【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の実施形態は、ヒト細胞を含む細胞培養物に関する。このような細胞培養物では、
ヒト細胞の少なくとも約5%が前原始線条細胞であり、この場合、前原始線条細胞は、中内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である。他の実施形態では、培養中のヒト細胞の少なくとも約10%〜少なくとも約90%が前原始線条細胞である。本明細書中に記載される或る特定のいくつかの実施形態では、ヒトフィーダー細胞も細胞培養物中に存在する。このような実施形態では、フィーダー細胞以外のヒト細胞の少なくとも約5%〜少なくとも約75%が前原始線条細胞である。いくつかの実施形態では、前原始線条細胞は、マーカー、例えばFGF8及び/又は核局在化β−カテニンを発現する。或る特定のいくつかの実施形態では、これらのマーカーの一方又は両方の発現は、ブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及び/又はSOX1の発現より大きい。本明細書中に記載されるさらに他の実施形態では、細胞培養物は、臓側内胚葉細胞、壁側内胚葉細胞、原始内胚葉細胞、胚体内胚葉細胞、外胚葉細胞及び/又は中胚葉細胞を実質的に含有しない。
【0007】
本明細書中に記載される或る特定のいくつかの実施形態に関しては、前原始線条細胞培養物は、多能性ヒト細胞、例えばヒト胚性幹細胞(hESC)を含む。このような実施形態では、少なくとも約2から少なくとも約10個までの前原始線条細胞が細胞培養物中のほぼ1つ毎のhESCに関して存在する。いくつかの実施形態では、hESCは、桑実胚、胚の内部細胞塊(ICM)又は胚の生殖隆起に由来する。いくつかの実施形態では、ヒト前原始線条細胞を含有する細胞培養物は、約2%(v/v)未満から約0.2%(v/v)未満までの血清を含む培地を含む。好ましい実施形態では、このような細胞培養物は、血清又は血清代替物を欠く培地を含む。他の実施形態では、ヒト前原始線条細胞を含有する細胞培養物はTGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの成長因子を含む。好ましい実施形態では、成長因子はアクチビンAである。
【0008】
本明細書中に記載されるさらなる実施形態は、中胚葉又は胚体内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である中内胚葉細胞を含む細胞培養物に関する。このような実施形態では、細胞培養物は、少なくとも約5%が中内胚葉細胞であるヒト細胞を含む。他の実施形態では、培養中のヒト細胞の少なくとも約10%〜少なくとも約90%は中内胚葉細胞である。本明細書中に記載される或る特定のいくつかの実施形態では、ヒトフィーダー細胞も、細胞培養物中に存在する。このような実施形態では、フィーダー細胞以外のヒト細胞の少なくとも約5%〜少なくとも約75%は中内胚葉細胞である。いくつかの実施形態では、中内胚葉細胞は、ブラキュリ、FGF4及び/又はSNAI1のようなマーカーを発現する。或る特定のいくつかの実施形態では、1つ又は複数のこれらのマーカーの発現は、OC
T4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及び/又はSOX1の発現より大きい。本明細書中に記載されるさらに他の実施形態では、細胞培養物は、臓側内胚葉細胞、壁側内胚葉細胞、原始内胚葉細胞、胚体内胚葉細胞、外胚葉細胞及び/又は中胚葉細胞を実質的に含有しない。
【0009】
本明細書中に記載される或る特定のいくつかの実施形態に関しては、中内胚葉細胞培養物は、多能性ヒト細胞、例えばヒト胚性幹細胞(hESC)を含む。このような実施形態では、少なくとも約2〜少なくとも約10個の中内胚葉細胞が、細胞培養物中のほぼ1つ毎のhESCに関して存在する。いくつかの実施形態では、hESCは、桑実胚、胚の内部細胞塊(ICM)又は胚の生殖隆起に由来する。いくつかの実施形態では、ヒト中内胚葉細胞を含有する細胞培養物は、約2%(v/v)未満から約0.2%(v/v)未満までの血清を含む培地を含む。好ましい実施形態では、このような細胞培養物は、血清又は血清代替物を欠く培地を含む。他の実施形態では、ヒト中内胚葉細胞を含有する細胞培養物はTGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの成長因子を含む。好ましい実施形態では、成長因子はアクチビンAである。
【0010】
本明細書中に記載されるさらなる実施形態は、細胞の少なくとも約90%がヒト前原始線
条細胞である細胞を含む細胞集団に関する。これらの実施形態では、前原始線条細胞は、中内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である。他の実施形態では、集団中のヒト細胞の少なくとも約95%〜少なくとも約98%は前原始線条細胞である。いくつかの実施形態では、前原始線条細胞は、FGF8及び/又は核局在化β−カテニンのようなマーカーを発現する。或る特定のいくつかの実施形態では、これらのマーカーの一方又は両方の発現は、ブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及び/又はSOX1の発現より大きい。本明細書中に記載されるさらに他の実施形態では、細胞集団は、臓側内胚葉細胞、壁側内胚葉細胞、原始内胚葉細胞、胚体内胚葉細胞、外胚葉細胞及び/又は中胚葉細胞を実質的に含有しない。
【0011】
本明細書中に記載されるさらに他の実施形態は、細胞の少なくとも約90%がヒト中内胚葉細胞である細胞を含む細胞集団に関する。これらの実施形態では、中内胚葉細胞は、中胚葉細胞及び/又は胚体内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である。他の実施形態では、集団中のヒト細胞の少なくとも約95%〜少なくとも約98%は中内胚葉細胞である。いくつかの実施形態では、中内胚葉細胞は、ブラキュリ、FGF4及び/又はSNAI1のようなマーカーを発現する。或る特定のいくつかの実施形態では、これらのマーカーの一方又は両方の発現は、OCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及び/又はSOX1の発現より大きい。本明細書中に記載されるさらに他の実施形態では、細胞集団は、臓側内胚葉細胞、壁側内胚葉細胞、原始内胚葉細胞、胚体内胚葉細胞、外胚葉細胞及び/又は中胚葉細胞を実質的に含有しない。
【0012】
本明細書中に記載されるさらなる実施形態は、前原始線条細胞を産生する方法に関する。このような方法では、多能性ヒト細胞、例えばhESCを含む細胞集団が得られる。細胞集団内の多能性ヒト細胞は、約2%未満の血清及びTGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子を含む培地中で分化され、この場合、成長因子は、多分化能でありそして中内胚葉細胞に分化し得る前原始線条細胞への上記多能性細胞の少なくとも一部の分化を促進するのに十分な量で培地中に存在する。いくつかの実施形態は、前原始線条細胞を十分な時間生成させる工程をさらに包含し、この場合、前原始線条細胞を生成させるための上記の十分な時間が上記細胞集団中の前原始線条細胞の存在を検出することにより決定された。いくつかの実施形態では、十分な時間は少なくとも約6時間である。他の実施形態では、細胞集団中の前原始線条細胞の存在の検出は、細胞集団の細胞中での、FGF8及び核局在化β−カテニンから成る群から選択される少なくとも1つのマーカー、並びにブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択される少なくとも1つのマーカーの発現を検出することを包含し、この場合、上記前原始線条細胞中での、FGF8及び核局在化β−カテニンから成る群から選択されるマーカーの発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーの発現より大きい。このような実施形態では、マーカー検出は、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)、免疫細胞化学又は他の匹敵する方法によるものであり得る。
【0013】
本明細書中に記載される或る特定の方法に関しては、培養中のヒト細胞の少なくとも約5%〜少なくとも約90%が前原始線条細胞に分化する。本明細書中に記載される方法のいくつかの実施形態では、培地中に存在する成長因子は、TGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの一成長因子である。好ましい実施形態では、成長因子はアクチビンAである。他の好ましい実施形態では、成長因子は、少なくとも約10ng/ml〜少なくとも約1000ng/mlの範囲の濃度で培地中に存在する。或る特定のいくつかの実施形態では、成長因子は、約6時間、12時間又は18時間後に除かれる。さらなる実施形態では、培地は、約1%(v/v)未満〜約0.2%(v/v)未満の血清を含む。他の実施形態では、培地は低血清RPMIである。さらに他の実施形態では、細胞集団は、血清又は血清代替物の非存在下で分化される。
【0014】
本明細書中に記載される他の方法は、中内胚葉細胞を産生する方法である。このような方法では、多能性ヒト細胞、例えばhESCを含む細胞集団が得られる。細胞集団内の多能性ヒト細胞は、約2%未満の血清及びTGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子を含む培地中で分化され、この場合、成長因子は、多分化能でありそして中胚葉細胞及び/又は胚体内胚葉細胞に分化し得る中内胚葉細胞への上記多能性細胞の少なくとも一部の分化を促進するのに十分な量で培地中に存在する。いくつかの実施形態は、中内胚葉細胞を十分な時間生成させるさらなる工程を包含し、この場合、中内胚葉細胞を生成させるための上記の十分な時間が上記細胞集団中の中内胚葉細胞の存在を検出することにより決定された。いくつかの実施形態では、十分な時間は少なくとも約24時間である。他の実施形態では、細胞集団中の中内胚葉細胞の存在の検出は、細胞集団の細胞中での、ブラキュリ、FGF4及び/又はSNAI1から成る群から選択される少なくとも1つのマーカー、並びにOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及び/又はSOX1から成る群から選択される少なくとも1つのマーカーの発現を検出することを包含し、この場合、上記中内胚葉細胞での、ブラキュリ、FGF4及び/又はSNAI1から成る群から選択されるマーカーの発現がOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及び/又はSOX1から成る群から選択されるマーカーの発現より大きい。このような実施形態では、マーカー検出は、定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)、免疫細胞化学又は他の匹敵する方法によるものであり得る。
【0015】
本明細書中に記載される或る特定の方法に関しては、培養中のヒト細胞の少なくとも約5%〜少なくとも約90%が中内胚葉細胞に分化する。本明細書中に記載される方法のいくつかの実施形態では、培地中に存在する成長因子は、TGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの一成長因子である。好ましい実施形態では、成長因子はアクチビンAである。他の好ましい実施形態では、成長因子は、少なくとも約10ng/ml〜少なくとも約1000ng/mlの範囲の濃度で培地中に存在する。或る特定のいくつかの実施形態では、成長因子は、約24時間、36時間又は48時間後に除かれる。さらなる実施形態では、培地は、約1%(v/v)未満〜約0.2%(v/v)未満の血清を含む。他の実施形態では、培地は低血清RPMIである。さらに他の実施形態では、細胞集団は、血清又は血清代替物の非存在下で分化される。
【0016】
本明細書中に記載されるさらに他の実施形態は、前原始線条細胞に富んだ細胞集団を産生する方法に関する。このような方法は、(a)多能性細胞集団の少なくとも1つの細胞がFGF8プロモーターの制御下でグリーン蛍光タンパク質(GFP)をコードする核酸配列又はその生物学的活性断片のコピーを含む多能性細胞、例えばhESCの集団を生成する工程、(b)中内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である前原始線条細胞を産生するように多能性細胞を分化させる工程、及び(c)前原始線条細胞をGFPを発現しない細胞から分離する工程を包含する。いくつかの実施形態では、細胞集団は、少なくとも約95%〜少なくとも約98%の前原始線条細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される方法の分化させる工程は、TGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子、例えばアクチビンAを多能性細胞集団に提供することを包含する。アクチビンAの好ましい濃度は、少なくとも約50ng/ml〜少なくとも約500ng/mlの範囲である。さらなる実施形態では、細胞集団は、約1%(v/v)未満〜約0.1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される。他の実施形態では、培地は低血清RPMIである。さらに他の実施形態では、細胞集団は、血清又は血清代替物の非存在下で分化される。
【0017】
本明細書中に記載される他の実施形態は、中内胚葉細胞に富んだ細胞集団を産生する方法に関する。このような方法は、(a)多能性細胞集団の少なくとも1つの細胞がブラキュリ、FGF4又はSNAI1プロモーターの制御下でグリーン蛍光タンパク質(GFP)
をコードする核酸配列又はその生物学的活性断片のコピーを含む多能性細胞、例えばhESCの集団を生成する工程、(b)中胚葉細胞及び/又は胚体内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である中内胚葉細胞を産生するように多能性細胞を分化させる工程、及び(c)中内胚葉細胞をGFPを発現しない細胞から分離する工程を包含する。いくつかの実施形態では、細胞集団は、少なくとも約95%〜少なくとも約98%の中内胚葉細胞を含む。いくつかの実施形態では、本明細書中に記載される方法の分化させる工程は、TGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子、例えばアクチビンAを多能性細胞集団に提供することを包含する。アクチビンAの好ましい濃度は、少なくとも約50ng/ml〜少なくとも約500ng/mlの範囲である。さらなる実施形態では、細胞集団は、約1%(v/v)未満〜約0.1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される。他の実施形態では、培地は低血清RPMIである。さらに他の実施形態では、細胞集団は、血清又は血清代替物の非存在下で分化される。
【0018】
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態は、ヒト細胞を含む細胞集団における前原始線条細胞の分化を促進し得る分化因子を同定するスクリーニング方法である。このような方法は、(a)ヒト前原始線条細胞を含む細胞集団を得る工程、(b)細胞集団に候補分化因子を提供する工程、(c)第1の時点での細胞集団におけるマーカーの発現を測定する工程、第2の時点での細胞集団における同一マーカーの発現を測定する工程、及び(d)第2の時点での細胞集団におけるマーカーの発現が第1の時点での細胞集団におけるマーカーの発現と比較して増大又は減少されているかを判定する工程、であって、第2の時点は第1の時点の後であり、第2の時点は候補分化因子を集団に提供した後であるり、細胞集団におけるマーカーの発現の増大又は減少は候補分化因子が前原始線条細胞の分化を促進し得ることを示す、工程を包含する。或る特定のいくつかの実施形態では、第1の時点は、候補分化因子を提供する前であるか又はそれとほぼ同一時点である。他の実施形態では、第1の時点は、候補分化因子の提供の後である。本明細書中に記載されるスクリーニング方法のいくつかの実施形態では、ヒト前原始線条細胞は、候補分化因子に応答して、中内胚葉細胞、中胚葉細胞及び/又は胚体内胚葉細胞のような細胞に分化する。いくつかの実施形態では、中内胚葉細胞は、ブラキュリ、FGF4及び/又はSNAI1のようなマーカーの発現により示される。他の実施形態では、中胚葉は、FOXF1、FLK1、BMP4、MOX1及びSDF1のようなマーカーの発現により示される。さらに他の実施形態では、胚体内胚葉細胞は、CXCR4及び/又はSOX17のようなマーカーの発現により示される。
【0019】
本明細書中に記載されるスクリーニング方法に関しては、或る特定のいくつかの実施形態は、候補分化因子、例えばTGFβスーパーファミリーからの少なくとも1つの成長因子、例えばアクチビンAの提供に関する。他の実施形態では、候補分化因子は、小分子又はポリペプチドである。さらに他の実施形態では、候補分化因子は、TGFβスーパーファミリーの因子でない。さらに他の実施形態では、候補分化因子は、前原始線条細胞の分化を引き起こすことが知られていない因子である。
【0020】
本明細書中に記載される他の実施形態は、ヒト細胞を含む細胞集団における中内胚葉細胞の分化を促進し得る分化因子を同定するスクリーニング方法である。このような方法は、(a)ヒト中内胚葉細胞を含む細胞集団を得る工程、(b)細胞集団に候補分化因子を提供する工程、(c)第1の時点での細胞集団におけるマーカーの発現を測定する工程、第2の時点での細胞集団における同一マーカーの発現を測定する工程、及び(d)第2の時点での細胞集団におけるマーカーの発現が第1の時点での細胞集団におけるマーカーの発現と比較して増大又は減少されているかを判定する工程、であって、第2の時点は第1の時点の後であり、第2の時点は候補分化因子を細胞集団に提供した後であり、細胞集団におけるマーカーの発現の増大又は減少は候補分化因子が中内胚葉細胞の分化を促進し得ることを示す、工程を包含する。或る特定のいくつかの実施形態では、第1の時点は、候補
分化因子を提供する前であるか又はそれとほぼ同一時点である。その他の実施形態では、第1の時点は、候補分化因子の提供の後である。本明細書中に記載されるスクリーニング方法のいくつかの実施形態では、ヒト中内胚葉細胞は、候補分化因子に応答して、中胚葉細胞及び/又は胚体内胚葉細胞のような細胞に分化する。いくつかの実施形態では、中胚葉細胞は、FOXF1、FLK1、BMP4、MOX1及びSDF1のようなマーカーの発現により示される。他の実施形態では、胚体内胚葉細胞は、CXCR4及び/又はSOX17のようなマーカーの発現により示される。
【0021】
本明細書中に記載されるスクリーニング方法に関しては、或る特定のいくつかの実施形態は、候補分化因子、例えばTGFβスーパーファミリーからの少なくとも1つの成長因子、例えばアクチビンAの提供に関する。他の実施形態では、候補分化因子は、小分子又はポリペプチドである。さらに他の実施形態では、候補分化因子は、TGFβスーパーファミリーの因子でない。さらに他の実施形態では、候補分化因子は、中内胚葉細胞の分化を引き起こすことが知られていない因子である。
【0022】
さらなる実施形態は、ヒト胚性幹細胞(hESC)中のin vitroでのFGF8遺
伝子産物の発現を増大する方法に関する。当該方法は、約2%(v/v)未満の血清を含む培地中でhESCを得ること、及び、hESCを、FGF8遺伝子産物の発現を増大するのに十分な量で分化因子と接触させることを包含する。いくつかの実施形態では、分化因子は、TGFβスーパーファミリーからの少なくとも1つの成長因子、例えばアクチビンAである。いくつかの実施形態では、培地は、血清代替物を含まない。
【0023】
さらに他の実施形態は、ヒト胚性幹細胞(hESC)中のin vitroでのブラキュ
リ、FGF4及びSNAI1から成る群から選択される遺伝子産物の発現を増大する方法に関する。当該方法は、約2%(v/v)未満の血清を含む培地中でhESCを得ること、及びhESCをブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から選択される遺伝子産物の発現を増大するのに十分な量で分化因子と接触させることを包含する。いくつかの実施形態では、分化因子は、TGFβスーパーファミリーからの少なくとも1つの成長因子、例えばアクチビンAである。いくつかの実施形態では、培地は血清代替物を含まない。
【0024】
本明細書中に記載されるいくつかの実施形態は、ヒト胚性幹細胞(hESC)と約2%(v/v)未満の血清を含む培地とを含む細胞培養物に関するが、この場合、FGF8 m
RNAの発現がベースラインFGF8 mRNA発現と比較して、参照時点から約6時間
までに実質的にアップレギュレートされるようにhESCが参照時点で分化し始める。いくつかの実施形態では、β−カテニンポリペプチドの発現は、参照時点から約17時間までに細胞核に局在されるようになり始める。他の実施形態では、ブラキュリ、FGF4及び/又はSNAI1 mRNAの発現は、参照時点から約24時間までに実質的にアップ
レギュレートされる。さらに他の実施形態では、E−カドヘリン mRNAの発現は、参
照時点から約12時間までにダウンレギュレートされ始める。さらにいくつかの実施形態では、SOX17 mRNAの発現は、参照時点から約48時間までに実質的にアップレ
ギュレートされ、及び/又はFOXA2 mRNAの発現が参照時点から約96時間まで
に実質的にアップレギュレートされる。本明細書中に記載される細胞培養物の或る特定のいくつかの実施形態では、培地は、約1%(v/v)未満から約0.2%(v/v)未満までの血清を含む。他の実施形態では、培地は約0%(v/v)の血清を含む。さらに他の実施形態では、培地は血清代替物を含まない。
【0025】
本明細書中に記載されるさらなる実施形態は、ヒト胚性幹細胞と、TGFβスーパーファミリーの分化因子と、約2%(v/v)未満の血清を含む培地とを含む細胞培養物であって、第1の組のマーカー遺伝子が、第2の組及び/又は第3の組のマーカー遺伝子のアッ
プレギュレート又は発現ピークの前に、又はアップレギュレート又は発現ピークとほぼ同時に、アップレギュレートされるか又はダウンレギュレートされる細胞培地に関する。いくつかの実施形態では、培地は血清又は血清代替物を含まない。
【0026】
さらに他の実施形態は、ヒト胚性幹細胞を約2%未満の血清を含む培地と接触させ、TGFβスーパーファミリーの分化因子をhESCに提供し、そしてhESCの分化を起こさせることによる細胞培養物における細胞を分化する方法に関する。いくつかの実施形態では、このような方法は、第2の組及び/又は第3の組のマーカー遺伝子のアップレギュレート又は発現ピークの前、又はアップレギュレート又は発現ピークとほぼ同時にアップレギュレートされるか又はダウンレギュレートされる第1の組のマーカー遺伝子を有する細胞を産生する。いくつかの実施形態では、培地は血清又は血清代替物を含まない。
【0027】
或る特定の権限において、「〜を含む」という用語の任意の一般的に許容される定義は存在し得ない。本明細書中で用いる場合、「〜を含む」という用語は、任意の付加的要素の包含を可能にする「限定しない」文言を表わすように意図される。これに留意して、以下の数字を付した項目を参照しながら、本発明のさらなる実施形態を記載する。
【0028】
1. ヒト細胞を含む細胞培養物であって、当該ヒト細胞の少なくとも約5%が前原始線
条細胞であり、当該前原始線条細胞が中内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である前記細胞培養物。
【0029】
2. 上記ヒト細胞の少なくとも約10%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培
養物。
【0030】
3. 上記ヒト細胞の少なくとも約20%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培
養物。
【0031】
4. 上記ヒト細胞の少なくとも約30%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培
養物。
【0032】
5. 上記ヒト細胞の少なくとも約40%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培
養物。
【0033】
6. 上記ヒト細胞の少なくとも約50%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培
養物。
【0034】
7. 上記ヒト細胞の少なくとも約60%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培
養物。
【0035】
8. 上記ヒト細胞の少なくとも約70%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培
養物。
【0036】
9. 上記ヒト細胞の少なくとも約80%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培
養物。
【0037】
10. 上記ヒト細胞の少なくとも約90%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞
培養物。
【0038】
11. ヒトフィーダー細胞が上記培養物中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約5%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培養物。
【0039】
12. ヒトフィーダー細胞が上記培養物中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約25%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培養物。
【0040】
13. ヒトフィーダー細胞が上記培養物中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約50%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培養物。
【0041】
14. ヒトフィーダー細胞が上記培養物中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約75%が前原始線条細胞である、項目1記載の細胞培養物。
【0042】
15. 上記原始線条細胞がFGF8及び核局在化β−カテニンから成る群から選択され
るマーカーを発現する、項目1記載の細胞培養物。
【0043】
16. 上記前原始線条細胞中での、FGF8及び核局在化β−カテニンから成る群から
選択されるマーカーの発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーの発現より大きい、項目15記載の細胞培養物。
【0044】
17. 上記前原始線条細胞がブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOX
A2、SOX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーを実質的に発現しない、項目15記載の細胞培養物。
【0045】
18. 上記前原始線条細胞がFGF8及び核局在化β−カテニンを発現する、項目1記
載の細胞培養物。
【0046】
19. 上記前原始線条細胞中での、FGF8及び核局在化β−カテニンの発現がブラキ
ュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及びSOX1の発現より大きい、項目18記載の細胞培養物。
【0047】
20. 上記前原始線条細胞がブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOX
A2、SOX7及びSOX1を実質的に発現しない、項目18記載の細胞培養物。
【0048】
21. 上記細胞培養物が臓側内胚葉細胞、壁側内胚葉細胞、原始内胚葉細胞、胚体内胚
葉細胞、外胚葉細胞、中胚葉細胞から成る群から選択される細胞を実質的に含有しない、項目1記載の細胞培養物。
【0049】
22. ヒト胚性幹細胞(hESC)をさらに含む、項目1記載の細胞培養物。
【0050】
23. 少なくとも約2つの前原始線条細胞が上記細胞培養物中のほぼ1つ毎のhESC
に関して存在する、項目22記載の細胞培養物。
【0051】
24. 少なくとも約10個の前原始線条細胞が上記細胞培養物中のほぼ1つ毎のhES
Cに関して存在する、項目22記載の細胞培養物。
【0052】
25. 上記hESCが桑実胚、胚の内部細胞塊(ICM)、及び胚の生殖隆起から成る
群から選択される組織に由来する、項目22記載の細胞培養物。
【0053】
26. 約2%(v/v)未満の血清を含む培地をさらに含む、項目1記載の細胞培養物
。
【0054】
27. 約1%(v/v)未満の血清を含む培地をさらに含む、項目1記載の細胞培養物
。
【0055】
28. 約0.5%(v/v)未満の血清を含む培地をさらに含む、項目1記載の細胞培
養物。
【0056】
29. 約0.2%(v/v)未満の血清を含む培地をさらに含む、項目1記載の細胞培
養物。
【0057】
30. 血清を欠くか又は血清代替物を欠く培地をさらに含む、項目1記載の細胞培養物
。
【0058】
31. TGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの成長因子を
さらに含む、項目1記載の細胞培養物。
【0059】
32. TGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの上記成長因
子がアクチビンAを含む、項目31記載の細胞培養物。
【0060】
33. ヒト細胞の少なくとも約5%が中内胚葉細胞であり、当該中内胚葉細胞が中胚葉
細胞又は胚体内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である上記ヒト細胞を含む細胞培養物。
【0061】
34. 上記ヒト細胞の少なくとも約10%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞
培養物。
【0062】
35. 上記ヒト細胞の少なくとも約20%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞
培養物。
【0063】
36. 上記ヒト細胞の少なくとも約30%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞
培養物。
【0064】
37. 上記ヒト細胞の少なくとも約40%が前原始線条細胞である、項目33記載の細
胞培養物。
【0065】
38. 上記ヒト細胞の少なくとも約50%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞
培養物。
【0066】
39. 上記ヒト細胞の少なくとも約60%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞
培養物。
【0067】
40. 上記ヒト細胞の少なくとも約70%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞
培養物。
【0068】
41. 上記ヒト細胞の少なくとも約80%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞
培養物。
【0069】
42. 上記ヒト細胞の少なくとも約90%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞
培養物。
【0070】
43. ヒトフィーダー細胞が上記培養物中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約5%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞培養物。
【0071】
44. ヒトフィーダー細胞が上記培養物中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約25%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞培養物。
【0072】
45. ヒトフィーダー細胞が上記培養物中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約50%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞培養物。
【0073】
46. ヒトフィーダー細胞が上記培養物中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約75%が中内胚葉細胞である、項目33記載の細胞培養物。
【0074】
47. 上記中内胚葉細胞がブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から選択さ
れるマーカーを発現する、項目33記載の細胞培養物。
【0075】
48. 上記中内胚葉細胞中での、ブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から
選択されるマーカーの発現がOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーの発現より大きい、項目47記載の細胞培養物。
【0076】
49. 上記中内胚葉細胞がOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7
及びSOX1から成る群から選択されるマーカーを実質的に発現しない、項目47記載の細胞培養物。
【0077】
50. 上記中内胚葉細胞がブラキュリ、FGF4及びSNAI1を発現する、項目33
記載の細胞培養物。
【0078】
51. 上記中内胚葉細胞中での、ブラキュリ、FGF4及びSNAI1の発現がOCT
4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及びSOX1の発現より大きい、項目51記載の細胞培養物。
【0079】
52. 上記中内胚葉細胞がOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7
及びSOX1を実質的に発現しない、項目51記載の細胞培養物。
【0080】
53. 上記細胞培養物が臓側内胚葉細胞、壁側内胚葉細胞、原始内胚葉細胞、胚体内胚
葉細胞、外胚葉細胞、中胚葉細胞から成る群から選択される細胞を実質的に含有しない、項目33記載の細胞培養物。
【0081】
54. ヒト胚性幹細胞(hESC)をさらに含む、項目33記載の細胞培養物。
【0082】
55. 少なくとも約2つの中内胚葉細胞が上記細胞培養物中のほぼ1つ毎のhESCに
関して存在する、項目54記載の細胞培養物。
【0083】
56. 少なくとも約10個の中内胚葉細胞が上記細胞培養物中のほぼ1つ毎のhESC
に関して存在する、項目54記載の細胞培養物。
【0084】
57. 上記hESCが桑実胚、胚の内部細胞塊(ICM)、及び胚の生殖隆起から成る
群から選択される組織に由来する、項目54記載の細胞培養物。
【0085】
58. 約2%(v/v)未満の血清を含む培地をさらに含む、項目33記載の細胞培養
物。
【0086】
59. 約1%(v/v)未満の血清を含む培地をさらに含む、項目33記載の細胞培養
物。
【0087】
60. 約0.5%(v/v)未満の血清を含む培地をさらに含む、項目33記載の細胞
培養物。
【0088】
61. 約0.2%(v/v)未満の血清を含む培地をさらに含む、項目33記載の細胞
培養物。
【0089】
62. 血清を欠くか又は血清代替物を欠く培地をさらに含む、項目33記載の細胞培養
物。
【0090】
63. TGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの成長因子を
さらに含む、項目33記載の細胞培養物。
【0091】
64. TGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの上記成長因
子がアクチビンAを含む、項目63記載の細胞培養物。
【0092】
65. 細胞の少なくとも約90%がヒト前原始線条細胞であり、上記前原始線条細胞が
中内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である上記細胞を含む細胞集団。
【0093】
66. 上記細胞の少なくとも約95%がヒト前原始線条細胞である、項目65記載の細
胞集団。
【0094】
67. 上記細胞の少なくとも約98%がヒト前原始線条細胞である、項目65記載の細
胞集団。
【0095】
68. 上記ヒト前原始線条細胞がFGF8及び核局在化β−カテニンから成る群から選
択されるマーカーを発現する、項目65記載の細胞集団。
【0096】
69. 上記ヒト前原始線条細胞中での、FGF8及び核局在化β−カテニンから成る群
から選択されるマーカーの発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーの発現より大きい、項目68記載の細胞集団。
【0097】
70. 上記ヒト前原始線条細胞がブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、F
OXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーを実質的に発現しない、項目68記載の細胞集団。
【0098】
71. 上記ヒト原始線条細胞がFGF8及び核局在化β−カテニンを発現する、項目6
5記載の細胞集団。
【0099】
72. 上記ヒト前原始線条細胞中での、FGF8及びβ−カテニンの発現がブラキュリ
、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及びSOX1の発現より大きい、項目71記載の細胞集団。
【0100】
73. 上記ヒト前原始線条細胞がブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、F
OXA2、SOX7及びSOX1を実質的に発現しない、項目71記載の細胞集団。
【0101】
74. 細胞の少なくとも約90%がヒト中内胚葉細胞であり、上記中内胚葉細胞が中胚
葉細胞又は胚体内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である上記細胞を含む細胞集団。
【0102】
75. 上記細胞の少なくとも約95%がヒト中内胚葉細胞である、項目74記載の細胞
集団。
【0103】
76. 上記細胞の少なくとも約98%がヒト中内胚葉細胞である、項目74記載の細胞
集団。
【0104】
77. 上記ヒト中内胚葉細胞がブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から選
択されるマーカーを発現する、項目74記載の細胞集団。
【0105】
78. 上記ヒト中内胚葉細胞中での、ブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群
から選択されるマーカーの発現がOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーの発現より大きい、項目77記載の細胞集団。
【0106】
79. 上記ヒト中内胚葉細胞がOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SO
X7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーを実質的に発現しない、項目77記載の細胞集団。
【0107】
80. 上記ヒト中内胚葉細胞がブラキュリ、FGF4及びSNAI1を発現する、項目
74記載の細胞集団。
【0108】
81. 上記ヒト中内胚葉細胞中での、ブラキュリ、FGF4及びSNAI1の発現がO
CT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及びSOX1の発現より大きい、項目77記載の細胞集団。
【0109】
82. 上記ヒト中内胚葉細胞がOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SO
X7及びSOX1を実質的に発現しない、項目77記載の細胞集団。
【0110】
83. 前原始線条細胞を産生する方法であって、多能性ヒト細胞を含む細胞集団を得る
工程、及び、約2%未満の血清及びTGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子を含む培地中で上記多能性ヒト細胞を分化させる工程を包含し、上記成長因子が前原始線条細胞への上記多能性ヒト細胞の少なくとも一部の分化を促進するのに十分な量で上記培地中に存在し、上記前原始線条細胞が中内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である上記方法。
【0111】
84. 前原始線条細胞を十分な時間生成させる工程をさらに包含し、前原始線条細胞を
生成させるための上記十分な時間が上記細胞集団中の前原始線条細胞の存在を検出することにより決定された項目83記載の方法。
【0112】
85. 上記十分な時間が少なくとも約6時間である、項目84記載の方法。
【0113】
86. 上記細胞集団中の前原始線条細胞の存在の検出が上記細胞集団の細胞中での、F
GF8及び核局在化β−カテニンから成る群から選択される少なくとも1つのマーカー、並びにブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択される少なくとも1つのマーカーの発現を検出することを包含し、上記前原始線条細胞中での、FGF8及び核局在化β−カテニンから成る群から選択されるマーカーの発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、SOX17、FOXA2、S
OX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーの発現より大きい、項目84記載の方法。
【0114】
87. 上記マーカーの少なくとも1つの発現が定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PC
R)により測定される、項目86記載の方法。
【0115】
88. 上記マーカーの少なくとも1つの発現が免疫細胞化学により測定される、項目8
6記載の方法。
【0116】
89. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約5%が前原始線条細胞に分化する、項目83
記載の方法。
【0117】
90. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約10%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0118】
91. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約20%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0119】
92. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約30%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0120】
93. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約40%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0121】
94. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約50%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0122】
95. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約60%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0123】
96. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約70%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0124】
97. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約80%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0125】
98. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約90%が前原始線条細胞に分化する、項目8
3記載の方法。
【0126】
99. 上記少なくとも1つの成長因子がTGFβスーパーファミリーのノーダル/アク
チビンサブグループに属する、項目83記載の方法。
【0127】
100. TGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの上記少な
くとも1つの成長因子がアクチビンAを含む、項目99記載の方法。
【0128】
101. 上記少なくとも1つの成長因子が少なくとも約10ng/mlの濃度で提供さ
れる、項目83記載の方法。
【0129】
102. 上記少なくとも1つの成長因子が少なくとも約100ng/mlの濃度で提供
される、項目83記載の方法。
【0130】
103. 上記少なくとも1つの成長因子が少なくとも約500ng/mlの濃度で提供
される、項目83記載の方法。
【0131】
104. 上記少なくとも1つの成長因子が少なくとも約1000ng/mlの濃度で提
供される、項目83記載の方法。
【0132】
105. 上記少なくとも1つの成長因子が約6時間後に除かれる、項目83記載の方法
。
【0133】
106. 上記少なくとも1つの成長因子が約12時間後に除かれる、項目83記載の方
法。
【0134】
107. 上記少なくとも1つの成長因子が約18時間後に除かれる、項目83記載の方
法。
【0135】
108. 上記細胞集団が約1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、項目
83記載の方法。
【0136】
109. 上記細胞集団が約0.5%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目83記載の方法。
【0137】
110. 上記細胞集団が約0.2%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目83記載の方法。
【0138】
111. 上記細胞集団が約0.1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目83記載の方法。
【0139】
112. 上記細胞集団が血清の非存在下又は血清代替物の非存在下で分化される、項目
83記載の方法。
【0140】
113. 上記細胞集団が上記少なくとも1つの成長因子を添加後約1日目に約0%(v
/v)の血清、上記少なくとも1つの成長因子を添加後約2日目に約0.2%(v/v)以下の血清、そして上記少なくとも1つの成長因子を添加後約3日目に約2%(v/v)以下の血清を含む培地中で分化される、項目83記載の方法。
【0141】
114. 上記細胞集団が低血清RPMI培地中で分化される、項目83記載の方法。
【0142】
115. 上記多能性ヒト細胞がヒト胚性幹細胞(hESC)を含む、項目83記載の方
法。
【0143】
116. 上記ヒト胚性幹細胞が桑実胚、胚の内部細胞塊(ICM)、及び胚の生殖隆起
から成る群から選択される組織に由来する、項目115記載の方法。
【0144】
117. 項目83記載の方法により産生される前原始線条細胞。
【0145】
118. 中内胚葉細胞を産生する方法であって、多能性ヒト細胞を含む細胞集団を得る
工程、及び、約2%未満の血清及びTGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子を含む培地中で上記多能性ヒト細胞を分化させる工程を包含し、上記成長因子が中内胚葉細胞への上記多能性ヒト細胞の少なくとも一部の分化を促進するのに十分な量で上記
培地中に存在し、上記中内胚葉細胞が中内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である上記方法。
【0146】
119. 中内胚葉細胞を十分な時間生成させる工程をさらに包含し、中内胚葉細胞を生
成させるための上記十分な時間が上記細胞集団中の中内胚葉細胞の存在を検出することにより決定された項目118記載の方法。
【0147】
120. 上記十分な時間が少なくとも約24時間である、項目119記載の方法。
【0148】
121. 上記細胞集団中の中内胚葉細胞の存在の検出が、上記細胞集団の細胞中での、
ブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から選択される少なくとも1つのマーカー、並びにOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択される少なくとも1つのマーカーの発現を検出することを包含し、上記中内胚葉細胞中での、ブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から選択されるマーカーの発現がOCT4、SOX17、CXCR4、FOXA2、SOX7及びSOX1から成る群から選択されるマーカーの発現より大きい、項目118記載の方法。
【0149】
122. 上記マーカーの少なくとも1つの発現が定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−P
CR)により測定される、項目121記載の方法。
【0150】
123. 上記マーカーの少なくとも1つの発現が免疫細胞化学により測定される、項目
121記載の方法。
【0151】
124. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約5%が中内胚葉細胞に分化する、項目11
8記載の方法。
【0152】
125. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約10%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0153】
126. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約20%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0154】
127. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約30%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0155】
128. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約40%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0156】
129. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約50%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0157】
130. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約60%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0158】
131. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約70%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0159】
132. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約80%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0160】
133. 上記多能性ヒト細胞の少なくとも約90%が中内胚葉細胞に分化する、項目1
18記載の方法。
【0161】
134. 上記少なくとも1つの成長因子がTGFβスーパーファミリーのノーダル/ア
クチビンサブグループに属する、項目118記載の方法。
【0162】
135. TGFβスーパーファミリーのノーダル/アクチビンサブグループの上記少な
くとも1つの成長因子がアクチビンAを含む、項目134記載の方法。
【0163】
136. 上記少なくとも1つの成長因子が少なくとも約10ng/mlの濃度で提供さ
れる、項目118記載の方法。
【0164】
137. 上記少なくとも1つの成長因子が少なくとも約100ng/mlの濃度で提供
される、項目118記載の方法。
【0165】
138. 上記少なくとも1つの成長因子が少なくとも約500ng/mlの濃度で提供
される、項目118記載の方法。
【0166】
139. 上記少なくとも1つの成長因子が少なくとも約1000ng/mlの濃度で提
供される、項目118記載の方法。
【0167】
140. 上記少なくとも1つの成長因子が約24時間後に除かれる、項目118記載の
方法。
【0168】
141. 上記少なくとも1つの成長因子が約36時間後に除かれる、項目118記載の
方法。
【0169】
142. 上記少なくとも1つの成長因子が約48時間後に除かれる、項目118記載の
方法。
【0170】
143. 上記細胞集団が約1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、項目
118記載の方法。
【0171】
144. 上記細胞集団が約0.5%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目118記載の方法。
【0172】
145. 上記細胞集団が約0.2%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目118記載の方法。
【0173】
146. 上記細胞集団が約0.1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目118記載の方法。
【0174】
147. 上記細胞集団が血清の非存在下又は血清代替物の非存在下で分化される、項目
118記載の方法。
【0175】
148. 上記細胞集団が上記少なくとも1つの成長因子を添加後約1日目に約0%(v
/v)の血清、上記少なくとも1つの成長因子を添加後約2日目に約0.2%(v/v)以下の血清、そして上記少なくとも1つの成長因子を添加後約3日目に約2%(v/v)以下の血清を含む培地中で分化される、項目118記載の方法。
【0176】
149. 上記細胞集団が低血清RPMI培地中で分化される、項目118記載の方法。
【0177】
150. 上記多能性ヒト細胞がヒト胚性幹細胞(hESC)を含む、項目118記載の
方法。
【0178】
151. 上記ヒト胚性幹細胞が桑実胚、胚の内部細胞塊(ICM)、及び胚の生殖腺隆
起から成る群から選択される組織に由来する、項目150記載の方法。
【0179】
152. 項目118記載の方法により産生される中内胚葉細胞。
【0180】
153. 前原始線条細胞に富んだ細胞集団を産生する方法であって、
多能性細胞の集団を得る工程、
前原始線条細胞を産生するように上記多能性細胞を分化させる工程及び、
上記前原始線条細胞をGFPを発現しない細胞から分離する工程を包含し、前記多能性細胞の集団の少なくとも1つの細胞がFGF8プロモーターの制御下の核酸の少なくとも1つのコピーを含み、当該核酸がグリーン蛍光タンパク質(GFP)をコードする配列又はその生物学的活性断片を含み、前記前原始線条細胞が中内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である、上記方法。
【0181】
154. 上記富化細胞集団が少なくとも約95%の前原始線条細胞を含む、項目153
の方法。
【0182】
155. 上記富化細胞集団が少なくとも約98%の前原始線条細胞を含む、項目153
の方法。
【0183】
156. 上記分化させる工程が前原始線条細胞への上記多能性細胞の分化を促進するの
に十分な量でTGFβスーパーファミリーからの少なくとも1つの成長因子を上記多能性細胞集団に提供することを包含する、項目153記載の方法。
【0184】
157. TGFβスーパーファミリーの上記少なくとも1つの成長因子がアクチビンA
である、項目156記載の方法。
【0185】
158. 上記アクチビンAが少なくとも約50ng/mlの濃度で提供される、項目1
57記載の方法。
【0186】
159. 上記アクチビンAが少なくとも約100ng/mlの濃度で提供される、項目
157記載の方法。
【0187】
160. 上記アクチビンAが少なくとも約500ng/mlの濃度で提供される、項目
157記載の方法。
【0188】
161. 上記細胞集団が約1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、項目
153記載の方法。
【0189】
162. 上記細胞集団が約0.5%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目153記載の方法。
【0190】
163. 上記細胞集団が約0.2%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目153記載の方法。
【0191】
164. 上記細胞集団が約0.1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目153記載の方法。
【0192】
165. 上記細胞集団が血清の非存在下又は血清代替物の非存在下で分化される、項目
153記載の方法。
【0193】
166. 上記細胞集団が上記少なくとも1つの成長因子を添加後約1日目に約0%(v
/v)の血清、上記少なくとも1つの成長因子を添加後約2日目に約0.2%(v/v)以下の血清、そして上記少なくとも1つの成長因子を添加後約3日目に約2%(v/v)以下の血清を含む培地中で分化される、項目153記載の方法。
【0194】
167. 上記細胞集団が低血清RPMI培地中で分化される、項目153記載の方法。
【0195】
168. 項目153記載の方法により産生される前原始線条細胞の富化集団。
【0196】
169. 中内胚葉細胞に富んだ細胞集団を産生する方法であって、
多能性細胞の集団を得る工程、
中内胚葉細胞を産生するように上記多能性細胞を分化させる工程及び、
上記中内胚葉細胞をGFPを発現しない細胞から分離する工程を包含し、前記多能性細胞の集団の少なくとも1つの細胞がブラキュリプロモーター、FGF4プロモーター及びSNAI1プロモーターから成る群から選択されるプロモーターの制御下の核酸の少なくとも1つのコピーを含み、当該核酸がグリーン蛍光タンパク質(GFP)をコードする配列又はその生物学的活性断片を含み、前記中内胚葉細胞が中胚葉細胞又は胚体内胚葉細胞に分化し得る多分化能細胞である、上記方法。
【0197】
170. 上記富化細胞集団が少なくとも約95%の中内胚葉細胞を含む、項目169記
載の方法。
【0198】
171. 上記富化細胞集団が少なくとも約98%の中内胚葉細胞を含む、項目169記
載の方法。
【0199】
172. 上記分化させる工程が中内胚葉細胞への上記多能性細胞の分化を促進するのに
十分な量でTGFβスーパーファミリーからの少なくとも1つの成長因子を上記多能性細胞集団に提供することを包含する、項目169記載の方法。
【0200】
173. TGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子がアクチビンAであ
る、項目172記載の方法。
【0201】
174. 上記アクチビンAが少なくとも約50ng/mlの濃度で提供される、項目1
73記載の方法。
【0202】
175. 上記アクチビンAが少なくとも約100ng/mlの濃度で提供される、項目
173記載の方法。
【0203】
176. 上記アクチビンAが少なくとも約500ng/mlの濃度で提供される、項目
173記載の方法。
【0204】
177. 上記細胞集団が約1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、項目
169記載の方法。
【0205】
178. 上記細胞集団が約0.5%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目169記載の方法。
【0206】
179. 上記細胞集団が約0.2%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目169記載の方法。
【0207】
180. 上記細胞集団が約0.1%(v/v)未満の血清を含む培地中で分化される、
項目169記載の方法。
【0208】
181. 上記細胞集団が血清の非存在下又は血清代替物の非存在下で分化される、項目
169記載の方法。
【0209】
182. 上記細胞集団が上記少なくとも1つの成長因子を添加後約1日目に約0%(v
/v)の血清、上記少なくとも1つの成長因子を添加後約2日目に約0.2%(v/v)以下の血清、そして上記少なくとも1つの成長因子を添加後約3日目に約2%(v/v)以下の血清を含む培地中で分化される、項目169記載の方法。
【0210】
183. 上記細胞集団が低血清RPMI培地中で分化される、項目169記載の方法。
【0211】
184. 項目169記載の方法により産生される中内胚葉細胞の富化集団。
【0212】
185. ヒト細胞を含む細胞集団における前原始線条細胞の分化を促進し得る分化因子
を同定する方法であって、
ヒト前原始線条細胞を含む細胞集団を得る工程、
前記細胞集団に候補分化因子を提供する工程、
第1の時点での上記細胞集団におけるマーカーの発現を測定する工程、
第2の時点での上記細胞集団における同一マーカーの発現を測定する工程、及び
前記第2の時点での上記細胞集団におけるマーカーの発現が上記第1の時点での上記細胞集団におけるマーカーの発現と比較して増大又は減少されているかを判定する工程を含み、前記第2の時点は上記第1の時点の後であり、当該第2の時点は上記候補分化因子を上記集団に提供した後であり、上記細胞集団における上記マーカーの発現の増大又は減少は上記候補分化因子が上記前原始線条細胞の分化を促進し得ることを示す、上記方法。
【0213】
186. 上記ヒト前原始線条細胞が上記細胞集団中のヒト細胞の少なくとも約10%を
含む、項目185記載の方法。
【0214】
187. ヒトフィーダー細胞が上記細胞集団中に存在し、そして当該ヒトフィーダー細
胞以外のヒト細胞の少なくとも約10%が前原始線条細胞である、項目185記載の方法。
【0215】
188. 上記ヒト前原始線条細胞が上記細胞集団中のヒト細胞の少なくとも約50%を
含む、項目185記載の方法。
【0216】
189. 上記ヒトフィーダー細胞が上記細胞集団中に存在し、そして上記フィーダー細
胞以外のヒト細胞の少なくとも約50%が前原始線条細胞である、項目185記載の方法。
【0217】
190. 上記ヒト前原始線条細胞が上記候補分化因子に応答して中内胚葉、中胚葉及び
胚体内胚葉から成る群から選択される細胞に分化する、項目185記載の方法。
【0218】
191. 上記ヒト前原始線条細胞が上記候補分化因子に応答して中内胚葉細胞に分化す
る、項目185記載の方法。
【0219】
192. 上記マーカーがブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から選択され
る、項目191記載の方法。
【0220】
193. 上記ヒト前原始線条細胞が上記候補分化因子に応答して中胚葉細胞に分化する
、項目185記載の方法。
【0221】
194. 上記マーカーがFOXF1、FLK1、BMP4、MOX1及びSDF1から
成る群から選択される、項目193記載の方法。
【0222】
195. 上記ヒト前原始線条細胞が上記候補分化因子に応答して胚体内胚葉細胞に分化
する、項目185記載の方法。
【0223】
196. 上記マーカーがCXCR4及びSOX17から成る群から選択される、項目1
95記載の方法。
【0224】
197. 上記第1の時点が上記細胞集団への上記候補分化因子の提供の前である、項目
185記載の方法。
【0225】
198. 上記第1の時点が上記細胞集団への上記候補分化因子の提供とほぼ同時である
、項目185記載の方法。
【0226】
199. 上記第1の時点が上記細胞集団への上記候補分化因子の提供の後である、項目
185記載の方法。
【0227】
200. 上記マーカーの発現が増大される、項目185記載の方法。
【0228】
201. 上記マーカーの発現が減少される、項目185記載の方法。
【0229】
202. 上記マーカーの発現が定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)により測定
される、項目185記載の方法。
【0230】
203. 上記マーカーの発現が免疫細胞化学により測定される、項目185記載の方法
。
【0231】
204. 上記候補分化因子がTGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子
を含む、項目185記載の方法。
【0232】
205. TGFβスーパーファミリーの上記少なくとも1つの成長因子がアクチビンA
である、項目204記載の方法。
【0233】
206. 上記候補分化因子が小分子を含む、項目185記載の方法。
【0234】
207. 上記候補分化因子がポリペプチドを含む、項目185記載の方法。
【0235】
208. 上記候補分化因子がTGFβスーパーファミリーの成長因子でない、項目18
5記載の方法。
【0236】
209. 上記候補分化因子が約0.1ng/ml〜約10mg/mlの濃度で上記細胞
集団に提供される、項目185記載の方法。
【0237】
210. 上記候補分化因子が約1ng/ml〜約1mg/mlの濃度で上記細胞集団に
提供される、項目185記載の方法。
【0238】
211. 上記候補分化因子が約10ng/ml〜約100μg/mlの濃度で上記細胞
集団に提供される、項目185記載の方法。
【0239】
212. 上記候補分化因子が約100ng/ml〜約10μg/mlの濃度で上記細胞
集団に提供される、項目185記載の方法。
【0240】
213. 上記候補分化因子が約1μg/mlの濃度で上記細胞集団に提供される、項目
185記載の方法。
【0241】
214. ヒト細胞を含む細胞集団における中内胚葉細胞の分化を促進し得る分化因子を
同定する方法であって、
ヒト中内胚葉細胞を含む細胞集団を得る工程、
前記細胞集団に候補分化因子を提供する工程、
第1の時点での上記細胞集団におけるマーカーの発現を測定する工程、
第2の時点での上記細胞集団における同一マーカーの発現を測定する工程、及び、
前記第2の時点での上記細胞集団におけるマーカーの発現が上記第1の時点での上記細胞集団におけるマーカーの発現と比較して増大又は減少されているかを判定する工程を含み、上記第2の時点は上記第1の時点の後であり、上記第2の時点は上記候補分化因子を上記集団に提供した後であり、上記細胞集団における上記マーカーの発現の増大又は減少は上記候補分化因子が上記中内胚葉細胞の分化を促進し得ることを示す、上記方法。
【0242】
215. 上記ヒト中内胚葉細胞が上記細胞集団中のヒト細胞の少なくとも約10%を含
む、項目214記載の方法。
【0243】
216. ヒトフィーダー細胞が上記細胞集団中に存在し、そして当該フィーダー細胞以
外のヒト細胞の少なくとも約10%が中内胚葉細胞である、項目214記載の方法。
【0244】
217. 上記ヒト中内胚葉細胞が上記細胞集団中のヒト細胞の少なくとも約50%を含
む、項目214記載の方法。
【0245】
218. 上記ヒトフィーダー細胞が上記細胞集団中に存在し、そして上記フィーダー細
胞以外のヒト細胞の少なくとも約50%が中内胚葉細胞である、項目214記載の方法。
【0246】
219. 上記ヒト中内胚葉細胞が上記候補分化因子に応答して中胚葉及び胚体内胚葉か
ら成る群から選択される細胞に分化する、項目214記載の方法。
【0247】
220. 上記ヒト中内胚葉細胞が上記候補分化因子に応答して中胚葉細胞に分化する、
項目214記載の方法。
【0248】
221. 上記マーカーがFOXF1、FLK1、BMP4、MOX1及びSDF1から
成る群から選択される、項目220記載の方法。
【0249】
222. 上記ヒト中内胚葉細胞が上記候補分化因子に応答して胚体内胚葉細胞に分化す
る、項目214記載の方法。
【0250】
223. 上記マーカーがCXCR4及びSOX17から成る群から選択される、項目2
22記載の方法。
【0251】
224. 上記第1の時点が上記細胞集団への上記候補分化因子の提供の前である、項目
214記載の方法。
【0252】
225. 上記第1の時点が上記細胞集団への上記候補分化因子の提供とほぼ同時である
、項目214記載の方法。
【0253】
226. 上記第1の時点が上記細胞集団への上記候補分化因子の提供の後である、項目
214記載の方法。
【0254】
227. 上記マーカーの発現が増大される、項目214記載の方法。
【0255】
228. 上記マーカーの発現が減少される、項目214記載の方法。
【0256】
229. 上記マーカーの発現が定量的ポリメラーゼ連鎖反応(Q−PCR)により測定
される、項目214記載の方法。
【0257】
230. 上記マーカーの発現が免疫細胞化学により測定される、項目214記載の方法
。
【0258】
231. 上記候補分化因子がTGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子
を含む、項目214記載の方法。
【0259】
232. TGFβスーパーファミリーの上記少なくとも1つの成長因子がアクチビンA
である、項目231記載の方法。
【0260】
233. 上記候補分化因子が小分子を含む、項目214記載の方法。
【0261】
234. 上記候補分化因子がポリペプチドを含む、項目214記載の方法。
【0262】
235. 上記候補分化因子がTGFβスーパーファミリーの成長因子でない、項目21
4記載の方法。
【0263】
236. 上記候補分化因子が約0.1ng/ml〜約10mg/mlの濃度で上記細胞
集団に提供される、項目214記載の方法。
【0264】
237. 上記候補分化因子が約1ng/ml〜約1mg/mlの濃度で上記細胞集団に
提供される、項目214記載の方法。
【0265】
238. 上記候補分化因子が約10ng/ml〜約100μg/mlの濃度で上記細胞
集団に提供される、項目214記載の方法。
【0266】
239. 上記候補分化因子が約100ng/ml〜約10μg/mlの濃度で上記細胞
集団に提供される、項目214記載の方法。
【0267】
240. 上記候補分化因子が約1μg/mlの濃度で上記細胞集団に提供される、項目
214記載の方法。
【0268】
241. in vitroで、ヒト胚性幹細胞(hESC)中のFGF8遺伝子産物の発現を増大する方法であって、約2%(v/v)未満の血清を含む培地中で上記hESCを生成する工程、及び、上記hESCを、FGF8遺伝子産物の発現を増大するのに十分な量で分化因子と接触させる工程を包含する前記方法。
【0269】
242. 上記分化因子がTGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子を含
む、項目241記載の方法。
【0270】
243. 上記分化因子がアクチビンAを含む、項目242記載の方法。
【0271】
244. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目241記載の方法。
【0272】
245. in vitroで、ヒト胚性幹細胞(hESC)又は前原始線条細胞中のブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から選択される遺伝子産物の発現を増大する方法であって、約2%(v/v)未満の血清を含む培地中で上記hESC又は前原始線条細胞を得る工程、及び、上記hESC又は上記前原始線条細胞を、ブラキュリ、FGF4及びSNAI1から成る群から選択される遺伝子産物の発現を増大するのに十分な量で分化因子と接触させる工程を包含する、前記方法。
【0273】
246. 上記分化因子がTGFβスーパーファミリーの少なくとも1つの成長因子を含
む、項目245記載の方法。
【0274】
247. 上記分化因子がアクチビンAを含む、項目246記載の方法。
【0275】
248. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目245記載の方法。
【0276】
249. ヒト胚性幹細胞(hESC)と約2%(v/v)未満の血清を含む培地とを含
む細胞培養物であって、前記hESCにおいてFGF8 mRNAの発現がベースライン
FGF8 mRNA発現と比較して、参照時点から約6時間までに実質的にアップレギュ
レートされるような上記参照時点で上記hESCが分化し始める、前記細胞培養物。
【0277】
250. FGF8 mRNAの発現が上記参照時点から約24時間後にダウンレギュレートされる、項目249記載の細胞培養物。
【0278】
251. FGF8 mRNAの発現ピークが上記参照時点から約6時間〜約24時間の時間で到達する、項目250記載の細胞培養物。
【0279】
252. β−カテニンポリペプチドが上記参照時点から約17時間までに細胞核に局在
化されるようになり始める、項目249記載の細胞培養物。
【0280】
253. ブラキュリ mRNAの発現が上記参照時点から約24時間までに実質的にアップレギュレートされる、項目249記載の細胞培養物。
【0281】
254. ブラキュリ mRNAの発現が上記参照時点から約48時間までに実質的にダウンレギュレートされる、項目253記載の細胞培養物。
【0282】
255. ブラキュリ mRNAの発現ピークが上記参照時点から約12時間〜約48時間の時間で到達する、項目254記載の細胞培養物。
【0283】
256. ブラキュリ mRNAが上記参照時点から約72時間までに実質的に発現されない、項目255記載の細胞培養物。
【0284】
257. FGF4 mRNAの発現が上記参照時点から約24時間までに実質的にアップレギュレートされる、項目249記載の細胞培養物。
【0285】
258. FGF4 mRNAの発現が上記参照時点から約48時間までに実質的にダウンレギュレートされる、項目257記載の細胞培養物。
【0286】
259. FGF4 mRNAの発現ピークが上記参照時点から約12時間〜約48時間の時間で到達する、項目258記載の細胞培養物。
【0287】
260. FGF4 mRNAが上記参照時点から約72時間までに実質的に発現されない、項目259記載の細胞培養物。
【0288】
261. ブラキュリ及びFGF4 mRNAの発現が上記参照時点から約24時間までに実質的にアップレギュレートされる、項目249記載の細胞培養物。
【0289】
262. ブラキュリ及びFGF4 mRNAの発現が上記参照時点から約48時間までに実質的にダウンレギュレートされる、項目261記載の細胞培養物。
【0290】
263. ブラキュリ及びFGF4 mRNAの発現ピークが上記参照時点から約12時間〜約48時間の時間で到達する、項目262記載の細胞培養物。
【0291】
264. ブラキュリ及びFGF4 mRNAが上記参照時点から約72時間までに実質的に発現されない、項目263記載の細胞培養物。
【0292】
265. SNAI1 mRNAの発現が上記参照時点から約24時間までに実質的にアップレギュレートされる、項目249記載の細胞培養物。
【0293】
266. SNAI1 mRNAの発現が上記参照時点から約48時間までに実質的にダウンレギュレートされる、項目265記載の細胞培養物。
【0294】
267. SNAI1 mRNAの発現ピークが上記参照時点から約12時間〜約48時間の時間で到達する、項目266記載の細胞培養物。
【0295】
268. E−カドヘリン mRNAの発現が上記参照時点から約12時間までにダウンレギュレートし始める、項目249記載の細胞培養物。
【0296】
269. E−カドヘリン mRNAの発現が上記参照時点から約48時間までに実質的にダウンレギュレートされる、項目249記載の細胞培養物。
【0297】
270. SOX17 mRNAの発現が上記参照時点から約48時間までに実質的にアップレギュレートされる、項目249記載の細胞培養物。
【0298】
271. FOXA2 mRNAの発現が上記参照時点から約96時間までに実質的にアップレギュレートされる、項目249記載の細胞培養物。
【0299】
272. 上記培地が約1%(v/v)未満の血清を含む、項目249記載の細胞培養物
。
【0300】
273. 上記培地が約0.2%(v/v)未満の血清を含む、項目249記載の細胞培
養物。
【0301】
274. 上記培地が約0%(v/v)の血清を含む、項目249記載の細胞培養物。
【0302】
275. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目249記載の細胞培養物
。
【0303】
276. TGFβスーパーファミリーの分化因子をさらに含む、項目249記載の細胞
培養物。
【0304】
277. 上記分化因子がアクチビンAを含む、項目276記載の細胞培養物。
【0305】
278. 上記アクチビンAが約100ng/mlの濃度で存在する、項目277記載の
細胞培養物。
【0306】
279. ヒト胚性幹細胞(hESC)と、TGFβスーパーファミリーの分化因子と、
約2%(v/v)未満の血清を含む培地とを含む細胞培養物。
【0307】
280. 上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GAT
A2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前にアップレギュレートされる、項目279記載の細胞培養物。
【0308】
281. 上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GAT
A2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現ピークの前にアップレギュレートされる、項目280記載の細胞培養物。
【0309】
282. 上記細胞培養物の細胞中で、HEY1、GATA2、BIK及びID1から成
る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現ピークの前又は当該発現ピークとほぼ同時にダウンレギュレートされる、項目281記載の細胞培養物。
【0310】
283. 上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GAT
A2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がSOX17、FOXA2、CXCR4及びMIXL1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前にアップレギュレートされる、項目279記載の細胞培養物。
【0311】
284. 上記細胞培養物の細胞中で、ブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、
MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がSOX17、FOXA2、CXCR4及びMIXL1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現の
アップレギュレートの前又は当該アップレギュレートとほぼ同時にアップレギュレートされる、項目283記載の細胞培養物。
【0312】
285. 上記細胞培養物の細胞中で、ブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、
MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現ピークがSOX17、FOXA2、CXCR4及びMIXL1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前又は当該アップレギュレートとほぼ同時に到達される、項目284記載の細胞培養物。
【0313】
286. 上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GAT
A2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前にアップレギュレートされる、項目283記載の細胞培養物。
【0314】
287. 上記培地が約1%(v/v)未満の血清を含む、項目279記載の細胞培養物
。
【0315】
288. 上記培地が約0.2%(v/v)未満の血清を含む、項目279記載の細胞培
養物。
【0316】
289. 上記培地が約0%(v/v)の血清を含む、項目279記載の細胞培養物。
【0317】
290. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目279記載の細胞培養物
。
【0318】
291. TGFβスーパーファミリーの上記分化因子がアクチビンAを含む、項目27
9記載の細胞培養物。
【0319】
292. 上記アクチビンAが約100ng/mlの濃度で上記培地中に存在する、項目
291記載の細胞培養物。
【0320】
293. 細胞培養物中の細胞を分化する方法であって、(a)ヒト胚性幹細胞(hES
C)を含む細胞培養物を約2%未満の血清を含む培地と接触させること、(b)TGFβスーパーファミリーの分化因子を上記hESCに提供すること、及び(c)上記hESCの分化を起こさせることを包含する上記方法。
【0321】
294. 上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GAT
A2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前にアップレギュレートされる、項目283記載の方法。
【0322】
295. 上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GAT
A2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマー
カー遺伝子の発現ピークの前にアップレギュレートされる、項目294記載の方法。
【0323】
296. 上記細胞培養物の細胞中で、HEY1、GATA2、BIK及びID1から成
る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現ピークの前又はほぼ同時にダウンレギュレートされる、項目295記載の方法。
【0324】
297. 上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GAT
A2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がSOX17、FOXA2、CXCR4及びMIXL1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前にアップレギュレートされる、項目293記載の方法。
【0325】
298. 上記細胞培養物の細胞中で、ブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、
MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がSOX17、FOXA2、CXCR4及びMIXL1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前又はほぼ同時にアップレギュレートされる、項目297記載の方法。
【0326】
299. 上記細胞培養物の細胞中で、ブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、
MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現ピークがSOX17、FOXA2、CXCR4及びMIXL1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前又はほぼ同時に到達される、項目298記載の方法。
【0327】
300. 上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GAT
A2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NETO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前にアップレギュレートされる、項目297記載の方法。
【0328】
301. 上記培地が約1%(v/v)未満の血清を含む、項目293記載の方法。
【0329】
302. 上記培地が約0.2%(v/v)未満の血清を含む、項目293記載の方法。
【0330】
303. 上記培地が約0%(v/v)の血清を含む、項目293記載の方法。
【0331】
304. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目293記載の方法。
【0332】
305. TGFβスーパーファミリーの上記分化因子がアクチビンAを含む、項目29
3記載の方法。
【0333】
306. 上記アクチビンAが約100ng/mlの濃度で上記培地中に存在する、項目
305記載の方法。
【0334】
307. ヒト胚性幹細胞(hESC)と約2%(v/v)未満の血清を含む培地とを含
む細胞培養物であって、FZD10、FGF5及びOCT4から成る群から選択されるmRNAの発現が上記hESC中のFZD10、FGF5及びOCT4から成る群から選択
される対応するmRNAのベースライン発現と比較して、参照時点から約2時間までに実質的にアップレギュレートされるように上記hESCが上記参照時点で分化し始める細胞培養物。
【0335】
308. 上記培地が約1%(v/v)未満の血清を含む、項目307記載の細胞培養物
。
【0336】
309. 上記培地が約0.2%(v/v)未満の血清を含む、項目307記載の細胞培
養物。
【0337】
310. 上記培地が約0%(v/v)の血清を含む、項目307記載の細胞培養物。
【0338】
311. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目307記載の細胞培養物
。
【0339】
312. TGFβスーパーファミリーの分化因子をさらに含む、項目307記載の細胞
培養物。
【0340】
313. 上記分化因子がアクチビンAを含む、項目312記載の細胞培養物。
【0341】
314. 上記アクチビンAが約100ng/mlの濃度で存在する、項目313記載の
細胞培養物。
【0342】
315. ヒト胚性幹細胞(hESC)と約2%(v/v)未満の血清を含む培地とを含
む細胞培養物であって、GBX2、ZFP42及びSOX2から成る群から選択されるmRNAの発現が上記hESC中のGBX2、ZFP42及びSOX2から成る群から選択される対応するmRNAのベースライン発現と比較して、参照時点から約2時間までに実質的にダウンレギュレートされるように上記hESCが上記参照時点で分化し始める上記細胞培養物。
【0343】
316. 上記培地が約1%(v/v)未満の血清を含む、項目315記載の細胞培養物
。
【0344】
317. 上記培地が約0.2%(v/v)未満の血清を含む、項目315記載の細胞培
養物。
【0345】
318. 上記培地が約0%(v/v)の血清を含む、項目315記載の細胞培養物。
【0346】
319. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目315記載の細胞培養物
。
【0347】
320. TGFβスーパーファミリーの分化因子をさらに含む、項目315記載の細胞
培養物。
【0348】
321. 上記分化因子がアクチビンAを含む、項目320記載の細胞培養物。
【0349】
322. 上記アクチビンAが約100ng/mlの濃度で存在する、項目321記載の
細胞培養物。
【0350】
323. ヒト胚性幹細胞(hESC)と、TGFβスーパーファミリーの分化因子と、
約2%(v/v)未満の血清を含む培地とを含む細胞培養物であって、当該細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GATA2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前に、FZD10、FGF5、Nanog及びOCT4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がアップレギュレートされるか、又はGBX2、ZFP42及びSOX2から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がダウンレギュレートされる前記細胞培養物。
【0351】
324. ブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NE
TO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前に、FZD10、FGF5、Nanog及びOCT4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がアップレギュレートされるか、又はGBX2、ZFP42及びSOX2から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がダウンレギュレートされる、項目323記載の細胞培養物。
【0352】
325. 上記培地が約1%(v/v)未満の血清を含む、項目323記載の細胞培養物
。
【0353】
326. 上記培地が約0.2%(v/v)未満の血清を含む、項目323記載の細胞培
養物。
【0354】
327. 上記培地が約0%(v/v)の血清を含む、項目323記載の細胞培養物。
【0355】
328. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目323記載の細胞培養物
。
【0356】
329. TGFβスーパーファミリーの分化因子をさらに含む、項目323記載の細胞
培養物。
【0357】
330. 上記分化因子がアクチビンAを含む、項目329記載の細胞培養物。
【0358】
331. 上記アクチビンAが約100ng/mlの濃度で存在する、項目330記載の
細胞培養物。
【0359】
332. 細胞培養物中の細胞を分化する方法であって、(a)ヒト胚性幹細胞(hES
C)を含む細胞培養物を約2%未満の血清を含む培地と接触させること、(b)TGFβスーパーファミリーの分化因子を上記hESCに提供すること、及び(c)上記hESCの分化を起こさせることを包含する方法であって、上記細胞培養物の細胞中で、FGF8、ノーダル、HEG、HEY1、GATA2、BIK及びID1から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前に、FZD10、FGF5、Nanog及びOCT4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がアップレギュレートされるか、又はGBX2、ZFP42及びSOX2から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がダウンレギュレートされる前記方法。
【0360】
333. ブラキュリ、FGF4、SNAI1、Wnt3、MIXL1、DKK4、NE
TO1、T、DACT1、FLJ22662、SLIT2、GAD1及びGRM4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現のアップレギュレートの前に、FZD10、FGF5、Nanog及びOCT4から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がアップレギュレートされるか、又はGBX2、ZFP42及びSOX2から成る群から選択されるマーカー遺伝子の発現がダウンレギュレートされる、項目332に記載の方法。
【0361】
334. 上記培地が約1%(v/v)未満の血清を含む、項目332記載の方法。
【0362】
335. 上記培地が約0.2%(v/v)未満の血清を含む、項目332記載の方法。
【0363】
336. 上記培地が約0%(v/v)の血清を含む、項目332記載の方法。
【0364】
337. 上記培地が血清を欠くか又は血清代替物を欠く、項目332記載の方法。
【0365】
338. TGFβスーパーファミリーの分化因子をさらに含む、項目332記載の方法
。
【0366】
339. 上記分化因子がアクチビンAを含む、項目338記載の方法。
【0367】
340. 上記アクチビンAが約100ng/mlの濃度で存在する、項目339記載の
方法。
【0368】
上記の方法及び組成物は、in vitroで培養される細胞に関する、と理解される。
しかしながら上記のin vitro分化細胞組成物は、in vivo用途に用いられ得る。
【0369】
本発明のさらなる実施形態は、2003年12月23日に出願された胚体内胚葉細胞(DEFINITIVE ENDODERM)という表題の米国特許仮出願第60/532,004号;2004
年4月27日に出願された内胚葉を発現するPDX1(PDX1 EXPRESSING ENDODERM)という表題の米国特許仮出願第60/566,293号;2004年7月9日に出願された胚体内胚葉細胞の単離のためのケモカイン細胞表面受容体(CHEMOKINE CELL SURFACE RECEPTOR FOR THE ISOLATION OF DEFINITIVE ENDODERM)という表題の米国特許仮出願第60/586,566号;2004年7月14日に出願された胚体内胚葉細胞の単離のためのケモカイン細胞表面受容体(CHEMOKINE CELL SURFACE RECEPTOR FOR THE ISOLATION OF DEFINITIVE ENDODERM)という表題の米国特許仮出願第60/587,942号;2004年12月23日に出願された胚体内胚葉(DEFINITIVE ENDODERM)という表題の米国特許出
願第11/021,618号;2005年4月26日に出願された内胚葉を発現するPDX1(PDX1 EXPRESSING ENDODERM)という表題の米国特許出願第11/115,868号;2005年6月23日に出願された胚体内胚葉を分化するための因子を同定する方法(METHODS FOR IDENTIFYING FACTORS FOR DIFFERENTIATING DEFINITIVE ENDODERM)という
表題の米国特許出願第11/165,305号;及び2005年6月23日に出願された前原始線条細胞及び中内胚葉細胞(PREPRIMITIVE STREAK CELLS AND MESENDODERM CELLS
)という表題の米国特許仮出願第60/693,364号(これらの開示内容は参照により本明細書中に完全に援用される)にも見出され得る。