(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、こうした容器から内容物を複数回に分けて抽出する場合には、1回の抽出量を適切な量に調整して段階的に抽出することが求められる。この点、二つ折りにした板でチューブ容器を挟み込んで押圧する従来の構成では、チューブ容器からの内容物の抽出に伴い、二つ折りにした板の間の角度が徐々に小さくなり、その角度の微妙な違いにより抽出量が異なり得る。このため、1回の抽出量を適切な量に調整することが困難であった。
【0005】
本発明は、こうした問題にかんがみてなされたものであり、容器からの内容物の抽出量を調整しやすくするための技術を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の容器絞り出し器具は、内容物が収容された容器を両側から挟み込んで押圧するための一対の板部を備える。一対の板部は、それぞれの基端部において連結され、連結部を回転軸として開度を変更可能である。一対の板部のうち少なくとも一方は、当該板部を回転軸と平行な線に沿って折り曲げるための1つ以上の折曲部を有し、折曲部により複数の部分板部に区分されている。
【0007】
このような構成によれば、一対の板部で容器を両側から挟み込んで押圧する際に、部分板部単位で容器を押圧することができる。このため、折曲部を有しない板部で容器を押圧する場合と比較して、抽出量を段階的に調整しやすくすることができる。
【0008】
また、上記構成において、容器は、チューブ容器であってもよく、一対の板部は、チューブ容器を、その裾部を基端部側に向けた状態で両側から挟み込んで押圧してもよい。このような構成によれば、チューブ容器の胴部を裾部側から部分板部単位で順次押圧することで、抽出量を段階的に調整することができる。
【0009】
また、上記構成において、一対の板部は、第1の板部と、基端部から先端部までの長さが第1の板部よりも短い第2の板部と、を備えていてもよい。このような構成によれば、チューブ容器を効率よく押圧することができる。
【0010】
また、上記構成において、第1の板部及び第2の板部は、チューブ容器を両側から挟み込んで押しつぶすことにより、チューブ容器の肩部を第2の板部側へ押し倒す長さであってもよい。このような構成によれば、チューブ容器の肩部を押し倒さずに押圧する場合と比較して、チューブ容器に残存する内容物の量を少なくすることができる。
【0011】
また、上記構成において、第2の板部は、先端方向へ突出した形状の突出部を先端部に有してもよい。このような構成によれば、チューブ容器の肩部近傍に残存する内容物を絞り出しやすくすることができる。
【0012】
また、上記構成において、第1の板部は、基端部から先端部へ向かって幅が狭くなる形状であってもよい。このような構成によれば、第1の板部における基端部側においてチューブ容器が保持されやすくしつつ、先端部側においてチューブ容器を押圧しやすくすることができる。
【0013】
また、上記構成において、第1の板部は、先端方向へ突出した形状の突出部を先端部に有し、第1の板部の突出部は、チューブ容器を押しつぶした状態で、チューブ容器の外側へはみ出さない形状であってもよい。このような構成によれば、チューブ容器の外側へはみ出すような形状と比較して、チューブ容器における幅方向中央部を押圧しやすくすることができる。
【0014】
また、上記構成において、第1の板部の突出部は、当該突出部を撓みやすくするための低強度部を有してもよい。このような構成によれば、第1の板部の突出部が、押圧されることによりチューブ容器の表面に沿うように撓んで接触しやすくなる。このため、チューブ容器の内容物を抽出しやすくすることができる。
【0015】
また、上記構成において、一対の板部のうち少なくとも一方は、当該板部を撓みやすくするための低強度部を有してもよい。このような構成によれば、少なくとも一方の板部が、押圧されることによりチューブ容器の表面に沿うように撓んで接触しやすくなる。このため、チューブ容器の内容物を抽出しやすくすることができる。
【0016】
また、上記構成において、一対の板部のうち少なくとも一方は、低強度部として、厚みを薄くした部分を有してもよい。このような構成によれば、厚みを薄くした部分を板部に設けるという簡素な構成により、板部を撓みやすくすることができる。
【0017】
また、上記構成において、一対の板部のうち少なくとも一方は、低強度部として、貫通した部分を有してもよい。このような構成によれば、貫通した部分を板部に設けるという簡素な構成により、板部を撓みやすくすることができる。
【0018】
また、上記構成において、一対の板部のうち少なくとも一方は、先端部側の厚みが基端部側の厚みよりも厚い形状であってもよい。このような構成によれば、板部の先端部側において容器を押圧しやすくすることができる。
【0019】
また、上記構成において、折曲部は、互いに隣り合う2つの部分板部を連結する連結橋部を有し、連結橋部は、押圧により破断又は延伸可能であってもよい。このような構成によれば、連結橋部を破断又は延伸する前の状態では、連結橋部を有しない構成と比較して、貫通溝を広がりにくくして、部分板部の連結状態を安定させることができる。しかも、連結橋部を押圧して破断又は延伸することで、部分板部を独立して操作しやすくすることができる。
【0020】
また、上記構成において、一対の板部のうち少なくとも一方は、容器を一対の板部に挟み込まれた状態で固定する固定手段を更に備えてもよい。このような構成によれば、容器を固定せずに押圧する構成と比較して、押圧操作を行いやすくすることができる。
【0021】
また、本発明のチューブ容器絞り出しセットは、上記構成の容器絞り出し器具と、チューブ容器と、を備える。そして、チューブ容器の胴部は、他の部分と比較して変形しやすい脆弱部を有する。このような構成によれば、一対の板部による押圧により、チューブ容器の内容物を絞り出しやすくすることができる。
【0022】
また、上記構成において、容器絞り出し器具は、一対の板部として、第1の板部と、基端部から先端部までの長さが第1の板部よりも短い第2の板部と、を備え、脆弱部は、チューブ容器の胴部における、第2の板部の先端部に対応する位置に設けられてもよい。このような構成によれば、チューブ容器の胴部が脆弱部を有しない場合と比較して、チューブ容器を第2の板部側へ押し倒しやすくすることができる。
【0023】
また、上記構成において、チューブ容器の胴部は、脆弱部として、くびれた部分を有してもよい。このような構成によれば、くびれた部分を胴部に設けるという簡素な構成により、胴部を変形しやすくすることができる。
【0024】
また、上記構成において、チューブ容器の胴部は、脆弱部として、厚みの薄い部分を有してもよい。このような構成によれば、厚みの薄い部分を胴部に設けるという簡素な構成により、胴部を変形しやすくすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明が適用された実施形態について、図面を用いて説明する。
[第1実施形態]
図1に示すように、第1実施形態のチューブ容器絞り出し器具1は、2本のチューブ容器8,9を外部から同時に押圧して内容物を抽出する(絞り出す)ために用いられるものである。なお、チューブ容器絞り出し器具1は、染毛剤を収容する2本のチューブ容器8,9の付属品として、チューブ容器8,9とセットで流通されるようにしてもよい。
【0027】
各チューブ容器8,9は、同一形状であるが、内容物が異なる。本実施形態では、第1のチューブ容器8に染毛剤の第1剤(酸化染料及びアルカリ剤)が収容されており、第2のチューブ容器9に染毛剤の第2剤(過酸化水素を主成分とする酸化剤)が収容されている。
【0028】
具体的には、
図2や
図3などに示すように、各チューブ容器8,9は、周知の構成のものであり、裾部81,91と、胴部82,92と、肩部83,93と、口部84,94と、を備える。裾部81,91は、円筒状の胴部82,92の一端を板状につぶして折り曲げた形状の部分である。肩部83,93は、胴部82,92における裾部81,91側とは反対側の端部から連続する円錐台状の部分であり、胴部82,92の断面形状を円形に維持する。口部84,94は、肩部83,93の中央から突出した吐出口である。
【0029】
このような構成により、各チューブ容器8,9は、胴部82,92が外部から押圧されると、口部84,94から内容物を吐出する。なお、チューブ容器8,9は、金属(例えばアルミ)製のものであり、形状が復元する合成樹脂製のものとは異なり、押圧後(内容物を吐出した後)の形状がそのまま維持される。
【0030】
一方、チューブ容器絞り出し器具1は、一対の板部(第1の板部11及び第2の板部12)と、ヒンジ部13と、を備える。第1の板部11及び第2の板部12は、チューブ容器8,9を両側から挟み込んで押圧するための板状の部分である。第1の板部11と第2の板部12とは、それぞれの基端部においてヒンジ部13を介して連結され、その連結部(ヒンジ部13)を回転軸として開度(相対角度)を変更可能に(V字状に折り曲げ可能に)構成されている。なお、本実施形態では、1枚の板材(本実施形態ではポリプロピレン等の合成樹脂の薄板)が折り曲げられることにより、第1の板部11、第2の板部12及びヒンジ部13が形成されている。
【0031】
第1の板部11の厚みは、厚いほど強度が向上するものの柔軟性が低下し、逆に、薄いほど柔軟性が向上するものの強度が低下し、板が反ってしまうおそれがある。このため、第1の板部11は、2本のチューブ容器8,9を押圧するのに適し、かつ、必要な強度が得られる程度の厚みに設計されている。具体的には、第1の板部11の厚みは、0.5〜5mmが適し、好ましくは1〜1.5mmが適する。
【0032】
特に、本実施形態では、第1の板部11の厚みが、基端部(ヒンジ部13側の端部)から先端部(基端部とは反対側の端部)へ向かって徐々に厚くなるように設計されている。本実施形態では、
図3に示すように、基端部から先端部へ向かって一定の割合で厚みが増すように、一定の角度θのテーパーが形成されている。角度θは、1〜5度が適し、好ましくは1〜2度が適する。
【0033】
また、
図2に示すように、第1の板部11の横幅(ヒンジ部13の回転軸方向に沿った幅)は、2本のチューブ容器8,9を、横方向(ヒンジ部13の回転軸方向に沿った方向)に並べた状態で収めることができる幅に設計されている。また、第1の板部11の横幅は、基端部から先端部へ向かって徐々に狭くなるように設計されている。
【0034】
第1の板部11の先端部は、中央の切欠部により、左右対称形状の2つの山形(先端方向へ突出した形状)の突出部117,118に区分されている。各突出部117,118の先端は、中央部がヒンジ部13の回転軸と平行な直線状に形成されており、その両端部が基端部側へ斜めに延びる円弧状に形成されている。
【0035】
各突出部117,118の横幅は、チューブ容器8,9の胴部82,92の円周長さの半分の長さ(換言すれば、裾部81,91の幅)以下に設計されている。また、第1の板部11の長さ(先端部から基端部までの長さ)は、チューブ容器8,9の胴部82,92の長さ(裾部81,91から肩部83,93までの長さ)以下に設計されている。つまり、第1の板部11及び第2の板部12によりチューブ容器8,9を最後まで押しつぶした状態において、各突出部117,118が、それぞれに対応するチューブ容器8,9の外側へはみ出さないように、第1の板部11の長さ及び突出部117,118の横幅が設計されている。
【0036】
また、第1の板部11は、基端部からの距離が段階的に異なる複数箇所(本実施形態では3箇所)において、第1の板部11をヒンジ部13の回転軸と平行な線に沿って容易に折り曲げられるようにするための折曲部を有し、4つの部分板部111,112,113,114に区分されている。
【0037】
具体的には、各折曲部は、ヒンジ部13の回転軸方向に延びる貫通溝115と、第1の板部11の横幅方向(ヒンジ部13の回転軸方向)中央位置において貫通溝115を左右に分断する連結橋部116と、を備える。つまり、貫通溝115を挟んで互いに隣り合う2つの部分板部が、連結橋部116により連結されている。
【0038】
なお、貫通溝115の溝幅(第1の板部11の長手方向に沿った寸法)は、0.5〜3mmが適し、好ましくは1mmが適する。また、第1の板部11の左右端部から貫通溝115までの長さ(左右端部における貫通溝115が形成されていない部分の幅)は、0.5〜30mmが適する。また、連結橋部116の横幅(ヒンジ部13の回転軸方向に沿った寸法)は、0.5〜3mmが適し、好ましくは1mmが適する。
【0039】
第1の板部11には、折曲部に加え、基端部からの距離が段階的に異なる複数箇所に、第1の板部11を撓みやすくするための低強度部が設けられている。本実施形態では、折曲部を含めた配置が基端部から先端部へ向かって等間隔となる複数箇所に、ヒンジ部13の回転軸方向に延びる未貫通溝119が、低強度部として形成されている。具体的には、部分板部111,112,113のそれぞれに、未貫通溝119が2箇所ずつ形成されている。また、部分板部114には、突出部117,118を除く部分に未貫通溝119が2箇所形成され、各突出部117,118に未貫通溝119が2箇所ずつ形成されている。
図4に示すように、これらの未貫通溝119は、第1の板部11における外面(チューブ容器8,9と接触する側の面とは反対側の面)に形成されている。
【0040】
一方、第2の板部12は、第1の板部11よりも長さが短く設計されている。第1の板部11と第2の板部12との長さを異ならせているのは、チューブ容器8,9の先端部を、一方(本実施形態では第2の板部12側)へ折り曲げるためである(
図8参照)。このため、第2の板部12の長さは、チューブ容器8,9の先端部が折り曲げられる程度に短く、チューブ容器8,9に残存する内容物の量を少なくすることができる程度に長く、設計されている。なお、第1の板部11と第2の板部12との長さの差は、3〜20mmが適し、好ましくは5〜10mmが適する。
【0041】
第2の板部12の厚みは、第1の板部11と同様に設計されている。また、第2の板部12の横幅は、第1の板部11と同様、2本のチューブ容器8,9を、横方向に並べた状態で収めることができる幅に設計されている。具体的には、第2の板部12は、基端部における横幅が第1の板部11と同じであり、先端部における横幅が第1の板部11よりも広く設計されている。
【0042】
第2の板部12の先端部には、先端方向へ突出した左右対称形状の2つの突出部127,128が形成されている。各突出部127,128は、ヒンジ部13の回転軸と平行な直線状の上辺1271,1281と、各上辺1271,1281の両端部から基端部側へ斜めに延びる斜辺1272,1273,1282,1283と、を有する。
【0043】
また、第2の板部12は、第1の板部11と同様、基端部からの距離が段階的に異なる複数箇所(本実施形態では3箇所)において、第2の板部12をヒンジ部13の回転軸と平行な線に沿って容易に折り曲げられるようにするための折曲部を有し、4つの部分板部121,122,123,124に区分されている。なお、第2の板部12における折曲部の位置(基端部からの距離)は、第1の板部11における折曲部の位置と同じである。つまり、第1の板部11及び第2の板部12をヒンジ部13で折り畳んだ状態で、折曲部の位置が一致する。
【0044】
具体的には、各折曲部は、第1の板部11と同様、ヒンジ部13の回転軸方向に延びる貫通溝125と、第2の板部12の横幅方向(ヒンジ部13の回転軸方向)中央位置において貫通溝125を左右に分断する連結橋部126と、を備える。つまり、貫通溝125を挟んで互いに隣り合う2つの部分板部が、連結橋部126により連結されている。
【0045】
次に、チューブ容器絞り出し器具1の使用方法について説明する。まず、チューブ容器8,9を、その裾部81,91が第1の板部11及び第2の板部12の基端部側(ヒンジ部13側)を向くように、第1の板部11及び第2の板部12により両側から挟み込む。
【0046】
そして、
図5に示す第1の抽出段階では、第1の板部11における最も基端部寄りの部分板部111と、第2の板部12における最も基端部寄りの部分板部121と、により、チューブ容器8,9の胴部82,92における最も裾部81,91寄りの部分を、両側から挟み込んで押圧する。なお、以下の説明では、第1の板部11に含まれる4つの部分板部111,112,113,114を、基端部側から順に第1の部分板部111、第2の部分板部112、第3の部分板部113、第4の部分板部114という。同様に、第2の板部12に含まれる4つの部分板部121,122,123,124を、基端部側から順に第1の部分板部121、第2の部分板部122、第3の部分板部123、第4の部分板部124という。
【0047】
ここで、仮に、第1の板部11及び第2の板部12が折曲部を有しない構成である場合、第1の板部11と第2の板部12との間の角度(開度)は、基端部側から先端部側まで一定となる。この場合、チューブ容器8,9の胴部82,92が、長手方向に沿って均等に押圧され、第1の板部11と第2の板部12との間の角度は、チューブ容器8,9からの内容物の抽出に伴い徐々に小さくなる。
【0048】
これに対し、本実施形態のチューブ容器絞り出し器具1では、第1の板部11において、第2の部分板部112を、第1の部分板部111に対して外側に折り曲げることができる。同様に、第2の板部12において、第2の部分板部122を、第1の部分板部121に対して外側に折り曲げることができる。つまり、第1の部分板部111,121の間の角度(以下「第1の部分角度」という。)よりも、第2の部分板部112,122の間の角度(以下「第2の部分角度」という。)を大きくすることができる。
【0049】
したがって、本実施形態のチューブ容器絞り出し器具1によれば、チューブ容器8,9の胴部82,92における最も裾部81,91寄りの部分を、第1の部分板部111,121により部分的に押圧することができる。その結果、第1の部分角度が0度に近くなるまで胴部82,92を押しつぶすことにより、チューブ容器8,9に収容された内容物の一部(例えば4分の1程度)である一定量を抽出することができる。なお、チューブ容器8,9から抽出された内容物(染毛剤の第1剤及び第2剤)は、トレイなどで混合された後、毛髪に塗布される。
【0050】
続いて、
図6に示す第2の抽出段階では、第2の部分板部112,122により、チューブ容器8,9の胴部82,92における中央部の裾部81,91寄りの部分を、両側から挟み込んで押圧する。この場合にも、前述した第1の抽出段階と同様、第2の部分角度よりも、第3の部分板部113,123の間の角度(以下「第3の部分角度」という。)を大きくすることができる。したがって、チューブ容器8,9の胴部82,92における中央部の裾部81,91寄りの部分を、第2の部分板部112,122により部分的に押圧することができる。その結果、第2の部分角度が0度に近くなるまで胴部82,92を押しつぶすことで、チューブ容器8,9から一定量の内容物を抽出することができる。
【0051】
続いて、
図7に示す第3の抽出段階では、第3の部分板部113,123により、チューブ容器8,9の胴部82,92における中央部の肩部83,93寄りの部分を、両側から挟み込んで押圧する。この場合にも、前述した第1及び第2の抽出段階と同様、第3の部分角度よりも、第4の部分板部114,124の間の角度(以下「第4の部分角度」という。)を大きくすることができる。したがって、チューブ容器8,9の胴部82,92における中央部の肩部83,93寄りの部分を、第3の部分板部113,123により部分的に押圧することができる。その結果、第3の部分角度が0度に近くなるまで胴部82,92を押しつぶすことで、チューブ容器8,9から一定量の内容物を抽出することができる。
【0052】
最後に、
図8に示す第4の抽出段階では、第4の部分板部114,124により、チューブ容器8,9の胴部82,92における最も肩部83,93寄りの部分を、両側から挟み込んで押圧する。そして、第4の部分角度が0度に近くなるまで胴部82,92を押しつぶすことで、チューブ容器8,9から一定量の内容物を抽出することができる。
【0053】
以上のように、チューブ容器8,9の胴部82,92を、第1の抽出段階から第4の抽出段階までの4段階に分けて、部分板部単位で裾部81,91から順次独立して押圧することで、2つのチューブ容器8,9から内容物を一定量ずつ段階的に抽出することができる。
【0054】
特に、第4の抽出段階では、第1の板部11と第2の板部12との長さの違いにより、チューブ容器8,9の肩部83,93が、第2の板部12側へ押し倒される。具体的には、チューブ容器8,9の胴部82,92は、第2の板部12の先端部に形成された突出部127,128における斜辺1272,1273,1282,1283と当接する位置(第1の支点)と、上辺1271,1281と当接する位置(第2の支点)と、で折り曲げられる。
【0055】
以上説明したように、第1実施形態のチューブ容器絞り出し器具1によれば、第1の板部11及び第2の板部12でチューブ容器8,9を両側から挟み込んで押圧する際に、チューブ容器8,9の胴部を裾部81,91側から部分板部単位で順次押圧することができる。このため、折曲部を有しない板部でチューブ容器8,9を押圧する場合と比較して、抽出量を段階的に調整しやすくすることができる。
【0056】
また、第1の板部11及び第2の板部12は、第2の板部12の長さが第1の板部11の長さよりも短く、チューブ容器8,9を両側から挟み込んで押しつぶすことにより、その肩部83,93を第2の板部12側へ押し倒す長さに設計されている。このため、チューブ容器8,9の肩部83,93を押し倒さずに押圧する場合と比較して、チューブ容器8,9に残存する内容物の量を少なくすることができる。
【0057】
また、第2の板部12は、先端方向へ突出した形状の2つの突出部127,128を先端部に有するため、チューブ容器8,9の肩部83,93近傍に残存する内容物を絞り出しやすくすることができる。
【0058】
また、第1の板部11は、基端部から先端部へ向かって幅が狭くなる形状であるため、第1の板部11における基端部側においてチューブ容器8,9が保持されやすくしつつ、先端部側においてチューブ容器8,9を押圧しやすくすることができる。
【0059】
また、第1の板部11は、先端方向へ突出した形状の2つの突出部117,118を先端部に有し、チューブ容器8,9を押しつぶした状態で、各突出部117,118が、それぞれに対応するチューブ容器8,9の外側へはみ出さない形状に設計されている。このため、チューブ容器8,9の外側へはみ出すような形状と比較して、チューブ容器8,9における横幅方向中央部を押圧しやすくすることができる。すなわち、チューブ容器8,9を押しつぶした状態では、その外縁部分が完全には折り曲げられずに膨らんだ状態となる。このため、第1の板部11の先端部がチューブ容器8,9の外側へはみ出すような形状の場合、押しつぶされた状態のチューブ容器8,9の外縁部の厚みにより、外縁部に囲まれた部分(内側部分)を押圧しにくくなる。この点、本実施形態では、チューブ容器8,9の外縁部に囲まれた部分を押圧しやすいため、肩部83,93近傍に残存する内容物を効率よく絞り出すことができる。
【0060】
また、第1の板部11には、低強度部が設けられており、押圧されることによりチューブ容器8,9の表面に沿うように撓んで接触しやすいため、チューブ容器8,9の内容物を抽出しやすくすることができる。特に、突出部117,118にも低強度部が設けられているため、チューブ容器8,9の肩部83,93近傍に残存する内容物を絞り出しやすくすることができる。
【0061】
また、第1の板部11は、未貫通溝119を低強度部としているため、簡素な構成により第1の板部11を撓みやすくすることができる。しかも、未貫通溝119が、第1の板部11における外面に形成されているため、低強度部を、指で押圧する際の滑り止めとしても機能させることができる。加えて、第1の板部11における内面(チューブ容器8,9に接する面)が平滑となるため、チューブ容器8,9に残存する内容物の量を少なくすることができる。
【0062】
また、第1の板部11及び第2の板部12は、基端部から先端部へ向かって厚みが徐々に厚くなるように設計されているため、チューブ容器8,9の先端部側を押圧しやすくすることができる。すなわち、チューブ容器8,9の胴部82,92は、裾部81,91に近いほど断面がつぶれた形状となるためつぶしやすく、肩部83,93に近いほど断面が円に近くなるためつぶしにくくなる。本実施形態では、第1の板部11及び第2の板部12の厚みが先端部(チューブ容器8,9の肩部83,93)に近いほど厚くなるため、押圧操作を行いやすくすることができる。
【0063】
また、各折曲部において、貫通溝115,125が、連結橋部116,126により分断されている。したがって、連結橋部116,126を有しない構成と比較して、貫通溝115,125の溝幅の広がり(部分板部の撓み)が抑制され、部分板部の連結状態を安定させることができる。
【0064】
また、第4の抽出段階において、チューブ容器8,9の胴部82,92は、第2の板部12の先端部に形成された突出部127,128における斜辺1272,1273,1282,1283と当接する位置(第1の支点)と、上辺1271,1281と当接する位置(第2の支点)と、で折り曲げられる。つまり、チューブ容器8,9の胴部82,92が、2つの支点で折り曲げられる。このため、1つの支点で折り曲げる場合(例えば、第2の板部12の先端が、突出を有しないストレートな形状の場合)と比較して、チューブ容器8,9を折り曲げやすくしつつ、チューブ容器8,9の肩部83,93近傍に残存する内容物を少なくすることができる。
【0065】
すなわち、胴部82,92を折り曲げる位置が肩部83,93に近いほど、肩部83,93を大きく変形させる必要があるため、折り曲げに要する力が大きくなる。一方、胴部82,92を折り曲げる位置が肩部83,93から離れているほど、肩部83,93近傍に内容物が残存しやすくなる。そこで、本実施形態のチューブ容器絞り出し器具1では、肩部83,93から比較的遠い位置の第1の支点で胴部82,92を折り曲げつつ、肩部83,93に比較的近い位置の第2の支点で更に胴部82,92を折り曲げるようにしている。このようにすることで、折り曲げに要する力を小さくしつつ、肩部83,93近傍の内容物を抽出しやすくすることができる。
【0066】
また、2本のチューブ容器8,9を同時に押圧することができるため、1本ずつ押圧する場合と比較して、抽出に要する手間を少なくすることができる。特に、染毛剤の第1剤及び第2剤をトレイなどに抽出する作業を容易に行うことができる。
【0067】
[第2実施形態]
図9に示すように、第2実施形態のチューブ容器絞り出し器具2は、第1実施形態のチューブ容器絞り出し器具1(
図2等参照)と基本的な構成は同じであり、2本のチューブ容器8,9を固定するための固定手段が、一方の板部(本実施形態では第1の板部11)に設けられている点で相違する。このため、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
【0068】
チューブ容器絞り出し器具2の第1の板部11には、チューブ容器8,9を第1の板部11及び第2の板部12の間に挟み込まれた状態で固定するための固定手段として、ストッパ部241と、ガイド部242と、粘着部243と、が設けられている。
【0069】
ストッパ部241は、第1の板部11及び第2の板部12によりチューブ容器8,9を挟み込んだ状態において、チューブ容器8,9のヒンジ部13への移動を制限するためのものである。具体的には、ストッパ部241は、第1の板部11の内面における基端部で厚さ方向に突出した形状のものであり、チューブ容器8,9の裾部81,91と当接する段差を形成している。
【0070】
ガイド部242は、第1の板部11及び第2の板部12によりチューブ容器8,9を挟み込んだ状態において、チューブ容器8,9の横方向への移動を制限するためのものである。具体的には、ガイド部242は、円筒の側壁の一部を切り取った形状の板部(断面円弧状の曲板部)であり、2つのガイド部242が第1の板部11の内面に設けられている。各ガイド部242は、その内周面が、チューブ容器8,9の胴部82,92の外周面にそれぞれ当接する向きで設けられている。
【0071】
粘着部243は、第1の板部11の内面にチューブ容器8,9の胴部82,92を接着するための粘着層であり、例えば両面テープが用いられる。この例では、第1の板部11の内面における部分板部112に両面テープを設けているが、例えばガイド部242の内周面に設けてもよい。
【0072】
このような固定手段を用いてチューブ容器8,9を固定するには、まず、両面テープの保護テープをはがして粘着部243の粘着層を露出させる。そして、チューブ容器8,9の裾部81,91をストッパ部241の段差に当接させつつ、胴部82,92をガイド部242に当接させる。これにより、チューブ容器8,9が、ストッパ部241及びガイド部242に位置決めされた状態で、粘着部243により第1の板部11に接着される。その結果、チューブ容器8,9は、第1の板部11に固定された状態で、第1の板部11及び第2の板部12の間に挟み込まれる。
【0073】
以上説明したように、第2実施形態のチューブ容器絞り出し器具2によれば、第1実施形態のチューブ容器絞り出し器具1と同様の効果に加え、固定手段に起因する効果が得られる。すなわち、チューブ容器絞り出し器具2によれば、チューブ容器8,9が、第1の板部11及び第2の板部12の間に挟み込まれた状態で固定されるため、チューブ容器8,9を固定せずに単に挟み込んだ状態で押圧する構成と比較して、チューブ容器8,9の位置が安定し、押圧操作を行いやすくすることができる。
【0074】
[第3実施形態]
図10に示すように、第3実施形態のチューブ容器絞り出し器具3は、第1実施形態のチューブ容器絞り出し器具1(
図2等参照)と基本的な構成は同じであり、2本のチューブ容器8,9を固定するための固定手段が、一方の板部(本実施形態では第2の板部12)に設けられている点で相違する。このため、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
【0075】
チューブ容器絞り出し器具3の第2の板部12には、チューブ容器8,9を第1の板部11及び第2の板部12の間に挟み込まれた状態で固定するための固定手段として、ストッパ部341と、羽根部342と、が設けられている。
【0076】
ストッパ部341は、第1の板部11及び第2の板部12によりチューブ容器8,9を挟み込んだ状態において、チューブ容器8,9のヒンジ部13への移動を制限するためのものである。具体的には、ストッパ部341は、第2の板部12の内面における基端部で厚さ方向に突出した形状のものであり、チューブ容器8,9の裾部81,91と当接する段差を形成している。
【0077】
羽根部342は、チューブ容器8,9を挿入するための2つの貫通孔343,344が形成された長方形状の板である。羽根部342の幅方向に延びる辺345は、第2の板部12(この例では第2の部分板部122)の内面で支持されており、羽根部342は、辺345を回転軸として、第2の板部12(第2の部分板部122)に対する角度を変更可能に構成されている。また、各貫通孔343,344は、チューブ容器8,9の裾部81,91が通過できず、その他の部分(胴部82,92や肩部83,93)が通過できる大きさに設計されている。
【0078】
このような固定手段を用いてチューブ容器8,9を固定するには、
図11に示すように、第2の板部12の基端部側からチューブ容器8,9を羽根部342の貫通孔343,344に挿入した後、羽根部342を第2の板部12の基端部側へ倒す。この状態で、第1の板部11を第2の板部12側へ倒し、チューブ容器8,9を第1の板部11及び第2の板部12により挟み込む。その結果、チューブ容器8,9は、裾部81,91がストッパ部341の段差に当接してヒンジ部13への移動が制限されつつ、貫通孔343,344により横方向及び先端方向への移動が制限され、第1の板部11及び第2の板部12の間に挟み込まれた状態で固定される。
【0079】
以上説明したように、第3実施形態のチューブ容器絞り出し器具3によれば、第2実施形態のチューブ容器絞り出し器具2と同様の効果が得られる。特に、チューブ容器絞り出し器具3は、チューブ容器8,9を貫通孔343,344に挿入するという簡単な手順により、粘着層を用いることなくチューブ容器8,9を固定することができる。
【0080】
なお、
図10及び
図11では、別体の羽根部342を第2の板部12の内面で支持した構成を例示したが、これに限定されるものではない。例えば、
図12及び
図13に示すように、第2の板部12の先端に、ヒンジ部346を介して延長板部347を設け、その延長板部347の先端に、辺345で折り曲げ可能に羽根部342を設けてもよい。このような構成によれば、延長板部347を第2の板部12の内面に重ねるようにヒンジ部346で二つ折りに折り曲げることで、羽根部342の辺345を
図10及び
図11に示す構成と同様に配置することができる。そして、第2の板部12に対する羽根部342の角度を、辺345を回転軸として変更することができる。この構成によれば、延長板部347及び羽根部342を、第1の板部11及び第2の板部12と同じ1枚の板から形成することができるため、
図10及び
図11に示す構成と比較して、製造しやすくすることができる。
【0081】
[第4実施形態]
図14に示すように、第4実施形態のチューブ容器絞り出し器具4は、第1実施形態のチューブ容器絞り出し器具1(
図2等参照)と基本的な構成は同じであり、2本のチューブ容器8,9を固定するための固定手段が、第1の板部11及び第2の板部12に設けられている点で相違する。このため、第1実施形態と共通する構成については、同一の符号を用いるとともに説明を省略する。
【0082】
チューブ容器絞り出し器具4の第1の板部11には、固定手段として、粘着部441が設けられている。
粘着部441は、第1の板部11の内面にチューブ容器8,9の胴部82,92を接着するための粘着層であり、例えば両面テープが用いられる。この例では、第1の板部11の内面において、各チューブ容器8,9の軸方向に沿うように両面テープをそれぞれ1本ずつ設けている。
【0083】
一方、チューブ容器絞り出し器具4の第2の板部12には、固定手段として、粘着部442と、ガイド部443と、が設けられている。
粘着部442は、第1の板部11に設けられた粘着部441と同様、第2の板部12の内面にチューブ容器8,9の胴部82,92を接着するための粘着層であり、例えば両面テープが用いられる。この例では、第2の板部12の内面において、各チューブ容器8,9の軸方向に沿うように両面テープをそれぞれ1本ずつ設けている。
【0084】
ガイド部443は、チューブ容器8,9を粘着部442に接着する際に、チューブ容器8,9が横方向へずれにくくする(位置決めしやすくする)ためのものである。具体的には、ガイド部443は、
図15にも示すように、第2の板部12における複数箇所(この例では8箇所)においてコの字状に切り込みを入れ、内側に折り返して(切り起こして)形成した羽根部である。ガイド部443は、第2の部分板部122及び第4の部分板部124において、各チューブ容器8,9に対応する粘着部442を左右から挟む位置に設けられている。なお、第2の部分板部122に設けられたガイド部443は、裾部81,91側に広がる形に形成されている。
【0085】
このような固定手段を用いてチューブ容器8,9を固定するには、まず、第2の板部12を下にしてチューブ容器絞り出し器具4を載置し、両面テープの保護テープをはがして粘着部442の粘着層を露出させる。そして、チューブ容器8,9の裾部81,91をヒンジ部13に当接させつつ、ガイド部443に沿ってチューブ容器8,9を第2の板部12に載置することで、胴部82,92を粘着層442に接着する。その後、第1の板部11の両面テープの保護テープをはがして粘着部441の粘着層を露出させ、第1の板部11を第2の板部12側に倒して粘着層441を胴部82,92に接着する。その結果、チューブ容器8,9は、第1の板部11及び第2の板部12に固定された状態で、第1の板部11及び第2の板部12の間に挟み込まれる。
【0086】
以上説明したように、第4実施形態のチューブ容器絞り出し器具4によれば、第2実施形態及び第3実施形態のチューブ容器絞り出し器具2,3と同様の効果が得られる。特に、チューブ容器絞り出し器具4は、第2の板部12を部分的に利用してガイド部443を形成しているため、別部品を取り付ける構成と比較して製造しやすくすることができる。
【0087】
[他の実施形態]
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されることなく、種々の形態を採り得ることは言うまでもない。
【0088】
(1)突出部117,118に関する変形例
上記実施形態では、第1の板部11の各突出部117,118が、先端中央部が直線状に形成され、その両端部が基端部側へ斜めに延びる円弧状に形成されているが(
図2参照)、これに限定されるものではない。例えば、
図16に示すように、先端中央部の両端部から基端部側へ斜めに延びる辺を直線状に(全体として略台形状に)形成してもよい。また、
図17に示すように、突出部117,118全体を円弧状(例えば半円状)に形成してもよい。
【0089】
(2)低強度部に関する変形例
上記実施形態では、第1の板部11の各突出部117,118に、横方向(ヒンジ部13の回転軸方向)に延びる2本の未貫通溝119が、低強度部として形成されているが(
図2参照)、これに限定されるものではなく、例えば、未貫通溝119の本数や向きなどを変更してもよい。具体的には、例えば
図16に示すように、縦方向(第1の板部11の長手方向)に延びる4本の未貫通溝119が、各突出部117,118に低強度部として形成されていてもよい。また、未貫通溝119を突出部117,118の形状に合わせて円弧状などに曲がった形状としてもよい(図示せず)。一方、例えば
図17に示すように、突出部117,118に低強度部を設けないようにしてもよい。
【0090】
また、第1の板部11における突出部117,118だけでなく、突出部117,118以外の部分においても、低強度部の構成は特に限定されず、例えば、未貫通溝119の本数や向きなどを変更してもよい。
【0091】
また、上記実施形態では、低強度部として、第1の板部11における外面に未貫通溝119を設けているが、例えば
図18に示すように、第1の板部11における内面(チューブ容器8,9に接する面)に未貫通溝119を設けてもよい。このような構成によれば、チューブ容器8,9の胴部82,92の外面が、未貫通溝119に食い込みやすくなるため、第1の板部11に対するチューブ容器8,9の位置をずれにくくすることができる。
【0092】
また、第1の板部11に設ける低強度部は、未貫通溝119に限定されるものではなく、例えば、低強度部として傷(例えば多方向に形成された傷)を設けてもよい。このようにしても、未貫通溝119と同様、第1の板部11に厚みを薄くした部分を設けることができるため、簡素な構成により第1の板部11を撓みやすくすることができる。
【0093】
また、低強度部として、第1の板部11を貫通した部分(例えば貫通溝や貫通孔)を設けてもよい。このようにしても、第1の板部11に厚みを薄くした部分を設ける場合と同様、簡素な構成により第1の板部11の板部を撓みやすくすることができる。
【0094】
また、低強度部を設ける対象は第1の板部11に限定されるものではなく、例えば、第1の板部11に代えて、又は、第1の板部11とともに、第2の板部12に低強度部を設けてもよい。
【0095】
(3)折曲部に関する変形例
上記実施形態では、第1の板部11及び第2の板部12のそれぞれにおいて、折曲部が3箇所に設けられているが、折曲部の数はこれに限定されるものではなく、チューブ容器8,9からの内容物の抽出量などに応じて適宜変更してもよい。
【0096】
また、折曲部の連結橋部116,126を、押圧により破断できるようにしてもよい。具体的には、例えば
図19に示すように、連結橋部116,126の少なくとも一部に、板厚を薄くした薄肉部1161,1261を形成してもよい。このような構成によれば、連結橋部116,126を押圧により容易に破断することができ、押圧に用いられる部分板部と、既に押圧が完了した部分板部と、の連結状態を弱めることができる。このため、押圧に用いられる部分板部を独立して操作しやすくすることができる。なお、このような効果を得るための構成は、連結橋部116,126を破断する構成に限定されるものではなく、例えば、連結橋部116,126を押圧により延伸できるようにしてもよい。
【0097】
また、連結橋部116,126の数も特に限定されず、例えば、各折曲部において連結橋部116,126を2箇所以上に設けてもよい。また、連結橋部116,126を有しない構成としてもよい。また、折曲部は、貫通溝115,125により形成することに限定されるものではなく、例えば、薄肉のヒンジなどにより形成してもよい。また、折曲部を、第1の板部11及び第2の板部12の両方ではなく、いずれか一方に設けてもよい。
【0098】
(4)固定手段に関する変形例
チューブ容器8,9を第1の板部11及び第2の板部12の間に挟み込まれた状態で固定するための固定手段は、上記第2実施形態、上記第3実施形態又は上記第4実施形態に限定されるものではない。また、固定手段を有しない構成としてもよい。
【0099】
(5)板部の厚みに関する変形例
上記実施形態では、第1の板部11及び第2の板部12の厚みが、基端部から先端部へ向かって一定の割合で厚くなるように設計されているが、これに限定されるものではない。例えば、各部分板部における厚みは一定とし、先端部側の部分板部ほど厚みが増すように、部分板部の厚みを段階的に異ならせてもよい。一方、これとは逆に、先端部の厚みを薄くしてもよい。また、基端部から先端部まで厚みを一定としてもよい。また、第1の板部11と第2の板部12とで厚みを異ならせてもよい。
【0100】
(6)材質に関する変形例
上記実施形態では、合成樹脂製の板材で形成された構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば紙製(ボール紙等)や金属製などの板材で形成された構成としてもよい。また、上記実施形態では、第1の板部11及び第2の板部12が1枚の板材から形成された構成を例示したが、これに限定されるものではなく、例えば、別体の板材から形成された第1の板部11及び第2の板部12を、ヒンジ部13で連結して構成してもよい。
【0101】
(7)表示に関する変形例
第1の板部11及び第2の板部12の少なくとも一方に、使用方法(例えば押圧順序)を示す文字や図形等を表示してもよい。具体的には、例えば
図20(A)に示すように、4つの部分板部111,112,113,114の色を順に濃くしてもよく、逆に、順に薄くしてもよい。また、
図20(A)に示すように、押圧順序を示す図形を表示してもよい。また、例えば
図20(B)に示すように、親指で押圧する位置に親指の図形を表示してもよく、また、押圧順序を示す数字を表示してもよい。また、
図20(B)に示すように、こうした図形や数字の色を順に薄くしてもよく、逆に、順に濃くしてもよい。また、
図20(B)に示すように、第1の板部11の先端部と、チューブ容器8,9の肩部83,89と、に位置合わせの図形(この例では縦線)を表示してもよい。このようにすれば、チューブ容器8,9を正しい位置に固定しやすくすることができる。なお、文字や図形等は、例えば、印刷、シートの貼着、立体加工等により表示してもよく、また、複数色の材料を用いて表示してもよい。
【0102】
(8)チューブ容器8,9に関する変形例
チューブ容器8,9の内容物を絞り出しやすくするために、チューブ容器8,9の胴部82,92に、他の部分と比較して変形しやすい脆弱部を設けてもよい。例えば、
図21に示すように、チューブ容器8,9の胴部82,92における先端部側(具体的には、第2の板部12の先端部に対応する位置)に、環状のくびれ部821を設けてもよい。また、例えば
図22に示すように、チューブ容器8,9の胴部82,92における先端部側(具体的には、第2の板部12の先端部に対応する位置)に、環状の薄肉部822を設けてもよい。このようにすれば、くびれた部分や厚みの薄い部分を胴部82,92に設けるという簡素な構成により、胴部82,92における先端部側を変形しやすくすることができ、チューブ容器8,9を第2の板部12側へ押し倒しやすくすることができる。
【0103】
また、上記実施形態では、押圧する対象として、染毛剤を収容する2本のチューブ容器8,9を例示したが、内容物は染毛剤以外(例えば脱色剤やカラートリートメント等)であってもよい。また、3本以上のチューブ容器を同時に押圧する構成にしてもよく、また、1本のチューブ容器を押圧する構成にしてもよい。また、チューブ容器の形状や材質は特に限定されない。また、チューブ容器以外の容器(例えばパウチ等)を押圧対象にしてもよい。