特許第6077084号(P6077084)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6077084
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】通信ネットワークの時刻同期化方法
(51)【国際特許分類】
   H04L 7/00 20060101AFI20170130BHJP
   H04L 12/44 20060101ALI20170130BHJP
   G04G 5/00 20130101ALI20170130BHJP
【FI】
   H04L7/00 990
   H04L12/44 200
   G04G5/00 R
【請求項の数】11
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2015-205028(P2015-205028)
(22)【出願日】2015年10月16日
【審査請求日】2015年10月16日
(31)【優先権主張番号】10-2015-0137837
(32)【優先日】2015年9月30日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515288373
【氏名又は名称】ダサン ネットワーク ソリューションズ,インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】515288926
【氏名又は名称】ダサン ネットワークス,インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000338
【氏名又は名称】特許業務法人HARAKENZO WORLD PATENT & TRADEMARK
(72)【発明者】
【氏名】スンドン,イ
(72)【発明者】
【氏名】ドンウ,キム
(72)【発明者】
【氏名】サンチョル,ムン
(72)【発明者】
【氏名】ヒソン,チョ
(72)【発明者】
【氏名】ボヒョン,キム
【審査官】 阿部 弘
(56)【参考文献】
【文献】 特開2016−063427(JP,A)
【文献】 特開2016−072851(JP,A)
【文献】 特開2016−119521(JP,A)
【文献】 特開2016−119578(JP,A)
【文献】 特開2016−143901(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/169792(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04L 7/00
G04G 5/00
H04L 12/44
H04J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
OLTがNTPまたはRTCから初期時刻情報を取得する時刻情報取得段階と、
OLTが取得された初期時刻情報をONUに伝送する時刻情報伝送段階と、
ONUがOLTから受信した初期時刻情報と、GMから取得した基準時刻情報とを比較して、時刻差分を計算する時刻差分計算段階と、
ONUが計算された時刻差分をOLTに伝送する時刻差分伝送段階と、
OLTがONUから受信した時刻差分に基づいて時刻を補正し、ONUと時刻同期を行う時刻同期化段階と、
を含んでなることを特徴とする通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項2】
通信ネットワークの時刻同期化方法が、
時刻補正後、補正された時刻情報を用いて、前記時刻情報伝送段階と、時刻差分計算段階と、時刻差分伝送段階と、時刻同期化段階とを繰り返して継続的にOLTとONUとの時刻を同期化することを特徴とする請求項1に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項3】
通信ネットワークの時刻同期化方法が、
OLTから受信する補正された時刻情報とGMから取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONUがロックされるONUロック段階をさらに含むことを特徴とする請求項2に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項4】
通信ネットワークの時刻同期化方法が、
ONUがロックされれば、その後ONUがクロック情報をONUにつながっているスレーブ装置に伝送する時刻同期情報伝送段階をさらに含むことを特徴とする請求項3に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項5】
OLTがNTPまたはRTCから初期時刻情報を取得する時刻情報取得段階と、
OLTが取得された初期時刻情報をONUに伝送する時刻情報伝送段階と、
ONUがOLTから受信した初期時刻情報と、GPS受信モジュールから取得した基準時刻情報とを比較して、時刻差分を計算する時刻差分計算段階と、
ONUが計算された時刻差分をOLTに伝送する時刻差分伝送段階と、
OLTがONUから受信した時刻差分に基づいて時刻を補正して、ONUと時刻同期を行う時刻同期化段階と、
を含んでなることを特徴とする通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項6】
通信ネットワークの時刻同期化方法が、
時刻補正後、補正された時刻情報を用いて、前記時刻情報伝送段階と、時刻差分計算段階と、時刻差分伝送段階と、時刻同期化段階とを繰り返して継続的にOLTとONUとの時刻を同期化することを特徴とする請求項5に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項7】
通信ネットワークの時刻同期化方法が、
OLTから受信する補正された時刻情報とGPS受信モジュールから取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONUがロックされるONUロック段階をさらに含むことを特徴とする請求項6に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項8】
通信ネットワークの時刻同期化方法が、
ONUがロックされれば、その後OLTが時刻同期情報をGMに伝送する時刻同期情報伝送段階をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項9】
前記GMが、
他のOLTに時刻同期情報を伝送することを特徴とする請求項8に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項10】
通信ネットワークの時刻同期化方法が、
ONUがロックされれば、その後OLTが時刻同期情報を配下にある他のONUに伝送する時刻同期情報伝送段階をさらに含むことを特徴とする請求項7に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【請求項11】
配下にある他のONUがOLTから受信した時刻同期情報を、自分につながっているスレーブ装置に伝送することを特徴とする請求項10に記載の通信ネットワークの時刻同期化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、時刻同期化技術に係り、特に、通信ネットワークの時刻同期化方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
特許文献1でGPS情報を用いた時間同期化技術を提案している。
【0003】
本技術は、GPS受信器を備えたグランドマスタノードでGPS信号を用いて1PPS(1Pulse Per Second)、TOD(Time Of Day)、1PPS_en、10MHzクロックを抽出し、該抽出した信号を安定化し、該安定化された信号を用いて時間同期化のための同期メッセージを生成してスレーブノードに伝送する。
【0004】
それによってスレーブノードでは同期メッセージを受信し、スレーブノードの時間同期化ブロックではタイムオフセット及び周波数分離補償を支援するOFCC(Offset&Frequency Compensation Clock)同期化技術を用いて時間同期化演算を行い、時間同期化ブロックのTOD情報を修正する。
【0005】
そして、時間同期化ブロックで修正されたTOD情報を用いて、1PPS、TOD、1PPS_en信号を抽出し、スレーブノードの安定化ブロックに伝達して信号を安定化する。
【0006】
次いで、安定化された信号を、再び時間同期化ブロックに伝達し、時間同期化ブロックのTOD情報を更新し、該更新されたTOD情報を用いて、他のスレーブノードの時間同期化のための同期メッセージを生成する。
本発明者は、通信システムのマスタとスレーブ間での時刻同期化技術についての研究を行うことになった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】大韓民国登録特許第10−0876776号(2008.12.23)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、前記課題を解決するために発明されたもので、通信システムのマスタとスレーブ間での時刻同期化技術を提供することをその目的とする。
【0009】
特に、受動光ネットワーク(PON:Passive Optical Network)を成すOLT(Optical Line Terminal)とONU(Optical Network Unit)との時刻同期化を効率的に行える時刻同期化方法を提供することをその目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
前記目的を果たすための本発明の一態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、OLTがNTP(Network Time Protocol)またはRTC(Real Time Clock)から初期時刻情報を取得する時刻情報取得段階と、OLTが取得された初期時刻情報をONUに伝送する時刻情報伝送段階と、ONUがOLTから受信した初期時刻情報と、GM(Grand Master)から取得した基準時刻情報とを比較して、時刻差分を計算する時刻差分計算段階と、ONUが計算された時刻差分をOLTに伝送する時刻差分伝送段階と、OLTがONUから受信した時刻差分に基づいて時刻を補正して、ONUと時刻同期を行う時刻同期化段階と、を含んでなることを特徴とする。
【0011】
本発明の付加的な態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、時刻補正後、補正された時刻情報を用いて、前記時刻情報伝送段階と、時刻差分計算段階と、時刻差分伝送段階と、時刻同期化段階とを繰り返して継続的にOLTとONUとの時刻を同期化することを特徴とする。
【0012】
本発明の付加的な態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、OLTから受信する補正された時刻情報とGMから取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONUがロック(Lock)されるONUロック段階をさらに含むことを特徴とする。
【0013】
本発明の付加的な態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、ONUがロックされれば、その後ONUがクロック情報をONUにつながっているスレーブ装置に伝送する時刻同期情報伝送段階をさらに含むことを特徴とする。
【0014】
本発明のさらに他の態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、OLTがNTPまたはRTCから初期時刻情報を取得する時刻情報取得段階と、OLTが取得された初期時刻情報をONUに伝送する時刻情報伝送段階と、ONUがOLTから受信した初期時刻情報と、GPS受信モジュールから取得した基準時刻情報とを比較して、時刻差分を計算する時刻差分計算段階と、ONUが計算された時刻差分をOLTに伝送する時刻差分伝送段階と、OLTがONUから受信した時刻差分に基づいて時刻を補正して、ONUと時刻同期を行う時刻同期化段階と、を含んでなることを特徴とする。
【0015】
本発明の付加的な態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、時刻補正後、補正された時刻情報を用いて、前記時刻情報伝送段階と、時刻差分計算段階と、時刻差分伝送段階と、時刻同期化段階とを繰り返して継続的にOLTとONUとの時刻を同期化することを特徴とする。
【0016】
本発明の付加的な態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、OLTから受信する補正された時刻情報とGPS受信モジュールから取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONUがロックされるONUロック段階をさらに含むことを特徴とする。
【0017】
本発明の付加的な態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、ONUがロックされれば、その後OLTが時刻同期情報をGMに伝送する時刻同期情報伝送段階をさらに含むことを特徴とする。
【0018】
本発明の付加的な態様によれば、前記GMが他のOLTに時刻同期情報を伝送することを特徴とする。
【0019】
本発明の付加的な態様によれば、通信ネットワークの時刻同期化方法が、ONUがロックされれば、その後OLTが時刻同期情報を配下にある他のONUに伝送する時刻同期情報伝送段階をさらに含むことを特徴とする。
本発明の付加的な態様によれば、配下にある他のONUがOLTから受信した時刻同期情報を、自分につながっているスレーブ装置に伝送することを特徴とする。
【発明の効果】
【0020】
本発明は、通信システムのマスタとスレーブ間での時刻同期化を効率的に行うことができる。特に、受動光ネットワーク(PON)を成すOLTとONU間での時刻同期化を効率的に行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
図1】本発明による通信ネットワークの時刻同期化方法の一実施形態の構成を示すフローチャートである。
図2図1に示した通信ネットワークの時刻同期化方法を行う受動光ネットワーク構成を示すブロック図である。
図3】本発明による通信ネットワークの時刻同期化方法のさらに他の実施形態の構成を示すフローチャートである。
図4図3に示した通信ネットワークの時刻同期化方法を行う受動光ネットワーク構成を示すブロック図である。
図5】本発明による通信ネットワークの時刻同期化方法のさらなる実施形態の構成を示すフローチャートである。
図6図5に示した通信ネットワークの時刻同期化方法を行う受動光ネットワーク構成を示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、添付図面を参照して記述される望ましい実施形態を通じて、本発明を当業者が容易に理解し、再現できるように詳しく記述する。
【0023】
本発明を説明するに当って、関連した公知の機能または構成に関する具体的な説明が、本発明の実施形態の趣旨とは異なる恐れがあると判断される場合には、その詳細な説明を省略する。
【0024】
本発明の明細書の全般に亘って使われる用語は、本発明の実施形態での機能を考慮して定義された用語であり、ユーザまたは運用者の意図、慣例などによって十分に変形可能な事項であるため、その用語の定義は、本明細書の全般に亘った内容に基づいて行われなければならない。
【0025】
図1は、本発明による通信ネットワークの時刻同期化方法の一実施形態の構成を示すフローチャートである。
【0026】
まず、時刻情報取得段階(110)で、OLTがNTPまたはRTCから初期時刻情報を取得する。例えば、取得される初期時刻情報は、周波数、1PPS、TODを含む。
【0027】
次いで、時刻情報伝送段階(120)で、OLTが取得された初期時刻情報をONUに伝送する。例えば、イーサネット(登録商標)標準IEEE802.1as精密時間プロトコルを通じて初期時刻情報が伝送される。
【0028】
次いで、時刻差分計算段階(130)で、ONUがOLTから受信した初期時刻情報と、GMから取得した基準時刻情報とを比較し、時刻差分を計算する。GMは、イーサネット標準IEEE802.1asに定義されたグローバルクロックを供給する装置である。
【0029】
例えば、ONUがOLTから受信したイーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルデータから周波数、1PPS、TODを抽出して復元し、GMから1588PTP(Presicion Time Protocol)パケットを伝達され、これより基準時刻情報を取得することができる。
【0030】
次いで、時刻差分伝送段階(140)で、ONUが計算された時刻差分をOLTに伝送する。この際、時刻差分は、ONUから最優先順位(Highest Priority)でOLTに伝送される。
【0031】
例えば、時刻補正プロトコルを通じて時刻差分を伝送し、時刻補正プロトコルは、ITU−T G.8275.1のBMCAのSF(Selection Factor)を基盤とした情報に時刻差分情報を加えた形式を取ることができる。
【0032】
次いで、時刻同期化段階(150)で、OLTがONUから受信した時刻差分に基づいて時刻を補正して、ONUと時刻同期を行う。例えば、現在OLTの時刻がT、ONUから受信した時刻差分が△T、時刻補正された時刻がT’であれば、T’=T±△Tになる。
【0033】
前記のように時刻補正がなされた後、初期時刻情報の代わりに、補正された時刻情報を用いて、前記時刻情報伝送段階(120)と、時刻差分計算段階(130)と、時刻差分伝送段階(140)と、時刻同期化段階(150)とを繰り返して継続的にOLTとONU間での時刻を同期化する。
【0034】
次いで、ONUロック段階(160)で、OLTから受信する補正された時刻情報とGMから取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONUがロックされる。
【0035】
次いで、時刻同期情報伝送段階(170)で、ONUがロックされれば、その後ONUがクロック情報をONUにつながっているスレーブ装置(図面省略)に伝送する。例えば、1588PTPパケットまたは1PPS+TODの形態でクロック情報がスレーブ装置に伝送することができる。
【0036】
図2は、図1に示した通信ネットワークの時刻同期化方法を行う受動光ネットワーク構成を示すブロック図である。図2に示した受動光ネットワークは、OLT210、ONU220及びGM230を含む。
【0037】
OLT210のSFU(Switching Fabric Unit)211は、電源入力後、NTPまたはRTCから初期時刻情報を取得し、これに基づいて時刻同期化する。例えば、取得される初期時刻情報は、周波数、1PPS、TODを含む。
【0038】
SFU211は、SIU(Service Interface Unit)212に初期時刻情報を伝達する。SIU212のPON MACは、初期時刻情報をONU220に伝送する。例えば、イーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルを通じて初期時刻情報が伝送される。
【0039】
それによって、ONU220のPON MAC221がOLT210から初期時刻情報を取得し、ONU220のL2スイッチ222がGM230から基準時刻情報を取得する。
【0040】
そして、ONU220のL2スイッチ222がOLT210から受信した初期時刻情報と、GM230から取得した基準時刻情報とを比較し、時刻差分を計算する。
【0041】
例えば、ONU220がOLT210から受信したイーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルデータから周波数、1PPS、TODを抽出して復元し、GM230から1588PTPパケットを伝達され、これより基準時刻情報を取得することができる。
【0042】
次いで、ONU220がPON MAC221を通じて計算された時刻差分をOLT210に伝送する。この際、時刻差分は、ONUから最優先順位でOLTに伝送される。
【0043】
例えば、時刻補正プロトコルを通じて時刻差分を伝送し、時刻補正プロトコルは、ITU−T G.8275.1のBMCAのSFを基盤とした情報に時刻差分情報を加えた形式を取ることができる。
【0044】
その後、OLT210のSFU211がONU220から受信した時刻差分に基づいて時刻を補正し、ONU220と時刻同期を行う。例えば、現在OLTの時刻がT、ONUから受信した時刻差分が△T、時刻補正された時刻がT’であれば、T’=T±△Tになる。
【0045】
前記のように時刻補正が行われた後、初期時刻情報の代わりに、補正された時刻情報を用いて、前記の動作を継続的に繰り返してOLTとONUとの時刻を同期化する。OLT210から受信する補正された時刻情報とGM230から取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONU220がロックされる。
【0046】
ONU220がロックされれば、その後ONU220がクロック情報をONUにつながっているスレーブ装置(図面省略)に伝送する。例えば、1588PTPパケットまたは1PPS+TODの形態でクロック情報をスレーブ装置に伝送することができる。
【0047】
このように実装することによって、本発明は、受動光ネットワーク(PON)を成すOLTとONUとの時刻同期化を効率的に行うことができる。
【0048】
図3は、本発明による通信ネットワークの時刻同期化方法のさらに他の実施形態の構成を示すフローチャートである。
【0049】
まず、時刻情報取得段階(310)で、OLTがNTPまたはRTCから初期時刻情報を取得する。例えば、取得される初期時刻情報は、周波数、1PPS、TODを含む。
【0050】
次いで、時刻情報伝送段階(320)で、OLTが取得された初期時刻情報をONUに伝送する。例えば、イーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルを通じて初期時刻情報が伝送される。
【0051】
次いで、時刻差分計算段階(330)で、ONUがOLTから受信した初期時刻情報と、GPS受信モジュールから取得した基準時刻情報とを比較して、時刻差分を計算する。
【0052】
例えば、ONUがOLTから受信したイーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルデータから周波数、1PPS、TODを抽出して復元し、GPS受信モジュールからGPS衛星と同期した1PPS+TOD情報を取得することができる。
【0053】
次いで、時刻差分伝送段階(340)で、ONUが計算された時刻差分をOLTに伝送する。この際、時刻差分は、ONUから最優先順位でOLTに伝送される。
【0054】
例えば、時刻補正プロトコルを通じて時刻差分を伝送し、時刻補正プロトコルは、ITU−T G.8275.1のBMCAのSFを基盤とした情報に時刻差分情報を加えた形式を取ることができる。
【0055】
次いで、時刻同期化段階(350)で、OLTがONUから受信した時刻差分に基づいて時刻を補正し、ONUと時刻同期を行う。例えば、現在OLTの時刻がT、ONUから受信した時刻差分が△T、時刻補正された時刻がT’であれば、T’=T±△Tになる。
【0056】
前記のように時刻補正が行われた後、初期時刻情報の代わりに、補正された時刻情報を用いて、前記時刻情報伝送段階(320)と、時刻差分計算段階(330)と、時刻差分伝送段階(340)と、時刻同期化段階(350)とを繰り返して継続的にOLTとONUとの時刻を同期化する。
【0057】
次いで、ONUロック段階(360)で、OLTから受信する補正された時刻情報とGPS受信モジュールから取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONUがロックされる。
【0058】
次いで、時刻同期情報伝送段階(370)で、ONUがロックされれば、その後OLTが時刻同期情報をGMに伝送する。そして、GMが他のOLT(図面省略)に時刻同期情報を伝送する。例えば、1588PTPパケットを通じて時刻同期情報が伝送される。
【0059】
図4は、図3に示した通信ネットワークの時刻同期化方法を行う受動光ネットワーク構成を示すブロック図である。図4に示した受動光ネットワークは、OLT410、ONU420及びGM430を含む。
【0060】
OLT410のSFU411は、電源入力後、NTPまたはRTCから初期時刻情報を取得し、これに基づいて時刻同期化を行う。例えば、取得される初期時刻情報は、周波数、1PPS、TODを含む。
【0061】
SFU411は、SIU412に初期時刻情報を伝達する。SIU412のPON MACは、初期時刻情報をONU420に伝送する。例えば、イーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルを通じて初期時刻情報が伝送される。
【0062】
それによって、ONU420のPON MAC421がOLT410から初期時刻情報を取得し、ONU420のGPS受信モジュール422がGPS衛星(図面省略)から基準時刻情報を取得する。
【0063】
そして、ONU420のL2スイッチ423がOLT410から受信した初期時刻情報と、GPS受信モジュール422から取得した基準時刻情報とを比較して、時刻差分を計算する。
【0064】
例えば、ONU420がOLT410から受信したイーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルデータから周波数、1PPS、TODを抽出して復元し、GPS受信モジュール422からGPS衛星と同期した1PPS+TOD情報を取得することができる。
【0065】
次いで、ONU420がPON MAC421を通じて計算された時刻差分をOLT410に伝送する。この際、時刻差分は、ONUから最優先順位でOLTに伝送される。
【0066】
例えば、時刻補正プロトコルを通じて時刻差分を伝送し、時刻補正プロトコルは、ITU−T G.8275.1のBMCAのSFを基盤とした情報に時刻差分情報を加えた形式を取ることができる。
【0067】
それによって、OLT410のSFU411がONU420から受信した時刻差分に基づいて時刻を補正し、ONU420と時刻同期を行う。例えば、現在OLTの時刻がT、ONUから受信した時刻差分が△T、時刻補正された時刻がT’であれば、T’=T±△Tになる。
【0068】
前記のように時刻補正がなされた後、初期時刻情報の代わりに、補正された時刻情報を用いて、前記の動作を継続的に繰り返してOLTとONUとの時刻を同期化する。OLT410から受信する補正された時刻情報と、GPS受信モジュール422から取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONU420がロックされる。
【0069】
ONU420がロックされれば、その後OLT410が時刻同期情報をGM430に伝送する。そして、GM430が他のOLT(図面省略)に時刻同期情報を伝送する。例えば、1588PTPパケットを通じて時刻同期情報が伝送される。
【0070】
このように実装することによって、本発明は、受動光ネットワーク(PON)を成すOLTとONUとの時刻同期化を効率的に行うことができる。
【0071】
図5は、本発明による通信ネットワークの時刻同期化方法のさらなる実施形態の構成を示すフローチャートである。
【0072】
まず、時刻情報取得段階(510)で、OLTがNTPまたはRTCから初期時刻情報を取得する。例えば、取得される初期時刻情報は、周波数、1PPS、TODを含む。
【0073】
次いで、時刻情報伝送段階(520)で、OLTが取得された初期時刻情報をONUに伝送する。例えば、イーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルを通じて初期時刻情報が伝送される。
【0074】
次いで、時刻差分計算段階(530)で、ONUがOLTから受信した初期時刻情報と、GPS受信モジュールから取得した基準時刻情報とを比較して、時刻差分を計算する。
【0075】
例えば、ONUがOLTから受信したイーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルデータから周波数、1PPS、TODを抽出して復元し、GPS受信モジュールからGPS衛星と同期した1PPS+TOD情報を取得することができる。
【0076】
次いで、時刻差分伝送段階(540)で、ONUが計算された時刻差分をOLTに伝送する。この際、時刻差分は、ONUから最優先順位でOLTに伝送される。
【0077】
例えば、時刻補正プロトコルを通じて時刻差分を伝送し、時刻補正プロトコルは、ITU−T G.8275.1のBMCAのSFを基盤とした情報に時刻差分情報を加えた形式を取ることができる。
【0078】
次いで、時刻同期化段階(550)で、OLTがONUから受信した時刻差分に基づいて時刻を補正し、ONUと時刻同期を行う。例えば、現在OLTの時刻がT、ONUから受信した時刻差分が△T、時刻補正された時刻がT’であれば、T’=T±△Tになる。
【0079】
前記のように時刻補正が行われた後、初期時刻情報の代わりに、補正された時刻情報を用いて、前記時刻情報伝送段階(520)と、時刻差分計算段階(530)と、時刻差分伝送段階(540)と、時刻同期化段階(550)とを繰り返して継続的にOLTとONUとの時刻を同期化する。
【0080】
次いで、ONUロック段階(560)で、OLTから受信する補正された時刻情報とGPS受信モジュールから取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONUがロックされる。
【0081】
次いで、時刻同期情報伝送段階(570)で、ONUがロックされれば、その後OLTが時刻同期情報を配下にある他のONUに伝送する。例えば、802.1as精密時間プロトコルを用いて時刻同期情報を配下にある他のONUに伝送する。
【0082】
そして、配下にある他のONUがOLTから受信した時刻同期情報を、自分につながっているスレーブ装置(図面省略)に伝送する。例えば、1588PTPパケットを通じて時刻同期情報をスレーブ装置に伝送することができる。
【0083】
図6は、図5に示した通信ネットワークの時刻同期化方法を行う受動光ネットワーク構成を示すブロック図である。図6に示した受動光ネットワークは、OLT610、ONU620及び他のONU630を含む。
【0084】
OLT610のSFU611は、電源入力後、NTPまたはRTCから初期時刻情報を取得し、これに基づいて時刻同期化する。例えば、取得される初期時刻情報は、周波数、1PPS、TODを含む。
【0085】
SFU611は、SIU612に初期時刻情報を伝達する。SIU612のPON MACは、初期時刻情報をONU620に伝送する。例えば、イーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルを通じて初期時刻情報が伝送される。
【0086】
そうすると、ONU620のPON MAC621がOLT610から初期時刻情報を取得し、ONU620のGPS受信モジュール622がGPS衛星(図面省略)から基準時刻情報を取得する。
【0087】
そして、ONU620のL2スイッチ623がOLT610から受信した初期時刻情報と、GPS受信モジュール622から取得した基準時刻情報とを比較し、時刻差分を計算する。
【0088】
例えば、ONU620がOLT610から受信したイーサネット標準IEEE802.1as精密時間プロトコルデータから周波数、1PPS、TODを抽出して復元し、GPS受信モジュール622からGPS衛星と同期した1PPS+TOD情報を取得することができる。
【0089】
次いで、ONU620がPON MAC621を通じて計算された時刻差分をOLT610に伝送する。この際、時刻差分は、ONUから最優先順位でOLTに伝送される。
【0090】
例えば、時刻補正プロトコルを通じて時刻差分を伝送し、時刻補正プロトコルは、ITU−T G.8275.1のBMCAのSFを基盤とした情報に時刻差分情報を加えた形式を取ることができる。
【0091】
そうすると、OLT610のSFU611がONU620から受信した時刻差分に基づいて時刻を補正して、ONU620と時刻同期を行う。例えば、現在OLTの時刻がT、ONUから受信した時刻差分が△T、時刻補正された時刻がT’であれば、T’=T±△Tになる。
【0092】
前記のように時刻補正がなされた後、初期時刻情報の代わりに、補正された時刻情報を用いて、前記の動作を継続的に繰り返してOLTとONUとの時刻を同期化する。OLT610から受信する補正された時刻情報とGPS受信モジュール622から取得した基準時刻情報とを比較した時刻差分が、許容可能な時刻範囲に到逹する場合、ONU620がロックされる。
【0093】
ONU620がロックされれば、その後OLT610が時刻同期情報を配下にある他のONU630に伝送する。例えば、802.1as精密時間プロトコルを用いて時刻同期情報を配下にある他のONUに伝送する。
【0094】
そして、配下にある他のONU630がOLTから受信した時刻同期情報を、自分につながっているスレーブ装置(図面省略)に伝送する。例えば、1588PTPパケットを通じて時刻同期情報をスレーブ装置に伝送することができる。
【0095】
このように実装することによって、本発明は、受動光ネットワーク(PON)を成すOLTとONUとの時刻同期化を効率的に行うことができる。
本発明は、添付図面によって参照される望ましい実施形態を中心に記述されたが、このような記載から、後述する特許請求の範囲によって包括される範囲内で、本発明の範疇から外れず多様な変形が可能であるということは明白である。
【産業上の利用可能性】
【0096】
本発明は、時刻同期技術分野及びその応用技術分野で産業上利用可能である。
【符号の説明】
【0097】
210、410、610:OLT
220、420、620:ONU
230、430:GM
630:他のONU
【要約】
【課題】通信ネットワークの時刻同期化方法を提供する。
【解決手段】本発明は、通信ネットワークの時刻同期化方法に関するものであり、受動光ネットワーク(PON)を成すOLTとONUとの時刻差分を計算して時刻を補正することによって、受動光ネットワーク(PON)の時刻同期化を効率的に行えるようにしたものである。
【選択図】図1
図1
図2
図3
図4
図5
図6