特許第6077692号(P6077692)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6077692リサイクル可能な合成樹脂タイル及びその製造方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6077692
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】リサイクル可能な合成樹脂タイル及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   E04F 15/10 20060101AFI20170130BHJP
   E04F 15/00 20060101ALI20170130BHJP
   B32B 27/32 20060101ALI20170130BHJP
   B32B 25/02 20060101ALI20170130BHJP
   B32B 27/04 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   E04F15/10 104A
   E04F15/00 601D
   B32B27/32 E
   B32B25/02
   B32B27/04 A
【請求項の数】10
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2016-42886(P2016-42886)
(22)【出願日】2016年3月4日
【審査請求日】2016年3月4日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】593054941
【氏名又は名称】伸興化成株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】515342549
【氏名又は名称】株式会社東新ポリマー
(74)【代理人】
【識別番号】100070530
【弁理士】
【氏名又は名称】畑 泰之
(72)【発明者】
【氏名】安田 永徳
(72)【発明者】
【氏名】松本 昌宝
【審査官】 五十幡 直子
(56)【参考文献】
【文献】 特開2007−077568(JP,A)
【文献】 実用新案登録第2597753(JP,Y2)
【文献】 特開2008−221520(JP,A)
【文献】 登録実用新案第3051530(JP,U)
【文献】 実公平06−026664(JP,Y2)
【文献】 実公平06−031034(JP,Y2)
【文献】 特開平06−181836(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E04F 15/10
E04F 15/00
B32B 25/02
B32B 27/04
B32B 27/32
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
少なくとも有色または無色透明層と印刷層と不透明または半透明の着色層とで構成されてなる化粧層、少なくとも2層で構成され、当該層に少なくとも1層の無機質繊維層が設けられている中間層、バランス層及び、滑り止め層がこの順で積層一体化されて構成されている滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルであって、当該化粧層(印刷層を除く)、当該中間層(無機質繊維層を除く)及び当該バランス層は、構成する主たる樹脂がオレフィン系の熱可塑性樹脂及びオレフィン系の熱可塑性エラストマーのそれぞれから選択された少なくとも1種づつの組み合わせから成る合成樹脂組成物で構成されており、且つ、当該無機質繊維層は、布帛構造を有する無機質繊維が、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーを含有すると共に、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーと、その他の熱可塑性樹脂及び/またはその他の熱可塑性エラストマーとの総重量100部に対して、添加量が350部以下である1種または粒子形状及び/または粒子径の異なる同種または異種材料の組み合わせである無機質充填剤を含んだ液状で固化可能な無機質繊維被覆用合成樹脂組成物で被覆されて構成されたものであり、更に、当該滑り止め層は、オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/またはオレフィン系の熱可塑性エラストマーを含有すると共に、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーと、その他の熱可塑性樹脂及び/またはその他の熱可塑性エラストマーとの総重量100部に対して、添加量が100部以下の当該無機質充填剤を含んだ滑り止め用合成樹脂組成物で構成されたものであり、更に、当該化粧層にはエンボスによる賦形、また、当該滑り止め層には凹凸賦形があり、且つ、総厚さが3mm〜8mmであることを特徴とする滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【請求項2】
当該無機質繊維が、質量が20〜300g/m2である布帛構造を有するガラス繊維であることを特徴とする請求項1に記載の滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【請求項3】
当該化粧層の着色層、当該中間層(無機質繊維層を除く)及び当該バランス層のそれぞれに於ける、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂の総重量と当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーの総重量とにおける樹脂重量構成比が20:80〜80:20の範囲であって、且つ、それらに含まれる当該無機質充填剤が、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂と当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーの総重量100部に対して、当該化粧層の着色層は0部を含む150部以下、当該中間層(無機質繊維層を除く)は200〜600部、当該バランス層は0部を含む300部以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【請求項4】
当該化粧層の有色または無色透明層は、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂の総重量と当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーの総重量とにおける樹脂重量構成比が40:60〜70:30の範囲であることを特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の滑り止め機能を有するリサイク可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【請求項5】
当該滑り止め層は、厚さが0.2〜1mmであることを特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【請求項6】
当該滑り止め層が、予め当該バランス層の片面に、当該滑り止め層を構成する当該滑り止め用合成樹脂組成物で、厚さが0.2mm〜1mmの平滑な層が積層されていることを特徴とする請求項1乃至5の何れかに記載の滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【請求項7】
当該滑り止め層の表面には、凹凸賦形があり、突起部に切れ目なく囲われて閉空間を作ることのない凹凸賦形で、当該突起部と凹陥部との高低差が0.2〜0.6mmの範囲であることを特徴とする請求項1乃至6の何れかに記載の滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【請求項8】
当該滑り止め層が、予め当該バランス層の片面に、当該滑り止め層を構成する当該滑り止め用合成樹脂組成物で、線状や幾何学的な模様などのパターンを形成してなる層であること、パターンの突起部の高さが0.2mm〜1mmであること、当該突起部に切れ目なく囲われて閉空間を作ることのない凹凸賦形であること、を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【請求項9】
圧延装置とその連続するライン上にラミネータ部とエンボス部がある製造設備で、中間層(無機質繊維層を除く)の一つの層で、厚さが最大である中間層を成形しながら、予め準備された中間層、無機質繊維層、バランス層、化粧層、滑り止め層を、所定の構成となるように順次積層して積層体を形成した後、当該積層体の表面(化粧層)と裏面(滑り止め層)の近傍を130〜160℃となるように加熱し、当該化粧層にはエンボスによる賦形、当該滑り止め層には突起部に切れ目なく囲われて閉空間を作ることのないエンボスよる賦形で、突起部と凹陥部との高低差が0.2〜0.6mmの範囲でなされることを特徴とする請求項1乃至7の何れかに記載の滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルの製造方法。
【請求項10】
圧延装置とその連続するライン上にラミネータ部とエンボス部がある製造設備で、中間層(無機質繊維層を除く)の一つの層で、厚さが最大である中間層を成形しながら、予め準備された中間層、無機質繊維層、予め滑り止め層がパターン状に形成されたバランス層、化粧層を、所定の構成となるように順次積層して積層体を形成した後、当該積層体の表面(化粧層)の近傍を130〜160℃となるように加熱し、当該化粧層にはエンボスによる賦形されることを特徴とする請求項8に記載の滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルの製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、リサイクル可能な合成樹脂タイルに関するものであり、特に詳しくは、適度の硬度とクッション性を有し、且つ床面に安定的に固定保持されると共に、寸法安定性や熱安定性が良好で、置敷き性に優れ、環境に優しいリサイクル可能な合成樹脂タイルを提供するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、内部仕上用の床材として樹脂タイルが、弾力性があり、歩行感に優れ、色やパターンが豊富であるなどの特徴を有することから、店舗・事務所・集合住宅の共用スペースや住宅の床などに用いられている。
この樹脂タイルの中で,安価であり,特に弾力性があって歩行感に優れ、或いは、衝撃の緩和効果も大きい作用効果を発生させるため、主に塩化ビニル系樹脂製タイルが多用されている。
係る樹脂タイルを,例えばモルタルやコンクリート床、木製床、石床などに貼って施工する場合、一般に、まず床面に接着剤・粘着剤などを塗布し、その上にタイルを貼る方法が用いられている。
【0003】
従って、従来に於ける樹脂タイルの施工方法においては、接着剤・粘着剤などを塗布する操作が煩雑である上、補修する際、樹脂タイルを剥がすのが困難であって、タイルや床面を破損するおそれがあるなど、補修性が悪い(張り替えにくい)欠点があった。
又、接着剤・粘着剤などの使用をせずに施工できるように、無機質繊維層を導入して寸法安定性を確保して置き敷き性を付与したり、吸着タイプなどの滑り止め加工を施す提案もなされている(US8298650B2(特許文献1)、特許第4053391号(特許文献2))。
【0004】
一方、木質床仕上げ材を中心に、周囲に噛み合わせ接合部を設ける方法で、施工性の改善や寸法変化への対応がされているが、この方法を樹脂系タイルにも応用した技術が以下の特許文献等に於いて提案されている。
即ち、特許第3882733号(特許文献3)、特表第2008−520853号(特許文献4)、特許第3470757号(特許文献5)、EP0969164B1(特許文献6)及びEP0843763B1(特許文献7)等参照。
しかし、寸法安定性を重視する樹脂系タイルでは、フィラ一の含有量も多くして改善したり、補強としてガラス繊維層を設けて改善する方法などが提案されている。
フィラーの含有量を多くしたものは接合部が脆く、応用が難しい。
不具合等で敷設した樹脂タイルの一部を張り替えをしようとするとその接合部が破損したり、周囲を剥がさないで再敷設出来ず、補修性が悪い。
【0005】
一方、近年、循環型社会の構築のために、様々な分野において、再生資源利用促進法(リサイクル法)が整備された。塩化ビル樹脂はリサイクルしやすい樹脂であるが、廃材のリサイクルには、接着剤と床面基材を含むために困難なものとなっている。
この問題の解決として、化粧層を分離可能として、コアとなる基材部分をリユースする提案がなされており、例えば、特開2006−125025(特許文献8)や特開2006−112134(特許文献9)等が知られている。
この方法では、化粧シートを現場で貼付する場合は、ゴミの混入・意匠のゆがみ・周囲のカットミスなどで、作業性が煩雑、場所を変えて化粧層を張り替える場合は、場所と移動経費・コア部分の痛みなど問題があり、リサイクルとしては経済性が良くない。
【0006】
また、床材の施工前に床面に下地材を敷設し、置き敷きタイル(ルーズレイタイル)を施工する提案がなされている。例えば、特開平10−266532(特許文献10)、特開2014−224390(特許文献11)等が知られている。
しかし、床材の施工で接着剤は使用しないものの、施工が2工程となること、下地材を接着剤・粘着剤で固定する必要が発生し、床材の張替が容易であっても、特殊な床材構造を要求することもあり、経済性は良くない。
【0007】
また、塩化ビニル樹脂タイルで使用しているフタル酸系の可塑剤は、人の体に対してホルモン作用を及ぼすとして欧米を中心に使用規制がある。これらの対応として、規制対象外である系統の可塑剤DOTP(ジオクチルテレフタレート)などに変更されてきている。更に、塩化ビニル樹脂そのものの使用にも規制されそうな情勢である。
これらの規制・情勢にも合致し、塩化ビニル製樹脂タイルと同等の性能を有している非塩ビ樹脂タイルで、環境にやさしく、容易にリサイクルが可能なものが求められている。
【0008】
非塩化ビニル樹脂タイルであるオレフィン樹脂タイルでは、構成する層に接着性改良ために鱗片状の無機質を入れて接着層を介して貼り合せる方法、例えば、特許第5177761号(特許文献12)や、酢酸ビニルが50%以上の濃度のエチレンー酢酸ビニル樹脂とオレフィン系樹脂の組み合わせに無機充填剤の組み合わせで床面との接着性を改善する方法、例えば、特許第3741200号(特許文献13)が提案されているが、各層間の接着に接着剤を用いるのは生産時に発生した屑のリサイクルが難しく、床面との接着性改良では、接着剤を使用して施工するため、使用後の廃床材のリサイクルでできない問題がある。
【0009】
また、エチレン系共重合樹脂とスチレン系又はオレフィン系熱可塑性エラストマーの組み合わせに無機充填剤を添加した床材としての諸性能を満たす方法としては、例えば、特許第4511896号(特許文献14)の提案があるが、いわゆる化粧層がない床材の仕様で、デザイン性が乏しく、床面とは接着剤などにより固定するため、敷設が煩雑で、リサイクルができない問題がある。
滑り止めシートとして、基材層に滑り止め層としてLLDPEやLLDPEとオレフィン系エラストマーやスチレン系エラストマーの樹脂組成物からなる滑り止め層を積層し、その基材層の反対面に表面層が積層されることもある、特に使い捨て用の滑り止めシートの提案がある。例えば、特開2004−175023(特許文献15)。また、滑り止め加工床材として、非発泡性合成樹脂製の防滑層を設ける提案がある。例えば、特開2004−156165(特許文献16)。使い捨て用では、耐久消費材である床材には不向きであり、平滑な滑り止め層では滑り止め効果が十分ではなかった。
【0010】
一方、環境問題では、生分解性樹脂を用いた床タイルの提案がなされている特許第5733730号(特許文献17)が、生産時に発生した屑のリサイクルや交換時期(製品寿命)の問題などがある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0011】
【特許文献1】US8298650B2
【特許文献2】特許第4053391号
【特許文献3】特許第3882733号
【特許文献4】特表第2008−520853号
【特許文献5】特許第3470757号
【特許文献6】EP0969164B1
【特許文献7】EP0843763B1
【特許文献8】特開2006−125025
【特許文献9】特開2006−112134
【特許文献10】特開平10−266532
【特許文献11】特開2014−224390
【特許文献12】特許第5177761号
【特許文献13】特許第3741200号
【特許文献14】特許第4511896号
【特許文献15】特開2004−175023
【特許文献16】特開2004−156165
【特許文献17】特許第5733730号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明は、上記した点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、循環型社会の形成に貢献するリサイクルが可能な置き敷き合成樹脂タイル及び滑り止め機能を有するリサイクルが可能な置き敷き合成樹脂タイルの提供と、連続的に積層して製造されるリサイクルが可能な置き敷き合成樹脂タイル及び滑り止め機能を有するリサイクルが可能な置き敷き合成樹脂タイルを製造する方法を提供するものである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明は、上記した目的を達成するために、基本的には、以下に示す技術構成を採用するものである。
即ち、本発明に係る第1の発明は、少なくとも有色または無色透明層と印刷層と不透明または半透明の着色層とで構成されてなる化粧層、少なくとも2層で構成され、当該層に少なくとも1層の無機質繊維層が設けられている中間層、バランス層及び、滑り止め層がこの順で積層一体化されて構成されている滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルであって、当該化粧層(印刷層を除く)、当該中間層(無機質繊維層を除く)及び当該バランス層は、構成する主たる樹脂がオレフィン系の熱可塑性樹脂及びオレフィン系の熱可塑性エラストマーのそれぞれから選択された少なくとも1種づつの組み合わせから成る合成樹脂組成物で構成されており、且つ、当該無機質繊維層は、布帛構造を有する無機質繊維が、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーを含有すると共に、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーと、その他の熱可塑性樹脂及び/またはその他の熱可塑性エラストマーとの総重量100部に対して、添加量が350部以下である1種または粒子形状及び/または粒子径の異なる同種または異種材料の組み合わせである無機質充填剤を含んだ液状で固化可能な無機質繊維被覆用合成樹脂組成物で被覆されて構成されたものであり、更に、当該滑り止め層は、オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/またはオレフィン系の熱可塑性エラストマーを含有すると共に、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーと、その他の熱可塑性樹脂及び/またはその他の熱可塑性エラストマーとの総重量100部に対して、添加量が100部以下の当該無機質充填剤を含んだ滑り止め用合成樹脂組成物で構成されたものであり、更に、当該化粧層にはエンボスによる賦形、また、当該滑り止め層には凹凸賦形があり、且つ、総厚さが3mm〜8mmであることを特徴とする滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルである。
【0014】
又、本発明に係る第2の発明は、圧延装置とその連続するライン上にラミネータ部とエンボス部がある製造設備で、中間層(無機質繊維層を除く)の一つの層で、厚さが最大である中間層を成形しながら、予め準備された中間層、無機質繊維層、バランス層、化粧層、滑り止め層を、所定の構成となるように順次積層して積層体を形成した後、当該積層体の表面(化粧層)と裏面(滑り止め層)の近傍を130〜160℃となるように加熱し、当該化粧層にはエンボスによる賦形、当該滑り止め層には突起部に切れ目なく囲われて閉空間を作ることのないエンボスよる賦形で、突起部と凹陥部との高低差が0.2〜0.6mmの範囲でなされることを特徴とする上記した本発明に係る当該第1及び第2の本発明である滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルの製造方法である。
【0015】
更に詳しくは、当該化粧層の着色層、当該中間層(無機質繊維層を除く)及び当該バランス層のそれぞれに於ける、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂の総重量と当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーの総重量とにおける樹脂重量構成比が20:80〜80:20の範囲であって、且つ、それらに含まれる当該無機質充填剤が、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂と当該オレフィン系の熱可塑性エラストマーの総重量100部に対して、当該化粧層の着色層は0部を含む150部以下、当該中間層(無機質繊維層を除く)は200〜600部、当該バランス層は0部を含む300部以下であることを特徴とする滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルである。
【発明の効果】
【0016】
本発明では、上記した技術構成を採用することによって、従来の欠点を改良し、寸法安定性や熱安定性が良好で、置敷き性、易補修(張り替え)性などの機能を有し、安価で且つ耐久性を備えた、循環型社会の形成に貢献するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルと滑り止め層を底面に配して滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルを提供すると共に、当該合成樹脂タイルを安定的に連続生産可能で安価な製法方法を提供することが可能となったのである。
【図面の簡単な説明】
【0017】
図1A図1Aは、本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイルの基本的な構成の一具体例を示す縦断面図である。
図1B図1Bは、本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイルの基本的な構成の他の具体例を示す縦断面図である。
図1C図1Cは、本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイルの基本的な構成の別の具体例を示す縦断面図である。
図2図2は、本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイルに適用される滑り止め層の断面形状の具体例を示す縦断面図である。
図3図3は、本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイルに適用される滑り止め層に形成される突起部の断面形状の具体例を示す縦断面図である。
図4図4は、本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイルに適用される滑り止め層に形成される突起部の平面形状並びにそれらの配置形状の具体例を示す平面図である。
図5図5は、本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイルの製造工程で使用される両面エンボス加工工程の一具体例の構成を示す側面図である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下に本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイルの第1の態様の一具体例の構成を、図面を参照しながら詳細に説明する。
即ち、図1(A)は、本発明に係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイル1の基本的な態様についての一具体例の構成を示した断面図であって、構成する主たる樹脂がオレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーの1種または2種以上からの組み合わせから成り、少なくとも有色または無色透明層301と印刷層303と不透明または半透明の着色層302からなる化粧層3と2層以上の中間層4とバランス層5とがこの順で積層された基体部2で構成され、当該中間層4の内の1層は、無機質繊維層から成り、且つ、当該化粧層3にはエンボスによる賦形、当該バランス層5には接着確保のために表面積を広げるためのエンボスによる賦形があり、且つ、総厚さが2.5mm〜8mmであるリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル1が示されている。
【0019】
そして、本発明に於ける当該基体部2に於ける当該化粧層3は、例えば、有色或いは無色の透明の当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーと着色剤などから成る樹脂組成物で構成されたものであり、その厚みは、例えば、0.05mm〜0.7mmのシート状の膜体で構成された所謂透明層301と当該透明層301の下方部に配置されている半透明若しくは不透明の着色された当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーと着色剤と当該無機質充填剤が1種または粒子形状及び/または粒子径の異なる同種または異種材料の組み合わせなどから成る樹脂組成物でその厚みは例えば、0.05mm〜0.20mmのシート状の膜体で構成された所謂着色層302が設けられている。
【0020】
当該透明層301と当該着色層302の間には、適宜の絵柄、幾何学模様などが適宜の印刷技術などを使用して形成された印刷層303が配置されているものであっても良い。
尚、当該印刷層303の厚みは、例えば、1〜20μである事が望ましい。
更に、本発明に於ける当該化粧層3に於ける当該透明層301の上表面には、エンボス加工による賦形を有するエンボス加工面304が設けられている事が望ましい。
【0021】
係るエンボス加工面304は、当該合成樹脂床タイル1の表面の触感を向上させると共に、当該印刷層303に形成されている絵柄を立体的に見せる事により、当該合成樹脂床タイル1のデザイン性を向上させる効果がある。
尚、本発明に於いて、当該エンボス加工304は、当該透明層301の表面に直接エンボス加工することにより賦形したものであっても良く、予め、透明層301と印刷層303と着色層302を積層した化粧層3にエンボス加工することにより賦形しても良い。
当該エンボス加工された透明層301の上には、傷つき防止、汚染防止、帯電防止などの目的で、クリアコート層305(樹脂塗装膜)を設けることができ、クリアコート層305の厚みは、3〜30μで、より好ましくは7〜20μである。
【0022】
次に、本発明に係る当該基体部2の中間層4は、所定の厚みを有し、構成する主たる樹脂がオレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーの1種または2種以上からの組み合わせから成り、無機質充填剤などから成る樹脂組成物で構成されたものであり、その厚みは、例えば、0.5〜6.0mmの範囲で設計される事が望ましい。
また、中間層4の1つの層である当該無機質繊維層402は、無機質繊維の布帛構造体であり、その質量が20〜300g/m2で、且つ、当該無機質繊維が少なくとも当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーを含有する樹脂組成物で被覆されたものであり、樹脂組成物には無機質充填剤を添加しても良い。無機質繊維層の厚さは、例えば、0.06〜1.0mmである事が望ましい具体例である。
【0023】
又、本具体例に於いては、当該無機質繊維層402を、当該中間層4を成型する間の適宜の工程で、その内部に挿入して成型加工するものであっても良く、或いは、予め適宜の厚さにそれぞれ形成された当該複数枚の当該中間層4の間に、当該無機質繊維層402を挿入して、サンドウィッチ状に重ね合わせて一体化したものであっても良い。
係る具体例に於いては、当該無機質繊維層402は、1層のみに特定されるものではなく、複数枚の当該無機質繊維層402を使用して、当該相互に積層される当該複数枚の中間層4のそれぞれの間に挟み込む様に構成する事も可能である。
【0024】
一方、本発明に於ける当該基体部2の最下段には、バランス層5が設けられており、当該バランス層5は、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーと当該無機質充填剤が1種または粒子形状及び/または粒子径の異なる同種または異種材料の組み合わせなどから成る樹脂組成物で構成されたものであり、その厚みは、例えば、0.2〜1.0mmの範囲で設計される事が望ましい。
当該バランス層5には接着確保のために表面積を広げるためのエンボスによる賦形(エンボス加工面51)がある。エンボスによる賦形は、積層後に実施するが、バランス層の製造時に実施しても良い。
【0025】
更に、本発明に於いては、当該化粧層3の着色層302、2層以上の中間層4(無機質繊維層を除く)、バランス層5が、構成する主たる樹脂が当該オレフィン系の熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーとの樹脂構成比が20:80〜80:20の範囲であって、且つ、それらに含まれる当該無機質充填剤が1種または粒子形状及び/または粒子径の異なる同種または異種材料の組み合わせであって、当該化粧層3の着色層302は0部を含む150部以下、当該2層以上の中間層4(無機質繊維層を除く)は200〜600部、バランス層5は0部を含む300部以下であることも好ましい具体例である。
又、本発明に於いては、当該化粧層の有色または無色透明層301が、構成する主たる樹脂が当該オレフィン系の熱可塑性樹脂と熱可塑性エラストマーの樹脂構成比が40:60〜70:30の範囲であることも望ましい具体例である。
【0026】
更に、本発明に於ける第1の態様に於ける別の具体例としては、図1 (B)及び図1(C)に示す様に、例えば、構成する主たる樹脂が当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーから成り、少なくとも有色または無色透明層301と、印刷層303と不透明または半透明の着色層302からなる化粧層3と、2層以上の中間層4と、バランス層5(ここまでを基体部2)と、構成する主たる樹脂が熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーから成る樹脂組成物で成形される滑り止め層55がこの順で積層され、当該中間層の1層は無機質繊維層402から成る様に構成された滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル1である。
ここで基体部2は、第1の態様の先の具体例の基体部2と同じである。
【0027】
一方、本発明に於いては、当該滑り止め層が少なくとも当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーを含有し、熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーの1種または2種以上から成る樹脂組成物で、その樹脂組成物には無機質充填剤を添加しても良い。厚さが0.2〜1mmであることも望ましい具体例である。
更に、本発明に於いては、当該滑り止め層の表面には、線状や幾何学的な模様などのパターンを形成してなる凹凸賦形があり、当該1個または複数個の突起部により囲まれて形成される凹陥部が当該タイルに印加された押圧力が開放された場合に当該凹陥部内に負圧が発生しないこと、突起部と凹陥部との高低差が0.2〜0.6mmの範囲であることが望ましい具体例の一つである。
【0028】
又、本発明に於いては、当該滑り止め層が、当該バランス層を基材として、当該滑り止め層を構成する樹脂組成物で、平滑なまたは線状や幾何学的な模様などのパターンを形成してなる層で、厚さが0.2mm〜1mmの範囲であることも好ましい具体例である。
図2、3、4に滑り止め層の構成図、断面形状や平面形状などを示したが、これらに限定されるものではない。
【0029】
リサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルと滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルの形状は、正方形、長方形が一般的であるが、タイル同士が隙間がなく敷設できれば良く、形状を限定するものではない。また、タイル同士を接合するための嵌合をタイルの周囲に設けることを妨げるものではなく、相対する辺の1対以上設ければ良い。
此処で、本発明に於いて、当該基材部2の各層体部分で使用される事が望ましい原料素材の一例を以下に説明する。
【0030】
本発明に於ける各部材において使用される事が望ましい構成材料の具体例は、以下の通りである。
即ち、本発明係る当該リサイクル可能な合成樹脂タイル1で使用される個々の部材の使用原料或いは使用材料としては、基本的には、当該リサイクル可能な合成樹脂タイル1をリサイクル材料として使用する事を前提としているので、少なくとも当該合成樹脂タイルを構成する一つの層に、当該合成樹脂タイルが違和感なく混錬・相溶する構成であれば良い。構成が、当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーを含有することは好ましい具体例である。
【0031】
(1)オレフィン系熱可塑性樹脂
本発明に於いて使用されるオレフィン系熱可塑性樹脂としては、持に制眼はなく、例えば、エチレン,プロピレン、プテン一1、3一メチルブテン一1、3一メチルペンテン一1、4一メチルペンテン一1などのα一オレフィンの単独重合体やこれらの共重合体、あるいはこれらと他の共重合可能な不飽和単量体との共重合体などが挙げられる。
代表例としては、高密度、中密度、低密度ポリエチレンや直鎖状低密度ポリエチレン、超高分子量ボリエチレン、エチレン一酢酸ビニル共重合体、エチレン一アクリル酸エチル共重合体などのポリエチレン類、プロピレン単独重合体,プロピレン一エチレンプロック共重合体やランダム共重合体、プロピレン一エチレン一ジエシン化合物共重合体などのポリプロピレン類、ポリブテン一1、ポリ4一メチルペンコテン一1などを挙げることができる。
【0032】
上記ポリプロピレン類の中では結晶性のポリプロビレン系樹脂がよく用いられ、この結晶性のポリプロピレン系樹脂としては、例えば、結晶性を有するアイソタクチソクプロピレン単独重合体,エチレン単位の含有量の少ないエチレン一プロピレンランダム共重合体、プロピレン単独重合体からなるホモ部とエチレン単位の含有量の,比較的多いエチレン一プロピレンランダム共重合体からなる共重合部とから構成されたプロピレンブロック共重合体、さらには前記プロピレンプロック共重合体における各ホモ部又は共重合部が、さらにプテン一1などのα一オレフィンを共重合したものからなる結晶性のプロピレン一エチレン一α一オレフィン共重合体等が挙げられる。
このオレフィン系熱可塑性樹脂は1種用いても良いし 2種以上を組み合わせて用いてもよく、又、再生品も用いることができる。
【0033】
(2)オレフィン系熱可塑性エラストマー
オレフィン系熱可塑性エラストマーとしては、オレフィン系熱可塑性樹脂とゴム成分としては限定されるものではないが、好ましくはエチレン一プロピレン共重合体(EPR)、エチレン一ブテン共重合体(EBM)などのオレフィン系のゴム成分との混合物や共重合物が好ましい。また、熱可塑性樹脂と混錬可能なゴム成分などをブレンドしてそれを熱可塑性エラストマーとしても良い。
また、スチレン系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱可塑性エラストマー、ポリエステル系熱仮想性エラストマー、塩化ビニル系熱可塑性エラストマー及びウレタン系熱可塑性エラストマーなどの使用を妨げるものではない。
【0034】
(3)無機質充填剤
無機質充填剤としては、例えば炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩系、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウムなどの水酸化物系、硫酸カルシウム、硫酸バリウムなどの硫酸塩系、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウムなどのケイ酸塩系、カオリン、シリカ、パーライト、焼成アルミナ、タルク、マイカ、チタン酸カリウム、ガラス繊維などが挙げられ、これらは単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。また無機質充填剤の球状、偏平状、針状や繊維状などの形状で熱変形安定性や強度などの性能が異なるが、経済性などの点から、炭酸カルシウム、タルク、水酸化アルミニウム及び水酸化マグネシウムなどが好ましい。
【0035】
透明合成樹脂層には、透明性を損なわない範囲で、シリカ、ガラス繊維やガラスビーズなど無機質材料を耐擦傷性・耐摩耗性などの向上のため混在することができ、無機質材料は、樹脂との密着性を向上のための脂肪酸やカップリング剤などを用いた表面処理することがある。更に、デザイン性からパール顔料などを添加しても良い。
【0036】
(4)印刷
本発明に於いて使用される印刷層は、グラビア印刷、スクリーン印刷、オフセット印刷、凸版印刷、転写印刷、フレキソ印刷、インクジェット印刷などの一般的な印刷やコンマコーター、ロールコーターやダイコーターなどによるコーティングを施すことでもたらされ、使用される印刷インキまたは塗料のバインダー樹脂は、特に制限はなく、例えばポリウレタン系樹脂、塩化ビニル系樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル系共重合体樹脂/アクリル系樹脂、塩素化ポリプロピレン系樹脂、アクリル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ブチラール系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ニトロセルロース系樹脂、アセチルセルロース系樹脂などの中から任意のものが用いられる(組合せであっても良い)。また、該インキまたは塗料には、顔料、染料などの着色剤、体質顔料、溶剤などが適宜混合されている。また、必要に応じてイソシアネート系などを添加し硬化させても良いし、電離放射線を照射することによる硬化であっても良い。
印刷またはコーティングは、透明層と着色層のどちらかまたは両方であっても良い。
【0037】
(5)無機質繊維層
当該中間層4の一部となる無機質繊維層としては、ガラス繊維、セラミック繊維、炭素繊維などからなる布帛構造状の無機質繊維を使用した構成が好ましい。
この無機質繊維は、熱安定性が良好で、収縮率が小さい上、経時変化が小さく、得られる合成樹脂タイルに良好な寸法安定性、熱安定性、耐不陸性及び耐しごき性などを付与する作用を有している。
このような作用が効果的に発揮させるためには、経済的に、またバリエーションが豊富であるガラス繊維が好ましく、特に布帛構造としては不織布または平織クロスが好適である。
この布帛構造の無機質繊維の質量としては20〜300g/m2程度が好ましい。
また、当該布帛構造無機質繊維は、被覆する樹脂との密着性を向上させるために、所望によりシラン系カップリング剤などよる表面処理したものまたは/及びほつれ防止のための目止め処理されたものであっても良い。
【0038】
(6)滑り止め用材料
滑り止め用材料には、オレフィン系以外の熱可塑性樹脂、熱可塑性エラストマーを用いることができる。熱可塑性樹脂としては、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂など使用できる。熱可塑組成エラストマーは、アクリル系、スチレン系、ウレタン系、ポリエステル系などが使用できる。また、熱可塑性樹脂に合成ゴムをブレンドして、熱可塑性エラストマーとしても良い。合成ゴムとしては、SBR、NBR、IRなどが使用できる。
滑り止め用材料には、酸化チタン等の着色剤を添加しても良いし、滑り止め層の機械的な強度を損なわない程度に無機質充填剤を添加しても良く、例えば、100部以下が望ましい。
滑り止め層は、バランス層にTダイ押出ラミなどにより積層されて良いし、溶剤等に溶解して塗料化してバランス層の上に平滑またはパタ―ン状に塗布・乾燥・固化して設けても良い。また、メカニカル発泡や化学発泡を妨げるものではない。
但し、パターン状に設けた場合は、エンボスによる賦形を省くことができる。
【0039】
(7)その他材料
(a)クリアコート剤
本発明に於いては、当該積層された透明合成樹脂層の表面には、汚れ防止機能及び耐擦傷性機能などを付与するクリアコート層を設けることができる。
このクリアコート層は、例えばアクリル系樹脂やウレタン系樹脂などのクリアコート層形成用材料(必要に応じて、硬化剤を添加しても良い)を塗布又は印刷することにより形成することができるし、或は電離放射線硬化型樹脂層を塗布又は印刷により設け、これに電離放射線を照射することにより、形成することができる。
必要に応じて光開始剤やレベリング剤、光沢調整剤などを添加することができる。
【0040】
(b)オレフィン用プライマー
ポリオレフィン用プライマーを使用しても良い。例えば、酸変性ポリプロピレンや塩素化ポリプロピレン、アクリル系樹脂、ウレタン系樹脂、ポリエステル系樹脂などで、適宜イソシアネート系などの硬化剤を添加使用しても良い。
使用にあたっては、対象となる基材に、予めコロナ処理などの活性化処理を行うことを妨げない。
【0041】
(c)他添加剤
他添加剤として、例えば酸化防止剤、熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、難燃剤、難燃助剤、滑剤、離型剤、着色剤、帯電防止剤、防滑剤などを適宜含有させることができる。
【0042】
次に、本発明に於ける第2の態様であるリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルの製造方法について説明する。
即ち、本発明に係る当該リサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルの製造方法としては、例えば、圧延装置とその連続するライン上にラミネータ部とエンボス部がある設備で、中間層の一つの層で、厚さが最大であるである中間層を成形しながら、予め準備された中間層(無機質繊維層含む)、バランス層、化粧層を、所定の構成となるように順次積層して合成樹脂タイルを製造するに際し、当該化粧層にはエンボスロールによる賦形、当該バランス層には接着確保のために表面積を広げるためのエンボスロールによる賦形をする製造方法である。
【0043】
一方、本発明に於ける当該第2の態様に於ける別の具体例としては、例えば、 圧延装置とその連続するライン上にラミネータ部とエンボス部がある設備で、中間層の一つの層で、厚さが最大であるである中間層を成形しながら、予め準備された中間層(無機質繊維層含む)、バランス層、化粧層、滑り止め層を、所定の構成となるように順次積層して合成樹脂タイルを製造するに際し、当該化粧層にはエンボスロールによる賦形、当該滑り止め層には線状や幾何学的な模様などのパターンをエンボスロールによる賦形する製造方法である。
【0044】
処で、本発明に於ける当該第2の態様に於いて、当該リサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイルの製造方法を実行する場合には、例えば、化粧層の透明層及び着色層は、所定の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で製膜する。
透明層は0.05〜0.7mm、着色層は0.05〜0.2mmの範囲である。印刷工程では、層厚さが0.2mm以上ではカスレ等の欠点があり、0.05mm以下ではシワの発生などがあり好ましくない。
【0045】
当該中間層4(無機質繊維層は除く)は、所定の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で製膜する。
当該中間層4(無機質繊維層は除く)に同仕様から成る使用済みタイル(接着剤・粘着剤・両面テープなどの施工用資材や施工面の素材である木質材料やセメント系材料などが固着していない)をリサイクル材として使用する場合は、粉砕したものを使用しても良い。
【0046】
無機質繊維層は、無機質繊維である布帛構造を有する無機質繊維(質量20〜300g/m2)を浸漬コーティング装置などを用いて、水系または溶剤系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーから成る樹脂組成物で被覆・乾燥・固化する。その樹脂組成物は、少なくとも当該オレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーを含有し、無機質充填剤を350部以下で含有しても良い。また、熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーと所定量の無機質充填剤を撹拌・混合した材料をTダイ押出法などで、布帛構造を有する無機質繊維と一体化して被覆しても良いし、圧延装置で予めシート状に成形された膜体と布帛構造を有する無機質繊維とを貼合・一体化して被覆しても良い。無機質繊維層の厚さは0.06mm〜1mmの範囲である。
【0047】
バランス層5は、所定の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で製膜する。厚さは、0.3〜1mm。無機質充填剤を300部以下で添加しても良い。
滑り止め層55は、所定の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で、厚さは、0.1〜1mmで製膜する。無機質充填剤を100部以下で添加しても良い。
【0048】
滑り止め層55は、バランス層5にTダイ押出ラミなどにより積層されても良いし、滑り止め樹脂組成物を塗料化してバランス層5の上に平滑またはパタ―ン状に塗布・乾燥・固化して設けても良い。
但し、パターン状に設けた場合は、凹凸賦形を省くことができる。
予め化粧層3(透明層301と印刷された着色層302)、中間層401、無機質繊維層402、バランス層5を準備し、中間層4の中で最も厚い層なる中間層403を圧延装置で製膜しながら、それに連続する製造設備で図1(A)の層構成となるように、各層を加熱して、ラミネーターロールで積層する。基体部2の表面近傍の温度が130〜160℃となるように加熱して、化粧層3にはエンボスロールで賦形をする。基体部2の裏面近傍の温度が130〜160℃となるように加熱して、バランス層5には、接着性を確保するための表面積を拡大するため、エンボスロールで凹凸の賦形をする。バランス層5は、予めエンボス賦形されたものを積層しても良い。
【0049】
また、図1(B)では、化粧層3(透明層301と印刷された着色層302)、中間層401、無機質繊維層402、バランス層5、滑り止め層55を準備し、中間層4の中で最も厚い層なる中間層403を圧延装置で製膜しながら、それに連続する製造設備で図−1(B)の層構成となるように、各層を加熱して、ラミネーターロールで積層する。基体部2の表面近傍の温度が130〜160℃となるように加熱して、化粧層3にはエンボスロールで賦形をし、基体部2に積層された滑り止め層の近傍の温度が130〜160℃となるように加熱して、滑り止め層55にはエンボスロールで凹凸の賦形をする。
滑り止め層55は予めバランス層5と積層していても良く、滑り止め層55の投入を化粧層3へのエンボス賦形後に積層しエンボスロールで凹凸の賦形をしても良い。
尚、エンボス賦形後は、冷却されて、所望のタイルサイズに裁断して、タイルを製造する。
所望のタイルサイズに裁断される前に、トップコート層を設けても良い。トップコート層には、艶調整、耐擦傷性、耐汚染性、帯電防止性、防滑性付与などのための添加剤を添加して使用しても良い。
所望のタイルサイズに裁断されたものは、面取りやR面加工をしても良いし、NCルーターなどで、タイル同士の接合を行う嵌合を切削して形成しても良い。
【0050】
以下に、本発明に係る当該リサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル及び滑り止め機能を有するリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル及びその製造方法に関する実施例を説明する。
【0051】
実施例の製作
下記に記載の(1)〜(5)のように、予め積層する各構成層を製作し、中間層を構成する最大の厚さを有する中間層403を、各実施例の通り配合された材料を混錬し、圧延装置で、実施例の通りの厚さで製膜しながら、タイル構成図 図1(A)、図1(B)となるようにラミネーターで順次積層する。基体部2の表面近傍の温度が140℃となるように加熱して、化粧層3にはエンボスロール(木目導管エンボス)で賦形をし、基体部2の裏面近傍または基体部2に積層された滑り止め層の近傍の温度が140℃となるように加熱して、最下層がバランス層5の場合にはピラミッド型の凹エンボスロール、滑り止め層55には平面形状は千鳥模様で、断面形状が台形となるエンボスロールで賦形し、冷却後裁断して457.2×457.2mmのタイルを製作した。
【0052】
(1)化粧層3の製造方法
化粧層の透明層301は、各実施例の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で、各実施例の厚さ0.4mmと0.5mmに製膜した。着色層302は、各実施例の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で0.1mmに製膜した。
透明層301及び着色層302は表裏面ともコロナ処理を実施した。ウレタン系樹脂をバインダーとしたインクに硬化剤を添加したものを使用して、着色層302にグラビア印刷機で3版構成の木目柄を印刷した。その印刷層303は、0.01mmであった。透明層301及び印刷済み着色層302はロール状に巻き取り準備した。
【0053】
(2)中間層4の製造方法
中間層401は、各実施例の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で厚さ0.7mmと0.9mmに製膜し、ロール状に巻き取り準備した。
(3)無機質繊維層402の製造方法
ガラス繊維不織布(目付量50g/m2)を、浸漬コーティング装置を用いて、変成PP樹脂とアクリル系樹脂から成る水系樹脂(固形分 30%)を塗布・被覆して、乾燥・固化し、ロール状に巻き取り準備した。厚さは0.3mmであった。
【0054】
(4)バランス層5の製造方法
バランス層5は、各実施例の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で厚さ0.8mmに製膜し、ロール状に巻き取り準備した。
【0055】
(5)滑り止め層55の製造方法
滑り止め層55は、実施例4の配合に計量された材料を混錬し、圧延装置で厚さ0.25mmに製膜し、ロール状に巻き取り準備した。
【0056】
実施例1
透明層301は、オレフィン系熱可塑性樹脂(ハンファトタル製;PP RF401 以後PPと表記)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LG Chem製;ルーセンLC−100 以後LC−100と表記)とが、1:1の組成比で、厚さ0.4mm。着色層302は、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが、1:3の樹脂組成比で、無機質充填剤が50部、着色剤(酸化チタン)10部、厚さ0.1mm。
中間層401は、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが4:1の樹脂組成比で、無機質充填剤が300部、厚さ0.9mm。
バランス層5は、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが4:1の樹脂組成比で、無機質充填剤が150部で、厚さが0.8mm。各層を中間層4の一つの層である厚さが最大である中間層403(オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが、4:1の樹脂組成比で、無機質充填剤が300部、厚さ1.5mm)を成形しながら、連続した製造設備で構成図(図1A)のように順次積層し、エンボスロールによる賦形直前には、それぞれ基体部2の表面及び裏面の近傍の温度を140℃となるように加熱して、表面及び裏面にエンボスロールで賦形を施し、冷却後裁断して457.2×457.2mmのタイルを製作した。この場合の厚みは4mmであった。
【0057】
実施例2
透明層301は、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが、1:1の組成比で、厚さ0.5mm。
着色層302は、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが、1:3の樹脂組成比で、無機質充填剤が50部、着色剤(酸化チタン)10部、厚さ0.1mm。中間層401は、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが3:2の樹脂組成比で、無機質充填剤が450部、厚さ0.7mm。
バランス層5は、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが5:4の樹脂組成比で、無機質充填剤が150部で、厚さが0.8mm。
各層を中間層4の一つの層である厚さが最大であるで中間層403(オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが、2:3の樹脂組成比で、無機質充填剤が500部、厚さ2.3mm)を成形しながら、連続した製造設備で構成図(図1A)のように順次積層し、エンボスロールによる賦形直前には、それぞれ基体部2の表面及び裏面の近傍の温度を140℃となるように加熱して、表面及び裏面にエンボスロールで賦形を施し、冷却後裁断して457.2×457.2mmのタイルを製作した。この場合の厚みは4.8mmであった。
【0058】
実施例3
実施例2で作成したタイルを1ヶ月間敷設後に回収し、5mm角に粉砕したもの(以後 粉砕品)を使用するため、中間層4の一つの層である厚さが最大であるで中間層403(オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが、1:1の樹脂組成比で、無機質充填剤が250部、粉砕品を210部、厚さ2.3mm)で作製する以外は、実施例2と同じ。この場合の厚みは4.8mmであった。
【0059】
実施例4
滑り止め層55は、オレフィン系熱可塑性樹脂(PP)とオレフィン系熱可塑性エラストマー(LC−100)とが、1:3の樹脂組成比で、着色剤(酸化チタン)1部、厚さ0.25mm。
構成図(図1B)のように実施例2のタイルに、滑り止め層55を連続した製造設備で積層して、エンボスロールによる賦形直前には、それぞれ基体部2の表面及び基体部2に積層された滑り止め層の近傍の温度が140℃となるように加熱して、エンボスロールで賦形を施し、冷却後裁断して457.2×457.2mmのタイルを製作した。厚さは5mmであった。
滑り止め層へのエンボスは、平面形状の千鳥模様で、断面形状は台形を採 用し、印加された押圧力が開放された場合に当該凹陥部内に負圧が発生せず、突起部と凹陥部との高低差が0.3mmであった。
【0060】
実施例5
実施例4で使用したものと同じ滑り止め層55を連続する生産設備で、実施例3のタイルに積層した以外は、実施例4と同じ。厚さは、5mmであった。
【0061】
比較例1
比較例1は、特許第4053391号に基づき、4.5mm塩化ビニル樹脂製の置き敷きタイルを使用して、滑り止め加工行い(突起高さ 0.5mmであった)、滑り止め付置き敷きPVCタイルを製作した。
【0062】
製造方法は記載された方法に特に限定されるものではなく、例えば、構成する全ての層を予め製造して巻取り(または枚葉で積載)、各層を加熱して順次積層し、表裏面にエンボス賦形を行う方法や、構成する全ての層を枚葉にして構成図に従って重ね合わせ、加熱プレスによって積層すると同時に表裏面に賦形を行う方法などであっても良い。
【0063】
(性能評価)
各実施例で製作した試料について、JIS A 1454に基づいて、反り、加熱による長さ変化、残留へこみ量、熱膨張係数を測定し、JIS A 5705のビニルタイルの製品規格(置き敷きビニル床タイル)と比較した。
また、滑り止め効果について、平滑な表面であるガラス板上で、手で滑らせるようにして、感触判断を行った。結果は表1の通りで、ビニルタイルの規格同等の性能が得られた。

(性能評価)
【表1】
【0064】
反り試験方法;JIS A 1454による。
置敷きビニル床タイル(JIS A 5705)の規格値:0.5mm以下、(−)2mm以下
低温反り: 5℃に設定した恒温機槽内に1時間静置後に反りの状態を測 定した。
常温反り: 23℃に設定した恒温機槽内に1時間静置後に反りの状態を 測定した。
試料寸法: 457.2×457.2mm

加熱による長さ変化率;JIS A 1454による
置敷きビニル床タイル(JIS A 5705)の規格値:0.15%以下
あらかじめ、幅・長さの寸法をノギスを用いて測定し、80℃に設定した恒温機槽内に6時間静置後、取り出し室温で2時間放置後、再び寸法を測定し変化率を求める。
【0065】
残留へこみ量;JIS A 1454による
置敷きビニル床タイル(JIS A 5705)の規格値:0.45mm以下
試験片を恒温室内に1時間静置後、試験機に試験片を乗せ356Nの荷重を10分間加える。荷重を取り去ってから1時間後のへこみ量をダイヤルゲージで測定し残留へこみ率を求める。
【0066】
熱膨張係数;JIS A 1454:2010による
置敷きビニル床タイル(JIS A 5705)の規格値:6x10-5以下
温度5±2℃の試験室中に24時間以上静置した後、寸法を測定し、5℃の試験片の長さ又は幅の寸法とする。測定を完了した試験片を32±2℃の試験室中に24時間静置した後、寸法を測定する。それを35℃の寸法とする。計算によって熱線膨張係数を求める。
【0067】
滑り性試験方法と評価;
横方向 ;タイルをガラス板上の静置し、タイル側面を指で水平に押した時の滑り難さ
斜め方向;タイルをガラス板上の静置し、タイル側面の角を斜め上から横にずらす様に押した時の滑り難さ

○;非常に抵抗があり、滑り難い
△;抵抗はあるが、滑る
×;ほとんど抵抗なく、滑る
【符号の説明】
【0068】
1:リサイクル可能な合成樹脂タイル
2:基体部
3:化粧層
4:中間層
5:バランス層
51:バランス層 エンボス加工面
55:滑り止め層
301:透明層
302:着色層
303:印刷層
304:エンボス加工面
305:クリアコート層
401:中間層
402:中間層
403:中間層
551:突起部
552:凹陥部
553:滑り止め層 凹凸賦形面
【要約】      (修正有)
【課題】循環型社会の形成に貢献するリサイクルが可能な置き敷き合成樹脂タイル及び効果的な滑り止め機能を有するリサイクルが可能な置き敷き合成樹脂タイルと、該タイルを連続的に積層して製造する方法を提供する。
【解決手段】構成する主たる樹脂がオレフィン系の熱可塑性樹脂及び/または熱可塑性エラストマーから成り、少なくとも有色または無色透明層301と印刷層303と不透明または半透明の着色層302からなる化粧層3と2層以上の中間層4とバランス層5とがこの順で積層された基体部2で構成され、中間層4の内の1層は、無機質繊維層から成り、且つ、当該化粧層3とバランス層には凹凸が賦形されているリサイクル可能な置き敷き合成樹脂タイル。
【選択図】図1A
図1A
図1B
図1C
図2
図3
図4
図5