(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記生体情報の値が増加するにつれて進行する疾病の前記生体情報推移データを算出する場合には前記算出した傾きが負の値を持つデータを除外して前記近似線を算出し、前記生体情報の値が減少するにつれて進行する疾病の前記生体情報推移データを算出する場合には前記算出した傾きが正の値を持つデータを除外して前記近似線を生成することを特徴とする請求項1に記載の生体情報処理装置。
前記グループごとに、前記算出した生体情報推移データを保存するグループ別生体情報推移データ保存部を備えることを特徴とする請求項4又は5に記載の生体情報処理装置。
前記サーバーに格納されている前記複数の被検者の生活習慣状態と生体情報値のうち、前記対象被検者の生活習慣状態と同じ生活習慣の組合せを持つグループの前記生活習慣状態及び前記生体情報を記憶する生体情報記憶部を備えることを特徴とする請求項7に記載の生体情報処理装置。
前記同じ生活習慣状態とは、生活習慣項目に対して複数に区分された生活習慣状態の組合せが等しいことを指すことを特徴とする請求項1〜11のいずれか1項に記載の生体情報処理装置。
前記生体情報の値が増加するにつれて進行する疾病の前記生体情報推移データを算出する場合には前記算出した傾きが負の値を持つデータを除外して前記近似線を算出し、前記生体情報の値が減少するにつれて進行する疾病の前記生体情報推移データを算出する場合には前記算出した傾きが正の値を持つデータを除外して前記近似線を生成することを特徴とする請求項13に記載の生体情報処理方法。
前記サーバーに格納されている前記複数の被検者の生活習慣状態と生体情報値のうち、前記対象被検者の生活習慣状態と同じ生活習慣の組合せを持つグループの前記生活習慣状態及び前記生体情報を記憶するステップを含むことを特徴とする請求項18に記載の生体情
報処理方法。
前記同じ生活習慣状態とは、生活習慣項目に対して複数に区分された生活習慣状態の組合せが等しいことを指すことを特徴とする請求項13〜21のいずれか1項に記載の生体情報処理方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
生活習慣病の進行度合いは例えば塩分摂取量、食事、運動、飲酒、喫煙、睡眠などの生活習慣の状態に依存し、その生活習慣状態の組み合わせによって疾病の進行度合い(以降、進行パターンと呼ぶ)が異なる。例えば、喫煙、飲酒、睡眠不良の習慣がある被検者のグループの進行パターンと喫煙の習慣のみがある被検者のグループの進行パターンとでは、喫煙、飲酒、睡眠不良の習慣があるグループの進行パターンのほうが早く疾病が悪化していく。したがって、生活習慣状態の組合せごとの進行パターンを明らかにし、さらに対象被検者がどの進行パターンに該当するのかを特定した上で、現在どの進行度合い位置にいるのか、これから先、重症化まで何年の猶予があるのかを明らかにする必要がある。
【0005】
従来技術ではリスク算出に際して用いるリスクパラメータは、生活習慣状態の組合せごとに過去の臨床検査の結果を集める必要があるが、一般に、生活習慣病あるいは慢性疾患は10年、20年、30年と長い期間をかけ進行する。そのため時間軸とその進行度合いを表すデータを得るには、少なくともひとりの患者をその期間、監視下に置き、各生体情報値を得続けなくてはならず、実現には時間がかかる。
【0006】
そこで本発明は、一人の被検者を長期間検査するのではなく、複数の被検者の生体情報を測定した結果に基づいて長期間の進行パターンを算出し、比較的短い期間で進行パターンを得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
そこで本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、複数の被検者の生活習慣状態を入力する生活習慣入力部と、複数の被検者の各被検者が、同じ生活習慣状態で少なくとも2回測定した生体情報を入力する生体情報入力部と、生活習慣入力部に入力され
た生活習慣状態に基づいて、同じ生活習慣状態の組合せを持つグループに分類し、グループごとに2回測定された生体情報の1回目に測定した値、2回目に測定した値、及び1回目から2回目までの期間からその傾きを算出し、1回目に測定した値とそれに対応する傾きの近似線を算出し、近似線を積分し、生体情報と時間経過の関係を示す生体情報推移データを算出する第1の制御器とを備える。
【0008】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、生体情報の値が増加するにつれて進行する疾病の生体情報推移データを算出する場合には算出した傾きが負の値を持つデータを除外して近似線を算出し、生体情報の値が減少するにつれて進行する疾病の生体情報推移データを算出する場合には算出した傾きが正の値を持つデータを除外して近似線を生成してもよい。
【0009】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、対象被検者の生活習慣状態を入力する対象被検者生活習慣入力部と、対象被検者の生体情報を入力する対象被検者生体情報入力部と、対象被検者生活習慣入力部に入力された対象被検者の生活習慣状態が、グループのいずれに所属するかを特定し、所属するグループに対応する生体情報推移データに基づいて疾病が発症するリスクを算出する第2の制御器を備えていてもよい。
【0010】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、対象被検者の生活習慣状態を入力する対象被検者生活習慣入力部と、対象被検者の生体情報値を入力する対象被検者生体情報入力部と、記憶部に格納されている複数の被検者の生活習慣状態に基づいて、同じ生活習慣状態の組合せを持つグループに分類し、記憶部に格納されている複数の被検者の各被検者の少なくとも2回測定された生体情報と、対象被検者の少なくとも2回測定された生体情報の1回目に測定した値、2回目に測定した値、及び1回目から2回目までの期間からその傾きを算出し、1回目に測定した値とそれに対応する傾きの近似線を算出し、近似線を積分し、生体情報と時間経過の関係を示す生体情報推移データを算出し、対象被検者の生活習慣状態に基づいて、グループのいずれに所属するかを特定し、グループに対応する生体情報推移データに基づいて疾病が発症するリスクを算出する第3の制御器を備える。
【0011】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、複数の被検者の生活習慣状態を保存する生活習慣保存部と、複数の被検者の生体情報を保存する生体情報保存部を備え、記憶部は前記生活習慣保存部と生体情報保存部を含んでいてもよい。
【0012】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、グループごとに、算出した生体情報推移データを保存するグループ別生体情報推移データ保存部を備えていてもよい。
【0013】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、対象被検者の生活習慣状態を入力する対象被検者生活習慣入力部と、対象被検者の生体情報を入力する対象被検者生体情報入力部と、対象被検者の生活習慣状態を特定し、サーバーに格納されている複数の被検者の各被検者の生活習慣状態と少なくとも2回測定された生体情報のうち、対象被検者の生活習慣状態と同じ生活習慣状態の組合せを持つグループの生体情報の1回目に測定した値、2回目に測定した値、及び1回目から2回目までの期間からその傾きを算出し、1回目に測定した値とそれに対応する傾きの近似線を算出し、近似線を積分し、1回目に測定した値と時間経過の関係を示す生体情報推移データを算出する第4の制御器とを備える。
【0014】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、サーバーに格納されている複数の被検者の生活習慣状態と生体情報値のうち、対象被検者の生活習慣状態と同じ
生活習慣の組合せを持つグループの生活習慣状態及び生体情報を記憶する生体情報記憶部を備えていてもよい。
【0015】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、算出した生体情報推移データを保存する生体情報推移データ保存部を備えていてもよい。
【0016】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、リスクを出力する結果出力部を備えていてもよい。
【0017】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、リスクを表示する表示部を備え、出力部は前記表示部に接続されていてもよい。
【0018】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理装置は、同じ生活習慣状態とは、生活習慣項目に対して複数に区分された生活習慣状態の組合せが等しいことを指していてもよい。
【0019】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、複数の被検者の生活習慣状態の入力を受け付けるステップと、複数の被検者の各被検者が、同じ生活習慣状態で少なくとも2回測定した生体情報の入力を受け付けるステップと、入力された生活習慣状態に基づいて、同じ生活習慣状態の組合せを持つグループに分類するステップと、グループごとに前記2回測定された生体情報の1回目に測定した値、2回目に測定した値、及び1回目から2回目までの期間からその傾きを算出するステップと、1回目に測定した値とそれに対応する傾きの近似線を算出するステップと、近似線を積分し、生体情報と時間経過の関係を示す生体情報推移データを算出するステップとを含む。
【0020】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、生体情報の値が増加するにつれて進行する疾病の生体情報推移データを算出する場合には算出した傾きが負の値を持つデータを除外して近似線を算出し、生体情報の値が減少するにつれて進行する疾病の生体情報推移データを算出する場合には算出した傾きが正の値を持つデータを除外して近似線を生成してもよい。
【0021】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、対象被検者の生活習慣状態の入力を受け付けるステップと、対象被検者の生体情報の入力を受け付けるステップと、入力された前記対象被検者の生活習慣状態が、グループのいずれに所属するかを特定するステップと、所属するグループに対応する生体情報推移データに基づいて疾病が発症するリスクを算出するステップを含でいてもよい。
【0022】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、対象被検者の生活習慣状態の入力を受け付けるステップと、対象被検者の生体情報の入力を受け付けるステップと、記憶部に格納されている複数の被検者の生活習慣状態に基づいて、同じ生活習慣状態の組合せを持つグループに分類するステップと、記憶部に格納されている複数の被検者の少なくとも2回測定された生体情報と、対象被検者の少なくとも2回測定された生体情報の1回目に測定した値、2回目に測定した値、及び1回目から2回目までの期間からその傾きを算出するステップと、1回目に測定した値とそれに対応する傾きの近似線を算出するステップと、近似線を積分し、生体情報と時間経過の関係を示す生体情報推移データを算出するステップと、対象被検者の生活習慣状態に基づいて、グループのいずれに所属するかを特定し、グループに対応する生体情報推移データに基づいて疾病が発症するリスクを算出するステップを含む。
【0023】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、グループごとに、算出
した生体情報推移データを保存するステップを含んでいてもよい。
【0024】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、対象被検者の生活習慣状態の入力を受け付けるステップと、対象被検者の生体情報の入力を受け付けるステップと、対象被検者の生活習慣状態を特定するステップと、サーバーに格納されている複数の被検者の各被検者の生活習慣状態と少なくとも2回測定された生体情報のうち、対象被検者の生活習慣状態と同じ生活習慣状態の組合せを持つグループの前記生体情報の1回目に測定した値、2回目に測定した値、及び1回目から2回目までの期間からその傾きを算出するステップと、1回目に測定した値とそれに対応する傾きの近似線を算出するステップと、近似線を積分し、前記1回目に測定した値と時間経過の関係を示す生体情報推移データを算出するステップを含む。
【0025】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、サーバーに格納されている複数の被検者の生活習慣状態と生体情報値のうち、対象被検者の生活習慣状態と同じ生活習慣の組合せを持つグループの生活習慣状態及び生体情報を記憶するステップを含んでいてもよい。
【0026】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、算出した生体情報推移データを保存するステップを含んでいてもよい。
【0027】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、リスクを出力するステップを含んでいてもよい。
【0028】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理方法は、同じ生活習慣状態とは、生活習慣項目に対して複数に区分された生活習慣状態の組合せが等しいことを指していてもよい。
【0029】
また、本発明の一態様によって実現される生体情報処理用プログラムは、上述のいずれかに記載の生体情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させるものであってもよい。
【0030】
また、本発明の一態様によって実現される記録媒体は、上述の生体情報処理用コンピュータプログラムを格納したコンピュータ読み取り可能な記録媒体であってもよい。
【発明の効果】
【0031】
本発明の生体情報処理装置、生体情報処理方法、生体情報処理プログラム及び生体情報処理プログラム記録媒体によれば、時間軸とその進行度合いを表すデータつまり、生体情報推移データを数十年という長い時間をかけずに、比較的短い期間のデータから擬似的に生成することができ、データ収集時間を減らすことで早期に各生活習慣状態ごとに時間軸をともなったリスク予測が可能となり、これにより疾病の発症時期について簡便に精度良く予測できるという効果がある。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下に、本発明の生体情報処理装置、生体情報処理方法、生体情報処理プログラム及び生体情報処理プログラム記録媒体の実施の形態を図面とともに詳細に説明する。ここで生活習慣とは、食習慣、運動習慣、休養、喫煙、飲酒等に代表される生活する上での習慣を表す。また、生活習慣病とは、生活習慣が発症・進行に深く関与している疾患の総称であり、例えば糖尿病(1型糖尿病を除く)、脂質異常症(家族性脂質異常症を除く)、高血圧、肥満などがある。本実施形態では、糖尿病の判定基準の一つとなる生体情報として血中のグルコース値を例に説明するが、生体情報はこれに限られない。
(実施の形態1)
図1は実施の形態1に係る生体情報処理装置の構成図である。実施の形態1における生体情報処理装置1は、生活習慣入力部2と生体情報入力部3と第1の制御器4とグループ別生体情報推移データ保存部9を有する。この第1の制御器4は、生活習慣グループ分類部5、生体情報記憶部6、全体制御部7、グループ別生体情報推移データ算出部8とから構成される。
【0034】
生活習慣入力部2は、複数の被検者毎の生活習慣状態について入力する部分であり、例えばキーボードやタッチパネルに接続して入力してもよいし、サーバーから生活習慣状態のデータを取得して入力するようにしてもよい。生活習慣状態とは、例えば運動の有無や、喫煙の有無など生活習慣に関する現状を指す。生活習慣入力部2は、第1の制御器4に接続されている。
【0035】
生体情報入力部3は、複数の被検者毎の生体情報について入力する部分であり、例えばキーボードやタッチパネルに接続して入力してもよいし、サーバーから生体情報のデータを取得して入力するようにしてもよい。更に、生体情報を測定するセンサに接続され、このセンサからの生体情報値を送信するようにしてもよい。生体情報とは、例えば血圧や血糖値など生活習慣病の判定の基準となるものである。生体情報入力部3は第1の制御器4に接続されている。
【0036】
生体情報入力部3には、同一人物が同一の生活習慣状態で少なくとも二回測定した生体情報を入力する。なお、同一の生活習慣状態とは、生活習慣項目に対して複数に区分された生活習慣状態の組合せが等しいことを指す。つまり、例えば、喫煙、運動、飲酒などのいくつかの生活習慣項目に対して、それぞれ、有りと無しの2値に区分して、そのそれぞれの生活習慣項目の有りと無しの組合せが等しいときに同一の生活習慣状態と呼んでもよい。また、生活習慣状態は、2値に限らず、3以上に区分してもよい。
【0037】
生活習慣グループ分類部5は、生活習慣入力部2に接続されており、生活習慣入力部2により入力された生活習慣に基づいて、各被検者が所属する生活習慣グループの分類を行う。生活習慣グループは、予め特定の項目、例えば喫煙、運動のみに注目したグループ群を作成しておいてもよいし、入力された複数の被検者の生活習慣状態の組合せが同一となるもの毎にグループわけしてもよい。例えば、喫煙、運動に注目している場合、生活習慣入力部2で入力する生活習慣項目のうち、選択した項目である喫煙と運動という二つの生活習慣項目について、その生活習慣状態の組合せに基づいてグループわけを行う。具体的には、喫煙の有無と運動の有無が同じ組合せの被検者を同一の生活習慣グループとする。生体情報記憶部6は、生活習慣グループ分類部5に接続されており、生活習慣グループ分類部5により分類された生活習慣グループごとに、生体情報入力部3から入力された生体
情報を一時的に記憶する。
【0038】
全体制御部7は、生活習慣グループ分類部5及び生体情報記憶部6に接続されており、各生活習慣グループごとに、生体情報記憶部6に生体情報を記憶する作業を順次繰り返すように制御している。
【0039】
グループ別生体情報推移データ算出部8は、生体情報記憶部6に接続され、生活習慣グループごとに、例えば20年などのある期間でその生活習慣を継続した場合の、生体情報の時系列変化のデータ(以下、生体情報推移データとよぶ。)を算出する。
グループ別生体情報推移データ保存部9は、第1の制御器4に接続され、より具体的には、グループ別生体情報推移データ算出部8に接続され、グループ別生体情報推移データ算出部8で算出された生体情報推移データを生活習慣グループごとに保存する。
【0040】
なお、生体情報記憶部6及びグループ別生体情報推移データ保存部9は生体情報処理装置1内にあってもよいし、生体情報処理装置1に接続されるメモリであってもよい。
【0041】
更に、実施の形態1に係る生体情報処理装置は、リスク算出装置10と接続されていても良い。リスク算出装置10は、対象被検者生活習慣入力部11と対象被検者生体情報入力部12と第2の制御器13と結果出力部16を有する。この第2の制御器13は、所属生活習慣グループ特定部14とリスク算出部15とから構成される。
【0042】
対象被検者生活習慣入力部11は、生活習慣病の発症リスクを算出したい対象被検者の生活習慣状態について入力する部分であり、例えばキーボードやタッチパネルに接続して入力してもよいし、サーバーから生活習慣状態のデータを取得して入力するようにしてもよい。生活習慣状態とは、例えば運動の有無や、喫煙の有無など生活習慣に関する現状を指す。対象被検者生活習慣入力部11は、第2の制御器13に接続されている。
【0043】
対象被検者生体情報入力部12は、対象被検者生活習慣入力部11に入力する被検者と同一人の対象被検者の生体情報について入力する部分であり、例えばキーボードやタッチパネルに接続して入力してもよいし、サーバーから生体情報のデータを取得して入力するようにしてもよい。更に、生体情報を測定するセンサに接続され、このセンサからの生体情報値を送信するようにしてもよい。生体情報とは、例えば血圧や血糖値など生活習慣病の判定の基準となるものである。対象被検者生体情報入力部12は第2の制御器13に接続されている。
【0044】
所属生活習慣グループ特定部14は、対象被検者生活習慣入力部11に接続されており、対象被検者生活習慣入力部11により入力された生活習慣に基づいて、その対象被検者が所属する生活習慣グループの特定を行う。生活習慣グループは、予め特定の項目、例えば喫煙、運動のみに注目したグループ群を作成しておいて、そのいずれのグループに対象被検者が所属するか特定してもよい。例えば、喫煙、運動に注目している場合、生活習慣入力部2で入力する生活習慣項目のうち、選択した項目である喫煙と運動という二つの生活習慣項目について、その生活習慣状態の組合せに基づいてグループわけを行う。具体的には、喫煙の有無と運動の有無が同じ組合せの場合を同一の生活習慣グループとする。
【0045】
リスク算出部15は、所属生活習慣グループ特定部14及びグループ別生体情報推移データ保存部9に接続されている。リスク算出部15は、所属生活習慣グループ特定部14で特定した生活習慣グループの生体情報推移データをグループ別生体情報推移データ保存部9から読み出し、対象被検者生活習慣入力部11及び対象被検者生体情報入力部12でそれぞれ情報を入力した対象被検者の、生活習慣病の発症リスクを算出する。
【0046】
結果出力部16は、第2の制御器13に接続され、より具体的にはリスク算出部15に接続され、リスク算出部15によって算出された対象被検者の生活習慣病の発症リスクを例えばディスプレイなどの表示部や紙面などへ出力する。
【0047】
ここで、リスク算出装置10は、生体情報処理装置1と異なる装置であり、リスク算出部15とグループ別生体情報推移データ保存部9はネットワークを介して接続されていてもよい。このとき、グループ別生体情報推移データ保存部9はサーバ上に保存されていてもよい。
【0048】
また、生体情報処理装置1がリスク算出装置10と接続される場合、グループ別生体情報推移データ算出部8が、グループ別生体情報推移データ保存部9を介さずにリスク算出部15に接続されていてもよい。
【0049】
図2は、実施の形態1に係る生体情報処理方法のフローチャートである。まず、ステップS101において、生活習慣入力部2から入力された複数の被検者の生活習慣状態を受付け、その生活習慣状態に基づいて、各被検者が所属する生活習慣グループの分類を行う。具体的には、例えば喫煙の有無と運動の有無に注目している場合、喫煙の有無と運動の有無が同じ組合せの被検者を同一の生活習慣グループに振り分けていく。ここでは、喫煙も運動もともに有りのグループ、喫煙が有りで運動が無しのグループ、喫煙が無しで運動が有りのグループ、喫煙も運動もともに無しのグループに振り分けることができる。注目している生活習慣項目が二以上の場合であっても同様に全ての項目の状態の組合せの数だけグループを想定することができる。予め全ての項目の状態の組合せの数だけグループを作成しておき、生活習慣入力部2から入力された複数の被検者の生活習慣状態に基づいて、その被検者が作成されたグループのいずれに該当するかを判断し、グループへの振り分けを行う。この動作を各被検者に対して順次実施していく。
【0050】
また、各被検者が所属する生活習慣グループの分類を行う方法として、予めグループを作成しておいて振り分ける方法を説明したが、入力された複数の被検者の生活習慣の組合せが同一となるもの毎にグループ分けを行ってもよい。すなわち、一人の被検者の各項目の状態の組合せと、それと異なる被検者の各項目の状態の組合せを比較し、その組合せが同じである場合に同一グループとし、異なる場合には異なるグループとする。この動作を各被検者に対して順次実施していく。
【0051】
次に、ステップS102において、生体情報入力部3から入力された生体情報を受付け、ステップS101で分類したグループ毎に、生体情報入力部3から入力された複数の被検者の生体情報を生体情報記憶部6に記録する。
なお、ステップS102では、複数の被検者の各被検者について少なくとも二回測定した生体情報を受け付ける。
【0052】
次に、ステップS103において、ステップS102で記録した生体情報のうち一つのグループに属する生体情報の群について、各データの一定期間の経過前後の傾きすなわち微分値を算出する。この一定期間とは、例えば一年とする。つまり、ここでは一定期間を一年とすれば、複数の被検者のうち各被検者が、その期間中の1回目に測定した値(以後、始点の値という。)と、2回目に測定した値すなわち1年後の値(以後、終点の値という。)の差分を1で割った値が傾きとなる。それぞれの被験者の始点の値と終点の値に対して同様に傾きを算出する。
【0053】
次に、ステップS104において、ステップS103で算出した傾きが負の値又は正の値となっているものをノイズとして排除する。同じ生活習慣を継続した場合、一般に病状はゆるやかに進行又は悪化するものである。注目している生体情報が、負の傾きが病状の
進行を示すものであれば、傾きが正の値となっているものをノイズとする。注目している生体情報が、正の傾きが病状の進行を示すものであれば、傾きが負の値となっているものをノイズとする。例えば、糖尿病の判定基準として、生体情報が血中のグルコース値である場合、グルコース値が上昇するほど病状は進行しているといえるので、傾きが負の値の場合がノイズとなる。
【0054】
図3は、生体情報推移データの生成イメージを示している。
図3のグラフは縦軸が血中のグルコース値(mg/dL)であり、横軸が年数である。図中の(a)は複数の被検者のある一定期間の経過前後のグルコース値を示している。線で結ばれている一組のグルコース値が各被検者の生体情報である。
図3(a)では12人分のデータが記載されている。この各被検者が生体情報を測定する一定期間とは、前述したとおり、例えば一年である。ステップS103では、この各被検者の一年の経過前後に測定したグルコース値の傾きを算出している。ここで、一人分だけ傾きが負になっているので、ステップS104でこの負の傾きになっているデータをノイズとして排除する。ここで、各データにおいては、その期間中の始点の値と、終点の値、そしてその2点間を直線で結んだときの傾きのみが分かっている。しかし各被検者がその病状の進行度合いの何年目の位置に相当するのかは不明である。これらのデータから数十年という長い期間における生体情報推移データとして完成するためには、
図3(b)にイメージとして示したように、これら複数の被検者のデータのそれぞれから時系列に変化する1本のグラフを構築しなければならない。しかし、前述したとおり、各データが病状の進行度合いの何年目の位置に相当するのかが不明なため、
図3(b)に矢印で示した期間のように、各データ間の幅をどのくらいに設定すればよいのか不明である。この各データ間の幅が長すぎても短すぎても実体を表さない不正確なものとなる。そこで、次のステップS105、ステップS106、ステップS107を行うことにより、生体情報推移データを生成する。
【0055】
ステップS104でノイズを除去したデータに対して、ステップS105において各データの始点の値と傾きの関係を算出する。更に、ステップS106において、ステップS105で算出した始点の値と傾きの関係の近似線を算出し、ある始点の生体情報の値とそれに対応する近似線上の傾きの値を求める。
【0056】
図4は、始点の生体情報の値と傾きの関係を示すグラフである。
図4には、ステップS105で算出した各被検者の始点の値と傾きの関係が丸印でプロットされている。縦軸は傾き、横軸は始点の値(mg/dL)である。ステップS106で算出した近似線が実線で記載されている。
図4において例えば白丸で示される点は、近似線から矢印の分だけ離れており、この白丸の始点のグルコース値に対する傾きとして近似線を採用すれば、始点のグルコース値に対する傾きの値が、近似線上の値に修正されることになる。これは同じ生活習慣状態の組み合わせであっても各人の体質等により若干のばらつきがあることが原因である。近似線を算出することにより、ある始点のグルコース値と近似線による修正後の傾きの対が確定する。
【0057】
ステップS106において始点の値と傾きの近似線を算出した後、ステップS107においてステップS106で算出した近似線の積分値を求める。すなわち、生体情報の時系列変化を算出する。
図4の縦軸である傾きは、時間要素を含み、ステップS106では上述の近似線を時間で積分することにより、
図5に示すようなグルコース値と時間経過の関係を算出することができる。なお、
図5は、生体情報推移データを示すグラフである。縦軸がグルコース値(mg/dL)で横軸が年数である。ここで、
図5において年数は、ある対象被検者のグルコース値を基にした現在位置から発症までの相対的な経過年数がわかればよく、いくつのグルコース値を何年目とするかは適宜設定することができる。ここでは例えば、一般に空腹時血糖値が110mg/dLを超えると異常値とすることからこの値を発症に向けての前記曲線の基点とし、経過年数0年とグルコース値110mg/dL
の交点を当該曲線が通るとしてもよい。
【0058】
更に、ステップS108において、ステップS107で算出した積分値のデータをグループ別生体情報推移データ保存部9へ保存するか、あるいはリスク算出装置10へ出力してもよい。
【0059】
以上のような方法により、生体情報推移データを求めることができる。
【0060】
なお、上記生体情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させて、生体情報推移データを算出するための生体情報処理コンピュータプログラムとして構成してもよい。さらに、上記生体情報処理コンピュータプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。上記記録媒体としては、半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスク等であってもよい。
【0061】
また、生体情報処理装置1が更にリスク算出装置10を備えている場合、更に次のようなリスク算出フローを備えることができる。
【0062】
図6は、実施の形態1に係る生体情報処理方法のリスク算出フローチャートである。
まず、ステップS201において、対象被検者生活習慣入力部11から入力された生活習慣状態に基づいて、対象被検者の所属する生活習慣グループを特定する。ある注目する生活習慣項目の生活習慣状態の組合せを確認してもよいし、予め特定の項目、例えば喫煙、運動のみに注目したグループ群を作成しておいて、そのいずれのグループに対象被検者が所属するか特定してもよい。
【0063】
次に、ステップS202において、ステップS201で特定した対象被検者の所属する生活習慣グループの、生体情報推移データをグループ別生体情報推移データ算出部8又はグループ別生体情報推移データ保存部9から読み出す。
【0064】
次に、ステップS203において、ステップS202で読み出したグループ別生体情報推移データに基づいて、その生活習慣を続けた場合に被検者の生体情報の値が一定の閾値を超える時期を算出する。
【0065】
図7を用いて、グループ別生体情報推移データに基づいた、その生活習慣を続けた場合に対象被検者の生体情報の値が一定の閾値を越える時期の算出について説明する。
図7は、生体情報推移データを用いたリスク予測を説明する図である。縦軸はグルコース値(mg/dL)であり、横軸は年数である。
図7の実線で示される曲線(b)が対象被検者の所属する生活習慣グループである。破線で示される曲線(a)は、(b)とは異なる生活習慣グループの生体情報推移データであり、(c)で示した時期までは(b)と同じ推移を示すが、(c)の時期以降は(b)の生活習慣グループよりも早くグルコース値が上昇し病症が悪化することを示している。発症または重症化となる時期は、その生体情報値がある閾値を超える時期で特定される。例えば、空腹時血糖値が126mg/dLを超えれば糖尿病とされる。対象被検者の生体情報の値がこの閾値を超える時期を算出するには、まず対象被検者の属する生活習慣グループの生体情報推移データにおいて現在のグルコース値と一致する点を検索する。ここで、その点が(c)の時期に合致するとすると、閾値126mg/dLを超えるのは図中の(d)の時期である。したがって、閾値を超える時期を検索し、時期(c)から時期(d)までの期間を算出することで、その対象被検者の疾病発症までの期間を算出することができる。また例えばグルコース値ではなく、生体情報としてHbA1cを用いる場合では5.8%以下で正常、6.5%以上で糖尿病とされている。さらにグルコース値ではなく、透析が必要となる腎臓の濾過能力の低下では、その指標となるクレアチニンが、50歳の男性の場合であれば3.8mg/dLを超えると
危険となる。このため、閾値はそれぞれ選択する生体情報によって設定する。
【0066】
ステップS203の後に、ステップS204においてステップS203で算出した結果を出力し、リスク算出装置10を使用している対象被検者に、疾病の発症リスクについて警告することができる。
(実施の形態2)
図8は実施の形態2に係る生体情報処理装置の構成図である。実施の形態1と同じ機能を有する構成には同じ番号を付し、その構成の説明は省略する。
【0067】
実施の形態2に係る生体情報処理装置は、対象被検者生活習慣入力部11、対象被検者生体情報入力部12、生活習慣保存部17、生体情報保存部18、第3の制御器19、グループ別生体情報推移データ保存部9、結果出力部16を備えている。この第3の制御器19は、生活習慣グループ分類部5、生体情報記憶部6、全体制御部7、グループ別生体情報推移データ算出部8、所属生活習慣グループ特定部14、リスク算出部15とから構成される。
【0068】
対象被検者生活習慣入力部11には生活習慣保存部17が接続され、対象被検者生活習慣入力部11から入力された生活習慣状態が生活習慣保存部17に保存される。また、対象被検者生体情報入力部12には生体情報保存部18が接続され、対象被検者生体情報入力部12から入力された生体情報が生体情報保存部18に保存される。なお、この生活習慣保存部17には、対象被検者生活習慣入力部11から入力される生活習慣状態のほかに、複数の被検者の生活習慣状態が予め保存されており、生体情報保存部18には、対象被検者生体情報入力部12から入力される生体情報のほかに、複数の被検者の生体情報が予め保存されている。そして、この生活習慣状態と生体情報はそれぞれどの生活習慣状態がどの生体情報であるか紐付けられるようになっている。生体情報保存部18には、同一人物が同一の生活習慣状態で少なくとも二回測定した生体情報を入力する。なお、同一の生活習慣状態とは、生活習慣項目に対して複数に区分された生活習慣状態の組合せが等しいことを指す。つまり、例えば、喫煙、運動、飲酒などのいくつかの生活習慣項目に対して、それぞれ、有りと無しの2値に区分して、そのそれぞれの生活習慣項目の有りと無しの組合せが等しいときに同一の生活習慣状態と呼んでもよい。また、生活習慣状態は、2値に限らず、3以上に区分してもよい。
【0069】
また、生活習慣保存部17及び生体情報保存部18は生活習慣グループ分類部5に接続され、生活習慣グループ分類部5は生活習慣保存部17に保存された生活習慣に基づいて、各被検者が所属する生活習慣グループの分類を行う。
【0070】
生活習慣グループ分類部5は生体情報記憶部6、全体制御部7に接続され、生体情報記憶部6はグループ別生体情報推移データ算出部8に接続される。グループ別生体情報推移データ算出部8はグループ別生体情報推移データ保存部9に接続され、グループ別生体情報推移データ保存部9はリスク算出部15に接続される。対象被検者生活習慣入力部11、対象被検者生体情報入力部12は所属生活習慣グループ特定部14に接続され、所属生活習慣グループ特定部14はリスク算出部15に接続され、リスク算出部15は結果出力部16に接続される。この、生活習慣グループ分類部5、生体情報記憶部6、全体制御部7、グループ別生体情報推移データ算出部8、グループ別生体情報推移データ保存部9、所属生活習慣グループ特定部14、リスク算出部15、結果出力部16のそれぞれの構成や機能については実施の形態1で説明したとおりであり、ここでは説明を省略する。 なお、実施の形態1と同様に、生体情報記憶部6及びグループ別生体情報推移データ保存部9は生体情報処理装置内にあってもよいし、生体情報処理装置に接続されるメモリであってもよい。
【0071】
また、グループ別生体情報推移データ算出部8が、グループ別生体情報推移データ保存部9を介さずにリスク算出部15に接続されていてもよい。
【0072】
図9は、実施の形態2に係る生体情報処理方法のフローチャートである。まず、ステップS301において、生活習慣保存部17に保存された対象被検者を含む複数の被検者の生活習慣状態を受付け、その生活習慣状態に基づいて、各被検者が所属する生活習慣グループの分類を行う。具体的には、例えば喫煙の有無と運動の有無に注目している場合、喫煙の有無と運動の有無が同じ組合せの被検者を同一の生活習慣グループに振り分けていく。ここでは、喫煙も運動もともに有りのグループ、喫煙が有りで運動が無しのグループ、喫煙が無しで運動が有りのグループ、喫煙も運動もともに無しのグループに振り分けることができる。注目している生活習慣項目が二以上の場合であっても同様に全ての項目の状態の組合せの数だけグループを想定することができる。予め全ての項目の状態の組合せの数だけグループを作成しておき、生活習慣入力部2から入力された複数の被検者の生活習慣に基づいて、その被検者が作成されたグループのいずれに該当するかを判断し、グループへの振り分けを行う。この動作を各被検者に対して順次実施していく。
【0073】
また、各被検者が所属する生活習慣グループの分類を行う方法として、予めグループを作成しておいて振り分ける方法を説明したが、入力された複数の被検者の生活習慣状態の組合せが同一となるもの毎にグループ分けを行ってもよい。すなわち、一人の被検者の各項目の状態の組合せと、それと異なる被検者の各項目の状態の組合せを比較し、その組合せが同じである場合に同一グループとし、異なる場合には異なるグループとする。この動作を各被検者に対して順次実施していく。
【0074】
次に、ステップS302において、生体情報保存部18に保存された対象被検者を含む複数の被検者の生体情報を受付け、ステップS301で分類したグループ毎に、生体情報保存部18に保存された複数の被検者の生体情報を生体情報記憶部6に記録する。
なお、ステップS302では、複数の被検者の各被検者について少なくとも二回測定した生体情報を受け付ける。
【0075】
次に、ステップS303において、ステップS302で記録した生体情報値のうち一つのグループに属する生体情報値の群について、各データの一定期間の経過前後の傾きすなわち微分値を算出する。この一定期間とは、例えば一年とする。つまり、ここでは一定期間を一年とすれば、複数の被検者のうち各被検者が、その期間中の始点の値と、終点の値の差分を1で割った値が傾きとなる。それぞれの被検者の始点の値と終点の値に対して同様に傾きを算出する。
【0076】
次に、ステップS304において、ステップS303で算出した傾きが負の値又は正の値となっているものをノイズとして排除する。同じ生活習慣を継続した場合、一般に病状はゆるやかに進行又は悪化するものである。注目している生体情報値が、負の傾きが病状の進行を示すものであれば、傾きが正の値となっているものをノイズとする。注目している生体情報値が、正の傾きが病状の進行を示すものであれば、傾きが負の値となっているものをノイズとする。例えば、糖尿病の判定基準として、生体情報が血中のグルコース値である場合、グルコース値が上昇するほど病状は進行しているといえるので、傾きが負の値の場合がノイズとなる。実施の形態1において
図3を用いて説明した生体情報推移データの生成イメージは本実施の形態においても同様であるため、説明を省略する。
【0077】
次に、ステップS304でノイズを除去したデータに対して、ステップS305において各データの始点の値と傾きの関係を算出する。更に、ステップS306において、ステップS305で算出した始点の値と傾きの関係の近似線を算出し、ある始点の生体情報の値とそれに対応する近似線上の傾きの値を求める。実施の形態1において
図4を用いて説
明した生体情報の値と傾きの関係及び近似線は本実施の形態においても同様であるため、説明を省略する。
【0078】
ステップS306において始点の値と傾きの近似線を算出した後、ステップS307においてステップS306で算出した近似線の積分値を求める。すなわち、生体情報の時系列変化を算出する。実施の形態1において
図5を用いて説明した生体情報推移データを示すグラフは本実施の形態においても同様であるため、説明を省略する。
【0079】
更に、ステップS308において、対象被検者生活習慣入力部11から入力された生活習慣状態に基づいて、対象被検者の所属する生活習慣グループを特定する。ある注目する生活習慣項目の生活習慣状態の組合せを確認してもよいし、予め特定の項目、例えば喫煙、運動のみに注目したグループ群を作成しておいて、そのいずれのグループに被検者が所属するか特定してもよい。
【0080】
次に、ステップS309において、ステップS308で特定した対象被検者の所属する生活習慣グループの、生体情報推移データをグループ別生体情報推移データ算出部8又はグループ別生体情報推移データ保存部9から読み出す。
【0081】
次に、ステップS310において、ステップS307で算出した積分値のデータを用いて、その生活習慣を続けた場合に対象被検者の生体情報の値が一定の閾値を越える時期を算出する。ここの算出方法については、実施の形態1で
図7を用いて説明した方法と同様であるため、説明を省略する。
【0082】
ステップS310の後に、ステップS311においてステップS310で算出した結果を出力し、対象被検者に、疾病の発症リスクについて警告することができる。
【0083】
なお、上記生体情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させて、生体情報推移データを算出するための生体情報処理コンピュータプログラムとして構成してもよい。さらに、上記生体情報処理コンピュータプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。上記記録媒体としては、半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスク等であってもよい。
【0084】
(実施の形態3)
図10は実施の形態3における生体情報処理装置の構成図である。実施の形態1と同じ機能を有する構成には同じ番号を付し、その構成の説明は省略する。
【0085】
実施の形態3に係る生体情報処理装置20は、対象被検者生活習慣入力部11、対象被検者生体情報入力部12、生体情報記憶部6、第4の制御器21、生体情報推移データ保存部23、結果出力部16を備えている。この第4の制御器21は所属生活習慣グループ特定部14、生体情報推移データ算出部22、リスク算出部15とから構成される。
【0086】
対象被検者生活習慣入力部11はネットワークを介してサーバー24に接続されており、対象被検者生活習慣入力部11から入力された生活習慣状態をサーバー24に保存する。対象被検者生体情報入力部12もネットワークを介してサーバー24に接続されており、対象被検者生体情報入力部12から入力された生体情報をサーバー24に保存する。なお、この生活習慣状態と生体情報はそれぞれどの生活習慣状態の被検者がどの生体情報であるか紐付けられるようになっている。また、このサーバー24には、少なくとも2以上の生体情報処理装置20が接続されており、複数の被検者の生活習慣状態や生体情報が保存されるようになっている。
【0087】
対象被検者生活習慣入力部11及び対象被検者生体情報入力部12は所属生活習慣グループ特定部14に接続されており、所属生活習慣グループ特定部14は対象被検者生活習慣入力部11から入力される情報に基づいて対象被検者の所属する生活習慣グループの特定を行い、そのデータをサーバー24に送信する。サーバー24には、複数の被検者の生活習慣状態が保存されているが、そのうち、対象被検者の所属する生活習慣グループと同一の生活習慣グループの生体情報値を読み出し、生体情報記憶部6に記憶する。サーバー24には、同一人物が同一の生活習慣状態で少なくとも二回測定した生体情報を保存する。なお、同一の生活習慣状態とは、生活習慣項目に対して複数に区分された生活習慣状態の組合せが等しいことを指す。つまり、例えば、喫煙、運動、飲酒などのいくつかの生活習慣項目に対して、それぞれ、有りと無しの2値に区分して、そのそれぞれの生活習慣項目の有りと無しの組合せが等しいときに同一の生活習慣状態と呼んでもよい。また、生活習慣状態は、2値に限らず、3以上に区分してもよい。
【0088】
生体情報推移データ算出部22は、生体情報記憶部6に接続され、生活習慣グループごとに、例えば20年などのある期間でその生活習慣を継続した場合の、生体情報推移データを算出する。
【0089】
生体情報推移データ保存部23は、生体情報推移データ算出部22に接続され、生体情報推移データ算出部22で算出された生体情報推移データを保存する。
なお、生体情報記憶部6及び生体情報推移データ保存部23は生体情報処理装置1内にあってもよいし、生体情報処理装置1に接続されるメモリであってもよい。
【0090】
リスク算出部15は、生体情報推移データ保存部23に接続されている。リスク算出部15は、生体情報推移データを生体情報推移データ保存部23から読み出し、対象被検者生活習慣入力部11及び対象被検者生体情報入力部12でそれぞれ情報を入力した対象被検者の、生活習慣病の発症リスクを算出する。なお、リスク算出部15は生体情報推移データ保存部23を介さずに生体情報推移データ算出部に接続されていてもよい。
【0091】
結果出力部16は、リスク算出部15に接続され、リスク算出部15によって算出された対象被検者の生活習慣病の発症リスクを例えばディスプレイなどの表示部や紙面などへ出力する。
【0092】
図11は、実施の形態3に係る生体情報処理方法のフローチャートである。まず、ステップS401において、対象被検者生活習慣入力部11から入力された生活習慣状態を受付け、その生活習慣状態に基づいて、対象被検者の所属する生活習慣グループを特定する。ある注目する生活習慣項目の生活習慣状態の組合せを確認してもよいし、予め特定の項目、例えば喫煙、運動のみに注目したグループ群を作成しておいて、そのいずれのグループに被検者が所属するか特定してもよい。
【0093】
次に、ステップS402において、ステップS401で特定した対象被検者の所属する生活習慣グループの情報をサーバー24へ送信する。
【0094】
次に、ステップS403において、ステップS402で送信した情報に基づいて、対象被検者の所属するグループの生体情報をサーバー24から読み出し、ステップS404においてその生体情報を生体情報記憶部6へ記録する。なお、ステップS403では、複数の被検者の各被検者について少なくとも二回測定した生体情報を受け付ける。
【0095】
次に、ステップS405において、ステップS404で記録した生体情報の、各データの一定期間の経過前後の傾きすなわち微分値を算出する。この一定期間とは、例えば一年とする。つまり、ここでは一定期間を一年とすれば、複数の被検者のうち各被検者が、そ
の期間中の始点の値と、終点の値の差分を1で割った値が傾きとなる。それぞれの被検者の始点の値と終点の値に対して同様に傾きを算出する。
【0096】
次に、ステップS406において、ステップS405で算出した傾きが負の値又は正の値となっているものをノイズとして排除する。同じ生活習慣を継続した場合、一般に病状はゆるやかに進行又は悪化するものである。注目している生体情報が、負の傾きが病状の進行を示すものであれば、傾きが正の値となっているものをノイズとする。注目している生体情報が、正の傾きが病状の進行を示すものであれば、傾きが負の値となっているものをノイズとする。例えば、糖尿病の判定基準として、生体情報が血中のグルコース値である場合、グルコース値が上昇するほど病状は進行しているといえるので、傾きが負の値の場合がノイズとなる。実施の形態1において
図3を用いて説明した生体情報推移データの生成イメージは本実施の形態においても同様であるため、説明を省略する。
【0097】
ステップS406でノイズを除去したデータに対して、ステップS407において各データの始点の値と傾きの関係を算出する。更に、ステップS408において、ステップS407で算出した始点の値と傾きの関係の近似線を算出し、ある始点の生体情報の値とそれに対応する近似線上の傾きの値を求める。実施の形態1において
図4を用いて説明した生体情報と傾きの関係及び近似線は本実施の形態においても同様であるため、説明を省略する。
【0098】
ステップS408において始点の値と傾きの近似線を算出した後、ステップS409においてステップS408で算出した近似線の積分値を求める。すなわち、生体情報の時系列変化を算出する。実施の形態1において
図5を用いて説明した生体情報推移データを示すグラフは本実施の形態においても同様であるため、説明を省略する。
【0099】
更に、ステップS410において、ステップS409で算出した積分値のデータを用いて、その生活習慣を続けた場合に対象被検者の生体情報の値が一定の閾値を越える時期を算出する。ここの算出方法については、実施の形態1で
図7を用いて説明した方法と同様であるため、説明を省略する。
【0100】
ステップS410の後に、ステップS412においてステップS410で算出した結果を出力し、対象被検者に、疾病の発症リスクについて警告することができる。
なお、上記生体情報処理方法の各ステップをコンピュータに実行させて、生体情報推移データを算出するための生体情報処理コンピュータプログラムとして構成してもよい。さらに、上記生体情報処理コンピュータプログラムを、コンピュータ読み取り可能な記録媒体に格納してもよい。上記記録媒体としては、半導体メモリ、光ディスク、磁気ディスク等であってもよい。