(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、コンクリート製の遮音室を用いた場合、その構築および解体に際して多大な手間とコストを要するばかりでなく、解体時における騒音や廃棄物処理などの環境問題に対処する必要がある。
また、振動ふるい装置以外の設備、例えば、工場の建屋に設置されたディーゼルエンジン、空気圧縮機、振動コンベヤ、真空ポンプなどの設備も、超低周波音を発生するため、超低周波音が近隣の住宅に及ぼす影響を抑制する対策が必要となる。
しかしながら、上記と同様にコンクリート製の遮音室を構築することは建屋内の占有スペースを広く必要とし、また、設備が大掛かりなものとなり、コストが嵩むという問題がある。
本発明はこのような事情に鑑みなされたものであり、その目的は、簡素な構成により超低周波音発生源の超低周波音が対象物に及ぼす影響を効果的に低減することができる超低周波音低減装置および超低周波音低減方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上述の目的を達成するため、本発明の超低周波音低減方法は、超低周波音発生源から発生する第1の超低周波音が対象物に及ぼす影響を低減する方法であって、第2の超低周波音を発生する音発生手段を設け、前記音発生手段から発生する前記第2の超低周波音を、前記対象物および前記超低周波音発生源に指向させずに、前記超低周波音発生源から前記対象物に至る途中の前記第1の超低周波音に指向させ、前記第1の超低周波音に関する情報を検出し、前記第2の超低周波音として、前記検出された情報に基づいて前記第1の超低周波音を打ち消すに足る前記第1の超低周波音と逆位相の超低周波音を前記音発生手段から発生させることを特徴とする。
また、本発明の超低周波音低減方法は、超低周波音発生源から発生する第1の超低周波音が対象物に及ぼす影響を低減する方法であって、第2の超低周波音を発生する音発生手段を設け、前記音発生手段から発生する前記第2の超低周波音を、前記対象物に指向させずに、前記超低周波音発生源に指向させ、前記第1の超低周波音に関する情報を検出し、前記第2の超低周波音として、前記検出された情報に基づいて前記第1の超低周波音を打ち消すに足る前記第1の超低周波音と逆位相の超低周波音を前記音発生手段から発生させることを特徴とする。
また、本発明の超低周波音低減装置は、超低周波音発生源から発生する第1の超低周波音が対象物に及ぼす影響を低減する超低周波音低減装置であって、超低周波音発生源から発生する第1の超低周波音に関する情報を検出する検出手段と、第2の超低周波音を発生すると共に、該第2の超低周波音を、前記超低周波音発生源および前記対象物に指向させずに、前記超低周波音発生源から前記対象物に至る途中の前記第1の超低周波音に指向するように配置される音発生手段と、前記第2の超低周波音として、前記検出された情報に基づいて前記第1の超低周波音を打ち消すに足る前記第1の超低周波音と逆位相の超低周波音を前記音発生手段から発生させる制御手段とを備えることを特徴とする。
また本発明の超低周波音低減装置は、超低周波音発生源から発生する第1の超低周波音が対象物に及ぼす影響を低減する超低周波音低減装置であって、超低周波音発生源から発生する第1の超低周波音に関する情報を検出する検出手段と、第2の超低周波音を発生すると共に、該第2の超低周波音を、前記対象物に指向させずに、前記超低周波音発生源に指向するように配置される音発生手段と、前記第2の超低周波音として、前記検出された情報に基づいて前記第1の超低周波音を打ち消すに足る前記第1の超低周波音と逆位相の超低周波音を前記音発生手段から発生させる制御手段とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0006】
本発明によれば、超低周波音発生源から発生する第1の超低周波音に関する情報に基づいて、第1の超低周波音を打ち消すに足る第1の超低周波音と逆位相の第2の超低周波音を音発生手段から発生させ、第2の超低周波音を対象物および超低周波音発生源に指向させずに、超低周波音発生源から対象物に至る途中の第1の超低周波音に指向させるため、第1の超低周波数音と第2の超低周波音とが対象物の手前の箇所で打ち消し合うことで超低周波音が低減される。
したがって、簡素な構成により超低周波音発生源の超低周波音が対象物に及ぼす影響を効果的に低減することができる。
また、本発明によれば、超低周波音発生源から発生する第1の超低周波音に関する情報に基づいて、第1の超低周波音を打ち消すに足る第1の超低周波音と逆位相の第2の超低周波音を音発生手段から発生させ、第2の超低周波音を対象物に指向させずに、超低周波音発生源に指向させるため、第1の超低周波数音と第2の超低周波音とが超低周波音発生源の近傍箇所で打ち消し合うことで超低周波音が低減される。
したがって、簡素な構成により超低周波音発生源の超低周波音が対象物に及ぼす影響を効果的に低減することができる。
【発明を実施するための形態】
【0008】
(第1の実施の形態)
次に本発明の実施の形態の超低周波音低減装置と共に超低周波音低減方法について図面を参照して説明する。
図1に示すように、本実施の形態では、超低周波音発生源が、工場などの建屋12内部に設置されて使用される設備としてのディーゼルエンジン2Aである場合について説明する。
建屋12の周辺には、ディーゼルエンジン2Aから発生する第1の超低周波音S1の影響を受ける住宅あるいは施設などの対象物4が存在している。
図1,
図2に示すように、超低周波音低減装置10Aは、建屋12と、マイクロフォン14(検出手段)と、信号処理部16と、コントローラ18と、音発生手段20と、エンクロージャー26とを含んで構成されている。
【0009】
建屋12は遮音性を有する壁部によって側方全域および上方全域が閉塞されている。すなわち、建屋12は、遮音性を有する側壁1202(壁部)と、側壁1202の上部を接続する遮音性を有する屋根1204(壁部)とを備え、建屋12は、側壁1202および屋根1204によって側方全域および上方全域が閉塞されている。
建屋12には、ディーゼルエンジン2Aとマイクロフォン14(
図2)と音発生手段20とが収容されている。
建屋12にはディーゼルエンジン2Aから排出される排気ガスを建屋12外部に導く第1のダクト(煙道)28が設けられている。
すなわち、建屋12の側壁1202には、第1のダクト28に連通する排気口30が設けられ、ディーゼルエンジン2Aから発生する第1の超低周波音S1は第1のダクト28を通って排気口30から建屋12の外部に放出され対象物4に向かう。
【0010】
マイクロフォン14は、第1の超低周波音S1に関する情報を検出するものであり、上記情報は、第1の超低周波音S1の振幅、周波数、位相である。
信号処理部16は、マイクロフォン14で検出された情報に基いて第1の超低周波音S1と逆位相の信号を生成するものである。信号処理部16は、DSP(Digital Signal Processor : ディジタル信号プロセッサー)によって構成することができる。
コントローラ18は、信号処理部16から供給される信号に基いて音発生手段20を駆動することにより、第1の超低周波音S1を打ち消すに足る、第1の超低周波音S1と逆位相の第2の超低周波音S2を音発生手段20から発生させるものである。
本実施の形態では、信号処理部16およびコントローラ18により制御手段が構成されている。
なお、これら信号処理部16およびコントローラ18は、建屋12の外部、内部の何れに設けても良い。
【0011】
音発生手段20は、20Hz以下の超低周波音を第2の超低周波音S2として発生するものである。
このような音発生手段20として、例えば、
図3に示すような市販品が使用可能である。
このサブウーファーユニット22は、扇風機と同様の外観を呈しており、基台22Aに取着されたモータ22Bと、回転体22Cと、複数の回転軸22Dと、複数の羽根22Eと、不図示のボイスコイルを含んで構成されている。
回転体22Cは、円盤状を呈しモータ22Bによって中心軸を中心に回転される。
複数の回転軸22Dは、回転体22Cの外周に周方向に等間隔をおいて回転体22Cの半径方向外方に突出して設けられている。各回転軸22Dには前記ボイスコイルがそれぞれ設けられ、ボイスコイルにより軸線回りに回動されるように構成されている。
複数の羽根22Eは、各回転軸22Dに取着され前記ボイスコイルによって各羽根22Eのピッチ(羽根22Eの回転軸22D回りの角度)が変更されるように構成されている。
モータ22Bにより扇風機の羽根22Eを一定の速度で回転した状態で、コントローラ18から供給される駆動信号により各ボイスコイルを駆動することにより扇風機の各羽根22Eが可変ピッチとなり、このピッチを変更することで空気分子が動かされ、圧力波が生じ低音が出力される。
【0012】
本実施の形態では、音発生手段20は、建屋12の内部に設置されたエンクロージャー26に収容され架台24上に設置されている。
エンクロージャー26には、音発生手段20から発生する音を放射する放射用開口部2602が形成され、放射用開口部2602は、第2のダクト29を介して第1のダクト28の中間箇所と連通されている。
そして、音発生手段20は、第2の超低周波音S2が放射用開口部2602および第2のダクト29を介して、ディーゼルエンジン2Aから対象物4に至る途中の第1の超低周波音S1を指向するように配置されており、第2の超低周波音S2は、対象物4およびディーゼルエンジン2Aを指向しない。
音発生手段20をエンクロージャー26に収容することにより、音発生手段20の前方から放射される音に対して、音発生手段20の後方から放射される音が干渉することを抑制でき、さらに、エンクロージャー26の共鳴により出力される第2の超低周波音S2の音圧を高めることができる。また、大容量のエンクロージャー26を容易に確保する上でも有利となる。したがって、音発生手段20から発生する第2の超低周波音S2の音圧を確保する上でより有利となる。
【0013】
図4は、上記サブウーファーユニット22と、オーディオ装置で使用されるコーン式ウーファーとの出力特性を比較した線図であり、横軸に周波数(Hz)、縦軸に音圧レベル(dB SPL)を示している。
図中、破線で示す出力特性Aが上記サブウーファーユニット22を示し、残りの5つの出力特性B〜Fが市販品のコーン式ウーファーを示す。
また、実線Gは、聴力閾値を示す。
図4から明らかなように上記サブウーファーユニット22は、1Hz〜32Hzにわたってほぼ一定の音圧を出力しており、他のコーン式ウーファーに比較して優れた出力特性を有している。
第1の超低周波音S1の周波数は16Hz程度であることから、16Hz近傍の音圧が他のコーン式ウーファーに比較して大きいサブウーファーユニット22を音発生手段20として用いることが第1の超低周波音S1を効果的に打ち消す上で好ましい。
【0014】
なお、サブウーファーユニット22に代えて、他のコーン式ウーファー、あるいは、従来公知の様々な方式のウーファーを音発生手段20として使用できることは無論であり、この場合、
図2におけるコントローラ18をアンプに置き替えればよい。
【0015】
次に超低周波音低減装置10Aの作用効果について説明する。
図5(A)〜(C)は、超低周波音を打ち消す原理の説明図であり、横軸に時間、縦軸に音の振幅を示している。
ディーゼルエンジン2Aが稼動することにより、
図5(A)に示すように、第1の超低周波音S1が発生する。
信号処理部16およびコントローラ18は、マイクロフォン14によって検出された第1の超低周波音S1に関する情報に基づいて、
図5(B)に示すように、第1の超低周波音S1を打ち消すに足る第1の超低周波音S1と逆位相の第2の超低周波音S2を音発生手段20から発生させる。
これにより、
図5(C)に示すように、ディーゼルエンジン2Aから発生する第1の超低周波数音S1と音発生手段20から発生する第2の超低周波音S2とが打ち消し合って破線で示すように超低周波音が低減される。
すなわち、音発生手段20から発生された第2の超低周波音S2がディーゼルエンジン2Aから対象物4に至る途中の第1の超低周波音S1を指向するため、ディーゼルエンジン2Aから発生する第1の超低周波数音S1と音発生手段20から発生する第2の超低周波音S2とが対象物4の手前の箇所で打ち消し合うことで超低周波音が低減される。
したがって、簡素な構成によりディーゼルエンジン2Aの第1の超低周波音S1が対象物4に及ぼす影響を効果的に低減することができる。
【0016】
また、大掛かりなコンクリート製の遮音室を構築する必要がないので、建屋12内のスペースを確保でき、また、超低周波音低減装置10Aが簡素な構成であるため、超低周波音低減装置10Aの設置に際して手間とコストを低減する上で有利となる。
【0017】
また、第2の超低周波音S2を対象物4に指向させることも考えられるが、この場合は、第1の超低周波音S1の位相に対する第2の超低周波音S2の位相が正確に逆位相とならない場合に、第1の超低周波音S1と第2の超低周波音S2との打ち消し合いが不十分となるばかりでなく、対象物4に対して第2の超低周波音S2も影響を与えることになる。
これに対して本実施の形態では、第2の超低周波音S2を対象物4に指向させないので、仮に第1の超低周波音S1と第2の超低周波音S2との打ち消し合いが不十分となったとしても、第2の超低周波音S2が対象物4に伝搬しにくく対象物4に与える影響を抑制する上で有利となる。
【0018】
なお、設備40としてディーゼルエンジン2Aに代えて第1の超低周波音S1を発生する空気圧縮機が設けられている場合も、第1の実施の形態と同様の超低周波音低減装置10Aを用いることで同様の効果が奏される。
この場合、空気圧縮機に建屋12外部から空気を導くための第1のダクト28が設けられ、排気口30に代えて第1のダクト28に連通する吸気口が設けられ、空気圧縮機から発生する第1の超低周波音S1が第1のダクト28を通って吸気口から対象物4に向かうことになる。
【0019】
(第2の実施の形態)
次に第2の実施の形態について説明する。
図6に示すように、第2の実施の形態の超低周波音低減装置10Bは、超低周波音発生源としての設備および音発生手段20を収容するエンクロージャー26が屋外に設置されている点が第1の実施の形態と異なっている。
なお、以下の実施の形態では、第1の実施の形態と同様の部分、部材については同一の符号を付してその説明を省略する。
【0020】
本実施の形態では、設備は、振動ふるい装置2B(分級機)であり、振動ふるい装置2Bは、ふるいを振動させることにより、泥水式シールド工法によって発生する掘削泥水から土砂(礫、砂)とシルト粘土を含む水とを分離するものである。
振動ふるい装置2Bは、稼働することにより16Hz以下の超低周波音を第1の超低周波音S1として発生し、第1の超低周波音S1は屋外の空気に放出され対象物4に向かう。
【0021】
マイクロフォン14は、第1の超低周波音S1を検出可能な適宜箇所に設置され、信号処理部16とコントローラ18とは、例えばエンクロージャー26の近傍の適宜箇所に設置されている。
【0022】
本実施の形態では、音発生手段20は、振動ふるい装置2Bに隣接した箇所に設置されたエンクロージャー26に収容され架台24上に設置されている。
エンクロージャー26には、音発生手段20から発生する音を放射する放射用開口部2602が形成され、放射用開口部2602は、上方を向いて開口している。
音発生手段20は、第2の超低周波音S2が放射用開口部2602を介して、振動ふるい装置2Bから対象物4に至る途中の第1の超低周波音S1を指向するように配置されており、第2の超低周波音S2は、対象物4および振動ふるい装置2Bを指向しない。
第1の実施の形態と同様に、音発生手段20をエンクロージャー26に収容することにより、第2の超低周波音S2の音圧を確保する上でより有利となる。
【0023】
第2の実施の形態においても、マイクロフォン14と、信号処理部16と、コントローラ18と、音発生手段20が第1の実施の形態と同様に動作し、音発生手段20から発生された第2の超低周波音S2が振動ふるい装置2Bから対象物4に至る途中の第1の超低周波音S1を指向するため、振動ふるい装置2Bから発生する第1の超低周波数音S1と音発生手段20から発生する第2の超低周波音S2とが対象物4の手前の箇所で打ち消し合うことで超低周波音が低減される。
したがって、簡素な構成により振動ふるい装置2Bの第1の超低周波音S1が対象物44に及ぼす影響を効果的に低減することができる。そのため、従来のようにコンクリート製の遮音室を構築する必要がないので、構築および解体に際して必要となる多大な手間とコストを削減でき、解体時における騒音や廃棄物処理などの環境問題を解決する上で有利となる。
【0024】
また、第1の実施の形態と同様に、第2の超低周波音S2を対象物4に指向させないので、仮に第1の超低周波音S1と第2の超低周波音S2との打ち消し合いが不十分となったとしても、第2の超低周波音S2が対象物4に伝搬しにくく対象物4に与える影響を抑制する上で有利となる。
【0025】
(第3の実施の形態)
次に第3の実施の形態について説明する。
図7に示すように、第3の実施の形態の超低周波音低減装置10Cは、音発生手段20から発生する第2の超低周波音S2を超低周波音発生源に指向させている点が第1、第2の実施の形態と異なっている。
【0026】
本実施の形態では、超低周波音発生源が、建屋12の内部に設置された設備としての振動コンベヤ2Cである場合について説明する。
第1の実施の形態と同様に、建屋12は、遮音性を有する側壁1202(壁部)と、側壁1202の上部を接続する遮音性を有する屋根1204(壁部)とを備え、建屋12は、側壁1202および屋根1204によって側方全域および上方全域が閉塞されている。
本実施の形態では、建屋12の側壁1202に、建屋12の内外に貫通する換気ガラリあるいは窓などの建屋開口部1210が設けられている。そのため、振動コンベヤ2Cから発生する第1の超低周波音S1は、建屋12内部の空間を伝搬して建屋開口部1210から建屋12の外部に放出され対象物44に向かう。
【0027】
本実施の形態では、音発生手段20は、建屋12の内部に設置されたエンクロージャー26に収容され架台24上に設置されている。
エンクロージャー26には、音発生手段20から発生する音を放射する放射用開口部2602が形成され、音発生手段20は、第2の超低周波音S2が放射用開口部2602を介して、振動コンベヤ2Cを指向するように配置されており、第2の超低周波音S2は、対象物4を指向しない。
第1の実施の形態と同様に、音発生手段20をエンクロージャー26に収容することにより、第2の超低周波音S2の音圧を確保する上でより有利となる。
【0028】
第3の実施の形態においても、マイクロフォン14と、信号処理部16と、コントローラ18と、音発生手段20が第1の実施の形態と同様に動作し、音発生手段20から発生された第2の超低周波音S2が振動コンベヤ2Cから対象物4に至る途中の第1の超低周波音S1を指向するため、振動コンベヤ2Cから発生する第1の超低周波数音S1と音発生手段20から発生する第2の超低周波音S2とが振動コンベヤ2Cの近傍の箇所で打ち消し合うことで超低周波音が低減される。
したがって、簡素な構成により振動コンベヤ2Cの第1の超低周波音S1が対象物44に及ぼす影響を効果的に低減することができる。
また、大掛かりなコンクリート製の遮音室を構築する必要がないので、建屋12内のスペースを確保でき、また、超低周波音低減装置10Cが簡素な構成であるため、超低周波音低減装置10Cの設置に際して手間とコストを低減する上で有利となる。
【0029】
また、第1の実施の形態と同様に、第2の超低周波音S2を対象物4に指向させないので、仮に第1の超低周波音S1と第2の超低周波音S2との打ち消し合いが不十分となったとしても、第2の超低周波音S2が対象物4に伝搬しにくく対象物4に与える影響を抑制する上で有利となる。
【0030】
なお、実施の形態では、超低周波音発生源が、ディーゼルエンジン2A、振動ふるい装置2B、振動コンベヤ2C、空気圧縮機である場合について説明したが、超低周波音発生源は、真空ポンプなど超低周波音を発生する装置や設備などであればよく限定されるものではない。