特許第6078176号(P6078176)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078176
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】波形鋼管及びその製造方法
(51)【国際特許分類】
   B21C 37/06 20060101AFI20170130BHJP
   B21C 37/16 20060101ALI20170130BHJP
   F16L 9/06 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   B21C37/06 A
   B21C37/16
   F16L9/06
【請求項の数】5
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2015-562896(P2015-562896)
(86)(22)【出願日】2013年12月12日
(65)【公表番号】特表2016-516581(P2016-516581A)
(43)【公表日】2016年6月9日
(86)【国際出願番号】KR2013011522
(87)【国際公開番号】WO2014148724
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2015年9月9日
(31)【優先権主張番号】10-2013-0028442
(32)【優先日】2013年3月18日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】515247705
【氏名又は名称】ベク,ヨン ソク
(74)【代理人】
【識別番号】110000051
【氏名又は名称】特許業務法人共生国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】ベク,ヨン ソク
【審査官】 池ノ谷 秀行
(56)【参考文献】
【文献】 米国特許第04186779(US,A)
【文献】 米国特許第03921883(US,A)
【文献】 米国特許第03857159(US,A)
【文献】 特開昭51−141761(JP,A)
【文献】 特開平08−014447(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B21C 37/06−37/30
F16L 9/06
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
軸方向に連続する複数の単位鋼管(130、230)を含む波形鋼管(100,200)であって、
前記単位鋼管(130、230)は、
表面が平坦な第1の単位鋼板(10)が円筒状に巻き付けられて外周面が平坦な管に成形され、前記第1の単位鋼板(10)の両端が突き合わせられた第1の繋ぎ部(111、211)が形成されている第1の円筒状管(110、210)と、
波状に成形されて中空部(122.222)を有する第2の単位鋼板(20)が円筒状に巻き付けられて円周方向に垂直に突出した中空部(122.222)が長さ方向に一定間隔で配列されて波状となり、前記第2の単位鋼板(20)の両端が突き合わせられた第2の繋ぎ部(121、221)が形成されている波形の第2の円筒状管(120、220)と、
を備え、
前記波形鋼管は、
第1の円筒状管(110、210)の外周に第2の円筒状管(120、220)をシーム溶接により固定して互いに重なった形態に構成されており、シーム溶接は、第2の単位鋼板(20)の中空部(122、222)の間の面に行われ、
前記第2の円筒状管(120、220)は、前記第2の単位鋼板(20)の内面が前記第1の繋ぎ部(111、211)を覆うように円筒状に巻き付いて前記第1の円筒状管(110、210)の外面に重なり、
前記第2の繋ぎ部(121、221)は、前記第1の繋ぎ部(111、211)に対応しないように位置し、
前記第1の円筒状管(110、210)は、軸方向の1端に段付き部(112、212)を備え、
前記第1の単位鋼板(10)からなる前記第1の円筒状管(110、210)の前記段付き部(112、212)は、第1の単位鋼板(10)の一側が第1の単位鋼板(10)の平面に垂直で前記第1の単位鋼板(10)を円筒状に巻き付けた際前記第1の円筒状管(110、210)の外周方向になるよう折り曲げられた後、再度第1の単位鋼板(10)と並行になるよう折り曲げられた段付き部(112、212)を形成しており、前記段付き部(112、212)の外径が前記第1の円筒状管(110、210)の外径より大きい直径を有するように形成され、
前記段付き部(112、212)には、段付き部が設けられていない第1の円筒状管(110,210)の他端が挿入可能であり、
前記単位鋼管(130、230)は、軸方向に複数連続するとき、前記第1の円筒状管(110、210)の前記段付き部(112、212)の反対側が前記段付き部(112、212)に挿入されて複数の単位鋼管(130、230)が互いに結合されることを特徴とする波形鋼管
【請求項2】
前記第2の円筒状管(120、220)は、円周方向に垂直に突出し第2の円筒状管の軸方向断面の外周部が櫛形状に形成された中空部(122、222)を備えることを特徴とする請求項1に記載の波形鋼管
【請求項3】
前記段付き部(212)の内面には、前記段付き部(212)の円周方向に沿って一定間隔に配列されている複数の溝(213)をさらに備え、前記溝(213)は、第2の円筒状管(220)の軸方向に沿って延長され、前記溝(213)内には接着性充填剤が注入されることを特徴とする請求項1に記載の波形鋼管
【請求項4】
a)平板の長い第1の鋼板(1)をロール状に用意するステップ(S11)と、
b)平板の長い第2の鋼板(2)をロール状に用意するステップ(S12)と、
c)ロール状に用意された前記第1の鋼板(1)を解きながら所定の長さで切断して第1の単位鋼板(10)を複数用意するステップ(S13)と、
d)前記第1の単位鋼板(10)の一側をロールフォーミングにより前記第1の単位鋼板(10)の平面に垂直な方向に折り曲げて前記第1の単位鋼板(10)の一側に段付き部(112)を形成するステップ(S14)と、
e)ロール状に用意された前記第2の鋼板(2)を解きながらロールフォーミングにより前記第2の鋼板(2)の両側を一定パターンで折り曲げて複数の中空部(122)を形成するステップ(S15)と、
f)中空部(122)が形成された第2の鋼板(2)を所定の長さで切断して第2の単位鋼板(20)を複数用意するステップ(S16)と、
g)前記第1の単位鋼板(10)の先端部を半円状に巻き付けた段階で、前記第2の単位鋼板(20)の先端部を前記第1の単位鋼板(10)の下に供給するステップ(S17)と、
h)前記第1の鋼板(10)に前記第2の単位鋼板(20)が供給された後、前記第2の単位鋼板(20)の中空部(122)の間の面で前記第2の単位鋼板(20)を前記第1の単位鋼板(10)にシーム溶接するステップ(S18)と、
i)前記第1の単位鋼板(10)を円筒状に完全に巻き付けた後、前記第2の単位鋼板(20)を円筒状に完全に巻き付けて、前記第2の単位鋼板(20)の突き合わせられた両端を溶接して第1の単位鋼板(10)からなる第1の円筒状管(110)及び第2の単位鋼板(20)からなる第2の円筒状管(120)が互いに重なった単位鋼管(130)を完成するステップ(S19)と、
j)前記単位鋼管(130)を前進移動させた後、追加の第1の単位鋼板(10)の段付き部(112)が前記単位鋼管(130)の第1の円筒状管(110)の外面に密着されるように、前記追加の第1の単位鋼板(10)を前記単位鋼管(130)の下に供給するステップ(S20)と、
k)前記a)〜i)のステップを経て追加の単位鋼管(130)を完成した後、前記j)〜i)のステップを繰り返して複数の単位鋼管(130)を互いに連結させるステップ(S21)と、
を含むことを特徴とする波形鋼管の製造方法。
【請求項5】
a)平板の長い第1の鋼板(1)をロール状に用意するステップ(S111)と、
b)平板の長い第2の鋼板(2)をロール状に用意するステップ(S112)と、
c)ロール状に用意された前記第1の鋼板(1)を解きながら所定の長さで切断して第1の単位鋼板(10)を複数用意するステップ(S113)と、
d)前記第1の単位鋼板(10)の一側をロールフォーミングにより前記第1の単位鋼板(10)の平面に垂直な方向に折り曲げて前記第1の単位鋼板(10)の一側に段付き部(212)を形成するステップ(S114)と、
e)前記段付き部(212)の内面に前記第1の単位鋼板(10)の長さ方向に延長される複数の溝(213)を形成するステップ(S115)と、
f)ロール状に用意された前記第2の鋼板(2)を解きながらロールフォーミングにより前記第2の鋼板(2)の両側を一定パターンで折り曲げて複数の中空部(222)を形成するステップ(S116)と、
g)中空部(222)が形成された第2の鋼板(2)を所定の長さで切断して第2の単位鋼板(20)を複数用意するステップ(S117)と、
h)前記第1の単位鋼板(10)の先端部を半円状に巻き付けた段階で、前記第2の単位鋼板(20)の先端部を前記第1の単位鋼板(10)の下に供給するステップ(S118)と、
i)前記第1の鋼板(10)に前記第2の単位鋼板(20)が供給された後、前記第2の単位鋼板(20)の中空部(122)の間の面で前記第2の単位鋼板(20)を前記第1の単位鋼板(10)にシーム溶接するステップ(S119)と、
j)前記第1の単位鋼板(10)を円筒状に完全に巻き付けた後、前記第2の単位鋼板(20)を円筒状に完全に巻き付けて、前記第2の単位鋼板(20)の突き合わせられた両端を溶接して第1の単位鋼板(10)からなる第1の円筒状管(210)及び第2の単位鋼板(20)からなる第2の円筒状管(220)が互いに重なった単位鋼管(230)を完成するステップ(S120)と、
k)前記単位鋼管(230)を前進移動させた後、追加の第1の単位鋼板(10)の段付き部(212)が前記単位鋼管(230)の第1の円筒状管(210)の外面に密着されるように、前記追加の第1の単位鋼板(10)を前記単位鋼管(230)の下に供給するステップ(S121)と、
を含み、
l)前記a)〜i)のステップを経て追加の単位鋼管(230)を完成した後、前記j〜i)のステップを繰り返して複数の単位鋼管(230)を互いに連結させるステップ(S122)と、
m)前記溝(213)の内側に接着性充填剤を充填し硬化して互いに連結された前記複数の単位鋼管(230)を固定させるステップ(S123)と、を含むことを特徴とする波形鋼管の製造方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、波形鋼管に係り、より詳しくは、流体の流れが円滑であり、波形鋼管の内部の増加する圧力によって容易に破裂せず、波形鋼管の製造が迅速になされるので、製造期間及び製造単価が低減される波形鋼管及びその製造方法に関する。
【背景技術】
【0002】
道路、港湾、下水処理場等で流体の移動を案内するために、コンクリート管が主に使用される。このコンクリート管は、自体の重量及び体積の増加のため、運搬及び取扱時に重装備の投入が求められ、施工の際には、鋳型の設置及び解体による作業性低下とともに、連結部の増加のため、工事期間が長くなり、また、連結部を結ぶ基礎セメントの凍結による季節的制約を受けるようになるという問題を有するようになる。
さらに、コンクリート管は、強度は優れているが、運搬及び施工の際、外部から加えられる衝撃に弱く、容易に亀裂が入るか、または酷い場合には破損されるという問題を有している。
このため、近年、亜鉛めっき鋼板を螺旋状に巻き付け、その巻き付けた境界部をロックシーム(lock seam)連結した鋼管が使用されるようになり、その使用量が次第に増加しつつある。
このような鋼管は、螺旋状に巻き付いてその境界部がロックシーム連結されたロックシーム連結部を除いた残りの部分は、全て滑らかな単純な形態である。この鋼管は、コンクリート管が持つ問題をかなりの部分で解決しているが、未だロックシーム連結部位を除いた残りの全体部分の内径部が屈曲されておらず、扁平であるため、強度が劣るという問題を抱えており、上下水道のような流体の移送を案内する用途としては幅広く使用されていないのが現実である。
【0003】
このような鋼管の問題を解決するために、管の周りに長さ方向に沿って螺旋をなすようにしたしわ型鋼管が製造されて市販されている。このしわ型鋼管は、内径部の方が開放されるようにほぼ柔らかい波状の凹入部が連続的に一体化された形態であり、内径部の方が開放されるようにほぼコ字状の凹入部が適当な間隔をおいて形成された形態である。
このようなしわ型鋼管は、施工後、使用過程において管本体に形成されたしわのため、強度がかなり強くなり、特に、上下水道の流れを案内する管として適合し使用されるという長所がある、一方で、鋼管の内部のしわなどのため、いくつかの問題が生じている。
すなわち、流体が管本体の内径に沿って流れるとき、連続形成されたしわなどのため、干渉を強く受けるようになり、その流れが円滑でなく、この場合、管本体の内径部に作用する圧力が必要以上に上がってロックシーム部位が頻繁に破裂され、その破裂部位から漏水が発生するという問題がある。その上、しわを形成することにより、一体化された凹入部に沈殿物が蓄積し、長期間使用する場合、沈殿物の腐敗により流体が汚染されるという問題もあった。
【0004】
さらに、このような従来のしわ型鋼管の他の問題は、鋼管の周りに波形のしわが螺旋状に連続形成されているため、一定の長さで切断された鋼管を連結させるのが極めて難しいという点である。すなわち、鋼管の両端部を互いに連結させるためには、鋼管の対応端部の周りにフランジを結合させなければならないが、従来の波形鋼管の周りには、その一端から他端まで螺旋状しわが連続的に形成されているため、鋼管の両端部の外周面に一般的な形態のフランジを結合させることができなかった。
したがって、従来の波形鋼管を連結させようとする時には、鋼管の外周面に突出した螺旋状しわを勘案した特殊なフランジを別に製作した後、この特殊製作されたフランジを用いて鋼管の対応端部を連結させなければならないので、製造工程が増加し、製造単価が上昇するなどの問題が生じていた。
【0005】
このような従来の波形鋼管の問題を解決するために、本発明者は、「波形鋼管及びその製造方法」に関する特許(大韓民国特許出願番号10−2011−0061698号)を出願した。この特許は、流体が鋼管の内部に沿って円滑に流れることができ、鋼管の補強作業が簡便であり、補強リングを用いて鋼管等の対応端部を連結することができる。しかし、この波形鋼管のロック密封(lock seam)された部分に補強リングを固定することができないことから、補強リングの設置区間が制限的であり、このため、鋼管等の対応端部を補強リングを用いて連結させるのに困難があり、補強リングだけで鋼管の強度を効果的に増加させるには多少困難があった。
このため、本発明者は、従来の波形鋼管等に対する諸問題を解決するために、下記の技術を開発した。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】大韓民国特許出願番号10−2011−0061698号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明が解決しようとする課題は、強度が増加し、流体の流れが円滑であり、鋼管の内部の増加する圧力によって容易に破裂せず、製造期間及び製造単価が低減される波形鋼管及びその製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、軸方向に連続する複数の単位鋼管(130、230)を含む波形鋼管(100,200)であって、
前記単位鋼管(130、230)は、
表面が平坦な第1の単位鋼板(10)が円筒状に巻き付けられて外周面が平坦な管に成形され、前記第1の単位鋼板(10)の両端が突き合わせられた第1の繋ぎ部(111、211)が形成されている第1の円筒状管(110、210)と、
波状に成形されて中空部(122.222)を有する第2の単位鋼板(20)が円筒状に巻き付けられて円周方向に垂直に突出した中空部(122.222)が長さ方向に一定間隔で配列されて波状となり、前記第2の単位鋼板(20)の両端が突き合わせられた第2の繋ぎ部(121、221)が形成されている波形の第2の円筒状管(120、220)と、
を備え、
前記波形鋼管は、
第1の円筒状管(110、210)の外周に第2の円筒状管(120、220)をシーム溶接により固定して互いに重なった形態に構成されており、シーム溶接は、第2の単位鋼板(20)の中空部(122、222)の間の面に行われ、
前記第2の円筒状管(120、220)は、前記第2の単位鋼板(20)の内面が前記第1の繋ぎ部(111、211)を覆うように円筒状に巻き付いて前記第1の円筒状管(110、210)の外面に重なり、
前記第2の繋ぎ部(121、221)は、前記第1の繋ぎ部(111、211)に対応しないように位置し、
前記第1の円筒状管(110、210)は、軸方向の1端に段付き部(112、212)を備え、
前記第1の単位鋼板(10)からなる前記第1の円筒状管(110、210)の前記段付き部(112、212)は、第1の単位鋼板(10)の一側が第1の単位鋼板(10)の平面に垂直で前記第1の単位鋼板(10)を円筒状に巻き付けた際前記第1の円筒状管(110、210)の外周方向になるよう折り曲げられた後、再度第1の単位鋼板(10)と並行になるよう折り曲げられた段付き部(112、212)を形成しており、前記段付き部(112、212)の外径が前記第1の円筒状管(110、210)の外径より大きい直径を有するように形成され、
前記段付き部(112、212)には、段付き部が設けられていない第1の円筒状管(110,210)の他端が挿入可能であり、
前記単位鋼管(130、230)は、軸方向に複数連続するとき、前記第1の円筒状管(110、210)の前記段付き部(112、212)の反対側が前記段付き部(112、212)に挿入されて複数の単位鋼管(130、230)が互いに結合されることを特徴とする。
【0009】
前記第2の円筒状管(120、220)は、円周方向に垂直に突出し第2の円筒状管の軸方向断面の外周部が櫛形状に形成された中空部(122、222)を備えることを特徴とする。
【0010】
前記段付き部(212)の内面には、前記段付き部(212)の円周方向に沿って一定間隔に配列されている複数の溝(213)をさらに備え、前記溝(213)は、第2の円筒状管(220)の軸方向に沿って延長され、前記溝(213)内には接着性充填剤が注入されることを特徴とする。
【0011】
また、本発明は、a)平板の長い第1の鋼板(1)をロール状に用意するステップ(S11)と、
b)平板の長い第2の鋼板(2)をロール状に用意するステップ(S12)と、
c)ロール状に用意された前記第1の鋼板(1)を解きながら所定の長さで切断して第1の単位鋼板(10)を複数用意するステップ(S13)と、
d)前記第1の単位鋼板(10)の一側をロールフォーミングにより前記第1の単位鋼板(10)の平面に垂直な方向に折り曲げて前記第1の単位鋼板(10)の一側に段付き部(112)を形成するステップ(S14)と、
e)ロール状に用意された前記第2の鋼板(2)を解きながらロールフォーミングにより前記第2の鋼板(2)の両側を一定パターンで折り曲げて複数の中空部(122)を形成するステップ(S15)と、
f)中空部(122)が形成された第2の鋼板(2)を所定の長さで切断して第2の単位鋼板(20)を複数用意するステップ(S16)と、
g)前記第1の単位鋼板(10)の先端部を半円状に巻き付けた段階で、前記第2の単位鋼板(20)の先端部を前記第1の単位鋼板(10)の下に供給するステップ(S17)と、
h)前記第1の鋼板(10)に前記第2の単位鋼板(20)が供給された後、前記第2の単位鋼板(20)の中空部(122)の間の面で前記第2の単位鋼板(20)を前記第1の単位鋼板(10)にシーム溶接するステップ(S18)と、
i)前記第1の単位鋼板(10)を円筒状に完全に巻き付けた後、前記第2の単位鋼板(20)を円筒状に完全に巻き付けて、前記第2の単位鋼板(20)の突き合わせられた両端を溶接して第1の単位鋼板(10)からなる第1の円筒状管(110)及び第2の単位鋼板(20)からなる第2の円筒状管(120)が互いに重なった単位鋼管(130)を完成するステップ(S19)と、
j)前記単位鋼管(130)を前進移動させた後、追加の第1の単位鋼板(10)の段付き部(112)が前記単位鋼管(130)の第1の円筒状管(110)の外面に密着されるように、前記追加の第1の単位鋼板(10)を前記単位鋼管(130)の下に供給するステップ(S20)と、
k)前記a)〜i)のステップを経て追加の単位鋼管(130)を完成した後、前記j)〜i)のステップを繰り返して複数の単位鋼管(130)を互いに連結させるステップ(S21)と、
を含むことを特徴とする。
【0012】
また、本発明は、a)平板の長い第1の鋼板(1)をロール状に用意するステップ(S111)と、
b)平板の長い第2の鋼板(2)をロール状に用意するステップ(S112)と、
c)ロール状に用意された前記第1の鋼板(1)を解きながら所定の長さで切断して第1の単位鋼板(10)を複数用意するステップ(S113)と、
d)前記第1の単位鋼板(10)の一側をロールフォーミングにより前記第1の単位鋼板(10)の平面に垂直な方向に折り曲げて前記第1の単位鋼板(10)の一側に段付き部(212)を形成するステップ(S114)と、
e)前記段付き部(212)の内面に前記第1の単位鋼板(10)の長さ方向に延長される複数の溝(213)を形成するステップ(S115)と、
f)ロール状に用意された前記第2の鋼板(2)を解きながらロールフォーミングにより前記第2の鋼板(2)の両側を一定パターンで折り曲げて複数の中空部(222)を形成するステップ(S116)と、
g)中空部(222)が形成された第2の鋼板(2)を所定の長さで切断して第2の単位鋼板(20)を複数用意するステップ(S117)と、
h)前記第1の単位鋼板(10)の先端部を半円状に巻き付けた段階で、前記第2の単位鋼板(20)の先端部を前記第1の単位鋼板(10)の下に供給するステップ(S118)と、
i)前記第1の鋼板(10)に前記第2の単位鋼板(20)が供給された後、前記第2の単位鋼板(20)の中空部(122)の間の面で前記第2の単位鋼板(20)を前記第1の単位鋼板(10)にシーム溶接するステップ(S119)と、
j)前記第1の単位鋼板(10)を円筒状に完全に巻き付けた後、前記第2の単位鋼板(20)を円筒状に完全に巻き付けて、前記第2の単位鋼板(20)の突き合わせられた両端を溶接して第1の単位鋼板(10)からなる第1の円筒状管(210)及び第2の単位鋼板(20)からなる第2の円筒状管(220)が互いに重なった単位鋼管(230)を完成するステップ(S120)と、
k)前記単位鋼管(230)を前進移動させた後、追加の第1の単位鋼板(10)の段付き部(212)が前記単位鋼管(230)の第1の円筒状管(210)の外面に密着されるように、前記追加の第1の単位鋼板(10)を前記単位鋼管(230)の下に供給するステップ(S121)と、
を含み、
l)前記a)〜i)のステップを経て追加の単位鋼管(230)を完成した後、前記j〜i)のステップを繰り返して複数の単位鋼管(230)を互いに連結させるステップ(S122)と、
m)前記溝(213)の内側に接着性充填剤を充填し硬化して互いに連結された前記複数の単位鋼管(230)を固定させるステップ(S123)と、を含むことを特徴とする。
【発明の効果】
【0013】
本発明によれば、本発明の波形鋼管は、流体の流れが円滑であり、波形鋼管の内部の増加する圧力によって容易に破裂せず、波形鋼管の製造が迅速になされるので、製造期間が短縮でき、製造単価が低減できる。
また、互いに連結された単位鋼管を固定するための溶接作業を必要せず、簡単に単位鋼管を固定させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1図1は、本発明の実施例1に係る波形鋼管を説明するための斜視図である。
図2図1に示した波形鋼管の単位鋼管断面を示した断面図と一部拡大図である。
図3図1に示した波形鋼管の単位鋼管を示した斜視図である。
図4】本発明の実施例1に係る波形鋼管の製造過程を示したフローチャートである。
図5】本発明の実施例1に係る波形鋼管の製造過程を示した図であり、平板の長い鋼板をロール状に用意し、単位鋼板を所定の長さに切断する工程を示す図である。
図6】本発明の実施例1に係る波形鋼管の製造過程を示した図であり、第1の単位鋼板に段付き部を形成する工程を示す図である。
図7】本発明の実施例1に係る波形鋼管の製造過程を示した図であり、第2の単位鋼板を折り曲げて中空部を形成する工程を示す図である。
図8】本発明の実施例1に係る波形鋼管の製造過程を示した図であり、第1の単位鋼板を巻き付けながら、第2の単位鋼板を第1の単位鋼板の下に供給する工程を示す図である。
図9】本発明の実施例2に係る波形鋼管を説明するための斜視図である。
図10図9に示した単位鋼管に形成された溝の配列形態を示す図である。
図11】本発明の実施例2に係る波形鋼管の製造過程を示したフローチャートである。
図12】第1の単位鋼板に形成され段付き部に溝が形成された状態を示した斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、添付した図面を基づいて本発明の実施形態に係る波形鋼管及びその製造方法について詳細に説明する。本発明は、様々な変更を加えることができ、種々の形態を有することができるところ、特定実施例等を図面に例示し、本文に詳細に説明しようとする。しかし、これは、本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものでなく、本発明の思想及び技術範囲に含まれるあらゆる変更、均等物ないし代替物を含むものと理解されなければならない。各図面を説明しつつ、類似した参照符号を類似した構成要素に対して使用した。添付された図面において、構造物等の寸法は、本発明の明確性を期するために、実際より拡大して図示したものである。
第1、第2などの用語は、様々な構成要素を説明するのに使用されるが、上記構成要素等は、用語等により限定されてはならない。上記用語等は、1つの構成要素を他の構成要素から区別する目的としてのみ使用される。例えば、本発明の権利範囲を外れないながらも、第1構成要素は第2構成要素として命名されることができ、同様に、第2構成要素も第1構成要素として命名されることができる。
【0016】
本出願において使用した用語は、単に特定の実施例を説明するために使用されたものであって、本発明を限定しようとする意図でない。単数の表現は、文章上で明らかに違うように定義しない限り、複数の表現を含む。本出願において、「含む」または「有する」などの用語は、明細書上に記載された特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものが存在することを意味するものであり、1つまたはそれ以上の、他の特徴、数字、ステップ、動作、構成要素、部分品、またはこれらを組み合わせたものなどの存在若しくは付加する可能性を予め排除しないものと理解されなければならない。
異なることが定義されない限り、技術的、科学的な用語を含んでここに使用される全ての用語は、本発明の属する技術分野における通常の知識を有する者によって一般に理解される意味を有している。一般に使用される辞書に定義されている用語は、関連技術上の意味と一致する意味を有するものと解析されなければならず、本出願において明らかに定義しない限り、理想的とか、過渡に形式的な意味として解析されてはならない。
【0017】
〔実施例1〕
図1は、本発明の実施例1に係る波形鋼管を説明するための斜視図であり、図2は、図1に示した波形鋼管の単位鋼管断面を示した断面図と一部拡大図であり、図3は、図1に示した波形鋼管の単位鋼管を示した斜視図である。
図1図3に示したとおり、本発明の実施例1に係る波形鋼管100は、軸方向に連続する複数の単位鋼管130を含み、各単位鋼管130は、第1の円筒状管110及び第2の円筒状管120を含む。
第1の円筒状管110は、第1の単位鋼板10が円筒状に巻き付いて完成され、第1の単位鋼板10の軸方向の両端が突き合わせられた第1の繋ぎ部111が形成されている。このような第1の円筒状管110は、単位鋼管130の内側に位置する管である。
【0018】
第2の円筒状管120は、第2の単位鋼板20の内面が前記第1の繋ぎ部(111、211)を覆うように円筒状に巻き付いて前記第1の円筒状管(110、210)の外面に重なり、
前記第2の繋ぎ部(121、221)は、前記第1の繋ぎ部(111、211)に対応しないように位置させる。例えば、第2の繋ぎ部121は、第1の繋ぎ部111が位置した地点の反対地点に位置する。
このような単位鋼管130は、第1の円筒状管110及び第2の円筒状管120の複数の管が互いに重なった形態で構成されるので、強度が向上し、前述のとおり、第1の繋ぎ部111及び第2の繋ぎ部121が互いに対応しないように位置し、第2の円筒状管120の内面が第1の繋ぎ部111及び第1の円筒状管110の全体を囲んでいるので、単位鋼管130内の圧力が増加しても第1の繋ぎ部111は容易に破損しない。
【0019】
前記第1の円筒状管(110、210)は、軸方向の1端に段付き部(112、212)を備え、
前記段付き部(112、212)は、前記第1の円筒状管(110、210)の外周に第2の円筒状管が巻き付けられて段付けされ、前記段付き部(112、212)の外径が前記第1の円筒状管(110、210)の外径より大きい直径を有するように形成され、
前記段付き部(112、212)には、段付き部が設けられていない第1の円筒状管の他端が挿入可能であり、
前記単位鋼管(130、230)は、軸方向に複数連続するとき、前記第1の円筒状管(110、210)の前記段付き部(112、212の反対側が前記段付き部(112、212)に挿入されて複数の単位鋼管(130、230)が互いに結合される。
一方、第2の円筒状管120は、複数の中空部122を備える。中空部122は、第2の円筒状管120の長さ方向に沿って一定間隔に配列されており、円周方向に垂直に突出している。中空部122の形状は、例えば、横断面を矩形にすることができ、上面部122a及び上面部122aから垂直に延長される2つの側面部122bを備えることができる。このような第2の円筒状管120は、前述のとおり、複数の単位鋼管130が段付き部112により互いに連結されるとき、第1の円筒状管110の外面が段付き部112内に挿入され得るように、第1の円筒状管110の長さより小さい長さを有するように第1の円筒状管110の外面に重なるのが好ましい。
【0020】
図2には、複数の波形鋼管100が連結された部分の拡大図を示している。拡大図に示したとおり、例えば、段付き部112に突き合わせられるそれぞれの第2の円筒状管120の長さaは、10cmであり、段付き部112の長さbは、20cmである。したがって、これらの合計a+b+aは、40cmである。また、中空部122の幅cは、30cmであり、互いに隣接する中空部122間の間隔eは、40cmである。したがって、複数の波形鋼管100が連結された部分と中空部の間隔の長さとは同一である。このように、波形鋼管100が構成される場合、単位鋼管130の連結部分と中空部との間隔の長さが同一であるため、波形鋼管100の規格が正確になり、波形鋼管100を切断するとき、波形鋼管100のどの地点でも切断が可能である。
現場で簡単に裁断が可能であるため、現場での波形鋼管100の設置時間が短縮される。
波形鋼管100の内部に増加された圧力は、第2の円筒状管120の内面及びこのような中空部122に伝達されて吸収、相殺される。すなわち、第2の円筒状管120の内面を及び中空部122に伝達された波形鋼管100の膨張力は、第2の円筒状管120の内面を引っ張る引張力と、中空部122の2つの側面部122bを圧縮させる圧縮力と、中空部122の上面部122aを引っ張る引張力とに分散することができる。したがって、波形鋼板100の内部に増加した圧力が第2の円筒状管120の内面及び中空部122内に均等に分散されて吸収、相殺されるので、波形鋼板100の破裂が防止される。よって、波形鋼管100内の圧力に対する抵抗力が向上し、強度がさらに向上する。
【0021】
図4は、本発明の実施例1に係る波形鋼管の製造過程を示したフローチャートであり、図5図8は、本発明の実施例1に係る波形鋼管の製造過程を示した図である。
本発明の実施例1に係る波形鋼管100は、図4図8に示すとおりに製造される。
まず、平板の長い第1の鋼板1をロール状に用意するステップS11を有し、かつ、平板の長い第2の鋼板2をロール状に用意するステップS12を有する。この様子は、図5に示した。
第1の鋼板1及び第2の鋼板2がロール状に用意されると、ロール状に用意された第1の鋼板1を解きながら所定の長さで切断して第1の単位鋼板10を複数用意するステップS13を有する。また、第1の単位鋼板10の一側を第1の単位鋼板10の平面に垂直な方向に折り曲げて第1の単位鋼板10の一側に段付き部112を形成するステップS14を有する。ステップS13及びS14は、図5及び図6に示した。
【0022】
次に、ロール状に用意された第2の鋼板2を解きながら図7のとおり、第2の鋼板2の両側を一定パターンで折り曲げて複数の中空部122を形成するステップS15を有する。また、中空部122が形成された第2の鋼板2を所定の長さで切断して第2の単位鋼板20を複数用意するステップS16を有する。
このように、第1の単位鋼板10及び第2の単位鋼板20が用意されると、第1の単位鋼板10を円筒状にある程度巻き付けながら第2の単位鋼板20を第1の単位鋼板10の下に供給するステップS17を有する。このとき、第2の単位鋼板20が供給される時点は、例えば、第1の単位鋼板10がほぼ180℃程度巻き付く時点に第1の単位鋼板10の下に供給される。この様子は、図8に示した。
第2の単位鋼板20が供給された後、第2の単位鋼板20を第1の単位鋼板10にシーム溶接するステップS18を有する。このとき、シーム溶接は、第2の単位鋼板20の中空部122の間の面に行われる。これにより、第2の単位鋼板20は、第1の単位鋼板10と固定される。
【0023】
次に、第1の単位鋼板10を円筒状に完全に巻き付けた後、第2の単位鋼板20を円筒状に完全に巻き付けて、第2の単位鋼板20の突き合わせられた両端を溶接して第1の単位鋼板10からなる第1の円筒状管110及び第2の単位鋼板20からなる第2の円筒状管120が互いに重なった単位鋼管130を完成するステップS19を有する。このとき、第1の単位鋼板10の軸方向の両端が突き合わせられた第1の繋ぎ部111と第2の単位鋼板20の軸方向の両端が突き合わせられた第2の繋ぎ部121とは互いに対応せず、互いに交わる形態で配置され得る。
このように、単位鋼管130が完成されると、完成された単位鋼管130を前進移動させた後、追加の第1の単位鋼板10の段付き部112が単位鋼管130の第1の円筒状管110の外面に密着するように、追加の第1の単位鋼板10を単位鋼管130の下に供給するステップS20を有する。このとき、完成された単位鋼管130の第1の円筒状管110の外面と追加の第1の単位鋼板10の段付き部112とは互いに突き合わせられる。
【0024】
最後に、ステップS11〜S19を経て追加の単位鋼管130を完成した後、ステップS11〜S20を繰り返して複数の単位鋼管130を互いに連結させるステップS21を有する。
このような本発明の実施例1に係る波形鋼管100の製造方法によれば、波形鋼管100を製造する過程で、初期の単位鋼管130を完成するステップに続き、連続して追加の単位鋼管130を完成するとともに、複数の単位鋼管130を互いに連結させることができるので、波形鋼管100を完成する過程が迅速になされ得る。
また、第1の単位鋼板10及び第2の単位鋼板20が互いにシーム溶接されて固定され、第1の単位鋼板10を円筒状に巻き付ける過程に続き、第2の単位鋼板20を円筒状に巻き付ける過程が連続するので、第1の円筒状管110を完成する過程と第1の円筒状管110に重なるように第2の円筒状管120を完成する過程とが迅速になされる。
したがって、本発明の実施例1に係る波形鋼管100は強度が増加され、第1の円筒状管110内に別の波形しわが形成されないので、流体の流れが円滑であり、波形鋼管100の内部に増加する圧力によって容易に破裂されず、波形鋼管100の製造が迅速になされるので、製造期間及び製造単価が低減される。
【0025】
〔実施例2〕
図9は、本発明の実施例2に係る波形鋼管を説明するための斜視図であり、図10は、図9に示した単位鋼管に形成された溝の配列形態を示す図である。
図9及び図10に示したとおり、本発明の実施例2に係る波形鋼管200は、段付き部212の内面に複数の溝213が形成されることを除いては、図1に示された本発明の実施例1に係る波形鋼管100と実質的に同一であるから、溝213を除いた他の構成に対する具体的な説明を省略し、以下では、溝213を中心として説明する。
段付き部212に形成された複数の溝213は、互いに連結される単位鋼管230を効果的に固定させるための構成である。複数の溝213は、段付き部212の円周方向に沿って一定間隔に配列されている。そして、複数の溝213は、第2の円筒状管220の軸方向に沿って延長される。この様子は、図9に示した。
このような複数の溝213には、接着性充填剤(図示せず)が注入される。接着性充填剤は、溝213内に充填された後、硬化するにつれて、段付き部212及び段付き部212内に挿入されている第1の円筒状管210の外面に接着されて互いに連結された単位鋼管230を固定する。接着性充填剤には特に制限はなく、一例として、PE系接着性樹脂でありうる。
【0026】
図11は、本発明の実施例2に係る波形鋼管の製造過程を示したフローチャートであり、図12は、第1の単位鋼板に形成され段付き部に溝が形成された状態を示した斜視図である。
本発明の実施例2に係る波形鋼管200は、次のように製造される。図12は、図6に示した第1の単位鋼板に形成され段付き部に溝が形成された状態を示した斜視図である。以下の本発明の実施例2に係る波形鋼管の製造方法に対する説明は、図11及び図12に示した。
まず、平板の長い第1の鋼板1をロール状に用意するステップS111を有し、かつ、平板の長い第2の鋼板2をロール状に用意するステップS112を有する。
第1の鋼板1及び第2の鋼板2がロール状に用意されると、ロール状に用意された第1の鋼板1を解きながら所定の長さで切断して第1の単位鋼板10を複数用意するステップS113を有する。また、第1の単位鋼板10の一側を第1の単位鋼板10の平面に垂直な方向に折り曲げて第1の単位鋼板10の一側に段付き部212を形成するステップS114を有する。
段付き部212が形成されると、段付き部212の内面に第1の単位鋼板10の長さ方向に延長される複数の溝213を形成するステップS115を有する。この様子は、図12に示した。
【0027】
次に、ロール状に用意された第2の鋼板2を解きながら第2の鋼板2の両側を一定パターンで折り曲げて複数の中空部222を形成するステップS116を有する。また、中空部222が形成された第2の鋼板2を所定の長さで切断して第2の単位鋼板20を複数用意するステップS117を有する。
このように、第1の単位鋼板10及び第2の単位鋼板20が用意されると、第1の単位鋼板10を円筒状にある程度巻き付けながら第2の単位鋼板20を第1の単位鋼板10の下に供給するステップS118を有する。このとき、第2の単位鋼板20が供給される時点は、例えば、第1の単位鋼板10がほぼ180℃程度巻き付く時点に第1の単位鋼板10の下に供給される。
第2の単位鋼板20が供給された後、第2の単位鋼板20を第1の単位鋼板10にシーム溶接するステップS119を有する。このとき、シーム溶接は、第2の単位鋼板20の中空部222間の面に行われる。これにより、第2の単位鋼板20は、第1の単位鋼板10に固定される。
【0028】
次に、第1の単位鋼板10を円筒状に完全に巻き付けた後、第2の単位鋼板20を円筒状に完全に巻き付けて、第2の単位鋼板20の突き合わせられた両端を溶接して第1の単位鋼板10からなる第1の円筒状管210及び第2の単位鋼板20からなる第2の円筒状管220が互いに重なった単位鋼管230を完成するステップS120を有する。このとき、第1の単位鋼板10の軸方向の両端が突き合わせられた第1の繋ぎ部211と第2の単位鋼板20の軸方向の両端が突き合わせられた第2の繋ぎ部221とは互いに対応せず、互いに交わる形態で配置される。
このように、単位鋼管230が完成されると、完成された単位鋼管230を前進移動させた後、追加の第1の単位鋼板10の段付き部212が単位鋼管230の第1の円筒状管210の外面に密着するように、追加の第1の単位鋼板10を単位鋼管230の下に供給するステップS121を有する。このとき、完成された単位鋼管230の第1の円筒状管210の外面と追加の第1の単位鋼板10の段付き部212とは互いに突き合わせられる。
【0029】
最後に、ステップS111〜S120を経て追加の単位鋼管130を完成した後、ステップS111〜S121を繰り返して複数の単位鋼管130を互いに連結させるステップS122を有する。
複数の単位鋼管230が互いに連結されると、段付き部212に形成された溝213の内側に接着性充填剤(図示せず)を充填し、硬化して互いに連結された複数の単位鋼管230を固定させるステップS123を実行する。
このような本発明の実施例2に係る波形鋼管200は、段付き部212に複数の溝213を形成し、溝213の内部に接着性充填剤を充填した後、硬化して互いに連結された単位鋼管230を固定させるので、互いに連結された単位鋼管230を固定するための溶接作業の必要無しで簡単に単位鋼管230を固定させることができる。
【0030】
一方、単位鋼管130、230の内周面の周りには殺菌、消毒機能などを有した芳香剤物質がコーティングされることにより、殺菌、殺虫などの作用をして清潔な状態を維持する効果を表す。
芳香剤物質には機能性オイルが混合され得るし、その混合割合は、芳香剤95〜97重量%に機能性オイル3〜5重量%が混合され、機能性オイルは、 沢瀉50重量%、フェンネル(Fennel)50重量%からなる。
ここで、機能性オイルは、芳香剤に対して3〜5重量%が混合されるのが好ましい。機能性オイルの混合割合が3重量%未満であると、その効果が少なく、機能性オイルの混合割合が3〜5重量%を超えると、その機能が大きく向上しない反面、製造単価は大きく増加される。
機能性オイルのうち、沢瀉(Alisma canaliculatum)は、沢瀉科(Alismataceae)に属し、細菌毒性効果に優れ、抗菌作用などによい効果を表す。
フェンネル(Fennel)は、アニシード、キャラウェイ、コリアンダーなどのような科に属する植物であって、化学的構成要素としては、アネトール(anethol)、エストラゴール(estragol)、カンフェン(camphene)などを挙げることができ、抗菌、殺菌効果などに優れる。
このような機能性オイルが単位鋼管130、230の内周面にコーティングされることにより、殺菌、殺虫などの作用をして単位鋼管130、230の内部を清潔に維持し、単位鋼管130、230の内部に沿って流れる流体を浄化させることになる。
【符号の説明】
【0031】
1 第1の鋼板
2 第2の鋼板
10 第1の単位鋼板
20 第2の単位鋼板
100、200 波形鋼管
110、210 第1の円筒状管
111、211 第1の繋ぎ部
112、212 段付き部
120、220 第2の円筒状管
121、221 第2の繋ぎ部
122、222 中空部
122a 上面部
122b 側面部
130、230 単位鋼管
213 溝
a 第2円筒状管の長さ
b 段付き部の長さ
c 中空部の幅
e 中空部間の間隔

図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12