(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1及び第2遮光ベースはそれぞれ前記第1及び第2遮光羽を位置決めする位置決め部材を有し、前記第1及び第2遮光羽はそれぞれ前記位置決め部材に対応する被位置決め部分を有している請求項1または請求項2に記載の投影露光装置。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
特許文献1のように基板の全面を覆うような遮光体は大型になるため、基板の搬入搬出作業に時間がかかり、投影露光装置の処理能力を低下させていた。さらに、特許文献2においての遮光体は小さく取り扱いが簡単であるが、遮光体の制御部はフォトマスクに描かれるパターンに応じて遮光体の挿入位置をあらかじめ求める必要があり、処理が煩雑になる問題があった。
【0008】
そこで本発明は、基板の搬入搬出に伴う遮光部材の取り外しと取り付けの所要時間が短くなる遮光手段を備えた投影露光装置を提供する。また、遮光手段は基板の遮光領域の多様性に対応できるようにする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
第1の観点の投影露光装置は、紫外線を含む光線をフォトマスクに照射し、フォトマスクを通過した光線をフォトレジストが塗布された基板に投影する投影光学系と、基板を載置する基板テーブルと、基板の周辺部を覆い光線を遮光する遮光手段と、を備えている。そして、遮光手段は、略半円形状の開口部を有する第1及び第2の遮光部材と、第1及び第2の遮光部材が互いに近接または離間するように両者を移動させる移動手段とを有する。このため、第1及び第2の遮光部材は互いに近接した際には第1及び第2の遮光部材が環状を形成し基板の周辺部を覆う。
【0010】
第2の観点の投影露光装置において、第1及び第2の遮光部材はそれぞれ、取り付け取り外し可能で光線を遮光する第1及び第2遮光羽と、第1及び第2遮光羽が取り付けられた第1及び第2遮光ベースとからなり、第1及び第2遮光ベースは移動手段に連結されるとともに、第1及び第2遮光ベースを昇降させる昇降手段に連結されている。
【0011】
第3の観点の投影露光装置において、第1遮光羽の先端及び第2遮光羽の先端とは互いに近接した際に厚さ方向に重なり合うように薄くなった薄肉部が形成されている。
【0012】
第4の観点の投影露光装置において、基板は基板搬送手段により基板テーブルに搬送され、基板搬送手段の位置ずれの大きい水平方向に並行となるように移動手段は第1及び第2の遮光部材を直線方向に移動させる。
これにより、移動手段による移動量で基板搬送手段による位置ずれを修正することができる。
【0013】
第5の観点の投影露光装置において、第1及び第2の遮光部材の少なくとも一方はその端部が回転軸に固定され、移動手段は第1及び第2の遮光部材の少なくとも一方を回転方向に移動させる。
【0014】
第6の観点の投影露光方法は、紫外線を含む光線をフォトマスクに照射し、フォトマスクを通過した光線を基板の周辺部を覆う遮光手段によって光線を遮光し、フォトレジストが塗布された基板の周辺部に光線を照射させず周辺部より中心側の中央部を露光する。そして投影露光方法は、基板搬送手段により基板を基板ステージに載置する工程と、遮光手段を基板の上方に近接して配置する工程と、基板ステージに載置された基板の位置と遮光手段の位置を測定する工程と、基板の位置に対する遮光手段の位置が所定の隔たりよりも大きい場合は遮光手段を所定の隔たり以下に移動させる工程と、を備える。
【0015】
第7の観点の投影露光方法において、基板の位置は基板上のアライメントマークをグローバルアライメントすることにより測定し、遮光手段の位置は遮光手段に設けられた少なくとも1つのアライメントマークを測定する。
この方法により正確に遮光位置に遮光手段を移動させることができる。
【発明の効果】
【0016】
可動式の2つに分かれた第1及び第2の遮光部材を投影露光装置に備えることで、基板の搬入搬出に伴う遮光部材が容易に行うことができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
<投影露光装置100の概略構成>
図1は、投影露光装置100の概略側面図である。
投影露光装置100は、大別して、紫外線を含む波長域の光束を照射する光源10と、光源10からの光束を集光する照明光学系30と、フォトマスクMを保持するマスクステージ40と、投影光学系50と、基板ステージ60とを備えている。
【0019】
マスクステージ40上においてXY平面に平行に支持されたフォトマスクMを均一に照明するための照明光学系30を備えている。照明光学系30は、例えば、点光源に近い水銀ショートアークランプからなる光源10を備えている。光源10は、楕円ミラー11の第1焦点位置に配置されているため、光源10から射出された照明光束は、ダイクロイックミラー12を介して、楕円ミラーの第2焦点位置に光源像を形成する。ダイクロイックミラー12は、所定の波長範囲以外の光を反射しない。なお、照明光学系30が備える光源10としては、紫外線放射タイプのLED(Light Emitting Diode:発光ダイオード)やレーザーであってもよい。
【0020】
シャッタ13により基板CBに至る露光光を遮断する。光源像からの発散光は、コリメートレンズ31によって平行光束に変換されて、波長選択部15に入射する。波長選択部15は、光源10とフォトマスクMとの間の光路中に挿脱可能に構成されている。
【0021】
楕円ミラーの第2焦点位置にはフライアイレンズ32が配置されている。波長選択部15を通過した光束は、フライアイレンズ32およびコンデンサレンズ33を順に通過する。
波長選択部15を通過した光束はフライアイレンズ32に入射する。フライアイレンズ32は、多数の正レンズエレメントをその中心軸線が光軸OAに沿って延びるように縦横に且つ緻密に配列されている。従って、フライアイレンズ32に入射した光束は、多数のレンズエレメントにより波面分割され、その後側焦点面(即ち、射出面の近傍)にレンズエレメントの数と同数の光源からなる二次光源を形成する。
【0022】
フライアイレンズ32の後側焦点面に形成された多数の二次光源からの光束は、コンデンサレンズ33に入射する。コンデンサレンズ33を介した光束は、パターンが形成されたフォトマスクMを重畳的に照明する。露光光によって照明されフォトマスクMを透過した光束は、投影光学系50に向かい、その後、露光対象である基板CBに照射される。
【0023】
図2は、照明光学系30を除く反射型露光装置100の概略斜視図であり、マスクステージ40、反射式投影光学系50、及び基板ステージ60をそれぞれ分解して示している。基板ステージ60は、第1遮光体装置80を搭載して示されている。
【0024】
マスクステージ40は、フォトマスクMを走査方向であるY軸方向に沿って移動させるためのYステージ41を有している。Yステージ41はその両側に配置されたリニアモータ42により高速に且つ高精度に駆動される。Yステージ41は、X軸方向、Z軸に対してθ回転方向に移動するXθステージ45を載置している。
【0025】
投影光学系50は、オフナー型と呼ばれる反射式の投影光学系である。投影光学系50は支持台74で支えられている。反射式投影光学系50には、反射ミラーのほかレーザー干渉計によって計測するための固定ミラーが搭載されている。オフナー型の投影光学系に代えて反射屈折式のダイソン型や屈折式の投影光学系が使用されてもよい。
【0026】
基板ステージ60は基台72の上面に配置されている。そして、基板ステージ60は、走査方向であるXYステージ62を有している。基板ステージ60もマスクステージ40と同様にZ軸方向に移動可能に構成されている。XYステージ62はそれぞれ、その両側に配置されたリニアモータにより高速に且つ高精度に駆動される。
【0027】
基板テーブル60は、基板CBを吸着する真空チャック69を備えている。基板CBは、例えば電子回路基板、液晶素子用ガラス基板、又はPDP用ガラス素子基板を含む。真空チャック69はセラミックで形成され、不図示の真空ポンプによって基板CBを吸着保持することができる。基板テーブル60はZ軸方向にも移動する。このようにして、オフナー型の反射式の投影光学系50で反射された光束は、基板CBに入射し基板CB上で結像する。すなわち、フォトマスクMのパターン像が基板CB上で結像し、基板CB上に塗布されたフォトレジストによってこの像は基板CB上に転写される。
【0028】
また、投影光学系50を支える支持台74にアライメントカメラACが取り付けられている。アライメントカメラACは基板CBに形成されたアライメントマークを検出する。またアライメントカメラACは後述する遮光羽に形成された羽用アライメントマークも検出する。
【0029】
基板テーブル60は真空チャック69の周囲に第1遮光体装置80を備えている。第1遮光体装置80は真空チャック69で保持された基板CBの周辺部を遮光することができる。第1遮光体装置80は基板ステージ60の上に設置される。このため、投影光学系50の光軸OAに対してX軸方向、Y軸方向及びZ軸方向に移動することができる。
【0030】
<第1遮光体装置80の概略構成>
図3はXYステージ62及び第1遮光体装置80をZ軸方向から見た平面図である。
図3では真空チャック69に基板CBが載置された状態で、後述する第1遮光体装置80の遮光羽86が開いた状態である。
【0031】
XYステージ62のXY平面のほぼ中央には真空チャック69が配置されている。その真空チャック69を挟むようにY軸方向に一対の基板リフター68が配置されている。基板リフター68は基板CBの搬入又は搬出時に基板CBを上下(Z軸方向)に移動させる。
【0032】
一対の基板リフター68のY軸方向の外側に移動装置の移動ベース81が配置されている。移動ベース81には移動ガイド82と駆動モータなどのアクチュエータ83とが配置されている。移動ベース81のX軸方向の両側には、昇降ガイド88が配置され、移動ベース81のほぼ中心には昇降アクチュエータ89が配置されている。昇降ガイド88及び昇降アクチュエータ89は移動ベース81をZ軸方向に昇降させる。
【0033】
一対の移動ガイド82及びアクチュエータ83には一対の遮光ベース84(84A,84B)が取り付けられている。一対の遮光ベース84にはそれぞれ一対の遮光羽86(86A,86B)が取り付けられている。遮光ベース84には位置決めピン85が設けられている。遮光羽86は、例えば6インチ用、8インチ用などと基板CBの大きさ、又は遮光領域の大きさに対応するように半円形状の開口部を有する。そして用途に合わせて大きさ又は形状が異なる遮光羽86は適宜遮光ベース84に取り付け取り外しが行われる。位置決めピン85は、遮光羽86が取り付けられる際の位置決めを行う。
【0034】
遮光羽86Aと遮光羽86Bとは、移動ガイド82及びアクチュエータ83がX軸方向に移動することで、矢印ARで示されるように互いに近接したり離れたりする。遮光羽86A及び遮光羽86Bが近接した際には環状を形成し、基板CBの周辺部を覆う。
【0035】
一般に、基板CBには露光によってアライメントマークAM1が形成されている。また遮光羽86にも羽用アライメントマークAM2が形成されている。XYステージ62がXY軸方向に移動すると、アライメントマークAM1又は羽用アライメントマークAM2はアライメントカメラACの直下に移動する。アライメントカメラACは、三個から十数個のアライメントマークAM1を撮影して基板CB全体の伸縮又は位置を計算するグローバルアライメントを行う。このときにアライメントカメラACは基板CBのXY平面における中心位置も算出することができる。また、アライメントカメラACは羽用アライメントマークAM2を撮影して、遮光羽86A及び遮光羽86Bの位置も確認する。
【0036】
<搬送アームによる基板の搬送(搬入及び搬出)方向>
図4は、搬送アームによって基板CBが基板テーブル60の真空チャック69に載置される状態を示した斜視図である。
図4では搬送ロボットRB1と搬送ロボットRB2とが基板CBを搬送する。
【0037】
搬送ロボットRB1と搬送ロボットRB2とも複数の回転軸を有するスカラー型と呼ばれる搬送ロボットである。搬送ロボットRB1はその先端に基板CBを載置する搬送アーム92が取り付けられ、搬送ロボットRB2はその先端に基板CBを載置する搬送アーム94が取り付けられている。搬送アーム92,94は真空吸着などで基板CBを吸着し保持する。必ずしも、2つの搬送ロボットが用意される必要はないが、例えば搬送ロボットRB1は真空チャック69に基板CBを搬入する役目を、搬送ロボットRB2は真空チャック69から基板CBを搬出する役目を有する。
【0038】
ここで、搬送ロボットRB1は、真空チャック69に対してX軸方向の位置決め精度が±2mmでありY軸方向の位置決め精度が±1mmと仮定する。すなわち搬送ロボットRB1は、Y軸方向に比べてX軸方向に位置ずれしやすい。そのため基板CBは、真空チャック69の中央位置に対してX軸方向に位置ずれしている可能性が高い。
【0039】
このとき移動ガイド82及びアクチュエータ83はX軸方向に移動可能に配置されている。搬送ロボットRB1がY軸方向に比べてX軸方向に位置ずれしやすいため、この位置ずれを、ガイド82及びアクチュエータ83のX軸方向の移動によってできるだけ小さくするためである。
【0040】
<第1遮光体装置80の動作>
図5は、第1遮光体装置80の動作フローチャートである。
図6を参照しながら説明する。
図6(a)は基板CBが真空チャック69に搬入又は搬出される状態を示した図である。
図6(b)は基板CBの周辺部が遮光羽86で覆われた図である。
【0041】
ステップS101では、搬送アーム92(
図4を参照)がX軸方向から基板CBを真空チャック69へ搬入する。この実施形態では搬送アーム92はY軸方向よりX軸方向が位置精度が悪いと仮定する。このため、移動ベース81に配置された移動ガイド82及びアクチュエータ83はX軸方向に移動するように配置されている。また、搬入の際は、遮光羽86は開いた状態で移動ベース81は下降した状態である。
図6(a)に示された状態がステップS101の状態である。
【0042】
ステップS102では、搬送アーム92がX軸方向から基板CBを真空チャック69へ搬入する。この際に基板リフター68は上昇した状態であり、基板CBは搬送アーム92から基板リフター68へ移し替えられる。そして基板リフター68が下降して基板CBが真空チャック69に置かれる。その後真空チャック69が基板CBを真空チャックし、基板CBが固定される。搬送アーム92は基板CBを移し終えた後に退避する。
【0043】
ステップS103では、移動ベース81は昇降ガイド88及び昇降アクチュエータ89によってZ軸方向に上昇する。そして基板CBのZ軸方向の高さとほぼ同じ高さまで移動する。
【0044】
ステップS104では、アライメントカメラACが基板CDのアライメントマークAM1を三個から十数個程度撮影する。すべてのアライメントマークAM1を撮影する必要は必ずしも無い。そして、基板CBに露光されている各ショットの位置などを計算されるとともに、基板CBの中心位置が計算される。
【0045】
ステップS105では、アライメントカメラACは、遮光羽86A及び遮光羽86Bの羽用アライメントマークAM2を撮影する。そして、遮光羽86A及び遮光羽86Bの位置が計算される。基板CBのZ軸方向の高さと遮光羽86のZ軸方向の高さとはほぼ同じであり、連続してアライメントカメラACがアライメントマークAM1と羽用アライメントマークAM2とを撮影することができる。ステップS105の後にステップS104が行われてもよい。
【0046】
ステップS106では、基板CBの中心位置が真空チャック69の中心位置から所定量より大きく隔たっているか否かが判断される。基板CBの中心位置がほぼ正確に真空チャック69の中心位置にあるときは、ステップS107に進み、基板CBの中心位置が所定量より大きく隔たっていればステップS108に進む。
【0047】
ステップS107では、移動ガイド82及びアクチュエータ83が遮光羽86Aと遮光羽86BとをX軸方向に移動させる。この移動量は、遮光羽86Aと遮光羽86Bとも同じ距離であり、遮光羽86A及び遮光羽86Bが環状を形成する基準位置までの距離である。なお、ステップS105で計算された遮光羽86A及び遮光羽86Bの位置が通常の位置からずれてしまっている場合には、アクチュエータ83がその誤差分を加味して基準位置まで遮光羽86A及び遮光羽86Bを移動させる。
【0048】
ステップS108では、移動ガイド82及びアクチュエータ83が、基板CBの中心位置が真空チャック69の中心位置からずれているずれ量を考慮して、遮光羽86Aと遮光羽86BとをX軸方向に移動させる。この実施形態では搬送アーム92がX軸方向に位置精度が悪い。このため遮光羽86Aと遮光羽86Bとの移動量を調整して、基板CBの適切な周辺部を遮光するようにする。
図6(b)に示された状態がステップS107又はS108に示された状態である。
【0049】
ステップS109では、フォトマスクMのパターンが基板CBに露光される。
ステップS110では、移動ガイド82及びアクチュエータ83が遮光羽86Aと遮光羽86BとをX軸方向に移動させ、基板CB上から退避させる。
【0050】
ステップS111では、移動ベース81が昇降ガイド88及び昇降アクチュエータ89によってZ軸方向に下降する。
ステップS112では、基板リフター68が上昇し、基板CBが真空チャック69から持ち上げられる。そこに搬送アーム92がX軸方向から基板CBの下に入り、基板CBが搬出される。
【0051】
本実施形態において、投影露光装置100の基板リフター68がZ軸方向に昇降する。このため、上述したフローチャートの各ステップであった。しかし、基板リフター68が固定で真空チャック69がZ軸方向に昇降するような構成でもよい。
【0052】
<遮光羽86の構成>
遮光羽86の構成について説明する。
図6(b)に示されたように遮光羽86Aと遮光羽86Bとは近接した際には環状を形成し、基板CBの周辺部を覆う。
図7(a)は環状になった遮光羽86と遮光ベースとを示した図である。
図7(b)は(a)のB−B断面の拡大図である。
【0053】
図7(a)に示されるように、位置決めピン85で位置決めされた一対の遮光羽86(86A,86B)が一対の遮光ベース84(84A,84B)に取り付けられている。遮光羽86は、材質がステンレス鋼(SUS)板、チタン板又はセラミックス板などの軽くて強度のある金属又は非金属からなる。遮光羽86の表面は、黒色クロムでメッキされたりケプラコート(登録商標)処理されたりして耐光性を高められている。多くの基板CBが円形であることから、遮光羽86のそれぞれは半円形状の開口部を有している。
【0054】
遮光羽86Aと遮光羽86Bとが近接した際には遮光羽86Aの先端86ATと遮光羽86Bの先端86BTとは、Z軸方向に互いに重なり合っている。
図7(b)に示されるように、遮光羽86Aと遮光羽86Bとの厚さは互いに0.3mm程度であり、その先端86AT及び86BTは厚さ0.1mmの薄肉部が形成されている。遮光羽86(86A、86B)は、露光の際の遮光領域が明確に形成されるようにできるだけ薄いことが望ましく、特に厚さ0.5mm以下が望ましい。遮光羽86Aの先端86ATは+Z軸方向に形成され,遮光羽86Bの先端86BTは−Z軸方向に形成されているため、互いに衝突することなく重なりあう。
【0055】
<遮光羽の形状>
図8は、遮光羽86の形状に関する変形例である。本実施形態の遮光羽86の形状は以下に示すような、様々な形状をとることができる。
【0056】
図8(a)に示す遮光羽86は遮光羽86C及び86Dから構成される。遮光羽86Cには、基板CBのノッチ形状に合わせて、ノッチ用遮光部86Ntが形成されている。
【0057】
また、
図8(b)に示す遮光羽86は遮光羽86E及び86Fから構成される。遮光羽86E及び86Fの一方側の先端には、基板CBのノッチ形状に合わせて、ノッチ用遮光部86Ntが形成されている。
【0058】
図8(c)に示す遮光羽86は遮光羽86G及び86Hから構成される。遮光羽86Hには、基板CBのオリエンテーションフラット形状に合わせて、オリエンテーションフラット用遮光部86Ofが形成されている。
【0059】
また、
図8(d)に示す遮光羽86は遮光羽86I及び86Jから構成される。遮光羽86I及び86Jの一方側の先端には、基板CBのオリエンテーションフラット形状に合わせて、オリエンテーションフラット用遮光部86Ofが形成されている。
【0060】
このように、基板CBの形状に合わせて、遮光羽86の形状を適宜変更することができる。また、各遮光羽86には、位置決めピン85(
図3、
図7を参照。)に合致する切り欠け部86Zが形成されているため、基板CBの形状に合わせて適宜遮光羽86を変更することができる。また、仮に遮光羽86が位置決めピン85で位置決めされていないことがあっても、遮光羽86には羽用アライメントマークAM2が形成されているため、遮光羽86の位置が確実に把握される。
【0061】
<遮光体装置の変形例>
図9は第2遮光体装置180を示した図である。
図3又は
図6に示された第1遮光体装置80では移動ベース81がZ軸方向に昇降し遮光羽86を昇降させ、遮光ベース84がX軸方向に移動して遮光羽86をX軸方向に移動させた。第2遮光体装置180は、Y軸方向に伸びる回転軸を有する回転機構で遮光羽86をZ軸方向とX軸方向とに同時に移動させる。
【0062】
図9に示された第2遮光体装置180は、遮光羽86Aだけを示している。遮光羽86Bに関しても同様な構成である。遮光羽86Aは遮光ベース182に位置決めして配置されている。遮光ベース182はピン183を介して回転アーム186に取り付けられている。また、アクチュエータ187もピン185を介して回転アーム186に取り付けられている。回転アーム186は回転軸184を中心として回転可能に取り付けられている。アクチュエータ187も回転ピン188を介して回転可能である。
【0063】
回転アーム186は一点鎖線で示されるように回転軸184を中心として約半回転すると、二点鎖線で示されるように遮光羽86AがZ軸方向に昇降するとともにX軸方向に移動する。第2遮光体装置180は、遮光羽86Aにこのような動作をさせることで基板CBの周辺部を覆ったり、基板CBから退避したりさせる。
【0064】
なお、搬入された基板CBが真空チャック69の中心からずれている場合には、アクチュエータ187の駆動量を調整することで基準位置まで遮光羽86Aを移動させる。
【0065】
図10は第3遮光体装置280を示した図である。第3遮光体装置280は、Z軸方向に伸びる回転軸を有する回転機構で遮光羽86を移動させる。
図10(a)に示されるように、第3遮光体装置280は移動ベース281が備えられ、移動ベース281に回転軸282と一対のアクチュエータ285とが配置されている。一対のアクチュエータ285は、それぞれの一端が移動ベース281に設けられたピン286に接続され、他端が遮光ベース284に設けられたピン287に接続されている。
【0066】
移動ベース281は不図示のアクチュエータ及びガイドによってY軸方向に移動可能である。また移動ベース281の回転軸282に一対の遮光ベース284が回転可能に取り付けられている。アクチュエータ285の伸縮によって一対の遮光ベース284が開閉可能になっている。
【0067】
図10(b)の矢印AR1に示されるように移動ベース281がY軸方向に移動することで、遮光羽86A及び遮光羽86Bが基板CBから退避する、さらに同時に、アクチュエータ285が縮むことで、遮光羽86A及び遮光羽86Bが矢印AR2に示されるように開く。遮光する場合には動作を逆にすればよい。
【0068】
搬入された基板CBが真空チャック69の中心からずれている場合には、一対のアクチュエータ285の駆動量を調整することで基準位置まで遮光羽86A及び86Bを移動させる。