(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0007】
概要
本開示は、生検針を提供し、この生検針は、組織サンプリング収量を最大にし、サンプリングされた組織の凝集した単位(cohesive unit)の収集をさらに確実にするように構成されている。本開示の生検針は、別個の組織収集遠位端を提供することによって現在の針の欠点を克服することができ、この別個の組織収集遠位端は、組織サンプルのフルコアを収集し、このフルコアをインタクトな状態に保持するように構成されている。別個の遠位端は、別個の側面スロット、開放遠位端から延びている螺旋状スロット、またはコアリング特徴を形成している遠位切断先端を含み得る。
【0008】
特定の局面において、本開示は、生検針を提供し、この生検針は、長手方向軸を有する細長い管状本体を含む。本体は、近位端を有する近位部分と、遠位端を有する遠位部分と、外側表面と、内側表面とを含み、長手方向軸に沿って近位部分と遠位部分との間に延びている管腔を規定する。生検針は、本体の遠位部分の一方の側面において規定される切断スロットをさらに含み、この切断スロットは、外側表面および内側表面を通して、本体の管腔の中に延びている。切断スロットは、近位切断端と、対向している遠位切断端とを含む。切断スロットは、近位切断端と遠位切断端との間に規定される対向している側壁をさらに含み、対向している側壁は、本体の長さに沿って、長手方向軸に対して平行に延びている。近位切断端および遠位切断端のうちの少なくとも1つは、凹形状または切欠きを規定し、切断エッジを有し、この切断エッジは、本体の管腔内にサンプル物質を捕捉するために、サンプル物質との接触時、サンプル物質を切除するように構成されている。
【0009】
近位切断端および遠位切断端の両方をスロットに提供することによって、生検針は、近位方向または遠位方向のいずれかの方向の針の移動によるサンプル収集を可能にする。例えば、遠位切断端は、長手方向軸に沿った近位方向の針本体の移動時、サンプル物質と接触し、サンプル物質を切除するように構成されている。同様に、近位切断端は、長手方向軸に沿った遠位方向の針本体の移動時、サンプル物質と接触し、サンプル物質を切除するように構成されている。さらに、近位切断端および遠位切断端のうちの少なくとも1つに凹形状(例えば、V字形)を提供することによって、切断スロットの断面積は増大させられ、スロットの切断表面積およびスロット内に収集され得るサンプル物質の量を有効に増大させる。有効な切断表面積の増大によって、本開示の生検針は、制御された態様で組織を管腔の中に導くことができ、特に吸引時に採取される組織の量を最大にすることができる。
【0010】
別の局面において、本開示は、生検針を提供し、この生検針は、長手方向軸を有する細長い管状本体を有する。本体は、開放近位端と、開放遠位端と、外側表面と、内側表面とを含み、長手方向軸に沿って近位端と遠位端との間に延びている管腔を規定する。針は、本体の遠位端において規定される切断先端をさらに含む。切断先端は、第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分および第2の部分は、針本体の対向している側面に形成され、とがった端に集まる。切断先端の第1の部分は、概して、第1の組の傾斜研削部(grind)から形成されているコアリング要素を含む。切断先端の第2の部分は、第2の組の傾斜研削部から形成されている側面スロットを含む。コアリング要素は、切断エッジを規定し、この切断エッジは、サンプル物質を捕捉して本体の管腔内に引き込むために、長手方向軸の周りでの針本体の回転移動時、サンプル物質を切除するように構成されている。
【0011】
この生検針の切断先端の幾何学的形状は、特にFNA手順を実施する場合に、標的とされる組織を入手する新しい手法を提供する。例えば、針を標的とされる部位の中に前進させている間、針先端は、組織を刺し、針本体の回転時、切断先端のコアリング要素は、サンプル物質を剪断し、管腔内に引き込み、それにより、コアサンプル標的標本の収集をもたらし、真空が適用される場合に採取されるサンプルの量を最大にする。
【0012】
別の局面において、本開示は、長手方向軸を有する細長い管状本体を提供する。本体は、開放近位端を有する近位部分と、開放遠位切断端を有する遠位部分と、外側表面と、内側表面とを含み、長手方向軸に沿って近位部分と遠位部分との間に延びている管腔を規定する。針は、本体の近位部分に向かう方向に開放遠位端から延びている切断スロットをさらに含む。切断スロットは、外側表面および内側表面を通して、本体の管腔の中に延びている。切断スロットは、対向している側壁を含み、対向している側壁は、開放遠位切断端の近位表面から延び、基部壁において終端している。切断スロットは、切断エッジをさらに含み、この切断エッジは、対向している側壁、および基部壁のうちの少なくとも1つにおいて規定される。切断エッジは、本体の管腔内にサンプル物質を捕捉するために、サンプル物質との接触時、サンプル物質を切除するように構成されている。いくつかの実施形態において、切断スロットは、螺旋形状を有し、その結果、切断スロットの切断エッジは、長手方向軸の周りでの針本体の回転移動時、サンプル物質に接触し、サンプル物質を切除し、サンプル物質を管腔の中に引き込むように構成されている。
【0013】
この生検針の切断先端の幾何学的形状は、特にFNA手順を実施する場合に、標的とされる組織を入手する新しい手法を提供する。例えば、針を標的とされる部位の中に前進させている間、針先端は、組織を刺し、針本体の回転時、螺旋状切断スロットは、サンプル物質を剪断し、それにより、コアサンプル標的標本の収集をもたらし、真空が適用される場合に採取されるサンプルの量を最大にする。
【0014】
別の局面において、本開示は、針生検のためのデバイスを含む。デバイスは、送達ハンドルを含む調整可能な送達ハンドルシステムを含み、調整可能な送達ハンドルシステムの少なくとも一部分は、内側管腔を含み、この内側管腔は、複数の交換可能な針サブアセンブリのうちの1つを受け取るように構成されている。調整可能な送達ハンドルシステムは、鞘をさらに含み、この鞘は、ハンドルの遠位端に結合され、送達ハンドルの内側管腔と流体連通している管腔を有する。デバイスは、針サブアセンブリをさらに含み、この針サブアセンブリは、送達ハンドルの内側管腔および鞘の管腔内に取り外し可能に配置され、針サブアセンブリは、交換可能な生検針を含む。交換可能な生検針は、概して、長手方向軸を有する細長い管状本体を含む。針本体は、近位端を有する近位部分と、遠位端を有する遠位部分と、外側表面と、内側表面とをさらに含み、長手方向軸に沿って近位部分と遠位部分との間に延びている管腔を規定する。遠位部分および遠位端のうちの少なくとも1つは、生検手順中、針の管腔内にサンプル物質を捕捉するように構成されている。
【0015】
いくつかの実施形態において、交換可能な生検針は、針本体の少なくとも遠位部分において規定される切断スロットを含み、切断スロットは、外側表面および内側表面を通して、本体の管腔の中に延びている。1つの実施形態において、切断スロットは、近位切断端と、対向している遠位切断端と、近位切断端と遠位切断端との間に規定される対向している側壁とを含み、対向している側壁は、本体の長さに沿って、長手方向軸に対して平行に延びている。近位切断端および遠位切断端のうちの少なくとも1つは、切断エッジを有し、この切断エッジは、本体の管腔内にサンプル物質を捕捉するために、長手方向アクセスに沿った針本体の側方移動時、サンプル物質を切除するように構成されている。別の実施形態において、切断スロットは、概して、針本体の遠位端から針本体の近位部分に向かう方向に延び、遠位端の近位表面から延びている対向している側壁から形成され、基部壁において終端し、切断スロットは、螺旋形状を有する。対向している側壁、および基部壁のうちの少なくとも1つは、切断エッジを規定し、この切断エッジは、本体の管腔内にサンプル物質を捕捉するために、サンプル物質との接触時、サンプル物質を切除するように構成されている。
【0016】
いくつかの実施形態において、交換可能な生検針は、針本体の遠位端に規定される切断先端を含む。切断先端は、概して、第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分および第2の部分は、針本体の対向している側面に形成され、切断先端のとがった端に集まり、第1の部分は、コアリング要素を含み、このコアリング要素は、切断エッジを規定し、この切断エッジは、サンプル物質のコアを捕捉して針本体の管腔内に引き込むために、長手方向軸の周りでの針本体の回転移動時、サンプル物質を切除するように構成されている。
【0017】
いくつかの実施形態において、交換可能な生検針は、その一部分を取り囲んでいるコレットをさらに含み、このコレットは、針が調整可能な送達ハンドルシステムの鞘の遠位端を完全に通過することを防止するために十分な直径を有する。いくつかの実施形態において、針サブアセンブリは、針プロテクターサブアセンブリをさらに含み、この針プロテクターサブアセンブリは、針のコレットに解放可能に結合されている。針プロテクターサブアセンブリは、送達ハンドルからの針の引き抜き時に針の少なくとも遠位端を包むための鞘であって、不注意な切断および/または穿刺を防止するための鞘をさらに含む。さらに、鞘は、針本体の長さに沿って移動可能であり、入手された組織サンプルの針の管腔からの取り出しのために針の遠位端を露出するために、近位方向に後退させられるように構成されている。
本発明は、例えば以下の項目を提供する。
(項目1)
針生検のためのデバイスであって、該デバイスは、
調整可能な送達ハンドルシステムであって、該調整可能な送達ハンドルシステムは、
送達ハンドルであって、該送達ハンドルの少なくとも一部分は、複数の交換可能な針サブアセンブリのうちの1つを受け取るように構成されている内側管腔を含む、送達ハンドルと、
該ハンドルの遠位端に結合されている鞘であって、該鞘は、該送達ハンドルの該内側管腔と流体連通している管腔を有する、鞘と
を含む、調整可能な送達ハンドルシステムと、
該送達ハンドルの該内側管腔および該鞘の管腔内に取り外し可能に配置されている針サブアセンブリと
を含み、該針サブアセンブリは、交換可能な生検針を含み、該交換可能な生検針は、長手方向軸を有する細長い管状本体を有し、近位端を有する近位部分と、遠位端を有する遠位部分と、外側表面と、内側表面とを含み、該長手方向軸に沿って該近位部分と該遠位部分との間に延びている管腔を規定し、該遠位部分および該遠位端のうちの少なくとも1つは、該針の該管腔内にサンプル物質を捕捉するように構成されている、デバイス。
(項目2)
上記交換可能な生検針は、上記針本体の上記遠位部分の一方の側面において規定される切断スロットをさらに含み、該切断スロットは、上記外側表面および上記内側表面を通して、該針本体の上記管腔の中に延び、該切断スロットは、
近位切断端と、対向している遠位切断端と、
該近位切断端と該遠位切断端との間に規定される対向している側壁と
を含み、該対向している側壁は、該針本体の長さに沿って、該長手方向軸に対して平行に延び、該近位切断端および該遠位切断端のうちの少なくとも1つは、凹形状を規定し、切断エッジを有し、該切断エッジは、該針本体の該管腔内にサンプル物質を捕捉するために、該サンプル物質との接触時、該サンプル物質を切除するように構成されている、上記項目に記載のデバイス。
(項目3)
上記針本体の上記遠位端は、1組の別個の角度付き傾斜研削部から形成されており、該1組の別個の角度付き傾斜研削部は、該針本体の上記長手方向軸に対して斜めであり、サンプリングされるべき物質を貫通するために構成されているとがった先端を規定する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目4)
上記1組の角度付き傾斜研削部は、上記遠位端から上記とがった先端に向かって延びている第1の傾斜研削部と、該第1の傾斜研削部から延び、該とがった先端において終端している第2の傾斜研削部と、背部切断傾斜研削部とを含み、該背部切断傾斜研削部は、上記針本体の外側表面に対して斜めであり、生検手順中の針の挿入および引き抜き中に滑らかな針の通行を提供するために該とがった先端に最も近い、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目5)
上記交換可能な生検針は、上記針本体の上記遠位端において規定される切断先端をさらに含み、該切断先端は、
第1の部分と第2の部分と
を含み、該第1の部分および該第2の部分は、該針本体の対向している側面に形成され、該切断先端のとがった端に集まり、該第1の部分は、第1の組の傾斜研削部から形成されているコアリング要素を含み、該第2の部分は、第2の組の傾斜研削部から形成されている側面スロットを含み、該コアリング要素は、切断エッジを規定し、該切断エッジは、サンプル物質のコアを捕捉して該針本体の該管腔内に引き込むために、上記長手方向軸の周りでの該針本体の回転移動時、サンプル物質を切除するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目6)
上記第1の組の傾斜研削部は、第1の傾斜研削部を含み、該第1の傾斜研削部は、上記長手方向軸に対して斜めであり、上記切断先端の近位表面から延び、該切断先端の上記とがった端において終端している、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目7)
上記第2の組の傾斜研削部は、
第2の傾斜研削部であって、該第2の傾斜研削部は、上記針本体を横断しており、上記長手方向軸に対して直交しており、上記切断先端の上記近位表面から延びている、第2の傾斜研削部と、
第3の傾斜研削部であって、該第3の傾斜研削部は、該長手方向軸に対して実質的に平行であり、該第2の傾斜研削部から該切断先端の上記とがった端に向かって延びている、第3の傾斜研削部と、
第4の傾斜研削部であって、該第4の傾斜研削部は、該長手方向軸に対して斜めであり、該第3の傾斜研削部から延び、該切断先端の該とがった端において終端している、第4の傾斜研削部と
を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目8)
上記切断先端は、背部切断傾斜研削部をさらに含み、該背部切断傾斜研削部は、上記針本体の上記外側表面に対して斜めであり、生検手順中の針の挿入および引き抜き中に滑らかな針の通行を提供するために上記切断先端の上記とがった端に最も近い、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目9)
上記交換可能な生検針は、上記針本体の上記遠位端から該針本体の上記近位部分に向かう方向に延びている切断スロットをさらに含み、該切断スロットは、上記外側表面および上記内側表面を通して、該針本体の上記管腔の中に延び、該切断スロットは、
対向している側壁であって、該対向している側壁は、該遠位端の近位表面から延び、基部壁において終端している、対向している側壁と、
切断エッジと
を含み、該切断エッジは、該対向している側壁、および該基部壁のうちの少なくとも1つにおいて規定され、該切断エッジは、該本体の該管腔内にサンプル物質を捕捉するために、該サンプル物質との接触時、該サンプル物質を切除するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目10)
上記切断スロットの上記対向している側壁は、上記針本体の上記遠位端の上記近位表面から延びている第1の角度付き傾斜研削部および第2の角度付き傾斜研削部から形成され、上記基部壁は、該第1の傾斜研削部および該第2の傾斜研削部に対して斜めである第3の傾斜研削部から形成され、その結果、該切断スロットは、螺旋形状を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目11)
上記切断スロットは、サンプル物質のコアを捕捉して該針本体の該管腔内に引き込むために、上記長手方向軸の周りでの該針本体の回転移動時、サンプル物質を切除するように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目12)
上記針本体の上記遠位端は、1組の別個の角度付き傾斜研削部から形成されており、該1組の別個の角度付き傾斜研削部は、該針本体の上記外側表面に対して斜めであり、サンプリングされるべき物質を貫通するために構成されているとがった先端を規定する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目13)
上記1組の角度付き傾斜研削部は、第4および第5の傾斜研削部であって、該第4および第5の傾斜研削部は、上記遠位端の上記近位表面から延び、上記とがった先端において終端している、第4および第5の傾斜研削部と、背部切断傾斜研削部とを含み、該背部切断傾斜研削部は、生検手順中の針の挿入および引き抜き中に滑らかな針の通行を提供するために該とがった先端に最も近い、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目14)
上記針は、その一部分を取り囲んでいるコレットをさらに含み、該コレットは、該針が上記調整可能な送達ハンドルシステムの上記鞘の遠位端を完全に通過することを防止するために十分な直径を有する、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目15)
上記針サブアセンブリは、針プロテクターサブアセンブリをさらに含み、該針プロテクターサブアセンブリは、上記針の上記コレットに解放可能に結合されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目16)
上記針プロテクターサブアセンブリは、上記送達ハンドルからの上記針の引き抜き時に該針の少なくとも上記遠位端を包むための鞘であって、不注意な切断および/または穿刺を防止するための鞘を含む、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(項目17)
上記鞘は、上記針本体の長さに沿って移動可能であり、入手された組織サンプルの上記針の上記管腔からの取り出しのために該針の上記遠位端を露出するために、近位方向に後退させられるように構成されている、上記項目のうちのいずれか一項に記載のデバイス。
(摘要)
本開示は、生検針を提供し、この生検針は、組織サンプリング収量を最大にし、サンプリングされた組織の凝集した単位の収集をさらに確実にするように構成されている。本開示の生検針は、針の遠位部分の一方の側面において規定される別個の切断スロットを提供する。側面切断スロットは、組織サンプルのフルコアを収集し、このフルコアをインタクトな状態に保持するように構成されている。
【発明を実施するための形態】
【0019】
詳細な説明
概観として、本開示は、概して、最小限に侵襲性の手順(例えば、内視鏡生検手順)と併用して、組織、流体、および/または細胞のサンプルを収集するために構成されている生検針に関する。より詳細に本明細書中に記載されるように、本開示と一致する生検針は、標的とされる部位から組織標本を採取する目的のために、内視鏡超音波(EUS)手順、および気管支内超音波(EBUS)手順、特に、EUS細針吸引(FNA)、EUS細針生検(FNB)、EUSコアリング、およびEBUS手順において使用され得る。しかし、生検針は、他の最小限に侵襲性の手順において使用され得、EUS手順および/またはEBUS手順に限定されないことが留意されるべきである。
【0020】
時折、TRU−CUT針と称される側面切断針は、概して、内側カニューレを含み、この内側カニューレは、外側カニューレ内でスライド可能に位置決めされている。内側カニューレは、概して、平らにされた周囲が鋭くされている遠位端を有し、この遠位端は、とがった端に形作られており、切欠きが、とがった端に最も近い内側カニューレの遠位部分において形成されている。生検手順中、側面切断針は、生検標本が取得されることになっている標的部位(例えば、組織塊)に前進させられる。いくつかの例において、吸い込みデバイスは、組織を切欠きの中に引き込むために、内側カニューレの近位部分に適用され得る。この時点において、外側カニューレは、内側カニューレを覆って前進させられ得る。外側カニューレは、その開口部の周りに形成されている切断エッジを有し得、その結果、内側カニューレの切欠きを越えた切断エッジの前進が、切欠き内の組織を切断し、それにより、内部に組織サンプルを封入する。あるいは、内側カニューレの切欠きが、切断エッジを含み得、その結果、切欠きの切断エッジが組織標本を切断するように、内側カニューレは長手方向に回転させられ得るか、または並進させられ得る。外側カニューレは、次に、それらの間に標本を封入するように、内側カニューレを覆って前進させられ得る。
【0021】
1つの局面において、本開示は、生検針を提供し、この生検針は、概して、長手方向軸を有する細長い管状本体を含む。本体は、近位端を有する近位部分と、遠位端を有する遠位部分と、外側表面と、内側表面とを含み、長手方向軸に沿って近位部分と遠位部分との間に延びている管腔を規定する。生検針は、本体の遠位部分の一方の側面において規定される切断スロットをさらに含み、この切断スロットは、外側表面および内側表面を通して、本体の管腔の中に延びている。切断スロットは、近位切断端と、対向している遠位切断端とを含む。切断スロットは、近位切断端と遠位切断端との間に規定される対向している側壁をさらに含み、対向している側壁は、本体の長さに沿って、長手方向軸に対して平行に延びている。近位切断端および遠位切断端のうちの少なくとも1つは、凹形状または切欠きを規定し、切断エッジを有し、この切断エッジは、本体の管腔内にサンプル物質を捕捉するために、サンプル物質との接触時、サンプル物質を切除するように構成されている。
【0022】
近位切断端および遠位切断端の両方をスロットに提供することによって、生検針は、近位方向または遠位方向のいずれかの方向の針の移動によるサンプル収集を可能にする。例えば、遠位切断端は、長手方向軸に沿った近位方向の針本体の移動時、サンプル物質と接触し、サンプル物質を切除するように構成されている。同様に、近位切断端は、長手方向軸に沿った遠位方向の針本体の移動時、サンプル物質と接触し、サンプル物質を切除するように構成されている。このプロセス中、組織は、切断エッジによって切除され、連続的なコア生検サンプルを作り出す。
【0023】
さらに、近位切断端および遠位切断端のうちの少なくとも1つに凹形状(例えば、V字形)を提供することによって、従来の側面切断針と比較される場合、切断スロットの断面積は増大させられ、スロットの切断表面積およびスロット内に収集され得るサンプル物質の量を有効に増大させる。有効な切断表面積の増大によって、本開示の生検針は、制御された態様で組織を管腔の中に導くことができ、特に吸引時に採取される組織の量を最大にすることができる。
【0024】
別の局面において、本開示は、生検針を提供し、この生検針は、長手方向軸を有する細長い管状本体を有する。本体は、開放近位端と、開放遠位端と、外側表面と、内側表面とを含み、長手方向軸に沿って近位端と遠位端との間に延びている管腔を規定する。針は、本体の遠位端において規定される切断先端をさらに含む。切断先端は、第1の部分と第2の部分とを含み、第1の部分および第2の部分は、針本体の対向している側面に形成され、とがった端に集まる。切断先端の第1の部分は、第1の組の傾斜研削部から形成されている側面スロットを含み、切断先端の第2の部分は、第2の組の傾斜研削部から形成されているコアリング要素を含む。コアリング要素は、切断エッジを規定し、この切断エッジは、サンプル物質を捕捉して本体の管腔内に引き込むために、長手方向軸の周りでの針本体の回転移動時、サンプル物質を切除するように構成されている。このプロセス中、組織は、切断エッジによって切除され、連続的なコア生検サンプルを作り出す。
【0025】
この生検針の切断先端の幾何学的形状は、特にFNA手順を実施する場合に、標的とされる組織を入手する新しい手法を提供する。例えば、針を標的とされる部位の中に前進させている間、針先端は、組織を刺し、針本体の回転時、切断先端のコアリング要素は、サンプル物質を剪断し、それにより、コアサンプル標的標本の収集をもたらし、真空が適用される場合に採取されるサンプルの量を最大にする。
【0026】
別の局面において、本開示は、長手方向軸を有する細長い管状本体を提供する。本体は、開放近位端を有する近位部分と、開放遠位切断端を有する遠位部分と、外側表面と、内側表面とを含み、長手方向軸に沿って近位部分と遠位部分との間に延びている管腔を規定する。針が、本体の近位部分に向かう方向に開放遠位端から延びている切断スロットをさらに含む。切断スロットは、外側表面および内側表面を通して、本体の管腔の中に延びている。切断スロットは、対向している側壁を含み、対向している側壁は、開放遠位切断端の近位表面から延び、基部壁において終端している。切断スロットは、切断エッジをさらに含み、この切断エッジは、対向している側壁、および基部壁のうちの少なくとも1つにおいて規定される。切断エッジは、本体の管腔内にサンプル物質を捕捉するために、サンプル物質との接触時、サンプル物質を切除するように構成されている。いくつかの実施形態において、切断スロットは、螺旋形状を有し、その結果、切断スロットの切断エッジは、長手方向軸の周りでの針本体の回転移動時、サンプル物質に接触し、サンプル物質を切除し、サンプル物質を管腔の中に引き込むように構成されている。このプロセス中、組織は、切断エッジによって切除され、連続的なコア生検サンプルを作り出す。
【0027】
この生検針の切断先端の幾何学的形状は、特にFNA手順を実施する場合に、標的とされる組織を入手する新しい手法を提供する。例えば、針を標的とされる部位の中に前進させている間、針先端は、組織を刺し、針本体の回転時、螺旋状切断スロットは、サンプル物質を剪断し、それにより、コアサンプル標的標本の収集をもたらし、真空が適用される場合に採取されるサンプルの量を最大にする。
【0028】
本開示と一致する生検針の別個のサンプル収集遠位端は、組織サンプルのフルコアを収集し、一方で、このフルコアをインタクトな状態に保持するように構成されている。従って、本開示と一致する生検針は、より完全なサンプルを試験のために提供するために、組織サンプリング収量を最大にし、サンプリングされた組織の凝集した単位の収集をさらに確実にするように構成されており、そのことは、診断の正確さおよび/または診断のタイミングを改善し得る。
【0029】
本開示の生検針は、最小限に侵襲性の手順(例えば、内視鏡生検手順)とともに使用され得る。例えば、生検針は、内視鏡生検デバイス(例えば、内視鏡超音波手順または内視鏡気管支超音波手順のために構成されている針生検送達デバイス)と適合可能であり得る。例えば、生検針は、「Needle Biopsy Device with Exchangeable Needle and Integrated Needle Protection」米国公開第2012/0116248号、「Rapid Exchange FNA Biopsy Device with Diagnostic and Therapeutic Capabilities」米国公開第2011/0190662号、「Device for Needle Biopsy with Integrated Needle Protection」米国公開第2010/0121218号、および「Needle Biopsy Device」米国公開第2010/0081965号において議論される例示的な内視鏡送達システムおよび方法との使用のために適合可能であり得、これらの米国公開の各々の内容は、それらの全体が本明細書により参考として援用される。
【0030】
本開示の生検針との使用のための内視鏡送達デバイスの例示的実施形態は、
図1に例示されている。デバイスおよび特定の送達方法は、「Needle Biopsy Device with Exchangeable Needle and Integrated Needle Protection」米国公開第2012/0116248号において、より詳細に議論され、この米国公開の内容は、その全体が本明細書により参考として援用される。デバイスの設計は、ハンドル機構(送達システムハンドル10)および取り外し可能な針サブアセンブリ15からなる。送達システムハンドル10は、近位ハンドル部材10aと、中間ハンドル部材10bと、遠位ハンドル部材10cとを含む。近位ハンドル部材、中間ハンドル部材、および遠位ハンドル部材は、各々が内側管腔を含み、近位ハンドル部材、中間ハンドル部材、および遠位ハンドル部材は、一緒に結合され、長手方向軸を規定し、その結果、内側管腔は、絶えず連通し、結合されているハンドル部材の長さ全体にわたって延びている。近位ハンドル部材10aは、中間ハンドル部材10bの少なくとも一部分を覆ってスライド可能に配置され、中間ハンドル部材10bは、遠位ハンドル部材10cの少なくとも一部分を覆ってスライド可能に配置されている。近位ハンドル部材10aは、近位ハンドルグリップ10a1と遠位ハンドルグリップ10a2とを含む。送達ハンドルシステム10は、中間ハンドル部材10bの内側管腔内に配置されている内側ハンドル部材10dをさらに含む。
【0031】
送達システムハンドル10は、遠位ハンドル部材10cの遠位端に結合されている鞘14構成要素も組み込んでいる。この構成要素は、針(例えば、本明細書中で前に記載されている生検針)の交換中、送達システムハンドル10と標的サンプリング部位との間にコンジットを提供する。デバイス設計は、病変または異常の部位において内視鏡医によって取得される各々の個々の「通過(pass)」サンプルまたは吸引されたサンプルについて、針サブアセンブリ15が、デバイスの近位ハンドル10aから分離され得るという点で、モジュール式である。
【0032】
送達システムハンドル10は、2つのつまみねじ係止機構の調整を介して作動させられる2つの長さ調整特徴を組み込んでいる。ねじ切りされた近位つまみねじ12および係止リング33が、中間ハンドル部材10bの周りに移動可能に配置され、近位つまみねじ12は、係止リング33を緩めるために緩められ、係止リング33は、中間ハンドル部材10bに沿って遠位方向に移動させられ、係止リング33は、ユーザーが、鞘14の端を越える設定された深さの針の貫通を確立することを可能にするように、中間ハンドル部材10bに沿った所望の位置において、近位つまみねじ12を介して締められる。ねじ切りされた遠位つまみねじ13は、中間ハンドル部材10bの遠位部分において横断して配置され、遠位つまみねじ13は、中間ハンドル部材10bを遠位方向に、および/または近位方向に移動させるために緩められ、遠位つまみねじ13は、ユーザーが、内視鏡アクセサリーチャネルの端を越える設定された深さの鞘14の延長を確立することを可能にするように締められる。
【0033】
針サブアセンブリ15は、本開示と一致する少なくとも生検針(例えば、針100)からなる。針100の本体102は、長さにおいて、200mm〜最大2500mmの範囲に及び得る。いくつかの実施形態において、針本体102は、長さにおいて、500mm〜2000mmの間の範囲に及び得る。いくつかの実施形態において、針本体102は、長さにおいて、800mm〜1800mmの間の範囲に及び得る。いくつかの実施形態において、針本体102は、長さにおいて、1640mm〜1680mmの間の範囲に及び得る。針サブアセンブリ15は、針ハブ17と、針ルアー18と、針コレット105と、針プロテクターサブアセンブリ9と、スタイレットハブ20と、スタイレットシャフト22とをさらに含む。
【0034】
概して理解されるように、針100自体は、多様な金属ベースの物質(ニチノール、コバルトクロム、ステンレス鋼、金属合金、それらの組み合わせ、物質(例えば、炭素、ケイ素、窒化ホウ素、無機物質、もしくはそれらの組み合わせ)を含むナノチューブ複合材が挙げられるが、これらに限定されない)、またはポリマーベースの物質(ポリエーテルエーテルケトン、ポリアミド、ポリエーテルスルホン、ポリウレタン、エーテルブロックアミドコポリマー、ポリアセタール、ポリテトラフルオロエチレン、および/またはそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されない)から製造され得る。生検針は、任意の特定のゲージ(例えば、外径)に限定されないことが留意されるべきである。例えば、収集されるべきサンプルのタイプ、ならびにサンプルが収集されることになっている標的部位に依存して、生検針は、10ゲージ〜30ゲージの範囲に及び得、より詳しくは、15ゲージ〜28ゲージの範囲に及び得、すなわち、ゲージ12、14、15、16、17、18、19、20、21、22、23、24、または25の針である。
【0035】
図2は、
図1のデバイスの針サブアセンブリ15の図である。サブアセンブリ15は、組織サンプルを入手する場合に、送達システムハンドル10の管腔の中に挿入され、送達システムハンドル10の管腔から取り外される。サブアセンブリ15は、スタイレットハブ20およびスタイレットシャフト22の構成要素からなり、それらは、当業者によって概して理解されるように、従来の内部ルアーねじ溝を介して、針100の針ルアー18に固定して係止される。スタイレットハブ20は、任意の公知の処理技術(接着結合またはインサート射出成形が挙げられるが、これらに限定されない)を介してスタイレットシャフト22に取り付けられ得る。針100の雌ルアーは、嵌合ルアーねじ溝詳細部を組み込み、これに対してスタイレットハブ20が締められ得る。本開示の針ルアー18の要素は、多くの処理技術(例えば、接着結合またはインサート射出成形)を介して、針シャフトの近位端に取り付けられ得る。
【0036】
取り外し可能な針サブアセンブリ15は、針コレット105も組み込んでいる。この針コレット105の機能は、針の交換中、送達システムの鞘14の中で針本体102を中央に置く手段を提供すること、ならびに一旦、針100が送達システムハンドルから係止解除され、引き抜かれると、針プロテクターサブアセンブリを針100の遠位端104に固定し、係止するための機構を提供することである。本開示の針コレット105は、任意の公知の処理技術(接着結合、レーザー溶接、抵抗溶接、インサート射出成形、およびそれらの組み合わせが挙げられるが、これらに限定されない)によって、針100の遠位端104の近くで針本体102の一部分に取り付けられ得る。針コレット105は、金属材料(例えば、ステンレス鋼、ニッケルチタン、またはそれらの合金)、またはポリマー材料(例えば、ポリアセタール、ポリアミド、ポリエーテルブロックアミド、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン、またはそれらの誘導体に限定されない)から製作され得る。
【0037】
図3は、針100の遠位端104において係止された位置にある本開示の針保護サブアセンブリ9の設計の実施形態を例示している。針保護サブアセンブリ9は、2つの針プロテクター(NP)ハブ半体(集合的に23)からなり、これらは、針プロテクター(NP)鞘構成要素24の近位端において互いに接着で結合される。あるいは、NPハブ半体23は、アセンブリにおけるこれらの構成要素の間に確実な結合/取り付けを提供するために、一緒にスナップばめされ得るか、またはNP鞘24を覆ってインサート射出成形され得る。針保護サブアセンブリ9はまた、針プロテクター(NP)ハブO−リング構成要素25を組み込んでいる。O−リング構成要素は、組み立てられたNPハブ半体23の中央における凹んだ切り抜きの中に存在している。針100の遠位端104の近くで針本体102の一部分に固定して取り付けられているNPハブO−リング25は、針コレット105とともに、NPサブアセンブリ9を針100の端に係止するための機構を提供する。この手法において、とがった先端(より詳細に本明細書中に記載される)を含む遠位端104は、一旦、針が送達システムハンドルから取り外されると、保護され、覆われ、遮蔽される。
【0038】
例えば、サンプルを標的部位から入手すると、針100は、試験手順および診断手順のために、サンプリングされた物質へアクセスするために取り外され得る。針100は、送達システムハンドル10から連続的に引き抜かれ得、その結果、針コレット105が、NPハブO−リング25に接触し、針ハブ17との係合からNPサブアセンブリ9をさらに引っ張り、その結果、針100は、送達システムハンドル10から完全に取り外され、NP鞘24が針100の遠位端104を包み、不注意な「針の突き刺し」を防止する。さらに、操作者は、次に、針100の管腔内に収納されているサンプリングされた物質を収集するために、NPサブアセンブリ9を針100の遠位端104から引き戻し得る。従って、NPサブアセンブリ9は、入手後、および針100が送達システムハンドル10から完全に取り外される場合、針100の遠位端104へのアクセスを可能にするために、針100の長さに沿って並進するように構成されている。
【0039】
図4は、針サブアセンブリの針ハブ17の実施形態を例示している。針ハブ17は、ハブハウジング27およびサムラッチ(thumb latch)28の構成要素によって、取り外し可能な針サブアセンブリ15を送達システムハンドル10の中に係止するように構成されている機構を提供し、
図3に示される針保護サブアセンブリ9を送達システムデバイスハンドル10の中に係止するための手段を提供する。示されるように、針ハブ構成要素17は、針ルアー18および針本体102に固定して取り付けられる。本開示の針ハブ要素17は、多くの処理技術(例えば、接着結合またはインサート射出成形)を介して針ルアー構成要素18の遠位端に取り付けられ得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、針ハブ17の操作は、針100の遠位端104における回転をもたらし得る。より詳細に本明細書中に記載されるように、本開示と一致する生検針の遠位端は、回転移動時、サンプル物質を切除し、生検を実施するように構成されている別個の切断構成を有し得る。従って、針ハブ17の回転時、針の遠位端は回転し、サンプル物質の収集をもたらす。いくつかの実施形態において、針ハブ17は、操作者が針ハブ17を回転させて、サンプル収集のための針の遠位端の回転をもたらすことを可能にするように、サムラッチ28を押し下げることによってハンドル10から係合解除され得、近位ハンドル10a部材から分離され得る。他の実施形態において、針ハブ17は、ハンドル10に結合されたまま回転するように構成され得る。いくつかの実施形態において、針ハブ17および/またはハンドル10は、針ハブ17の回転移動に対する制御、次に、針の遠位端の回転移動に対する制御を操作者に提供するための機構を含み得る。針ハブ17および/またはハンドル10は、回転移動の漸次的移行を示すように構成されている特徴をさらに含み得る。例えば、1つの実施形態において、針ハブ17および/またはハンドル10は、操作者が針ハブ17を明確な間隔で回転させることを可能にするように構成されている特徴を含み得、特定の間隔における針の回転の可聴指示をさらに提供し得(例えば、針本体の長手方向軸の周りでの1/8回転毎、1/4回転毎、1/2回転毎などにクリック音(clicking sound)を提供する)、それにより、生検手順を実施する場合、操作者に改善された制御を提供する。例えば、カスタマイズ可能なダイヤル要素が提供され得、それは、針ハブ17の回転を所望の設定に限定するように構成され得る。他の要素は、当業者によって概して理解されるように、針ハブ17の回転を制御するために含まれ得る。
【0041】
いくつかの例において、手順中、標的部位へのアクセスを依然として維持したまま、針を取り替えることが好ましい場合がある。
図1の送達システムは、米国公開第2012/0116248号においてより詳細に記載されるように、送達システムがスコープから取り外される必要なく、迅速な針の交換を可能にするように構成されており、この米国公開の内容は、その全体が本明細書により参考として援用される。本開示の送達システムによって提供される迅速な針交換能力は、生検手順のために必要とされる時間の量をさらに減少させ得、それは、特定の手順中に必要とされる麻酔の量を減らし得、患者の安全性を改善する。さらに、新しい生検デバイスは、現在の生検デバイスおよび技術によくあり得ることだが、各針のためには必要とされない。従って、本開示の送達システムおよび交換可能な針は、不必要な廃棄物を防ぐことによって費用を削減し得る。
【0042】
本開示と一致する生検針の実施形態のうちの任意の1つは、
図1の送達システムと使用され得、生検針100に限定される必要はないことが留意されるべきである。
【0043】
図5〜
図8は、本開示と一致する生検針100のうちの1つの実施形態を示している。
図5は、本開示と一致する生検針100の遠位部分の斜視図である。
図6〜
図8は、
図5の生検針の遠位部分の底面図、上面図、および側面プロフィール図である。示されるように、針100は、概して、長手方向軸Xを有する細長い管状本体102を含む。本体102は、近位端103を有する近位部分(
図3に示される)と、遠位端104を有する遠位部分と、外側表面と、内側表面とを含み、長手方向軸Xに沿って近位部分と遠位部分との間に延びている管腔108を規定する。針100は、本体102の遠位部分の一方の側面において規定される切断スロット106をさらに含む。切断スロット106は、概して、外側表面および内側表面を通して、本体102の管腔108の中に延びている。より詳細に本明細書中に記載されるように、切断スロット106は、サンプル物質の収集および採取のために構成され、このサンプル物質には、組織、流体、および/または細胞のサンプルが挙げられるが、これらに限定されない。特に、切断スロットは、サンプル入手中、組織を収集する針100の能力を高めるために、独特な形状を有する。
【0044】
示されるように、切断スロット106は、近位切断端110と、対向している遠位切断端112と、近位切断端110と遠位切断端112との間に規定される対向している側壁114a、114bとを含む。対向している側壁114a、114bは、概して、本体102の長さに沿って、長手方向軸Xに対して平行に延びている。近位切断端110および遠位切断端112、ならびに対向している側壁114a、114bのうちの少なくとも1つは、生検手順中、サンプル物質(例えば、組織)との接触時、サンプル物質(例えば、組織)を切除するための切断エッジを含む。例えば、
図8に示されるように、少なくとも、近位切断端110は、切断エッジ124を規定し、遠位切断端112は、切断エッジ126を規定し、その結果、近位方向および遠位方向の両方への長手方向軸Xに沿った針100の側方移動は、生検物質中、組織の切除をもたらし得る(
図15および
図16に示される)。
【0045】
いくつかの実施形態において、針本体102の遠位端104は、近位端103および遠位端104が、管腔108を介して互いに流体連通しているように、開放されている場合がある。しかし、いくつかの実施形態において、遠位端104は、閉鎖されていることが留意されるべきである。例示される実施形態において、開放遠位端104は、本体102の外側表面に対して斜めである1組の別個の角度付き傾斜研削部から形成されている。1組の角度付き傾斜研削部は、遠位端104の近位表面121からとがった先端116に向かって延びている第1の傾斜研削部120と、第1の傾斜研削部120から延び、とがった先端116において終端している第2の傾斜研削部122と、背部切断傾斜研削部118とを含み得、この背部切断傾斜研削部118は、第1の傾斜研削部120および第2の傾斜研削部122、ならびに本体102の外側表面に対して斜めであり、生検手順中の針の挿入および引き抜き中に滑らかな針の通行を提供するためにとがった先端116に最も近い。例えば、背部切断研削部118は、本体102の外側表面に対して15度〜70度の範囲において、しかし、より好ましくは、25度〜45度の範囲において、背部切断角度Aを有する。1つの実施形態において、背部切断角度Aは、30度である。
【0046】
第2の傾斜研削部122および背部切断研削部118から形成されているとがった先端116は、標的部位へのアクセスを得るため、および/または特に吸引の補助でサンプル物質を切除するために、生検手順中、サンプル物質と接触し、サンプル物質を刺すように構成され得る。
【0047】
遠位端104において少なくとも背部切断研削部118を含むことは、針の移動および/または交換中、送達デバイスの鞘または他の囲うものに沿った針の滑らかな通行を確実にし得る。例えば、前に記載されるように、本開示の生検針100は、送達デバイス(例えば、
図1の送達システム)とともに使用され得る。内視鏡デバイスは、概して、組織収集のために標的部位へのアクセスを針100に提供するために、鞘または他の囲うものを含み得る。従って、例えば、針の交換中、針100が、送達デバイスの鞘の内部壁にひっかかることなく、送達デバイスの鞘の内径を通過させられ得ることが重要である。針が前進する場合、背部切断研削部118のヒールは、鞘の内径と接触し得、針100の遠位端104、特にとがった先端116と、鞘との間の摩擦を低減し得る。この手法において、針100は、鞘の中を滑らかにたどって、鞘の端から出て行き得る。この特徴はまた、手順中に、送達デバイスの残りの部分が患者内にとどまったまま、針を取り外し、新しい針を再挿入することを容易にする。
【0048】
生検針200、300の代替の実施形態が、概して
図9〜
図12に例示されている。例えば、
図9および
図10は、切断スロット206の代替の実施形態を有する生検針200の底面図および側面プロフィール図である。例示される実施形態において、切断スロット206の遠位切断端212は、概してV字形または切欠きでの凹形状を規定する。従って、遠位切断端212の切断エッジ226は、鋭角の切断角度を有する。特定の凹形状は、特に、従来の側面切断針と比較される場合、概して、切断スロット206の断面積における増大をもたらし、スロット206の切断表面積およびスロット206内に収集され得るサンプル物質の量を有効に増大させる。
【0049】
図11および
図12は、切断スロット306の代替の実施形態を有する生検針300の底面図および側面プロフィール図である。この実施形態において、切断スロット306の近位切断端310および遠位切断端312の両方は、概してV字形または切欠きでの凹形状を有する。従って、針300の切断スロット306の断面積は、さらに増大させられ、スロット306の切断表面積およびスロット306内に収集され得るサンプル物質の量を有効に増大させる。
【0050】
図13は、遠位端の近くの生検針100の一部分の斜視図である。示されるように、針100は、針本体102の一部分に結合されているコレット105をさらに含む。針コレット105の長さは、2mm〜10mmの範囲内であり得るが、より好ましくは、3.5mm〜5mmの範囲内であり得る。針コレット105の外径は、針100のゲージに依存して0.030インチ〜0.080インチの範囲内であることが好ましいが、より好ましくは、0.040インチ〜0.070インチの範囲内であることが好ましい。針コレット構成要素105は、その近位端および遠位端において面取りされ得る。いくつかの実施形態において、針コレット105の食いつき角は、針100の長手方向軸Xに対して15度〜80度の範囲内であることが好ましい場合があるが、より好ましくは、30度〜60度の範囲内であることが好ましい場合がある。針コレット105の両端における食いつき部は、針の交換中、針プロテクターサブアセンブリ9との滑らかな係止および係止解除を提供し得る。
【0051】
針コレット105は、針100の遠位端104からの設定値距離に位置している。針100において、針の遠位端104から近位コレットの位置までの距離は、6cm〜12cmの範囲内であり得るが、より好ましくは、7cm〜9cmの範囲内であり、より好ましくは、針100の端から8cmに位置する。これは、針が鞘の遠位端14aに対して最大延長距離に延ばされる場合(すなわち、8cm)、
図14Aおよび
図14Bに示されるように、コレット105が鞘14の端から出て行かないことを確実にする。
【0052】
例示される実施形態において、遠位端104および/または切断スロット106に隣接する針本体102の一部分128は、針100のエコー源性シグネチャー(signature)を高めるための実施形態を組み込み得る。例えば、このエコー源性的に強化された領域128は、限定されないが、予め規定される長さにわたって、遠位端104の少なくとも第1の先端部分および第2の先端部分に隣接する針の端を粗くすることによって製作され得る。エコー源性的に強化された領域128の長さは、2mm〜20mmの範囲内であり得るが、より好ましくは、10mm〜15mmの範囲内であり得る。エコー源性強化パターン128は、特定の長さにわたって針の表面を粗くするマイクロブラストプロセスを介して針本体102に与えられ得、内視鏡超音波下での針の可視性を改善する。他の実施形態において、針100のエコー源性的に強化された領域128は、より大きな反射率および増強された反射信号を提供するために、針の表面からの物質の除去を通して達成され得る。しかし、物質の除去が、プッシャビリティの観点から針の性能を低減しないこと、または所望のサンプルを入手するその能力を阻止しないことが企図される。
【0053】
図14Aおよび
図14Bは、一部が断面図での、
図1の送達システムの鞘14内での
図13の生検針100の収納および延長の側面図である。
図14Aを参照すると、針100は、デバイスハンドルが完全に後退された位置にある状態で鞘14内に装填され、サンプル収集のために標的部位の中へ延ばす準備ができているていることが示されている。この例において、針100の遠位端104は、鞘14の遠位のテーパをつけられた端14aに対して近位にある。
図14Bは、針が、矢印130によって示されるように、完全に延ばされた位置へ移行する場合の鞘14に対する針100および針コレット105の位置を例示している。完全に延ばされた位置において、針コレット105は、テーパをつけられた遠位先端に対して近位である鞘14の中に収容されているままであり、それにより、針100が、設定された距離を越えて鞘14から延びることを防止する。
【0054】
針100が、特に、組織の収集手順中および/または針の交換中に送達デバイスの鞘14の内部壁にひっかかることなく、送達デバイス(
図1に示される)の鞘14の内径を通過させられ得ることが重要である。針が前進する場合、背部切断研削部118のヒールは、鞘14の内径と接触し得、針100の遠位端104、特にとがった先端116と、鞘14との間の摩擦を低減し得る。この手法において、針200は、鞘の中を滑らかにたどって、鞘の端から出て行き得る。この特徴はまた、手順中に、送達デバイスの残りの部分が患者内にとどまったまま、針を取り外し、新しい針を再挿入することを容易にする。
【0055】
図15は、サンプル組織132の少なくとも一部分の収集(例えば、生検または採取)のために、サンプル組織132の中に挿入されている
図5の生検針100を例示している。
図16および
図17は、サンプル組織132の中に挿入されている遠位端104および切断スロット106の、一部が断面図での拡大された側面図であり、生検針100を用いたサンプル組織の収集手順を例示している。示されるように、針100は、標的部位に送達される場合、鞘14から延ばされ得る。操作者(例えば、医師または他の訓練された医療要員)は、次に、(超音波技術の使用の助けあり、または超音波技術の使用の助けなしで)サンプリングされるべき標的組織132に向かって針100の遠位端104を前進させ得る。操作者は、組織132を刺し、組織132に入れると、次に、組織の収集を始め得る。例示される実施形態において、標的組織132は、異常な塊(例えば、腫瘍など)であり得る。
【0056】
前に記載されるように、切断スロット106の近位切断端110は、切断エッジ124を含み得る。従って、
図16に示されるように、長手方向軸Xに沿った遠位方向の針本体100の移動時、矢印136によって示されるように、近位切断端110の切断エッジ124は、矢印138によって示されるように、組織132と接触し、矢印142に示されるように、そこから管腔108へサンプル物質140をさらに切除するように構成されている。1つの実施形態において、吸い込み力を標的組織132に提供し、吸引を介した組織サンプル138の収集および採取をさらに助けるために、真空が、近位端から少なくとも切断スロット106に管腔108を通して連通され得る。
【0057】
切断スロット106の遠位切断端112は、切断エッジ126も含み得るか、または代替的に切断エッジ126を含み得る。従って、
図17に示されるように、矢印144によって示されるように、長手方向軸Xに沿った近位方向の針本体100の移動時、遠位切断端112の切断エッジ126は、矢印146によって示されるように、組織132と接触し、そこから管腔108へサンプル物質148をさらに切除するように構成されている。同様に、吸い込み力を標的組織132に提供し、吸引を介した組織サンプル148の収集および採取をさらに助けるために、真空が、近位端から少なくとも切断スロット106に管腔108を通して連通され得る。
【0058】
いくつかの実施形態において、対向している側壁114a、114bのうちの少なくとも1つは、その長さに沿って延びている切断エッジを含み得、その結果、切断エッジは、長手方向軸Xの周りでの針本体102の回転移動時、サンプル物質に接触し、サンプル物質を切除するように構成されている。
【0059】
1つの実施形態において、組織の収集は、組織サンプル132内での近位切断端110および遠位切断端112の複数回の通過を含み得る。例えば、針100は、組織の代表的なサンプルを採取するために、多数の反復(例えば、1回〜20回の反復の範囲内)にわたって往復運動で移動させられ得る。
【0060】
図18および
図19は、本開示と一致する生検針400の別の実施形態の斜視図である。
図20は、
図18および
図19の生検針400の遠位端404の側面プロフィール図である。生検針400は、概して、長手方向軸Xを有する細長い管状本体402を含む。本体402は、開放近位端(示されない)と、開放遠位端404と、外側表面と、内側表面とをさらに含み、長手方向軸Xに沿って近位端と遠位端404との間に延びている管腔406を規定する。
【0061】
針400は、本体402の遠位端404において規定される切断先端をさらに含む。切断先端は、概して、第1の部分408と第2の部分410とを含み、各々は、切断先端の近位表面411から延び、切断先端のとがった端412に集まる。示されるように、第1の部分408および第2の部分410は、概して、針本体402の対向している側面において形成されている。第1の部分408は、切断先端の近位表面411から延びている少なくとも第1の傾斜研削部413からであり、とがった端412において終端している。第1の傾斜研削部413は、針本体402の外側表面に対して斜めである。第1の部分408は、曲線または弓形の切断エッジ414をさらに含み、この切断エッジ414は、第1の傾斜研削部413の長さに沿って切断先端の近位表面411ととがった端412との間に延びている。組織の収集手順中、切断エッジ414は、組織との接触時、組織を切除するように構成されている。第1の部分408は、概して、より詳細に本明細書中に記載されるように、コアリング要素として働き、その結果、長手方向軸Xの周りでの針本体402の回転移動時、切断エッジ414は、組織サンプルを剪断し、採取のために、剪断された組織を針本体402の管腔406の中にさらに引き込むように構成されている。
【0062】
切断先端の第2の部分410は、概して、第2の組の傾斜研削部から形成されている側面スロットを規定する。第2の部分410は、
図18において点線によって概して例示されるように、第1の部分408に対向しているそれと実質的に同一である針本体402の傾斜した部分の除去によって概して形成される。第2の組の傾斜研削部は、第2の傾斜研削部415を含み、この第2の傾斜研削部415は、近位表面411から延び、長手方向面に対して斜めである面に沿って置かれ、この長手方向面に沿って針本体402が置かれている。より詳しくは、第2の傾斜研削部415は、本体402の長手方向軸Xに対して概して直交している。第2の組の傾斜研削部は、第3の傾斜研削部416をさらに含み、この第3の傾斜研削部416は、第2の傾斜研削部415から切断先端のとがった端412に向かって延びている。第3の傾斜研削部416は、本体402の長手方向軸Xに対して実質的に平行である。第4の傾斜研削部417は、第3の傾斜研削部416から延び、切断先端のとがった端412において終端している。第4の傾斜417は、第3の傾斜研削部416に対して斜めである。例示される実施形態において、第1の傾斜研削部413および第4の傾斜研削部417は、同じであり得る。第2の傾斜研削部415、第3の傾斜研削部416、および第4の傾斜研削部417のうちの少なくとも1つは、サンプル収集を助けるために、その長さに沿って切断エッジを含み得る。例えば、少なくとも第4の傾斜研削部417は、切断エッジ418を含み得、この切断エッジ418は、生検手順中にサンプル収集を助けるために、サンプル物質(例えば、組織)との接触時、サンプル物質(例えば、組織)を切除するように構成されている。
図20に示されるように、切断先端は、背部切断傾斜研削部420をさらに含み得、この背部切断傾斜研削部420は、本体402の外側表面に対して斜めであり、切断先端のとがった端412に最も近く、切断先端のとがった端412において終端している。背部切断傾斜研削部420は、針100の背部切断傾斜研削部118と同様であり、本明細書中で前に記載されるのと同じ利点を提供する。
【0063】
生検針400は、
図1の送達システムと使用されるように構成されていることが留意されるべきである。従って、生検針400は、さらなる要素をさらに含み得、この要素としては、針100に関して
図13および
図14A〜
図14Bに示されるように、コレットおよび/またはエコー源性的に強化された領域もしくは音響反射領域が挙げられるが、これらに限定されず、生検手順を実施する場合、各々と関連付けられる同じ利益をさらに提供する。
【0064】
図21は、サンプル組織422の少なくとも一部分の収集(例えば、生検または採取)のために、サンプル組織422の中に挿入されている
図18〜
図20の生検針400を例示している。
図22は、サンプル組織422の中に挿入されている生検針400の切断先端の拡大された斜視図であり、生検針400を用いたサンプル組織の収集の開始を例示している。示されるように、針400は、標的部位に送達される場合、(
図1の送達システムの鞘14から)延ばされ得る。操作者(例えば、医師または他の訓練された医療要員)は、次に、(超音波技術の使用の助けあり、または超音波技術の使用の助けなしで)サンプリングされるべき標的組織422に向かって針400の遠位端404を前進させ得る。操作者は、組織422を刺し、組織422に入れると、次に、組織の収集を始め得る。例示される実施形態において、標的組織420は、例えば、異常な塊(例えば、腫瘍など)であり得る。
【0065】
矢印424によって示されるように、長手方向軸Xに沿った遠位方向への針本体402の移動時、切断先端のとがった端412は、組織422と接触し、組織422を刺すように構成されている。組織422に入り、組織422内に存在すると、切断先端の第2の部分410に形成されている少なくとも切断エッジ418は、組織422の一部分を切除し得、組織のサンプルが管腔406内に収集されることを可能にし得る。操作者は、次に、矢印426によって示されるように、針400を長手方向軸Xの周りで回転させ得る。特に、操作者は、針400が鞘14から、および組織422内で延ばされている間に送達システムの針ハブ17を回転させ得る。例えば、1つの実施形態において、針サブアセンブリ15(
図2および
図4に示される)の針ハブ17は、サムラッチ28によって送達デバイスのハンドル10に解放可能に結合される一方で回転するように構成され得る。針ハブ17を回転させると、針400の遠位端404は、第1の部分408の切断エッジ414が組織422からコア組織サンプルを切除すること、および有効に剪断することをもたらす方向に、長手方向軸Xの周りで回転し得る。1つの実施形態において、吸い込み力を標的組織422に提供し、コアリング技術中に吸引を介した組織サンプルの収集および採取をさらに助けるために、真空が、針本体402の近位端から針本体402の遠位端404に管腔406を通して連通され得る。
【0066】
針400の切断先端の独特な構成は、改善された組織収集を提供する。特に、従来の側方移動と併せた回転移動によるコアリング技術の使用は、針が制御された態様で組織の中に導かれることを確実にし、それにより、サンプルを収集することを試みる場合に、針の打ち損じまたは針シャフトの偏倚の機会を最小にする。さらに、切断先端のコアリング要素は、制御された態様で組織が管腔の中に導かれることをさらに可能にし、採取されるべき組織の量をさらに最大にする。
【0067】
図23は、本開示と一致する生検針500の別の実施形態の一部分の斜視図である。
図24は、
図23の生検針500の遠位端504の側面プロフィール図である。生検針500は、概して、長手方向軸Xを有する細長い管状本体502を含む。本体502は、開放近位端(示されない)と、開放遠位端504と、外側表面と、内側表面とをさらに含み、長手方向軸Xに沿って近位端と遠位端504との間に延びている管腔506を規定する。
【0068】
開放遠位端504は、針本体502の外側表面に対して斜めである少なくとも第1の角度付き傾斜研削部508および第2の角度付き傾斜研削部510から形成されている。第1の傾斜研削部508および第2の傾斜研削部510の各々は、概して、遠位端504の近位表面512から延び、とがった先端513において終端している。第1の傾斜研削部508および第2の傾斜研削部510のうちの少なくとも1つは、切断エッジを規定し得、この切断エッジは、特に、生検手順中、サンプル物質との接触時、サンプル物質を切除するために構成されている。例示される実施形態において、第1の傾斜研削部508は、切断エッジ509を規定し、第2の傾斜研削部510は、切断エッジ511を規定する。
【0069】
生検針500は、切断スロット514をさらに含み、この切断スロット514は、開放遠位端から、とがった先端513から離れる方向に、針本体502の近位部分に向かって延びている。切断スロット514は、外側表面および内側表面を通して、本体502の管腔506の中に延びている。切断スロット514は、対向している側壁516a、516bを含み、対向している側壁516a、516bは、開放遠位切断端504の近位表面512から延び、基部壁518において終端している。示されるように、対向している側壁516a、516bは、第3および第4の別個の角度付き傾斜研削部から形成され、第3および第4の別個の角度付き傾斜研削部は、開放遠位切断端504の近位表面512から、長手方向面に対して概して対角線方向に延び、針本体402は、この長手方向面に沿って置かれている。基部壁518は、第3および第4の傾斜研削部に対して斜めである第5の傾斜研削部から形成されている。示されるように、第5の傾斜研削部は、針本体502の長手方向軸Xに対して実質的に平行であり得る。1つの実施形態において、切断スロット514は、側壁516a、516bが長手方向軸Xに対して本体502の外側表面の周りを回るように、概して螺旋形状を有する。収集されるべきサンプルのタイプ、ならびにサンプルが収集されることになっている標的部位に依存して、切断スロット514は、針本体502の周りで、(針本体502の周囲に沿って長手方向軸Xの周りで遠位端504の近位表面512から切断スロット514の基部壁518への間で測定される場合)0.1回転〜0.9回転の間で延び得る。1つの実施形態において、螺旋状切断スロットは、針本体502に沿って約0.35回転延びている。
【0070】
対向している側壁516a、516bおよび基部壁518のうちの少なくとも1つは、切断エッジを規定し得、この切断エッジは、特に、生検手順中、サンプル物質との接触時、サンプル物質を切除するために構成されている。例えば、対向している側壁516a、516bの各々は、対応する切断エッジ520、522を規定し得、基部壁518はまた、切断エッジ524を規定し得る。例示される実施形態において、対向している側壁516a、516bの各々は、近位表面512において、第1の傾斜研削部508、および第2の傾斜研削部510からそれぞれ延びている。従って、対向している側壁516a、516bの各々は、対応する切断エッジを、関連する第1の傾斜研削部508および第2の傾斜研削部510とそれぞれ共有し得る。例えば、切断エッジ509は、とがった先端513から、遠位切断端504の第1の傾斜研削部508に沿って、側壁516aに沿って延び得、基部壁518において終端する。同様に、切断エッジ511は、とがった先端513から、遠位切断端504の第2の傾斜研削部510に沿って、側壁516bに沿って延び得、基部壁518において終端する。
【0071】
図24に示されるように、針500の遠位切断端504は、背部切断傾斜研削部526をさらに含み得、この背部切断傾斜研削部526は、本体502の外側表面に対して斜めであり、とがった先端513に最も近く、とがった先端513において終端している。背部切断傾斜研削部526は、針100の背部切断傾斜研削部118と同様であり、本明細書中で前に記載されるのと同じ利点を提供する。
【0072】
生検針500は、
図1の送達システムと使用されるように構成されていることが留意されるべきである。従って、生検針500は、さらなる要素をさらに含み得、この要素としては、針100に関して
図13および
図14A〜
図14Bに示されるように、コレットおよび/またはエコー源性的に強化された領域もしくは音響反射領域が挙げられるが、これらに限定されず、生検手順を実施する場合、各々と関連付けられる同じ利益をさらに提供する。
【0073】
図25は、サンプル組織528の少なくとも一部分の収集(例えば、生検または採取)のために、サンプル組織528の中に挿入されている
図23および
図24の生検針500を例示している。
図26は、サンプル組織528の中に挿入されている遠位端504および切断スロット514の拡大された斜視図であり、生検針500を用いたサンプル組織の収集の開始を例示している。示されるように、針500は、標的部位に送達される場合、(
図1の送達システムの鞘14から)延ばされ得る。操作者(例えば、医師または他の訓練された医療要員)は、次に、(超音波技術の使用の助けあり、または超音波技術の使用の助けなしで)サンプリングされるべき標的組織528に向かって針500の遠位端504を前進させ得る。操作者は、組織528を刺し、組織528に入れると、次に、組織の収集を始め得る。例示される実施形態において、標的組織528は、例えば、異常な塊(例えば、腫瘍など)であり得る。
【0074】
矢印530によって示されるように、長手方向軸Xに沿った遠位方向の針本体502の移動時、遠位切断端504のとがった先端513は、組織528と接触し、組織528を刺すように構成されている。組織528に入り、組織528内に存在すると、第1の傾斜研削部508の切断エッジ509および第2の傾斜研削部510の切断エッジ511は、組織528の部分を切除し得、組織のサンプルが管腔506内に収集されることを可能にし得る。
【0075】
標的とされる組織528の中により深く遠位切断端504を押し付けると、螺旋状切断スロット514は、サンプル組織の収集、およびサンプリングされた組織コアを管腔506内に引き込むことをさらに助けるために構成されている。例えば、1つの実施形態において、操作者は、線形運動で近位方向および遠位方向に針本体502を移動させることのみを必要とし、その結果、遠位切断端504が組織528の中にさらに押し付けられる場合、側壁516aの切断エッジ520、および側壁516bの切断エッジ522は、周囲組織を捕まえ、切除するように構成され、それにより、組織528からコア組織サンプルを有効に剪断する。さらに、または代替的に、遠位切断端504が組織528を刺し、切断スロット514が組織528内に位置決めされると、操作者は、矢印532によって示されるように、針500を長手方向軸Xの周りで回転させ得る。特に、操作者は、針500が鞘14から延ばされて組織528を貫通している間に、送達システムの針ハブ17を回転させ得る。例えば、1つの実施形態において、針サブアセンブリ15(
図2および
図4に示される)の針ハブ17は、サムラッチ28によって送達デバイスのハンドル10に解放可能に結合される一方で回転するように構成され得る。針ハブ17を回転させると、針500の遠位端504および切断スロット514は、対向している側壁516a、516b、および基部壁518の切断エッジ520、522、および524が周囲組織と接触してそれを切除することをもたらす方向に、長手方向軸Xの周りで回転し得る。切断スロット514の螺旋状構成は、組織を近位方向に引き寄せ得、それにより、サンプリングされた組織を管腔506の中に引き込み、組織528からコア組織サンプルを有効に剪断する。1つの実施形態において、吸い込み力を標的組織528に提供し、螺旋状剪断技術中に吸引を介した組織サンプルの収集および採取をさらに助けるために、真空が、針本体502の近位端から針本体502の遠位端504に管腔506を通して連通され得る。
【0076】
針500の切断先端の独特な構成は、改善された組織収集を提供する。特に、螺旋状切断スロットは、遠位切断端の切断表面をさらに増大させ、それにより、採取され得る組織の量を最大にする。さらに、螺旋状切断スロットの特徴は、針が制御された態様で組織の中に導かれることをさらに確実にし、それにより、サンプルを収集することを試みる場合に、針の打ち損じまたは針シャフトの偏倚の機会を最小にする。
【0077】
本開示のいくつかの実施形態が本明細書中に記載され、例示されてきたが、当業者は、機能を実施するための、ならびに/または、結果および/もしくは本明細書に記載される利点のうちの1つ以上を得るための、多様な他の手段および/または構造を容易に想定し、そのようなバリエーションおよび/または改変の各々は、本開示の範囲内にあると考えられる。より一般的に、当業者は、本明細書中に記載される全てのパラメーター、寸法、材料、および構成は、例示であることを意図されていること、ならびに実際のパラメーター、寸法、材料、および/または構成は、本開示の教示が使用される1つまたは複数の特定の適用に依存することを容易に認識する。
【0078】
当業者は、本明細書中に記載される本開示の特定の実施形態に対する多くの等価物を、認識するか、またはごく普通の実験のみを用いて確かめることができる。従って、前述の実施形態が例示としてのみ提示されること、ならびに特に記載され、特許請求されるものと別の方法で、本開示が、添付の特許請求の範囲およびそれに対する等価物の範囲内で、実施され得ることが理解されるべきである。本開示は、本明細書中に記載される各々の個々の特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法に関する。さらに、2つ以上のそのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法の任意に組み合わせは、そのような特徴、システム、物品、材料、キット、および/または方法が互いに相反するものではない場合、本開示の範囲内に含まれる。
【0079】
本明細書中で規定され、使用される全ての定義は、辞書の定義、参考として援用される文書における定義、および/または規定される用語の通常の意味を制御することが理解されるべきである。
【0080】
不定冠詞「a」および「an」は、本明細書においておよび特許請求の範囲において、本明細書中で使用される場合、そうでないと明らかに示されない限り、「少なくとも1つ」を意味することが理解されるべきである。
【0081】
句「および/または」は、本明細書においておよび特許請求の範囲において、本明細書中で使用される場合、そのように等位接続されている要素、すなわち、いくつかの場合において接続的に存在する要素および他の場合において離接的に存在する要素の、「いずれかまたは両方」を意味することが理解されるべきである。「および/または」の節によって特に識別される要素以外に、特に識別される要素と関係があろうと、無関係であろうと、そうでないと明らかに示されない限り、他の要素が、任意に存在し得る。
【0082】
本明細書にわたって、「1つの実施形態」または「実施形態」に対する参照は、実施形態に関して記載される特定の特徴、構造、または特性が、少なくとも1つの実施形態に含まれていることを意味する。従って、本明細書にわたって、様々な場所における句「1つの実施形態において」または「実施形態において」の出現は、必ずしも全てが同じ実施形態を指している必要はない。さらに、特定の特徴、構造、または特性は、1つ以上の実施形態において、任意の適切な態様で組み合わせられ得る。
【0083】
本明細書中で用いられている用語および表現は、記載の用語として使用されており、限定するものではなく、示され、記載される特徴(またはその部分)の任意の等価物をそのような用語および表現の使用において除外する意図はなく、特許請求の範囲の範囲内で様々な改変が可能であることが認識される。従って、特許請求の範囲は、全てのそのような等価物を含むことが意図される。
【0084】
参考としての援用
他の文書(例えば、特許、特許出願、特許公報、雑誌、本、論文、ウェブコンテンツ)に対する参照および引用が、本開示にわたってなされている。全てのそのような文書は、全ての目的のために、それらの全体が本明細書により本明細書中で参考として援用される。
【0085】
等価物
本発明の様々な改変およびそれらの多くのさらなる実施形態は、本明細書中に示され、記載されるものの他に、本明細書中に引用される科学的文献および特許文献への参照を含む本文書の完全な内容から当業者に明らかとなる。本明細書中の主題は、その様々な実施形態およびその等価物において、本発明の実施に適合され得る重要な情報、例証、および手引きを含む。