特許第6078033号(P6078033)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078033
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】自動車の排気管用可撓性導管
(51)【国際特許分類】
   F01N 13/08 20100101AFI20170130BHJP
   F16J 3/04 20060101ALI20170130BHJP
   B60K 13/04 20060101ALI20170130BHJP
   F16L 11/10 20060101ALI20170130BHJP
   F16L 11/11 20060101ALI20170130BHJP
   F01N 1/24 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   F01N13/08 F
   F16J3/04 B
   B60K13/04 A
   F16L11/10 Z
   F16L11/11
   F01N1/24 Z
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-205869(P2014-205869)
(22)【出願日】2014年10月6日
(65)【公開番号】特開2015-137646(P2015-137646A)
(43)【公開日】2015年7月30日
【審査請求日】2014年10月6日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0007962
(32)【優先日】2014年1月22日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】507405511
【氏名又は名称】株式会社エスジェーエム
(74)【代理人】
【識別番号】110001025
【氏名又は名称】特許業務法人レクスト国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】金 景中
【審査官】 山本 健晴
(56)【参考文献】
【文献】 特開2003−322282(JP,A)
【文献】 特開2009−144520(JP,A)
【文献】 特表2002−501141(JP,A)
【文献】 特開2011−075046(JP,A)
【文献】 実開昭61−064589(JP,U)
【文献】 実開昭57−120713(JP,U)
【文献】 実開昭52−029317(JP,U)
【文献】 特開平10−047051(JP,A)
【文献】 特開平07−310538(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F01N 1/00−1/24
5/00−5/04
13/00−99/00
B60K 13/04
F16J 3/04
F16L 11/10
F16L 11/11
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
自動車の排気管用可撓性導管であって、
繰り返し波形状に形成された波形構造を有する中空円筒形状に形成された金属材料製のベローズ部材(10)と、
前記ベローズ部材(10)から所定のギャップを持って前記ベローズ部材(10)内に配置されたインターロック部材(20)であって、前記インターロック部材(20)上に変形を吸収するように螺旋状に形成された螺旋状溝を有する前記インターロック部材(20)と、
前記ベローズ部材(10)の外側を取り囲む外側カバー部材(30)と、
前記外側カバー部材(30)が前記ベローズ部材(10)の両端の外側部分に固定されるように、前記外側カバー部材(30)を結合するキャップ部材(40)と、
内側に前記インターロック部材(20)を重ね合わせて一方端が前記ベローズ部材(10)に固定され且つ他方端が前記インターロック部材(20)に固定されたリングの形状に形成された中間部材(50)と、を含み、
前記ベローズ部材(10)は、中央部(C)及び両端部(U)を有し、
前記両端部(U)は、前記中央部(C)に臨む側に、均一な外径を有する凸部(12)及び均一な最小凹部内径(D1)を有する凹部(13)を有するようになっており、
前記中央部(C)は、前記両端部(U)の凸部(12)と同一の外径を有する凸部(12)及び前記両端部(U)の凹部(13)の最小凹部内径(D1)よりも大きい最大凹部内径(D3)を有する凹部(13)を有するようになっており、
前記外側カバー部材(30)は網状構造を持つ外側網部で形成されており、
前記ベローズ部材(10)の前記中央部(C)の中間には、前記中央部(C)の凸部(12)の外径よりも小さい外径を有する低い凸部(12a)及び前記中央部(C)の凹部(13)の最大凹部内径(D3)よりも大きい内径を有する高い凹部(13a)が、それぞれ前記中央部(C)の凸部(12)及び凹部(13)の幅に比べてい幅で形成された補強部(S)を有する自動車の排気管用可撓性導管。
【請求項2】
前記ベローズ部材(10)の前記中央部(C)は、前記両端部(U)に臨む側に、前記両端部(U)の凹部(13)の最小凹部内径(D1)より大きく且つ前記中央部(C)の凹部(13)の最大凹部内径(D3)より小さい凹部内径(D2)を有する凹部(13)を有する請求項1に記載の自動車の排気管用可撓性導管。
【請求項3】
前記インターロック部材(20)及び前記ベローズ部材(10)の間に形成されたギャップには、前記インターロック部材(20)及び前記ベローズ部材(10)の接触を防止するように、ワイヤメッシュ(60)がさらに設けられる請求項1に記載の自動車の排気管用可撓性導管。
【請求項4】
前記外側網部で形成された前記外側カバー部材(30)はその外側に編組部材(80)によってさらに囲まれている請求項1に記載の自動車の排気管用可撓性導管。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、自動車の排気管用可撓性導管に関し、ベローズ(蛇腹)の中央における凹部内径がベローズの両端における凹部内径よりも大きくなってインターロック部材からのギャップが増加するように形成されて、ベローズとインターロック部材との干渉を防止することによって、振動や騒音による駆動騒音を改善し、且つ、両端部の凹部がベローズに加わる外力や変位を柔軟に吸収するように形成された、ベローズの柔軟性及び耐久性を向上させる可撓性導管に関する。
【背景技術】
【0002】
一般的に、排気管は排気ガスを排出するように自動車のエンジンに接続され、その接続部に設けられたフレキシブルカップリングは、エンジンの振動や路面の振動から生じる外力を吸収して、排気管の寿命を延長し、乗り心地を向上させることができる。
【0003】
上記のような自動車の排気管に接続されたフレキシブルカップリングは、一般に、エンジン振動や路面振動からの排気系の動きに応じて生じた張力、圧縮及び曲げ変位を吸収し、そこでは、すべての方向で発生したねじり変位は、エンジンの実装条件、変位が生じる方向、並びに全体の排気管の設計及び形状に応じて追従する。
【0004】
従って、金属材料から作られたベローズは、自動車の排気管用のフレキシブルカップリングの中心的な機能である、振動や変位を吸収する性能や気密性を維持する性能を改善するために主に用いられている。
【0005】
また、EP041089A1に開示されているようにインターロック部材が設けられたフレキシブルカップリングにおいて、該インターロック部材は、反復波形構造を有する円筒の形状に形成された金属材料製のベローズ部材の内向きの圧縮、曲げ等の変形を同時に吸収し、ベローズ部材の弾性限界の範囲内で該変位を制御し、ガイドチューブのように滑らかな排気ガスの流れを作り、更に、ベローズ部材を高温の排気ガスから保護する。
【0006】
また、ベローズ部材はベローズ部材の外側部分が編組部材に囲まれた構造に形成され、この状況において、ベローズ部材と編組部材の両端部がスポット溶接により仕上げられるように周方向にキャップと一緒に圧縮されている。
【0007】
すなわち、排気ガスが中央部を通過するように、その一方端側がエンジン側に結合され且つ他方端側が排気管側に結合されて、ベローズ部材とインターロック部材は、伸縮を介してエンジンと排気管との間に作用する衝撃、変形等を吸収する。
【0008】
現在広く使用されているベローズ部材は、全ての突起の高さが均一であるか又は単に第1の凹部の高さが低くなるようにベローズ部材の外径と内径が形成されている故に、ベローズ部材がエンジンの振動又は駆動中路面から加わる排気系の振動による張力、圧縮及び曲げ変位を抑制するための手段として十分に役立つことができない、という欠点を有している。
【0009】
従って、韓国実用新案登録第184089号は、フレキシブルカップリングにおいて、ベローズの寿命を延長し、駆動時に発生する振動や応力及びエンジンの振動を伝達、分散させるための手段として、自動車の排気管用フレキシブルカップリングを開示している。
【0010】
自動車の排気管のためのフレキシブルカップリングによれば、図6に示すように、突起の高さH1−H4は、ベローズ部材10の一端部11側における第1の突起の高さから他端側に次第に増加し、そして、凹部の内径が第1の凹部から他端側に均一な角度で次第に減少するように形成されて、フレキシブルカップリングがベローズ部材10の軸方向又は曲げ方向に対する変位を吸収し、外力が除去されたとき、復元されるようになされている。
【0011】
また、ベローズ部材10の凹部最小内径Drは端部11の内径Dt以上で形成されている。
【0012】
しかしながら、上述したように、凹部内径が次第に減少するように凸部の高さが内側方向に中央部に向かって漸次増大する繰り返し形成された凹凸を有するベローズ部材が金属材料から作られているので、ベローズ部材の製造コストが増加し、製造作業が複雑になるという欠点を有している。
【0013】
さらに、ベローズ部材の中央部の最小内径はその両端部の径よりも小さいので、排気ガスの排出時の中央部における排気ガスの流れが滞り、それによってエンジン性能が劣化する。
【0014】
振動の相互干渉や相互干渉に起因する騒音の発生によるベローズ部材の損傷を防止するために、特に、十分なギャップがインターロック部材とベローズ部材との間に確保されている。しかしながら、このような十分なギャップを形成するには、ベローズ部材の突起の高さを減少させる必要があるので、かえって、ベローズ部材の耐久性が低下し、又は騒音が発生する。
【0015】
すなわち、自動車の排気系における可撓性導管に加わる振動は、両端部よりむしろ中央部に多く生ずる。従って、十分なギャップがインターロック部材とベローズ部材との間に確保されている。しかしながら、上述したようにベローズ部材は、内径が従来のベローズ部材と同一となっている中央部分を有している。従って、かなり多くの振動が生じる中央部では、振動等に関するインターロック部材とベローズ部材との干渉を防ぐことはできない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】韓国実用新案登録第184089号−「自動車の排気管用のフレキシブルカップリング」、2000年3月20日登録
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0017】
本発明は、前記従来技術の問題点を解決するためになされたものであり、本発明の目的は、振動がかなり生じるベローズ部材中央部の凹部内径が、振動が比較的小さい両端部の凹部内径よりも大きく形成され、十分なギャップがベローズ部材とインターロック部材の間に維持され、ベローズ部材の耐久性を改善する自動車の排気管用可撓性導管を提供することにある。本発明の別の目的は、ベローズに加えられる外力や変位をさらに吸収するように軸方向におけるベローズ部材の中央部に補強部がさらに設けられており、それによってベローズ部材の柔軟性及び耐久性を向上させる自動車の排気管用可撓性導管を提供することにある。
【0018】
本発明のさらなる別の目的は、ベローズ部材の材料費を低減させ、生産性を向上させるようにベローズ部材の中央部の凹部が両端部の凹部よりも高くなされ、振動特性を向上させるように中央部の振動を低減することによりベローズ部材の市場性及び信頼性を向上させる自動車の排気管用の可撓性導管を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0019】
上記の目的を達成するために、本発明の自動車の排気管用可撓性導管は、
繰り返し波形状に形成された波形構造を有する中空円筒形状に形成された金属材料製のベローズ部材(10)と、
前記ベローズ部材(10)から所定のギャップを持って前記ベローズ部材(10)内に配置されたインターロック部材(20)であって、前記インターロック部材(20)上に変形を吸収するように螺旋状に形成された螺旋状溝を有する前記インターロック部材(20)と、
前記ベローズ部材(10)の外側を取り囲む外側カバー部材(30)と、
前記外側カバー部材(30)が前記ベローズ部材(10)の両端の外側部分に固定されるように、前記外側カバー部材(30)を結合するキャップ部材(40)と、
内側に前記インターロック部材(20)を重ね合わせて一方端が前記ベローズ部材(10)に固定され且つ他方端が前記インターロック部材(20)に固定されたリングの形状に形成された中間部材(50)と、を含み、
前記ベローズ部材(10)は凸部(12)、中央部(C)及び両端部(U)を有し、前記凸部(12)が均一な外径を有し且つ前記中央部(C)が前記両端部(U)の最小凹部内径(D1)よりも大きい最大凹部内径(D3)を有するようになっており、
前記外側カバー部材(30)は網状構造を持つ外側網部で形成されている。
【0020】
また、前記ベローズ部材(10)は、外側方向において前記両端部(U)の前記最小凹部内径(D1)から前記中央部(C)へ凹部(13)が次第に増加するように形成された凹部内径(D2)と、中央部に均一に形成された最大凹部内径(D3)と、を有する。
【0021】
さらに、前記ベローズ部材(10)の前記中央部(C)は、それぞれ各高さが均一に繰り返される前記凸部(12)及び前記凹部(13)よりも小さい、低い凸部(12a)及び高い凹部(13a)で形成された補強部(S)を更に含む。
【0022】
また、前記ベローズ部材(10)の前記両端部(U)の前記最小凹部内径(D1)は、前記中央部(C)の前記最大凹部内径(D3)に向けて均一な角度で次第に増加して、前記中央部(C)の内径が大きく形成され且つ前記補強部(S)が前記低い凸部(12a)及び前記高い凹部(13a)を有するリング形状に形成され、それらの各高さは前記凸部(12)及び前記凹部(13)より小さく、それらが前記中央部(C)にて均一に繰り返されるようになっている。
【0023】
前記インタ−ロック部材(20)および前記ベローズ部材(10)の間に形成されたギャップは、前記インタ−ロック部材(20)および前記ベローズ部材(10)の接触を防止するように、ワイヤメッシュ(60)でさらに設けられている。
【発明の効果】
【0024】
上記のように構成された本発明によれば、振動がかなり生じるベローズ部材中央部の最大凹部内径は、振動が中央部より小さい両端部の最小凹部内径よりも大きく形成され、十分なギャップがベローズ部材とインターロック部材の間に維持されるので、振動等にもかかわらず干渉がベローズ部材とインターロック部材の間に発生することなく、ベローズ部材の寿命を向上させる。
【0025】
また、ベローズ部材とインターロック部材との干渉を防止するために、中央部の凹部の直径は大きくなるように形成されつつ、振動が比較的小さい両端部の凹部の直径が小さくなるように形成され、両端部の突起の高さは、ベローズ部材に加わる外力と変位を分散させつつ柔軟性を向上させるように、増加されるので、ベローズ部材の耐久性を向上できる。
【0026】
さらに、ベローズ部材の中央部の凹部内径は、排気ガスの流れがスムーズとなるように、両端部の凹部内径よりも大きいので、ベローズ部材の材料コストを低減することができ、生産性が改善され、それによってベローズ部材の市場性及び信頼性を向上させることができる。
【0027】
また、インターロック部材とベローズ部材との間に形成されるギャップは駆動時に発生する振動による衝撃を吸収するワイヤメッシュを備え、騒音の発生を防止している。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の一実施例による自動車の排気管用の可撓性導管の基本構造を示す半断面図である。
図2】本発明によるベローズ部材の構造を示す拡大断面図である。
図3】本発明の他の実施例による自動車の排気管用の可撓性導管を示す拡大断面図である。
図4】本発明の他の実施例による自動車の排気管用の可撓性導管を示す拡大断面図である。
図5】本発明の他の実施例による自動車の排気管用の可撓性導管を示す拡大断面図である。
図6】従来技術のベローズ部材の構造を示す半断面図である。
図7】本発明の他の実施例による自動車の排気管用の可撓性導管を示す半断面図である。
図8】本発明の他の実施例による自動車の排気管用の可撓性導管を示す半断面図である。
図9】本発明の他の実施例による自動車の排気管用の可撓性導管を示す半断面図である。
図10】本発明の他の実施例による自動車の排気管用の可撓性導管を示す半断面図である。
図11図7のA部分の拡大断面図である。
図12図8のB部分の拡大断面図である。
図13】本発明の他の実施例による自動車の排気管用の可撓性導管を示す半断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明を図面を参照してより詳細に説明する。しかし、本発明はこれらに限定されると解釈されるべきではない。
【0030】
図1等に示すように、本発明に係る自動車の排気管用可撓性導管においては、ベローズ部材の中央部の凹部内径は、インターロック部材からギャップを増加させるように、両端部の凹部内径よりも大きく形成されて、ベローズ部材とインターロック部材との干渉を防止することができる。両端部の凹部は、ベローズ部材に加わる外力及び変位を柔軟に吸収するように小さく形成されており、ベローズ部材の柔軟性及び耐久性を向上させるように構成されている。
【0031】
まず、本発明に係る排気管用可撓性導管1は、
中空円筒形状に形成され且つ反復的に波形状に形成されている波形構造を有するベローズ部材10と、
ベローズ部材10から所定のギャップを持ってベローズ部材10内に配置されたインターロック部材20と、
ベローズ部材10の両端部の外側部分を包囲する外側カバー部材30と、
外側カバー部材30をベローズ部材10の両端部の外側部分に固定するキャップ部材40と、
内側にインターロック部材20を重ね合わせることによりベローズ部材10に固定された一方端とインターロック部材20に固定された他方端とを有する中間部材50と、を含んでおり、
ここで、重要なことは、中央部Cの最大凹部内径D3が両端部Uの最小凹部内径D1よりも大きくなるように形成することにより、インターロック部材20からのギャップを十分に維持することである。
【0032】
このとき、重要なことは、中央部Cの最大凹部内径D3が両端部Uの最小凹部内径D1より大きくなるように拡張されて、インターロック部材20からのギャップを十分に維持するように、ベローズ部材10が形成されることである。
【0033】
このために、説明で使用される概略方向を示す図2を参照すると、ベローズ部材10は金属材料からパイプ状に形成されており、ベローズ部材10には、連続的に長手方向に形成されているが設けられている凸部12及び凹部13の波形状からなる反復的波形構造が設けられている。従って、変位が振動や衝撃による軸方向又は曲げ方向に生ずるので、連続して長手方向に形成された凸部12及び凹部13は、弾性的に曲げられることによって変位を吸収する機能を発揮して、排気ガスの漏れを防止して、伸長及び曲げを吸収する。凸部12及び凹部13は、変位が吸収され外力が除去された後、復元される。
【0034】
また、さらに、インターロック部材20は、ベローズ部材10からの所定の間隔を維持しながら、ベローズ部材10内に位置される。
【0035】
インターロック部材20は螺旋状にインターロック部材全体に形成された螺旋状溝を有しており、生じた軸方向又は曲げの変位時の螺旋状溝における摩擦によって減衰効果が生ずるように構成されている。ここで、螺旋状溝は、長手方向の変形を主に吸収し、そして、排気ガスが通過する経路の空間を均一に維持することにより、乱流の発生を抑制する機能を発揮する。
【0036】
外側カバー部材30はベローズ部材10の外側を囲み、網目構造で金属細線を編組された外側網部が外側カバー部材30として選択されている。
【0037】
従って、ベローズ部材10は、圧縮方向における変位及び張力に関して大きな変位で柔軟に変形され得るようになっている。
外側カバー部材30とベローズ部材10の外側の両端部はキャップ部材40に結合され、キャップ部材40がベローズ部材10に固定されている。
【0038】
なお、ベローズ部材10とインターロック部材20は、リング状に形成された中間部材50により相互に接続されている。
【0039】
すなわち、中間部材50の前端部がベローズ部材10の端部及びベローズ部材10の水平部に従っている状態で、外側カバー部材30及びキャップ部材40は、互いに重なって、中間部材50の前端部は、周方向に締め付け機能を有するクランプ手段によって、又はそのいくつかの点でスポット溶接を行うことにより、ベローズ部材10に取り付けられている。
【0040】
また、中間部材50の他の端部がインターロック部材20の内側に向かって折り畳まれ、そしてベローズ部材10及びインターロック部材20が完全に結合された状態に維持されるように、いくつかの点でスポット溶接が行われた状態で、中間部材50の他端は、インターロック部材20の内側に向かって部分的に折り畳まれている。
【0041】
このとき、本発明に係るベローズ部材10は、図2に示されるように、凸部12の均一な外径を有し、そして中央部Cの最大凹部内径D3は両端部Uの最小凹部内径D1よりも大きく形成されている。
【0042】
すなわち、ベローズ部材10は、両端部Uの最小凹部内径D1よりも大きく形成された中央部Cの最大凹部内径D3と、両端部Uの最小凹部内径D1が端部11の内径Dt以上に形成された状態で長手方向にて同じ高さを有するように連続的に形成された凸部12と、を有する。
【0043】
従って、ベローズ部材10は、ベローズ部材10内に配置されたインターロック部材20と両端部Uとの間に従来と同様のギャップ並びにインターロック部材20と中央部Cとの間に従来よりも大きなギャップを維持することができる。
【0044】
振動や衝撃による軸方向又は曲げ方向の変位がベローズ部材10及びインターロック部材20に発生した場合、変位は、両端部Uよりもむしろベローズ部材10の中央部Cでより多く発生する。しかしながら、本発明に係る中央部分Cは、インターロック部材20によるベローズ部材10への破損を防止することができる十分なギャップを維持する。
【0045】
反対に、最小ギャップは、インターロック部材20から、振動が多くはないベローズ部材10の両端部Uまで保持される。従って、両端部Uの突起の高さは高く、ベローズ部材の柔軟性及び耐久性を向上させる。
【0046】
また、図3に示されるように、他の実施例に係るベローズ部材10は、両端部Uの最小凹部内径D1から中央部Cへ次第に増加する凹部内径D2と、中央にて均一な最大内径D3と、を有している。
【0047】
上述したように、ベローズ部材10の両端部Uから中央部Cへの所定の傾きを形成することにより、ベローズ部材10は、曲げ変位に対して傾斜して案内され、形状の急激な変化によって発生した応力の集中を防止することができ、スムーズな動きを確保することができる。
【0048】
一般的に、5〜25度が傾斜凹部13の傾きとして基本的に採用され、傾斜凹部の数は好ましくは1〜3個に設定される。
【0049】
また、図4に示されるように、本発明の他の実施例に係るベローズ部材10の中央部Cは補強部Sを含み、補強部Sは低い凸部12a及び高い凹部13aをもって形成され、それらの各高さは均一に繰り返された凸部12及び凹部13よりも低い。
【0050】
さらに、図5に示すように、ベローズ部材10の両端部Uの凹部13の内径は中央部Cの凹部13の内径に向かって均一な角度で漸次増加して、中央部の内径Cが大きくなるように形成され、中央部分Cはさらに補強部Sを有し、補強部Sはリング形状に形成され且つ低い凸部12a及び高い凹部13aを有し、それらの各高さは中央部Cで均一に繰り返された凸部12及び凹部13よりも低い。
【0051】
補強部Sは、ベローズ部材10の中央部Cの2〜5個の突起を減少され得るので、それによって材料の消費を減らすことができ、製造コストを低減させることができる利点を有する。
【0052】
一方、図8及び図10に示すように、インターロック部材20とベローズ部材10との接触を防止するように、ワイヤメッシュ60にさらに、インターロック部材20とベローズ部材10との間に形成されたギャップを設けることができる。
【0053】
ワイヤメッシュ60は弾性材料であり、金属細線ワイヤで編組されたネット構造を圧縮することにより筒状に形成されたものであり、ワイヤメッシュ60は、屈曲変位等と同様に、駆動中のエンジンや路面の振動に起因する衝撃を弾性的に吸収するようにギャップに嵌合されている。
【0054】
また、ワイヤメッシュ60は、走行中の振動によるベローズ部材及びインターロック部材の接触を防止することができ、それにより、騒音発生源を除去する。
【0055】
また、弾性部材70は、好ましくは、図9及び図10に示す外側カバー部材30の外側に装着されてもよい。
【0056】
弾性部材70は、ベローズ部材10及び外側カバー部材30を取り囲むように基本的にリング形状に形成されたばね部材であり、弾性部材70は、曲げられて張力を得るように起伏のある形状に形成されている。
【0057】
弾性部材70は、ベローズ部材10に向かう締結力を生む。
【0058】
このとき、波形構造の半径方向の直径は、固定溝17を形成するようにベローズ部材10の略中央部において減少し、弾性部材70が固定溝17内に収容され逃げることが防止されている。
【0059】
図13に示すように、一方、別の編組部材80を、外側網部で作られている外側カバー部材30の外側に、取り付けることが好ましい。
【0060】
編組部材80は、金属細線で編組されており、さらに、圧縮方向の変位と張力に対して大きな変位によって柔軟に変形するために、外側カバー部材30の外側を取り囲んでいる。
【0061】
編組部材80は、外側カバー部材30としてキャップ部材40によりその外側の両側端部において結合され、図13に示すように、クランプすることにより、ベローズ部材10で主に固定されている。
【0062】
本発明の実施例に関連させて本発明を説明したが、本発明は記載の実施例及び図面のいずれによっても限定されないことを意図している。本発明のさまざまな変更及び変形例は、本発明の精神及び範囲を逸脱することなく行うことができることは、当業者には明らかである。
【符号の説明】
【0063】
1…排気管用可撓性導管
10…ベローズ部材
12…凸部
12a…低い凸部
13…凹部
13a…高い凹部
20…インターロック部材
30…外側カバー部材
40…キャップ部材
50…中間部材
60…ワイヤメッシュ
70…弾性部材
80…編組部材
C…中央部
U…両端部
S…補強部
D1…最小凹部内径
D3…最大凹部内径
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13