特許第6078148号(P6078148)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6078148情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6078148
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理方法、およびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/041 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   G06F3/041 540
   G06F3/041 600
【請求項の数】5
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2015-255412(P2015-255412)
(22)【出願日】2015年12月25日
【審査請求日】2015年12月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】505205731
【氏名又は名称】レノボ・シンガポール・プライベート・リミテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100084250
【弁理士】
【氏名又は名称】丸山 隆夫
(72)【発明者】
【氏名】大山 敦史
(72)【発明者】
【氏名】中島 崇
(72)【発明者】
【氏名】小杉 和宏
(72)【発明者】
【氏名】内野 顕範
【審査官】 池田 聡史
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第2015/053249(WO,A1)
【文献】 特開2014−174631(JP,A)
【文献】 特開2013−150201(JP,A)
【文献】 特開2013−239070(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/179556(WO,A1)
【文献】 特開2012−027875(JP,A)
【文献】 特開2014−137666(JP,A)
【文献】 特開2012−221310(JP,A)
【文献】 特開2015−114773(JP,A)
【文献】 特開2014−056481(JP,A)
【文献】 特開2012−181703(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/041
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ディスプレイと、
前記ディスプレイに積層したタッチパネルと、
加速度センサと、
前記加速度センサの出力に基づいて、自装置が安定な状態を保持している第1の状態と、自装置が安定な状態を保持しない第2の状態と、を区分けする区分手段と、
前記タッチパネルにかかる所定の圧力に基づいて出力される出力値を、前記第1の状態と、前記第2の状態とで異ならせるよう制御する制御手段と、
を備え、
前記制御手段は、前記第1の状態で前記タッチパネルにかけた前記圧力に基づいて出力される出力値よりも、前記第2の状態で前記タッチパネルにかけた前記圧力に基づいて出力される出力値を大きくするように制御し、
前記区分手段は、自装置が有振動状態であると判断したとき、自装置の状態を、前記第2の状態に区分けする、
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記区分手段は、前記情報処理装置と水平線とが成す傾き角に応じて、前記第1の状態と、前記第2の状態と、を区分けする、
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記区分手段は、前記情報処理装置の振動の程度に応じて、前記第1の状態と、前記第2の状態と、を区分けする、
ことを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
加速度センサの出力に基づいて、自装置が安定な状態を保持している第1の状態と、自装置が安定な状態を保持しない第2の状態と、を区分けするステップと、
タッチパネルにかかる所定の圧力に基づいて出力される出力値を、前記第1の状態と、前記第2の状態とで異ならせるよう制御するステップと、
を有し、
前記制御するステップは、前記第1の状態で前記タッチパネルにかけた前記圧力に基づいて出力される出力値よりも、前記第2の状態で前記タッチパネルにかけた前記圧力に基づいて出力される出力値を大きくし、
前記区分するステップは、自装置が有振動状態であると判断したとき、自装置の状態を、前記第2の状態に区分けする、
ことを特徴とする情報処理方法。
【請求項5】
加速度センサの出力に基づいて、自装置が安定な状態を保持している第1の状態と、自装置が安定な状態を保持しない第2の状態と、を区分けする工程と、
タッチパネルにかかる所定の圧力に基づいて出力される出力値を、前記第1の状態と、前記第2の状態とで異ならせるよう制御する工程と、
をコンピュータに実行させ、
前記制御する工程は、前記第1の状態で前記タッチパネルにかけた前記圧力に基づいて出力される出力値よりも、前記第2の状態で前記タッチパネルにかけた前記圧力に基づいて出力される出力値を大きくし、
前記区分する工程は、自装置が有振動状態であると判断したとき、自装置の状態を、前記第2の状態に区分けする、
ことを特徴とするプログラム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
ユーザが指やペンで表示画面上に直接情報を入力することができる機器として、タブレット端末などがある。このタブレット端末は、ディスプレイ部にタッチパネルというデバイスを搭載していることで、指やペンによる情報の入力を可能とさせている。タッチパネルとは、ディスプレイ部に位置検出用のセンサなどを統合することで、タッチパネルに接触した指やペンの位置を感知し、タブレット端末に指示を与えることができるものである。近年、表示と入力の2つの機能を融合したタッチパネルを備えたタブレット端末の急速な普及が進んでいる。
【0003】
タブレット端末のディスプレイ部に備えるタッチパネルには様々な方式のものがある。指やペンなどで押した画面の位置を電圧変化の測定によって検知する抵抗膜方式や、画面に指で触れると発生する微弱な電流、つまり静電容量(電荷)の変化をセンサで感知し、タッチした位置を把握する静電容量方式などが主な方式である。近年では、特許文献1のようにタブレット端末に振動アクチュエータを備え、ユーザがタッチパネルにタッチすることで振動(ハプティック)を与えるという技術も公開されており、タッチパネルに様々な機能を有したタブレット端末の開発が進んでいる。
【0004】
タブレット端末は、ノートブック型パーソナルコンピュータと比較しても軽量かつコンパクトであるため、屋外などでも気軽に使用することができる。そのような状況の中、どのような場所でも一定の操作性を実現できるタブレット端末のニーズが高まっている。タブレット端末は、指やペンなどで画面に力を加えることでセンサが力を加えられた位置を検出し、所定の処理を行うものである。例えば、電車の中などでは、ユーザが膝の上など不安定な場所で指やペンで画面に力を加えることになる。そのような不安定な状況では、ユーザが指やペンで力を加える際にタブレット端末が動いてしまったりするため、大変操作しづらい。
【0005】
そのような状況を踏まえて、ユーザが、タブレット端末の画面にかかる圧力に基づいて出力される出力値を状況に応じて変更できる技術が公開されている。つまり、ユーザの膝の上などの不安定な状況で画面にかける圧力と、載置などの安定な状況で画面にかける圧力とでは、同等の圧力でも異なる出力値となるため、状況に応じた操作性の向上が期待できる。
【0006】
しかし、これまでのタブレット端末の画面にかかる圧力に基づいた出力値の変更は、ユーザ自身が画面上で変更の手続きを取らなければならなかった。安定な状況、不安定な状況をユーザ自身が判断し、変更の手続きを行うため、ユーザの負担が大きいという課題がある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2014−203457号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
そこで、本発明は、上記課題に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、
機器の状態に応じて、タッチパネルにかかる圧力に基づいて出力される出力結果を変更させ、円滑なタッチ操作性を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る情報処理装置は、ディスプレイと、ディスプレイに積層したタッチパネルと、加速度センサと、加速度センサの出力に基づいて、自装置が安定な状態を保持している第1の状態と、自装置が安定な状態を保持しない第2の状態と、を区分けする区分手段と、タッチパネルにかかる所定の圧力に基づいて出力される出力値を、第1の状態と、第2の状態とで異ならせるよう制御する制御手段と、を備え、制御手段は、第1の状態でタッチパネルにかけた圧力に基づいて出力される出力値よりも、第2の状態でタッチパネルにかけた圧力に基づいて出力される出力値を大きくするように制御し、区分手段は、自装置が有振動状態であると判断したとき、自装置の状態を、第2の状態に区分けする、ことを特徴とする。
【0010】
本発明に係る情報処理方法は、加速度センサの出力に基づいて、自装置が安定な状態を保持している第1の状態と、自装置が安定な状態を保持しない第2の状態と、を区分けするステップと、タッチパネルにかかる所定の圧力に基づいて出力される出力値を、第1の状態と、第2の状態とで異ならせるよう制御するステップと、を有し、制御するステップは、第1の状態でタッチパネルにかけた圧力に基づいて出力される出力値よりも、第2の状態でタッチパネルにかけた圧力に基づいて出力される出力値を大きくし、区分するステップは、自装置が有振動状態であると判断したとき、自装置の状態を、第2の状態に区分けする、
ことを特徴とする。
【0011】
本発明に係るプログラムは、加速度センサの出力に基づいて、自装置が安定な状態を保持している第1の状態と、自装置が安定な状態を保持しない第2の状態と、を区分けする工程と、タッチパネルにかかる所定の圧力に基づいて出力される出力値を、第1の状態と、第2の状態とで異ならせるよう制御する工程と、を有し、制御する工程は、第1の状態でタッチパネルにかけた圧力に基づいて出力される出力値よりも、第2の状態でタッチパネルにかけた圧力に基づいて出力される出力値を大きくし、区分する工程は、自装置が有振動状態であると判断したとき、自装置の状態を、第2の状態に区分けする、ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、機器の状態に応じて、タッチパネルにかかる圧力に基づいて出力される出力結果を変更させ、円滑なタッチ操作性を実現することができる情報処理装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
図1】本発明の実施形態にかかる情報処理装置の構成図である。
図2】本発明の実施形態にかかる情報処理装置の機能ブロック図である。
図3】本発明の実施形態にかかる圧力レンジパターンを示した図である。
図4】本発明の実施形態にかかる情報処理装置の状態と圧力レンジパターンの関係をテーブルにした図である。
図5】本発明の実施形態にかかるフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0014】
以下、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0015】
まず、本実施形態の情報処理装置1の構成について図1を用いて説明する。尚、情報処理装置1の構成は、図1に示したものと必ずしも同じ構成である必要はなく、本実施形態を実現できるハードウェア、機能を備えていればそれで十分である。
【0016】
情報処理装置1は、所定のプログラムを実行することにより、情報処理装置1の全体の制御を実現するための制御部100と、液晶、および有機ELなどのパネルを用いたディスプレイを備えた表示部110と、情報処理装置1の状態を検出するセンサ部130と、ネットワーク及び外部機器との接続を可能とする通信I/F150と、情報処理装置1が読出すプログラムや、各種データを不揮発に記憶する記憶部160電源のON/OFFや各種設定に必要なハードウェアによる入力キーから構成される入力部170と、データなどを一時的に保存する保存部180と、を備えている。
【0017】
情報処理装置1の制御部100は、所定のプログラムを実行することにより、情報処理装置1の全体の制御を実現する。情報処理装置1を構成する種々の機能と連動し、所定のプログラムに基づいて処理を実行する。制御部100は、種々のプログラムを読み出す読み出し専用メモリであるROMと、CPUで構成することが可能である。
【0018】
情報処理装置1の表示部110は、制御部100から供給される画像情報や映像信号にしたがって画像を表示する。尚、本実施例で用いる情報処理装置は、表示部のディスプレイ部に、表示された画像に基づいて、文字、数字、記号等の情報を入力するためのタッチパネル120を備えている。
【0019】
図示していないが、タッチパネル120には、位置検出用のセンサが結合されている。この位置検出用のセンサを用いることで、画面に接触した指やペンの位置を感知し、コンピュータに指示を与えることができる。尚、タッチ操作の検出方式には、指やペンなどで押した画面の位置を電圧変化の測定によって検知する抵抗膜方式や、画面に指で触れると発生する微弱な電流、つまり静電容量(電荷)の変化をセンサで感知する静電容量方式があるが、これらの検出方式を採用したタッチパネルでもよいし、その他の検出方式でもよい。
【0020】
情報処理装置1のセンサ部130は、情報処理装置1の状態を判断する指標となる値を検出するセンサにより構成されている。ここでの状態とは、情報処理装置1が置かれている状態のことである。状態を判断する指標は様々なものが想定されるが、本実施例では加速度センサ140を用いて、情報処理装置1が水平線に対して傾いている傾き角、および情報処理装置1の振動の程度を検出し、その情報に基づいて制御部100が情報処理装置1の状態を判断する。
【0021】
情報処理装置1の状態を検出するためには、加速度センサ以外のセンサを用いても検出することができる。例えば、加速度センサの代わりに、或は加速度センサと併せて、ジャイロセンサを用いることもできる。或は、圧力センサを用いて、情報処理装置1と直接接触する部材との接触面にかかる圧力を測定する方法がある。かかる圧力に閾値を設けて所定の圧力以上の圧力が接触面にかかっていれば安定な状態であると判断する。また、光センサを用いて、情報処理装置1と直接接触する部材とがどの程度接触しているかを光量で検知して、その検知結果から安定な状態か不安定な状態かを判断する。本実施形態では加速度センサを用いているが、圧力センサ、光センサ、またはその他のセンサを用いて情報処理装置1の状態を検出するような構成も可能である。
【0022】
情報処理装置1の通信I/F150は、外部の機器やコンピュータ等の電子機器との間で各種情報をネットワークを介して入出力するためのインターフェースである。通信I/F150は、例えばUSBポートやLANポート、無線LANポートなどがあり、外部の機器とデータの送受信が行えればどのようなものでも構わない。
【0023】
情報処理装置1の記憶部160は、情報処理装置1が読出すプログラムや、各種データを不揮発に記憶する。記憶部160は、例えば制御部100が作業用メモリとして使用するRAMや、電源が切断されたときに種々のデータの記録を保持することが可能なHDDで構成することができる。
【0024】
情報処理装置1の入力部170は、電源のON/OFFや各種設定に必要なハードウェアによる入力キーにより構成されている。
【0025】
情報処理装置1の保存部180は、制御部100が所定のプログラムに基づいて行った処理のデータ、または、本実施形態では、情報処理装置1の状態と圧力レンジパターンの関係性を予めテーブル情報として備えているが、そのテーブル情報を保存しておいてもよい。テーブル情報については後述で説明する。保存されているデータは制御部100が所定のプログラムに基づいて読み出される。尚、本実施形態で用いるテーブル情報など、予め備えている情報は、保存部180でなく、記憶部160に記憶させることも可能である。保存部180は、制御部100が作業用メモリとして使用するRAMなどで構成することができる。
【0026】
次に、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。図2は本実施形態の情報処理装置の機能ブロックを示すものである。本実施形態にかかる情報処理装置1は、センサ10と、区分手段11と、制御手段12と、を備えている。
【0027】
情報処理装置1のセンサ10は、情報処理装置1の状態を検出する。本実施形態では加速度センサを用いて、情報処理装置1の水平線に対して傾いている傾き角、および情報処理装置1がどのくらい振動しているかを検出する。
【0028】
情報処理装置1のセンサ10はセンサ部130により実現が可能である。
【0029】
情報処理装置1の区分手段11は、センサの出力に基づいて、該情報処理装置が水平線に対して平行な状態を保持している第1の状態と、該情報処理装置が水平線に対して平行な状態を保持しない第2の状態と、に区分けする。第1の状態は、例えば机などに載置された状態などであり、水平線に対して平行な状態を保持している。つまり、第1の状態は、タッチパネルに外部から圧力がかかっても、動いたり振動したりしない安定な状態であるといえる。
【0030】
第2の状態は、例えば情報処理装置1の一部分が支持部材などで水平線に対して傾斜して支持されている状態がある。また、第2の状態には、人が手で保持している状態なども考え得る。また、人が保持している状態であれば、場合によっては水平線に対して平行な状態とも成りうるが、微弱にも振動している状態であるため、第1の状態には該当しない。センサから出力される情報処理装置1の水平線に対する傾き角、および情報処理装置に生じる振動の有無により、第1の状態、および第2の状態に区分けがされる。
【0031】
情報処理装置1の区分手段11は、制御部100、センサ部130により実現が可能である。
【0032】
情報処理装置1の制御手段12は、タッチパネルにかかる圧力と出力値の関係性に関して図3を用いて説明する。
【0033】
図3は、本発明の実施形態にかかる、タッチパネルにかかる圧力と出力値の関係を示した図である。ここでの出力値は、タッチパネルにかかる圧力に基づいて出力される信号の強度である。本実施形態では出力値が128段階であるものとし、複数の圧力レンジパターンを備えているものとする。尚、出力値は128段階だけでなく、256段階やその他の出力値段階でも適用することができる。出力値の圧力レンジパターンAでは、出力値の最大である128段階の出力値を得るために必要な圧力は1(pa)であるにあるのに対し、出力値の圧力レンジパターンBでは出力値の最大である128段階の出力値を得るために必要な圧力は必要な圧力は0.6(pa)である。
【0034】
出力値の圧力レンジパターンAに対して、出力値の圧力レンジパターンBは、少ない圧力で大きい出力値を得ることができる。本実施形態では、出力値の圧力レンジパターンAを第1の状態、出力値の圧力レンジパターンBを第2の状態に適用する。これは、第2の状態が第1の状態に対して不安定な状態であるといえるため、より少ない圧力で大きい出力値を出力する必要がある。ここでの不安定な状態とは、タッチパネルに圧力を加えた際に、情報処理装置1が動いたり、情報処理装置1が振動しているため圧力をかけづらいなどの状態である。
【0035】
次に、本発明の実施形態にかかる情報処理装置の状態と出力値の圧力レンジの関係を説明する。図4は本発明の実施形態にかかる情報処理装置の状態と出力値の圧力レンジの関係を説明する図である。
【0036】
図4のテーブルは、区分手段11により区分された状態パターン(第1の状態、第2の状態)での加速度センサによる検出結果(振動の有無、情報処理装置と水平線との成す角度)と、出力値の圧力レンジパターンを対応させたものである。状態例においては、加速センサから検出された出力結果に基づいて、考えうるシチュエーションを記載したものであるため、この限りではない。尚、このテーブルは記憶部160、または保存部180に記憶しておき、加速度センサからの出力を受けて制御部100が読み出して参照する。
【0037】
加速度センサからの出力結果で「振動無し」、「水平線との成す角θ=0°」であれば第1の状態であると判断される。また、その際の出力値の圧力レンジパターンはAと設定される。また、加速度センサからの出力結果で「振動無し」、「水平線との成す角θ≠0°」、または加速度センサからの出力結果で「振動有り」であれば第2の状態であると判断される。尚、「振動有り」の状態では「水平線との成す角θ」はどの値であっても第2の状態であると判断することにする。
【0038】
第2の状態であると判断された際には、出力値の圧力レンジパターンはBと設定される。
【0039】
情報処理装置1の制御手段12は、制御部100、センサ部130、記憶部160、保存部180により実現が可能である。
【0040】
次に、本発明の実施形態にかかるフローチャートを説明する。図5は本実施形態の発明の実施形態にかかるフローチャートである。
【0041】
まず、現在の情報処理装置1の状態が第1の状態であるとする(ステップ1)。次に加速度センサより傾き角、および振動状態を出力する(ステップ2)。加速度センサからの出力により、判断テーブルを読み出し、現在の情報処理装置1の状態を判断する(ステップ3)。情報処理装置1の状態を確認し、状態が第1の状態から変更があった場合(ステップ4)、判断テーブルに基づいて出力値の圧力レンジを変更する(ステップ5)。
【0042】
尚、ステップ4にて、情報処理装置1の状態が第1の状態から変更がなかった場合は、状態の変更無しと判断して、出力値の圧力レンジパターンの変更は行わない(ステップ6)。
【0043】
以上、本実施を好適な形態で行う実施例を説明した。ここでは特定の具体例を示して説明を行ったが、特許請求の範囲の趣旨及び範囲から逸脱しない範囲で、本具体例の様々な修正、および形態変更などが可能である。
【0044】
実施形態の変更の1例としては、センサ部130を構成する状態を検出するセンサを加速度センサではなく、圧力センサ、静電センサ、光センサを用いる構成が可能である。また、センサは1種類だけでなく、複数のセンサを組み合わせて様々の状態を規定し、それの状態ごとに出力値の圧力レンジを変更できるようにすれば、更なる使用性の向上が期待できる。
【0045】
様々な状態検出用のセンサを用いることで、安定な状態A、および安定な状態ではない状態Bのバリエーションを広げることが可能となる。例えば、圧力センサ等で情報処理装置1と接触している接触面とにかかる圧力を検出することで安定な状態か否かを判定することが可能となり、本実施例で説明したような情報処理装置1が水平であるような場合に限定されない安定な状態を定義することが可能となる。情報処理装置1の水平方向に対する傾き状態、および振動状態以外の他の要素を状態の安定、および不安定に加えて定義することが可能となる。
【0046】
本発明により、機器の状態に応じて、機器の状態に応じて、タッチパネルにかかる圧力に基づいて出力される出力結果を変更させ、円滑なタッチ操作性を実現することができる情報処理装置を提供することができる。
【符号の説明】
【0047】
10 センサ
11 区分手段
12 制御手段
【要約】
【課題】機機器の状態に応じて、タッチパネルにかかる圧力に基づいて出力される出力結果を変更させ、円滑なタッチ操作性を実現することができる情報処理装置、情報処理方法、およびプログラムを提供することである。
【解決手段】本発明に係る情報処理装置は、ディスプレイと、ディスプレイに積層したタッチパネルと、自装置が安定な状態に置かれている状態か否かの指標となる値を検出するセンサと、センサの出力に基づいて、自装置が安定な状態を保持している第1の状態と、自装置が安定な状態を保持しない第2の状態と、を区分けする区分手段と、タッチパネルにかかる所定の圧力に基づいて出力される出力値を、第1の状態と、第2の状態とで異ならせるよう制御する制御手段と、を備える、ことを特徴とする。
【選択図】図2
図1
図2
図3
図4
図5