(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0006】
用語の定義
本明細書で使用するとき、用語「アルコキシ」は、C1〜C8アルコキシ、及びブチレンオキシド、グリシドールオキシド、エチレンオキシド、又はプロピレンオキシドなどの繰返し単位を有するポリオールのアルコキシ誘導体を含むことが意図される。
【0007】
本明細書で使用するとき、別段の定めのない限り、「アルキル」及び「アルキル末端保護」という用語は、C1〜C18アルキル基、及び一態様では、C1〜C6アルキル基を含むように意図されている。
【0008】
本明細書で使用するとき、別段の定めのない限り、「アリール」という用語は、C3〜C12アリール基を含むように意図されている。
【0009】
本明細書で使用するとき、別途定めのない限り、「アリールアルキル」という用語は、C1〜C18アルキル基、及び一態様では、C1〜C6アルキル基を含むように意図されている。
【0010】
用語「エチレンオキシド」、「プロピレンオキシド」及び「ブチレンオキシド」はそれぞれ、本明細書において、それらの典型的な表記である「EO」、「PO」及び「BO」で示す場合がある。
【0011】
布地処理組成物は、顆粒又は粉末状の多目的又は「強力」洗浄剤、特に洗濯洗剤;液状;ゲル状又はペースト状の多目的洗浄剤、特にいわゆる強力液体型;液体ファインファブリック洗剤;色あせた布地の外観を回復させるための布地回復製品;手洗い用食器洗剤又は軽質食器洗剤、特に高発泡性のもの;食器洗い機用洗剤であって、家庭用及び業務用の様々な錠剤型、粒状型、液体及び泡切れの良いタイプを含む;液体洗浄及び殺菌剤であって、抗菌性ハンドウォッシュタイプ、洗濯用固形石鹸を含む;並びに漂白添加剤及び「シミ取りスティック」又は前処理型などの洗浄助剤であってよい。
【0012】
本明細書で使用するとき、「ランドリー処理組成物」という用語は、別途記載のない限り、顆粒、粉末、液体、ゲル、ペースト、1回分分包、バーの形態及び/又はフレークタイプの洗浄剤及び/又は布地処理組成物を含み、布地を洗濯するための製品、布地用柔軟化組成物、布地仕上げ組成物、布地消臭組成物、及び布地をケア及びメンテナンスするためのその他の製品、並びにこれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限らない。このような組成物は、洗浄工程の前に用いる前処理組成物であっても、すすぎ時添加用組成物、並びに漂白添加剤及び/又は「シミ取りスティック」若しくは前処理組成物或いは乾燥機添加用シートのように基材に香り付けする製品のような洗浄助剤であってもよい。硬質表面処理組成物は、例えば家庭用表面クリーナーを含み、食器手洗い用及び/又は食器洗浄機用の食器洗浄用クリーナーが挙げられる。
【0013】
本明細書で使用するとき、「洗剤組成物」という用語は処理組成物の一部であり、ランドリー又は布地に適用する場合は、洗浄組成物を含み、布地を洗濯するための製品が挙げられるが、これに限らない。このような組成物は、洗浄工程の前に用いる前処理組成物であっても、すすぎ時添加用組成物、並びに、漂白添加剤及び「シミ取りスティック」又は前処理タイプのような洗浄助剤であってもよい。
【0014】
本明細書で使用するとき、「セルロース基材」は、重量基準でセルロースの少なくとも大部分を占めるあらゆる基材を含むことが意図される。セルロースは、木材、綿、リネン、黄麻、及び麻布に見出すことができる。セルロース基材は、粉末、繊維及びパルプの形態、並びに粉末、繊維及びパルプから形成される物品の形態であってもよい。セルロース繊維には、綿、レーヨン(再生セルロース)、アセテート(酢酸セルロース)、トリアセテート(三酢酸セルロース)、及びこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。セルロース繊維から形成される物品には、布地などの繊維物品が挙げられる。パルプから形成される物品には、紙が挙げられる。
【0015】
本明細書で使用するとき、「最大吸光係数」という用語は、400ナノメートル〜750ナノメートルの範囲における最大吸光度の波長(本明細書においては最大波長ともいう)におけるモル吸光係数を指すように意図されている。
【0016】
本明細書で使用するとき、染料の「平均分子量」はその分子量分布によって割り出した平均分子量として記録され、ここで、染料は、その製造プロセスの結果としてポリマー部分(すなわち、繰り返し単位)を含んでおり、そのポリマー部分には繰り返し単位の分布を含んでいてもよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、請求項において使用される「a」及び「an」などの冠詞は、請求項で請求又は記載される1つ以上のものを意味すると理解される。
【0018】
本明細書で使用するとき、「含む(include/s)」及び「含む(including)」という用語は非限定的であることを意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、用語「固体」は、顆粒、粉末、バー及び錠剤の製品形態を含む。
【0020】
本明細書で使用するとき、用語「流体」は、液体、ゲル、ペースト及びガスの製品形態を含む。
【0021】
別途記載のない限り、成分又は組成物の濃度は全て、当該成分又は組成物の活性部分に関するものであり、このような成分又は組成物の市販の供給源に存在し得る不純物、例えば、残留溶媒又は副生成物は除外される。
【0022】
別途明示する場合を除き、パーセント及び比は全て、重量パーセント、重量比とする。別途明示する場合を除き、パーセント及び比は全て、組成物全量に基づいて計算する。
【0023】
フォトクロミック染料
フォトクロミック染料は、電磁放射線を吸収することによる2種の形態間での化学種の可逆的転移によって照明条件の変化に応じて色が変化するものであり、ここで、2種の形態は吸収スペクトルが異なる。これら材料及びその現行の産業上の利用については、S.N.Cornsら著、Coloration Technology,(2009年),第125巻,249〜261頁に概説されている。驚くべきことに、本発明者らは、フォトクロミック染料を布地処理組成物に混入することで所望の審美的特性、及び/又は特に布地色相効果、を有する製品を提供できることを見出した。例えば、フォトクロミック染料は、微光の紫外光の下で、例えばパッケージによって保護されているとき又は布地に沈着して低水準の環境照明に晒されたときに、低水準の着色を呈することによって優れた対光反応性の色相染料になる。しかしながら、染料は、紫外線に晒されると色が非常に濃くなり、特にこの望ましい照明条件下では所望の色相効果を発揮する。
【0024】
フォトクロミック染料は、色相を与えるのに望ましい場所では、処理対象の表面に捕捉されることがあるが、処理対象の表面に直接付着することが好ましい。
【0025】
フォトクロミック染料は、好ましくは、T型フォトクロミズムを示す、すなわち、紫外線又は可視光に晒されると色が変化し、その後、熱駆動プロセスにおいてその光源を取り除いた状態でその元の色に戻る。好ましい種類のフォトクロミック染料は、紫外線及び/又は熱駆動プロセスに晒されると、処理対象の布地上で540〜650nmのピーク吸収波長を示す。好ましい種類のフォトクロミック染料は、置換スピロピラン、置換スピロオキサジン及び置換ナフトピランである。ジアリールエテンもまた、本発明での使用に好適なフォトクロミック染料である。フォトクロミック染料は、この種の発色団を1種以上含んでいてよく、追加の発色団を含んでいてもよい。発色団は、典型的に、以下に例示するように、フォトクロミック染料の光学効果を最適化する又は特定の媒質への溶解性及び/又は表面持続性を最適化する目的で複数の基で置換されている。好適な置換基としては、任意に置換されたアルキル、好ましくはC1〜5アルキル、より好ましくはメチル、任意に置換されたアリール、アルカリル若しくはアリールアルキル、任意に置換された複素環基、ハロゲン、ニトロ、ニトリル、ヒドロキシル、任意に置換されたアミノ、任意に置換されたアルコキシル、水可溶化基、好ましくは炭素原子数最大20のものが挙げられる。好ましい複素環基としては、例えば、ピぺリジン、モルホリン、ピぺリジン、ピロリジン、ピロリジンが挙げられる。好ましい「水可溶化基」としては、スルホネート、スルフェート、カルボキシレート、及び任意に置換された合成及び天然重合性基、例えばオリゴ糖、多糖類、ポリオール、ポリ(アルキレンイミン)、ポリ(オキシアルキレン)、ポリ(アルキレングリコール)が挙げられる。フォトクロミック染料は、無色形態へ戻るフォトクロミック染料の逆転換に対して立体障害となる巨大置換基を構成することが好ましい場合があることから、光に晒されていないか又は光への暴露が軽減された状態でしばらくの間布地色相効果が残存する。特に好ましい立体障害性基は、環構造を含むもの、例えばアリール若しくはアルカリル、アリールアルキル又は複素環基或いは三級アミン基から選択され得る。かかる立体障害性基は、少なくとも3個の炭素原子又は少なくとも6個の炭素原子、好ましくは20個以下の炭素原子を有することが好ましい可能性がある。
【0026】
フォトクロミック染料は、スピロピラン発色団を含んでいてよい。スピロピラン発色団のフォトクロミック効果を以下に示す。
【0028】
好適な置換スピロピランとしては次の構造が挙げられる。
【0029】
【化2】
R、R’、R’’は、アルキル、好ましくはC1〜5アルキル、最も好ましくはメチルである。
X、Yはそれぞれ独立して、H、アルキル、ハロゲン、アミノ、アルコキシル、水可溶化基であるか、又はX、Yは合わせて、シクロアルキル、好ましくは最大C20のものである。
【0030】
好適なスピロピラン系フォトクロミック染料の例を以下の構造で表す。
【0032】
フォトクロミック染料は、スピロオキサジン発色団を含んでいてよい。スピロオキサジン発色団のフォトクロミック効果を以下に示す。
【0034】
好適な置換スピロオキサジンの例としては次の構造が挙げられる。
【0035】
【化5】
R、R’、R’’は、アルキル、好ましくはC1〜5アルキル、最も好ましくはメチルである。
X、Yはそれぞれ独立して、H、アルキル、ハロゲン、アミノ、アルコキシル、水可溶化基であるか、又はX、Yは合わせて、シクロアルキルである。
【0036】
Aは、アリール、好ましくは最大20個の炭素原子を含むものである。
【0037】
好適なスピロオキサジン系フォトクロミック染料の例としては以下の構造が挙げられる。
【0039】
フォトクロミック染料は、ナフトピラン発色団を含んでいてよい。ナフトピラン発色団のフォトクロミック効果を以下に示す。
【0041】
好適な置換ナフトピランの例としては次の構造が挙げられる。
【0042】
【化8】
X、Y、Zは、H、アルキル、ハロゲン、アミノ、アルコキシル、水可溶化基から選択される1種以上の置換基であるか、又はX、Y,Zは合わせて、シクロアルキルである。
【0043】
好適なナフトピラン系フォトクロミック染料の具体例を以下の構造で表す。
【0045】
フォトクロミック染料は、ジアリールエテン発色団を含んでいてよい。ジアリールエテンのフォトクロミック効果は、ジチエニルエテンについての以下に示すようなペリ環状転位反応によって作用し、この場合、閉環形態が着色している。
【0047】
R基は、独立して、アルキル、好ましくはC1〜5アルキル、最も好ましくはメチルから選択される。R6は、H、アルキル、ハロゲン、アミノ、アルコキシル、水可溶化基から選択される1種以上の置換基であってもよく、又は2個のR6基が合わせて、シクロアルキルであってもよい。二重結合の2つの自由α位を5員環又は6員環に結合することで、二重結合をシス型に組み込んでもよい。
【0048】
上記例において、好適な「水可溶化基」としては、スルホネート、スルフェート、カルボキシレート、及び合成及び天然ポリマー、例えばオリゴ糖、多糖類、ポリオール、ポリ(アルキレンイミン)、ポリ(アルキレンオキシ)、ポリ(アルキレングリコール)が挙げられる。
【0049】
本発明で使用されるフォトクロミック染料は、当業者に既知の方法で合成可能である。例えば、本発明により使用するのに好適なスルホン化スピロオキサジン染料の合成方法は、S.M.R.Billahら著、Coloration Technology、(2012年)128、488〜492頁に記載されている。
【0050】
典型的には、上記の染料は、用いられる有機合成ルートによって形成される反応生成物の混合物の形態で、本発明の組成物に組み込むことになり、このような反応混合物は典型的には、フォトクロミック染料、又はフォトクロミックク染料混合物、そして更には、多くの場合、副反応の反応生成物並びに/又は微量の反応中間体及び/若しくは未反応出発原料を含むことになる。対象とする染料以外の不純物を除去するのが好ましい場合もあるが、この除去は、反応生成物の混合物を本発明による組成物において直接用いる場合もあるので、必須ではない。更に、ランドリーケア組成物の耐用年数を通じて、当該組成物内での染料と添加剤との相互作用が染料化合物の特定の追加反応を引き起こす可能性もある。一例は、酸素存在下で保存されたときのエトキシレート鎖の周知の自動酸化であり、微量の不純物が形成される可能性がある。かかる周知の方法が原因とされる不純物は、明らかに、様々な同様に周知の方法、例えば、製造、保存及び輸送にかかる温度を低下させること、材料を酸素から保護すること、又は確立されかつ多くの場合に用いられる多くの一次若しくは二次酸化防止剤のうちのいずれかを包含させることによって軽減又は排除することが可能である。不透明な又は着色されたパッケージの使用は、紫外/可視スペクトルの一部又は全部取り除くことができる。金属は、キレートを用いて封鎖することができる。酸素又はヒドロペルオキシドとほぼ化学量論的に反応してその固有分子を酸化させる可能性のある酸化防止剤及び/又はいわゆる二次酸化防止剤も使用してよい。二次酸化防止剤の例は硫黄化合物及び/又はリン化合物であって、低い原子化状態のヘテロ原子、例えばチオエーテル及び亜リン酸エステルを含有する。かかる材料の相乗的組み合わせを使用して望ましくない劣化を抑えてもよい。光、遷移金属のキレート化反応(chealtion)、及びブチル化ヒドロキシルトルエン(BHT)などの酸化防止剤の低濃度(製品中0.0001〜0.2重量%)の混入から保護するいくつかの手段は、通常の条件では、望ましくないエトキシレート鎖の分解を最小限に抑える又は排除するのに十分である。本発明は、本明細書において定義されたような染料を、任意に、ランドリーケア添加剤との混合前又は混合後に或いはランドリーケア組成物の保存時又はその使用時に存在する不純物と組み合わせて含む、組成物を包含する。
【0051】
典型的には、フォトクロミック染料又はフォトクロミック染料の混合物は、本発明の組成物の0.00001重量%〜5重量%の量、より一般的には本発明の組成物の0.0001重量%又は0.0005重量%〜1重量%又は0.5重量%の量で、本発明の組成物中に存在することになる。
【0052】
本発明の組成物に組み込むために、まずフォトクロミック染料をプレミックス、例えば粒子又は濃縮液に形成する場合、フォトクロミック染料は、プレミックスの重量に対して、0.001重量%又は更には0.01重量%以上、最大で2重量%又は10重量%の濃度で存在していてもよい。
【0053】
添加剤
好適な添加剤は例えば、洗浄性能を補助若しくは増強するためのもの、例えば柔軟化若しくは消臭することによって、洗浄する基材を処理するためのもの、又は、香料、着色剤、非布地シェーディング染料などによる場合と同様に、組成物の審美性を改変するためのものであってよい。好適な添加剤としては、界面活性剤、ビルダー、キレート剤、移染防止剤、分散剤、酵素及び酵素安定剤、触媒物質、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、ポリマー分散剤、粘土質汚れ除去剤/再付着防止剤、増白剤、抑泡剤、染料、色相染料、香料、香料送達系、構造弾性化剤、布地用柔軟剤、担体、ヒドロトロープ、加工助剤、溶媒、追加の染料及び/又は顔料(これらのうちの一部については、以下で更に詳細に論じる)が挙げられるが、これらに限らない。下記開示に加えて、このような他の添加剤の好適な例、及び使用濃度は、米国特許第5,576,282号、同第6,306,812(B1)号及び同第6,326,348(B1)号にみられ、これらは参照により組み込まれる。
【0054】
非フォトクロミック色相剤
本発明の組成物は、非フォトクロミック色相剤を含んでもよい。典型的には、非フォトクロミック色相剤は、布地に青又は紫の色合いをもたらす。非フォトクロミック色相剤は単独で又は組み合わせて使用して、特有な色合いを作り出す、及び/又は異なる種類の布地に色合いをつけることができる。これは、例えば、赤色と緑青色の染料を混合して青又は紫の色合いを生じさせることにより提供され得る。非フォトクロミック色相剤は、アクリジン、アントラキノン(多環式キノンを含む)、アジン、前金属化した(premetallized)アゾを含むアゾ(例えば、モノアゾ、ジアゾ、トリスアゾ、テトラキスアゾ、ポリアゾ)、ベンゾジフラン及びベンゾジフラノン、カロテノイド、クマリン、シアニン、ジアザヘミシアニン、ジフェニルメタン、ホルマザン、ヘミシアニン、インジゴイド、メタン、ナフタルイミド、ナフトキノン、ニトロ及びニトロソ、オキサジン、フタロシアニン、ピラゾール、スチルベン、スチリル、トリアリールメタン、トリフェニルメタン、キサンテン、並びにこれらの混合物を含むが、これらに限定されない任意の既知の染料化学分類から選択してよい。
【0055】
好適な非フォトクロミックな色合いの布地色相剤としては、染料、染料−粘土共役体、並びに有機及び無機顔料が挙げられる。好適な染料としては、小分子染料及びポリマー染料が挙げられる。好適な小分子染料としては、例えば、青、バイオレット、赤、緑、又は黒に分類され、単独で又は組み合わせで所望の色合いをもたらす、直接染料、塩基性染料、反応染料若しくは加水分解した反応性染料、溶剤染料又は分散染料の色指数(C.I.)分類に分類される染料からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料としては、色指数(染料及び着色料技術者協会(Society of Dyers and Colourists)、(Bradford、UK))番号ダイレクトバイオレット染料(9、35、48、51、66、及び99など)、ダイレクトブルー染料(1、71、80、及び279など)、アシッドレッド染料(17、73、52、88及び150など)、アシッドバイオレット染料(15、17、24、43、49、及び50など)、アシッドブルー染料(15、17、25、29、40、45、75、80、83、90、及び113など)、アシッドブラック染料(1など)、ベーシックバイオレット染料(1、3、4、10及び35など)、ベーシックブルー染料(3、16、22、47、66、75及び159など)、分散又は溶媒染料(例えば、米国特許出願公開第2008/034511(A1)号、又は米国特許第8,268,016(B2)号に記載されているもの)或いは米国特許第7,208,459(B2)号に開示されているような染料、並びにこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。別の態様では、好適な小分子染料としては、C.I.番号が、アシッドバイオレット17、ダイレクトブルー71、ダイレクトバイオレット51、ダイレクトブルー1、アシッドレッド88、アシッドレッド150、アシッドブルー29、アシッドブルー113又はこれらの混合物からなる群から選択される小分子染料が挙げられる。
【0056】
好適なポリマー染料としては、例えばポリマーと色原体とを共重合してポリマーの主鎖にしたもの等の、共有結合した(共役したと呼ばれることもある)色原体を含有するポリマー(染料−ポリマー共役体)、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。ポリマー染料としては、国際公開第2011/98355号、米国特許出願公開第2011/225803(A1)号、同第2012/090102(A1)号、米国特許第7,686,892(B2)号、及び国際公開第2010/142503号に記載されるものが挙げられる。
【0057】
別の態様では、適切なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)(Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA))の名称で販売されている布地直接着色剤、及び少なくとも1つの反応染料と、ヒドロキシル部分、一級アミン部分、二級アミン部分、チオール部分及びこれらの混合物からなる群から選択される部分を含むポリマーからなる群から選択されるポリマーと、から形成される染料−ポリマー共役体、からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。更に別の態様では、好適なポリマー染料としては、Liquitint(登録商標)バイオレットCT、リアクティブブルー、リアクティブバイオレット、又はリアクティブレッド染料に共有結合しているカルボキシメチルセルロース(CMC)、例えばMegazyme(Wicklow,Ireland)から商品名AZO−CM−セルロース(AZO−CM−CELLULOSE)、商品コードS−ACMCで販売されているC.I.リアクティブブルー19と共役したCMCなど、アルコキシル化トリフェニル−メタンポリマー着色剤、アルコキシル化チオフェンポリマー着色剤、及びこれらの混合物からなる群から選択されるポリマー染料が挙げられる。
【0058】
好ましい非フォトクロミック色相染料としては、国際公開第08/87497(A1)号及び同第2011/011799号並びに米国特許出願公開第2012/129752(A1)号に見出される白色化剤が挙げられる。本発明で使用するために好適な非フォトクロミック色相剤は、国際公開第2011/011799号の表5の実施例1〜42から選択される染料を含む、前記参考文献に開示される好適な染料であってよい。別の好適な染料は、米国特許第8,138,222号に開示されている。その他の好適な染料は、米国特許第7,909,890(B2)号に開示されている。
【0059】
好適な染料−粘土共役体としては、少なくとも1種のカチオン性/塩基性染料及びスメクタイト粘土、並びにこれらの混合物からなる群から選択される染料−粘土共役体が挙げられる。別の態様では、好適な染料−粘土共役体としては、以下のものからなる群から選択される1つのカチオン性/塩基性染料からなる群から選択される染料−粘土共役体が挙げられる。C.I.番号ベーシックイエロー1〜108、C.I.番号ベーシックオレンジ1〜69、C.I.番号ベーシックレッド1〜118、C.I.番号ベーシックバイオレット1〜51、C.I.番号ベーシックブルー1〜164、C.I.番号ベーシックグリーン1〜14、C.I.番号ベーシックブラウン1〜23、C.I.番号ベーシックブラック1〜11、並びにモンモリロナイト粘土、ヘクトライト粘土、サポナイト粘土、及びこれらの組み合わせからなる群から選択される粘土。更に別の態様では、好適な染料−粘土共役体としては、以下のものからなる群より選択される染料−粘土共役体が挙げられる。モンモリロナイト−ベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、モンモリロナイト−ベーシックブルーB9 C.I.52015共役体、モンモリロナイト−ベーシックバイオレットV3 C.I.42555共役体、モンモリロナイト−ベーシックグリーンG1 C.I.42040共役体、モンモリロナイト−ベーシックレッドR1 C.I.45160共役体、モンモリロナイト−C.I.番号ベーシックブラック2共役体、ヘクトライト−ベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、ヘクトライト−ベーシックブルーB9 C.I.52015共役体、ヘクトライト−ベーシックバイオレットV3 C.I.42555共役体、ヘクトライト−ベーシックグリーンG1 C.I.42040共役体、ヘクトライト−ベーシックレッドR1 C.I.45160共役体、ヘクトライト−C.I.番号ベーシックブラック2共役体、サポナイト−ベーシックブルーB7 C.I.42595共役体、サポナイト−ベーシックブルーB9 C.I.52015共役体、サポナイト−ベーシックバイオレットV3 C.I.42555共役体、サポナイト−ベーシックグリーンG1 C.I.42040共役体、サポナイト−ベーシックレッドR1 C.I.45160共役体、サポナイト−C.I.番号ベーシックブラック2共役体、及びこれらの混合物。
【0060】
好適な顔料としては、フラバントロン、インダントロン、1〜4個の塩素原子を有する塩素化インダントロン、ピラントロン、ジクロロピラントロン、モノブロモジクロロピラントロン、ジブロモジクロロピラントロン、テトラブロモピラントロン、ペリレン−3,4,9,10−テトラカルボン酸ジイミド(イミド基は置換されていないか、或いは、C1−C3アルキル若しくはフェニル又は複素環式ラジカルで置換されていてもよく、このフェニル及び複素環式ラジカルは更に、水溶性を付与しない置換基を有していてもよい)、アントラピリミジンカルボン酸アミド、ビオラントロン、イソビオラントロン、ジオキサジン顔料、銅フタロシアニン(1分子当たり2個以下の塩素原子を有していてもよい)、ポリクロロ−銅フタロシアニン、又はポリブロモクロロ−銅フタロシアニン(1分子当たり14個以下の臭素原子を有する)、及びこれらの混合物からなる群より選択される顔料が挙げられる。
【0061】
別の態様では、好適な顔料としては、ウルトラマリンブルー(C.I.ピグメントブルー29)、ウルトラマリンバイオレット(C.I.ピグメントバイオレット15)、及びこれらの混合物からなる群から選択される顔料が挙げられる。
【0062】
非フォトクロミック色相剤は、次の構造を有していてよい。
【0063】
【化11】
前記式中、
R
1及びR
2は、独立して、H、アルキル、アルコキシ、アルキレンオキシ、アルキルで末端保護されたアルキレンオキシ、尿素及びアミドからなる群から選択され、
R
3は、置換アリール基であり、
Xはスルホンアミド部分並びに任意にアルキル及び/又はアリール部分を含む置換基であり、ここで、置換基は、少なくとも4つのアルキレンオキシ部分を含む少なくとも1つのアルキレンオキシ鎖から構成される。
【0064】
色相剤は、次の成分を含んでいてよい。
a)式(1)のZn−、Ca−、Mg−、K−、Al−、Si−、Ti−、Ge−、Ga−、Zr−、In−又はSn−フタロシアニン化合物:
(PC)−L−(D) (1)
前記式には、結合基Lを介在した共有結合によって少なくとも1つのモノアゾ染料が結合しており、この場合、
PCは金属含有フタロシアニン環構造であり、
Dはモノアゾ染料のラジカルであり、そして
Lは、
【0065】
【化12】
の基であり、
前記式中、
R
20は、水素、C
1〜C
8アルキル、C
1〜C
8アルコキシ又はハロゲンであり、
R
21は、独立して、D、水素、OH、Cl又はFであり、ただしこの場合、少なくとも1つはDであり、
R
100はC
1〜C
8アルキレンであり、
*はPCの結合点であり、
#は染料の結合点である。
【0066】
本発明の組成物に組み込んでよい好ましい追加の布地色相剤は、下記の式(IV)によって特徴付けることができる。
【0067】
【化13】
式中、R’は、H、CH
3、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、R’’は、H、CH
2O(CH
2CH
2O)
zH、及びこれらの混合物からなる群から選択され、式中、x+y≦5であり、y≧1であり、そしてz=0〜5である。
【0068】
更に好ましい追加の色相染料は、下記の構造(V)によって特徴付けることができる。
【0069】
【化14】
この染料は典型的には、1分子当たり平均3〜100個のEO基、好ましくは5個のEO基を有する化合物の混合物である。
【0070】
更なる追加のシェーディング染料は、米国特許出願公開第2008/34511(A1)号(Unilever)に記載されている染料である。好ましい物質は「ソルベントバイオレット13」である。
【0071】
上記布地色相剤は、組み合わせて使用することができる(布地色相剤の任意の混合物を使用することができる)。
【0072】
このような非フォトクロミック色相染料は、本発明の組成物の0.00001〜5重量%の量、より一般的には本発明の組成物の0.0001重量%又は0.0005重量%〜1重量%又は0.5重量%の量で、本発明の組成物中に存在していてよい。
【0073】
本発明の組成物に組み込むために、まず非フォトクロミック染料を、例えば粒子又は濃縮液中でフォトクロミック染料とのプレミックスに形成する場合、当該非フォトクロミック染料は、プレミックスの重量に対して、0.001重量%又は0.01重量%以上、最大で2重量%、或いは10重量%の濃度で存在していてもよい。非フォトクロミック染料は、無機担体(例えば、硫酸塩、炭酸塩、ケイ酸塩、又はゼオライト、又は粘土、或いはこれらの混合物など)と混合する前に、溶媒又は界面活性剤(例えば非イオン性及び/又はアニオン性界面活性剤など)とプレミックスされてもよい。
【0074】
カプセル剤。組成物は、カプセル剤を含み得る。一態様では、カプセル剤は、コアと、内面及び外面を有するシェルと、を含み、該シェルは、該コアをカプセル化する。コアは、いずれのランドリーケア添加剤を含んでもよいが、典型的には、コアは、香料、増白剤、染料、防虫剤、シリコーン、ワックス、着香剤、ビタミン類、布地用柔軟剤、スキンケア剤(一態様ではパラフィン)、酵素、抗菌剤、漂白剤、感覚惹起剤、及びこれらの混合物からなる群から選択された材料を含んでよく、そしてシェルは、ポリエチレン、ポリアミド、ポリビニルアルコール(任意に別のコモノマーを含有する)、ポリスチレン、ポリイソプレン、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリアクリレート、アミノ樹脂(一態様では、前記アミノ樹脂は、ポリウレア、ポリウレタン、及び/又はポリウレアウレタンを含んでもよく、一態様では、前記ポリウレアは、ポリオキシメチレンウレア及び/又はメラミンホルムアルデヒドを含んでよい)、ポリオレフィン、多糖類(一態様では、前記多糖類は、アルギン酸塩及び/又はキトサンを含んでよい)、ゼラチン、セラック、エポキシ樹脂、ビニルポリマー、水不溶性無機物、シリコーン、並びにこれらの混合物からなる群から選択された材料を含んでよい。好ましいカプセル剤は香料を含む。好ましいカプセル剤は、メラミンホルムアルデヒド及び/又は架橋メラミンホルムアルデヒドを含んでもよいシェルを含む。コア材とシェルとを含み、前記シェルは少なくとも部分的に前記コア材を取り囲む、好ましいカプセル剤について開示している。前記カプセル剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%の破壊強度は0.2MPa〜10MPaであってよく、効果剤漏出率は、カプセル化された効果剤の初期総量に対して0%〜20%、又は更には10%若しくは5%未満であってよい。好ましいのは、前記カプセル剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%の(i)粒径が1マイクロメートル〜80マイクロメートル、5マイクロメートル〜60マイクロメートル、10マイクロメートル〜50マイクロメートル、又は更には15マイクロメートル〜40マイクロメートルであり得、及び/又は(ii)前記カプセル剤の少なくとも75%、85%、又は更には90%の粒子壁厚が30nm〜250nm、80nm〜180nm、又は更には100nm〜160nmであり得るものである。ホルムアルデヒドスカベンジャーは、カプセル剤とともに、例えばカプセルスラリー中で用いても、及び/又は、カプセル剤を本発明の組成物に加える前、加えている間、若しくは加えた後に、組成物に加えてもよい。好適なカプセル剤は、米国特許出願公開第2008/0305982(A1)号及び/又は同第2009/0247449(A1)号の教示に従って製造することができる。或いは、適切なカプセル剤は、Appleton Papers Inc.(Appleton,Wisconsin USA)から購入することもできる。
【0075】
好ましい態様では、本発明の組成物は、好ましくはカプセル剤に加えて、付着助剤を含んでもよい。好ましい付着助剤は、カチオン性及び非イオン性ポリマーからなる群から選択される。好適なポリマーとしては、カチオン性デンプン、カチオン性ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルホルムアルデヒド、ローカストビーンガム、マンナン、キシログルカン、タマリンドガム、ポリエチレンテレフタレート、並びに、任意にアクリル酸及びアクリルアミドを含む群から選択された1つ以上のモノマーとともにジメチルアミノエチルメタクリレートを含むポリマーが挙げられる。
【0076】
香料。本発明の好ましい組成物は香料を含む。典型的には、本発明の組成物は、国際公開第08/87497号に記載されているような群から選択された1つ以上の香料原材料を含む香料を含む。しかしながら、ランドリーケア組成物において有用ないずれの香料も用いてよい。香料を本発明の組成物に組み込む好ましい方法は、水溶性ヒドロキシ化合物、メラミン−ホルムアルデヒド又は変性ポリビニルアルコールのいずれかを含むカプセル化された香料粒子を用いるものである。一態様では、このカプセル剤は、(a)1つ以上の水溶性ヒドロキシ化合物、好ましくはデンプンを含む少なくとも部分的に水溶性の固体マトリックスと、(b)この固体マトリックスにカプセル化された香油と、を含む。更なる態様では、香料は、ポリアミン、好ましくはポリエチレンイミンと予め複合化して、シッフ塩基を形成するようにしてもよい。
【0077】
ポリマー。本発明の組成物は、1つ以上のポリマーを含んでもよい。例は、任意に変性されたカルボキシメチルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ポリ(エチレングリコール)、ポリ(ビニルアルコール)、ポリ(ビニルピリジン−N−オキシド)、ポリ(ビニルイミダゾール)、ポリアクリレートのようなポリカルボキシレート、マレイン酸/アクリル酸コポリマー、及びラウリルメタクリレート/アクリル酸コポリマーである。
【0078】
本発明の組成物は、次の一般構造式で表される化合物のような両親媒性洗浄ポリマー、すなわち、ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)n)(CH
3)−N
+−C
xH
2x−N
+−(CH
3)−ビス((C
2H
5O)(C
2H
4O)n)(式中、nは20〜30であり、xは3〜8である。)、又はその硫酸化若しくはスルホン化変異体を1種以上含んでいてよい。一態様では、このポリマーを硫酸化又はスルホン化して、双極性イオン性汚れ浮遊化ポリマーをもたらす。
【0079】
本発明の組成物は好ましくは、布地及び表面からグリース粒子を除去するように、親水性と疎水性の特性が釣り合っている両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーを含む。好ましい両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、コア構造と、そのコア構造に結合した複数のアルコキシレート基と、を含む。両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、好ましくは内側ポリエチレンオキシドブロック及び外側ポリプロピレンオキシドブロックを有するアルコキシル化ポリアルキレンイミンを含んでもよい。典型的には、両親媒性アルコキシル化グリース洗浄ポリマーは、本発明の組成物に、0.005〜10重量%、一般には0.5〜8重量%の量で組み込まれてよい。
【0080】
ポリアクリレートから調製されるものなどの、アルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書において、追加的なグリース除去性能を提供するのに有用である。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは国際公開第91/08281号及び同第90/01815号に記載されている。化学的に、これらのアルコキシル化ポリカルボキシレートは、7〜8個のアクリレート単位ごとに1つのエトキシ側鎖を有するポリアクリレートを含む。側鎖は、式−(CH
2CH
2O)
m(CH
2)
nCH
3を有し、前記式中、mは、2〜3であり、nは、6〜12である。側鎖がポリアクリレート「主鎖」にエステル結合されると、「櫛形」ポリマータイプの構造が提供される。分子量は通常は約2000〜約50,000の範囲内で変動し得る。このようなアルコキシル化ポリカルボキシレートは、本明細書に記載の組成物の約0.05重量%〜約10重量%を占めることがある。
【0081】
補助界面活性剤とその他の補助成分との混合物は、両親媒性グラフトコポリマーとともに用いるのに特に適している。好ましい両親媒性グラフトコポリマー(単一又は複数)は、(i)ポリエチレングリコール主鎖と、(ii)ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、及びこれらの混合物から選択された少なくとも1つのペンダント部分と、を含む。好ましい両親媒性グラフトコポリマーは、BASFから供給されているSokalan HP22である。好適なポリマーとしては、ランダムグラフトコポリマー、好ましくは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有するポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーが挙げられる。このポリエチレンオキシド主鎖の分子量は好ましくは約6000であり、ポリエチレンオキシドのポリ酢酸ビニルに対する重量比は約40〜60であり、グラフト点は、エチレンオキシド単位50個当たり1個以下である。典型的には、両親媒性グラフトコポリマーは、本発明の組成物に、0.005〜10重量%、より一般的には0.05〜8重量%の量で組み込まれる。好ましくは、本発明の組成物は、マレエート/アクリレートランダムコポリマー、又はポリアクリレートホモポリマーのような1つ以上のカルボキシレートポリマーを含む。1つの態様において、カルボキシレートポリマーは、4,000Da〜9,000Da、又は6,000Da〜9,000Daの分子量を有するポリアクリレートホモポリマーである。典型的にはカルボキシレートポリマーは本発明の組成物に0.005〜10重量%、又は0.05〜8重量%の量で組み込まれる。
【0082】
好ましくは、本発明の組成物は、1つ以上の汚れ放出ポリマーを含む。例としては、下記の式(VI)、(VII)、又は(VIII)の1つによって定義されるような構造を有する汚れ放出ポリマーが挙げられる。
(VI) −[(OCHR
1−CHR
2)
a−O−OC−Ar−CO−]
d
(VII) −[(OCHR
3−CHR
4)
b−O−OC−sAr−CO−]
e
(VIII) −[(OCHR
5−CHR
6)
c−OR
7]
f
前記式中、
a、b、及びcは、1〜200であり、
d、e、及びfは、1〜50であり、
Arは、1,4−置換フェニレンであり、
sArは、5位がSO
3Meにより置換されている1,3−置換フェニレンであり、
Meは、Li、K、Mg/2、Ca/2、Al/3、アンモニウム、モノ−、ジ−、トリ−若しくはテトラ−アルキルアンモニウム(アルキル基は、C
1〜C
18アルキル又はC
2〜C
10ヒドロキシアルキルである)、又はこれらの混合物であり、
R
1、R
2、R
3、R
4、R
5及びR
6は、独立して、H又はC
1〜C
18n−若しくはイソ−アルキルであり、
R
7は、直鎖若しくは分枝鎖C
1〜C
18アルキル、又は直鎖若しくは分枝鎖C
2〜C
30アルケニル、又は炭素原子を5〜9個有するシクロアルキル基、又はC
8〜C
30アリール基、又はC
6〜C
30アリールアルキル基である。
【0083】
好適な汚れ放出ポリマーは、Repel−o−texポリマー(例えば、Rhodiaにより供給されているRepel−o−tex SF、SF−2及びSRP6)などのポリエステル汚れ放出ポリマーである。他の好適な汚れ放出ポリマーとしては、Texcareポリマー(例えば、Clariantにより供給されているTexcare SRA100、SRA300、SRN100、SRN170、SRN240、SRN300及びSRN325など)が挙げられる。他の好適な汚れ放出ポリマーは、Marloquestポリマー(例えば、Sasolにより供給されているMarloquest SLなど)である。
【0084】
好ましくは、本発明の組成物は、アルキルセルロース、アルキルアルコキシアルキルセルロース、カルボキシアルキルセルロース、アルキルカルボキシアルキルセルロースから選択されたものを含む、1つ以上のセルロース系ポリマーを含む。好ましいセルロース系ポリマーは、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、メチルヒドロキシエチルセルロース、メチルカルボキシメチルセルロース、及びこれらの混合物を含む群から選択される。一態様では、カルボキシメチルセルロースは、0.5〜0.9のカルボキシメチル置換度と、100,000Da〜300,000Daの分子量を有する。
【0085】
酵素。好ましくは、本発明の組成物は1つ以上の酵素を含む。好ましい酵素は、洗浄性能及び/又は布地ケア効果をもたらす。好適な酵素の例としては、ヘミセルラーゼ、ペルオキシダーゼ、プロテアーゼ、セルラーゼ、キシラナーゼ、リパーゼ、ホスホリパーゼ、エステラーゼ、クチナーゼ、ペクチナーゼ、マンナナーゼ、ペクテートリアーゼ、ケラチナーゼ、レダクターゼ、オキシダーゼ、フェノールオキシダーゼ、リポキシゲナーゼ、リグニナーゼ、プルラナーゼ、タンナーゼ、ペントサナーゼ、マラナーゼ、β−グルカナーゼ、アラビノシダーゼ、ヒアルロニダーゼ、コンドロイチナーゼ、ラッカーゼ及びアミラーゼ、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限定されない。典型的な組み合わせは、例えば、プロテアーゼ及びリパーゼをアミラーゼとともに含んでよい酵素カクテルである。上記の追加の酵素は、本発明の組成物に存在する場合、本発明の組成物の約0.00001重量%〜約2重量%、約0.0001重量%〜約1重量%、又は更には約0.001重量%〜約0.5重量%の酵素タンパク質濃度で存在していてもよい。
【0086】
プロテアーゼ。好ましくは、本発明の組成物は1つ以上のプロテアーゼを含む。好適なプロテアーゼとしては、メタロプロテアーゼ及びセリンプロテアーゼが挙げられ、後者にはサブチリシン(EC 3.4.21.62)などの、中性又はアルカリ性微生物セリンプロテアーゼが挙げられる。適切なプロテアーゼとしては、動物、植物又は微生物由来のものが挙げられる。1つの態様では、このような好適なプロテアーゼは、微生物起源のものであってよい。好適なプロテアーゼとしては、前述の好適なプロテアーゼの化学的に又は遺伝子学的に改変された突然変異体が挙げられる。1つの態様では、好適なプロテアーゼは、アルカリ性微生物プロテアーゼ又は/及びトリプシン型プロテアーゼ等のセリンプロテアーゼであり得る。適切な中性又はアルカリ性プロテアーゼの例としては、以下のものが挙げられる:
(a)サブチリシン(EC 3.4.21.62)(バチルス由来のもの、例えば米国特許第6,312,936(B1)号、同第5,679,630号、同第4,760,025号、同第7,262,042号及び国際公開第09/021867号に記述されているバチルス・レンタス(Bacillus lentus)、バチルス・アルカロフィルス(B. alkalophilus)、バチルス・ズブチリス(B. subtilis)、バチルス・アミロリケファシエンス(B. amyloliquefaciens)、バチルス・プミルス(Bacillus pumilus)及びバチルス・ギブソニー(Bacillus gibsonii)などを含む)。
(b)トリプシン(例えば、ブタ又はウシ由来)などのトリプシン型又はキモトリプシン型プロテアーゼ(国際公開第89/06270号に記述されているフサリウム(Fusarium)プロテアーゼ、及び同第05/052161号及び同第05/052146号に記述されているセルロモナス(Cellumonas)に由来するキモトリプシンプロテアーゼを含む)。
(c)メタロプロテアーゼ(国際公開第07/044993(A2)号に記述されているバチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)由来のものを含む)。
【0087】
好ましいプロテアーゼとしては、バチルス・ギブソニー(Bacillus gibsonii)又はバチルス・レンタス(Bacillus Lentus)由来のものが挙げられる。
【0088】
好適な市販のプロテアーゼ酵素としては、Novozymes A/S(Denmark)によってAlcalase(登録商標)、Savinase(登録商標)、Primase(登録商標)、Durazym(登録商標)、Polarzyme(登録商標)、Kannase(登録商標)、Liquanase(登録商標)、Liquanase Ultra(登録商標)、Savinase Ultra(登録商標)、Ovozyme(登録商標)、Neutrase(登録商標)、Everlase(登録商標)、及びEsperase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Genencor InternationalによってMaxatase(登録商標)、Maxacal(登録商標)、Maxapem(登録商標)、Properase(登録商標)、Purafect(登録商標)、Purafect Prime(登録商標)、Purafect Ox(登録商標)、FN3(登録商標)、FN4(登録商標)、Excellase(登録商標)、及びPurafect OXP(登録商標)の商品名で販売されているもの、Solvay EnzymesによってOpticlean(登録商標)及びOptimase(登録商標)の商品名で販売されているもの、Henkel/Kemiraから入手可能なもの、すなわちBLAP(米国特許第5,352,604号の
図29に示されている配列に、S99D+S101R+S103A+V104I+G159Sの変異を有するもの、以下BLAPと称する)、BLAP R(S3T+V4I+V199M+V205I+L217Dの変異を有するBLAP)、BLAP X(S3T+V4I+V205Iの変異を有するBLAP)、及びBLAP F49(S3T+V4I+A194P+V199M+V205I+L217Dの変異を有するBLAP)(いずれもHenkel/Kemira製)、並びにKaoから入手可能なKAP(A230V+S256G+S259Nの変異を有するバチルス・アルカロフィルス(Bacillus alkalophilus)のサブチリシン)が挙げられる。
【0089】
アミラーゼ。好ましくは、本組成物はアミラーゼを含んでよい。好適なα−アミラーゼとしては、細菌又は真菌由来のものが挙げられる。化学的に又は遺伝子学的に改変された突然変異体(変異体)が含まれる。好ましいアルカリ性α−アミラーゼは、バチルス(Bacillus)の菌種に由来するもの、例えば、バチルス・リケニフォルミス(Bacillus licheniformis)、バチルス・アミロリケファシエンス(Bacillus amyloliquefaciens)、バチルス・ステアロサーモフィルス(Bacillus stearothermophilus)、バチルス・ズブチリス(Bacillus subtilis)、又は他のバチルス属(Bacillus sp)、例えばバチルス属(Bacillus sp)のNCIB 12289、NCIB 12512、NCIB 12513、DSM 9375(米国特許第7,153,818号)、DSM 12368、DSMZ no.12649、KSM AP1378(国際公開第97/00324号)、KSM K36又はKSM K38(欧州特許第1,022,334号)である。好ましいアミラーゼには次のものが挙げられる。
(a)国際公開第99/02597号、同第94/18314号、同第96/23874号、及び同第97/43424号に記載の変異体、特に国際公開第96/23874号で配列番号2として記載の酵素に対して、位置:15、23、105、106、124、128、133、154、156、181、188、190、197、202、208、209、243、264、304、305、391、408及び444のうちの1つ以上が置換された変異体。
(b)米国特許第5,856,164号及び国際公開第99/23211号、同第96/23873号、同第00/60060号、及び同第06/002643号に記載の変異体、特に国際公開第06/002643号で配列番号12として記載のAA560酵素に対して、位置:
26、30、33、82、37、106、118、128、133、149、150、160、178、182、186、193、203、214、231、256、257、258、269、270、272、283、295、296、298、299、303、304、305、311、314、315、318、319、339、345、361、378、383、419、421、437、441、444、445、446、447、450、461、471、482、484のうちの1つ以上が置換された変異体であって、好ましくはD183
*及びG184
*の欠損を含有する変異体。
(c)国際公開第06/002643号での配列番号4(バチルス属722からの野生型酵素)と少なくとも90%の同一性を示し、特に位置183及び184で欠損を有する変異体、並びに本明細書に参照により組み込まれる国際公開第00/60060号に記載の変異体。
(d)バチルス属707(米国特許第6,093,562号の配列番号7)からの野生型酵素と少なくとも95%の同一性を呈する変異体、特に次の変異体、すなわちM202、M208、S255、R172、及び/又はM261を1つ以上含むもの。好ましくはこのアミラーゼは、M202L、M202V、M202S、M202T、M202I、M202Q、M202W、S255N及び/又はR172Qのうちの1つ以上を含む。特に好ましいのは、M202L又はM202T突然変異体を含むものである。
(e)国際公開第09/149130号に記載の変異体、好ましくは国際公開第09/149130号での配列番号1又は配列番号2(ゲオバチルス・ステアロファーモフィルス(Geobacillus Stearophermophilus)からの野生型酵素)と少なくとも90%の同一性を呈する変異体又はその短縮型変異体。
【0090】
適切な市販のα−アミラーゼとしては、DURAMYL(登録商標)、LIQUEZYME(登録商標)、TERMAMYL(登録商標)、TERMAMYL ULTRA(登録商標)、NATALASE(登録商標)、SUPRAMYL(登録商標)、STAINZYME(登録商標)、STAINZYME PLUS(登録商標)、FUNGAMYL(登録商標)及びBAN(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))、KEMZYM(登録商標)AT 9000(Biozym Biotech Trading GmbH(Wehlistrasse 27b A−1200,Wien,Austria))、RAPIDASE(登録商標)、PURASTAR(登録商標)、ENZYSIZE(登録商標)、OPTISIZE HT PLUS(登録商標)、POWERASE(登録商標)及びPURASTAR OXAM(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))、並びにKAM(登録商標)(花王株式会社(日本、103−8210、東京都中央区日本橋茅場町1丁目14−10))が挙げられる。一態様では、好適なアミラーゼとしては、NATALASE(登録商標)、STAINZYME(登録商標)及びSTAINZYME PLUS(登録商標)、並びにこれらの混合物が挙げられる。
【0091】
リパーゼ。好ましくは本発明は、米国特許第6,939,702(B1)号、及び米国特許出願公開第2009/0217464号に記載されているような「第1サイクルリパーゼ」を含む、1つ以上のリパーゼを含む。好ましいリパーゼは、第1洗浄リパーゼである。本発明の一実施形態では、本発明の組成物は、第1洗浄リパーゼを含む。第1洗浄リパーゼとしては、次の特徴を示すアミノ酸配列を有するポリペプチドであるリパーゼが挙げられる。すなわち、(a)フミコーラ・ランギノーザ(Humicola lanuginosa)株DSM 4109に由来する野生型リパーゼと少なくとも90%の同一性を有し、(b)前記野生型リパーゼと比べて、E1の15A若しくはQ249内の3次元構造の表面において、電気的に中性か若しくは負電荷を持つアミノ酸の、正電荷を持つアミノ酸での置換を含み、(c)C末端にペプチド付加を含み、及び/又は(d)N末端にペプチド付加を含み、並びに/或いは(e)i)前記野生型リパーゼのE210の位置に、負電荷を持つアミノ酸を含むこと、ii)前記野生型リパーゼの90〜101の位置に対応する領域に、負電荷を持つアミノ酸を含むこと、及びiii)N94又は前記野生型リパーゼ(N94 or said wild-type lipase)に対応する位置に、中性か若しくは負電荷を持つアミノ酸を含むこと、及び/又は前記野生型リパーゼの90〜101の位置に対応する領域に負又は中性の正味の電荷を有すること、という制限を満たす。好ましいのは、T231R及びN233Rの突然変異を1つ以上含む、サーモマイセス・ラヌゲノウス(Thermomyces lanuginosus)由来の野生型リパーゼの変異体である。野生型配列は、Swissprotのアクセッション番号Swiss−Prot O59952(サーモマイセス・ラヌギノサス(フミコーラ・ラヌギノサ(Humicola lanuginosa)由来)の269個のアミノ酸(アミノ酸23〜291)である。好ましいリパーゼとしては、Lipex(登録商標)、Lipolex(登録商標)、及びLipoclean(登録商標)の商品名で販売されているものを挙げられるであろう。
【0092】
エンドグルカナーゼ。その他の好ましい酵素には、エンド−β−1,4−グルカナーゼ活性(E.C.3.2.1.4)を示す微生物由来のエンドグルカナーゼが含まれ、米国特許第7,141,403(B2)号におけるアミノ酸配列の配列番号2と少なくとも90%、好ましくは94%、より好ましくは97%、更により好ましくは99%の同一性を示す配列を有するバチルス属のメンバー及びこれらの混合物に対して内因性である細菌ポリペプチドが挙げられる。好適なエンドグルカナーゼは、商品名Celluclean(登録商標)及びWhitezyme(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark))として販売されている。
【0093】
ペクテートリアーゼ。その他の好ましい酵素としては、Pectawash(登録商標)、Pectaway(登録商標)及びXpect(登録商標)(いずれもNovozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)の商品名で販売されているペクテートリアーゼ、並びにMannaway(登録商標)(Novozymes A/S(Bagsvaerd,Denmark)製)及びPurabrite(登録商標)(Genencor International Inc.(Palo Alto,California))の商品名で販売されているマンナナーゼが挙げられる。
【0094】
漂白剤。本発明の組成物は1つ以上の漂白剤を含むのが好ましい場合がある。漂白触媒以外の適切な漂白剤としては、光触媒、漂白活性化剤、過酸化水素、過酸化水素源、予形成過酸、及びこれらの混合物が挙げられる。一般に、漂白剤を用いる場合、本発明の組成物は、本発明の組成物の約0.1重量%〜約50重量%、又は更には約0.1重量%〜約25重量%の漂白剤又は漂白剤混合物を含んでよい。適切な漂白剤の例としては、以下のものが挙げられる。
(1)光漂白剤、例えば、スルホン化亜鉛フタロシアニン、スルホン化アルミニウムフタロシアニン、キサンテン染料、及びこれらの混合物。
【0095】
(2)予形成過酸類。好適な予形成過酸としては、予形成ペルオキシ酸又はその塩、典型的には過カルボン酸及び塩、過炭酸及び塩、過イミド酸及び塩、ペルオキソ一硫酸及び塩、例えばOxone(登録商標)、並びにこれらの混合物からなる群から選択された化合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、ペルオキシカルボン酸若しくはその塩、又はペルオキシスルホン酸若しくはその塩が挙げられる。本発明での使用に適した典型的なペルオキシカルボン酸塩は、下記の化学式に対応する化学構造を有する。
【0096】
【化15】
前記式中、式中、R
14は、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、アリール、又は複素環基から選択され、R
14基は、直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換であることができ、過酸が疎水性の場合、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、過酸が親水性の場合、6個未満の炭素原子、又は更には4個未満の炭素原子を有し、Yは、電荷中性をもたらすいずれかの好適な対イオンであり、好ましくはYは、水素、ナトリウム、又はカリウムから選択される。好ましくは、R
14は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換C
6〜9アルキルである。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩は、ペルオキシヘキサン酸、ペルオキシヘプタン酸、ペルオキシオクタン酸、ペルオキシノナン酸、ペルオキシデカン酸、これらの任意の塩、又はこれらの任意の組み合わせから選択される。特に好ましいペルオキシ酸はフタルイミド−ペルオキシ−アルカン酸、具体的にはε−フタルイミドペルオキシヘキサン酸(PAP)である。好ましくは、ペルオキシ酸又はその塩の融点は30℃〜60℃の範囲である。
【0097】
予形成ペルオキシ酸又はその塩はまた、ペルオキシスルホン酸又はその塩であってもよく、典型的に、次の化学式に対応する化学構造を有する。
【0098】
【化16】
前記式中、式中、R
15は、アルキル、アラルキル、シクロアルキル、アリール又は複素環基から選択され、R
15基は、直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換であることができ、Zは、電荷中生をもたらすいずれかの好適な対イオンであり、好ましくは、Zは、水素、ナトリウム、又はカリウムから選択される。好ましくは、R
15は、直鎖又は分岐鎖、置換又は非置換のC
4〜14、好ましくはC
6〜14アルキルである。好ましくは、このような漂白組成物は、本発明の組成物中に0.01〜50%、最も好ましくは0.1%〜20%の量で存在していてもよい。
【0099】
(3)過酸化水素供給源、例えば、無機過水和物の塩であって、アルカリ金属塩、例えば過ホウ酸(通常は、一水和物又は四水和物)ナトリウム塩、過炭酸ナトリウム塩、過硫酸ナトリウム塩、過リン酸ナトリウム塩、過ケイ酸ナトリウム塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明の一態様では、無機過水和物の塩は、過ホウ酸ナトリウム塩、過炭酸ナトリウム塩、及びこれらの混合物からなる群から選択される。使用する場合、無機過水和物の塩は、典型的には、布地ケア製品及びホームケア製品全体の0.05〜40重量%、又は1〜30重量%の量で存在し、典型的にはコーティングされ得る結晶質の固体として布地ケア製品及びホームケア製品に組み込まれる。好適なコーティングとしては、無機塩(ケイ酸、炭酸若しくはホウ酸のアルカリ金属塩、又はこれらの混合物など)、又は有機物質(水溶性若しくは分散性ポリマー、ワックス、油又は脂肪石鹸など)が挙げられる。
【0100】
(4)R−(C=O)−Lで表される漂白活性化剤(前記式中、Rはアルキル基であり、所望により分枝状であり、漂白活性化剤が疎水性の場合には、6〜14個の炭素原子、又は8〜12個の炭素原子を有し、漂白活性化剤が親水性の場合、6個未満の炭素原子、又は更には4個未満の炭素原子を有し、Lは脱離基である)。好適な脱離基の例は、安息香酸及びそれらの誘導体、特にベンゼンスルホネートである。好適な漂白活性化剤類としては、ドデカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシベンゼンスルホネート、デカノイルオキシ安息香酸又はその塩類、3,5,5−トリメチルヘキサノイルオキシベンゼンスルホネート、テトラアセチルエチレンジアミン(TAED)及びノナノイルオキシベンゼンスルホネート(NOBS)が挙げられる。好適な漂白活性化剤はまた、国際公開第98/17767号に開示されている。任意の好適な漂白活性化剤を使用してもよいが、発明の一態様では、対象組成物は、NOBS、TAED又はこれらの混合物を含んでよい。
【0101】
(5)漂白触媒。本発明の組成物は、ペルオキシ酸及び/又はその塩から酸素原子を受け取って、その酸素原子を酸化可能な基材に移動させることができる1つ以上の漂白触媒も含んでよい。好適な漂白触媒としては、イミニウムカチオン及びポリイオン、イミニウム双性イオン、変性アミン、変性アミンオキシド、N−スルホニルイミン、N−ホスホニルイミン、N−アシルイミン、チアジアゾールジオキシド、ペルフルオロイミン、環状糖ケトン、及びαアミノ−ケトン、並びにこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。好適なα−アミノケトンは、例えば、国際公開第2012/000846(A1)号、同第2008/015443(A1)号及び同第2008/014965(A1)号に記載されているものである。好適な混合物は、米国特許出願公開第2007/0173430(A1)号に記載のようなものである。
【0102】
理論に束縛されるものではないが、本発明者らは、この上述の記載のように求電子性(electophilicity)及び疎水性を制御することによって、実質的に、より疎水性の布地領域であって、高求電子性の酸化剤による漂白を受けやすい、可視発色団を含めた電子豊富な汚れを含む布地領域のみに、漂白成分を供給することが可能になると考える。
【0103】
一態様では、漂白触媒は、以下の一般式に対応する構造を有する。
【0104】
【化17】
式中、R
13は、2−エチルヘキシル、2−プロピルへプチル、2−ブチルオクチル、2−ペンチルノニル、2−ヘキシルデシル、n−ドデシル、n−テトラデシル、n−ヘキサデシル、n−オクタデシル、イソ−ノニル、イソ−デシル、イソ−トリデシル及びイソ−ペンタデシルである。
【0105】
(6)本発明の組成物は好ましくは、触媒金属錯体を含んでよい。金属含有漂白触媒の1つの好ましいタイプは、所定の漂白触媒活性を持つ遷移金属カチオン(銅、鉄、チタン、ルテニウム、タングステン、モリブデン、又はマンガンカチオンなど)、漂白触媒活性をあまり又は全く有さない補助金属カチオン(亜鉛又はアルミニウムカチオンなど)、及び、触媒金属カチオン及び補助金属カチオンに対し所定の安定度定数を有する金属イオン封鎖剤(sequestrate)、特にエチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸)、及びそれらの水溶性塩を含む触媒系である。かかる触媒は米国特許第4,430,243号に開示されている。
【0106】
所望する場合、本明細書の組成物はマンガン化合物により触媒作用を受けることが可能である。このような化合物及び使用濃度は当該技術分野において周知であり、例えば、米国特許第5,576,282号に開示されるマンガン系触媒が挙げられる。
【0107】
本明細書において有用なコバルト漂白触媒は既知であり、例えば、米国特許第5,597,936号、米国特許第5,595,967号に記載されている。そのようなコバルト触媒は、例えば米国特許第5,597,936号及び同第5,595,967号の教示のように、既知の手順により容易に調製される。
【0108】
本明細書の組成物は、また、ビスピドン(bispidone)などを配位子とした遷移金属錯体(国際公開第05/042532(A1)号)及び/又は大多環状剛性配位子(「MRL」と略される))の遷移金属錯体を適切に含んでもよい。実際問題として、限定するためではないが、本明細書の組成物及び方法は、水性洗浄媒体において、少なくとも1億分の1のオーダーの活性MRL種を提供するように調整することができ、通常、約0.005ppm〜約25ppm、約0.05ppm〜約10ppm、又は更には約0.1ppm〜約5ppmのMRLを洗浄溶液中に提供する。
【0109】
前記遷移金属漂白触媒における好適な遷移金属としては、例えばマンガン、鉄、及びクロムが挙げられる。好適なMRLとしては、5,12−ジエチル−1,5,8,12−テトラアザビシクロ[6.6.2]ヘキサデカンが挙げられる。
【0110】
適した遷移金属MRLは、既知の手順、例えば、国際公開第00/32601号、及び米国特許第6,225,464号にて教示される手順によって容易に調製される。
【0111】
存在する場合、過酸化水素/過酸及び/又は漂白活性化剤の供給源は一般に、布地及びホームケア製品に対して約0.1〜約60重量%、約0.5〜約40重量%、又は更には約0.6〜約10重量%の量で、本発明の組成物中に存在している。1つ以上の疎水性過酸又はそれらの前駆体は、1つ以上の親水性過酸又はそれらの前駆体と組み合わせて使用してもよい。
【0112】
典型的には、過酸化水素源及び漂白活性化剤は、一緒に組み込むことになる。有効酸素(過酸化物源から供給される酸素)の過酸に対するモル比が1:1〜35:1、又は更には2:1〜10:1となるように、過酸化水素源及び過酸又は漂白活性化剤の量を選択してよい。
【0113】
界面活性剤。好ましくは、本発明の組成物は、界面活性剤又は界面活性剤系を含む。界面活性剤は、非イオン性、アニオン性、カチオン性、両性、両性電解、両親媒性、双極性イオン性、半極性非イオン性界面活性剤、及びこれらの混合物から選択できる。好ましい組成物は、界面活性剤/界面活性剤系の混合物を含む。好ましい界面活性剤系は、1つ以上のアニオン性界面活性剤を、最も好ましくは共界面活性剤と組み合わせて、最も好ましくは非イオン性及び/又は両性及び/又は双極性イオン性界面活性剤と組み合わせて含む。好ましい界面活性剤系は、アニオン性界面活性剤及び非イオン性界面活性剤の両方を、好ましくは90:1〜1:90の重量比で含む。場合によっては、アニオン性界面活性剤と非イオン性界面活性剤との重量比は少なくとも1:1であるのが好ましい。しかしながら、この比は10:1未満であるのが好ましい場合がある。存在する場合、全界面活性剤濃度は好ましくは、本発明の組成物の0.1重量%〜60重量%、1重量%〜50重量%、又は更には5重量%〜40重量%である。
【0114】
好ましくは、本発明の組成物は、アニオン性洗浄性界面活性剤、好ましくはサルフェート及び/又はスルホネート界面活性剤を含む。好ましい例としては、アルキルベンゼンスルホネート、アルキルサルフェート、及びアルキルアルコキシル化サルフェートが挙げられる。好ましいスルホネートは、C
10〜13アルキルベンゼンスルホネートである。好適なアルキルベンゼンスルホネート(LAS)は、市販の直鎖アルキルベンゼン(LAB)をスルホン化することによって得られ、好適なLABには、低2−フェニルLAB、例えば、Isochem(登録商標)という商品名でSasolから提供されるもの、又はPetrelab(登録商標)という商品名でPetresaから提供されるものが含まれ、他の好適なLABには、高2−フェニルLAB、例えば、Hyblene(登録商標)という商品名でSasolから提供されるものが含まれる。好適なアニオン性洗浄性界面活性剤は、DETAL触媒プロセスによって得られるアルキルベンゼンスルホネートであるが、HF等の他の合成経路が好適な場合もある。一態様では、LASのマグネシウム塩を用いる。
【0115】
好ましいサルフェート洗浄性界面活性剤としては、アルキルサルフェート、典型的にはC
8〜18アルキルサルフェート、又は主にはC
12アルキルサルフェートが挙げられる。更に好ましいアルキルサルフェートはアルキルアルコキシル化サルフェート、好ましくはC
8〜18アルキルアルコキシル化サルフェートである。好ましくはアルコキシル化基はエトキシル化基である。典型的には、アルキルアルコキシル化サルフェートの平均アルコキシル化度は0.5〜30若しくは20、又は0.5〜10である。特に好ましいのは、平均エトキシル化度が0.5〜10、0.5〜7、0.5〜5、又は更には0.5〜3のC
8〜18アルキルエトキシル化サルフェートである。
【0116】
アルキルサルフェート、アルキルアルコキシル化サルフェート及びアルキルベンゼンスルホネートは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換であっても非置換であってもよい。界面活性剤が分岐状である場合、好ましくは、界面活性剤は、中鎖分岐サルフェート又はスルホネート界面活性剤を含むことになる。好ましくは、分岐基はC
1〜4アルキル基、典型的にはメチル及び/又はエチル基を含む。
【0117】
好ましくは、本発明の組成物は非イオン性洗浄性界面活性剤を含む。好適な非イオン性界面活性剤は、C
8〜C
18アルキルエトキシレート(Shellの非イオン性界面活性剤NEODOL(登録商標)など)、C
6〜C
12アルキルフェノールアルコキシレート(そのアルコキシレート単位は、エチレンオキシ単位、プロピレンオキシ単位、又はこれらの混合物であってよい)、BASFのPluronic(登録商標)のようなエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロックポリマーとのC
12〜C
18アルコール縮合物及びC
6〜C
12アルキルフェノール縮合物、C
14〜C
22中鎖分岐アルコール、C
14〜C
22中鎖分岐アルキルアルコキシレート(典型的には平均アルコキシル化度が1〜30のもの)、アルキル化多糖類(一態様ではアルキルポリグリコシド)、ポリヒドロキシ脂肪酸アミド、エーテル末端保護ポリ(オキシアルキル化)アルコール界面活性剤、並びにこれらの混合物からなる群から選択する。
【0118】
好適な非イオン性洗浄界面活性剤としては、アルキルポリグルコシド及び/又はアルキルアルコキシル化アルコールが挙げられる。
【0119】
一態様では、非イオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルアルコキシル化アルコール、一態様ではC
8〜18アルキルアルコキシル化アルコール、例えばC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールが挙げられ、このアルキルアルコキシル化アルコールの平均アルコキシル化度は1〜80、好ましくは1〜50、最も好ましくは1〜30、1〜20、又は1〜10であってよい。一態様では、アルキルアルコキシル化アルコールは、平均エトキシル化度が1〜10、1〜7、更には1〜5、若しくは3〜7、又は更には3若しくは2未満のC
8〜18アルキルエトキシル化アルコールであってよい。アルキルアルコキシル化アルコールは、直鎖であっても分枝鎖であってもよく、置換であっても非置換であってもよい。
【0120】
好適な非イオン性界面活性剤としては、BASFの商品名Lutensol(登録商標)が挙げられる。
【0121】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤としては、アルキルピリジニウム化合物、アルキル四級アンモニウム化合物、アルキル四級ホスホニウム化合物、アルキル三級スルホニウム化合物、及びこれらの混合物が挙げられる。
【0122】
好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、次の一般式で表される四級アンモニウム化合物である。
(R)(R
1)(R
2)(R
3)N
+X
−
式中、Rは直鎖又は分枝鎖、置換又は非置換の、C
6〜18アルキル又はアルケニル部分であり、R
1及びR
2は、独立して、メチル又はエチル部分から選択され、R
3は、ヒドロキシル、ヒドロキシメチル、又はヒドロキシエチル部分であり、Xは、電気的中性を提供するアニオンであり、好適なアニオンとしては、例えば、塩化物といったハロゲン化物、サルフェート、及びスルホネートが挙げられる。好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノC
6〜18アルキルモノヒドロキシエチルジメチル第四級アンモニウムクロリドである。非常に好適なカチオン性洗浄性界面活性剤は、モノ−C
8〜10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、モノ−C
10〜12アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリド、及びモノ−C
10アルキルモノヒドロキシエチルジメチル四級アンモニウムクロリドである。
【0123】
好適な両性/双極性イオン性界面活性剤としては、アミンオキシド及びベタインが挙げられる。
【0124】
アミン中和したアニオン性界面活性剤−本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性補助界面活性剤は酸型で存在してもよく、前記酸型を中和して、本発明の洗剤組成物で用いるのに望ましい界面活性剤塩を形成してもよい。典型的な中和剤としては、水酸化物(例えばNaOH又はKOH)のような金属対イオン塩基が挙げられる。酸型の、本発明のアニオン性界面活性剤及び補助アニオン性界面活性剤又は補助界面活性剤を中和するための更に好ましい中和剤としては、アンモニア、アミン、又はアルカノールアミンが挙げられる。アルカノールアミンが好ましい。好適な非限定例としては、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、及び、当該技術分野において既知のその他の直鎖又は分岐鎖アルカノールアミンが挙げられ、例えば、非常に好ましいアルカノールアミンとしては、2−アミノ−1−プロパノール、1−アミノプロパノール、モノイソプロパノールアミン、又は1−アミノ−3−プロパノールが挙げられる。アミンの中和は全体的に又は部分的な範囲でされてもよく、例えば、アニオン性界面活性剤混合物の一部はナトリウム若しくはカリウムで中和されてもよく、また、アニオン性界面活性剤混合物の一部はアミン若しくはアルカノールアミンで中和されてもよい。
【0125】
ビルダー。好ましくは、本発明の組成物は、1つ以上のビルダー又はビルダー系を含む。ビルダーを用いる場合、本発明の組成物は典型的には、少なくとも1%、2%〜60%のビルダーを含むことになる。本発明の組成物は、低濃度のホスフェート塩及び/又はゼオライトを、例えば1〜10重量%又は5重量%含むのが好ましい場合がある。本発明の組成物は、強いビルダーを実質的に含まなくてもよく、実質的に強いビルダーを含まないとは、ゼオライト及び/又はホスフェートが「意図的に添加されていない」ことを意味する。典型的なゼオライトビルダーとしては、ゼオライトA、ゼオライトP及びゼオライトMAPが挙げられる。典型的なリン酸塩ビルダーは、トリポリリン酸ナトリウムである。
【0126】
キレート剤。好ましくは、本発明の組成物はキレート剤及び/又は結晶成長抑制剤を含む。好適な分子としては、銅、鉄、及び/又はマンガンキレート剤、並びにこれらの混合物が挙げられる。好適な分子としては、アミノカルボキシレート、アミノホスホネート、サクシネート、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で用いる好適なキレート剤の非限定例としては、エチレンジアミン四酢酸塩、N−(ヒドロキシエチル)エチレンジアミン三酢酸塩、ニトリロ三酢酸塩、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸塩、ジエチレントリアミン五酢酸塩、エタノールジグリシン、エチレンジアミンテトラキス(メチレンホスホネート)、ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸)(DTPMP)、エチレンジアミンジスクシネート(EDDS)、ヒドロキエタンジメチレンホスホン酸(HEDP)、メチルグリシン二酢酸(MGDA)、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、これらの塩、及びこれらの混合物が挙げられる。本発明で用いるキレート剤の他の非限定例は、米国特許第7445644号、同第7585376、及び米国特許出願公開第2009/0176684(A1)号に記載されている。本願で用いるのに好適な他のキレート剤は、市販されているDEQUESTシリーズ、並びにMonsanto製、DuPont製及びNalco,Inc.製のキレート剤である。
【0127】
移染防止剤(DTI)。本発明の組成物は、1つ以上の移染防止剤を含んでよい。本発明の一実施形態では、驚くべきことに、特定の染料に加えて、ポリマー移染防止剤を含む組成物は、性能が向上することを本発明者らは発見した。これは、驚くべきことに、ポリマー移染防止剤が染料の付着を防ぐためである。好適な移染防止剤としては、ポリビニルピロリドンポリマー、ポリアミンN−オキシドポリマー、N−ビニルピロリドンとN−ビニルイミダゾールとのコポリマー、ポリビニルオキサゾリドン、及びポリビニルイミダゾール、又はこれらの混合物が挙げられるが、これらに限らない。好適な例としては、Ashland Aqualon製のPVP−K15、PVP−K30、ChromaBond S−400、ChromaBond S−403E及びChromabond S−100、並びにBASF製のSokalan HP165、Sokalan HP 50、Sokalan HP 53、Sokalan HP 59、Sokalan(登録商標)HP 56K、Sokalan(登録商標)HP 66が挙げられる。その他の好適なDTIは、国際公開第2012/004134号に記載されているようなものである。本発明の組成物に存在する場合、移染防止剤は、本発明の組成物の約0.0001重量%〜約10重量%、約0.01重量%〜約5重量%又は更に約0.1重量%〜約3重量%の濃度で存在していてもよい。
【0128】
蛍光増白剤好ましくは、本発明の組成物は、1つ以上の蛍光増白剤を含む。本発明において有用である場合がある市販の蛍光増白剤は、サブグループに分類することができ、スチルベン、ピラゾリン、クマリン、カルボン酸、メチンシアニン、ジベンゾチオフェン−5,5−ジオキシド、アゾール、5及び6員環の複素環、並びにその他の様々な物質の誘導体が挙げられるが、これらに限らない。特に好ましい増白剤は、2(4−スチリル−3−スルホフェニル)−2H−ナフトール(napthol)[1,2−d]トリアゾールナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−(Nメチル−N−2−ヒドロキシエチル)アミノ1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2−ジスルホン酸二ナトリウム、4,4’−ビス{[(4−アニリノ−6−モルホリノ−1,3,5−トリアジン−2−イル)]アミノ}スチルベン−2−2’ジスルホン酸二ナトリウム、及び4,4’−ビス(2−スルホスチリル)ビフェニル二ナトリウムから選択される。このような増白剤の他の例は、「The Production and Application of Fluorescent Brightening Agents」(M.Zahradnik著、John Wiley & Sons刊、New York(1982年))に開示されている。本発明の組成物に有用である蛍光増白剤の具体的な非限定例は、米国特許第4,790,856号及び同第3,646,015号に特定されているものである。
【0129】
好ましい増白剤は下記の構造を有する。
【0131】
好適な蛍光増白剤濃度としては、下限約0.01重量%〜、約0.05重量%〜、約0.1重量%〜、又は約0.2重量%〜、上限0.5重量%まで又は0.75重量%までが挙げられる。
【0132】
一態様では、蛍光増白剤を粘土に添加して粒子を形成してもよい。
【0133】
好ましい増白剤は、全て又は大部分(典型的には少なくとも50重量%、少なくとも75重量%、少なくとも90重量%、少なくとも99重量%)がα結晶構造である。非常に好ましい増白剤は、C.I.蛍光増白剤260、好ましくは次の構造を有するものを含む。
【0135】
これは、冷水、例えば30℃未満、25℃未満、又は20℃未満の水によく溶解するので、特に有用であり得る。
【0136】
好ましくは増白剤は、微粉化粒子形状、最も好ましくは重量平均一次粒径が3〜30マイクロメートル、3マイクロメートル〜20マイクロメートル、又は3〜10マイクロメートルの微粉化粒子形状で、本発明の組成物に組み込まれる。
【0137】
本発明の組成物は、β結晶構造のC.I.蛍光増白剤260を含んでいてもよく、(i)α結晶型のC.I.蛍光増白剤260と(ii)β結晶型のC.I.蛍光増白剤260との重量比は、少なくとも0.1、又は少なくとも0.6であってよい。
【0138】
ベルギー特許第680847号は、α結晶構造のC.I.蛍光増白剤260の製造プロセスに関する。
【0139】
ケイ酸塩。本発明の組成物は、好ましくは、ケイ酸ナトリウム又はケイ酸カリウムのようなケイ酸塩も含んでよい。本発明の組成物は、0重量%〜10重量%未満、9重量%以下、又は8重量%以下、又は7重量%以下、又は6重量%以下、又は5重量%以下、又は4重量%以下、又は3重量%以下、又は更には2重量%以下のケイ酸塩、好ましくは0重量%超、又は0.5重量%以上、又は更には1重量%以上のケイ酸塩を含み得る。好適なケイ酸塩は、ケイ酸ナトリウムである。
【0140】
分散剤。本発明の組成物は、好ましくは分散剤を含んでいてもよい。好適な水溶性有機物質としては、ホモポリマー又はコポリマーの酸又はそれらの塩が挙げられ、この場合、ポリカルボン酸は、互いに炭素原子最高2個分離れている少なくとも2個のカルボキシルラジカルを含む。
【0141】
酵素安定剤。本発明の組成物は、好ましくは酵素安定剤を含んでいてもよい。例えば、カルシウム及び/又はマグネシウムイオンを酵素に供給するカルシウム及び/又はマグネシウムイオンの水溶性供給源を最終布地及びホームケア製品に存在させることによって、従来のあらゆる酵素安定剤を用いてもよい。プロテアーゼを含む水性組成物の場合、ホウ酸塩を含むホウ素化合物、すなわち好ましくは4−ホルミルフェニルボロン酸、フェニルボロン酸、及びこれらの誘導体、又はギ酸カルシウム、ギ酸ナトリウム及び1,2−プロパンジオールのような化合物といった、可逆的プロテアーゼ阻害剤を加えて、更に安定性を向上させることができる。
【0142】
溶媒系。本発明の組成物中の溶媒系は、水のみを含む溶媒系であることも、水を含まないか又は好ましくは水を含む有機溶媒の混合物であることもできる。好適な有機溶媒としては、1,2−プロパンジオール、エタノール、グリセロール、ジプロピレングリコール、メチルプロパンジオール、及びこれらの混合物が挙げられる。また、他の低級アルコール、モノエタノールアミン及びトリエタノールアミン等のC1〜C4アルカノールアミンを使用してもよい。溶媒系は、例えば本発明の無水固形物実施形態には無くてもよいが、より典型的には約0.1%〜98%の範囲の濃度で存在しており、好ましくは少なくとも約1%〜約50%、より一般的には約5%〜約25%で存在している。
【0143】
本発明の一部の実施形態では、本発明の組成物は構造化液体の形態である。このような構造化液体は、内部を構造化し、それにより、一次成分(例えば界面活性剤物質)によって構造体を形成させることも、並びに/又は、例えば増粘剤として用いるために、二次成分(例えばポリマー、粘土、及び/若しくはケイ酸塩物質)を用いて三次元マトリックス構造をもたらすことによって、外部を構造化することもできる。本組成物は、構造化剤を含んでいてよく、好ましくは、0.01重量%〜5重量%、0.1重量%〜2.0重量%の構造化剤を含んでもよい。好適な構造化剤の例は、米国特許出願公開第2006/0205631(A1)号、同第2005/0203213(A1)号、米国特許第7294611号、同第6855680号に示されている。構造化剤は典型的には、ジグリセリド及びトリグリセリド、エチレングリコールジステアレート、微結晶性セルロース、セルロース系物質、微細繊維セルロース、Polygel W30(3VSigma)のような疎水変性アルカリ膨潤型エマルション、バイオポリマー、キサンタンガム、ジェランガム、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体(硬化ヒマシ油の非エトキシル化誘導体など)、並びにこれらの混合物からなる群から選択され、特には、硬化ヒマシ油、硬化ヒマシ油の誘導体、微細繊維セルロース、ヒドロキシ官能性結晶性物質、長鎖脂肪アルコール、12−ヒドロキシステアリン酸、粘土、及びこれらの混合物の群から選択されたものである。好ましい構造化剤は、好適なヒドロキシ官能性結晶性物質を詳細に定義している米国特許第6,855,680号に記載されている。好ましいのは、硬化ヒマシ油である。有用な構造化剤の非限定例としては、...が挙げられる。このような構造化剤はある範囲のアスペクト比を有する糸状構造系を有する。他の好適な構造化剤及びその製造方法は、国際公開第2010/034736号に記載されている。
【0144】
本発明の組成物は、高融点脂肪族化合物を含んでもよい。本明細書において有用な高融点脂肪族化合物は、25℃以上の融点を有し、脂肪族アルコール、脂肪酸、脂肪族アルコール誘導体、脂肪酸誘導体、及びこれらの混合物からなる群から選択される。低融点の脂肪族化合物類は、本項に包含しないものとする。高融点脂肪族化合物の非限定的な例は、International Cosmetic Ingredient Dictionary,Fifth Edition,1993年、及びCTFA Cosmetic Ingredient Handbook,Second Edition,1992年に見出される。高融点脂肪族化合物が存在する場合、濡れた毛髪に塗布している間のツルツル感、乾いた髪における柔らかさ及びしっとり感のようなコンディショニング効果を向上させる観点から、高融点脂肪族化合物は好ましくは、本発明の組成物に、本発明の組成物の0.1重量%〜40重量%、好ましくは1重量%〜30重量%、より好ましくは1.5重量%〜16重量%、1.5重量%〜8重量%の濃度で含まれる。
【0145】
カチオン性ポリマー。本発明の組成物は、カチオン性ポリマーを含有してよい。カチオン性ポリマーの本発明の組成物における濃度は、典型的には0.05%〜3%、別の実施形態では0.075%〜2.0%、更に別の実施形態では0.1%〜1.0%の範囲である。好適なカチオン性ポリマーは、組成物の意図される使用でのpH(通常約pH 3〜約pH 9、一実施形態では約pH 4〜約pH 8の範囲のpH)において、少なくとも約0.5meq/gm、別の実施形態では少なくとも約0.9meq/gm、別の実施形態では少なくとも約1.2meq/gm、なおも別の実施形態では少なくとも約1.5meq/gm、しかし一実施形態では約7meq/gm未満、及び別の実施形態では約5meq/gm未満のカチオン電荷密度を有する。本明細書において、ポリマーの「カチオン電荷密度」とは、ポリマーの分子量に対する、ポリマー上の正電荷数の比を指す。このような好適なカチオン性ポリマーの平均分子量は、一般に10,000〜10,000,000、一実施形態では、50,000〜5,000,000、別の実施形態では100,000〜3,000,000となる。
【0146】
本発明の組成物に用いるのに好適なカチオン性ポリマーは、第四級アンモニウムのようなカチオン性窒素含有部分又はカチオン性プロトン化アミノ部分を含有する。任意のアニオン性対イオンを、カチオン性ポリマーと併せて使用することができるが、ポリマーが、水中、組成物中、又は組成物のコアセルベート相中で溶解した状態を保ち、かつ対イオンが、本発明の組成物の必須成分と物理的及び化学的に相溶し得るか、或いはさもなければ、製品の性能、安定性又は審美性を過度に低下させないことを条件とする。このような対イオンの非限定例としては、ハロゲン化物(例えば、塩化物、フッ化物、臭化物、ヨウ化物)、サルフェート及びメチルサルフェートが挙げられる。
【0147】
このようなポリマーの非限定例は、Estrin、Crosley and Haynesら著、CTFA Cosmetic Ingredient Dictionary、3rd edition(The Cosmetic,Toiletry,And Fragrance Association,Inc.(Washington,D.C.)(1982年))に記載されている。
【0148】
組成物に使用するための他の好適なカチオン性ポリマーには、多糖類ポリマー、カチオン性グアーガム誘導体、第四級窒素含有セルロースエーテル、合成ポリマー、エーテル化セルロースのコポリマー、グアー、及びデンプンが含まれる。使用される場合、本発明におけるカチオン性ポリマーは、本発明の組成物に可溶性であるか、又は上述のカチオン性ポリマー並びにアニオン性、両性及び/又は双極性イオン性界面活性剤成分によって形成された本発明の組成物中の複合コアセルベート相に可溶性であるかのいずれかである。カチオン性ポリマーの複合コアセルベートはまた、本発明の組成物中の他の荷電物質で形成することもできる。
【0149】
好適なカチオン性ポリマーは、米国特許第3,962,418号、同第3,958,581号及び米国特許出願公開第2007/0207109(A1)号に記載されている。
【0150】
非イオン性ポリマー。本発明の組成物は、非イオン性ポリマーをコンディショニング剤として含んでもよい。分子量が1000を超えるポリアルキレングリコールが本発明において有用である。以下の一般式を有するものが有用である。
【0151】
【化20】
(式中、R95は、H、メチル、及びこれらの混合物からなる群から選択される)。コンディショニング剤、及び特にシリコーンが本発明の組成物に含まれてもよい。本発明の組成物に有用なコンディショニング剤は、典型的には、乳化液体粒子を形成する非水溶性で水分散性の不揮発性液体を含む。本発明の組成物に用いるのに好適なコンディショニング剤は、一般にシリコーン(例えば、シリコーンオイル、カチオン性シリコーン、シリコーンガム、屈折率の高いシリコーン、及びシリコーン樹脂)、有機コンディショニングオイル(例えば、炭化水素油、ポリオレフィン、及び脂肪酸エステル)、若しくはこれらの組み合わせとして特徴付けられるコンディショニング剤、又は別の方法で本明細書の水性界面活性剤マトリックス中に液状の分散粒子を形成するコンディショニング剤である。このようなコンディショニング剤は、物理的及び化学的に組成物の必須成分と適合すべきであり、さもなければ製品の安定性、審美性、又は性能を過度に損なうべきではない。
【0152】
組成物中のコンディショニング剤の濃度は、所望のコンディショニング効果をもたらすのに十分であるべきである。このような濃度は、コンディショニング剤、所望のコンディショニング性能、コンディショニング剤粒子の平均粒径、その他の成分の種類及び濃度、並びにその他の同様の要因により様々であってよい。
【0153】
シリコーンコンディショニング剤の濃度は、典型的には、約0.01%〜約10%の範囲に及ぶ。好適なシリコーンコンディショニング剤の非限定例、及びシリコーンのための任意の懸濁剤は、米国再発行特許第34,584号、米国特許第5,104,646号、同第5,106,609号、同第4,152,416号、同第2,826,551号、同第3,964,500号、同第4,364,837号、同第6,607,717号、同第6,482,969号、同第5,807,956号、同第5,981,681号、同第6,207,782号、同第7,465,439号、同第7,041,767号、同第7,217,777号、米国特許出願公開第2007/0286837(A1)号、同第2005/0048549(A1)号、同第2007/0041929(A1)号、英国特許第849,433号、ドイツ特許第10036533号(これら公報は全て本明細書に参照として組み込まれる)、Chemistry and Technology of Silicones,New York:Academic Press(1968年)、General Electric社のシリコーンゴム製品データ管理シート(Silicone Rubber Product Data Sheets)SE 30、SE 33、SE 54及びSE 76、Silicon Compounds,Petrarch Systems,Inc.刊(1984年)、並びにEncyclopedia of Polymer Science and Engineering,vol.15,2d ed.,204〜308頁,John Wiley & Sons,Inc.刊(1989年)に記載されている。
【0154】
有機コンディショニング油本発明の組成物はまた、コンディショニング剤として、単独で又はシリコーン(本願に記載される)のような他のコンディショニング剤と組み合わせて、約0.05%〜約3%の少なくとも1つの有機コンディショニングオイルを含み得る。好適なコンディショニングオイルとしては、炭化水素油、ポリオレフィン及び脂肪酸エステルが挙げられる。Procter & Gamble Companyの米国特許第5,674,478号及び同第5,750,122号に記載のコンディショニング剤も、本発明の組成物への使用に好適である。米国特許第4,529,586号、同第4,507,280号、同第4,663,158号、同第4,197,865号、同第4,217,914号、同第4,381,919号、及び同第4,422,853号に記載のコンディショニング剤もまた本明細書で使用するのに好適である。
【0155】
衛生剤。本発明の組成物は、リシノール酸亜鉛、チモール、Bardac(登録商標)のような四級アンモニウム塩、ポリエチレンイミン(BASF製のLupasol(登録商標)など)、及びその亜鉛錯体、銀及び銀化合物、特に、Ag+又はナノ銀分散体をゆっくり放出するように設計されているもののうちの1つ以上など、衛生及び/又は消臭効果をもたらすための成分も含んでよい。
【0156】
プロバイオティクス。本発明の組成物は、国際公開第2009/043709号に記載されているようなプロバイオティクスを含んでよい。
【0157】
起泡促進剤高い起泡性が望まれる場合、本発明の組成物は好ましくは起泡促進剤を含んでもよい。好適な例はC10〜C16アルカノールアミド又はC10〜C14アルキルサルフェートであり、これらは好ましくは1%〜10%の濃度で組み込まれる。C10〜C14モノエタノール及びジエタノールアミドは、このような気泡促進剤の典型的な種類の例である。上述の、アミンオキシド、ベタイン及びスルタインなどの高起泡性補助界面活性剤と共に泡促進剤を使用することも有益である。所望される場合、追加的な泡を提供するため、及びグリース除去性能を増大させるために、MgCl2、MgSO4、CaCl2、CaSO4等のような水溶性マグネシウム及び/又はカルシウム塩を、典型的には、0.1%〜2%の濃度で添加することができる。
【0158】
抑泡剤泡の形成を低減又は抑制する化合物を本発明の組成物に組み込んでもよい。抑泡制は、米国特許第4,489,455号及び同第4,489,574号に記載されているようないわゆる「高濃度洗浄プロセス」において、そしてフロントローディング方式の洗濯機において、特に重要なものとなり得る。抑泡剤として多種多様な材料を使用してよく、抑泡剤は当業者には周知である。例えば、Kirk Othmer Encyclopedia of Chemical Technology,Third Edition,Volume 7,430〜447頁(John Wiley & Sons,Inc.刊(1979年))を参照されたい。抑泡剤の例としては、脂肪族モノカルボン酸及びその種の可溶性塩、パラフィンのような高分子量炭化水素、脂肪酸エステル(例えば脂肪酸トリグリセリド)、一価アルコールの脂肪酸エステル、脂肪族C18〜C40ケトン(例えばステアロン)、N−アルキル化アミノトリアジン、ワックス状炭化水素(好ましくは融点が約100℃未満のもの)、シリコーン抑泡剤、及び二級アルコールが挙げられる。抑泡剤は、米国特許第2,954,347号、同第4,265,779号、同第4,265,779号、同第3,455,839号、同第3,933,672号、同第4,652,392号、同第4,978,471号、同第4,983,316号、同第5,288,431号、同第4,639,489号、同第4,749,740号、及び同第4,798,679号、同第4,075,118号、欧州特許出願第89307851.9号、欧州特許第150,872号、並びにドイツ特許出願公開公報第2,124,526号に記載されている。
【0159】
自動洗濯機で使用される任意の洗剤組成物について、泡は、それらが洗濯機から溢流する程度まで形成されるべきでない。使用する場合、抑泡剤は、好ましくは「抑泡量」で存在している。「抑泡量」とは、自動洗濯機で使用する際に、本発明の組成物の配合者が、低起泡性洗濯洗剤となるように起泡を十分に制御する当該抑泡剤の量を選定できることを意味する。本発明の組成物は一般に、0%〜10%の抑泡剤を含むことになる。脂肪族モノカルボン酸及びその種の塩は、抑泡剤として用いる場合、典型的には最大で洗剤組成物の5重量%の量で存在していることになる。好ましくは、0.5%〜3%の脂肪族モノカルボキシレート抑泡剤を用いる。シリコーン抑泡剤は典型的には、最大で洗剤組成物の2.0重量%の量で用いるが、もっと多い量で用いてもよい。モノステアリルホスフェート抑泡剤は一般に、本発明の組成物の0.1重量%〜2重量%の範囲の量で用いる。炭化水素抑泡剤は典型的には、0.01%〜5.0%の量で用いるが、もっと高濃度で用いることもできる。アルコール抑泡剤は、典型的には、最終組成物の0.2%〜3重量%で使用される。
【0160】
真珠光沢剤。国際公開第2011/163457号に記載されているような真珠光沢剤を本発明の組成物に組み込んでもよい。
【0161】
香料。好ましくは、本発明の組成物は香料を、好ましくは0.001〜3重量%、最も好ましくは0.1〜1重量%の範囲で含む。CTFA(Cosmetic,Toiletry and Fragrance Association)1992 International Buyers Guide(CFTA Publications刊)、及びOPD 1993 Chemicals Buyers Directory 80
th Annual Edition(Schnell Publishing Co.刊)に、香料の好適な例が数多く示されている。通常、本発明の組成物には、複数、例えば4個、5個、6個、7個、又はそれ以上の香料成分が存在している。香料混合物においては、好ましくは15〜25重量%がトップノートである。トップノートは、Poucher(Journal of the Society of Cosmetic Chemists 6(2):80[1995年])によって定義されている。好ましいトップノートとしては、ローズオキシド、シトラスオイル、リナリルアセテート、ラベンダー、リナロオール、ジヒドロミルセノール、及びシス−3−ヘキサノールが挙げられる。
【0162】
パッケージ。いずれの従来のパッケージも用いてよく、本発明に不可欠な染料の色によってもたらされ得る又はこの染料の色に寄与し得る製品の色を消費者が見ることができるように、パッケージは全体的又は部分的に透明であってもよい。しかしながら、本発明の組成物は、部分的に又は完全に不透明な若しくは着色されたパッケージ、或いは包装された製品への紫外線透過を軽減するために紫外線吸収成分を部分的に完全に含むパッケージに包装されることが好ましい場合がある。
【0163】
組成物を生成する方法
本発明の組成物は、上記のとおり、いずれかの有用な形状であってよい。本発明の組成物は、配合者が選択したいずれかのプロセスによって製造されてよく、このプロセスの非限定例は、本発明の実施例、並びに、米国特許第4,990,280号、米国特許出願公開第2003/0087791(A1)号、同第2003/0087790(A1)号、同第2005/0003983(A1)号、同第2004/0048764(A1)号、米国特許第4,762,636号、同第6,291,412号、米国特許出願公開第2005/0227891(A1)号、欧州特許出願公開第1070115(A2)号、米国特許第5,879,584号、同第5,691,297号、同第5,574,005号、同第5,569,645号、同第5,565,422号、同第5,516,448号、同第5,489,392号、同第5,486号に記載されている。
【0164】
本発明のランドリーケア組成物は、液体の形状である場合、水性(典型的には2重量%超、又は更には5重量%超若しくは10重量%超の総含水量、最大で90重量%又は最大で80重量%若しくは70重量%の総含水量)であっても、非水性(典型的には2重量%未満の総含水量)であってもよい。典型的には、本発明の組成物は、界面活性剤、シェーディング染料、及び特定の任意のその他の成分の水溶液又は均一な分散液若しくは懸濁液の形態となり、これらの成分の一部は通常固体の形態であってもよく、本発明の組成物の通常液体の成分(アルコールエトキシレート非イオン性成分液体、水性液体キャリア、及びその他のいずれかの通常液体の任意成分など)と組み合わせた成分である。このような溶液、分散液、又は懸濁液は、許容可能な相安定性を有する。本発明のランドリーケア組成物は、液状の場合、好ましくはその粘度は、20秒−1及び21℃において1〜1500センチポアズ(1〜1500mPa・s)、より好ましくは100〜1000センチポアズ(100〜1000mPa・s)、及び最も好ましくは200〜500センチポアズ(200〜500mPa・s)である。粘度は従来法で測定できる。粘度は、TA instruments製のレオメーターAR 550を用いて、直径40mm及び間隙サイズ500μmのプレートスチールスピンドルを用いて測定してよい。20s−1における高剪断粘度及び0.05−1における低剪断粘度は、21℃で3分における対数剪断速度掃引0.1−1〜25−1から得られる。本明細書に記載される好ましいレオロジーは、内部に存在する構造化剤を洗剤成分と共に使用することにより、又は外部レオロジー変性剤を採用することにより、得られる。より好ましくは、本発明のランドリーケア組成物(液体洗剤組成物など)の高剪断速度における粘度は約100センチポアズ〜1500センチポアズ、より好ましくは100〜1000cpsである。1回分分包型ランドリーケア組成物(液体洗剤組成物など)の高剪断速度における粘度は400〜1000cpsである。ランドリー柔軟化組成物のようなランドリーケア組成物の高剪断速度における粘度は典型的には10〜1000、より好ましくは10〜800cps、最も好ましくは10〜500cpsである。手洗い用食器洗浄組成物の高剪断速度における粘度は300〜4000cps、より好ましくは300〜1000cpsである。
【0165】
本発明の液体組成物、好ましくは本発明の液体洗剤組成物は、その成分をいずれかの従来の順番で組み合わせ、得られた成分の組み合わせを混合、例えば攪拌して、相安定性液体洗剤組成物を形成することによって調製することができる。そのような組成物を調製するプロセスにおいて、例えば、非イオン性界面活性剤、非界面活性液体キャリア及びその他任意の液体成分などの液体成分の少なくとも大部分、更には実質的に全てを含有し、液体成分がこの液体を組み合わせたものに剪断力撹拌を与えることにより完全に混合されている、液体マトリックスが形成される。例えば、機械撹拌器での高速撹拌が通常使用される。剪断力撹拌が維持される間に、任意のアニオン性界面活性剤及び固形成分の実質上全てを加えることができる。混合物の撹拌を継続し、必要ならばその時点で増強させて、液相中に不溶性固相粒子の溶液又は均一分散液を生成する。固形物質のいくらか又は全てをこの撹拌混合物に添加した後、包含されるべき任意の酵素物質の粒子、例えば、酵素プリルを混入する。以上で記載した組成物調製手順の変形として、1つ以上の固形成分を、撹拌混合物に、1つ以上の液体成分の微量成分部分と予混合した粒子の溶液又はスラリーとして添加してよい。全ての組成物成分を添加した後、混合物の撹拌は、必要な粘度及び相安定度特性を有する組成物を形成するのに十分な時間継続される。しばしば、これには約30分〜60分間の撹拌を伴う。
【0166】
本発明の液体組成物を形成する一態様では、まず染料を1つ以上の液体成分と組み合わせて染料プレミックスを形成し、洗濯洗剤組成物の成分の残部のかなりの割合、例えば50重量%超、より具体的には70重量%超、更に具体的には90重量%超を含む組成物配合物に、この染料プレミックスを加える。例えば、上記の方法においては、成分添加の最終段階で、染料プレミックス及び酵素成分の双方を加える。別の態様では、洗剤組成物に加える前に染料をカプセル化し、このカプセル化染料を構造化液体に懸濁し、洗濯洗剤組成物の成分の残部のかなりの割合を含む組成物配合物に、この懸濁液を加える。
【0167】
パウチ。本発明の好ましい実施形態では、本発明の組成物は、1回分分封型、すなわち、タブレットの形態、又は好ましくは水溶性フィルム(パウチ若しくはポッドとして知られているもの)内に入った液体/固体(任意に顆粒)/ゲル/ペーストの形態のいずれかで提供する。本発明の組成物は、単区画又は多区画パウチに封入できる。多区画パウチは、欧州特許出願公開第2133410号により詳細に記載される。本発明の組成物が多区画パウチ内に存在している場合、本発明の組成物は1つ又は2つ以上の区画内に存在してよく、すなわち、染料は1つ以上の区画、任意に全ての区画に存在していてもよい。非シェーディング染料若しくは顔料、又はその他の審美剤も1つ以上の区画で用いてよい。一実施形態では、本発明の組成物は、多区画パウチのうちの一区画に存在している。
【0168】
パウチを形成するための好適なフィルムは水溶性又は水分散性であり、好ましくは、その水溶解度/分散度は、最大孔径20マイクロメートルのガラスフィルターを用いて、以降に記載する方法によって測定した場合、少なくとも50%、好ましくは少なくとも75%、又は更には少なくとも95%である。
【0169】
予め秤量した400mLビーカーに、50グラム±0.1グラムのパウチ材料を入れ、245mL±1mLの蒸留水を添加する。これを、600rpmに設定した磁気撹拌機上で30分間激しく撹拌する。その後、混合物を、上記で定義した孔径(最大20マイクロメートル)の折り畳んだ定性分析用焼結ガラス濾紙で濾過する。回収した濾液から任意の従来の方法によって水を乾燥させ、残った材料の重量を測定する(これが溶解又は分散画分である)。その後、溶解度(%)又は分散度(%)を計算することができる。好ましいフィルム材はポリマー材料である。フィルム材は、例えば、当該技術分野において既知のように、ポリマー材料をキャスティング、吹込成形、押出成形、又は吹込押出成形することによって得ることができる。パウチ材料として使用するために好適な好ましいポリマー、コポリマー又はそれらの誘導体は、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアルキレンオキシド、アクリルアミド、アクリル酸、セルロース、セルロースエーテル、セルロースエステル、セルロースアミド、ポリ酢酸ビニル、ポリカルボン酸及び塩、ポリアミノ酸又はペプチド、ポリアミド、ポリアクリルアミド、マレイン酸/アクリル酸のコポリマー、デンプン及びゼラチンを包含する多糖類、キサンタン及びカラゴムなどの天然ゴムから選択される。より好ましいポリマーは、ポリアクリレート類及び水溶性アクリレートコポリマー類、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロースナトリウム、デキストリン、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、マルトデキストリン、ポリメタクリレート類から選択され、最も好ましくは、ポリビニルアルコール類、ポリビニルアルコールコポリマー類及びヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、並びにこれらの組み合わせから選択される。好ましくは、パウチ材料中のポリマーの濃度、例えば、PVAポリマーの濃度は、少なくとも60%である。前記ポリマーは、任意の重量平均分子量を有してもよく、好ましくは、約1000〜1,000,000、より好ましくは、約10,000〜300,000、更により好ましくは、約20,000〜150,000である。ポリマー混合物もパウチ材料として使用することができる。これは、その用途及び必要とされるニーズに応じて、区画又はパウチの機械的特性及び/又は溶解特性を制御するのに有益であり得る。好適な混合物には、例えば、1つのポリマーが別のポリマーよりも高い水溶性を有し、及び/又は1つのポリマーが別のポリマーよりも高い機械強度を有する混合物が挙げられる。異なる重量平均分子量を有するポリマーの混合物、例えば、重量平均分子量が約10,000〜40,000、好ましくは20,000前後のPVA又はそのコポリマーと、重量平均分子量が約100,000〜300,000、好ましくは150,000前後のPVA又はそのコポリマーとの混合物も、好適である。同様に本明細書で好適なものはポリマーブレンド組成物であり、例えば、ポリラクチドとポリビニルアルコールとを混合することによって得られ、典型的には約1〜35重量%のポリラクチドと約65〜99重量%のポリビニルアルコールとを含む、ポリラクチドとポリビニルアルコールなどの加水分解性でかつ水溶性のポリマーブレンドを含む。本明細書での使用に好ましいポリマーは、材料の溶解特性を改善するために約60%〜約98%加水分解された、好ましくは約80%〜約90%加水分解されたポリマーである。
【0170】
当然ながら、異なるフィルム材料及び/又は異なる厚さのフィルムを本発明の区画の作製に用いてもよい。異なるフィルムを選択する利点は、その結果得られる区画が異なる溶解性、すなわち放出特性を示し得ることである。
【0171】
最も好ましいフィルム材料は、MonoSol照会番号M8630、M8900、H8779(出願人らの同時継続出願照会番号44528及び11599に記載)として公知のPVAフィルム、米国特許第6,166,117号及び同第6,787,512号に記載のPVAフィルム、並びに相当する溶解度及び変形特性を有するPVAフィルムである。
【0172】
また、本明細書のフィルム材料には、1つ以上の添加剤成分を含有させてもよい。例えば、グリセロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、ソルビトール、及びこれらの混合物などの可塑剤の添加が有益であることがある。他の添加剤としては、洗浄水に送達される機能性洗剤添加剤、例えば有機ポリマー分散剤などが挙げられる。
【0173】
水溶性パウチを製造する方法
パウチ型の本発明の組成物は、いずれかの好適な設備及び方法を用いて作製してよい。しかしながら、好ましくは多区画パウチは水平式充填プロセスを用いて作製される。好ましくはフィルムを濡らし、より好ましくは加熱して、展延性を上昇させる。更により好ましくは、方法はまた、真空を利用して好適な型にフィルムを引き入れることを含む。型の中にフィルムを引き入れる真空は、フィルムを表面の水平部分上に置いてすぐに、0.2秒〜5秒間、好ましくは0.3秒〜3秒間、又は更により好ましくは0.5秒〜1.5秒間適用することができる。この真空は、好ましくは、それが−10kPa〜−100kPa(−100ミリバール〜−1000ミリバール)、又は更には−20kPa〜−60kPa(−200ミリバール〜−600ミリバール)の負圧をもたらすようなものであってもよい。
【0174】
パウチを作製する型は、必要とされるパウチ寸法に応じる任意の形状、長さ、幅及び深さであってよい。型はまた、必要に応じて大きさ及び形状が互いに異なっていてもよい。例えば、最終パウチの容積は、5mL〜300mL、又は更には10mL〜150mL、又は更には20mL〜100mLの間であり、型の大きさはそれに応じて調節することが好ましい場合がある。
【0175】
熱成形として一般的に既知であるプロセスで、任意の手段により、フィルムに熱を印加できる。例えば、フィルムは、表面上に供給する前又は表面上に供給した直後に加熱要素の下或いは熱風の中を通過させることで直接加熱してもよい。別の方法としては、例えば、表面を加熱するか、或いは熱した物品をフィルム上に適用することにより、フィルムを間接的に加熱することもできる。最も好ましくは、フィルムは赤外光を用いて加熱される。好ましくは、フィルムは50℃〜120℃、又は更には60℃〜90℃の温度に加熱される。或いは、フィルムを、どのような手段によっても、例えばフィルムを表面上に供給する前又は表面上に供給した直後にフィルムの上に湿潤剤(水、フィルム材料の溶液又はフィルム材料用の可塑剤を含む)をスプレーすることにより直接濡らすことができ、或いは表面を濡らすか又はフィルムの上に濡れた物品を適用することにより間接的に濡らすことができる。
【0176】
粉末を含むパウチの場合、次の多くの理由から、フィルムに小さな穴を開けることは有益である。(a)パウチ形成中におけるフィルム欠陥が生じる可能性、例えば、フィルムの伸長が速すぎると、フィルムの破裂を引き起こすフィルム欠陥が発生し得る可能性を低減するため、(b)例えば、漂白剤を含む粉末の場合の酸素形成のように、パウチに封入された製品から発生するいずれの気体をも放出可能にするため、及び/又は(c)香料の連続放出を可能にするため。加えて、熱及び/又は濡らしが使用される場合には、小さな穴を開けることは、真空の使用前、使用中、又は使用後に、好ましくは真空の適用中又は適用前に行うことがある。したがって、本明細書においてより詳細に記載されるように、各型が、システムに接続された1つ以上の孔を含み、このシステムはこれらの孔を通じて孔の上のフィルム上に真空を提供できることが好ましい。
【0177】
フィルムは、加熱/湿潤させてすぐに、適切な型の中に好ましくは真空を用いて引き入れる。成形フィルムの充填は、物を充填(移動)するための任意の既知の方法により実行できる。最も好ましい方法は、製品形態及び必要とされる充填速度によって決まる。好ましくは、成形フィルムはインライン充填技術により充填される。次に、充填し、未だ口の開いているパウチを、任意の好適な方法により第2のフィルムを用いて閉じる。好ましくは、この工程はまた、水平位置で、連続的に、一定の動作で実行される。好ましくは閉じる工程は、開放パウチのウェブを覆って及びその上に第2の材料又はフィルム、好ましくは水溶性フィルムを連続的に供給し、次いで好ましくは第1のフィルムと第2のフィルムを共に、典型的には型同士の間の領域、したがってパウチ間の領域で封止することにより行われることが好ましい。
【0178】
好ましい封止方法としては、ヒートシール方式、溶剤接着方式、及び溶剤シール方式又はウェットシール方式が挙げられる。封止を形成することになる領域のみを熱又は溶剤により処理するのが好ましい。熱又は溶剤は、いずれかの方法により、好ましくは閉じる材料に、好ましくは封止を形成することになる領域にのみ適用され得る。溶剤シール若しくはウェットシール方式又は溶剤接着方式を用いる場合、熱も加えることが好ましい場合がある。好ましいウェットシール又は溶剤シール/溶剤接着方法は、溶剤を型同士の間の領域上に、又は閉じる材料の上に、例えば溶剤を前記領域上に噴霧又は印刷することにより選択的に適用する工程と、その後の、圧力を前記領域に適用して封止を形成する工程と、を含む。例えば、先に説明したようなシーリングロール及びベルト(任意に熱も提供する)が使用され得る。
【0179】
次いで、作製したパウチを切断装置によって切り出してもよい。切り出しは任意の既知の方法を用いて行うことができる。切り出しはまた、連続方式で、並びに好ましくは一定速度で及び好ましくは水平位置にある間に行うことが好ましい場合がある。切断装置は、例えば鋭利な物品又は高温物品であることができ、それによって後者の場合には、高温物品がフィルム/封止領域を「溶かしてしまう」。
【0180】
多区画パウチの異なる区画を、サイドバイサイドスタイルで一緒に作製してもよいが、連続したパウチは切断されない。或いは、区画を別々に作製してもよい。このプロセス及び好ましい構成によれば、パウチは以下の工程を含むプロセスによって作製される。
a)(上記したように)第1の区画を形成する工程と、
b)工程(a)で作製した閉じた区画の一部に又は全てにくぼみを形成して、第1の区画上に重ね合わせた第2の成形区画を作製する工程と、
c)第3のフィルムを用いて、第2の区画を充填し、閉じる工程と、
d)第1、第2及び第3のフィルムを封止する工程と、
e)フィルムを切り出して多区画パウチを作製する工程。
【0181】
工程bで形成される前記くぼみは、好ましくは、工程a)で作製された区画に真空を適用することによって生じる。
【0182】
別の方法としては、本明細書に参照として組み込まれる、本出願人の同時係属出願である欧州特許出願番号第08101442.5号に記載されるように、第2の及び任意に第3の区画を別個の工程で作製し、次いでそれらを第1の区画と組み合わせることもできる。特に好ましいプロセスは、以下の工程を含む。
a)第1の形成機械に第1のフィルムを用いて、所望により熱及び/又は真空を使用して、第1の区画を形成する工程と、
b)第1の区画に第1の組成物を充填する工程と、
c)第2の形成機械において、所望により熱及び真空を使用して、第2のフィルムを変形させて第2の及び所望により第3の成形区画を作製する工程と、
d)第2の及び所望により第3の区画に充填する工程と、
e)第3のフィルムを用いて第2の及び所望により第3の区画を封止する工程と、
f)封止した第2の及び所望により第3の区画を、第1の区画上に配置する工程と、
g)第1の、第2の及び所望により第3の区画を封止する工程と、
h)フィルムを切り出して多区画パウチを作製する工程。
【0183】
第1の及び第2の形成機械は、上記のプロセスを実施するための適合性に基づいて選択される。好ましくは第1の形成機械は水平式の形成機械である。好ましくは第2の形成機械は回転ドラム式形成機械であり、好ましくは第1の形成機械上に配置される。
【0184】
適切な供給ステーションの使用により、様々な異なる若しくは特有の組成物及び/又は異なる若しくは特有の液体、ゲル又はペースト組成物を入れた多区画パウチが作製可能であることは更に理解されるであろう。
【0185】
固体形状。上述のように、本発明のランドリーケア組成物は固体形状であってよい。好適な固体形状としては、錠剤及び粒子の形状、例えば、粒状粒子、フレーク、又はシートが挙げられる。そのような固体形状の洗剤組成物を形成する様々な技術は当該技術分野において周知であり、本明細書で使用されてよい。一態様では、例えば、本発明の組成物が粒状粒子の形態の場合、染料は粒子の形状で提供し、任意に、洗濯洗剤組成物の追加の成分(ただし全部ではない)を含む。染料粒子は、洗濯洗剤組成物の成分の残部を含む1つ以上の追加の粒子と組み合わせる。更に、任意に洗濯洗剤組成物の追加の成分(ただし全部ではない)を含む染料は、カプセル化形状で提供してもよく、シェーディング染料カプセル剤は、洗濯洗剤組成物の成分の実質的な残部を含む粒子と組み合わせる。染料/効果剤を本発明のランドリーケア組成物に組み込むための好適なプレミックス粒子は、例えば国際公開第2010/084039号、同第2007/039042号、同第2010/022775号、同第2009/132870号、同第2009/087033号、同第2007/006357号、同第2007/039042号、同第2007/096052号、同第2011/020991号、同第2006/053598号、同第2003/018740号、及び同第2003/018738号に記載されている。
【0186】
使用方法上記のように調製した本発明の組成物を用いて、布地の洗濯/処理で用いる水性洗浄/処理溶液を形成することができる。一般に、このような組成物の有効量を、(例えば従来の布地用自動洗濯機中の)水に加えて、かかる水性洗濯溶液を形成させる。続いて、このようにして形成した水性洗浄溶液を、典型的には攪拌下で、その溶液で洗濯/処理しようとする布地と接触させる。水に添加されると水性洗濯溶液を形成する有効量の本明細書の液体洗剤組成物は、水性洗浄溶液中に約500〜7,000ppmの組成物を形成するのに十分な量を占める可能性があり、又は約1,000〜3,000ppmの本明細書の洗剤組成物が水性洗浄溶液に供給される。
【0187】
典型的には、洗浄液は、ランドリーケア組成物を洗浄水と、洗浄液中のランドリーケア組成物の濃度が0g/L超〜5g/L、又は1g/L〜4.5g/Lまで、若しくは4.0g/Lまで、若しくは3.5g/Lまで、若しくは3.0g/Lまで、若しくは2.5g/Lまで、又は2.0g/Lまで、或いは1.5g/Lまでとなるような量で接触させることによって形成させる。布地若しくは織物を洗濯する方法は、トップローディング式又はフロントローディング式自動洗濯機で行ってもよく、又は手洗い洗濯用途で用いることもできる。これら用途では、形成される洗浄液、及び洗浄液中の洗濯洗剤組成物の濃度は、主要洗浄サイクルのものである。洗浄液の容積を決定する際には、いずれの任意選択的なすすぎ工程中の、いずれの水の投入量も含まれない。
【0188】
洗浄液は、40リットル以下の水、又は30リットル以下、又は20リットル以下、又は10リットル以下、又は8リットル以下、又は更には6リットル以下の水を含み得る。洗浄液は、0リットルを超え15リットルまで、又は2リット以上で且つ12リットル以下、又は更には8リットル以下の水を含み得る。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg〜2kgの布地が、洗浄液中に投入される。典型的には、洗浄液1リットル当たり0.01kg以上、又は0.05kg以上、又は0.07kg以上、又は0.10kg以上、又は0.15kg以上、又は0.20kg以上、又は0.25kg以上の布地が、洗浄液中に投入される。任意で、50g以下、又は45g以下、又は40g以下、又は35g以下、又は30g以下、又は25g以下、又は20g以下、又は更には15g以下、又は更には10g以下の本発明の組成物を水に接触させて、洗浄液を形成する。このような組成物は、典型的には溶液中、約500ppm〜約15,000ppmの濃度で使用される。洗浄溶媒が水であるとき、水温は、典型的には、約5℃〜約90℃であり、その場所に布地が含まれるとき、水と布地との割合は、典型的には、約1:1〜約30:1である。典型的には、本発明のランドリーケア組成物を含む洗浄液のpHは3〜11.5である。
【0189】
一態様では、前記表面又は布地を任意に洗浄及び/又はすすぐ工程と、前記表面又は布地を本明細書に開示されているいずれかの組成物と接触させてから、前記表面又は布地を任意に洗浄及び/又はすすぐ工程と、を含むこのような方法が、任意の乾燥工程とともに開示されている。
【0190】
このような表面又は布地の乾燥工程は、家庭環境又は工業環境のいずれかで採用される、一般的な手段のうちの任意の1つにより実行することができる。布地は、通常の消費者の使用条件又は業務用条件で洗濯され得るいずれの布地も含んでよく、本発明は、特にポリエステル及びナイロンのような合成織物に適しており、とりわけ、合成及びセルロース系布地及び/又は繊維を含む混紡織物及び/又は繊維の処理に適している。合成布地の例はポリエステル、ナイロンであり、これらは、セルロース系繊維、例えばポリコットン布地との混合物に存在していてもよい。溶液のpHは典型的には7〜11、より一般的には8〜10.5である。本発明の組成物は典型的には、溶液中500ppm〜5,000ppmの濃度で用いる。水温は、典型的には約5℃〜約90℃の範囲である。水対布地の比率は典型的には、約1:1〜約30:1である。
【実施例】
【0191】
(実施例1)
図1−洗剤組成物A
【0192】
【表1】
【0193】
試験洗浄液は、本発明にしたがって調製し、洗剤組成物2.5g/Lと、下式で表されるようなフォトクロミック染料D1(スピロオキサジン発色団系)(式中、R
1はHであり、R
2はSO
3Naである。)133ppm(洗浄全体に対してppmで表される染料濃度)と、を含んでいた。染料は合成したまま、それ以上精製工程を経ずに用いた。
【0194】
【化21】
【0195】
II)試験用布地の選定及び調製
試験用布地は、白色/オフホワイトの、無漂白100%綿,65/35ポリコットン、100%ポリエステル又は100%ナイロン40A(ポリアミド6,6)であり、いずれもWfk Testgewebe GmbH(Bruggen,Germany)から供給された。布地試料は5×5cm四方に切断したものを準備した。布地を1回の洗浄でそれぞれ8枚ずつ添加した。布地は合計約10.7gであった(およそ綿29重量%、65/35ポリコットン29重量%、ナイロン13重量%を含む)。試験用布地試料を洗浄液において周囲温度(約21℃)で30分間洗浄した。洗浄容積は750mlであり、洗浄液(ml)と布(g)との比は約70:1であった。洗浄完了後、布地の種類ごとにそれぞれ2枚ずつを周囲条件下で一晩乾燥させた。残りのバラスト布地は破棄した。プロセス全体を2回繰り返して2つの外観レプリカを生成した。
【0196】
次いで、洗浄し乾燥させた布地試料を、平衡を保つために近D65光(Sylvania Activa 172フルスペクトル蛍光灯から発生)の光に約1.5メートルの距離で1時間暴露させた。次に、平衡させた後だが紫外線に直接暴露する前に、試験用試料のL
*、a
*、b
*指示薬の値をKonica Minolta製色度計CR400で分析した。その後、試験用試料を366nm(長波長)紫外線に1分間直接暴露させ、そして再度その色指数値を前述と同様にして分析した。色彩変化が確認された。254nm(短波長紫外線)での追加実験からも同様の色彩変化が確認された。暴露から測定値確認までの間に色あせが生じるのを防ぐために、布地レプリカはそれぞれ個別に評価した。ナイロン布地は透明度が高いため、分析を行わなかった。
【0197】
紫外線へ暴露したときの平均色彩変化(Δ)は、次の式によりMicrosoft Excel 2007を用いて算出した。ΔX=X
(紫外線への暴露前)−X
(紫外線への曝露後)(式中、Xは対象の色指数値(すなわち、L
*、a
*、b
*)である。)標準誤差とスチューデントのT検定を含む統計的有意性を示す指標も同様に算出した。データを以降に示す。
【0198】
【表2】
【0199】
綿、ポリコットン混紡及びポリエステルを含むあらゆる織物種では紫外線への曝露によってある程度のシェーディング効果が現われることが分かる。したがって、フォトクロミック染料は織物表面に存在しており、シェーディング効果を発現させる。本発明の配合物は蛍光増白剤も含むので、本発明はその他の紫外線吸収剤の存在下でも有効である。
【0200】
(実施例2〜7)
手洗い又はトップローディング式洗濯機向けに設計された顆粒洗濯洗剤組成物は、処理しようとする表面に直接接触させるためのペーストを形成するのに十分な水に添加して、濃縮洗浄組成物を形成してよい。
【0201】
【表3】
【0202】
(実施例8〜13)
フロントローディング式洗濯機向けに設計された顆粒洗濯洗剤組成物は、処理しようとする表面に直接接触させるためのペーストを形成するのに十分な水に添加して、濃縮洗浄組成物を形成してよい。
【0203】
【表4】
【0204】
上記の組成物のいずれかを用いて、水中濃度7000〜10000ppm、20〜90℃及び水:布比5:1で布地を洗濯する。一般的なpHは約10である。続いて、布地を乾燥する。一態様では、布地は、乾燥機を用いて能動的に乾燥する。一態様では、布地は、アイロンを用いて能動的に乾燥する。別の態様では、布地は、空気及び任意に日光に暴露されるように一列に並べて乾燥させる。
【0205】
(実施例14〜19)
強力液体洗濯洗剤組成物
【0206】
【表5】
【0207】
(実施例20)
本組成物は、ポリビニルアルコールパウチに封入されてよい。
【0208】
【表6】
* 洗浄及び/又は処理組成物の総重量に対して、合わせて7%以下の水
1 ランダムグラフトコポリマーは、ポリエチレンオキシド主鎖と複数のポリ酢酸ビニル側鎖とを有する、ポリ酢酸ビニルグラフト化ポリエチレンオキシドコポリマーである。ポリエチレンオキシド主鎖の分子量は、約6000で、ポリエチレンオキシドとポリ酢酸ビニルの重量比は、約40:60であり、50個のエチレンオキシド単位当たりグラフト点は1個以下である。
2 −NH1個につき20個のエトキシレート基(ethoxylate groups)を有するポリエチレンイミン(MW=600)。
* 注:いずれの酵素濃度も、酵素原料の割合(%)として表されている。
【0209】
実施例2〜20の組成物の原料及び注記
C
11〜C
12の平均脂肪族炭素鎖長を有する直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩、
C
12〜14ジメチルヒドロキシエチルアンモニウムクロリド
AE3Sは、C
12〜15アルキルエトキシ(平均して1又は3個のエトキシ基を有する)サルフェートである。
AE7は、平均エトキシル化度が7のC
12〜15アルコールエトキシレートである。
AE9は、平均エトキシル化度が9のC
12〜13アルコールエトキシレートである。
HSASは、炭素鎖長が約16〜17の、中鎖分枝状一級アルキルサルフェートである。
1.6Rケイ酸塩
ポリアクリレートMW 4500は、BASF(Ludwigshafen,Germany)から供給されている。
カルボキシメチルセルロースは、CP Kelcoから供給されているFinnfix(登録商標)Vである。
好適なキレート剤は、例えば、ジエチレンテトラアミン五酢酸(DTPA)又はヒドロキシエタンジホスホネート(HEDP)である。
Savinase(登録商標)、Natalase(登録商標)、Stainzyme(登録商標)、Lipex(登録商標)、Celluclean(商標)、Mannaway(登録商標)、及びWhitezyme(登録商標)はいずれも、Novozymes(Bagsvaerd,Denmark)の製品である。
Biotouch(登録商標)は、AB Enzymes(Darmstadt,Germany)の製品である。
米国特許第6,312,936(B1)号に記載の細菌プロテアーゼ(実施例7〜12)は、Genencor International(Palo Alto,California,USA)から供給された。
米国特許第4,760,025号に記載の細菌プロテアーゼ(実施例13〜19)は、Genencor International(Palo Alto,California,USA)から供給された。
蛍光増白剤1はTinopal(登録商標)AMS、蛍光増白剤2はTinopal(登録商標)CBS−Xである。
ダイレクトバイオレット9は、Solvay(Houston,Texas,USA)から供給されたPergasol(登録商標)バイオレットBN−Z過炭酸ナトリウムである。
NOBSはノナノイルオキシベンゼンスルホン酸ナトリウムである。
TAEDはテトラアセチルエチレンジアミンである。
S−ACMCは、C.I.リアクティブブルー19で共役されているカルボキシメチルセルロースであり、Megazyme(Wicklow、Ireland)からAZO−CM−CELLULOSEという製品名で販売されている。
汚れ放出剤は、Rhodia(Paris,France)から供給されるRepel−o−tex(登録商標)PFである。
アクリル酸/マレイン酸コポリマーは、分子量が70,000、アクリレート:マレエートの比率が70:30であり、BASF(Ludwigshafen,Germany)から供給されている。
泡抑制剤疑集体は、Dow Corning(Midland,MIchigan,USA)から供給される。
HSASは、米国特許第6,020,303号及び同第6,060,443号で開示されているような中鎖分枝状アルキルサルフェートである。
C
12〜14ジメチルアミンオキシド
Liquitint(登録商標)バイオレットCTは、Milliken(Spartanburg,South Carolina,USA)から供給される。
【0210】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法はそれぞれ、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」と開示された寸法は、「約40mm」を意味するものである。