【文献】
中野 隆介 Ryusuke NAKANO,無線LANアクセスポイントへの検索要求を用いた屋内混雑度推定手法 In-door Congestion Level Estimation Using Probe Request to Wireless LAN Access Point,日本データベース学会論文誌 Vol.12 No.1 DBSJ Journal,日本,日本データベース学会 The Database Society of Japan,2013年 6月21日,第12巻
【文献】
望月 祐洋,Wi−Fiパケットセンサを利用した匿名人流解析システムの構築,電子情報通信学会技術研究報告 Vol.113 No.495 IEICE Technical Report,日本,一般社団法人電子情報通信学会 The Institute of Electronics,Information and Communication Engineers,2014年 3月 7日,第113巻
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0010】
A.第1実施形態
図1は、第1実施形態に係る電波状況検知システム1000の概略構成を示す図である。同図に示すように、電波状況検知システム1000は、Wifi機能を備えた携帯端末10と、レストランやバーなどの施設に対応付けて設置されるWifi電波検知端末100と、Wifi電波検知端末100とは別の場所に設置される管理装置200と、携帯端末10からの要求に応じてWifi電波検知端末100によって検知される当該携帯端末10の電波強度を示す情報(電波強度情報)を返信する情報処理装置300とを含んで構成されている。Wifi電波検知端末100、管理装置200および情報処理装置300は、通信ネットワークNを介して相互に通信可能となっている。なお、
図1では説明の便宜上、Wifi電波検知端末100が施設内に1台ある場合を想定するが、施設内に複数台あっても良い(第2実施形態参照)。また、施設の一例としてレストランやバーを例示したが、例えば複合アミューズメントシステム、ショッピングモール、デパートの店舗や、病院、アリーナや公園など、屋内外を問わずあらゆる施設に適用可能である。
【0011】
本実施形態の電波状況検知システムは、Wifi電波検知端末100が、Wifi機能を備えた携帯端末10の電波強度を含むプローブ要求を検知し、検知結果を管理装置200に送信する。プローブ要求には、携帯端末10の電波強度を示す情報が含まれる。管理装置200は、受け取った検知結果を、携帯端末10に対応づけてプローブ情報データベース202に登録する。その後、情報処理装置300は、携帯端末10から自端末の電波強度を示す情報(電波強度情報)の取得要求(リクエスト)を受け取ると、プローブ情報データベース202を検索することにより、当該端末の電波強度を示す電波強度情報を取得し、携帯端末10に返す。これにより、携帯端末10を用いて施設内のWifiの電波状況の調査を行う調査者(例えば、施設のオーナーなど)は、施設のどの場所でどの程度の電波強度が得られるかを迅速に把握することができ、例えば電波強度がX1dB以上の場合は店内、X1dB以下の場合には店外といった推定を精度良く行うことができる。
【0012】
Wifi電波検知端末100は、例えば上述した飲食店などの施設に設置され、施設近傍に存在する携帯端末10の電波強度などを検知する。Wifi電波検知端末100は、例えば、小型PC(Personal Computer)、Wifiモジュール、電源、外部記憶装置(SDカードやUSBメモリ)などを含んで構成されている。
【0013】
管理装置200は、Wifi電波検知端末100において検知される、携帯端末10の電波強度情報を含むプローブ情報(詳細は後述)を管理する装置であり、管理サーバ201、プローブ情報データベース(DB)202を含んで構成されている。この管理装置200は、例えば演算処理能力の高いコンピュータによって構成され、そのコンピュータにおいて所定のサーバ用プログラムを実行することによって構成される。
【0014】
通信ネットワークNは、携帯端末10、Wifi電波検知端末100、管理装置200、情報処理装置300の間で相互に情報通信を行うことが可能な通信網を含む。通信ネットワークNは、例えば、インターネット、LAN、専用線、電話回線、企業内ネットワーク、移動体通信網、ブルートゥース、Wifi、その他の通信回線、それらの組み合わせ等のいずれであってもよく、有線であるか無線であるかを問わない。
【0015】
情報処理装置300は、各種情報を受信してその内容を表示することや、ユーザにより操作部を用いて入力される情報を外部へ送信することが可能なものである。このような情報処理装置としては、例えば、一般的なパーソナルコンピュータ、あるいはスマートフォンやタブレット型コンピュータなどの携帯型端末などを用いることができる。ここでは一例として、情報処理装置300は、スマートフォンにおいて所定のアプリケーションソフトウェア(いわゆるアプリ)がインストールされたものであるとする。この情報処理装置300は、携帯端末10からの電波強度の取得要求(リクエスト)に応じて、プローブ情報データベース202を検索することにより、要求元の携帯端末10の電波強度を示す電波強度情報を取得し、携帯端末10に返すために用いられる。
【0016】
携帯端末10は、例えば施設内のWifiの電波状況の調査を行う調査者が所持するものであり、アクセスポイント(図示略)等を介して無線通信を行うためのWifi機能を備えている。本実施形態では、携帯端末10としてスマートフォンを想定するが、携帯電話機、PHS、パーソナルコンピュータ(PC)、ノートPC、携帯情報端末(PDA)、家庭用ゲーム機器など、Wifi機能を備えたあらゆる端末に適用可能である。なお、本実施形態では、説明の便宜上、調査者が携帯端末10を所持する場合を想定するが、これに限る趣旨ではなく、本システムの利用が可能なあらゆるユーザ(すなわち、施設と何ら関わりのないユーザなど)の携帯端末10にも適用可能である。
【0017】
図2は、Wifi電波検知端末100の機能構成を示すブロック図である。図示のようにWifi電波検知端末100は、制御部111、入力部112、表示部113、記憶部114、通信部115およびWifi通信部116を備えている。
【0018】
制御部111は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることによって構成されるものであり、機能ブロックとしてのプローブ要求検知部121、プローブ情報生成部122を有する。
【0019】
入力部112は、例えば制御部111と接続されたキーボードなどの入力手段であり、各種情報を入力するために用いられる。表示部113は、例えば制御部111と接続された液晶表示パネルなどの表示手段であり、各種の画像表示を表示する。記憶部114は、制御部111と接続されたハードディスク装置などの記憶手段であり、制御部111で実行される動作プログラムや各種のデータを記憶する。
【0020】
通信部115は、制御部111と接続されており、管理装置200との情報通信に関わる処理を行う。Wifi通信部(第1受信手段)116は、携帯端末10との情報通信に関わる処理を行う。
【0021】
プローブ要求検知部121は、各携帯端末10がアクセスポイントを探すために定期的にブロードキャスト(一斉送信)するプローブ要求を検知する。このプローブ要求はWifi通信部116を介して受信される。
【0022】
プローブ情報生成部(プローブ情報生成手段)122は、プローブ要求を検知した携帯端末10を特定する情報である端末アドレス情報などを含んだプローブ情報を生成する。生成されたプローブ情報は、通信部115を介して管理装置200へ送信される。
【0023】
図3は、プローブ情報の内容の一例を示す図である。
図3に示すように、プローブ情報には、Wifi電波検知端末100が検知した携帯端末10を識別する情報である「端末アドレス情報(MACアドレス)」、携帯端末10から発せられた電波の強度を示す情報である「電波強度情報」、携帯端末10からのプローブ要求を検知した時刻をあらわす情報である「時刻情報」などが含まれている。
【0024】
図4は、管理装置200を構成する管理サーバ201の構成を示すブロック図である。管理サーバ201は、Wifi電波検知端末100から送信されるプローブ情報を管理するものであり、制御部211、通信部212および図示しない入力部、表示部などを含んで構成されている。
【0025】
制御部211は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることによって構成されるものであり、機能ブロックとしてのプローブ情報格納部213を有する。通信部212は、制御部211と接続されており、Wifi電波検知端末100との情報通信に関わる処理を行う。
【0026】
プローブ情報格納部(記憶手段)213は、Wifi電波検知端末100から送信され、通信部212を介して受信されるプローブ情報をプローブ情報DB(記憶手段)202(
図1参照)に格納する処理を行う。
【0027】
図5は、情報処理装置300の構成を示すブロック図である。情報処理装置300は、携帯端末10のリクエストに応じてプローブ情報DB202(
図1参照)を検索し、携帯端末10の電波強度情報を取得し、これを携帯端末10に返送するものであり、制御部311、通信部312および図示しない入力部、表示部などを含んで構成されている。
【0028】
制御部311は、例えばCPU、ROM、RAM等を備えたコンピュータシステムにおいて所定の動作プログラムを実行させることによって構成されるものであり、機能ブロックとしての電波強度情報検索部313、電波強度情報送信部314を有する。通信部(第2受信手段)312は、制御部311と接続されており、情報処理装置300との情報通信に関わる処理を行う。
【0029】
電波強度情報検索部(生成手段)313は、携帯端末10による自端末の電波強度情報の取得要求(リクエスト)に応じて、プローブ情報DB202を検索する。ここで、電波強度情報の取得要求には、携帯端末10の端末アドレス情報が含まれている。電波強度情報検索部313は、携帯端末10の端末アドレス情報を検索キーとしてプローブ情報DB202を検索することにより、携帯端末10の端末アドレス情報に対応づけて登録されているプローブ情報(
図3参照)を特定し、プローブ情報から電波強度情報を取得する。
【0030】
電波強度情報送信部(返信手段)314は、携帯端末10の端末アドレス情報等を用いて、電波強度情報検索部313によって取得された電波強度情報を携帯端末10に返信する。
【0031】
図6は、Wifi電波検知端末100の動作手順を示すフローチャートである。
Wifi電波検知端末100のプローブ要求検知部121は、近隣に存在する携帯端末10からのプローブ要求がWifi通信部116によって受信されたか否かを判定する(ステップS11)。プローブ要求が受信されるまでの間は(ステップS11;NO)、ステップS11の処理が繰り返される。なお、携帯端末10は、接続可能なアクセスポイントを探すために定期的にプローブ要求をブロードキャストしているものとする。
【0032】
プローブ要求が受信されると(ステップS11;YES)、プローブ要求検知部121は、プローブ要求に含まれる端末アドレス情報を取得するとともに(ステップS12)、このプローブ要求を送信した携帯端末10の発した電波の強度を示す電波強度情報をWifi通信部116から取得する(ステップS13)。
【0033】
次に、プローブ情報生成部122は、検知された携帯端末10の「端末アドレス情報」、「電波強度情報」、携帯端末10からのプローブ要求が検知された時刻を示す「時刻情報」を含んだプローブ情報を生成する(ステップS14)。このプローブ情報は通信部115を介して管理装置200へ送信される(ステップS15)。
【0034】
図7は、管理サーバ201の動作手順を示すフローチャートである。
管理サーバ201のプローブ情報格納部213は、通信部212を介して、Wifi電波検知端末100から送信されるプローブ情報を受信する(ステップS21)。
【0035】
次に、プローブ情報格納部213は、受信したプローブ情報をプローブ情報DB202へ格納する(ステップS22)。プローブ情報は、例えば時系列でプローブ情報DB202へ格納される。
【0036】
図8は、携帯端末10からのリクエストに応じ、情報処理装置300が電波強度情報を取得・送信するときの動作手順を示すフローチャートである。
施設内のWifiの電波状況の調査を行う調査者は、携帯端末10を適宜操作することにより、自端末の電波強度情報の取得要求を行う。携帯端末10は、かかる操作を検知すると、搭載された所定のソフトウェア等を起動し、自端末の端末アドレスを付加して電波強度情報の取得要求を行う。電波強度情報の取得要求は、調査者が移動しながら電波強度の確認を行う等の事情を考慮し、所定の時間間隔(例えば数秒間隔)で行われる。
【0037】
情報処理装置300の電波強度情報検索部313は、通信部312を介して携帯端末10から電波強度情報の取得要求を受け取ると(ステップS31)、一定期間内に格納されたプローブ情報をプローブ情報DBから読み出す(ステップS32)。ここでいう一定期間とは、例えば、取得要求を受けた時の直近のT秒間とすることができる。また、例えば、情報処理装置300を用いて調査者が任意の期間を指定し、その指定した期間を一定期間としても良い。
【0038】
なお、各プローブ情報の格納時期については、それぞれのプローブ情報に含まれる時刻情報に基づいて判断してもよいし、プローブ情報格納部213がプローブ情報DB202へ各プローブ情報を格納する際に時刻情報を付加しておき、この情報に基づいて判断してもよい。
【0039】
次に、電波強度情報検索部313は、読み出したプローブ情報から電波強度情報を取得(生成)する(ステップS33)。この際、電波強度情報検索部313は、電波強度情報が複数ある場合には、例えば電波強度の平均値を求め、これを電波強度情報とする。もっとも、読み出したプローブ情報が1つであれば、このプローブ情報に含まれる電波強度情報をそのまま利用すれば良い。
【0040】
電波強度情報送信部314は、電波強度情報検索部313によって取得された電波強度情報に、携帯端末10の端末アドレス情報を付加し、携帯端末10宛てに送信する(ステップS34)。なお、携帯端末10の端末アドレス情報は、電波強度情報検索部313によって取得された各プローブ情報に含まれていることから、これらの端末アドレス情報を利用すれば良い。
【0041】
このようにして、情報処理装置300から送信された電波強度情報は、通信ネットワークNを介して携帯端末10宛てに送信される。携帯端末10は、情報処理装置300から電波強度情報を受信すると、例えば
図9に示すような画面を表示部に表示することで、施設内におけるWifiの電波状況を調査者に報知する。
【0042】
以上説明したように、本実施形態によれば、施設近傍のWifiの電波状況を、Wifi機能を搭載した携帯端末10を用いてリアルタイムに精度良く検知することができる。施設内でのWifiの電波状況を予め把握しておくことで、携帯端末10の電波強度に基づき、当該携帯端末10を所持するユーザが施設内にいるか、あるいは施設外にいるかを、従来に比して精度よく判断することができる。例えば、Wifiの電波状況の調査の結果、Wifi電波検知端末100によって検知される携帯端末10の電波強度がE1以上の場合には、携帯端末10を所持するユーザは施設内にいる可能性が高く、一方、電波強度がE1未満の場合には、当該ユーザは施設外にいる可能性が高い、といった判断を精度良く行うことができる。
【0043】
また、電波強度の測定結果に基づき、Wifi電波検知端末100の設置場所を最適化することも可能である。上述したように、施設によっては多くの壁や物品に電波が遮られてしまい、電波が届かない所(いわゆるデッドポイント)が多く存在することも予想されるが、電波強度の測定結果を利用することでWifi電波検知端末100の設置を最適化することができる。
【0044】
なお、本発明は上記した実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、他の様々な形で実施することができる。このため、上記実施形態はあらゆる点で単なる例示にすぎず、限定的に解釈されるものではない。例えば、以下に示す実施形態が考えられる。
【0045】
B.第2実施形態
図10は、第2実施形態に係る電波状況検知システム1000’の概略構成を示す図である。電波状況検知システム1000’は、Wifi電波検知端末100’が施設内に複数設置されることを想定したシステムであり、いずれのWifi電波検知端末100’によって検知された電波強度であるかを判別することができる。ここで、
図10に示す電波状況検知システム1000’は、管理装置200にUUIDテーブルデータベース(DB)203が設けられている点を除けば、
図1に示す電波状況検知システム1000と同様であるため、対応する構成要素には同一符号を付し、詳細な説明は省略する。
【0046】
UUIDテーブルDB203には、Wifi電波検知端末100’を識別するための第1UUIDと第2UUIDとが対応づけて登録されている。
第1UUIDは、Wifi電波検知端末100’の背面等に貼り付けられたQRコード(登録商標)に埋め込まれているWifi電波検知端末100’の識別情報である。
一方、第2UUIDは、Wifi電波検知端末100’の初回起動時(初回電源ON時)にWifi電波検知端末100’によって発行・保存されるWifi電波検知端末100’の識別情報である。
【0047】
図11〜
図13は、それぞれ変形例に係るWifi電波検知端末100’、プローブ情報、管理サーバ201’の構成を示す図であり、
図2〜
図4に対応している。よって対応する部分には同一符号を付し、詳細な説明は割愛する。
図11に示すWifi電波検知端末100’は、UUID発行部123を備えている。UUID発行部123は、初回起動時(すなわち製造出荷後の初回電源ON時など)に、Wifi検知端末100’を識別するための第2UUIDを発行・保存する。UUID発行部123において発行されたWifi電波検知端末100’の第2UUIDは、管理装置200’に送信される。
【0048】
図12に示すプローブ情報は、携帯端末10を識別するための端末アドレス情報(MACアドレス)、電波強度情報、時刻情報のほか、Wifi電波検知端末100’を識別するための第2UUIDを含んで構成される。第2UUIDは、プローブ情報生成部122がプローブ情報を生成する際、UUID発行部123から取得する。
図13に示す管理サーバ201’は、UUIDテーブル登録部214とプリアクティベーションキー生成部215とを備えている。UUIDテーブル登録部214は、Wifi電波検知端末100’から送信される第2UUIDと、携帯端末10から送信される、Wifi電波検知端末100’のQRコード(登録商標)に埋め込まれた第1UUIDとを紐付けてUUIDテーブルデータベース(DB)203に登録する。一方、プリアクティベーションキー生成部215は、管理サーバ201’からWifi検知端末100’に送信されるプリアクティベーションキー(例えば5文字の英数字など)を生成する。
【0049】
図14は、第2実施形態に係るWifi電波検知端末100’を特定するためのシーケンス図である。なお、Wifi電波検知端末100’には、第1UUIDが埋め込まれたQRコード(登録商標)が貼り付けられているものとする(C0)。
例えば、初回起動時に調査者によってWifi電波検知端末100’に初めて電源が投入されると、Wifi電波検知端末100の制御部111は、自端末を識別するための第2UUIDを発行し、記憶部114に保存する(C1)。発行された第2UUIDは、Wifi電波検知端末100’から通信ネットワークNを介して管理装置200’に送信される(C2)。管理装置200’は、Wifi電波検知端末100’から第2UUIDを受信し、UUIDテーブルDB203に格納すると(C3)、プリアクティベーションキー(例えば5文字の英数字)を生成し(C4)、Wifi電波検知端末100’に対してプリアクティベーションキーを送信する(C5)。Wifi電波検知端末100’は、プリアクティベーションキーを受信すると、内蔵スピーカ等を利用してプリアクティベーションキーを音声出力する(C6)。調査者は、Wifi電波検知端末100’の入力部112に設けられたイヤホン用のポートにイヤホンを接続し、例えば5文字の英数字のプリアクティベーションキーの内容を確認する。なお、いずれのタイミングでWifi電波検知端末100’がプリアクティベーションキーを受信したか、調査者が容易に把握できるように、プリアクティベーションキーを受信した段階で、Wifi電波検知端末100’の所定のランプを点灯(点滅)等させるようにしても良い。
【0050】
その後、調査者は、携帯端末10にインストールされた専用アプリケーションを起動し、Wifi電波検知端末100’に貼り付けられたQRコード(登録商標)の読み取りを行う(C7)。さらに、調査者は、携帯端末10を操作することで、イヤホンを通じて取得したプリアクティベーションキーを入力する(C8)。携帯端末10が読み取ったQRコード(登録商標)及び携帯端末10に入力されたプリアクティベーションキーは、管理装置200’に送信される(C9)。管理装置200’は、受信したプリアクティベーションキーに基づいて、UUIDテーブルDB203を参照することにより、第2UUIDを特定する(C10)。管理装置200’は、第2UUIDを特定すると、特定した第2UUIDに、受信した第1UUIDを紐付けて、UUIDテーブルDB203に登録し(C11)、処理を終了する。
【0051】
図15は、第2実施形態に係る電波強度を確認するためのシーケンス図である。
調査者は、まず、携帯端末10に搭載された専用アプリケーションを起動し、Wifi電波検知端末100’に貼り付けられたQRコード(登録商標)の読み取りを行った後(Ca1)、情報処理装置300に対して自端末の端末アドレス(MACアドレス)を付加して電波強度情報の取得要求を行う(Ca2)。なお、電波強度情報の取得要求は、調査者が移動しながら電波強度の確認を行う等の事情を考慮し、所定の時間間隔(例えば数秒間隔)で行われる。
【0052】
情報処理装置300の電波強度情報検索部313は、読み取られたQRコード(登録商標)(すなわち第1UUID)と携帯端末10のMACアドレスを含む電波強度情報の取得要求を受け取ると、管理装置2000のUUIDテーブルDB203を参照し、第1UUIDに対応する第2UUIDを特定する(Ca3)。そして、電波強度情報検索部313は、プローブ情報DB202を検索し、一定期間内に格納された第2UUIDに対応するプローブ情報をプローブ情報DB202から読み出す(Ca4)。ここでいう一定期間とは、例えば、取得要求を受けた時の直近のT秒間とすることができる。また、例えば、情報処理装置300を用いて調査者が任意の期間を指定し、その指定した期間を一定期間としても良い。
【0053】
次に、電波強度情報検索部313は、読み出したプローブ情報から電波強度情報を取得(生成)する(Ca5)。この際、電波強度情報検索部313は、電波強度情報が複数ある場合には、例えば電波強度の平均値を求め、これを電波強度情報とする。なお、この後の動作については、本実施形態と同様に説明することができるため、説明を割愛する。
【0054】
以上説明したように、本実施形態によれば、施設内等に複数のWifi電波検知端末100’が存在する場合であっても、Wifi電波検知端末100’ごとに、携帯端末10の受信強度を検知することができるため、施設近傍のWifiの電波状況を、より精度良く検知することができる。
【0055】
C.その他
以上説明した各実施形態では、管理装置200と情報処理装置300とを別体構成としたが、両装置を一体構成としても良い。もちろん、一方の装置(例えば管理装置200)の一部の構成を、他方の装置(例えば情報処理装置300)に搭載しても良い。いかなる構成とするかは、本システムの運営等を考慮して適宜設定・変更可能である。
【0056】
また、各実施形態では、無線通信の一規格としてWifiを例示したが、本発明はこれに限る趣旨ではなく、他の通信規格を適用した機器などにも適用可能である。さらには、電波以外の赤外線等を利用した機器などにも適用可能である。
【解決手段】Wifi電波検知端末100は、Wifi機能を備えた携帯端末10の電波強度を含むプローブ要求を検知し、検知結果を管理装置200に送信する。プローブ要求には、携帯端末10の電波強度を示す情報が含まれる。管理装置200は、受け取った検知結果を、携帯端末10に対応づけてプローブ情報データベース202に登録する。その後、情報処理装置300は、携帯端末10から電波強度情報の取得要求を受け取ると、プローブ情報データベース202から当該端末の電波強度を示す電波強度情報を取得し、携帯端末10に返す。