特許第6077834号(P6077834)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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  • 特許6077834-フロート式ドレントラップ 図000002
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6077834
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】フロート式ドレントラップ
(51)【国際特許分類】
   F16T 1/22 20060101AFI20170130BHJP
   F16K 31/18 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   F16T1/22 Z
   F16K31/18 D
【請求項の数】1
【全頁数】5
(21)【出願番号】特願2012-249528(P2012-249528)
(22)【出願日】2012年11月13日
(65)【公開番号】特開2014-98419(P2014-98419A)
(43)【公開日】2014年5月29日
【審査請求日】2015年11月6日
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(72)【発明者】
【氏名】湯本 秀昭
【審査官】 関 義彦
(56)【参考文献】
【文献】 特開平8−61596(JP,A)
【文献】 実開平4−42996(JP,U)
【文献】 特開2005−36901(JP,A)
【文献】 特開昭60−215193(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F16T 1/22
F16K 31/18
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ケーシングに入口と、入口が上部に開口する弁室と、弁室の下部に開口する弁口と、弁口を通して弁室から連通する出口とを形成し、弁室の液位に応じて浮上降下して外表面で直接にあるいはレバー及び弁体を介して弁口を開閉するフロートを弁室に配置したものにおいて、ケーシングに入口の上部に開口しドレン流入管に接続される流入口を形成し、弁室の入口の上方と流入口の上部とを弁室の入口の上方の気体を流入口に戻すバランス通路で連通し、バランス通路の上端を流入口の上端よりも上方に形成したことを特徴とするフロート式ドレントラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、蒸気配管系や圧縮空気配管系に発生するドレンをフロートを用いて自動的に排出するフロート式ドレントラップに関する。
【背景技術】
【0002】
従来のフロート式ドレントラップは、例えば、特許文献1に示されたものがある。これは、ケーシングにドレン流入管に接続される入口と、入口が上部に開口する弁室と、弁室の下部に開口する弁口と、弁口を通して弁室から連通する出口とを形成し、弁室の液位に応じて浮上降下して外表面で直接にあるいはレバー及び弁体を介して弁口を開閉するフロートを弁室に配置したものである。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−36901号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記従来のフロート式ドレントラップは、ドレン流入管と入口との間に水頭差を確保できないために、ドレン流入管のドレンが入口を通して弁室内に流下し難いという問題点があった。
【0005】
したがって本発明が解決しようとする課題は、ドレン流入管内のドレンが入口を通して弁室に流下し易くすることである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記の課題を解決するために、本発明のフロート式ドレントラップは、ケーシングに入口と、入口が上部に開口する弁室と、弁室の下部に開口する弁口と、弁口を通して弁室から連通する出口とを形成し、弁室の液位に応じて浮上降下して外表面で直接にあるいはレバー及び弁体を介して弁口を開閉するフロートを弁室に配置したものにおいて、ケーシングに入口の上部に開口しドレン流入管に接続される流入口を形成し、弁室の入口の上方と流入口とをバランス通路で連通したことを特徴とするものである。
【発明の効果】
【0007】
本発明のフロート式ドレントラップは、ケーシングに入口の上部に開口しドレン流入管に接続される流入口を形成し、弁室の入口の上方と流入口とをバランス通路で連通したものであるので、ドレン流入管に接続される流入口と入口との間に水頭差を確保でき、ドレン流入管内のドレンが流入口から入口を通して弁室に流下し易くなるという優れた効果を生じる。
【図面の簡単な説明】
【0008】
図1】本発明の実施の形態に係わるフロート式ドレントラップの断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態について、図1を参照して説明する。本発明のフロート式ドレントラップは、本体1に流入口2と入口3とバランス通路4と出口5を有する蓋体6をボルトで締結して内部に弁室7を有するケーシングを構成する。ドレン流入管に接続される流入口2は入口3の上部に開口し、入口3は弁室7の上部に開口する。バランス通路4は弁室7の入口3の上方と流入口2とを連通する。ドレン流入管に接続される流入口2の中心Aと入口3の中心Bとの間に水頭差Cを確保でき、ドレン流入管内のドレンが流入口2から入口3を通して弁室7に流下し易くなる。弁室7の下部と出口4を連通する弁口8を有する弁座部材9を蓋体6下部の出口5の弁室7側端にねじ結合する。出口5は弁口8を通して弁室7の下部に開口する。
【0010】
弁室7内に揺動軸10を掛け渡して支持し、揺動軸10にレバー11を回転可能に支持する。レバー11に弁室7の液位に応じて浮上降下する中空球形のフロート12を連結する。レバー11に弁アーム軸13を掛け渡し、弁アーム軸13に弁アーム14を回転可能に支持する。弁アーム14に弁体軸15を掛け渡し、弁体軸15に弁口8を開閉する球状の弁体16の球心を回転可能に支持する。弁室7内にストッパー軸17を掛け渡し、レバー11にストッパー軸17が貫通する窓18を開口する。フロート12の浮上及び降下によるレバー11の時計回り方向及び反時計回り方向への回転が窓18の右端及び左端で規制される。
【0011】
弁室7内の液位が低い場合は、図1に示すようにフロート12は底部に位置し、弁体16は弁口8を閉じている。流入口2を通して入口3から流入するドレンにより弁室7内の液位が上昇すると、フロート12が浮上してレバー11が揺動軸10の周りに時計回り方向に回転し、弁アーム14が弁アーム軸13の周りに回転しながら上動し、弁アーム軸13の上動により弁体16が上動して弁口8を開く。これにより、弁室7のドレンを出口5から排出する。
【0012】
ドレンの排出により弁室7内の液位が低下すると、フロート12が降下してレバー11が揺動軸10の周りに反時計回り方向に回転し、弁アーム14が弁アーム軸13の周りに回転しながら下動し、弁アーム軸13の下動により弁体16が下動して弁口8を閉じる。これにより、気体の漏出を防止する。尚、本実施の形態においては、レバーフロート式ドレントラップを用いた例を示したが、フリーフロート式ドレントラップを用いることもできる。
【産業上の利用可能性】
【0013】
本発明は、蒸気配管系や圧縮空気配管系に発生するドレンをフロートを用いて自動的に排出するフロート式ドレントラップに利用することができる。
【符号の説明】
【0014】
1 本体
2 流入口
3 入口
4 バランス通路
5 出口
6 蓋体
7 弁室
8 弁口
9 弁座部材
10 揺動軸
11 レバー
12 フロート
13 弁アーム軸
14 弁アーム
15 弁体軸
16 弁体
A 流入口の中心
B 入口の中心B
C 水頭差
図1