特許第6077006号(P6077006)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6077006ベンゾ複素環式化合物およびその使用
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077006
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】ベンゾ複素環式化合物およびその使用
(51)【国際特許分類】
   C07D 263/54 20060101AFI20170130BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 35/00 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 29/00 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 3/10 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 27/02 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 9/00 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 1/04 20060101ALI20170130BHJP
   A61P 19/02 20060101ALI20170130BHJP
   A61K 31/423 20060101ALI20170130BHJP
   C07D 277/62 20060101ALI20170130BHJP
   A61K 31/428 20060101ALI20170130BHJP
   A61K 31/433 20060101ALI20170130BHJP
   C07D 285/14 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   C07D263/54CSP
   A61P43/00 111
   A61P35/00
   A61P29/00
   A61P17/00
   A61P3/10
   A61P27/02
   A61P9/00
   A61P1/04
   A61P19/02
   A61P29/00 101
   A61K31/423
   C07D277/62
   A61K31/428
   A61K31/433
   C07D285/14
【請求項の数】22
【全頁数】241
(21)【出願番号】特願2014-551508(P2014-551508)
(86)(22)【出願日】2013年1月16日
(65)【公表番号】特表2015-503597(P2015-503597A)
(43)【公表日】2015年2月2日
(86)【国際出願番号】CN2013000037
(87)【国際公開番号】WO2013107283
(87)【国際公開日】20130725
【審査請求日】2016年1月18日
(31)【優先権主張番号】201210014021.X
(32)【優先日】2012年1月17日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210189086.8
(32)【優先日】2012年6月8日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210190520.4
(32)【優先日】2012年6月8日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】201210189087.2
(32)【優先日】2012年6月8日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】514308678
【氏名又は名称】シャンハイ ケチョウ ファーマ, インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(74)【代理人】
【識別番号】100181674
【弁理士】
【氏名又は名称】飯田 貴敏
(74)【代理人】
【識別番号】100181641
【弁理士】
【氏名又は名称】石川 大輔
(74)【代理人】
【識別番号】230113332
【弁護士】
【氏名又は名称】山本 健策
(72)【発明者】
【氏名】ティエン, ホンチ
(72)【発明者】
【氏名】ジー, チョンフイ
(72)【発明者】
【氏名】リウ, チュンレイ
(72)【発明者】
【氏名】コン, リー
(72)【発明者】
【氏名】チェン, イン
(72)【発明者】
【氏名】ホアン, ゴンチャオ
【審査官】 三木 寛
(56)【参考文献】
【文献】 特表2010−516698(JP,A)
【文献】 特表2008−544975(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0293785(US,A1)
【文献】 特表2002−534510(JP,A)
【文献】 特表2007−504139(JP,A)
【文献】 特表2007−504241(JP,A)
【文献】 特表2003−504398(JP,A)
【文献】 特開2000−204079(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C07D 263/54
C07D 277/62
C07D 285/14
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I)の化合物
【化271】
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(式中、
はCR11またはNであり、
はO、Sまたはカルボニルであり、
、R、RおよびRは独立に、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)R、−C(O)OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
はC〜C10アルキルまたはC〜C14アリールであり、
、RおよびRはそれぞれ独立に、水素またはC〜C10アルキルであり、
は、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)Rまたは−NHSO10であり、
およびRはそれぞれ独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
は、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C14アリールであり、
10は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルであり、
〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキル部分はそれぞれ、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトから独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよいが、
ただし、XがCHであり、XがOまたはSであり、RおよびRのうちの一方がメチルまたはクロロであり、およびのうちの他方が水素であり、Rがヨードである場合、Rは−NHSO10または−C(O)N(R)ORであり、ここでRは少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである)
またはその塩もしくは溶媒和物。
【請求項2】
が、フルオロまたはクロロである、請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項3】
が、水素である、請求項1または2に記載の化合物またはその塩。
【請求項4】
が、ヨードまたはブロモである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項5】
が、水素である、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項6】
が、フルオロである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項7】
が、−C(O)N(R)ORであ、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項8】
が、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルであり、Rが水素である、請求項7に記載の化合物またはその塩。
【請求項9】
が、−NHSO10−C(O)NR、または−C(O)Rである、請求項1からのいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
【請求項10】
請求項1に記載の化合物またはその塩であって、
前記化合物が式(J−1)
【化273】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物であり
が、ハロまたは〜C10アルキルであり、
が、ハロ、〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり、
が、水素、ハロまたは〜C10アルキルであり、
が、水素、〜C10アルキルまたは〜C10シクロアルキルであり、
各C〜C10アルキルまたはC〜C10シクロアルキル部分は、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトから独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよい
化合物またはその塩。
【請求項11】
請求項1に記載の化合物またはその塩であって、
記化合物が式(J−2)
【化274】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物であり
がハロまたはC〜C10アルキルであり、
が、ハロ、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり、
が水素、ハロまたはC〜C10アルキルであり、
が、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルであり、
11が水素であり、
各C〜C10アルキル部分は、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトから独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよい
化合物またはその塩。
【請求項12】
請求項1に記載の化合物またはその塩であって、
前記化合物が式(J−3)
【化275】
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の化合物であり
がハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり、
が、ハロ、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり、
が水素、ハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり、
が、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルであり、
11が水素であり
各C〜C10アルキル部分は、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトから独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよい
化合物またはその塩。
【請求項13】
請求項1に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が式(J−4)
【化276】
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の化合物であり
(i)Rがフルオロであり、Rがヨードであり;または
(ii)Rがクロロであり、Rがブロモであり
(a)XがNであり、XがSであり;または
(b)XがCHであり、XがOであり;または
(c)XがCHであり、XがSである、
化合物またはその塩。
【請求項14】
請求項1に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が式(K)
【化277】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物であり
(a)XがNであり、XがSであり;または
(b)XがCR11であり、XがSであり;または
(c)XがCR11であり、XがOであり
がハロまたは〜C10アルキルであり、
が、ハロ、〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり、
が水素、ハロまたは〜C10アルキルであり、
10が、〜C10アルキル、〜C10シクロアルキルまたは〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11が、存在する場合、水素であり、
各C〜C10アルキルまたはC〜C10シクロアルキル部分は、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトから独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよい、
化合物またはその塩。
【請求項15】
(i)前記化合物が、
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ブロモフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−メチルチオフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−トリフルオロメトキシ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;および
4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
から選択されるか;あるいは
(ii)前記化合物が、
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ブロモフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−メチルチオフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−トリフルオロメトキシ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;および
4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
から選択されるか;あるいは
(iii)前記化合物が、
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−メチルチオフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−トリフルオロメトキシ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;および
4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
から選択される、
請求項1に記載の化合物またはその塩。
【請求項16】
請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその塩もしくは溶媒和物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
【請求項17】
EKによって媒介される疾患または状態であって
(a)前記疾患または状態が、癌、慢性炎症性疾患、皮膚疾患、糖尿病、眼疾患、脈管形成、血管形成または慢性疼痛であり;または
(b)前記疾患または状態が、関節リウマチまたは炎症性腸疾患である、
疾患または状態
を処置する方法における使用のための組成物であって、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、もしくは溶媒和物を含む、組成物。
【請求項18】
であって前記癌が、結腸癌、結腸直腸癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌または皮膚癌である、癌
を処置する方法における使用のための組成物であって、請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含む、組成物。
【請求項19】
請求項1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩もしくは溶媒和物を含むキット。
【請求項20】
式(J)
【化296】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩を作製する方法であって、式中、X、X、R、R、R、RおよびRは請求項1に定義されている通りであり、Rは、2−ヒドロキシエチルであり、そしてRは、水素であり、
式(G)
【化297】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物(式中、R14は水素である)またはその塩を、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミンまたはその塩とカップリングするステップ
含む方法。
【請求項21】
式(J)
【化298】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物またはその塩を作製する方法であって、式中、X、X、R、R、R、RおよびRは請求項1に定義されている通りであり、Rは、2,3−ジヒドロキシプロピルであり、そしてRは、水素であり、
式(G)
【化299】
[この文献は図面を表示できません]
の化合物(式中、R14は水素である)またはその塩を、O−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ヒドロキシルアミンまたはその塩とカップリングするステップ
を含む方法。
【請求項22】
(i)XがNであり、XがSである;あるいは
(ii)XがCR11であり、11は請求項1に定義されている通りであり、がOである、あるいは
(iii)XがCR11であり、11は請求項1に定義されている通りであり、がSであ、請求項20または21に記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
関連出願への相互参照
本願は、2012年1月17日に出願された中華人民共和国特許出願第201210014021.X号、2012年6月8日に出願された中華人民共和国特許出願第201210189086.8号、2012年6月8日に出願された中華人民共和国特許出願第201210190520.4号、および2012年6月8日に出願された中華人民共和国特許出願第201210189087.2号の優先権を主張する。これらの特許出願の各々の開示内容は、その全体が参考として本明細書に援用される。
【0002】
発明の分野
本発明は、MEKなどのプロテインキナーゼの阻害剤であるベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサゾールおよびベンゾチアゾール誘導体などのベンゾ複素環式化合物に関する。これらの化合物は、MEKカスケードが関係する、癌および炎症性疾患などの状態または障害の処置に有用である可能性がある。
【背景技術】
【0003】
発明の背景
成長因子受容体およびプロテインキナーゼを介した細胞シグナル伝達は、細胞成長、増殖および分化の重要な制御因子である。正常な細胞成長において、因子(すなわち、PDGFまたはEGFおよびその他)は、受容体活性化(すなわち、ErbB2、EGFR、PDGFR)によって、MAP(マイトジェン活性化タンパク質)キナーゼ経路を活性化する。正常な細胞成長および無制御細胞成長に関係する最も重要で最も良く理解されているMAPキナーゼ経路の1つは、Ras/Raf/Mek/Erkキナーゼ経路である。増殖性疾患において、成長因子受容体、下流のシグナル伝達タンパク質またはキナーゼ経路に関与するプロテインキナーゼの遺伝子変異および/または過剰発現は無制御細胞増殖をもたらし、ひいては腫瘍形成をもたらす。例えば、いくつかの癌は、成長因子の連続的な産生に起因してこの経路の活性化をもたらす変異を含む。統計によれば、変異した発癌形態のRasが、結腸癌の50%および膵臓癌の90%超において見られることが示されている。最近、悪性黒色腫の60%超においてbRaf変異が特定されている。原発腫瘍の試料および細胞系の研究によって、膵臓、結腸、肺、卵巣および腎臓の癌におけるRas/Raf/Mek/Erk経路の構成的または過剰な活性化も示されている。
【0004】
MAPキナーゼカスケードの構成的または過剰な活性化は細胞増殖および分化において極めて重要な役割を果たすので、この経路の阻害は、過剰増殖性疾患において有益であると考えられる。MekはRasおよびRafの下流にあるので、Mekはこの経路における中心的存在である。さらに、MAPキナーゼErk1および2はMekリン酸化のための公知の唯一の基質であるので、Mekは魅力的な治療標的である。したがって、MEKの阻害はRas/Raf/Mek/Erk経路を遮断することになり、細胞成長の阻害、特にRasまたはRafの過剰活性化に起因する細胞成長の阻害をもたらす。その一方で、Mekは、急性および慢性炎症を含む炎症性の疾患および症状にも関係している。
【0005】
Mekの阻害剤は、ヌードマウスの臨床実験においていくつかの効果を示している。最近、いくつかのMek阻害剤が、ヒトの臨床実験に適用されている。したがって、Mekは潜在的な新規の標的であり、ますます多くのMek阻害剤が開発されており、例えばWO98/43960;WO99/01421;WO99/01426;WO00/41505;WO00/42002;WO00/41003;WO00/41994;WO00/42022;WO00/42029;WO00/68201;WO01/68619;WO02/06213;WO03/077914;WO03/077855;WO03/077914;WO05/023251;WO05/023759;WO05/051300;WO05/051301;WO05/051302;WO05/051906;WO05/000818;WO05/007616;WO05/009975;WO05/046665;WO06/134469;WO07/044084;WO07/014011;WO07/121269;WO07/121481;WO07/071951;WO07/044515;WO08/021389;WO08/076415;WO08/089459;WO08/078086;WO08/120004;WO08/124085;WO08/125820;WO09/018238;WO09/074827;WO09/013426;WO09/093008;WO09/093009;WO09/093013;およびWO09/153554などに報告されている。
しかし、多くの公知のMEK阻害剤は、弱い阻害活性、容認し得ない毒性または望ましい薬学的特性の欠如という問題を抱えている。したがって、臨床的応用に適した薬学的特性を有する、MEKの強力な阻害剤に対する必要性が依然としてある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】国際公開第98/43960号
【特許文献2】国際公開第99/01421号
【特許文献3】国際公開第99/01426号
【特許文献4】国際公開第00/41505号
【特許文献5】国際公開第00/42002号
【特許文献6】国際公開第00/41003号
【特許文献7】国際公開第00/41994号
【特許文献8】国際公開第00/42022号
【特許文献9】国際公開第00/42029号
【特許文献10】国際公開第00/68201号
【特許文献11】国際公開第01/68619号
【特許文献12】国際公開第02/06213号
【特許文献13】国際公開第03/077914号
【特許文献14】国際公開第03/077855号
【特許文献15】国際公開第03/077914号
【特許文献16】国際公開第2005/023251号
【特許文献17】国際公開第2005/023759号
【特許文献18】国際公開第2005/051300号
【特許文献19】国際公開第2005/051301号
【特許文献20】国際公開第2005/051302号
【特許文献21】国際公開第2005/051906号
【特許文献22】国際公開第2005/000818号
【特許文献23】国際公開第2005/007616号
【特許文献24】国際公開第2005/009975号
【特許文献25】国際公開第2005/046665号
【特許文献26】国際公開第2006/134469号
【特許文献27】国際公開第2007/044084号
【特許文献28】国際公開第2007/014011号
【特許文献29】国際公開第2007/121269号
【特許文献30】国際公開第2007/121481号
【特許文献31】国際公開第2007/071951号
【特許文献32】国際公開第2007/044515号
【特許文献33】国際公開第2008/021389号
【特許文献34】国際公開第2008/076415号
【特許文献35】国際公開第2008/089459号
【特許文献36】国際公開第2008/078086号
【特許文献37】国際公開第2008/120004号
【特許文献38】国際公開第2008/124085号
【特許文献39】国際公開第2008/125820号
【特許文献40】国際公開第2009/018238号
【特許文献41】国際公開第2009/074827号
【特許文献42】国際公開第2009/013426号
【特許文献43】国際公開第2009/093008号
【特許文献44】国際公開第2009/093009号
【特許文献45】国際公開第2009/093013号
【特許文献46】国際公開第2009/153554号
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
発明の簡単な要旨
一態様では、式(I)の化合物
【化1】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
はCR11またはNであり、
はO、Sまたはカルボニルであり、
、R、RおよびRは独立に、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)R、−C(O)OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
はC〜C10アルキルまたはC〜C14アリールであり、
、RおよびRはそれぞれ独立に、水素またはC〜C10アルキルであり、
は、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)Rまたは−NHSO10であり、
およびRはそれぞれ独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
は、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C14アリールであり、
10は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルであり、
〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキル部分はそれぞれ、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトからなる群から独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよいが、
ただし、XがCHであり、XがOまたはSであり、Rがメチルまたはクロロであり、Rが水素であり、Rがヨードである場合、Rは−NHSO10または−C(O)N(R)ORであり、ここでRは少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである)
またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
【0008】
いくつかの実施形態では、式(J)の化合物
【化2】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、X、R、R、R、R、R、RおよびRは式(I)について定義されている通りである)またはその塩、溶媒和物もしくはプロドラッグを提供する。
【0009】
他の態様では、実質的に純粋な形態で存在する、本明細書で説明するMEK阻害剤化合物のいずれか1つを提供する。
【0010】
本明細書で説明する化合物のいずれか1つおよび担体(例えば、薬学的に許容される担体)を含む医薬組成物および/または製剤も提供する。いくつかの実施形態では、製剤は個体に投与するのに適している。いくつかの実施形態では、製剤は、有効量の本明細書で説明する化合物のいずれか1つおよび担体(例えば、薬学的に許容される担体)を含む。他の態様では、本明細書で説明するMEK阻害剤化合物、または薬学的に許容される担体と一緒にした本明細書で説明するMEK阻害剤化合物を含む医薬製剤を提供する。
【0011】
他の態様では、MEKによって媒介される疾患、状態または障害などのMEK経路カスケードが関与する疾患、状態または障害を処置および/または予防するための方法であって、それを必要とする個体に、治療有効量の本明細書で説明する化合物、例えば式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、癌、慢性炎症性疾患、皮膚疾患、糖尿病、眼疾患、脈管形成、血管形成または慢性疼痛である。いくつかの実施形態では、疾患または状態は関節リウマチまたは炎症性腸疾患である。いくつかの実施形態では、疾患または状態は、結腸癌、結腸直腸癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌または皮膚癌などの癌である。
【0012】
MEKの阻害によって改善することができる疾患または状態の処置または予防を必要とする哺乳動物(例えば、ヒト)などの個体におけるMEKの阻害によって改善することができる疾患または状態の処置または予防のための医薬の製造における、式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物の使用も提供する。
【0013】
本明細書で説明する化合物および使用するための指示を含むキットも提供する。一態様では、MEKによって媒介される疾患または状態の個体における処置または予防のためのキットであって、本明細書で詳述する化合物のいずれか1つまたはその薬学的に許容される塩、溶媒和物もしくはプロドラッグ;および包装を含むキットを提供する。いくつかの実施形態では、キットは、本明細書で説明する化合物のいずれか1つの製剤および包装を含む。
【0014】
本明細書で説明する化合物またはその塩(薬学的に許容される塩を含む)、溶媒和物もしくはプロドラッグを作製する方法およびプロセスをさらに提供する。
本発明の実施形態において、例えば以下の項目が提供される。
(項目1)
式(I)の化合物
【化271】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、
はCR11またはNであり、
はO、Sまたはカルボニルであり、
、R、RおよびRは独立に、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)R、−C(O)OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
はC〜C10アルキルまたはC〜C14アリールであり、
、RおよびRはそれぞれ独立に、水素またはC〜C10アルキルであり、
は、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)Rまたは−NHSO10であり、
およびRはそれぞれ独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
は、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C14アリールであり、
10は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルであり、
〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキル部分はそれぞれ、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトからなる群から独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよいが、
ただし、XがCHであり、XがOまたはSであり、Rがメチルまたはクロロであり、Rが水素であり、Rがヨードである場合、Rは−NHSO10または−C(O)N(R)ORであり、ここでRは少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物。
(項目2)
が、Nである、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目3)
が、CR11である、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目4)
11が、水素である、項目3に記載の化合物またはその塩。
(項目5)
11が、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルである、項目3に記載の化合物またはその塩。
(項目6)
が、Sである、項目1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目7)
が、Oである、項目1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目8)
が、カルボニルである、項目1から5のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目9)
が、ハロである、項目1から8のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目10)
が、フルオロである、項目9に記載の化合物またはその塩。
(項目11)
が、クロロである、項目9に記載の化合物またはその塩。
(項目12)
が、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、アミノまたはカルボキシである、項目1から8のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目13)
が、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシC〜C10アルキルチオまたはハロ置換C〜C10アルキルチオである、項目1から8のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目14)
が、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、非置換もしくは置換C〜C10アルケニル、非置換もしくは置換C〜C10アルキニルまたは非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルである、項目1から8のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目15)
が、メチルである、項目14に記載の化合物またはその塩。
(項目16)
が、水素である項目1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目17)
が、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノまたはカルボキシである、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目18)
が、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである、項目1から15のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目19)
が、ハロまたはシアノである、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目20)
が、ヨードである、項目19に記載の化合物またはその塩。
(項目21)
が、ブロモである、項目19に記載の化合物またはその塩。
(項目22)
が、ニトロ、アジド、ヒドロキシまたはメルカプト、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORである、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目23)
が、−SOである、項目22に記載の化合物またはその塩。
(項目24)
が、非置換または置換C〜C10アルキルである、項目23に記載の化合物またはその塩。
(項目25)
が、メチルである、項目23に記載の化合物またはその塩。
(項目26)
が、−SON(R)Rである、項目22に記載の化合物またはその塩。
(項目27)
およびRがそれぞれ独立に、非置換または置換C〜C10アルキルである、項目26に記載の化合物またはその塩。
(項目28)
が、−N(R)Rである、項目22に記載の化合物またはその塩。
(項目29)
が、NMeである、項目28に記載の化合物またはその塩。
(項目30)
が、−C(O)ORである、項目22に記載の化合物またはその塩。
(項目31)
が、非置換または置換C〜C10アルキルである、項目30に記載の化合物またはその塩。
(項目32)
が、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオまたはハロ置換C〜C10アルキルチオである、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目33)
が、トリフルオロメトキシである、項目32に記載の化合物またはその塩。
(項目34)
が、メチルチオである、項目32に記載の化合物またはその塩。
(項目35)
が、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目36)
が、非置換または置換C〜C10アルキルである、項目1から18のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目37)
が、トリフルオロメチルである、項目36に記載の化合物またはその塩。
(項目38)
が、水素である、項目1から37のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目39)
が、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、アミノまたはカルボキシである、項目1から37のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目40)
が、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオまたはハロ置換C〜C10アルキルチオである、項目1から37のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目41)
が、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである、項目1から37のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目42)
が、水素またはハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルである、項目1から41のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目43)
が、水素である、項目42に記載の化合物またはその塩。
(項目44)
が、フルオロである、項目42に記載の化合物またはその塩。
(項目45)
が、メチルである、項目42に記載の化合物またはその塩。
(項目46)
が、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、アミノまたはカルボキシである、項目1から41のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目47)
が、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオまたはハロ置換C〜C10アルキルチオである、項目1から41のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目48)
が、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである、項目1から41のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目49)
が、−C(O)N(R)ORである、項目1から48のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目50)
が、水素、非置換もしくは置換C〜C10アルキルまたは非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルである、項目49に記載の化合物またはその塩。
(項目51)
が、シクロプロピルメチルである、項目50に記載の化合物またはその塩。
(項目52)
が、置換C〜C10アルキルである、項目49に記載の化合物またはその塩。
(項目53)
が、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである、項目52に記載の化合物またはその塩。
(項目54)
が、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである、項目53に記載の化合物またはその塩。
(項目55)
が、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキルである、項目53に記載の化合物またはその塩。
(項目56)
が、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキルである、項目53に記載の化合物またはその塩。
(項目57)
が、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される、項目56に記載の化合物またはその塩。
(項目58)
が、非置換もしくは置換C〜C10アルケニルまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキニルである、項目49に記載の化合物またはその塩。
(項目59)
が、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目49に記載の化合物またはその塩。
(項目60)
が、水素である、項目49から59のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目61)
が、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目49から59のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目62)
が、−NHSO10である、項目1から48のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目63)
10が、非置換もしくは置換C〜C10アルキルまたは任意選択で置換されているC〜C10シクロアルキルである、項目62に記載の化合物またはその塩。
(項目64)
10が、C〜C10アルキルまたはC〜C10シクロアルキルである、項目62に記載の化合物またはその塩。
(項目65)
10が、シクロプロピルである、項目64に記載の化合物またはその塩。
(項目66)
10が、非置換または置換C〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目62に記載の化合物またはその塩。
(項目67)
10が、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目66に記載の化合物またはその塩。
(項目68)
10が、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目67に記載の化合物またはその塩。
(項目69)
10が、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピルである、項目68に記載の化合物またはその塩。
(項目70)
10が、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目62に記載の化合物またはその塩。
(項目71)
が、−C(O)ORまたは−C(O)NRである、項目1から48のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目72)
が、−C(O)Rである、項目1から48のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目73)
が、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目72に記載の化合物またはその塩。
(項目74)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ブロモフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−メチルチオフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−トリフルオロメトキシ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;および
4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
からなる群から選択される、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目75)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ブロモフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−メチルチオフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−トリフルオロメトキシ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;および
4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
からなる群から選択される、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目76)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−トリフルオロメチルフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−メチルチオフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−トリフルオロメトキシ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(1,3−ジヒドロキシ−イソプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;および
4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−シクロプロピルメチル−ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
からなる群から選択される、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目77)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ブロモフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ブロモフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−フルオロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
および
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
からなる群から選択される、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目78)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド;
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド;
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド;および
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
からなる群から選択される、項目1に記載の化合物またはその塩。
(項目79)
項目1に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が式(J)
【化272】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物であり、式中のX、X、R、R、R、R、R、RおよびRは項目1に定義されている通りである、化合物またはその塩。
(項目80)
項目79に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が式(J−1)
【化273】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物であり、式中のR、R、RおよびRは項目1に定義されている通りである、化合物またはその塩。
(項目81)
が、ハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり、
が、ハロ、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり、
が、水素、ハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり、
が、水素、非置換もしくは置換C〜C10アルキルまたは非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルである、
項目80に記載の化合物またはその塩。
(項目82)
が、ハロまたはC〜C10アルキルである、項目81に記載の化合物またはその塩。
(項目83)
が、フルオロまたはクロロである、項目82に記載の化合物またはその塩。
(項目84)
が、メチルである、項目82に記載の化合物またはその塩。
(項目85)
が、ハロ、置換C〜C10アルキル、ハロ置換C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORである、項目81から84のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目86)
が、ヨードまたはブロモである、項目85に記載の化合物またはその塩。
(項目87)
が、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはメチルチオである、項目85に記載の化合物またはその塩。
(項目88)
が−SOであり、Rは非置換または置換C〜C10アルキルである、項目85に記載の化合物またはその塩。
(項目89)
が、SOMeである、項目88に記載の化合物またはその塩。
(項目90)
が、NMeである、項目85に記載の化合物またはその塩。
(項目91)
が−C(O)ORであり、Rは非置換または置換C〜C10アルキルである、項目85に記載の化合物またはその塩。
(項目92)
が、COMeである、項目91に記載の化合物またはその塩。
(項目93)
が、水素、ハロまたはC〜C10アルキルである、項目81から92のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目94)
が、フルオロである、項目93に記載の化合物またはその塩。
(項目95)
が、水素またはメチルである、項目93に記載の化合物またはその塩。
(項目96)
が、C〜C10アルキルまたはC〜C10シクロアルキルである、項目81から95のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目97)
が、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである、項目81から95のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目98)
が、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである、項目97に記載の化合物またはその塩。
(項目99)
が、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキルである、項目97に記載の化合物またはその塩。
(項目100)
がフルオロまたはクロロであり、
がヨードまたはブロモであり、
がフルオロであり、
が、シクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される、
項目80に記載の化合物またはその塩。
(項目101)
項目79に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が式(J−2)
【化274】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物であり、式中のR、R、R、RおよびR11は項目1に定義されている通りである、化合物またはその塩。
(項目102)
項目79に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が式(J−3)
【化275】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物であり、式中のR、R、R、RおよびR11は項目1に定義されている通りである、化合物またはその塩。
(項目103)
がハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり、
が、ハロ、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり、
が水素、ハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり、
が、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルであり、R11が水素である、
項目101または102に記載の化合物またはその塩。
(項目104)
が、ハロまたはC〜C10アルキルである、項目103に記載の化合物またはその塩。
(項目105)
が、フルオロまたはクロロである、項目104に記載の化合物またはその塩。
(項目106)
が、メチルである、項目104に記載の化合物またはその塩。
(項目107)
が、ハロ、置換C〜C10アルキル、ハロ置換C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORである、項目103から106のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目108)
が、ヨードまたはブロモである、項目107に記載の化合物またはその塩。
(項目109)
が、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはメチルチオである、項目107に記載の化合物またはその塩。
(項目110)
が、SOMeまたはCOMeである、項目107に記載の化合物またはその塩。
(項目111)
が、水素、ハロまたはC〜C10アルキルである、項目103から110のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目112)
が、フルオロである、項目111に記載の化合物またはその塩。
(項目113)
が、水素またはメチルである、項目111に記載の化合物またはその塩。
(項目114)
が、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである、項目103から113のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目115)
が、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキルである、項目114に記載の化合物またはその塩。
(項目116)
がフルオロまたはクロロであり、
がヨードまたはブロモであり、
がフルオロであり、
が、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される、項目101または102に記載の化合物またはその塩。
(項目117)
項目79に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が式(J−4)
【化276】
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の化合物であり、式中のX、X、RおよびRは項目1に定義されている通りである、化合物またはその塩。
(項目118)
がフルオロであり、Rがヨードである、項目117に記載の化合物またはその塩。
(項目119)
がクロロであり、Rがブロモである、項目117に記載の化合物またはその塩。
(項目120)
がNであり、XがSである、項目118または119に記載の化合物またはその塩。
(項目121)
がCHであり、XがOである、項目118または119に記載の化合物またはその塩。
(項目122)
がCHであり、XがSである、項目118または119に記載の化合物またはその塩。
(項目123)
項目1に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が式(K)
【化277】
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の化合物であり、式中のX、X、R、R、R、R、RおよびR10は項目1に定義されている通りである、化合物またはその塩。
(項目124)
がNであり、XがSである、項目123に記載の化合物またはその塩。
(項目125)
がCR11であり、XがSである、項目123に記載の化合物またはその塩。
(項目126)
がCR11であり、XがOである、項目123に記載の化合物またはその塩。
(項目127)
項目123に記載の化合物またはその塩であって、前記化合物が以下の式
【化278】
[この文献は図面を表示できません]

の化合物である、化合物またはその塩。
(項目128)
がハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり、
が、ハロ、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり、
が水素、ハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり、
10が、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11が、存在する場合、水素である、
項目123から127のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目129)
が、ハロである、項目128に記載の化合物またはその塩。
(項目130)
が、ハロである、項目128または129に記載の化合物またはその塩。
(項目131)
が、SOMeまたはCOMeである、項目128または129に記載の化合物またはその塩。
(項目132)
が、ハロである、項目128から131のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目133)
10が、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたは少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目128から132のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目134)
10が、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、項目133に記載の化合物またはその塩。
(項目135)
がフルオロまたはクロロであり、
がヨードまたはブロモであり、
がフルオロであり、
10が、シクロプロピルおよび1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピルからなる群から選択され、
11が、存在する場合、水素である、
項目124から127のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目136)
がフルオロまたはクロロであり、
がヨードまたはブロモであり、
がフルオロであり、
10が、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピルであり、
11が、存在する場合、水素である、
項目124から127のいずれか一項に記載の化合物またはその塩。
(項目137)
項目1から136のいずれか一項に記載の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物と、薬学的に許容される担体とを含む医薬組成物。
(項目138)
MEKによって媒介される疾患または状態を処置する方法であって、それを必要とする個体に治療有効量の項目1から136のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を投与するステップを含む、方法。
(項目139)
前記疾患または状態が、癌、慢性炎症性疾患、皮膚疾患、糖尿病、眼疾患、脈管形成、血管形成または慢性疼痛である、項目138に記載の方法。
(項目140)
前記疾患または状態が、関節リウマチまたは炎症性腸疾患である、項目138に記載の方法。
(項目141)
癌を処置する方法であって、それを必要とする個体に治療有効量の項目1から136のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を投与するステップを含む、方法。
(項目142)
前記癌が、結腸癌、結腸直腸癌、肺癌、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌または皮膚癌である、項目141に記載の方法。
(項目143)
MEKカスケードによって調節される疾患または状態の処置のための医薬の製造における、項目1から136のいずれか一項に記載の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物の使用。
(項目144)
癌の処置のための医薬の製造における、項目1から136のいずれか一項に記載の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物の使用。
(項目145)
項目1から136のいずれか一項に記載の化合物またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を含むキット。
(項目146)
式(J)の化合物またはその塩を作製する方法であって、式(G)の化合物またはその塩を、式RO−N(R)Hのヒドロキシルアミン誘導体またはその塩とカップリングするステップ
【化279】
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(式中、X、X、R、R、R、R、R、RおよびRは項目1に定義されている通りであり、R14は水素、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)を含む方法。
(項目147)
がNであり、XがSである、
【化280】
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項目146に記載の方法。
(項目148)
式(F−1a)の化合物またはその塩を式(G−1a)の化合物またはその塩へ転換させるステップ
【化281】
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(式中、R15は、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)をさらに含む、項目147に記載の方法。
(項目149)
式(F−1a)の化合物またはその塩をジアゾ化するステップを含む、項目148に記載の方法。
(項目150)
がCR11であり、XがOである、
【化282】
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(式中、R11は項目1に定義されている通りである)
項目146に記載の方法。
(項目151)
式(F−2a)の化合物またはその塩を式(G−2a)の化合物またはその塩へ転換させるステップ
【化283】
[この文献は図面を表示できません]

をさらに含む、項目150に記載の方法。
(項目152)
11が水素であり、ギ酸のオルトエステルを式(F−2a)の化合物またはその塩と接触させるステップを含む、項目151に記載の方法。
(項目153)
がCR11であり、XがSである、
【化284】
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(式中、R11は項目1に定義されている通りである)
項目146に記載の方法。
(項目154)
式(F−3a)の化合物またはその塩を式(G−3a)の化合物またはその塩へ転換させるステップ
【化285】
[この文献は図面を表示できません]

をさらに含む、項目153に記載の方法。
(項目155)
式(F−1a)の化合物またはその塩を式(F−3a)の化合物またはその塩へ転換させるステップ
【化286】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R15は、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)をさらに含む、項目154に記載の方法。
(項目156)
式(F−1a)の化合物またはその塩を、式(F−3a’)の中間体またはその塩を経由して、
【化287】
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式(F−3a)の化合物またはその塩に転換させる、項目155に記載の方法。
(項目157)
11が水素であり、ギ酸のオルトエステルを式(F−3a)の化合物またはその塩と反応させるステップを含む、項目154から156のいずれか一項に記載の方法。
(項目158)
式(J−1a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム1A
【化288】
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(式中、R、R、R、R、RおよびRは項目1に定義されている通りであるが、ただし、Rはハロ以外であり、R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法。
(項目159)
がハロである式(J−1a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム1B
【化289】
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(式中、R、R、R、RおよびRは項目1に定義されている通りであり、R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法。
(項目160)
式(J−2a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム2A
【化290】
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(式中、R、R、R、R、R、RおよびR11は項目1に定義されている通りであるが、ただし、Rはハロ以外であり、R14は水素、アリルまたはR13であり、R12およびR13はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法。
(項目161)
がハロである式(J−2a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム2B
【化291】
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(式中、R、R、R、R、RおよびR11は項目1に定義されている通りであり、R14は水素、アリルまたはR13であり、R12およびR13はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法。
(項目162)
式(J−3a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム3A
【化292】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R、R、R、R、RおよびR11は項目1に定義されている通りであるが、ただし、Rはハロ以外であり、R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法。
(項目163)
式(J−3a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム3A
【化293】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R、R、R、R、RおよびR11は項目1に定義されている通りであるが、ただし、Rはハロ以外であり、R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法。
(項目164)
がハロである式(J−3a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム3B
【化294】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R、R、R、RおよびR11は項目1に定義されている通りであり、R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法。
(項目165)
がハロである式(J−3a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム3B−1
【化295】
[この文献は図面を表示できません]

(式中、R、R、R、R、RおよびR11は項目1に定義されている通りであり、R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1図1は、ヒト結腸HT−29細胞のマウス異種移植モデルにおける、化合物1、3、9、11、17および19の抗腫瘍効果を示す図である。
【0016】
図2図2は、COLO−205異種移植モデルにおける、化合物1、3、9、11、17および19の抗腫瘍効果を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0017】
発明の詳細な説明
定義
本明細書で使用するために、別段の明らかな指定のない限り、「1つの(a)」、「1つの(an)」などの用語の使用は1つであることまたは1つより多いことを指す。
【0018】
本明細書での「約(about)」のついた値またはパラメーターへの言及は、その値またはパラメーターそれ自体を対象とする実施形態を含む(および説明する)。例えば、「約X」に関する説明は「X」の説明を含む。
【0019】
「ハロ」または「ハロゲン」という用語は、単独で、または別の置換基の一部として、フルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードを指し、それらを含む。
【0020】
「アルキル」という用語は、単独で、または別の置換基の一部として、指定された炭素原子数を有する(すなわち、C〜C10は1個〜10個の炭素を意味する)飽和直鎖状(すなわち、非分枝鎖状)または分枝鎖状炭化水素基を指し、それらを含む。特定のアルキル基は1個〜10個の炭素原子(「C〜C10アルキル」)を有するものである。より特定のアルキル基は、1個〜6個の炭素原子(「C〜Cアルキル」)、1個〜4個の炭素原子(「C〜Cアルキル」)、1個〜3個の炭素原子(「C〜Cアルキル」)または1個〜2個の炭素原子(「C〜Cアルキル」)を有するものである。「C〜C10アルキル」の例には、これらに限定されないが、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル、n−ノニル、およびn−デシルなどが含まれる。
【0021】
「アルケニル」という用語は、単独で、または別の置換基の一部として、指定された炭素原子数を有する(すなわち、C〜C10は2個〜10個の炭素を意味する)、少なくとも1つの炭素−炭素二重結合を含む不飽和直鎖状(すなわち、非分枝鎖状)または分枝鎖状炭化水素基を指し、それらを含む。特定のアルケニル基は2個〜10個の炭素原子(「C〜C10アルケニル」)を有するものである。より特定のアルケニル基は、2個〜8個の炭素原子(「C〜Cアルケニル」)または2個〜6個の炭素原子(「C〜Cアルケニル」)を有するものである。「C〜C10アルケニル」の例には、これらに限定されないが、エテニル、1−プロペニル、2−プロペニル、1−メチルエテニル、ブタ−1−エン−1−イル、ブタ−2−エン−1−イル、ブタ−3−エン−1−イル、1−メチル−1−プロペニル、2−メチル−1−プロペニル、1−メチル−2−プロペニル、2−メチル−2−プロペニル、ペンタ−1−エン−1−イル、ペンタ−2−エン−1−イル、ペンタ−3−エン−1−イル、ペンタ−4−エン−1−イル、1−メチル−1−ブテニル、2−メチル−1−ブテニル、3−メチル−1−ブテニル、1−メチル−2−ブテニル、2−メチル−2−ブテニル、3−メチル−2−ブテニル、1−メチル−3−ブテニル、2−メチル−3−ブテニル、3−メチル−3−ブテニル、1,1−ジメチル−2−プロペニル、1,2−ジメチル−1−プロペニル、1,2−ジメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−プロペニル、1−エチル−2−プロペニル、ヘキサ−1−エン−1−イル、ヘキサ−2−エン−1−イル、ヘキサ−3−エン−1−イル、ヘキサ−4−エン−1−イル、ヘキサ−5−エン−1−イル、1−メチル−1−ペンテニル、2−メチル−1−ペンテニル、3−メチル−1−ペンテニル、4−メチル−1−ペンテニル、1−メチル−2−ペンテニル、2−メチル−2−ペンテニル、3−メチル−2−ペンテニル、4−メチル−2−ペンテニル、1−メチル−3−ペンテニル、2−メチル−3−ペンテニル、3−メチル−3−ペンテニル、4−メチル−3−ペンテニル、1−メチル−4−ペンテニル、2−メチル−4−ペンテニル、3−メチル−4−ペンテニル、4−メチル−4−ペンテニル、1,1−ジメチル−2−ブテニル、1,1−ジメチル−3−ブテニル、1,2−ジメチル−1−ブテニル、1,2−ジメチル−2−ブテニル、1,2−ジメチル−3−ブテニル、1,3−ジメチル−1−ブテニル、1,3−ジメチル−2−ブテニル、1,3−ジメチル−3−ブテニル、2,2−ジメチル−3−ブテニル、2,3−ジメチル−1−ブテニル、2,3−ジメチル−2−ブテニル、2,3−ジメチル−3−ブテニル、3,3−ジメチル−1−ブテニル、3,3−ジメチル−2−ブテニル、1−エチル−1−ブテニル、1−エチル−2−ブテニル、1−エチル−3−ブテニル、2−エチル−1−ブテニル、2−エチル−2−ブテニル、2−エチル−3−ブテニル、1,1,2−トリメチル−2−プロペニル、1−エチル−1−メチル−2−プロペニル、1−エチル−2−メチル−1−プロペニル、および1−エチル−2−メチル−2−プロペニルなどが含まれる。
【0022】
「アルキニル」という用語は、単独で、または別の置換基の一部として、指定された炭素原子数を有する(すなわち、C〜C10は2個〜10個の炭素を意味する)、少なくとも1つの炭素−炭素三重結合を含む不飽和直鎖状(すなわち、非分枝鎖状)または分枝鎖状炭化水素基を指し、それらを含む。特定のアルキニル基は、2個〜10個の炭素原子(「C〜C10アルキニル」)を有するものである。より特定のアルケニル基は、2個〜8個の炭素原子(「C〜Cアルキニル」)または2個〜6個の炭素原子(「C〜Cアルキニル」)を有するものである。「C〜C10アルキニル」の例には、これらに限定されないが、エチニル、1−プロピニル、2−プロピニル、ブタ−1−イン−1−イル、ブタ−2−イン−1−イル、ブタ−3−イン−1−イル、1−メチル−2−プロピニル、ペンタ−1−イン−1−イル、ペンタ−2−イン−1−イル、ペンタ−3−イン−1−イル、ペンタ−4−イン−1−イル、1−メチル−2−ブチニル、1−メチル−3−ブチニル、2−メチル−3−ブチニル、3−メチル−1−ブチニル、1,1−ジメチル−2−プロピニル、1−エチル−2−プロピニル、ヘキサ−1−イン−1−イル、ヘキサ−2−イン−1−イル、ヘキサ−3−イン−1−イル、ヘキサ−4−イン−1−イル、ヘキサ−5−イン−1−イル、1−メチル−2−ペンチニル、1−メチル−3−ペンチニル、1−メチル−4−ペンチニル、2−メチル−3−ペンチニル、2−メチル−4−ペンチニル、3−メチル−1−ペンチニル、3−メチル−4−ペンチニル、4−メチル−1−ペンチニル、4−メチル−2−ペンチニル、1,1−ジメチル−2−ブチニル、1,1−ジメチル−3−ブチニル、1,2−ジメチル−3−ブチニル、2,2−ジメチル−3−ブチニル、3,3−ジメチル−1−ブチニル、1−エチル−2−ブチニル、1−エチル−3−ブチニル、2−エチル−3−ブチニル、および1−エチル−1−メチル−2−プロピニルなどが含まれる。
【0023】
「シクロアルキル」という用語は、単独で、または別の置換基の一部として、指定された炭素原子数を有する(すなわち、C〜C10は3個〜10個の炭素を意味する)飽和単環式炭化水素基を指し、それらを含む。特定のシクロアルキル基は3個〜10個の炭素原子(「C〜C10シクロアルキル」)を有するものである。より特定のシクロアルキル基は、3個〜8個の炭素原子(「C〜Cシクロアルキル」)、3個〜6個の炭素原子(「C〜Cシクロアルキル」)または3個〜4個の炭素原子(「C〜Cシクロアルキル」)を有するものである。「C〜C10シクロアルキル」の例には、これらに限定されないが、シクロプロピル、シクロペンチル、およびシクロヘキシルなどが含まれる。
【0024】
「アリール」という用語は、単独で、または別の置換基の一部として、指定された環状炭素原子数を有する(すなわち、C〜C14は6個〜14個の炭素を意味する)、単環式または多環式芳香族炭化水素基を指し、それらを含む。特定のアリール基は、6個〜14個の環状炭素原子(「C〜C14アリール」)を有するものである。「C〜C14アリール」の例には、これらに限定されないが、フェニル、ナフチル、およびアントラセニルなどが含まれる。いくつかの実施形態では、アリールは、単環(例えば、フェニル)を含むことができる。いくつかの実施形態では、アリールは複数の環(例えば、ビフェニル)を含むことができる。いくつかの実施形態では、アリールは、縮合環の少なくとも1つが芳香族である複数縮合環(例えば、1,2,3,4−テトラヒドロナフチルおよびナフチル)を含むことができる。
【0025】
本明細書で用いる「C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキル」という用語は、C〜C10シクロアルキル部分で置換されているC〜C10アルキル部分を指す。「C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキル」の例には、これらに限定されないが、シクロプロピルメチルなどが含まれる。
【0026】
本明細書で用いる「C〜C14アリールC〜C10アルキル」という用語は、C〜C14アリール部分で置換されているC〜C10アルキル部分を指す。「C〜C14アリールC〜C10アルキル」の例には、これらに限定されないが、ベンジルおよびフェニルエチルなどが含まれる。
【0027】
本明細書で用いる「ヘテロシクリル」または「複素環」という用語は、指定された環状炭素原子数を有し(すなわち、C〜C10は3個〜10個の環状炭素原子を意味する)、かつ、N、SもしくはOから選択される同じかまたは異なっているヘテロ原子の少なくとも1つまたは複数を含む完全に飽和、部分的に飽和もしくは完全に不飽和または芳香族であり得る単環式または二環式基を指すが、ただし、少なくとも1個の環状炭素原子が存在し、2個の環状酸素原子が存在する場合には、それらは直接隣接する位置を占有しない。「ヘテロシクリル」または「複素環」は、O、SおよびNから選択される1個〜4個のヘテロ原子を含む3〜15員の飽和または部分不飽和環であり得、この環は、単環式であっても、二環式であっても、三環式であってもよく、少なくとも1個の環状炭素原子ならびに1個〜3個の窒素原子および/または1個の酸素原子もしくは硫黄原子または1個もしくは2個の酸素原子および/または硫黄原子を含む。ただし、1個超の環状酸素原子が存在する場合、それらは直接隣接する位置を占有しないものとする。「ヘテロシクリル」または「複素環」の例には、これらに限定されないが、2−オキシラニル、2−アジリジニル、2−テトラヒドロフラニル、3−テトラヒドロフラニル、2−テトラヒドロチエニル、3−テトラヒドロチエニル、2−ピロリジニル、3−ピロリジニル、3−イソオキサゾリニル、4−イソオキサゾリニル、5−イソオキサゾリニル、3−イソチアゾリニル、4−イソチアゾリニル、5−イソチアゾリニル、3−ピラゾリニル、4−ピラゾリニル、5−ピラゾリニル、2−オキサゾリニル、4−オキサゾリニル、5−オキサゾリニル、2−チアゾリニル、4−チアゾリニル、5−チアゾリニル、2−イミダゾリニル、4−イミダゾリニル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−トリアゾール−2−イル、2,3−ジヒドロフラン−2−イル、2,3−ジヒドロフラン−3−イル、2,4−ジヒドロフラン−2−イル、2,4−ジヒドロフラン−3−イル、2,3−ジヒドロチオフェン−2−イル、2,3−ジヒドロチオフェン−3−イル、2,4−ジヒドロチオフェン−2−イル、2,4−ジヒドロチオフェン−3−イル、2−ピロリン−2−イル、2−ピロリン−3−イル、3−ピロリン−2−イル、3−ピロリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−3−イル、3−イソオキサゾリン−3−イル、4−イソオキサゾリン−3−イル、2−イソオキサゾリン−4−イル、3−イソオキサゾリン−4−イル、4−イソオキサゾリン−4−イル、2−イソオキサゾリン−5−イル、3−イソオキサゾリン−5−イル、4−イソオキサゾリン−5−イル、2−イソチアゾリン−3−イル、3−イソチアゾリン−3−イル、4−イソチアゾリン−3−イル、2−イソチアゾリン−4−イル、3−イソチアゾリン−4−イル、4−イソチアゾリン−4−イル、2−イソチアゾリン−5−イル、3−イソチアゾリン−5−イル、4−イソチアゾリン−5−イル、2,3−ジヒドロピラゾリン−1−イル、2,3−ジヒドロピラゾリン−2−イル、2,3−ジヒドロピラゾリン−3−イル、2,3−ジヒドロピラゾリン−4−イル、2,3−ジヒドロピラゾリン−5−イル、3,4−ジヒドロピラゾリン−1−イル、3,4−ジヒドロピラゾリン−3−イル、3,4−ジヒドロピラゾリン−4−イル、3,4−ジヒドロピラゾリン−5−イル、4,5−ジヒドロピラゾリン−1−イル、4,5−ジヒドロピラゾリン−3−イル、4,5−ジヒドロピラゾリン−4−イル、4,5−ジヒドロピラゾリン−5−イル、2,3−ジヒドロオキサゾリン−2−イル、2,3−ジヒドロオキサゾリン−3−イル、2,3−ジヒドロオキサゾリン−4−イル、2,3−ジヒドロオキサゾリン−5−イル、3,4−ジヒドロオキサゾリン−2−イル、3,4−ジヒドロオキサゾリン−3−イル、3,4−ジヒドロオキサゾリン−4−イル、3,4−ジヒドロオキサゾリン−5−イル、4,5−ジヒドロオキサゾリン−2−イル、4,5−ジヒドロオキサゾリン−3−イル、4,5−ジヒドロオキサゾリン−4−イル、ピペリジン−2−イル、ピペリジン−3−イル、ピペリジン−4−イル、1,3−ジオキサン−5−イル、テトラヒドロピラン−2−イル、テトラヒドロピラン−4−イル、テトラヒドロチオフェン−2−イル、ヘキサヒドロジアジン−3−イル、ヘキサヒドロジアジン−4−イル、ヘキサヒドロピリミジン−2−イル、ヘキサヒドロピリミジン−4−イル、ヘキサヒドロピリミジン−5−イル、ピペラジン−2−イル、1,3,5−トリアジナン−2−イル、および1,2,4−トリアジナン−3−イルなどが含まれる。
【0028】
本明細書で用いる「ヘテロアリール」という用語は、本明細書で定義する芳香族のヘテロシクリルまたは複素環を指す。「ヘテロアリール」の例には、これらに限定されないが、2−フラニル、3−フラニル、チオフェン−2−イル、チオフェン−3−イル、1H−ピロール−2−イル、1H−ピロール−3−イル、イソオキサゾール−3−イル、イソオキサゾール−4−イル、イソオキサゾール−5−イル、イソチアゾール−3−イル、イソチアゾール−4−イル、イソチアゾール−5−イル、1H−ピラゾール−3−イル、1H−ピラゾール−4−イル、1H−ピラゾール−5−イル、オキサゾール−2−イル、オキサゾール−4−イル、オキサゾール−5−イル、チアゾール−2−イル、チアゾール−4−イル、チアゾール−5−イル、1H−イミダゾール−2−イル、1H−イミダゾール−4−イル、1,2,4−オキサジアゾール−3−イル、1,2,4−オキサジアゾール−5−イル、1,2,4−チアジアゾール−3−イル、1,2,4−チアジアゾール−5−イル、1,2,4−トリアゾール−3−イル、1,3,4−チアジアゾール−2−イル、1,3,4−オキサジアゾール−2−イル、1,3,4−トリアゾール−2−イル、1H−ピロール−1−イル、1H−ピラゾール−1−イル、1,2,4−トリアゾール−1−イル、イミダゾール−1−イル、1,2,3−トリアゾール−1−イル、1,3,4−トリアゾール−1−イル、ピリジン−2−イル、ピリジン−3−イル、ピリジン−4−イル、ジアジン−2−イル、ピリミジン−2−イル、ピリミジン−4−イル、ピリミジン−5−イル、ピラジン−2−イル、1,3,5−トリアジン−2−イル、1,2,4−トリアジン−3−イル、1,2,4,5−テトラジン−3−イル、インドール−1−イル、インドール−2−イル、インドール−3−イル、インドール−4−イル、インドール−5−イル、インドール−6−イル、インドール−7−イル、ベンゾ[d]イミダゾール−1−イル、ベンゾ[d]イミダゾール−2−イル、ベンゾ[d]イミダゾール−4−イル、ベンゾ[d]イミダゾール−5−イル、インダゾール−1−イル、インダゾール−2−イル、インダゾール−3−イル、インダゾール−4−イル、インダゾール−5−イル、インダゾール−6−イル、インダゾール−7−イル、ベンゾフラン−2−イル、ベンゾフラン−3−イル、ベンゾフラン−4−イル、ベンゾフラン−5−イル、ベンゾフラン−6−イル、ベンゾフラン−7−イル、ベンゾ[b]チオフェン−2−イル、ベンゾ[b]チオフェン−3−イル、ベンゾ[b]チオフェン−4−イル、ベンゾ[b]チオフェン−5−イル、ベンゾ[b]チオフェン−6−イル、ベンゾ[b]チオフェン−7−イル、ベンゾ[d]チアゾール−2−イル、ベンゾ[d]チアゾール−4−イル、ベンゾ[d]チアゾール−5−イル、ベンゾ[d]チアゾール−6−イル、ベンゾ[d]チアゾール−7−イル、ベンゾ[d]オキサゾール−2−イル、ベンゾ[d]オキサゾール−4−イル、ベンゾ[d]オキサゾール−5−イル、ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル、ベンゾ[d]オキサゾール−7−イル、キノリン−2−イル、キノリン−3−イル、キノリン−4−イル、キノリン−5−イル、キノリン−6−イル、キノリン−7−イル、キノリン−8−イル、イソキノリン−1−イル、イソキノリン−3−イル、イソキノリン−4−イル、イソキノリン−5−イル、イソキノリン−6−イル、イソキノリン−7−イル、およびイソキノリン−8−イルなどが含まれる。
【0029】
本明細書で用いる「ヘテロシクリルC〜C10アルキル」という用語は、ヘテロシクリル部分で置換されているC〜C10アルキル部分を指す。「ヘテロシクリルC〜C10アルキル」の例には、これに限定されないが、テトラヒドロフラニルメチルなどが含まれる。
【0030】
本明細書で用いる「ヘテロアリールC〜C10アルキル」という用語は、ヘテロアリール部分で置換されているC〜C10アルキル部分を指す。「ヘテロアリールC〜C10アルキル」の例には、これらに限定されないが、オキサゾリルメチルおよびピリジルエチルなどが含まれる。
【0031】
「溶媒和物」という用語は、クーロン力、ファンデルワールス力、電荷−双極子相互作用および水素結合などの分子間力を介して、溶質分子(本発明の化合物など)またはイオンと1つもしくは複数の溶媒分子によって形成される会合体(aggregate)を指す。溶媒が水である場合、その溶媒和物は「水和物」と称される。
【0032】
別段の明らかな指定のない限り、本明細書で用いる「個体(individual)」は、ヒトを含むがこれに限定されない哺乳動物を表すものとする。本発明は、ヒト医学と獣医学の背景の両方において有用であり得る。
【0033】
本発明の化合物に関して、「投与(administration)」という用語およびその変形体(例えば、「投与すること(administering)」)は、該化合物または該化合物のプロドラッグを、処置を必要とする動物の系に導入することを意味する。
【0034】
本明細書で用いる「治療有効量」という用語は、研究者、獣医、医師または他の臨床医によって探究されている組織、系、動物またはヒトにおいて、生物学的または医薬的応答を誘発する活性な化合物または医薬品の量を意味する。
【0035】
「処置」という用語は、病的状態に苦しむ哺乳動物の処置を指し、例えば癌性細胞を死滅させることによってその状態を緩和する効果を指すが、また、その状態の進行の阻害をもたらす効果も指し、この用語は、進行速度の低下、進行速度の停止、その状態の改善およびその状態の治癒を含む。
【0036】
「予防(prevention)」という用語は、個体における疾患の発現または再発に関して予防を提供することを含む。個体は、その疾患にかかりやすくてもよく、その影響を受けやすくてもよく、その疾患を発症するリスクがあってもよいが、依然としてその疾患と診断されていない。
【0037】
本明細書で用いる「薬学的に許容される」という用語は、妥当な医学的判断の範囲内で、過度の毒性も炎症もアレルギー反応も他の問題も他の合併症も伴うことなく、被験体(例えば、ヒト)の組織と接触させて使用するのに適しており、かつ、合理的な便益/リスク比に相応している化合物、材料、組成物および/または剤形に関係する。担体、添加剤等も各々、その製剤の他の成分と適合するという意味で「許容」されなければならない。
【0038】
別段の指定のない限り、本明細書で用いる「薬学的に許容される塩」という用語は、過度の有害な作用を伴うことなく、被験体(例えば、ヒト)の組織と接触させて使用するのに適している塩を指す。いくつかの実施形態では、薬学的に許容される塩には、酸性基(例えば、これらに限定されないが、カリウム塩、ナトリウム塩、マグネシウム塩、およびカルシウム塩など)または塩基性基(例えば、これらに限定されないが、硫酸塩、塩酸塩、リン酸塩、硝酸塩、および炭酸塩など)を有する本発明の化合物の塩が含まれる。
【0039】
化合物
本発明による化合物を、発明の簡単な要旨および添付の特許請求の範囲を含む本明細書で詳述する。本発明は、任意の合成中間体を含む、本明細書で詳述するすべての化合物およびその使用を包含する。本発明は、本明細書で説明する化合物の幾何異性体(cis/trans)、塩および溶媒和物を含むあらゆる立体異性体を含む本明細書で説明する化合物のすべての使用、ならびにそうした化合物を作製する方法を含む。
【0040】
一態様では、式(I)の化合物
【化3】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
はCR11またはNであり、
はO、Sまたはカルボニルであり、
、R、RおよびRは独立に、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)R、−C(O)OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
はC〜C10アルキルまたはC〜C14アリールであり、
、RおよびRはそれぞれ独立に、水素またはC〜C10アルキルであり、
は、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)Rまたは−NHSO10であり、
およびRはそれぞれ独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
は、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C14アリールであり、
10は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルであり、
〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキル部分はそれぞれ、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトからなる群から独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよい)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。
【0041】
いくつかの実施形態では、化合物は、XがCHであり、XがOまたはSであり、Rがメチルまたはクロロであり、Rが水素であり、Rがヨードである場合、Rは−NHSO10または−C(O)N(R)OR(Rは、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである)であるという条件で、式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0042】
別の態様では、式(I)の化合物
【化4】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、
はCR11またはNであり、
はO、Sまたはカルボニルであり、
、R、RおよびRは独立に、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)R、−C(O)OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
はC〜C10アルキルまたはC〜C14アリールであり、
、RおよびRはそれぞれ独立に、水素またはC〜C10アルキルであり、
は、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)Rまたは−NHSO10であり、
およびRはそれぞれ独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
は、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C14アリールであり、
10は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキル、ハロ、C〜C10アルコキシまたはC〜C10アルキルチオであり、
〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキル部分はそれぞれ、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトからなる群から独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよいが、
ただし、XがCHであり、XがOまたはSであり、Rがメチルまたはクロロであり、Rが水素であり、Rがヨードである場合、Rは−NHSO10または−C(O)N(R)ORであり、Rは少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である化合物を提供する。
【0043】
いくつかの実施形態では、化合物は、XがNまたはCR11である式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、XはNである。いくつかの実施形態では、XはCR11であり、R11は水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、R11は水素である。これらの実施形態のいくつかでは、R11はC〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルである。いくつかの他の実施形態では、R11はハロ、C〜C10アルコキシまたはC〜C10アルキルチオである。
【0044】
いくつかの実施形態では、化合物は、XがO、Sまたはカルボニルである式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、XはSである。いくつかの実施形態では、XはOである。いくつかの実施形態では、Xはカルボニルである。
【0045】
式(I)について記載したXのあらゆる変形体は、あらゆる組合せが個別に記載されているかのように、式(I)について記載したXのあらゆる変形体と組み合わせることができることが意図され、理解される。例えば、いくつかの実施形態では、XはNであり、XはSである。いくつかの実施形態では、XはNであり、XはOまたはカルボニルである。いくつかの実施形態では、XはCR11であり、XはOまたはSである。1つの変形体では、XはCR11であり、XはOである。他の変形体では、XはCR11であり、XはSである。いくつかの実施形態では、XはCHであり、XはOまたはSである。1つの変形体では、XはCHであり、XはOである。他の変形体では、XはCHであり、XはSである。
【0046】
いくつかの実施形態では、化合物は、Rが、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、Rはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。いくつかの実施形態では、Rは、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、アミノまたはカルボキシである。いくつかの実施形態では、Rは、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシC〜C10アルキルチオまたはハロ置換C〜C10アルキルチオである。いくつかの実施形態では、Rは、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、非置換もしくは置換C〜C10アルケニル、非置換もしくは置換C〜C10アルキニルまたは非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは非置換C〜C10アルキル(例えば、メチル)である。
【0047】
いくつかの実施形態では、Rは水素、ハロまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、ハロまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、フルオロ、クロロ、ブロモまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、フルオロ、クロロまたはメチルである。
【0048】
いくつかの実施形態では、化合物は、Rが、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノまたはカルボキシである。いくつかの実施形態では、Rは、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである。
【0049】
いくつかの実施形態では、Rは水素、ハロまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、ハロまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、フルオロ、クロロ、ブロモまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、フルオロ、クロロまたはメチルである。
【0050】
いくつかの実施形態では、化合物は、Rが、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)R、−C(O)OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、Rはハロまたはシアノである。いくつかの実施形態では、Rはハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)である。いくつかの実施形態では、Rはニトロ、アジド、ヒドロキシまたはメルカプト、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、RがC〜C10アルキルまたはC〜C14アリールである−SOである。1つの変形体では、Rは非置換または置換C〜C10アルキル(例えば、メチル)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−SON(R)Rであり、RおよびRは独立に水素またはC〜C10アルキルである。1つの変形体では、Rは、−SON(R)Rであり、RおよびRはそれぞれ独立に非置換または置換C〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−N(R)Rであり、RおよびRは独立に水素またはC〜C10アルキルである。1つの変形体では、Rは、−N(R)Rであり、RおよびRはそれぞれ独立に水素またはメチルである。1つの特定の変形体では、RはNMeである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−C(O)ORであり、Rは水素またはC〜C10アルキルである。1つの変形体では、Rは、−C(O)ORであり、Rは水素である(すなわち、Rはカルボキシである)。他の変形体では、Rは、−C(O)ORであり、Rは非置換または置換C〜C10アルキル(例えば、メチルまたはエチル)である。いくつかの実施形態では、RはC〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ(例えば、メチルチオ)またはハロ置換C〜C10アルキルチオである。いくつかの実施形態では、Rは、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、非置換C〜C10アルキル、または、ハロ置換C〜C10アルキル(例えば、トリフルオロメチル)などの置換C〜C10アルキルである。
【0051】
いくつかの実施形態では、Rは、水素、ハロ、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキル、ハロ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルキルチオ、ハロ置換C〜Cアルコキシまたはハロ置換C〜Cアルキルチオである。いくつかの実施形態では、Rはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C〜Cアルキル、ハロ置換C〜Cアルキル、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルチオ、ハロ置換C〜Cアルコキシまたはハロ置換C〜Cアルキルチオである。いくつかの実施形態では、Rはブロモ、ヨード、C〜Cアルキルチオ、ハロ置換C〜Cアルキルチオ、C〜Cアルコキシ、ハロ置換C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルまたはハロ置換C〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rはブロモ、ヨード、メチル、メトキシ、メチルチオ、トリフルオロメチル、トリフルオロメトキシまたはトリフルオロメチルチオである。
【0052】
いくつかの実施形態では、化合物は、Rが、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rはハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、アミノまたはカルボキシである。いくつかの実施形態では、RはC〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオまたはハロ置換C〜C10アルキルチオである。いくつかの実施形態では、RはC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである。
【0053】
いくつかの実施形態では、Rは水素、ハロまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素またはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素またはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素である。
【0054】
いくつかの実施形態では、化合物は、Rが、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、アミノ、カルボキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、Rは、水素またはハロ、または非置換もしくは置換C〜C10アルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、水素である。いくつかの実施形態では、Rは、フルオロである。いくつかの実施形態では、Rは、C〜C10アルキル(例えば、メチル)である。いくつかの実施形態では、Rは、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、アミノまたはカルボキシである。いくつかの実施形態では、Rは、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオまたはハロ置換C〜C10アルキルチオである。いくつかの実施形態では、Rは、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルである。
【0055】
いくつかの実施形態では、Rは水素、ハロまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、ハロまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、フルオロ、クロロ、ブロモまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは水素、フルオロ、クロロまたはメチルである。
【0056】
式(I)について記載したR、R、R、RまたはRのあらゆる変形体は、あらゆる組合せが個別に記載されているかのように、R、R、R、RおよびRの他の1つまたは複数のあらゆる変形体および/または式(I)について記載したXおよびXのあらゆる変形体と組み合わせることができることが意図され、理解される。例えば、いくつかの実施形態では、XがNであり、XがSであり、Rがハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、Rが水素であり、Rがハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)であり、Rが水素であり、Rがフルオロである式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物が提供される。これらの実施形態のいくつかでは、XはNであり、XはSであり、Rはフルオロであり、Rは水素であり、Rはヨードであり、Rは水素であり、Rはフルオロである。これらの実施形態のいくつかでは、XはNであり、XはSであり、Rはクロロであり、Rは水素であり、Rはブロモであり、Rは水素であり、Rはフルオロである。いくつかの実施形態では、XはCR11(R11は水素である)であり、XはSであり、Rはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、Rは水素であり、Rはハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)であり、Rは水素であり、Rはフルオロである。これらの実施形態のいくつかでは、XはCHであり、XはSであり、Rはフルオロであり、Rは水素であり、Rはヨードであり、Rは水素であり、Rはフルオロである。これらの実施形態のいくつかでは、XはCHであり、XはSであり、Rはクロロであり、Rは水素であり、Rはブロモであり、Rは水素であり、Rはフルオロである。いくつかの実施形態では、XはCR11(R11は水素である)であり、XはOであり、Rはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、Rは水素であり、Rはハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)であり、Rは水素であり、Rはフルオロである。これらの実施形態のいくつかでは、XはCHであり、XはOであり、Rはフルオロであり、Rは水素であり、Rはヨードであり、Rは水素であり、Rはフルオロである。これらの実施形態のいくつかでは、XはCHであり、XはOであり、Rはクロロであり、Rは水素であり、Rはブロモであり、Rは水素であり、Rはフルオロである。
【0057】
いくつかの実施形態では、化合物は、Rが−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)Rまたは−NHSO10である式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。いくつかの実施形態では、Rは−C(O)ORである。いくつかの実施形態では、Rは−C(O)NRである。いくつかの実施形態では、Rは、−C(O)N(R)ORであり、RおよびRはそれぞれ独立に水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは水素、非置換もしくは置換C〜C10アルキルまたは非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、RはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキル(例えば、シクロプロピルメチル)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは置換C〜C10アルキル、例えば少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、2−ヒドロキシエチル、(R)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、(S)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、(R)−2,3−ジヒドロキシプロピル、(S)−2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、非置換もしくは置換C〜C10アルケニルまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキニルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは水素または非置換もしくは置換C〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、RはC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、−C(O)Rであり、Rは非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは、−NHSO10であり、R10はC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、R10は非置換もしくは置換C〜C10アルキルまたは任意選択で置換されているC〜C10シクロアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、R10はC〜C10アルキルまたはC〜C10シクロアルキル(例えば、シクロプロピル)である。これらの実施形態のいくつかでは、R10は、非置換もしくは置換C〜C10アルキルC〜C10シクロアルキル、例えば少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、R10は、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキル(例えば、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピル)である。これらの実施形態のいくつかでは、R10は、(R)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピル)または(S)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピル)である。これらの実施形態のいくつかでは、R10は、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである。
【0058】
いくつかの実施形態では、Rは−C(O)N(R)OR、−C(O)NRまたは−NHSO10であり;RおよびRはそれぞれ独立に、水素、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアルキルC〜CアルキルまたはC〜CアルキルC〜Cシクロアルキルであり;R10はC〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアルキルC〜CアルキルまたはC〜CアルキルC〜Cシクロアルキルであり;C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアルキルC〜CアルキルおよびC〜CアルキルC〜Cシクロアルキル基のそれぞれは置換されていなくても、ヒドロキシおよびメルカプトからなる群から選択される1個または複数の基で置換されていてもよい。いくつかの実施形態では、Rは−C(O)N(R)OR、−C(O)NRまたは−NHSO10であり;RおよびR10はそれぞれ独立に、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアルキルC〜CアルキルまたはC〜CアルキルC〜Cシクロアルキルであり、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアルキルC〜CアルキルまたはC〜CアルキルC〜Cシクロアルキル基のそれぞれは、置換されていなくても、1個〜6個のヒドロキシ基で置換されていてもよく;Rは水素またはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、Rは−C(O)N(R)ORまたは−NHSO10であり;RおよびR10はそれぞれ独立に、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアルキルC〜CアルキルまたはC〜CアルキルC〜Cシクロアルキルであり、C〜Cアルキル、C〜Cシクロアルキル、C〜CシクロアルキルC〜CアルキルまたはC〜CアルキルC〜Cシクロアルキル基のそれぞれは置換されていなくても、1個〜3個のヒドロキシ基で置換されていてもよく;Rは水素である。いくつかの実施形態では、Rは−C(O)NHORまたは−NHSO10であり、RおよびR10はそれぞれ、2−ヒドロキシエチル、2,3−ジヒドロキシプロピル、1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、シクロプロピルおよび1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピルからなる群から独立に選択される。
【0059】
式(I)について記載したRのあらゆる変形体は、あらゆる組合せが個別に記載されているかのように、式(I)について記載したX、X、R、R、R、Rおよび/またはRのあらゆる変形体と組み合わせることができることが意図され、理解される。例えば、いくつかの実施形態では、XがNまたはCR11(R11はHである)であり、XがOまたはSであり、Rがハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、Rが水素であり、Rがハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)であり、Rが水素であり、Rがフルオロであり、Rが−C(O)N(R)OR(Rは少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである)であり、Rが水素である式(I)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。これらの実施形態のいくつかでは、XはNであり、XはSであり、Rはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、Rは水素であり、Rはハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)であり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、Rは、−C(O)NHORであり、Rは1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)である。これらの実施形態のいくつかでは、XはNであり、XはSであり、Rはフルオロであり、Rは水素であり、Rはヨードであり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、Rは−C(O)NHOCHCHOHである。これらの実施形態のいくつかでは、XはNであり、XはSであり、Rはクロロであり、Rは水素であり、Rはブロモであり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、Rは−C(O)NHOCHCHOHである。いくつかの実施形態では、XはCR11(R11は水素である)であり、XはOまたはSであり、Rはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、Rは水素であり、Rはハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)であり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、Rは−C(O)NHORであり、Rは、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)である。これらの実施形態のいくつかでは、XはCHであり、XはSであり、Rはフルオロであり、Rは水素であり、Rはヨードであり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、Rは−C(O)NHOCHCHOHである。これらの実施形態のいくつかでは、XはCHであり、XはSであり、Rはクロロであり、Rは水素であり、Rはブロモであり、Rは水素であり、Rはフルオロである。これらの実施形態のいくつかでは、XはCHであり、XはOであり、Rはフルオロであり、Rは水素であり、Rはヨードであり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、Rは−C(O)NHOCHCHOHである。これらの実施形態のいくつかでは、XはCHであり、XはOであり、Rはクロロであり、Rは水素であり、Rはブロモであり、Rは水素であり、Rはフルオロであり、Rは−C(O)NHOCHCHOHである。
【0060】
式(I−1)の化合物
【化5】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、RおよびRは独立に、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、カルボキシ、−OC(O)H、アミノ、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、カルボキシ、−OC(O)H、アミノ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)(C〜C10シクロアルキル)、−C(O)(C〜C10アルキル)、−C(O)(C〜C14アリール)または−NHSOであり、
およびRはそれぞれ独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキル部分はそれぞれ、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトからなる群から独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよい)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物も提供する。
【0061】
いくつかの実施形態では、式(I−1)の化合物は、式(I−1−a)、(I−1−b)、(I−1−c)または(I−1−d)の化合物
【化6】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびRは式(I−1)について定義されている通りである)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0062】
いくつかの実施形態では、化合物は、R、R、R、R、R、R、RおよびRが、適用できる場合、式(I)またはその任意の適用可能な変形体について定義されている通りである式(I−1)、(I−1−a)、(I−1−b)、(I−1−c)または(I−1−d)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0063】
いくつかの実施形態では、式(I−1)の化合物は、R、R、RおよびRが式(I)、(I−1)またはその任意の適用可能な変形体について定義されている通りである式(I−1−e)の化合物
【化7】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。式(I−1−e)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物のいくつかの特定の実施形態では、Rは、
【化8】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R、RおよびRは表1に記載の通りである。
【表1】
[この文献は図面を表示できません]
【0064】
式(I−2)の化合物
【化9】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、RおよびRは独立に、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、カルボキシ、−OC(O)H、アミノ、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、カルボキシ、−OC(O)H、アミノ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)(C〜C10シクロアルキル)、−C(O)(C〜C10アルキル)、−C(O)(C〜C14アリール)または−NHSOであり、
およびRはそれぞれ独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11は水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルであり、
〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキル部分はそれぞれ、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトからなる群から独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよい)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物も提供する。
【0065】
いくつかの実施形態では、化合物は、R、R、R、R、R、RおよびR11が式(I−2)について定義されている通りである式(I−2)の化合物である。ただし、Rがメチルまたはクロロであり、Rが水素であり、Rがヨードである場合、Rは−NHSO(Rは式(I−2)について定義されている通りである)または−C(O)N(R)OR(Rは少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである)である。
【0066】
いくつかの実施形態では、式(I−2)の化合物は、式(I−2−a)、(I−2−b)、(I−2−c)または(I−2−d)の化合物
【化10】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR11は式(I−2)について定義されている通りである)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0067】
いくつかの実施形態では、化合物は、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR11が、適用できる場合、式(I)またはその任意の適用可能な変形体について定義されている通りである式(I−2)、(I−2−a)、(I−2−b)、(I−2−c)または(I−2−d)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0068】
いくつかの実施形態では、式(I−2)の化合物は、R、R、RおよびRが式(I)、(I−2)またはその任意の適用可能な変形体について定義されている通りである式(I−2−e)の化合物
【化11】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。式(I−2−e)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物のいくつかの特定の実施形態では、Rは、
【化12】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R、RおよびRは表2に指定する通りである。
【表2】
[この文献は図面を表示できません]
【0069】
式(I−3)の化合物
【化13】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、RおよびRは独立に、水素、ハロ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、カルボキシ、−OC(O)H、アミノ、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、水素、ハロ、シアノ、ニトロ、アジド、ヒドロキシ、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、メルカプト、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、カルボキシ、−OC(O)H、アミノ、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキルであり、
は、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)N(R)OR、−C(O)(C〜C10シクロアルキル)、−C(O)(C〜C10アルキル)、−C(O)(C〜C14アリール)または−NHSOであり、
およびRはそれぞれ独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり、
11は水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルであり、
〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルまたはC〜C10シクロアルキル部分はそれぞれ、置換されていなくても、ヒドロキシ、オキソ、ハロ、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、アジド、アミノ、カルボキシおよびメルカプトからなる群から独立に選択される1個または複数の基で置換されていてもよい)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物も提供する。
【0070】
いくつかの実施形態では、化合物は、R、R、R、R、R、RおよびR11が式(I−3)について定義されている通りである式(I−3)の化合物である。ただし、Rがメチルまたはクロロであり、Rが水素であり、Rがヨードである場合、Rは−NHSO(Rは式(I−3)について定義されている通りである)または−C(O)N(R)OR(Rは少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである)である。
【0071】
いくつかの実施形態では、式(I−3)の化合物は、式(I−3−a)、(I−3−b)、(I−3−c)または(I−3−d)の化合物
【化14】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR11は式(I−3)について定義されている通りである)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0072】
いくつかの実施形態では、化合物は、R、R、R、R、R、R、R、RおよびR11が、適用できる場合、式(I)またはその任意の適用可能な変形体について定義されている通りである式(I−3)、(I−3−a)、(I−3−b)、(I−3−c)または(I−3−d)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0073】
いくつかの実施形態では、式(I−3)の化合物は、R、R、RおよびRが式(I)、(I−3)またはその任意の適用可能な変形体について定義されている通りである式(I−3−e)の化合物
【化15】
[この文献は図面を表示できません]
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。式(I−3−e)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物のいくつかの特定の実施形態では、Rは、
【化16】
[この文献は図面を表示できません]
からなる群から選択され、R、RおよびRは表2に指定する通りである。
【0074】
一実施形態では、式(J)の化合物
【化17】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、X、R、R、R、R、R、RおよびRは式(I)またはその任意の変形体について説明した通りである)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。X、X、R、R、R、R、R、RおよびRのあらゆる変形体ならびに式(I)について本明細書で記載したそのあらゆる組合せは、あらゆる変形体および組合せが個別に記載されているかのように、式(J)に適用されることが意図され、理解される。例えば、いくつかの実施形態では、XがNまたはCR11(R11はHである)であり、XがOまたはSであり、Rがハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、Rが水素であり、Rがハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)であり、Rが水素であり、Rがフルオロであり、Rが少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルであり、Rが水素である、式(J)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。
【0075】
一実施形態では、式(J)の化合物は式(J−1)
【化18】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、RおよびRは式(J)もしくは式(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである)
の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。これらの実施形態のいくつかでは、Rはハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり;Rはハロ、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり;Rは水素、ハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり;Rは水素、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキル、または非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルである。
【0076】
いくつかの実施形態では、Rがハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)またはC〜C10アルキル(例えば、メチル)である式(J−1)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、ハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)、置換C〜C10アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ハロ置換C〜C10アルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、C〜C10アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−SOであり、Rは非置換もしくは置換C〜C10アルキル(例えば、SOMe)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−N(R)Rであり、RおよびRは独立に水素またはC〜C10アルキル(例えば、NMe)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−C(O)ORであり、Rは非置換または置換C〜C10アルキル(例えば、COMe)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは水素、ハロ(例えば、フルオロ)またはC〜C10アルキル(例えば、メチル)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは非置換もしくは置換C〜CシクロアルキルC〜Cアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは非置換もしくは置換C〜CシクロアルキルC〜Cアルキル(例えば、シクロプロピルメチル)である。いくつかの特定の実施形態では、化合物は、Rがフルオロまたはクロロであり、Rがヨードまたはブロモであり、Rがフルオロであり、Rがシクロプロピルメチル、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される式(J−1)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、2−ヒドロキシエチル、(R)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、(S)−3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、(R)−2,3−ジヒドロキシプロピル、(S)−2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される。
【0077】
一実施形態では、式(J)の化合物は式(J−2)
【化19】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである)
の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0078】
一実施形態では、式(J)の化合物は式(J−3)
【化20】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである)
の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0079】
いくつかの実施形態では、Rがハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり;Rがハロ、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり;Rが水素、ハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり;Rが少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルであり;R11が水素である式(J−2)または(J−3)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。
【0080】
いくつかの実施形態では、Rがハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)またはC〜C10アルキル(例えば、メチル)である式(J−2)または(J−3)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、ハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)、置換C〜C10アルキル(例えば、トリフルオロメチル)、ハロ置換C〜C10アルコキシ(例えば、トリフルオロメトキシ)、C〜C10アルキルチオ(例えば、メチルチオ)、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−SOであり、Rは非置換または置換C〜C10アルキル(例えば、SOMe)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−N(R)Rであり、RおよびRは独立に水素またはC〜C10アルキル(例えば、NMe)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−C(O)ORであり、Rは非置換または置換C〜C10アルキル(例えば、COMe)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは水素、ハロ(例えば、フルオロ)またはC〜C10アルキル(例えば、メチル)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、少なくとも1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル(例えば、2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピル)である。いくつかの特定の実施形態では、化合物は、Rがフルオロまたはクロロであり、Rがヨードまたはブロモであり、Rがフルオロであり、Rが2−ヒドロキシエチル、3−ヒドロキシ−2−メチルプロピル、2,3−ジヒドロキシプロピルおよび1,3−ジヒドロキシ−2−プロピルからなる群から選択される式(J−2)または(J−3)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0081】
一実施形態では、式(J)の化合物は、式(J−4)
【化21】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、X、RおよびRは式(J)または(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである)
の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。1つの変形体では、XはNであり、XはSである。他の変形体では、XはCHであり、XはOである。さらに他の変形体では、XはCHであり、XはSである。これらの変形体のいくつかでは、Rはフルオロであり、Rはヨードである。これらの変形体のいくつかでは、Rはクロロであり、Rはブロモである。
【0082】
他の実施形態では、化合物は、式(K)
【化22】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、X、X、R、R、R、R、RおよびR10は式(I)またはその任意の変形体について説明した通りである)
の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。X、X、R、R、R、R、RおよびR10のあらゆる変形体ならびに式(I)について本明細書で記載したそのあらゆる組合せは、あらゆる変形体および組合せが個別に記載されているかのように、式(K)に適用されることが意図され、理解される。例えば、いくつかの実施形態では、XがNまたはCR11(R11はHである)であり、XがOまたはSであり、Rがハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)であり、Rが水素であり、Rがハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)であり、Rが水素であり、Rがフルオロであり、R10がC〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、C〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルまたはC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである、式(K)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。1つの変形体では、XはNであり、XはSである。他の変形体では、XはSであり、XはCR11(R11は水素である)、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルである。他の変形体では、XはOであり、XはCR11(R11は水素である)、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキルまたはC〜C10シクロアルキルC〜C10アルキルである。
【0083】
一実施形態では、式(K)の化合物は式(K−1)
【化23】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、RおよびR10は式(K)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである)
の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0084】
一実施形態では、式(K)の化合物は式(K−2)
【化24】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、R10およびR11は式(K)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである)
の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0085】
一実施形態では、式(K)の化合物は式(K−3)
【化25】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、R10およびR11は式(K)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである)
の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物である。
【0086】
いくつかの実施形態では、Rがハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり;Rがハロ、非置換もしくは置換C〜C10アルキル、C〜C10アルコキシ、ハロ置換C〜C10アルコキシ、アシルオキシ、C〜C10アルキルチオ、ハロ置換C〜C10アルキルチオ、−SO、−SON(R)R、−N(R)Rまたは−C(O)ORであり;Rが水素、ハロまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルであり;R10が非置換もしくは置換C〜C10アルキル、非置換もしくは置換C〜C10シクロアルキルまたは非置換もしくは置換C〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルであり;R11は、存在する場合、水素である、式(K−1)、(K−2)または(K−3)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。これらの実施形態のいくつかでは、Rはハロ(例えば、フルオロまたはクロロ)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rはハロ(例えば、ヨードまたはブロモ)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−SOであり、Rは非置換もしくは置換C〜C10アルキル(例えば、SOMe)である。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−N(R)Rであり、RおよびRは独立に水素またはC〜C10アルキルである(例えば、NMe)。これらの実施形態のいくつかでは、Rは、−C(O)ORであり、Rは非置換または置換C〜C10アルキルである(例えば、COMe)。これらの実施形態のいくつかでは、RはSOMeまたはCOMeである。これらの実施形態のいくつかでは、Rは水素、ハロ(例えば、フルオロ)またはC〜C10アルキル(例えば、メチル)である。1つの特定の実施形態では、Rはフルオロである。これらの実施形態のいくつかでは、R10は、C〜C10アルキル、C〜C10シクロアルキルまたは少なくとも1個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキルである。これらの実施形態のいくつかでは、R10は、1個または2個のヒドロキシ基で置換されているC〜C10アルキルC〜C10シクロアルキル(例えば、1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピル)である。
【0087】
いくつかの実施形態では、Rがフルオロまたはクロロであり、Rがヨードまたはブロモであり、Rがフルオロであり、R10がシクロプロピルおよび1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピルからなる群から選択され、R11は、存在する場合、水素である、式(K−1)、(K−2)または(K−3)の化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。これらの実施形態のいくつかでは、Rはフルオロであり、Rはヨードであり、Rはフルオロであり、R10は1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロピルであり、R11は、式(K−1)の化合物については存在せず、または式(K−2)もしくは(K−3)の化合物については水素である。
【0088】
本発明による中間体および最終化合物を含む本明細書で詳述する化合物の代表的な例を、本明細書の表および実施例で示す。一態様では、適用可能な場合には、単離し個体に投与できる中間体化合物を含む化合物のいずれも、本明細書で詳述する方法において使用できることを理解すべきである。
【0089】
本発明の代表的な化合物を表3に示す。いくつかの実施形態では、本発明は、その遊離塩基形態でまたはその薬学的に許容される塩もしくは立体異性体として表3の化合物を提供する。
【表3-1】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-2】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-3】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-4】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-5】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-6】
[この文献は図面を表示できません]
【表3-7】
[この文献は図面を表示できません]
【0090】
本明細書で詳述する化合物は、塩が表示されていなくても塩として存在していてもよく、本発明は、当業者により十分理解されるとおり、本明細書で示す化合物のすべての塩および溶媒和物(例えば、水和物)、ならびにその化合物の非塩および非溶媒和物形態を包含するものと理解すべきである。いくつかの実施形態では、本発明の化合物の塩は薬学的に許容される塩である。
【0091】
薬学的に許容される塩への言及は、その溶媒付加形態または結晶形態、特に溶媒和物または多形を含むことを理解すべきである。溶媒和物は、化学量論量かまたは非化学量論量の溶媒を含み、それはしばしば結晶化の過程で形成される。水和物は溶媒が水である場合に形成されるか、またはアルコール和物は溶媒がアルコールである場合に形成される。多形は、同一元素組成の化合物の異なる結晶充填配置を含む。多形は通常、異なるX線回折パターン、赤外スペクトル、融点、密度、硬度、結晶形状、光学的および電気的特性、安定性および溶解性を有する。再結晶溶媒、結晶化の速度および貯蔵温度などの様々な因子によって、単結晶形態が支配的となるようにすることができる。
【0092】
本明細書で示す化合物は、1個超の立体異性体を有することができ、そして、ラセミ化合物、一方の鏡像異性体が富化されている場合のラセミ混合物、個々のジアステレオマーおよび立体異性体の混合物として生じる。鏡像異性体およびジアステレオマーを含むすべての立体異性体は本発明に包含される。立体異性体は当技術分野で公知の方法で分離することができる。立体異性体が存在する可能性のある本明細書で詳述する化合物を含む組成物は、1つの純粋な立体異性体(stereomer)、あるいは立体異性体(複数種)が等量で存在するかまたは立体異性体(複数種)のいくつかが他のものに対して富化されている1個超の立体異性体を含むことができる。
【0093】
本発明は、式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体などの化合物のプロドラッグを、その範囲内に含む。一般に、そうしたプロドラッグは、インビボで所要の式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体に容易に転換させることができる、式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体の官能性誘導体などの、上記化合物の官能性誘導体である。適切なプロドラッグ誘導体の選択および調製のための通常の手順は、例えば「Prodrugs:Challenges and Rewards」、V.J.Stellaら編、Springer、2007年に記載されている。プロドラッグは、活性薬物を放出するために体内での変換を必要とし、親薬物分子を超える改善された送達特性を有する生物学的に活性な物質(「親薬物」または「親分子」)の薬理学的に不活性な誘導体であってよい。そのインビボでの変換は、例えば、カルボン酸エステル、リン酸エステルまたは硫酸エステルの化学的もしくは酵素的加水分解、または感受性の高い官能基の還元もしくは酸化などの何らかの代謝プロセスの結果としての変換であってよい。いくつかの実施形態では、ヒドロキシ基を含む化合物のためのプロドラッグは、乳酸、クエン酸、およびアスコルビン酸などの適切な酸で形成されたエステルであってよい。
【0094】
本明細書で詳述する化合物は、一態様では、精製された形態であってよく、精製された形態の化合物を含む組成物を本明細書で詳述する。本明細書で詳述する化合物またはその塩を含む組成物、例えば実質的に純粋な化合物の組成物を提供する。いくつかの実施形態では、本明細書で詳述する化合物またはその塩を含む組成物は実質的に純粋な形態である。別段の言及のない限り、「実質的に純粋」とは、30%以下の不純物を含む組成物を意味し、不純物は、組成物の大部分を構成する化合物およびその塩以外の化合物を表す。いくつかの実施形態では、実質的に純粋な化合物またはその塩の組成物が提供され、この組成物は、約30%、約25%、約20%、約15%、約10%、約5%、約3%または約1%以下の不純物を含む。
【0095】
一態様では、本明細書で詳述する化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物および適切な包装を含むキットを提供する。一実施形態では、キットは、使用のための指示をさらに含む。一態様では、キットは、本明細書で詳述する化合物、例えば式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体あるいはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物、およびMEKの阻害によって改善することができる疾患または状態の処置または予防を必要とする個体においてMEKの阻害によって改善することができる疾患または状態の処置または予防における化合物の使用のための指示を含む。
【0096】
適切な容器中に本明細書で詳述する化合物またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を含む製造物品を提供する。容器はバイアル、ジャー、およびアンプルなどであってよい。
【0097】
合成方法
本発明の化合物は、以下に一般的な説明をし、以下の実施例においてより具体的に説明するように、いくつかのプロセスによって調製することができる。以下のプロセス説明において、示された式で使用される場合、記号は、本明細書での式に関して上述した基を表すものと理解されたい。
【0098】
以下の合成スキームでは一般的な有機溶媒を使用することができる。典型的な溶媒には、これらに限定されないが、脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ベンジン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン(phenixin)、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、アルコール(メタノール、エタノール、プロパン−1−オール、イソプロパノール、t−ブタノール、エタン−1,2−ジオールなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトン)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリル)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、およびDMPUなどが含まれる。
【0099】
式(I)の化合物の一般的合成
がNであり、XがSであり、Rが−C(O)NHORであり、Rがハロである式(I)の化合物は、スキーム1にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718(R16、R17およびR18は独立に、C〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)である。
【化26】
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【0100】
スキーム1のステップを、スキーム1.1で概説した反応にしたがって、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミドの例示的合成によってさらに例示する。
【化27】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ1.1.1
【化28】
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【0101】
適切な溶媒中の2,3,4−トリフルオロブロモベンゼンの溶液に、窒素雰囲気下で強塩基(LDA、nBuLi、LiHDMSなど)を加える。反応は一般に、低温(−50〜−80℃、好ましくは−78℃)で実施する。反応物を、いくらかの時間(0.5〜12時間、好ましくは0.5〜2時間を選択)撹拌し続け、そして、ドライアイスを加える。得られた混合物を、いくらかの時間(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)撹拌し続け、そして、通常の後処理の後、5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸が得られる。
【0102】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THF、エチルエーテルおよびジオキサンが好ましい。)
ステップ1.1.2
【化29】
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【0103】
5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸を、適切な溶媒中、強塩基性条件下(LDA、n−BuLi、LiHDMSなど)で、ハロゲン化アニリン(o−フルオロアニリン、o−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、o−ヨードアニリンなど)と反応させることができる。反応は、一般に低温(−50〜−80℃、好ましくは−78℃)で実施し、通常数時間以内(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸が得られる。
【0104】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THF、エチルエーテルおよびジオキサンが好ましい。)
ステップ1.1.3
【化30】
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【0105】
5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸を、適切な溶媒中、SOClの存在下でMeOHと反応させることができる。反応は通常数時間以内(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
【0106】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノールおよびエタノールが好ましい。
ステップ1.1.4
【化31】
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【0107】
適切な溶媒中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートの溶液に、窒素雰囲気下で塩基を加え、続いてPd触媒、ホスフィン配位子およびフェニルメタンチオールを加える。反応は一般に高温(80〜130℃、好ましくは90〜110℃)で実施し、通常数時間以内(8〜24時間、好ましくは12〜18時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル5−(ベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
【0108】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、脂肪族および芳香族アミン(例えば、これらに限定されないが、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、DBU、t−ブチルアミン、シクロプロパンアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメチルプロパンアミン)、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONa、BuOKなど)が含まれ、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンが好ましい。
【0109】
典型的なPd触媒には、これらに限定されないが、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、二酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)アセテートが含まれ、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましくは選択される。
【0110】
典型的なホスフィン配位子には、これらに限定されないが、ジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンが含まれ、好ましくはジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテンが選択される。
【0111】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジオキサンが好ましい。
ステップ1.1.5
【化32】
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【0112】
メチル5−(ベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートを、適切な溶媒中でアジド(NaN、KNなど)と反応させることができる。反応は一般に高温(60〜120℃、好ましくは80〜100℃)で実施し、通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル4−アジド−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
【0113】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ1.1.6
【化33】
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【0114】
メチル4−アジド−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートを、適切な溶媒中、適切な触媒(Pd/C、Pt、Niなど)の存在下で水素化することができる。反応は通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル4−アミノ−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
【0115】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノール、エタノール、プロパン−1−オールおよび水が好ましい。
ステップ1.1.7
【化34】
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【0116】
メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレートは、適切な溶媒中、無機酸および亜硝酸アルカリ(alkali nitrite)の存在下でのメチル4−アミノ−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートの環化によって容易に調製することができる。
【0117】
前記無機酸には、これらに限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸が含まれる。
【0118】
前記亜硝酸アルカリには、これらに限定されないが、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムおよび亜硝酸セシウムが含まれる。
【0119】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、有機酸、例えばこれらに限定されないが、酢酸およびギ酸が好ましい。
ステップ1.1.8
【化35】
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【0120】
メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレートを、適切な溶媒中で、酸の存在下、周囲温度でハロゲン化試薬(NISなど)と反応させることができる。反応は通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレートが得られる。
【0121】
典型的な酸には、これらに限定されないが、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸および酢酸が含まれる。
【0122】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ1.1.9
【化36】
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【0123】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸は、適切な溶媒中で、メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレートから、脱保護により調製することができる。
【0124】
典型的な脱保護試薬は塩基であっても、Pd/Cであっても、ルイス酸であっても、RNFであってもよい。
【0125】
前記塩基には、これらに限定されないが、NaOH、KOH、NaCO、KCOが含まれる。
【0126】
前記ルイス酸には、これらに限定されないが、AlCl、BFおよびBBrが含まれる。
【0127】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、THF、MeOHおよびDMFが好ましい。
ステップ1.1.10
【化37】
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【0128】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸は、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下で、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミンと反応させることができる。反応は一般に周囲温度で実施し、通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミドが得られる。
【0129】
カップリング試薬には、これらに限定されないが、HOBt、EDCI、HATUおよびTBTUが含まれる。
【0130】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
ステップ1.1.11
【化38】
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【0131】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミドは、適切な溶媒中、酸性条件下で反応させることができる。反応は通常(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)以内に完了する。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミドが得られる。
【0132】
典型的な酸には、これらに限定されないが、塩酸、硫酸およびトリフルオロ酢酸が含まれる。
【0133】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタンが好ましい。
【0134】
式(I−1−a)の化合物、すなわち、XがNであり、XがSであり、Rが−C(O)N(R)ORであり、Rがハロである式(I)の化合物は、スキームX−1にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18はC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから独立に選択され、Xはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。
【化39】
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ステップ1:
【化40】
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【0135】
式(I−1−a)の化合物は、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下で式(X−II)の化合物をヒドロキシルアミン(RORNH)と反応させることによって調製することができる。
【0136】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0137】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、THFおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
ステップ2:
【化41】
[この文献は図面を表示できません]
【0138】
式(X−II)の化合物は、適切な溶媒中での式(X−III)の化合物の脱保護により調製することができる。
【0139】
典型的な脱保護試薬は、異なるR14に応じて、塩基であっても、Pd/Cであっても、ルイス酸であっても、RNFであってもよい。
【0140】
前記塩基には、これらに限定されないが、NaOH、KOH、NaCO、KCOが含まれる。
【0141】
前記ルイス酸には、これらに限定されないが、AlCl、BFおよびBBrが含まれる。
【0142】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、THF、MeOHおよびDMFが好ましい。
ステップ3:
【化42】
[この文献は図面を表示できません]
【0143】
がハロである式(X−III)の化合物は、適切な溶媒中、ハロゲン化試薬および酸の存在下での式(X−IV)の化合物のハロゲン化によって調製することができる。
【0144】
典型的なハロゲン化試薬には、これらに限定されないが、NCS、NBS、およびNISなどが含まれる。
【0145】
典型的な酸には、これらに限定されないが、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸および酢酸が含まれる。
【0146】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、CHCl、CHCl、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ4:
【化43】
[この文献は図面を表示できません]
【0147】
式(X−IV)の化合物は、適切な溶媒中、ジアゾ化試薬(無機酸および亜硝酸アルカリなど)の存在下での式(X−V)の化合物の環化によって調製することができる。
【0148】
典型的な無機酸には、これらに限定されないが、塩酸、硫酸、硝酸およびリン酸が含まれる。
【0149】
典型的な亜硝酸アルカリには、これらに限定されないが、亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムおよび亜硝酸セシウムが含まれる。
【0150】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、有機酸、例えばこれらに限定されないが、酢酸およびギ酸が好ましい。
ステップ5:
【化44】
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式(X−V)の化合物は、適切な溶媒中、還元試薬の存在下での式(X−VI)の化合物の還元によって調製することができる。
【0151】
典型的な還元試薬には、これらに限定されないが、水素化触媒、SnCl、PPh、NaBH、BHおよびラネーNiが含まれる。
【0152】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノール、エタノール、酢酸エチルおよびTHFが好ましい。
ステップ6:
【化45】
[この文献は図面を表示できません]
【0153】
式(X−VI)の化合物は、適切な溶媒中での式(X−VII)の化合物のアジドとの反応によって調製することができる。
【0154】
典型的なアジドは、アルカリアジド、例えばこれらに限定されないが、NaNおよびKNが好ましい。
【0155】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、DMSO、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ7:
【化46】
[この文献は図面を表示できません]
【0156】
式(X−VII)の化合物は、適切な溶媒中、塩基、ホスフィン配位子および触媒の存在下での式(X−VIII)の化合物のメルカプタン(R15SH)との反応によって調製することができる。
【0157】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、脂肪族および芳香族アミン(例えば、これらに限定されないが、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、DBU、t−ブチルアミン、シクロプロパンアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメチルプロパンアミン)、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONa、BuOKなど)が含まれ、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンが好ましい。
【0158】
典型的な触媒は、Pd触媒、例えばこれらに限定されないが、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、二酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)アセテートが好ましく、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましくは選択される。
【0159】
典型的なホスフィン配位子には、これらに限定されないが、ジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンが含まれ、好ましくはジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテンが選択される。
【0160】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジオキサンが好ましい。
ステップ8:
【化47】
[この文献は図面を表示できません]
【0161】
式(X−VIII)の化合物は、適切な溶媒中、任意選択の触媒の存在下での式(X−IX)の化合物とアルコール(R14OH)またはハライド(R14X)との反応によって調製することができる。
【0162】
典型的な触媒は異なる基質に応じて選択される。それらには、SOCl、硫酸、無機塩基(NaHCO、KHCO、NaCOなど)および有機塩基(トリエチルアミンおよびN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンなど)が含まれる。
【0163】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノール、エタノール、THFおよびDMFが好ましい。
ステップ9:
【化48】
[この文献は図面を表示できません]
【0164】
式(X−IX)の化合物は、適切な溶媒中、強塩基の存在下での式(X−X)の化合物と以下の化合物
【化49】
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との反応によって調製することができる。
【0165】
典型的な強塩基には、これらに限定されないが、LDA、n−BuLiおよびLiHDMSが含まれる。
【0166】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THFが好ましい。
ステップ10:
【化50】
[この文献は図面を表示できません]
【0167】
式(X−X)の化合物は、適切な溶媒中、強塩基の存在下での式(X−XI)の化合物とCOとの反応によって調製することができる。
【0168】
典型的な強塩基には、これらに限定されないが、LDA、n−BuLiおよびLiHDMSが含まれる。
【0169】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THFが好ましい。
【0170】
がハロ以外である式(I−1−a)の化合物は、スキームX−2にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18はC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから独立に選択される。
【化51】
[この文献は図面を表示できません]
【0171】
がハロ以外である式(I−1−a)化合物のための合成スキーム(X−2)は、Rがハロである式(I−1−a)のためのスキーム(X−1)と同様である。2つのスキーム間の違いは、以下のアニリン
【化52】
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が合成スキーム(X−2)において使用され、対応するステップ3が省略されることである。
【0172】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−1−b)の化合物は以下のスキーム
【化53】
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に概説した方法にしたがって調製される。
【0173】
式(I−1−b)の化合物は、適切な溶媒中、塩基の存在下、式(X−II)の化合物と、カップリング試薬の存在下でのアルコール(ROH)またはハライド(RX)との反応によって調製することができる。
【0174】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0175】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、クロロホルムおよびTHFが好ましい。
【0176】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−1−c)の化合物は以下のスキーム
【化54】
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に概説した方法にしたがって調製される。
【0177】
式(I−1−c)の化合物は、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下での式(X−II)の化合物とアミン(RNH)との反応によって調製することができる。
【0178】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0179】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、クロロホルムおよびTHFが好ましい。
【0180】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−1−d)の化合物は以下のスキーム
【化55】
[この文献は図面を表示できません]
に概説した方法にしたがって調製される。
ステップ1:
【化56】
[この文献は図面を表示できません]
【0181】
式(I−1−d)の化合物は、適切な溶媒中、塩基の存在下で、式(X−XII)の化合物から調製することができる。
【0182】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンおよびカリウムトリメチルシラノレートなど)が含まれ、カリウムトリメチルシラノレートが好ましい。
【0183】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、THFが好ましい。
ステップ2:
【化57】
[この文献は図面を表示できません]
【0184】
式(XII)の化合物は、適切な溶媒中、塩基および触媒の存在下での式(XIII)の化合物とRSOX(Xはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードである)との反応によって調製することができる。
【0185】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンなど)が含まれ、トリエチルアミンが好ましい。
【0186】
典型的な触媒には、これに限定されないが、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)が含まれる。
【0187】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタンおよびクロロホルムが好ましい。
ステップ3:
【化58】
[この文献は図面を表示できません]
【0188】
式(X−XIII)の化合物は、適切な溶媒中、塩基の存在下での式(X−II)の化合物とアジドとの反応によって調製することができる。
【0189】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンなど)が含まれ、トリエチルアミンが好ましい。
【0190】
典型的なアジドには、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)およびエチルカルボノクロリデート/NaNが含まれ、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)が好ましい。
【0191】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、t−BuOHが好ましい。
【0192】
いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18のそれぞれは独立に、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールから選択される。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜2個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキル、t−BuMeSi、PhSi、EtSi、n−PrSiまたはi−PrSiである。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、o−メトキシベンジル、m−メトキシベンジル、p−メトキシベンジルまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、p−メトキシベンジルまたはメチルである。
【0193】
がCR11であり、XがOであり、Rが−C(O)NHORであり、Rがハロである式(I)の化合物はスキーム2にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14は水素、アリルまたはR13であり;R12およびR13はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される。
【化59】
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【0194】
スキーム2のステップを、スキーム2.1で概説した反応にしたがって、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドの例示的合成によってさらに例示する。
【化60】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ2.1.1
【化61】
[この文献は図面を表示できません]
【0195】
2,3,4−トリフルオロフェノールは、適切な不活性溶媒中、塩基の存在下、ヒドロキシ保護試薬(BnBr、BnClなど)で保護することができる。反応は一般に周囲温度で実施し、通常数時間以内(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、1−(ベンジルオキシ)−2,3,4−トリフルオロベンゼンが得られる。
【0196】
典型的な塩基には、NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、t−BuOKおよびt−BuONaが含まれる。
【0197】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、アセトンおよびメチルエチルケトンが好ましい。
ステップ2.1.2
【化62】
[この文献は図面を表示できません]
【0198】
適切な不活性溶媒中の1−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロベンゼンの溶液に、窒素雰囲気下、低温(−50℃〜−80℃、好ましくは−78℃)で強塩基(LDA、n−BuLi、LiHDMSなど)を加える。撹拌を、この温度で数時間(0.5〜12時間、好ましくは0.5〜2時間)維持する。混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移し、得られた混合物をいくらかの時間(例えば、3〜12時間、好ましくは5〜10時間)撹拌する。通常の後処理の後、5−ベンゾキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸が得られる。
【0199】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、テトラヒドロフランが好ましい。
ステップ2.1.3
【化63】
[この文献は図面を表示できません]
【0200】
5−ベンゾキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸を、強塩基(LDA、n−BuLi、LiHDMSなど)の存在下で、ハロゲン化アニリン(o−フルオロアニリン、o−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、o−ヨードアニリンなど)と反応させることができる。反応は一般に低温(−50℃〜−80℃、好ましくは−78℃)で実施し、通常数時間以内(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、5−(ベンジルオキシ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸が得られる。
ステップ2.1.4
【化64】
[この文献は図面を表示できません]
【0201】
5−(ベンジルオキシ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸は、適切な不活性溶媒中、塩基性の条件下で、酸またはヒドロキシル(BnBr、BnClなど)の保護試薬によって保護することができる。反応は通常数時間以内(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、ベンジル5−(ベンジルオキシ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
【0202】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、tBuOKおよびtBuONaが含まれる。
【0203】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、アセトンおよびメチルエチルケトンが好ましい。
ステップ2.1.5
【化65】
[この文献は図面を表示できません]
【0204】
ベンジル5−(ベンジルオキシ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートを、適切な溶媒中、アジド(NaN、KNなど)と反応させることができる。反応は一般に高温(60〜120℃、好ましくは80〜100℃)で実施し、通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、所望生成物が得られる。
【0205】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ2.1.6
【化66】
[この文献は図面を表示できません]
【0206】
ベンジル4−アジド−5−(ベンジルオキシ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートは、適切な触媒(Pd/C、Pt、Niなど)の存在下で水素化することができる。反応は通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸が得られる。
【0207】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノール、エタノール、プロパン−1−オールおよび水が好ましい。
ステップ2.1.7
【化67】
[この文献は図面を表示できません]
【0208】
4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸は、適切な溶媒中、酸の存在下でトリアルコキシメタンによって環化することができる。反応は通常数時間以内(0.2〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸が得られる。
【0209】
前記トリアルコキシメタンには、これらに限定されないが、トリメトキシメタンおよびトリエトキシメタンが含まれる。
【0210】
典型的な酸には、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムトルエン−4−スルホネート、ギ酸、酢酸および硫酸が含まれる。
【0211】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、酢酸メチル、酢酸エチルおよびトリメトキシメタンが好ましい。
ステップ2.1.8
【化68】
[この文献は図面を表示できません]
【0212】
4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸を、適切な溶媒中、酸性条件下でハロゲン化試薬(NISなど)と反応させることができる。反応は一般に周囲温度で実施し、通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸が得られる。
【0213】
典型的な酸には、これらに限定されないが、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸および酢酸が含まれる。
【0214】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ2.1.9
【化69】
[この文献は図面を表示できません]
【0215】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸を、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下でO−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミンと反応させることができる。反応は一般に周囲温度で実施し、通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドが得られる。
【0216】
カップリング試薬には、これらに限定されないが、HOBt、EDCI、HATUおよびTBTUが含まれる。
【0217】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
ステップ2.1.10
【化70】
[この文献は図面を表示できません]
【0218】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドは適切な溶媒中、酸性条件下で反応させることができる。反応は通常(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)以内に完了する。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドが得られる。
【0219】
典型的な酸には、これらに限定されないが、塩酸、硫酸およびトリフルオロ酢酸が含まれる。
【0220】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタンが好ましい。
【0221】
式(I−2−a)の化合物、すなわち、XがCR11であり、XがOであり、Rが−C(O)N(R)ORであり、Rがハロである式(I)の化合物は、スキームY−1にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18はC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから独立に選択され、Xはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。
【化71】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ1:
【化72】
[この文献は図面を表示できません]
【0222】
式(I−2−a)の化合物は、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下での式(Y−II)の化合物とヒドロキシルアミン(RORNH)との反応によって調製することができる。
【0223】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0224】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、THFおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
ステップ2:
【化73】
[この文献は図面を表示できません]
【0225】
がハロである式(Y−II)の化合物は、適切な溶媒中、ハロゲン化試薬および酸の存在下での式(Y−III)の化合物のハロゲン化によって調製することができる。
【0226】
典型的なハロゲン化試薬には、これらに限定されないが、NCS、NBS、およびNISなどが含まれる。
【0227】
典型的な酸には、これらに限定されないが、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸および酢酸が含まれる。
【0228】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、CHCl、CHCl、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ3:
【化74】
[この文献は図面を表示できません]
【0229】
11が水素である式(Y−III)の化合物は、適切な溶媒中、酸およびトリ(C〜Cアルキル)オルトホルメートの存在下での式(Y−IV)の化合物の環化によって調製することができる。
【0230】
典型的な酸には、これらに限定されないが、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムトルエン−4−スルホネート、メタンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸が含まれる。
【0231】
前記トリ(C〜Cアルキル)オルトホルメートには、トリメトキシメタンおよびトリエトキシメタンが含まれる。
【0232】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、MeOH、CHCl、CHCl、DMSOおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
【0233】
11が水素以外である式(Y−III)の化合物は、適切な溶媒中、触媒の存在下での式(Y−IV)の化合物と置換された酸(R11COOH)との反応によって調製することができる。
【0234】
典型的な触媒には、これに限定されないが、ポリリン酸が含まれる。
ステップ4:
【化75】
[この文献は図面を表示できません]
【0235】
式(Y−IV)の化合物は、適切な溶媒中、触媒の存在下での式(Y−V)の化合物の水素化によって調製することができる。
【0236】
典型的な水素化触媒には、これらに限定されないが、Pd/C、PtおよびNiが含まれる。
【0237】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノール、エタノールおよびTHFが好ましい。
ステップ5:
【化76】
[この文献は図面を表示できません]
【0238】
式(Y−V)の化合物は、適切な溶媒中での式(Y−VI)の化合物のアジドとの反応によって調製することができる。
【0239】
典型的なアジドは、これらに限定されないがNaNおよびKNなどのアルカリアジドが好ましい。
【0240】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、DMSO、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ6:
【化77】
[この文献は図面を表示できません]
【0241】
式(Y−VI)の化合物は、適切な溶媒中、酸または塩基の存在下での式(Y−VII)の化合物とアルコール(R13OH)またはハライド(R13X、Xは好ましくはBr)との反応によって調製することができる。
【0242】
式(Y−VII)の化合物をアルコール(R13OH)と反応させる場合、典型的な酸には、これらに限定されないが、硫酸、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムトルエン−4−スルホネートおよびトリフルオロ酢酸が含まれる。
【0243】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ベンジルアルコール、メタノール、エタノール、1−プロパノールおよびn−ブタノールが好ましい。式(Y−VII)の化合物をハライド(R13X)と反応させる場合、典型的な塩基には、これらに限定されないが、NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、t−BuONaおよびt−BuOKが含まれる。
【0244】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ7:
【化78】
[この文献は図面を表示できません]
【0245】
式(Y−VII)の化合物は、適切な溶媒中、強塩基の存在下での式(Y−VIII)の化合物と以下の化合物
【化79】
[この文献は図面を表示できません]
との反応によって調製することができる。
【0246】
典型的な強塩基には、これらに限定されないが、LDA、n−BuLiおよびLiHDMSが含まれる。
【0247】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THFが好ましい。
ステップ8:
【化80】
[この文献は図面を表示できません]
【0248】
式(Y−VIII)の化合物は、適切な溶媒中、強塩基の存在下での式(Y−IX)の化合物とCOとの反応によって調製することができる。
【0249】
典型的な強塩基には、これらに限定されないが、LDA、n−BuLiおよびLiHDMSが含まれる。
【0250】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THFが好ましい。
ステップ9:
【化81】
[この文献は図面を表示できません]
【0251】
式(Y−IX)の化合物は、適切な溶媒中、塩基の存在下での式(Y−X)の化合物とR12X(Xは好ましくはブロモ)との反応によって調製することができる。
【0252】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、t−BuONaおよびt−BuOKが含まれる。
【0253】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、THF、DMFおよびアセトンが好ましい。
【0254】
式(I−2−a)の化合物、すなわち、XがCR11であり、XがOであり、Rが−C(O)N(R)ORであり、Rがハロ以外である式(I)の化合物は、スキームY−2にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18はC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから独立に選択される。
【化82】
[この文献は図面を表示できません]
【0255】
がハロ以外である式(I−2−a)の化合物のための合成スキーム(Y−2)は、Rがハロである式(I−2−a)のためのスキーム(Y−1)と同様である。2つのスキーム間の違いは、以下のアニリン
【化83】
[この文献は図面を表示できません]
が合成スキーム(A−2)において使用され、対応するステップ2が省略されることである。
【0256】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−2−b)の化合物は以下のスキーム
【化84】
[この文献は図面を表示できません]
に概説した方法にしたがって調製される。
【0257】
式(I−2−b)の化合物は、適切な溶媒中、式(Y−II)の化合物と、カップリング試薬の存在下でのアルコール(ROH)との反応、または塩基の存在下でのハライド(RX)との反応によって調製することができる。
【0258】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0259】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、クロロホルムおよびTHFが好ましい。
【0260】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−2−c)の化合物は以下のスキーム
【化85】
[この文献は図面を表示できません]
に概説した方法にしたがって調製される。
【0261】
式(I−2−c)の化合物は、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下での式(Y−II)の化合物とアミン(RNH)との反応によって調製することができる。
【0262】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0263】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、クロロホルムおよびTHFが好ましい。
【0264】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−2−d)の化合物は以下のスキーム
【化86】
[この文献は図面を表示できません]
に概説した方法にしたがって調製される。
ステップ1:
【化87】
[この文献は図面を表示できません]
【0265】
式(I−2−d)の化合物は、適切な溶媒中、塩基の存在下で式(Y−XI)の化合物から調製することができる。
【0266】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンおよびカリウムトリメチルシラノレートなど)が含まれ、カリウムトリメチルシラノレートが好ましい。
【0267】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、THFおよびCHClが好ましい。
ステップ2:
【化88】
[この文献は図面を表示できません]
【0268】
式(Y−XI)の化合物は、適切な溶媒中、塩基および触媒の存在下での式(Y−XII)の化合物とRSOX(Xはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードである)との反応によって調製することができる。
【0269】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンなど)が含まれ、トリエチルアミンが好ましい。
【0270】
典型的な触媒には、これに限定されないが、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)が含まれる。
【0271】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタンおよびクロロホルムが好ましい。
ステップ3:
【化89】
[この文献は図面を表示できません]
【0272】
式(Y−XII)の化合物は、適切な溶媒中、塩基の存在下での式(Y−II)の化合物とアジドとの反応によって調製することができる。
【0273】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンなど)が含まれ、好ましくはトリエチルアミンである。
【0274】
典型的なアジドには、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)およびエチルカルボノクロリデート/NaNが含まれ、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)が好ましい。
【0275】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、t−BuOHが好ましい。
【0276】
いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18のそれぞれは独立に、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールから選択される。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜2個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキル、t−BuMeSi、PhSi、EtSi、n−PrSiまたはi−PrSiである。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、o−メトキシベンジル、m−メトキシベンジル、p−メトキシベンジルまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、p−メトキシベンジルまたはメチルである。
【0277】
がCR11であり、XがSであり、Rが−C(O)NHORであり、Rがハロである式(I)の化合物は、スキーム3にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14は水素、アリルまたはR13であり;R12およびR13はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される。
【化90】
[この文献は図面を表示できません]
【0278】
スキーム3のステップを、スキーム3.1で概説した反応にしたがって、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミドの例示的合成によってさらに例示する。
【化91】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ3.1.1
【化92】
[この文献は図面を表示できません]
【0279】
適切な溶媒中の2,3,4−トリフルオロブロモベンゼンの溶液に、窒素雰囲気下で強塩基(LDA、nBuLi、LiHDMSなど)を加える。反応は一般に低温(−50〜−80℃、好ましくは−78℃)で実施する。反応物を、いくらかの時間(0.5〜12時間、好ましくは0.5〜2時間を選択する)撹拌し続け、そして、ドライアイスを加える。得られた混合物を、いくらかの時間(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)撹拌し続け、そして、通常の後処理の後、5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸が得られる。
【0280】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THF、エチルエーテルおよびジオキサンが好ましい。)
ステップ3.1.2
【化93】
[この文献は図面を表示できません]
【0281】
5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸を、適切な溶媒中、強塩基性条件(LDA、n−BuLi、LiHDMSなど)下で、ハロゲン化アニリン(o−フルオロアニリン、o−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、o−ヨードアニリンなど)と反応させることができる。反応は一般に低温(−50〜−80℃、好ましくは−78℃)で実施し、通常数時間以内(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸が得られる。
【0282】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THF、エチルエーテルおよびジオキサンが好ましい。)
ステップ3.1.3
【化94】
[この文献は図面を表示できません]
【0283】
5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸を、適切な溶媒中、SOClの存在下でMeOHと反応させることができる。反応は通常数時間以内(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
【0284】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノールおよびエタノールが好ましい。
ステップ3.1.4
【化95】
[この文献は図面を表示できません]
【0285】
適切な溶媒中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートの溶液に、窒素雰囲気下で塩基を加え、次いでPd触媒、ホスフィン配位子および(4−メトキシフェニル)メタンチオールを加える。反応は、一般に高温(80〜130℃、好ましくは90〜110℃)で実施し、通常数時間以内(8〜24時間、好ましくは12〜18時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートが得られる。
【0286】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、脂肪族および芳香族アミン(これらに限定されないが、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、DBU、t−ブチルアミン、シクロプロパンアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメチルプロパンアミン)、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONa、BuOKなど)が含まれ、好ましくはN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンである。
【0287】
典型的なPd触媒には、これらに限定されないが、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、二酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)アセテートが含まれ、好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが選択される。
【0288】
典型的なホスフィン配位子には、これらに限定されないが、ジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンが含まれ、好ましくはジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテンを選択する。
【0289】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジオキサンが好ましい。
ステップ3.1.5
【化96】
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【0290】
メチル3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートを、適切な溶媒中でアジド(NaN、KNなど)と反応させることができる。反応は一般に高温(60〜120℃、好ましくは80〜100℃)で実施し、通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル4−アジド−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートが得られる。
【0291】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ3.1.6
【化97】
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【0292】
メチル4−アジド−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートは、適切な溶媒中、適切な触媒(Pd/C、Pt、Niなど)の存在下で水素化することができる。反応は通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートが得られる。
【0293】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノール、エタノール、プロパン−1−オールおよび水が好ましい。
ステップ3.1.7
【化98】
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【0294】
5,5’−ジスルファンジイルビス(4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート)は、適切な溶媒中で、メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートから、脱保護によって調製することができる。通常の後処理の後、所望生成物が得られる。
【0295】
典型的な脱保護試薬は、R15に応じて酸であっても、Pd/Cであっても、ルイス酸であっても、RNFであってもよい。
【0296】
前記酸には、これに限定されないが、CFCOOHが含まれる。
【0297】
前記ルイス酸には、これらに限定されないが、BFおよびBBrが含まれる。
【0298】
前記脱保護試薬には、酸化試薬、例えばこれらに限定されないが、硝酸第二セリウムアンモニウム(ammonium ceric nitrate)およびDDQが含まれ、DDQが好ましい。
【0299】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、クロロホルム、MeOHおよびEtOHが好ましい。
ステップ3.1.8
【化99】
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【0300】
5,5’−ジスルファンジイルビス(4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート)は適切な溶媒中で還元することができる。通常の後処理の後、メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエートが得られる。
【0301】
前記還元試薬には、NaBH、NaCNBH、NaBH(OAc)、Zn粉末およびFe粉末が含まれる。
【0302】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、THFとMeOHの混合物が好ましい。
ステップ3.1.9
【化100】
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【0303】
メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエートは、適切な溶媒中、酸の存在下で環化することができる。反応は通常数時間以内(0.2〜12時間、好ましくは0.5〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレートが得られる。
【0304】
典型的な酸には、これらに限定されないが、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムトルエン−4−スルホネート、ギ酸、酢酸および硫酸が含まれる。
【0305】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、酢酸メチル、酢酸エチルおよびトリメトキシメタンが好ましい。
ステップ3.1.10
【化101】
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【0306】
メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレートを、適切な溶媒中、酸の存在下、周囲温度でハロゲン化試薬(NISなど)と反応させることができる。反応は通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレートが得られる。
【0307】
典型的な酸には、これらに限定されないが、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸および酢酸が含まれる。
【0308】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ3.1.11
【化102】
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【0309】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸は、適切な溶媒中、メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレートから、脱保護により調製することができる。
【0310】
典型的な脱保護試薬は塩基であっても、Pd/Cであっても、ルイス酸であっても、RNFであってもよい。
【0311】
前記塩基には、これらに限定されないが、NaOH、KOH、NaCOおよびKCOが含まれる。
【0312】
前記ルイス酸には、これらに限定されないが、AlCl、BFおよびBBrが含まれる。
【0313】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、THF、MeOHおよびDMFが好ましい。
ステップ3.1.12
【化103】
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【0314】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸を、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下でO−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミンと反応させることができる。反応は一般に周囲温度で実施し、通常数時間以内(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)に完了する。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミドが得られる。
【0315】
カップリング試薬には、これらに限定されないが、HOBt、EDCI、HATUおよびTBTUが含まれる。
【0316】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
ステップ3.1.13
【化104】
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【0317】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミドを、適切な溶媒中、酸性条件下で反応させることができる。反応は通常(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)以内に完了する。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミドが得られる。
【0318】
典型的な酸には、これらに限定されないが、塩酸、硫酸およびトリフルオロ酢酸が含まれる。
【0319】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタンが好ましい。
【0320】
式(I−3−a)の化合物、すなわち、XがCR11であり、XがSであり、Rが−C(O)N(R)ORであり、Rがハロである式(I)の化合物は、スキームZ−1にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18はC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから独立に選択され、Xはフルオロ、クロロ、ブロモまたはヨードである。
【化105】
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ステップ1:
【化106】
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【0321】
式(I−3−a)の化合物は、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下での式(Z−II)の化合物とヒドロキシルアミン(RORNH)との反応によって調製することができる。
【0322】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0323】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、THFおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
ステップ2:
【化107】
[この文献は図面を表示できません]
【0324】
式(Z−II)の化合物は、適切な溶媒中、式(Z−III)の化合物の脱保護によって調製することができる。
【0325】
典型的な脱保護試薬は、異なるR14に応じて塩基であっても、Pd/Cであっても、ルイス酸であっても、RNFであってもよい。
【0326】
前記塩基には、これらに限定されないが、NaOH、KOH、NaCO、KCOが含まれる。
【0327】
前記ルイス酸には、これらに限定されないが、AlCl、BFおよびBBrが含まれる。
【0328】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、THF、MeOHおよびDMFが好ましい。
ステップ3:
【化108】
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【0329】
がハロである式(Z−III)の化合物は、適切な溶媒中、ハロゲン化試薬および酸の存在下での式(Z−IV)の化合物のハロゲン化によって調製することができる。
【0330】
典型的なハロゲン化試薬には、これらに限定されないが、NCS、NBS、およびNISなどが含まれる。
【0331】
典型的な酸には、これらに限定されないが、トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸および酢酸が含まれる。
【0332】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、CHCl、CHCl、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ4:
【化109】
[この文献は図面を表示できません]
【0333】
11が水素である式(Z−IV)の化合物は、適切な溶媒中、酸およびトリ(C〜Cアルキル)オルトホルメートの存在下での式(Z−V)の化合物の環化によって調製することができる。
【0334】
典型的な酸には、これらに限定されないが、p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムトルエン−4−スルホネート、メタンスルホン酸およびベンゼンスルホン酸が含まれる。
【0335】
前記トリ(C〜Cアルキル)オルトホルメートには、トリメトキシメタンおよびトリエトキシメタンが含まれる。
【0336】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、MeOH、CHCl、CHCl、DMSOおよびN,N−ジメチルホルムアミドが好ましい。
【0337】
11が水素以外である式(Z−IV)の化合物は、適切な溶媒中、触媒の存在下での式(Z−V)の化合物と、置換された酸(R11COOH)、R11C(OMe)またはR11C(OEt)との反応によって調製することができる。
【0338】
典型的な触媒には、これに限定されないが、ポリリン酸が含まれる。
ステップ5:
【化110】
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【0339】
式(Z−V)の化合物は、適切な溶媒中、還元試薬の存在下で式(Z−VI)の化合物から調製することができる。
【0340】
典型的な還元試薬には、これらに限定されないが、NaBH、NaBHCN、NaBH(Ac)、Zn粉末およびFe粉末が含まれる。
【0341】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、THFとMeOHの混合物が好ましい。
ステップ6:
【化111】
[この文献は図面を表示できません]
【0342】
式(Z−VI)の化合物は、適切な溶媒中、脱保護試薬の存在下で式(Z−VII)の化合物から調製することができる。
【0343】
典型的な脱保護試薬は、R15に応じて酸であっても、Pd/Cであっても、ルイス酸であっても、RNFであってもよい。
【0344】
前記酸には、これに限定されないが、CFCOOHが含まれる。
【0345】
前記ルイス酸には、これらに限定されないが、BFおよびBBrが含まれる。
【0346】
前記脱保護試薬には、酸化試薬、例えばこれらに限定されないが、硝酸第二セリウムアンモニウムおよびDDQが含まれ、DDQが好ましい。
【0347】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、クロロホルム、MeOHおよびEtOHが好ましい。
ステップ7:
【化112】
[この文献は図面を表示できません]
【0348】
式(Z−VII)の化合物は、適切な溶媒中、還元試薬の存在下での式(Z−VIII)の化合物の還元によって調製することができる。
【0349】
典型的な還元試薬には、これらに限定されないが、水素化触媒、SnCl、PPh、NaBH、BHおよびラネーNiが含まれる。
【0350】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノール、エタノール、酢酸エチルおよびTHFが好ましい。
ステップ8:
【化113】
[この文献は図面を表示できません]
【0351】
式(Z−VIII)の化合物は、適切な溶媒中での式(Z−IX)の化合物のアジドとの反応によって調製することができる。
【0352】
典型的なアジドは、アルカリアジド、例えばこれらに限定されないが、NaNおよびKNが好ましい。
【0353】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、DMSO、N,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
ステップ9:
【化114】
[この文献は図面を表示できません]
【0354】
式(Z−IX)の化合物は、適切な溶媒中、塩基、ホスフィン配位子および触媒の存在下での式(Z−X)の化合物とメルカプタン(R15SH)との反応によって調製することができる。
【0355】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、脂肪族および芳香族アミン(例えば、これらに限定されないが、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、DBU、t−ブチルアミン、シクロプロパンアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメチルプロパンアミン)、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONa、BuOKなど)が含まれ、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンが好ましい。
【0356】
典型的な触媒は、Pd触媒、例えばこれらに限定されないが、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、二酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)アセテートが好ましく、トリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウムが好ましくは選択される。
【0357】
典型的なホスフィン配位子には、これらに限定されないが、ジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセンが含まれ、好ましくはジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテンを選択する。
【0358】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジオキサンが好ましい。
ステップ10:
【化115】
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【0359】
式(Z−X)の化合物は、適切な溶媒中、任意選択の触媒の存在下での式(Z−XI)の化合物とアルコール(R14OH)またはハライド(R14X)との反応によって調製することができる。
【0360】
典型的な触媒は異なる基質に応じて選択される。それらには、SOCl、硫酸、無機塩基(NaHCO、KHCO、NaCOなど)および有機塩基(トリエチルアミンおよびN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミンなど)が含まれる。
【0361】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、メタノールおよびエタノールが好ましい。
ステップ11:
【化116】
[この文献は図面を表示できません]
【0362】
式(Z−XI)の化合物は、適切な溶媒中、強塩基の存在下での式(Z−XII)の化合物と以下の化合物
【化117】
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との反応によって調製することができる。
【0363】
典型的な強塩基には、これらに限定されないが、LDA、n−BuLiおよびLiHDMSが含まれる。
【0364】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THFが好ましい。
ステップ12:
【化118】
[この文献は図面を表示できません]
【0365】
式(Z−XII)の化合物は、適切な溶媒中、強塩基の存在下での式(Z−XIII)の化合物とCOとの反応によって調製することができる。
【0366】
典型的な強塩基には、これらに限定されないが、LDA、n−BuLiおよびLiHDMSが含まれる。
【0367】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、無水THFが好ましい。
【0368】
式(I−3−a)の化合物、すなわち、XがCR11であり、XがSであり、Rが−C(O)N(R)ORであり、Rがハロ以外である式(I)の化合物は、スキームZ−2にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18はC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから独立に選択される。
【化119】
[この文献は図面を表示できません]
【0369】
がハロ以外である式(I−3−a)化合物の合成スキーム(Z−2)は、Rがハロである式(I−1)のスキーム(Z−1)と同様である。2つのスキーム間の違いは、以下のアニリン
【化120】
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が合成スキーム(Z−2)において使用され、対応するステップ3が省略されることである。
【0370】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−3−b)の化合物は以下のスキーム
【化121】
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に概説した方法にしたがって調製される。
【0371】
式(I−3−b)の化合物は、適切な溶媒中、式(Z−II)の化合物と、カップリング試薬の存在下でのアルコール(ROH)または塩基の存在下でのハライド(RX)との反応によって調製することができる。
【0372】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0373】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、クロロホルムおよびTHFが好ましい。
【0374】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−3−c)の化合物は以下のスキーム
【化122】
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に概説した方法にしたがって調製される。
【0375】
式(I−3−c)の化合物は、適切な溶媒中、カップリング試薬の存在下での式(Z−II)の化合物とアミン(RNH)との反応によって調製することができる。
【0376】
典型的なカップリング試薬には、これらに限定されないが、1−ヒドロキシ−1H−ベンゾトリアゾール(HOBt)、3−(エチルイミノメチレンアミノ)−N,N−ジメチルプロパン−1−アミン(EDCI)、O−(7−アザベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスフェート(HATU)およびO−ベンゾトリアゾール−1−イル−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムテトラフルオロボレート(TBTU)が含まれる。
【0377】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタン、クロロホルムおよびTHFが好ましい。
【0378】
、R、R、R、R、RおよびRが式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りである式(I−3−d)の化合物は以下のスキーム
【化123】
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に概説した方法にしたがって調製される。
ステップ1:
【化124】
[この文献は図面を表示できません]
【0379】
式(I−3−d)の化合物は、適切な溶媒中、塩基の存在下で式(Z−XIV)の化合物から調製することができる。
【0380】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミン、ピリジンおよびカリウムトリメチルシラノレートなど)が含まれ、カリウムトリメチルシラノレートが好ましい。
【0381】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、THFが好ましい。
ステップ2:
【化125】
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【0382】
式(Z−XIV)の化合物は、適切な溶媒中、塩基および触媒の存在下での式(Z−XV)の化合物とRSOX(Xはフルオロ、クロロ、ブロモおよびヨードである)との反応によって調製することができる。
【0383】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンなど)が含まれ、トリエチルアミンが好ましい。
【0384】
典型的な触媒には、これらに限定されないが、4−ジメチルアミノピリジン(DMAP)が含まれる。
【0385】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、ジクロロメタンおよびクロロホルムが好ましい。
ステップ3:
【化126】
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【0386】
式(Z−XV)の化合物は、適切な溶媒中、塩基の存在下での式(Z−II)の化合物とアジドとの反応によって調製することができる。
【0387】
典型的な塩基には、これらに限定されないが、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCOBuONaおよびBuOKなど)および有機塩基(ジエチルアミン、トリエチルアミンおよびピリジンなど)が含まれ、トリエチルアミンが好ましい。
【0388】
典型的なアジドには、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)およびエチルカルボノクロリデート/NaNが含まれ、ジフェニルホスホリルアジド(DPPA)が好ましい。
【0389】
典型的な溶媒は上で定義した通りであり、t−BuOHが好ましい。
【0390】
いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18のそれぞれは独立に、C〜CアルキルおよびC〜C10アリールから選択される。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜2個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキル、t−BuMeSi、PhSi、EtSi、n−PrSiまたはi−PrSiである。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、o−メトキシベンジル、m−メトキシベンジル、p−メトキシベンジルまたはC〜Cアルキルである。いくつかの実施形態では、R14およびR15はそれぞれ独立に、ベンジル、p−メトキシベンジルまたはメチルである。
【0391】
がNであり、XがOであり、Rが−C(O)NHORであり、Rがハロである式(I)の化合物は、スキーム4にしたがって合成することができ、ここで、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R12およびR13はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される。
【化127】
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【0392】
スキーム4のステップを、スキーム4.1で概説した反応にしたがって、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]オキサジアゾール−6−カルボキサミドの例示的合成によってさらに例示する。
【化128】
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【0393】
したがって、一態様では、式(J)の化合物
【化129】
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(式中、X、X、R、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり、R14は水素、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)
またはその塩を作製する方法およびプロセスであって、式(G)の化合物またはその塩を、式RO−N(R)Hのヒドロキシルアミン誘導体またはその塩とカップリングさせるステップを含む方法およびプロセスを提供する。
【0394】
いくつかの実施形態では、XがNであり、XがSである式(J)の化合物
【化130】
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(式中、R、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり、R14は水素、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)
またはその塩を作製する方法であって、式(G−1a)の化合物またはその塩を、式RO−N(R)Hのヒドロキシルアミン誘導体またはその塩とカップリングさせるステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記方法は、式(F−1a)の化合物またはその塩を、式(G−1a)の化合物またはその塩に転換させるステップ
【化131】
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(式中、R15はアリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)をさらに含む。いくつかの実施形態では、上記方法は、式(F−1a)の化合物またはその塩をジアゾ化するステップをさらに含む。
【0395】
いくつかの実施形態ではXがCR11であり、XがOである式(J)の化合物またはその塩を作製する方法であって、式(G−2a)の化合物またはその塩を、式RO−N(R)Hのヒドロキシルアミン誘導体またはその塩とカップリングさせるステップ
【化132】
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(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり、R14は水素、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記方法は、式(F−2a)の化合物またはその塩を、式(G−2a)の化合物またはその塩に転換させるステップ
【化133】
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をさらに含む。
【0396】
11が水素である方法のいくつかの実施形態では、上記方法は、ギ酸のオルトエステルを式(F−2a)の化合物またはその塩と接触させるステップを含む。
【0397】
いくつかの実施形態では、XがCR11であり、XがSである式(J)の化合物またはその塩を作製する方法であって、式(G−3a)の化合物またはその塩を、式RO−N(R)Hのヒドロキシルアミン誘導体またはその塩とカップリングさせるステップ
【化134】
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(式中、R、R、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり、R14は水素、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)を含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、上記方法は、式(F−3a)の化合物またはその塩を、式(G−3a)の化合物またはその塩に転換させるステップ
【化135】
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をさらに含む。
【0398】
いくつかの実施形態では、上記方法は、式(F−1a)の化合物またはその塩を、式(F−3a)の化合物またはその塩に転換させるステップ
【化136】
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(式中、R15はアリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)をさらに含む。上記方法の1つの変形形態では、式(F−1a)の化合物またはその塩を、式(F−3a’)の中間体
【化137】
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またはその塩を経由して、式(F−3a)の化合物またはその塩に転換させる。
【0399】
11が水素である上記方法のこれらの実施形態のいくつかでは、上記方法は、ギ酸のオルトエステルを式(F−3a)の化合物またはその塩と反応させるステップを含む。
【0400】
いくつかの実施形態では、式(J−1a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム1A
【化138】
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(式中、R、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであるが、ただしRはハロ以外であり;R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法を提供する。
【0401】
いくつかの実施形態では、Rがハロである式(J−1a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム1B
【化139】
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(式中、R、R、R、RおよびRは式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法を提供する。
【0402】
いくつかの実施形態では、式(J−2a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム2A
【化140】
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(式中、R、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであるが、ただし、Rはハロ以外であり;R14は水素、アリルまたはR13であり;R12およびR13はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法を提供する。
【0403】
いくつかの実施形態では、Rがハロである式(J−2a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム2B
【化141】
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(式中、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14は水素、アリルまたはR13であり;R12およびR13はそれぞれ独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法を提供する。
【0404】
いくつかの実施形態では、式(J−3a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム3A
【化142】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであるが、ただし、Rはハロ以外であり;R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法を提供する。
【0405】
いくつかの実施形態では、式(J−3a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム3A−1
【化143】
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(式中、R、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであるが、ただしRはハロ以外であり;R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法を提供する。
【0406】
いくつかの実施形態では、Rがハロである式(J−3a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム3B
【化144】
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(式中、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法を提供する。
【0407】
いくつかの実施形態では、Rがハロである式(J−3a)の化合物またはその塩を作製する方法であって、スキーム3B−1
【化145】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、R、R、RおよびR11は式(J)、(I)またはその任意の変形体について定義されている通りであり;R14およびR15はそれぞれ独立に、アリル、ベンジル、1個〜3個のメトキシ基で置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立にC〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)によるステップを含む方法を提供する。
【0408】
本発明の他の実施形態
一態様では、式(A−I)の化合物
【化146】
[この文献は図面を表示できません]
(式中、R、R、RおよびRのそれぞれは独立に、H、ハロゲン、ニトロ、アジド、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−NRC(O)OR10、−OC(O)R、−NRSO10、−SONR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(NCN)NR、−NR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)アルキル、−S(O)(C〜C10アルキル)、−S(O)(CR、C〜C14アリール、C〜C14アリールアルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリールアルキル、ヘテロシクリル、ヘテロシクリルアルキル、−O(CR−アリール、−NR(CR−アリール、−O(CR−ヘテロアリール、−NR(CR−ヘテロアリール、−O(CR−ヘテロシクリル、または−NR(CR−ヘテロシクリルであり、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルは各々、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−NRC(O)OR10、−OC(O)R、−NRSO10、−SONR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(NCN)NR、−NR、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C〜C10アルキル)、ヘテロシクロアルキル、およびヘテロシクロアルキル(C〜C10アルキル)から独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
はH、ハロゲン、シアノ、ニトロ、アジド、−OR、−SR、−C(O)R、−C(O)OR、−NRC(O)OR10、−OC(O)R、−NRSO10、−SONR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(NCN)NR、−NR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル、−S(O)(C〜C10アルキル)、−S(O)(CR〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキル、(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキル、−O(CR−アリール、−NR(CR−アリール、−O(CR−ヘテロアリール、−NR(CR−ヘテロアリール、−O(CR−ヘテロシクリル、または−NR(CR−ヘテロシクリルであり、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル部分は各々、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−NRC(O)OR10、−OC(O)R、−NRSO10、−SONR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(NCN)NR、−NR、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、ヘテロアリール(C〜C10アルキル)、ヘテロシクロアルキル、またはヘテロシクロアルキル(C〜C10アルキル)から独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
は、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル、−C(O)OR、−C(O)NR、−C(O)NROR、−C(O)ROR、−C(O)(C〜C10シクロアルキル)、−C(O)(C〜C10アルキル)、−C(O)(C〜C14アリール)、−C(O)ヘテロアリールまたは−C(O)ヘテロシクロアルキルであり;上記各基は、−NR、−OR、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニルから独立に選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されており、各基は−NRおよび−ORから独立に選択される1個または2個の置換基で任意選択で置換されており、
、RおよびRのそれぞれは独立に、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルであり、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキル部分は各々、ヒドロキシル、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されているか、
または、
とRは、それらが結合している原子と一緒になって、置換または非置換3〜10員環を形成し、ここで、各基が、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されているか、
または、
とRは、それらが結合している原子と一緒になって、置換または非置換3〜10員環を形成し、ここで、各基が、H、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されており、
10は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルであり、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルは各々、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
R’、R’’およびR’’’は独立に、H、C〜C10アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C14アリールまたは(C〜C14アリール)C〜C10アルキルであり、
R’’’’はC〜C10アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C14アリールまたは(C〜C14アリール)C〜C10アルキルであるか、
または、
R’、R’’、R’’’およびR’’’’のうちの任意の2つは、それらが結合している原子と一緒になって4〜10員のヘテロアリールまたは複素環式環を形成しており、ヘテロアリールおよび複素環式環は各々、H、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
はCR11またはNであり、
11は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキル、(C〜C10アルキル)シリル、(C〜C10アルキル)(C〜C14アリール)シリルであり;アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルは各々、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
はO、Sまたは−C(=O)であり、
mは0、1、2、3、4または5であり、
jは0、1または2である)
またはその薬学的に許容される塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を本発明において提供する。
【0409】
いくつかの実施形態では、式(A−I)の化合物は、Xが−CR11である場合に式(A−I−1)を有するか、またはXがNである場合に式(A−I−2)を有する。
【化147】
[この文献は図面を表示できません]
【0410】
いくつかの実施形態では、式(A−I)の化合物は、Xが−CR11であり、XがO、Sまたは−C(=O)である場合、それぞれ式(A−I−1−a)、(A−I−1−b)または(A−I−1−c)を有する。
【化148】
[この文献は図面を表示できません]
【0411】
いくつかの実施形態では、式(A−I)の化合物は、XがNであり、XがO、Sまたは−C(=O)である場合、それぞれ式(A−I−2−a)、(A−I−2−b)または(A−I−2−c)を有する。
【化149】
[この文献は図面を表示できません]
【0412】
式(A−I)の化合物ならびにその塩、プロドラッグおよび溶媒和物を作製する方法も提供する。例えば、式(A−I−1−a)、(A−I−1−b)、(A−I−2−a)または(A−I−2−b)の化合物は、それぞれ、以下のスキームA−1、A−2、A−3またはA−4にしたがって調製することができる。
【化150】
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【化151】
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【化152】
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【化153】
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(式中、R、R、R、R、RおよびR11は式(A−I)について記載の通りであり、
は、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルであり、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルは各々、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
R’、R’’およびR’’’は独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C14アリールおよび(C〜C14アリール)C〜C10アルキルであり、
R’’’’はC〜C10アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C14アリールまたは(C〜C14アリール)C〜C10アルキルであるか、
または、
R’、R’’、R’’’およびR’’’’のうちの任意の2つは、それらが結合している原子と一緒になって4〜10員のヘテロアリールまたは複素環式環を形成しており、前記ヘテロアリールおよび複素環式環は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
12、R13、R14およびR15のそれぞれは独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキルおよび−SiR161718であり、R16、R17およびR18のそれぞれは独立に、C〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択される)。
【0413】
いくつかの好ましい実施形態では、化合物は、X、X、R、R、R、R、RおよびRが様々な程度の好ましさで以下に記載されている通りである、式(A−I)の化合物である。
好ましいXはCR11またはNであり、
より好ましいXはCR11またはNであり、
特別好ましいXはCR11またはNであり、
特に好ましいXはCR11またはNである。
好ましいR11はH、C〜Cアルキルまたは(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルであり、
より好ましいR11はH、C〜Cアルキルまたは(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルであり、
特別好ましいR11はHまたはC〜Cアルキルであり、
特に好ましいR11はHである。
好ましいR、R、RおよびRはそれぞれ独立に、H、ハロゲン、C〜C10アルキルであり、C〜C10アルキルはオキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−OR、−C(O)R、−C(O)OR、−NRC(O)OR10、−OC(O)R、−NRSO10、−SONR、−NRC(O)R、−C(O)NR、−NRC(O)NR、−NRC(NCN)NR、−NR、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されており、
より好ましいRはH、ハロゲン、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルコキシおよびハロゲン化アルキルスルファニルであり、
特別好ましいRはH、フルオロ、クロロ、ブロモ、C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルキル、ハロゲン化C〜Cアルコキシであり、
特に好ましいRはフッ素、塩素、メチル、−CF、−CFOである。
より好ましいRはH、ハロゲンまたはC〜Cアルキルであり、
特別好ましいRはH、ハロゲンまたはC〜Cアルキルであり、
特に好ましいRは水素である。
より好ましいRはより好ましくはHであり、
特別好ましいRはHであり、
特に好ましいRはHである。
より好ましいRはH、ハロゲンまたはC〜Cアルキルであり、
特別好ましいRはH、フルオロ、クロロ、ブロモまたはC〜Cアルキルであり、
特に好ましいRはH、フッ素、塩素またはメチルである。
好ましいRはH、ハロゲン、C〜C10アルコキシ、C〜C10アルキルスルファニル、ハロゲン化C〜C10アルコキシ、ハロゲン化C〜C10アルキルスルファニルまたはハロゲン化C〜C10アルキルであり、
より好ましいRはフルオロ、クロロ、ブロモ、ヨード、C〜Cアルコキシ、C〜Cアルキルスルファニル、ハロゲン化C〜Cアルコキシ、ハロゲン化C〜Cアルキルスルファニルまたはハロゲン化C〜Cアルキルであり、
特別好ましいRはブロモ、ヨード、C〜Cアルキルスルファニル、ハロゲン化C〜Cアルコキシまたはハロゲン化C〜Cアルキルであり、
特に好ましいRはブロモ、ヨード、−SCH、−OCF、−CFである。
好ましいRは−C(O)NRORまたは−C(O)NRであり、
、RおよびRのそれぞれは独立に、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルであり、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルは各々、ヒドロキシル、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されているか、
または、
およびRは、それらが結合している原子と一緒になって置換または非置換3〜10員環を形成しており、ここで、各基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されているか、
または、
とRは、それらが結合している原子と一緒になって置換または非置換3〜10員環を形成しており、ここで、各基は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF3、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の置換基で任意選択で置換されており、
10は、水素、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルであり、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリール、ヘテロシクロアルキルは各々、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
R’、R’’およびR’’’は独立に、水素、C〜C10アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C14アリールまたは(C〜C14アリール)C〜C10アルキルであり、
R’’’’はC〜C10アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C14アリールまたは(C〜C14アリール)C〜C10アルキルであるか、
または、
R’、R’’、R’’’およびR’’’’のうちの任意の2つは、それらが結合している原子と一緒になって4〜10員のヘテロアリールまたは複素環式環を形成しており、ヘテロアリールおよび複素環式環のそれぞれは、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されている。
より好ましいRは−C(O)NRORまたは−C(O)NRであり、
より好ましいRは、1個〜6個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル、または(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキルであり、
より好ましいRは水素またはC〜Cアルキルである。
特別好ましいRは−C(O)NRORまたは−C(O)NRであり、
特別好ましいRは1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているC〜Cアルキル、または(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルであり、
特別好ましいRは水素またはC〜Cアルキルである。
特に好ましいRは−C(O)NHORまたは−C(O)NHRである。
特に好ましいRは1個〜3個のヒドロキシ基で置換されているエチル、プロピルもしくはイソブチル、または(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルである。
【0414】
いくつかの好ましい実施形態では、化合物は、X、X、R、R、R、R、RおよびRが、上記X、X、R、R、R、R、RおよびR基に対して好ましい変形体について定義されている通りである式(A−I)の化合物である。
【0415】
いくつかのより好ましい実施形態では、化合物は、X、X、R、R、R、R、RおよびRが、上記X、X、R、R、R、R、RおよびR基に対してより好ましい変形体について定義されている通りである式(A−I)の化合物である。
【0416】
いくつかの特別に好ましい実施形態では、化合物は、X、X、R、R、R、R、RおよびRが、上記X、X、R、R、R、R、RおよびR基に対して特別に好ましい変形体について定義されている通りである式(A−I)の化合物である。
【0417】
いくつかの特に好ましい実施形態では、化合物は、X、X、R、R、R、R、RおよびRが、上記X、X、R、R、R、R、RおよびR基に対して特に好ましい変形体について定義されている通りである式(A−I)の化合物である。
【0418】
式(A−I)の化合物のX、X、R、R、R、R、RおよびR基のあらゆる変形体を組み合わせることができる、すなわち、好ましくない変形体、および式(A−I)について、上で指定したような異なる程度の好ましさを有する変形体を組み合わせることができることが意図され、理解される。そうした組合せは、例えばスキームA−1、A−2、A−3およびA−4の合成方法およびスキームにおける最終生成物に適用されているように、合成前駆体および中間体に適用可能である。
【0419】
飽和または不飽和炭化水素基(例えば、C〜C10アルキル、アルキレンまたはアルケニル)は、それらがヘテロ原子と結合している場合(例えば、アルコキシ)と同様に、直鎖であっても分枝鎖であってもよい。
【0420】
別段の指定のない限り、任意の基は、単一の置換基または複数の置換基で任意選択で置換されていてよく、複数置換された基における置換基は同じであっても異なっていてもよい。
【0421】
いくつかの実施形態では、式(A−I−1−a−1)、(A−I−1−b−1)、(A−I−1−c−1)、(A−I−2−a−1)、(A−I−2−b−1)または(A−I−2−c−1)の化合物
【化154】
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(式中、−C(O)NHOR部分は
【化155】
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からなる群から選択され、R、RおよびRは表4に記載の通りである)
またはその塩、プロドラッグもしくは溶媒和物を提供する。
【表4】
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【0422】
合成
式(A−I)の化合物またはその任意の変形体は、スキーム(A−1−1)、(A−2−1)、(A−3−1)および(A−4−1)に例示した合成経路にしたがって合成することができる。
【化156】
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【0423】
スキームA−1−1による合成経路を、スキームA−1−1−1および以下のステップに概要を示すように、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドのための合成プロセスによりさらに例示する。
【化157】
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ステップ1:
【化158】
[この文献は図面を表示できません]
【0424】
2,3,4−トリフルオロフェノールを、適切な不活性溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール(petrol)、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン(phenixin)、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはアセトンおよびメチルエチルケトンである)中で、塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、t−BuOK、t−BuONaを含む)の存在下、周囲温度でヒドロキシ保護試薬(例えば、BnBr、BnClを含む)で保護した。反応は、数時間(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)進行させる。通常の後処理の後、1−(ベンジルオキシ)−2,3,4−トリフルオロベンゼンが得られる。
ステップ2:
【化159】
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【0425】
適切な不活性溶媒(例えば、これらに限定されないが、脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、スルホラン、HMPA、DMPU、好ましくは無水THF、エチルエーテルおよびジオキサンである)中の1−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロベンゼンの溶液に、窒素雰囲気下、低温(−50℃〜−80℃、好ましくは−78℃)で強塩基(LDA、n−BuLi、LiHDMSなど)を加えた。撹拌を、この温度で数時間(例えば、0.5〜12時間、好ましくは0.5〜2時間)維持した。混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移した。混合物をいくらかの時間(例えば3〜12時間、好ましくは5〜10時間)撹拌した。通常の後処理の後、5−ベンゾキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸が得られる。
ステップ3:
【化160】
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【0426】
5−ベンゾキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸を、強塩基性条件(LDA、n−BuLi、LiHDMSなど)下、低温(−50℃〜−80℃、好ましくは−78℃)でいくらかの時間(例えば、3〜12時間、好ましくは5〜10時間)、ハロゲン化アニリン(o−フルオロアニリン、o−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、o−ヨードアニリンなど)と反応させることができる。通常の後処理の後、5−(ベンジルオキシ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸が得られる。
ステップ4:
【化161】
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【0427】
5−(ベンジルオキシ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸を、適切な不活性溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはアセトンおよびメチルエチルケトンである)中、塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、t−BuOK、t−BuONaを含む)の存在下、周囲温度で、酸またはヒドロキシル保護試薬(BnBr、BnClなど)で保護することができる。反応は数時間(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)進行する。通常の後処理の後、ベンジル5−(ベンジルオキシ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
ステップ5:
【化162】
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【0428】
ベンジル5−(ベンジルオキシ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートを、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドである)中でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)、アジド(NaN、KNなど)と反応させることができる。通常の後処理の後、ベンジル4−アジド−5−(ベンジルオキシ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
ステップ6:
【化163】
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【0429】
ベンジル4−アジド−5−(ベンジルオキシ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートは、溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはメタノール、エタノール、プロパン−1−オールおよび水である)中でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)、適切な触媒(Pd/C、Pt、Niなど)での触媒作用により水素化することができる。通常の後処理の後、4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸が得られる。
ステップ7:
【化164】
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【0430】
4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸は、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくは酢酸メチル、酢酸エチルおよびトリメトキシメタンである)中いくらかの時間(0.2〜12時間、好ましくは0.5〜10時間)で、酸(p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムトルエン−4−スルホネート、ギ酸、酢酸、硫酸など)の存在下で環化することができる。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸が得られる。
ステップ8:
【化165】
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【0431】
4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸を、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドである)中、酸(トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸など)の存在下、周囲温度でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)、ハロゲン化試薬(NISなど)と反応させることができる。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸が得られる。
ステップ9:
【化166】
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【0432】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキシルを、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよびN,N−ジメチルホルムアミドである)中、カップリング試薬(HOBt、EDCI、HATU、TBTUなど)の存在下、周囲温度でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミンと反応させることができる。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドが得られる。
ステップ10:
【化167】
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【0433】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドを、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタンである)中、酸(塩酸、硫酸、トリフルオロ酢酸など)の存在下でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)反応させることができる。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドが得られる。
【化168】
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【0434】
スキームA−2−1による合成経路を、スキームA−2−1−1および以下のステップの概要のとおりの、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミドのための合成プロセスによりさらに例示する。
【化169】
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ステップ1:
【化170】
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【0435】
適切な溶媒中(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくは無水THF、エチルエーテルおよびジオキサンである)中の2,3,4−トリフルオロブロモベンゼンの溶液に、窒素雰囲気下、低温(−50℃〜−80℃、好ましくは−78℃)で強塩基(LDA、nBuLi、LiHDMSなど)を加えた。反応物を、いくらかの時間(0.5〜12時間、好ましくは0.5〜2時間)撹拌し続け、そして、ドライアイスを加える。数時間(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)後、通常の後処理の後、5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸が得られる。
ステップ2:
【化171】
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【0436】
5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸を、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくは無水THF、エチルエーテルおよびジオキサンである)中、塩基(LDA、n−BuLi、LiHDMSなど)の存在下、低温(−50℃〜−80℃、好ましくは−78℃)で、いくらかの時間(例えば、3〜12時間、好ましくは5〜10時間)、ハロゲン化アニリン(o−フルオロアニリン、o−クロロアニリン、o−ブロモアニリン、o−ヨードアニリンなど)と反応させることができる。通常の後処理の後、5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸が得られる。
ステップ3:
【化172】
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【0437】
5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸を、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはメタノールおよびエタノールである)中、SOClの存在下でMeOHと反応させることができる。反応は数時間(3〜12時間、好ましくは5〜10時間)進行する。通常の後処理の後、メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートが得られる。
ステップ4:
【化173】
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【0438】
適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはジオキサンである)中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエートの溶液に、窒素雰囲気下、周囲温度で、塩基(例えば、脂肪族および芳香族アミン(例えば、これらに限定されないが、N−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン、トリエチルアミン、ジエチルアミン、DBU、t−ブチルアミン、シクロプロパンアミン、ジブチルアミン、ジイソプロピルアミン、1,2−ジメチルプロパンアミンなど)、無機塩基(NaCO、KCO、NaHCO、KHCO、t−BuONa、t−BuOKなど)、好ましくはN−エチル−N−イソプロピルプロパン−2−アミン)を加え、続いてPd触媒(例えばトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム、ビス(ジベンジリデンアセトン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)クロリド、二酢酸パラジウム、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、ビス(トリフェニルホスフィンパラジウム)アセテート、好ましくはトリス(ジベンジリデンアセトン)ジパラジウム)およびホスフィン配位子(例えばジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテン、トリ−tert−ブチルホスフィン、トリ−p−トリルホスフィン、トリス(4−クロロフェニル)ホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリス(2,6−ジメトキシフェニル)ホスフィン、1,1’−ビス(ジフェニルホスフィノ)フェロセン、好ましくはジメチルビスジフェニルホスフィノキサンテン)を加えた。反応物を、高温(80〜130℃、好ましくは90〜110℃)でいくらかの時間(8〜24時間、好ましくは12〜18時間)撹拌し続ける。通常の後処理の後、メチル3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートが得られる。
ステップ5:
【化174】
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【0439】
メチル3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートを、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドである)中、高温(60〜120℃、好ましくは80〜100℃)でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)、アジド(NaN、KNなど)と反応させることができる。通常の後処理の後、メチル4−アジド−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートが得られる。
ステップ6:
【化175】
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【0440】
メチル4−アジド−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートは、溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチル)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはメタノール、エタノール、プロパン−1−オールおよび水である)中でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)、適切な触媒(Pd/C、Pt、Niなど)での触媒作用により水素化することができる。通常の後処理の後、メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートが得られる。
ステップ7:
【化176】
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【0441】
4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエートを、適切な芳香族脂肪族エーテル(アニソールおよびフェネトールなど、好ましくはアニソールである)中いくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)で、酸(CFCOOH、HCOOH、CHCOOHおよびn−C11COOHなど、好ましくはCFCOOH)の存在下、特定の温度(20〜75℃、好ましくは25〜75℃)で脱保護することができる。通常の後処理の後、メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエートが得られる。
ステップ8:
【化177】
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【0442】
メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエートは、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくは酢酸メチル、酢酸エチルおよびトリメトキシメタンである)中いくらかの時間(0.2〜12時間、好ましくは0.5〜10時間)で、酸(p−トルエンスルホン酸、ピリジニウムトルエン−4−スルホネート、ギ酸、酢酸、硫酸など)の存在下で環化することができる。通常の後処理の後、メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレートが得られる。
ステップ9:
【化178】
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【0443】
メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレートを、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはN,N−ジメチルホルムアミドおよびN,N−ジメチルアセトアミドである)中で、酸(トリフルオロ酢酸、トリフルオロメタンスルホン酸、メタンスルホン酸、ギ酸、酢酸など)の存在下、周囲温度でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)、ハロゲン化試薬(NISなど)と反応させることができる。通常の後処理の後、メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレートが得られる。
ステップ10:
【化179】
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【0444】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸を、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはジクロロメタン、1,2−ジクロロエタンおよびN,N−ジメチルホルムアミドである)中、カップリング試薬(HOBt、EDCI、HATU、TBTUなど)の存在下、周囲温度でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミンと反応させることができる。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミドが得られる。
ステップ11:
【化180】
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【0445】
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミドを、適切な溶媒(脂肪族および芳香族炭化水素(ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン、石油エーテル、ペトロール、ガソリン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)、脂肪族および芳香族ハロ炭化水素(ジクロロメタン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、フェニキシン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼンなど)、エーテル(ジエチルエーテル、ジブチルエーテル、グリコールジメチルエーテル、2−メトキシエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなど)、ケトン(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルイソブチルケトンなど)、エステル(酢酸エチル、酢酸メチルなど)、ニトリル(アセトニトリル、プロピオノニトリルなど)、アミド(N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミドおよびN−メチルピロリジン−2−オンなど)、DMSO、スルホラン、HMPA、DMPUを含み、好ましくはジクロロメタンおよび1,2−ジクロロエタンである)中、酸(HCl、HSO、トリフルオロ酢酸など)の存在下でいくらかの時間(1〜12時間、好ましくは3〜10時間)反応させることができる。通常の後処理の後、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミドが得られる。
【化181】
[この文献は図面を表示できません]
【0446】
スキームA−3−1による合成経路は、スキームA−3−1−1の概要のとおり、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]オキサジアゾール−6−カルボキサミドのための合成経路によりさらに例示される。
【化182】
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【化183】
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【0447】
スキームA−1−1による合成経路は、スキームA−4−1−1の概要のとおり、4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミドのための合成プロセスによりさらに例示される。
【化184】
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【0448】
スキーム(A−1−1)、(A−2−1)、(A−3−1)および(A−4−1)で説明した合成プロセスにおいて、R、R、R、R、RおよびR11は、式(A−I)またはその任意の変形体、例えば、本明細書で上述したR、R、R、R、RおよびR11またはその任意の組合せの好ましい変形体、より好ましい変形体、特別に好ましい変形体および特に好ましい変形体について定義した通りである。
好ましいRは、H、C〜C10アルキル、C〜C10アルケニル、C〜C10アルキニル、C〜C10シクロアルキル、(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキル、C〜C14アリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、ヘテロアリール、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルまたは(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルであり、
アルキル、アルケニル、アルキニル、シクロアルキル、アリール、ヘテロアリールおよびヘテロシクロアルキルは各々、ヒドロキシル、オキソ−、ハロゲン、シアノ、ニトロ、−CF、アジド、−NR’SOR’’’’、−SONR’R’’、−C(O)R’、−C(O)OR’、−OC(O)R’、−NR’C(O)R’’’’、−NR’C(O)R’’、−C(O)NR’R’’、−SR’、−S(O)R’’’’、−SOR’’’’、−NR’R’’、−NR’C(O)NR’’R’’’、−NR’C(NCN)NR’’R’’’、−OR’、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
R’、R’’およびR’’’は独立に、H、C〜C10アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C14アリールまたは(C〜C14アリール)C〜C10アルキルであり、
R’’’’はC〜C10アルキル、C〜Cアルケニル、C〜C14アリールまたは(C〜C14アリール)C〜C10アルキルであるか、
または、R’、R’’、R’’’およびR’’’’のうちの任意の2つは、それらが結合している原子と一緒になって4〜10員のヘテロアリールまたは複素環式環を形成しており、前記ヘテロアリールおよび複素環式環は、ハロゲン、シアノ、ニトロ、トリフルオロメチル、ジフルオロメトキシ、トリフルオロメトキシ、アジド、C〜C14アリール、ヘテロアリール、(C〜C14アリール)C〜C10アルキル、(ヘテロアリール)C〜C10アルキル、ヘテロシクロアルキルおよび(ヘテロシクロアルキル)C〜C10アルキルから独立に選択される1個または複数の基で任意選択で置換されており、
より好ましいRは、1個〜6個のヒドロキシ基で任意選択で置換されているC〜Cアルキル、または(C〜C10シクロアルキル)C〜C10アルキルであり、
特別好ましいRは、1個〜3個のヒドロキシ基で任意選択で置換されているC〜Cアルキル、または(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルであり、
特に好ましいRは、1個〜3個のヒドロキシ基で任意選択で置換されているエチル、プロピルもしくはイソブチル、または(C〜Cシクロアルキル)C〜Cアルキルである。
好ましいR12、R13、R14およびR15は独立に、ベンジル、1個〜3個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキルまたは−SiR161718であり、R16、R17およびR18は独立に、C〜C10アルキルおよびC〜C14アリールから選択され、
より好ましいR12、R13、R14およびR15は独立に、ベンジル、1個〜2個のメトキシで置換されているベンジル、C〜Cアルキル、tert−ブチルジメチルシリル、トリフェニルシリル、トリメチルシリル、トリエチルシリル、トリプロピルシリルまたはトリイソプロピルシリルであり、
特別好ましいR12、R13、R14およびR15は独立に、ベンジル、o−メトキシベンジル、m−メトキシベンジル、p−メトキシベンジルまたはC〜Cアルキルであり、
特に好ましいR12、R13、R14およびR15は独立に、ベンジル、p−メトキシベンジルまたはメチルである。
【0449】
医薬組成物
本明細書で詳述する化合物のうちのいずれかの医薬組成物は、本発明に包含される。したがって、本発明は、本発明の化合物またはその薬学的に許容される塩および薬学的に許容される担体または添加剤を含む医薬組成物を含む。一態様では、上記薬学的に許容される塩は酸付加塩、例えば無機または有機酸と形成される塩である。本発明による医薬組成物は、経口、頬側、非経口、経鼻、局所もしくは経直腸投与に適した形態または吸入による投与に適した形態をとることができる。
【0450】
本発明は、式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物の遊離塩基、ならびにその薬学的に許容される塩および立体異性体を包含する。本発明の化合物は、アミンおよび/またはN含有複素環部分のN原子にプロトンが付加され、塩を形成することができる。「遊離塩基」という用語は、非塩形態のアミン化合物を指す。包含される薬学的に許容される塩は、本明細書で説明する特定の化合物について例示される塩を含むだけでなく、式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物の遊離形態のすべての典型的な薬学的に許容される塩も含む。説明する特定の塩化合物の遊離形態は、当技術分野で公知の技術を用いて単離することができる。例えば、遊離形態は、希釈されたNaOH、炭酸カリウム、アンモニアおよび炭酸水素ナトリウムの水溶液などの適切な希釈された塩基水溶液で塩を処理することによって再生成させることができる。遊離塩基形態は、極性溶媒中での溶解性などの特定の物理的特性がそれらのそれぞれの塩形態といくぶん異なるが、上記の酸および塩基の塩は、他の点では、本発明のためにはそれらのそれぞれの遊離形態と薬学的に同等である。
【0451】
本発明の化合物の薬学的に許容される塩は、通常の化学的方法によって、塩基性または酸性部分を含む本発明の化合物から合成することができる。一般に、塩基性化合物の塩は、イオン交換クロマトグラフィーによるか、あるいは、遊離塩基を、適切な溶媒または溶媒を様々に組合せたものの中で化学量論量かまたは過剰な所望の塩形成無機または有機酸と反応させることによって調製される。同様に、酸性化合物の塩は、適切な無機または有機の塩基との反応によって形成される。
【0452】
本発明は、式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体などの1つまたは複数の本明細書で詳述する化合物および薬学的に許容される担体を含む医薬組成物も提供する。活性成分を含む医薬組成物は、例えば、錠剤、トローチ剤、ロゼンジ剤、水性もしくは油性懸濁剤、分散性散剤もしくは顆粒剤、乳剤、硬質もしくは軟質カプセル剤またはシロップ剤もしくはエリキシル剤のような経口使用に適した形態であってよい。経口使用を目的とした組成物は、医薬組成物の製造のための技術の分野で公知の任意の方法にしたがって調製することができ、そうした組成物は、薬学的に洗練されておりかつ口当たりの良い調製物を提供するために、甘味剤、香味剤、着色剤および保存剤からなる群から選択される1つまたは複数の剤を含むことができる。錠剤は、錠剤の製造に適した非毒性の薬学的に許容される添加剤との混合物で活性成分を含む。これらの添加剤は、例えば不活性賦形剤、例えば炭酸カルシウム、炭酸ナトリウム、ラクトース、リン酸カルシウムまたはリン酸ナトリウム;顆粒化剤および崩壊剤、例えば微結晶性セルロース、クロスカルメロースナトリウム(sodium crosscarmellose)、トウモロコシデンプンまたはアルギン酸;結合剤、例えばデンプン、ゼラチン、ポリビニル−ピロリドンまたはアカシア、および滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、ステアリン酸またはタルクであり得る。錠剤は、コーティングされていなくてもよく、または、薬物の不快な味をマスキングするため、もしくは消化管内での崩壊および吸収を遅延させそれによって長期間にわたる持続的な作用を提供するために、コーティングされていてよい。例えば、ヒドロキシプロピルメチルセルロースまたはヒドロキシプロピルセルロースなどの水溶性味覚マスキング材料、またはエチルセルロース、酢酸酪酸セルロースなどの時間遅延材料を使用することができる。
【0453】
医学的用途
本明細書で詳述するベンゾチアジアゾール、ベンゾオキサゾールおよびベンゾチアゾール誘導体などの本発明のベンゾ複素環式化合物は、MEKなどのプロテインキナーゼの阻害剤である。これらの化合物は、癌および炎症性疾患などのMEKカスケードが関与する状態または障害の処置に有用である可能性がある。
【0454】
本発明は、MEKの阻害によって改善できる疾患または状態の処置または予防で使用するための化合物を提供する。したがって、本発明は、癌、急性および慢性炎症性疾患、皮膚疾患、糖尿病、眼疾患、脈管形成、血管形成または慢性疼痛などの、MEKの阻害によって改善することができる疾患または状態の処置または予防用の医薬の製造における使用のための式(I)、(J)、(K)、(A−I)などの化合物またはその任意の変形体を提供する。
【0455】
いくつかの実施形態では、処置可能な疾患または状態は、腫瘍(非限定的な例には、血管腫、神経膠腫、黒色腫、カポジ肉腫、卵巣癌、乳癌、肺癌、膵臓癌、前立腺癌、結腸癌、結腸直腸癌および消化管癌が含まれる)、慢性炎症性疾患(非限定的な例には、関節リウマチが含まれる)、哺乳動物の脈管形成もしくは血管形成に関連する疾患、アテローム性動脈硬化症、炎症性腸疾患、皮膚症(dermatopathya)(非限定的な例には、乾癬、湿疹(excema)および強皮症(sceroderma)が含まれる)、真性糖尿病、糖尿病性網膜症、未熟児の網膜症、加齢性黄斑変性症、慢性疼痛関連疾患(神経痛、およびMEKに関連する他の疾患による疼痛を含む;非限定的な例には、幻肢痛、熱傷痛、痛風、三叉神経痛、急性疱疹性(acute herpetic)、帯状疱疹後痛、灼熱痛、糖尿病性神経障害、叢裂離(plexus avulsion)、神経腫、脈管炎、圧挫損傷、絞扼損傷(constriction injury)、組織損傷、術後疼痛、関節炎痛および手足の切断が含まれる)を含むことができる。
【0456】
MEKによって媒介される疾患または状態の処置または予防のための方法であって、それを必要とする個体に治療有効量の式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物もしくはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物、または式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物もしくはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法も提供する。いくつかの実施形態では、MEKによって媒介される疾患または状態は、癌、慢性炎症性疾患、皮膚疾患、糖尿病、眼疾患、脈管形成、血管形成または慢性疼痛である。
【0457】
いくつかの実施形態では、本発明は、癌の処置または予防のための方法であって、それを必要とする個体に、有効量の式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物もしくはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物、または式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物もしくはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、癌は以下で詳述する癌である。いくつかの実施形態では、癌は、結腸癌、結腸直腸癌、肺癌(例えば、非小細胞肺癌)、膵臓癌、乳癌、卵巣癌、前立腺癌または皮膚癌(例えば、黒色腫)である。
【0458】
いくつかの実施形態では、本発明は、炎症性疾患の処置または予防のための方法であって、それを必要とする個体に、有効量の式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物もしくはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物、または本明細書で詳述する化合物、例えば式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物もしくはその任意の変形体を含む組成物を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、炎症性疾患は関節リウマチまたは炎症性腸疾患である。
【0459】
本発明の化合物は、臓器移植拒絶反応に起因する状態;関節炎、関節リウマチを含む関節の慢性炎症性疾患;炎症性腸疾患、例えば回腸炎、潰瘍性大腸炎、バレット症候群およびクローン病;炎症性肺疾患、例えばぜんそく、成人呼吸窮迫症候群および慢性閉塞性気道疾患;目の炎症性疾患;歯茎の慢性炎症性疾患;腎臓の炎症性疾患;皮膚の炎症性疾患;中枢神経系の炎症性疾患;心臓の炎症性疾患、例えば心筋症、虚血性心疾患およびアテローム性動脈硬化症;ならびに子癇前症、慢性肝不全、脳および脊髄の損傷を含む重大な炎症性要素を有する可能性のある様々な他の疾患を含む炎症性疾患の処置に有用である。
【0460】
本発明は、炎症性疾患を処置または予防するための医薬の製造における使用のための式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体などの化合物も提供する。
【0461】
いくつかの実施形態では、本発明は、慢性疼痛を処置するための方法であって、それを必要とする個体に、有効量の式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物もしくはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物、または式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物もしくはその任意の変形体などの本明細書で詳述する化合物を含む組成物を投与するステップを含む方法を提供する。いくつかの実施形態では、慢性疼痛は、幻肢痛、熱傷痛、痛風、三叉神経痛、急性疱疹性疼痛、帯状疱疹後痛、灼熱痛、糖尿病性神経障害、叢裂離、神経腫、脈管炎、圧挫損傷、絞扼損傷、組織損傷、術後疼痛、関節炎痛および手足の切断である。
【0462】
式(I)、(J)、(K)、(A−I)の化合物またはその任意の変形体などの本発明の化合物は、標準的な薬学的実務にしたがって、哺乳動物、好ましくはヒトに、単独で、または医薬組成物中で薬学的に許容される担体、添加剤、賦形剤、アジュバント、充填剤、緩衝剤、安定剤、保存剤、滑沢剤と組み合わせて投与することができる。
【0463】
インビボでの投与は、処置過程を通して、1回用量で、連続でまたは間欠的(例えば、適切な間隔での分割用量で)に実施することができる。投与の最も効果的な手段および投薬量の決定方法は当業者に周知であり、それは、療法に用いられる製剤、療法の目的、処置を受ける標的細胞および処置を受ける被験体によって変わる。単回または複数回投与は、処置を行う医師によって選択される投与のレベルおよびパターンで実施することができる。活性化合物が塩、エステル、またはプロドラッグなどである場合、投与される量は親化合物を基に計算され、したがって使用される実際の重量は比例して増大する。当業者は理解するように、投薬量は、公知の方法を用い、それを必要とする個体の年齢、体重および健康状態、処置される状態の種類ならびに利用可能な他の薬物の存在を考慮に入れて判断することができる。いくつかの実施形態では、有効用量は約0.1〜約1000mg/kg体重である。いくつかの実施形態では、有効用量は約1〜約300mg/kg体重である。平均的成人に対しては、一日用量は約10〜2500mg、約100mg、約200mg、約300mgまたは約400mgであり得る。
【0464】
本発明の化合物は、これらに限定されないが、経口(例えば、摂取による);局所(例えば経皮、鼻腔内、眼内、頬側および舌下);肺内(例えば、口または鼻などを通す、例えばエアゾールを用いた吸入または吹送療法による);経直腸;経膣;非経口(例えば、皮下、皮内、筋肉内、静脈内、動脈内、心臓内、髄腔内、脊髄内、嚢内、嚢下、眼窩内、腹腔内、気管内、表皮下、関節内、くも膜下および胸骨内を含む注射による);およびデポーの埋め込み(例えば、皮下または筋肉内)を含む好都合な任意の投与経路によって、全身的/末梢的に、または所望の作用部位で個体に投与することができる。個体は動物であってもヒトであってもよい。
【0465】
これらの化合物は、液剤、乳剤、水および油懸濁剤、散剤、ペースト剤、可溶性散剤、顆粒剤、懸濁乳剤増粘剤(suspension emulsion thickener)、カプセル剤、錠剤、頓服剤(potion)、水剤(draught)、丸剤、坐剤および他の適切な形態などの任意の適切な剤形で投与され得る。
【0466】
いくつかの実施形態では、癌などのMEKによって媒介される疾患または状態を処置する方法は、本発明の化合物と併用される1種または複数種の追加の活性剤をさらに含む。
【実施例】
【0467】
当業者は、本明細書で詳述する化合物を、一般的方法を参照することによって調製することができる。一般的方法の具体的な例を以下の実施例で提供する。例示目的で以下の実施例を提供するが、これらは本発明を限定しない。
(実施例1)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(化合物1)の調製
【化185】
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ステップ1:1−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロベンゼン
【0468】
炭酸ナトリウム(19.50g、183.96mmol)を、アセトン(300mL)中の2,3,4−トリフルオロフェノール(13.64g、92.10mmol)の溶液に分散させた。この撹拌懸濁液に、臭化ベンジル(17.31g、101.21mmol)を滴下添加した。混合物を50℃で24時間還流下で加熱した。アセトンを減圧下で除去し、残留物を水(300mL)に溶解させた。この溶液を酢酸エチル(100mL×2)で抽出した。合わせた有機抽出物を5%水酸化ナトリウム(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去して淡黄色固体(19.89g、90.7%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 7.40 (m, 5H), 6.85 (m, 1H), 6.64 (m, 1H), 5.15 (s, 2H).
ステップ2:5−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸
【0469】
THF(100mL)中のジイソプロピルアミン(10.14g、100.20mmol)の溶液に、窒素雰囲気下−78℃で、n−BuLi(40.08mL、ヘキサン中2.5M、100.20mmol)を加えた。撹拌を、この温度で1時間維持した。次いでTHF(120mL)中の1−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロベンゼン(19.89g、83.50mmol)の溶液を加えた。−78℃で1時間撹拌した後、混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を10%HCl水溶液でクエンチし、pHを1〜2に調節した。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して所望生成物(白色固体、19.33g、82%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 7.42 (m, 6H), 5.14 (s, 2H).
ステップ3:5−ベンジルオキシ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸
【0470】
THF(120mL)中の2−フルオロアニリン(15.23g、137mmol)および5−ベンジル−オキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(19.33g、68.50mmol)の溶液に、−78℃で、LiHMDS(205.5mL、THF中1M、205.50mmol)を滴下添加した。混合物を室温に徐々に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物を水(100mL)でクエンチし、10%HCl(aq.)でpH2〜3に酸性化した。水層を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物(淡黄色固体、19.17g、75%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 13.76 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.61 (dd, J = 8.8, 1.7Hz, 1H), 7.44 (m, 5H), 7.20 (m, 1H), 7.05 (m, 1H), 6.90 (m, 2H), 5.26 (s, 2H).
ステップ4:ベンジル5−ベンジルオキシ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0471】
DMF(150mL)中の5−ベンジルオキシ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸(19.17g、51.35mmol)の溶液に、炭酸水素カリウム(6.16g、61.62mmol)を加え、次いで臭化ベンジル(6.2mL、51.41mmol)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、水を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)後、対応する生成物を白色固体(21.42g、90%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.51 (s, 1H), 7.51 (dd, J = 8.5, 2.1Hz, 1H), 7.41 (m, 10H), 7.09 (m, 1H), 7.03 (m, 1H), 6.94 (m, 1H), 6.85 (m, 1H), 5.33 (s, 2H), 5.15 (s, 2H).
ステップ5:ベンジル4−アジド−5−ベンジルオキシ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0472】
DMF(150mL)中のベンジル5−ベンジルオキシ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロ−フェニル)アミノ)ベンゾエート(21.42g、46.22mmol)の溶液に、NaN(3.61g、55.46mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(300mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーにより精製して(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)所望生成物(淡黄色固体、14.63g、65%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.45 (s, 1H), 7.49 (s, 1H), 7.39 (m, 10H), 7.07 (m, 1H), 7.04 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.83 (m, 1H), 5.31 (s, 2H), 5.13 (s, 2H).
ステップ6:4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸
【0473】
MeOH(200mL)中のベンジル4−アジド−5−ベンジルオキシ−3−フルオロ−2−((2−フルオロ−フェニル)アミノ)ベンゾエート(14.63g、30.07mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(2.55g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で3時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を真空下で濃縮して所望生成物を得た。これを、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ7:4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸
【0474】
トリメチルオルトホルメート(50mL)中の4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸(7.58g、27.05mmol)の溶液に、p−TsOH(0.23g、1.35mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、水(200mL)で処理した。沈殿物をろ別し、ろ過ケーキを水で洗浄して所望生成物(7.22g、2つのステップで82.7%の収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.28 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.14 (m, 1H), 7.05 (m, 2H), 6.86 (m, 1H).
ステップ8:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸
【0475】
DMF(50mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(7.22g、24.88mmol)の溶液に、NIS(6.08g、26.37mmol)を加え、次いでトリフルオロ酢酸(1.0mL)を加えた。周囲温度で5時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。この溶液を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物(褐色固体、6.34g、61.2%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 8.97 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.58 (dd, J = 11.0, 1.7Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.5Hz, 1H), 6.55 (m, 1H).
ステップ9:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【0476】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(500mg、1.2mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)およびEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミン(172mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(CHCl/MeOH、100:1、v/v)、所望生成物(白色固体、450mg、74.8%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.82 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.53 (d, J = 10.8Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.1Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 13.9, 6.6Hz, 1H), 6.40 (d, J = 6.0Hz, 1H), 4.18 (d, J = 14.5Hz, 1H), 3.99 (m, 3H), 3.83 (s, 2H).
ステップ10:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【0477】
CHCl(10mL)中の化合物4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(450mg、0.9mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、6.7mL、6.72mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(10mL×2)で洗浄した。合わせた有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物(白色固体、380mg、88.9%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.75 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.53 (d, J = 9.4Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.7Hz, 1H), 6.39 (m, 1H), 4.70 (s, 1H), 3.83 (s, 2H), 3.56 (s, 2H). MS APCI(+)m/z:476.1、[M+H]。
(実施例1A)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(化合物1)の調製
【化186】
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ステップ1:1−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロベンゼン
【化187】
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【0478】
炭酸ナトリウム(19.50g、0.184mol)を、アセトン(300mL)中の2,3,4−トリフルオロフェノール(13.64g、0.092mol)の溶液に分散させた。この撹拌懸濁液に、アセトン(100mL)中の臭化ベンジル(17.31g、101.21mmol)の溶液を滴下添加した。混合物を、50℃で24時間還流下で加熱し、室温に冷却し、ろ過した。ろ過ケーキをアセトン(50mL×3)で洗浄し、アセトンを減圧下で除去した。残留物を酢酸エチル(500mL)に溶解させた。溶液を5%水酸化ナトリウム(50mL)、水(150mL)およびブライン(150mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥した。溶媒を真空下で除去して淡黄色固体(19.89g、90%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 7.40 (m, 5H), 6.85 (m, 1H), 6.64 (m, 1H), 5.15 (s, 2H).
ステップ2:5−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸
【化188】
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【0479】
無水THF(120mL)中の1−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロベンゼン(19.89g、83.6mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃で、リチウムジイソプロピルアミド(THF中2.0M、42.6mL、85.2mmol)を加えた。−78℃で1時間撹拌した後、混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移した(20.0g、454.5mmol)。混合物を周囲温度で終夜撹拌した。反応物を10%HCl水溶液(300mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を5%水酸化ナトリウム(300mL)で洗浄した。水層を濃HCl(aq.)でpH1に酸性化し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して所望生成物(白色固体、19.33g、82%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 14.01 (s, 1H), 7.42 (6H, m), 5.16(2H, s).
ステップ3:5−ベンジルオキシ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸
【化189】
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【0480】
THF(120mL)中の2−フルオロアニリン(13.21g、137.1mmol)および5−ベンジル−オキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(19.33g、68.55mmol)の溶液に−78℃で、LiHMDS(206.1mL、THF中1M、206.1mmol)を滴下添加した。混合物を室温に徐々に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物をHCl(aq.、1N、250mL)でクエンチし、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(200mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物(淡黄色固体、19.17g、75%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 13.76 (s, 1H), 8.58 (s, 1H), 7.61 (dd, J = 8.8, 1.7Hz, 1H), 7.52−7.35 (m, 5H), 7.20 (m, 1H), 7.05 (m, 1H), 6.98−6.82 (m, 2H), 5.26 (s, 2H).
ステップ4:ベンジル5−ベンジルオキシ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化190】
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【0481】
DMF(30mL)中の5−ベンジルオキシ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸(19.17g、51.35mmol)の溶液に、炭酸水素カリウム(6.16g、61.62mmol)を加え、次いで臭化ベンジル(6.2mL、51.41mmol)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、次いで水(150mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して対応する生成物(21.42g、90%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.51 (s, 1H), 7.51 (dd, J = 8.5, 2.1Hz, 1H), 7.46−7.36 (m, 10H), 7.12−7.06 (m, 1H), 7.03 (m, 1H), 6.94 (m, 1H), 6.85 (m, 1H), 5.33 (s, 2H), 5.15 (s, 2H).
ステップ5:ベンジル4−アジド−5−ベンジルオキシ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化191】
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【0482】
DMF(35mL)中のベンジル5−ベンジルオキシ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロ−フェニル)アミノ)ベンゾエート(21.42g、46.26mmol)の溶液に、NaN(3.61g、55.51mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(300mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)、所望生成物(白色固体、14.63g、65%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.55 (s, 1H), 7.53 (dd, J = 8.5, 2.1Hz, 1H), 7.50−7.33 (m, 10H), 7.09 (m, 1H), 7.05 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.83 (m, 1H), 5.35 (s, 2H), 5.20 (s, 2H).
ステップ6:4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸
【化192】
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【0483】
MeOH(200mL)中のベンジル4−アジド−5−ベンジルオキシ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(14.63g、30.07mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(2.55g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で6時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を真空下で濃縮して粗生成物(7.58g、90%収率)を得た。これを、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ7:4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸
【化193】
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【0484】
トリメチルオルトホルメート(50mL)中の4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−ヒドロキシ安息香酸(7.58g、27.08mmol)の溶液に、p−TsOH(233mg、1.35mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、水(300mL)で処理した。沈殿物をろ別し、ろ過ケーキを水で洗浄して所望生成物(7.22g、92%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 8.28 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 7.14 (m, 1H), 7.11 (m, 1H), 7.04 (m, 1H), 6.85 (m, 1H).
ステップ8:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸
【化194】
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【0485】
DMF(50mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(7.22g、24.90mmol)の溶液に、NIS(6.08g、26.37mmol)を加え、次いでトリフルオロ酢酸(3mL)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.、100mL)でクエンチした。この溶液を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(50mL×3)およびブライン(100mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、3:1、v/v)、所望生成物(褐色固体、6.339g、69%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 8.97 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.58 (dd, J = 11.0, 1.7Hz, 1H), 7.34 (d, J = 8.5Hz, 1H), 6.55 (m, 1H).
ステップ9:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【化195】
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【0486】
CHCl中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(500mg、1.2mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)およびEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミン(172mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.、20mL)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL×2)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(CHCl/MeOH、20:1、v/v)、所望生成物(白色固体、598mg、98%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.82 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.53 (d, J = 10.8Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.1Hz, 1H), 6.50 (dd, J = 13.9, 6.6Hz, 1H), 6.40 (d, J = 6.0Hz, 1H), 4.18 (d, J = 14.5Hz, 1H), 3.99 (m, 3H), 3.83 (s, 2H).
ステップ10:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【化196】
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【0487】
CHCl(5mL)中の化合物4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(598mg、1.17mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、6.7mL、6.72mmol)を滴下添加した。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で処理した。有機層を水(30mL×2)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(CHCl/MeOH、15:1、v/v)、所望生成物(白色固体、290mg、52%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.75 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.53 (d, J = 9.4Hz, 1H), 7.28 (d, J = 8.7Hz, 1H), 6.39 (m, 1H), 4.70 (s, 1H), 3.83 (m, 2H), 3.56 (m, 2H). MS(ES+):m/z 476.34[MH]。
(実施例2)
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(化合物2)の調製
【化197】
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ステップ1:N−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【0488】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(500mg、1.20mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)を加え、次いでEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ヒドロキシルアミン(238mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(488mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ2:N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【0489】
CHCl(10mL)中のN−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(488mg、0.89mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.2mL、2.69mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物(白色固体、310mg、2つのステップで48%の収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.80 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.87 (s, 1H), 7.53 (d, 1H), 7.28 (d, 1H), 6.40 (m, 1H), 4.84 (d, 1H), 4.60 (m, 1H), 3.87 (m, 1H), 3.72 (m, 2H), 3.36 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:527.8、[M+Na]。
(実施例3)
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(化合物3)の調製
【化198】
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ステップ1:5−(ベンジルオキシ)−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3,4−ジフルオロ安息香酸
【0490】
THF(120mL)中の2−クロロアニリン(13.91ml、137.00mmol)および5−ベンジルオキシ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(19.33g、68.50mmol)の溶液に−78℃で、窒素雰囲気下でLiHMDS(205.5mL、THF中1M、205.5mmol)を滴下添加した。混合物を徐々に室温に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物を水(100mL)でクエンチし、10%HCl(aq.)でpH2〜3に酸性化した。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物(淡黄色固体、23.80g、89.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 13.80 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 7.64 (m, 1H), 7.34 (m, 7H), 6.92 (m, 1H), 6.78 (m, 1H), 5.26 (s, 2H).
ステップ2:ベンジル5−(ベンジルオキシ)−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3,4−ジフルオロベンゾエート
【0491】
DMF(200mL)中の5−(ベンジルオキシ)−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3,4−ジフルオロ安息香酸(23.80g、61.06mmol)の溶液に、炭酸水素カリウム(9.16g、91.6mmol)を加え、次いで臭化ベンジル(8.0mL、67.37mmol)を加えた。混合物を室温で5時間撹拌し、水(300mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(200mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)後、対応する生成物を白色固体(27.82g、95%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.56 (s, 1H), 7.52 (dd, J = 8.5, 2.1Hz, 1H), 7.40 (m, 11H), 7.15 (m, 1H), 6.88 (m, 1H), 6.74 (m, 1H), 5.34 (s, 2H), 5.16 (s, 2H).
ステップ3:ベンジル4−アジド−5−(ベンジルオキシ)−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3−フルオロベンゾエート
【0492】
DMF(250mL)中のベンジル5−(ベンジルオキシ)−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3,4−ジフルオロベンゾエート(27.82g、57.97mmol)の溶液に、NaN(4.52g、69.56mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(400mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(150mL)およびブライン(150mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)、所望生成物(淡黄色固体、22.97g、78.8%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.41 (s, 1H), 7.40 (m, 12H), 7.13 (m, 1H), 6.87 (m, 1H), 6.69 (m, 1H), 5.34 (s, 2H), 5.17 (s, 2H).
ステップ4:4−アミノ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3−フルオロ−5−ヒドロキシ安息香酸
【0493】
MeOH(500mL)中の化合物ベンジル4−アジド−5−(ベンジルオキシ)−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3−フルオロベンゾエート(22.97g、45.67mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(3.80g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で3時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を減圧下で蒸発させて所望生成物を得た。これを、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ5:5−((2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸
【0494】
トリメチルオルトホルメート(100mL)中の4−アミノ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3−フルオロ−5−ヒドロキシ安息香酸の溶液に、p−TsOH(0.42g、1.35mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、水(300mL)で処理した。沈殿物をろ別し、ろ過ケーキを水で洗浄して黄色固体(12.31g、2つのステップで87.9%の収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 13.9 (s, 1H), 9.05 (s, 1H), 8.8 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 7.43 (m, 1H), 7.15 (m, 1H), 6.98 (m, 1H), 6.74 (m, 1H).
ステップ6:5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸
【0495】
DMF(100mL)中の5−((2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(12.31g、40.14mmol)の溶液に、NBS(7.86g、44.15mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を水でクエンチし、沈殿物をろ過した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物(淡褐色固体、10.82g、69.9%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.08 (s, 1H), 9.42 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.27 (s, 1H), 7.82 (d, J = 12.0Hz, 1H), 7.37 (m, 1H), 6.65 (m, 1H).
ステップ7:5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−(ビニル−オキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【0496】
CHCl(10mL)中の5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(463mg、1.20mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)およびEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミン(172mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(445mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ8:5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【0497】
CHCl(10mL)中の5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(445mg、0.95mmol)の溶液に、1.0N HCl溶液(6.7mL、6.72mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物(白色固体、347mg、2つのステップで65%の収率)を得た。H NMR (400MHz, MeOD): δ 8.65 (s, 1H), 7.8 (s, 1H), 7.54 (d, J = 2.0Hz, 1H), 7.24 (m, 1H), 6.50 (m, 1H), 3.95 (s, 2H), 3.70 (s, 2H). MS APCI(+)m/z:445.9[M+H]、467.8、[M+Na]。
(実施例4)
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(化合物4)の調製
【化199】
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ステップ1:5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【0498】
CHCl(10mL)中の5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(463mg、1.20mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)を加え、次いでEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−((2,2−ジメチル−1,3−ジ−オキソラン−4−イル)メチル)ヒドロキシルアミン(238mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(473mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ2:5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド
【0499】
CHCl(10mL)中の5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボキサミド(473mg、0.92mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.2mL、2.69mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物(白色固体、255mg、2つのステップで44.7%の収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.78 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 6.42 (m, 1H), 4.83 (d, 1H), 4.62 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.70 (m, 2H), 3.35 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:475.7、[M+H]。
(実施例5)
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド(化合物5)の調製
【化200】
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ステップ1:4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン
【0500】
t−BuOH(3mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(70mg、0.17mmol)の溶液に、DPPA(82mg、0.29mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(36mg、0.36mmol)を加えた。混合物を3時間還流下で加熱し、徐々に室温に加温した。溶媒を真空下で除去し、得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(石油エーテル/酢酸エチル、2:1、v/v)。対応する生成物を得た(白色固体、62mg、89.2%収率)。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.75 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.50 (m, 1H), 7.39 (s, 1H).
ステップ2:7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン
【0501】
CHCl(3mL)中の4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン(30mg、0.07mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(22mg、0.22mmol)を加え、次いでシクロプロパンスルホニルクロリド(16mg、0.11mmol)およびDMAP(5mg)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(10mL)およびブライン(10mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(40mg、100%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.39−7.11 (d, 2H), 7.05, (m, 1H), 3.40 (m, 1H), 1.71 (m, 2H), 0.91−0.85 (m, 2H).
ステップ3:N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド
THF(3mL)中の7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン(30mg、0.06mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(12mg、0.09mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層を酢酸エチル(5mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)対応する生成物を白色固体(10mg、35.1%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.15 (s, 1H), 7.88 (s, 1H), 7.46 (dd, 1H), 7.33 (s, 1H), 7.23 (dd, 1H), 6.15 (m, 1H), 5.49 (s, 1H), 2.55 (m, 1H), 1.01 (m, 2H), 0.92 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:492.5、[M+H]。
(実施例6)
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(化合物6)の調製
【化201】
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ステップ1:7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン
【0502】
DCM(5mL)中の4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン(100mg、0.24mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(74mg、0.73mmol)を加え、次いで1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(66mg、0.36mmol)およびDMAP(15mg)を加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をDCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(120mg、89.0%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.70−7.68 (d, 2H), 7.27 (m, 1H), 5.75−5.58 (m, 1H), 5.05 (m, 2H), 2.90−2.80 (m, 1H), 2.10−2.0 (m, 1H), 1.95−1.86 (m, 2H), 1.25−1.10 (m, 2H).
ステップ2:1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0503】
THF(10mL)中の7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン(120mg、0.23mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(48mg、0.35mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層をEA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)所望生成物(100mg、87.0%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.42 (m, 1H), 7.31−7.25 (m, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.43−6.35 (m, 1H), 6.21 (s, 1H), 5.85−5.70 (m, 1H), 5.22−5.14 (m, 2H), 2.83 (d, 2H), 1.28−1.20 (m, 2H), 0.87−0.80 (m, 2H).
ステップ3:1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェン−イル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0504】
THF(10mL)中の1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(100mg、0.38mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(44mg、0.38mmol)を加え、次いで四酸化オスミウム(10mg、0.04mmol)および水(0.5mL)を加えた。得られたものを室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮し、次いで酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和NaHCO(aq.)およびブラインで逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して生成物を白色固体(30mg、28.2%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.46−7.36 (m, 2H), 7.30−7.20 (m, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.45−6.32 (m, 1H), 4.40−4.26 (m, 2H), 4.20−4.10 (m, 1H), 3.75−3.60 (m, 1H), 2.86−2.79 (m, 1H), 1.30−1.25 (m, 2H), 1.15−1.20 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:566.3、[M+H]。
(実施例7)
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド(化合物7)の調製
【化202】
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ステップ1:5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン
【0505】
t−BuOH(3mL)中の5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−カルボン酸(110mg、0.28mmol)の溶液に、DPPA(94mg、0.34mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(58mg、0.57mmol)を加えた。混合物を3時間還流下で加熱し、徐々に室温に加温した。溶媒を真空下で除去し、得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(石油エーテル/酢酸エチル、2:1、v/v)。対応する生成物を得た(白色固体、105mg、96.2%収率)。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.78 (s, 1H), 8.69 (s, 1H), 7.99 (d, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.51 (m, 1H), 7.41 (s, 1H).
ステップ2:5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン
【0506】
CHCl(10mL)中の5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン(100mg、0.26mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(80mg、0.78mmol)を加え、次いでシクロプロパンスルホニルクロリド(55mg、0.39mmol)およびDMAP(10mg)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(15mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(15mL)およびブライン(20mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(110mg、86.5%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.71−7.69 (m, 2H), 7.32 (m, 1H), 3.35 (m, 1H), 1.69 (m, 2H), 0.88 (m, 2H).
ステップ3:N−(4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド
THF(10mL)中の5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン(100mg、0.21mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(40mg、0.31mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)生成物を白色固体(60mg、63.4%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.10 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.40 (m, 2H), 7.31−7.26 (m, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.40−6.36 (m, 1H), 6.23 (s, 1H), 5.86−5.72 (m, 1H), 5.25−5.13 (m, 2H), 2.85 (d, 2H), 1.30−1.22 (m, 2H), 1.15−1.20 (m, 2H). 8.17 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.49 (dd, 1H), 7.35 (s, 1H), 7.26 (dd, 1H), 6.17 (m, 1H), 5.44 (s, 1H), 2.57 (m, 1H), 1.06−1.08 (m, 2H), 1.00−1.01 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:461.7、[M+H]。
(実施例8)
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(化合物8)の調製
【化203】
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ステップ1:7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン
【0507】
DCM(10mL)中の5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン(100mg、0.26mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(80mg、0.78mmol)を加え、次いで1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(71mg、0.39mmol)およびDMAP(15mg)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NaHCO(aq.)で処理した。水層をCHCl(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(120mg、87.2%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.39−7.11 (d, 2H), 7.05, (m, 1H), 5.75−5.58 (m, 1H), 5.05 (m, 2H), 2.90−2.80 (m, 1H), 2.10−2.0 (m, 1H), 1.95−1.86 (m, 2H), 1.25−1.10 (m, 2H).
ステップ2:1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0508】
THF(5mL)中の7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(2−クロロ−4−ブロモフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]オキサゾール−6(7H)−オン(120mg、0.23mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(32mg、0.23mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NHCl(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)生成物を白色固体(100mg、87.6%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.09 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.42 (d, 1H), 7.31−7.25 (m, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.43−6.35 (m, 1H), 6.21 (s, 1H), 5.85−5.70 (m, 1H), 5.22−5.14 (m, 2H), 2.83 (d, 2H), 1.28−1.20 (m, 2H), 0.87−0.80 (m, 2H).
ステップ3:1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0509】
THF(10mL)中の1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]オキサゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(100mg、0.38mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(44mg、0.38mmol)を加え、次いで四酸化オスミウム(10mg、0.04mmol)および水(0.5mL)を加えた。室温で終夜撹拌した後、混合物を濃縮し、次いでEAで希釈した。有機層を水、飽和NaHCO(aq.)およびブラインで逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィーで精製して生成物を白色固体(30mg、28.2%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.10 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.45−7.34 (m, 2H), 7.32−7.21 (m, 1H), 6.83 (s, 1H), 6.44−6.30 (m, 1H), 4.41−4.25 (m, 2H), 4.21−4.12 (m, 1H), 3.72−3.62 (m, 1H), 2.85−2.78 (m, 1H), 1.32−1.26 (m, 2H), 1.16−1.21 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:535.8、[M+H]。
(実施例9)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(化合物9)の調製
【化204】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ1:5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸
【0510】
THF(100mL)中のジイソプロピルアミン(10.14g、100.20mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でn−BuLi(40.08mL、ヘキサン中2.5M、100.20mmol)を加えた。撹拌を、この温度で1時間維持した。次いでTHF(120mL)中の1−ブロモ−2,3,4−トリフルオロベンゼン(17.62g、83.50mmol)の溶液を加えた。−78℃で1時間撹拌した後、混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を10%HCl水溶液でクエンチし、pHを1〜2に調節した。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して所望生成物(20.12g、94.5%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 13.95 (s, 1H), 7.97 (m, 1H).
ステップ2:5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸
【0511】
THF(120mL)中の2−フルオロアニリン(17.54g、157.80mmol)および5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(20.12g、78.90mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でLiHMDS(236.7mL、THF中1M、236.7mmol)を滴下添加した。混合物を室温に徐々に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物を水(100mL)でクエンチし、10%HCl(aq.)でpH2〜3に酸性化した。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物(淡黄色固体、24.24g、88.8%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 9.22 (s, 1H), 8.01 (dd, J = 7.4, 2.1Hz, 1H), 7.25 (m, 1H), 7.10 (m, 3H).
ステップ3:メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0512】
MeOH(300mL)中の5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸(24.24g、70.04mmol)の溶液に、塩化チオニル(20mL)を加えた。85℃で終夜撹拌した後、大部分のMeOHを真空下で除去した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)後、対応する生成物を白色固体(22.33g、88.5%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.06 (s, 1H), 8.01 (dd, J = 7.1, 2.3Hz, 1H), 7.04 (m, 4H), 3.92 (s, 3H).
ステップ4:メチル3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエート
【0513】
無水1,4−ジオキサン(200mL)中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(22.33g、62.01mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(16.03g、124.04mmol)を加えた。次いで、Pd(dba)(2.84g、3.10mmol)を加え、次いで、窒素雰囲気下でキサントホス(3.59g、6.20mmol)および4−メトキシ−α−トルエンチオール(10.27g、65.11mmol)を加えた。混合物をN雰囲気下、100℃で終夜撹拌し、次いで周囲温度に加温した。不溶物をろ別し、ろ過ケーキを酢酸エチルで洗浄した。ろ液を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)所望生成物(淡黄色固体、24.35g、90.6%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.12 (s, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.25 (m, 6H), 6.85 (m, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.80 (s, 3H).
ステップ5:メチル4−アジド−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0514】
DMF(200mL)中のメチル5−(4−メトキシベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(24.35g、56.18mmol)の溶液に、周囲温度でNaN(4.38g、67.41mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(200mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)、所望生成物(白色固体、21.04g、82.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.98 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.10 (m, 6H), 6.84 (m, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.81 (s, 3H).
ステップ6:メチル4−アミノ−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
MeOH(500mL)中のメチル4−アジド−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(21.04g、46.09mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(3.40g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で2時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を真空下で蒸発させて所望生成物(19.46g、98.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.07 (s, 1H), 7.77 (s, 1H), 7.06 (m, 4H), 6.95 (m, 2H), 6.81 (d, J = 8.3Hz, 2H), 4.68 (s, 2H), 3.85 (s, 5H), 3.81 (s, 3H).
ステップ7:ジメチル5,5’−ジスルファンジイルビス(4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート)
【0515】
CHCl(180mL)中のメチル4−アミノ−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(19.46g、45.21mmol)の溶液に、DDQ(11.29g、49.73mmol)を加え、次いで水(20mL)を加えた。周囲温度で10時間撹拌した後、反応物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq.、100mL)でクエンチした。水層をCHCl(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)所望生成物(淡黄色固体、9.81g、35.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.34 (s, 2H), 7.46 (s, 2H), 7.06 (m, 8H), 4.89 (br, 4H), 3.75 (s, 6H).
ステップ8:メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエート
【0516】
THF/MeOH(100mL、10:1、v/v)中のジメチル5,5’−ジスルファンジイルビス(4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート)(9.81g、15.86mmol)の溶液に、NaBH(3.00g、79.29mmol)を1時間かけて分割して添加した。周囲温度で1時間撹拌した後、反応物を10%HCl(aq.)でクエンチし、pHを1〜2に調節した。水層をCHCl(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(50mL)およびブライン(50mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ9:メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート
【0517】
トリメチルオルトホルメート(50mL)中のメチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエートの溶液に、p−TsOH(0.61g、3.17mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、水(100mL)で処理した。沈殿物をろ別し、ろ過ケーキを水で洗浄して所望生成物(淡黄色固体、8.64g、2つのステップで85.1%の収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.13 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.10 (m, 1H), 7.01 (m, 1H), 6.92 (s, 2H), 3.97 (s, 3H).
ステップ10:メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート
【0518】
DMF(100mL)中のメチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(8.64g、26.97mmol)の溶液に、NIS(6.68g、29.67mmol)を加え、次いでトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加えた。周囲温度で5時間撹拌した後、反応物を水(150mL)で処理した。沈殿物をろ別し、ろ過ケーキを水で洗浄した。所望生成物を黄色固体(10.34g、86.0%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.14 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.46 (s, 1H), 7.42 (d, J = 10.4Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.8Hz, 1H), 6.63 (dd, J = 15.0, 8.7Hz, 1H), 3.97 (s, 3H).
ステップ11:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸
【0519】
THFおよびMeOH(20mL、4:1、v/v)中のメチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(10.34g、23.17mmol)の溶液に、5.0M LiOH(aq.、2mL、10mmol)を加えた。周囲温度で2時間撹拌した後、反応物を、溶液が酸性になるまで1.0M HCl(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮して所望生成物(9.51g、95.0%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.10 (s, 1H), 9.18 (s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.45 (s, 1H), 7.41 (m, 1H), 7.30 (m, 1H), 6.65 (m, 1H).
ステップ12:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【0520】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸(519mg、1.20mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)およびEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシル−アミン(172mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(492mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ13:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【0521】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(492mg、1.00mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、5mL、5mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で中和した。水層をCHCl(30mL)で洗浄した。合わせた有機層を水(30mL×2)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物を白色固体(446mg、2つのステップで75.9%の収率)として得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.80 (s, 1H), 9.55 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.55 (d, J = 11.0Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.5Hz, 1H), 6.48 (d, J = 9.2Hz, 1H), 4.72 (s, 1H), 3.84 (m, 2H), 3.57 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:491.8、[M+H]。
(実施例9A)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(化合物9)の調製
【化205】
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ステップ1:5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸
【化206】
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【0522】
THF(120mL)中の1−ブロモ−2,3,4−トリフルオロベンゼン(13.64g、64.6mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(THF中2.0M、33.9mL、67.8mmol)を加えた。−78℃で1時間撹拌した後、混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を10%HCl水溶液(300mL)でクエンチし、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を5%水酸化ナトリウム(300mL)で洗浄した。水層をpH1に酸性化し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して所望生成物(白色固体、13.51g、82%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 13.94 (s, 1H), 7.95 (m, 1H).
ステップ2:5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸
【化207】
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【0523】
THF(120mL)中の2−フルオロアニリン(10.2mL、105.8mmol)および5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(13.51g、52.9mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でLiHMDS(158.7mL、THF中1M、158.7mmol)を滴下添加した。混合物を室温に徐々に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物を10%HCl(aq.、100mL)でクエンチし、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(200mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物(淡黄色固体、13.73g、75%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 9.21 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.01−7.16 (m, 3H).
ステップ3:メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化208】
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【0524】
MeOH(300mL)中の5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸(13.73g、39.6mmol)の溶液に、SOCl(60mL)を加えた。85℃で終夜撹拌した後、大部分のMeOHを真空下で除去した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和し、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(200mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して対応する生成物(灰色固体、12.58g、90%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.09 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.00−7.14 (m, 4H), 3.94 (s, 3H).
ステップ4:メチル3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエート
【化209】
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【0525】
無水1,4−ジオキサン(30mL)中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(12.85g、35.6mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.21g、71.2mmol)を加えた。次いで窒素雰囲気下で、Pd(dba)(1.63g、1.78mmol)を加え、次いでキサントホス(2.06g、3.56mmol)および4−メトキシ−α−トルエンチオール(5.48g、35.6mmol)を加えた。混合物をN雰囲気下、100℃で終夜撹拌し、次いで周囲温度に冷却した。反応物を水(150mL)でクエンチし、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(200mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)所望生成物(淡黄色固体、12.64g、82%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.12 (s, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.06−7.44 (m, 6H), 6.82−6.88 (m, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.90 (s, 3H), 3.80 (s, 3H).
ステップ5:メチル4−アジド−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化210】
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【0526】
DMF(30mL)中のメチル5−(4−メトキシベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(12.64g、29.2mmol)の溶液に、周囲温度でNaN(2.28g、35.0mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(150mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL×3)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)、所望生成物(白色固体、10.38g、78%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.98 (s, 1H), 7.75 (s, 1H), 7.02−7.28 (m, 6H), 6.83−6.85 (m, 2H), 4.03 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.81 (s, 3H).
ステップ6:メチル4−アミノ−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化211】
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【0527】
MeOH(100mL)中のメチル4−アジド−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(10.38g、22.7mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(1.55g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で6時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を真空下で蒸発させて所望生成物(9.79g、100%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.08 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 6.93−7.28 (m, 8H), 4.65 (s, 2H), 4.00 (s, 2H), 3.89 (s, 3H), 3.75 (s, 3H).
ステップ7:メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエート
【化212】
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【0528】
アニソール(12mL)中のメチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエート(9.79g、22.7mmol)の溶液に、CFCOOH(20mL)を加えた。周囲温度で23時間撹拌した後、溶媒を真空下で除去した。残留物に水(30mL)を加えた。混合物を25%アンモニア水溶液で中和し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL×3)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮して所望生成物(白色固体、5.28g、75%収率)を得た。生成物を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ8:メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート
【化213】
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【0529】
トリメチルオルトホルメート(20mL)中のメチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエート(2.07g、6.67mmol)の溶液に、p−TsOH(166mg、0.65mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、水(100mL)で処理した。沈殿物をろ別し、ろ過ケーキを水で洗浄して所望生成物(白色固体、1.963g、2つのステップで92%の収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 9.01 (s, 1H), 8.08 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.15−6.78 (m, 4H), 3.91 (s, 3H).
ステップ9:メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート
【化214】
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【0530】
DMF(10mL)中のメチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(1.963g、6.14mmol)の溶液に、NIS(1.5g、6.5mmol)を加え、次いでトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(150mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL×3)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製した(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)後、所望生成物を白色固体(1.889g、69%収率)として得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 9.03 (s, 1H), 8.10 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.18−6.72 (m, 3H), 3.91 (s, 3H).
ステップ10:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【化215】
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【0531】
THF(6mL)中のO−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシル−アミン(172mg、1.62mmol)の溶液に、−78℃でLiHMDS(2.5mL、THF中1M、2.5mmol)を加えた。この温度で10分間撹拌した後、THF中のメチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(360mg、0.81mmol)の溶液をシリンジで滴下添加した。次いで混合物を周囲温度に加温し、飽和NHCl(aq.、20mL)でクエンチし、酢酸エチル(15mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL×3)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。フラッシュクロマトグラフィー(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)で精製した後、所望生成物を得た(410mg、98%収率)。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.85 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.55 (d, J = 10.8Hz, 1H), 7.31 (d, J = 8.1Hz, 1H), 6.53 (dd, J = 13.9, 6.6Hz, 1H), 6.42 (d, J = 6.0Hz, 1H), 4.21 (d, J = 14.5Hz, 1H), 4.01 (m, 3H), 3.83 (m, 2H).
ステップ11:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【化216】
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【0532】
CHCl(5mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(410mg、0.8mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、5mL、5mmol)を滴下添加した。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で中和した。有機層を分離し、水(30mL×2)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(CHCl/MeOH、15:1、v/v)、所望生成物を白色固体(290mg、52%収率)として得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.83 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.56 (d, J = 9.4Hz, 1H), 7.30 (d, J = 8.7Hz, 1H), 6.41 (m, 1H), 4.72 (m, 1H), 3.85 (m, 2H), 3.59 (m, 2H). MS(ES+):m/z 492.35[MH]。
(実施例10)
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(化合物10)の調製
【化217】
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ステップ1:N−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【0533】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸(519mg、1.20mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)を加え、次いでEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ヒドロキシルアミン(238mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(475mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ2:N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【0534】
CHCl(10mL)中のN−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(475mg、0.85mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.2mL、2.69mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、20:1、v/v)所望生成物(白色固体、310mg、2つのステップで45.4%の収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.82 (s, 1H), 9.56 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.15 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 6.47 (m, 1H), 4.85 (d, 1H), 4.62 (m, 1H), 3.86 (m, 1H), 3.71 (m, 2H), 3.35 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:522.5[M+H]。
(実施例11)
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(化合物11)の調製
【化218】
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ステップ1:5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸
【0535】
THF(100mL)中のジイソプロピルアミン(10.14g、100.20mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でn−BuLi(40.08mL、ヘキサン中2.5M、100.20mmol)を加えた。撹拌を、この温度で1時間維持した。次いでTHF(120mL)中の1−ブロモ−2,3,4−トリフルオロベンゼン(17.62g、83.50mmol)の溶液を加えた。−78℃で1時間撹拌した後、混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を10%HCl水溶液でクエンチし、pHを1〜2に調節した。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して所望生成物(20.12g、94.5%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 13.95 (s, 1H), 7.97 (m, 1H).
ステップ2:5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)安息香酸
【0536】
THF(120mL)中の2−クロロアニリン(20.13g、157.80mmol)および5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(20.12g、78.90mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でLiHMDS(236.7mL、THF中1M、236.7mmol)を滴下添加した。混合物を室温に徐々に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物を水(100mL)でクエンチし、10%HCl(aq.)でpH2〜3に酸性化した。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物(淡黄色固体、25.63g、89.6%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 14.10 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 8.03 (m, 1H), 7.47 (m, 1H), 7.23 (m, 1H), 7.04 (m, 2H).
ステップ3:メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0537】
MeOH(300mL)中の5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)安息香酸(25.63g、70.69mmol)の溶液に、塩化チオニル(20mL)を加えた。得られた溶液を85℃で終夜撹拌した。大部分のMeOHを真空下で除去した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)後、対応する生成物を白色固体(22.84g、85.8%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.15 (s, 1H), 8.06 (m, 1H), 7.41 (m, 1H), 7.24 (m, 1H), 7.00 (m, 1H), 6.91 (m, 1H), 3.95 (s, 3H).
ステップ4:メチル3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−5−((4−メトキシベンジル)チオ)ベンゾエート
【0538】
無水1,4−ジオキサン(200mL)中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート(22.84g、60.65mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(15.68g、121.30mmol)を加えた。次いで窒素雰囲気下で、Pd(dba)(2.78g、3.03mmol)を加え、次いでキサントホス(3.51g、6.06mmol)および4−メトキシ−α−トルエンチオール(10.27g、66.72mmol)を加えた。混合物をN雰囲気下、100℃で終夜撹拌し、次いで周囲温度に加温した。不溶物をろ別し、ろ過ケーキを酢酸エチルで洗浄した。ろ液を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)所望生成物(淡黄色固体、24.18g、88.6%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.14 (s, 1H), 7.77 (dd, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.24 (m, 3H), 7.19 (m, 1H), 7.01 (m, 1H), 6.88 (m, 2H), 4.02 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.81 (s, 3H).
ステップ5:メチル4−アジド−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0539】
DMF(200mL)中のメチル5−(4−メトキシベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート(24.18g、53.75mmol)の溶液に、周囲温度でNaN(4.19g、64.49mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(200mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)、所望生成物(淡黄色固体、21.63g、85.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.01 (s, 1H), 7.80 (s, 1H), 7.33 (m, 4H), 7.15 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 6.85 (m, 2H), 4.05 (s, 2H), 3.92 (s, 3H), 3.81 (s, 3H).
ステップ6:メチル4−アミノ−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0540】
MeOH(500mL)中のメチル4−アジド−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート(21.63g、45.74mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(3.40g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で2時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を真空下で蒸発させて所望生成物(19.93g、97.5%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.99 (s, 1H), 7.82 (s, 1H), 7.21 (m, 1H), 7.17 (m, 3H), 6.87 (m, 3H), 6.69 (m, 1H), 4.63 (s, 2H), 3.85 (s, 5H), 3.81 (s, 3H).
ステップ7:ジメチル5,5’−ジスルファンジイルビス(4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート)
【0541】
CHCl(180mL)中のメチル4−アミノ−5−(4−メトキシベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート(19.93g、44.6mmol)の溶液に、DDQ(11.25g、53.73mmol)を加え、次いで水(20mL)を加えた。周囲温度で10時間撹拌した後、反応物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq.、100mL)でクエンチした。水層をCHCl(100mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)所望生成物(淡黄色固体、9.39g、32.3%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.33 (s, 2H), 7.46 (s, 2H), 7.40 (m, 2H), 7.15 (m, 2H), 6.92 (m, 2H), 6.76 (m, 2H), 4.86 (br, 4H), 3.80 (s, 6H).
ステップ8:メチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエート
【0542】
THF/MeOH(100mL、10:1、v/v)中のジメチル5,5’−ジスルファンジイルビス(4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート)(9.39g、14.41mmol)の溶液に、NaBH(2.73g、72.05mmol)を1時間かけて分割して添加した。周囲温度で1時間撹拌した後、反応物を10%HCl(aq.)でクエンチし、pHを1〜2に調節した。水層をCHCl(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(50mL)およびブライン(50mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ9:メチル4−フルオロ−5−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート
【0543】
トリメチルオルトホルメート(50mL)中のメチル4−アミノ−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−5−メルカプトベンゾエートの溶液に、p−TsOH(0.58g、3.05mmol)を加えた。反応混合物を1時間撹拌し、水(100mL)で処理した。沈殿物をろ別し、ろ過ケーキを水で洗浄して所望生成物(淡黄色固体、8.50g、2つのステップで87.6%の収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.13 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.50 (s, 1H), 7.41 (m, 1H), 7.15 (m, 1H), 6.89 (m, 1H), 6.73 (m, 1H), 3.93 (s, 3H).
ステップ10:メチル4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート
【0544】
DMF(100mL)中のメチル4−フルオロ−5−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(8.50g、25.24mmol)の溶液に、NBS(4.92g、27.76mmol)を加えた。周囲温度で5時間撹拌した後、反応物を水(150mL)で処理した。沈殿物をろ別し、ろ過ケーキを水で洗浄した。所望生成物を淡褐色固体(8.74g、83.3%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.17 (s, 1H), 8.70 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 7.65 (m, 1H), 7.30 (m, 1H), 6.63 (m, 1H), 3.98 (s, 3H).
ステップ11:4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸
【0545】
THFおよびMeOH(20mL、4:1、v/v)中のメチル4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキシレート(8.74g、21.02mmol)の溶液に、5.0M LiOH(aq.、9.5mL)を加えた。周囲温度で2時間撹拌した後、反応物を、溶液が酸性になるまで10%HCl(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(50mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮して所望生成物(8.08g、95.7%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.09 (s, 1H), 9.18 (s, 1H), 8.71 (s, 1H), 8.47 (s, 1H), 7.44 (m, 1H), 7.31 (m, 1H), 6.65 (m, 1H).
ステップ12:4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【0546】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸(482mg、1.20mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)およびEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシル−アミン(172mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(503mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ13:4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【0547】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(503mg、1.03mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、5mL、5mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で中和した。水層をCHCl(30mL)で洗浄した。合わせた有機層を水(30mL×2)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物を白色固体(420mg、2つのステップで75.9%の収率)として得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.75 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.56 (d, m, 1H), 7.33 (m, 1H), 6.50 (m, 1H), 4.75 (m, 1H), 3.83 (m, 2H), 3.58 (m, 2H). MS:m/z 461.9、[M+H]。
(実施例12)
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(化合物12)の調製
【化219】
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ステップ1:N−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((2−クロロ−4−ブロモフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【0548】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸(482mg、1.20mmol)の溶液に、HOBt(254mg、1.63mmol)を加え、次いでEDCI(314mg、1.63mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ヒドロキシルアミン(238mg、1.62mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(490mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ2:N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド
【0549】
CHCl(10mL)中のN−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボキサミド(490mg、0.92mmol)の溶液に、トリフルオロ酢酸(0.2mL、2.69mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物(白色固体、345mg、2つのステップで58.6%の収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.80 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.18 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.34 (d, 1H), 6.46 (m, 1H), 4.84 (d, 1H), 4.60 (m, 1H), 3.88 (m, 1H), 3.74 (m, 2H), 3.36(m, 2H). MS APCI(+)m/z:491.9[M+H]。
(実施例13)
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド(化合物13)の調製
【化220】
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ステップ1:4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン
【0550】
t−BuOH(3mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸(75mg、0.17mmol)の溶液に、DPPA(82mg、0.29mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(36mg、0.36mmol)を加えた。混合物を3時間還流下で加熱し、徐々に室温に加温した。溶媒を真空下で除去し、得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(石油エーテル/酢酸エチル、2:1、v/v)。対応する生成物を得た(70mg、94.0%収率)。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.78 (s, 1H), 8.66 (s, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.74 (d, 1H), 7.47 (t, 1H), 7.33 (s, 1H).
ステップ2:7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン
【0551】
CHCl(5mL)中の4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン(70mg、0.16mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(48mg、0.49mmol)を加え、次いでシクロプロパンスルホニルクロリド(35mg、0.25mmol)およびDMAP(10mg)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(10mL)およびブライン(10mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(80mg、92%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.68 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.45 (t, 1H), 3.35 (m, 1H), 1.69 (m, 2H), 0.91 (m, 2H).
ステップ3:N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド
【0552】
THF(5mL)中の7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン(50mg、0.09mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(19mg、0.14mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.、5mL)でクエンチした。水層を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)対応する生成物を白色固体(30mg、63.1%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.65 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.45 (m, 1H), 5.52(s, 1H), 2.85 (m, 1H), 1.29 (m, 2H), 1.20 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:508.5[M+H]。
(実施例14)
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(化合物14)の調製
【化221】
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ステップ1:7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン
【0553】
DCM(5mL)中の4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン(50mg、0.12mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(35mg、0.74mmol)を加え、次いで1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(32mg、0.18mmol)およびDMAP(15mg)を加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をDCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(60mg、89.8%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.67 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.46 (t, 1H), 5.76−5.60 (m, 1H), 5.06 (m, 2H), 2.91−2.81 (m, 1H), 2.11−2.01 (m, 1H), 1.95−1.86 (m, 2H), 1.25−1.10 (m, 2H).
ステップ2:1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0554】
THF(5mL)中の7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン(60mg、0.11mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(14mg、0.11mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層をEA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)所望生成物(50mg、91.3%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.67 (s, 1H), 7.97 (s, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.78 (d, 1H), 7.46 (m, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.64 (s, 1H), 5.75−5.58 (m, 1H), 5.05 (m, 2H), 2.90−2.80 (m, 1H), 2.10−2.00 (m, 1H), 1.95−1.86 (m, 2H), 1.25−1.10 (m, 2H).
ステップ3:1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0555】
THF(5mL)中の1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(50mg、0.09mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(11mg、0.09mmol)を加え、次いで四酸化オスミウム(3mg、0.01mmol)および水(0.5mL)を加えた。得られたものを室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮し、次いで酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和NaHCO(aq.)およびブラインで逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して生成物を白色固体(20mg、37.7%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.68 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.45 (m, 1H), 6.81 (s, 1H), 6.66 (s, 1H), 4.42−4.28 (m, 2H), 4.21−4.12 (m, 1H), 3.76−3.62 (m, 1H), 3.60−3.50 (m, 1H), 2.62−2.50 (m, 2H), 0.92−0.80 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:582.5[M+H]。
(実施例15)
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド(化合物15)の調製
【化222】
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ステップ1:5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン
【0556】
t−BuOH(10mL)中の5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−カルボン酸(120mg、0.299mmol)の溶液に、DPPA(48mg、0.449mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(60mg、0.598mmol)を加えた。混合物を3時間還流下で加熱し、徐々に室温に加温した。溶媒を真空下で除去し、得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(石油エーテル/酢酸エチル、2:1、v/v)。対応する生成物を得た(白色固体、100mg、83.9%収率)。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.76 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 7.95 (d, 1H), 7.77 (d, 1H), 7.50 (m, 1H), 7.39 (s, 1H).
ステップ2:5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン
【0557】
CHCl(10mL)中の5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン(100mg、0.25mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(76mg、0.75mmol)を加え、次いでシクロプロパンスルホニルクロリド(53mg、0.38mmol)およびDMAP(10mg)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(15mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(15mL)およびブライン(20mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(120mg、95.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.67 (s, 1H), 7.99 (s, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.50 (m, 1H), 3.37 (m, 1H), 1.70 (m, 2H), 0.93 (m, 2H).
ステップ3:N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド
【0558】
THF(5mL)中の5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン(50mg、0.10mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(13mg、0.10mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)、生成物を得た(30mg、63.3%収率)。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.65 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.89 (d, 1H), 7.84 (s, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.43 (m, 1H), 5.48 (s, 1H), 2.84 (m, 1H), 1.29 (m, 2H), 1.23 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:477.9、[M+H]。
(実施例16)
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(化合物16)の調製
【化223】
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ステップ1:7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン
【0559】
DCM(10mL)中の5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン(50mg、0.13mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(38mg、0.38mmol)を加え、次いで1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(34mg、0.19mmol)およびDMAP(10mg)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NaHCO(aq.)で処理した。水層をCHCl(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(62mg、91.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.65 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.91 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.48 (t, 1H), 5.76−5.63 (m, 1H), 5.08 (m, 2H), 2.90−2.83 (m, 1H), 2.10−2.00 (m, 1H), 1.96−1.88 (m, 2H), 1.26−1.15 (m, 2H).
ステップ2:1−アリル−N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0560】
THF(5mL)中の7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−4−フルオロ−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d]チアゾール−6(7H)−オン(60mg、0.111mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(15mg、0.111mmol)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NHCl(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)生成物を白色固体(50mg、87.5%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ 8.65 (s, 1H), 7.98 (s, 1H), 7.90 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.45 (m, 1H), 6.80 (s, 1H), 6.63 (s, 1H), 5.75−5.60 (m, 1H), 5.03 (m, 2H), 2.92−2.81 (m, 1H), 2.12−2.01 (m, 1H), 1.93−1.85 (m, 2H), 1.20−1.11 (m, 2H).
ステップ3:N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0561】
THF(10mL)中の1−アリル−N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d]チアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(50mg、0.10mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(12mg、0.1mmol)を加え、次いで四酸化オスミウム(5mg、0.02mmol)および水(0.5mL)を加えた。室温で終夜撹拌した後、混合物を濃縮し、次いでEAで希釈した。有機層を水、飽和NaHCO(aq.)およびブラインで逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、フラッシュクロマトグラフィーで精製して生成物を白色固体(25mg、46.9%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ 8.67 (s, 1H), 7.96 (s, 1H), 7.92 (d, 1H), 7.73 (d, 1H), 7.44 (m, 1H), 6.82 (s, 1H), 6.68 (s, 1H), 4.42−4.25 (m, 2H), 4.21−4.13 (m, 1H), 3.73−3.62 (m, 1H), 3.61−3.51 (m, 1H), 2.63−2.52 (m, 2H), 0.91−0.83 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:551.9、[M+H]。
(実施例17)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(化合物17)の調製
【化224】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ1:5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸
【0562】
THF(100mL)中のジイソプロピルアミン(10.14g、100.20mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でn−BuLi(40.08mL、ヘキサン中2.5M、100.20mmol)を加えた。撹拌を、この温度で1時間維持した。次いでTHF(120mL)中の1−ブロモ−2,3,4−トリフルオロベンゼン(17.62g、83.50mmol)の溶液を加えた。−78℃で1時間撹拌した後、混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を10%HCl水溶液でクエンチし、pHを1〜2に調節した。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して所望生成物(20.12g、94.5%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 13.95 (s, 1H), 7.97 (m, 1H).
ステップ2:5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸
【0563】
THF(120mL)中の2−フルオロアニリン(17.54g、157.80mmol)および5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(20.12g、78.90mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でLiHMDS(236.7mL、THF中1M、236.7mmol)を滴下添加した。混合物を室温に徐々に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物を水(100mL)でクエンチし、10%HCl(aq.)でpH2〜3に酸性化した。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物(淡黄色固体、24.24g、88.8%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 9.22 (s, 1H), 8.01 (dd, J = 7.4, 2.1Hz, 1H), 7.25 (m, 1H), 7.10 (m, 3H).
ステップ3:メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0564】
MeOH(300mL)中の5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸(24.24g、70.04mmol)の溶液に、塩化チオニル(20mL)を加えた。85℃で終夜撹拌した後、大部分のMeOHを真空下で除去した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製した(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)後、対応する生成物を白色固体(22.33g、88.5%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.06 (s, 1H), 8.01 (dd, J = 7.1, 2.3Hz, 1H), 7.04 (m, 4H), 3.92 (s, 3H).
ステップ4:メチル5−(ベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0565】
無水1,4−ジオキサン(200mL)中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(22.33g、62.01mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(16.03g、124.04mmol)を加えた。次いで窒素雰囲気下で、Pd(dba)(2.84g、3.10mmol)を加え、次いでキサントホス(3.59g、6.20mmol)およびBnSH(8.09g、65.11mmol)を加えた。混合物をN雰囲気下、100℃で終夜撹拌し、次いで周囲温度に加温した。不溶物をろ別し、ろ過ケーキを酢酸エチルで洗浄した。ろ液を水(300mL)で希釈し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)所望生成物(淡黄色固体、22.09g、88.3%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.04 (s, 1H), 7.68 (dd, 1H), 7.18 (m, 5H), 6.97 (m, 4H), 3.97 (s, 2H), 3.80 (s, 3H).
ステップ5:メチル4−アジド−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0566】
DMF(300mL)中のメチル5−(ベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(22.09g、54.76mmol)の溶液に、周囲温度でNaN(4.27g、65.71mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(300mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)し、所望生成物(白色固体、19.43g、83.2%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.98 (s, 1H), 7.75 (d, 1H), 7.27 (m, 5H), 7.02 (m, 4H), 4.07 (s, 2H), 3.89 (s, 3H).
ステップ6:メチル4−アミノ−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0567】
MeOH(500mL)中のメチル4−アジド−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(19.43g、45.56mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(3.40g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で3時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を真空下で蒸発させて所望生成物(18.06g、99.0%)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.08 (s, 1H), 7.78 (s, 1H), 7.11 (m, 9H), 4.65 (s, 2H), 3.88 (s, 2H), 3.84 (s, 3H).
ステップ7:メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート
【0568】
酢酸(60mL)中のメチル4−アミノ−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(2.07g、5.17mmol)の溶液に、濃HCl(8mL)を加えた。得られたものを周囲温度で1時間撹拌した。水(10mL)中のNaNO(0.43g、6.21mmol)の溶液を、0℃で20分かけて滴下添加した。3時間撹拌した後、反応物を、溶液が中和されるまで飽和NaHCO(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(30mL)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(黄色固体、1.53g、92.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.74 (s, 1H), 8.57 (s, 1H), 7.08 (m, 4H), 4.03 (s, 3H).
ステップ8:メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート
DMF(20mL)中のメチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート(1.53g、4.77mmol)の溶液に、NIS(1.18g、5.24mmol)を加え、次いでトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加えた。周囲温度で5時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。この溶液を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して所望生成物(黄色固体、1.90g、89.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.73 (s, 1H), 8.58 (d, 1H), 7.47 (m, 1H), 7.39 (m, 1H), 6.74 (m, 1H), 4.03 (s, 3H).
ステップ9:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸
【0569】
THFおよびMeOH(20mL、4:1、v/v)中のメチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート(1.90g、4.25mmol)の溶液に、5.0M LiOH(aq.、2mL、10mmol)を加えた。周囲温度で2時間撹拌した後、反応物を、溶液が酸性になるまで1.0M HCl(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(30mL)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮して所望生成物(褐色固体、1.73g、94.0%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.87 (s, 1H), 8.84 (s, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.40 (d, 1H), 6.78 (m, 1H).
ステップ10:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【0570】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸(200mg、0.49mmol)の溶液に、HOBt(100mg、0.69mmol)およびEDCI(140mg、0.69mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−(2−(ビニル−オキシ)エチル)ヒドロキシルアミン(72mg、0.69mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(15mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、50:1、v/v)所望生成物(黄色固体、190mg、79.7%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.85 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.29 (d, 1H), 6.64 (dd, 1H), 6.42 (d, 1H), 4.21 (d, 1H), 4.01 (m, 3H), 3.83 (m, 2H).
ステップ11:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【0571】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(190mg、0.37mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、1.5mL、1.5mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で中和した。水層をCHCl(10mL×2)で洗浄した。合わせた有機層を水(30mL)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(CHCl/MeOH、20:1、v/v)、所望生成物を黄色固体(154mg、84.6%収率)として得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.88 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.52 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 6.42 (d, 1H), 4.69 (m, 1H), 4.05 (m, 2H), 3.80 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:m/z 493.2、[M+H]。
(実施例17A)
4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(化合物17)の調製
【化225】
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ステップ1:5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸
【化226】
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【0572】
THF(120mL)中の1−ブロモ−2,3,4−トリフルオロベンゼン(13.64g、64.6mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でリチウムジイソプロピルアミド(THF中2.0M、33.9mL、67.8mmol)を加えた。−78℃で1時間撹拌した後、混合物を、ドライアイスを入れた瓶に移した。混合物を室温で終夜撹拌した。反応物を10%HCl水溶液(300mL)でクエンチし、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を5%水酸化ナトリウム(300mL)で洗浄した。水層をpH1に酸性化し、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物をNaSOで乾燥し、ろ過し、減圧下で濃縮して所望生成物(白色固体、13.51g、82%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 13.94 (s, 1H), 7.95 (m, 1H).
ステップ2:5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸
【化227】
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【0573】
THF(120mL)中の2−フルオロアニリン(10.2mL、105.8mmol)および5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(13.51g、52.9mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でLiHMDS(158.7mL、THF中1M、158.7mmol)を滴下添加した。混合物を室温に徐々に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物を10%HCl(aq.、100mL)でクエンチし、酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(200mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物(淡黄色固体、13.73g、75%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 9.21 (s, 1H), 8.01 (d, 1H), 7.26 (m, 1H), 7.01−7.16 (m, 3H).
ステップ3:メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化228】
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【0574】
MeOH(300mL)中の5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)安息香酸(13.73g、39.6mmol)の溶液に、SOCl(60mL)を加えた。85℃で終夜撹拌した後、大部分のMeOHを真空下で除去した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和し、酢酸エチル(300mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(200mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して対応する生成物(灰色固体、12.58g、90%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.09 (s, 1H), 8.05 (d, 1H), 7.00−7.14 (m, 4H), 3.94 (s, 3H).
ステップ4:メチル5−(ベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化229】
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【0575】
無水1,4−ジオキサン(30mL)中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(12.85g、35.80mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(9.21g、71.60mmol)を加えた。次いで窒素雰囲気下で、Pd(dba)(1.63g、1.78mmol)を加え、次いでキサントホス(2.06g、3.56mmol)およびBnSH(4.44g、35.80mmol)を加えた。混合物をN雰囲気下、100℃で終夜撹拌した。次いで反応物を周囲温度に加温し、水(150mL)でクエンチした。水層を酢酸エチル(200mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(200mL×3)およびブライン(200mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)所望生成物(白色固体、12.64g、88%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ 9.04 (s, 1H), 7.68 (dd, J = 7.5, 2.1Hz, 1H), 7.21−7.14 (m, 5H), 7.05−6.89 (m, 4H), 3.97 (s, 2H), 3.80 (s, 3H).
ステップ5:メチル4−アジド−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化230】
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【0576】
DMF(30mL)中のメチル5−(ベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(12.64g、31.36mmol)の溶液に、周囲温度でNaN(2.45g、37.63mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(150mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL×3)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)、所望生成物(白色固体、10.38g、78%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ 8.89 (s, 1H), 7.66 (s, 1H), 7.27−7.12 (m, 3H), 7.10−6.80 (m, 6H), 3.98 (s, 2H), 3.80 (s, 3H).
ステップ6:メチル4−アミノ−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【化231】
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【0577】
MeOH(100mL)中のメチル4−アジド−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(10.38g、24.36mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(1.55g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で6時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を真空下で蒸発させて所望生成物(9.79g、100%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ 8.98 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.19−7.17 (m, 3H), 7.15−6.83 (m, 6H), 4.54 (s, 2H), 3.79 (s, 2H), 3.75 (s, 3H).
ステップ7:メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート
【化232】
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【0578】
酢酸(60mL)中のメチル4−アミノ−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート(2.07g、5.17mmol)の溶液に、HCl(con.、8mL)および水(6mL)を加えた。得られたものを周囲温度で1時間撹拌し、水(10mL)中のNaNO(0.43g、6.21mmol)の溶液を、0℃で20分以内に滴下添加した。3時間撹拌した後、反応物を、溶液が中和されるまで飽和NaHCO(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL×3)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(黄色固体、1.53g、92.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.65 (s, 1H), 8.48 (s, 1H), 7.00−6.90 (m, 4H), 3.94 (s, 3H).
ステップ8:メチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート
【化233】
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【0579】
DMF(10mL)中のメチル4−フルオロ−5−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート(1.53g、4.77mmol)の溶液に、NIS(1.18g、5.24mmol)を加え、次いでトリフルオロ酢酸(0.5mL)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。この溶液を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL×3)およびブライン(30mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して所望生成物(黄色固体、1.90g、89%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl) δ 8.63 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.38 (d, J = 10.3Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.6Hz, 1H), 6.64 (dd, J = 14.3, 8.3Hz, 1H), 3.94 (s, 3H).
ステップ9:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸
【化234】
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【0580】
THFおよびMeOH(20mL、4:1、v/v)中のメチル4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート(1.90g、4.25mmol)の溶液に、1.0M LiOH(aq.、10mL、10mmol)を加えた。周囲温度で2時間撹拌した後、反応物を、溶液が酸性になるまで1.0M HCl(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(30mL×3)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮して所望生成物(褐色固体、1.70g、94.0%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.63 (s, 1H), 8.49 (s, 1H), 7.38 (d, J = 10.3Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.6Hz, 1H), 6.64 (dd, J = 14.3, 8.3Hz, 1H).
ステップ10:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【化235】
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【0581】
CHCl(20mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸(1.7g、5.54mmol)の溶液に、HOBt(1.21g、8.31mmol)およびEDCI(1.59mg、8.31mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−(2−(ビニル−オキシ)エチル)ヒドロキシルアミン(0.69g、6.65mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.、20mL)で処理した。得られた混合物をCHCl(15mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL×3)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(CHCl/MeOH、20:1、v/v)、所望生成物(2.44g、85%収率)を得た。H NMR (400MHz, d6−DMSO) δ 11.85 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.38 (d, J = 10.8Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.1Hz, 1H), 6.64 (dd, J = 13.9, 6.6Hz, 1H), 6.42 (d, J = 6.0Hz, 1H), 4.21 (d, J = 14.5Hz, 1H), 4.01 (m, 3H), 3.83 (m, 2H).
ステップ11:4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【化236】
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【0582】
CHCl(5mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(410mg、0.79mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、5mL、5mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で中和した。有機層を分離し、水(30mL×2)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(CHCl/MeOH、20:1、v/v)、所望生成物(343mg、88%収率)を得た。H NMR (400MHz, d6−DMSO) δ 11.85 (s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.51 (s, 1H), 7.38 (d, J = 10.8Hz, 1H), 7.29 (d, J = 8.1Hz, 1H), 6.64 (dd, J = 13.9, 6.6Hz, 1H), 4.21 (d, J = 14.5Hz, 1H), 4.01 (m, 2H), 3.83 (m, 2H). MS(ES+):m/z 493.0[M+H]。
(実施例18)
N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(化合物18)の調製
【化237】
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ステップ1:N−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【0583】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸(210mg、0.48mmol)の溶液に、HOBt(105mg、0.72mmol)を加え、次いでEDCI(138mg、0.72mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ヒドロキシルアミン(108mg、0.74mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(15mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL)およびブライン(10mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(229mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ2:N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【0584】
CHCl(10mL)中のN−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(229mg、0.41mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、1.5mL、1.5mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(30mL×2)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、20:1、v/v)所望生成物(黄色固体、170mg、2つのステップで67.9%の収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.98 (s, 1H), 8.40 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.33 (d, 1H), 6.64 (m, 1H), 4.86 (m, 1H), 4.62 (m, 1H), 3.87 (m, 1H), 3.72(m, 2H), 3.33(m, 2H, 水のピークに隠れている). MS APCI(+)m/z:522.9[M+H]。
(実施例19)
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロ−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(化合物19)の調製
【化238】
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ステップ1:5−ブロモ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)−3,4−ジフルオロ安息香酸
【0585】
THF(120mL)中の2−クロロアニリン(12.56g、98.42mmol)および5−ブロモ−2,3,4−トリフルオロ安息香酸(12.55g、49.21mmol)の溶液に、窒素雰囲気下、−78℃でLiHMDS(147.6mL、THF中1M、147.6mmol)を滴下添加した。混合物を室温に徐々に加温し、この温度で終夜撹拌した。反応物を10%HCl(aq.、100mL)でクエンチした。混合物を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮して所望生成物4(黄色固体、13.74g、77%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 14.10 (s, 1H), 9.30 (s, 1H), 8.03 (m, 1H), 7.47 (m, 1H),7.23 (m, 1H), 7.04 (m, 2H).
ステップ2:メチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−フルオロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0586】
MeOH(300mL)中の5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)安息香酸(13.74g、37.89mmol)の溶液に、塩化チオニル(20mL)を加えた。85℃で終夜撹拌した後、大部分のMeOHを真空下で除去した。残留物を飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和し、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮して対応する生成物を灰色白色固体(12.98g、91.1%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.15 (s, 1H), 8.06 (m, 1H), 7.41 (m, 1H), 7.24 (m, 1H), 7.01 (m, 1H), 6.90 (m, 1H), 3.95 (s, 3H).
ステップ3:メチル5−(ベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0587】
無水1,4−ジオキサン(30mL)中のメチル5−ブロモ−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート(12.98g、34.47mmol)の溶液に、N,N−ジイソプロピルエチルアミン(8.86g、68.94mmol)を加えた。次いで窒素雰囲気下で、Pd(dba)(1.63g、1.78mmol)を加え、次いでキサントホス(2.06g、3.56mmol)およびBnSH(4.48g、36.19mmol)を加えた。混合物をN雰囲気下、100℃で終夜撹拌し、次いで周囲温度に加温した。反応物を水(150mL)でクエンチし、酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機層を水(100mL)およびブライン(100mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、50:1、v/v)所望生成物(白色固体、12.44g、86.0%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 9.19 (s, 1H), 7.79 (dd, 1H), 7.41 (dd, 1H), 7.24 (m, 5H), 7.18 (m, 1H), 7.00 (m, 1H), 6.87 (m, 1H), 4.08 (s, 2H), 3.90 (s, 3H).
ステップ4:メチル4−アジド−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0588】
DMF(100mL)中のメチル5−(ベンジルチオ)−3,4−ジフルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート(12.44g、29.64mmol)の溶液に、周囲温度でNaN(2.89g、44.46mmol)を加えた。混合物を90℃で3時間撹拌した。次いで水(150mL)を加えた。この溶液を酢酸エチル(100mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(100mL)およびブライン(100mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュカラムクロマトグラフィーで精製し(石油エーテル/酢酸エチル、10:1、v/v)、所望生成物(白色固体、9.84g、75.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 8.72 (s, 1H), 7.65 (s, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.33 (m, 4H), 7.24 (m, 2H), 6.95 (m, 2H), 4.20 (s, 2H), 3.81 (s, 3H).
ステップ5:メチル4−アミノ−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート
【0589】
MeOH(200mL)中のメチル4−アジド−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート(9.84g、22.23mmol)の溶液に、窒素雰囲気下で10%パラジウム担持カーボン(1.55g)を加えた。次いで窒素雰囲気を、水素雰囲気に完全に変えた。混合物を周囲温度で2時間撹拌した。不溶物をろ別した後、溶媒を真空下で蒸発させて所望生成物(9.26g、100%)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 8.94 (s, 1H), 7.54 (s, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.24 (m, 6H), 6.95 (m, 1H), 6.77 (m, 1H), 6.27 (s, 2H), 3.95 (s, 2H), 3.73 (s, 3H).
ステップ6:メチル4−フルオロ−5−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート
【0590】
酢酸(60mL)中のメチル4−アミノ−5−(ベンジルチオ)−3−フルオロ−2−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾエート(2.50g、5.99mmol)の溶液に、濃HCl(8mL)を加えた。得られたものを周囲温度で1時間撹拌した。水(10mL)中のNaNO(0.45g、6.58mmol)の溶液を、0℃で20分かけて滴下添加した。3時間撹拌した後、反応物を、溶液が中和されるまで飽和NaHCO(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(30mL)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(黄色固体、1.82g、90.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.83 (s, 1H), 8.59 (d, 1H), 7.45 (m, 1H), 7.24 (m, 1H), 6.95 (m, 2H), 4.03 (s, 3H).
ステップ7:メチル4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート
【0591】
DMF(10mL)中のメチル4−フルオロ−5−((2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート(1.82g、5.39mmol)の溶液に、NBS(1.0g、5.65mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。この溶液を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(30mL)およびブライン(30mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、真空下で濃縮して所望生成物(黄色固体、2.02g、90.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.84 (s, 1H), 8.60 (d, 1H), 7.59 (d, 1H), 7.29 (m, 1H), 6.77 (m, 1H), 4.04 (s, 3H).
ステップ8:4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸
【0592】
THFおよびMeOH(20mL、4:1、v/v)中のメチル4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキシレート(2.02g、4.85mmol)の溶液に、5.0M LiOH(aq.、2mL、10mmol)を加えた。周囲温度で2時間撹拌した後、反応物を、溶液が酸性になるまで1.0M HCl(aq.)で処理した。水層を酢酸エチル(30mL×3)で抽出した。合わせた有機相を水(30mL)およびブライン(30mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し濃縮して所望生成物(褐色黄色固体、1.85g、95%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 13.90 (s, 1H), 8.80 (s, 1H), 8.55 (d, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.27 (m, 1H), 6.75 (m, 1H).
ステップ9:4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【0593】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸(200mg、0.46mmol)の溶液に、HOBt(100mg、0.74mmol)およびEDCI(132mg、0.74mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−(2−(ビニルオキシ)エチル)ヒドロキシルアミン(76mg、0.74mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(15mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL)およびブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(191mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ10:4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
CHCl(10mL)中の化合物4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2−(ビニルオキシ)エトキシ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(191mg、0.39mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、1.5mL、1.5mmol)を加えた。1時間撹拌した後、反応混合物を飽和NaHCO(aq.)で中和した。水層をCHCl(10mL×2)で洗浄した。合わせた有機層を水(30mL×2)およびブライン(30mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し(CHCl/MeOH、20:1、v/v)、所望生成物を黄色固体(150mg、2つのステップで66.5%の収率)として得た。H NMR (400MHz, CDOD): δ 8.53 (s, 1H), 7.69 (s, 1H), 7.34 (d, 1H), 6.74 (m, 1H), 3.91 (m, 2H), 3.62 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:462.5[M+H]。
(実施例20)
5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(化合物20)の調製
【化239】
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ステップ1:N−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((2−クロロ−4−ブロモフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【0594】
CHCl(10mL)中の4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸(200mg、0.49mmol)の溶液に、HOBt(100mg、0.74mmol)を加え、次いでEDCI(140mg、0.74mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、O−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メチル)ヒドロキシルアミン(108mg、0.74mmol)を加えた。周囲温度で4時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)で処理した。得られた混合物をCHCl(15mL×3)で抽出した。合わせた有機抽出物を水(10mL)およびブライン(10mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物(213mg)を、さらに精製することなく、次のステップで直接使用した。
ステップ2:N−(2,3−ジヒドロキシプロポキシ)−4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド
【0595】
CHCl(10mL)中のN−((2,2−ジメチル−1,3−ジオキソラン−4−イル)メトキシ)−4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボキサミド(60mg、0.11mmol)の溶液に、1.0N HCl(aq.、1mL、1.0mmol)を加えた。混合物を1時間撹拌し、飽和炭酸水素ナトリウム(aq.)で中和した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機層を水(10mL)およびブライン(10mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製して(CHCl/MeOH、20:1、v/v)所望生成物(黄色固体、41mg、2つのステップで61.5%の収率)を得た。H NMR (400MHz, CDOD): δ 11.13 (s, 1H), 8.59 (s, 1H), 7.66 (d, 1H), 7.34 (dd, 1H), 6.76 (m, 1H), 3.79 (m, 1H), 3.71 (m, 2H), 3.35 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:m/z 492.8、[M+H]。
(実施例21)
N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド(化合物21)の調製
【化240】
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ステップ1:4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン
【0596】
t−BuOH(10mL)中の4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸(120mg、0.30mmol)の溶液に、DPPA(48mg、0.45mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(60mg、0.60mmol)を加えた。混合物を3時間還流下で加熱し、徐々に室温に加温した。溶媒を真空下で除去し、得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(石油エーテル/酢酸エチル、2:1、v/v)。対応する生成物を得た(100mg、83.9%収率)。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 12.14 (s, 1H), 8.01−7.99 (m, 1H), 7.89 (s, 1H), 7.83 (m, 1H), 7.59−7.55 (m, 1H).
ステップ2:7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン
【0597】
CHCl(3mL)中の4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン(60mg、0.14mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(43mg、0.42mmol)を加え、次いでシクロプロパンスルホニルクロリド(31mg、0.21mmol)およびDMAP(5mg)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(10mL)およびブライン(10mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(75mg、100%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.34 (s, 1H), 7.75−7.73 (d, 2H), 7.34 (m, 1H), 3.34 (m, 1H), 1.68 (m, 2H), 0.85 (m, 2H).
ステップ3:N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド
【0598】
THF(5mL)中の7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン(70mg、0.13mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(17mg、0.13mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層を酢酸エチル(6mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)対応する生成物(40mg、60.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 9.86 (s, 1H), 8.37 (s, 1H), 7.73 (s, 1H), 7.60 (dd, 1H), 7.30 (dd, 1H), 6.45 (m, 1H), 2.77 (m, 1H), 1.01−0.99 (m, 2H), 0.89−0.86 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:508.7、[M+H]。
(実施例22)
1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(化合物22)の調製
【化241】
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ステップ1:7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン
【0599】
DCM(5mL)中の4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン(50mg、0.12mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(24mg、0.23mmol)を加え、次いで1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(32mg、0.17mmol)およびDMAP(10mg)を加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をDCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(60mg、89.9%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.36 (s, 1H), 7.76−7.74 (m, 2H), 7.35 (m, 1H), 5.75−5.58 (m, 1H), 5.05 (m, 2H), 2.90−2.80 (m, 1H), 2.10−2.0 (m, 1H), 1.95−1.86 (m, 2H), 1.25−1.11 (m, 2H).
ステップ2:1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0600】
THF(5mL)中の7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(2−フルオロ−4−ヨードフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン(60mg、0.11mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(14mg、0.11mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層をEA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)所望生成物(50mg、87.3%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.24 (s, 1H), 7.65−7.63 (m, 2H), 7.31(m, 1H), 7.01 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 5.74−5.56 (m, 1H), 5.02 (m, 2H), 2.77−2.71 (m, 1H), 2.12−2.0 (m, 1H), 1.75−1.71 (m, 2H), 1.21−0.97 (m, 2H).
ステップ3:1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
THF(5mL)中の1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(50mg、0.09mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(12mg、0.09mmol)を加え、次いで四酸化オスミウム(5mg、0.02mmol)および水(0.5mL)を加えた。得られたものを室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮し、次いで酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和NaHCO(aq.)およびブラインで逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して生成物を白色固体(30mg、56.5%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.26 (s, 1H), 7.67−7.64 (d, 2H), 7.32 (m, 1H), 7.03 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.40−4.26 (m, 2H), 4.20−4.10 (m, 1H), 3.75−3.60 (m, 1H), 3.60−3.50 (m, 1H), 2.62−2.50 (m, 2H), 0.92−0.82 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:583.5、[M+H]。
(実施例23)
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド(化合物23)の調製
【化242】
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ステップ1:4−フルオロ−5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン
【0601】
t−BuOH(5mL)中の4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−カルボン酸(100mg、0.25mmol)の溶液に、DPPA(103mg、0.37mmol)を加え、次いでトリエチルアミン(76mg、0.75mmol)を加えた。混合物を3時間還流下で加熱し、徐々に室温に加温した。溶媒を真空下で除去し、得られた粗生成物を、シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製した(石油エーテル/酢酸エチル、2:1、v/v)。対応する生成物を得た(90mg、90.7%収率)。H NMR (400MHz, DMSO−d): δ 11.75 (s, 1H), 8.67 (s, 1H), 7.96 (d, 1H), 7.76 (d, 1H), 7.50 (t, 1H).
ステップ2:7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン
【0602】
CHCl(5mL)中の4−フルオロ−5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン(50mg、0.13mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(26mg、0.25mmol)を加え、次いでシクロプロパンスルホニルクロリド(26mg、0.19mmol)およびDMAP(10mg)を加えた。混合物を室温で1時間撹拌し、飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をCHCl(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(10mL)およびブライン(10mL)で連続的に洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(60mg、95%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.31 (s, 1H), 7.75−7.72 (d, 2H), 7.35 (m, 1H), 3.35 (m, 1H), 1.70 (m, 2H), 0.87 (m, 2H).
ステップ3:N−(4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパンスルホンアミド
【0603】
THF(5mL)中の7−(シクロプロピルスルホニル)−4−フルオロ−5−(2−クロロ−4−ブロモフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン(60mg、0.12mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(16mg、0.12mmol)を加えた。室温で1時間撹拌した後、反応物を飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層を酢酸エチル(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(10mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留粗生成物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)対応する生成物(30mg、52.7%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.25 (s, 1H), 8.02−7.98 (m, 1H), 7.85 (m, 1H), 7.60−7.56 (m, 1H), 7.14 (s, 1H), 6.83 (s, 1H), 2.81−2.72 (m, 1H), 1.33 (m, 2H), 1.15 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:478.8、[M+H]。
(実施例24)
N−(5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)−4−フルオロベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)−1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(化合物24)の調製
【化243】
[この文献は図面を表示できません]
ステップ1:7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン
【0604】
DCM(5mL)中の4−フルオロ−5−(4−ブロモ−2−クロロフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン(40mg、0.10mmol)の溶液に、0℃でトリエチルアミン(21mg、0.20mmol)を加え、次いで1−アリルシクロプロパン−1−スルホニルクロリド(27mg、0.15mmol)およびDMAP(10mg)を加えた。室温で1時間撹拌した後、混合物を飽和NaHCO(aq.)で洗浄した。水層をDCM(20mL×2)で抽出した。合わせた有機相を水(20mL)およびブライン(20mL)で逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1、v/v)対応する生成物(50mg、87.1%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.37 (s, 1H), 7.78−7.76 (d, 2H), 7.33 (m, 1H), 5.76−5.58 (m, 1H), 5.08 (m, 2H), 2.93−2.86 (m, 1H), 2.13−2.0 (m, 1H), 1.97−1.87 (m, 2H), 1.28−1.16 (m, 2H).
ステップ2:1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0605】
THF(5mL)中の7−((1−アリルシクロプロピル)スルホニル)−4−フルオロ−5−(2−クロロ−4−ブロモフェニル)−5H−イミダゾ[4’,5’:4,5]ベンゾ[1,2−d][1,2,3]チアジアゾール−6(7H)−オン(50mg、0.09mmol)の溶液に、カリウムトリメチルシラノレート(12mg、0.09mmol)を加えた。反応物を室温で1時間撹拌し、飽和NHCl(aq.)でクエンチした。水層をEA(10mL×2)で抽出した。合わせた有機相をブライン(20mL)で洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、真空下で濃縮した。残留物を、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して(石油エーテル/酢酸エチル、5:1〜3:1、v/v)所望生成物(45mg、94.5%収率)を得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.26 (s, 1H), 7.65−7.57 (m, 2H), 7.33 (m, 1H), 7.00 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 5.72−5.57 (m, 1H), 5.05 (m, 2H), 2.79−2.72 (m, 1H), 2.12−2.05 (m, 1H), 1.76−1.71 (m, 2H), 1.21−0.98 (m, 2H).
ステップ3:1−(2,3−ジヒドロキシプロピル)−N−(4−フルオロ−5−((2−フルオロ−4−ヨードフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド
【0606】
THF(5mL)中の1−アリル−N−(4−フルオロ−5−((4−ブロモ−2−クロロフェニル)アミノ)ベンゾ[d][1,2,3]チアジアゾール−6−イル)シクロプロパン−1−スルホンアミド(45mg、0.09mmol)の溶液に、N−メチルモルホリン−N−オキシド(10mg、0.09mmol)を加え、次いで四酸化オスミウム(5mg、0.02mmol)および水(0.5mL)を加えた。得られたものを室温で終夜撹拌した。混合物を濃縮し、次いで酢酸エチルで希釈した。有機層を水、飽和NaHCO(aq.)およびブラインで逐次洗浄し、NaSOで乾燥し、ろ過し、濃縮して残留物を得た。これを、シリカゲルフラッシュクロマトグラフィーで精製して生成物を白色固体(20mg、41.7%収率)として得た。H NMR (400MHz, CDCl): δ 8.26 (s, 1H), 7.69−7.62 (d, 2H), 7.33 (m, 1H), 7.04 (s, 1H), 6.85 (s, 1H), 4.40−4.25 (m, 2H), 4.22−4.12 (m, 1H), 3.75−3.62 (m, 1H), 3.61−3.52 (m, 1H), 2.62−2.51 (m, 2H), 0.95−0.82 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:552.9、[M+H]。
(実施例25〜33)
化合物25〜33の調製
【0607】
化合物25〜33を、化合物1〜8で使用したのと同様の手順にしたがって調製した。
【化244】
[この文献は図面を表示できません]
【0608】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.74 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.56 (d, J=9.6Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.2Hz, 1H), 6.41 (m, 1H), 4.73 (s, 1H), 3.86 (m, 2H), 3.56 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:429.4[M+H]。
【化245】
[この文献は図面を表示できません]
【0609】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.76 (s, 1H), 8.98 (s, 1H), 8.05 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.55 (d, J=9.6Hz, 1H), 7.29 (d, J=8.8Hz, 1H), 6.41 (m, 1H), 4.71 (s, 1H), 3.82 (m, 2H), 3.55 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:418.4[M+H]。
【化246】
[この文献は図面を表示できません]
【0610】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.74 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.00 (s, 1H), 7.86 (s, 1H), 7.54 (d, J=9.8Hz, 1H), 7.27 (d, J=8.5Hz, 1H), 6.38 (m, 1H), 4.69 (s, 1H), 3.82 (m, 2H), 3.57 (m, 2H), 2.55 (s, 3H). MS APCI(+)m/z:396.5[M+H]。
【化247】
[この文献は図面を表示できません]
【0611】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.76 (s, 1H), 8.97 (s, 1H), 8.03 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.55 (d, J=9.8Hz, 1H), 7.30 (d, J=8.4Hz, 1H), 6.40 (m, 1H), 4.72 (s, 1H), 3.85 (m, 2H), 3.57 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:434.4[M+H]。
【化248】
[この文献は図面を表示できません]
【0612】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.75 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.56 (d, J=9.6Hz, 1H), 7.31 (d, J=8.7Hz, 1H), 6.42 (m, 1H), 4.75 (s, 2H), 3.68 (m, 4H), 3.38 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:506.3[M+H]。
【化249】
[この文献は図面を表示できません]
【0613】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.74 (s, 1H), 8.96 (s, 1H), 8.07 (s, 1H), 7.91 (s, 1H), 7.58 (d, J=9.4Hz, 1H), 7.33 (d, J=8.8Hz, 1H), 6.45 (m, 1H), 4.76 (s, 2H), 3.70 (m, 4H), 3.40 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:459.4[M+H]。
【化250】
[この文献は図面を表示できません]
【0614】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.75 (s, 1H), 8.95 (s, 1H), 8.04 (s, 1H), 7.92 (s, 1H), 7.58 (d, J=9.6Hz, 1H), 7.35 (d, J=8.7Hz, 1H), 6.43 (m, 1H), 4.73 (s, 2H), 3.71 (m, 4H), 3.39 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:475.8[M+H]。
【化251】
[この文献は図面を表示できません]
【0615】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.70 (s, 1H), 8.93 (s, 1H), 8.01 (s, 1H), 7.90 (s, 1H), 7.55 (d, J=9.4Hz, 1H), 7.32 (d, J=8.8Hz, 1H), 6.41 (m, 1H), 3.73 (m, 2H), 0.51 (m, 1H), 0.25 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:486.2[M+H]。
【化252】
[この文献は図面を表示できません]
【0616】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.71 (s, 1H), 8.92 (s, 1H), 8.02 (s, 1H), 7.93 (s, 1H), 7.57 (d, J=9.8Hz, 1H), 7.33 (d, J=8.6Hz, 1H), 6.43 (m, 1H), 3.75 (m, 2H), 0.52 (m, 1H), 0.26 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:455.8[M+H]。
(実施例34〜42)
化合物43〜51の調製
【0617】
化合物34〜42を、化合物9〜16で使用したのと同様の手順にしたがって調製した。
【化253】
[この文献は図面を表示できません]
【0618】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.81 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 6.47 (m, 1H), 4.73 (s, 1H), 3.85 (m, 2H), 3.55 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:445.3[M+H]。
【化254】
[この文献は図面を表示できません]
【0619】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.81 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.24 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.33 (d, 1H), 6.50 (m, 1H), 4.74 (s, 1H), 3.85 (m, 2H), 3.55 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:434.4[M+H]。
【化255】
[この文献は図面を表示できません]
【0620】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.80 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.54 (d, 1H), 7.30 (d, 1H), 6.45 (m, 1H), 4.73 (s, 1H), 3.84 (m, 2H), 3.56 (m, 2H), 2.51 (s, 3H). MS APCI(+)m/z:412.5[M+H]。
【化256】
[この文献は図面を表示できません]
【0621】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.80 (s, 1H), 9.55 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.52 (d, 1H), 7.28 (d, 1H), 6.43 (m, 1H), 4.75 (s, 1H), 3.83 (m, 2H), 3.55 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:450.5[M+H]。
【化257】
[この文献は図面を表示できません]
【0622】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.78 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 8.20 (s, 1H), 8.11 (s, 1H), 7.56 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 6.49 (m, 1H), 4.75 (s, 2H), 3.67 (m, 4H), 3.36 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:522.3[M+H]。
【化258】
[この文献は図面を表示できません]
【0623】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.79 (s, 1H), 9.55 (s, 1H), 8.21 (s, 1H), 8.12 (s, 1H), 7.57 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 6.50 (m, 1H), 4.74 (s, 2H), 3.68 (m, 4H), 3.35 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:475.3[M+H]。
【化259】
[この文献は図面を表示できません]
【0624】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.80 (s, 1H), 9.53 (s, 1H), 8.22 (s, 1H), 8.13 (s, 1H), 7.58 (d, 1H), 7.32 (d, 1H), 6.51 (m, 1H), 4.75 (s, 2H), 3.70 (m, 4H), 3.36 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:491.7[M+H]。
【化260】
[この文献は図面を表示できません]
【0625】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.85 (s, 1H), 9.55 (s, 1H), 8.25 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.60 (d, 1H), 7.31 (d, 1H), 6.52 (m, 1H), 3.72 (m, 2H), 0.50 (m, 1H), 0.25 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:471.7[M+H]。
【化261】
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【0626】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.83 (s, 1H), 9.54 (s, 1H), 8.23 (s, 1H), 8.14 (s, 1H), 7.62 (d, 1H), 7.33 (d, 1H), 6.50 (m, 1H), 3.71 (m, 2H), 0.49 (m, 1H), 0.23 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:502.3[M+H]。
(実施例43〜51)
化合物43〜51の調製
【0627】
化合物43〜51を、化合物17〜24で使用したのと同様の手順にしたがって調製した。
【化262】
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H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.92(s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 6.37 (m, 1H), 4.72 (s, 1H), 4.04 (m, 2H), 3.78 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:446.3[M+H]。
【化263】
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【0628】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.90(s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.24 (d, 1H), 6.41 (m, 1H), 4.70 (s, 1H), 4.04 (m, 2H), 3.79 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:435.4[M+H]。
【化264】
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【0629】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.89(s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.34 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 6.40 (m, 1H), 4.68 (s, 1H), 4.06 (m, 2H), 3.80 (m, 2H), 2.52 (s, 3H). MS APCI(+)m/z:413.5[M+H]。
【化265】
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【0630】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.90(s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 7.33 (d, 1H), 7.21 (d, 1H), 6.38 (m, 1H), 4.71 (s, 1H), 4.02 (m, 2H), 3.77 (m, 2H). MS APCI(+)m/z:451.3[M+H]。
【化266】
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【0631】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.88(s, 1H), 8.68 (s, 1H), 8.56 (s, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.24 (d, 1H), 6.41 (m, 1H), 4.70 (s, 1H), 4.03 (m, 4H), 3.68 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:523.3[M+H]。
【化267】
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【0632】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.89(s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 7.33 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 6.39 (m, 1H), 4.71 (s, 1H), 4.05 (m, 4H), 3.67 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:476.3[M+H]。
【化268】
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【0633】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.90(s, 1H), 8.66 (s, 1H), 8.54 (s, 1H), 7.36 (d, 1H), 7.23 (d, 1H), 6.40 (m, 1H), 4.72 (s, 1H), 4.05 (m, 4H), 3.69 (m, 1H). MS APCI(+)m/z:492.7[M+H]。
【化269】
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【0634】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.90(s, 1H), 8.65 (s, 1H), 8.53 (s, 1H), 7.35 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 6.41 (m, 1H), 3.70 (m, 2H), 0.51 (m, 1H), 0.26 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:503.4[M+H]。
【化270】
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【0635】
H NMR (400MHz, DMSO) δ 11.91(s, 1H), 8.67 (s, 1H), 8.55 (s, 1H), 7.38 (d, 1H), 7.25 (d, 1H), 6.42 (m, 1H), 3.72 (m, 2H), 0.52 (m, 1H), 0.25 (m, 4H). MS APCI(+)m/z:472.7[M+H]。
(実施例B−1)
細胞成長阻害アッセイ
材料
細胞:HT29、COLO205およびA375細胞を、中国医学科学院(Chinese Academy of Medical Sciences)、基礎医学研究所(Institute of Basic Medical Reseach)の細胞資源センター(Cell Resource Center)から得た。
試薬:DMEM/F12(GIBCO)、0.25%トリプシン(GIBCO)、MTT(5mg/ml)、DMSO、PBS
装置:37℃、5%CO細胞インキュベーター、TECANインフィニットTM200シリーズ多機能マイクロプレートリーダー、クリーンベンチ、細胞計数盤(cell counting board)
消耗品:96ウェルプレート(CORING)
方法1(HT29)
1.HT29細胞がそれらの増殖対数期に達したら、4×103細胞/ウェルを96ウェルプレートに播種し、プレートの端部を無菌性PBSで満たし、同時に3つのホールドを、ブランク群として培地だけで満たした。
2.プレートを、加湿した5%COインキュベーター中、37℃で24時間培養し、それらの増殖対数期に達するように増殖させた。
3.試料をDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解させた。試料の濃度は10mmol/L、1mmol/L、100μmol/L、10μmol/L、1μmol/L、0.1μmol/Lであり、細胞培養培地でさらに希釈した。最終投与濃度は10μmol/L、1μmol/L、100nmol/L、10nmol/L、1nmol/L、0.1nmol/L、0nmol/L(対照群)であった。使用した最終DMSO濃度は、対照群を含むすべての処理において培地の全容積の1‰であった。
ブランク:培地
対照:実験群と同じ用量のDMSO、DMSOを細胞完全培養培地(cell perfect culture medium)で希釈した。
実験:細胞を、10μmol/L、1μmol/L、100nmol/L、10nmol/L、1nmol/L、0.1nmol/Lの濃度で処理した。
4.プレートを、加湿した5%COインキュベーター中、37℃で72時間培養した。リン酸緩衝血清(PBS)中の3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)試薬(5mg/mL)の20μLを各ウェルに加えた。
5.プレートを、加湿した5%COインキュベーター中、37℃で4時間培養した。続いて溶液を吸引し、150μLのジメチルスルホキシドを加えて、生成したホルマザン結晶を生細胞ミトコンドリアから溶液中へ放出させた。
6.3分間緩やかに振とうした後、吸光度を、マイクロプレートリーダーを用いて490nmで測定した。
方法2(A375)
1.A375細胞がそれらの増殖対数期に達したら、5×103細胞/ウェルを96ウェルプレートに播種し、プレートの端部を無菌性PBSで満たし、同時に3つのホールドを、ブランク群として培地だけで満たした。
2.プレートを、加湿した5%COインキュベーター中、37℃で24時間培養した。それらの増殖対数期に達するように増殖させた。
3.試料をDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解させた。試料の濃度は10mmol/L、1mmol/L、100μmol/L、10μmol/L、1μmol/L、0.1μmol/Lであり、細胞培養培地でさらに希釈した。最終投与濃度は10μmol/L、1μmol/L、100nmol/L、10nmol/L、1nmol/L、0.1nmol/L、0nmol/L(対照群)であった。使用した最終DMSO濃度は、対照群を含むすべての処理において培地の全容積の1‰であった。
ブランク:培地
対照:実験群と同じ用量のDMSO、DMSOを細胞完全培養培地で希釈した。
実験:細胞を、10μmol/L、1μmol/L、100nmol/L、10nmol/L、1nmol/L、0.1nmol/Lの濃度で処理した。
4.プレートを、加湿した5%COインキュベーター中、37℃で72時間培養した。リン酸緩衝血清(PBS)中の3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)試薬(5mg/mL)の20μLを各ウェルに加えた。
5.プレートを、加湿した5%COインキュベーター中、37℃で4時間培養した。続いて溶液を吸引し、150μLのジメチルスルホキシドを加えて、形成されたホルマザン結晶を生細胞ミトコンドリアから溶液中へ放出させた。
6.3分間緩やかに振とうした後、吸光度を、マイクロプレートリーダーを用いて490nmで測定した。
方法3(COLO205)
1.COLO205細胞がそれらの増殖対数期に達したら、1×10細胞/ウェルを96ウェルプレートに播種し、プレートの端部を無菌性PBSで満たし、同時に3つのホールドを、ブランク群として培地だけで満たした。
2.プレートを、加湿した5%CO2インキュベーター中、37℃で24時間培養した。それらの増殖対数期に達するように増殖させた。
3.試料をDMSO(ジメチルスルホキシド)に溶解させた。試料の濃度は10mmol/L、1mmol/L、100μmol/L、10μmol/L、1μmol/L、0.1μmol/Lであり、細胞培養培地でさらに希釈した。最終投与濃度は10μmol/L、1μmol/L、100nmol/L、10nmol/L、1nmol/L、0.1nmol/L、0nmol/L(対照群)であった。使用した最終DMSO濃度は、対照群を含むすべての処理において培地の全容積の1‰であった。
ブランク:培地
対照:実験群と同じ用量のDMSO、DMSOを細胞完全培養培地で希釈した。
実験:細胞を、10μmol/L、1μmol/L、100nmol/L、10nmol/L、1nmol/L、0.1nmol/Lの濃度で処理した。
4.プレートを、加湿した5%COインキュベーター中、37℃で72時間培養した。リン酸緩衝血清(PBS)中の3−(4,5−ジメチルチアゾール−2−イル)−2,5−ジフェニルテトラゾリウムブロミド(MTT)試薬(5mg/ml)の20μlを各ウェルに加えた。
5.プレートを、加湿した5%COインキュベーター中、37℃で4時間培養した。続いて溶液を吸引し、150μLのジメチルスルホキシドを加えて、形成されたホルマザン結晶を生細胞ミトコンドリアから溶液中へ放出させた。
6.3分間緩やかに振とうした後、吸光度を、マイクロプレートリーダーを用いて490nmで測定した。
【0636】
HT29およびA375細胞を用いて得た細胞阻害IC50値を表5に示す。
【表5】
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(実施例B−2)
HT29腫瘍異種移植モデルにおけるインビボでの抗腫瘍効能
【0637】
5〜6週齢の雌のBALB/cヌードマウスを、すべてのインビボ効能試験に対して使用した。マウスに、HT29ヒト結腸癌細胞をSFM100μL当たり5×10細胞で右脇腹に注射した。腫瘍容積を式:
腫瘍容積(mm)=(w×l)/2 (式中、w=腫瘍の幅、c=腫瘍の長さ、mm単位で)
を用いてノギス測定により監視した。腫瘍容積が150〜300mmに達したら、マウスを、化合物(20mg/kg用量)またはビヒクルを経口強制飼養により1日1回、16日間施される処置群(1群当たり5〜10匹のマウス)にランダム化した。データ分析用に、腫瘍容積と体重を2〜3日毎に測定した。腫瘍成長阻害(TGI)と体重変化を、ビヒクル処置された群と比較して計算した。TGIは、ビヒクル腫瘍が1,000倍の容積を超過した時点での、式
TGI(%)=(1−(T−To)/(C−Co))×100%
に基づいた処置腫瘍と対照腫瘍の容積差百分率を表す。
【0638】
化合物1、3、9、11、17および19についての結果を図1に示す。結果は、ヒト結腸HT−29異種移植片は化合物9および化合物17に対して非常に感受性が高いことを示しており、これらは、16日間の処置後、それぞれ、化合物9について20mg/kgで95.1%のTGIを示し、化合物17について20mg/kgで88.75%のTGIを示した。化合物1、11および19はまた、ヌードマウスにおいて20mg/kgでHT29異種移植片成長の有意の阻害を示し、TGIがそれぞれ55.1%、68.51%および50.9%であった。ヌードマウスにおいて、化合物3は20mg/kgで、16日間の処置後、HT29癌細胞成長に対してそれほど効果を示さず、TGIは32.3%であった。参照化合物AZD6244は、ヌードマウスにおいて20mg/kgで、16日間の処置後、HT29異種移植片成長の阻害を示し、TGIが48.3%であった。
(実施例B−3)
COLO205腫瘍異種移植モデルにおけるインビボ抗腫瘍効能
【0639】
動物の使用および管理プロトコールは、サンディア研究動物管理使用委員会(Sundia Institutional Animal Care and Use Committee)によって承認されたものであった。雄の無胸腺ヌードマウス(nu/nu;6週齢)を、Beijing HFK Bioscience CO.,LTDから入手した。試験前の1週間、すべての動物に、市販飼料および水を随時給餌した。
【0640】
各マウスの脇腹にs.c.でCOLO205腫瘍断片(約1mm)を接種した。腫瘍(rumors)が、病期診断(staging)に適切なサイズ(170mmまたはデータグラフに示す通り)に達したら、マウスを、以下の処置が施される8つの群(n=6)に無作為に選んだ:(a)純水(purity water)ビヒクル中20%のSBE−β−CD、(b)10mg/kgQDでのAZD6244、(c)10mg/kgQDでのテスト化合物19、(d)10mg/kgQDでのテスト化合物1、(e)20mg/kgQDでのテスト化合物3、(f)5mg/kgQDでのテスト化合物9、(g)10mg/kgQDでのテスト化合物11、(h)5mg/kgQDでのテスト化合物17。試験の期間中、強制飼養によりマウスに処置を施した(10mL/kg体重)。腫瘍を、週2回ノギスで測定し、それらの容積を式(幅×長さ)/2を用いて計算した。実験において、腫瘍を、最初の処置日を0日目と段階分けした。参照化合物およびテスト化合物は、20%SBE−β−CD中で配合された。
【0641】
腫瘍成長阻害比を式:
TGI=100×[(ビヒクル処置群についての腫瘍容積最終−化合物処置群についての腫瘍容積最終)/ビヒクル処置群についての腫瘍容積最終
を用いて計算した。腫瘍成長データを平均腫瘍容積±S.Eとして表す。その差はP<0.05で有意と考えられ、Microsoft Excelを用いて統計分析を実施した。
【0642】
18日間の連続処置(QD×18日間)後、参照化合物1は、ビヒクル対照群と比較して腫瘍成長の72.80%(P<0.01)を阻害した。テスト化合物1、3、9、11、17および19は、ビヒクル対照群と比較して、それぞれ腫瘍成長の91.22%(P<0.01)、47.11%(P<0.05)、94.70%(P<0.01)、82.14%(P<0.01)、95.35%(P<0.01)および86.22%(P<0.01)を阻害した。
【0643】
化合物1、3、9、11、17および19の結果を図2に示す。
(実施例B−4)
インターロイキン(Interlukin)−4(IL−4)の阻害
【0644】
方法:
1.BALB/c遺伝子が報告されているマウス(BALB/c gene reported mice)の脾臓を取り、RPMI1640培地(HyClone)中で培養する。
2.脾臓を粉砕して単一の細胞懸濁液にし、赤血球を破壊するために赤血球溶解緩衝液(sigma)を懸濁液に加える。
3.細胞懸濁液をろ過し、10%血清を含む1640培地中に懸濁させた。
4.DMSOで化合物を溶解させ、10%血清を含むRPMI1640培地で希釈し、200nMの最終濃度まで希釈した。
5.4×106/mLの濃度、100μL/ウェルにしたがって、10%血清を含むRPMI1640培地中に懸濁している細胞の所要総数を計算する。細胞懸濁液において、ConA(コンカナバリンA、sigma)(2.5ng/mLの最終濃度)、IL−2(インターロイキン−2、R&D)(2ng/mLの最終濃度)、IL−4(インターロイキン−4、PeproTech)(20ng/mLの最終濃度)を細胞懸濁液に加えた。混合後、細胞を96ウェルプレートに加えた。穴毎に100μLである。化合物溶液を100μL/ウェルで合わせた。細胞最終濃度は2×106/mLであり、化合物最終濃度は100nMである。化合物および対照は各々、三穴ウェル(three−hole well)であり、37℃で48時間培養する。
6.48時間後、プレートをインキュベーターから取り出し、各ウェルを流管(BD)中に収集した。
7.細胞を、氷で予冷したPBS(リン酸緩衝液)溶液に加えて洗浄し、100μLのPBS中で、蛍光抗体CD4の0.5μLと一緒にし、光を避けて氷中に15分間置く。
8.染色後、抗体を、氷で予冷したPBS溶液で洗浄する。フローサイトメトリー検出用に準備する。
9.フローサイトメトリー(BD FACS calibur)を用いて、CD4+細胞集団を選択し、CD4+細胞の百分率により説明されるGFP+細胞を検出して、IL−4に対する化合物の影響を判定する。
10.IL−4の阻害率(%)=(対照%−化合物%)/対照%×100%。
【0645】
対照はDMSOであり、その濃度は、テスト化合物の最終濃度と同じであった。化合物1、3、9、11、17、19、25、34および43は最大で50%のIL−4阻害率を示した。
(実施例B−5)
TNF−α発現の阻害
【0646】
方法:
1.BALB/c遺伝子が報告されているマウスの脾臓を取り、RPMI1640培地(HyClone)中で培養する。脾臓を粉砕して単一の細胞懸濁液にし、赤血球を破壊するために赤血球溶解緩衝液(sigma)を懸濁液に加える。
2.細胞懸濁液をろ過し、10%血清(HyClone)を含む1640培地中に懸濁させ、細胞最終濃度は4×106/mLであり、LPSを培地に加え、最終濃度は200ng/mLであった。
3.DMSOで化合物を溶解させ、10%血清を含むRPMI1640培地で希釈し、200nMの最終濃度に希釈した。
4.細胞を96ウェルプレートに加え、各穴は100μLであった。化合物溶液、100μL/ウェルを一緒にし、細胞最終濃度は2×106/mLであり、化合物終濃度は100nMであった。化合物および対照は各々、三穴ウェルである。
5.37℃で24時間培養した。
6.細胞プレート遠心分離機(Eppendorf 5810R)により、1400rmpで7分間遠心分離し、上澄みを取り出し、新規の96ウェルプレートに入れ、保存するために4℃で置いた。
7.24時間でのTNF−αの量の決定のために、ELISA(酵素結合免疫吸着アッセイ)法を用いる。
【0647】
対照はDMSOであり、その濃度は、テスト化合物の最終濃度と同じであった。化合物1、3、9、11、17、19、25、34および43は最大で40%の阻害率を示した。
【0648】
出版物、特許、特許出願および公開特許出願などのすべての参考文献は、全体に亘って、それらの全体が参考として本明細書に援用される。
【0649】
理解を明快にするために例示および実施例によって上記発明をある程度詳細に説明してきたが、特定の細かな変更および改変がなされることになることは当業者に明らかである。したがって、これらの説明および実施例は、本発明の範囲を限定すると解釈されるべきでない。
図1
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図2
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