(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。
【0025】
<1.第1の実施の形態>
<1−1.構成>
図1は、本実施の形態の文字入力装置である車載装置1の外観を示す図である。車載装置1は、自動車などの車両内において使用されるものであり、車室内のドライバなどのユーザに対して各種の情報を表示する。車載装置1は、主な機能として、目的地までのルートを案内するナビゲーション機能、及び、車室内に音を出力するオーディオ機能などを備えている。車載装置1は、文字入力装置としても機能し、例えば、ナビゲーション機能における目的地設定や、オーディオ装置における音声データのタイトルの変更等においてユーザが文字を入力できるようになっている。
【0026】
車載装置1は、各種情報を表示するディスプレイ3と、ユーザがタッチして操作するタッチパネル2とを備えている。タッチパネル2の操作面はディスプレイ3の表示面に重なるように配置され、タッチパネル2の操作面上の位置とディスプレイ3の表示面上の位置とは対応付けされている。タッチパネル2の操作面は、ディスプレイ3の表示面よりもユーザ側に配置される。
【0027】
ディスプレイ3の表示面には、適宜、ユーザの指示を受け付けるコマンドボタン5が表示される。ユーザは、このようなコマンドボタン5の領域に対応するタッチパネル2の操作面中の領域に指でタッチすることで、コマンドボタン5に関連付けられた指示を車載装置1に行うことができる。なお以下、ユーザが、ディスプレイ3の表示面に表示されたコマンドボタンの領域に対応する、タッチパネル2の操作面中の領域にタッチすることを、単に「コマンドボタンの領域にタッチする」と表現する。
【0028】
タッチパネル2の方式としては、例えば、静電容量の変化を捉えて位置を検出する静電容量方式が採用されている。ユーザは、タッチパネル2の操作面に対して、一点でタッチする操作のみならず、複数点でタッチする操作であるマルチタッチを行うことも可能となっている。
【0029】
また、車載装置1は、ディスプレイ3の表示面の周辺に、ユーザが操作するための物理的なスイッチを含む操作部4を備えている。ユーザは、タッチパネル2とともに、操作部4を介して、車載装置1に各種の指示を行うことが可能である。
【0030】
図2は、車載装置1の構成を示すブロック図である。
図2に示すように、車載装置1は、上述したタッチパネル2、ディスプレイ3及び操作部4に加えて、タッチパネルコントローラ21、記憶部11、ナビゲーション部12、オーディオ部13及びスピーカ14を備えている。また、操作部4は、所定の色の光を発光可能なLEDなどの光源41を備えている。
【0031】
タッチパネルコントローラ21は、例えば、ハードウェア回路であり、タッチパネル2の動作を制御する。タッチパネルコントローラ21は、タッチパネル2で生じた信号に基いて、タッチパネル2の操作面中のユーザがタッチした位置を検出するタッチ検出部21aを備えている。
【0032】
タッチ検出部21aは、駆動電極及び受信電極の2電極間の静電容量の変化を測定する相互容量方式で、ユーザがタッチした位置を検出する。タッチ検出部21aは、ユーザの指での電界の遮断によって受信電極が受信する電荷が減少することに基いて、ユーザがタッチしたか否かを検出する。タッチ検出部21aは、タッチパネル2の操作面に、ユーザが一点及び複数点のいずれでタッチしたかを判別することができる。そして、タッチ検出部21aは、タッチパネル2の操作面にユーザが一点でタッチした場合はその一点の位置を検出し、ユーザが複数点でタッチした場合はその複数点それぞれの位置を検出する。タッチ検出部21aは、例えば、ユーザがタッチした位置として10点までの位置を検出できる。
【0033】
記憶部11は、例えばフラッシュメモリなど、各種のデータを記憶可能な不揮発性の記憶装置である。記憶部11には、車載装置1の動作に必要な各種のデータや、プログラム11aが記憶される。
【0034】
また、ナビゲーション部12は、記憶部11に記憶された地図を利用して、目的地までのルートを案内するナビゲーション機能を実現する。オーディオ部13は、記憶部11に記憶された音声データを利用して、スピーカ14を介して音を出力するオーディオ機能を実現する。
【0035】
また、車載装置1は、装置全体を制御する制御部10を備えている。制御部10は、例えば、CPU、RAM及びROMなどを備えるマイクロコンピュータである。制御部10の各種の機能は、記憶部11に記憶されたプログラム11aをCPUが実行することにより実現される。このようなプログラム11aは、メモリカードなどの記録媒体からの読み出し等により取得され、記憶部11に予め記憶される。車載装置1が、ネットワークを介した通信機能を備える場合は、他の通信装置との通信によりプログラム11aが取得されてもよい。
【0036】
図中に示す、表示制御部10a、位置取得部10b、入力受付部10c及び方向判定部10dは、プログラム11aの実行により実現される制御部10の機能のうちの一部である。これらの機能10a〜10dは、ユーザからの文字の入力の受け付けに関連する。
【0037】
表示制御部10aは、ディスプレイ3が表示する内容を制御する。表示制御部10aは、例えば、ユーザの指示を受け付けるためのコマンドボタンなどを、ディスプレイ3の表示面に表示させる。ユーザから文字の入力を受け付ける場合は、入力候補となる文字に対応するコマンドボタンである複数の文字ボタンを、表示制御部10aがディスプレイ3の表示面に表示させる。
【0038】
位置取得部10bは、タッチパネル2の操作面中のユーザがタッチした位置を取得する。位置取得部10bは、タッチパネルコントローラ21のタッチ検出部21aからの信号に基いて、ユーザが一点及び複数点のいずれでタッチしたかを判別し、ユーザがタッチした位置を取得する。位置取得部10bは、タッチパネル2の操作面にユーザが一点でタッチした場合はその一点の位置を取得し、ユーザが複数点でタッチした場合はその複数点それぞれの位置を取得する。
【0039】
入力受付部10cは、位置取得部10bが取得したユーザがタッチした位置に基いて、文字の入力を受け付ける。入力受付部10cは、ユーザがタッチした位置の文字ボタンに関連付けられた文字の入力を受け付ける。
【0040】
方向判定部10dは、ユーザがタッチパネル2の操作面にタッチしたまま移動する操作(いわゆるフリック操作)を行った場合のユーザの移動方向を判定する。方向判定部10dは、位置取得部10bが取得したユーザがタッチした位置の時系列的な変化に基いて、ユーザの移動方向を判定する。
【0041】
<1−2.文字の入力>
次に、車載装置1への文字の入力について説明する。車載装置1は、ナビゲーション機能における目的地設定などにおいて文字の入力が必要となると、動作モードが文字の入力を受け付ける入力モードとなる。入力モードになると、表示制御部10aが、ディスプレイ3の表示面に入力モード専用の入力画面を表示させる。
【0042】
図3は、ディスプレイ3の表示面に表示された入力画面の例を示す図である。
図3は、日本語に用いる「ひらがな」を入力するための入力画面を示している。
【0043】
図3に示すように、入力画面の上部には、ユーザが入力した文字が表示されるテキストボックス51が配置される。また、テキストボックス51の下部には、入力候補となる文字にそれぞれ関連付けられた複数の文字ボタン52が配置されている。
【0044】
また、入力画面には、入力する文字の種別(ひらがな、カタカナ、英数字)を変更する変更ボタン53、文字の入力をキャンセルするキャンセルボタン54、及び、入力した文字を確定する完了ボタン55などのコマンドボタンが含まれている。ユーザが、キャンセルボタン54あるいは完了ボタン55の領域にタッチした場合は、入力モードが終了する。
【0045】
複数の文字ボタン52はそれぞれ、「し」「ひ」「つ」などの一つの清音に関連付けられており、五十音配列に従った所定の位置に配置されている。また、これらの文字ボタン52の一部は、清音とともに、清音とは異なる種類の文字とも関連付けられている。文字ボタン52は、関連付けられた清音に関係のある他の種類の文字(濁音、半濁音、小書き文字)が存在する場合は、当該文字にも関連付けられる。
【0046】
例えば、「し」と表記された文字ボタン52は、清音の「し」と濁音の「じ」との2つの種類の文字に関連付けられる。また、「ひ」と表記された文字ボタン52は、清音の「ひ」と濁音の「び」と半濁音の「ぴ」との3つの種類の文字に関連付けられる。また、清音の「つ」と表記された文字ボタン52は、清音の「つ」と濁音の「づ」と小書き文字「っ」との3つの種類の文字に関連付けられる。
【0047】
ユーザがタッチなどの操作を行なっていない初期状態では、各文字ボタン52には、関連付けられた文字のうちの清音のみが表記される。以下、このように初期状態で表記される種類の文字を「通常文字」という。「ひらがな」の場合は、清音が「通常文字」となる。また、「通常文字」以外の種類の文字を「特殊文字」という。「ひらがな」の場合は、濁音、半濁音及び小書き文字が「特殊文字」となる。
【0048】
このような入力画面が表示されている場合に、ユーザが文字ボタン52の領域にタッチした場合は、入力受付部10cが、ユーザがタッチした位置の文字ボタン52に関連付けられた文字の入力を受け付ける。これにより、ユーザが所望する文字が車載装置1に入力される。
【0049】
また、2つ以上の種類の文字に関連付けられた文字ボタン52の領域にユーザがタッチした場合においては、入力受付部10cは、ユーザが一点でタッチした場合と複数点でタッチした場合とで異なる種類の文字の入力を受け付ける。具体的には、ある文字ボタン52の領域にユーザが一点でタッチした場合は、入力受付部10cは、当該文字ボタン52に関連付けられた「通常文字」の入力を受け付ける。一方、これと同一の文字ボタン52の領域にユーザが二点でタッチした場合は、入力受付部10cは当該文字ボタン52に関連付けられた「特殊文字」の入力を受け付けることになる。
【0050】
例えば、
図4に示すように、ユーザ6が「し」と表記された文字ボタン52の領域に1本の指でタッチした場合は、入力受付部10cが、この文字ボタン52に関連付けられた「通常文字」である「し」の入力を受け付ける。一方、
図5に示すように、ユーザ6が「し」と表記された文字ボタン52の領域に2本の指でタッチした場合は、入力受付部10cが、この文字ボタン52に関連付けられた「特殊文字」である「じ」の入力を受け付ける。
【0051】
このようにユーザは、文字ボタン52の領域に一点でタッチした場合は「通常文字」を入力できるとともに、それと同一の文字ボタン52の領域に二点でタッチした場合は「特殊文字」を入力することができる。したがって、ユーザは、文字ボタン52の領域にタッチする指の数を変えるのみで、「通常文字」とは異なる種類の「特殊文字」を容易に入力することができる。このため、「特殊文字」を入力する場合であっても1回の操作で入力できるため、文字を効率的に入力することができる。
【0052】
ユーザが、タッチパネル2の操作面に2本の指でタッチした場合は、実際にタッチした2点の中心位置にある文字ボタン52を、ユーザがタッチした位置の文字ボタン52と判定すればよい。
【0053】
また、
図4及び
図5に示すように、ユーザ6が文字ボタン52の領域にタッチしている間は、表示制御部10aが、ユーザ6がタッチした位置の文字ボタン52の態様を変更し、他の文字ボタン52よりも強調する。具体的には、ユーザ6がタッチした位置の文字ボタン52は、拡大及び反転された反転文字ボタン52aとされる。また、
図5に示すように、ユーザ6が文字ボタン52の領域に二点でタッチした場合は、反転文字ボタン52aには「通常文字」に代えて「特殊文字」が表記される。そして、ユーザ6がタッチパネル2の操作面から指を離した時点で、入力受付部10cが、反転文字ボタン52aに表記された文字の入力を受け付けることになる。このようにユーザ6がタッチした位置の文字ボタン52を他の文字ボタン52よりも強調することで、ユーザはいずれの文字を入力できるかを明確に把握することができる。
【0054】
また、3種類以上の文字に関連付けられた文字ボタン52については、「特殊文字」として2種類の文字が関連付けられている。このため、3種類以上の文字に関連付けられた文字ボタン52の領域にユーザ6が二点でタッチした場合は、表示制御部10aが、入力候補として2種類の「特殊文字」を反転文字ボタン52aに表記する。
【0055】
例えば、
図6は、ユーザ6が「ひ」と表記された文字ボタン52の領域に二点でタッチした場合を示している。
図7は、この際に表示される反転文字ボタン52aを示す図である。図に示すように、反転文字ボタン52aには、濁音の「び」と半濁音の「ぴ」との2種類の「特殊文字」が表記されている。また、反転文字ボタン52aにおいて、濁音の「び」は比較的大きく表記され、半濁音の「ぴ」は比較的小さく表記されている。
【0056】
このように同一の文字ボタン52に2種類の「特殊文字」が関連付けられている場合は、相対的に使用頻度が高い種類の文字が「第1優先文字」、相対的に使用頻度が低い種類の文字が「第2優先文字」として分類される。そして、反転文字ボタン52aにおいて、「第1優先文字」は比較的大きく表記され、「第2優先文字」は比較的小さく表記される。「第2優先文字」は、例えば、反転文字ボタン52aの右下領域に配置される。
図7に示す反転文字ボタン52aでは、濁音の「び」が「第1優先文字」であり、半濁音の「ぴ」が「第2優先文字」となっている。なお、このような「特殊文字」の優先順位を、ユーザが予め登録できるようにしてもよい。
【0057】
このような2種類の「特殊文字」が表記された反転文字ボタン52aが表示された場合において、ユーザ6が最初にタッチした位置から移動せずにタッチパネル2の操作面から指を離したときは、入力受付部10cは「第1優先文字」の入力を受け付ける。したがって、例えば、
図7に示す反転文字ボタン52aが表示された場合に、ユーザ6がタッチした位置から移動せずに指を離したときは、濁音の「び」を入力できる。
【0058】
これに対して、ユーザ6が最初にタッチした位置から手を離さずに移動する操作(いわゆるフリック操作)を行ったときは、方向判定部10dがユーザ6の移動方向を判定する。そして、ユーザの移動方向が「第2優先文字」が配置された方向と一致する場合は、入力受付部10cはその「第2優先文字」の入力を受け付ける。すなわち、入力受付部10cはユーザの移動方向に応じた種類の文字である「第2優先文字」の入力を受け付けることになる。
【0059】
したがって、例えば、
図7に示す反転文字ボタン52aが表示された場合に、
図6の矢印AR1に示すように、ユーザ6がタッチした位置から右下方向へ移動する操作を行ったときは、半濁音の「ぴ」を入力できることになる。
【0060】
このように同一の文字ボタン52に2種類の「特殊文字」が関連付けられている場合であっても、「第1優先文字」と「第2優先文字」とのいずれも1回の操作で入力できるため、文字を効率的に入力することができる。なお、この文字ボタン52の領域にユーザが三点でタッチした場合は、入力受付部10cは、当該文字ボタン52に関連付けられた「第2優先文字」の入力を受け付けるようにしてもよい。
【0061】
<1−3.動作の流れ>
図8は、入力モードにおける車載装置1の動作の流れを示す図である。この動作は、車載装置1の動作モードが入力モードになると開始される。以下、
図8を参照して、入力モードにおける車載装置1の動作の流れを説明する。
【0062】
まず、表示制御部10aが、ディスプレイ3の表示面に入力モード専用の入力画面(
図3参照。)を表示させる。表示制御部10aは、複数の文字ボタン52を表示することで、入力候補となる複数の文字をディスプレイ3の表示面に表示させる(ステップS10)。これらの複数の文字ボタン52には「通常文字」が表記されている。
【0063】
入力画面が表示されると、次に、位置取得部10bが、ユーザによるタッチパネル2の操作面へのタッチを待機する(ステップS11)。位置取得部10bは、タッチパネルコントローラ21のタッチ検出部21aからの信号に基づいて、ユーザがタッチパネル2の操作面へのタッチしたか否かを判定する。
【0064】
ユーザがタッチパネル2の操作面へのタッチした場合は(ステップS11にてYes)、次に、位置取得部10bが、ユーザが一点でタッチしたか、複数点(二点)でタッチしたかを判別する(ステップS12)。
【0065】
ユーザがタッチパネル2の操作面へのタッチした場合は、タッチパネルコントローラ21のタッチ検出部21aが、タッチパネル2の操作面にユーザが一点及び複数点のいずれでタッチしたかを判別し、ユーザのタッチした位置を検出する。タッチ検出部21aは、検出したユーザの位置を示す信号を制御部10に出力する。
【0066】
位置取得部10bは、このタッチ検出部21aからの信号に基いて、ユーザが一点及び複数点のいずれでタッチしたかを判別し、ユーザがタッチした位置を取得する。位置取得部10bは、タッチパネル2の操作面にユーザが一点でタッチした場合はその一点の位置を取得し、ユーザが複数点でタッチした場合はその複数点それぞれの位置を取得する。
【0067】
ユーザが一点でタッチした場合は(ステップS12にてNo)、次に、表示制御部10aが、ユーザがタッチした位置の文字ボタン52を拡大及び反転した反転文字ボタン52aをディスプレイ3の表示面に表示させる(ステップS13)。この反転文字ボタン52aには「通常文字」が表記されている。そして、ユーザがタッチパネル2の操作面から指を離した時点で、入力受付部10cが、ユーザがタッチした位置の文字ボタン52に関連付けられた「通常文字」の入力を受け付ける(ステップS14)。
【0068】
また、ユーザが複数点(二点)でタッチした場合は(ステップS12にてYes)、次に、表示制御部10aが、ユーザがタッチした位置の文字ボタン52を拡大及び反転し、さらに、表記を「特殊文字」に変更した反転文字ボタン52aをディスプレイ3の表示面に表示させる(ステップS15)。
【0069】
次に、方向判定部10dが、ユーザがタッチパネル2の操作面にタッチしたまま移動する操作(いわゆるフリック操作)を行うか否かを判定する(ステップS16)。方向判定部10dは、位置取得部10bが取得したユーザがタッチした位置の時系列的な変化に基いてユーザが移動したか否かを判定する。
【0070】
ユーザが移動せずにそのままタッチパネル2の操作面から指を離した場合は(ステップS16にてNo)、入力受付部10cが、ユーザがタッチした位置の文字ボタン52に関連付けられた「特殊文字」の1つである「第1優先文字」の入力を受け付ける(ステップS17)。
【0071】
一方、ユーザが移動した後にタッチパネル2の操作面から指を離した場合は、まず、方向判定部10dがユーザの移動方向を判定する。方向判定部10dは、位置取得部10bが取得したユーザがタッチした位置の時系列的な変化に基いてユーザの移動方向を判定する。
【0072】
そして、ユーザの移動方向が「第2優先文字」が配置された方向と一致する場合は、入力受付部10cが、その移動方向に応じた種類の文字である「第2優先文字」の入力を受け付ける。すなわち、入力受付部10cは、ユーザがタッチした位置の文字ボタン52に関連付けられた「特殊文字」の他の1つである「第2優先文字」の入力を受け付けることになる(ステップS18)。なお、ユーザの移動方向が「第2優先文字」が配置された方向と一致しない場合は、入力受付部10cは文字の入力の受け付けを中止すればよい。
【0073】
このようにして入力受付部10cが文字の入力を受け付けた場合は、次に、入力受付部10cは操作部4の光源41に信号を送信して、光源41を発光させる(ステップS19)。これにより、車載装置1は、文字の入力を受け付けたという情報をユーザに対して報知する。ユーザは、車載装置1が文字の入力を受け付けたことを容易に把握できるため、操作性を向上することができる。
【0074】
以上のような動作は、入力モードが終了するまで繰り返されることになる(ステップS20)。
【0075】
以上のように、車載装置1では、タッチパネル2の操作面に対応するディスプレイ3の表示面に入力候補となる複数の文字が文字ボタン52として表示される。タッチパネルコントローラ21のタッチ検出部21aは、ユーザが一点及び複数点のいずれで操作面にタッチしたかを判別し、ユーザがタッチした位置を検出する。また、入力受付部10cは、ディスプレイ3の表示面に表示された複数の文字のうち、ユーザがタッチした位置の文字ボタン52に関連付けられた文字の入力を受け付ける。そして、入力受付部10cは、同一の文字ボタン52に対応する操作面中の領域に対して、ユーザが一点でタッチした場合と複数点でタッチした場合とで異なる種類の文字の入力を受け付ける。
【0076】
したがって、ユーザは、操作面にタッチする指の数を変えることで、「通常文字」とは異なる種類の「特殊文字」を容易に入力することができる。すなわち、ユーザは、初期状態で文字ボタン52として表示される文字とは異なる種類の文字を入力するための追加の操作を行うことなく、必要な文字を素早く快適に入力できる。このため、ユーザは、自分の意思に応じて直感的に文字を入力できる。
【0077】
<2.第2の実施の形態>
次に、第2の実施の形態について説明する。第2の実施の形態の車載装置1の構成及び動作は、第1の実施の形態とほぼ同様であるため、以下、第1の実施の形態との相違点を中心に説明する。第2の実施の形態のタッチパネルコントローラ21は、タッチパネル2に接触したユーザの位置を検出できるとともに、タッチパネル2の操作面に非接触で近接した状態のユーザの位置も検出できるようになっている。第2の実施の形態のタッチパネル2の方式は、第1の実施の形態と同様に、静電容量の変化を捉えて位置を検出する静電容量方式が採用されている。
【0078】
<2−1.近接検出>
図9は、第2の実施の形態の車載装置1の構成を示すブロック図である。第2の実施の形態の車載装置1においては、タッチパネルコントローラ21が、タッチ検出部21aに加え、タッチパネル2で生じた信号に基いてユーザの位置を検出する近接検出部21bを備えている。
【0079】
前述のようにタッチ検出部21aは、2電極間の静電容量の変化を測定する相互容量方式で、タッチパネル2の操作面に接触したユーザの位置を検出する。これに対して、近接検出部21bは、1つの電極に結合する静電容量を測定する自己容量方式で、タッチパネル2の操作面に接触していないユーザの位置を検出する。したがって、タッチパネルコントローラ21は、相互容量方式と自己容量方式とを組み合わせてユーザの位置を検出することになる。
【0080】
近接検出部21bは、ユーザの指の電極への近接によって浮遊容量に関して指と電極との間の静電容量が増加することに基いて、ユーザの近接を検出する。近接検出部21bは、タッチパネル2の操作面から例えば40mm以内に存在するユーザの指の先端の位置を検出できる。近接検出部21bは、また、タッチパネル2の操作面に接触していない二点までのユーザの位置を検出できる。したがって、近接検出部21bは、ユーザが一点及び複数点(二点)のいずれでタッチパネル2の操作面に近接しているかを判別できる。
【0081】
本実施の形態の位置取得部10bは、タッチパネルコントローラ21のタッチ検出部21aからの信号とともに、近接検出部21bからの信号も受信する。このため、位置取得部10bは、タッチパネル2の操作面のユーザがタッチした位置のみならず、タッチパネル2の操作面に対してユーザが非接触で近接している位置も取得できる。タッチパネル2の操作面はディスプレイ3の表示面に重なるように配置されるため、ユーザが、タッチパネル2の操作面に非接触で近接した状態とは、ユーザが、ディスプレイ3の表示面に非接触で近接した状態であるともいえる。
【0082】
本実施の形態の表示制御部10aは、このように検出される近接した状態のユーザの位置に基いて、複数の文字ボタン52のうち、ユーザの位置の最も近傍に位置する一の文字ボタン52を近傍ボタンとして特定する。この近傍ボタンは、操作面の直交方向へユーザの位置を移動した場合にユーザが接触する操作面中の位置の文字ボタン52である。また、操作面を水平面とみなした場合は、近傍ボタンは、ユーザの位置の直下に位置する文字ボタン52であるともいえる。表示制御部10aは、このように特定した近傍ボタンの文字を強調して表示する。
【0083】
例えば、
図10は、ユーザ6が、タッチパネル2の操作面に接触せずに「し」と表記された文字ボタン52の近傍に1本の指で近接している場合を示している。この場合は、表示制御部10aは、ユーザ6の位置に基いて、「し」と表記された文字ボタン52がユーザ6の位置の近傍に位置する近傍ボタン52bであると特定する。そして、表示制御部10aは、他の文字ボタン52と区別できるように、特定した近傍ボタン52bの態様を変更する。具体的には、表示制御部10aは、近傍ボタン52bを拡大して他の文字ボタン52よりも強調する。
【0084】
また、
図11の矢印AR2に示すように、ユーザ6が、タッチパネル2の操作面に接触せずに操作面に略平行に指を移動した場合は、ユーザ6の位置に応じて近傍に位置する文字ボタン52は変わることになる。このため、このようにユーザ6が移動した場合は、
図11の下側に示すように、表示制御部10aは、ユーザ6の移動後の位置の近傍に位置する文字ボタン52を新たに近傍ボタン52bとして特定し、特定した近傍ボタン52bを強調する。これにより常に、ユーザ6の位置の近傍に位置する文字ボタン52が近傍ボタン52bとして強調されることになる。
【0085】
このような近傍ボタン52bは、ユーザ6の位置から自然に操作面にタッチした場合に、ユーザ6がタッチする位置の文字ボタン52となる。例えば、
図10に示す状態において、ユーザ6がタッチパネル2の操作面にタッチした場合は、
図4に示すように、「し」と表記された文字ボタン52の領域にタッチすることになる。したがってこの場合、ユーザは、この文字ボタン52に関連付けられた「し」を入力できることになる。
【0086】
このように第2の実施の形態の車載装置1では、ユーザがタッチパネル2の操作面に接触せずに近接した場合は、複数の文字ボタン52のうちユーザの位置の近傍に位置する近傍ボタン52bの文字が強調して表示される。このため、ユーザは、タッチパネル2の操作面にタッチした場合にいずれの文字を入力できるかを、タッチする前に予め把握できる。したがって、ユーザの誤操作を有効に防止できる。
【0087】
また、表示制御部10aは、ユーザが二点でタッチパネル2の操作面に近接している場合は、ユーザの位置の近傍の近傍ボタン52bに表記する文字として、「通常文字」に代えて「特殊文字」を表示させる。
【0088】
例えば、
図12は、ユーザ6が、タッチパネル2の操作面に接触せずに「し」と表記された文字ボタン52の近傍に2本の指で近接している場合を示している。この場合は、表示制御部10aは、近傍ボタン52bに「特殊文字」である濁音の「じ」を表記する。また、
図13は、ユーザ6が、タッチパネル2の操作面に接触せずに「ひ」と表記された文字ボタン52の近傍に2本の指で近接している場合を示している。この場合は、表示制御部10aは、近傍ボタン52bに「特殊文字」である濁音の「び」及び半濁音の「ぴ」を表記する。
【0089】
このようにユーザ6が二点でタッチパネル2の操作面に近接している場合は近傍ボタン52bに表記する文字として「通常文字」に代えて「特殊文字」を表示するため、ユーザは、タッチパネル2の操作面に複数点でタッチした場合にいずれの種類の文字を入力できるかを、タッチする前に予め把握できる。したがって、ユーザの誤操作を有効に防止できる。例えば、
図12に示す状態において、ユーザ6がタッチパネル2の操作面に2本の指でタッチした場合は、
図5に示すように「特殊文字」である「じ」を入力できることになる。
【0090】
<2−2.動作の流れ>
図14は、第2の実施の形態の入力モードにおける車載装置1の動作の流れを示す図である。この動作は、
図8に示す第1の実施の形態の車載装置1の動作におけるステップS10とステップS11との間に、ステップS21〜S24を挿入したものである。したがって、ユーザがタッチパネル2の操作面へのタッチした後の処理は、第1の実施の形態と同様である。以下、
図14を参照して、第2の実施の形態の入力モードにおける車載装置1の動作の流れを説明する。
【0091】
まず、表示制御部10aが、ディスプレイ3の表示面に、複数の文字ボタン52を含む入力画面を表示させる(ステップS10)。
【0092】
入力画面が表示されると、次に、位置取得部10bが、ユーザによるタッチパネル2の操作面への近接を待機する(ステップS21)。位置取得部10bは、タッチパネルコントローラ21の近接検出部21bからの信号に基づいて、ユーザがタッチパネル2の操作面へ近接したか否かを判定する。
【0093】
ユーザがタッチパネル2の操作面への近接した場合は(ステップS21にてYes)、次に、位置取得部10bが、ユーザが一点で近接したか、複数点(二点)で近接したかを判別する(ステップS22)。
【0094】
ユーザがタッチパネル2の操作面への近接した場合は、タッチパネルコントローラ21の近接検出部21bが、タッチパネル2の操作面にユーザが一点及び複数点のいずれで近接しているかを判別し、ユーザの近接した位置を検出する。近接検出部21bは、検出したユーザの位置を示す信号を制御部10に出力する。
【0095】
位置取得部10bは、この近接検出部21bからの信号に基いて、ユーザが一点及び複数点のいずれで近接しているかを判別し、ユーザが近接した位置を取得する。タッチパネル2の操作面にユーザが一点で近接した場合はその一点の位置を取得し、ユーザが二点で近接した場合はその二点の位置を取得する。
【0096】
ユーザが一点で近接している場合は(ステップS22にてNo)、次に、表示制御部10aが、複数の文字ボタン52のうち、ユーザの位置の近傍に位置する文字ボタン52を近傍ボタン52bとして特定する。そして、表示制御部10aは、近傍ボタン52bを拡大して表示させる(ステップS23)。表示制御部10aは、この近傍ボタン52bに表記する文字として「通常文字」をディスプレイ3に表示させる。
【0097】
一方、ユーザが複数点(二点)で近接している場合は(ステップS22にてYes)、次に、複数の文字ボタン52のうち、ユーザの位置の近傍に位置する文字ボタン52を近傍ボタンとして特定する。そして、表示制御部10aは、近傍ボタン52bを拡大し、さらに、その表記を「通常文字」から「特殊文字」に変更する(ステップS24)。これにより、表示制御部10aは、近傍ボタン52bに表記する文字として「特殊文字」をディスプレイ3に表示させる。
【0098】
このように、ディスプレイ3は、同一の文字ボタン52に対応する表示面中の領域に対して、ユーザが一点で近接した場合と複数点で近接した場合とで異なる種類の文字を表示することになる。これにより、ユーザは、一点でのタッチで入力できる種類の文字と、複数点でのタッチで入力できる種類の文字とのそれぞれを容易に把握できる。
【0099】
以上のような動作は、ユーザがタッチパネル2の操作面へタッチするまで繰り返されることになる(ステップS11)。したがって、タッチパネル2の操作面に近接した状態でユーザが移動した場合には、常に、ユーザの位置の近傍に位置する文字ボタン52が近傍ボタン52bとして強調される。また、ユーザがタッチパネル2の操作面へのタッチした場合は(ステップS11にてYes)、
図8のステップS12以降の動作が実行されることになる。
【0100】
以上のように、第2の実施の形態の車載装置1では、近接検出部21bが、タッチパネル2の操作面に非接触で近接した状態のユーザの位置を検出することができる。そして、表示制御部10aは、複数の文字ボタン52のうち、ユーザの位置の近傍に位置する近傍ボタン52bを強調して、ディスプレイ3の表示面に表示させる。このため、ユーザは、タッチパネル2の操作面にタッチした場合にいずれの文字ボタン52に関連付けられた文字を入力できるかを、タッチする前に予め把握できる。
【0101】
また、近接検出部21bが、ユーザが一点及び複数点のいずれでタッチパネル2の操作面に近接しているかを判別可能である。表示制御部10aは、ユーザが複数点で操作面に近接している場合は、ユーザが複数点で操作面にタッチした場合に入力受付部10cが入力を受け付ける種類の文字である「特殊文字」を、近傍ボタン52bに表記する文字として表示させる。このため、ユーザは、タッチパネル2の操作面に複数点でタッチした場合にいずれの種類の文字を入力できるかを、タッチする前に予め把握できる。
【0102】
<3.変形例>
以上、本発明の実施の形態について説明してきたが、この発明は上記実施の形態に限定されるものではなく様々な変形が可能である。以下では、このような変形例について説明する。上記実施の形態及び以下で説明する形態を含む全ての形態は、適宜に組み合わせ可能である。
【0103】
上記実施の形態では、車載装置1が文字の入力を受け付けたという情報をユーザに対して報知する際に光源41を発光させていた。これに対して、スピーカ14を介してビープ音を出力するなど、他の手法でユーザに対して情報を報知するようにしてもよい。
【0104】
また、上記実施の形態では、近傍ボタン52bを拡大することで、他の文字ボタン52に対して近傍ボタン52bを強調していた。これに対して、近傍ボタン52bの色や形状を変更するなど他の手法によって、近傍ボタン52bを強調してもよい。
【0105】
また、上記実施の形態においても、ユーザが「通常文字」の入力後に種類の変換を指示するコマンドボタンにタッチする操作を行うことで、濁音、半濁音及び小書き文字などの「特殊文字」を入力できるようになっていてもよい。このようにすることで、ユーザは、自分に使いやすい入力方法を選択的に利用できる。
【0106】
また、上記実施の形態では、文字ボタン52の領域にユーザが複数点でタッチした場合は、「特殊文字」のみが入力できるようになっていた。これに対して、文字ボタン52の領域にユーザが複数点でタッチした場合は、「通常文字」と「特殊文字」との双方を入力できるようになっていてもよい。例えば、ユーザが「ひ」と表記された文字ボタン52の領域に複数点でタッチした場合に、
図15に示すような、「通常文字」が比較的大きく、「特殊文字」が比較的小さく表記された反転文字ボタン52aを表示する。そして、ユーザは、タッチした位置から移動せずに指を離した場合は、「通常文字」である「ひ」を入力できる。これに対して、ユーザがタッチした位置から移動した場合は、その移動方向に応じて「び」または「ぴ」の「特殊文字」を入力できる。ユーザは、タッチした位置から右上方向に移動したときは濁音の「び」を入力でき、右下方向に移動したときは半濁音の「ぴ」を入力できることになる。
【0107】
また、上記実施の形態では、同一の文字ボタン52に2種類までの「特殊文字」が関連付けられてたが、3種類以上の「特殊文字」が関連付けられていてもよい。この場合は、これら3種類以上の「特殊文字」が異なる位置に表記された文字ボタンなどを表示し、ユーザがタッチした位置から移動した移動方向に応じた種類の「特殊文字」を入力できるようにすればよい。
【0108】
また、同一の文字ボタン52に2種類以上の「特殊文字」が関連付けられている場合は、ユーザが当該文字ボタン52の領域に複数点でタッチすることを繰り返すことで、入力する文字の種類を変更できるようにしてもよい。例えば、ユーザが「ひ」と表記された文字ボタン52の領域に複数点で最初にタッチした場合には濁音の「び」を入力でき、さらに続けて、当該文字ボタン52の領域に複数点でタッチした場合には半濁音の「ぴ」を入力できるようにしてもよい。
【0109】
また、上記実施の形態では、「通常文字」が清音であり、「特殊文字」が濁音、半濁音及び小書き文字であったが、「通常文字」を「ひらがな」とし、「特殊文字」を「カタカナ」としてもよい。これによれば、「ひらがな」の入力中に一時的に「カタカナ」の入力を行ない、再度「ひらがな」の入力に戻るような場合においても、煩雑な操作を行うことなく必要な文字を直接的に入力できるため、素早く快適に文字を入力できる。
【0110】
また、上記実施の形態では、「ひらがな」を入力する場合について説明を行ったが、英語などに用いる「アルファベット」などの他の種別の文字を入力する場合においても、上述した技術を適用可能である。「アルファベット」を入力する場合は、「大文字」及び「小文字」のうちの一方を「通常文字」、他方を「特殊文字」とすればよい。例えば、
図16に示すように、ユーザが文字ボタン52の領域に一点でタッチした場合は「通常文字」として「大文字」を入力できる。そして、
図17に示すように、ユーザが文字ボタン52の領域に複数点でタッチした場合は「特殊文字」として「小文字」を入力できる。これによれば、「大文字」と「小文字」とが混在する文章を入力する場合においても、煩雑な操作を行うことなく必要な文字を直接的に入力できるため、素早く快適に文字を入力できる。
【0111】
また、上記実施の形態では、複数の文字ボタン52が五十音配列に従って配置された入力画面を用いていた。これに対して、
図18及び
図19に示すように、複数の文字ボタン56が、テンキー配列で配置されてもよい。
【0112】
この場合は、初期状態において、「あ段」の文字が表記された文字ボタン56が表示される。そして、ユーザ6が文字ボタン56の領域にタッチすると、当該文字ボタン56に表記された文字と子音が共通する他の文字を表記した複数の文字ガイド57が表示される。これら複数の文字ガイド57は、文字ボタン56の周辺の互いに異なる方向に表示される。例えば、
図18に示すように、ユーザ6が「た」と表記された文字ボタン56の領域に一点でタッチした場合は、「た行」の他の文字(「ち」「つ」「て」「と」)が表記された文字ガイド57が表示される。このように文字ガイド57が表示された場合は、ユーザ6は、タッチした位置から移動することで、その移動方向に応じた文字ガイド57の文字を入力できる。
【0113】
また、
図19に示すように、ユーザ6が「た」と表記された文字ボタン56の領域に二点でタッチした場合は、文字ボタン56に表記される文字として濁音の「だ」が表示される。さらに、文字ボタン56の周辺に、「だ行」の他の文字(「ぢ」「づ」「で」「ど」)が表記された文字ガイド57が表示される。この場合も、ユーザ6は、タッチした位置から移動することで、その移動方向に応じた文字ガイド57の文字を入力できる。このように、この場合においても、ユーザは、操作面にタッチする指の数を変えることで、「通常文字」とは異なる種類の「特殊文字」を容易に入力することができる。なお、ユーザがタッチパネル2の操作面に非接触で近接した場合において、同様の文字ガイド57の表示を行なってもよい。
【0114】
また、例えば、ユーザが文字ボタン56の領域に一点でタッチした場合は、
図20に示すように「通常文字」として「ひらがな」を入力できるようにし、ユーザが文字ボタン56の領域に複数点でタッチした場合は、
図21に示すように、「特殊文字」として「カタカナ」を入力できるようにしてもよい。
【0115】
また、上記実施の形態では、タッチパネル2の操作面に非接触で近接したユーザの位置を自己容量方式で検出するとしていたが、赤外線方式など他の方式で検出してもよい。
【0116】
また、上記実施の形態では、ユーザはタッチパネル2の操作面に指でタッチするものとして説明したが、タッチペンなどのタッチツールを用いてタッチしてもよい。この場合は、タッチツールの位置をユーザの位置とみなせばよい。
【0117】
また、上記実施の形態では、文字入力装置として車載装置1を例に説明を行ったが、文字入力装置は、スマートフォンやタブレット端末など、タッチパネルを用いて文字を入力可能な電子装置であればどのようなものであってもよい。
【0118】
また、上記実施の形態では、プログラムに従ったCPUの演算処理によってソフトウェア的に各種の機能が実現されると説明したが、これら機能のうちの一部は電気的なハードウェア回路により実現されてもよい。また逆に、ハードウェア回路によって実現されるとした機能のうちの一部は、ソフトウェア的に実現されてもよい。