特許第6077216号(P6077216)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077216
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】油性化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/37 20060101AFI20170130BHJP
   A61K 8/35 20060101ALI20170130BHJP
   A61Q 1/04 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   A61K8/37
   A61K8/35
   A61Q1/04
【請求項の数】4
【全頁数】8
(21)【出願番号】特願2012-69842(P2012-69842)
(22)【出願日】2012年3月26日
(65)【公開番号】特開2013-199452(P2013-199452A)
(43)【公開日】2013年10月3日
【審査請求日】2015年3月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000001959
【氏名又は名称】株式会社 資生堂
(74)【代理人】
【識別番号】100149294
【弁理士】
【氏名又は名称】内田 直人
(72)【発明者】
【氏名】中野 祐輔
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平08−259419(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/046919(WO,A1)
【文献】 特表2001−518929(JP,A)
【文献】 特表2000−516951(JP,A)
【文献】 特表2009−508858(JP,A)
【文献】 特開平09−110639(JP,A)
【文献】 特表2009−526125(JP,A)
【文献】 Protective Lip Therapy SPF15,Garden Botanika,2008年 4月,MINTEL GNPD
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
Mintel GNPD
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)1〜8質量%のパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、
(B)1〜5質量%のベンゾフェノン誘導体、
(C)油分及び
(D)粘度調整成分を含有し、
前記(B)ベンゾフェノン誘導体が、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’− ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、及び4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノンからなる群から選択される少なくとも1種であり
30℃における粘度が10000mPa・s以上であり、
ホモサレート及びエチルヘキシルサリチレートを含まず、
オルガノポリシロキサンエラストマー球状粉体、スチレン−エチレン/プロピレン混合
ブロック共重合体、及び生酵母細胞誘導体を含まず、
粒子形状が板状で、大きさが0.01〜0.10μmで、厚みが0.003〜0.03μmの微粒子酸化チタンを含有しないことを特徴とする唇用油性化粧料。
【請求項2】
前記(B)ベンゾフェノン誘導体が、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノンであることを特徴とする、請求項1に記載の化粧料。
【請求項3】
前記(D)粘度調整成分が、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、有機変性ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等、アミノ酸誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、及びソルビトールのベンジリデン誘導体から選択される親油性増粘剤、及び、カルナウバロウ、ミツロウ、キャンデリラロウ、モクロウ、ポリエチレンワックス、パラフィンワックス、シリコンワックス、セレシン、及びマイクロクリスタリンワックスから選択されるワックス、からなる群から選択される1種又は2種以上であることを特徴とする、請求項1又は2に記載の化粧料。
【請求項4】
当該化粧料のSPFが、同量の(A)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを含み(B)ベンゾフェノン誘導体を含まない化粧料のSPFと、(A)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルを含まず同量の(B)ベンゾフェノン誘導体を含む化粧料のSPFとを単純に加算した値より高いことを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、優れた紫外線防御効果を有する油性化粧料に関する。より詳細には、紫外線吸収剤の特定の組み合わせを含有することにより極めて高いSPFを示す油性化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
唇は皮膚と異なり、角層が極めて薄く、皮脂腺も殆どなく、天然保湿因子(NMF成分)も少ない部位である。従って、唇の水分量は他の皮膚に比べて少なく、水分蒸散速度が速いので、非常に荒れやすく、メラニン量も少ないので紫外線の影響を受けやすいとされている。このような特徴を持つ唇に適用される化粧料の代表例として口紅があり、唇に美しく魅力的な色彩を与え、外的刺激から唇を保護し、唇の荒れを防ぐ機能などを有している。
【0003】
例えば、外的刺激、中でも紫外線による刺激から唇を保護するため、口紅に紫外線吸収剤を配合することが行われている。しかしながら、前記したような特徴を持つ唇における経皮吸収は他の部位における経皮吸収に比べて安全性に特に注意する必要がある。さらに、口紅の配合成分は経口経路で体内に取り込まれる可能性もあるため、更なる安全性の確保が必要とされる。また、目の粘膜近傍に適用される眉目化粧料(アイメーキャップ)においても同様の安全性が要求され、配合できる紫外線吸収剤の種類及び量は限られたものとなる。
【0004】
紫外線に対する防御方法として、紫外線散乱作用を有する無機粉末を配合する方法と、紫外線吸収剤を配合する方法とが知られている。
例えば特許文献1には、紫外線散乱剤である微粒子酸化亜鉛等として0.1μm未満の平均粒径のものを配合することにより刺激性を抑制したことが記載されている。また特許文献2には、UV−A波長領域の遮蔽能を持つ酸化チタン、UV−B波長領域に遮蔽能を持つ酸化亜鉛及び/又は酸化セリウムを単一粒子中に分散形成した複合粒子を用い、使用性、安定性及び安全性に優れた化粧料が得られるとしている。しかしながら、紫外線防御効果を向上させるために無機粉末の配合量を増やすと使用感が低下する傾向がある。
【0005】
一方、紫外線吸収剤に関しては、特許文献3において、3種類の有機紫外線吸収剤を組み合わせて配合することにより紫外線防御効果が相乗的に向上したことが記載されている。しかしながら、特許文献3に記載されているのは一般の皮膚や毛髪に適用する化粧料であり、3種類を同時に配合しないと相乗効果は得られない。
【0006】
それに対して唇や目の周囲に適用される化粧料(いわば「粘膜仕様の化粧料」)においては、安全上許容される限られた材料から選択せざるを得ず、その配合量もできる限り抑制する必要がある。その結果として達成される紫外線防御効果(例えばSPF値)も限定されたものとなっていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−220099号公報
【特許文献2】特開2007−55944号公報
【特許文献3】特表2010−505765号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
よって本発明は、紫外線吸収剤を含有する油性化粧料、特に唇や目の粘膜周辺に適用することを意図した化粧料において、限られた配合量であっても従来に比較して高い紫外線防御効果(SPF)を示す油性化粧料を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明者等は鋭意検討を重ねた結果、紫外線吸収剤であるパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルとベンゾフェノン誘導体とを組み合わせて配合し、その粘度を所定値以上とすることにより、紫外線吸収能(SPF)が相乗的に向上することを見出し、本発明を完成するに至った。
【0010】
すなわち本発明は、(A)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル、(B)ベンゾフェノン誘導体、(C)油分及び(D)粘度調整成分を含有し、30℃における粘度が10000mPa・s以上であることを特徴とする油性化粧料を提供する。
【発明の効果】
【0011】
本発明の油性化粧料は、(A)パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル及び(B)ベンゾフェノン誘導体が各々有するSPF値の単純に加算した値を遙かに越えるSPF値を示す。従って、配合量が少なくても十分な紫外線防御効果が得られ、安全性の面からも好ましいものである。
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明の油性化粧料は、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(成分A)及びベンゾフェノン誘導体(成分B)という特定の組み合わせを含む紫外線吸収剤を配合したことを特徴としている。
【0013】
パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルは、化粧料等に従来から配合されている紫外線吸収剤の一種である。
本発明の油性化粧料におけるパラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシルの配合量は、0.5〜10質量%、好ましくは1〜8質量%である。配合量が0.5質量%未満であると十分な相乗効果が得られず、10質量%を越えて配合すると安全性の問題が生じうる。
【0014】
本発明で用いられるベンゾフェノン誘導体は、化粧料等にベンゾフェノン系紫外線吸収剤として使用されているものの中から選択される1種又は2種以上であってよい。
具体例としては、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’− ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4− メトキシベンゾフェノン(オキシベンゾン−3)、2−ヒドロキシ−4−メトキシ−4’−メチルベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−スルホン酸塩、4−フェニルベンゾフェノン、2−エチルヘキシル−4’−フェニル−ベンゾフェノン−2−カルボキシレート、2−ヒドロキシ−4−n−オクトキシベンゾフェノン、4−ヒドロキシ−3−カルボキシベンゾフェノン等を挙げることができる。
【0015】
本発明の油性化粧料におけるベンゾフェノン誘導体の配合量は、0.5〜5質量%、好ましくは1〜3質量%である。配合量が0.5質量%未満であると十分な相乗効果が得られず、5質量%を越えて配合すると安全性の問題が生じうる。
【0016】
本発明の油性化粧料は、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(成分A)及びベンゾフェノン誘導体(成分B)に加えて、他の紫外線吸収剤を含有していてもよいが、安全性の面から、成分A及び成分Bを含めた紫外線吸収剤の合計配合量を25質量%以下とするのが好ましく、15質量%以下とするのが更に好ましい。
【0017】
他の紫外線吸収剤としては、特に限定されないが、安息香酸系紫外線吸収剤;アントラニル酸系紫外線吸収剤;サリチル酸系紫外線吸収剤;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル以外のケイ皮酸系紫外線吸収剤;ジベンゾイルメタン誘導体;オクチルトリアゾン;ウロカニン酸誘導体;ヒダントイン誘導体、フェニルベンズイミダソゾールスルホン酸、テレフタリリデンジカンフルスルホン酸、ドロメトリゾールトリシロキサン、アントラニル酸メチル、ルチン及びその誘導体、オリザノール及びその誘導体等を挙げることができる。
【0018】
本発明の油性化粧料は、前記(A)及び(B)を含む紫外線吸収剤を溶解する油分(成分C)を含んでいる。
本発明で用いられる油分は、通常化粧料において用いられる油分でよく、特に限定されるものではない。具体例として、アボガド油、ツバキ油、マカデミアナッツ油、ミンク油、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、トリグリセリン、トリオクタン酸グリセリン等の液体油脂;ヤシ油、硬化ヤシ油、パーム油、牛脂、羊脂、モクロウ、硬化ヒマシ油等の固体油脂;流動パラフィン、スクワラン、パラフィン、セレシン、ワセリン、スクワレン、マイクロクリスタリンワックス等の炭化水素油;ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、べヘン酸、オレイン酸、12−ヒドロキシステアリン酸、イソステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸等の高級脂肪酸;ラウリルアルコール、セチルアルコール、ステアリルアルコール、べヘニルアルコール、オレイルアルコール、モノステアリルグリセロールエーテル、モノパルミチルグリセロールエーテル、コレステロール、フィトステロール、イソステアリルアルコール等の高級アルコール;ミリスチン酸イソプロピル、オクタン酸セチル、ミリスチン酸オクチルドデシル、ステアリン酸ブチル、オレイン酸デシル、ジオクタン酸エチレングリコール、リンゴ酸次イソステアリル、トリオクタン酸トリメチロールプロパン、トリイソステアリン酸トリメチロールプロパン、テトラオクタン酸ぺンタオリスリトール、トリオクタン酸グリセリン、トリイソステアリン酸グリセリン、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸アミル等のエステル油;ジメチルポリシロキサン、メチルフェニルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、デカメチルシクロぺンタシロキサン、オクタメチルシクロテトラシロキサン、3次元網目構造を形成しているシリコーン樹脂、シリコーンゴム、各種変性ポリシロキサン(アミノ変性ポリシロキサン、ポリエーテル変性ポリシロキサン、アルキル変性ポリシロキサン、フッ素変性ポリシロキサン等)等のシリコーン油が挙げられ、これらから選択される1種又は2種以上を用いることができる。
【0019】
さらに本発明の油性化粧料は、粘度調整成分(成分D)を含有しており、その結果、化粧料全体の30℃における粘度が10000mPa・s以上、好ましくは12000mPa・s以上とされる。粘度が10000mPa・s未満であると,前記成分A及びBの組み合わせによる相乗効果が得られない。
なお、本明細書における粘度は、BH粘度計を用いて30℃において測定した値であり、SPFはSPF MASTER(登録商標)において測定した値である。
【0020】
本発明の油性化粧料は、前記所定値以上の広範な粘度範囲でその効果が発揮される。即ち、化粧料全体が常温において流動性を持つオイルゲルの形態から一般に固形化粧料と呼ばれる粘度(硬度)を有する形態までをとることができ、粘度の上限値は特に限定する必要はない。中でも、約10万mPa・s以上、好ましくは約100万mPa・s以上の高粘度、即ち硬度領域の流動性を持つオイルゲル形態とすると極めて高い相乗効果が得られるので特に好ましい。
【0021】
本発明の油性化粧料の粘度を上記の範囲に調整するために配合される粘度調整成分(成分D)としては、増粘剤及び/又はワックスが好ましく使用される。
増粘剤としては、化粧料に通常配合される増粘剤、好ましくは親油性の増粘剤が挙げられる。具体的には、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、ベントナイト、有機変性ベントナイト、ヘクトライト、ケイ酸アルミニウムマグネシウム(ビーガム)、ラポナイト、無水ケイ酸等、アミノ酸誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル、ソルビトールのベンジリデン誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0022】
有機変性ベントナイトとしては、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー又はジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレーが挙げられる。
アミノ酸誘導体としては、N−ラウロイル−L−グルタミン酸又はα,γ−ジ−n−ブチルアミンが挙げられる。
デキストリン脂肪酸エステルとしては、デキストリンパルミチン酸エステル,デキストリンオレイン酸エステル又はデキストリンステアリン酸エステルが挙げられる。
ショ糖脂肪酸エステルとしては、8個の水酸基のうち3個以下が高級脂肪酸でエステル化され、高級脂肪酸がステアリン酸、パルミチン酸であるものが挙げられる。
ソルビトールのベンジリデン誘導体としては、モノベンジリデンソルビトール又はジベンジリデンソルビトールが挙げられる。
これらの増粘剤は1種又は2種以上を組み合わせて配合することができる。
【0023】
ワックスは、化粧料に通常配合されているワックス類から選択することができる。具体例としては、カルナウバロウ,ミツロウ,キャンデリラロウ,モクロウ等の天然系ワックス類;ポリエチレンワックス,パラフィンワックス,シリコンワックス,セレシン,マイクロクリスタリンワックス等の鉱物系ワックス類等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
【0024】
また、本発明の油性化粧料においては、化粧料に通常用いられる各種成分を、本発明の効果を阻害しない範囲で適宜配合してもよい。例えば、粉末成分、アニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤、非イオン界面活性剤、保湿剤、水溶性高分子、皮膜剤、金属イオン封鎖剤、低級アルコール、多価アルコール、糖、アミノ酸、有機アミン、高分子エマルジョン、pH調製剤、皮膚栄養剤、ビタミン、酸化防止剤、酸化防止助剤、殺菌防腐剤、その他の薬剤、色素、香料、水等が挙げられる。
【0025】
配合可能な粉末成分は、化粧料等に汎用されている粉末成分である。具体例には、タルク、カオリン、雲母、シリカ、ゼオライト等の無機粉末;ポリアミド樹脂粉末(ナイロン粉末)、ポリエチレン粉末、ポリメタクリル酸メチル粉末、ポリスチレン粉末、スチレンとアクリル酸の共重合体樹脂粉末、セルロース粉末等の有機粉末;二酸化チタン、酸化亜鉛等の無機白色顔料;酸化鉄(ベンガラ)等の無機赤色系顔料;黄酸化鉄、黄土等の無機黄色系顔料;黒酸化鉄、カーボンブラック等の黒色系顔料;酸化クロム、水酸化クロム、チタン酸コバルト等の無機緑色系顔料;群青、紺青等の無機青色系顔料;酸化チタンコーテッドマイカ、着色酸化チタンコーテッドマイカ、オキシ塩化ビスマス、魚鱗箔等のパール顔料;アルミニウムパウダー、カッパーパウダー等の金属粉末顔料;赤色201号、赤色202号、赤色204号、赤色205号、赤色220号、赤色226号、赤色228号、赤色405号、橙色203号、橙色204号、黄色205号、黄色401号、及び青色404号等の有機顔料;赤色3号、赤色104号、赤色106号、赤色227号、赤色230号、赤色401号、赤色505号、橙色205号、黄色4号、黄色5号、黄色202号、黄色203号、緑色3号及び青色1号などのジルコニウム、バリウム又はアルミニウムレーキ等の有機顔料などが含まれる。
【0026】
本発明の油性化粧料は、その高い安全性及び紫外線防御効果から、唇や目の粘膜周辺に適用されるメーキャップ化粧料、中でもポイントメーキャップ化粧料とするのに特に適している。具体的には、口紅(リップスティック、リップカラー、リップライナー、リップクリーム、リップグロス、リップエッセンス等を含む)等の唇用化粧料、あるいは、アイライナー、マスカラ、アイシャドー、アイブロー等の眉目用化粧料とするのが好ましい。
【実施例】
【0027】
本発明について以下に実施例を挙げてさらに詳述するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。なお、配合量は特記しない限り質量%を意味する。
下記の表1〜表3に示す処方で油性化粧料を通常の製法に従って調製し、それらのSPF値及び粘度(30℃)を測定した。それらの結果を各表に併せて示す。
【0028】
【表1】
【0029】
【表2】
【0030】
【表3】
【0031】
表1〜表3に示した結果から、粘度が10000mPa・s以上(固形を含む)の実施例1〜4では、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(7.5質量%)及びベンゾフェノン誘導体であるオキシベンゾン−3(1.5質量%)の両方を配合した処方CのSPFは、各々を単独で同量配合した処方A及びBのSPFを単純に加算した値を越える高い値となり、顕著な相乗効果を得ることができた。
これに対し、30℃における粘度が4100mPa・sである比較例1では、パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル及びオキシベンゾン−3を配合した処方CのSPFは、各々を単独で配合した処方A及びBのSPFを単純に加算した値にしかならず、相乗効果は観察されなかった。