(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0012】
本発明は、天然物を薬用花で包むか覆うことで発酵させて製造された包み発酵抽出物を含有する皮膚外用剤組成物を提供する。
【0013】
また、本発明は、洗浄および乾燥した天然物を30分〜2時間煮るか蒸すステップと、
煮るか蒸した天然物を30分〜1時間常温で冷却させるステップと、
冷却した天然物を薬用花で包むか覆い、素焼きの陶器に入れて、陰地で4〜7日間常温発酵させるステップと、
発酵した天然物から薬用花を除去して抽出するステップとを含むことを特徴とする、包み発酵抽出物の製造方法を提供する。
【0014】
以下、本発明をより詳細に説明する。
本発明に使用可能な薬用花は、薬理効果を示す葛花、菊、鶏冠花、款冬花、槐花、金銀花、桃花、茅香花、茅花、木槿花、密蒙花、ボウフウ花、鳳仙花、石榴花、旋覆花、旋花、松花、コブシ、蓮花、芫花、タチアオイ、葱花、蒲黄および紅藍花からなる群より選択された1種以上である。
【0015】
葛花は、葛根の花を意味する。葛花は、飲み過ぎによる頭痛、発熱および胸の中が息苦しくて詰まっていて手足をじっとできない症状、口渇、食慾不振、腹部膨満、嘔吐症に使用される。
【0016】
菊は、甘菊または白菊の乾燥させた花である。甘菊花は、胸の中に熱があって息苦しい症状、肺炎、気管支炎、頭痛、肩凝り、高血圧に効果がある。肝機能と充血、生理不順や、ニキビなどの皮膚トラブルに使用される。
【0017】
鶏冠花は、ヒユ科に属する一年生草本であるケイトウ(Celosia cristata L.)の花である。花は7〜8月に紅色、黄色、白色で咲き、実は卵形で3〜5個の黒色種子が入っている。鶏冠花は、眼科疾患を含めて、月経過多、子宮出血、吐血などの症状に止血の目的で使用される。
【0018】
款冬花は、キク科のフキタンポポ(Tussilago farfara L.)のつぼみを言う。款冬花は、鎮咳、去痰、痰および肺結核、肺膿瘍に使用し、外感性咳嗽、喘息、上気道感染症に使用する。薬理作用は、呼吸器分泌物の増加で鎮咳作用、呼吸興奮や狂騒不安、血管収縮作用、小児の急性気管支炎、気管支喘息、咽喉痛に効果があると報告されている。
【0019】
槐花は、豆科の槐木(Sophora japonica L.)のつぼみを言う。槐花は、便秘、崩漏などを止め、肝熱による眼球充血、膓出血、子宮出血、鼻血、血便、血を吐く時の止血薬として使用される。また、高血圧、頭痛、めまい、動脈硬化症、中風、脳淤血、胸が息苦しい症状にも効果がある。薬理作用として、止血作用、毛細管透過性減少、血圧降下、コレステロール降下、抗けいれん、抗潰瘍、抗放射能作用、凍傷治療、緩瀉下作用が報告されている。
【0020】
金銀花は、忍冬科の忍冬葛(Lonicera japonica Thunberg)または同属植物のつぼみを言う。金銀花は、熱を下げ、胸が息苦しくて口渇がある時に使用され、炎症に良く、腫れ物、皮膚がただれて生じた毒、臓器の炎症、膿を排出する。また、赤痢、熱毒による皮膚組織怪死、乳腺炎などに使用する。大腸炎、胃潰瘍、膀胱炎、咽喉炎、扁桃腺炎、気管支炎、結膜炎およびできもの、流行性耳下腺炎による高熱、化膿性感染症などに応用する。薬理作用は、抗菌作用、抗炎症作用、解熱作用、白血球貪食作用の増加、中枢神経興奮作用、血清コレステロール降下、潰瘍予防効果などが報告されている。
【0021】
桃花は、バラ科の桃木(Prunus persica (L.) Batsch)の、または山毛桃(P. davidiana (Carr.) Fr.)の花を言う。利水、活血、便通の効能があり、水腫、脚気、大小便困難、月経不調を治療する。
【0022】
茅香花は、禾本科に属する多年生草本植物の香茅(Hierochloe Odorata)の花である。吐血および鼻血を止め、灸瘡、金属による傷につけて血と痛みを止めるのに使用される。
【0023】
茅花は、禾本科に属する多年生草本植物のチガヤ(Imperata cylindrica var. major (Nees) C. E. Hubb.)の花である。養血、定痛、止血、清熱の効能があり、吐血、鼻出血、金属で傷つけられた時、灸瘡などの治療に使用される。
【0024】
木槿花は、アオイ科の落葉低木であるムクゲ(Hibiscus syriacus)の花である。木槿花は、腸の出血、赤痢、白帯下、皮膚病を治療する。成分としては、サポナリン(saponarin)が含有されており、薬理作用としては、止咳作用があることが報告されている。
【0025】
密蒙花は、馬錢科の密蒙花(Buddleja officinalis Maximowicz)のつぼみを言う。見かけは不規則な円錐状で、外面は黄色で柔らかい毛に包まれている。つぼみは短い棒状で柔らかい。密蒙花は、肝熱による眼球充血、疼痛、日光を避けて涙の出る症状、白内障、緑内障に使用される。また、子供の痘瘡、はしかおよび疳病の毒が目に侵入したものなどを治療する。主な成分としては、アカシン(acaciin)、アカセチン(acacetin)などの成分が報告されている。
【0026】
ボウフウ花は、セリ科のボウフウ(Saposhnikovia divaricate S.)の花である。ボウフウ花は、白色で、主茎の端と枝の端の複散形花序に咲き、総傘梗の端で5個程度の小傘梗が分かれ、それぞれ多くの小さい花が咲く。開花期は7〜8月である。ボウフウ花は、心腹痛、四肢拘急、骨折疼痛の治療目的で使用される。
【0027】
鳳仙花は、鳳仙花科の一年生草本の鳳仙(Impatiens balsamina L.)の花である。鳳仙花には、各種のアントシアニン(anthocyanin)が含有されており、ケンペロール(kaempferol)、ケルセチン(quercetin)およびナフトキノン(naphthoquinone)が含有されている。薬理作用として、黄色葡萄糖球菌、緑膿菌、チフス菌と赤痢菌に対して抑制作用があることが知られている。主に、小便困難、産後淤血、打撲傷、癰疽、疔瘡などの治療目的で使用される。
【0028】
石榴花は、石榴科の石柳(Punica granatum L.)の花である。石榴花は、鼻出血、中耳炎、刺傷による出血を止血し、吐血、月頃不順、火傷、歯痛などに使用される。
【0029】
旋覆花は、キク科の金仏草(Inula Britannica var. japonica (Thunb.) Franch. & Sav)の花である。旋覆花は、特異な匂いがあり、味は苦辛く、性質は若干温かい。旋覆花は、凝った気を循環させて解き、痰や咳、しゃっくり、おくび、喘息、慢性気管支炎、急性胸膜炎、胸が常に一杯になったかのように息苦しい症状に使用され、悪阻、乳癌、乳癰などに使用される。薬理作用として、気管支の抗けいれん作用、利尿作用などが報告されている。
【0030】
旋花は、ヒルガオ科の多年生つる植物のヒルガオ(Calystegia japonica C.)の花である。花は6〜8月に咲き、薄紅色である。気を補し、顔のそばかすを無くし、顔色を良くするのに使用される。
【0031】
松花は、マツ科の松(Pinus densiflora S. et Z.)の花である。雄花は、雌雄ひと株の松の新しい枝の下に複数個咲き、楕円形で、褐色である。雌花は上方に1〜3本咲き、長さ6mm程度で卵形である。また、その花粉は、光が黄色で甘い香りのすることが特徴であり、主に、茶食や蜜水などを作って食べる時に使用される。
【0032】
コブシは、木蓮科の白木蓮(Magnolia denudate Desrousseaux)または同属植物のつぼみを言う。コブシは、体内の冷たい気運と風から来る鼻詰まり、蓄膿症を治療し、鼻水、匂いを嗅ぐことのできない症状、頭痛や集中力が劣る症状、悪寒、発熱、全身痛を治療し、多くの痰を伴う咳などに効果がある。薬理作用として、収斂作用、毛細管拡張作用、抗炎症作用、血圧降下作用、鎮痛、鎮静作用、皮膚真菌および葡萄状球菌抑制作用が報告されている。
【0033】
蓮花は、スイレン科の蓮(Nymphaea nelumbo L.)の花である。ハスの成分としては、ケルセチン(quercetin)、レテオリン(luteolin)、イソケルセチン(isoquercetin)、ケンペロール(kaempferol)など、多種のフラボノイドが含有されている。ハスは、活血、止血、湿の効能があり、打撲による吐血、水疱瘡を治療するのに使用される。
【0034】
芫花は、フジモドキ科のフジモドキ(Daphne genkwa Siebold et Zuccarini)のつぼみを言う。芫花は、喘息、咳嗽、脇腹にとどまっている水分を下げ、水腫に使用される。また、腹部脹満、腫れ物、頭の発疹、小便および大便不通の症状にも使用される。薬理作用は、尿量増加、腸管および子宮運動抑制、殺虫作用が報告されている。
【0035】
タチアオイは、韓国ではアオイ科のタチアオイ(Althaea rosea Cavanil)の花を言う。見かけは、黄色または淡褐色で、完全な花びらは5本となっている。タチアオイは、白帯下、下腹部冷え症、大小便不通、吐血、子宮出血、火傷、鼻先の赤くなる症状などに使用される。薬理作用として、マラリアに効能があると報告されている。
【0036】
葱花は、ユリ科のネギ(Allium fistulosum L.)の花である。葱花は、脾心痛がある腹部刺痛の治療に使用される。
蒲黄は、ガマ科のガマ(Typha orientalis C. Presl)の花である。その花粉は、血熱を下げ、収斂、止血作用があって、喀血、吐血、鼻血、小便出血、子宮出血に使用され、血液循環を改善させ、血が胸に凝固して生じる腹心部疼痛、産後淤血疼痛、生理痛などに使用される。薬理作用として、子宮興奮、血圧降下、鎮痙、血液凝固時間短縮、結核菌生長抑制、コレステロール降下作用などが報告されている。
【0037】
紅藍花は、キク科の紅花(Carthamus tinctorius L.)の花である。薬理作用としては、平滑筋の興奮を通して子宮、腸管などの収縮作用を強くし、血圧降下、血液凝固の拮抗作用、打撲傷、捻挫傷、腱鞘炎などに有効であると知られている。紅藍花は、活血、痛徑、化、止痛の効能があって、無月経、難産、死産、淤血による痛み、癰腫および打撲傷を治療する。
【0038】
本発明に使用可能な天然物は、豆、訶子肉、葛根、羌活、甘菊、乾地黄、乾漆、甘草、乾姜、牽牛子、決明子、苦楝皮、藁本、苦参、ムレスズメ、カロニン、枸杞子、カッコウ、卷栢、橘皮、金銀花、九節草、菊、桔梗、ハリグワ、子、南星、鹿角膠、緑豆、鹿茸、菱実、カブ、トウキ、ブンタン果実、ノアザミ、大豆黄巻、大麻子、木棗、大青草、大黄、桃仁、独活、冬虫夏草、杜仲、麻黄、バシケン、万病草、蔓参、麦芽、麦門冬、木瓜、木通、木香、ブイ、牧丹皮、薄荷、ボウフウ、半夏、白菜、白屈菜、白頭翁、白薇、白及、白檀、白斂、白茯苓、白附子、柏子仁、白花蛇舌草、白芍藥、ビャクシ、白朮、覆盆子、茯苓、大腹皮、附子、ニラ、北柴胡、ボルネオール、絲瓜絡、沙参、山参、サンザシ、山茱萸、山薬、酸棗仁、山梔子、半夏生、オケラ、桑寄生、桑白皮、常山、桑葉、相思子、生姜、石菖蒲、仙鶴草、雪見草、細辛、蘇葉、松、リュウキュウオウバイ、小茴香、続隨子種子、続断、松茸、升麻、柴胡、神曲、ヤカンモン、ツルドクダミ、魚腥草、連翹、蓮子、蓮の種、レイシ、麗春花、霊芝、烏頭、五加皮、五味子、五倍子、呉茱萸、烏薬、玉米鬚、玉竹、ツメレンゲ、イヌホウズキ、竜胆草、竜眼肉、牛膝、遠志、芫花、月見草、威靈仙、▲楡▼(ニレ)根皮、菜の花、肉從蓉、銀柴胡、淫羊霍、ヨクイニン、益母草、益智、人参、茵陳蒿、日本トウキ、ヒトツバハギ、日センキュウ、シオン、ムラサキ、芍薬、ツリガネニンジン、ニワウルシ、猪苓、赤茯苓、赤何首烏、赤キャベツ、赤芍薬、前胡、ナナカマド、丁香、皀角、皀角子、ササクサ、從蓉、竹茹、地骨皮、枳枸木、知母、地膚子、枳実、地楡、地黄、ソウウズ、真五加皮、小蜜柑草、陳皮、車前子、蒼耳子、センキュウ、天麻、天門冬、川椒、セメウズ、千年草、ウチワドコロ、天山雪蓮、天花粉、青蒿、草果、草烏、梔子、セイソウシ、タチアオイ、沈香、沢蘭、ヘラオモダカ、からたち、土茯苓、兎糸子、土センキュウ、通草、巴戟天、巴豆、蒲公英、蒲黄、布袋蘭、何首烏、クサネム、杏仁、向日葵子、香附子、コウジュ、香椿、香蒲、玄参、ゲンノショウコ、玄胡索、荊芥、胡麻仁、胡蘆巴、カボチャ、紅毛五加皮、紅参、昆布茶、アカツメクサ、紅花、花被、オウゴン、黄耆、黄連、ミヤマナルコユリ、ダンコウバイ、黄柏、厚朴、黒牽牛子およびメナモミからなる群より選択された1種以上である。
【0039】
豆は、大豆ともいう。食用作物として広く栽培されており、実は莢果であり、縞状の平らな楕円形で、1〜7個の種子が入っている。完全に熟すると、さやがほつれて種子が散らばる。種子は、品種によって丸い形状や平らで丸い形状などと多様で、大きさも非常に多様である。種子の色は、黄色、黒色、薄褐色、緑色などと種々ある。
【0040】
訶子肉は、訶子(Terminalia chebula Retzius)の成熟した実から種を除去して乾燥させた果肉であり、下痢、赤痢、帯下、脱肛などの治療に使用される。
葛根は、クズウコンの根を言い、熱を下げ、汗を出し、口渇、頭痛、腰痛、首・肩・背の凝りなどに使用される。
羌活は、セリ科の二年生草または多年生草であり、実は楕円形であり、桔梗と類似な根は、漢方で解熱剤と鎮痛剤として使用される。
甘菊は、多年生草で主に山で成長し、10月に花を乾燥させてお酒に入れて飲み、幼い葉は青采として使用される。花に膿い香りがあり、観賞用としても栽培する。漢方で、熱風邪、肺炎、気管支炎、頭痛、胃炎、膓炎、腫れ物などの治療に処方する。
乾地黄は、生で乾燥させた地黄の根を言い、熱を下げ、補血と止血などの薬材として使用される。
【0041】
乾漆は、漆のやにを集めて乾燥させたものであり、月経障害、淤血、蛔虫症などに使用される。
甘草は、薬用植物であり、根は甘味がし、甘味料、漢方薬として使用される。
乾姜は、乾燥させた生姜を漢方で指す言葉であり、胃寒、嘔吐、下痢の治療に使用される。
牽牛子は、アサガオの種を言い、味が苦くて、性質が冷たく、大小便を円滑にする。便秘、浮腫、積聚、腰痛などの治療に使用される。
決明子は、豆科の一年生草の決明茶の種を言う。実は弓のように曲がって長い▲朔▼(サク)果を結ぶが、その中の種が決明子である。
【0042】
苦楝皮は、ニガキの根や皮を言う。駆虫剤などとして使用される。
藁本は、セリ科の多年生草であり、楕円形の実を結び、根は薬用する。漢方では、秋に根を掘って乾燥させたものを藁本といい、頭痛、関節痛、歯痛、腹痛、下痢、湿疹などに処方する。
苦参は、豆科の多年生草であり、根は薬用する。苦参は、主に根を言い、味が苦く、性質が冷たいため、黄疸、マラリア、下血などに使用される。
ムレスズメは、豆科の落葉闊葉低木であって、観賞用に栽培し、韓国、中国等地に分布する。
カロニンは、ウリ科の多年生蔓草の種を言い、乳と大小便を円滑にしたり、腫れ物を緩和するのに使用される。
【0043】
枸杞子は、枸杞の木の実であって、解熱剤と強壮剤として使用される。
カッコウは、シソ科の多年生草であり、消化障害、炎症の治療などに使用される。
卷栢は、イワヒバ科の多年生草であり、月経不通、下血などを治療するのに使用される。
橘皮は、蜜柑の皮を言い、性質が温かくて消化を助け、咳、下痢、積聚などに薬効がある。
金銀花は、忍冬葛の花を言い、熱を下げ、毒を解く作用をし、癰疽などに使用される。
【0044】
九節草は、キク科の多年生草であり、花をお酒に漬けて飲む。生薬九節草は、茎と葉を乾燥させたものであり、漢方と民間では花の付いた草全体を侈風、婦人病、胃膓病に処方する。
菊は、キク科の多年生草であり、主に秋に花が咲くが、花の形状や色は様々である。
桔梗は、カンパニュラ科の多年生草であり、根は食用するか、去痰や鎮咳の薬材として使用される。
ハリグワは、クワ科の落葉喬木であり、耳鳴症状を治すのに効果があると知られる。
莱服子は、アプラナ科の大根または同属植物の種を言う。食もたれまたは痰を治療するのに使用される。
【0045】
南星は、サトイモ科の多年生草である。痰と咳嗽、中風、癲癇などの治療に使用される。
鹿角膠は、鹿の角を煮こんでのりのように作った薬であり、補血、止血、安胎の作用があり、腰痛、淋疾、帯下などに使用される。
緑豆は、民間で皮膚病を治療するのに使用し、解熱、解毒作用をする。
鹿茸は、新たに伸びた鹿の柔らかい枝角であり、陽気を補し、筋骨を強くする補薬として使用される。
菱実は、菱科の一年生草の菱の実であり、食用される。
【0046】
カブは、アプラナ科に属する緑黄色野菜であり、ビタミン成分が多く含有されている。ビタミンAの効能に次ぐカロチンの含有量がほうれんそうの2倍になり、ビタミン生で100gを食べれば、一日必要量の80%を満たすことができるほどに豊富であり、鉄分とカルシウムも豊富に含有されている。
トウキは、セリ科の多年生草のトウキの根である。主に抗炎症、鎮痛作用などがある。
ブンタン果実は、常緑の亜喬木であり、実は風邪の予防と治療、肝臓病などの治療に使用される。
ノアザミは、キク科の多年生草であり、止血剤として使用される。
大豆黄巻は、豆科の豆(Glycine max Merrill)を発芽させたものを言う。夏季の湿気による四肢麻痺、四肢引きつりの症状、水分滞留による膨張感、小便量の少ない症状に使用する。風邪による熱を下げ、汗を出す時にも使用する。
【0047】
大麻子は、双子葉植物シソ目ナス科の一年生草であり、種子と葉は猛毒性であるが、葉は喘息用タバコとして使用される。
木棗は、ナツメを意味するものであり、実は生で食べるだけでなく、採取した後に乾燥させて、乾果としてお菓子、料理および薬用として使用され、漢方では、利尿、強壮、緩和剤として使用される。
大青草は、キツネノマゴ科の植物のオギノツメ(Hygrophila salicifolia (Vahl) NeeS.)の全草であり、流行性熱病、黄疸を治療し、痰を緩和し、咳を緩和し、吐血を治療すると知られている(中薬大辞典)。油25%程度と極微量のアルカロイド、リン酸カルシウム、塩化カルシウムを含んでいる。
大黄は、タデ科の多年生草であり、根は薬用するが、味が苦くて、大小便不通、うわごと、寝言、積聚、、淤血などに使用される。
桃仁は、桃の種の中にある子仁(種核中にある比較的大きい粒状体)を言うもので、主に漢方薬として使用する。咳、便秘、淤血などに薬用として使用される。
【0048】
独活は、筋肉痛、下半身麻痺、頭痛、中風の半身不随などの治療に多く使用される。
冬虫夏草は、冬虫夏草科の茸を総称する言葉であり、冬には虫だったものが夏には草に変わるという意味である。免疫増強、抗癌、老化防止に効果がある。
杜仲は、杜仲科の落葉喬木であり、漢方では、樹皮を補薬、強壮剤として使用し、大脳を健康にし、肺と膝の痛み、陰湿症を治療するのに使用される。民間では、葉を煎じて神経痛、高血圧に使用し、お茶としても服用する。
麻黄は、麻黄目麻黄科の常緑低木であり、発汗、解熱、鎮咳、利尿剤の効能があり、熱病と喘息の治療に使用される。
バシケンは、飼料や薬材として使用される。この薬材は柔らかい一方で特異な匂いがあり、粘液性であり、味は塩辛くて、性質は冷たい。解熱、解毒、止血効果があり、細菌性赤痢、腫れ物、痔疾、頸部リンパ節炎、湿疹、帯下、子宮出血、排尿困難などに使用する。薬理作用として、抗菌作用、子宮平滑筋収縮力増強による腸管蠕動作用、利尿作用などが報告されている。
【0049】
万病草は、双子葉植物ツツジ目ツツジ科の常緑低木であり、利尿剤と強壮剤として使用される。
蔓参は、双子葉植物カンパニュラ目カンパニュラ科の葛性多年生草であり、去痰剤として使用される。
麦芽は、殻麦に水分、温度、酸素を作用させて発芽させた麦の粒であり、ビール醸造の原料として使用され、微生物の培養器を調製するのにも多く使用される。澱粉のような糖類、ビタミン類が入っており、アミラーゼが強くて、営養剤、消化剤(ジアスターゼなど)、時には家畜の飼料、麦芽糖の製造原料などに利用される。
麦門冬は、単子葉植物ユリ目ユリ科の常緑であり、消炎、強壮、鎮咳、去痰剤および強心剤として使用される。
木瓜は、木瓜/花梨の果実を薬用したものであり、味は酸っぱくて、性質は温かい。筋肉の屈伸障害と脚気病と嘔吐下痢に使用される。
【0050】
木通は、アケビ(Akebia quinata Decaisne)またはその他同属植物の茎で、皮を除去し、横に切って作った薬材であり、膀胱の湿熱による腎盂腎炎、膀胱炎、尿道炎で腹水が満ちる時、心火で口内に発疹が生じる時、胸焼け、小便が赤い時、麻痺疼痛に使用される。
木香は、双子葉植物カンパニュラ目キク科の多年生草であり、発汗、利尿、去痰剤として使用し、駆虫成分がある。
ブイは、ニレ科に属するチョウセンニレ(Ulmus macrocarpa)の熟した実を乾燥させた薬であり、韓国語で「Mu−go」、「Mui−in」、「U−mui」とも言う。膓出血、痔疾、悪瘡などにも使用される。
牧丹皮は、牡丹の根皮で作った薬材であり、血熱による生理不順、生理痛、あざが出来た時、吐血、鼻血、斑点が現れる症状、虚熱による骨痛、血圧上昇、淤血除去、打撲傷、消炎鎮痛、腫れ物治療、虫垂炎初期などに使用され、胸部不快感を解消する。また、薬理作用として、鎮痛、鎮静、解熱、抗けいれん、抗炎症、抗血栓、抗アレルギー、胃液分泌抑制、子宮粘膜充血、抗菌作用などが報告されている。
薄荷は、双子葉植物シソ目シソ科の多年生の宿根草で、薄荷油のメントールは、鎮痛剤、駆虫剤などに薬用するか、歯磨き、ジャム、キャンディー、化粧品などに清凉剤や香料として使用される。
【0051】
ボウフウは、セリ科のボウフウ(Saposhnikovia divaricate Schiskin)の根および根茎を用いて作った薬材であり、風病を治療する上で非常に重要な薬材である。外感性頭痛、悪寒、発熱、全身痛、咽喉痛など、すべての風症に効果がある。
半夏は、サトイモ目サトイモ科の多年生草であり、球根に毒性があるが、漢方では、去痰、鎮咳などの効能があり、嘔吐、下痢、姙娠中の嘔吐に使用される。
白菜は、ケシ目アプラナ科の二年生草であり、白菜100gには、ビタミンA 33IU、カロチン 100IU、ビタミンB
1 0.05mg、ビタミンB2 0.05mg、ニコチン酸 0.5mg、ビタミンC 40mgが入っている。軟白の白い部分にはビタミンAがなく、青い部分に多い。
白屈菜は、ケシ科のクサノオウ(Chelidonium majus Linne)の地上部を言う。薬理作用としては、抗けいれん、腸管蠕動および唾液分泌促進、抗腫瘍、肝炎、抗菌作用が報告された。
白頭翁は、韓国ではキノポウゲ科のオキナ草(Pulsatilla koreana Nakai)または同属植物の根を言う。湿熱による赤痢、アメーバ性赤痢、頸部リンパ節炎、痔疾出血に使用される。
【0052】
白薇は、ガガイモ科の白薇花(Cynanchum atratum Bunge)または同属植物の根で作った薬材であり、血分の熱を下げ、温熱病の後期や産後に人体の気血と津液を消耗して内部に微熱があり、身が気怠い症状を治癒し、発熱、肺熱による咳嗽、利尿、腫れ物、悪瘡、咽喉炎、蛇にかまれた傷に使用される。
白及は、蘭科の紫蘭の塊茎を乾燥させた薬材であり、効能は、肺熱による喀血、胃熱による吐血に使用する止血薬であり、外傷には粉状にして患部に塗る。腫れ物などの外科疾患に使用され、肉芽組織ができるように作用する。また、薬理作用として、局所出血の止血、胃および十二指膓の治療、抑菌、血圧上昇、抗癌作用が報告されている。
白檀は、ビャクダン科の常緑闊葉喬木であり、木の中は薄黄色で良い香りがし、香炉、薬品、細工物などに使用される。
白斂は、ノ葡萄の根を漢方で指す言葉であり、瘡毒と火傷を治療するのに使用される。
白茯苓は、茯苓の菌核を乾燥させたものであり、味は甘くて薄く、性質が穏和で補する作用があり、利尿作用があるが強くない。昔から強壮剤として使用されてきており、肺、脾臓、心臓、神経、膀胱に作用し、脾臓を補し、痰を緩和し、精神を安定させる。薬理実験の結果によれば、利尿作用と血糖量を低下させる作用、鎮静作用などをするとされ、免疫復活作用をするとも知られている。
【0053】
白附子は、根は強い毒があるが、漢方では、鎮痙と鎮痛剤として使用される。
柏子仁は、柏子仁の実の種を言う。心身を安定させ、腸を潤滑にする作用があり、驚悸、動悸、虚汗、便秘などに使用される。
白花蛇舌草は、アカネ科の白花蛇舌草(Oldenlandia diffusa (Willd.) Roxburgh)の全草を言う。肺熱による咳嗽、扁桃腺炎、咽喉炎に使用し、虫垂炎、骨盤炎、黄疸性肝炎、赤痢にも使用し、腫れ物、蛇毒にも解毒作用がある。
白芍藥は、キノポウゲ科の多年生草であり、根は鎮痛、鎮痙、婦人病に使用される。
ビャクシは、ヨロイグサの根を言い、風邪による頭痛や腰痛、鼻淵などに使用され、腫れ物に外科薬としても使用される。
【0054】
白朮は、キク科のオケラまたは白朮の根茎または周皮を除去して乾燥させた薬材であり、脾胃の機能が虚弱で、小食、倦怠感が生じ、顔色が黄色の時または大便が緩いか下痢をする時に良く、水分滞留により全身が腫れて消化しにくい時、水分の排泄を助ける。咳、透明な痰などにも使用され、胃腸障害がある風邪、四肢疼痛にも使用される。
覆盆子は、バラ科の覆盆子いちごのまだ熟していない実で作った薬材であり、匂いがなく、味は酸っぱくて甘く、性質は温かい。腎の機能を高めて、遺精、夢精などに使用され、視力弱化に使用され、身を軽くし、髪を黒くする。また、皮膚を柔らかく且つ美しくしたりする。薬理作用として、抗炎作用、抗酸化作用、抗ヘリコバクターピロリ作用が報告されている。
茯苓は、担子菌類ヒダナシタケ目サルノコシカケ科の茸であり、白色のものを白茯苓、赤色のものを赤茯苓と言う。いずれも、漢方薬として強壮、利尿、鎮静などに効能があり、腎臓病、膀胱炎、尿道炎に利用する。
大腹皮は、ヤシ科のビンロウ(Areca catechu L.)の完熟な果皮で作った薬材であり、浮腫、脹満に使用され、大小便を良くするのに効果的であり、寄生虫駆除作用が報告されている。
附子は、キノポウゲ科に属するアコニットの塊根であり、漢方では、温性の興奮、強心、鎮痛、利尿剤として、桂枝、茯苓、甘草などと共に使用され、絶対に単独では使用しない。新進代謝機能が極度に衰えたのを回復させるほか、冷、悪寒、麻痺、疼痛、神経痛、リウマチ関節炎に使用される。
【0055】
ニラは、ユリ科の多年生草であり、鱗茎は下部に短い根茎があり、外部には黒黄色の繊維がある。鱗茎は健胃、火傷などに使用され、薄い植物体は食用する。種子は、漢方で韭菜子と言って、泌尿の薬材として使用される。
北柴胡は、根にサポニンと脂肪油などが入っていて、漢方で解熱、鎮痛、強壮剤や、呼吸器、消火器、循環器疾患に薬材として使用される。
ボルネオールは、竜脳樹から得た結晶体を言う。芳香性があり、中風や痰、熱病などによる精神の混迷や、咽喉痛などの治療に使用される。
絲瓜絡は、ウリ科のヘチマ(Luffa cylindrical Roemer)の実のうち網状の繊維と維管束を言う。風湿性関節炎の浮腫、発赤に消炎、止痛作用、皮膚細菌感染症抑制などが報告されている。
沙参は、ユリ科のツリガネニンジン(Adenophora triphylla var. japonica Hara)または同属植物の根で作った薬材(韓国)であり、薬理作用として、去痰作用、抗菌作用、溶血作用、強心作用などが報告されている。
【0056】
山参は、深い山で自生する薬効の高い人参の一種であり、味は甘くて少し苦く、性質は少し温かい。脾臓、肺に入って、元気を補する効果がある。
サンザシは、バラ科のサンザシ(Crataegus pinnatifida Bunge var. typica Schneider)および同属植物の熟した実を乾燥させた薬材であり、強心作用、血液循環改善作用、血圧降下作用が報告されている。
山茱萸は、ミズキ科の落葉喬木である山茱萸の実である。果肉には、コルニン(cornin)、モロニサイド(Morroniside)、ロガニン(Loganin)、タンニン(Tannin)、サポニン(Saponin)などの配糖体と、葡萄酒酸、リンゴ酸、酒石酸などの有機酸が含有されており、その他、ビタミンAと多量の糖も含まれている。昔から漢方では果肉を薬用としたが、頭痛、耳鳴、咳嗽病、解熱、月経過多などに薬材として使用され、冷汗、夜尿症などの民間療法にも使用される。
山薬は、ヤマノイモ科(Disocoreaceae)に属する蔓性ヤマノイモ(Disocorea japonica)またはナガイモ(Disocorea batatas)の塊根であり、脾臓と肺を健康にする効能がある。
酸棗仁は、酸棗仁の種で作った薬材であり、神経過敏、不眠症、物忘れ、冷汗などに使用し、脾臓と胃を健康にし、貧血に効果がある。薬理作用は、鎮静、催眠、血圧降下、鎮痛、体温降下作用、抗酸化作用、免疫亢進作用、子宮興奮作用などが報告されている。
【0057】
山梔子は、山梔子木の実であり、解熱、止血、利尿などに薬材として使用される。
半夏生は、双子葉植物コショウ目半夏生科の多年生草であり、身が腫れ、小便不通時に使用され、脚気、黄疸、肝炎などにも使用される。
オケラは、双子葉植物カンパニュラ目キク科の多年生草であり、根茎を蒼朮という薬材として使用するが、発汗、利尿、鎮痛、健胃などに効能があり、食慾不振、消化不良、胃膓炎、風邪などに使用される。
桑寄生は、ヤドリギ科のクワヤドリギ(Loranthus parasticus Merr.)またはヤドリギ(Viscum album L. var. coloratum Ohwi:槲寄生)の葉、茎、枝を乾燥させた薬材であり、桑寄生は、血圧を降下させる作用があり、高血圧によるめまいに使用され、肝腎を補し、骨と筋肉を健康にし、胎動不安に使用される。
【0058】
桑白皮は、クワまたは同属植物の根皮で作った薬材であり、桑白皮は、肺熱による咳嗽、喘息を治療し、利尿作用がある。急性腎盂炎、虚弱性浮腫に使用され、血圧降下作用があり、鼻血と喀血にも使用する。また、流行性肝炎などにも使用される。薬理作用は、鎮咳、利尿、血圧降下、鎮静、鎮痛、解熱、鎮痙、抗菌作用などが報告されている。
常山は、双子葉植物フウロソウ目ミカン科の落葉低木であり、根を臭山羊という薬材として使用するが、風邪による咳嗽、発熱、咽喉痛を治療し、風湿性関節炎、赤痢、腫れ物、マラリアなどに効果がある。
桑葉は、クワ科のクワ(Morus alba L.)または同属近縁植物の葉を乾燥させた薬材であり、発熱、頭痛、眼球充血、咳嗽、口渇、皮膚じんま疹などに使用される。
相思子は、紅豆とも言う。さやには猛毒性のアブリンがあるので、矢の毒として使用され、葉にはグリシリジン(glycirrhizin)が入っていて、甘草のように甘いため、煎じて飲み物にする。
【0059】
生姜は、根茎は乾燥させて粉砕し、パン、お菓子、カレー、ソース、ピクルスなどに香辛料として使用し、皮をむいて沸かした後、シロップに入れて漬けたりし、ショウガ茶とショウガ酒などを作ったりする。漢方では、根茎を乾燥させたものを乾姜という薬材として使用するが、消化不良、嘔吐、下痢に効果があり、血液循環を促進し、抗炎症と鎮痛効果がある。
石菖蒲は、単子葉植物サトイモ目サトイモ科の多年生草であり、根茎を鎮痛剤、鎮静剤、健胃剤として使用し、民間では風呂に入れたりする。
仙鶴草は、バラ科の多年生植物であって、止血、収斂作用、下痢、子宮出血、解毒、吐血、小便出血、癰腫、癌治療剤として使用される。
雪見草は、シソ科植物であり、ミゾコウジュ(Salvia plebeian R. Br.)の根で、味は苦くて辛い。また、腫れを緩和する効能があり、吐血、鼻出血、蜂漏、打撲傷、腫毒を治療するのに使用されることが知られている。
細辛は、ウマノスズクサ科に属する多年生植物であるウスバサイシンとケイリンサイシンの根を乾燥させた薬材であり、風邪や風寒による頭痛、鼻詰まり、熱、痰、咳で息が詰まる時に使用される。喉頭炎、鼻炎、気管支炎に使用することもできる。
【0060】
蘇葉は、シソ科の一年生草であり、葉と茎は薬材として使用し、幼い葉と種は食用する。
松は、マツ科の常緑針葉喬木であり、葉は脚気、消化不良または強壮剤、花は赤痢、まつやには膏薬の原料として使用される。
リュウキュウオウバイは、モクセイ科の植物である探春(Jasminum floridum Bge.)の根を使用し、傷治癒に使用される。
小茴香は、セリ科の一年生草であり、ディル(Dill)とも言う。植物全体で独特の香りがするので、花、葉、茎、種子をハーブとして使用する。種は消化、駆風、鎮静、催眠効果に優れており、口臭除去と動脈硬化症の予防に良く、枕として使用すれば熟睡することができる。
続隨子種子は、薬用植物である続握子の種子であって、油を抽出して残った残渣を、利尿剤、下剤、浮腫、腹水、食中毒などに使用する。続隨子種子は毒性が強いので気を付けなければならない。
続断は、双子葉植物シソ目シソ科の多年生草であり、太い根は切傷と婦人病に使用される。
【0061】
松茸は、松林の土地の上で発生する独特の香りと味が良い代表的なキシメジ科の食用茸である。高級茸として食用され、抗癌効果が知られている。
升麻は、キノポウゲ科の多年生草であって、漢方では、根を解熱剤と解毒剤として使用する。風邪で熱が高い時に使用すれば、汗が出ながら熱が下がると報告されている。
柴胡は、双子葉植物傘形花目セリ科の多年生草であって、根にはサポニンと脂肪油などが入っていて、漢方で解熱、鎮痛、強壮剤や、呼吸器、消火器、循環器疾患に薬材として使用される。
神曲は、通常、6つの薬材を混合して作ったものを言う。消火器の機能を健康にし、消化を助ける作用と共に、お腹を鎮静させる作用を有する。食もたれの時、胸が息苦しくて重たい時、嘔吐と下痢をする時、産後の淤血によってお腹が痛い時に効果を奏する。薬理実験の結果、健胃作用があることが報告されている。
【0062】
ヤカンモンは、双子葉植物バラ目豆科の半潅木であって、陽気不足、陰痿症、早漏、咳、百日咳、蛇にかまれた箇所に使用される。薬理作用として、止咳作用、去痰作用、平喘作用、子宮への作用、抗菌作用などが報告されている。
ツルドクダミは、双子葉植物ミチヤナギ目ミチヤナギ科の蔓性多年生草である何首烏の茎を言い、鎮咳、去痰、関節炎などに効果がある。
魚腥草は、半夏生科の魚腥草の開花期の地上部を言う。魚腥草は、解熱、排膿作用に優れていて、肺膿瘍による咳、膿血を吐く時、肺炎、急慢性気管支炎、膓炎、尿路感染症、腫れ物に使用され、高熱、排尿困難の時に使用される。薬理作用として、抗菌作用、免疫増強作用、抗炎症作用、利尿作用、鎮咳作用が報告されている。
連翹は、モクセイ科のシナレンギョウまたはレンギョウの実を言う。連翹は、熱を下げ、解毒するので、温熱病の初期に心臓の熱を下げ、高熱と精神混迷に使用され、腫れ物、斑疹、虫垂炎、肺膿瘍、リンパ節炎、咽喉炎などに使用されて、利尿、消炎効果がある。薬理作用として、抗菌作用、抗炎症作用、血圧降下、止血作用、肝治療作用、解熱、鎮吐、利尿作用が報告されている。
【0063】
蓮子は、ハスの実を言い、婦人病に使用される。
蓮の種は、ハスの種であり、種皮をむいて乾燥させた薬材を言う。昔から脾胃を助け、精神と気運を増強させ、長期間服用すれば身が軽くなり、老化を防止し、ひもじくなく、寿命が長くなると言って、広く愛用していた補薬剤である。薬理作用として、鼻腔癌と咽喉癌の抑制作用が報告されている。
レイシは、中国南部が原産であり、果樹としてよく栽培される。果肉は酸っぱくて甘く、独特の香りがし、生で食べる。
麗春花は、ケシ花とも言い、民間では、ケシの実と植物体を分離し、応急疾患に使用した。阿片をタバコと共に吸えば痲酔状態になって朦朧さを感じ、習慣性になれば中毒現象が現れ、激しい場合には死に至ったりする。種子は45〜50%の脂肪が入っていて、食用または工業用に使用され、痲酔成分がない。
霊芝は、半円形、伸長形、または扇形状の茸であり、漢方では、強壮、鎮咳、消腫などの効能があり、神経衰弱、心臓病、高血圧、各種癌腫に使用される。
【0064】
烏頭は、キノポウゲ科に属するアコニットの塊根であり、漢方では、温性の興奮、強心、鎮痛、利尿剤として、桂枝、茯苓、甘草などと共に使用され、絶対に単独では使用しない。新進代謝機能が極度に衰えたのを回復させるほか、冷、悪寒、麻痺、疼痛、神経痛、リウマチ関節炎に使用される。
五加皮は、ウコギ科のマンシウウコギまたは同属植物の根、茎および枝の皮を言う。五加皮は、肝と腎臓の気運を補し、筋肉と骨を健康にするので、四肢麻痺、けいれん、腰と膝の軟弱症状、下肢無力感、骨折傷、打撲傷、浮腫などに使用される。薬理作用は、免疫増強、抗酸化、抗疲労、抗高温、抗刺激作用、内分泌機能調節、血圧調節、抗放射能、解毒作用が報告されている。
五味子は、五味子の実であり、甘味、酸味、苦味、塩味、辛味の5つの味がし、その中でも酸味が強い。シザンドリン、ゴミシン、シトラル、りんご酸、クエン酸などの成分が入っていて、心臓を強化させ、血圧を下げ、免疫力を高め、強壮剤として使用される。肺の機能を強化させ、鎮咳、去痰作用があり、咳や口渇などを治療するのに役立つ。
【0065】
五倍子は、同翅目アブラムシ科のヌルデシロアブラムシがウルシ科のヌルデ(五倍子の木)の葉に寄生して作った虫蝋であって、中が空いていて、味が非常に酸っぱい。漢方では、収斂、止血、解毒、抗菌の効力があり、下痢、脱肛、胃潰瘍、十二指膓潰瘍、寝汗、遺精、血便、血尿、口内炎などに処方する。タンニン成分を50〜60%含有していて、タンニン剤を含めて染毛剤やインクの原料になる。
呉茱萸は、双子葉植物フウロソウ目ミカン科の落葉小喬木であって、漢方では、健胃、駆虫、解毒および利尿剤として使用する。
烏薬は、乾燥させた天台烏薬の塊根であり、気をよく通じるようにし、冷えを無くし、腎臓と膀胱を温かくして、心腹痛、脚気、小便頻数などの治療に使用される。
玉米鬚は、漢方でとうもろこしのひげを言い、糖尿病、血圧、コレステロールなどの成人病、利尿、急性胃炎、腎臓炎、妊婦浮腫、消、解熱、止血、結石、胸膜炎、腹水症状、膀胱炎、尿道炎、黄疸、肝炎、胆管炎、肝硬変症、関節炎などに使用する。
玉竹は、アマドコロの根を乾燥させた薬材を言い、清熱、養陰の効果がある。
【0066】
ツメレンゲは、双子葉植物バラ目ベンケイソウ科の多年生草であり、草全体を強壮剤として薬用し、葉は汁を出し、虫にかまれたり、火傷を負った時に使用する。抗癌効果に優れており、解熱、止血、肝炎、湿疹、赤痢、悪性腫瘍、火傷に効果がある。
イヌホウズキは、双子葉植物シソ目ナス科の一年生草であり、風邪、慢性気管支炎、腎臓炎、高血圧、黄疸、腫れ物、癌などに処方する。民間では、生草を粉砕して、病気や傷につけたり、煎じて患部を拭き取る。
竜胆草は、リンドウ科の多年生草であり、肝胆湿熱による黄疸、赤痢、陰部かゆみ症、帯下、湿疹などに活用され、高熱による手足けいれんに配合され、頬痛、頭痛、口が苦く、目が充血し、よく聞こえない症状に使用する。薬理作用として、肝機能保護、胆汁分泌を促進させ、緑膿菌、変形桿菌、脳膜炎双球菌、黄色葡萄状球菌に比較的強い抑制作用が報告されている。
【0067】
竜眼肉は、ムクロジ科の竜顔の仮種皮を言う。質感が柔らかく、粘着性があり、味が甘くて、独特の香りがあり、おつまみとしても使用される。また、竜眼肉は、心臓が不規則に脈動を打ったり、物忘れ、不眠症、消化不良、そして緩い大便が出る時に使用される。病後に元気なく、貧血、倦怠、汗を制御することができない時、産後に気血が虚弱で浮腫が出来た時に使用する。薬理作用としては、疥癬抑制、強壮作用、抗酸化作用、免疫機能活性化作用などがある。
【0068】
牛膝は、ヒユ科のイノコズチまたは牛膝の根を言う。牛膝は、生ものを使用すれば、淤血と腫れ物を無くし、蒸せば、肝と腎臓を補し、筋肉、骨格を健康にする。淤血を除去することで、生理不順、産後腹痛に使用され、骨髓を補充し、陰記をよく通じるようにして関節炎に使用され、陰虚火動による口内と舌の発疹を治療する。また、薬理作用として、子宮興奮作用、コレステロール降下作用、利尿作用、血糖降下作用、肝機能改善作用などが報告されている。
遠志は、双子葉植物フウロソウ目遠志科の多年生草であり、漢方では、根を遠志と言い、去痰剤、強壮剤、強精剤として使用する。
芫花は、ジンチョウゲ科のジンチョウゲのつぼみを言い、喘息、咳嗽、脇腹にとどまっている水分を下げ、水腫に使用される。また、腹部脹満、腫れ物、頭の発疹、小便および大便不通の症状にも使用する。薬理作用として、尿量増加、腸管と子宮運動抑制、殺虫作用が報告されている。
【0069】
月見草は、根を薬材として使用するが、病気によっては葉を使用し、民間では、種子油を糖尿病に服用したりする。解熱、消炎の効能があり、風邪、咽喉炎、気管支炎、皮膚炎に根が良く、種子油は、糖尿病、高血圧、肥満症に効果があり、コレステロールを含めた脂質成分の過多蓄積作用を抑制させるので、高脂血症などに応用される。
威靈仙は、漢方では、根を痛風、関節炎、黄疸、破傷風などに使用する。
▲楡▼根皮は、ニレ皮を言い、胃潰瘍、十二指膓潰瘍、小腸潰瘍、大腸潰瘍、浮腫、水腫、胃癌、直膓癌、子宮癌、利尿、蓄膿症、鼻炎、できもの、腫れ物、腫脹に効果がある。
菜の花は、その油を食用油として、大豆油の次に多く消費しており、油粕は飼料や肥料として使用する。種子から分離した脂肪油を軟膏基剤、油性注射薬の溶剤や、機械の潤滑油として使用する。
【0070】
肉從蓉は、ハマウツボ科の肉從蓉またはその他同属近縁植物の肉質茎を用いて作った薬材であり、特異な匂いがあり、味は甘くて酸っぱく、塩辛く、少し苦く、性質は温かい。肉從蓉は、陽気を補し、腸が乾燥して生じた便秘、腎陽不足の腰痛、足が弱くて力の無い病状、耳鳴、健忘、遺精、遺尿、不妊、帯下、下腹部冷え症、大出血、発汗、便秘などに使用される。また、薬理作用として、血圧降下、唾液分泌促進、呼吸麻痺改善などが報告されている。
銀柴胡は、ナデシコ科の銀柴胡の根を言い、香りがなく、ひりひりし、味は甘く、性質は少し冷たい。陰虚発熱、過労による発熱、冷汗、小児発熱、腹部膨満などに使用される。薬理作用は、粥状動脈硬化症の予防、コレステロール蓄積防止、解熱、殺精作用などが報告されている。
【0071】
淫羊霍は、メギ科のキバナイカリソウまたはその他同属近縁植物の地上部である。淫羊霍は、勃起不全、遺精、子宮冷え症、四肢冷え症、皮膚麻痺、顔面神経麻痺、物忘れ、半身不随、腰と膝軟弱症、高血圧、小児麻痺などに使用される。薬理作用として、精液分泌促進、血圧降下、冠状動脈血流量増加、血糖降下、コレステロール降下、免疫機能増進、鎮咳、去痰、平喘、鎮静作用、抑菌、消炎作用、ニワトリの大腿骨生長と蛋白多糖合成活性化などが報告されている。
ヨクイニンは、イネ科の鳩麦の種皮を除去した種を言う。ヨクイニンは、水腫、脚気、脾胃虚弱で小便が出ない症状、下痢、食欲不振などに使用され、四肢麻痺、疼痛、屈伸不利と、筋肉痛、解熱、排膿、虫垂炎などにも使用する。薬理作用は、抗癌、骨格筋収縮抑制、腸管子宮抑制、鎮静、鎮痛、解熱作用が報告されている。
【0072】
益母草は、シソ科の益母草の花が咲いた時の地上部を乾燥させた薬材を言う。益母草は、無月経、生理痛、産後子宮収縮不良で出血、腹痛がある時に淤血を除去し、子宮収縮を助ける。軽い利尿作用があり、小便量が少なくてよく出ない時、身が腫れた時に使用し、湿疹、かゆみ症、腫れ物などに使用する。薬理作用として、子宮興奮作用、血栓溶解作用、心臓と冠状動脈血流量増加作用、呼吸興奮作用、利尿作用、皮膚真菌抑制作用などが報告されている。
益智は、ショウガ科の益智の実を言う。益智は、脾胃の虚弱による腹部膨満感、腎臓機能の虚弱による頻尿、排便無力の症状、小児夜尿症、妊娠中の子宮出血、脾臓収斂機能が低下して鼻水が出る時に使用される。薬理作用として、心臓収縮力増加、腹水癌細胞抑制、回腸収縮力増加などが報告されている。
【0073】
人参は、双子葉植物傘形花目ウゴキ科の多年生草であり、根は薬用し、昔から不老長生、益気、痩身の名薬とされる。
茵陳蒿は、キク科の茵陳蒿の地上部を乾燥させた薬材を言う。茵陳蒿は、湿熱による黄疸すなわち、急性肝炎に伴った症状、全身黄変、小便が赤くて少ない症状などに使用される。また、慢性肝炎、肝硬変症、肝臓癌、胆嚢炎、胆嚢結石にも使用される。そして、湿疹、疥癬、乾癬、風疹などの皮膚疾患と、感染症による高熱と発狂する症状にも使用する。薬理作用として、胆汁分泌促進作用、解熱、利尿作用、抗微生物作用、実験性服水癌細胞抑制効果などが報告されている。
【0074】
日本トウキは、韓国語で「Il−bon−dang−qui」、「Oae−gang−whal」、「Cha−dang−qui」、「Gat−dang−qui」とも呼ばれ、海辺(水際)でよく成長する。成熟したトウキの根は日本トウキと言って、薬材として使用されるが、免疫機能を有していて、抗癌剤などに利用され、貧血、月経不順、腰膝冷痛、身体疼痛、強壮などに使用される。薬理作用は、血圧を下降させ、利尿作用をすると報告されている。
【0075】
ヒトツバハギは、活血、舒筋、健脾、益腎の効能がある。リウマチによる腰痛、四肢麻痺、半身不随、陰萎、顔面神経麻痺、小児麻痺後遺症を治療する。
日センキュウは、セリ科の多年生草であり、鎮痛、鎮痙、去風、活血などに効果がある。
シオンは、キク科のシオンの根を言い、特異な匂いがあり、ひりひりし、味は少し苦くて甘く、性質は温かい。シオンは、肺を柔らかくし、咳嗽、痰、喘息、益気、平喘に使用され、特に、年月を経た咳嗽、痰に血の混じる症状を治療する。咽喉痛、急慢性呼吸器感染症にも使用される。薬理作用として、鎮咳、去痰、抗菌、腹水癌抑制作用が報告されている。
【0076】
ムラサキは、湖、池、沼などの水の上に伸びた木の枝の上に生長する茸である。
芍薬は、キンボプゲ科の多年生草を総称する言葉であり、花が大きくて、美しく、庭園に観賞用として栽培する。清血作用があり、淤血を無くし、発熱、吐血、經閉、打撲傷などに使用される。
ツリガネニンジンは、双子葉植物キキョウ目キキョウ科の多年生草であり、鎮咳、去痰、解熱、強壮、排膿剤として使用される。
ニワウルシは、ニワウルシの根皮を漢方で指す言葉であり、帯下、下痢、血便の症状に効果がある。
猪苓は、担子菌類ヒダナシタケ目サルノコシカケ科の茸であり、漢方では利尿剤として利用する。
【0077】
赤茯苓は、松根に寄生するサルノコシカケ科の茯苓の菌核であり、外層を除去して作った薬材を言う。小便困難、腹部と全身の浮腫、痰による咳嗽、嘔吐、下痢がある時、神経過敏による物忘れ、遺精に使用し、心臓浮腫にも使用する。薬理作用として、利尿、抑菌作用、腸管弛緩作用、潰瘍予防効果、血糖降下作用、心臓収縮力増加、免疫増強作用、抗腫瘍作用などが報告されている。
赤何首烏は、赤いツルドクダミの根を乾燥させた薬材を言う。腸を保護し、下痢を止めるのに使用する。
【0078】
赤キャベツは、アプラナ科に属するキャベツの一種類であって、胃潰瘍と老化防止、肝機能回復などの効果がある代表的な健康野菜の一つである。きれいな色のため、ザラダなどに飾り用として多く使用され、芽野菜としても利用される。白い通常のキャベツより、果糖と葡萄糖、植物性蛋白質のリシン、ビタミンCなどの栄養成分がさらに多い。また、ビタミンUが豊富で、胃潰瘍に効果があり、老化防止と水銀中毒防止、肝機能回復などの役割を果たすセレン(セレニウム)も豊富で、代表的な健康野菜である。
赤芍薬は、芍薬の一種で、根を切れば赤味を呈するので赤芍薬と言う。
前胡は、セリ科の多年生草であり、漢方では、頭痛、咳嗽、痰などに使用される。
【0079】
ナナカマドは、双子葉植物の離弁花亜綱バラ目バラ科の落葉小喬木であるナナカマドの粗皮を除去したものである。強壮、去風、鎮咳の効能があり、身体虚弱、腰膝痛、風濕臂痛、咳嗽、白髪を治療する。
丁香は、クローブとも呼び、味が甘いながらも辛いため、食欲増進に良いことが知られている。
皀角は、マメ科のサイカチの実を言う。皀角は、強い去痰作用があり、肺結核、肺膿瘍、慢性気管支炎などに使用する。中風による精神混迷、人事不省、癲癇などにも使用し、腫れ物、皮膚潰瘍、便秘などにも使用される。薬理作用は、胃粘膜刺激、呼吸器道内粘液分泌促進、抗菌作用、中枢神経麻痺などが報告されている。
【0080】
皀角子は、マメ科のサイカチの刺を言う。皀角子は、排膿、消炎作用が強くて、腫れ物に使用し、皮膚腫毒を中和する。薬理作用として、急性扁桃腺炎の解熱、消炎作用が報告されている。
ササクサは、単子葉植物イネ目イネ科の竹を言う。
從蓉は、肉從蓉とも言い、肉從蓉またはその他同属近縁植物の肉質茎を用いて作った薬材である。肉從蓉は、陽気を補し、腸が乾燥して生じた便秘、腎陽不足の腰痛、足が弱くて気力のない症状、耳鳴、健忘、遺精、遺尿、不妊、帯下、下腹部冷え症、大出血、発汗、便秘などに使用される。薬理作用として、血圧降下、唾液分泌促進、呼吸麻痺改善などが報告されている。
【0081】
竹茹は、クロチクの薄い内皮を漢方で指す言葉であり、熱を下げ、嘔吐を止め、痰を緩和し、胎児を安定させる効能がある。
地骨皮は、枸杞またはその他同属植物の根皮を乾燥させた薬材を言う。地骨皮は、身が虚弱で生ずる冷汗、咳嗽、喘息、吐血、鼻血、小便出血、高血糖、膏血に良く、神経痛、頭痛、肩の痛み、筋肉痛、腰痛、腰と膝の無力感がある場合に使用する。薬理作用は、心血管系痛の血圧降下作用、血糖降下作用が報告されている。
枳枸木は、ケンポナシの茎皮を言う。枳枸木は、血液循環を助け、筋肉を弛緩し、薬理作用として、肝保護作用が報告されている。
【0082】
知母は、単子葉植物ユリ目知母科植物であり、根茎には、薬の成分として使用可能なアスポニン、サルサポゲニンなどが入っている。漢方では、根茎を薬材として使用するが、解熱剤として使用し、慢性気管支炎、糖尿病などに効果があると報告されている。
地膚子は、アカザ科の一年生草の種を言う。地膚子は、強壮、利尿剤として使用され、甲状腺機能亢進症とアトピー症状に薬材として使用されると報告されている。
【0083】
枳実は、からたちの幼い果実を言い、気が停滞して胸とお腹の膨張感、胸が息苦しくて押せば痛い症状、浮腫、消化不良、便秘などを治療し、最近、胃下垂、子宮脱、脱肛などにも効果があることが明らかになった。薬理作用は、子宮収縮作用、胃腸運動亢進作用、強心作用、利尿作用などが報告されている。
地楡は、ワレモコウの薬名であって、下痢、大腸炎、出血、悪瘡、火傷などに使用され、特に、止血作用が強くて、種々の出血を止めるのに多く使用される。
【0084】
地黄は、ゴマノハグサ科の植物であり、漢方では、根の生ものを生地黄、乾燥させたものを乾地黄、蒸して乾燥させたものを熟地黄と言う。熟地黄は、補血剤として使用され、生理不順、虚弱体質、子供の発育不振、痴ほう、早漏症、勃起不全に使用し、生地黄は、虚弱体質、吐血、鼻血、子宮出血、生理不順、便秘に使用し、乾地黄は、熱病後に生ずる口渇と、臓器内部の熱による消渇症に効果があり、吐血と鼻血を止めると報告されている。
ソウウズは、キノポウゲ科植物であり、漢方では、根を乾燥させたものを薬材として使用するが、去風、鎮痛、利尿効果があり、関節炎、筋肉と骨のけいれん、黄疸、小便が出ない時に使用すると報告されている。
【0085】
真五加皮は、五加皮の一種類を言う。外的には風湿を無くし、経絡をよく疏通させ、鎮痛作用を有しており、肝臓と腎臓の機能を健康にし、筋肉と骨を健康にする。
小蜜柑草は、畑や草地に成長するトウダイグサ科の一年生草であり、慢性肝炎と、腎炎、膓炎、赤痢、視力を改善する効能があると知られている。
陳皮は、蜜柑の実皮を薬用したものを言う。陳皮は、気をリラックスさせ、脂肪の機能を強化し、腹部脹満、おくび、嘔吐、吐き気、消化不良、ガスがたまりけだるい症状、大便の緩い症状を治療する。咳嗽、痰を除去し、利尿作用をする。薬理作用は、精油成分が消火器刺激、消化促進、去痰、抗潰瘍、胃液分泌抑制、強心、血圧上昇、抗アレルギー、胆汁分泌促進、子宮平滑筋抑制、抗菌作用などをすると報告されている。
【0086】
車前子は、オオバコの種を漢方で指す言葉である。車前子は、排尿を良くし、下痢を緩和し、視力を改善し、咳を止めるのに使用される。
蒼耳子は、キク科のオナモミの実を言う。蒼耳子は、風寒を無くす薬材であり、蓄膿症、鼻炎、頭痛、発熱、咳、四肢疼痛麻痺、屈伸が自由でない時、皮膚かゆみ症、中耳炎に使用される。薬理作用は、精油とアルカロイドに毒性反応、血糖降下、白血球減少防止、鎮咳、心臓抑制作用などが報告されている。
センキュウは、セリ科植物であり、漢方では、根茎を、鎮静、鎮痛、強壮に効能があって、頭痛、貧血症、婦人病などに使用する。
【0087】
天麻は、単子葉植物ラン目ラン科の多年生草を言い、全草を強壮剤、神経衰弱、めまい、頭痛に使用する。
天門冬は、ユリ科の植物であり、若枝を食用し、根を鎮咳、利尿、強壮剤として使用する。禁忌としては、身が冷たく、腸が弱くて下痢をする人には適用しないと報告されている。
川椒は、芸香科の山椒または同属植物の果皮であり、種を最大限に除去して作った薬材である。川椒は、腹部の冷気による腹痛、下痢と歯痛、喘息、腰痛に使用し、殺虫作用があって、疥癬、乾癬、陰部かゆみ症、陰嚢湿疹などにも使用する。薬理作用として、局所痲酔作用、腸管蠕動作用、抗菌作用などが報告されている。
【0088】
セメウズは、漢方で排尿困難、尿路結石、リンパ腺炎、痔疾、子宮炎、淋疾、けいれん、癲癇などに処方する。民間療法としては、蛇や虫などにかまれた時、粉砕して傷につける。
千年草は、血液循環を良くし、心臓と胃の痛み治療、解熱鎮静剤、咳、赤痢、痔疾、気管支喘息、寝不足などに効果的である。
ウチワドコロは、漢方で根茎を薬材として使用するが、淤血が固まって凝結された時にお酒に入れて服用し、淤血のために生じた冠状動脈障害に使用し、肺の熱のために生じた咳と喘息を緩和し、血の熱を下げるので、腫れ物と皮膚発疹に使用される。
【0089】
天山雪蓮は、キノポウゲ科の多年生草であって、特に、男性の回春を助け、各種婦人病、冷病、腎臓、関節炎、糖尿病、風湿、子宮冷え症などに大きな効き目があり、残病に効き目が大きいとされる。
天花粉は、ウリ科のキカラスウリまたはオオカラスウリの皮層を除去した根を言う。熱によって津液が損傷した時に消渇症、腫れ物、膿を治療する。主に肺と胃の熱を下げ、津液を作って口渇を解消し、身体を快適にする。薬理作用として、悪性葡萄胎と上皮細胞癌腫抑制、子宮平滑筋興奮、肝臓癌抑制効果、血糖降下、抑菌作用などが報告されている。
青蒿は、マラリアと夏の暑さによる吐き気、頭痛、嘔吐を治療し、虚熱による骨の痛み、微熱症状と夏風邪を治療する。顔色を良くし、白髪を黒くする。薬理作用として、マラリア原虫抑制、肝臓ジストマ抑制、血圧降下、解熱、皮膚真菌抑制、鎮咳、去痰、喘息、胆汁分泌、免疫調節作用などが報告されている。
【0090】
草果は、ショウガ科の植物であり、韓国では草果の実を使用する。草果は、脾胃を温かくし、湿気を除去し、腹痛、腹部脹満、吐き気、嘔吐、下痢に使用される。
草烏は、キノポウゲ科のハナカズラまたは同属近縁植物の塊根を用いて作った薬材である。草烏は、頭痛、腹痛、腫れ物、半身不随、人事不省、顔面神経麻痺に使用される。風湿症による麻痺症状や人事不省、リウマチ性関節炎、神経痛、腰痛、破傷風などを治療し、お腹が冷えて生ずる腹痛などに応用される。薬理作用として、鎮痛、鎮静、抗炎、局所麻痺緩和作用があり、多量服用時、心臓運動興奮作用が報告されている。
梔子は、アカネ科の常緑低木である梔子の実を言う。漢方では、不眠症と黄疸の治療に使用し、消炎、止血および利尿の効果があると報告されている。
【0091】
セイソウシは、ヒユ科のノケイトウの種を言い、セイソウシは、肝熱を下げるので、充血、目ぼし、涙が出ながら光を避ける症状、高血圧、頭痛に使用される。薬理作用として、眼科疾患に使用され、皮膚のできものに応用される。
タチアオイは、アオイ科のタチアオイを言い、タチアオイは、白帯下、下腹部冷え症、大小便不通、吐血、子宮出血、火傷、鼻先の赤くなる症状などに使用される。薬理作用として、マラリアに効能があると報告されている。
沈香は、ジンチョウゲ科の常緑喬木であり、漢方では、茎を薬材として使用するが、鎮静、健胃、通気作用があり、消化不良、食慾不振、嘔吐、気管支喘息、早漏、精力、精力不足などに効果がある。
【0092】
沢蘭は、シソ科のシロネの花が咲く前の地上部を言う。沢蘭は、淤血による無月経、生理痛、産後腹痛、打撲傷に使用し、腫れ物、肝機能障害、産後排尿困難に効果がある。淤血を緩和する薬のうち精気を損なわない長所があり、婦人科で多く応用される。薬理作用として、強心作用が報告されている。
ヘラオモダカは、漢方で根茎を利尿剤、水腫、淋疾に薬として使用すると報告されている。
からたちは、からたちの実で、香りが良く、薬用する。
土茯苓は、サルトリイバラの根を言う。土茯苓は、澱粉が多く入っており、便秘、梅毒、淋疾、胎毒、悪瘡、慢性皮膚炎、水銀中毒、風邪、神経痛に効果があると知られている。
【0093】
兎糸子は、ヒルガオ科に属する一年の蔓性植物であるネナシカズラの種を言う。兎糸子は、主に肝と腎臓を保護し、視力を改善し、陽気を助け、腎臓機能を健康にする薬材として知られている。腎臓が虚弱で生じた男性の性交不能症、自然な精液放出、夢精などに効果がある。骨を健康にし、腰力を強くし、腎臓機能の虚弱による腰と膝が冷たくて痛い症状を治療する。また、頻尿症、排尿困難、下痢を治療し、糖尿病の治療にも効果があると報告されている。
土センキュウは、土センキュウの根を薬用したもので、鎮痙、鎮静、血圧強化、血管拡張、抗菌作用などの治療に使用されている。
通草は、ウコギ科のカミヤツデの茎を言う。通草は、熱を下げ、小便量を増やし、淋疾、尿道炎、膀胱炎、産後乳汁分泌を促進すると報告されている。
【0094】
巴戟天は、韓国語で「No−ni」とも言い、葉、茎、花、実および種などが民間療法に使用されてきた。アントキノン、セロトニンなどの成分が入っていて、消化作用を助け、痛みを低減し、高血圧と癌などにも効果があることが明らかになった。
巴豆は、トウダイグサ科の常緑闊葉低木であり、漢方ではその種を言う。味が辛く、熱性の毒がある薬材であり、腹部に水が満ちてお腹がもたれる場合や便秘に使用される。
蒲公英は、カントウタンポポまたは同属植物の全草を乾燥させた薬材を言う。熱毒を下げ、腫れ物を緩和する薬であって、腫脹、乳房炎、咽喉炎、癰腫(虫垂炎、肺膿瘍、腹膜炎)に使用し、眼球充血、急性肝炎、黄疸、熱によって小便が出にくい症状に使用する。薬理作用として、抑菌作用、免疫機能強化、胆汁分泌作用、肝機能保護作用、利尿作用が報告されている。
【0095】
蒲黄は、ガマ科のガマまたは同属植物の花粉を言う。蒲黄は、血熱を下げ、収斂、止血作用があり、喀血、吐血、鼻血、小便出血、子宮出血に使用し、血液循環を改善させ、血が胸に凝固して生ずる腹心部疼痛、産後淤血疼痛、生理痛などに使用する。薬理作用として、子宮興奮、血圧降下、鎮痙、血液凝固時間短縮、結核菌生長抑制、コレステロール降下作用などが報告されている。
布袋蘭は、ラン目ラン科の多年生草であって、根茎が肉質で楕円体であり、葉は葉柄があり、卵形状または卵形状楕円形である。実は▲朔▼果である。
何首烏は、中国原産で薬用植物として栽培されている。漢方では、赤味を帯びた褐色の塊根を指し、強壮剤、強精剤、緩和剤として使用する。葉は、青采とし、生葉を腫れ物につけて膿を吸収させる。
クサネムは、熱を下げ、風を除去し、解毒する効能がある。風熱による風邪、黄疸、赤痢、腹部膨満、皮膚炎などを治療するのに使用される。
杏仁は、アンズの種を漢方で指す言葉であり、咳、喘息、便秘などに使用される。
【0096】
向日葵子は、ひまわりの種を言い、コレステロール数値を低減し、心血管の疾患および動脈硬化を予防する。また、カルシウム、カリウム、鉄分などの無機質が豊富で、消火器が弱く、身が冷たく虚弱な人にも良い効能を示す。高血圧や神経過敏にも優れた効果を示す。
香附子は、カヤツリグサ科の多年生草であり、根の先に付いた塊根は、精油と脂肪油を含み、漢方では、頭痛、腹痛および月経不順に使用し、民間で肺結核の鎮咳剤としても使用すると報告されている。
コウジュは、シソ科の植物であり、発汗、解熱、利尿、止血剤として、できもの、脚気、水腫、胃炎、鼻血および口臭を治療するのに使用すると報告されている。
香椿は、香椿の果実を言う。香椿は、去風、散寒、止痛の効能があり、風寒外感、心胃気痛、リウマチ性関節痛、疝気を治療する。
香蒲は、血熱を下げ、収斂、止血作用があり、喀血、吐血、鼻血、小便出血、子宮出血に使用し、血液循環を改善させ、血が胸に凝固して生ずる心腹部疼痛、産後淤血疼痛、生理痛などに使用する。薬理作用として、子宮興奮、血圧降下、鎮痙、血液凝固時間短縮、結核菌生長抑制、コレステロール降下作用などが報告されている。
【0097】
玄参は、玄参科の多年生草であり、漢方では、根を解熱剤として、咽喉炎、腫れ物、リンパ腺炎に使用すると報告されている。
ゲンノショウコは、フウロソウ科の一年生草を言い、風習を除去し、血流循環を促進して骨格と筋肉を壮健にするので、四肢麻痺疼痛、関節不利、打撲傷などに活用される。また、赤痢と慢性下痢腹痛、膓炎に効果があり、皮膚かゆみ症と疥癬、悪瘡にも効力を示す。
玄胡索は、ケシ目玄胡索科の多年生草植物であり、漢方では、塊茎を精血剤、鎮痙剤および鎮痛剤として使用すると報告されている。
荊芥は、シソ科の一年生草であり、漢方では、全草を乾燥させたものを指し、風邪で熱が出て、頭痛が生じたり、喉が痛く、腫れたところから血が出る時に使用すると報告されている。
胡麻仁は、胡麻や黒ごまを漢方で指す言葉であり、肝腎を補し、できものがあるか、白髪の多い人に効果があると知られている。
【0098】
胡蘆巴は、バラ目豆科の一年生草であり、胡蘆巴の種は、主として日差しで乾燥させて薬用する。種には、非常に少ない量の精油が入っており、この精油には、約40個の成分、すなわち様々な種類のアルカロイド、蛋白質、脂肪などが入っている。性質が温かく、毒がなくて、アフリカ、中東、インド等地では、昔から膀胱と腎臓の病気を治療するのに利用し、冷汗が流れたり、お腹の冷たい人を治療するのにも利用している。近年、体内の血糖とインスリンの均衡を維持するのに効果があり、体重調節にも効果があると知られていて、活発に研究されている。
カボチャは、ウリ科の蔓性一年生草であり、果菜類の中では澱粉含有量が最も多いため、じゃがいも、さつまいも、豆に次いでカロリーが高いと知られている。通常は料理用に利用されるが、熟果は、多量のビタミンAを含有し、ビタミンBおよびCを少し含有していて、ビタミン源として非常に重要である。
【0099】
紅毛五加皮は、刺が紫赤色のエゾウコギを言う。
紅参は、水参を蒸して乾燥させた赤い人参であって、中枢神経に対して鎮静作用と興奮作用があり、循環系に作用して高血圧や動脈硬化の予防効果がある。その一方で、造血作用と血糖値を低下させ、肝を保護し、内分泌系に作用して性行動や生殖効果に間接的に有効に作用し、抗炎および抗腫瘍作用があり、放射線に対する防御効果、皮膚を保護し柔らかくする作用もある。紅参の効果のうち重要なのは、アダプトゲン(adaptogen)効果であって、周囲環境から来る各種の有害作用の▲涙▼病、各種ストレスなどに対して防御能力を増加させ、生体をより容易に適応させる能力があることが科学的に立証されている。
昆布茶は、砂糖の入った紅茶であり、酵母を培養し、癌抑制、コレステロールや血圧降下、二日酔い予防などの効果がある。
アカツメクサは、豆科多年生草であり、民間療法では、全草を利尿、鎮痛、消化健胃、痰、止血などの薬材として使用する。
【0100】
紅花は、漢方で婦人病、月経痛、腹痛に使用し、実からの油を塩辛くて灯油と食用にし、種子からの油にはリノール酸(linolic acid)が多く入っていて、コレステロール過多による動脈硬化症の予防と治療に良い。
花被は、雄しべと雌しべの外側に位置し、雄しべおよび雌しべを保護する花の要素で、花蓋とも言う。
オウゴンは、シソ科の多年生草を言い、漢方では、根を解熱、利尿、止瀉、去痰および消炎剤として利用する。
黄耆は、豆科の多年生草を言う。一般に薬草として栽培し、漢方では、秋に採取し、露頭とひげ根を除去し、日差しで乾燥させたものを漢方薬剤の黄耆と言い、強壮、止汗、利尿、消腫などの効能があり、身体虚弱、疲労倦怠、気血虚脱、脱肛、子宮脱、内臓下水、冷汗、末梢神経などに処方すると報告されている。
【0101】
黄連は、生薬用に栽培され、漢方では、健胃、鎮静、消炎、抗菌などの効能があり、消化不良、胃炎、膓炎、腹痛、嘔吐、赤痢、心悸、煩熱、精神不安、咽喉腫痛、吐血、鼻血、下血、火傷などの治療に処方する。
ミヤマナルコユリは、ミヤマナルコユリの根を漢方で指す言葉であり、身が虚弱で元気がなく、痩せるのに補薬として使用される。
ダンコウバイは、ダンコウバイの小さい枝を乾燥させたものを言い、漢方では、淤血、腹痛、産後痛、痰に薬材として使用される。
【0102】
黄柏は、ミカン科に属する黄柏の皮を乾燥させたものを言い、血糖低下、肺炎双球菌、ヒト型結核菌、葡萄状球菌などに対して発育阻止作用をすると同時に、腫瘍細胞の繁殖を阻止させ、殺菌作用をする。服用する場合には、味覚反射の促進によって胃液の分泌を促進させ、食用の促進ももたらす。一般アルカロイドが有する全身作用をせず多量投与しても副作用がないので、整腸剤だけでなく、健胃剤で使用することができる。また、この薬材に対して様々な細菌の耐性も生じないので、流行性眼病が流行る時、洗顔消毒薬としても使用することができる。その他、血圧降下、中枢神経系抑制、抗炎症などの効果も報告されており、東洋医学では、黄連解毒湯、柴胡清肝湯、荊芥連翹湯などに使用されている。
【0103】
厚朴は、双子葉植物キノポウゲ目クスノキ科の常緑喬木であり、喘息と胃膓病に使用される。
黒牽牛子は、アサガオの黒い種を言い、瀉下作用と利尿作用が強くて身が腫れる時、慢性腎盂腎炎、肝硬化などで腹水が満ちる時に使用される。
メナモミは、キク科のコメナモミまたはメナモミの地上部を用いて作った薬材を言う。メナモミは、風湿を除去し、関節炎、四肢疼痛麻痺、屈伸不利、下肢無力および中風による半身不随などに使用され、腫れ物、発疹、皮膚かゆみ症、湿疹などに使用される。高血圧、頭痛、めまい、急性肝炎などに使用する。薬理作用として、関節浮腫抑制、血圧降下作用が報告されている。
【0104】
本発明の薬用花を活用した包み発酵抽出物は、洗浄および乾燥した天然物を30分〜2時間煮るか蒸すステップと、煮るか蒸した天然物を30分〜1時間常温で冷却させるステップと、冷却した天然物を薬用花に包むか薬用花で覆い、素焼きの陶器に入れて、陰地で4〜7日間常温発酵させるステップと、発酵した天然物から薬用花を除去して抽出するステップとにより製造される。
【0105】
一般的に、糖、塩または酵母を混ぜることなく天然物を発酵させる場合、天然物が発酵せずに腐ってしまうが、本発明の方法により、薬用花を用いて天然物を発酵させると、糖、塩または酵母の添加なしにも天然物が腐ることなく発酵できる利点がある。また、本発明の方法により、薬用花を粉砕、混合せずに薬用花の全形をそのまま用いて天然物を発酵させると、天然物と薬用花との分離が容易なだけでなく、混合した時より効果がより高い利点がある。
【0106】
この時、発酵時に使用する薬用花の量は、特に制限されないが、好ましくは、発酵させようとする天然物の重量に対して1〜40重量%の量で使用することができる。
【0107】
本発明では、抽出溶媒として水または有機溶媒を使用することができ、より具体的には、精製水、メタノール、エタノール、グリセリン、エチルアセテート、ブチレングリコール、プロピレングリコール、ジクロロメタンおよびヘキサンからなる群より選択された1種を単独または2種以上混合して使用することができる。
【0108】
この時、抽出温度は10〜80℃が好ましく、6〜24時間抽出するのがよい。前記抽出温度および抽出時間を超えると、抽出効率が低下したり、成分の変化が生じることがある。
【0109】
前記溶媒を用いて抽出物を得た後、当該技術分野で知られている通常の方法により、常温で冷浸、加熱および濾過して液状物を得ることができ、または、追加的に溶媒を蒸発、噴霧乾燥または凍結乾燥することにより、包み発酵抽出物を製造することができる。
【0110】
本発明の包み発酵抽出物は、組成物の総重量に対して0.001〜30重量%の量で含有される。0.001重量%未満では所望の効果を期待することができず、30重量%を超える場合には、含有量の増加に比べてその効果の増加がわずかで、剤形安定性が悪くなることがある。
【0111】
本発明にかかる薬用花を用いた包み発酵抽出物は、皮膚の抗酸化、抗老化、美白、保湿効果が非常に優れている。
【0112】
本発明の皮膚外用剤組成物において、前記皮膚外用剤組成物は、柔軟化長水、栄養化粧水、マッサージクリーム、栄養クリーム、エッセンス、パック、ゲル、アンプルまたは皮膚粘着タイプの化粧料剤形を有するか、ローション、軟膏、ゲル、クリーム、パッチまたは噴霧剤のような経皮投与型剤形を有することを特徴とする。
【実施例】
【0113】
以下、実施例および試験例に基づいて本発明をより詳細に説明するが、本発明の範囲が必ずしもこれらの例に限定されるものではない。
【0114】
[実施例1]ハスを用いて包み発酵させた黒豆抽出物の製造
市販の黒豆(=鼠目太)1.5kgを水2Lに入れて、中火(60〜80℃)で1時間煮た。煮た黒豆を取り出した後、常温で1時間冷やし、冷やした黒豆30gずつをハスの内部に入れて包んだ後、ハスがほつれないように木綿糸でよく縛った。このような方法で煮た黒豆をハスに包んで作った材料を素焼きの陶器に入れて、陰地で常温条件で7日間保管した。次いで、ハスを除去した後、黒豆を回収してミキサで粉砕した後、70%のエタノール水溶液7Lを入れて、3回還流抽出した後、15℃で1日間浸漬させた。その後、濾布濾過と遠心分離により残渣と濾液を分離し、分離された濾液を減圧膿縮して、ハス包み発酵黒豆抽出物195gを得た。
【0115】
[比較例1]黒豆抽出物の製造
市販の黒豆(=鼠目太)1.5kgをミキサで粉砕した後、70%のエタノール水溶液7Lを入れて、3回還流抽出した後、15℃で1日間浸漬させた。その後、濾布濾過と遠心分離により残渣と濾液を分離し、分離された濾液を減圧膿縮して、黒豆抽出物180gを得た。
【0116】
[比較例2]一般発酵黒豆抽出物の製造
市販の黒豆(=鼠目太)1.5kgを水2Lに入れて、中火(60〜80℃)で1時間煮た。煮た黒豆を取り出した後、常温で1時間冷やし、冷やした黒豆を素焼きの陶器に入れて、陰地で常温条件で7日間保管した。この時、前記実施例1とは異なり、黒豆の発酵がまともに行われず腐ることが観察された。以後、黒豆をミキサで粉砕した後、70%のエタノール水溶液7Lを入れて、3回還流抽出した後、15℃で1日間浸漬させた。その後、濾布濾過と遠心分離により残渣と濾液を分離し、分離された濾液を減圧膿縮して、一般発酵黒豆抽出物231gを得た。
【0117】
[比較例3]一般発酵ハス抽出物の製造
市販のハス1.5kgを水2Lに入れて、中火(60〜80℃)で1時間煮た。煮たハスを取り出した後、常温で1時間冷やし、冷えたハスを素焼きの陶器に入れて、陰地で常温条件で7日間保管した。この時、ハスの発酵がまともに行われず腐ることが観察された。以後、ハスをミキサで粉砕した後、70%のエタノール水溶液7Lを入れて、3回還流抽出した後、15℃で1日間浸漬させた。その後、濾布濾過と遠心分離により残渣と濾液を分離し、分離された濾液を減圧膿縮して、一般発酵ハス抽出物105gを得た。
【0118】
[比較例4]ハスと混合して発酵させた黒豆抽出物の製造
市販の黒豆(=鼠目太)1.2kgを水2Lに入れて、中火(60〜80℃)で1時間煮た。煮た鼠目太を取り出した後、常温で1時間冷やし、冷やした黒豆とハス0.3kgとをよく混ぜた。このような方法で作った材料を素焼きの陶器に入れて、陰地で常温条件で7日間保管した。この時、黒豆からハスを分離することは非常に難しく、混合した状態でミキサで粉砕した後、70%のエタノール水溶液7Lを入れて、3回還流抽出した後、15℃で1日間浸漬させた。その後、濾布濾過と遠心分離により残渣と濾液を分離し、分離された濾液を減圧膿縮して、ハス混合発酵黒豆抽出物254gを得た。
【0119】
[試験例1]抗酸化効果試験(DPPHテスト)
前記比較例1〜4および実施例1で製造した抽出物の抗酸化効果を調べるために、有機ラジカルのDPPH(1,1-ジフェニル-2-ピクリルヒドラジル;1,1-diphenyl-2-picryl hydrazyl)の還元によって(抗酸化剤は酸化される)発生する吸光度の変化を通してDPPH酸化抑制効能を比較測定することにより、抗酸化能を評価する方法で行った。すなわち、前記比較例1〜4で得られた抽出物と、実施例1で得られた抽出物に対して、DPPHの酸化が抑制され、吸光度が対照群に比べて減少する程度を測定し、対照群の吸光度に比べて50%以下の吸光度を示す濃度を有効抗酸化濃度と評価した。
【0120】
100μM(inエタノール)DPPH溶液190μLと、前記で得られた比較例1〜4、実施例1および陽性対照群をそれぞれ10μLずつ入れて反応液を作り、37℃で30分間反応させた後、540nmで吸光度を測定した。前記陽性対照群としては、広く使用している合成抗酸化剤のトロロックス(Trolox)を用いた。各物質のDPPH分析の結果は下記の表1に示し、IC
50は、添加した試料によって吸光度が50%減少した時の試料の濃度を意味する。
【0121】
【表1】
【0122】
前記表1から確認できるように、実施例1のハス包み発酵黒豆抽出物の抗酸化能は、生品抽出物(比較例1)およびハスと混合して黒豆を発酵させた抽出物(比較例4)よりはるかに優れているだけでなく、陽性対照群として用いた合成抗酸化剤のトロロックスと比較してもその効果がはるかに優れていた。また、薬用花なしに黒豆を発酵させた一般発酵抽出物(比較例2)と薬用花単独発酵抽出物(比較例3)は、抗酸化効果がほとんどないことが分かった。したがって、本発明にかかる薬用花包み発酵抽出物は、抗酸化効果に優れていることが分かった。
【0123】
[試験例2]抗老化効果試験I(コラゲナーゼ発現抑制効能の測定)
前記比較例1〜4と実施例1で得られた抽出物のコラゲナーゼ生成抑制能を、トコフェロールおよびEGCGと比較して測定した。トコフェロールおよびEGCGは、抗酸化物質であって、皮膚の表皮細胞を再生させて皮膚の老化を防止する機能があると知られている物質である。
【0124】
試験は、2.5%のウシ胎仔血清が含有されたDMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Media)培地の入っている96ウェルプレート培養器(96-well microtiter plate)にヒトの繊維芽細胞を5,000細胞/ウェル(well)となるように入れて、90%程度成長するまで培養した。その後、無血清DMEM培地で24時間培養した後、無血清DMEM培地に溶かされた前記比較例1〜4、実施例1の抽出物、トコフェロールおよびEGCGそれぞれを10
−4モルの濃度で24時間処理した後、細胞培養液を採取した。
【0125】
採取した細胞培養液を商業的に利用可能なコラゲナーゼ測定器具(米国アマシャムファルマシア社)を用いてコラゲナーゼの生成程度を測定した。先ず、一次コラゲナーゼ抗体が均一に塗布された96ウェルプレート(96-well plate)に採取された細胞培養液を入れて、3時間、抗原−抗体反応を恒温槽で実施した。
【0126】
3時間後、発色団の結合された二次コラーゲン抗体を96ウェルプレート(96-well plate)に入れて、さらに15分間反応させた。15分後、発色誘発物質を入れて、室温で15分間発色を誘発させ、さらに1Mの硫酸を入れて反応(発色)を中止させると、反応液の色は黄色を呈し、反応進行程度によって黄色の程度が異なって現れた。
【0127】
黄色を呈する96ウェルプレート(96-well plate)の吸光度を吸光計を用いて405nmで測定し、下記の数式1によってコラゲナーゼの合成程度を計算した。この時、組成物を処理しない群の採取された細胞培養液の反応吸光度を対照群とした。すなわち、非処理群におけるコラゲナーゼの発現程度を100にし、これに対して、試験物質を処理した群におけるコラゲナーゼの発現程度を求め、その結果は下記の表2に示した。
【数1】
【0128】
【表2】
【0129】
コラゲナーゼの発現程度が低いほど、コラゲナーゼの発現抑制能が高く、皮膚内のコラーゲンの分解が少なく生じて、生成されるシワの量は少なくなる。前記表2からみると、本発明にかかるハス包み発酵黒豆抽出物は、試験管内(invitro)で生品抽出物(比較例1)およびハスと混合して黒豆を発酵させた抽出物(比較例4)よりコラゲナーゼの発現を効果的に抑制し、抗酸化物質として知られているトコフェロールよりもコラゲナーゼの発現抑制能に優れていることを確認することができた。また、薬用花なしに黒豆を発酵させた一般発酵抽出物(比較例2)と薬用花単独発酵抽出物(比較例3)は、コラゲナーゼの発現抑制能が非処理群と類似の水準で、抗老化効果がほとんどないことが分かった。
【0130】
したがって、本発明にかかる薬用花包み発酵抽出物は、コラゲナーゼの発現を効果的に抑制することにより、皮膚内のコラーゲン分解を減少させ、抗老化効果に優れていることが分かった。
【0131】
[試験例3]抗老化効果試験II(プロコラーゲン生成促進効能実験)
前記比較例1〜4および実施例1で得られた抽出物のプロコラーゲン生成能を、ビタミンCと比較して測定した。プロコラーゲンは、コラーゲン生成誘導物質であって、コラーゲンの生成および老化防止に必要な物質であり、ビタミンCは、コラーゲンの合成において必須成分と知られている。
【0132】
試験は、2.5%のウシ胎仔血清が含有されたDMEM(Dulbecco's Modified Eagle's Media)培地の入っている96ウェルプレート培養器(96-well microtiter plate)にヒトの繊維芽細胞を5,000細胞/ウェル(well)となるように入れて、90%程度成長するまで培養した。その後、無血清DMEM培地で24時間培養した後、無血清DMEM培地に溶かされた前記比較例1〜4、実施例1の抽出物、ビタミンCそれぞれを10
−4モルの濃度で24時間処理した後、細胞培養液を採取した。24時間後、培地中に遊離したプロコラーゲンの量をプロコラーゲンタイプ−1C−ペプチドEIAキット(procollagen type-1 C-peptide EIA kit)(MK101、Takara、Japan)を用いて測定した。
【0133】
非処理群におけるプロコラーゲンの生成程度を100とし、これに対して、試験物質を処理した群におけるプロコラーゲンの生成程度を求め、その結果は下記の表3に示した。
【0134】
【表3】
【0135】
プロコラーゲンの生成程度が高いほどコラーゲンの生成程度が高くなり、このため、皮膚シワの生成を防止することができる。前記表3からみると、本発明に係るハス包み発酵黒豆抽出物は、試験管内(invitro)で生品抽出物(比較例1)およびハスと混合して黒豆を発酵させた抽出物(比較例4)より効果的にプロコラーゲンの生成を促進し、コラーゲンの合成に必須な成分と知られているビタミンCよりプロコラーゲンの生成促進程度が優れていることを確認することができた。また、薬用花なしに黒豆を発酵させた一般発酵抽出物(比較例2)と薬用花単独発酵抽出物(比較例3)は、プロコラーゲンの生成程度が非処理群と類似の水準で、抗老化効果がほとんどないことが分かった。
【0136】
したがって、本発明にかかる薬用花包み発酵抽出物は、プロコラーゲンの生成を効果的に促進させることにより、皮膚内のコラーゲンの生成を助けて抗老化効果に優れていることが分かった。
【0137】
[試験例4]美白効果試験(鼠の色素細胞を用いたメラニン生成抑制効果の測定)
前記比較例1〜4および実施例1で得られた抽出物のメラニン生成抑制能を、ヒドロキノンと比較して測定した。
【0138】
C57BL/6マウス由来の鼠の色素細胞(Mel-Ab cell)(Dooley、T. P. et al、Skin pharmacol、7、pp188-200)を、DMEMに10%のウシ胎仔血清、100nMの12−O−テトラデカノイルホルボール(tetradecanoylphorbol)−13−アセテート、1nMのコレラ毒素(cholera toxin)を添加した培地で、37℃、5%のCO
2の条件で培養した。培養されたMel−Ab細胞を0.25%のトリプシン−EDTAから切り離し、24ウェルプレートに10
5細胞/ウェル(cells/well)の濃度で細胞を培養した後、2日目から3日連続で各試験物質を加えて培養した。試験物質としては、ヒドロキノンと、前記比較例1〜4、実施例1の抽出物をそれぞれ10ppmの濃度として用いた。この時、前記ヒドロキノンは、陽性対照群として用いた。次に、培養液を除去し、PBSで洗浄した後、1Nの水酸化ナトリウムで細胞を溶かし、400nmで吸光度を測定した後、下記の数式2によってメラニン生成抑制率を計算し、その結果を下記の表4に示した(Dooleyの方法)。
【数2】
【0139】
【表4】
【0140】
前記表4に示しているように、本発明のハス包み発酵黒豆抽出物は、生品抽出物(比較例1)およびハスと混合して黒豆を発酵させた抽出物(比較例4)よりメラニンの生成を効果的に抑制し、公知の美白物質であるヒドロキノンと類似する程度のメラニン生成抑制率を示すことを確認することができた。また、薬用花なしに黒豆を発酵させた一般発酵抽出物(比較例2)と薬用花単独発酵抽出物(比較例3)は、メラニンの生成抑制能が非処理群と類似の水準で、美白効果がほとんどないことが分かった。
【0141】
したがって、本発明に係る薬用花包み発酵抽出物は、皮膚内のメラニン生成を効果的に抑制することにより、美白効果に優れていることが分かった。
【0142】
[試験例5]刺激感試験
公知の美白物質であるコウジ酸と、本発明で有効成分として使用されるハス包み発酵黒豆抽出物の使用性を比較するために、痛さ、ひりひりするなどの刺激感に敏感な被験者15人を対象に、痛さ、ひりひりするなどの刺激感の程度を実験した。
【0143】
被験者にコウジ酸(kojic acid、YM chemicalから入手)とハス包み発酵黒豆抽出物(前記実施例1)をそれぞれ0.5mlずつ左右をランダムに変えて適用して塗布し、0.1点を単位として0〜3.0の間を点数付けるようにした。その結果は下記の表5に示した。
<評価基準>
0〜0.4:刺激なし
0.5〜1.0:やや刺激がある
1.1〜2.0:普通程度の刺激がある
2.1〜3.0:刺激がひどい
【0144】
【表5】
【0145】
前記表5から分かるように、コウジ酸の場合は、痛さ、ひりひりする刺激がある程度あり、普通やや感じられる程度の刺激感があることが分かった。一方、本発明で使用されるハス包み発酵黒豆抽出物は、痛さとひりひりする刺激のいずれもほとんど感じられない程度であり、おおよそ刺激がないことが分かった。
【0146】
したがって、本発明のハス包み発酵黒豆抽出物は、コウジ酸とは異なり、刺激感がなく、より良好な使用感を提供することを確認することができた。
【0147】
[試験例6]皮膚保湿試験(ヒトの角質形成細胞の分化誘導試験)
前記比較例1〜4、実施例1の抽出物の皮膚障壁機能および皮膚保湿能を確認するために、吸光度を利用した試験で一次培養したヒトの角質形成細胞を培養用フラスコに入れて底に付着させた後、比較例1〜2、実施例1の抽出物を下記の表6の試験物質の組成された培養液に1ppmの濃度で処理した後、細胞が底面積の70〜80%程度成長するまで5日間培養した。この細胞を収獲(cell harvest)してPBS(phosphate buffered saline)で洗浄した後、2%のSDS(Sodium Dodecyl Sulfate)と20mM濃度のDTT(Dithiothreitol)を含有する10mM濃度のトリス−塩酸緩衝液(Tris-HCl、pH7.4)1mlを加えて、3分間ソニケーション(sonication)を行った後、10分間沸かした。これを、1200rpmで30分間遠心分離をし、分離された沈殿物をさらにPBS 1mlに懸濁させて、340nmにおける吸光度を測定した。
【0148】
これとは別途に、前記ソニケーション後の溶液の一部を取って蛋白質の含有量を測定し、細胞分化程度評価時の基準とした。低カルシウム(0.03mM)処理群と高カルシウム(1.2mM)処理群をそれぞれ陰性/陽性対照群とし、低カルシウム濃度に試験物質を添加して実施した試験結果を下記の表6に示した。
【0149】
【表6】
【0150】
前記表6に示されているように、角質形成細胞の分化時に生成されるCE(Cornified Envelop)の量を測定して細胞分化促進効果を比較した結果、本発明に係るハス包み発酵黒豆抽出物は、比較例1〜4より効果的に角質形成細胞で分化を促進することが分かった。したがって、本発明にかかる薬用花包み発酵抽出物は、皮膚の障壁機能を強化し、皮膚保湿能を増進させることが分かった。