特許第6077444号(P6077444)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077444
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】クリート取付けシステム
(51)【国際特許分類】
   A43C 13/04 20060101AFI20170130BHJP
   A43C 15/02 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   A43C13/04
   A43C15/02 102
【請求項の数】25
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-526058(P2013-526058)
(86)(22)【出願日】2011年8月22日
(65)【公表番号】特表2013-536043(P2013-536043A)
(43)【公表日】2013年9月19日
(86)【国際出願番号】US2011048572
(87)【国際公開番号】WO2012027251
(87)【国際公開日】20120301
【審査請求日】2014年6月2日
(31)【優先権主張番号】61/377,135
(32)【優先日】2010年8月26日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】510300186
【氏名又は名称】クリーツ・エルエルシー
【氏名又は名称原語表記】CLEATS LLC
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(74)【代理人】
【識別番号】100133983
【弁理士】
【氏名又は名称】永坂 均
(72)【発明者】
【氏名】サヴォアー,アーマンド,ジェイ
【審査官】 山内 康明
(56)【参考文献】
【文献】 特表2005−522252(JP,A)
【文献】 特開昭61−191303(JP,A)
【文献】 特開2001−340110(JP,A)
【文献】 特表2004−513691(JP,A)
【文献】 特表2004−537358(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0188459(US,A1)
【文献】 米国特許第04633600(US,A)
【文献】 米国特許出願公開第2004/0031171(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2003/0033734(US,A1)
【文献】 特開昭61−135602(JP,A)
【文献】 米国特許第04698923(US,A)
【文献】 特開2002−209603(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2002/0056210(US,A1)
【文献】 特開2001−137009(JP,A)
【文献】 特表2001−513380(JP,A)
【文献】 米国特許第05974700(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A43C 13/04
A43C 15/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
取り外し可能なクリートのための取付け構造であって、
基部と、
ある中心軸について配置されるシリンダとを含み、
前記取付け構造を履物の表底に成形されるように構成される受口から分離させるよう、前記取付け構造を前記中心軸について回転可能であり、
前記シリンダは、前記基部の頂部表面から突出し、前記シリンダは、前記基部の頂部表面に隣接する底端部と、該底端部よりも前記基部から更に離れて配置される頂端部とを有し、
前記シリンダは、
前記シリンダの外表面に配置され且つ前記シリンダの前記外表面から突出する少なくとも1つの係止タブと、
前記シリンダの前記外表面に配置され且つ最大で前記シリンダの底端部から前記シリンダの頂端部まで延びる少なくとも1つの傾斜路とを含み、
前記少なくとも1つの係止タブは、前記中心軸に対して実質的に横方向に向けられ、前記少なくとも1つの係止タブは、前記クリート取付け構造の中心軸が前記受口の中心軸と整列させられ、且つ、前記クリート取付け構造が前記受口内に挿入されるときに、前記受口内の対応する係止タブと係合するよう構成され、
前記少なくとも1つの傾斜路は、前記クリート取付け構造が前記受口に対して回転させられるときに、前記受口内の対応する傾斜路と協働するよう構成される、
取付け構造。
【請求項2】
前記シリンダは、複数の係止タブを含む、請求項1に記載の取付け構造。
【請求項3】
前記係止タブは、前記シリンダの周りで180度より大きく延在する前記シリンダの区画に配置される、請求項2に記載の取付け構造。
【請求項4】
前記傾斜路は、前記シリンダの周りで90度より小さく延在する前記シリンダの区画に配置される、請求項3に記載の取付け構造。
【請求項5】
前記傾斜路は、当該取付け構造がその中心軸について回転されるときに前記係止タブを前記受口から分離させるよう、前記受口内の対応する傾斜路と協働するよう構成される、請求項1に記載の取付け構造。
【請求項6】
前記中心軸について並びに前記シリンダによって定められる周縁内に配置されるシリンダコアを更に含み、該シリンダコアは、前記受口内の対応する内側円筒形開口と協働するよう構成される、請求項5に記載の取付け構造。
【請求項7】
前記シリンダコアは、前記基部に対して垂直に向けられる壁を含み、該垂直に向けられる壁は、当該取付け構造が前記受口内に装着された状態において、前記受口に対する当該取付け構造の中心軸についての当該取付け構造の回転に抗するために、前記受口内の対応する壁と協働するよう構成される、請求項6に記載の取付け構造。
【請求項8】
前記シリンダは、垂直方向のある高さを有し、前記シリンダコアは、垂直方向のある高さを有し、前記シリンダコアの前記高さは、前記シリンダの前記高さよりも大きい、請求項7に記載の取付け構造。
【請求項9】
前記シリンダは、垂直方向のある高さを有し、前記シリンダコアは、垂直方向のある高さを有し、前記シリンダコアの前記高さは、前記シリンダの前記高さよりも大きい、請求項6に記載の取付け構造。
【請求項10】
履物の表底に成形されるよう構成され且つ取り外し可能なクリートのための取付け構造を受け入れるよう構成される受口であって、
基部と、
該基部内の円筒形キャビティとを含み、
該キャビティは、内表面と、前記基部の底部表面に近接する閉塞端部とを有し、前記キャビティは、ある中心軸について配置され、前記取付け構造は、前記取付け構造を受口から分離させるよう、前記中心軸について回転可能であり、
前記円筒形キャビティは、
前記円筒形キャビティの前記内表面に配置され且つ前記円筒形キャビティの前記内表面から突出する少なくとも1つの係止タブと、
最大で前記円筒形キャビティの前記閉塞端部から前記円筒形キャビティの開放端部まで延びる少なくとも1つの傾斜路とを含み、
前記少なくとも1つの係止タブは、前記中心軸に対して実質的に横方向に向けられ、前記少なくとも1つの係止タブは、前記クリート取付け構造の中心軸が前記受口の中心軸と整列させられ、且つ、前記クリート取付け構造が前記受口内に挿入されるときに、前記取付け構造内の対応する係止タブと係合するよう構成され、
前記少なくとも1つの傾斜路は、前記クリート取付け構造が前記受口に対して回転させられるときに、前記取付け構造内の対応する傾斜路と協働するよう構成される、
受口。
【請求項11】
前記円筒形キャビティは、複数の係止タブを含む、請求項10に記載の受口。
【請求項12】
前記傾斜路は、前記取付け構造が前記中心軸について回転されるときに前記取付け構造を前記受口から分離させるために、前記取付け構造内の対応する傾斜路と協働するよう構成される、請求項10に記載の受口。
【請求項13】
前記中心軸について前記キャビティ内に配置される内側円筒形開口を定める内側円筒形壁を更に含み、該内側円筒形壁は、当該取付け構造内の対応する円筒形コアと協働するよう構成される、請求項12に記載の受口。
【請求項14】
前記内側円筒形開口は、前記基部に対して垂直に向けられる壁を含み、該壁は、前記取付け構造が前記受口内に装着された状態において、前記受口に対する前記中心軸についての前記取付け構造の回転に抗するために、前記取付け構造内の対応する壁と協働するよう構成される、請求項13に記載の受口。
【請求項15】
前記キャビティは、垂直方向のある高さを有し、前記内側円筒形開口は、垂直方向のある高さを有し、前記内側円筒形開口の前記高さは、前記キャビティの前記高さよりも大きい、請求項14に記載の受口。
【請求項16】
前記キャビティは、ある垂直方向の高さを有し、前記内側円筒形開口は、ある垂直方向の高さを有し、前記内側円筒形開口の前記高さは、前記キャビティの前記高さよりも大きい、請求項13に記載の受口。
【請求項17】
取り外し可能なクリートを履物の表底に接続する取付けシステムであって、
− クリート取付け構造と、
− 前記履物の前記表底に成形されるよう構成され且つ前記クリート取付け構造を受け入れ且つ保持するよう構成される受口とを含み、
前記クリート取付け構造は、
− クリート基部と、
− クリート中心軸について配置されるシリンダとを含み、該シリンダの頂端部は、前記クリート基部の頂部表面から突出し、
前記シリンダは、
− 前記シリンダの外表面について配置される少なくとも1つの係止タブと、
− 前記シリンダの前記外表面に配置され、前記シリンダの前記外表面から突出し、且つ最大で前記シリンダの底端部から前記シリンダの頂端部まで延びる少なくとも1つの傾斜路とを含み、
前記係止タブは前記クリート中心軸に対して実質的に横方向に向けられ、
前記受口は、
− 受口基部と、
− 受口中心軸について配置される前記受口基部内の円筒形キャビティとを含み、該円筒形キャビティは、内表面と、前記受口基部の底部表面に近接する閉塞端部とを有し、
前記円筒形キャビティは、
− 前記円筒形キャビティの内表面について配置される少なくとも1つの係止タブと、
− 最大で前記円筒形キャビティの前記閉塞端部から前記円筒形キャビティの開放端部まで延びる少なくとも1つの傾斜路とを含み、
前記係止タブは、前記受口中心軸に対して実質的に横方向に向けられ、
前記クリート取付け構造の中心軸が前記受口中心軸と整列され、且つ、前記クリート取付け構造が前記受口内に挿入されるとき、前記クリート取付け構造の前記係止タブ及び前記受口の前記係止タブは係合し、
前記クリート取付け構造を回転させて前記クリート取付け構造を前記受口から外し得る、
取付けシステム。
【請求項18】
前記クリート取付け構造の前記少なくとも1つの傾斜路及び前記受口の前記少なくとも1つの傾斜路は、前記クリート取付け構造がその中心軸について回転されるとき、前記クリート取付け構造を前記受口から分離させるよう構成される、請求項17に記載の取付けシステム。
【請求項19】
取り外し可能なクリートを運動靴の表底に接続する取付けシステムであって、
− クリート取付け構造と、
− 前記運動靴の前記表底に成形されるよう構成され且つ前記クリート取付け構造を受け入れ且つ保持するよう構成される受口とを含み、
前記クリート取付け構造は、
− クリート基部と、
− 該クリート基部内の円筒形キャビティとを含み、該キャビティは、クリート中心軸について配置され、前記キャビティは、内側表面と、前記クリート基部の頂部表面に近接する閉塞端部とを有し、
前記円筒形キャビティは、
− 前記円筒形キャビティの内表面について配置される少なくとも1つの係止タブと、
− 最大で前記円筒形キャビティの前記閉塞端部から前記円筒形キャビティの開放端部まで延びる少なくとも1つの傾斜路とを含み、
前記係止タブは、前記クリート中心軸に対して実質的に横方向に向けられ、
前記受口は、
− 受口基部と、
− 受口中心軸について配置されるシリンダとを含み、該シリンダの頂端部は、前記受口基部の底部表面から突出し、
前記シリンダは、
− 前記シリンダの外表面について配置される少なくとも1つの係止タブと、
− 最大で前記シリンダの底端部から前記シリンダの頂端部まで延びる少なくとも1つの傾斜路とを含み、
前記クリート取付け構造の中心軸が前記受口中心軸と整列され、且つ、前記クリート取付け構造が前記受口内に挿入されるときに、前記クリート取付け構造の前記係止タブ及び前記受口の前記係止タブは係合し、
前記クリート取付け構造を回転させて前記クリート取付け構造を前記受口から外し得る、
取付けシステム。
【請求項20】
前記クリート取付け構造の前記少なくとも1つの傾斜路及び前記受口の前記少なくとも1つの傾斜路は、前記クリート取付け構造がその中心軸について回転されるとき、前記クリート取付け構造を前記受口から分離させるよう構成される、請求項19に記載の取付けシステム。
【請求項21】
請求項17に記載の取付けシステムを有する、履物。
【請求項22】
請求項19に記載の取付けシステムを有する、履物。
【請求項23】
取り外し可能なクリートを運動靴の表底に接続する方法であって、
− 取付けシステムを提供することを含み、
該取付けシステムは、
− クリート取付け構造と、
− 前記運動靴の前記表底に成形されるよう構成され且つ前記クリート取付け構造を受け入れ且つ保持するよう構成される受口とを含み、
前記クリート取付け構造は、
− クリート基部と、
− クリート中心軸について配置されるシリンダとを含み、該シリンダの頂端部は、前記クリート基部の頂部表面から突出し、
前記シリンダは、
− 前記シリンダの外表面について配置される少なくとも1つの係止タブと、
− 前記シリンダの前記外表面について配置され且つ最大で前記シリンダの底端部から前記シリンダの頂端部まで延びる少なくとも1つの傾斜路とを含み、
前記係止タブは、前記クリート中心軸に対して実質的に横方向に向けられ、
前記受口は、
− 受口基部と、
− 受口中心軸について配置される前記受口基部内の円筒形キャビティとを含み、
該円筒形キャビティは、内表面と、前記受口基部の底部表面に近接する閉塞端部とを有し、
前記円筒形キャビティは、
− 前記円筒形キャビティの内表面について配置される少なくとも1つの係止タブと、
− 最大で前記円筒形キャビティの前記閉塞端部から前記円筒形キャビティの開放端部まで延びる少なくとも1つの傾斜路とを含み、
前記係止タブは、前記受口中心軸に対して実質的に横方向に向けられ、
− 前記クリート取付け構造の中心軸を前記受口中心軸と整列させることを含み、
− 前記クリート取付け構造の前記少なくとも1つの傾斜路を前記受口の前記少なくとも1つの傾斜路と整列させるよう、前記クリート取付け構造を回転させることを含み、
− 前記クリート取付け構造を前記受口内に押し込み、前記クリート取付け構造の前記少なくとも1つの係止タブを前記受口の前記少なくとも1つの係止タブと係合させることを含み、
前記クリート取付け構造を回転させて前記クリート取付け構造を前記受口から外し得る、
方法。
【請求項24】
前記クリート取付け構造をその軸について捩ることによって、前記クリート取付け構造の前記少なくとも1つの係止タブを前記受口の前記少なくとも1つの係止タブから分離させることを更に含む、請求項23に記載の方法。
【請求項25】
前記クリートは、前記受口内に押し込まれて前記係止タブと係合し、
前記クリートは、前記クリートを捩ることによって前記受口から取り外される、
請求項1に記載の取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(関連出願の参照)
本出願は2010年8月26日に出願された米国仮出願第61/377,135号からの優先権を主張する。この米国仮出願を参照としてここに援用する。
【0002】
本発明は、履物(footwear)、より具体的には、運動用の履物の底への牽引用具(traction gear)の取付けに関する。
【背景技術】
【0003】
近年、運動靴の表底(outsole)に牽引クリート(traction cleat)を装着することに伴う労力の削減が進展している。例えば、Q-LOK(TM)取付け構造、TRI-LOK(TM)取付け構造、又はFASTTWIST(TM)取付け構造を利用する取り外し可能なクリート(cleat)は、クリートを受口(receptacle)内に据え付けるのに、全回転未満の回転を要求する。(Q-LOK(TM)は、米国特許第5,768,809号、第6,151,805号、6,108,944号、及び第6,463,681号に記載されているのに対し、FAST TWIST(TM)は、米国特許第5,123,184号、5,524,367号、5,974,700号、及び第6,272,774号に記載されており、それらの各々の特許の全文をここに参照として援用する。)各運動靴は多くのクリートを含むのが普通であるので、これらの取付け構造は、クリート毎に多数の回転を必要とした従来のシステムからの一歩前進を意味した。しかしながら、一部の部分回転クリートシステムは、受口と堅固に結合するようクリートが十分に回転されたか否かについて、多少の不確実性を持ち込み得る。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
適切なクリート装着の益々の確実性を備える部分回転クリート取付けシステムの労力節約をもたらす運動用の履物へのクリートの装着のためのシステム及び方法が望ましい。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明のある好適実施態様では、ある取付け構造が、履物のための取り外し可能なクリートのために提供される。取付け構造は、クリート基部と、基部から突出する円筒形構造とを含む。円筒形構造は、少なくとも1つの傾斜路と、その構造の外表面について配置される1つ又はそれよりも多くの係止タブとを含む。傾斜路は、円筒形構造の端部から、基部から遠位に、円筒形構造の他の端部に向かって延び、その端部は、クリート基部に隣接する。係止タブ又は複数の係止タブは、挿入後にクリート取付け構造を受口内に保持するよう、結合する(mating)受口上の対応する係止タブと協働する。クリートを受口に嵌めることによって挿入を達成し得る。その傾斜路は、クリートが円筒形構造の中心軸について回転されるときに係止タブを取り外すよう、受口上の対応する傾斜路と協働する。よって、クリートを受口から分離し、履物から取り外し得る。
【0006】
本発明の他の好適実施態様では、クリート取付け構造と結合する受口が提供される。受口は、基部と、基部内の円筒形キャビティとを含む。キャビティの内表面は、キャビティの閉塞端部からキャビティの開放端部に向かって延びる少なくとも1つの傾斜路と共に、1つ又はそれよりも多くの係止タブを含む。
【0007】
クリート取付け構造及び受口は、履物への取り外し可能なクリートのための取付けシステムを形成する。クリートを受口内に装着するために、クリートの円筒形構造の中心軸は、受口の中央キャビティの中心軸と整列され、クリートは、クリート及び受口の対応する傾斜路が整列されるよう回転される。次に、クリートは受口内に押し込まれ、クリート及び受口上の係止タブ及び傾斜路を係合して、受口をクリートで係止する。取外しも簡単である。クリートが捩られるとき、クリート取付け構造及び受口の傾斜路は、クリート及び受口を離れさせるよう協働し、係止タブを取り外し、クリートが履物から取り外されることを可能にする。
【0008】
ある好適実施態様において、クリート取付け構造は、シリンダによって定められる周縁内に中心軸について配置される円筒形コアを含む。靴へのクリートの取付けのためにクリートを受口と整列させるのを助けるよう、受口内の対応する構造と共に、この円筒形コアを使用し得る。この円筒形コアは、垂直に向けられる壁を備えるフランジを含み、垂直に向けられる壁は、その中心軸についての取付け構造の回転に抗するために、受口内の対応する壁と協働するよう構成されるのが好ましい。コアの高さは、シリンダの高さよりも大きいのが好ましい。
【0009】
同様に、ある好適実施態様において、受口は、キャビティ内で中心軸について配置される内側円筒形開口を定める内側円筒形壁を含む。この内側円筒形開口は、クリート取付け構造の円筒形コアを受け入れるよう構成される。この内側円筒形開口は、垂直に向けられる壁を備えるスロットを含み、垂直に向けられる壁は、中心軸についての取付け構造の回転に抗するために、取付け構造のコア内の対応する壁と協働するよう構成される。内側円筒形開口の高さは、受口のキャビティの高さよりも大きいのが好ましい。
【0010】
添付の図面と共に以下の詳細な記載を参照することによって、本発明の上記機能をより容易に理解するであろう。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】本発明のある実施態様に従った履物のための取り外し可能なクリートを頂部から示す斜視図である。
図2図1のクリートを示す頂面図であり、クリート取付け構造の円筒形構造の中心軸に沿う図である。
図3】本発明のある実施態様に従った図1のクリート上のクリート取付け構造のようなクリート取付け構造を受け入れる受口を示す底面図であり、受口の円筒形キャビティの中心軸に沿う図である。
図4図3の受口を底部から示す斜視図である。
図5】本発明のある代替的な実施態様に従った取り外し可能なクリートのための取付け構造を頂部から示す斜視図である。
図6図5のクリート取付け構造を示す頂面図であり、クリート取付け構造の円筒形キャビティの中心軸に沿う図である。
図7図5のクリート取付け構造を示す側面図である。
図8】本発明のある実施態様に従った図5のクリート取付け構造のようなクリート取付け構造を受け入れる受口を底部から示す斜視図である。
図9図8の受口を示す底面図であり、受口の円筒形キャビティの中心軸に沿う図である。
図10図8の受口を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
この明細書及び付属の請求項において使用されるとき、以下の用語は、文脈がその他を要求しない限り、表示される意味を有する。「履物」は、運動用履物、サンダル、ブーツ、靴、及びスリッパを含む、足のためのあらゆる外側の覆いを意味するが、それらに限定されない。
【0013】
本発明の好適実施態様では、履物のための牽引クリート取付けシステムが提供される。システムは、クリート取付け構造と、受口とを含む。クリート取付け構造は、基部(ベース)上の円筒形構造を含み、1つ又はそれよりも多くの係止タブがシリンダの外側の周りに配置される。受口は、円筒形キャビティを含み、円筒形キャビティの内表面に1つ又はそれよりも多くの係止タブを備える。シリンダの軸を円筒形キャビティの軸と整列させ、一方を他方の内に押し込み、それによって、係止タブを係合させることによって、クリート取付け構造は受口と結合する。クリート取付け構造がその軸について捩られるときに係止タブを分離するよう、クリート取付け構造上の傾斜路及び受口上の傾斜路が協働する。それによって、クリート取付け構造は受口から切り離される。クリート上の傾斜路(又は複数の傾斜路)は、クリート取付け構造及び受口が結合される前に、受口上の傾斜路(又は複数の傾斜路)と整列させられなければならないことに留意のこと。
【0014】
図1は、本発明のある好適実施態様に従ったクリート取付け構造を備える牽引クリート10を示している。図2は、図1のクリート取付け構造の他の図である。クリート取付け構造は、牽引クリートが、履物内に埋設される受口に確実に取り付けられることを可能にする。この実施態様において、牽引クリートは、表面を把持するための複数の牽引脚12を含む。牽引脚12は、クリート基部15の1つの表面に取り付けられる。(複数の牽引脚の代わりに他の種類の把持構造を使用し得る。例えば、単一の金属スパイクを使用し得るし、或いは、複数の隆条又は隆起を使用し得る。)記述の目的のために、クリート基部のこの表面をクリートの「底部表面」と呼ぶ。ここにおいて使用されるとき、「頂部」及び「底部」のような用語は記述のためであり、空間内の絶対的な向きを記載することを意図しておらず、履物の装着者が地面の上に立つときに適切に装着されるクリート及び受口の向きを再現することを意図している。よって、クリートが使用されているとき、「底部」表面は地面に面し、「頂部」表面は装着者の足の底に面するのが普通である。
【0015】
クリート取付け構造は、クリート基部の対向面に取り付けられる円筒形構造20又は「シリンダ」で構成され、記述の目的のために、クリート基部の対向面をクリート基部15の「頂部表面」と呼ぶ。同様に、記述の目的のために、クリート基部15に取り付けられるシリンダ20の端部をシリンダ20の「底」端部と呼ぶ。シリンダ20の外表面は、複数の係止タブ22を含む。係止タブ22は、履物表底の受口の円筒形キャビティの内表面の1つ又はそれよりも多くの対応する係止タブと係合する。係止タブの係合は、クリート取付け構造を受口内に保持する。この実施態様では、スロット26がシリンダ20の壁に形成され、シリンダ20はキャビティ28を定める。この明細書及び付属の請求項において、「シリンダ」という用語は、そのようなスロットとキャビティとを備える円筒形構造を含む。スロット26は、タブ22が受口の対応する係止タブ(又は複数の係止タブ)と係合するときに、タブ22の撓みを容易化する。他の実施態様は、そのようなスロットを含まなくてもよく、且つ/或いは、そのようなキャビティを含まなくてもよい。更に、本発明の一部の実施態様において、クリート取付け構造は、単一の係止タブを含む異なる数の係止タブを含み得る。各係止タブの幅は、クリートを受口内に挿入するのに必要とされる力及びクリートを受口から分離するのに必要とされる力を変更するよう、様々な好適実施態様において異なり得る。係止タブは、シリンダの周りで180度より大きく延在するシリンダの区画に配置されるのが好ましい。
【0016】
クリート取付け構造は、傾斜路(ramp)24も含む。傾斜路24は、シリンダ24の頂端部からシリンダの底端部に向かって延びる。傾斜路は、シリンダの周りで90度より少なく延在するシリンダの区画に配置されるのが好ましい。
【0017】
傾斜路24は、受口内の円筒形キャビティの対応する傾斜路と結合する。クリート取付け構造上の傾斜路と受口上の傾斜路とは、クリート取付け構造を受口キャビティ内に挿入する前に整列させられる。1つの傾斜路のみがクリート取付け構造上に設けられるとき、受口キャビティの対応する傾斜路へのクリート取付け構造の傾斜路の整列(位置合わせ)は、受口に対する、よって、受口を含む靴表底に対するクリートの向きを決定する。装着されるクリートが円筒形構造20の中心軸について捩られるとき、これらの傾斜路は、クリート取付け構造を中心軸に沿って受口に対して垂直に平行移動させる。この軸方向の動作は、クリートの係止タブと受口の係止タブとを分離させ、クリートが履物から取り外されることを可能にする。
【0018】
本発明の一部の実施態様では、1つよりも多くの傾斜路がクリート取付け構造に設けられる。本発明の特別な実施態様では、クリートと受口とが結合されるときに、受口に対する1つよりも多くの回転位置がクリートのために可能であるよう、1つよりも多くの傾斜路がクリート取付け構造に設けられるときに、傾斜路をシリンダについて対称的に位置付け得る。
【0019】
図3は、本発明のある実施態様に従ったクリート取付け構造を受け入れる受口30の底面を示している。その図は、受口の円筒形キャビティ34の中心軸に沿っている。図4は、図3の受口を斜視図において示している。受口30は、表底内に受口を保持するよう、履物の表底に成形し得るフランジ32を含む。円筒形キャビティ34は、壁31によって定められ、傾斜路44と、係止タブ42とを含む。傾斜路44は、上述のように、クリートが捩られるときにクリートと受口とを分離させるよう、クリート取付け構造の対応する傾斜路と協働する。傾斜路44は、円筒形キャビティ34の周りで90度より少なく延在する円筒形キャビティ34の区画に配置されるのが好ましい。
【0020】
係止タブ42は、挿入後にクリート取付け構造を受口内に保持するよう、クリート取付け構造の対応する係止タブと協働する。この実施態様では、単一の係止タブ42が設けられる。他の実施態様では、受口のために並びに結合するクリート取付け構造のために、複数の係止タブを設け得る。タブの幅は、対応するクリート取付け構造のための異なるレベルの挿入力及び保持力に適合するよう異なり得る。各実施態様において、全てのタブが同じ幅を有する必要はない。係止タブ42(又は複数の係止タブ42)は、円筒形キャビティ34の周りで180度よりも大きく延在する円筒形キャビティ34の区画に沿って配置されるのが好ましい。
【0021】
クリートを受口内に装着するために、クリートの頂部及び受口の底部が互いに面し合うよう並びにクリートの傾斜路と受口の傾斜路とが互いに一致し合うよう、クリート及び受口は互いに隣接して配置される。次に、クリートを受口内に保持するために、クリート及び受口の各々の係止タブが互いに重なり合うよう、クリートは単に受口内に押し込まれ、所定の場所に嵌め込まれる。よって、クリートを装着するのは比較的容易であり、クリートを受口に整列させ、クリートを受口内に嵌め込むことを必要とするだけである。上で議論したように、好ましくは、クリートレンチを用いて、クリートを受口に対して捩ることによって、クリートを比較的容易に取り外し得る。クリートを回転させることは、クリートの傾斜路と受口の傾斜路とを相互作用させ、クリートを受口に対して軸方向に移動させ、ひいては、クリートを所定の場所に保持する係止タブの力を克服するよう係止タブを屈曲させる。この作用は、クリートの簡単な捩り、半回転未満の捩り、実に、好ましくは、4分の1回転未満の捩りを用いて、クリートを受口から飛び出させる。
【0022】
図5図6、及び図7は、本発明のある代替的な実施態様に従った取り外し可能なクリートのための取付け構造50のある代替的な実施態様を示している。この取付け構造50を把持構造内に成形(或いは他の方法で接続)し得る。把持構造は、例えば、複数の牽引脚、金属スパイク、又は表面に牽引をもたらす他の構造を含み得る。図5図6、及び図7の取付け構造50は、取付け構造を牽引供給構造に固定的に接続するよう、クリートの残部に成形し得るフランジ52を含む。取付け構造50は、クリートを受口から捩り出すために使用されるクリートレンチを受け入れるためのレンチ孔70を含み得る。図5は、クリート取付け構造の取付け側の頂部斜視図である。図6は、図5のクリート取付け構造の頂面図である。図7は、図5のクリート取付け構造の側面図である。
【0023】
図1の実施態様と同様に、図5の実施態様は、牽引クリートが、履物内に埋設される受口に確実に固定されることを可能にする。クリート取付け構造は、その頂面に取り付けられる円筒形構造20又は「シリンダ」で構成される。シリンダ20は、キャビティ28を定める。シリンダ20の外表面は、複数の係止タブ22を含む。係止タブは、履物表底の受口内の円筒形キャビティの内表面の1つ又はそれよりも多くの対応する係止タブと係合する。係止タブ22の係合は、クリート取付け構造50、よって、クリート全体を受口内に保持する。タブが受口の対応する係止タブ又は複数の係止タブと係合するときのタブ22の撓みを容易化するために、シリンダ20の壁にスロット26を形成し得る。係止タブの幅及び数は、クリートを受口内に挿入するのに必要とされる力及びクリートを受口から分離するのに必要とされる力を変更するよう、様々な好適実施態様において異なり得る。図6(並びに図2)に示すように、係止タブ22は、シリンダの周りで180度よりも大きく延在するシリンダ20の区画に配置されるのが好ましい。
【0024】
再び、図1の実施態様と同様に、図5図6、及び図7の実施態様も傾斜路24を含む。傾斜路24は、シリンダ20の頂端部からシリンダ20の底端部に向かって延びる。傾斜路24は、シリンダの周りで90度よりも小さく延在するシリンダの区画に配置されるのが好ましい。傾斜路24は、受口の円筒形キャビティ内の対応する傾斜路と結合する。クリートが円筒形構造20の中心軸について捩られるとき、これらの傾斜路は、クリート取付け構造を受口に対して中心軸に沿って垂直に平行移動させる。この軸方向の動作は、クリートの係止タブと受口の係止タブとを分離させ、クリートが履物から取り外されるのを可能にする。上記したように、本発明の一部の実施態様では、クリート取付け構造及び受口の各々に1つよりも多くの傾斜路を設け得る。
【0025】
係止タブ22の数を含めて、図1の実施態様と図5の実施態様との間には幾つかの相違がある。しかしながら、主要な相違は、図5の実施態様が、挿入のためにクリート及び受口を一致させるのを助けるために、受口の対応する構造(図8、9、及び10と関連して以下に議論する品目)と協働する内側円筒形コア55を含むことである。この整列コア55は、シリンダ20によって定められるキャビティ28内に配置され、シリンダの中心軸について同軸に整列される。
【0026】
整列コア55は、クリートの適切な挿入のためにクリート及び受口を回転的に方向付けるのを助けるよう、具体的には、クリートの傾斜路と受口の傾斜路とを互いに整列させるのを助けるよう、垂直フランジ57も含み得る。この整列コア55は、受口内へのクリートの挿入のために使用者がクリート及び受口を視覚的に方向付けるのを助けるために、矢印56も含み得る。
【0027】
整列コア55の垂直フランジ57は、クリートが受口内に装着された後の受口に対するクリート取付け構造(及びクリート)の回転に抗するよう受口内の対応する壁(図8、9、及び10と関連して以下に議論する品目91)と相互作用し得る垂直壁59も含み得る。
【0028】
図7に示すように、整列コア55は、シリンダ20よりも大きな高さを有する。このより大きな高さは、クリートを挿入する人が、クリートを受口の所定の場所に嵌め込むことを試みる前に、クリート取付け構造を受口と適切に整列させ且つ方向付けるのをより容易にする。
【0029】
図8図9、及び図10は、図5図6、及び図7のクリート取付け構造と共に使用されるよう構成される受口のある実施態様を描写している。図8は、受口の底部斜視図である。図9は、図8の受口の底面図である。図10は、図8の受口の側面図である。
【0030】
図3及び図4に示す受口の実施態様と同様に、図8図9、及び図10に示す受口30の底面は、円筒形キャビティ34を定める壁31を含み、円筒形キャビティ34は、クリート取付け構造を受け入れ、受口が履物の表底内に成形され且つ保持されるのを可能にするフランジ32を含む。受口の係止タブは、3つのより小さな係止タブ42a,42b,42cに分けられている。受口の傾斜路44は、上述したように、クリートが捩られるときにクリートと受口とが分離するよう、クリート取付け構造の対応する傾斜路と協働する。係止タブ42a,42b,42cは、挿入後にクリート取付け構造を受口内に保持するよう、クリート取付け構造の対応する係止タブと協働する。
【0031】
内側円筒形開口86を定める内側円筒形壁85がキャビティ34内に配置される。内側円筒形開口86は、キャビティ34の中心軸について同軸に整列される。内側円筒形壁85は、スロット88を定める拡張区画87を含み、スロット88は、受口内への挿入のためにクリートを受口内に適切に回転的に方向付けるために、クリート取付け構造のフランジ(図5及び図6の品目57)を受け入れ得る。受口内でのクリートの回転的な遊びの量を制限するために、スロット88及びクリート取付け構造の対応するフランジ57の幾何学的形状は、互いに相補的であるのが好ましい。
【0032】
クリート取付け構造が受口30内に挿入された後のクリート取付け構造(図5図6、及び図7中の品目50)の回転に抗するために、スロット88は、クリート取付け構造内の対応する壁(図5及び図6中の品目59)と協働するよう構成される。クリートを受口から捩り出すのに必要なトルクの量を調節するよう、対応する壁(図5図6、及び図7中のクリート取付け構造における壁59、並びに、図8図9、及び図10の受口のスロット88の壁59)の幾何学的形状、並びに、これらの対応する壁を作製する材料を変更し得る。
【0033】
図10に示すように、受口の内側円筒形壁85の高さは、受口の壁31の高さよりも大きいのが好ましい。内側円筒形壁85のこのより大きな高さは、クリート取付け構造のシリンダ20の頂部を越えて延びる整列コア55(図7を参照)と共に、クリートを挿入する人が、クリートを受口の所定の場所に嵌め込むことを試みる前に、クリート取付け構造50を受口30と適切に整列させ且つ方向付けるのをより容易にする。クリート取付け構造の垂直フランジ57及び整列コア55は、受口の内側円筒形開口86及びスロット88と協働して、クリートの適切案挿入のためにクリート及び受口を整列させ且つ回転的に方向付けるのを助け、具体的には、クリートの傾斜路と受口の傾斜路とを互いに整列させるのを助ける。
【0034】
図1及び図2並びに図3及び図4にそれぞれ示すクリート及び受口の実施態様と同様に、図5図6、及び図7、並びに、図8図9、及び図10にそれぞれ示すクリート及び受口の実施態様は、簡単なスナップ(嵌込み)作用で互いに取り付けられ、且つ、簡単な部分回転捩り作用(好ましくは、180度未満の回転、より好ましくは、90度未満の回転)で互いから分離される。クリートを受口内に保持するために、クリート及び受口の各々の係止タブが互いに重なり合うよう、クリートと受口との適切な整列の後、クリートは受口内の所定の場所に簡単に押し込まれ且つ嵌め込まれる。取外しのために、クリートは、好ましくは、クリートレンチを用いて、受口に対して捩られ、それはクリートの傾斜路と受口の傾斜路とを互いに相互作用させ、クリートを受口に対して軸方向に移動させ、ひいては、クリートを所定の場所に保持する係止タブの力を克服するよう、係止タブを屈曲させる。
【0035】
一部の履物では、受口を装着する表底の厚みを減少させることが望ましい。表底の厚み削減は、より厚い表底に比べて、重量を省き、費用を削減する。本発明の好適実施態様は、例えば、ネジ山を利用する従来的なクリート取付けシステムに比べて、受口及び対応するクリート取付け構造の重量の減少を可能にする。そのような厚さ削減が起こるのは、受口内でのクリートの保持が、受口及びクリート内の同一平面上についてであり得る係止タブの協働によってもたらされるからである。本発明の好適実施態様において、受口の高さは4mm未満であり得る。
【0036】
本発明の他の実施態様では、クリートが(図3及び図4に示す或いは図8図9、及び図10に示す)円筒形キャビティを含み且つ受口が(図1及び図2に示す或いは図5図6、及び図7に示す)円筒形構造を有するよう、クリート取付け構造と受口のための取付け構造とを交換し得る。代替的に、クリートと受口との間で、クリート及び受口の内側整列構造(それぞれ、図5図6、及び図7に示すコア55、並びに、図8図9、及び図10に示す内側円筒形壁85)だけを交換し得る。
【0037】
本発明の様々な実施態様では、プラスチック及び金属を含む様々な材料のいずれかでシステム構成部品を作製し得る。射出成形、型抜き及び組立て(接着、粘着等)、圧縮及びフロー成形、鋳造等のような、そのような構成部品のために典型的なプロセスによって、構成部品を製造し得る。
【0038】
同様に、もちろん、本発明が上記に示した詳細な記載に限定されないことは明らかである。付属の請求項において定められるような本発明の精神及び範囲から逸脱することなく、既述の本発明の様々な変更及び修正が当業者に明らかである。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10