特許第6077129号(P6077129)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077129
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】異種内容物混合式化粧品容器
(51)【国際特許分類】
   A45D 34/00 20060101AFI20170130BHJP
   A45D 34/04 20060101ALI20170130BHJP
   B65D 81/32 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   A45D34/00 510B
   A45D34/04 550
   B65D81/32 Q
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2015-540594(P2015-540594)
(86)(22)【出願日】2013年10月15日
(65)【公表番号】特表2016-505285(P2016-505285A)
(43)【公表日】2016年2月25日
(86)【国際出願番号】KR2013009175
(87)【国際公開番号】WO2014073795
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2015年5月21日
(31)【優先権主張番号】20-2012-0010146
(32)【優先日】2012年11月7日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】506213681
【氏名又は名称】株式会社アモーレパシフィック
【氏名又は名称原語表記】AMOREPACIFIC CORPORATION
(73)【特許権者】
【識別番号】515114131
【氏名又は名称】ハナ カンパニー リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100121382
【弁理士】
【氏名又は名称】山下 託嗣
(72)【発明者】
【氏名】キム,ジュン ヨン
(72)【発明者】
【氏名】イ,オ ス
(72)【発明者】
【氏名】カン,ソン イル
【審査官】 根本 徳子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−039069(JP,A)
【文献】 特開2007−312804(JP,A)
【文献】 実開平02−016777(JP,U)
【文献】 実開平02−063337(JP,U)
【文献】 特開2002−153317(JP,A)
【文献】 特開2010−036922(JP,A)
【文献】 特表2007−518463(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A45D 34/00−34/04
B65D 81/32−81/36
A47G 19/12
A61J 1/05
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
二重容器本体エアレスポンプ、および押しボタン含む異種内容物混合式化粧品容器において、
混合誘発部材係止突起の解除により弾性部材の反発力で混合誘発部材を上昇させて前記混合誘発部材の上側の中央に設けられた穿孔ピンにより第1内容物収容手段密閉遮断板を破損させながら、異種内容物収容手段に収容された第2内容物を加圧して、前記二重容器本体に収容された第1内容物内へ噴出させて混合させる異種内容物収容手段が設けられ、前記エアレスポンプの押圧操作により第3内容物を吐出させ
前記第1内容物収容手段が、前記混合誘発部材を上昇させるときに前記穿孔ピンを案内する穿孔ピン案内部材を含むことを特徴とする、異種内容物混合式化粧品容器。
【請求項2】
前記第1内容物収容手段は
前記二重容器本体の内径に嵌合固定され、前記第2内容物を収容する第2内容物ハウジングの上端と結合される異種内容物遮断部材を含み、前記異種内容物遮断部材には、第1内容物と第2内容物が混ぜられることを遮断する密閉遮断板を含んで構成されたことを特徴とする、請求項1に記載の異種内容物混合式化粧品容器。
【請求項3】
記穿孔ピン案内部材は、異種内容物遮断部材に結合されながら、下端で前記密閉遮断板を圧迫して固定することを特徴とする、請求項1または2に記載の異種内容物混合式化粧品容器。
【請求項4】
前記二重容器本体は、両端が開放された円筒体からなり、一側端側の下端部には下部キャップが結合され、前記下部キャップの内周縁部の回転溝と前記二重容器本体の外周縁部の回転突起との嵌合によって回動可能に結合されることを特徴とする、請求項1に記載の異種内容物混合式化粧品容器。
【請求項5】
前記下部キャップの内部中央には、開口溝と係止突起とを含む係止部材が設けられたことを特徴とする、請求項4に記載の異種内容物混合式化粧品容器。
【請求項6】
前記異種内容物収容手段は前記二重容器本体の内径に嵌合され、下端には、下部キャップの内部に結合され、前記第2内容物を収容して下部キャップを回動させると、固定された状態から解除されて弾性力によりピストンを上昇させる前記混合誘発部材が設けられたことを特徴とする、請求項1に記載の異種内容物混合式化粧品容器。
【請求項7】
前記異種内容物収容手段には、
前記第2内容物ハウジングと
前記第2内容物の気密を維持しながら内容物を上昇させて噴出させるピストンと
前記ピストンの内部に設けられ、側に前記弾性部材を収容し、下端部に前記係止突起をさらに有する前記混合誘発部材と、を含んで構成されたことを特徴とする、請求項1または6に記載の異種内容物混合式化粧品容器。
【請求項8】
前記二重容器本体の下部には、前記第2内容物を収容する第2内容物ハウジングと前記第2内容物の気密を維持しながら内容物を上昇させて噴出させるピストンとが含まれた前記異種内容物収容手段が設けられており、
前記ピストンの内部には、側に前記弾性部材を収容し、下端部に係止顎を有する混合誘発部材が設けられており、
前記第2内容物ハウジングの中央には、前記係止顎に対応する係止部材が設けられており、
前記混合誘発部材の下端には、前記混合誘発部材の下端に待機しており、上側に人為的に加圧すると、前記係止部材を両側に拡開するようにして前記混合誘発部材が制動から解除されて上昇できるようにする押圧部材が設けられており、
前記押圧部材は前記混合誘発部材を上昇させた後、前記係止部材の自体弾性力によって元の位置状態になり、前記係止部材によって押されて下降するが、前記押圧部材のブに設けられた係止顎が下部キャップの制動部に制動されることを特徴とする、請求項1に記載の異種内容物混合式化粧品容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、異種内容物混合式化粧品容器に係り、さらに詳しくは、異種の内容物をそれぞれ別個の空間に貯留した状態で、使用するために開放するの前に異種の内容物が混合されるようにした後、混合内容物が単一のポンピング動作によって単一の排出通路を介して排出されるようにした異種内容物混合式化粧品容器に関する。
【背景技術】
【0002】
化粧品類の中でも、液状または粘性の低いゲル状の化粧品類、例えばローション類、クリーム類、ゲル類、シャンプー、リンスなどの場合には、内容物を容易に噴出させて使用することができるようにエアレスポンプを化粧品容器に収容して使用する。
【0003】
このような、粘性度(coefficient of viscosity)を有する化粧品類を収容する化粧品容器は、収容された内容物を少量排出した後に使用するように設計され、特に機能性化粧品が収容された容器に多く適用されている。
【0004】
また、化粧品容器に適用されたエアレスポンプは、互いに異なる成分の2種の内容物を混合して排出する異種内容物混合式化粧品容器にも使用される。言い換えれば、機能性化粧品の一種として、互いに異なる成分の内容物を混合して使用するときにその効果が増進する製品があるが、このような機能性化粧品の容器にエアレスポンプを装着して内容物を排出させることができる。
【0005】
図1は成分の異なる2種の内容物を混合して排出させる従来の異種内容物混合式化粧品容器を示す。図示の如く、従来の異種内容物混合式化粧品容器10は、容器本体11、エアレスポンプ12a、12b、ピストン13a、13b、および押しボタン14を含んでなる。
【0006】
前記において、容器本体11は、その内部空間が隔壁によって二つの収納部11b、11cに分けられ、このような二つの収納部11b、11cに異なる成分の2種の内容物が充填され、二つの収納部11b、11cの上部に内容物の外部排出のための開口部がそれぞれ設けられる。そして、容器本体11の開放された下部は閉キャップ11dによって外部から遮断される。
【0007】
エアレスポンプ12a、12bは、一対からなり、容器本体11の二つの収納部11a、11bの上部に装着される。すなわち、一対のエアレスポンプ12a、12bが二つの収納部11a、11bの開口部の周辺にそれぞれ装着される。
【0008】
ピストン13a、13bは一対からなる。一対のピストン13a、13bが容器本体11の二つの収納部11a、11bにそれぞれ設置される。このようなピストン13a、13bは収納部11a、11bの内側でエアレスポンプ12a、12bの作動と連係して上昇移動する。このように上昇移動するピストン13a、13bは収納部11a、11b内の内容物を上方に押し上げる。
【0009】
押しボタン14は、エアレスポンプ12a、12bの加圧のためにエアレスポンプ12a、12bの上側に設置される。このような押しボタン14には、容器本体11の二つの収納部11a、11bから排出される成分の異なる2種の内容物を誘導した後に混合排出させる構造が設けられる。
【0010】
次は、図2を参照して、前述したように構成された従来の異種内容物混合式化粧品容器の作用について説明する。
【0011】
まず、押しボタン14を押して、それぞれの収納部11a、11bに位置したエアレスポンプ12a、12bをポンピングさせると、ポンプシリンダー18a、18bの内部に圧力が発生すると同時にピストンロッド16a、16bの内容物の移送路が確保され、これにより、ポンプシリンダー18a、18bの内部に充填されていた内容物が押しボタン14の排出管15a、15bを経て排出管15a、15bに連通する吐出孔14a、14bから吐出される。このとき、ポンプシリンダー18a、18bの開閉用ボールは流入孔19a、19bを遮断した状態である。
【0012】
このように押しボタン14を押圧して内容物を排出した後、押しボタン14に加えられた外力を除去すると、スプリング17a、17bの反発力を受けているピストンロッド16a、16bが元の位置に上昇する。この際、ポンプシリンダー18a、18bの内部に真空圧が発生することにより、流入孔19a、19bを遮断していた開閉用ボールが離隔して内容物の流入通路が確保される。こうして確保された流入通路を介して収納部11a、11bの内容物がポンプシリンダー18a、18bの内部に充填される。
【0013】
前述したような一連の過程を経て、容器本体11の二つの収納部11a、11bに収容された互いに異なる成分の内容物が均等(同一)の割合で排出および混合された後、外部へ最終排出されて使用される。
【0014】
ところが、前述したような従来の異種内容物混合式化粧品容器は、それぞれのエアレスポンプを介して排出された異種の内容物が押しボタンの短くてストレートな排出通路で組み合わされて排出されるものである。よって、最終排出される内容物は2種の内容物を均一に混合していない状態である。
【0015】
これにより、ユーザーが最終排出された内容物をさらによく混ぜて使用しなければならない煩わしさが伴い、これを面倒がって大まかに混ぜた後に使用すると、内容物の機能低下や異常現象につながる。
【0016】
また、従来の異種内容物混合式化粧品容器は、異種の内容物がそれぞれ収容された二つの収納部にエアレスポンプがそれぞれ装着された形態であるので、二つのエアレスポンプが最初の製作時のポンピング機能を保持した場合にのみ、2種の内容物が適切な割合で混合できる。
【0017】
すなわち、2つのエアレスポンプのいずれかでも使用中に機能低下現象を起こすと、該当収納部の内容物が容器の最初の設計時の排出量とは異なる量で排出され、これにより異種の内容物が適切な割合で混合されないため、結果的に最終排出される内容物の機能低下または異常現象につながる。
【0018】
また、従来の異種内容物混合式化粧品容器は、2つのエアレスポンプに常に同一の力が加えられるときにのみ2種の内容物が適切な割合で混合される。
【0019】
言い換えれば、押しボタンがどちらか一方に偏って押されると、2つのエアレスポンプのいずれかに加えられる力が相対的に強くなり、該当エアレスポンプを介して相対的に多くの量の内容物が吐出されると同時に、他のエアレスポンプを介して相対的に少ない量の内容物が吐出される。
【0020】
結果的に、異種の内容物が適切な割合で混合されないから、最終排出される内容物の機能低下および異常現象につながる。
【0021】
また、従来の異種内容物混合式化粧品容器は、2つのエアレスポンプおよびピストンを必要とする形態であるので、その構造が比較的複雑であり、その結果として生産コストの上昇およびそれによる販売価格の上昇をもたらすおそれがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0022】
本発明は、上述した問題点を解決するためになされたもので、その目的は、異種の内容物をそれぞれ別個の空間に貯留した状態で、最初の使用の際にワンタッチ操作によって異種の内容物が混合されるようにした後、混合内容物が単一のポンピング動作によって単一の排出通路を介して排出されるようにした異種内容物混合式化粧品容器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0023】
上記目的を達成するために、本発明は、二重容器本体11、エアレスポンプ12および押しボタン13を含む異種内容物混合式化粧品容器10において、混合誘発部材43の係止突起43cの解除により弾性手段の反発力で混合誘発部材43を上昇させて穿孔ピン43aで密閉遮断板21aを破損させながら、異種内容物収容手段40に収容された第2内容物2を加圧して、前記二重容器本体11に収容された第1内容物1内へ噴出させて混合させる異種内容物供給手段40が設けられ、前記エアレスポンプ12の押圧操作により第3内容物3を吐出させることを特徴とする、異種内容物混合式化粧品容器を提供する。
【発明の効果】
【0024】
上述した本発明は、異種の内容物をそれぞれ別個の空間に貯留した状態で、最初の使用の際にワンタッチ操作により異種の内容物が混合されるようにした後、混合内容物が単一のポンピング動作により単一の排出通路を介して排出されるようにすることにより、異種の内容物を均一な混合状態で排出させるとともに使用性を向上させるという効果を奏する。
【0025】
また、本発明は、一つのエアレスポンプとピストンを備えながらも、同じ容器内に分離貯留された異種の内容物を混合排出することができるようにすることにより、構造の簡素化および生産コストの低減を図るという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1】従来の異種内容物混合式化粧品容器の構成を示す断面図である。
図2】従来の異種内容物混合式化粧品容器の作用を示す使用状態図である。
図3】本発明の実施形態に係る全体構成を示す分解斜視図である。
図4】本発明の実施形態に係る全体構成を示す断面図である。
図5】本発明の実施形態に係る異種内容物の混合状態を示す作用状態断面図である。
図6】本発明の実施形態に係る異種内容物の混合状態を示す作用状態断面図である。
図7】本発明に適用された下部キャップの内部に設けられた係止部材の要部抜粋平面図である。
図8図5のa部分の拡大図である。
図9】本発明のエアレスポンプのポンピング動作によって混合内容物が吐出される状態を示す断面図である。
図10】本発明の異種内容物混合式化粧品容器の他の実施形態の断面図である。
図11図10のbの拡大断面図である。
図12】本発明の異種内容物混合式化粧品容器の他の実施形態の作用状態図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。
【0028】
まず、本発明は、図3および図4に示すように、二重容器本体11、エアレスポンプ12、および押しボタン13を含む異種内容物混合式化粧品容器10において、混合誘発部材43の係止突起43cの解除により弾性部材43bの反発力で混合誘発部材43を上昇させて穿孔ピン43aで密閉遮断板21aを破損させながら、異種内容物収容手段40に収容された第2内容物2を加圧して、前記二重容器本体11に収容された第1内容物1内へ噴出して混合させる異種内容物供給手段40が設けられ、前記エアレスポンプ12の押圧操作により第3内容物3を吐出させるものである。
【0029】
前記二重容器本体11は、一側端が開放され且つ他側端が遮断された単一の円筒体であってもよく、両端が開放された円筒体からなるが、一側端側の下端部には下部キャップ30が結合されて遮断されたものであってもよい。
【0030】
ここで、下部キャップ30の内周縁部に設けられた回転溝31が二重容器本体11の外周縁部の案内突起11’に嵌合され、これにより下部キャップと二重容器本体とは回動可能に結合される。
【0031】
また、下部キャップ30の内部中央には、開放溝32aと係止突起32bが反復的に形成されてなる係止部材32が設けられている。
【0032】
前記二重容器本体11の下部には異種内容物収容手段40が設けられる。前記異種内容物収容手段40は、前記二重容器本体11の内径に嵌合され、下端部には、前記下部キャップ30の内部に結合され、第2内容物2を収容して下部キャップ30を回動させると、固定された状態から解除されて弾性力によりピストン42を上昇させる混合誘発部材43が設けられている。
【0033】
前記異種内容物収容手段40には、第2内容物2を収容する第2内容物ハウジング41と、第2内容物2の気密を維持しながら内容物を上昇させて噴出させるピストン42と、前記ピストン42の内部に設けられ、上側中央に穿孔ピン43aを有し、下側に弾性部材43bを収容し、下端部に係止突起43cを有する混合誘発部材43とが設けられている。
【0034】
ここで、穿孔ピン43aの端部は、薄い板を容易に穿孔することができる程度に尖ってもよく、穿孔ピン43aの断面形状は「+(プラス)」形状であってもよい。
【0035】
前記第1内容物収容手段20は、二重容器本体11の内径に嵌合固定され、前記第2内容物ハウジング41の上端と結合され、第2内容物2を第1内容物1から隔離して保管する手段であって、異種内容物遮断部材21の中央下側には、前記異種内容物収容手段40に収容された第2内容物2を遮断する密閉遮断板21aが配置され、異種内容物遮断部材21の上側に結合されると同時に混合排出管21bの下端部に結合されて前記穿孔ピン43aの上昇を案内する穿孔ピン案内部材21cが設けられているが、前記穿孔ピン案内部材21cは、前記異種内容物遮断部材21に結合されながら下端で密閉遮断板21aを圧迫して固定する。
【0036】
ここで、密閉遮断板21aは、ビニルまたはポリエチレン(PE)であってもよく、これに限定されず、液体密閉性に優れ且つ前記穿孔ピン43aによって容易に破れる材料であればいずれでも使用可能である。
【0037】
また、前記混合排出管21bの上端の外周縁部には、第1内容物1の気密を維持しながら第2内容物2が流入して混合されると、流入する第2内容物2の量だけ上昇するピストン21dが設けられている。
【0038】
前記異種内容物収容手段40の別の実施例として、図10に示すように、前記異種内容物収容手段400には、第2内容物2を収容する第2内容物ハウジング401と、第2内容物の気密を維持しながら内容物を上昇させて噴出させるピストン402が設けられている。また、前記ピストン402の内部には、上側中央に穿孔ピン403aを有し、下側に弾性部材403bを収容し、下端部に係止顎403cを有する混合誘発部材403が設けられている。
【0039】
また、前記第2内容物ハウジング401の中央には、前記係止顎(係止噛み合い部)403cに対応する前記係止部材401aが設けられている。
【0040】
一方、前記混合誘発部材403の下端には、混合誘発部材403の下端に待機しており、上方に人為的に加圧すると、前記係止部材401aを両側に拡開するようにして混合誘発部材403が制動から解除されて上昇できるようにする押圧部材404が設けられている。
【0041】
ここで、押圧部材404は、混合誘発部材403を上昇させた後、前記係止部材401aの自体弾性力によって元の位置状態になり、前記係止部材401aによって押されて下降するが、押圧部材404のリブ404aに設けられた係止顎404bが下部キャップ405の制動部405aに制動されるのである。
【0042】
以下、このように構成できる本発明の作用を説明する。
【0043】
まず、本発明は、エアレスポンプ12を用いたポンピング動作により第3内容物3を吐出させて使用するに先立ち、異種の内容物、すなわち、第1内容物収容手段20に収容された第1内容物1と、異種内容物収容手段40が形成する空間に収容された第2内容物2とを混合しなければならない。
【0044】
このための混合動作は、図5図8に示すように、下部キャップ30を回転(時計回りまたは反時計回り)させると、係止突起32bに係止されていた混合誘発部材43の係止突起43cが開放溝32aに位置することになる。
【0045】
すると、混合誘発部材43を統制していた係止突起43cが解除されて弾性部材43bの弾性によって混合誘発部材43が上昇するとともに、混合誘発部材43の外周面にあるピストン42は第2内容物2を上昇させ、混合誘発部材43の上端に設けられた穿孔ピン43aは、異種内容物遮断部材21の中央にある密閉遮断板21aを穿孔し、上方に上がりながら穿孔ピン案内部材21cの案内を受けて穿孔ピン案内部材21cの中央に進入することになる。
【0046】
上述のように穿孔ピン43aによって密閉遮断板21aを穿孔すると、第2内容物2は、穿孔された密閉遮断板21aを通過して第1内容物1と混合される。
【0047】
このとき、前記第1内容物1は透明な液状の化粧品であり、第2内容物2は色味を帯びるか少なくとも半透明な化粧品でありうるから、両方の内容物が混合されるとき、綿雲が湧き上がるように混合されて神秘感を演出する。
【0048】
一方、図6に示すように、混合誘発部材43の上側の水平面が異種内容物遮断部材21の下側の水平面と接触すると、第2内容物ハウジング41に収容された第2内容物2は、すべて第1内容物1内へ移動して混ぜられた状態になって第3内容物3となる。このとき、図5に示すように混合排出管21bに設けられたピストン21dは、流入する第2内容物2の量によって上昇し、図6に示すようにエアレスポンプ12の下端まで押し上げられる。
【0049】
このとき、混合排出管21bの上端に位置した逆止め弁CVは、混合された内容物が排出されないように遮断した状態にある。
【0050】
前述のように第1内容物1と第2内容物2とが混合されてなる第3内容物3を使用しようとするときは、図9に示すように、押しボタン13を押してエアレスポンプ12を動作させると、第3内容物3がポンピングされて所定の経路に沿って上昇し、押しボタン13の吐出口から吐出されて使用可能となる。
【0051】
これをさらに具体的に説明すると、前記押しボタン13を押してエアレスポンプ12がポンピング動作すると、ポンプシリンダーの内部に圧力が発生すると同時にピストンロッドの内容物移送路が確保され、これにより、ポンプシリンダーの内部に充填されていた内容物が押しボタン13の排出管を経て吐出口から吐出される。
【0052】
このとき、ポンプシリンダーの逆止め弁CVは流入孔を遮断した状態である。
【0053】
このように押しボタン13を押して内容物を排出した後、押しボタン13に加えられた外力を除去すると、エアレスポンプ12のスプリングの反発力を受けているピストンロッドが元の位置に上昇する。この際、ポンプシリンダーの内部に真空圧が発生することにより、流入孔を遮断していた逆止め弁CVが離隔して内容物の流入通路が確保される。
【0054】
こうして確保された流入通路と混合排出管21bを介して二重容器本体11内の第3内容物3がポンプシリンダーの内部に充填され、第3内容物3が排出された分だけ、ピストン21dは下方に下がる。
【0055】
このように構成される本発明は、異種の内容物をそれぞれ別個の空間に貯留した状態で、最初の使用の際にワンタッチ操作により異種の内容物が混合されるようにした後、混合された内容物が単一のポンピング動作によって単一の排出通路を介して排出されるようにすることにより、異種の内容物を均一な混合状態で排出させるとともに使用性を向上させる。
【0056】
また、本発明は、一つのエアレスポンプとピストンを備えながらも、同じ容器内に分離貯留された異種の内容物を混合排出することができるようにすることにより、構造の簡素化およびそれによる生産コストの低減を図る。
【0057】
以上、本発明の原理を例示するための好適な実施例について説明および図示したが、本発明はそのように図示および説明された構成および作用に限定されるものではない。
【0058】
その他にも、添付された請求の範囲の思想および範疇を逸脱することなく、本発明に対して様々な変更および修正を加え得ることは当業者にとって自明である。
【0059】
したがって、それらのすべての適切な変更および修正並びに均等物も本発明の範囲に属するもと見なされるべきである。
【符号の説明】
【0060】
10 エアレス化粧品容器
11 二重容器本体
12 エアレスポンプ
13 押しボタン
1 第1内容物
2 第2内容物
3 第3内容物
20 第1内容物収容手段
21 異種内容物遮断部材
30 下部キャップ
32 係止部材
40 異種内容物収容手段
41 第2内容物ハウジング
42 ピストン
43 混合誘発部材
400 異種内容物収容手段
401 第2内容物ハウジング
402 ピストン
403 混合誘発部材
404 押圧部材
405 下部キャップ
図1
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