【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の態様によれば、車両にシートベルト用支持体を取り付けるための取付構造であって、取付構造は、車両に取り付けられると、取付構造を第1の方向範囲内の一方向に付勢する(urging)第1の力がかかった場合には、取付構造が車両に対して相対的に第1の方向範囲を動くが、取付構造を第1の方向範囲外の方向に付勢する第1の力よりも大きな第2の力がかかった場合には、取付構造を車両に対して相対的に第1の方向範囲外の方向に動かないように構成されており、取付構造は、1以上の細長いスロット(elongate slots)を有するブラケット(bracket)と
、ブラケットを車両に向かって付勢することで、
ブラケットが車両に対して締結されているときにスロットまたはスロットのそれぞれを貫通する個別の締結具(fastener)とを備え、締結具または締結具のそれぞれは、個別のデカプラも貫通しており、デカプラは、所定の力がかかった場合に、ブラケットと車両の間の相対的なスライド動作を許容するように構成されており、デカプラまたはデカプラのそれぞれは、カラー(collar)と、ワッシャー構造体(washer structure)とを備えており、カラーは、その一端から延びるフランジを有しており、フランジの表面には、複数の歯(teeth)が形成されており、ワッシャー構造体は、
ブラケットが車両に対して締結されているときに締結具が貫通しており、車両に対してブラケットを締結するために締結具が使用されると、カラーのフランジが、ワッシャー構造体と接触した状態に付勢されるようにカラーのフランジに隣接して配置されてことを特徴とする取付構造が提供される。
【0006】
本発明の取付構造によれば、シートベルトに必要なサポートを提供するシートベルトの取付構造を提供することができる。すなわち、シートベルトにより加えられる荷重に耐えるが、頭部への衝撃等の結果として加えられる複数方向への力に対して、撓むことにより吸収するように構成することが可能である。
【0007】
本発明の取付構造は、車両に対して相対的に、方向の一部であり、第1の方向範囲外である第2の方向範囲内の方向に動かないように構成されていてもよい。第1の方向範囲と第2の方向範囲は互いに概ね垂直であってもよい。取付構造は、車両に取り付けられた場合に、車両に対して相対的に横方向(sideways direction)に動くが、前方向(forwards direction)に動かないように構成されていてもよく、このことにより、横方向の頭部への衝撃を吸収するが、衝突時の前座席の乗員によってシートベルトにかかる荷重に耐えることができる。
【0008】
締結具は、スロットの長さに沿って移動可能な大きさであってもよく、また、ボルト、スタッド(stud)、ピン(pin)、その他の適切な締結具であってもよい。
【0009】
フランジは、カラーの一端の周囲から延びていてもよい。
【0010】
ワッシャー構造体(washer structure)は、開口端を有するスロットを備えていてもよい。ワッシャー構造体は、ワッシャー構造体に対してカラーを保持するために、カラーのフランジを捕捉する(capture)ように構成された実質的に平行に並んだ2つの側壁部を備えていてもよい。
【0011】
本発明の取付構造は、別のブラケット(第2のブラケット)を備えていてもよい。第2のブラケットは、車両に対して固定されるように車両に対して取り付けられるように構成されていてもよい。第2のブラケットは、2つのブラケット間の1以上の方向への相対的な動きを制限する係止部(stop)を備えていてもよい。
【0012】
シートベルト用支持体は、ブラケット(第1のブラケット)に取り付けられていてもよい。第2のブラケットの係止部は、シートベルト用支持体の動きを制限するように構成されていてもよい。シートベルト用支持体が、ループ状(loop)であってもよい。
【0013】
ブラケットには、シートベルトプレゼンター機構も取り付けられていてもよい。
【0014】
取付構造は、自動車などの車両に取り付けられていてもよい。
【0015】
取付構造は、自動車のリアクオーターパネルに取り付けられていてもよい。取付構造は、自動車の前座席の乗員のための三点式シートベルトの上側取付部を支持するように構成されていてもよい。
【0016】
他の実施の形態では、車両にシートベルト用支持体を取り付けるための取付構造を備えた車両であって、取付構造は、取付構造を第1の方向範囲内の一方向に付勢する第1の力がかかった場合には、取付構造が車両に対して相対的に第1の方向範囲を動くが、取付構造を第1の方向範囲外の方向に付勢する第1の力よりも大きな第2の力がかかった場合には、取付構造が車両に対して相対的に第1の方向範囲外の方向に動かないように構成されており、取付構造は、締結具により車両に取り付けられたブラケットを備えており、締結具は、車両及び/またはブラケットに形成された細長いスロットを貫通し、ブラケットを車両に付勢することでブラケットを車両に締結し、締結具は、デカプラも貫通しており、デカプラは、所定の力がかかった場合に、ブラケットと車両の間の相対的なスライド動作を許容するように構成されており、デカプラは、カラーと、ワッシャー構造体とを備えており、カラーは、その一端から延びるフランジを有しており、フランジの表面には、複数の歯が形成されており、ワッシャー構造体は
、締結具が貫通しており、車両に対してブラケットを締結するために締結具が使用されると、カラーのフランジが、ワッシャー構造体と接触した状態に付勢されるようにカラーのフランジに隣接して配置されていることを特徴とする車両が提供される。
【0017】
本発明は、取付構造のブラケットに設けるよりも、車両にスロットを設けることによって達成されることが好ましい。
【0018】
他の実施の形態では、1つの部材(第1の部材)に形成された開口部を貫通し、該部材を別の部材(第2の部材)に対して付勢して部材同士を締結するが、所定の力がかかった場合に2つの部材の相対的な動きを許容する締結具と共に使用し、第1の部材の開口部を通り、且つ、第2の部材と接触する第1の部分と、第1の部材を覆う第2の部分とを備えたスペーサ(spacer)と、スペーサの第2の部分と第1の部材の間に配置されるワッシャー構造体とを備え、スペーサは、カラーを備えており、カラーは、その一端から延びるフランジを有しており、フランジの表面には、
2つの部材同士を締結する締結具と共に使用されたときに、ワッシャー構造体と対向す
る複数の歯が形成されたデカプラ・アセンブリが提供される。
【0019】
このようなデカプラは、1つの部材(第1の部材)が該部材に形成されたスロットを貫通したボルトによって別の部材(第2の部材)にボルト締めされている場合に有用である。このボルトによって、第2の部材に対して第1の部材が相対的にスライド可能である。第1の部材に向かうスペーサの動きは、第2の部材との接触によって制限される。したがって、第1の部材を第2の部材に対して付勢する第1の部材にかかる力は、第1の部材及びワッシャー構造体の大きさによって制限され、結果として、2つの部材を他方の部材に対して相対的にスライドさせるのに必要とされる力も制限される。
【0020】
カラーは、第1の部材の開口部を通り抜ける(pass through)大きさが選ばれ、フランジは、第1の部材の開口部を通り抜けない大きさが選ばれるとよい。ボルト、スタッドまたはピンのような締結具がカラーを貫通すればよい。
【0021】
したがって、第1の部材を第2の部材に対して付勢する締結具によって加えられる力を決定するために、それゆえに、第2の部材に対して相対的に第1の部材をスライドさせるのに必要とされる力を決定するために、カラーの奥行き(depth)及びワッシャー構造体の厚み(thickness)を選択することができる。
【0022】
ワッシャー構造体の表面に、フランジの複数の歯と接触する隆起パッド部(raised pads)を形成しておいてもよい。複数の歯の数及び歯たけ(depth)並びにワッシャー構造体の材料を変えることで、第2の部材に対して相対的に第1の部材をスライドさせるのに必要とされる力を調整することができる。
【0023】
ワッシャー構造体は、開口端を有するスロットを備えていてもよい。ワッシャー構造体は、ワッシャーに対してカラーを保持するために、カラーのフランジを捕捉するように構成された実質的に平行に並んだ2つの側壁部を備えていてもよい。側壁部に、フランジの端部が延び入ることが可能なスロットが形成されていてもよい。側壁部の対向面には、それぞれ段部(stepped)が形成されており、段部の下(beneath)で、フランジを捕捉することが可能であってもよい。
【0024】
カラー及びフランジは、1つの部品から形成された金属製の部品であってもよい。例えば、スチールでもよい。
【0025】
ワッシャー構造体は、弾性のある材料から形成されていてもよい。ワッシャー構造体は、プラスチック材料から形成されていてもよい。例えば、PP GF30などのガラス強化プラスチック材料(glass reinforced material)を用いてもよい。
【0026】
本発明をはっきりと理解するために、本発明の実施の態様を、例として、添付の図を参照して示す: