャネル46内をスライドするアーム44と一緒になって、上部構造体40のスライド運動を制御し、かつ、上部構造体40がスライドする際に上部構造体40が延長部品4に対してねじれるのを防ぐ働きをする。上部構造体40は、ロックノブ50を締めることによって延長部品4に対して所定の位置にロックされることができ、このロックノブ50は、コレット51(
図3及び
図4で見ることができる)を支持ロッド48の上に押し付ける。
【0042】
上部構造体40は、アーム44の自由端部に向けて位置付けられた、第2の対のガイド穴52を更に含む。第2の対のガイド穴52は、以下により詳細に説明されるように、前部下降アプローチで切除大腿骨内に延びる整列穴の軸を決定するために、延長部品のガイド穴22に代わるものとして使用される。上部構造体のガイド穴52はスリーブを含み、使用中、スリーブの先端部は、骨の切除表面と接触するようになっている。
【0043】
大腿骨寸法決めガイドは、上部構造体40のヘッド部42と連結されるスタイラス53を更に備える。スタイラス53は、大腿骨寸法決めガイドが大腿骨の遠位切除表面に連結されると、大腿骨の遠位端部の上に延びるように構成される。スタイラス53は、支持ロッド48の軸に対して実質的に90°でヘッド部42から延びるように、上部構造体40に連結される。スタイラス53は、ヘッド部42のネック56に係合するように構成される細長いスロット54を含み、スタイラスは、ヘッド部42に対してスライドすることができ、また、本体部42を中心として回転することができるようになっている。スタイラスのスロット54は拡張部分57を更に含み、この拡張部分57は、スタイラス53を大腿骨寸法決めガイドから分離させるため、ヘッド部42の上側及びロックノブ50を通り越すように構成される。スタイラス53は、スタイラス53を上部構造体40に対して回転させ、かつ、上部構造体40のネック56上でスロット54をスライドさせるためのハンドル58を、第1の端部に更に含む。
【0044】
第2の端部において、スタイラス53は、スタイラス先端部60に向かって下方に曲がる。スタイラス先端部60は、スタイラス53を上部構造体40に対してスライド及び回転させることによって、また、上部構造体40を延長部品4に対してスライドさせることによって、大腿骨の前方皮質と接触するように構成される。スタイラス53は、スロット54の両側に沿って刻まれた目盛り62を有する。目盛り62の各マークは、大腿骨インプラントの選択された寸法に対応する。スタイラスの位置は、本体部42のスタイラスのハンドル側でヘッド部42に隣接したスタイラスの目盛り62のマークにより示される。同様に、延長部品4は、延長部品4の両側に沿って刻まれた目盛り64を更に含む。延長部品の目盛り64の各マークは、大腿骨インプラントの選択された寸法に対応する。延長部品4に対する上部構造体40の位置は、上部構造体のガイド穴52の中心に隣接する上部構造体の目盛り64のマークによって示される。スタイラスの目盛り62及び上部構造体の目盛り64はどちらも、同じ範囲の大腿骨インプラントの寸法を示す。上部構造体40及びスタイラス53の双方が、目盛り64、62上の対応する場所に位置付けられると、スタイラス先端部60は、大腿骨インプラントの選択された寸法での前方皮質上の出口点を示す。上部構造体40及びスタイラス53は共に、スタイラス先端部60が前方皮質を横切ってさっと動いた際にスタイラス先端部60が骨の前方皮質とちょうど接触するまで、それぞれの目盛りに従って同時に調節される。大腿骨寸法決めガイドを使用する手術技法の残り部分に関連して以下により詳細に説明されるように、目盛り62、64はその時、大腿骨インプラントの必要な寸法を示す。
【0045】
次に
図5A及び
図5Bを参照すると、これらの図は、ロック機構の操作をより明確に理解することができるように、大腿骨寸法決めガイドのロック機構の拡大された部分を示している。
図5Aは、延長部品4から分離したレバー32を示す。レバー32は、
図3の分解組立図と同じ視点から示してある。
図5Bは、延長部品4から分離した脚部構成要素2の一部を示す。脚部構成要素2は、
図4の分解組立図と同じ視点から示してある。
図5Aのレバー32、及び
図5Bの脚部構成要素は、互いに向かい合う各構成要素の部分を見ることができるように、異なる視点から見たものである。
【0046】
上述のように、レバー32は、脚部構成要素2に対する延長部品4の回転位置をロックするために、回転して脚部構成要素2と接触及び離隔することができるように、延長部品4に連結される。レバー32は、脚部構成要素2に向けて付勢されるが、この付勢は、外科医がバー36に向けてトリガ34を握ることによって克服され得る。レバー32は、脚部構成要素2のラチェットプレート72にもたれかかるレバー面70を有する。レバー面70は、ラチェット面72の湾曲ラチェット76にもたれかかる歯74の配列を有する。トリガ34がバー36に対して握られると、歯74は、湾曲ラチェット76から係合解除される。延長部品4は、対応のスロット18及び26内でのスリーブ20及び24の運動により制限される所定の回転範囲内で、脚部構成要素2に対して自由に回転することができる。
【0047】
トリガ34が解放されると、歯74は湾曲ラチェット76に係合し、脚部構成要素2に対する延長部品4の向きを、一連の所定の回転位置に制限させる。例えば、ロック機構は、延長部品4が0°(対称的に直立の位置に対応する)で脚部構成要素2に対してロックされるように構成され得る。延長部品4が脚部構成要素2に対して回転すると、垂直なロッド48も回転する。ロッド48は、延長部品の正しい回転位置の視覚的な基準として役立つ。脚部構成要素2に対する延長部品4の正しい回転位置は、ロッド48が遠位大腿骨の前後軸に概ね対応するホワイトサイド線と整列した際に示される。更に、ガイドスリーブ52の可視端部に形成された水平線は、上顆横断軸に対して延長部品の回転を整列させる視覚的基準として役立つ。脚部構成要素2に対する延長部品4の回転は、0°位置に対して±3°、5°、7°でロックされ得る。ロック機構が解放される間、延長部品4は、ロッド48がホワイトサイド線と整列するまで、自由に回転することができる。ロック機構は、その後係合され得る。湾曲ラチェット76と歯74との相互作用は、脚部構成要素2に対する延長部品4の位置を、最も近い位置に定めるのに役立つ。有利には、ロック機構は小さいが、それでも、ロック機構により、0°、及び±3°、5°、又は7°のオフセットを正確に選択することが可能となる。この選択は、湾曲ラチェット76内に2組の溝を有することにより達成される。上方ラチェット78は2°のピッチを有し、間に空間を有して2つの別個の部分に設けられる。上方ラチェット78の各部分は、中心線80に対して±3°、5°、又は7°の溝と整列する。上方ラチェット78の溝は、レバー面70の対応する歯74に係合するように構成される。したがって、上方ラチェット76により、脚部構成要素2に対する延長部品4の向きが、矢印90で示す所定の回転範囲の第1の部分内の所定の位置(±3°、5°、又は7°)に固定されることができる。
【0048】
湾曲ラチェット76は、0°の位置と整列した単一の溝を含む第2の下方ラチェット82を更に含む。これから説明するように、第1のラチェットが第2のラチェットから干渉されずに係合され、かつ第2のラチェットが第1のラチェットから干渉されずに係合されるように、整列に十分な差異がある限り、
図5Bに示すように、第2のラチェット82が第1のラチェット78と重なり得ることが理解されるであろう。レバーの歯74は、レバーが湾曲ラチェット76を横切って中央に位置付けられた場合に下方ラチェットの溝82に係合するように構成される、細長い中央歯84を有する。脚部構成要素2に対する延長要素4の矢印92で示す所定の回転範囲の第2の中央部分内には、単一の溝84のみがある。したがって、延長部品4は、所定の回転範囲の第2の部分92内の単一の位置で脚部構成要素に対してロックされることができるだけである。代替的な大腿骨寸法決めガイドでは、所定の回転範囲の3つ以上の別個の部分があってよく、これらはそれぞれが、延長部品を脚部構成要素に対してロックするためにレバー32によって別々に係合されるように構成されたラチェットを支持するものであることが理解されるであろう。更に、対応するラチェットは、回転範囲の各部分内で、溝の数に従って、脚部構成要素に対する延長部品の向きを1つ又は2つ以上の所定の向きでロックすることができるように構成され得る。溝82は、レバーの中央歯84が回転範囲の第2の部分92内で他の位置に置かれることを妨げる、幅広の肩部を有する。上方ラチェット78は、回転範囲の第2の部分92に隙間を有する。これにより、レバーの歯の残り部分が、上方ラチェットと衝突することを防ぐ。レバーの中央歯84は、レバーの歯74の残り部分と同じピッチで歯の延長部を含むので、レバーが回転範囲の第1の部分において上方ラチェットに係合すると、中央歯84は上方ラチェット76と噛み合う。
【0049】
上述の大腿骨寸法決めガイドの使用方法を、大腿骨98の遠位切除部分に連結された大腿骨寸法決めガイドを示す
図6に関連して説明する。脚部構成要素2は、表面8が骨と接触し、かつ脚部12が後顆の下に延びてこれと接触するように、骨の端部に接して位置付けられている。次に、脚部位置決め表面14が後顆表面にもたれかかる(即ち、大腿骨寸法決めガイドが、骨の端部上で中央に位置する)まで、脚部構成要素を切除表面を横切って移動させる。次に、固定ピンを脚部構成要素の穴16を通して骨に挿入することによって、大腿骨寸法決めガイドを骨に固定することができる。
【0050】
次に、延長部品の回転整列(したがって、切断ブロック、及び結果として得られる大腿骨インプラントを固定するための、ガイドピンの回転整列)を設定することができる。必要な回転整列は、解剖学的標識点を用いて、例えば、ロッド48がホワイトサイド線と整列するまで脚部構成要素2に対して延長部品4を回転させることによって、術前計画中又は手術中に決定され得る。回転は、ロック機構を解放するようにトリガ34とバー36を一緒に握り、次に、延長部品4及び上部構造体40を手動で回転させることによって設定される。必要な回転が設定され、脚部構成要素上のマーク96に対する延長部品上の目盛り94で確認されると、ロック機構は、トリガ34を解放することにより係合される。
【0051】
前述したように、寸法決めガイドは、延長部品4の目盛り64に対して上部構造体40の高さを調節することにより、様々な大腿骨インプラント寸法に設定され得る。上部構造体40は、コレット51にロッド48を把持又は解放させるようにロックノブ50を解放する及び締めることによって、上下する。更に、スタイラス53の位置は、延長部品のネック56上でスタイラスのスロット54をスライドさせ、目盛り62でスタイラスの位置を読み取ることにより設定される。目盛り62上でスタイラスに選択される各大腿骨インプラントについて、上部構造体は、目盛り64上で同じ寸法に設定されなければならない。スタイラス先端部60は、前方切断部が骨から出るように外科医が選択した位置で、大腿骨の前方皮質上に位置付けられる。理想的には、選択したインプラント寸法で、スタイラスの先端部は、スタイラス先端部60が前方皮質を横切ってさっと動いたときに前方皮質にちょうど触れなくてはならない。しかしながら、実際には、スタイラスの先端部は、延長部品4に対する上部構造体40の位置によるインプラント寸法の表示がインプラントの2つの標準寸法間にある位置で、前方皮質に触れる場合がある。次に最も大きいインプラント又は次に最も小さいインプラントのどちらを選ぶかは、外科医が選択することである。
【0052】
次に、切断ブロックを支持するガイドピンを、下方整列穴22(後部上昇アプローチ用)又は上方整列穴52(前部下降アプローチ用)のいずれかを通して挿入することができる。前部下降アプローチか後部上昇アプローチかの選択は、前述したSigma HP器具セットの場合と同じである。ガイドピンが整列穴を通して骨に挿入されるか、又は、整列穴が骨に穿設され得るかのいずれかである。次に、寸法決めガイドを取り外し、ガイドピン又は穴を使用して切断ガイドを据え付け、大腿骨インプラントの選択された寸法に合わせて成形切除を行う。
【0053】
次に
図7及び
図8を参照すると、これらの図は、それぞれ、選択された大腿骨インプラント100の対応する植え込み位置のイメージの上に重ね合わせられた大腿骨(大腿骨は図示せず)の遠位端部の適所にある大腿骨寸法決めガイドの正面図及び側面図を示している。
図7及び
図8に示される大腿骨寸法決めガイドは、脚部構成要素2と延長構成要素4との間の枢動接続部が変更されたこと以外は、
図1〜
図6に示されている大腿骨寸法決めガイドと概ね同じである。具体的には、
図1〜
図6に示される回転中心から離間した差し込み部29及びスロット30の構成の代わりに、
図7は、固定ピボット202を有する大腿骨寸法決めガイドを示している。即ち、ピボット202は、脚部構成要素2及び延長部4が、ピボットを通って大腿骨の中まで延びる旋回軸を中心にして互いに対して回転するように、これら2つの部品を互いに連結している。この構成は、
図1〜
図6の大腿骨寸法決めガイドよりもより堅固であり得る。これら2つの部品間の回転運動は、上述のピンガイド及びスロットの構成によっても引き続き制御される。腿骨インプラント100は、
図8に示す側からみると略C字形であり、大腿骨の切除遠位表面、前方表面、及び後方表面を覆うように構成されている。大腿骨インプラント100は、植え込まれると大腿骨の遠位切除端部上に着座する第1の内側面102を含む。前述したように、大腿骨寸法決めガイドの脚部パーツ2及び延長パーツ4(全体として本体部6)はそれぞれ、使用中に大腿骨の遠位切除端部の上に載る裏面8及び10を含んでいる。例示を目的として、
図8では、大腿骨寸法決めガイドと大腿骨インプラント100は重なり合って示されており、そのため、面8、10、及び102は一致しており、大腿骨インプラント100の遠位部分104は、大腿骨寸法決めガイドの本体部6と重なっている。インプラント100の遠位部分104と大腿骨寸法決めガイドの本体部6がぶつかることになるので、大腿骨インプラント100と大腿骨寸法決めガイドとをこのように接続させることができないのは明らかである。
【0054】
大腿骨インプラントの回転寸法は、臨床的適応に依存する。しかしながら、回転方向は、常に患者に対して外側であり、即ち、大腿骨の遠位端部を対向して見たときに、左脚は時計回りであり、右脚は反時計回りである。
図7は、大腿骨寸法決めガイドが左大腿骨の遠位端部に配置されたときにその大腿骨寸法決めガイドを操作している外科医の視点から見た、大腿骨寸法決めガイドを示す。
図7は、左大腿骨に対して3°の外旋に設定された大腿骨寸法決めガイドを示している。つまり、延長パーツ4は脚部パーツ2に対して時計回りに3°回転されている。寸法決めガイドの脚部12は、自然の大腿骨(図示せず)の後顆と接触している。延長パーツ4が回転すると、ピンホール22、52が回転する。その結果、切断ブロック、切除面、そして最終的には大腿骨インプラントも回転される。その結果、
図7に示すように、インプラント100の内側顆106及び外側顆108は、自然の顆に対して3°回転される(自然の顆の位置は、寸法決めガイドの脚部12によって示されている)。インプラントの外側顆108の植え込み位置は、自然の外側顆の位置と実質的に同じであり、
図7において、インプラントの外側顆108は外側脚部2と接触して示されている。インプラントの内側顆106は、内側脚部の上方に、回転量によって異なる距離だけ引き上げられている。
【0055】
図7及び
図8は、大腿骨の測定された前後側寸法と、選択したインプラント100の寸法との関係を示している。インプラント100の前後側寸法は、面116(これは、インプラント表面102、したがって遠位大腿骨切除表面に対して垂直に延在しており、かつ顆106、108と接触している)と、インプラントの前後軸に対して平行な、インプラント100の前方先端部114との間で測定される。インプラントの前後軸は、面116に垂直である。
【0056】
自然大腿骨の前後側寸法は、大腿骨の遠位切除表面に対して垂直に延び、かつ自然の後顆と接触する面110に対して測定される。
図7において、面110は、点117で示した線に沿って面116と交わっているのが分かる。寸法決めガイドが0°の回転に設定されると、面110と116は一致する。寸法決めガイドが大腿骨上に位置付けられると、面110は脚部接触面14を包含する。寸法決めガイドの設定された前後側距離は、上述のようにガイドを調節して、面110とスタイラス53の先端部60との間の距離を増減させることによって変化させることができる。上で説明したように、スタイラス53の位置は、スタイラスが大腿骨を横切ってさっと動いたときに、先端部60が大腿骨の前方表面とちょうど接触するように調節される。スタイラス53が、ロッド48を中心にスタイラス53を回転させることによって大腿骨上でさっと動かされると、先端部60は面112に曲線を引く。寸法決めガイドが正しく調節されており、インプラント100の選択された寸法が自然の大腿骨と厳密に一致している場合、スタイラス先端部60が大腿骨の前側表面と接触する位置は、前方切除の出口点に対応し、かつインプラント100の前方先端部114の植え込み位置にも対応する。
【0057】
図7に見られるように、面116は、延長パーツ4が脚部パーツ2に対して回転されている量と同じだけ、面110に対して回転されている。面112は面116と平行であることが理解されるであろう。スタイラス先端部60の面112と、ガイドの脚部12の面110との間の自然の大腿骨の前後側寸法は、面110が116と交差する場所である点117におけるインプラントの前後側寸法と等しい。しかしながら、これは、目盛り64上で示される前後側寸法に直接対応していない。寸法決めガイドが0°の回転に設定されている場合、スタイラスの先端部の面112とガイドの脚部の面110との間の前後側距離は、寸法決めガイド上の目盛り62及び64上に示される寸法に対応するインプラントの前後側寸法と全く等しい。ある程度の回転を有して設定された寸法決めガイドでは、スタイラス先端部60の面112と脚部の面110との間の前後側距離は、これらの面が設定された回転量だけ互いに対して傾斜されるため、固定されない。寸法決めガイドの回転が大きくなると、たとえ上部構造体40が、目盛り64が同じ前後側距離を記録するように本体部6に対して固定された状態であったとしても、スタイラス先端部60の面112から、面110及び116の交点117まで垂直に延びる線に沿った距離は減少する。しかしながら、所与の大腿骨では、大腿骨インプラントの適切な寸法は、インプラントの所要の植え込み位置に応じて変化しない。大腿骨寸法決めガイドが、上部構造体を延長パーツに対してスライドさせることなく回転されると、面116が寸法決めガイドと共に回転するので、大腿骨インプラント100の対応する寸法(面112と面116との間で測定されたインプラントの前後側寸法)は変化しない。寸法決めガイドの回転と大腿骨の測定寸法との間のこの相互依存の結果は、寸法決めガイドの回転が大きくなると、自然の大腿骨の前後側の測定寸法が大きくなる一方で、所要のインプラント寸法は同じままとなることである。あるいは、0°の回転において特定寸法のインプラントが必要であると評価された大腿骨では、寸法決めガイドを人工的に回転させると、インプラントの評価寸法が増加すると考えることができる。選択された回転量に伴う大腿骨の測定寸法のこの変動は、
図9A〜
図9Dに関連してこれからより詳細に説明するように、誤差の原因となる。
【0058】
図9Aは、寸法決めガイド内部での異なる回転角度、即ち、それぞれ0°、3°、5°、及び7°において、インプラント寸法「5」を示すように調節された大腿骨寸法決めガイドを概略的に示している。寸法5の大腿骨インプラントでは、上述のように測定されたインプラントの前後側寸法は、約50mmであり得る(is identified may be)。このことから、寸法5の大腿骨インプラントの前後側測定値は、Xmmと称される。明らかに、これはインプラントの回転に関わらず一定である。
図9A〜
図9Dのそれぞれは、寸法決めガイドの脚部の面110、後部上昇外科的アプローチにおいて切断ブロックを位置付けるためのピンガイド22、前部下降外科的アプローチにおいて切断ブロックを位置付けるためのピンガイド52、及びスタイラス53を概略的に示している。ピンガイド22は延長パーツ4に形成され、ピンガイド52は上部構造体40に形成される。スタイラス53は、内部でスタイラス先端部60が移動する面112がピンガイド52を結ぶ線に対して常に一定の距離(このことからこの線はYmmと称される)であるように、上部構造体40に連結される。脚部パーツ2と延長パーツ4(したがって上部構造体40も)との間の回転中心は、120で印がつけられている。ピンガイド52を結ぶ線はピンガイド22を結ぶ線と平行であり、これらは共に、
図9〜
図9Dのそれぞれで、それぞれ0°、3°、5°、又は7°だけ回転されている。
【0059】
図9Aでは、スタイラス先端部60と、寸法決めガイドの脚部を結ぶ面110との間の距離は、Xmmである。
図9A〜
図9Dのそれぞれにおいて、スタイラスは、寸法決めガイドの残りの部分に垂直に、概ね大腿骨軸に沿って延びると仮定する。あるいは、自然の大腿骨の寸法は、スタイラス先端部60と面110との間の距離を測定する代わりに、面112と、面110と面116とが交差する点117との間で測定されたものであると考えてもよい(その場合、ロッド48を中心としたスタイラス53の回転位置は重要でない)。目盛り64上の測定位置は、図のようにピンガイド52の中心によって示される。
図9Aは、ピンガイド52が目盛り64上の目盛りの印「5」と整列しているところを示している。
図9Bでは、寸法決めガイドは3°だけ回転されている。スタイラス先端部60と面110との間の距離が引き続きXmmであること(即ち、スタイラスの先端部と器具の脚部との間の距離が寸法5のインプラントに対応すること)を確実にするため、ピンガイド52を距離ammだけ上方に上昇させる必要があり、このammは、大腿骨寸法決めガイドの特定の一実施形態では、約1.3mmである。目盛り64上には印「5」だけが示されているが、例えば
図1を参照すると、
図9Bのピンガイド52は、印「5」と「6」との間の位置を指していることが分かる。同様に、
図9C及び
図9Dにおいて回転が大きくなると、ピンガイドの位置はそれぞれ、bmm及びcmm(これらは約2.2mm及び3.2mmであり得る)だけ移動されなければならないことが分かる。このずれは、関心領域内の各追加の回転角度(0°〜7°)についてほぼ線状である。即ち、同一寸法の大腿骨では、寸法決めガイドの回転が大きくなるにつれて、寸法決めガイドは有意に過剰読み(over-read)する。大腿骨インプラントの特定の一実施形態では、大腿骨インプラントの隣接する寸法間の前後側寸法の増加は、3mmであり得る。7°の回転では、この過剰読みは、大腿骨インプラントの全体寸法よりも大きい。
【0060】
図9A〜
図9Dは、ガイドが0°の回転に設定されているとき、大腿骨の前後側寸法の正確な測定値を提供するように設定された目盛り64を有する大腿骨寸法決めガイドを示している。寸法決めガイドが回転されると、目盛り64と指標52との間に有意なオフセットが存在する。次に
図10A及び
図10Bを参照すると、これらの図は、この誤差に対処する、本発明の実施形態による大腿骨寸法決めガイドを示している。
図10A及び
図10Bに示される大腿骨寸法決めガイドは、
図1〜
図6に関連して上述されたものと概ね同じであり、違いがある場合を除いて同じ番号が用いられており、違いがある場合には、番号は100だけ増加している。
図10A及び
図10Bに示されている大腿骨寸法決めガイドは、
図7及び
図8に関連して上述したのと同じ変更を、脚部構成要素2と延長構成要素4との間の枢動接続部に含んでいる。
【0061】
図10Aは、0°の回転に設定された大腿骨寸法決めガイドを示しており、
図10Bは、7°の回転に設定された大腿骨寸法決めガイドを示している(時計回り、左大腿骨用)。スタイラス先端部60の面112、自然の顆の面10、寸法決めガイドの脚部12、及び大腿骨インプラントの顆の面116が、
図10A及び
図10Bに示されている。
図10Aでは、面110と面116は一致しており、
図10Bでは、面110と面116は、ほぼ外側の自然及びインプラントの顆の位置において7°の線に沿った点117で交差している。
図10A及び
図10Bの両方において、インプラントの前後側寸法である面112と面116との間の距離は、同じ(即ちXmm)である。
図10Bでは、スタイラスの先端部の面112と脚部の面110との間の距離は、面110と面116の交点117においてのみXmmと等しい。面112と面116との間の距離が一定のままであるのを確実にするために、
図10Bと
図10Aとを比べると、上部構造体40が本体部6から離れて引き上げられることが分かる。しかしながら、目盛り64は変化していない。回転が増加したときに大腿骨の前後側寸法の一貫した測定を得るために、目盛り64を読み取ることができるようにするために、
図10A及び
図10Bの寸法決めガイドは、ピンホール152の位置の単一の目盛りの指標の代わりに、4つの指標マーク200を含む指標を含んでいる。各指標マーク200には、対応する回転基準(0°、3°、5°、7°)を有するラベルがついている。目盛り64を正確に読み取るためには、寸法決めガイドの回転を設定した後に、対応する指標200を使用することが必要なだけである。指標200の位置は、異なる実施形態では、回転に伴う前後側寸法の変動の違いに対応するように、及び、回転を異なる量に設定することができるようにする寸法決めガイド用に、容易に調節され得る。
【0062】
本発明の代替実施形態によると、
図10A及び
図10Bの目盛り64及び目盛りの指標200は、多様であり得る。例えば、目盛りは、上部構造体のアーム44上に設けられてもよく、指標は、ガイドの延長パーツ4上に設けられてもよい。あるいは、指標は、スライドすることができるように、上部構造体又は延長パーツのいずれかに連結される別個の構成要素を含んでもよい。指標構成要素のスライド位置は、選択された回転に応じて設定され得る。更なる代替案として、可能な回転ごとに尺度の異なる様々な目盛りの配列が存在してもよく、各目盛りは単一の固定された指標を有する。
【0063】
更なる代替案として、上部構造体上に位置付けられて、上部構造体(及びスタイラス)が上下に動かされると、延長パーツに対してスライドするように構成された単一の目盛りが存在してもよい。しかしながら、延長パーツに取り付けられた指標の代わりに、指標は脚部構成要素に直接連結され、そのため、寸法決めガイドが回転されると、上部構造体(したがって目盛り)が指標に対して回転する。そのような実施形態では、ガイドの回転中心に対する目盛りの位置は、ガイドが回転する際に指標が目盛りに対して移動する量を制御することが理解されるであろう。指標は、脚部構成要素から延びるバーを含んでいてもよく、バーは、目盛り上の位置がバーの縁部によって特定されるように、目盛りと重なり合うようになる(又はバーは、バー上の指標ラインに対して目盛りを読み取ることができるように、透明であり得る)。目盛りは、
図10A及び
図10Bの図示した実施形態と異なり、旋回軸の反対側に移動されてもよい。
【0064】
本発明の更なる実施形態では、寸法決めガイドの回転の指標と、上部構造体のスライド位置とが組み合わされてもよい。
図7、
図10A、及び
図10Bに示す旋回点202を利用して、回転及びインプラント寸法の両方を示してもよい。旋回点202は、延長パーツが回転する際に脚部に対して移動しないが、延長構成要素の隣接部分に対して移動するように、脚部構成要素に強固に固定される前側片を含むように適合される。この前側片は指標マークを備えており、旋回点の前側部を取り囲む延長部品は、ロータリースケールを備えている。寸法決めガイドが回転されると、前側片の指標マークは、ロータリースケール上の位置を指し示す。ロータリースケール上の特定された位置は、延長構成要素と脚部構成要素との間の回転寸法を示す。しかしながら、ロータリースケール上の各マークは、各マークが上部構造体上の線形目盛り64に達するように延びているという点で、2つの目的を果たす。線形目盛り64を読み取って、大腿骨インプラントの必要な寸法を決定するために、旋回点の前側部上の指標を使用して、ロータリースケール上の適切なマークが特定され、そのマークは、線形目盛り64のための指標を形成する。
【0065】
選択された回転角度に応じて調節することができる目盛り及び指標を提供するための代替案として、
図11A〜
図11Dに示される更なる実施形態では、延長パーツ(あるいは上部構造体)上の目盛りの位置は、正確に3°の回転になるように(
図9B)、また代替回転量でずらされるように調節されている。
図11A〜
図11Dは、
図9A〜
図9Dと概ね同じであり、それぞれ0°、3°、5°、及び7°の回転に設定された寸法決めガイドを示している。目盛りが正確に3°の回転であるのを確実にすることは、2つの理由から有利である。第1に、3°の回転は、最も一般的に選択される回転であるので、寸法決めガイドは患者の大半にとって正確となる。第2に、最大ずれは7°に保たれるが、ずれの大きさは、
図9A〜
図9Dに示すように目盛りが正確に0°に設定されている場合の最大ずれよりも、有意に小さい。明らかに、
図11A〜
図11Dの寸法決めガイドは、
図10A及び
図10Bの寸法決めガイドに対する折衷案である。しかしながら、
図11A〜
図11Dの調節された目盛りを用いると、
図10A及び
図10Bの複数の目盛りを有する指標による解決策に比べて、目盛りが読み違えられる危険性が減少する。
【0066】
本発明の代替実施形態によると、上述した脚部構成要素と延長構成要素との間の回転機構の代わりに、それぞれが単一の延長構成要素と、異なる回転位置において連結されるように構成された脚部構成要素のセットが提供されてもよい。そのような実施形態では、寸法決めガイドの複雑さは、別個の構成要素の数を増加することを犠牲にして軽減される。そのような寸法決めガイドは、具体的には、使用後に破棄されるように意図されている使い捨て器具であってもよく、したがって、器具の複雑さ(したがってコスト)を軽減することが望ましい。そのような実施形態では、目盛り及び指標の機構は、上述したものと同様又は同一であり得る。
【0067】
添付の「特許請求の範囲」から逸脱することなく、本明細書の教示から、本発明に更なる改良がなされ得ること、及び本発明の更なる用途を見出すことができることを、当業者は容易に理解するであろう。
【0068】
〔実施の態様〕
(1) 骨の端部の寸法を評価するための骨寸法決めガイドであって、
前記骨の端部表面に寄りかかる第1の表面を有する脚部構成要素と、前記第1の表面に対して横方向に延びて、前記骨の側面と接触する脚部と、を含む本体と、
前記本体に連結される上部構造体であって、前記上部構造体は、前記本体に向かって、また前記本体から離れて、前記本体に対してスライドすることができ、前記上部構造体及び前記本体の少なくとも一方は、前記第1の表面に対して横方向に延びる第1の軸を中心とした、前記上部構造体が前記脚部構成要素に対して延びる回転方向が、調節可能であるように、調節可能である、上部構造体と、
前記上部構造体から前記本体の前記第1の表面に対して横方向に延びるスタイラスであって、前記骨の表面と接触する先端部を有する、スタイラスと、
前記上部構造体及び前記本体の第1の一方に連結されるか、又は該第1の一方の上に形成される目盛りと、
前記上部構造体及び前記本体の第2の一方に連結されるか、又は該第2の一方の上に形成されて、前記目盛り上の位置を特定する指標と、を備え、
前記上部構造体が前記本体に向かって、又は前記本体から離れてスライドすると、前記目盛り上の前記特定された位置が移動し、前記上部構造体が、前記上部構造体と前記本体との間のスライド動作を行わずに前記本体に対して回転すると、前記特定された位置が移動して、前記目盛り上の前記特定された位置は、前記スタイラスと前記脚部との間の距離を示すようになる、骨寸法決めガイド。
(2) 前記上部構造体が前記脚部構成要素に対して延びる前記回転方向が、所定の回転位置の群から選択可能である、実施態様1に記載の骨寸法決めガイド。
(3) 前記目盛り上の前記位置を特定するために用いられる、前記上部構造体及び前記本体の前記第2の一方の上の前記指標マークの前記位置が、外科医によって選択される、前記上部構造体の前記脚部構成要素に対する前記回転位置に従って選択され得る、実施態様1に記載の骨寸法決めガイド。
(4) 前記指標が、前記目盛り上の異なる位置を特定する指標マークの群を含み、各指標マークが、前記脚部構成要素に対する前記上部構造体のそれぞれの回転位置に対応している、実施態様1又は2に記載の骨寸法決めガイド。
(5) 前記指標が、前記指標が前記上部構造体及び前記本体の前記第2の一方に対してスライドできるように、前記上部構造体及び前記本体の前記第2の一方に連結され、前記指標のスライド位置が、前記上部構造体の前記脚部構成要素に対する前記回転位置に対応している、実施態様1又は2に記載の骨寸法決めガイド。
【0069】
(6) 前記本体が、前記脚部構成要素と前記上部構造体との間に連結される延長構成要素を更に含み、前記延長構成要素は、前記脚部構成要素から前記第1の軸を中心とした調節可能な回転方向に延び、前記上部構造体は、前記延長構成要素に対してスライドすることができるようになっており、前記目盛りが、前記上部構造体若しくは前記延長構成要素に連結されるか、又は前記上部構造体若しくは前記延長構成要素の上に形成され、前記指標が、前記上部構造体、前記延長構成要素若しくは前記脚部構成要素に連結されるか、又は前記上部構造体、前記延長構成要素若しくは前記脚部構成要素の上に形成される、実施態様1〜5のいずれかに記載の骨寸法決めガイド。
(7) 前記上部構造体又は前記本体が、前記第1の表面に対して横方向に延びる整列軸を画定する少なくとも1つのガイド穴を更に含む、実施態様1〜6のいずれかに記載の骨寸法決めガイド。
(8) 前記少なくとも1つの整列軸が、前記第1の表面の平面において前記スタイラス又は前記第1の軸から所定の距離にある、実施態様7に記載の骨寸法決めガイド。
(9) 前記上部構造体が、前記第1の表面の平面において前記スタイラスの先端部の高さから所定の距離で第1の整列軸を定める第1のガイド穴を更に含み、前記本体が、前記第1の軸から所定の距離で大腿骨切除表面内へ延びる第2の整列軸を定める第2のガイド穴を画定し、前記第1のガイド穴と前記第2のガイド穴との間の距離が、前記上部構造体が前記本体に対してスライドするにつれて変化する、実施態様7又は8に記載の骨寸法決めガイド。
(10) 前記脚部構成要素が、骨の側面と接触する第1及び第2の脚部を含み、前記第1及び第2の脚部は、前記第1の表面に対して横方向に延びる脚部面を画定する、実施態様1〜9のいずれかに記載の骨寸法決めガイド。
【0070】
(11) 前記脚部構成要素が、前記本体を骨の端部表面に固定するために固定ピンを受容するように構成された少なくとも1つの固定穴を更に含む、実施態様1〜10のいずれかに記載の骨寸法決めガイド。
(12) 前記上部構造体が、ヘッド部、並びに、前記ヘッド部から前記本体に向かって延びる第1及び第2のアームを含み、前記第1及び第2のアームは、前記本体とスライド接触するようになっている、実施態様1〜11のいずれかに記載の骨寸法決めガイド。
(13) 前記本体から延び、かつ前記上部構造体の前記ヘッド部のボアに受容される支持ロッドを更に含み、前記上部構造体が前記本体に対してスライドすると、前記支持ロッドは前記ボアを通過するようになっている、実施態様12に記載の骨寸法決めガイド。
(14) 前記スタイラスが、前記上部構造体の前記ヘッド部に連結されるように構成された細長いスロットを含み、前記スタイラスが、前記上部構造体から前記支持ロッドに対して横方向に延び、前記スタイラスのスロットが、前記スタイラスが前記支持ロッドに対してスライドし、かつ前記支持ロッドを中心として回転することを可能にするように構成される、実施態様13に記載の骨寸法決めガイド。
(15) 骨の端部の寸法を評価する方法であって、
骨寸法決めガイドの本体を前記骨に連結することであって、前記本体が、脚部構成要素と、第1の表面に対して横方向に延びる脚部とを含み、前記第1の表面は前記骨の端部表面に寄りかかり、前記脚部は前記骨の側面と接触する、連結することと、
前記本体に連結された上部構造体が前記脚部構成要素から所定の回転方向に延びるまで、前記第1の表面に対して横方向に延びる第1の軸を中心とした、前記上部構造体の前記脚部構成要素に対する回転位置を調節することと、
前記上部構造体から前記本体の前記第1の表面に対して横方向に延びるスタイラスの先端部が、前記骨の表面と接触するまで、前記上部構造体を、前記本体に向かって、又は前記本体から離れて、前記本体に対してスライドさせることと、
前記上部構造体及び前記本体の第2の一方に連結されるか、又は該第2の一方の上に形成された指標によって特定される、前記上部構造体及び前記本体の第1の一方に連結されるか、又は該第1の一方の上に形成された目盛り上の位置を記録することと、を含み、
前記上部構造体が前記本体に向かって、又は前記本体から離れてスライドすると、前記目盛り上の前記特定された位置が移動し、前記上部構造体が、前記上部構造体と前記本体との間のスライド動作を行わずに前記本体に対して回転すると、前記特定された位置が移動して、前記目盛り上の前記特定された位置が、前記スタイラスと前記脚部との間の距離を示すようになる、方法。
【0071】
(16) 前記上部構造体が、前記上部構造体の前記脚部構成要素に対する前記回転位置が、選択された回転位置に設定されるように、前記本体に連結され、前記指標が、前記目盛り上の異なる位置を特定する指標マークの群を含み、各指標マークが、前記脚部構成要素に対する前記上部構造体のそれぞれの回転位置に対応しており、前記方法が、
前記本体に対する前記上部構造体を選択された回転位置に設定することと、
前記選択された回転位置に対応する指標マークを選択することと、
前記選択された指標マークによって特定された前記目盛り上の位置を記録することと、を更に含む、実施態様15に記載の方法。