(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077130
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】指定アプリケーションを通じた情報交換
(51)【国際特許分類】
H04M 11/00 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
H04M11/00 302
【請求項の数】23
【全頁数】25
(21)【出願番号】特願2015-540924(P2015-540924)
(86)(22)【出願日】2013年11月8日
(65)【公表番号】特表2015-535160(P2015-535160A)
(43)【公表日】2015年12月7日
(86)【国際出願番号】US2013069111
(87)【国際公開番号】WO2014074800
(87)【国際公開日】20140515
【審査請求日】2015年6月8日
(31)【優先権主張番号】201210444200.7
(32)【優先日】2012年11月8日
(33)【優先権主張国】CN
(31)【優先権主張番号】14/074,474
(32)【優先日】2013年11月7日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510330264
【氏名又は名称】アリババ・グループ・ホールディング・リミテッド
【氏名又は名称原語表記】ALIBABA GROUP HOLDING LIMITED
(74)【代理人】
【識別番号】110000028
【氏名又は名称】特許業務法人明成国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】メン・チャオフェン
(72)【発明者】
【氏名】チェン・シャオウェイ
(72)【発明者】
【氏名】チェン・リンギュン
(72)【発明者】
【氏名】ジュ・フェン
(72)【発明者】
【氏名】スー・ジー
【審査官】
望月 章俊
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0286586(US,A1)
【文献】
特開平9−214624(JP,A)
【文献】
特開2010−244273(JP,A)
【文献】
米国特許第6333973(US,B1)
【文献】
特開2007−104455(JP,A)
【文献】
国際公開第2008/065662(WO,A2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H04M11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
サーバであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、前記少なくとも1つのプロセッサに命令を提供するように構成された少なくとも1つのメモリと、を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
クライアントデバイスとの間に音声通信リンクを確立することと、
指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドを、前記音声通信リンクを通じて前記クライアントデバイスに送信することであって、
前記起動コマンドは、前記指定アプリケーションを前記クライアントデバイスにおいて起動させるように構成され、
前記クライアントデバイスは、前記サーバから受信した前記起動コマンドを、値の集合に変換するように構成され、
前記指定アプリケーションに対応する格納された既定の値の集合に、前記値の集合が対応するという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記クライアントデバイスが、ユーザの介入なしに、前記指定アプリケーションを起動するのに使用するように、前記値の集合が構成される、起動コマンドの送信と、
前記指定アプリケーションからの入力情報を受け取ることにより前記クライアントデバイスにおいて実行される前記指定アプリケーションとの間で、情報を交換することであって、前記指定アプリケーションは、ユーザからの前記入力情報を受信するように構成される、情報の交換と、
を行うように構成される、サーバ。
【請求項2】
請求項1に記載のサーバであって、
前記起動コマンドは、1つ以上の信号を含む、サーバ。
【請求項3】
請求項2に記載のサーバであって、
前記1つ以上の信号は、1つ以上のデュアルトーン多重周波数信号を含む、サーバ。
【請求項4】
請求項2に記載のサーバであって、
前記1つ以上の信号は、1つ以上のオーディオ信号を含む、サーバ。
【請求項5】
方法であって、
サーバが、クライアントデバイスとの間に音声通信リンクを確立することと、
指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドを、前記音声通信リンクを通じて前記サーバが前記クライアントデバイスに送信することであって、
前記サーバから受信された前記起動コマンドは、前記指定アプリケーションを前記クライアントデバイスにおいて起動させるように構成され、
前記クライアントデバイスは、前記サーバから受信した前記起動コマンドを、値の集合に変換するように構成され、
前記指定アプリケーションに対応する格納された既定の値の集合に、前記値の集合が対応するという決定に少なくとも部分的に基づいて、前記クライアントデバイスが、ユーザの介入なしに、前記指定アプリケーションを起動するのに使用するように、前記値の集合が構成される、起動コマンドの送信と、
1つ以上のプロセッサを使用し、前記指定アプリケーションからの入力情報を受け取ることにより前記クライアントデバイスにおいて実行される前記指定アプリケーションとの間で、前記サーバが情報を交換することであって、前記指定アプリケーションは、ユーザからの前記入力情報を受信するように構成される、情報の交換と、
を備える方法。
【請求項6】
請求項5に記載の方法であって、
前記起動コマンドは、1つ以上の信号を含む、方法。
【請求項7】
請求項6に記載の方法であって、
前記1つ以上の信号は、1つ以上のデュアルトーン多重周波数信号を含む、方法。
【請求項8】
請求項6に記載の方法であって、
前記1つ以上の信号は、1つ以上のオーディオ信号を含む、方法。
【請求項9】
請求項5に記載の方法であって、
前記指定アプリケーションのユーザインターフェースは、1つ以上のプロンプトと、1つ以上の入力エリアとを提示するように構成される、方法。
【請求項10】
請求項9に記載の方法であって、
前記指定アプリケーションのユーザインターフェースは、制御を含み、前記1つ以上の入力エリアに入力される情報は、ユーザによる前記制御の選択を受けて前記クライアントデバイスから前記サーバに送信されるように構成される、方法。
【請求項11】
デバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、前記少なくとも1つのプロセッサに命令を提供するように構成された、少なくとも1つのメモリと、を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
サーバとの間に音声通信リンクを確立することと、
指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドを、前記音声通信リンクを通じて前記サーバから受信することであって、前記サーバから受信した前記起動コマンドは、前記指定アプリケーションを起動させるために使用されるように構成され、前記起動コマンドは値の集合を特定する、起動コマンドの受信と、
前記サーバから受信した前記起動コマンドを、値の集合に変換することと、
前記指定アプリケーションに対応する格納された既定の値の集合に、前記値の集合が対応するという決定に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの介入なしに、前記指定アプリケーションを起動するのに、前記値の集合を使用することと、
前記指定アプリケーションを使用して前記サーバとの間で情報を交換することであって、前記指定アプリケーションは、前記サーバに送信されるべき入力情報をユーザから受信するように構成される、情報の交換と、
を行うように構成される、デバイス。
【請求項12】
請求項11に記載のデバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記サーバに関係付けられた電話番号を呼び出すように構成される、デバイス。
【請求項13】
請求項11に記載のデバイスであって、
前記起動コマンドは、1つ以上の信号を含む、デバイス。
【請求項14】
請求項13に記載のデバイスであって、
前記サーバから受信した前記起動コマンドの前記値の集合への変換は、前記1つ以上の信号を、どのデュアルトーン多重周波数信号がどの値に対応するかを示す格納されたデータと、比較することを含む、デバイス。
【請求項15】
請求項11に記載のデバイスであって、
前記サーバから受信した前記起動コマンドの前記値の集合への変換は、所定の変換技術を使用すること、を含む、デバイス。
【請求項16】
請求項11に記載のデバイスであって、
前記指定アプリケーションを起動させることは、前記指定アプリケーションに関係付けられたユーザインターフェースを提示することを含む、デバイス。
【請求項17】
請求項11に記載のデバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記1つ以上の信号を前記サーバに送信する前に、前記入力情報を前記1つ以上の信号に変換するように構成される、デバイス。
【請求項18】
方法であって、
サーバとの間に音声通信リンクを確立することと、
指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドを、前記音声通信リンクを通じて前記サーバから受信することであって、前記サーバから受信した前記起動コマンドは、前記指定アプリケーションを起動させるために使用されるように構成され、前記起動コマンドは値の集合を特定する、起動コマンドの受信と、
前記サーバから受信した前記起動コマンドを、値の集合に変換することと、
前記指定アプリケーションに対応する格納された既定の値の集合に、前記値の集合が対応するという決定に少なくとも部分的に基づいて、ユーザの介入なしに、前記指定アプリケーションを起動するのに、前記値の集合を使用することと、
1つ以上のプロセッサを使用し、前記指定アプリケーションを使用して前記サーバとの間で情報を交換することであって、前記指定アプリケーションは、前記サーバに送信されるべき入力情報をユーザから受信するように構成される、情報の交換と、
を備える方法。
【請求項19】
請求項18に記載の方法であって、さらに、
前記サーバに関係付けられた電話番号を呼び出すことを備える方法。
【請求項20】
請求項18に記載の方法であって、
前記起動コマンドは、1つ以上の信号を含む、方法。
【請求項21】
請求項20に記載の方法であって、
前記サーバから受信した前記起動コマンドの前記値の集合への変換は、前記1つ以上の信号を、どのデュアルトーン多重周波数信号がどの値に対応するかを示す格納されたデータと、比較することを含む、方法。
【請求項22】
請求項18に記載の方法であって、
前記サーバから受信した前記起動コマンドの前記値の集合への変換は、所定の変換技術を使用することを含む、方法。
【請求項23】
請求項18に記載の方法であって、
前記指定アプリケーションを起動させることは、前記指定アプリケーションに関係付けられたユーザインターフェースを提示することを含む、方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
[関連出願の相互参照]
本出願は、2012年11月8日に出願された、発明の名称を「A METHOD AND DEVICE FOR EXCHANGING INFORMATION IN BUSINESS PROCESSES(ビジネスプロセスにおいて情報を交換するための方法および装置)」とする中国特許出願第201210444200.7号の優先権を主張する。該出願は、あらゆる目的のために、参照によって本明細書に組み込まれる。
【0002】
本出願は、通信技術の分野に関する。本出願は、特に、音声通信リンクを通じた情報交換のための技術に関する。
【背景技術】
【0003】
従来、ユーザは、ビジネスに接触したいときに、そのビジネスに関係付けられビジネスサーバの電話番号を呼び出すことができる。ユーザが、ビジネスサーバの電話番号を呼び出すと、ビジネスサーバとの間に音声通信リンクが確立され、ユーザは、音声通信リンクを通じてビジネスサーバとの間で情報交換を開始することができる。
【0004】
例えば、あるホテルの客室を予約したいときに、ユーザは、携帯端末(またはその他の電話端末)を使用して、ホテルに関係付けられたホテルサーバの電話番号に電話をかけることができる。その電話番号がつながると、ユーザの携帯端末とホテルサーバとの間には、音声通信リンクが確立される。
図1は、携帯端末が音声通信リンクを通じてホテルサーバとの間で情報を交換することができる従来のプロセスの一例を示したフローチャートである。例としてのプロセス100では、携帯端末のユーザは、携帯端末を使用して呼び出したサーバに関係付けられたホテルの客室の予約を試みる。
【0005】
102では、音声通信リンクが確立された後、ホテルサーバは、第1の録音を流す。第1の録音は、「セルフヘルプメニューをお聴きになる場合は、1を押してください。代表者につなぐ場合は、2を押してください。」などのメッセージを含んでいてよい。録音を流す目的は、携帯端末に関係付けられたキーパッドを使用して値を入力することを通じて必要サービスを選択するようにユーザを促すことにある。
【0006】
104では、ユーザは、第1の録音に応えて携帯端末キーパッド上のキーを押す。ユーザがセルフヘルプメニューの使用を望んでいると想定すると、ユーザは、携帯端末キーパッド上の番号「1」のキーを押す。携帯端末は、番号「1」に対応する音声パルス信号(例えばデュアルトーン多重周波数信号を含む)をホテルサーバに送信する。
【0007】
106では、ホテルサーバは、音声パルス信号を解析し、携帯端末のユーザによって番号「1」のキーが入力されたことを決定した後、ユーザがセルフヘルプメニューサービスを選択したことを決定する。その結果、ホテルサーバは、メッセージ「お客様の識別番号を入力し、最後に「#」キーを使用してください。」を含む第2の録音を流す。
【0008】
108では、ユーザは、携帯端末キーパッドを通じて自身の識別番号を入力する。携帯端末は、ユーザによって入力された識別番号の各番号に対応する音声パルス信号をホテルサーバに送信する。
【0009】
110では、ホテルサーバは、それが受信する各音声パルス信号を解析し、対応する番号を得て、これらの得られた一連の番号をユーザの識別番号として保存する。例えば、ホテルサーバは、携帯端末から受信する各音声パルス信号に対応する番号の保存を、「#」キーに関係付けられたものとしてホテルサーバによって識別される音声パルス信号を受信するまで続けてよく、この時点で、ホテルサーバは、現時点で保存されている番号が、ユーザによって入力された完全な識別番号を形成していることを決定する。続いて、ホテルサーバは、メッセージ「お客様の識別番号はABCDEです。よろしければ1を、入力しなおす場合は0を押してください。」を含む録音を流すことができる。ここでは、「ABCDE」は、ユーザによって携帯端末に入力された番号に対応する保存された番号を表している。言い換えると、「#」キーに関係付けられた音声パルス信号が受信されたことが決定された後、ホテルサーバは、ユーザが自身が識別番号を正しく入力したかどうかを確定することができるように、ユーザによって先に入力された格納された識別番号をオーディオ形式で再生する。
【0010】
112では、ユーザは、先に入力されたユーザ識別番号の確定に関係付けられた携帯端末キーパッド上のキーを押す。例えば、ユーザによって先に入力されたオーディオ形式の識別番号を含む、ホテルサーバによって再生される音声メッセージは、先に入力されたユーザ識別番号を携帯端末キーパッド上の「1」キーを押すことによって確定するか、またはユーザ識別番号を入力しなおしたいことを「2」キーを押すことによってホテルサーバに通知するかをユーザに訪ねるメッセージも含んでいてよい。この例では、ユーザは、携帯端末キーパッド上の「1」キーを押すことによって、先に入力されたユーザ識別番号が正しかったことを確定したいとする。携帯端末は、番号「1」に対応する音声パルス信号をホテルサーバに送信する。
【0011】
114では、ホテルサーバは、音声パルス信号を解析し、番号「1」を得て、該解析に基づいて、ユーザが自身が入力したユーザ識別番号を確定したことを決定する。ホテルサーバは、ユーザが自身が先に入力したユーザ識別番号を確定したことを決定すると、ユーザによるそのホテルの客室の予約を可能にすることに関わる後続のステップを実施することができる。後続のステップの例として、上述されたやり方と同様に、ホテルサーバが別の録音を使用し、クレジットカード番号を入力するようにユーザを促すことが挙げられる。例えば、ホテルサーバは、予約された客室のデポジットを課すことができるように、ユーザのクレジットカード番号の取得を希望することができる。
【0012】
図1に示されたプロセスからわかるように、従来のプロセスでは、ユーザは、音声通信リンクを使用してビジネスサーバとの間で情報を交換するときに、対応する番号を表す音声パルス信号を携帯端末キーパッドを通じてビジネスサーバに送信することに限定される。ビジネスサーバも、やはり、オーディオ形式でユーザを先へ促すことに限定される。このような情報交換モードは、比較的制約されており、非効率的である。具体的には、ユーザは、携帯端末キーパッドに一連の値(例えば自身の識別番号またはクレジットカード番号)を正しく入力できなかったときに、識別番号(もしくはクレジットカード番号)の値または文字列全体を入力なおす必要があり、これは、非効率的である。
【図面の簡単な説明】
【0013】
以下の詳細な説明および添付の図面において、本発明の様々な実施形態が開示される。
【0014】
【
図1】携帯端末が音声通信リンクを通じてホテルサーバとの間で情報を交換することができる従来のプロセスの一例を示したフローチャートである。
【0015】
【
図2】情報交換のためのシステムの一実施形態を示した図である。
【0016】
【
図3】クライアントデバイスとの間で情報を交換するためのプロセスの一実施形態を示したフローチャートである。
【0017】
【
図4】ビジネスサーバとの間で情報を交換するためのプロセスの一実施形態を示したフローチャートである。
【0018】
【
図5】指定アプリケーションのユーザインターフェースの一例を示した図である。
【0019】
【
図6】情報を交換するためのシステムの一実施形態を示した図である。
【0020】
【
図7】情報を交換するためのシステムの一実施形態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
本発明は、プロセス、装置、システム、合成物、コンピュータ読み取り可能なストレージ媒体に実装されたコンピュータプログラム製品、ならびに/または結合先のメモリに記憶された命令および/もしくは結合先のメモリによって提供される命令を実行するように構成されたプロセッサのようなプロセッサなどの、数々の形態で実現することができる。本明細書では、これらの実現形態、または本発明がとりえるその他のあらゆる形態を、技術と称することができる。総じて、開示されるプロセスの各ステップの順番は、本発明の範囲内で変更可能である。別途明記されない限り、タスクを実施するように構成されるものとして説明されるプロセッサまたはメモリなどのコンポーネントは、所定時にタスクを実施するように一時的に構成された汎用コンポーネントとして、またはタスクを実施するように製造された特殊コンポーネントとして実装可能である。本明細書で使用される「プロセッサ」という用語は、コンピュータプログラム命令などのデータを処理するように構成された1つ以上のデバイス、回路、ならびに/または処理コアを言う。
【0022】
本発明の原理を例示した添付の図面とともに、以下で、本発明の1つ以上の実施形態の詳細な説明が提供される。本発明は、このような実施形態との関わりのもとで説明されるが、いずれの実施形態にも限定されない。本発明の範囲は、特許請求の範囲によってのみ限定され、本発明は、数々の代替形態、変更形態、および均等物を包含している。以下の説明では、本発明の完全な理解を与えるために、数々の具体的詳細が明記されている。これらの詳細は、例示を目的として提供されるものであり、本発明は、これらの詳細の一部または全部を伴わずとも、特許請求の範囲にしたがって実施可能である。明瞭を期するために、本発明に関係した技術分野で知られる技工物は、本発明が不必要に不明瞭にされないように、詳細な説明を省略されている。
【0023】
本明細書では、指定アプリケーションを通じた情報交換の実施形態が説明される。クライアントデバイス上で、1つ以上の指定アプリケーションが動作している。例えば、各指定アプリケーションは、特定のビジネスサービス(例えば客室を予約することやアポイントメントをとること)に関係付けられている。このような各指定アプリケーションは、対応する起動コマンドに関係付けられている。クライアントデバイスを使用しているユーザは、ビジネスサーバに関係付けられた電話番号を呼び出すことによって、そのビジネスサーバへのリクエストを開始させることができる。ビジネスサーバは、クライアントデバイスとビジネスサーバとの間に音声通信リンクが確立されたら起動コマンドをクライアントデバイスに送り返すように構成される。音声通信リンクの一例は、電話接続である。クライアントデバイスは、起動コマンドを解析し、該起動コマンドを使用してクライアントデバイスにおいて指定アプリケーションを起動させるように構成される。指定アプリケーションが起動された後、ユーザは、その起動された指定アプリケーションのユーザインターフェースに情報を入力することができる。起動された指定アプリケーションのユーザインターフェースに入力された情報は、(例えば確立された音声通信リンクおよびデータネットワークの一方または両方を通じて)ビジネスネットワークに送信される。同様に、ビジネスサーバは、起動された指定アプリケーションのユーザインターフェースに表示するために、さらに多くの情報を送信することができる。
【0024】
図2は、情報交換のためのシステムの一実施形態を示した図である。この例では、システム200は、クライアントデバイス202と、ネットワーク204と、ビジネスサーバ206とを含む。ネットワーク204は、高速データネットワークおよび/または電気通信ネットワークを含む。クライアントデバイス202およびビジネスサーバ206は、少なくともネットワーク204を通じて通信する。
【0025】
クライアントデバイス202は、電話機能を含むように構成される。クライアントデバイス202は、キーパッドおよび/またはキーボードを含むように構成される。各種の実施形態では、クライアントデバイス202は、入力インターフェース(例えばタッチ画面)を含むように構成される。クライアントデバイス202に含まれるキーパッドおよび/またはキーボードは、ハードウェアをベースにしたもの(例えば物理的なキーボード)および/またはソフトウェアをベースにしたもの(例えばタッチ画面上にボタンとして見えている仮想的なキーパッドもしくはキーボード)であってよい。クライアントデバイス202の例として、携帯機器、スマートフォン、タブレット端末、および/またはその他の任意のタイプの計算機器が挙げられる。クライアントデバイス202上では、特定のビジネスサービスにそれぞれ対応する1つ以上の指定アプリケーションが動作している。アプリケーションの例として、ホテルの客室を予約する、レストランの予約をする、アポイントメントをセットする、カスタマサービスに問い合わせる、金融取引を行うなどの、ビジネスサービスに対応するものが挙げられる。
【0026】
ビジネスサーバ206は、1つ以上のビジネスサービスのためにリクエストを処理するように構成される。ビジネスサービスの例として、ホテルの客室を予約する、レストランの予約をする、アポイントメントをセットする、カスタマサービスに問い合わせる、金融取引を行うことが挙げられる。リクエスト処理機能を実行するサーバアプリケーションは、ビジネスサーバ206上で動作するように構成される。一部の実施形態では、ビジネスサーバ206に関係付けられた各ビジネスサービスは、1つ以上の電話番号に関係付けられている。ビジネスサービスにリクエストを出す(例えばホテルの客室を予約する)ことを希望するユーザは、クライアントデバイス202(上の例えばキーパッドまたはキーボード)を使用して、ビジネスサービスに関係付けられた電話番号を呼び出すことができる。電話の呼び出しは、ビジネスサーバ206へ振り向けられ、クライアントデバイス202とビジネスサーバ206との間には、音声通信リンクが確立される。音声通信リンクは、例えば、電話接続として確立されてよい。音声通信リンクが確立された後、ビジネスサーバ206は、クライアントデバイス202に起動コマンドを送信するように構成される。起動コマンドは、クライアントデバイス202上で動作しているリクエストされたビジネスサービスに関係付けられた特定の指定アプリケーションに対応している。起動コマンドは、音声通信リンクを通じて伝送可能であるとともに、起動コマンドに対応する指定アプリケーションの起動をトリガするためにクライアントデバイス202によって解釈されるようにも構成された、(1つ以上の)メッセージからなる既定の集合、(1つ以上の)音声パルス信号からなる既定の集合、値からなる既定の集合、またはその他の任意のタイプの既定の通信データを含んでいてよい。一部の実施形態では、クライアントデバイス202上で動作しているソフトウェア(例えばアプリケーション)は、ビジネスサーバ206などのビジネスサーバからの起動コマンドを待ち、(例えば起動コマンドから値の集合を決定することによって)起動コマンドを解釈し、解釈された起動コマンドに関係付けられた指定アプリケーションを起動させる。一部の実施形態では、指定アプリケーションは、起動コマンドを受信および解釈したのと同じアプリケーションを含む。一部の実施形態では、指定アプリケーションは、起動コマンドを受信および解釈したのと異なる別のアプリケーションを含む。
【0027】
起動コマンドに対応する指定アプリケーションが、クライアントデバイス202で起動された後、ユーザは、起動された指定アプリケーションのユーザインターフェースによって、情報を促されるだろう。この例では、クライアントデバイス202で起動された指定アプリケーションのユーザインターフェース210は、プロンプトと、対応する入力エリアとを示している。例えば、プロンプトは、テキストの形でユーザインターフェースに出現することができる。ユーザは、リクエストを完成させるために、起動された指定アプリケーションのユーザインターフェース(の例えば適切な入力エリア)に、要求された情報を同様に入力することができる。起動された指定アプリケーションのユーザインターフェースに入力された情報は、トリガ(例えば起動された指定アプリケーションのユーザインターフェースに関係付けられた「確定送信」制御をユーザが選択すること)を受けて、クライアントデバイス202からビジネスサーバ206に送信可能である。一部の実施形態では、クライアントデバイス202(の例えば起動された指定アプリケーションのユーザインターフェース)に表示するためのさらなる情報が、ビジネスサーバ206からクライアントデバイス202に送信可能である。一部の実施形態では、クライアントデバイス202とビジネスサーバ206との間で交換される情報は、音声通信リンクおよびネットワーク204の一方または両方を通じて送られる。
【0028】
一部の実施形態では、起動コマンドは、1つ以上の信号の形でビジネスサーバ206によって送信される。例えば、ビジネスサーバ206は、クライアントデバイス202に送信される信号を生成するように構成された特殊なメカニズムを含んでいてよい。一部の実施形態では、特殊なメカニズムは、起動コマンドの値に関係付けられたデュアルトーン多重周波数信号を生成するように構成されたソフトウェアを含んでよい。例えば、クライアントデバイス202およびビジネスサーバ206は、それぞれ、どのデュアルトーン多重周波数信号がどの値に対応するかを示すデータを格納するように構成される。例えば、クライアントデバイス202およびビジネスサーバ206は、それぞれ、「0」、「1」、「2」、「3」、「4」、「5」、「6」、「7」、「8」、「9」、「*」、「#」、「A」、「B」、「C」、および「D」の値に対応するがこれらに限定はされないデュアルトーン多重周波数を格納するように構成される。クライアントデバイス202(および/またはクライアントデバイス202上で動作しているソフトウェア)は、格納されたデータを使用して、ビジネスサーバ206から受信された1つ以上の信号から起動コマンドに関係付けられた値の集合を決定するように構成可能である。一部の実施形態では、特殊なメカニズムは、ビジネスサーバ206が、起動コマンドに関係付けられた文字(例えば英数字)を音声通信リンクに載せて運ぶことができるオーディオ信号に変換することを可能にする、所定の変換技術であってよい。例えば、クライアントデバイス202も、ビジネスサーバ206から受信する信号を起動コマンドに関係付けられた値(例えば英数字)の集合に変換することを可能にする、所定の変換技術(例えばオーディオ−テキストコンバータ)を格納するように構成可能である。
【0029】
図3は、クライアントデバイスとの間で情報を交換するためのプロセスの一実施形態を示したフローチャートである。一部の実施形態では、プロセス300は、
図2のビジネスサーバ206において実行に移される。
【0030】
302では、クライアントデバイスとの間に音声通信リンクが確立される。クライアントデバイスを使用しているユーザは、一部の実施形態では、クライアントデバイス上で動作している電話機能を使用して、ビジネスサーバに関係付けられた電話番号を呼び出すことによって、音声通信リンクを開始させることができる。ビジネスサーバは、電話の呼び出しを受けたら、既知の技術を使用して、クライアントデバイスとの間に音声通信リンクを確立することができる。
【0031】
例えば、ビジネスサーバが、ホテルの予約サービスに関係付けられ(この例では、ビジネスサーバは、ホテルサーバとも呼ばれる)、クライアントデバイスを使用しているユーザが、客室の予約をするために、ホテルサーバに関係付けられた電話番号を呼び出したいとする。ホテルサーバにアクセスするために、ユーザは、例えば携帯端末などのクライアントデバイスを使用して、ホテルサーバの電話番号に電話をかけて、そのホテルサーバとの間に通信リンクを確立することができる。
【0032】
304では、指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドが、音声通信リンクを通じてクライアントデバイスに送信される。ここでは、起動コマンドは、指定アプリケーションをクライアントデバイスにおいて起動させるように構成される。
【0033】
クライアントデバイスでは、1つ以上の指定アプリケーションが実行可能である。例えば、指定アプリケーションは、302において音声通信リンクが確立される前に、クライアントデバイス上にインストール可能である。各指定アプリケーションは、それぞれ異なるビジネスサービスに関係付けられてよい。各指定アプリケーションは、また、それぞれ異なる既定の起動コマンド(例えば起動コマンドは値の集合または一連の値を含む)に関係付けられてもよい。ビジネスサーバおよびクライアントデバイスには、各指定アプリケーションをその対応する起動コマンドに関係付けるデータが格納可能である。
【0034】
一部の実施形態では、起動コマンドは、1つ以上の信号の形で送信される。一部の実施形態では、起動コマンドは、ビジネスサーバに関係付けられた特殊なメカニズム(例えばハードウェアおよび/またはソフトウェア)を使用して生成される。例えば、信号は、デュアルトーン多重周波数信号を含んでよい。デュアルトーン多重周波数信号は、2つの周波数のそれぞれのためのトーンを含み、これらの2つの周波数の様々な組み合わせが、キーパッド上の様々な値(例えば、「1」、「2」、「3」など)に対応している。別の一例では、信号は、オーディオ信号を含んでよい。オーディオ信号は、1つ以上の英数字を符号化するまたは表すことができる。オーディオ信号は、クライアントデバイスに送信される前に、クライアントデバイスにも知られている指定の変換技術に基づいて、ビジネスサーバによって変換(例えば復号化)可能である。
【0035】
したがって、クライアントデバイスがビジネスサーバとの間に音声通信リンクを確立した後、ビジネスサーバは、音声通信リンクを使用して、ビジネスサーバのビジネスサービスに関係付けられた指定アプリケーションに対応する起動コマンドをクライアントデバイスに送り返す。
【0036】
ホテルサーバとの間で情報を交換する上記の例に戻ると、ホテルサーバは、端末との間に音声通信リンクを確立した後、ホテルサーバに関係付けられた指定アプリケーションに対応する起動コマンドをクライアントデバイスに送り返す。指定アプリケーションは、客室予約ビジネスサービスに関係付けられたアプリケーションである。一部の実施形態では、音声通信リンクを通じて、ホテルサーバは、起動コマンドを、それぞれの値に対応するデュアルトーン多重周波数信号などの一連の既定の音声パルス信号の形でクライアントデバイスに送り返す。或いは、ホテルサーバは、起動コマンドを、音声通信リンクを通じてオーディオ信号の形で送信してもよく、この場合は、このようなオーディオ信号は、クライアントデバイスに知られた指定の変換技術にしたがって、文字から変換されていてよい。
【0037】
クライアントデバイスが、ビジネスサーバによって送り返された、指定アプリケーションに対応する起動コマンドを受信した後、クライアントデバイス(および/またはクライアントデバイス上で動作しているソフトウェア)は、(例えば1つ以上の信号を含む)起動コマンドを解析し、該起動コマンドに関係付けられた値の集合を決定する。一部の実施形態では、クライアントデバイスは、受信された起動コマンドを、(例えば起動コマンドのフォーマットに関係付けられた)所定の解析技術に基づいて解析する。一部の実施形態では、クライアントデバイスは、起動コマンドを、値(または記号)の集合に解釈、変換、および/または復号化することができる特殊なメカニズム(例えばソフトウェア)を通じて解析する。例えば、もし、起動コマンドが、デュアルトーン多重周波数信号のフォーマットであったならば、クライアントデバイスは、起動コマンドの値の集合を決定するために、どのデュアルトーン多重周波数信号がどの値に対応するかを示す格納されたデータを使用することができる。別の一例では、もし、起動コマンドが、オーディオ信号のフォーマットであったならば、クライアントデバイスは、値の集合を決定するために、所定の変換技術に関係付けられた格納されたデータを使用することができる。
【0038】
起動コマンドに関係付けられた信号から決定された値の集合は、次いで、決定された値の集合に対応する指定アプリケーションを見つけるために、各指定アプリケーションをその対応する起動コマンドに関係付ける(例えば各起動コマンドがそれぞれ1つの値集合に関係付けられている)格納されたデータのなかで探索される。
【0039】
決定された値の集合に対応する指定アプリケーションが見つけられたら、その指定アプリケーションは、起動される。一部の実施形態では、指定アプリケーションの起動は、指定アプリケーションを開くこと、指定アプリケーションを動作させること、および/または指定アプリケーションのユーザインターフェースをクライアントデバイスで提示することを含む。
【0040】
ホテルサーバとの間で情報を交換する上記の例に戻り、クライアントデバイスに格納されるデータが、一連の番号「1」、「2」、および「3」を含む起動コマンドと、客室予約ビジネスサービスに対応する指定アプリケーションとの間の対応関係を示していると想定する。もし、起動コマンドが、デュアルトーン多重周波数信号として送信されたならば、ビジネスサーバに関係付けられた特殊なメカニズムが、起動コマンドを一連の値に解釈し、該決定された一連の値に対応する指定アプリケーションを、格納されたデータのなかで探索する。例えば、ホテルサーバから受信された起動コマンドは、どのデュアルトーン多重周波数信号がどの値に対応するかを示す格納されたデータに基づいて、一連の値「1」、「2」、および「3」に対応すると解釈される。次いで、様々な起動コマンドをそのそれぞれの指定アプリケーションに関係付ける格納されたデータは、一連の値「1」、「2」、および「3」が客室予約ビジネスサービスに関係付けられた指定アプリケーションに対応していることを決定するために使用される。客室予約ビジネスサービスに関係付けられた指定アプリケーションが決定されたら、クライアントデバイスは、その指定アプリケーションを起動させることができる。
【0041】
306では、指定アプリケーションを使用して、クライアントデバイスとの間で情報が交換される。ここでは、指定アプリケーションは、入力情報を受信するように構成され、入力情報は、クライアントデバイスから受信される。
【0042】
上述のように、クライアントデバイスが、指定アプリケーションを起動させた後、クライアントデバイスのユーザは、続いて、指定アプリケーションを通じてビジネスサーバとの間で情報を交換することができる。各種の実施形態では、起動された指定アプリケーションは、クライアントデバイスのユーザとやり取りすることができるユーザインターフェースを含む。例えば、ビジネスサーバが、クライアントデバイスのユーザに情報を促すために、録音を流す必要がある代わりに、指定アプリケーションのユーザインターフェースは、ユーザインターフェースを通じて情報をサブミットするようにユーザを促すために、例えば、テキスト、文字、フィールド、およびフォームを提示することができる。例えば、ユーザインターフェースは、ユーザが(例えば、クライアントデバイスのキーパッドおよび/もしくは一般的なキーボードを使用して)英数字を入力することができる入力エリア、ならびに/またはユーザが選択を行うことができるその他の要素を含んでいてよい。指定アプリケーションを使用してユーザ
から要求されえる情報の例として、ユーザに関係付けられた識別情報(例えばユーザ名やユーザ識別番号)、クレジットカード情報、および/またはビジネスサービスによって必要とされるその他の情報が挙げられる。各種の実施形態では、ユーザインターフェースは、ユーザによって選択されると、ユーザによってユーザインターフェースに入力された情報がビジネスサーバに送信されるような、制御を含む。例えば、制御は、「サブミット」ボタンまたは「確定送信」ボタンを含んでよい。
【0043】
起動された指定アプリケーションに入力された情報は、以下で説明される第1または第2の実施形態のいずれかを使用してビジネスサーバに送信されてよい。
【0044】
第1の実施形態では、起動された指定アプリケーションに入力された情報は、音声通信リンクを通じてビジネスサーバに送信されてよい。例えば、この実施形態は、データネットワークが利用可能でないまたは少なくとも音声通信リンクと同時には利用可能でない場合に使用することができる。例えば、クライアントデバイスは、起動された指定アプリケーションに入力された情報を信号(例えばデュアルトーン多重周波数信号またはオーディオ信号)に変換し、それらの信号を、音声通信リンクを通じてビジネスサーバに送信することができる。ビジネスサーバは、受信された信号を、それらに関係付けられたフォーマットに基づいて解析し、起動された指定アプリケーションにユーザによって入力された情報を決定することができる。
【0045】
ホテルサーバとの間で情報を交換する上記の例に戻り、客室予約ビジネスサービスに関係付けられた
指定されたアプリケーションが起動されたら、ユーザは、指定アプリケーションのユーザインターフェースによって要求された情報を入力することができる。このような情報は、例えば、ユーザ識別情報、ユーザ名、チェックイン時間、およびそのようなその他の情報の、1つ以上を含んでいてよい。ユーザは、所要情報を全て入力した後、アプリケーションのユーザインターフェース上の「確定送信」ボタンを選択した。クライアントデバイスは、すると、ユーザによって入力された情報を取り上げ、該情報を、例えば、指定の変換技術(例えばテキスト−オーディオコンバータ)を使用して信号に変換することができる。クライアントデバイスは、これらの信号を、音声通信リンクを通じてホテルサーバに送信する。ホテルサーバは、信号に関係付けられたフォーマットに関係付けられた解析を使用して、ユーザによって入力された情報を解析し、ユーザ入力情報の値を決定し、該決定されたユーザ入力情報の値に基づいて、客室予約取引を完了させることができる。
【0046】
第2の実施形態では、起動された指定アプリケーションに入力された情報は、データネットワークを通じてビジネスサーバに送信されてよい。一部の実施形態では、ビジネスサーバとの間に確立された音声通信リンクを維持することに関係したリソースのための出費を抑えるために、クライアントデバイスは、データネットワークを使用して指定アプリケーションを通じてビジネスサーバと情報を交換するように切り替える際に、ビジネスサーバとの間の音声通信リンクを終了させることができる。
【0047】
ホテルサーバとの間で情報を交換する上記の例に戻り、クライアントデバイスは、客室予約ビジネスサービスに対応する指定アプリケーションを起動させた後に、ビジネスサーバとの間の音声通信リンクを終了させる。ユーザは、ユーザ識別情報、ユーザ名、チェックイン時間、およびそのようなその他の情報をアプリケーションインターフェースに入力し、該入力情報をビジネスサーバにサブミットする用意が整ったらアプリケーションインターフェース上の「確定送信」ボタンを選択することができる。この実施形態では、クライアントデバイスは、音声通信リンクを通じてではなくデータネットワークを通じて送信しているので、ユーザによって入力された情報を音ベースの信号に変換する必要がない。クライアントデバイスは、ユーザによって入力された情報をデータネットワークを通じて(例えば1つ以上のデータパケットの形で)ホテルサーバにそのまま送信することができる。ホテルサーバは、ユーザによって送信された情報を受信した後、該ユーザ入力情報に基づいて、客室予約取引を完了させることができる。
【0048】
クライアントデバイスおよびビジネスサーバは、音声通信リンクまたはデータネットワークのいずれかを通じて情報の送受信を行ってよいが、一部の実施形態では、クライアントデバイスおよびビジネスサーバは、音声通信リンクまたはデータネットワークの一方または両方を通じて情報の送受信を行うことができる。例えば、クライアントデバイスは、例えば、音声通信リンクもしくはデータネットワークのいずれかの利用可能性または音声通信リンクもしくはデータネットワークの信頼性などの1つ以上の要因に基づいて、交換される情報を送信するために音声通信リンクおよびデータネットワークの一方または両方を使用することを柔軟に選択することができる。
【0049】
一部の実施形態では、指定アプリケーションを通じてユーザ入力情報が受信されたことを受けて、ホテルサーバは、指定アプリケーションのユーザインターフェースに別のプロンプトを表示させる別のコマンドをクライアントデバイスに送信することによって、さらなる情報または情報の再送を要求することができる。クライアントデバイスおよびビジネスサーバは、上述されたような情報の転送および受信(交換)に進んでよく、そこでは、指定アプリケーションのユーザインターフェースがユーザに情報を促し、ユーザがユーザインターフェースに情報を入力し、音声通信リンクを通じてビジネスサーバがオーディオプロンプトを再生する必要なくビジネスサーバに情報が送られる。
【0050】
自動電話メニューシステムを通じてユーザが全ての取引またはその他のリクエストを完了させる必要がある従来の技術と異なり、本明細書で説明される実施形態は、特定のビジネスサービスに対応する指定アプリケーションを自動的にトリガしてクライアントデバイスにおいて起動させ、アプリケーションのユーザインターフェースへの情報の入力に基づいてユーザが所望の取引またはリクエスト完了させることを可能にする。アプリケーションインターフェースのユーザインターフェースは、ユーザがクライアントデバイスのキーパッドまたはキーボードを使用して情報を入力することができる入力フィールドを含んでいてよく、これらの入力エリアを使用して入力される値は、従来の自動電話メニューシステムに応えて入力される値よりも、編集/修正が大幅に容易である。従来の自動電話メニューシステムでは、ユーザは、1つ以上の録音メッセージを聴き続け、情報を入力するために適切な時点まで待ち、先に入力された情報が正しいかまたは再入力が必要かを確認しなければならないのに対し、本明細書で説明される実施形態は、ユーザが、オーディオプロンプトを待つことなくユーザインターフェースに容易に入力することおよび(値の集合全体を入力しなおすのではなく)正しくない値のみを修正することを可能にする。ユーザは、どの値を入力するかがわかるために各録音を全て明確に聴き取る必要がなく、これは、大幅に効率を向上させる。
【0051】
一部の実施形態では、指定アプリケーションのユーザインターフェースの入力エリアに入力されるデータの一部を、クライアントデバイスに事前に格納することができる。次いで、指定アプリケーションが起動されたときに、アプリケーションのユーザインターフェースの入力エリアに関係付けられたこれらの事前格納値は、これらの入力エリアに自動入力するために使用される。指定アプリケーションのユーザインターフェースの入力エリアの少なくとも一部に自動入力するために事前格納データを使用することによって、ビジネスサーバにユーザが情報をサブミットする時間を短縮することができる。一部の実施形態では、ユーザインターフェースの入力エリアが自動入力されたら、それらの情報は、ユーザからのさらなる行為を必要とすることなくビジネスサーバにそのまま送信される。その他の一部の実施形態では、ユーザインターフェースの入力エリアが自動入力されたら、値を自動入力されたこれらの入力フィールドは、ユーザがこれらの自動入力値を編集または修正することおよびユーザがビジネスサーバに情報を送信する制御を選択することができるように、先ず、ユーザに対して提示される。例えば、それぞれの入力エリアを示すメタデータを伴うデータとして、ユーザの識別番号、氏名、ユーザ名、およびそのようなその他のユーザ情報が挙げられる。例えば、事前格納データは、指定アプリケーションが以前使用されたときに対応する入力エリアにユーザ入力されて格納されたデータであってよい。
【0052】
(例えば支払いタイプのビジネスサービスのための)ビジネスサーバとの間で支払い取引を完了させるためには、ユーザは、通常、ビジネスサーバがクレジットカードに代金を請求することができるように、そのクレジットカードに関係付けられたクレジット(またはデビット)カード情報(例えばクレジットカードに関係付けられた氏名およびクレジットカードに関係付けられた番号)をビジネスサーバに送信する必要がある。必ずしも全てのビジネスサービスが支払いを必要とするわけではないが、ビジネスサーバのなかには、取引を完了させるために支払いを必要とするものがある。しかしながら、クライアントデバイスからビジネスサーバへの情報送信は、あまり安全ではないのが一般的であり、したがって、クレジットカード番号に関係付けられた口座は、悪質な活動の危険に曝される恐れがある。指定アプリケーションを使用した支払い取引の安全性を高めるために、一部の実施形態では、起動された指定アプリケーションのユーザインターフェースにユーザ入力または自動入力されたクレジットカード番号(またはデビットカード番号もしくは銀行口座番号などのその他の金融取引情報)が、ユーザ入力または自動入力されたその他の情報とともにビジネスサーバに送信されることはなく、その代わり、クライアントデバイスは、(例えば起動された指定アプリケーションによって、)別個のアプリケーション(例えばバンキングに関係付けられた安全なアプリケーション)または(例えばバンキングに関係付けられたウェブページに向けられる)ウェブブラウザアプリケーションを介する安全な支払いプロセスを呼び出す。例えば、クライアントデバイスが、クレジットカード番号を除くその他の情報をビジネスサーバに送信した後に、ビジネスサーバは、支払情報をクライアントデバイスに返す。ビジネスサーバによって送り返される支払情報の非限定的な例として、ユーザに関係付けられたユーザ情報、ビジネスサーバに関係付けられたある種のビジネス情報、および未払い額に関する情報が挙げられる。例えば、クライアントデバイスは、呼び出されたバンキングアプリケーションまたは呼び出されたバンキングウェブページが、そのそれぞれの安全な手段を使用して取引を完了させることができるように、そのバンキングアプリケーションまたはバンキングウェブページに、ビジネスサーバから受信された支払情報を入力または送信することができる。クレジットカード情報をビジネスサーバ自体に送信する代わりに、別個のアプリケーションまたはウェブページによって、ユーザからビジネスサーバへの支払い取引を完了させることによって、ユーザの金融情報の安全性が向上される。
【0053】
ホテルサーバとの間で情報を交換するにあたり、客室予約ビジネスサービスが、取引を完了させるために支払い(例えば予約した部屋に対するデポジット)を必要とすると想定する。したがって、客室予約ビジネスサービスは、支払いタイプのビジネスサービスである。この例では、客室予約ビジネスサービスに対応する指定アプリケーションが起動されているが、ユーザ入力および/または自動入力情報はまだ、ビジネスサーバに送信されていないと想定する。この例では、クレジットカード情報を除く情報(例えば、ユーザ名、識別番号、チェックイン時間など)が、指定アプリケーションのユーザインターフェースの適切な入力エリアにユーザ入力および/または自動入力されていると想定する。ホテルサーバは、クライアントデバイスによって送信された情報を受信した後に、客室予約リクエストに関係付けられた支払い情報を作成し、該支払情報をクライアントデバイスに送信する。例えば、支払情報には、客室予約リクエストに関係付けられた、客室予約および支払い取引を完了させるために必要とされる情報(例えばユーザ情報、チェックイン時間、ビジネスサービスのタイプ、支払い額)がある。クライアントデバイスは、ホテルサーバから受信された支払情報を、ユーザ入力または自動入力されたユーザのクレジットカード情報とともに使用し、クライアントデバイスにおける別個のアプリケーションを使用した安全なプロセスを通じて支払いを完了させることができる。
【0054】
図4は、ビジネスサーバとの間で情報を交換するためのプロセスの一実施形態を示したフローチャートである。一部の実施形態では、プロセス400は、
図2システム200のクライアントデバイス202において実行に移される。
【0055】
402では、ビジネスサーバとの間に音声通信リンクが確立される。
図3のプロセス300の302において上述されたように、クライアントデバイスを使用しているユーザは、一部の実施形態では、デバイス上で動作している電話機能を使用し、ビジネスサーバに関係付けられた電話番号を呼び出すことによって、音声通信リンクを開始させることができる。
【0056】
404では、指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドが、音声通信リンクを通じてビジネスサーバから受信される。ここでは、起動コマンドは、指定アプリケーションを起動させるために使用されるように構成される。
【0057】
図3のプロセス300の304において上述されたように、クライアントデバイス上では、1つ以上の指定アプリケーションが動作可能である。各指定アプリケーションは、特定のビジネスサービスおよび/またはビジネスサーバに関係付けられてよい。音声通信リンクが確立された後、ビジネスサーバは、特定の指定アプリケーションに対応する起動コマンドをクライアントデバイスに送信する。
【0058】
クライアントデバイスは、値の集合を決定するために、(例えば起動コマンドを復号化および/または変換するアプリケーションを使用することによって)起動コマンドを解析することができる。例えば、各指定アプリケーションは、特定の起動コマンドにも関係付けられており、各指定アプリケーションを対応する起動コマンド(例えば対応する値の集合)に関係付けるデータが、クライアントデバイスに格納されている。したがって、クライアントデバイスは、受信された起動コマンドに関係付けられた指定アプリケーションを決定するために、各指定アプリケーションを対応する起動コマンドに関係付ける格納されたデータを使用することができる。
【0059】
受信された起動コマンドに対応する指定アプリケーションが受信されたら、クライアントデバイスは、その指定アプリケーションを起動させる。一部の実施形態では、指定アプリケーションの起動は、指定アプリケーションを開くこと、指定アプリケーションを動作させること、および/または指定アプリケーションのユーザインターフェースをクライアントデバイスに提示することを含む。
【0060】
406では、指定アプリケーションを使用して、ビジネスサーバとの間で情報が交換される。ここでは、指定アプリケーションは、ビジネスサーバに送信されるように構成された入力情報を受信するように構成される。
【0061】
図3のプロセス300の306において上述されたように、起動された指定アプリケーションのユーザインターフェースは、1つ以上の入力エリアに情報を入力するようにユーザを促すメッセージを含んでいてよい。一部の実施形態では、クライアントデバイスに事前に格納されたデータが、ユーザインターフェースの入力エリアの少なくとも一部を自動入力するために使用されてよく、ユーザは、その自動入力された情報を、ビジネスサーバに送信する前に修正する機会を与えられる。一部の実施形態では、指定アプリケーションのユーザ入力または自動入力情報をビジネスサーバに送信するために、ユーザは、指定アプリケーションのユーザインターフェース上の特定の制御(例えば「確定送信」ボタン)を選択してよく、すると、クライアントデバイスは、それらの情報をビジネスサーバに送信するようにトリガされる。一部の実施形態では、クライアントデバイスは、音声通信リンクおよびデータネットワークの一方または両方を通じて情報を送信することができる。音声通信リンクを通じて情報を送信することを選択する場合は、クライアントデバイスは、先ず、音声通信リンクを通じて伝送可能なフォーマット(例えば信号の集合)に情報を変換するように構成される。
【0062】
クライアントデバイスから情報の集合を受信したことを受けて、ホテルサーバは、(例えば音声通信リンクおよびデータネットワークの一方または両方を通じて)クライアントデバイスに情報を送信してよく、該情報は、指定アプリケーションのユーザインターフェースをアップデートするとともに、ホテルサーバに返送するためのさらなる情報を指定アプリケーションのユーザインターフェースに入力するようにクライアントデバイスにおいてユーザを促すものである。クライアントデバイスおよびビジネスサーバは、所望の取引が完了するまで、ならびに/またはクライアントデバイスおよびビジネスサーバの一方が情報交換の終了を望むまで、このようなやり方で情報を交換し続けることができる。
【0063】
図5は、指定アプリケーションのユーザインターフェースの一例を示した図である。この例では、ユーザインターフェース450は、クライアントデバイス460で受信された起動コマンドを受けて起動された指定アプリケーションに属している。ユーザインターフェース450は、クライアントデバイス460のタッチ画面に表示されてよい。例えば、クライアントデバイス460を使用しているユーザは、銀行のためのカスタマサービスに関係付けられた電話番号を呼び出し、該呼び出しは、銀行に関係付けられたビジネスサーバによって受信され、該ビジネスサーバは、クライアントデバイス460との間に音声通信リンクを確立した。この例では、ユーザによってかけられた番号(「18005557272」)が、ユーザインターフェース450に提示されるとともに、銀行ビジネスサーバとの間に音声通信リンクが確立されてからの経過時間(例えば1:03分)に関係付けられたタイマ464もまた、提示される。ビジネスサーバは、音声通信リンクを通じて(例えば1つ以上の信号の形で)起動コマンドをクライアントデバイス460に送り返した。起動コマンドの受信を受けて、クライアントデバイス460(および/またはクライアントデバイス460上で動作しているソフトウェア)は、起動コマンドを解析し、バンキングサービス指定アプリケーションに合致した値の集合を決定し、この指定アプリケーションは、次いで、クライアントデバイス460において起動された。ユーザインターフェース450は、起動されたバンキングサービス指定アプリケーションのユーザインターフェースの一例である。
【0064】
ユーザインターフェース450は、文字入力(例えば入力エリア452)を通じてはもちろん、複数の選択肢からのユーザ選択(例えばボタン454はこのような選択肢の1つである)を通じて、ユーザに対して情報を要求する。従来、ユーザは、ビジネスサービスのカスタマサービス電話回線を呼び出した後に、メニューを説明する録音(例えば「お客様の口座番号を入力して「#」キーを押してください」)の少なくとも一部を聴く必要がある。これに対し、本明細書で説明されるやり方では、ユーザは、単純に、指定アプリケーションのユーザインターフェースを見ることによって、どの情報を提供するかおよび/またはどの選択肢を選ぶかを知ることができる。この例では、ユーザは、入力エリア452に口座番号を入力するように、ならびに選択肢1「勘定残高をチェックする」、選択肢2「最近の活動をチェックする」、選択肢3「最新のプロモーションを聴く」、および選択肢4「オペレータにつなぐ」などの様々な選択肢を含むメニューから選択を行うように尋ねられる。ユーザは、例えば、クライアントデバイス460の画面上のキーボードを使用して、またはタッチ画面と直接やりとりすることによって、値を入力することができる。ユーザは、ユーザインターフェース450において適切な値および選択を入力したら、「確定送信」ボタン456を選択することができる。ユーザによる「確定送信」ボタン456の選択を受けて、ユーザ入力情報および/または選択は、音声通信リンクおよびデータネットワークの一方または両方を通じてビジネスサーバに送信される。
【0065】
図6は、情報を交換するためのシステムの一実施形態を示した図である。一部の実施形態では、システム500は、クライアントデバイスを含む。この例では、システム500は、接続モジュール502と、受信モジュール504と、トリガモジュール506と、交換モジュール508とを含む。
【0066】
モジュールは、1つ以上のプロセッサ上で実行されるソフトウェアコンポーネントとして、またはプログラマブルロジックデバイスおよび/または特殊用途向け集積回路などのハードウェアとして、実装可能である。これらのモジュールは、本発明の実施形態で説明される方法を(パソコン、サーバ、ネットワーク機器などの)計算装置に実行させるための幾つかの命令を含み、なおかつ(光ディスク、フラッシュストレージデバイス、モバイルハードディスクなどの)不揮発性のストレージ媒体に記憶させることができるソフトウェア製品の形で、具現化可能である。モジュールは、1つのデバイスに実装されてよい、または複数のデバイスに分散されてよい。
【0067】
接続モジュール502は、ビジネスサーバとの間に音声通信リンクを確立するように構成される。
【0068】
受信モジュール504は、少なくとも一部には音声通信リンクに基づいてビジネスサーバによって送り返された、指定アプリケーションに対応する起動コマンドを受信するように構成される。一部の実施形態では、受信モジュール504によって受信される起動コマンドは、1つ以上の信号を含む。例えば、1つ以上の信号として、デュアルトーン多重周波数信号またはオーディオ信号が挙げられる。
【0069】
トリガモジュール506は、受信された起動コマンドにしたがって指定アプリケーションを起動させるように構成される。一部の実施形態では、トリガモジュール506は、値の集合を決定するために、起動コマンドに関係付けられた1つ以上の信号を解析するように構成される。例えば、トリガモジュール506は、起動コマンドに関係付けられた1つ以上の信号を、それらの信号のフォーマットに関係付けられたやり方で解析するように構成される。例えば、信号がデュアルトーン多重周波数信号である場合は、トリガモジュール506は、値の集合を決定するために、様々なデュアルトーン多重周波数をそれに対応する様々な値に対応付けた格納されたデータを使用するように構成される。別の例として、信号がオーディオ信号である場合は、トリガモジュール506は、値の集合を決定するために、所定の変換技術を使用するように構成される。
【0070】
交換モジュール508は、指定アプリケーションを通じてビジネスサーバとの間で情報を交換するように構成される。一部の実施形態では、交換モジュール508は、指定アプリケーションを通じて、音声通信リンクまたはデータネットワークの一方または両方を介してビジネスサーバとの間で情報を交換するように構成される。一部の実施形態では、データネットワークを通じてビジネスサーバとの間で情報を交換する前に、交換モジュール508は、ビジネスサーバとの間に確立されていた音声通信リンクを終了させるように構成される。一部の実施形態では、交換モジュール508は、指定アプリケーションのユーザインターフェースにユーザによって入力されたまたは自動入力されたユーザ情報を送信するように、およびビジネスサーバによって送り返された支払情報を受信するように、および支払情報を使用して指定アプリケーションを通じて支払い動作を実施するように構成される。
【0071】
図7は、情報を交換するためのシステムの一実施形態を示した図である。一部の実施形態では、システム600は、ビジネスサーバとして具体化される。この例では、システム600は、交換モジュール606と、指示モジュール604と、接続モジュール602とを含む。
【0072】
接続モジュール602は、クライアントデバイスとの間に音声通信リンクを確立するように構成される。
【0073】
指示モジュール604は、指定アプリケーションに対応する起動コマンドを音声通信リンクを通じて送信するように構成される。起動コマンドは、起動コマンドに対応する指定アプリケーションをクライアントデバイスにおいて起動させるように構成される。一部の実施形態では、指示モジュール604は、起動コマンドを1つ以上の信号の形で音声通信リンクを通じて送信するように構成される。
【0074】
交換モジュール606は、指定アプリケーションを通じてクライアントデバイスとの間で情報を交換するように構成される。
【0075】
当業者ならば、本出願の実施形態が、方法、システム、またはコンピュータソフトウェア製品として提供可能であることがわかるはずである。したがって、本出願は、完全にハードウェアで構成される実施形態、完全にソフトウェアで構成される実施形態、またはハードウェアとソフトウェアとを組み合わせた実施形態の形態をとることができる。また、本出願は、コンピュータ操作可能なプログラムコードを含む1つ以上のコンピュータ操作可能なストレージ媒体(磁気ディスクストレージデバイス、CD−ROM、および光ストレージデバイスを含むがこれらに限定はされない)に実装されたコンピュータプログラム製品の形態をとることができる。
【0076】
本出願は、方法、機器(システム)、およびコンピュータプログラム製品に基づくフローチャートおよび/またはブロック図を参照にして説明されている。フローチャートおよび/またはブロック図における各プロセスおよび/または各ブロック、ならびにフローチャートおよび/またはブロック図におけるプロセスおよび/またはブロックの組み合わせは、それぞれ、コンピュータプログラムコマンドを通じて達成可能であることがわかるはずである。これらのコンピュータコマンドは、汎用コンピュータ、特殊用途コンピュータ、埋め込みプロセッサ、またはその他のプログラマブルデータ処理機器のプロセッサに提供されてマシンを作動させることができ、その結果、コンピュータ、またはその他のプログラマブルデータ機器のプロセッサを通じて実行されるコマンドは、フローチャートにおける1つ以上のプロセスおよび/またはブロック図における1つ以上のブロックによって指定された機能を実現するために使用されるデバイスを作動させる。
【0077】
これらのコンピュータプログラムコマンドは、また、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータ処理機器を誘導することができる、特殊作業コンピュータによって読み取り可能なストレージデバイスにも格納可能であり、その結果、これらのコンピュータ読み取り可能なデバイスに格納されたコマンドは、コマンドデバイスを含む製品を作動させる。これらのコマンドデバイスは、フローチャートにおける1つ以上のプロセスおよび/またはブロック図における1つ以上のブロックに指定される機能を実現する。
【0078】
これらのコンピュータプログラムコマンドは、コンピュータまたはその他のプログラマブルデータ処理機器にも取り込み可能であり、その結果、コンピュータまたはその他のプログラマブル機器で一連の操作ステップが実行されてコンピュータ処理が引き起こされる。このようにして、コンピュータまたはその他のプログラマブル機器で実行されるコマンドは、フローチャートにおける1つ以上のプロセスおよび/またはブロック図における1つ以上のブロックで指定される機能を実現するためのステップを提供する。
【0079】
本出願の好ましい実施形態が既に説明されてきたが、当業者ならば、ひとたび基本的な発明的概念を捉えることができれば、これらの実施形態に対してその他の変更または修正を加えることができる。したがって、添付の特許請求の範囲は、好ましい実施形態のみならず、本出願の範囲内に入るあらゆる変更および修正も含むものと解釈される。
【0080】
明らかに、当業者ならば、本発明の趣旨および範囲から逸脱することなく本出願を変更するおよび多様化することができる。したがって、もし、本出願の変更形態および多様化形態が、本出願の特許請求の範囲およびその等価技術の範囲内に入るならば、本出願は、これらの変更形態および多様化形態も同様に対象とすることを意図する。
【0081】
以上の実施形態は、理解を明瞭にすることを目的として幾らか詳細に説明されてきたが、本発明は、与えられた詳細に限定されない。本発明を実現するには、多くの代替的手法がある。開示された実施形態は、例示的なものであり、非限定的である。
本発明は、たとえば、以下のような態様で実現することもできる。
適用例1:
サーバであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、前記少なくとも1つのプロセッサに命令を提供するように構成された少なくとも1つのメモリと、を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
クライアントデバイスとの間に音声通信リンクを確立することと、
指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドを、前記音声通信リンクを通じて前記クライアントデバイスに送信することであって、前記起動コマンドは、前記指定アプリケーションを前記クライアントデバイスにおいて起動させるように構成される、起動コマンドの送信と、
前記指定アプリケーションを使用して前記クライアントデバイスとの間で情報を交換することであって、前記指定アプリケーションは、入力情報を受信するように構成され、前記入力情報は、前記クライアントデバイスから受信される、情報の交換と、
を行うように構成される、サーバ。
適用例2:
適用例1に記載のサーバであって、
前記起動コマンドは、1つ以上の信号を含む、サーバ。
適用例3:
適用例2のサーバであって、
前記1つ以上の信号は、1つ以上のデュアルトーン多重周波数信号を含む、サーバ。
適用例4:
適用例2のサーバであって、
前記1つ以上の信号は、1つ以上のオーディオ信号を含む、サーバ。
適用例5:
適用例1のサーバであって、
前記指定アプリケーションのユーザインターフェースは、1つ以上のプロンプトと、1つ以上の入力エリアとを提示するように構成される、サーバ。
適用例6:
適用例5のサーバであって、
前記ユーザインターフェースは、制御を含み、前記1つ以上の入力エリアに入力される情報は、ユーザによる前記制御の選択を受けて前記クライアントデバイスから前記サーバに送信されるように構成される、サーバ。
適用例7:
方法であって、
クライアントデバイスとの間に音声通信リンクを確立することと、
指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドを、前記音声通信リンクを通じて前記クライアントデバイスに送信することであって、前記起動コマンドは、前記指定アプリケーションを前記クライアントデバイスにおいて起動させるように構成される、起動コマンドの送信と、
1つ以上のプロセッサを使用し、前記指定アプリケーションを使用して前記クライアントデバイスとの間で情報を交換することであって、前記指定アプリケーションは、入力情報を受信するように構成され、前記入力情報は、前記クライアントデバイスから受信される、情報の交換と、
を備える方法。
適用例8:
適用例7の方法であって、
前記起動コマンドは、1つ以上の信号を含む、方法。
適用例9:
適用例8の方法であって、
前記1つ以上の信号は、1つ以上のデュアルトーン多重周波数信号を含む、方法。
適用例10:
適用例8の方法であって、
前記1つ以上の信号は、1つ以上のオーディオ信号を含む、方法。
適用例11:
適用例7の方法であって、
前記指定アプリケーションのユーザインターフェースは、1つ以上のプロンプトと、1つ以上の入力エリアとを提示するように構成される、方法。
適用例12:
適用例1の方法であって、
前記ユーザインターフェースは、制御を含み、前記1つ以上の入力エリアに入力される情報は、ユーザによる前記制御の選択を受けて前記クライアントデバイスから前記サーバに送信されるように構成される、方法。
適用例13:
デバイスであって、
少なくとも1つのプロセッサと、
前記少なくとも1つのプロセッサに結合され、前記少なくとも1つのプロセッサに命令を提供するように構成された、少なくとも1つのメモリと、を備え、
前記少なくとも1つのプロセッサは、
サーバとの間に音声通信リンクを確立することと、
指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドを、前記音声通信リンクを通じて前記サーバから受信することであって、前記起動コマンドは、前記指定アプリケーションを起動させるために使用されるように構成される、起動コマンドの受信と、
前記指定アプリケーションを使用して前記サーバとの間で情報を交換することであって、前記指定アプリケーションは、前記サーバに送信されるように構成された入力情報を受信するように構成される、情報の交換と、
を行うように構成される、デバイス。
適用例14:
適用例13のデバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記サーバに関係付けられた電話番号を呼び出すように構成される、デバイス。
適用例15:
適用例13のデバイスであって、
前記起動コマンドは、1つ以上の信号を含む、デバイス。
適用例16:
適用例15のデバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記1つ以上の信号から値の集合を決定するように構成される、デバイス。
適用例17:
適用例16のデバイスであって、
前記値の集合は、少なくとも一部には、前記1つ以上の信号を、どのデュアルトーン二重周波数信号がどの値に対応するかを示す格納されたデータと、比較することに基づいて決定される、デバイス。
適用例18:
適用例16のデバイスであって、
前記値の集合は、少なくとも一部には、所定の変換技術を使用して前記1つ以上の信号を変換することに基づいて、決定される、デバイス。
適用例19:
適用例16のデバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、
前記値の集合を使用し、前記デバイス上で動作している複数の指定アプリケーションから前記指定アプリケーションを決定することと、
前記指定アプリケーションに関係付けられたユーザインターフェースを提示することを含むやり方で前記指定アプリケーションを起動させることと、
を行うように構成される、デバイス。
適用例20:
適用例13のデバイスであって、
前記1つ以上のプロセッサは、さらに、前記1つ以上の信号を前記サーバに送信する前に、前記入力情報を前記1つ以上の信号に変換するように構成される、デバイス。
適用例21:
方法であって、
サーバとの間に音声通信リンクを確立することと、
指定アプリケーションに関係付けられた起動コマンドを、前記音声通信リンクを通じて前記サーバから受信することであって、前記起動コマンドは、前記指定アプリケーションを起動させるために使用されるように構成される、起動コマンドの受信と、
1つ以上のプロセッサを使用し、前記指定アプリケーションを使用して前記サーバとの間で情報を交換することであって、前記指定アプリケーションは、前記サーバに送信されるように構成された入力情報を受信するように構成される、情報の交換と、
を備える方法。
適用例22:
適用例21の方法であって、さらに、
前記サーバに関係付けられた電話番号を呼び出すことを備える方法。
適用例23:
適用例21の方法であって、
前記起動コマンドは、さらに、1つ以上の信号を含む、方法。
適用例24:
適用例23の方法であって、さらに、
前記1つ以上の信号から値の集合を決定することを備える方法。
適用例25:
適用例24の方法であって、
前記値の集合は、少なくとも一部には、前記1つ以上の信号を、どのデュアルトーン二重周波数信号がどの値に対応するかを示す格納されたデータと、比較することに基づいて決定される、方法。
適用例26:
適用例24の方法であって、
前記値の集合は、少なくとも一部には、所定の変換技術を使用して前記1つ以上の信号を変換することに基づいて決定される、方法。
適用例27:
適用例24の方法であって、さらに、
前記値の集合を使用し、前記デバイス上で動作している複数の指定アプリケーションから前記指定アプリケーションを決定することと、
前記指定アプリケーションに関係付けられたユーザインターフェースを提示することを含むやり方で前記指定アプリケーションを起動させることと、
を備える方法。