特許第6077118号(P6077118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6077118-シリコン系マスカラブラシ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077118
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】シリコン系マスカラブラシ
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/04 20060101AFI20170130BHJP
   A46B 15/00 20060101ALI20170130BHJP
   A46D 1/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   A45D34/04 530
   A46B15/00 Z
   A46D1/00 101
【請求項の数】2
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2015-527359(P2015-527359)
(86)(22)【出願日】2013年7月19日
(65)【公表番号】特表2015-534468(P2015-534468A)
(43)【公表日】2015年12月3日
(86)【国際出願番号】KR2013006493
(87)【国際公開番号】WO2014027762
(87)【国際公開日】20140220
【審査請求日】2015年2月12日
(31)【優先権主張番号】20-2012-0007242
(32)【優先日】2012年8月16日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】株式会社アモーレパシフィック
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】イ,ジョン イン
【審査官】 村山 睦
(56)【参考文献】
【文献】 実開平05−091510(JP,U)
【文献】 特開2004−261394(JP,A)
【文献】 特開2009−142726(JP,A)
【文献】 実開平03−081020(JP,U)
【文献】 特開平09−192581(JP,A)
【文献】 特開2003−325225(JP,A)
【文献】 特開2007−185461(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/04
A46B 15/00
A46D 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
マスカラ本体(10)の下部に螺合されて空回転するダイヤルつまみ(12)と、前記ダイヤルつまみ(12)によって上昇するピストン(13)と、前記ピストンによってマスカラ液が上昇するともにマスカラ液が収容されるマスカラ貯留容器(14)と、前記マスカラ貯留容器(14)の開口部の入口に結合する開閉バルブ(15)と、開口部の外周縁部に着脱可能に設けられるショルダー部材(16)とを含むマスカラにおいて、
前記ショルダー部材(16)の中央に対して着脱されるシリコン系ブラシ部(17)を備え、
前記シリコン系ブラシ部(17)は、
マスカラ液が移動できる中央路(17a)を有する、円柱状の中央部と、
前記中央部の外周縁部から放射線で延長する、複数のブラシ毛(17c)とを、備え、
前記複数のブラシ毛(17c)は、前記中央路(17a)から前記ブラシ毛の先端まで伸びる排出路と、前記先端には排出孔(17b)とを有する、
シリコン系マスカラブラシ。
【請求項2】
前記シリコン系ブラシ部(17)は、熱硬化ゴムまたは液状シリコンゴムおよびエラストマーの中から選ばれるいずれかひとつの素材からなることを特徴とする、請求項1に記載のシリコン系マスカラブラシ。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シリコン系マスカラブラシに係り、特に、ブラシ体からマスカラ液を排出して睫毛をカールするためのブラシとしてシリコン系ブラシを設け、睫毛の化粧の際に傷害からの安全性を図るのはもとより、マスカラ液を睫毛の一本一本に対して均一に塗布し且つ睫毛を一様に巻き上げることにより、奇麗に美しく睫毛のメイクアップを行うことができるシリコン系マスカラブラシに関する。
【背景技術】
【0002】
マスカラは、女性達が使用する化粧品の一種であり、特に目を引き立てるために睫毛に様々な色相のマスカラ液を塗るのに使用するものであって、一般に、マスカラ液が貯留される容器と、前記容器を開閉するための取っ手と、前記取っ手の下部に突設される棒状のブラシ棒と、前記ブラシ棒に設けられるブラシ毛とを含んでなり、前記取っ手と容器との結合または分離によって前記ブラシ毛にマスカラ液を付けて使用している。
【0003】
特に、上述したように構成されたマスカラブラシは、毛の長さおよび形態に応じて、睫毛に対するボリューム効果(Volume:豊かな睫毛を演出する効果)、カール効果(Curl:睫毛の毛先を巻き上げる効果)、ロングラッシュ効果(Long Lash:睫毛の長さが長く見えるようにする効果)、クリーン効果(Clean:睫毛同士がくっ付かないようにする効果)などの様々な機能に合わせて製作されている。
【0004】
一般に使用される従来のマスカラブラシは、通常、一定の長さを有する複数のブラシ毛を2本のワイヤーの間に挟んで螺子線状に一定の回数撚り、その断面が中央のワイヤー軸を基準に円形、三角形または扇形などの様々な形状を持つように製作され、前記ブラシの断面形状に対してそれぞれボリューム効果、カール効果、ロングラッシュ効果およびクリーン効果を得ることができる。
【0005】
次に、従来のマスカラブラシの一例を図1に基づいて説明する。マスカラ本体1の下部に螺合されて空回転するダイヤルつまみ2と、前記ダイヤルつまみ2によって上昇するピストン3と、前記ピストンによってマスカラ液が上昇するともに、マスカラ液が収容されるマスカラ貯留容器4と、前記マスカラ貯留容器4の上端部の開口部に対して着脱可能に設けられるブラシ体5と、前記ブラシ体5の内部の下端部に設けられ、マスカラ液を排出し或いはマスカラ液の排出を遮断するための開閉バルブ6と、前記ブラシ体5の上側端部に設けられ、多数の排出口7に連結されてマスカラ液を排出するくし状ブラシ部8とを含んで構成できる。
【0006】
上述のように構成された従来のマスカラブラシの作用を説明すると、まず、一方の手でマスカラ貯留容器4を把持し、もう一方の手でダイヤルつまみ2を特定の方向に回転させる。前記ダイヤルつまみ2が回転するにつれて、ダイヤルつまみ2の内側に位置するピストン3が螺旋に沿って上昇する。前記ピストン3が上昇すると、密閉されたマスカラ貯留容器4に収容されたマスカラ液は、加圧が形成されることにより、ブラシ体5の下端部に設けられた開閉バルブ6を開放させ、開放された開閉バルブ6を介してブラシ体5のくし状ブラシ部8へ、マスカラ液が排出される。そして、排出されたマスカラ液を睫毛に塗ってカールを与える。
【0007】
ところが、このようにくし状ブラシ部8にマスカラ液が排出された状態で睫毛をカールする場合、くし状ブラシ部8の材質が硬いため、睫毛の化粧の際にくし状ブラシ部に眼が刺されて傷害を被るおそれがあるという欠点と、睫毛がくし状ブラシ部に絡まれて抜き取られてしまうという問題点を有する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は、上述したような問題点を解決するために案出されたもので、その目的は、ブラシ体からマスカラ液を排出して睫毛をカールするためのブラシとしてシリコン系ブラシを設け、睫毛の化粧の際に傷害からの安全性を図るのはもとより、マスカラ液を睫毛の一本一本に対して均一に塗布し且つ睫毛を一様に巻き上げることにより、奇麗に美しく睫毛のメイクアップを行うことができることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記目的を達成するための本発明は、マスカラ本体10の下部に螺合されて空回転するダイヤルつまみ12と、前記ダイヤルつまみ12によって上昇するピストン13と、前記ピストンによってマスカラ液が上昇するともに、マスカラ液が収容されるマスカラ貯留容器14と、前記マスカラ貯留容器14の開口部の入口に結合する開閉バルブ15と、開口部の外周縁部に着脱可能に設けられるショルダー部材16とを含むマスカラにおいて、
前記ショルダー部材16の中央に対して着脱可能に設けられるシリコン系ブラシ部17と、前記シリコン系ブラシ17の中空に設けられ、マスカラ液が移動できるようにするマスカラ中央路17aと、前記マスカラ中央路17aの外周縁部に設けられ、マスカラ液が多数の方向に排出できるように多数の排出孔17bを有するブラシ毛17Cとを含んでなることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、マスカラ液を排出して睫毛をカールするためのブラシとしてシリコン系ブラシを設け、睫毛の化粧の際に傷害からの安全性を図るのはもとより、マスカラ液を睫毛の一本一本に対して均一に塗布し且つ睫毛を一様にカールすることにより、奇麗に美しく睫毛のメイクアップを行うことができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】従来のマスカラ本体の断面図である。
図2】本発明のマスカラ本体の断面図である。
図3図2のa部分の拡大図である。
図4】本発明の要部であるブラシの拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下に添付図面を参照しながら、本発明を詳細に説明する。
図2に示すように、マスカラ本体10の下部には、内周縁部に螺旋が形成されたダイヤルつまみ12が設けられている。前記ダイヤルつまみ12の内周縁部に形成された螺旋には、外周縁部に螺旋が形成されたピストン13が結合し、前記ピストン13の上側端部は、マスカラ液が収容されたマスカラ貯留容器14の内周縁部に結合している。
【0013】
前記マスカラ貯留容器14の開口部の入り口には、マスカラ貯留容器14からマスカラ液を排出するときに開放され、マスカラ液の排出を停止するときに遮断される開閉バルブ15が配置され、開口部の外周縁部にはショルダー部材16が着脱可能に設けられている。
【0014】
前記ショルダー部材16の中央に対して着脱されるシリコン系ブラシ17の中空には、マスカラ液が移動するマスカラ中央路17aが設けられ、マスカラ中央路17aの外周縁部には、マスカラ液が多数の方向に排出できるように多数の排出孔17bを有する多数のブラシ毛17cが設けられている。
【0015】
前記シリコン系ブラシ17は、熱硬化ゴムまたは液状シリコンゴムおよびエラストマーの中からいずれかひとつを選択できる。
【0016】
前記多数のブラシ毛17cは放射状に配置されている。
【0017】
上述したように構成された本発明の作用は、次のとおりである。
一方の手でマスカラ貯留容器14を把持し、他方の手でダイヤルつまみ12を特定の方向に回転させる。前記ダイヤルつまみ12が回転するにつれて、ダイヤルつまみ12の内側に位置するピストン13が螺旋に沿って上昇する。この際、ダイヤルつまみ12は空回転をする。
【0018】
上述したようにピストン13が上昇すると、密閉されたマスカラ貯留容器14に収容されたマスカラ液は、加圧が形成されることにより、図3および図4に示すように、シリコン系ブラシ17の内部の下端部に設けられた開閉バルブ15を開放させる。このマスカラ液は、開放された開閉バルブ15を介してシリコン系ブラシ17の中空のマスカラ中央路17aに沿って移動し、マスカラ中央路17aの外周縁部に設けられた多数のブラシ毛17cの排出孔17bへ排出される。排出されたマスカラ液を睫毛に塗ってカールをつける。
【符号の説明】
【0019】
10 マスカラ本体
12 ダイヤルつまみ
13 ピストン
14 マスカラ貯留容器
15 開閉バルブ部
16 ショルダー部材
17 シリコン系ブラシ
17a マスカラ中央路
17b 排出孔
17c ブラシ毛
図1
図2
図3
図4