特許第6077498号(P6077498)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6077498通信容量管理装置、通信容量管理方法及びプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077498
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】通信容量管理装置、通信容量管理方法及びプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06Q 50/32 20120101AFI20170130BHJP
   H04M 17/00 20060101ALI20170130BHJP
   H04M 15/00 20060101ALI20170130BHJP
   H04M 3/42 20060101ALI20170130BHJP
   H04W 88/18 20090101ALI20170130BHJP
   H04W 4/26 20090101ALI20170130BHJP
【FI】
   G06Q50/32
   H04M17/00 A
   H04M15/00 G
   H04M3/42 Z
   H04W88/18
   H04W4/26
【請求項の数】7
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2014-164399(P2014-164399)
(22)【出願日】2014年8月12日
(65)【公開番号】特開2016-40673(P2016-40673A)
(43)【公開日】2016年3月24日
【審査請求日】2015年7月9日
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成26年6月25日に報道発表、KDDIウェブサイトに掲載、平成26年7月1日・25日にKDDIウェブサイトに掲載
(73)【特許権者】
【識別番号】000208891
【氏名又は名称】KDDI株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100106909
【弁理士】
【氏名又は名称】棚井 澄雄
(74)【代理人】
【識別番号】100064908
【弁理士】
【氏名又は名称】志賀 正武
(74)【代理人】
【識別番号】100146835
【弁理士】
【氏名又は名称】佐伯 義文
(72)【発明者】
【氏名】松尾 周一郎
(72)【発明者】
【氏名】北原 武
(72)【発明者】
【氏名】増崎 和彦
(72)【発明者】
【氏名】宇佐美 星治
(72)【発明者】
【氏名】有木 博信
【審査官】 田付 徳雄
(56)【参考文献】
【文献】 株式会社NTTドコモ,新たな料金プランおよび割引サービスを提供開始,報道発表資料,日本,2014年 4月19日,検索日:2016年6月1日,URL,https://web.archive.org/web/20140419134342/https://www.nttdocomo.co.jp/info/news_release/2014/04/10_00.html
【文献】 NTTコミュニケーションズ株式会社,OCNモバイル ONE 容量追加オプション,日本,2014年 8月 7日,検索日:2016年6月1日,URL,https://web.archive.org/web/20140807022254/http://service.ocn.ne.jp/mobile/one/procedure/addoption/
【文献】 株式会社インターネットイニシアティブ,IIJ、個人向けデータ通信サービスにおいて高速通信用データ量をチャージできる「IIJmioクーポンカード」を提供開始,プレスリリース,日本,検索日:2016年6月1日,URL,https://web.archive.org/web/20140628151039/http://www.iij.ad.jp/news/pressrelease/2014/pdf/mio_couponcard.pdf
【文献】 株式会社NTTドコモ,新料金プラン 発表会資料,日本,2014年 4月19日,第1-19頁,URL,https://web.archive.org/web/20140419190359/https://www.nttdocomo.co.jp/binary/pdf/info/news_release/2014/04/10_00.pdf
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06Q 10/00 − 99/00
H04M 3/42
H04M 15/00
H04M 17/00
H04W 4/26
H04W 88/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信容量に制限がある無線通信回線についての前記通信容量を管理する通信容量管理装置であり、
使用期限付きの前記通信容量の追加購入についての処理を行う追加購入処理部と、
追加購入された使用期限付きの前記通信容量である追加購入通信容量を含む、前記通信容量の残量の管理を行う残容量管理部と、
前記追加購入通信容量を特定する購入内容特定部と、
前記追加購入通信容量を購入する条件の番号順に前記条件を満足するか否かを判定する購入条件判定部と、
を備え、
前記追加購入処理部は、
前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量を購入する条件の中から最初に満足したと判定した条件に基づいて、前記追加購入通信容量の購入処理を行う、
通信容量管理装置。
【請求項2】
前記残容量管理部は、
前記追加購入通信容量よりも先に所定の期間毎に所定の量だけ付与された使用期限付きの前記通信容量である定期付与通信容量を消費させ、前記追加購入通信容量の新規の追加購入に応じて、前記通信容量の残量の中の過去の追加購入分の前記追加購入通信容量についての使用期限を所定の期間だけ延長する、
請求項1に記載の通信容量管理装置。
【請求項3】
前記購入条件判定部は、
前記追加購入通信容量についての使用期限が所定の期間以下であるか否かを判定し、
前記追加購入処理部は、
前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量についての使用期限が所定の期間以下であると判定した場合に、前記購入内容特定部が特定した前記追加購入通信容量の購入処理を行う、
請求項1または請求項2に記載の通信容量管理装置。
【請求項4】
前記購入条件判定部は、
前記追加購入通信容量の残量が所定の残量よりも少ないか否かを判定し、
前記追加購入処理部は、
前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量の残量が所定の残量よりも少ないと判定した場合に、前記購入内容特定部が特定した前記追加購入通信容量の購入処理を行う、
請求項1から請求項3の何れか一項に記載の通信容量管理装置。
【請求項5】
前記購入条件判定部は、
入力された年月日及び時刻とタイマーが示す年月日及び時刻とが一致するか否かを判定し、
前記追加購入処理部は、
前記購入条件判定部が前記入力された年月日及び時刻と前記タイマーが示す年月日及び時刻とが一致すると判定した場合に、前記購入内容特定部が特定した前記追加購入通信容量の購入処理を行う、
請求項1から請求項4の何れか一項に記載の通信容量管理装置。
【請求項6】
通信容量に制限がある無線通信回線についての前記通信容量を管理する通信容量管理装置の通信容量管理方法であり、
追加購入処理部は、使用期限付きの前記通信容量の追加購入についての処理を行い、
残容量管理部は、追加購入された使用期限付きの前記通信容量である追加購入通信容量を含む、前記通信容量の残量の管理を行い、
購入内容特定部は、前記追加購入通信容量を特定し、
購入条件判定部は、前記追加購入通信容量を購入する条件の番号順に前記条件を満足するか否かを判定し、
前記追加購入処理部は、
前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量を購入する条件の中から最初に満足したと判定した条件に基づいて、前記追加購入通信容量の購入処理を行う、
通信容量管理方法。
【請求項7】
通信容量に制限がある無線通信回線についての前記通信容量を管理する通信容量管理装置のコンピュータを、
使用期限付きの前記通信容量の追加購入についての処理を行う追加購入処理部と、
追加購入された使用期限付きの前記通信容量である追加購入通信容量を含む、前記通信容量の残量の管理を行う残容量管理部と、
前記追加購入通信容量を特定する購入内容特定部と、
前記追加購入通信容量を購入する条件の番号順に前記条件を満足するか否かを判定する購入条件判定部、
として機能させ、
前記追加購入処理部は、
前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量を購入する条件の中から最初に満足したと判定した条件に基づいて、前記追加購入通信容量の購入処理を行う、
プログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、通信容量管理装置、通信容量管理方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
通信容量に制限がある無線通信回線を介して通信を行う端末が存在する。通信容量に制限がある無線通信回線を介して通信を行う端末は、所定の通信容量の通信を行うと通信容量の残量が無くなり、外部装置との間の通信を行うことができなくなる可能性がある。
特許文献1には、関連する技術として、遠距離電話などの電気通信サービスの前払いについての技術が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特表2001−504299号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、上述のような電気通信サービスの前払いは、一般的に、ユーザが電気通信サービスを利用する際に、残高が不足を解消するために行うものであり、ユーザは意識的に前払いについての操作を行う必要がある。
そのため、通信容量に制限がある無線通信回線を介して通信を行う際に、ユーザが意識的な操作をすることなしに通信容量や残高の不足を解消することができる技術が求められていた。
【0005】
そこでこの発明は、上記の課題を解決することのできる通信容量管理装置、通信容量管理方法及びプログラムを提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
第1の態様は、通信容量に制限がある無線通信回線についての前記通信容量を管理する通信容量管理装置であり、使用期限付きの前記通信容量の追加購入についての処理を行う追加購入処理部と、追加購入された使用期限付きの前記通信容量である追加購入通信容量を含む、前記通信容量の残量の管理を行う残容量管理部と、前記追加購入通信容量を特定する購入内容特定部と、前記追加購入通信容量を購入する条件の番号順に前記条件を満足するか否かを判定する購入条件判定部と、を備え、前記追加購入処理部は、前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量を購入する条件の中から最初に満足したと判定した条件に基づいて、前記追加購入通信容量の購入処理を行う、通信容量管理装置である。
【0007】
また、第2の態様は、第1の態様において、前記残容量管理部は、前記追加購入通信容量よりも先に所定の期間毎に所定の量だけ付与された使用期限付きの前記通信容量である定期付与通信容量を消費させ、前記追加購入通信容量の新規の追加購入に応じて、前記通信容量の残量の中の過去の追加購入分の前記追加購入通信容量についての使用期限を所定の期間だけ延長する、通信容量管理装置である。
【0008】
また、第3の態様は、第1または第2の態様において、前記購入条件判定部は、前記追加購入通信容量についての使用期限が所定の期間以下であるか否かを判定し、前記追加購入処理部は、前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量についての使用期限が所定の期間以下であると判定した場合に、前記購入内容特定部が特定した前記追加購入通信容量の購入処理を行う、通信容量管理装置である。
【0009】
また、第4の態様は、第1から第3の何れかの態様において、前記購入条件判定部は、前記追加購入通信容量の残量が所定の残量よりも少ないか否かを判定し、前記追加購入処理部は、前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量の残量が所定の残量よりも少ないと判定した場合に、前記購入内容特定部が特定した前記追加購入通信容量の購入処理を行う、通信容量管理装置である。
【0010】
また、第5の態様は、第1から第4の何れかの態様において、前記購入条件判定部は、入力された年月日及び時刻とタイマーが示す年月日及び時刻とが一致するか否かを判定し、前記追加購入処理部は、前記購入条件判定部が前記入力された年月日及び時刻と前記タイマーが示す年月日及び時刻とが一致すると判定した場合に、前記購入内容特定部が特定した前記追加購入通信容量の購入処理を行う、通信容量管理装置である。
【0011】
また、第6の態様は、通信容量に制限がある無線通信回線についての前記通信容量を管理する通信容量管理装置の通信容量管理方法であり、追加購入処理部は、使用期限付きの前記通信容量の追加購入についての処理を行い、残容量管理部は、追加購入された使用期限付きの前記通信容量である追加購入通信容量を含む、前記通信容量の残量の管理を行い、購入内容特定部は、前記追加購入通信容量を特定し、購入条件判定部は、前記追加購入通信容量を購入する条件の番号順に前記条件を満足するか否かを判定し、前記追加購入処理部は、前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量を購入する条件の中から最初に満足したと判定した条件に基づいて、前記追加購入通信容量の購入処理を行う、通信容量管理方法である。
【0012】
また、第7の態様は、通信容量に制限がある無線通信回線についての前記通信容量を管理する通信容量管理装置のコンピュータを、使用期限付きの前記通信容量の追加購入についての処理を行う追加購入処理部と、追加購入された使用期限付きの前記通信容量である追加購入通信容量を含む、前記通信容量の残量の管理を行う残容量管理部と、前記追加購入通信容量を特定する購入内容特定部と、前記追加購入通信容量を購入する条件の番号順に前記条件を満足するか否かを判定する購入条件判定部、として機能させ、前記追加購入処理部は、前記購入条件判定部が前記追加購入通信容量を購入する条件の中から最初に満足したと判定した条件に基づいて、前記追加購入通信容量の購入処理を行う、プログラムである。
【発明の効果】
【0013】
本発明の実施形態による通信容量管理装置によれば、通信容量に制限がある無線通信回線を介して通信を行う際に、ユーザが意識的な操作をすることなしに通信容量や残高の不足を解消することができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係る通信容量管理装置1の構成を示すブロック図の一例である。
図2図1に示す通信容量管理装置1を実現するハードウェアの構成を示すブロック図の一例である。
図3】実施形態に係る通信容量管理装置1を使用した無線通信システムの構成の一例を示す図である。
図4】購入条件データ記憶部30が記憶する追加購入通信容量を購入する購入条件を示すデータテーブル1の一例を示す図である。
図5】購入内容データ記憶部28が記憶する追加購入通信容量に係る各料金プラン及び現在設定されている料金プランを示すデータテーブル2の一例を示す図である。
図6】実施形態による通信容量管理装置1の処理フローの一例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、図面を参照しながら実施形態について詳しく説明する。
【0016】
図1は、本発明の実施形態に係る通信容量管理装置1の構成を示すブロック図の一例である。
実施形態において、通信容量管理装置1は、通信容量に制限がある無線通信回線についての通信容量を管理する。図1において、通信容量管理装置1は、通信部10と、残容量管理部12と、残容量管理データ記憶部14と、追加購入処理部16と、購入内容特定部18と、購入条件判定部26と、購入内容データ記憶部28と、購入条件データ記憶部30と、を備える。
【0017】
通信部10は、通信を行う通信部である。
残容量管理部12は、追加購入された使用期限付きの通信容量である追加購入通信容量を含む、通信容量の残量の管理を行う機能部である。
残容量管理データ記憶部14は、残容量管理部12が管理する通信容量の残量を記憶する記憶部である。残容量管理データ記憶部14は、通信容量の残量と共に、その残量の使用期限を関連付けて記憶している。
追加購入処理部16は、使用期限付きの前記通信容量の追加購入についての処理を行う機能部である。
購入内容特定部18は、追加購入する追加購入通信容量を特定する機能部である。例えば、購入内容特定部18は、料金プランと当該料金プランに基づいて追加購入する追加購入通信容量を特定する。
購入条件判定部26は、追加購入通信容量を購入する条件を満足するか否かを判定する機能部である。
購入内容データ記憶部28は、追加購入通信容量に係る各料金プラン及び現在設定されている料金プランを記憶する記憶部である。追加購入通信容量に係る各料金プランは、料金とその料金に対応する追加購入通信容量との対応関係を示す。
購入条件データ記憶部30は、購入条件判定部26が判定する際に用いる追加購入通信容量を購入する条件を記憶する記憶部である。
通信容量管理装置1が備える残容量管理部12は、通信容量の残量の管理を行う。また、通信容量管理装置1が備える追加購入処理部16は、購入条件判定部26が追加購入通信容量を購入する条件を満足すると判定した場合に、購入内容特定部18が特定した追加購入する追加購入通信容量の購入処理を行う。
【0018】
図2は、図1に示す通信容量管理装置1を実現するハードウェアの構成を示すブロック図の一例である。
図1において、通信容量管理装置1は、CPU部20と、通信部10と、記憶部22と、を備える。これら各部はデータを交換できるように構成されている。CPU部20は通信容量管理装置1の制御を行う。この制御機能は、CPU部20がコンピュータプログラムを実行することにより実現される。通信部10は他の装置と通信する。記憶部22は、CPU部20で実行されるコンピュータプログラムや各種のデータを記憶する。記憶部22は、通信容量管理プログラム24を記憶している。
【0019】
図1に示される残容量管理部12、残容量管理データ記憶部14、追加購入処理部16、購入内容特定部18及び購入条件判定部26の各機能は、図2に示されるCPU部20が記憶部22に記憶される通信容量管理プログラム24を実行することにより実現される。また、図1に示される残容量管理データ記憶部14、購入内容データ記憶部28及び購入条件データ記憶部30のそれぞれは、図2に示される記憶部22内に設けられる。
【0020】
図3は、実施形態に係る通信容量管理装置1を使用した無線通信システムの構成の一例を示す図である。
図3において、端末102は、無線通信回線106で基地局104と接続されている。無線通信回線106には通信容量に制限がある。端末102から無線通信回線106を使用して基地局104へ送信されたユーザデータは、基地局104からゲートウェイ108へ転送される。ゲートウェイ108は、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されていれば、基地局104から転送された端末102のユーザデータをインターネット110へ出力する。同様に、ゲートウェイ108は、インターネット110から入力された端末102宛てのユーザデータを、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されていれば、基地局104を介して端末102へ転送する。
【0021】
無線通信回線106の通信容量の制限内である場合には、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可される。一方、無線通信回線106の通信容量の制限外である場合には、無線通信回線106を使用する端末102の通信が許可されない。または、通信が許可されたとしても端末102の通信速度が低下する。これにより、端末102は、無線通信回線106の通信容量の制限内であれば、無線通信回線106を使用して、インターネット110に接続される他の通信装置との間で通信を行うことができる。一方、端末102は、無線通信回線106の通信容量の制限外である場合には、無線通信回線106を使用して、インターネット110に接続される他の通信装置との間で通信を行うことができない。または、端末102は、通信できたとしても通信速度が低下する。
【0022】
通信制御装置112は、ゲートウェイ108に対して、無線通信回線106を使用する端末102の通信を許可するか否(非許可)か、あるいは通信速度を指示する。この無線通信回線106を使用する端末102の通信の許可又は非許可や通信速度は、通信容量管理装置1からの無線通信回線106の通信許可情報に基づいている。また、通信制御装置112は、ゲートウェイ108から、無線通信回線106を使用する端末102の通信でゲートウェイ108により転送されたユーザデータの転送量を示す転送データ量情報を取得する。この転送データ量情報は、通信制御装置112から通信容量管理装置1へ送信される。
【0023】
通信容量管理装置1は、通信制御装置112から受信した転送データ量情報に基づいて、無線通信回線106についての通信容量の残量を更新する。また、通信容量管理装置1は、無線通信回線106についての通信容量の残量に基づいて、無線通信回線106の通信許可情報を通信制御装置112へ送信する。
【0024】
ユーザ契約情報管理装置114は、無線通信回線106を契約しているユーザの情報(ユーザ契約情報)を管理している。ユーザ契約情報として、ユーザ識別子(ユーザID)、無線通信回線106の識別番号(回線番号)、通信容量等についての契約内容などを示す情報がある。通信容量管理装置1は、必要に応じて、ユーザ契約情報管理装置114へ、ユーザ契約情報を問い合わせる。
【0025】
決済装置116は、ユーザによる代金支払いの決済処理を行う。通信容量管理装置1は、必要に応じて、決済装置116へ、ユーザによる代金支払いの決済状況を問い合わせる。
【0026】
端末102は、通信により、通信容量管理装置1へアクセスすることができる。端末102と通信容量管理装置1の間の通信は、無線通信回線106を介した通信であっても良く、または、無線通信回線106を介さない通信であっても良い。通信容量管理装置1は、端末102からの要求に応じて該当する処理を行う。
【0027】
図4は、購入条件データ記憶部30が記憶する追加購入通信容量を購入する購入条件を示すデータテーブル1の一例を示す図である。
データテーブル1は、ユーザ識別子又は無線通信回線106の識別番号に関連付けられており、購入条件と、繰り返し回数と、現在の設定を示すフラグの情報を含んでいる。
図4では、現在の設定を示すフラグが「レ」で示されており、現在、購入条件1、購入条件4、購入条件5及び購入条件10が設定されていることを示している。
購入条件判定部26は、購入条件1が現在設定されている場合、残容量管理部12が管理する通信容量の残量が100Mバイト以下であるか否かを判定する。また、購入条件判定部26は、購入条件4が現在設定されている場合、現在が「○○日」であるか否かを判定する。また、購入条件判定部26は、購入条件5が現在設定されている場合、現在が「××年○○月△△日◇◇時」であるか否かを判定する。また、購入条件判定部26は、購入条件10が現在設定されている場合、残容量管理部12が管理する通信容量の残量の使用期限が1週間以下であるか否かを判定する。
なお、フラグが示す現在の設定が複数設定されている場合には、購入条件判定部26は、それらフラグが示す購入条件のそれぞれを購入条件No.の順に判定する。
なお、購入条件5は、毎月の同日同時刻に対して設定されているものであっても良い。また、毎週の同一の曜日に対応する日時に対して設定されているものであっても良い。
【0028】
図5は、購入内容データ記憶部28が記憶する追加購入通信容量に係る各料金プラン及び現在設定されている料金プランを示すデータテーブル2の一例を示す図である。
データテーブル2は、ユーザ識別子又は無線通信回線106の識別番号に関連付けられており、料金プランと、料金プランの内容である料金と追加購入通信容量との対応関係と、現在の設定を示すフラグとの情報を含んでいる。
図5では、料金プラン1は、料金500円と1Gバイトの追加購入通信容量とが関連付けられている。また、料金プラン4は、料金2000円と5Gバイトの追加購入通信容量とが関連付けられている。また、図5では、現在の設定を示すフラグが「レ」で示されており、料金プラン4が設定されていることを示している。
なお、購入条件判定部26が現在設定されている購入条件を満足すると判定した場合、購入内容特定部18は、現在の設定を示すフラグに基づいて料金プランを特定し、その料金プランが示す料金と追加購入通信容量を特定する。
【0029】
図6は、実施形態による通信容量管理装置1の処理フローの一例を示す図である。
次に、実施形態による通信容量管理装置1の処理について説明する。
なお、ここでは、端末102が無線通信回線106を介して外部装置と通信を行う際に、通信容量管理装置1が行う処理を例に説明する。また、ユーザは、追加購入通信容量を自動的に購入する購入条件を予め設定し、購入条件データ記憶部30がその購入条件をデータテーブル1として記憶しているものとする。また、ユーザは、追加購入通信容量に係る料金プランを予め設定し、購入内容データ記憶部28がその料金プランをデータテーブル2として記憶しているものとする。
【0030】
端末102が無線通信回線106を介して外部装置と通信を行うと、通信制御装置112は、ゲートウェイ108から、無線通信回線106を使用する端末102の通信でゲートウェイ108により転送されたユーザデータの転送量を示す転送データ量情報を取得する。通信制御装置112は、この転送データ量情報を通信容量管理装置1へ送信する。
【0031】
通信容量管理装置1が備える通信部10は、通信制御装置112から転送データ量情報を受信する。
通信容量管理装置1が備える残容量管理部12は、受信した転送データ量情報に基づいて、残容量管理データ記憶部14が記憶する無線通信回線106についての通信容量の残量を更新する(ステップS1)。残容量管理部12は、所定の期間毎に所定の量だけ付与された使用期限付きの通信容量である定期付与通信容量の残量がある場合、追加購入通信容量よりも先に定期付与通信容量を消費させる。
なお、ここで残容量管理部12が行う無線通信回線106についての通信容量の残量を更新は、通信容量の残量が変化しない場合も含む。
【0032】
通信容量管理装置1が備える購入条件判定部26は、ユーザが予め設定した購入条件を示すデータテーブル1を購入条件データ記憶部30から読み出す。購入条件判定部26は、読み出したデータテーブル1に含まれる現在の設定を示すフラグに基づいて、現在設定されている購入条件を特定する。そして、購入条件判定部26は、特定した購入条件を満足するか否かを所定の時間間隔毎に判定している(ステップS2)。
【0033】
例えば、購入条件判定部26は、図4で示したデータテーブル1を読み出し、現在の設定を示すフラグに基づいて、設定されている購入条件として購入条件1、購入条件4、購入条件5及び購入条件10を特定する。
この場合、購入条件判定部26は、購入条件1に対応して、残容量管理部12が管理する通信容量の残量が100Mバイト以下であるか否かを判定する。購入条件判定部26は残容量管理部12が管理する通信容量の残量と100Mバイトとを比較する。そして、購入条件判定部26は、残容量管理部12が管理する通信容量の残量が100Mバイトよりも大きい場合、購入条件を満足しないと判定する。また、購入条件判定部26は、残容量管理部12が管理する通信容量の残量が100Mバイト以下である場合、購入条件を満足すると判定する。
【0034】
また、購入条件判定部26は、購入条件4に対応して、タイマーが示す現在の日にちが「○○日」であるか否かを判定する。購入条件判定部26は、タイマーが示す現在の日にちと「○○日」とを比較する。そして、購入条件判定部26は、タイマーが示す現在の日にちと「○○日」とが一致しない場合、購入条件を満足しないと判定する。また、購入条件判定部26は、タイマーが示す現在の日にちと「○○日」とが一致した場合、購入条件を満足すると判定する。
【0035】
また、購入条件判定部26は、購入条件5に対応して、タイマーが示す現在の時刻が「××年○○月△△日◇◇時」であるか否かを判定する。購入条件判定部26は、タイマーが示す現在の時刻と「××年○○月△△日◇◇時」とを比較する。そして、購入条件判定部26は、タイマーが示す現在の時刻と「××年○○月△△日◇◇時」とが一致しない場合、購入条件を満足しないと判定する。また、購入条件判定部26は、タイマーが示す現在の時刻と「××年○○月△△日◇◇時」とが一致した場合、購入条件を満足すると判定する。
【0036】
また、購入条件判定部26は、購入条件10に対応して、残容量管理部12が管理する通信容量の残量の使用期限が1週間以下であるか否かを判定する。購入条件判定部26は、タイマーが示す現在の時刻と残容量管理部12が管理する通信容量の残量の使用期限が示す時刻とを比較する。そして、購入条件判定部26は、それらの時刻の差が1週間以下ではない場合、購入条件を満足しないと判定する。また、購入条件判定部26は、それらの時刻の差が1週間以下である場合、購入条件を満足すると判定する。
なお、購入条件判定部26は、購入条件を満足しているか否かを回線毎に独立して判定することに限定するものではない。例えば、複数の回線が契約され複数の回線間で通信容量を共有している場合には、購入条件判定部26は、何れかの回線が購入条件を満足している場合に、通信容量を共有している他の回線も購入条件を満足していると判定しても良い。
【0037】
購入条件判定部26が購入条件を満足しないと判定した場合(ステップS2、NO)、ステップS1の処理に戻る。
また、購入条件判定部26は、購入条件を満足すると判定した場合(ステップS2、YES)、nに1を加える(ステップS3)。そして、購入条件判定部26は、nとデータテーブル1に含まれる購入繰り返し回数Nとを比較する(ステップS4)。
購入条件判定部26がn>Nであると判定した場合(ステップS4、YES)、通信容量管理装置1の処理を終了する。
また、購入条件判定部26がn>Nではないと判定した場合(ステップS4、NO)、購入内容特定部18は、ユーザが予め設定した料金プランを示すデータテーブル2を購入内容データ記憶部28から読み出す。そして、購入内容特定部18は、読み出したデータテーブル2に含まれる現在の設定を示すフラグに基づいて料金プランを特定し、当該料金プランが示す料金と追加購入通信容量を特定する(ステップS5)。
例えば、購入内容特定部18は、図5で示したデータテーブル2を読み出し、現在の設定を示すフラグに基づいて、現在設定されている料金プランが料金プラン4であると特定する。この場合、購入内容特定部18は、料金プラン4に関連付けられている2000円の料金と5Gバイトの追加購入通信容量を特定する。
購入内容特定部18は、特定した料金と追加購入通信容量を追加購入処理部16に出力する。
【0038】
追加購入処理部16は、購入内容特定部18から料金と追加購入通信容量を入力すると、入力した料金と追加購入通信容量に基づいて、追加購入通信容量の購入処理を行う(ステップS6)。
例えば、追加購入処理部16は、料金と追加購入通信容量を入力すると、通信部10を介して決済装置116と通信し、入力した料金に基づいて、決済処理を行う。ここで追加購入処理部16は、この決済処理をデータテーブル1やデータテーブル2が関連付けられているユーザ識別子又は無線通信回線106の識別番号に対して行う。また、追加購入処理部16は、入力した追加購入通信容量を残容量管理部12に出力する。
【0039】
残容量管理部12は、追加購入処理部16から追加購入通信容量を入力すると、入力した(新規に購入した)追加購入通信容量をデータテーブル1やデータテーブル2が関連付けられているユーザ識別子又は無線通信回線106の識別番号に対応する過去に追加購入した追加購入通信容量の残量に追加する処理を行う(ステップS7)。そして、残容量管理部12は、新規に購入した追加購入通信容量を追加した後の追加購入通信容量の残量を残容量管理データ記憶部14に記録する。このとき、残容量管理部12は、過去に追加購入した追加購入通信容量の残量の使用期限を所定の期間だけ延長して残容量管理データ記憶部14に記録する(ステップS8)。そして、ステップS1の処理に戻る。
【0040】
なお、残容量管理部12は、通信容量の使用実績に応じて、料金プランの変更を推奨する通知を通信部10を介して端末102に送信するものであっても良い。例えば、残容量管理部12は、設定している料金プランが示す追加購入通信容量が3Gバイトであり、使用期限内に1Gバイトしか利用しなかった場合、追加購入通信容量が1Gバイトの料金プランへの変更を推奨するメールを端末102に送信するものであっても良い。また、残容量管理部12は、メールに、ユーザがクリックした際に購入処理を行う指定サイトに遷移する所定のURL(Uniform Resource Locator)を添付するものであっても良い。
【0041】
また、nが購入繰り返し回数Nと等しいと購入条件判定部26が判定した場合、すなわち、現在設定されている購入回数の最終回である場合には、通信容量管理装置1は、通信部10を介して端末102に購入繰り返し回数や購入条件などの再設定を推奨する通知を行うものであっても良い。なお、通信容量管理装置1は、ユーザ操作に基づいて、通信部10を介して端末102に、現在設定されている購入繰り返し回数や購入条件などの設定の有効期限を設定するものであっても良い。
【0042】
以上、本発明の実施形態の通信容量管理装置1について説明した。上述の通信容量に制限がある無線通信回線106についての通信容量を管理する通信容量管理装置1において、追加購入処理部16は、使用期限付きの通信容量の追加購入についての処理を行う。残容量管理部12は、追加購入された使用期限付きの通信容量である追加購入通信容量を含む、通信容量の残量の管理を行う。購入内容特定部18は、追加購入通信容量に係る料金プランと当該料金プランに基づいて料金と追加購入通信容量を特定する。購入条件判定部26は、追加購入通信容量を購入する条件を満足するか否かを判定する。そして、購入条件判定部26が追加購入通信容量を購入する条件を満足すると判定した場合に、追加購入処理部16は、料金プランが示す料金と追加購入通信容量とに基づいて、追加購入通信容量の購入処理を行う。
こうすることで、通信容量に制限がある無線通信回線106を介して通信を行う際に、端末102のユーザが意識的な操作をすることなしに通信容量や残高の不足を解消することができる。
【0043】
なお、上述の実施形態において、図4で示した購入条件は一例であり、これに限定するものではない。例えば、購入条件は、予め運営業者が用意した通信容量の残量、日時、通信容量の残量の使用期限までの時間などの条件の中からユーザが選択するものに限らず、ユーザが任意に通信容量の残量、日時、通信容量の残量の使用期限までの時間を任意に決定し購入条件として設定できるものであって良い。また、購入条件は、通信容量の使用履歴に基づいて、決定されるものであっても良い。また、購入条件は、動画などの重いサイトへのアクセスの頻度に応じて決定されるものであっても良い。また、購入条件は、通信容量の残容量に対する一定の割合(例えば、残容量の10%)で決定されるものであっても良い。
また、上述の図5で示した料金プランは一例であり、これに限定するものではない。料金プランは、予め運営業者が用意した料金と追加購入通信容量との組み合わせの中からユーザが選択するものに限らず、ユーザが任意に料金を決定し設定するとその料金に対応する追加購入通信容量が決定するものであっても良い。また、ユーザが任意に追加購入通信容量を決定し設定するとその追加購入通信容量に対応する料金が決定するものであっても良い。
【0044】
また、通信容量管理装置1は、購入条件を満足した場合でもあっても、追加購入通信容量の購入を行わないロック機能を有するものであっても良い。例えば、親が子供の端末102にペアレンタルロックを掛けた場合、その子供の端末102が購入条件を満足した場合であっても、通信容量管理装置1は、追加購入通信容量の購入の処理を行わないものであっても良い。
【0045】
また、残容量管理部12は、端末102が低速通信中に追加購入通信容量の購入の推奨を通信部10を介して端末102に通知するものであっても良い。
【0046】
なお、本発明における記憶部22は、適切な情報の送受信が行われる範囲においてどこに備えられていても良い。また、記憶部22は、適切な情報の送受信が行われる範囲において複数存在しデータを分散して記憶していても良い。
【0047】
なお本発明の実施形態における処理フローは、適切な処理が行われる範囲において、処理の順番が入れ替わっても良い。
【0048】
なお本発明の実施形態について説明したが、上述の通信容量管理装置1は内部に、コンピュータシステムを有している。そして、上述した処理の過程は、プログラムの形式でコンピュータ読み取り可能な記録媒体に記憶されており、このプログラムをコンピュータが読み出して実行することによって、上記処理が行われる。ここでコンピュータ読み取り可能な記録媒体とは、磁気ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、DVD−ROM、半導体メモリ等をいう。また、このコンピュータプログラムを通信回線によってコンピュータに配信し、この配信を受けたコンピュータが当該プログラムを実行するようにしても良い。
【0049】
また、上記プログラムは、前述した機能の一部を実現するためのものであっても良い。さらに、前述した機能をコンピュータシステムにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であっても良い。
【0050】
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定するものではない。また、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができるものである。
【符号の説明】
【0051】
1・・・通信容量管理装置
10・・・通信部
12・・・残容量管理部
14・・・残容量管理データ記憶部
16・・・追加購入処理部
18・・・購入内容特定部
20・・・CPU部
22・・・記憶部
24・・・通信容量管理プログラム
26・・・購入条件判定部
28・・・購入内容データ記憶部
30・・・購入条件データ記憶部
102・・・端末
104・・・基地局
106・・・無線通信回線
108・・・ゲートウェイ
110・・・インターネット
112・・・通信制御装置
114・・・ユーザ契約情報管理装置
116・・・決済装置
図1
図2
図3
図4
図5
図6