(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
ところで、近年、クレジットカードを利用して税金等の納付金を納付するシステムにおいて、納付者に当該システムの利用料を課金するモデルが広まりつつある。この利用料は、納付金とともにクレジットカードで決済される。このため、上記システムでは、納付金と利用料との合算金額で与信し決済する。
【0007】
しかしながら、納付金は納付先(例えば、納付金が地方税であれば地方公共団体)に精算され、利用料は当該システムを運営する決済代行事業者に精算される。また、当該システムにおいて、納付先はクレジットカードの加盟店となり、通常、加盟店はクレジットカードの決済金額に応じた手数料を負担する。そして、この手数料は、加盟店の手数料負担意思によって異なる。
【0008】
本発明は、上記のような課題に鑑み、なされたものであり、納付先の手数料負担意思に柔軟に対応可能な納付システム及び納付システムの納付方法を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の課題を解決するため、本発明の納付システムは、クレジットカードにより、納付金の納付を受け付ける納付システムであって、前記クレジットカードの会員の操作により、前記納付金を前記クレジットカードにより決済することを要求する決済要求を受け付ける会員端末と、前記会員端末と接続され、前記会員端末から前記決済要求を受信し、前記納付金の前記クレジットカードによる決済を代行する決済代行サーバと、前記決済代行サーバと接続され、前記クレジットカードに関する前記会員の会員情報を記憶する代理納付サーバと、を備え、前記会員端末は、前記会員の操作により、当該会員を特定する会員情報の入力、前記納付金を指定する納付指定情報の入力及び前記決済要求を受け付ける受付手段と、前記受付手段で受け付けた、前記会員情報、前記納付指定情報及び前記決済要求を、前記決済代行サーバに送信する端末制御手段と、を備え、前記決済代行サーバは、前記会員端末から受信した前記納付指定情報に基づき、前記納付金の納付額を示す納付額情報を含む納付情報を呼び出す納付情報呼出手段と、前記納付情報呼出手段が呼び出した前記納付情報に含まれる前記納付額情報が示す前記納付額に応じた
、決済代行業者が運営する当該納付システムの利用料を算出する利用料算出手段と、前記納付額と前記利用料算出手段により算出された前記利用料の合算金額を算出する合算金額算出手段と、前記合算金額算出手段により算出された前記合算金額と、前記会員端末から受信した前記会員情報と、を前記代理納付サーバに送信し、前記会員の前記クレジットカードの有効性を確認する与信手段と、前記合算金額算出手段が算出した前記合算金額を、前記納付額と前記利用料とに分割し、前記納付額を示す納付金売上情報と、前記納付金売上情報に対応付けられた前記利用料を示す利用料売上情報と、を生成する売上票分割手段と、前記売上票分割手段が生成した、前記納付金売上情報及び前記利用料売上情報を、夫々前記代理納付サーバに送信する送信手段と、を備えることを特徴とする。
【0010】
上記構成によれば、納付システムは、クレジットカードにより、納付金の納付を受け付け、クレジットカードの会員の操作により、納付金をクレジットカードにより決済することを要求する決済要求を受け付ける会員端末と、会員端末と接続され、会員端末から決済要求を受信し、納付金のクレジットカードによる決済を代行する決済代行サーバと、決済代行サーバと接続され、クレジットカードに関する会員の会員情報を記憶する代理納付サーバと、を備える。会員端末は、受付手段と、端末制御手段と、を備える。受付手段は、会員の操作により、当該会員を特定する会員情報の入力、納付金を指定する納付指定情報の入力及び決済要求を受け付ける。端末制御手段は、受付手段で受け付けた、会員情報、納付指定情報及び決済要求を、決済代行サーバに送信する。決済代行サーバは、納付情報呼出手段と、利用料算出手段と、合算金額算出手段と、与信手段と、売上票分割手段と、送信手段と、を備える。納付情報呼出手段は、会員端末から受信した納付指定情報に基づき、納付金の納付額を示す納付額情報を含む納付情報を呼び出す。利用料算出手段は、納付情報呼出手段が呼び出した納付情報に含まれる納付額情報が示す納付額に応じた利用料を算出する。合算金額算出手段は、納付額と利用料算出手段により算出された利用料の合算金額を算出する。与信手段は、合算金額算出手段により算出された合算金額と、会員端末から受信した会員情報と、を代理納付サーバに送信し、会員のクレジットカードの有効性を確認する。売上票分割手段は、合算金額算出手段が算出した合算金額を、納付額と利用料とに分割し、納付額を示す納付金売上情報と、納付金売上情報に対応付けられた利用料を示す利用料売上情報と、を生成する。送信手段は、売上票分割手段が生成した、納付金売上情報及び利用料売上情報を、夫々代理納付サーバに送信する。
【0011】
これにより、クレジットカードにより、納付金を納付するシステムにおいて、納付金の納付額と利用料の合算金額により与信し、この合計金額を、納付額と利用料とに分割し、納付額を示す納付金売上情報と、利用料を示す利用料売上情報と、を生成する。よって、納付金と利用料とを別々に管理できるので、例えば、納付金の納付先がクレジットカードの利用に対する手数料を負担するケースと負担しないケースとで、システムを構築や変更する場合、利用料を考慮しなくていいので、システムの構築や変更が容易になる。したがって、納付先の手数料負担意思に柔軟に対応可能な納付システムを提供できる。
【0012】
なお、本発明における「納付金」は、例えば、自動車税や県民税等の税金の他、年金、保険料、入学金等の、納付金の納付先が納付する者を特定し納付を促す納付通知書を送付可能な納付金である。また、本発明における「納付先」とは、例えば、「納付金」が自動車税や県民税であれば地方公共団体であり、「納付金」が「年金」であれば国であり、「納付金」が「入学金」であれば学校法人である。また、本発明における「利用料」とは、納付システムの利用料である。
【0013】
また、上記納付システムの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記売上票分割手段は、前記納付金売上情報及び前記利用料売上情報を、分類するための、夫々異なる特定情報を含めて生成し、前記納付金売上情報の前記特定情報は、前記納付金の納付先毎に設定される情報であり、前記利用料売上情報の前記特定情報は、前記納付金売上情報の前記特定情報毎に設定される情報であることを特徴とする。
【0014】
これにより、特定情報により、納付金売上情報を納付金の納付先毎に、利用料売上情報を納付金売上情報の特定情報毎に、処理できる。よって、決済要求毎に納付金売上情報を処理する場合や、納付金売上情報毎に利用料売上情報を処理する場合に比べ、システムの処理負荷を軽減できる。ここで、本発明において「特定情報」には、クレジットカードの加盟店毎に付される加盟店番号や、加盟店の名称等が含まれる。
【0015】
また、上記納付システムの発明は、以下の特徴を備えることができる。前記
代理納付サーバに接続され、前記会員毎の前記クレジットカードの利用明細を示す利用明細情報を生成する利用明細生成サーバを、更
に備え、前記代理納付サーバは、前記決済代行サーバから受信した前記納付金売上情報及び前記利用料売上情報に基づき、売上処理を行う売上処理手段を備え、前記売上処理手段は、前記納付金売上情報に基づき、前記納付金を納付先に納付する処理を行い、前記納付金売上情報及び前記利用料売上情報を、前記利用明細生成サーバに送信し、前記利用明細生成サーバは、前記代理納付サーバから受信した前記納付金売上情報及び前記利用料売上情報に基づき、前記納付金売上情報及び前記利用料売上情報を夫々別の項目として示す前記利用明細情報を生成することを特徴とする。
【0016】
上記構成によれば、納付システムは、更に、決済代行サーバに接続され、会員毎のクレジットカードの利用明細を示す利用明細情報を生成する利用明細生成サーバを備える。代理納付サーバは、決済代行サーバから受信した納付金売上情報及び利用料売上情報に基づき、売上処理を行う売上処理手段を備える。売上処理手段は、納付金売上情報に基づき、納付金を納付先に納付する処理を行い、納付金売上情報及び利用料売上情報を、利用明細生成サーバに送信する。利用明細生成サーバは、代理納付サーバから受信した納付金売上情報及び利用料売上情報に基づき、納付金売上情報及び利用料売上情報を夫々別の項目として示す利用明細情報を生成する。
【0017】
これにより、会員に送付されたり、Web上で閲覧できる、クレジットカードの利用明細において、納付金と利用料とを別の項目として示すことができる。従来、クレジットカードで納付金を納付した場合、利用明細には、納付金の項目において、納付金の金額と利用料とが合算された金額(即ち、納付金の金額より大きい金額)が示されていた。このため、例えば、利用料に関する説明を見落とした会員から納付先に、納付金の金額より大きい金額が決済されている理由の問い合わせが多々あり、この問い合わせは納付先の負担となっていた。本発明によれば、納付金の項目には納付金の金額のみを示し、利用料を別項目として表示するので、会員において誤解が生ずるのを防止し、上記問い合わせによる納付先の負担を軽減できる。
【0018】
また、上記納付システムの発明は、さらに以下の特徴を備えることができる。前記決済代行サーバは、前記納付情報及び前記納付金の収納状況を示す収納情報を記憶する納付先サーバから、前記納付情報を受信する納付情報連携手段と、前記送信手段が、前記代理納付サーバに前記納付金売上情報を送信した後に、前記収納情報を前記納付先サーバに送信する収納情報還元手段と、を更に備えることを特徴とする。
【0019】
上記構成によれば、決済代行サーバは、納付情報連携手段と、収納情報還元手段と、を更に備える。納付情報連携手段は、納付情報及び納付金の収納状況を示す収納情報を記憶する納付先サーバから、納付情報を受信する。収納情報還元手段は、納付先サーバに、収納情報を送信する。
【0020】
これにより、決済代行サーバは、納付先サーバに記憶された納付情報に基づき、納付金の納付を受け付ける処理を行うことができる。また、納付先サーバは、決済代行サーバから送信された収納情報に基づき、納付金の収納を管理できる。よって、複数のサーバ間で情報を送受信する納付システムにおいても、確実に納付金の納付及び収納を管理できるので、納付金の未請求や重複請求を防止できる。
【0021】
また、本発明は、以下のように、納付方法と捉えることも可能である。クレジットカードにより、納付金の納付を受け付ける納付システムが実行する納付方法であって、前記納付システムは、前記クレジットカードの会員の操作により、前記納付金を前記クレジットカードにより決済することを要求する決済要求を受け付ける会員端末と、前記会員端末と接続され、前記会員端末から前記決済要求を受信し、前記納付金の前記クレジットカードによる決済を代行する決済代行サーバと、前記決済代行サーバと接続され、前記クレジットカードに関する前記会員の会員情報を記憶する代理納付サーバと、を備え、前記会員端末において、前記会員の操作により、当該会員を特定する会員情報の入力、前記納付金を指定する納付指定情報の入力及び前記決済要求を受け付ける受付段階と、前記受付段階で受け付けた、前記会員情報、前記納付指定情報及び前記決済要求を、前記決済代行サーバに送信する端末制御段階と、を含み、前記決済代行サーバにおいて、前記会員端末から受信した前記納付指定情報に基づき、前記納付金の納付額を示す納付額情報を含む納付情報を呼び出す納付情報呼出段階と、前記納付情報呼出段階で呼び出した前記納付情報に含まれる前記納付額情報が示す前記納付額に応じた
、決済代行業者が運営する当該納付システムの当該納付システムの利用料を算出する利用料算出段階と、前記納付額と前記利用料算出段階で算出した前記利用料の合算金額を算出する合算金額算出段階と、前記合算金額算出段階で算出した前記合算金額と、前記会員端末から受信した前記会員情報と、を前記代理納付サーバに送信し、前記会員の前記クレジットカードの有効性を確認する与信段階と、前記合算金額算出段階で算出した前記合算金額を、前記納付額と前記利用料とに分割し、前記納付額を示す納付金売上情報と、前記納付金売上情報に対応付けられた前記利用料を示す利用料売上情報と、を生成する売上票分割段階と、前記売上票分割段階で生成した、前記納付金売上情報及び前記利用料売上情報を、夫々前記代理納付サーバに送信する送信段階と、を含むことを特徴とす
る。
【発明の効果】
【0022】
本発明によれば、納付先の手数料負担意思に柔軟に対応可能な納付システム及び納付システムの納付方法を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下、添付図面を参照して、本発明を実施するための形態(以下、実施形態)について詳細に説明する。なお、実施形態の説明の全体を通して同じ構成には同じ番号(符号)を付している。
【0025】
まず、本発明の実施形態に係る納付システム1の概要について説明する。
図1は、本発明の実施形態に係る納付システム1の概要を示す図である。納付システム1は、クレジットカードにより、納付金の納付を受け付け、納付金の納付処理を実行する。本実施形態では、「納付金」が自動車税であり、「納付先」が地方公共団体の場合を例に説明するが、納付システム1は、「納付金」として県民税等の税金の他、年金、保険料、入学金等の納付に適用できる。
【0026】
納付システム1は、クレジットカードの会員に操作される会員端末10と、決済代行事業者の決済代行サーバ20と、納付金の納付先である地方公共団体の納付先サーバ30と、地方公共団体の指定代理納付者であり、アクワイアラ(クレジットカードの加盟店を管理する事業者)の代理納付サーバ40と、イシュア(クレジットカードを発行した事業者)の利用明細生成サーバ50と、を備える。
【0027】
納付システム1における納付処理の前提として、ステップS0において、地方公共団体は、納税者であるクレジットカードの会員に納付通知書を発送する。この納付通知書には、納付金を指定する納付指定情報である、納付金の納付番号が示されている。そして、会員は、この納付番号と、当該会員を特定する会員情報である、クレジットカードのカード情報(カード番号やカード名義等)を、会員端末10に入力する。これにより、納付システム1は、納付金の納付処理を開始する。
【0028】
ステップS1において、会員端末10は、会員により入力されたカード情報である会員情報、納付番号である納付指定情報及び納付金(自動車税)をクレジットカードにより決済することを要求する決済要求を、決済代行サーバ20に送信する。
【0029】
ステップS2において、決済代行サーバ20は、会員端末10から受信した納付指定情報に基づき、納付金の納付額を示す納付額情報を含む納付情報を呼び出す。ステップS3において、決済代行サーバ20は、納付情報を記憶する納付先サーバ30から、納付情報を受信し、納付情報を納付先サーバ30と連携する。
【0030】
ステップS4において、決済代行サーバ20は、ステップS2で呼び出した納付情報に含まれる納付額情報が示す納付額(
図1の例では、45,000円)に応じた利用料(
図1の例では、525円)を算出する。ステップS5において、決済代行サーバ20は、ステップS2で呼び出した納付額とステップS4で算出した利用料の合算金額(
図1の例では、45,525円)を算出する。
【0031】
ステップS6において、決済代行サーバ20は、ステップS5で算出した合算金額と、会員端末10から受信した会員情報と、を代理納付サーバ40に送信し、会員のクレジットカードの有効性を確認する。ステップS7において、代理納付サーバ40は、利用明細生成サーバ50の会員情報データベース(以下、会員情報DBとも言う)にアクセスし、ステップS6で決済代行サーバ20から送信された合算金額と会員情報とを認証する。
【0032】
ステップS8において、決済代行サーバ20は、ステップS5で算出した合算金額を、納付額と利用料とに分割し、納付額(
図1の例では、45,000円)を示す納付金売上情報と、納付金売上情報に対応付けられた利用料(
図1の例では、525円)を示す利用料売上情報と、を生成する。
また、決済代行サーバ20は、納付金売上情報及び利用料売上情報を、分類するための、夫々異なる特定情報を含めて生成する。ここで、本実施形態では「特定情報」として、クレジットカードの加盟店毎に付される加盟店番号を例に説明するが、「特定情報」は、例えば、加盟店の名称等であってもよい。また、納付金売上情報の特定情報は、納付金の納付先(
図1の例では、地方公共団体)毎に設定される。利用料売上情報の特定情報は、納付金売上情報の特定情報毎に設定される。ステップS9において、決済代行サーバ20は、ステップS8で生成した、納付金売上情報及び利用料売上情報を、夫々代理納付サーバ40に送信する。
【0033】
ステップS10において、代理納付サーバ40は、ステップS9で決済代行サーバ20から送信された納付金売上情報に基づき、納付金を納付先に納付する処理(例えば、地方公共団体の指定口座に納付金売上情報が示す金額を振り込む処理)を行い、納付金売上情報及び利用料売上情報を、利用明細生成サーバ50に送信する。具体的には、代理納付サーバ40は、納付金売上情報及び利用料売上情報に含まれる特定情報(加盟店番号)毎に売上処理を行う。また、本ステップにおいて、代理納付サーバ40は、納付金の納付先毎(例えば、自動車税を管轄る地方公共団体毎)に予め設定された手数料(
図1の例では、手数料0円)を納付金売上情報が示す納付額から差し引いた金額を納付する。ここで、本実施形態において「手数料」とは、クレジットカードの加盟店に課せられる手数料であり、例えば、納付金売上に対して、予め設定された手数料率(例えば、5%等)を乗算して算出される。なお、納付先の手数料負担意思によっては、
図1に示す例のように、手数料率を0%とすることもでき、この場合、手数料分は0円であり、納付金売上情報が示す納付額の全額(
図1の例では、45,000円)が納付先に納付される。
【0034】
ステップS11において、利用明細生成サーバ50は、代理納付サーバ40から受信した納付金売上情報及び利用料売上情報に基づき、納付金売上情報及び利用料売上情報を夫々別の項目として示す利用明細情報を生成する。これにより、例えば、会員は、会員端末10において、イシュアのクレジットカードのWeb明細を閲覧可能なホームページにアクセスすることで、
図1に示す「ご利用代金明細書」を表示できる。なお、利用明細生成サーバ50は、利用明細情報に基づき、会員に送付する紙の「ご利用代金明細書」を作成してもよい。
【0035】
ステップS12において、決済代行サーバ20は、ステップS9で代理納付サーバ40に納付金売上情報を送信した後に、納付金の収納状況を示す収納情報を納付先サーバ30に送信する。これにより、例えば、納付先サーバ30は、ステップS12で決済代行サーバ20から送信された収納情報に基づき、納付金の収納状況を示す収納情報を記憶した収納情報データベース(以下、収納情報DBとも言う)及び納付情報DBを更新する。
【0036】
このような納付処理を実行する納付システム1によれば、納付金と利用料とを別々に管理できるので、例えば、納付金の納付先がクレジットカードの利用に対する手数料を負担するケースと負担しないケースとで、システムを構築や変更する場合、利用料を考慮しなくていいので、システムの構築や変更が容易になる。したがって、納付先の手数料負担意思に柔軟に対応可能な納付システムを提供できる。
【0037】
次に、本発明の実施形態に係る納付システム1の機能構成について説明する。
図2は、本発明の実施形態に係る納付システム1の機能ブロックを示す図である。
【0038】
納付システム1は、クレジットカードによる納付金の納付を受け付け、当該納付金の納付処理を行う。納付システム1は、会員端末10と、決済代行サーバ20と、納付先サーバ30と、代理納付サーバ40と、利用明細生成サーバ50と、を備える。
【0039】
会員端末10は、クレジットカードの会員の操作により、納付金をクレジットカードにより決済することを要求する決済要求を受け付ける。会員端末10は、受付手段11と、端末制御手段12と、を備える。会員端末10は、例えば、会員が所有するコンピュータ、携帯端末(携帯電話、スマートフォン、タブレット等)、銀行や店舗に設置されたATM(Automated Teller Machine;現金自動預払機または自動取引装置)等、会員が入力操作可能であり、決済代行サーバ20と通信可能な装置で構成することができる。
【0040】
受付手段11は、会員の操作により、当該会員を特定する会員情報の入力、納付金を指定する納付指定情報の入力及び決済要求を受け付ける。端末制御手段12は、受付手段11で受け付けた、会員情報、納付指定情報及び決済要求を、決済代行サーバ20に送信する。
【0041】
決済代行サーバ20は、会員端末10とネットワークを介して接続され、会員端末10から決済要求を受信し、納付金のクレジットカードによる決済を代行する。決済代行サーバ20は、納付情報連携手段21と、納付情報呼出手段22と、利用料算出手段23と、合算金額算出手段24と、与信手段25と、売上票分割手段26と、送信手段27と、収納情報還元手段28と、を備える。
【0042】
納付情報連携手段21は、納付情報を記憶する納付先サーバ30の後述する納付情報データベース(以下、納付情報DBとも言う)31にアクセスし、納付情報を受信する。納付情報呼出手段22は、会員端末10から受信した納付指定情報に基づき、納付金の納付額を示す納付額情報を含む納付情報を呼び出す。本実施形態において「納付情報」は、少なくとも納付指定情報(納付通知書に記載された納付番号(
図1参照))と、納付額情報(納付額)と、が対応付けられた情報である。具体的には、納付情報呼出手段22は、納付情報連携手段21が受信した納付情報において、会員端末10から受信した納付指定情報(納付番号)を含む納付情報を呼び出し、この納付情報に含まれる納付額情報(納付額)を取得する。なお、納付情報連携手段21は、会員端末10から受信した納付指定情報に含まれる納付番号における税目番号に基づき、納付先を特定し、特定した納付先の納付先サーバ30にアクセスし、納付情報を受信する。
【0043】
利用料算出手段23は、納付情報呼出手段22が呼び出した納付情報に含まれる納付額情報が示す納付額に応じた利用料を算出する。本実施形態において「利用料」は、予め設定された金額でもいいし、納付額に所定の利用料率(例えば、5%)を乗じて得た金額でもよい。
【0044】
合算金額算出手段24は、納付情報連携手段21により呼び出された納付情報に含まれる納付額情報が示す納付額と、利用料算出手段23により算出された利用料の合算金額を算出する。
【0045】
与信手段25は、合算金額算出手段24により算出された合算金額と、会員端末10から受信した会員情報と、を代理納付サーバ40に送信し、会員のクレジットカードの有効性を確認する。
【0046】
売上票分割手段26は、合算金額算出手段24が算出した合算金額を、納付額と利用料とに分割し、納付額を示す納付金売上情報と、納付金売上情報に対応付けられた利用料を示す利用料売上情報と、を生成する。また、売上票分割手段26は、納付金売上情報及び利用料売上情報を、分類するための、夫々異なる特定情報(例えば、加盟店番号)を含めて生成する。また、売上票分割手段26は、納付金売上情報の特定情報を、納付金の納付先毎に設定し、利用料売上情報の特定情報を、納付金売上情報の特定情報毎に設定する。詳細には、売上票分割手段26は、代理納付サーバ40の後述する加盟店情報データベース(以下、加盟店情報DBとも言う)43にアクセスし、納付金の納付先(加盟店であり、本実施形態では地方公共団体)、利用料に対応付けられた特定情報(例えば、加盟店番号)を夫々取得する。そして、売上票分割手段26は、納付金売上情報及び利用料売上情報を、この取得した特定情報を含めて生成する。
【0047】
送信手段27は、売上票分割手段26が生成した、納付金売上情報及び利用料売上情報を、夫々代理納付サーバ40に送信する。
【0048】
収納情報還元手段28は、送信手段27が代理納付サーバ40に納付金売上情報を送信した後に、納付金の収納状況を示し、納付指定情報を含む収納情報を納付先サーバ30に送信する。
【0049】
納付先サーバ30は、納付情報及び納付金の収納状況を示す収納情報を記憶する。納付先サーバ30は、納付情報DB31と、収納情報DB32と、納付情報更新手段33と、を備える。
【0050】
納付情報DB31は、納付指定情報(納付通知書に記載された納付番号(
図1参照))に、納付額情報(納付額)、納付者情報(納付者の名前)、期限情報(納付金の納付期限を示す情報)等が対応付けられている。収納情報DB32は、納付指定情報に、決済代行サーバ20から収納情報を受信した日時等が対応付けられている。
【0051】
納付情報更新手段33は、決済代行サーバ20から受信した収納情報に基づき、納付情報DB31及び収納情報DB32を更新する。具体的には、納付情報更新手段33は、決済代行サーバ20から受信した収納情報を収納情報DB32に格納し、納付情報DB31において、当該収納情報に含まれる納付指定情報の納付情報を消去する。
【0052】
代理納付サーバ40は、決済代行サーバ20と接続され、クレジットカードに関する会員の会員情報を記憶する。代理納付サーバ40は、認証手段41と、売上処理手段42と、加盟店情報DB43と、を備える。
【0053】
認証手段41は、利用明細生成サーバ50の後述する会員情報DB51にアクセスし、決済代行サーバ20の与信手段25から送信された合算金額と会員情報とを認証する。
【0054】
売上処理手段42は、決済代行サーバ20から送信された納付金売上情報に基づき、納付金を納付先に納付する処理を行う。また、売上処理手段42は、納付金売上情報及び利用料売上情報を、利用明細生成サーバ50に送信する。また、売上処理手段42は、加盟店情報DB43を参照して、納付金売上情報及び利用料売上情報に含まれる特定情報に基づき、当該納付金売上情報が示す納付金及び当該利用料売上情報が示す利用料の手数料を算出する。
【0055】
図3は、本発明の実施形態に係る加盟店情報DB43を説明する図である。加盟店情報DB43は、加盟店毎に採番される加盟店番号に、納付金売上情報が示す納付金又は利用料売上情報が示す利用料の精算先である加盟店と、納付金又は利用料の屋号と、納付金又は利用料に対する手数料率と、が対応付けられている。手数料率は、加盟店の手数料負担意思によって、予め決められる掛け率である。
【0056】
詳細には、売上処理手段42は、納付金売上情報が示す納付金の納付額又は利用料売上情報が示す利用料に、加盟店情報DB43において、当該納付金又は当該利用料に対応付けられた手数料率を乗じることで、手数料を算出する。そして、売上処理手段42は、納付金売上情報が示す納付額から、算出した手数料を差し引いた金額の納付金を納付先に納付する処理を行う。なお、
図3の例では、「AA県自動車税」は、手数料率が0%であるので、納付金売上情報が示す納付額の全額が、地方公共団体に納付される。また、売上処理手段42は、手数料を指定代理納付者であるアクワイアラの売上として処理する。即ち、
図3の例では、「利用料」は、手数料率が100%であるので、利用料売上情報が示す利用料の全額が、指定代理納付者の売上として処理される。
【0057】
図2に戻って、利用明細生成サーバ50は、決済代行サーバ20に接続され、会員毎のクレジットカードの利用明細を示す利用明細情報を生成する。利用明細生成サーバ50は、会員情報DB51と、利用明細情報生成手段52と、を備える。
【0058】
会員情報DB51は、会員を特定する会員情報を記憶する。詳細には、会員情報DB51は、クレジットカードのカード番号、会員の名前や名称、利用金額の上限、利用履歴及び暗証番号等を対応付けて記憶する。利用明細情報生成手段52は、代理納付サーバ40から受信した納付金売上情報及び利用料売上情報に基づき、納付金売上情報及び利用料売上情報を夫々別の項目として示す利用明細情報を生成する。
【0059】
なお、
図2に示した機能ブロックは、あくまでも一例であり、一つの機能部を分割したり、複数の機能部をまとめて一つの機能部として構成してもよい。会員端末10、決済代行サーバ20、納付先サーバ30、代理納付サーバ40及び利用明細生成サーバ50は一台とは限らず、複数台であってもよい。各機能は、会員端末10、決済代行サーバ20、納付先サーバ30、代理納付サーバ40及び利用明細生成サーバ50に内蔵されたCPU(Central Processing Unit)が、ROM(Read Only Memory)またはハードディスク等の記憶部としての記憶装置に格納されたコンピュータ・プログラムを読み出し、CPUにより実行されるコンピュータ・プログラムが、記憶装置に格納されたデータベース(DB;Data Base)やメモリ上の記憶領域からテーブル等の必要なデータを読み書きし、場合によっては、関連するハードウェア(例えば、入出力装置、表示装置、通信インターフェース装置)を制御することによって実現される。
【0060】
次に、本発明の実施形態に係る納付システム1が実行する納付処理について説明する。
図4は、本発明の実施形態に係る納付システム1が実行する納付処理フローを示す図である。
【0061】
会員端末10は、ステップS101において、受付手段11における、会員の操作により、当該会員を特定する会員情報の入力、納付金を指定する納付指定情報の入力及び決済要求を受け付ける。また、会員端末10は、端末制御手段12により、受付手段11で受け付けた、会員情報、納付指定情報及び決済要求を、決済代行サーバ20に送信する。
【0062】
ステップS201からステップS208は、決済代行サーバ20が実行する処理である。ステップS201において、納付情報呼出手段22は、会員端末10から受信した納付指定情報に基づき、納付金の納付額を示す納付額情報を含む納付情報を呼び出す。
【0063】
ステップS202において、納付情報連携手段21は、ステップS201で納付情報呼出手段22により呼び出された納付情報を納付先サーバ30から受信する。
【0064】
ステップS203において、利用料算出手段23は、ステップS201で納付情報呼出手段22により呼び出された納付情報に含まれる納付額情報が示す納付額に応じた利用料を算出する。
【0065】
ステップS204において、合算金額算出手段24は、ステップS201で納付情報呼出手段22により呼び出された納付情報に含まれる納付額情報が示す納付額と、ステップS203で利用料算出手段23により算出された利用料の合算金額を算出する。
【0066】
ステップS205において、与信手段25は、ステップS204で合算金額算出手段24により算出された合算金額と、ステップS201で会員端末10から受信した会員情報と、を代理納付サーバ40に送信し、会員のクレジットカードの有効性を確認する。
【0067】
ステップS206において、売上票分割手段26は、ステップS204で合算金額算出手段24が算出した合算金額を、納付額と利用料とに分割し、納付額を示す納付金売上情報と、納付金売上情報に対応付けられた利用料を示す利用料売上情報と、を生成する。
【0068】
ステップS207において、送信手段27は、ステップS206で売上票分割手段26により生成された、納付金売上情報及び利用料売上情報を、夫々代理納付サーバ40に送信する。
【0069】
ステップS208において、収納情報還元手段28は、納付金の収納状況を示し、納付指定情報を含む収納情報を納付先サーバ30に送信する。
【0070】
ステップS401からステップS403は、代理納付サーバ40が実行する処理である。ステップS401において、認証手段41は、利用明細生成サーバ50の会員情報DB51にアクセスし、ステップS205で決済代行サーバ20の与信手段25から送信された合算金額と会員情報とを認証する。ステップS402において、認証手段41は、ステップS401の認証結果を決済代行サーバ20に送信する。
【0071】
ステップS403において、売上処理手段42は、ステップS207で決済代行サーバ20から送信された納付金売上情報に基づき、納付金を納付先に納付する処理を行う。また、本ステップにおいて、売上処理手段42は、納付金売上情報及び利用料売上情報を、利用明細生成サーバ50に送信する。
【0072】
利用明細生成サーバ50は、ステップS501において、利用明細情報生成手段52により、ステップS403で代理納付サーバ40から送信された納付金売上情報及び利用料売上情報に基づき、納付金売上情報及び利用料売上情報を夫々別の項目として示す利用明細情報を生成する。
【0073】
納付先サーバ30は、ステップS301において、納付情報更新手段33により、ステップS208で決済代行サーバ20から送信された収納情報に基づき、納付情報DB31及び収納情報DB32を更新する。
【0074】
以上、実施形態を用いて本発明を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に記載の範囲には限定されないことは言うまでもない。上記実施形態に、多様な変更または改良を加えることが可能であることが当業者に明らかである。またその様な変更または改良を加えた形態も本発明の技術的範囲に含まれ得ることが、特許請求の範囲の記載から明らかである。