特許第6077192号(P6077192)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6077192提示装置、提示方法、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体、及び、プログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6077192
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】提示装置、提示方法、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体、及び、プログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 30/06 20120101AFI20170130BHJP
   G06Q 30/02 20120101ALI20170130BHJP
【FI】
   G06Q30/06 340
   G06Q30/02 470
【請求項の数】6
【全頁数】20
(21)【出願番号】特願2016-555638(P2016-555638)
(86)(22)【出願日】2015年12月8日
(86)【国際出願番号】JP2015084364
【審査請求日】2016年9月2日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】399037405
【氏名又は名称】楽天株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100110135
【弁理士】
【氏名又は名称】石井 裕一郎
(74)【代理人】
【識別番号】100132883
【弁理士】
【氏名又は名称】森川 泰司
(74)【代理人】
【識別番号】100148633
【弁理士】
【氏名又は名称】桜田 圭
(74)【代理人】
【識別番号】100163452
【弁理士】
【氏名又は名称】南郷 邦臣
(74)【代理人】
【識別番号】100180312
【弁理士】
【氏名又は名称】早川 牧子
(72)【発明者】
【氏名】岩切 遼太
(72)【発明者】
【氏名】板橋 慈
【審査官】 渡邉 加寿磨
(56)【参考文献】
【文献】 特表2007−531165(JP,A)
【文献】 特開2013−210970(JP,A)
【文献】 特開2011−113280(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2015/0221014(US,A1)
【文献】 特開2009−182827(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0258890(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化部、
前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示部、
前記リストの前記画面におけるスクロールが停止されている時間が所定時間以上となったときに、前記画面に表示されているアイテムを、注目アイテムとして検出する検出部、
前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定部
を備えることを特徴とする提示装置。
【請求項2】
リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化部、
前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示部、
前記リストに含まれる各アイテムが前記画面に表示されている間の当該各アイテムの平均スクロール速度が所定速度以下である場合に、当該各アイテムを注目アイテムとして検出する検出部、
前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定部
を備えることを特徴とする提示装置。
【請求項3】
前記設定部による前記省略表示モードへの設定は、前記リストが前記画面内にてスクロールされることにより、前記省略表示モードへ設定されるべきアイテムが前記画面から表示されなくなると行われる
ことを特徴とする請求項1または2に記載の提示装置。
【請求項4】
提示装置が、リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化ステップ、
前記提示装置が、前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示ステップ、
前記提示装置が、前記リストの前記画面におけるスクロールが停止されている時間が所定時間以上となったときに、前記画面に表示されているアイテムを、注目アイテムとして検出する検出ステップ、
前記提示装置が、前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定ステップ
を備えることを特徴とする提示方法。
【請求項5】
コンピュータを、
リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化部、
前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示部、
前記リストの前記画面におけるスクロールが停止されている時間が所定時間以上となったときに、前記画面に表示されているアイテムを、注目アイテムとして検出する検出部、
前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定部
として機能させることを特徴とするプログラムを記録した非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体。
【請求項6】
コンピュータを、
リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化部、
前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示部、
前記リストの前記画面におけるスクロールが停止されている時間が所定時間以上となったときに、前記画面に表示されているアイテムを、注目アイテムとして検出する検出部、
前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定部
として機能させることを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、閲覧者がアイテムのリストから過去に興味を持ったアイテムを簡単に探し出すことを可能にする提示装置、提示方法、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体、及び、プログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
オンラインモールで販売されている商品の数やメールサーバに蓄積されている電子メールの数は数万、数十万を超えることがあり、何らかの手段で検索対象の絞り込みがなされなければ、閲覧者は膨大な数のアイテム(商品や電子メール)から所望のアイテムを探し出すことができない。そこで、閲覧者に検索条件を指定させ、検索対象を絞り込むことにより、閲覧者が所望のアイテムを探し出し易くする技術が種々提案されている。
【0003】
例えば、特許文献1は、電子メールの受信条件を閲覧者に入力させ、共通サーバ装置に記憶された電子メールのうち、受信条件に合致する電子メールの受信データのメールリストを閲覧者に提示することにより、閲覧者が所望の電子メールを発見し易くする技術が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2010−267272号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
オンラインモールでも、特許文献1と同様の技術が当たり前に利用されており、検索キーワードを閲覧者に入力させ、オンラインモールで販売されている商品のうち、検索キーワードに合致する商品のリストを閲覧者に提示するネットショッピング用サイトが多く提供されている。例えば、閲覧者が検索キーワードとして「食品」を入力したとすると、販売されている商品のうち、食品に合致する商品のリストが画面に表示される。これにより、販売中の全商品を画面に表示する場合に比べ、閲覧者は所望の商品を探し出し易くなる。
【0006】
しかしながら、リストに含まれる商品の数が多いと、閲覧者は、いろいろな商品を閲覧しているうちに、過去に興味を持った商品がリストのどこにあるのか分からなくなってしまう。そのため、閲覧者は所望の商品をリストから探し出すために余計な労力を費やさなければならなくなる。この点、電子メールについても同様であり、ある検索条件に合致する電子メールが何百件とある場合には、閲覧者は、検索結果のリストから後で読もうと思っていた電子メールを探し出そうとすると、なかなか所望の電子メールを発見できず、多くの手間を取られてしまう。そこで、閲覧者に余計な負担が掛からないようにするために、閲覧者がアイテムのリストから過去に興味を持ったアイテムを簡単に探し出すことを可能にする技術が求められている。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためのものであり、閲覧者がアイテムのリストから過去に興味を持ったアイテムを簡単に探し出すことを可能にする提示装置、提示方法、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体、及び、プログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記目的を達成するために、本発明に係る提示装置は、
リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定し、
前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示し、
前記複数のアイテムのうち、前記画面に表示されている間に閲覧者が所定のアクションをしたアイテム(以下「注目アイテム」と言う。)を検出し、
前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、閲覧者がアイテムのリストから過去に興味を持ったアイテムを簡単に探し出すことができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
図1】本発明の実施形態に係る提示システムを示す図である。
図2】本発明の実施形態に係る提示装置の機能構成を示す図である。
図3】本発明の実施形態に係るサービス提供サーバの機能構成を示す図である。
図4】検索ワードに合致する商品のリストが画面に表示された様子を示す図である。
図5】商品画像がポップアップウィンドウに表示された様子を示す図である。
図6】新たに設定された表示モードに基づいて画面が更新された様子を示す図である。
図7】スクロールにより新たな商品が画面に表示された様子を示す図である。
図8】新たに設定された表示モードに基づいて画面が再更新された様子を示す図である。
図9】過去に注目アイテムとして検出された商品が顕著に目立つ状態で画面に表示されている様子を示す図である。
図10】本発明の実施形態に係る提示装置により実行される処理の流れを表すフローチャートを示す図である。
図11】表示部が1枡1商品を並べる形式で、複数の商品を画面に表示した様子を示す図である。
図12】通常枡の一部が省略枡に置き換わり、他の商品については通常枡による表示が維持される様子を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下に本発明の実施形態を説明する。なお、本実施形態は説明のためのものであり、本願発明の範囲を制限するものではない。従って、当業者であればこれらの各要素もしくは全要素をこれと均等なものに置換した実施形態を採用することが可能であるが、これらの実施形態も本発明の範囲に含まれる。また、本願発明の実施形態を図面を参照して説明するにあたり、図中同一又は相当する部分には同一符号を付す。
【0012】
図1は、本発明の実施形態に係る提示システム100を示す。提示システム100は、インターネット上で複数の仮想店舗が様々な商品を販売するオンラインモールを用いたネットショッピングサービスをユーザ(以下、閲覧者と言う。)に提供する。同図に示すように、提示システム100は、提示装置1と、サービス提供サーバ2と、通信ネットワーク3(インターネット)と、から構成されており、提示装置1とサービス提供サーバ2とは通信ネットワーク3を介して互いに通信可能に接続する。なお、通信ネットワーク3は、本実施形態ではインターネットであるが、LAN(Local Area Network)、WAN(Wide Area Network)、専用回線等であっても良い。
【0013】
提示装置1は、例えば、PC(Personal Computer)、スマートフォン、タブレット端末、携帯電話であり、サービス提供サーバ2が提供するオンラインモールのホームページにアクセスすると、オンラインモールで販売されている商品を閲覧・注文することができる。
【0014】
サービス提供サーバ2は、オンラインモールで販売されている商品の情報(以下、商品情報と言う。)を記憶しており、提示装置1からの要求に応じて、閲覧者に提示すべき商品のリストを取得し、取得されたリストを提示装置1に送信する。
【0015】
なお、商品のリストとは、複数の商品からなる商品の集まりであり、商品の配列を限定するものではない。また、本実施形態では、提示装置1とサービス提供サーバ2とが協働することで本発明が実現される例を説明するが、本発明は1つのコンピュータで実現されても良い。また、本実施形態では商品を例にとって本発明を説明するが、商品はアイテムの一例にすぎず、本発明は商品を含む種々のアイテムに対して適用されることに留意すべきである。
【0016】
図2は、提示装置1の機能構成を示す図である。提示装置1は、プログラムに従って動作することにより、受付部11、制御部12、表示部13、通信部14として機能する。
【0017】
受付部11は、キーボード、マウス、トラックパッド等により実現される。受付部11は、閲覧者の操作を介して閲覧者の指示を受け付け、受け付けられた閲覧者の指示を示す入力信号を生成する。そして、生成された入力信号を制御部12に供給する。
【0018】
制御部12は、CPU(Central Processing Unit)、ROM(Read Only Memory)、RAM(Random Access Memory)等から実現され、ROM等の非一時的な情報記録媒体に記憶されたプログラムを一時的な情報記録媒体であるRAMに読み出し、読み出されたプログラムに含まれる指令をCPUにより実行する。また、制御部12は、受付部11から供給された入力信号を受け付け、入力信号が示す閲覧者の指示をCPUにより実行する。
【0019】
表示部13は、液晶ディスプレイ等から構成される表示装置とCPUとが協働することにより実現される。表示部13は、制御部12から供給される各種データ(例えばオンラインモールのホームページ)を表示装置の画面に表示する。
【0020】
通信部14は、NIC(Network Interface Card)とCPUとが協働することにより実現される。通信部14は、提示装置1を通信ネットワーク3に接続し、サービス提供サーバ2と各種データを通信する。
【0021】
なお、図2に示すように、制御部12は、初期化部121と、検出部122と、設定部123と、を含む。以下、これらの機能部について簡単に説明するが、詳細については後述する説明を参照されたい。
【0022】
初期化部121は、リストに含まれる複数の商品の表示モードを、通常表示モードへ設定する。なお、リストとは、オンラインモールで販売されている全商品のうち、閲覧者により指定された検索条件に合致する商品の集合である。
【0023】
検出部122は、リストに含まれる複数の商品のうち、表示部13により画面に表示されている間に閲覧者が所定のアクションをした商品(以下、注目アイテムと言う。)を検出する。
【0024】
設定部123は、検出された注目アイテムの表示モードを通常表示モードへ設定し、リストに含まれる先頭の商品から検出された注目アイテムまでのうち、未だ注目アイテムとして検出されていない商品の表示モードを省略表示モードへ設定する。
【0025】
図3は、サービス提供サーバ2の機能構成を示す図である。サービス提供サーバ2は、プログラムに従って動作することにより、制御部21、通信部22、ソフトウェア記憶部23、アイテム記憶部24として機能する。
【0026】
制御部21は、CPU、ROM、RAM等から実現され、ROM等の非一時的な情報記録媒体に記憶されたプログラムを一時的な情報記録媒体であるRAMに読み出し、読み出されたプログラムに含まれる指令をCPUにより実行する。また、制御部21は、通信部22から供給された各種要求に従って所定の処理をCPUにより実行する。
【0027】
通信部22は、NICとCPUとが協働することにより実現される。通信部22は、サービス提供サーバ2を通信ネットワーク3に接続し、提示装置1と各種情報を通信する。
【0028】
ソフトウェア記憶部23は、ハードディスク等の記憶装置に構築される。ソフトウェア記憶部23は、各種のプログラム、画像情報、テキスト情報等を記憶しており、例えば、提示システム100においてネットショッピングサービスを実現するためのネットショッピング用プログラム231、オンラインモールのホームページ等を記憶する。
【0029】
アイテム記憶部24は、ハードディスク等の記憶装置に構築される。アイテム記憶部24は、オンラインモールで販売されている全商品の商品情報を記憶する。なお、商品情報には、商品画像、商品名、値段、商品説明文等が含まれる。また、商品画像には、商品が画面に一覧表示されるときに使用される小サイズの商品画像と、閲覧者が一覧表示された商品のいずれかを選択すると画面に表示される大サイズの商品画像と、が含まれる。
【0030】
以上、提示装置1及びサービス提供サーバ2の各機能部について機能概要を説明した。ここからは、提示装置1及びサービス提供サーバ2の各機能部がどのように連携すれば、閲覧者が商品のリストから過去に興味を持った商品を簡単に探し出せるようになるのかを、具体例を用いて説明する。
【0031】
まず、提示装置1からサービス提供サーバ2へアクセス要求があったとする。すると、制御部21は、アクセス要求に応答して、ソフトウェア記憶部23に記憶されているネットショッピング用プログラム231とオンラインモールのホームページを取得する。そして、通信部22を介して、取得されたネットショッピング用プログラム231とオンラインモールのホームページを提示装置1に送信する。
【0032】
制御部12は、通信部14を介して、サービス提供サーバ2からネットショッピング用プログラム231とオンラインモールのホームページを受信する。そして、ネットショッピング用プログラム231の指令に従って、オンラインモールのホームページを表示部13に供給する。表示部13は、供給されたオンラインモールのホームページを表示装置の画面に表示する。オンラインモールのホームページには、商品検索用の検索ボックスと検索ボタンが描画されており、閲覧者が所定の検索ワードを検索ボックスに入力して検索ボタンをクリックすれば、検索ワードに合致する商品のリストが検索結果として画面に表示される。
【0033】
例えば、閲覧者は、受付部11を操作して、検索ボックスに「食品」という検索ワードを入力し、検索ボタンをクリックしたとする。すると、受付部11から制御部12へ閲覧者が入力した検索ワード「食品」が供給される。制御部12は、受付部11から検索ワード「食品」を取得すると、検索ワード「食品」に合致する商品のリストを送信する旨の要求(以下、商品検索要求と言う。)を、通信部14を介して、サービス提供サーバ2に送信する。
【0034】
制御部21は、通信部22を介して、提示装置1から商品検索要求を受信すると、オンラインモールで販売中の全商品のうち、検索ワード「食品」に合致する商品のリストをアイテム記憶部24から取得する。なお、検索ワード「食品」に合致する商品の例としては、商品名に「食品」という文字が含まれているものや、商品説明文に「食品」という文字が含まれているものが挙げられる。次に、制御部21は、取得された商品のリストを、通信部22を介して、提示装置1に送信する。
【0035】
制御部12は、通信部14を介して、サービス提供サーバ2から検索ワード「食品」に合致する商品のリストを受信する。すると、初期化部121は、リストに含まれる複数の商品の表示モードを、通常表示モードへ設定する。通常表示モードとは、各種商品情報を予め定められた形式で表示するモードである。表示モードが設定されると、表示部13は、リストに含まれる複数の商品のうち、画面に表示されるべき商品を、画面に表示されるべき商品に設定された表示モード(通常表示モード)で画面に表示する。
【0036】
図4は、検索ワード「食品」に合致する商品のリストが画面に表示された様子を示す。同図に示すように、リストに含まれる各商品は、商品画像、商品名、値段、商品比較用のチェックボックス、商品購入数入力用の入力ボックス、「買い物カゴに入れる」ボタンのセットで表現される。なお、サービス提供者が裁量で、通常表示モードで画面に表示させる商品情報を選択可能であることに留意すべきである。
【0037】
図4に示すように、画面の上部には、検索ボックスと検索ボタンが表示されており、検索ボックスには検索ワード「食品」が入力されている。そして、「検索結果」という文字の直下には、検索ワード「食品」に合致する商品のリストが表示されている。なお、同図では、リストに含まれる複数の商品のうち、8つの商品しか画面に表示されていないが、閲覧者は画面右のスクロールバーを用いて画面をスクロールさせることにより、リストに含まれる他の商品を閲覧することができる。また、同図の商品画像は小サイズの商品画像であり、閲覧者が小サイズの商品画像を、マウスポインタ等を用いてクリックすると、大サイズの商品画像がポップアップウィンドウに表示される。なお、サイズの異なる商品画像はそれぞれアイテム記憶部24に記憶されていたものであり、商品のリストの一要素としてサービス提供サーバ2から送信されたものである。また、商品購入数入力用の入力ボックスは、閲覧者が商品を購入する数を入力するための入力欄である。閲覧者は、「買い物カゴに入れる」ボタンをクリックすると、入力ボックスに入力されている数の商品を購入することができる。また、商品比較用のチェックボックスは、表示部13に、チェックされた2以上の商品の各種商品情報(商品画像、商品名、値段、送料、支払方法等)を比較可能に表示させるために設けられている。例えば、閲覧者が、商品1、3、5に係るチェックボックスをチェックし、画面右上の「商品を比較する」ボタンをクリックすると、表示部13は、商品1、3、5の各種商品情報を閲覧者が比較可能に並べて画面に表示する。
【0038】
閲覧者は、商品のリストが画面に表示されると、所望の商品を求めて商品のリストを物色する。そして、興味を持った商品又は購入したい商品を見つけると、その商品に対して何らかのアクションを行うはずである。例えば、閲覧者は、商品画像をクリックしたり、商品購入数を入力ボックスに入力したりするはずである。従って、閲覧者により所定のアクションがあった商品(注目アイテム)は、閲覧者が興味を持った商品又は購入したい商品であると推定することができる。一方で、リストに含まれる先頭の商品から注目アイテムまでのうち、何のアクションもなかった商品については、閲覧者が何ら興味を持っていない商品であると推定することができる。この推定のために、検出部122は、閲覧者により所定のアクションがあった商品を注目アイテムとして検出する。
【0039】
例えば、閲覧者が、図4に示す商品7に興味を持ち、マウスポインタを用いて商品画像7をクリックしたとすると、検出部122は、画面に表示されている商品1〜8のうち、商品7を、注目アイテムとして検出する。そして、検出された商品7はユーザが所望する商品であり、リストに含まれる先頭の商品から検出された注目アイテムまでのうち、何のアクションもなかった商品1〜6はユーザが何ら興味を持っていない商品であると推定される。そこで、設定部123は、注目アイテムとして検出された商品7の表示モードを通常表示モードへ設定し、リストに含まれる先頭の商品から検出された注目アイテムまでのうち、未だ注目アイテムとして検出されていない商品1〜6の表示モードを後述する省略表示モードへ設定する。そして、表示部13は、商品1〜6を省略表示モードで画面に表示し、商品7を通常表示モードで画面に表示する。
【0040】
図5は、商品7に係る大サイズの商品画像がポップアップウィンドウ40に表示された様子を示す。ポップアップウィンドウ40は、小サイズの商品画像7がクリックされたことにより表示されている。閲覧者は、ポップアップウィンドウ40に表示されている商品7を閲覧し、商品を購入するかどうかを検討する。そして、検討を終えると、ポップアップウィンドウ40右下の「閉じる」という文字をクリックすることにより、ポップアップウィンドウ40を閉じる。表示部13は、ポップアップウィンドウ40が閉じられると、新たに設定された表示モードに基づいて画面を更新する。
【0041】
図6は、新たに設定された表示モードに基づいて画面が更新された様子を示す。同図では、商品1〜6が省略表示モードで表示され、商品7が通常表示モードで表示されている。なお、商品8以降については、通常表示モードでの表示が維持されている。同図に示すように、商品1〜6については、商品画像と商品比較用のチェックボックスが省略されている。また、フォントサイズが通常表示モードで表示されていたときと比較して小さくなっている。さらに、商品1〜6のそれぞれに割り当てられた表示領域の高さが通常表示モードで表示されていたときと比較して低くなっている。このように、一部の表示が省略されたり、通常表示モードと比較してフォントサイズが小さくなったり、表示領域の高さが低くなったりする表示モードが省略表示モードである。
【0042】
このように、本発明は、閲覧者が興味を持っていないと推定される商品を省略表示することにより、閲覧者が興味を持っている又は購入したい商品が目立つようにする。そうすることで、閲覧者は、リストのどこに所望の商品があるか見つけ易くなる。なお、通常表示モードで表示された商品より省略表示モードで表示された商品が目立たないように表示されるのであれば、省略表示モードの表示形式はどのようなものであっても構わない。例えば、商品の表示領域の横幅が小さくなっても良いし、文字や商品画像が半透明になっても良いし、文字の色が水色等の目立たない色になっても良い。なお、閲覧者がマウスポインタにより画面左に表示されている「開く」という文字をクリックすると、商品の表示モードは省略表示モードから通常表示モードへ変更され、商品の表示は通常表示に戻る。
【0043】
図7は、スクロールにより商品44〜53が画面に表示された様子を示す。閲覧者は、所望の商品を1つ見つけたら商品の閲覧を止めるとは限らないので、閲覧を続ける場合、スクロールにより商品1〜8以外の商品を画面に表示させる。ここで、閲覧者が、商品50を1つ購入したいと考えたとする。この場合、同図に示すように、閲覧者は、商品50に係る商品購入数入力用の入力ボックス42に数値「1」を入力する。これに対して、検出部122は、数値が入力された入力ボックス42に係る商品50を注目アイテムとして検出する。そして、設定部123は、検出された注目アイテムの表示モードを通常表示モードへ設定する。ただし、ここで設定部123が表示モードを通常表示モードへ設定するアイテムは、商品50だけでなく、過去に注目アイテムとして検出された商品7も含まれることに留意すべきである。次に、設定部123は、リストに含まれる先頭の商品から検出された注目アイテム(商品50)までのうち、未だ注目アイテムとして検出されていない商品1〜6、8〜49の表示モードを省略表示モードへ設定する。そして、表示部13は、商品1〜6、8〜49を省略表示モードで画面に表示し、商品7、50を通常表示モードで画面に表示する。
【0044】
図8は、新たに設定された表示モードに基づいて画面が再更新された様子を示す。同図に示すように、注目アイテムとして検出された商品50は通常表示モードで表示されている一方で、画面が再更新されたことにより、注目アイテムとして検出されていない商品46〜49は省略表示モードで表示されている。
【0045】
図9は、過去に注目アイテムとして検出された商品7が顕著に目立つ状態で画面に表示されている様子を示す。注目すべきことは、画面に表示されている商品6〜18のうち、注目アイテムとして検出されていない商品6、8〜18は省略表示モードで表示されている一方で、過去に注目アイテムとして検出された商品7は通常表示モードでの表示が維持されていることである。これにより、商品7は省略表示モードで表示されている商品6、8〜18に比べて非常に目立つため、閲覧者は、商品のリストから過去に注目アイテムとして検出された商品7を簡単に見つけることができる。つまり、閲覧者は、商品のリストから過去に興味を持って所定のアクションを行った商品7を簡単に探し出すことができる。
【0046】
以上説明したように提示装置1及びサービス提供サーバ2の各機能部が連携することにより、閲覧者は商品のリストから過去に興味を持った商品を簡単に探し出すことができるようになる。
【0047】
図10は、本発明の実施形態に係る提示装置1により実行される処理の流れを表すフローチャートを示す。以下、同図を参照して説明する。本処理は、提示装置1がサービス提供サーバ2から取得したネットショッピング用プログラム231を実行することにより開始され、この処理によって提示装置1が実現される。
【0048】
提示装置1からサービス提供サーバ2へアクセス要求があると、制御部21は、アクセス要求に応答して、ソフトウェア記憶部23に記憶されたネットショッピング用プログラム231とオンラインモールのホームページを取得する。そして、通信部22を介して、取得されたネットショッピング用プログラム231とオンラインモールのホームページを提示装置1に送信する。これに対して、制御部12は、通信部14を介して、サービス提供サーバ2からネットショッピング用プログラム231とオンラインモールのホームページを受信する(ステップS1)。そして、ネットショッピング用プログラム231の指令に従って、オンラインモールのホームページを表示部13に供給する。
【0049】
表示部13は、供給されたオンラインモールのホームページを表示装置の画面に表示する(ステップS2)。なお、オンラインモールのホームページには、商品検索用の検索ボックスと検索ボタンが描画される。
【0050】
制御部12は、検索ワードの入力の有無を判別する(ステップS3)。そして、検索ワードの入力が無いと判別した場合には(ステップS3;NO)、検索ワードの入力が有るまでステップS3の判別を繰り返す。ここで、閲覧者が受付部11を操作して商品検索用の検索ボックスに所定の検索ワードを入力し、検索ボタンをクリックしたとする。すると、受付部11から制御部12へ閲覧者が入力した検索ワードが供給される。
【0051】
制御部12は、受付部11から検索ワードを取得すると、検索ワードの入力が有ったと判別する(ステップS3;YES)。そして、検索ワードに合致する商品のリストを送信する旨の要求(商品検索要求)を、通信部14を介して、サービス提供サーバ2に送信する(ステップS4)。
【0052】
制御部21は、通信部22を介して、提示装置1から商品検索要求を受信すると、オンライモールで販売中の全商品のうち、検索ワードに合致する商品のリストをアイテム記憶部24から取得する。そして、取得された商品のリストを、通信部22を介して、提示装置1に送信する。
【0053】
制御部12は、通信部14を介して、サービス提供サーバ2から検索ワードに合致する商品のリストを受信する(ステップS5)。すると、初期化部121は、商品の表示モードについて初期化を行う(ステップS6)。具体的には、リストに含まれる複数の商品の表示モードを、通常表示モードへ設定する。初期化が完了すると、表示部13は、リストに含まれる複数の商品のうち、画面に表示されるべき商品を、画面に表示されるべき商品に設定された表示モード(通常表示モード)で画面に表示する(ステップS7)。
【0054】
次に、検出部122は、閲覧者によるアクションの有無を判別する(ステップS8)。そして、閲覧者によるアクションが無いと判別した場合には(ステップS8;NO)、閲覧者によるアクションが有るまでステップS8の判別を繰り返す。また、閲覧者によるアクションが有ったと判別した場合には(ステップS8;YES)、アクションの内容を判別する(ステップS9)。そして、アクションの内容が、画面に表示された複数の商品のいずれかに対する所定のアクションであると判別した場合には、画面に表示された複数の商品のうち、閲覧者が所定のアクションをした商品を注目アイテムとして検出する(ステップS10)。
【0055】
設定部123は、検出された注目アイテムの表示モードを通常表示モードへ設定し(ステップS11)、リストに含まれる先頭の商品から検出された注目アイテムまでのうち、未だ注目アイテムとして検出されていない商品の表示モードを省略表示モードへ設定する(ステップS12)。そして、表示部13は、画面に表示されている複数の商品を新たに設定された表示モードで表示し(ステップS13)、ステップS8に処理を戻す。
【0056】
なお、ステップS9において、検出部122は、アクションの内容が閲覧者による新たな検索ワードの入力であると判別した場合には、ステップS4に処理を戻す。
【0057】
以上説明したように、本発明の実施形態に係る提示装置1は、検索ワードに合致する商品のリストを受信すると、リストに含まれる複数の商品の表示モードを、通常表示モードへ設定する。そして、リストに含まれる複数の商品のうち、画面に表示されるべき商品を、通常表示モードで画面に表示する。閲覧者は、画面に表示された複数の商品のうち、興味を持った商品に対して商品画像をクリックする等の所定のアクションを行う。閲覧者により所定のアクションがなされた商品は閲覧者が所望する商品であるという推定が働くので、提示装置1は、閲覧者が所定のアクションをした商品を注目アイテムとして検出する。また、検出された注目アイテムの表示モードを通常表示モードへ設定し、リストに含まれる先頭の商品から検出された注目アイテムまでのうち、未だ注目アイテムとして検出されていない商品の表示モードを省略表示モードへ設定する。そして、画面に表示されている複数の商品を新たに設定された表示モードで表示する。さらに、提示装置1は、閲覧者が所望の商品に対して所定のアクションを行う度に表示モードを再設定し、画面に表示されている複数の商品を再設定された表示モードで表示する。
【0058】
これにより、過去に注目アイテムとして検出された商品が、未だ注目アイテムとして検出されていない商品に比べて顕著に目立つ状態で画面に表示されるので、リストに含まれる商品が多くても、閲覧者はリストから過去に興味を持った商品を簡単に探し出すことができる。
【0059】
(変形例)
以上に本発明の実施形態について説明したが、上記実施形態は一例であり、本発明の適用範囲はこれに限られない。即ち、本発明の実施形態は種々の応用が可能であり、あらゆる実施の形態が本発明の範囲に含まれる。
【0060】
上記実施形態では、表示部13は、画面の上から下へ1行に1商品を並べる形式で、複数の商品を画面に表示した。しかしながら、商品の並べ方はこれに限定されず、表示部13は、種々の形式で複数の商品を画面に並べて構わない。
【0061】
図11は、表示部13が、1枡1商品を並べる形式で、複数の商品を画面に表示した様子を示す。同図に示すように、表示部13は、タイルを敷き詰めるように、複数の商品を画面に並べて表示しても構わない。なお、同図で商品を表示する各枡(タイル)を、以下では通常枡(通常タイル)と言う。なお、閲覧者が商品7に係る商品購入数入力用の入力ボックス43に数値「1」を入力したとすると、商品1〜7のうち、商品1〜6を表示する各通常枡が省略枡(省略タイル)に置き換わり、商品7については通常枡による表示が維持される。
【0062】
図12は、商品1〜6を表示する各通常枡が省略枡に置き換わり、商品7については通常枡による表示が維持される様子を示す。同図に示すように、省略枡では、商品画像と、商品購入数入力用の入力ボックスと、「買い物カゴに入れる」ボタンが省略されている。なお、省略枡中の「開く」という文字をクリックすると、商品は通常枡による表示に戻る。
【0063】
また、省略枡がクリックされると、商品が通常枡による表示に戻っても良い。また、上記例では、表示部13は、商品1〜6を表示する通常枡を省略枡に置き換えたが、通常枡に表示されている商品情報を全て非表示にし、非表示にされた通常枡同士の間に商品情報が非表示になっていることを示す境界線を表示しても良い。また、その際に、境界線を挟む通常枡は、商品情報が非表示になっていない通常枡に比べて非常に小さく表示されても良い。
【0064】
また、上記実施形態では、表示部13は、省略表示モードが設定された商品については、商品画像を省略したが、商品画像を省略するのではなく、通常表示モードが設定された商品に係る商品画像に比べてサイズが小さい商品画像を表示しても良い。また、表示部13は、省略表示モードが設定された商品については、画面に一切表示しなくても良い。
【0065】
また、上記実施形態では、検出部122は、閲覧者が商品画像をクリックしたとき又は商品購入数入力用の入力ボックスに数値を入力したときに、所定のアクションが有ったと判別し、注目アイテムの検出を行った。しかしながら、検出部122は、閲覧者が興味を持った商品の推定に有効なアクションであれば、商品画像のクリックや入力ボックスへの数値入力以外のアクションが有ったときに所定のアクションが有ったと判別し、注目アイテムの検出を行っても構わない。例えば、所定のアクションは、閲覧者が図4に示す商品比較用のチェックボックスをチェックするアクションであっても良いし、商品名をクリックする等して商品を選択するアクションであっても良い。また、商品と関連付けて「クーポン」ボタン、「商品の詳細表示」ボタン、「商品をお気に入りへ登録」ボタン等が画面に表示されている場合には、所定のアクションは、閲覧者がこれらのボタンのいずれかをクリック等して商品を選択するアクションであっても良い。
【0066】
また、通常、閲覧者は、興味を持っている商品が画面に表示されている場合には、興味を持っていない商品が画面に表示されている場合に比べて画面をゆっくりとスクロールさせる。従って、商品が画面に表示されている間の商品の平均スクロール速度が十分遅ければ、その商品は、閲覧者が興味を持っている商品である可能性が高い。そこで、検出部122は、リストに含まれる各商品が画面に表示されている間の各アイテムの平均スクロール速度が所定速度(以下、第1所定速度と言う。)以下である場合に、各商品を注目アイテムとして検出しても良い。なお、オンラインモールを提供する者が適切と考える値を第1所定速度に設定して良いが、統計データから求まる適切な値を第1所定速度に設定しても良い。例えば、閲覧者は、平均スクロール速度と商品購入割合との関係や、平均スクロール速度と商品購入数との関係から求まる適切な値を第1所定速度に設定しても良い。
【0067】
また、閲覧者は、画面に表示されている商品に興味を持ったのであれば、商品の詳細説明文等を読むために、しばらくの間、スクロールを停止させるはずである。そこで、検出部122は、リストの画面におけるスクロールが停止されている時間が所定時間(以下、第1所定時間と言う。)以上となったときに、画面に表示されている商品を、注目アイテムとして検出しても良い。なお、第1所定時間は、上記第1所定速度と同様に、オンラインモールを提供する者が適切と考える値であっても良いし、統計データから求まる適切な値であっても良い。
【0068】
また、上記実施形態では、設定部123による省略表示モードへの設定は、商品画像がクリックされた後であってポップアップウィンドウ40が画面に表示される前に行われた。このように、省略表示モードへの設定は、所定のアクションがなされた後、所定のアクションに対する結果が画面に表示される前に行われて良いが、これに限定されず種々のタイミングで行われて良い。例えば、省略表示モードへの設定は、所定のアクションに対する結果が画面に表示された後に行われても良い。具体例として、省略表示モードへの設定は、商品画像がクリックされたことによりポップアップウィンドウ40が画面に表示された後に行われても良い。また、省略表示モードへの設定は、商品画像がクリックされたことによりポップアップウィンドウ40が表示され、表示されたポップアップウィンドウ40にて商品に対する何らかの処理が実行された後に行われてもよい。また、省略表示モードへの設定は、リストが画面内にてスクロールされることにより、省略表示モードへ設定されるべき商品が画面から表示されなくなると行われても良い。
【0069】
また、上記実施形態では、省略表示モードへの設定は、所定のアクションに応じて表示されたポップアップウィンドウ40が閉じられたときに行われたが、所定のアクションに応じて実行されたページ遷移により表示された遷移先のページから、ブラウザの「戻る」ボタン等で元のページに戻ったときに行なわれても良い。
【0070】
また、本発明が制御対象とするアイテムには商品以外にも様々なものが含まれる。例えば、販売を目的としない品目も含まれるし、無体物である情報も含まれる。
【0071】
また、上記実施形態では、オンラインモールを例にとって本発明を説明したが、本発明は、オンラインモールに適用されるだけでなく、多数のアイテムを含むリストを閲覧者に提示する様々なものに適用される。例えば、本発明は、動画のリストを閲覧者に提示する動画サイトや電子メールの受信箱内のメールリストを閲覧者に提示する電子メールソフトに適用されても良い。また、本発明は、一般的な検索エンジンに適用されても良い。なお、一般的な検索エンジンとは、キーワードを入力して必要な情報を選び出す仕組みを言い、特に、ウェブ上で情報を検索するシステム、又は、検索を実行するウェブサイトを言う。
【0072】
また、本発明は、ファイル管理用ツールであるファイルエクスプローラ[Windows(登録商標)のエクスプローラ等]に適用されても良い。例えば、ユーザが撮影した複数の写真が電子データとしてハードディスクに記憶されており、ファイルエクスプローラが上記複数の写真を画面に一覧表示していたとする。ここで、閲覧者が、一覧表示された複数の写真のいずれかに所定のアクションをすると(例えばマウスポインタを操作して写真をクリックすると)、本発明は、閲覧者が所定のアクションをした写真を注目アイテムとして検出する。そして、注目アイテムの表示モードを通常表示モードへ設定すると共に、一覧表示の先頭の写真から注目アイテムとして検出された写真までのうち、未だ注目アイテムとして検出されていない写真の表示モードを省略表示モードへ設定し、一覧表示された写真を新たに設定された表示モードで再表示する。これにより、注目アイテムとして検出された写真が、注目アイテムとして検出されていない写真に比べて非常に目立つ状態で画面に表示されることになるので、閲覧者は、一覧表示された写真から過去に興味を持ち所定のアクションを行った写真を簡単に見つけることができる。
【0073】
また、本発明は、スタンドアローンで使用される端末で実現されても良い。例えば、スタンドアローンで使用される端末が、自端末に構築された書籍データベースから書籍検索ワードに合致する書籍のリストを閲覧者に提示する書籍検索アプリを有している場合に、本発明は端末が有する書籍検索アプリに適用されて良い。
【0074】
また、上記実施形態では、提示装置1は、サービス提供サーバ2から受信したネットショッピング用プログラム231に従って動作することにより、初期化部121、検出部122、設定部123として機能する例を説明した。しかしながら、初期化部121、検出部122、設定部123は、ネットショッピング用プログラム231に従って動作するサービス提供サーバ2により実現されても構わない。この場合、サービス提供サーバ2は、提示装置1から受信した各種通知(所定のアクションがあった旨の通知や画面がスクロールされた旨の通知)に基づいて、注目アイテムの検出やリストに含まれる各商品の表示モードの設定を行う。
【0075】
なお、本発明に係る機能を実現するための構成を予め備えた提示装置1として提供できることはもとより、プログラムの適用により、既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等を、本発明に係る提示装置1として機能させることもできる。即ち、上記実施形態で例示した提示装置1による各機能構成を実現させるためのプログラムを、既存のパーソナルコンピュータや情報端末機器等を制御するCPU等が実行できるように適用することで、本発明に係る提示装置1として機能させることができる。また、本発明に係る提示方法は、提示装置1を用いて実施できる。
【0076】
また、このようなプログラムの適用方法は任意である。プログラムを、例えば、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体[CD−ROM(Compact Disc Read-Only Memory)、DVD(Digital Versatile Disc)、MO(Magneto Optical disc)等]に格納して適用できる他、インターネット等のネットワーク上のストレージにプログラムを格納しておき、これをダウンロードさせることにより適用することもできる。
【0077】
なお、本発明は、本発明の広義の精神と範囲を逸脱することなく、様々な実施の形態及び変形が可能とされるものである。また、上述した実施の形態は、この発明を説明するためのものであり、本発明の範囲を限定するものではない。即ち、本発明の範囲は、実施の形態ではなく、特許請求の範囲によって示される。そして、特許請求の範囲内及びそれと同等の発明の意義の範囲内で施される様々な変形が、この発明の範囲内とみなされる。
【0078】
(まとめ)
以下に本発明のまとめを記載する。
【0079】
本発明の一形態に係る提示装置は、
リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化部、
前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示部、
前記複数のアイテムのうち、前記画面に表示されている間に閲覧者が所定のアクションをしたアイテム(以下「注目アイテム」と言う。)を検出する検出部、
前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定部
を備えることを特徴とする。
【0080】
前記設定部による前記省略表示モードへの設定は、前記リストが前記画面内にてスクロールされることにより、前記省略表示モードへ設定されるべきアイテムが前記画面から表示されなくなると行われても良い。
【0081】
前記設定部による前記省略表示モードへの設定は、前記所定のアクションがなされた後、前記所定のアクションに対する結果が前記画面に表示される前に行われても良い。
【0082】
前記設定部による前記省略表示モードへの設定は、前記所定のアクションに対する結果が前記画面に表示された後に行われても良い。
【0083】
前記検出部は、前記リストの前記画面におけるスクロールが停止されている時間が所定時間以上となったときに、前記画面に表示されているアイテムを、前記注目アイテムとして検出しても良い。
【0084】
前記検出部は、前記リストに含まれる各アイテムが前記画面に表示されている間の当該各アイテムの平均スクロール速度が所定速度以下である場合に、当該各アイテムを前記注目アイテムとして検出しても良い。
【0085】
前記所定のアクションは、前記画面に表示されているアイテムからいずれかを選択する選択アクションであり、
前記選択アクションがなされると、前記選択アクションにより選択されたアイテムの詳細情報が示されるポップアップウィンドウが前記画面に表示され、もしくは、前記選択アクションにより選択されたアイテムの詳細情報が示されるページへ、前記画面に表示されるべき対象が遷移しても良い。
【0086】
本発明の一形態に係る提示方法は、
提示装置が、リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化ステップ、
前記提示装置が、前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示ステップ、
前記提示装置が、前記複数のアイテムのうち、前記画面に表示されている間に閲覧者が所定のアクションをしたアイテム(以下「注目アイテム」と言う。)を検出する検出ステップ、
前記提示装置が、前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定ステップ
を備えることを特徴とする。
【0087】
本発明の一形態に係る非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体は、
コンピュータを、
リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化部、
前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示部、
前記複数のアイテムのうち、前記画面に表示されている間に閲覧者が所定のアクションをしたアイテム(以下「注目アイテム」と言う。)を検出する検出部、
前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定部
として機能させることを特徴とするプログラムを記録する。
【0088】
本発明の一形態に係るプログラムは、
コンピュータを、
リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定する初期化部、
前記リストを画面にスクロール可能に表示することにより、前記リストに含まれる複数のアイテムのうち前記画面に表示されるべきアイテムを、前記画面に表示されるべきアイテムに対して設定された表示モードで前記画面に表示する表示部、
前記複数のアイテムのうち、前記画面に表示されている間に閲覧者が所定のアクションをしたアイテム(以下「注目アイテム」と言う。)を検出する検出部、
前記検出された注目アイテムの表示モードを前記通常表示モードへ設定し、前記リストに含まれる先頭のアイテムから前記検出された注目アイテムまでのうち、未だ前記注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する設定部
として機能させることを特徴とする。
【産業上の利用可能性】
【0089】
本発明によれば、閲覧者がアイテムのリストから過去に興味を持ったアイテムを簡単に探し出すことを可能にする提示装置、提示方法、非一時的なコンピュータ読取可能な情報記録媒体、及び、プログラムを提供することができる。
【符号の説明】
【0090】
1 提示装置
2 サービス提供サーバ
3 通信ネットワーク
11 受付部
12 制御部
13 表示部
14 通信部
21 制御部
22 通信部
23 ソフトウェア記憶部
24 アイテム記憶部
40 ポップアップウィンドウ
100 提示システム
121 初期化部
122 検出部
123 設定部
231 ネットショッピング用プログラム
【要約】
初期化部(121)は、リストに含まれる複数のアイテムの表示モードを、通常表示モードへ設定し、表示部(13)は、リストに含まれる複数のアイテムのうち、画面に表示すべきアイテムを通常表示モードで画面に表示する。検出部(122)は、複数のアイテムのうち、画面に表示されている間に閲覧者が所定のアクションをしたアイテム(注目アイテム)を検出し、設定部(123)は、未だ注目アイテムとして検出されていないアイテムの表示モードを省略表示モードへ設定する。そして、表示部(13)は、未だ注目アイテムとして検出されていないアイテムを省略表示モードで画面に表示する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12