(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
車体の前後方向に移動するスライドドアの前端面に車体前側に向けて突設されるように前記スライドドアに取付けられる取付基部と、該取付基部に一体成形され、前記スライドドアの閉時にスライドドアの前端面とその前端面が対向するフロントドア又はボディとの間に指等の障害物があるとその障害物に弾接する中空部と、該中空部に組み込まれ前記障害物を検知して対応する電気信号を出力するセンサーを備えるセンサー付きウェザーストリップの取付構造であって、
前記取付基部は、車幅方向車外側に向けて延びる部位を有するとともにその延びる部位によって、前記センサー付きウェザーストリップの前記車体の前後方向への動きを規制するように前記スライドドアに組付けられてなり、
前記スライドドアには、車幅方向車内側に向けて延びるフランジが形成されるとともに、
前記取付基部は、前記フランジに形成された凹部に差し込まれるようにして前記スライドドアに組付けられてなり、
前記スライドドアは、車外側と車内側に設けられたドアアウターパネルとドアインナーパネルが組み合わされてなり、前記ドアアウターパネルは樹脂構造であり前記フランジが端部に形成されてなり、
前記取付基部の車幅方向車外側に向けて延びる部位は、断面略楔形状で前記フランジの凹部に圧入状態で差し込まれるようにして組付けられることを特徴とするセンサー付きウェザーストリップの取付構造。
車体の前後方向に移動するスライドドアの前端面に車体前側に向けて突設されるように前記スライドドアに取付けられる取付基部と、該取付基部に一体成形され、前記スライドドアの閉時にスライドドアの前端面とその前端面が対向するフロントドア又はボディとの間に指等の障害物があるとその障害物に弾接する中空部と、該中空部に組み込まれ前記障害物を検知して対応する電気信号を出力するセンサーを備えるセンサー付きウェザーストリップの取付構造であって、
前記取付基部は、車幅方向車外側に向けて延びる部位を有するとともにその延びる部位によって、前記センサー付きウェザーストリップの前記車体の前後方向への動きを規制するように前記スライドドアに組付けられてなり、
前記スライドドアは、車外側と車内側に設けられたドアアウターパネルとドアインナーパネルが組み合わされ、両パネルがヘミング結合されることで車体の前方に向けて延びるフランジが形成されるとともに、
前記取付基部の車幅方向車外側に向けて延びる部位は、前記フランジの後方に沿って延びる前記ドアインナーパネルの部位に差し込まれるとともに、前記取付基部は、前記フランジの車内側に面接触するようにして組付けられることを特徴とするセンサー付きウェザーストリップの取付構造。
【背景技術】
【0002】
例えば、
図9に示すように、ワゴン車などのようにスライドドア1によって開閉する自動車においては、スライドドア1の前端面に車体前側に向けて突設され、上下に延びるセンサー付きウェザーストリップ10が取付けられている。
センサー付きウェザーストリップ10には、スライドドア1とフロントドア(サイドドア)100との間に人体の一部(指や手足)などの異物が挟まった場合にその挟み込みを検知して対応する信号を出力するセンサー(感圧センサー)Sが取付けられている(例えば、特許文献1参照)。
【0003】
センサー付きウェザーストリップ10は、
図10に示すように、スライドドア1を構成するドアアウターパネル2とドアインナーパネル3がヘミング結合されることで形成されたフランジ4に挿入されて取付けられる断面略U字形状の取付基部11と、その取付基部11の両側壁11a,11bを連結する連結壁11cの外側(前側)に一体成形された中空部12と、取付基部11の車内側壁11aの後側に一体成形された断面C字形状のチャンネル部13を備えている。中空部12内にはセンサーSが収納され、感圧センサーSに接続されるワイヤーハーネスWがチャンネル部13で保持されている。
取付基部11の内側にはフランジ4に当接して保持する複数の保持リップ14,14が設けられ、また取付基部11には剛性をアップさせるために断面略U字形状の芯材15が埋設されている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、
図10に示した従来のセンサー付きウェザーストリップ10の取付構造においては、車体の前方に向けて突設されたフランジ4に対して断面略U字形状の取付基部11は後方に向かって挿入された状態で取付けられるため、センサー付きウェザーストリップ10に対して車体の前後方向に力が作用した場合、例えば、人体の一部(指や手足)がセンサー付きウェザーストリップ10に引っ掛かった場合などに対しては安定性が十分ではなく、最悪の場合、フランジ4から抜け落ちる恐れがある。
また、フランジ4に対するセンサー付きウェザーストリップ10の保持力を向上させるため芯材15を取付基部11に埋設させるとその分、車体重量が増加するとともにコスト高にもなる。
【0006】
なお、特許文献1に記載された発明では、センサー付きウェザーストリップの取付脚が車体の前後方向に延びるブラケットに差し込まれるようにして取付けられているため、
図10に示したものと同様に車体の前後方向に力が作用した場合の安定性は十分ではない。
そのため、センサー付きウェザーストリップの取付脚はブラケットに対して接着剤で固定する必要があるので、一旦取付けられると補修や交換などの際に容易に取り外すことはできない。
【0007】
一方、センサー付きウェザーストリップ10は通常、黒色であるため、鋼板のスライドドア1に対してその端部が際立ち見栄えが悪くなるといった問題もある。
【0008】
そこで、本発明の目的とするところは、車体の前後方向に作用する力に影響を受けることなく安定した状態で取付けられしかも取外しも可能なセンサー付きウェザーストリップの取付構造を提供することにある。
また、他の目的は外観上の見栄えを特に悪化することのないセンサー付きウェザーストリップの取付構造を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記の目的を達成するために、本発明のセンサー付きウェザーストリップの取付構造は、車体の前後方向に移動するスライドドア(21)の前端面に車体前側に向けて突設されるように前記スライドドア(21)に取付けられる取付基部(31)と、該取付基部(31)に一体成形され、前記スライドドア(21)の閉時にスライドドア(21)の前端面とその前端面が対向するフロントドア(100)又はボディ(101)との間に指等の障害物があるとその障害物に弾接する中空部(32)と、該中空部(32)に組み込まれ前記障害物を検知して対応する電気信号を出力するセンサー(S)を備えるセンサー付きウェザーストリップ(30)の取付構造であって、
前記取付基部(31)は、車幅方向車外側に向けて延びる部位(31b,31e,31g,31h,31i)を有するとともにその延びる部位(31b,31e,31g,31h,31i)によって、前記センサー付きウェザーストリップ(30)の前記車体の前後方向への動きを規制するように前記スライドドア(21)に組付けられてな
り、
前記スライドドア(21)には、車幅方向車内側に向けて延びるフランジ(24,44,25a,46)が形成されるとともに、
前記取付基部(31)は、前記フランジ(24,44,25a)に形成された凹部(24a,45)に差し込まれるようにして前記スライドドア(21)に組付けられてなり、
前記スライドドア(21)は、車外側は車内側に設けられたドアアウターパネル(22)とドアインナーパネル(23)が組み合わされてなり、前記ドアアウターパネル(22)は樹脂構造であり前記フランジ(24)が端部に形成されてなり、
前記取付基部(31)の車幅方向車外側に向けて延びる部位(31b)は、断面略楔形状で前記フランジ(24)の凹部(24a)に圧入状態で差し込まれるようにして組付けられることを特徴とする。
【0014】
また本発明は、
車体の前後方向に移動するスライドドア(21)の前端面に車体前側に向けて突設されるように前記スライドドア(21)に取付けられる取付基部(31)と、該取付基部(31)に一体成形され、前記スライドドア(21)の閉時にスライドドア(21)の前端面とその前端面が対向するフロントドア(100)又はボディ(101)との間に指等の障害物があるとその障害物に弾接する中空部(32)と、該中空部(32)に組み込まれ前記障害物を検知して対応する電気信号を出力するセンサー(S)を備えるセンサー付きウェザーストリップ(30)の取付構造であって、
前記取付基部(31)は、車幅方向車外側に向けて延びる部位(31b,31e,31g,31h,31i)を有するとともにその延びる部位(31b,31e,31g,31h,31i)によって、前記センサー付きウェザーストリップ(30)の前記車体の前後方向への動きを規制するように前記スライドドア(21)に組付けられてなり、
前記スライドドア(41)は、車外側と車内側に設けられたドアアウターパネル(42)とドアインナーパネル(23)が組み合わされ、両パネル(42,23)がヘミング結合されることで車体の前方に向けて延びるフランジ(47)が形成されるとともに、
前記取付基部(31)の車幅方向車外側に向けて延びる部位(31g,31h,31i)は、前記フランジ(47)の後方に沿って延びる前記ドアインナーパネル(23)の部位に差し込まれるとともに、前記取付基部(31)は、前記フランジ(47)の車内側に面接触するようにして組付けられることを特徴とする。
【0015】
ここで、文章中の前後方向とはスライドドアが取付けられた車体を中心にした場合の前後と一致し、左右とは車体の幅方向と一致する。
【0016】
なお、括弧内の記号は、図面および後述する発明を実施するための形態に記載された対応要素または対応事項を示す。
【発明の効果】
【0017】
本発明のセンサー付きウェザーストリップの取付構造によれば、指等の障害物を検知するセンサーが組み込まれた中空部が一体成形された取付基部は、車幅方向車外側に向けて延びる部位を有するとともにその延びる部位によって、センサー付きウェザーストリップの車体の前後方向への動きを規制するようにスライドドアに組付けられるので、例えば、人体の一部(指や手足)がセンサー付きウェザーストリップに引っ掛かりセンサー付きウェザーストリップに対して車体の前後方向に力が作用するような事態が発生してもセンサー付きウェザーストリップはその影響を受けることなく安定した状態で取付けられたままとなる。
したがって、センサー付きウェザーストリップがフランジから抜け落ちたり、また抜け落ちなくてもフランジに対して傾いたりすることが防止される。
しかも、従来例のように取付基部に芯材を埋設させる必要もないので車体車量が特に増加することもなくコスト高になることもない。
さらに、フランジに対してセンサー付きウェザーストリップを組付ける際に、接着剤を使用する必要がないので、後日、補修や交換などの際に容易に取り外すことができる。
【0018】
また、本発明によれば、フランジは車幅方向で車内側に向けて形成されるとともに、取付基部は、そのフランジに形成された凹部に
差し込まれるようにしてスライドドアに組付けられるので構造が簡易で組付作業も容易である。
取付基部がフランジの凹部に差し込まれる場合は、取付基部の車幅方向車外側に向けて延びる、断面略楔形状の部位をフランジの凹部に圧入状態で差し込むようにすればワンタッチで組付けることができ、しかも抜け難い構造にすることができるので、接着剤で完全に固定するものとは異なり取外すこともできる。また、フランジの凹部に取付基部を差し込むタイプのものは、従来例(
図10)で示したようにフランジを三方から覆う断面略U字形状のタイプの取付基部より、センサー付きウェザーストリップの全体形状を小さくすることができその分、軽量化が図れ、特に取付基部(11)の車外側の側壁(11b)が見えないため見栄えも
よい。
【0019】
また、本発明によれば、スライドドアを構成するドアアウターパネル自体を樹脂構造とするのでスライドドア全体の軽量化が図れる。また、フランジを樹脂製のドアアウターパネル側に形成するのでフランジに凹部を容易に形成することできる。さらに、ドアアウダーパネルが樹脂製であるとスライドドアの端面に取付けられた、通常黒色のセンサー付きウェザーストリップにあわせた色合いにすることができるで、センサー付きウェザーストリップだけが際立つことを防止して全体的に見栄えよくすることができる。また車両デザインによる曲率の変化にも追従しやすい。
【0020】
また、本発明によれば、スライドドアを構成するドアアウターパネルとドアインナーパネルが組み合わされ、両パネルがヘミング結合されることでフランジが車体の前方に向けて突設されたものではあるが、取付基部の車幅方向車外側に向けて延びる部位がフランジの後方に沿って延びるドアインナーパネルの部位に差し込まれるとともに、取付基部はフランジの車内側に面接触するようにして組付けられるので、センサー付きウェザーストリップに対して車体の前後方向に力が作用したとしても、センサー付きウェザーストリップは安定した状態である。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示す、
図9のA−A線拡大断面図である。
【
図2】本発明の第1実施形態に係る別のセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示す、
図9のA−A線拡大断面図である。
【
図3】本発明の第2実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示す、
図9のA−A線拡大断面図である。
【
図4】本発明の第2実施形態に係る別のセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示す、
図9のA−A線拡大断面図である。
【
図5】本発明の第2実施形態に係るさらに別のセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示す、
図9のA−A線拡大断面図である。
【
図6】本発明の第3実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示す、
図9のA−A線拡大断面図である。
【
図7】本発明の第3実施形態に係る別のセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示す、
図9のA−A線拡大断面図である。
【
図8】スライドドアによって開閉するワンボックスカーの側面図である。
【
図9】スライドドアによって開閉するワゴン車の側面図である。
【
図10】従来例に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示す、
図9のA−A線拡大断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1実施形態)
図1及び
図9を参照して、本発明の第1実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造について説明する。
図1は、本発明の第1実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造を、フロンドア100が左右方向に開閉し、スライドドア21が前後方向に移動するワゴン車に適用した例を示すもので、
図9のA−A線拡大断面図に相当する。なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0023】
このセンサー付きウェザーストリップ30は、スライドドア21の前端面に車体前側に向けて突設されている。
センサー付きウェザーストリップ30は、スライドドア21に形成されたフランジ24に対して直接、取付けられる取付基部31と、その取付基部31に一体成形され、スライドドア21の閉時にスライドドア21の前端面とその前端面が対向するフロントドア100との間に指等の障害物があるとその障害物に弾接する中空部32と、その中空部32に組み込まれ障害物を検知して対応する電気信号を出力するセンサー(感圧センサー)Sを備えている。
【0024】
取付基部31は、断面略「ヒ」字形状であり、車体の前後方向、すなわちスライドドア21のドアアウターパネル22に略平行に延びる連結部31aと、連結部31aの略中央から車幅方向車外側に向けて延びる断面略楔形状の脚部31bと、連結部31aの前端から車幅方向車外側に向けて延びる底壁部31cを有している。ここでは、断面形状において脚部31bの長さは底壁部31cの長さよりも長くしている。
底壁部31cの前側には中空部32が一体成形され、連結壁31aの後側には断面C字形状のチャンネル部33が一体成形されている。また、脚部31bの前後には車内側に延びる複数(前側と後側にそれぞれ3本)の保持片34が設けられている。また、チャンネル部33にはセンサーSに接続されるワイヤーハーネスWが保持されている。なお、取付基部31には、従来例で示したように、剛性を向上させるような芯材に相当するものは使用されていない。
【0025】
次にスライドドア21は、車外側に設けられたドアアウターパネル22と車内側に設けられたドアインナーパネル23が組合わされてなるものであり、特にドアアウターパネル22は樹脂構造でありスライドドア21の軽量化が図られている。
ドアアウターパネル22の端部には車幅方向車内側に向けて延びるフランジ24が形成されている。より詳細には、ドアアウターパネル22は基本的には車体の前後方向に延びるが、前側では一旦、車幅方向車内側に向けて折れ曲がった後、前側に折れ曲がり、さらに車内側に折れ曲がってなるものであり、最後(二回目)に車内側に折れ曲がった部位が、鋼板からなるドアインナーパネル23の前端部よりも車内側に突出したフランジ24となっている。フランジ24には車内側から車外側に延びる凹部24aが形成されている。凹部24aの深さは取付基部31の脚部31bの長さよりも長く、凹部24aの溝幅は取付基部31の脚部31bに設けられた左右の保持片34間の間隔よりも狭くしてある。
なお、ドアインナーパネル23も基本的には車体の前後に延びるが、前側には車外側に向かって突出した段部23aが形成されている。
【0026】
そして、センサー付きウェザーストリップ30をスライドドア21に組付けるときには、取付基部31に形成された、車幅方向車外側に向けて延びる部位となる脚部31bが、樹脂製のドアアウターパネル32の端部に突設されたフランジ24に形成された凹部24aに圧入状態で差し込まれ、これによりセンサー付きウェザーストリップ30の車体の前後方向への動きが規制される。また、取付基部31の脚部31bがフランジ24の凹部24aに圧入されたとき、取付基部31の底壁部31cはフランジ24に当接して、取付基部31の脚部31bと底壁部31cとの間でフランジ24の一部(車体の前側の部位)を挟み込むようにして組付けられる。
なお、フランジ24に対してセンサー付きウェザーストリップ30を組付ける際に、接着剤は一切使用していない。
【0027】
このようなセンサー付きウェザーストリップ30の取付構造によれば、センサー付きウェザーストリップ30は、スライドドア21側のフランジ24の凹部24aに、取付基部31の脚部31bを圧入することで、センサー付きウェザーストリップ30の車体の前後方向への動きを規制した状態でスライドドア21に組付けられるので、例えば、人体の一部(指や手足)がセンサー付きウェザーストリップ30に引っ掛かりセンサー付きウェザーストリップ30に対して車体の前後方向に力が作用するような事態が発生してもセンサー付きウェザーストリップ30はその影響を受けることなく安定した状態で取付けられたままとなる。
したがって、センサー付きウェザーストリップ30がフランジ24から抜け落ちたり、また抜け落ちなくてもフランジ24に対して傾いたりすることが防止される。
【0028】
なお、本実施形態では、取付基部31のチャンネル部33をドアインナーパネル23から離しているが、チャンネル部33をドアインナーパネル23に弾接するようにしたり、さらには取付基部31のチャンネル部33を後側に延ばしてドアインナーパネル23に形成された段部23aに弾接させるようにして、スライドドア21に対してセンサー付きウェザーストリップ30をより安定した状態で組付けるようにしてもよい。
【0029】
また、本実施形態では、取付基部31の脚部31bをフランジ24に形成された凹部24aに圧入してセンサー付きウェザーストリップ30がスライドドア21に組付けるようにしたが、
図2に示すように、取付基部31でフランジ24を覆うようにしてスライドドア21に組付けるようにしてもよい。
この場合(
図2)、取付基部31は、断面略L字形状であり、車体の前後方向に延びる連結部31dと、連結部31dの前端から車幅方向車外側に向けて延びる底壁部31eを有している。
【0030】
そして、フランジ24の端部(至端)に取付基部31の連結部31dの車外側面が弾接するとともに、フランジ24の前側側面に取付基部31の底壁部31eが粘着テープ(ここでは両面テープを使用)Tを介して固着されるようにして組付けられる。なお、ここでは、チャンネル部33をドアインナーパネル23に弾接させて取付状態の安定性を図っている。
【0031】
これによれば、フランジ24に凹部24aを形成するといった加工が不要になるとともに組付けもフランジ24に対して取付基部31の略L字形状の部位を宛がうようにすればよいので容易で取外しも簡単である。
【0032】
(第2実施形態)
次に
図3及び
図9を参照して、本発明の第2実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造について説明する。
図3は、本発明の第2実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示したもので、
図9のA−A線拡大断面図に相当する。なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0033】
本発明の第1実施形態では、スライドドア21を樹脂製のドアアウターパネル22と金属製のドアインナーパネル23を組み合せて構成したものであったが、本発明の第2実施形態では、ドアアウターパネル42についても金属製のものとしてスライドドア21を構成し、それに第1実施形態の
図1で示したものと同様のセンサー付きウェザーストリップ30を組付けたものである。
【0034】
ドアアウターパネル42は基本的には車体の前後方向に延びるが、前側では一旦、車幅方向車内側に向けて折れ曲がった後、前側に折れ曲がり、さらに車内側に折れ曲がってフランジ44が形成されている。また、ドアインナーパネル23の端部には車内側に折れ曲がった略L字形状のブラケット25が取付けられ、その折れ曲がった部分がフランジ25aとなっている。両フランジ44,25aは互いに平行に対向し両フランジ44,25a間に車内側から車外側に延びる凹部45が形成されている。凹部45の深さは取付基部31の脚部31bの長さよりも長く、凹部45の溝幅は取付基部31の脚部31bに設けられた左右の保持片34間の間隔よりも狭くしてある。なお、ブラケット25を使用することにかえて、ドアインナーパネル23の端部を折り曲げることによりフランジを形成してもよい。
【0035】
そして、センサー付きウェザーストリップ30をスライドドア21に組付けるときには、取付基部31に形成された脚部31bが、両フランジ44,25a間に形成された凹部45に圧入状態で差し込まれ、これによりセンサー付きウェザーストリップ30の車体の前後方向への動きが規制される。また、取付基部31の脚部31bがフランジ44,25aの凹部45に圧入されたとき、取付基部31の底壁部31cはフランジ44に当接して、取付基部31の脚部31bと底壁部31cとの間でフランジ44を挟み込むようにして組付けられる。
【0036】
また、
図4に示すように、ドアアウターパネル42とドアインナーパネル23の車体の前側の端部同士をヘミング結合することで車幅方向車内側に向けて延びるフランジ46を形成し、第1実施形態の
図2で示したものと同様のセンサー付きウェザーストリップ30を組付けるようにしてもよい。
この場合、フランジ46の端部(至端)に取付基部31の連結部31dの車外側面が弾接するとともに、フランジ46の前側側面に取付基部31の底壁部31eが粘着テープ(ここでは両面テープを使用)Tを介して固着されるようにして組付けられる。
【0037】
さらに、
図5に示すように、車幅方向車内側に向けて延びるフランジ46を車体の前後から挟み込むようにしてセンサー付きウェザーストリップ30を組付けるようにしてもよい。このセンサー付きウェザーストリップ30は、フランジ46に挿入されて取付けられる断面略U字形状の取付基部31を備え、取付基部31の両側壁には複数の保持リップ35,35が設けられている。なお、取付基部31には剛性をアップさせるために断面略U字形状の芯材を埋設させることも可能ではあるがここでは特に埋設していない。
【0038】
(第3実施形態)
次に
図6及び
図9を参照して、本発明の第3実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造について説明する。
図6は、本発明の第3実施形態に係るセンサー付きウェザーストリップの取付構造を示したもので、
図9のA−A線拡大断面図に相当する。なお、従来例で示したものと同一部分には同一符号を付した。
【0039】
本発明の第1実施形態及び第2実施形態では、センサー付きウェザーストリップ30をスライドドア21に形成された車幅方向車内側に延びるフランジ24,25a,46に組付けたものであったが、本発明の第3実施形態では、車体の前方に向けて延びるように形成されたフランジ47にセンサー付きウェザーストリップ30を組付けたものである。
【0040】
フランジ47は、ドアアウターパネル42とドアインナーパネル23が組み合わされ、両パネル42,23がヘミング結合されることで車体の前方に向けて延びるように形成されている。
【0041】
センサー付きウェザーストリップ30の取付基部31は、車体の前後方向に延びる連結部31fと、連結部31fの後方から車幅方向車外側に向けて延びる2つの脚部31g,31hを有している。なお、センサーSが組込まれた中空部32は、連結部31fの前側に一体成形され、ワイヤーハーネスWを保持するチャンネル部33は、連結部31fの後側に一体成形されている。
【0042】
そして、センサー付きウェザーストリップ30をスライドドア21に組付けるときには、取付基部31に形成された2つの脚部31g,31hが、フランジ47の後方に沿って延びるドアインナーパネル23の部位において前後にそれぞれ形成された穴23b,23cから差し込まれるとともに、取付基部31の連結部31fがフランジ47の車内側に面接触するようにして組付けられ、これによりセンサー付きウェザーストリップ30の車体の前後方向への動きが規制される。
なお、脚部31g,31hの先端には差し込まれる穴23b,23cの径よりも大きい厚肉部(ストッパー)が形成され、容易に抜け落ちないようにされている。また、ここでは、チャンネル部33をドアインナーパネル23の段部23aに弾接させて取付状態の安定性を図っている。
【0043】
なお、取付基部31から車外側に延びるように形成された脚部の形状としては様々なものがあげられ、例えば、
図7に示すように、取付基部31から車外側に延びるように形成された脚部31iを太い一本のものとして、ドアインナーパネル23に形成された穴23dから差し込んで組付けるようにしてもよい。脚部31iの先端にも差し込まれる穴23dの径よりも大きい厚肉部(ストッパー)が形成され、容易に抜け落ちないようにされている。
また、脚部31g,31h,31i及び差し込まれる穴23b,23c,23dは、車体の上下方向に連続していてもよいし、間欠的に複数が配置されていてもよい。
そして、第3実施形態の
図6と
図7ではドアアウターパネル42が金属製であっても樹脂製であってよい。
【0044】
なお、本発明の実施形態では、フロンドア100が左右方向に開閉し、スライドドア21が前後方向に移動するワゴン車に適用した例を示したが、
図8に示すワンボックスカーのように、スライドドア21の閉時にスライドドア21の前端面はボディ101に対向し、ボディ101との間に指等の障害物があるとその障害物に中空部32が弾接してその情報を検知するセンサー付きウェザーストリップ30にも適用される。