【実施例】
【0076】
(実施例I)
蛍光/ルミネセンス多重アッセイ
A.単一ウェル、多重アッセイにおけるカスパーゼ−3及びカスパーゼ−8の測定
Caspase−Glo(商標)8 Reagent(Caspase−Glo(商標)8 Assay System、Promega社)を、均一ルミネセンス発生カスパーゼ−8及びルミネセンス非発生カスパーゼ−3酵素アッセイの多重化を可能にする能力に関して評価した。Caspase−Glo(商標)8 Reagentは、Caspase−Glo(商標)8 Buffer及びルミネセンス発生基質であるZ−LETD−アミノルシフェリンからなる。
図1Aにおけるルミネセンス発生アッセイに関して、多重化されたルミネセンス発生及びルミネセンス非発生アッセイの実行可能性を実証するために、Caspase−Glo(商標)8 Reagent(菱形)又はカスパーゼ−3に対する50μMの蛍光発生基質、(Z−DEVD)
2−ローダミン−110(四角形)も含有するCaspase−Glo(商標)8 Reagentのいずれかを用いた。
図1Bにおける蛍光発生アッセイに関して、50μM (Z−DEVD)
2−ローダミン−110及び10mM DTT(四角形)又は50μM (Z−DEVD)
2−ローダミン−110及びZ−LETD−アミノルシフェリン(四角形)のいずれかを含有するCaspase−Glo(商標)8 Bufferを用いた。
【0077】
カスパーゼ−8酵素、カスパーゼ−3酵素、及びカスパーゼ−8とカスパーゼ−3酵素との組合せ(Biomol Research Laboratories)の希釈液を、100単位/mlの最終濃度に、RPMI1640(Sigma社)中で調製した。100μlのカスパーゼ−8希釈液、カスパーゼ−8希釈液とカスパーゼ−3希釈液との混合液、又はカスパーゼ−3希釈液を、96ウェルプレートの個別のウェルに加えた。50μM (Z−DEVD)
2−ローダミン−110を有する又は有さない100μlのCaspase−Glo(商標)8 Reagent(
図1A)、又はZ−LETD−アミノルシフェリンを有する又は有さない、(Z−DEVD)
2−ローダミン−110及びDTTを添加した100μlのCaspase−Glo(商標)8 Bufferを、200μl/ウェルの最終容量に達するように加えた。該反応プレートを室温で、プレートシェーカー上、少なくとも10分間温置した。
【0078】
温置後、DYNEX Laboratories MLX(商標)プレートルミノメータを用いて相対的ルミネセンスを測定し、485
EX/530
EMフィルターセットを装備したCytoFluorII蛍光プレート読取り装置により相対的蛍光を測定した。
【0079】
結果
図1に、単一ウェル中、2種のプロテアーゼ酵素に関する蛍光及びルミネセンスの同時測定が示されている。
図1Aに見られる通り、カスパーゼ−8(四角形)に関するルミネセンス発生アッセイにおいて、カスパーゼ−3及びその蛍光発生基質である(Z−DEVD)
2−ローダミン−110の存在は、ルミネセンス反応を大きく変化させることはない。同様に、カスパーゼ−3(四角形)に関する蛍光発生アッセイにおいて、カスパーゼ−8及びそのルミネセンス発生基質であるZ−LETD−アミノルシフェリンの存在は、カスパーゼ−3に関する蛍光発生アッセイに影響を与えない。
【0080】
B.カスパーゼ−3及びカスパーゼ−8多重アッセイに関する背景測定
カスパーゼ酵素及びそれらの基質などの種々の濃度のルミネセンス発生試薬及び蛍光発生試薬並びに緩衝液成分を組み合わせて、蛍光及び/又はルミネセンスに対する各構成成分の寄与を確認した。ルミネセンス測定時、蛍光発生基質である(Z−DEVD)
2−ローダミン−110は、ローダミンチャネル(485
EX/520
EM)内でカスパーゼ−3活性を報じ、蛍光発生基質であるAc−DEVD−AMCは、AMCチャネル(360
EX/460
EM)内でカスパーゼ−3活性を報じるが、Z−LETD−アミノルシフェリン基質は、カスパーゼ−8活性を報じる。表3には、12の異なる反応条件に関する各成分の量(μl)が、各反応条件に関し、合計、約500μlのマスター混合物、又は100μlのマスター混合物/反応(n=4)を生じることが記載されている。「カスパーゼ添加」の列でのこの列の数は過剰に添加されたカスパーゼのタイプを定義するものであって、容量を示しているのではない。
【0081】
【表3】
1.カスパーゼ−8 luc対照
2.カスパーゼ−3ローダミン−110対照
3.カスパーゼ−3AMC対照
4.ローダミン−110を有する多重対照
5.ローダミン−110+阻害剤を有する多重対照
6.AMCを有する多重対照
7.アミノルシフェリン混合物を有するカスパーゼ−3
8.アミノルシフェリン混合物+阻害剤を有するカスパーゼ−3
9.ローダミン−110を有するカスパーゼ−8
10.アミノルシフェリン混合物を有するカスパーゼ−3
11.アミノルシフェリン混合物+阻害剤を有するカスパーゼ−8
12.ローダミン−110を有し、アミノルシフェリン混合物を有さないカスパーゼ−3
【0082】
表IIIの成分を反復ウェルに加え、反応液を室温で2時間温置した。用いられた緩衝液は、Caspase−Glo(商標)8 Assey Systemのものであった。
DMSOはSigma−Aldrichから入手し、DTTは、Amrescoから入手した。基質及び阻害剤は、Promega Corpから入手した。
【0083】
相対的ルミネセンスは、DYNEX LaboratoriesのMLX(商標)プレートルミノメータを用いて測定された。蛍光は、ローダミン−110に関しては、485
EX/530
EMフィルターセット、次いで、AMCチャネルに関しては、360
EX/460
EMにセットしたCytoFluorII Fluorescentプレート読取り機を用いて測定した。
【0084】
結果
図2A、B、及びCで、全てのカラットは、酵素活性を示す蛍光又はルミネセンスのいずれかが予測される場合を表す。
図2Aは、各反応におけるAMC蛍光に関するシグナルを示す。背景以上の蛍光は、Ac−DEVD−AMC及びカスパーゼ−3という適切な基質/酵素の組合せが存在した場合のみ存在した(反応条件3及び6)。
図2Bは、各反応におけるローダミン−110蛍光に関するシグナルを示す。背景以上の蛍光は、カスパーゼ−3阻害剤が存在した場合(反応条件5)を除いて、(Z−DEVD)
2−ローダミン−110/カスパーゼ−3という基質/酵素の組合せが存在した場合に存在した(反応条件2、4、10、及び12)。背景以上のルミネセンスシグナル(
図2C)では、カスパーゼ阻害剤が存在した反応条件(反応条件5、8、及び11)を除いて、Z−LETD−アミノルシフェリン/カスパーゼ−8という適切な基質/酵素の組合せを有した反応が、背景以上のシグナルを示した(反応条件1、4、6、7、9、及び10)。したがって、該データにより、これらの条件下で、背景の蛍光及びルミネセンス測定に及ぼす反応成分の影響は無視できるものだったことが証明された。
【0085】
C.単一ウェル、三重アッセイにおけるカスパーゼ−3、カスパーゼ−8、及びトリプシンの測定
ダルベッコ−リン酸緩衝生理食塩水(Sigma社)中、カスパーゼ−8(150単位/ml、Biomol Research Laboratories)、カスパーゼ−3(Pharmingen社)、トリプシン(Sigma社)、及び3種全ての酵素の組合せの検出可能濃度の希釈液を調製した。100μlの各酵素希釈液を、96ウェルプレートのウェルに加え、100μlの各基質を、単独で、又は適切に組み合わせて対応するウェルに加えた:カスパーゼ−3に対しては、(Z−DEVD)
2−ローダミン−110基質、トリプシンに対しては、Z−PRNK−AMC基質(ベータ−トリプターゼに対する基質として、本明細書にその全体が組み込まれている米国特許出願第09/955,639号に記載されているが、トリプシンに対しては、有用性が少ないと認識されている)、及びカスパーゼ−8に対しては、Z−LETD−アミノルシフェリン基質。蛍光アッセイで、基質と共にCaspase−Glo(商標)8緩衝液を用いた場合、10mM DTTを含めた。プレートは、プレートシェーカー上、室温で、少なくとも10分間温置した。
【0086】
温置後、カスパーゼ−8活性に関する相対的ルミネセンスを、BMG Fluorostar(BMG Labtechnologies社)を用いて測定した。相対的蛍光は、Labsystems Fluoroskan Ascent プレート読取り機を用いて測定した。カスパーゼ−3活性には、485
EX/527
EMのフィルターセットを用いた。トリプシン活性には360
EX/460
EMのフィルターセットを用いた。
【0087】
結果
図3Aに示されるように、3種の異なる基質及び組み合わされた対応する酵素を有する反応(三重アッセイ)において、カスパーゼ−3の検出に用いられた条件により、対照条件の蛍光以上の比較的高い蛍光が生じた。三重アッセイ(全ての酵素と共に全ての基質)におけるカスパーゼ−3の活性を、カスパーゼ−3単独の活性と比較すると、カスパーゼ−3が同じ反応液中に他の三重酵素反応液と共にあった場合、カスパーゼ−3活性は背景より大きかった。トリプシン(
図3B)及びカスパーゼ−8(
図3C)に関しても、カスパーゼ−3と同程度ではないにしても、同様な結果が見られた。
【0088】
D.単一ウェル、多重フォーマットにおけるカスパーゼ−3及びβ−ガラクトシダーゼの測定
Beta−Glo(登録商標)緩衝液(Beta−Glo(登録商標)Assay System、Promega社)を用いてBeta−Glo(登録商標)凍結乾燥基質を再構成することにより、又はBeta−Glo(登録商標)緩衝液に(Z−DEVD)
2−ローダミン−110(50μM)を加えることにより、又はBeta−Glo(登録商標)緩衝液を用いてBeta−Glo(登録商標)凍結乾燥基質を再構成して(Z−DEVD)
2−ローダミン−110(50μM)を加えることにより、試薬を調製した。カスパーゼ−3(2μl/ml、Pharmingen社)、又はβ−ガラクトシダーゼ(0.1μl/ml)、又はカスパーゼ−3及びβ−ガラクトシダーゼを、RPMI1640中で希釈し、100μlを96ウェル白色プレートのウェルに加えた。100μlの適切な試薬を96ウェルプレートのウェルに加え、室温で温置した。DYNEX LaboratoriesのMLX(商標)プレートルミノメータを用いて、30分におけるルミネセンスを測定した。485
EX/530
EMのフィルターにセットしたCytoFluorII Fluorescentプレート読取り機上で、2時間温置後の蛍光を測定した。増加した蛍光を補正するために、18時間目に、CytoFluorIIフルオロメータ上、異なる増加セッティングで全ての測定を繰り返した。
【0089】
結果
図4A及びCは、β−ガラクトシダーゼに関するルミネセンス発生アッセイが、カスパーゼ−3を測定するための蛍光発生試薬の存在下で機能的であることを証明している。
図4B及びDは、カスパーゼ−3を測定するための蛍光発生アッセイが、β−ガラクトシダーゼを測定するためのルミネセンス発生試薬の存在下で機能的であることを証明している。
図4B及び4Dに見られるように、背景蛍光に及ぼすルミネセンス発生試薬成分の軽微な影響がある。しかし、ルミネセンスに及ぼす蛍光発生試薬成分の影響はほとんど無い(
図4A及び4C)。
【0090】
E.ルミネセンス発生アッセイに関する基質のスペクトル走査
0.1M Tris pH7.3、2mM EDTA、及び10mM MgSO
4を含有する緩衝液中、ルシフェリン、アミノルシフェリン、及びZ−LETD−アミノルシフェリンを、およそ2μMに希釈した。1.25mm励起及び発光スリットフィルターを有するSPEX Fluorolog−2分光器上、1nmの波長間隔及び0.2秒の積分時間でサンプルを走査した。全ての走査は、石英キュベットを用いて実施された。
【0091】
結果
ルシフェリン及びアミノルシフェリンに関して、励起が325nmに存在すると、発光は、375nmから750nmで捕捉され、発光が600nmで測定される場合の励起は、280nmから550nmで捕捉された(
図5A及び5B)。Z−LETD−アミノルシフェリンでは、励起が325nmに存在すると、発光は、375nmから750nmで捕捉され、発光が525nmで測定される場合の励起は、280nmから500nmで捕捉された(
図5C)。興味深いことに、ペプチドがアミノルシフェリンに共役すると(
図5C)、共役体の発光ピークは、より短い波長へ青色シフトした。これは予想外のことであり、したがって、特に、アミノルシフェリンと同じ波長領域で発光する蛍光体を用いると、ルミネセンス/蛍光二重測定が可能になる。
【0092】
(実施例II)
偽結果を検出する方法
方法
カスパーゼ−3阻害剤(Ac−DEVD−CHO、10μM)又はルシフェラーゼ阻害剤(Resveratol、5μM)のいずれかと共に、カスパーゼ−3の存在下、Z−DEVD−アミノルシフェリンを含有するCaspase−Glo(商標)3/7試薬(Caspase−Glo(商標)3/7 Assay、Promega社)を、(Z−DEVD)
2−ローダミン−110又はAc−DEVD−AMCと組み合わせた。Z−DEVD−アミノルシフェリンのカスパーゼ−3開裂に由来するルミネセンスシグナルは、30分目に読み取り、一方、カスパーゼ−3開裂活性由来の蛍光シグナルは、適切なAMC又はローダミン110フィルターセットを用いて、2時間目に読み取った。
【0093】
結果
ルミネセンスは、背景比に対して最大のシグナルを与え、次いでローダミン−110、次いで、AMCであった(
図6)。カスパーゼ−3を検出する3種の基質全てが、知られたカスパーゼ−3阻害剤の添加によって、一貫して影響を受けなかった。このことは、いずれかのアッセイが実施される際に、例えば、可能性のある偽妨害を制御するために、ルミネセンス発生試薬と蛍光発生試薬とを組み合わせることができるということを示唆している。したがって、ある試薬がある一定の酵素の真の阻害剤であるかどうかを判定するために多重シグナルを用いるこができる。
【0094】
(実施例III)
さらなる典型的多重アッセイ
A.単一ウェルフォーマットにおける乳酸デヒドロゲナーゼ(LDH)及びアデノシン三リン酸に関する多重アッセイ
以下の検出試薬を調製した:1)LDH試薬(30mM HEPES、pH7.4、10mM NaCl、20mM MgSO
4、250μMレザズリン(Aldrich))を用いて、CytoTox−ONE(商標)Homogeneous Membrane Integrity Assay(Promega社、Technical Bulletin306)からの凍結乾燥基質成分を再構成した;2)ATP試薬(30mM HEPES pH7.4、10mM NaCl、20mM MgSO
4)を用いて、CellTiter−Glo(商標)Luminescent Cell Viability Assay(Promega社、Technical Bulletin288)からの凍結乾燥基質成分を再構成した;3)LDH/ATP組合せ試薬(30mM HEPES、pH7.4、10mM NaCl、20mM MgSO
4、250μMレザズリン(Aldrich))を用いて、CytoTox−ONE(商標)からの凍結乾燥基質成分を再構成し、次に、これを用いて、CellTiter−Glo(商標)からの凍結乾燥基質成分を再構成した。
【0095】
10mM HEPES pH7.5、0.1%Prionex(PentaPharma社)溶液を用いて、LDH(0、1:8000、1:4000、1:2000、菱形)、ATP(0μM、1.25μM、2.5μM、及び5μM、四角形)、及びLDH/ATPの組合せ(それぞれ、0/0μM、1:8000/1.25μM、1:4000/2.5μM、及び1:2000/5μM、三角形)のサンプル希釈液を作製し、100μlの該希釈液(n=4)を、白色96ウェルプレートのウェルに加えた。該サンプルに適切な検出試薬(100μl)を加え、該プレートを遮光し、30秒間混合し、室温で温置した。温置8分後、フィルターを560
EX/590
EMにセットしたLabsystems Fluoroskan Ascent プレート読取り機上で蛍光を測定した。温置30分後に、Dynex MLXプレートルミノメータを用いて、ルミネセンスを記録した。
【0096】
結果
対照反応(
図7C)と比較した場合、ATPに関するルミネセンス発生アッセイに及ぼすLDH及びその蛍光発生検出試薬の軽微な影響があった(
図7A);しかし、ATPの検出は、依然として可能であった。LDHに関する蛍光発生アッセイへルミネセンス発生検出試薬を添加しても背景蛍光に影響を与えず(
図7B)、対照反応(
図7D)に比較して全体的な蛍光は減少したが、LDH活性は、依然として検出可能であった。
【0097】
B.単一ウェルフォーマットにおけるLDH及びカスパーゼ−3に関する多重アッセイ 以下の検出試薬を調製した:1)238μMレザズリンを添加したLDH試薬−Caspase−Glo(商標)3/7緩衝液を用いて、CytoTox−ONE(商標)凍結乾燥基質成分を再構成した;2)カスパーゼ−3試薬−Caspase−Glo(商標)3/7緩衝液を用い、Promega Technical Bulletin322にしたがって、Caspase−Glo(商標)3/7凍結乾燥基質成分を再構成した;3)LDH/カスパーゼ−3組合せ試薬−LDH試薬(上記の通りに調製)を用いて、凍結乾燥Caspase−Glo(商標)3/7基質を再構成した。LDH/カスパーゼ−3組合せ試薬のLDH検出試薬化合物は、Caspase−Glo(商標)3/7凍結乾燥基質中のDTTの存在によって不安定であるため、この試薬は、サンプルへの添加直前に調製した。
【0098】
10mM HEPES pH7.5、0.1% Prionex(PentaPharma社)溶液中で、サンプル希釈液を調製した:LDHの0、1:8000、1:4000、1:2000希釈液(菱形);カスパーゼ−3の0、5、10、及び20U/ml(BIOMOL Laboratories、四角形)、及びLDH/カスパーゼ−3の組合せ(それぞれ、0/0U/ml、1:8000/5U/ml、1:4000/10U/ml、及び1:2000/20U/ml、三角形)。100μlの該希釈液(n=4)を、白色96ウェルプレートに加えた。該サンプルに適切な検出試薬(100μl)を加え、該プレートを遮光し、30秒間混合し、室温で温置した。室温で温置6分後、フィルターを560
EX/590
EMにセットしたLabsystems Fluoroskan Ascent プレート読取り機上で蛍光を測定した。温置45分後に、Dynex MLXプレートルミノメータを用いて、ルミネセンスを記録した。
【0099】
結果
多重反応に蛍光発生LDH検出試薬を加えると、対照反応に比較してルミネセンスの減少があった(それぞれ、
図8A及び8C)。
図8Aにおける全体的なルミネセンスシグナルの減少に関わらず、蛍光発生LDH検出試薬の存在下、ルミネセンスカスパーゼ−3アッセイは機能的であった。
図8Bは、多重反応にルミネセンス発生カスパーゼ−3検出試薬を加えると、対照(
図8D)に比較して、蛍光背景の増加があることを示している。;しかし、
図8Aは、カスパーゼ−3に関するルミネセンス発生検出試薬の存在下で、LDHに関する蛍光発生アッセイが機能的であることを証明している。背景ルミネセンスに対するLDHの影響はなく(
図8C)、また、背景ルミネセンスに対するカスパーゼ−3の影響もなかった(
図8D)。
【0100】
C.単一ウェルフォーマットにおけるカスパーゼ−3及びタンパクキナーゼA(PKA)に関する多重アッセイ
以下の検出試薬を調製した:1)PKA試薬−100mMトリス pH7.3、100mM MgCl
2、PKAローダミン−110基質(ProFluor(商標)PKA Assay、Promega社、 Technical Bulletin315)の1:1000希釈液、及び400μM ATPを含有する1X反応緩衝液を調製した;2)カスパーゼ−3試薬−100mMトリス pH7.3、100mM MgCl
2、150μg/mlの組換え熱安定性ルシフェラーゼ、80μM Z−DEVD−アミノルシフェリン(Promega社)、400μM ATP、100μM DTT(Promega社)、2.5mM CaCl
2(Fisher)、40mM MgSO
4(Fisher)、及び0.2% Tergitol NP−9(Sigma)を含有する1X反応緩衝液を調製した;3)キナーゼ/カスパーゼ−3組合せ試薬−100mMトリス pH7.3、100mM MgCl
2、PKAローダミン−110基質の1:1000希釈液、150μg/mlの組換え熱安定性ルシフェラーゼ、80μM Z−DEVD−アミノルシフェリン、400μM ATP、100μM DTT、2.5mM CaCl
2、40mM MgSO
4、及び0.2% Tergitol NP−9を含有する1X反応緩衝液を調製した;4)タンパクキナーゼ停止試薬−100mMトリス pH7.3、100mM MgCl
2、プロテアーゼ試薬(ProFluor(商標)PKA Assay)の1:50希釈液、30μM スタウロスポリン(BIOMOL Laboratories)を含有する1X停止試薬を調製した。
【0101】
10mM HEPES pH7.5、0.1% Prionex(PentaPharma社)溶液中で、サンプル希釈液を調製し;0、1、2、及び4U/ml PKA(菱形)、0、5、10、及び20U/mlカスパーゼ−3(四角形)、及びPKAとカスパーゼ−3との組合せ(それぞれ、0/0U/ml、1/5U/ml、2/10U/ml、及び4/20U/ml、三角形)、40μlの該希釈液(n=4)を、白色96ウェルプレートに加えた。該サンプルに適切な検出試薬(40μl)を加え、該プレートを遮光し、30秒間混合し、室温で20分間温置した。温置後、キナーゼ試薬単独又はキナーゼ/カスパーゼ−3試薬の組合せのいずれかを含有するウェルに、40μlのタンパクキナーゼ停止試薬を加えた。該プレートをさらに30秒間混合し、遮光し、室温でさらに30分温置した。フィルターを485
EX/527
EMにセットしたLabsystems Fluoroskan Ascent プレート読取り機上で蛍光を測定した。Dynex MLXプレートルミノメータを用いて、ルミネセンスを記録した。
【0102】
結果
蛍光発生PKAアッセイ検出試薬の添加により、PKAは存在するが完全なPKA検出試薬が存在しない対照反応(
図9C)に比較して、ルミネセンス背景の増加が生じた。しかし、カスパーゼ−3の活性から生じた反応ルミネセンスは比例して増加し、該条件は、ルミネセンス発生カスパーゼ−3反応それ自体に影響したとは思われなかった。PKAに関する蛍光発生アッセイに、カスパーゼ−3に関する検出試薬を添加すると(
図9B)、カスパーゼ−3は存在するが完全なカスパーゼ−3検出試薬が存在しない蛍光対照反応(
図9D)に比較して、全体の蛍光が50%超減少した。カスパーゼ−3及びPKA活性は、これらの多重条件を用いて、背景以上を測定できた。
【0103】
D.単一ウェルフォーマットにおけるウミシイタケルシフェラーゼ及びカスパーゼ−3に関する多重アッセイ
以下の検出試薬を調製した:1)ウミシイタケルシフェラーゼに対する細胞透過性修飾セレンテラジン基質であるEnduRen(商標)(Promega社)を、10%ウシ胎仔血清及び500μg/mlのG−418サルフェートを添加したF−12組織培養培地中に、600μMに希釈した;2)カスパーゼ−3基質:(Z−DEVD)
2−ローダミン−110(Promega社)を、10%ウシ胎仔血清及び500μg/mlのG−418サルフェートを添加したF−12組織培養培地中に、250μMに希釈した;3)ルシフェラーゼ/カスパーゼ−3組合せ基質:EnduRen(商標)(600μM)及び(Z−DEVD)
2−ローダミン−110(250μM)を、10%ウシ胎仔血清及び500μg/mlのG−418サルフェートを添加したF−12組織培養培地中に、希釈した。
【0104】
ウミシイタケルシフェラーゼ(CHO−KlhRL25)を安定して発現するCHO−Kl細胞(ATCC)を、10%ウシ胎仔血清及び500μg/mlのG−418サルフェート中で維持し、細胞ベースの実験に用いた。これらの細胞を用いる実験条件には、以下が含まれた:1)スタウロスポリンの添加によるルシフェラーゼ活性レベルの変化、2)カスパーゼ−3酵素の添加と共にスタウロスポリンの添加によるルシフェラーゼ活性レベルの変化、及び3)スタウロスポリンは添加せずにカスパーゼ−3酵素の添加によるルシフェラーゼ活性。
【0105】
CHO−KlhRL25細胞を採収し、96ウェル、透明底、白色壁の組織培養プレート中に20,000細胞/ウェルの密度で塗布し、5%CO
2中、37℃で一晩温置した。最終濃度が0、0.5、1、2μMのスタウロスポリン(10μl/ウェル)を適切なウェルに加え、細胞死を開始させ、したがってルシフェラーゼ活性を変化させた。5%CO
2中37℃でさらに3.5時間、細胞を温置した。種々の濃度のカスパーゼ−3(BIOMOL Laboratories)を、組織培養培地中、0、5、10、及び20U/mlで、適切なウェルに加えた(10μl/ウェル)。したがって、データポイントに関するスタウロスポリン/カスパーゼ−3組合せ濃度は、それぞれ、0μM/0U/ml、0.5μM/5U/ml、1μM/10U/ml、及び2μM/20U/mlであった。カスパーゼ−3酵素の添加直後、10μl/ウェルのルシフェラーゼ基質、カスパーゼ−3基質、又はルシフェラーゼ/カスパーゼ−3基質のいずれかを、適切なウェルに加えた。検出試薬の添加後、プレートを手短に混合し、5%CO
2中37℃で2時間温置した。フィルターを485
EX/527
EMにセットしたLabsystems Fluoroskan Ascent プレート読取り機上で蛍光を測定した。Dynex MLXプレートルミノメータを用いて、ルミネセンスを記録した。
【0106】
結果
これらのアッセイにおいて、ウミシイタケルシフェラーゼの活性を、細胞死に関する内部対照として用いた。したがって、スタウロスポリンの濃度が増加するにつれて、ルシフェラーゼの活性は減少するはずである。
図10Aは、カスパーゼ−3基質の添加は、対照反応(
図10C)と比較して、ルシフェラーゼ反応に負の影響を与えなかったことを示している。
図10Bは、ルシフェラーゼ基質の添加が、
図10Dに比較して、全体の蛍光にわずかな増加はあったものの、背景蛍光に影響を与えなかったことを示している。ウミシイタケルシフェラーゼに関するルミネセンス発生アッセイは、カスパーゼ−3又はカスパーゼ−3基質の存在下で十分に機能的であり、カスパーゼ−3に関する蛍光発生アッセイは、わずかに影響を受けただけで、ウミシイタケルシフェラーゼ又はウミシイタケルシフェラーゼ基質の存在下で十分に機能的であった。
【0107】
(実施例IV)
プロテアーゼ保持及び放出細胞生存度多重アッセイ
生細胞及び死細胞アッセイは、特定の化学的、生物学的又は物理的処理に応答した細胞生存度の変化をモニターするために、広く用いられている。生存度と細胞毒性アッセイとは、一般的に逆であり、異なった生物マーカーを測定する。細胞毒性による細胞生存度の一般的変化を評価する方法は、歴史的に外部膜透過性の変化に関連してきた。膜構造の損傷を検出する古典的方法としては、トリパンブルー排除、核酸染色、及び乳酸デヒドロゲナーゼ放出が挙げられる(Rissら、2004年;Myersら、1998年)。細胞機能又は増殖の評価に関するアッセイとしては、トリチウムチミジン取込み、ATP含量、テトラゾリウム色素移行又はフルオレセインジアセテートが挙げられる(Cookら、1989年)。無処置細胞膜は、かさばった荷電分子又はペプチドを、細胞外空間から細胞質内へ進入させないと考えられる。逆に、損傷した膜は、色素又は化合物を細胞内へ、又は細胞内容物を細胞外へ自由に透過させる。この透過現象が、色素標識(「生命」色素、DNA挿入剤、又はエステラーゼ修飾フルオレセイン)並びにLDH放出アッセイの双方にとっての基礎である。細胞生存度を測定する既存の方法は、依然として有用であり、コスト効率の良い適用である一方、それらは多くの技術的又は実用的な欠点を有し、高含量、多重又は高スループットフォーマットにおける利用が制限されている。例えば、LDH放出(CytoTox−ONE(商標))又は色素減少能力(CellTiter−Blue(商標))による細胞膜の完全性の現在の測定は、レザズリン基質の共有及びEx/Emスペクトルの重なりのために、対にする(データ正規化の手段)ことができない。
さらに、双方のアッセイに利用される着色レアズリン基質は、他のエンドポイントアッセイ測定(消色)との第2のアッセイシグナルウィンドー強度(及び感度)を制限し、濃度及びフォーマットが、第2のアッセイ試薬ペアリングに関して最適化されない(例えば、容量が限定される)。
【0108】
既存の生/死細胞フォーマットでは、カルボキシフルオレセイン及びエチヂウムホモ二量体が用いられるが、後者は知られた強力な変異誘発因子である。このフォーマットには、洗浄及び細胞培養培地の置換が必要である。さらに、カルボキシフルオレセインは、水性溶液中で自然加水分解を示し、エチヂウムホモ二量体挿入はDNAを染色し、下流のデータ正規化を妨害し得る。
【0109】
培養哺乳動物細胞は、プロテアーゼ類、エステラーゼ類、リパーゼ類、及びヌクレアーゼ類の豊富な環境を含有する。例えば、プロテアーゼの4つの一般的なクラス(アスパラギン酸、システイン、セリン、及び金属依存性)が代表であり、恒常性維持の特異的機能に関連している。これらの細胞質の、リソゾームの、及び膜貫通結合のプロテアーゼは、細胞内タンパク質分解、免疫原性ペプチドの生成、翻訳後修飾、及び細胞分裂に関与している(Tranら、2002年、Constamら、1995年、Vinitskyら、1997年)。これらの酵素の活性は、特殊区画化などの種々の機構によって調節されている(Bondら、1987年)。過剰なストレス、環境の悪状況、又は細胞死プログラムの委任進行に応答して、区画化及び膜完全性の整合喪失が見られる(Syntichakiら、2003年、Haunstetterら、1998年)。したがって、インビトロ細胞モデルにおける細胞培養培地内への安定なタンパク質分解伝達物質の放出は、細胞死の潜在的代理物となる。逆に、保持されたタンパク質分解酵素の細胞酵素学的染色は、細胞健康度の表現型測定にパラレルである。このようなタンパク質分解活性が一緒になって、細胞培養集団、例えば「生/死」アッセイ中の生存細胞又は損傷細胞の相対的数の確認を補助し得る。
【0110】
プロテアーゼベースの生/死細胞アッセイでは、一実施形態において、1つの基質(死細胞に関する)は、細胞質pH、例えば、7.0から7.2において安定で活性であり、スペクトル的に読取り(R/O)の異なる標識を有する、比較的豊富で活性であり保存されたプロテアーゼに対する基質である。この基質の開裂動態は、LDH放出にパラレルであり、活性の条件が毒性物質又は膜変化物質、例えば、塩又はチオール類を含まず、アッセイ時間を高速にすることが好ましい。他の基質(生細胞に関する)は、比較的豊富で保存されたプロテアーゼに対する基質であり、生存細胞に関しては細胞透過性であり、また、該プロテアーゼは、生存細胞の細胞質環境では活性であるが、細胞外環境では不安定である。この基質は、スペクトル的にR/Oの異なる標識を有し、開裂反応は、アッセイ時間を高速にするように進行する。非破壊的アッセイにおける2種の基質の使用により、望ましくない増殖事象を検出でき、また、生存度対細胞毒性の比率は、そのウェルにおける細胞数の変動に独立であるため、異なるスペクトルにおける相補的で独立の代理物を用いることにより、誤った結論及び細胞凝集又はピペット操作エラーによるエラーを減らすことができる。
【0111】
A.AMC若しくはR110蛍光又はアミノルシフェリンルミネセンスレポーターによるプロテアーゼ放出アッセイフォーマット
HL−60細胞を、2倍連続希釈してからトリトンXの添加によって、0.2%最終に細胞溶解させるか、又は媒体添加によって維持した。100mM酢酸ナトリウム、pH4.5中、200μM Ala−Ala−Phe−AMC基質の1/10容量を、溶解物又は細胞に加え、37℃でさらに1時間温置した。次いで、溶解細胞又は生存細胞に関連した蛍光を、CytoFluorIIを用いて、Ex.360 Em.460で測定した。
【0112】
活動的ダブリングを受けているジャーカット細胞を、トリパンブルー排除によって数えると、95%超の生存が判明した。該細胞をRPMI1640+10%FBS中、100,000細胞/mlに調整し、2つのアリコートに分けた。1つのアリコートは、マイクロチップを備えたMisonix3000を、3×5秒パルスの30%出力で用いて超音波処理した。他方の画分は、超音波操作(合計約5分)の間、37℃の水浴中で温置した。次いで、細胞懸濁液及び溶解物画分を比率混合によって、0〜100%の生存度を表す種々の生存度へ混合した。次に、混合した細胞サンプルを、100μl容量で白色壁、透明底の96ウェルプレート(Costar)に加えた。(Ala−Ala−Phe)
2−R110を、RPMI−1640中、1000μMni希釈し、1/10容量を該プレートに加えた。該プレートを30分間温置してからCytoFluorIIを用いて、蛍光を、Ex.485 Em.530で測定した。
【0113】
活動的ダブリングを受けているジャーカット細胞を、トリパンブルー排除によって数えると、95%超の生存が判明した。該細胞をRPMI1640+10%FBS中、100,000細胞/mlに調整し、2つのアリコートに分けた。1つのアリコートは、マイクロチップを備えたMisonix3000を、3×5秒パルスの30%出力で用いて超音波処理した。他方の画分は、超音波操作(合計約5分)の間、37℃の水浴中で温置した。次いで、細胞溶液及び溶解物画分を比率混合によって、0〜100%の生存度を表す種々の生存度へ混合した。次に、混合した細胞サンプルを、100μl容量で白色壁、透明底の96ウェルプレート(Costar)に加えた。10mlの10mM Hepes、pH7.5を有するルシフェリン検出試薬ケーク(Promega V859A)の再水和により、ルミネセンス発生プロテアーゼ放出アッセイ試薬を調製し、この試薬に、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリンを添加し、100μMの最終濃度にした。該プレートのウェルに、100μlのルミネセンス発生プロテアーゼ放出アッセイ試薬を加え、BMG FLUOstar Optimaを用いて、動態様式でルミネセンスを測定した。
【0114】
AMC蛍光フォーマットの実際の感度は、CytoTox−ONE(商標)と同等の感度値である、約240個の細胞(
図11)であると算出された。R110フォーマット(
図12)のアッセイは、同様に鋭敏であり、多重適用のためにさらに別の蛍光体を提供した。特にこれらのアッセイの感度は、下流の多重適用におけるCytoTox−ONE(商標)又は他のレザズリンベースのアッセイの使用の主要な障害である蛍光の消光なしで得られた。ルミネセンスフォーマットの優れた直線性と範囲(
図13)により、9800個の生細胞集団中、200個と少ない細胞の統計的検出を可能にした。非溶解性のルミネセンスフォーマットは、細胞毒検出のために別の代替法を提供する。
【0115】
B.種々の酵素標的によるプロテアーゼ放出アッセイのフォーマット
活動的ダブリングHL−60細胞を、100,000個の細胞/mlに調整し、2つのアリコットに分けた。1つのアリコットは、マイクロチップのMisonix3000を用いて3回の5秒パルスの30%出力で超音波処理した。他のアリコットは、37℃で保持した。次に細胞懸濁液及び溶解物を、100μl容量でRPMI 1640+10%FBS中で2倍連続希釈した。培地のみのものは、無細胞対照として寄与した。ルシフェリン検出試薬のケーク(Promega V859A)を、2.0mlの10mM Hepes、pH7.5で再懸濁した。次いでルシフェリン検出試薬を分けて、Z−Leu−Leu−Val−Tyr−アミノルシフェリン又はAla−Ala−Phe−アミノルシフェリンによる1mMを作製した。各試薬を、1/10容量で独立した反復試験のプレートに加え、Me’Courの熱ジャケット水浴ホルダー中37℃で15分間温置させてから、BMG FLUOstar Optimaを用いてルミネセンス測定を行った。
【0116】
Z−LLVY−アミノルシフェリンアッセイは、AAF−アミノルシフェリンシーケンスよりも少ない最適さで実施したが、他のプロテアーゼ類は、完全性の欠いた代用物として使用できることが立証された(
図14)。この場合、LLVY活性は、プロテオソームのキモトリプシン活性に起因し得る。
【0117】
C.プロテアーゼ放出の時間経過
HL−60細胞(25,000個/ウェル)を、透明底の白壁で仕切られた96ウェルプレート(Costar)内で5%CO
2と共に37℃で7時間の経過にわたり、10μMスタウロスポリン又は適性のDMSO媒体対照により処理した。200μMのAla−Ala−Phe−AMC基質溶液を、100mMのNaアセテート、pH4.5中で作製した。10μl容量の基質(1/10容量のサンプル)をウェルに加えてさらに1時間温置した。「プロテアーゼ放出」活性を、CytoFluor II上Ex.360Em.460で測定した。平行にセットされたウェル内で、CytoTox−ONE(商標)試薬は、膜完全性アッセイ対照として作用した。この試薬を、Ex.560 Em.580で蛍光測定10分前に加えた。
【0118】
細胞透過性の動態学、すなわち、LDHとプロテアーゼ放出は、互いに反映され、細胞集団における二次的壊死の形態学的観察と一致した(
図15)。酸性Naアセテート製剤(サンプル中約6.5の最終pH)中アミノペプチダーゼ基質の提示は、潜在的なリソソームプロテアーゼ活性を調整するために実施された。
【0119】
D.プロテアーゼ放出活性のpH要件
プロテアーゼ放出活性のpH要件は、非調整培養培地(水媒体)と比較して、pH2.5、3.5及び4.5に調整された100mM Naアセテートを用いて調査された。Ala−Ala−Phe−AMCを、これらの緩衝液中200μMに加えた。溶液の1/10容量をプレートに加え、軌道振とうにより短時間混合した。このプレートを37℃で40分間温置してから、蛍光を、CytoFluor IIを用いてEx.360Em.460で測定した。
【0120】
pH4.5のNaアセテート1/10容量の添加により、培養培地を約6.5の最終pHに減じた。他のより低いpH溶液/培地の組合せの最終pHは、試験しなかったが、以前の実験により、pH2.5のNaアセテートの1/10容量の添加は、細胞培地のpHを約5.5に減じることを示唆した。非pH調整媒体は、プロテアーゼ放出活性にとって最も好ましいことを示すことが判った(
図16)。この活性は、細胞基質のアミノペプチダーゼと一致し、恐らくリソソームプロテアーゼ(カテプシンなど)ではないと思われる。プロテアーゼ放出活性を測定するために、有害な又は潜在的細胞毒性の付加物を必要としないことからこのことは重要である。このことにより、温置時間枠をより柔軟にでき、可能なルミネセンスベースのアッセイをさらに受けられることが考慮に入れられる。
【0121】
E.プロテアーゼ放出酵素の細胞下位置
HL−60細胞を、1ml当り100,000個の細胞に調整し、2つのアリコットに分けた。1つのアリコットは、マイクロチップのMisonix3000を用いて3回の5秒パルスの30%出力で超音波処理した。100μlのこの溶解物(形態学的に確認された)を、透明底96ウェルプレートの複数ウェルに加え、10%FBSを有するRPMI 1640中で2倍連続希釈した。同様に、100μlの非超音波処理の細胞懸濁液を加え、プレートの複数ウェルで連続希釈した。NP−9及びジギトニンを、それぞれ最終0.2%及び30μg/mlで個別のウェルに加えた。未処理の対照は、生細胞及び適性容量の水媒体から構成された。ルシフェリン検出ケーク(Promega V859A)を、2mlの10mM Hepes、pH7.5で再水和し、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリン(Promega)により500μMを作製した。20μlのこのプロルミネセンスプロテアーゼ放出溶液を、全てのウェルに加えて、37℃で15分間温置させてから、BMG FLUOstar Optimaを用いてルミネセンスを測定した。
【0122】
超音波処理及び上記のパラメータと濃度を有するNP−9は、外膜のみならず、リソソーム内容物(カテプシン放出により測定された)も破壊することが知られている(
図17)。ジギトニンによる選択的破壊は、リソソーム破壊の証拠のないトリパンブルー染色を考慮に入れている。したがって、活性は、超音波処理又は差別的界面活性の細胞溶解の間で類似していたため、最適pHを考慮して、プロテアーゼ放出アッセイで測定されたプロテアーゼは、恐らく細胞基質性であり、無処置の細胞小器官の外部にあることが推測され得る。
【0123】
F.プロテアーゼ放出又は保持酵素基質の選択性
Ala−Ala−Phe−AMCを、Promegaから入手した。Z−Leu−Leu−Val−Tyr−アミノルシフェリン、Z−Leu−Arg−アミノルシフェリン、Z−Phe−Arg−アミノルシフェリン、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリン、(Ala−Ala−Phe)
2−R110、及び(Gly−Phe)
2−R110は、Promega Biosciencesにより合成された。Suc−Ala−Ala−Phe−AMC、H−Phe−AMC、H−Tyr−AMC、グルチル−Ala−Ala−Phe−AMC、H−Gly−Phe−AMC、Z−Gly−Ala−Met−AMC、Suc−Leu−Leu−Val−Tyr−AMC、D−Ala−Leu−Lys−AMC、H−Gly−Ala−AMC、H−Gly−Gly−AMC、Suc−Ala−Ala−Phe−AMC、Z−Arg−Leu−Arg−Gly−Gly−AMC、Z−Leu−Arg−Gly−Gly−AMC及びAc−Ala−Ala−Tyr−AMCは、Bachemから供給された。Gly−Phe−AFC、Pro−Phe−Arg−AMC、Gly−Gly−Leu−AMC、及びSer−Tyr−AFCは、Calbiochemから入手した。Z−Phe−Arg−AMC及びSuc−Arg−Pro−Phe−His−Leu−Leu−Val−Tyr−AMCは、Sigmaから購入した。
【0124】
全ての基質は、固有の溶解度によって10mMから100mMでDMSOに可溶性であった。蛍光性基質を、10mM Hepes、pH7.5又は10%血清を有する適性な細胞培地100μMから1mMに希釈し、白壁仕切りの透明底の96ウェルプレート中の溶解細胞(凍結破壊、超音波処理、又は界面活性剤)又は未処理生存細胞に1/10容量で加えた。HL−60又はジャーカットを、それらの容易に操作された懸濁表現型のため実験に交換可能に用いた。プレートを、CytoFluorIIによる蛍光を測定する前に37℃で15〜30分間温置した。
【0125】
ルミネセンス基質を、2mlの10mM Hepes、pH7.5に再懸濁されたルシフェリン検出ケーク(Promega V859A)に500μMで加えた。1/5容量のプロルミネセンス反応混合物を、白壁仕切りの透明底の96ウェルプレート中、溶解細胞(凍結破壊、超音波処理、又は界面活性剤)又は未処理生存細胞に加えた。やはりHL−60又はジャーカットを、実験に交換可能に用いた。プレートを、Caron2050W交換ユニットにより制御されたMeCour’循環熱ブロック内で37℃で温置した。
ルミネセンスを、15分から30分の間(シグナル定常状態)で測定した。
【0126】
損傷細胞又は生存細胞内でのプロテアーゼ放出又は保持に関する潜在的基質の優先度を特性化するために、努めて多種多様のタンパク分解基質を調べた(表4を参照)。エンドペプチダーゼ又はエキソペプチダーゼの活性が勝っているかどうかを正確に概説するために、アミノ末端ブロック化基質(Z、Suc−、又はAc−)が選択された。非ブロック化基質(H−など)を、アミノペプチダーゼ活性の寄与を含めるために調べた。このパネルから、少なくとも3つのタンパク分解プロフィルが明らかになった:非ブロック化Ala−Ala−Pheトリペプチドを優先させるアミノペプチダーゼ様活性、ブロック化Leu−Leu−Val−Tyrペプチド類の放出により測定されたプロテオソーマル(キモトリプシン様)活性、及びGly−Phe、Gly−Ala、Phe−、Tyr−又はGly−Gly−Leu基質による極めて不安定な活性。後者の活性は、生存する無処置細胞においてのみ測定できた。さらに重要なことは、これらの活性を検出するためにいくつかの蛍光体又はプロルミネセンス標識が使用でき、最終的には下流の多重化適応性の増大が考慮に入れられることである。
【0127】
【表4】
無しは、対照集団を超える統計的活性が無いことを示す。
(+)から(+++++)は、対照集団を超える多少の活性から強固な活性範囲を示す。
【0128】
G.プロテアーゼ保持活性及び生存細胞要件
ジャーカット細胞を、50μl容量で1ウェル当り20,000個の密度で白壁仕切りの透明底の96ウェルプレートに接種した。アポトーシス誘導試剤rTRAIL(BioMol)の連続希釈液を、RPMI1640+10%FBSで500ng/mlから作製し、50μl容量で反復して細胞に加えた。50μl培地の添加は、媒体対照として寄与した。このプレートを、5%CO
2と共に37℃で4時間温置した。Gly−Phe−AFCを、RPMI1640中1mMに希釈し、10μ容量で全てのウェルに加えた。次にプレートをMeCour’循環熱ブロックに30分間置いてから、CytoFluor IIによりEx.405Em.530で蛍光を測定した。次に、等しい容量のCellTiter−Glo(商標)試薬をウェルに加え、細胞内に残存するATP含量を、FLUOstar Optimaによるルミネセンス測定により調べた。
【0129】
相対的ATP濃度及びプロテアーゼ保持活性は、事実上多重化でき、最適の保持酵素活性のための細胞生存度又は安定な細胞膜に関する要件を示唆している(
図18)。膜完全性の乱れは、保持活性に対して非常に有害であることから、この活性を、集団生存度検出用の「生/死」フォーマットに関する放出活性と結合させることができる。
【0130】
H.種々のペプチド配列及びレポーター類を用いるプロテアーゼ保持アッセイフォーマット
ダブリング活性のジャーカット細胞を、100μl容量で白壁仕切りの透明底の96ウェルプレート内で、RPMI1640+10%FBS中37,500細胞/ウェルから連続希釈した。プレートの半分の細胞を、トリトンXの添加により最終0.2%に細胞溶解した。プレートウェルの他の半分は、適性容量(5μl)の水媒体を受けた。Tyr−AMC、Phe−AMC及びGly−Phe−AFCの全てを、DMSO中100mMに再水和化してから、RPMI1640で1mMに希釈した。希釈基質の1/10容量をウェルに加え、軌道振とうにより短時間混合してから、5%CO
2中37℃で1.5時間まで温置した。生じた蛍光を、30分と90分でEx.360 Em.460及びEx.405、Em.500で測定した。
【0131】
生細胞と死細胞とを区別するのに良好に作用するペプチド配列(生細胞によって標的にされ利用される)は、生存細胞の細胞質に恐らく自由に入ることができる非ブロック化モノ−ペプチド基質又はバイ−ペプチド基質のいずれかである(
図19)。候補基質の(Gly−Phe)
2−R110は、明らかに細胞膜を有効に通過できないか、或いは候補プロテアーゼにより有効に開裂されることはなかった。
【0132】
I.プロテアーゼ放出活性の半減期
ジャーカット細胞を、100μl容量で1ウェル当り20,000個の密度で白壁仕切りの透明底の96ウェルプレート内に接種した。サポニン(Sigma)を加え、短時間軌道振とうすることにより最終0.2%濃度(5μl添加)に混合し、8時間の時間経過にわたって毎時間ウェルを反復させた。この同じ時間枠内で等しい容量の10%FBSを有するRPMI1640を対照ウェルに加えた。Ala−Ala−Phe−AMCを、RPMI1640+10%FBSで500μMに希釈し、ウェルに10μl容量で加え、軌道振とうにより短時間混合してから、5%CO
2中37℃で1時間温置した。生じた蛍光を、CytoFluor IIで測定した。
【0133】
放出されたプロテアーゼ活性の半減期は、活性減衰を外挿すると10時間近い(
図20)。細胞培養溶解物におけるこの延長された活性は、好ましいことにおよそ9時間の推定半減期を有するラクテートデヒドロゲナーゼ(LDH)と同等である。この観察は、処理集団における細胞死に対する代用物であるプロテアーゼ活性に関して重要である。簡単に言うと、シグナル半減期が延長すると、典型的なインビトロプロトコルにおける細胞死の報告におけるアッセイが有する有用性が増加する(活性を減少させて応答を過小評価することなく)。
【0134】
J.プロテアーゼ保持及び放出活性阻害/増強プロフィル
プロマイシン、E−64、フェニルメタンスルホニルフルオリド(PMSF)、アデノシン−5’−トリホスフェート(ATP)、N−(α−ラムノピラノシルオキシヒドロキシホスフィニル)−Leu−Trp二ナトリウム塩(ホスホラミドン)、N−[(2S,3R)−3−アミノ−2−ヒドロキシ−4−フェニルブチリル−L−ロイシン塩酸塩(ベスタチン)、1,10−フェナントロリン、3,4−ジイソクマリン、4−(2−アミノエチル)ベンゼンスルホニルフルオリド(AEBSF)、1,4−ジチオ−DL−トレイトール(DTT)、エデテート二ナトリウム二水和物(EDTA)、イソバレリル−L−バリル−L−バリル−[(3S,4S)−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタノイル]−L−アラニル[93S,4S]−4−アミノ−3−ヒドロキシ−6−メチルヘプタン酸(ペプスタチンA)、塩化ナトリウム、アプロチニン、N−アセチル−L−ロイシル−L−ロイシル−L−アルギニナルヘミサルフェート塩(ロイペプチン)は全てSigmaから購入した。阻害剤は、溶解物又は生存細胞集団のいずれかに添加するために、Mg
++又はCa
++(DPBS)の無いダルベッコ燐酸緩衝生理食塩水中、200μM又は200μg/mlの高標的濃度の保存濃度を変えてDMSO中に再懸濁した。DTT、NaCl、EDTA、及びATPもまた、DPBS中に希釈した。全ての化合物を、損傷細胞又は生存細胞と共に37℃で少なくとも30分間(大部分は60分間)温置してから活性を評価した。
【0135】
プロテアーゼ保持アッセイ阻害剤/補助剤の調査は、先に記載されたように、最終100μM濃度でGly−Phe−AFCを用いて、超音波処理、サポニン溶解、又は生存HL−60及び/又はU937に対して実施された。このプロテアーゼ放出アッセイ阻害剤/補助剤の調査は、Ala−Ala−Phe−AMC又は(Ala−Ala−Phe)
2−ローダミン110を用いて、超音波処理、サポニン溶解、又は生存HL−60、SK−MEL−28及び/又はU937に対して実施された。
【0136】
種々のクラスの阻害剤又は補助剤の存在下でのプロテアーゼ保持活性プロフィルは、観察された活性の大部分は、アミノペプチダーゼに関するものであることを示している(プロマイシン、EDTA、及びベスタチン感度)(表5及び表6を参照)。この活性は、ATP非依存性並びにDTT非依存性(活性の回復が無い)であり、並びにハライド類(Cl
-)に非感受性である。この活性は、システイン又はセリンプロテアーゼクラスの酵素に関連しているように思われる。
【0137】
プロテアーゼ放出活性プロフィルは、トリブシン又はキモトリプシン様活性に選択性を有するものではないが、セリンプロテアーゼ阻害剤に感受性があるように思われる。チオール類(システインクラスに強く示される)にとっての明白な要件はなく、アスパラギン酸及びメタロプロテアーゼの特異的阻害剤は、活性を制御するのに無効である。
【0138】
プロテアーゼ保持活性の原因となる酵素は、生存細胞を必要とし、損傷細胞の外部では検出できない。逆に、プロテアーゼ放出応答を増強させるために混合された補助剤は必要ない。これにより、非毒性、非細胞溶解性フォーマットにおけるアッセイを組み合わせて、それらプロテアーゼ活性の差異に基づいた生細胞と死細胞の検出が考慮に入れられる。
【0139】
【表5】
【0140】
【表6】
【0141】
K.多重プロテアーゼ放出及び保持アッセイ
1.ジャーカット用量応答
ダブリング活性のジャーカット細胞を、50μl容量で1ウェル当り20,000個の密度で96ウェルプレート内に接種した。RPMIアポトーシス誘導リガンド、すなわち、1640中のrTRAILの連続希釈液を、追加の50μl容量中、250ngから244pg/mlの最終濃度で反復ウェルに加えた。RPMIのみのものは、非誘導対照として寄与した。このプレートを、5%CO
2中37℃で4時間温置した。Gly−Phe−AFC及びAla−Ala−Phe−AMCを、RPMI中1mMに同時に希釈し、1/10容量でプレートに加え、さらに37℃で30分間温置した。生じた蛍光を、CytoFluor IIを用いてEx 360 Em 460及びEx 405 Em 530で測定した。蛍光測定が完了したら、CellTiter−Glo(登録商標)を等しい添加でウェルに加え、ルミネセンスを、BMG FLUOstar Optimaを用いて測定した。
【0142】
健全細胞の2種の独立した非破壊代用物(プロテアーゼ放出と保持)を、マイクロ−タイタープレートフォーマット内の集団生存度を報告するために多重化した(
図21)。生じたデータは、その細胞集団の健全度の逆の目安である。この関係により、対照の使用が考慮に入れられ、正規化レベルが提供される。さらに、生存度の第3の目安(ATP含量)を、妨害又は消光の無い連続多重フォーマット内に加えることができ、データの解釈におけるさらなる信頼が考慮に入れられる。
【0143】
2.SK−MEL−28及びACHN細胞
SK−MEL−28又はACHN細胞を、100μl容量で1ウェル当り10,000個の密度で白壁仕切りの透明底の96ウェルプレート内に接種し、5%CO
2中37℃で2時間結合させた。結合後、50μlの培地を注意深く除き、MEM+10%FBS中、イオノマイシン又はスタウロスポリンのいずれかの連続希釈で置き換えた。培地のみのものは、対照として寄与した。このプレートを、さらに5時間温置した。Gly−Phe−AFCの1mM溶液をMEM中で作製し、1/10容量でウェルに加えた。生じた蛍光を、CytoFluor IIを用いて測定した。次にCaspase−Glo(商標)3/7試薬を加えて、BMG FLUOstar Optimaを用いて蛍光測定を行った。
【0144】
プロテアーゼ保持基質は、ウェル内の一般的生存度を報告したが、一方、カスパーゼ特異的試薬は、細胞毒の特異的経路を報告した(
図22)。この点において、カスパーゼ活性化(したがってアポトーシス誘導)は、SK−MEL−28に対するスタウロスポリンによって明白であるが、一方、イオノマイシンは、壊死タイプのプロフィル開始する。アポトーシスプロフィルはまた、スタウロスポリン処理ACHNによっても観察される。
【0145】
3.HeLa細胞及びタモキシフェン処理
HeLa細胞を、100μl容量で1ウェル当り10,000個の密度で白壁仕切りの透明底の96ウェルプレート内に接種し、5%CO
2中37℃で2時間結合させた。結合後、0時間、1時間、3時間、5時間、7時間、24時間の曝露時間で50μlの培地を注意深く除き、MEM+10%FBS中、50μMのタモキシフェンで置き換えた。培地のみのものは、対照として寄与した。プロテアーゼ保持及び放出試薬を、2mlの10mM Hepes、pH7.5を有するルシフェリン検出試薬ケークを再水和化することにより調製した。次にこの溶液を、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリン及びGly−Phe−AFC双方により500μMを作製した。この溶液の1/5容量を全てのウェルに加え、Me’Cour熱ユニット内で37℃で15分間温置した。ルミネセンスは、BMG FLUOstar Optimaにより測定し、蛍光は、CytoFluor IIを用いて測定した。
【0146】
本実施例は、混合プラットフォーム(蛍光及びルネセンス)が、プロテアーゼの保持及び放出アッセイの構成において可能であることを立証している(
図23)。これらの試薬は、非細胞溶解性で明らかに非毒性であることが顕著であり、それらは、Apo−ONE(商標)アッセイによるカスパーゼ−3/7検出などのスペクトル的に異なる他の下流適用を受けることができることを示唆している。
【0147】
4.DNA染色による生/死プロテアーゼアッセイの利用
HeLa又はHepG2細胞を、100μl容量で1ウェル当り10,000個の密度で白壁仕切りの透明底の96ウェルプレート内に接種し、5%CO
2中37℃で2時間結合させた。結合後、50μlの培地を注意深く除き、MEM+10%FBS中、タモキシフェン又はイオノマイシンの連続希釈で置き換えた。培地のみのものは、対照として寄与した。化合物との温置を、さらに5時間続けた。プロテアーゼ保持及び放出試薬は、2mlの10mM Hepes、pH7.5を有するルシフェリン検出試薬ケーク(Promega V859A)を再水和化することにより調製した。次にこの溶液を、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリン及びGly−Phe−AFC双方により500μMを作製した。この溶液の1/5容量を全てのウェルに加え、Me’Cour熱ユニット内で37℃で15分間温置した。ルミネセンスは、BMG FLUOstar Optimaにより測定し、蛍光は、CytoFluor IIを用いて測定した。次に残りの生存細胞を、0.4% NP−9界面活性剤の添加により溶解した。軌道振とう機上で短時間混合後、MEM中、PicoGreen(登録商標)(Molecular Probes)の1:20希釈液を、さらに1/10容量で加えた。DNA/色素結合に伴う蛍光は、CytoFluor IIを用いてEx.485 Em.530で測定した。
【0148】
本実験は、さらに2つの接着細胞タイプのスクリーニングができるようにプロテアーゼベースの生存度試験の有用性を拡張するのみならず、DNA染色による「全体」測定を組み込んでいる(
図24)。スペクトルの相違及び混合プラットフォームの読取りのため、全ての測定は、非妨害的であり、また、非消光である。
【0149】
考察
益々精巧な細胞モデル系を利用するために、薬物発見及び一次研究双方の努力が継続されている。実験操作後にこれらのインビトロ系における細胞数及び細胞生存度を測定することが絶対に必要であることは、十分に認識されている。この要件は、測定の信頼性を証明するために、又複雑な生物系の背景内でこれらの応答を正規化するために必要である。
【0150】
不幸にして、細胞生存度並びに細胞毒を定義する現代化学は、生物学的疑問の新規な方法論及び技法と歩調を合わせておらず、したがって実験的オプションを限定してきた。例えば、アッセイの多重化、すなわち同じウェル内での組合せアッセイの出現により、アッセイ性能における有意な低減の無い適合性且つスペクトル的に異なるアッセイを組み合わせるための要件が必要となった。この課題は、健全細胞の一般的な補足測定とカスパーゼ活性化又はレポーター遺伝子モジュレーションなどのより具体的な事象とを結合させる点で特に重要である。
【0151】
細胞生存度及び/又は細胞毒レポーターの測定のための前述の方法論は、多くの下流アッセイ適用に適合性である。このことは、多岐にわたる励起及び発光スペクトルをもつ異なる蛍光体により、又はルミネセンスなどの他のレポータープラットフォームを組み込むことにより達成される。これは、細胞溶解なしで恐らく非毒性環境で達成され、エンドポイント判定のためにアッセイウィンドウにおける適合性を考慮に入れられることは注目すべきである。さらに、この技法は、処理能力、小型化及び自動化に適応させる上で十分高感度であり、コスト効率が良い。種々のアッセイにより提供された利点の比較を、表7に示す。
【0152】
【表7】
【0153】
現在までの結論として、哺乳動物プロテアーゼの試験において公表された努力の残りのものは、主として容易に精製されるか、分泌されるか、又は双方であるものを中心に行われてきた。これらの試験から提供された情報は、タンパク分解機構、構造と機能についての洞察を提供しているが、他のプロテアーゼ類については、プロテオミック予測から推測されているもの以外、ほとんど知られていない。簡単に述べると、細胞内プロテアーゼの機能、調節、細胞下分布、存在量、及び重要性に対して多くの研究を実施する必要がある。
【0154】
益々増加している証拠は、多くの細胞基質プロテアーゼ類が、細胞ホメオスタシスの機構に関与していることを示唆している。プロテオソーム類は、細胞質ペプチド類の遊離に関与していることは明白だが、いくつかの知見は、他の保存細胞質プロテアーゼ類に関する役割を示唆している(Vititskyら、1997年;Constamら、1995年)。
【0155】
本明細書に記載された個々のプロテアーゼアッセイ及びプロテアーゼベースの生細胞/死細胞アッセイは、スペクトルの相違性のため多重化に、より適合性であり、アッセイ相補性又は他のエンドポイントアッセイの組合せ、例えば、AMC、AFC、R110、クレシルバイオレット又はルミネセンスの組合せが考慮に入れられ、染色消滅が無く、容量制限が無く、アッセイ化学のレトロエンジニアリングが無く、温置時間が短く、同様な、又はより良好な実用的感度(スクリーニング環境の細胞生存度におけるパーセント変化)であり、DNA結合アッセイによる下流妨害が無く、洗浄又は遠心分離の必要が無く、例えば均一アッセイである。さらに、プロテアーゼベースの生細胞/死細胞アッセイのデータは、比率(細胞毒指標)で用いられる場合、細胞数に係わりなく正規化でき、例えば、DNAインターカレーション(一次的又は二次的壊死の潜在的結果が同定できる)などの他のアッセイと結合される場合、化合物作用の動態における差異の理由を説明するために、細胞/化合物接触ウィンドウを拡張でき、DNAインターカレーション及びカスパーゼ活性により、例えば、ウェル内の不均一集団において細胞サイクルの薬物応答を確認できる。さらに、プロテアーゼ類の基質は、比較的単純な、例えば、ジ又はトリ−ペプチド類であり得、よく知られた化学により、非毒性及び/又は非変異原性で安定な蛍光体又はルミネセンス基質に結合され、種々のフォーマットにおいて、例えば、DMSO中、又は乾燥して提供できる。
(参考文献)
【表8】
【0156】
全ての刊行物、特許及び特許出願は、参照として本明細書に組み込まれている。前述の明細書において、本発明は、ある一定の好ましいその実施形態に関連して記載され、多くの詳細が、説明目的のために記載されているが、本発明は、さらなる実施形態の影響を受け易く、本明細書に記載されたある一定の詳細は、本発明の基本的原則から逸脱することなく、かなり変え得るものであることは当業者にとって明白であろう。
【0157】
本発明の好ましい態様は、以下の通りである。
1.サンプル中の生細胞及び/又は死細胞を検出する方法であって、
a)サンプルを、第1のプロテアーゼのための基質及び第2のプロテアーゼのための基質に接触させ;
ここで、前記プロテアーゼの一方により媒介される前記基質の一方との反応が、蛍光発生生成物を生成し、また、他方のプロテアーゼにより媒介される他方の基質との反応が、蛍光発生生成物を生成し;
さらに基質の一方が、細胞透過性であり、他方の基質が、細胞不透過性であり;2種の基質上の蛍光体のスペクトルが異なり;及び
b)サンプル中の蛍光を検出するか、又は測定することによって、サンプル中の生細胞及び/又は死細胞の数又は存在を検出又は測定すること
を含む方法。
2.細胞透過性基質が、プロテアソーム、アミノペプチダーゼ又はカテプシンから選択されるプロテアーゼに対する基質である上記1に記載の方法。
3.細胞不透過性基質が、トリペプチジルペプチダーゼ、カルパイン又はキモトリプシンに対する基質である上記1に記載の方法。
4.前記サンプルが、哺乳動物細胞を含む上記1に記載の方法。
5.前記2種の基質が、前記サンプルとの接触前に組み合わされる上記1に記載の方法。
6.前記生細胞又は死細胞由来の分子の存在又は量を検出又は測定することをさらに含む上記1に記載の方法。
7.前記分子が、DNA、酵素又はATPである上記6に記載の方法。
8.前記サンプルを、細胞を溶解する条件に供することをさらに含む上記1に記載の方法。
9.1種又は複数の試薬の細胞毒性を検出する方法であって;
a)サンプル中の細胞を1種又は複数の試薬に接触させ;
そしてその後に
b)サンプルを、第1のプロテアーゼのための基質及び第2のプロテアーゼのための基質に接触させ;
ここで、前記プロテアーゼの一方により媒介される前記基質の一方との反応が、蛍光発生生成物を生成し、また、他方のプロテアーゼにより媒介される他方の基質との反応が、蛍光発生生成物を生成し;
さらに基質の一方が、細胞透過性であり、他方の基質が、細胞不透過性であり;2種の基質上の蛍光体のスペクトルが異なり;及び
c)サンプル中の蛍光を検出するか、又は測定することによって、サンプル中の生細胞及び/又は死細胞の数又は存在を検出又は測定すること
を含む方法。
10.サンプル中の生細胞を検出する方法であって、
a)サンプルを、プロテアソーム、アミノペプチダーゼ又はカテプシンから選択されるプロテアーゼに対する細胞透過性蛍光発生基質に接触させること;及び
b)サンプル中の蛍光を検出又は測定することによって、サンプル中の生細胞の数又は存在を検出又は測定すること
を含む方法。
11.前記基質が、Gly−Phe−AFC、Gly−Phe−AMC、Gly−Gly−Leu−AMC、Z−Gly−Gly−Leu−AMC、Phe−AMC、又はTyr−AMCである上記10に記載の方法。
12.サンプル中の死細胞を検出する方法であって、
a)サンプルを、トリペプチジルペプチダーゼ、カルパイン又はキモトリプシンに対する蛍光発生又はルミネセンス発生の細胞不透過性基質に接触させること;及び
b)サンプル中の蛍光又はルミネセンスを検出又は測定することによって、サンプル中の死細胞の数又は存在を検出又は測定すること
を含む方法。
13.前記基質が、Ala−Ala−Phe−AMC、(Ala−Ala−Phe)
2−R110、Ala−Ala−Phe−アミノルシフェリン、Suc−Leu−Leu−Val−Tyr−AMC、又はZ−Leu−Leu−Val−Tyr−アミノルシフェリンである上記12に記載の方法。
14.第1のプロテアーゼに対する第1の蛍光発生又はルミネセンス発生の細胞不透過性基質及び第2のプロテアーゼに対する第2の蛍光発生の細胞透過性基質を含む組成物;及び
サンプル中の生細胞及び/又は死細胞を検出する組成物の使用について使用者に指示する使用説明書を含む、上記1−13のいずれかに記載の方法のために用いられるキット。
15.前記第1の基質が、Ala−Ala−Phe−AMC、(Ala−Ala−Phe)
2−R110、又はSuc−Leu−Leu−Val−Tyr−AMCである上記14に記載のキット。
16.前記第2の基質が、Gly−Phe−AFC、Gly−Phe−AMC、Gly−Gly−Leu−AMC、Z−Gly−Gly−Leu−AMC、Phe−AMC、又はTyr−AMCである上記14に記載のキット。
17.ルミネセンス発生反応のための1種又は複数の試薬をさらに含む上記14に記載のキット。
18.少なくとも1種の試薬が、凍結乾燥されている上記14に記載のキット。
19.前記組成物は、前記基質が有機溶媒中にある溶液である上記18に記載のキット。
20.前記組成物が、更に凍結乾燥されている上記19に記載のキット。
21.前記組成物は、前記基質濃度が、0.005Mから1Mの溶液である上記19に記載のキット。
22.Ala−Ala−Phe−AMC、(Ala−Ala−Phe)
2−R110、Gly−Phe−AFC、Gly−Phe−AMC、Gly−Gly−Leu−AMC、又はそれらの任意の組合せを含む組成物を含む、上記1−13のいずれかに記載の方法のために用いられるキット。
23.前記組成物が、溶媒を含む上記22に記載のキット。
24.Ala−Ala−Phe−AMC、(Ala−Ala−Phe)
2−R110、Gly−Phe−AFC、Gly−Phe−AMC、又はGly−Gly−Leu−AMCの濃度が、0.005Mから1Mである上記22に記載のキット。
25.第1の酵素媒介反応のための分子の存在又は量を検出する方法であって、
a)蛍光タンパク質を発現する細胞を含むサンプルを、前記第1の酵素により媒介される反応がルミネセンス発生生成物を生成する前記第1の酵素媒介反応のための反応混合物に接触させること;及び
b)サンプル中の蛍光又はルミネセンスを検出又は測定することにより、前記分子の存在又は量及びサンプル中の蛍光タンパク質の存在又は量を検出すること
を含む方法。
26.前記分子が、前記第1の酵素媒介反応における基質又は補酵素、あるいは酵素である上記25に記載の方法。