特許第6077258号(P6077258)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6077258積層発熱体、静電チャック、及びセラミックヒータ
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077258
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】積層発熱体、静電チャック、及びセラミックヒータ
(51)【国際特許分類】
   H01L 21/683 20060101AFI20170130BHJP
   H02N 13/00 20060101ALI20170130BHJP
   H05B 3/68 20060101ALI20170130BHJP
   H05B 3/20 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   H01L21/68 R
   H02N13/00 D
   H05B3/68
   H05B3/20 328
【請求項の数】3
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2012-223130(P2012-223130)
(22)【出願日】2012年10月5日
(65)【公開番号】特開2014-75525(P2014-75525A)
(43)【公開日】2014年4月24日
【審査請求日】2015年9月2日
(73)【特許権者】
【識別番号】000004547
【氏名又は名称】日本特殊陶業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000578
【氏名又は名称】名古屋国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】篠崎 洋輔
(72)【発明者】
【氏名】三輪 要
【審査官】 儀同 孝信
(56)【参考文献】
【文献】 特開平09−270454(JP,A)
【文献】 特開2000−012195(JP,A)
【文献】 特開2000−020858(JP,A)
【文献】 特開2001−217059(JP,A)
【文献】 国際公開第2011/049620(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01L 21/683
H02N 13/00
H05B 3/20
H05B 3/68
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
セラミックから成る層を複数積層した本体部と、
前記本体部に内蔵されたヒータと、
前記本体部における厚み方向の一端に取り付けられた端子と、
前記端子から前記ヒータに給電する給電経路と、を備え、
前記給電経路は、前記本体部内に設けられた複数の導電層及び複数のスルービアを組み合わせて成るものであり、
前記複数のスルービアには、以下で定義するスルービアα、スルービアβ、及びスルービアγが含まれ、
前記本体部を前記厚み方向から見たとき、前記スルービアαは、前記スルービアβと前記スルービアγとの間の位置、又は、前記スルービアβ若しくは前記スルービアγと重なる位置にあることを特徴とする積層発熱体。
スルービアα:前記複数の導電層のうち、前記ヒータに隣接する導電層Xと前記ヒータとを接続するスルービア。
スルービアβ、及びスルービアγ:前記複数の導電層のうち、前記端子側において前記導電層Xに隣接する導電層Yと前記導電層Xとを接続するスルービア。
【請求項2】
請求項1積層発熱体を備えることを特徴とする静電チャック。
【請求項3】
請求項1積層発熱体を備えることを特徴とするセラミックヒータ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、積層発熱体、静電チャック、及びセラミックヒータに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、例えば半導体製造装置においては、半導体ウェハ(例えばシリコンウェハ)を固定してドライエッチング等の加工を行ったり、半導体ウェハを吸着固定して反りを矯正したり、半導体ウェハを吸着して搬送するなどの目的で、静電チャックが使用されている。
【0003】
半導体ウェハの温度が場所ごとにばらつくとエッチングの加工精度が悪くなるので、半導体ウェハの加工精度を高めるためには、静電チャックに固定された半導体ウェハの温度を均一にする必要がある。そのため、静電チャックの内部にヒータを備え、そのヒータによって半導体ウェハを均一に加熱しようとする技術が開示されている(特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−71647号公報 (第4頁、図1
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
ヒータを内蔵した静電チャックは、厚み方向の一端に取り付けられた端子からヒータに給電する給電経路を備え、その給電経路は、複数の導電層と、複数のスルービアとを交互に積層した構造を有する。給電経路のうち、ヒータに隣接する導電層は、発熱量が最大になり、この導電層の発熱により、静電チャックの表面における温度が不均一になってしまい、結果として、半導体ウェハの温度が不均一になってしまう。
【0006】
本発明は以上の点に鑑みなされたものであり、表面における温度のばらつきを低減できる積層発熱体、静電チャック、及びセラミックヒータを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の積層発熱体は、
セラミックから成る層を複数積層した本体部と、前記本体部に内蔵されたヒータと、前記本体部における厚み方向の一端に取り付けられた端子と、前記端子から前記ヒータに給電する給電経路と、を備え、前記給電経路は、前記本体部内に設けられた複数の導電層及び複数のスルービアを組み合わせて成るものであり、前記複数のスルービアには、以下で定義するスルービアα、スルービアβ、及びスルービアγが含まれ、前記本体部を前記厚み方向から見たとき、前記スルービアαは、前記スルービアβと前記スルービアγとの間の位置、又は、前記スルービアβ若しくは前記スルービアγと重なる位置にあることを特徴とする。
【0008】
スルービアα:前記複数の導電層のうち、前記ヒータに隣接する導電層Xと前記ヒータとを接続するスルービア。
スルービアβ、及びスルービアγ:前記複数の導電層のうち、前記端子側において前記導電層Xに隣接する導電層Yと前記導電層Xとを接続するスルービア。
【0009】
本発明の積層発熱体においては、スルービアα、スルービアβ、及びスルービアγが上述した位置関係を有することにより、導電層Xにおける発熱を低減し、その結果、積層発熱体の表面における温度のばらつきを低減することができる。
【0010】
本発明の積層発熱体において、例えば、前記導電層Xは、前記導電層Yよりも大きくすることができる。この場合、スルービアαの位置に関する設計の自由度が大きくなる。また、導電層Xにおける電流密度が一層小さくなるので、導電層Xにおける発熱を一層抑制できる。
【0011】
本発明の積層発熱体は、例えば、静電チャック、セラミックヒータ等に適用できる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1】静電チャック1の構成を表す側断面図である。
図2】静電チャック1の構成を表す上面図である。
図3】静電チャック1における一部の構成を表す上面図である。
図4】静電チャック1におけるスルービアα1、β1、γ1付近の構成を表す断面図である。
図5】セラミックヒータ101の構成を表す側断面図である。
図6】別形態におけるスルービアα1、β1、γ1付近の構成を表す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本発明の実施形態を図面に基づき説明する。
<第1の実施形態>
1.静電チャック1の構成
積層発熱体の一実施形態である静電チャック1の構成を図1図4に基づいて説明する。静電チャック1は、円盤状の本体部3と、その内部に設けられた吸着電極4、インナーヒータ5、アウターヒータ7、及び導電層X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4を備える。また、静電チャック1は、端子9、11、13、15、17を備える。
【0014】
本体部3は、セラミックから成る層(グリーンシート)をその厚み方向(図2における上下方向)に複数積層して成る円盤状の部材である。吸着電極4は、WやMoから成るメタライズ層である。吸着電極4は、本体部3における上方の面である吸着面3a寄りの位置に、吸着面3aと平行となるように設けられている。吸着電極4は、給電経路19により、端子9に接続している。なお、吸着面3aは、半導体ウェハ(例えばシリコンウェハ)を吸着固定する面である。
【0015】
インナーヒータ5は、WやMoから成るメタライズ層であり、吸着電極4よりも下側に位置する、渦巻き型のヒータである。図2に示すように、上方から(静電チャック1の厚み方向から)見たとき、インナーヒータ5の中心は本体部3の中心と一致し、インナーヒータ5は、本体部3の中周まで広がっている。インナーヒータ5の内周側の端部5aは、導電層X1上に位置し、外周側の端部5bは、導電層X2上に位置する。
【0016】
アウターヒータ7は、WやMoから成るメタライズ層であり、インナーヒータ5と同一平面上、且つインナーヒータ5よりも外側に位置する渦巻状のヒータである。図2に示すように、上方から見たとき、アウターヒータ7の中心は本体部3の中心と一致し、アウターヒータ7は、インナーヒータ5の最外周と、本体部3の外周端との間に広がっている。アウターヒータ7の内周側の端部7aは、導電層X3上に位置し、外周側の端部7bは、導電層X4上に位置する。
【0017】
導電層X1、X2、X3、X4は、それぞれ、インナーヒータ5及びアウターヒータ7よりも下側において、それらのヒータに隣接する、WやMoから成るメタライズ層である。導電層X1、X2、X3、X4は、それぞれ、円を4等分した形状を有し、上方から見たとき、図2のように配置されている。
【0018】
導電層X1と端部5aとは、図1図4に示すように、スルービアα1により接続されている。また、導電層X2と端部5bとは、スルービアα2により接続されている。また、導電層X3と端部7aとは、スルービアα3により接続されている。また、導電層X4と端部7bとは、スルービアα4により接続されている。スルービアα1、α2、α3、α4は、それぞれ、本体部3を構成するセラミックの層に形成した貫通孔に、WやMoを主成分とするメタライズを充填したものである。後述するスルービアβ1、β2、β3、β4、γ1、γ2、γ3、γ4も同様である。
【0019】
導電層Y1、Y2、Y3、Y4は、それぞれ、導電層X1、X2、X3、X4よりも下側において、導電層X1、X2、X3、X4に隣接する、WやMoから成るメタライズ層である。導電層Y1、Y2、Y3、Y4は、それぞれ、導電層X1、X2、X3、X4と同一の形状を有し、上方から見たとき、図2のように配置されている。ここで、導電層Y1は導電層X1の下側に位置し、導電層Y2は導電層X2の下側に位置し、導電層Y3は導電層X3の下側に位置し、導電層Y4は導電層X4の下側に位置する。
【0020】
導電層X1と導電層Y1とは、図1、及び図4に示すように、スルービアβ1、γ1により接続されている。上方から見たとき、図3に示すように、スルービアβ1の位置は、スルービアα1よりも内周側にあり、スルービアγ1の位置は、スルービアα1よりも外周側にある。すなわち、上方から見たとき、スルービアα1は、スルービアβ1、及びスルービアγ1の間に位置する。
【0021】
また、導電層X2と導電層Y2とは、図1に示すように、スルービアβ2、γ2により接続されている。上方から見たとき、図3に示すように、スルービアβ2の位置は、スルービアα2よりも内周側にあり、スルービアγ2の位置は、スルービアα2よりも外周側にある。すなわち、上方から見たとき、スルービアα2は、スルービアβ2、及びスルービアγ2の間に位置する。
【0022】
また、導電層X3と導電層Y3とは、図1に示すように、スルービアβ3、γ3により接続されている。上方から見たとき、スルービアβ3の位置は、スルービアα3よりも内周側にあり、スルービアγ3の位置は、スルービアα3よりも外周側にある。すなわち、上方から見たとき、スルービアα3は、スルービアβ3、及びスルービアγ3の間に位置する。
【0023】
また、導電層X4と導電層Y4とは、図1に示すように、スルービアβ4、γ4により接続されている。上方から見たとき、スルービアβ4の位置は、スルービアα4よりも内周側にあり、スルービアγ4の位置は、スルービアα4よりも外周側にある。すなわち、上方から見たとき、スルービアα4は、スルービアβ4、及びスルービアγ4の間に位置する。
【0024】
スルービアα1、β1、γ1は、それぞれ、図4に示すように、並列に配置された複数のスルービアである。スルービアα2、β2、γ2、α3、β3、γ3、α4、β4、γ4についても同様である。
【0025】
端子9は、本体部3における下方の端部に設けられた、導電性の材料から成る棒状の端子である。端子9は、上述したように、給電経路19により、吸着電極4に接続している。給電経路19は、導電層とスルービアとにより構成される周知の構造の給電経路である。
【0026】
端子11、13、15、17は、本体部3における下方の端部(厚み方向の一端)に設けられた、導電性の材料から成る棒状の端子であり、上方から見たとき、図2に示す配置となるように、端子9の周囲に設けられている。端子11は給電経路21により導電層Y1と接続しており、端子13は給電経路23により導電層Y2と接続しており、端子15は給電経路25により導電層Y3と接続しており、端子17は給電経路27により導電層Y4と接続している。給電経路21、23、25、27は、それぞれ、導電層とスルービアとにより構成される周知の構造の給電経路である。
【0027】
上記の構成を有する静電チャック1においては、インナーヒータ5に関し、端子11→給電経路21→導電層Y1→スルービアβ1、γ1→導電層X1→スルービアα1→インナーヒータ5→スルービアα2→導電層X2→スルービアβ2、γ2→導電層Y2→給電経路23→端子13という電流の経路が形成されている。また、アウターヒータ7に関し、端子15→給電経路25→導電層Y3→スルービアβ3、γ3→導電層X3→スルービアα3→アウターヒータ7→スルービアα4→導電層X4→スルービアβ4、γ4→導電層Y4→給電経路27→端子17という電流の経路が形成されている。
【0028】
なお、上記の「端子11→給電経路21→導電層Y1→スルービアβ1、γ1→導電層X1→スルービアα1→インナーヒータ5」と、「インナーヒータ5→スルービアα2→導電層X2→スルービアβ2、γ2→導電層Y2→給電経路23→端子13」と、「端子15→給電経路25→導電層Y3→スルービアβ3、γ3→導電層X3→スルービアα3→アウターヒータ7」と、「アウターヒータ7→スルービアα4→導電層X4→スルービアβ4、γ4→導電層Y4→給電経路27→端子17」とは、給電経路の一実施形態である。
【0029】
2.静電チャック1の製造方法
静電チャック1は、以下の(i)〜(viii)の手順により製造することができる。
(i)セラミック、焼結助剤、有機バインダ等を原料とした周知の組成のグリーンシート(セラミックの層)を作成する。
(ii)グリーンシートを所望のサイズに切断する。
(iii)グリーンシートにおいて、後にスルービアを形成する部分に貫通孔を穿孔する。
(iv)貫通孔に、WやMoを主成分とするメタライズを充填し、スルービアを形成する。
(v)グリーンシートに、スクリーン印刷の手法を用いてWやMoを主成分とするメタライズを塗布し、吸着電極4、インナーヒータ5、アウターヒータ7、導電層X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4、及び各給電経路の導電層を形成する。
(vi) グリーンシートにおいて、ドリル加工により、端子9、11、13、15、17を取り付ける孔等を形成する。また、グリーンシートの外径を静電チャック1の形状に応じて整える。
(vii)セラミックグリーンシート同士を積層圧着し、積層体を作製する。
(viii)得られた積層体を焼成し、端子9、11、13、15、17を取り付けて、静電チャック1を完成する。
【0030】
3.静電チャック1の作用効果
静電チャック1においては、スルービアα1、スルービアβ1、及びスルービアγ1が、図4に示す位置関係(上方から見たとき、スルービアα1は、スルービアβ1、及びスルービアγ1の間に位置する)を有することにより、導電層X1における電流の流れが、スルービアβ1からスルービアα1に向う経路と、スルービアγ1からスルービアα1に向う経路とに別れるので、導電層X1における電流密度を低下させて発熱を低減し、その結果、静電チャック1の表面における温度のばらつきを小さくすることができる。
【0031】
また、同様に、スルービアα2、スルービアβ2、及びスルービアγ2の位置関係により、導電層X2における発熱を低減することができ、スルービアα3、スルービアβ3、及びスルービアγ3の位置関係により、導電層X3における発熱を低減することができ、スルービアα4、スルービアβ4、及びスルービアγ4の位置関係により、導電層X4における発熱を低減することができる。
【0032】
なお、面内方向におけるスルービアβ1とスルービアα1との距離、及びスルービアγ1とスルービアα1との距離は、小さいことが望ましい。これらの距離を小さくすることにより、導電層X1における発熱を一層抑制できる。また、スルービアα2、β2、γ2における相互の距離、スルービアα3、β3、γ3における相互の距離、及びスルービアα4、β4、γ4における相互の距離についても同様である。
【0033】
3.変形例
(1)静電チャック1において、導電層X1を導電層Y1よりも大きくし、導電層X2を導電層Y2よりも大きくし、導電層X3を導電層Y3よりも大きくし、導電層X4を導電層Y4よりも大きくすることができる。この場合、スルービアα1、α2、α3、α4の位置に関する設計の自由度が大きくなる。また、導電層X1〜X4における電流密度が一層小さくなるので、導電層X1〜X4における発熱を一層抑制できる。
(2)静電チャック1は、インナーヒータ5及びアウターヒータ7を備える代わりに、単一のヒータを備えていてもよい。また、3以上のヒータを備えていてもよい。
(3)スルービアα1は、複数のスルービアを並列させたものではなく、単一のスルービアであってもよい。スルービアα2、α3、α4、β1〜β4、γ1〜γ4についても同様である。
(4)静電チャック1は、スルービアβ1、γ1以外にも、導電層X1と導電層Y1とを接続する追加のスルービアをさらに備えていてもよい。その追加のスルービアの位置は、任意に選択できる。また、同様に、導電層X2と導電層Y2とを接続する追加のスルービア、導電層X3と導電層Y3とを接続する追加のスルービア、導電層X4と導電層Y4とを接続する追加のスルービアを備えていてもよい。
<第2の実施形態>
1.セラミックヒータ101の構成
積層発熱体の一実施形態であるセラミックヒータ101の構成を、図5に基づいて説明する。セラミックヒータ101は、前記第1の実施形態における静電チャック1と基本的には同様の構成を有する。ただし、セラミックヒータ101は、吸着電極4、端子9、及び給電経路19を備えていない。
【0034】
2.セラミックヒータ101の作用効果
セラミックヒータ101も、前記第1の実施形態における静電チャック1と同様の作用効果を奏する。
【0035】
尚、本発明は前記実施形態になんら限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施しうることはいうまでもない。
例えば、前記第1及び第2の実施形態において、図6に示すように、スルービアα1は、厚み方向(図6における上下方向)から見たとき、スルービアγ1と重なる位置にあってもよい。また、スルービアα1は、厚み方向から見たとき、スルービアβ1と重なる位置にあってもよい。なお、図6では、スルービアα1、β1、γ1をそれぞれ1本としているが、スルービアα1、β1、γ1のうちの一部又は全部は、複数のスルービアで構成されていてもよい。
さらに、スルービアα2も、厚み方向から見たとき、スルービアβ2若しくはスルービアγ2と重なる位置にあってもよい。スルービアα3も、厚み方向から見たとき、スルービアβ3若しくはスルービアγ3と重なる位置にあってもよい。スルービアα4も、厚み方向から見たとき、スルービアβ4若しくはスルービアγ4と重なる位置にあってもよい。
上記の場合も、前記第1及び第2の実施形態と略同様の効果を奏することができる。
ただし、スルービアβ1、γ1、及びスルービアδ(導電層Y1と、それよりも一つ内側の導電層Zとを接続するスルービア)の位置関係が図6に示すものである場合、スルービアα1は、厚み方向(図6における上下方向)から見たとき、スルービアγ1と重なる位置にはない(すなわち、スルービアβ1とスルービアγ1との間にあるか、スルービアβ1と重なる位置にある)ことがより好ましい。この場合、導電層X1における発熱を一層低減することができる。また、スルービアα2、α3、α4の位置についてもスルービアα1の場合と同様である。
【符号の説明】
【0036】
1・・・静電チャック、3・・・本体部、3a・・・吸着面、4・・・吸着電極、
5・・・インナーヒータ、5a、5b、7a、7b・・・端部、
7・・・アウターヒータ、9、11、13、15、17・・・端子、
19、21、23、25、27・・・給電経路、101・・・セラミックヒータ、
X1、X2、X3、X4、Y1、Y2、Y3、Y4、Z・・・導電層、
α1、α2、α3、α4、β1、β2、β3、β4、γ1、γ2、γ3、γ4、δ・・・スルービア
図1
図2
図3
図4
図5
図6