【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年4月15日〜平成27年4月17日東京ビッグサイトにおいて開催された第12回デザート・スイーツ&ドリンク展で発表
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 平成27年6月16日〜平成27年6月18日に東京ビッグサイトにおいて開催された第3回カフェ・喫茶ショー2015で発表
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、スプーン形状の撹拌部材にあっては、攪拌時にベース食材および追加食材が飛散し、例えば容器内に付着して容器の見栄えが悪くなるおそれがある。
【0005】
本発明に係る態様は、上記事情に鑑みてなされたもので、攪拌時にベース食材および追加食材の飛散を抑制できる食品攪拌装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の態様を採用した。
(1)本発明に係る一態様の食品攪拌装置は、モータと、前記モータによって回転する棒状の攪拌部材と、を備え、前記攪拌部材の一端部には、食品を攪拌する攪拌部が設けられ、前記攪拌部材の他端部には、前記モータに接続される接続部が設けられ、前記攪拌部と前記接続部とは、基軸部を介して接続され、前記攪拌部には、空間と、前記基軸部側から前記空間を覆う面を有するラビリンス部と、
側方視において、前記攪拌部の回転方向に対して90°以下の角度で交差する稜線を含むエッジ部と、が設けられ
、
前記エッジ部は、前記攪拌部の前記回転方向に向かって円弧状に凸となるよう形成されている。
【0007】
(2)上記(1)の態様において、
前記基軸部側から前記空間を覆う前記ラビリンス部の前記面は、前記攪拌部の回転軸方向に対して垂直な面を含んでもよい。
【0008】
(3)上記(1)または(2)の態様において、前記攪拌部の前記空間は、前記攪拌部の延在方向に沿って螺旋状に形成されてもよい。
(4)上記(3)の態様において、前記攪拌部には、前記攪拌部の径方向に沿って延在する稜線を含む第2エッジ部がさらに設けられ、前記第2エッジ部は、前記攪拌部の前記回転方向に向かって鋭角な傾斜を有するよう形成されてもよい。
【0009】
(
5)上記(1)から(
4)いずれかの態様において、前記接続部には、前記モータ側から前記攪拌部側へ向かって順に、第1円柱部と、前記第1円柱部の外形よりも大きい外形を有する角柱部と、前記角柱部の外形よりも大きい外形を有する第2円柱部と、が形成され、前記接続部は、接続部材を介して前記モータに接続され、前記接続部材は、前記第1円柱部の外形に対応した内形を有する円柱挿入口と、前記角柱部の外形に対応した内形を有する角柱挿入口と、を備えてもよい。
【0010】
(
6)上記(1)から(
5)いずれかの態様において、前記攪拌部材は金属材料で形成され、磁力によって前記接続部が前記モータに接続されてもよい。
【0011】
(
7)上記(1)から(
6)いずれかの態様において、前記モータは、ブラシレスDCモータであってもよい。
【発明の効果】
【0012】
上記(1)の態様によれば、攪拌部には、基軸部側から空間を覆う面を有するラビリンス部が設けられているため、攪拌部の空間に流入した食品が、基軸部の延在方向において攪拌部側からモータ側へ向かって流出することを防ぐことができる。これにより、攪拌時における食品の飛散を抑制できる。
【0013】
上記(2)の態様によれば、攪拌部の空間が、曲面部と、平面部と、エッジ部とにより形成されるため、食品を切削や粉砕等しつつ良好に攪拌することができる。
【0014】
上記(3)の態様によれば、攪拌部の空間が、攪拌部の延在方向に沿って螺旋状に形成されているため、攪拌しようとする食品が空間に流入し、さらにラビリンス部により食品が攪拌部から側方へ離れるように流出する。これにより、食品の対流が発生するため、食品を良好に攪拌することができる。
【0015】
上記(4)の態様によれば、接続部には、モータ側から攪拌部側へ向かって順に、第1円柱部と、角柱部と、第2円柱部とが形成され、接続部材が、第1円柱部の外形に対応した内形を有する円柱挿入口を備えているため、接続部材に接続部を挿入する際に、第1円柱部を接続部材への導入部として機能させることができる。
また、接続部材が、角柱部の外形に対応した内形を有する角柱挿入口を備えているため、角柱挿入口に角柱部が挿入配置されることで、接続部材に対する攪拌部材の中心軸周りの相対回転を規制できる。これにより、攪拌部材がモータの回転に伴って連れ回ることを防止して、食品を確実に攪拌することができる。
また、第2円柱部が、角柱部の外形より大きい外形を有しているため、接続部材に接続部を挿入したときに、第2円柱部が接続部材に当接する。これにより、攪拌部材の軸方向における位置決めをした状態で、攪拌部材とモータとを接続できる。
【0016】
上記(5)の態様によれば、攪拌部材が金属材料で形成されているため、樹脂製の攪拌部材に比べて剛性が高くなる。これにより、追加食材が例えばチーズやチョコ、クッキー、果肉等の固形物であっても、追加食材を切削や粉砕等しつつ良好に攪拌することができる。
また、磁力によって攪拌部材の接続部がモータに接続されるため、攪拌部材をモータに取り付けるための別の締結手段等の操作を省略でき、攪拌部材の取り付けが容易になる。
【0017】
上記(6)の態様によれば、モータがブラシレスDCモータであるため、モータのトルクを所定のトルクに保ちながら、印加する電圧のパルス幅を制御することによりモータの回転数を制御することができる。これにより、食品を良好に切削や粉砕等するために必要なトルクを確保しながら、モータの回転数を低くすることができるため、攪拌時における食品の飛散を抑制することができる。
【発明を実施するための形態】
【0019】
本発明に係る一実施形態を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る一実施形態の食品攪拌装置100の斜視図である。
【0020】
図1に示すように、食品攪拌装置100は、本体10と、電源スイッチ11と、ロータリースイッチ12と、アジテータ30(攪拌部材)と、脚部40と、アクリル板41と、基台部50と、を備える。
【0021】
食品攪拌装置100は、本体10に備えられた後述のモータ15によってアジテータ30を回転させることにより、容器200に入っている食品Fを攪拌する。
本実施形態において、食品Fとは、例えば氷菓(アイスクリーム、ソフトクリーム、食用の氷などを含む)やヨーグルト等の食材(以下、「ベース食材F1」という。)と、例えばフルーツや菓子等、切削や粉砕されてベース食材F1に混合される他の食材(以下、「追加食材F2」という。)と、を含む。
なお、
図1においては、容器200、ベース食材F1および追加食材F2を二点鎖線で図示する。また、
図1においては、切削や粉砕されてベース食材F1に混合される前の状態の追加食材F2を図示する。
【0022】
食品攪拌装置100は、ロータリースイッチ12の操作により、モータ15の回転数を変更可能である。モータ15の回転数は、食品Fの硬度や粘度に応じて適宜選択される。
【0023】
容器200には、容器200の開口部200aと容器蓋201の開口部201bとを嵌合させることにより、容器蓋201が取り付けられる。
容器蓋201は、アジテータ30を挿通可能で開口部201bよりも小さい開口部201aをさらに有する。
【0024】
図2は、本発明に係る一実施形態の食品攪拌装置100の下面図である。
【0025】
図2に示すように、基台部50には、その下面において、中央部に1つの吸盤51と、四隅それぞれにゴム足52と、が設けられる。
【0026】
食品攪拌装置100は、1つの吸盤51が作業台などの上面(設置面)に吸着し、4つのゴム足52が設置面に接地することにより、作業台上に設置される。
【0027】
吸盤51を設けることにより、食品攪拌装置100は、例えば4つのゴム足52のみが設けられる場合に比べて、倒れにくくなる。
また、吸盤51を基台部50の下面の中央部に1つのみ設けることにより、食品攪拌装置100は、例えば吸盤を複数(例えば4つ)設ける場合に比べて、吸盤の不安定な振動を低減でき、さらに作業台から取り外すことが容易になる。
【0028】
図3は、本発明に係る一実施形態の食品攪拌装置100の側面図である。
【0029】
図3に示すように、本体10は、コントロールユニット13と、モータ15と、を備える。モータ15は、パワートランジスタなどで構成された電子回路(ドライバ)により電気的に電流の切り替えを行うことで回転する、いわゆるブラシレスDCモータである。
【0030】
コントロールユニット13は、内部にスイッチング素子と、ドライバ(いずれも不図示)とを備える。コントロールユニット13は、ブラシレスDCモータ15のトルクを所定のトルクに保ちながら、ドライバによってスイッチング素子に印加する電圧のパルス幅を制御する、いわゆるPWM制御を行うことによりモータ回転数を制御する。
ところで、ベース食材F1の粘度や追加食材F2の硬度に対応して、ブラシレスDCモータ15のトルクを変更する必要がある。ここで、例えばインバーターモータ等を駆動源とする従来の食品攪拌装置にあっては、インバーターモータの回転数を上昇させることにより高トルクが得られる。このため、所定値以上のトルクを得るために、インバーターモータを所定回転数以上で回転させて食品を攪拌した場合、食品の飛散の度合いが増加するおそれがある。しかしながら、食品の飛散を抑制するためにインバーターモータの回転数を落とすとトルクが低下してしまい、所定値以上のトルクが得られずベース食材F1の粘度や追加食材F2の硬度に対応できなくなるおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る食品攪拌装置100は、食品Fを良好に切削や粉砕等するために必要なトルクを確保しながら、ブラシレスDCモータ15を例えば1000rpm以下程度の低い回転数で回転させることができる。これにより、食品攪拌装置100は、攪拌時における食品Fの飛散を抑制することができる。
【0031】
ブラシレスDCモータ15とアジテータ30とは、スピンドルブッシュ20とアジテータ取付けカラー23とを介して接続される。
ブラシレスDCモータ15とアジテータ30との接続状態に関する詳細は後述する。
【0032】
図4は、本発明に係る一実施形態の食品攪拌装置100のアジテータ30の側面図である。
【0033】
図4に示すように、アジテータ30は、一端部に設けられたアジテータテール(接続部)31と、中央部に設けられた棒状のアジテータシャフト(基軸部)32と、他端部に設けられた円柱状のアジテータヘッド(攪拌部)33と、を備えている。
なお、以下の説明において、アジテータテール31側を上方向と、アジテータヘッド33側を下方向と、適宜に呼称する。
【0034】
アジテータテール31は、アジテータ30の一端部から他端部に向かって順に、第1円柱部31aと、角柱部31bと、第2円柱部31cと、が形成され、モータ15に接続される。
第1円柱部31aは、円柱状に形成されている。
角柱部31bは、第1円柱部31aの外形より大きい外形を有する角柱である。本実施形態では、角柱部31bは四角柱となっている。角柱部31bの上部の4つの角部は、R面取り加工されている。
第2円柱部31cは、角柱部31bの外形より大きい外形を有する円柱である。
【0035】
アジテータシャフト32は、アジテータ30の一端部から他端部に向かって順に、第2基軸部32cと、第3円柱部32bと、第1基軸部32aと、が形成され、モータ15の回転を伝達する。
第2基軸部32cは、第1円柱部31aの外径より大きく第2円柱部31cの外径より小さい外径を有する円柱である。
第3円柱部32bは、第2基軸部32cの外径より大きい外径を有する円柱である。
第1基軸部32aは、第2基軸部32cの外径と同じ外径を有する円柱である。
【0036】
アジテータヘッド33は、所定の形状に形成され、モータ15の回転によって回転し、食品Fを攪拌する。
アジテータヘッド33に関する詳細は後述する。
【0037】
上記アジテータ30の構造により、食品攪拌装置100の操作者は、食品Fの特性(ベース食材F1の粘度、追加食材F2の形状や硬度、など)に応じて、最適なアジテータヘッド33の形状を有するアジテータ30を適宜に選択し、アジテータ30を交換することができる。
【0038】
また、アジテータシャフト32の第2基軸部32cは、操作者が手指でつまむことが可能となっている。
そのため、操作者は、食品Fに直接触れるアジテータヘッド33に触れることなく、アジテータ30を交換することができ、食品Fの衛生管理に寄与することができる。
【0039】
図5は、本発明に係る一実施形態の食品攪拌装置100の一部拡大図である。
【0040】
図5に示すように、アジテータ30は、スピンドルブッシュ20と、ネオジムマグネット22と、アジテータ取付けカラー(接続部材)23と、を介して、ブラシレスDCモータ15のモータ軸15aに接続される。
アジテータ30は、モータ軸15aの回転軸とアジテータ30の回転軸とが一致するように接続される。
【0041】
スピンドルブッシュ20の側面には、ネジ孔20aが形成されている。
モータ軸15aの側面には、平坦面(不図示)が形成されている。
スピンドルブッシュ20のネジ孔20aには、ネジ(不図示)が締結される。締結されたネジは、モータ軸15aの平坦面に当接する。これにより、スピンドルブッシュ20は、モータ軸15aに固定される。
ネジは、モータ軸15aの平坦面に当接する際、ネジ孔20a内部に収容される程度の長さを有する。
【0042】
アジテータ取付けカラー23には、円柱挿入口23aと、角柱挿入口23bと、が形成されている。
円柱挿入口23aは、第1円柱部31aの外形に対応した内形を有する。
角柱挿入口23bは、角柱部31bの外形に対応した内形を有する。
角柱挿入口23bに角柱部31bが挿入配置されることで、接続部材に対する攪拌部材の中心軸周りの相対回転を規制できる。これにより、アジテータ30がモータ15の回転に伴って連れ回ることを防止して、食品Fを確実に攪拌することができる。
第2円柱部31cは、角柱部31bの外形より大きい外形を有しているため、アジテータ取付けカラー23にアジテータテール31を挿入したときに、第2円柱部31cがアジテータ取付けカラー23に当接する。これにより、アジテータ30の軸方向における位置決めをした状態で、アジテータ30とモータ15とを接続できる。
【0043】
本実施形態において、モータ軸15aと、スピンドルブッシュ20と、ネジ孔20aのネジ(不図示)と、アジテータ取付けカラー23と、アジテータ30と、は金属材料(例えばステンレス)で形成されている。
そのため、スピンドルブッシュ20とアジテータ取付けカラー23との間に配置されたネオジムマグネット22の磁力によって、モータ軸15aと、スピンドルブッシュ20と、ネジ孔20aのネジ(不図示)と、アジテータ取付けカラー23と、アジテータ30と、が吸引されて一体に接続される。
ところで、モータ軸に対してアジテータをスナップ式などにより係合する構成にあっては、モータ軸とアジテータとが確実に係合されていないときにモータが回転する場合、食品内にアジテータが脱落するおそれがある。
これに対して、本実施形態に係る食品攪拌装置100は、ネオジムマグネット22の磁力によりモータ軸15aとアジテータ30とを強固に装着しようとする。そのため、モータ軸15aとアジテータ30とが確実に係合されていないときにモータ15が回転する場合であっても、モータ軸15aに回転力が加わった瞬間にアジテータ30が吸引され、アジテータテール31が回転しながらアジテータ取付けカラー23に係合することができる。このため、部品が食品Fへ落下することを防止でき、食品Fの衛生管理に寄与することができる。
また、ネオジムマグネット22による磁力によって、モータ軸15aに対してアジテータ30を着脱可能なため、操作者は、別の締結手段などを操作することなく、食品攪拌装置100のアジテータ30を容易に交換できる。
【0044】
<アジテータヘッドの第1実施例>
図6は、本発明に係る一実施形態の食品攪拌装置100のアジテータヘッド33の第1実施例(以下適宜にアジテータヘッド33Aと呼ぶ)の(A)側面図および(B)下面図である。
【0045】
図6に示すように、アジテータヘッド33は、アジテータシャフト32と同軸に配置され、アジテータ30の部位のうち最も大きい外径(本実施形態では直径約22mm)を有する円柱形状の部材である。
【0046】
アジテータヘッド33には、空間33aと、ラビリンス部33bと、エッジ部33cと、曲面部33dと、平面部33eとにより、形成されている。ラビリンス部33bは、アジテータシャフト32側から空間33aを覆う面を有する。エッジ部33cは、曲面部33d、平面部33e、円柱形状の部材の表面のうちいずれか同士の接続部分を含む。
言い換えると、アジテータヘッド33には、ラビリンス部33bと、エッジ部33cと、曲面部33dと、平面部33eと、によりその一部が囲まれている空間33aが形成されている。
また、言い換えると、アジテータヘッド33は、ラビリンス部33bが形成されるように、エッジ部33cと、曲面部33dと、平面部33eと、円柱形状の部材の表面とにより形成されている。
【0047】
アジテータヘッド33は、モータ15の回転により、アジテータヘッド33の下面から見て反時計回りに回転する。
アジテータヘッド33が回転することで、エッジ部33cと曲面部33dと平面部33eとによる、食品Fの空間33aに対する流入や流出(分散)、食品Fの切削や粉砕等が行われ、食品Fが良好に攪拌される。
【0048】
ここで、食品Fは、空間33aへ流入し、空間33aを通って、空間33aから流出(分散)する。そのため、モータの回転数や食品Fの特性によっては、食品Fが、例えば上方向(アジテータヘッド33からアジテータテール31への方向)に飛散するおそれがある。
しかしながら、ラビリンス部33bにより、食品Fをアジテータヘッド33から側方へ離れるように流出(分散)させることができるため、食品Fの上方向への飛散を防ぐことができる。
また、ラビリンス部33bにより、食品Fの空間33aへの流入と、食品Fのアジテータヘッド33から側方への流出(分散)とによる食品Fの対流を発生させることができ、この対流により食品Fを良好に攪拌することができる。
【0049】
図6(A)に示すように、アジテータヘッド33Aの空間33aは、アジテータヘッド33の軸方向(延在方向)に沿って直線状に形成されている。
図6(B)に示すように、アジテータヘッド33Aの空間33aは、下面側から見てアジテータヘッド33Aの中心に対して180°対称に配置されている。
アジテータヘッド33Aの曲面部33dは、下面側から見た曲線部分が、例えば半径約5mmかつ、アジテータヘッド33Aの直径に接する円弧状に形成されている。
アジテータヘッド33Aの平面部33eは、下面側から見た直線部分が、アジテータヘッド33Aの直径に重なるように形成されている。
【0050】
<アジテータヘッドの第2実施例>
図7は、本発明に係る一実施形態の食品攪拌装置100のアジテータヘッド33の第2実施例(以下適宜にアジテータヘッド33Bと呼ぶ)の(A)側面図および(B)下面図である。
なお、第1実施例と同様の構成については、適宜に省略する。
【0051】
図7(A)に示すように、アジテータヘッド33Bの空間33aは、アジテータヘッド33の軸方向(延在方向)に沿って直線状に形成されている。
図7(B)に示すように、アジテータヘッド33Bの空間33aは、下面側から見てアジテータヘッド33Bの中心に対して180°対称に配置されている。
アジテータヘッド33Bの曲面部33dは、下面側から見た曲線部分が、例えば半径約5mmかつ、アジテータヘッド33Bの直径に接する円弧状に形成されている。
アジテータヘッド33Bの平面部33eは、下面側から見た直線部分が、アジテータヘッド33Bの直径に対して略平行かつ例えば約3mm離れるように形成されている。
すなわち、アジテータヘッド33Bにおいて、曲面部33dと平面部33eとの距離が、少なくとも例えば約3mmになるよう形成されている。
【0052】
<第3実施例>
図8は、本発明に係る一実施形態の食品攪拌装置100のアジテータヘッド33の第3実施例(以下適宜にアジテータヘッド33Cと呼ぶ)の(A)側面図および(B)下面図である。
なお、第1および/または第2実施例と同様の構成については、適宜に省略する。
【0053】
図8(A)に示すように、アジテータヘッド33Cの空間33aは、アジテータヘッド33の軸方向(延在方向)に沿って螺旋状(本実施例では右螺旋180°)に形成されている。
図8(B)に示すように、アジテータヘッド33Cの空間33aは、下面側から見てアジテータヘッド33Cの中心に対して180°対称に配置されている。
アジテータヘッド33Cの曲面部33dは、下面側から見た曲線部分が、例えば半径約4mmかつ、アジテータヘッド33Cの直径に接する円弧状に形成されている。
アジテータヘッド33Cのエッジ部33fは、下面側から見た直線部分が、アジテータヘッド33Cの直径に対して略平行かつ例えば約3mm離れるように形成されている。
この構成により、アジテータヘッド33Cのエッジ部33fは、アジテータヘッド33Cの下面に対して鋭角な傾斜を有する部位となる。
【0054】
以上、本実施形態によれば、アジテータヘッド33には、アジテータシャフト32側から空間33aを覆う面を有するラビリンス部33bが設けられているため、アジテータヘッド33の空間33aに流入した食品Fが、アジテータシャフト32の延在方向においてアジテータヘッド33側からモータ15側へ向かって流出することを防ぐことができる。これにより、攪拌時における食品Fの飛散を抑制できる。
【0055】
また、アジテータヘッド33の空間33aが、曲面部33dと、平面部33eと、エッジ部33cとにより形成されるため、食品Fを切削や粉砕等しつつ良好に攪拌することができる。
【0056】
また、アジテータヘッド33の空間33aが、アジテータヘッド33の延在方向に沿って螺旋状に形成されているため、攪拌しようとする食品Fが空間33aに流入し、さらにラビリンス部33bにより食品Fがアジテータヘッド33から側方へ離れるように流出する。これにより、食品Fの対流が発生するため、食品Fを良好に攪拌することができる。
【0057】
また、アジテータテール31には、モータ15側からアジテータヘッド33側へ向かって順に、第1円柱部31aと、角柱部31bと、第2円柱部31cとが形成され、アジテータ取付けカラー23が、第1円柱部31aの外形に対応した内形を有する円柱挿入口23aを備えているため、アジテータ取付けカラー23にアジテータテール31を挿入する際に、第1円柱部31aをアジテータ取付けカラー23への導入部として機能させることができる。
また、アジテータ取付けカラー23が、角柱部31bの外形に対応した内形を有する角柱挿入口23bを備えているため、角柱挿入口23bに角柱部31bが挿入配置されることで、アジテータ取付けカラー23に対するアジテータ30の中心軸周りの相対回転を規制できる。これにより、アジテータ30がモータ15の回転に伴って連れ回ることを防止して、食品Fを確実に攪拌することができる。
また、第2円柱部31cが、角柱部31bの外形より大きい外形を有しているため、アジテータ取付けカラー23にアジテータテール31を挿入したときに、第2円柱部31cがアジテータ取付けカラー23に当接する。これにより、アジテータ30の軸方向における位置決めをした状態で、アジテータ30とモータ15とを接続できる。
【0058】
また、アジテータ30が金属材料で形成されているため、樹脂製の攪拌部材に比べて剛性が高くなる。これにより、追加食材F2が例えばチーズやチョコ、クッキー、果肉等の固形物であっても、追加食材F2を切削や粉砕等しつつ良好に攪拌することができる。
また、磁力によってアジテータ30のアジテータテール31がモータ15に接続されるため、アジテータ30をモータ15に取り付けるための別の締結手段等の操作を省略でき、アジテータ30の取り付けが容易になる。
【0059】
また、モータ15がブラシレスDCモータであるため、モータ15のトルクを所定のトルクに保ちながら、印加する電圧のパルス幅を制御することによりモータ15の回転数を制御することができる。これにより、食品Fを良好に切削や粉砕等するために必要なトルクを確保しながら、モータ15の回転数を低くすることができるため、攪拌時における食品Fの飛散を抑制することができる。
【0060】
以上、この発明の実施形態を図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成はこの実施形態に限られるものではなく、この発明の要旨を逸脱しない範囲の設計等も含まれる。