【文献】
Panasonic,Downlink measurement set in eIMTA,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #74 R1-133202 [online],2013年 8月 9日,pages 1-3,[検索日 2016.08.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_74/Docs/R1-133202.zip
【文献】
Ericsson, ST-Ericsson,On CSI enhancements for Dynamic TDD,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #73 R1-132027 [online],2013年 5月11日,pages 1-3,[検索日 2016.08.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_73/Docs/R1-132027.zip
【文献】
LG Electronics,CSI Measurement and Report for TDD eIMTA,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #74 R1-133364 [online],2013年 8月10日,pages 1-5,[検索日 2016.08.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_74/Docs/R1-133364.zip
【文献】
Renesas Mobile Europe Ltd.,CSI measurement and reporting in TDD eIMTA,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #74 R1-133237 [online],2013年 8月 9日,pages 1-3,[検索日 2016.08.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_74/Docs/R1-133237.zip
【文献】
HTC,Aperiodic feedback to support DL CoMP,3GPP TSG-RAN WG1 Meeting #70 R1-123595 [online],2012年 8月 5日,pages 1-3,[検索日 2016.08.04],URL,http://www.3gpp.org/ftp/tsg_ran/WG1_RL1/TSGR1_70/Docs/R1-123595.zip
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期チャネル状態情報(CSI)報告を処理するための、ユーザ端末(UE)によって実行される方法であって、
−スタティック下りリンク(DL)サブフレームにおける無線ノードからの上りリンク(UL)グラントの一部として、1つ以上のCSI処理と、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中からのCSIサブフレームセットとを指示する、非周期CSI報告のためのトリガを受信すること(401)と、
−前記指示されたCSIサブフレームセットにおけるCSI参照リソースに対する非周期CSI測定を実行すること(403)と、
−前記CSI測定の結果を、CSI報告サブフレームnにおいて前記無線ノードへ報告すること(404)と、
を含み、
前記少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは前記1つ以上のスタティックサブフレームに関し、前記少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは前記1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する、
ことを特徴とする方法。
前記指示されたCSIサブフレームセットが前記1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する場合に、前記CSI参照リソースは、時間領域において、単一の下りリンクサブフレームn−nCQI_refとして定められ、nCQI_refは、前記単一の下りリンクサブフレームが、前記指示されたCSIサブフレームセットに属する有効な下りリンクサブフレームであるようなオフセットである、
ことを特徴とする請求項1に記載の方法。
信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期チャネル状態情報(CSI)報告を処理するための、無線ノードによって実行される方法であって、
−スタティック下りリンク(DL)サブフレームにおける上りリンク(UL)グラントにおいて、ユーザ端末(UE)に対して、1つ以上のCSI処理と、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中からの、前記UEがCSI参照リソースに対する非周期CSI測定を実行すべき、CSIサブフレームセットとを、指示すること(503)と、
−前記指示されたCSIサブフレームセットにおける前記CSI測定の結果を含むCSI報告を、CSI報告サブフレームnにおいて、前記UEから受信すること(504)と、
を含み、
前記少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは前記1つ以上のスタティックサブフレームに関し、前記少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは前記1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する、
ことを特徴とする方法。
前記指示されたCSIサブフレームセットが前記1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する場合に、前記CSI参照リソースは、時間領域において、単一の下りリンクサブフレームn−nCQI_refとして定められ、nCQI_refは、前記単一の下りリンクサブフレームが、前記指示されたCSIサブフレームセットに属する有効な下りリンクサブフレームであるようなオフセットである、
ことを特徴とする請求項4に記載の方法。
信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期チャネル状態情報(CSI)報告を処理するための、ユーザ端末(UE)(600、700)であって、
前記UEは、
−スタティック下りリンク(DL)サブフレームにおける無線ノードからの上りリンク(UL)グラントの一部として、1つ以上のCSI処理と、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中からのCSIサブフレームセットとを指示する、非周期CSI報告のためのトリガを受信し、
−前記指示されたCSIサブフレームセットにおけるCSI参照リソースに対する非周期CSI測定を実行し、
−前記CSI測定の結果を、CSI報告サブフレームnにおいて前記無線ノードへ報告する、
ように構成され、
前記少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは前記1つ以上のスタティックサブフレームに関し、前記少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは前記1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する、
ことを特徴とするユーザ端末。
前記指示されたCSIサブフレームセットが前記1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する場合に、前記CSI参照リソースは、時間領域において、単一の下りリンクサブフレームn−nCQI_refとして定められ、nCQI_refは、前記単一の下りリンクサブフレームが、前記指示されたCSIサブフレームセットに属する有効な下りリンクサブフレームであるようなオフセットである、
ことを特徴とする請求項7に記載のユーザ端末。
信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期チャネル状態情報(CSI)報告を処理するための、無線ノード(800、900)であって、
前記無線ノードは、
−スタティック下りリンク(DL)サブフレームにおける上りリンク(UL)グラントにおいて、ユーザ端末(UE)に対して、1つ以上のCSI処理と、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中からの、前記UEがCSI参照リソースに対する非周期CSI測定を実行すべき、CSIサブフレームセットとを、指示し、
−前記指示されたCSIサブフレームセットにおける前記CSI測定の結果を含むCSI報告を、CSI報告サブフレームnにおいて、前記UEから受信する、
ように構成され、
前記少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは前記1つ以上のスタティックサブフレームに関し、前記少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは前記1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する、
ことを特徴とする無線ノード。
前記指示されたCSIサブフレームセットが前記1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する場合に、前記CSI参照リソースは、時間領域において、単一の下りリンクサブフレームn−nCQI_refとして定められ、nCQI_refは、前記単一の下りリンクサブフレームが、前記指示されたCSIサブフレームセットに属する有効な下りリンクサブフレームであるようなオフセットである、
ことを特徴とする請求項10に記載の無線ノード。
無線機器へ、1つ以上のCSI処理と、複数の異なるCSIサブフレームセットのうちの1つとを指示するための、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)又はエンハンスドPDCCH(ePDCCH)上での上りリンクグラントにおけるチャネル状態情報(CSI)要求フィールドにおける少なくとも1つのビットを使用する方法であって、前記複数の異なるCSIサブフレームセットのうちの1つが1つ以上のスタティックサブフレームに関し、前記複数の異なるCSIサブフレームセットのうちの別の1つが1つ以上のフレキシブルサブフレームに関し、前記上りリンクグラントはスタティック下りリンクサブフレームで送信される、ことを特徴とする方法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
2つの隣接セルにおいて異なるTDD設定が用いられる場合、下りリンクが1つのセルで許可されると共に他方のセルで同時に上りリンクが許可されるフレキシブルサブフレームの間、干渉がそれらのセルにわたって生じうる。本説明では、用語「隣接セル」は、それらのセルが、1つのセルにおける伝送が潜在的に他のセルにおいて干渉を引き起こしうるほどに、互いに十分近接していることを意味する。隣接セルにおける異なるTDD設定に起因する干渉は、1)フレキシブルサブフレームの間に、1つのセルの無線ノードからの下りリンクの送信が他のセルの無線ノードにおける上りリンクの受信を妨害する場合の下りリンクから上りリンクへの干渉、又は、2)フレキシブルサブフレームの間に、1つのセルのUEからの上りリンクの送信が他のセルにおけるUEの下りリンクの受信を妨害する上りリンクから下りリンクへの干渉、のいずれかでありうる。これらの2つのシナリオのうち、1)は、多かれ少なかれ予想できる無線ノード間の干渉を指し、1つの無線ノードからの下りリンク信号が他の無線ノードにおいて受信されるときに非常に強いわけではないように隣接セルの無線ノードが互いに離れた比較的遠い固定された位置にあるため、この干渉は非常に正確にコントロールされうる。
【0007】
一方、上述のシナリオ2)は、UEが動き回り、かつ、場合によっては、例えば両者がそれらの個々のセルの境界近くに位置する場合、異なる無線ノードによってサービスを供されている間に互いに極めて近くに位置しうるため、より予想できないUE間の干渉を指す。このシナリオを、「UE1」で表される第1のUEが、あるサブフレームにおいてUE1が上りリンク信号「UL1」を送信するのを可能とするTDD設定を用いる第1の無線ノード「BS1」によって供される、第1のセル1の境界近くに位置している
図2において説明する。同時に、第2のUE「UE2」が、同一のサブフレームにおいてUE2が下りリンク信号「DL2」を受信する、したがって本文脈においてフレキシブルサブフレームである、のを可能とする、別のTDD設定を用いる第2の無線ノード「BS2」によって供される、第2のセル2の境界近くに位置している。UE1及びUE2は期せずして互いに非常に近接しているが、それらの個々の無線ノードからは比較的遠いため、UE1から高い電力で送信された上りリンク信号UL1は、フレキシブルサブフレームの間にUE2によって受信される比較的弱い下りリンク信号DL2に、協力に干渉する。このUEからUEへの干渉「I」を、破線矢印で示している。
【0008】
図3Aは、隣接セル1及び2にわたるUEからUEへの干渉を引き起こしうる、2つのTDD設定の例を示している。セル1では、
図1のTDD設定1が用いられ、セル2では、
図2のTDD設定2が用いられている。
図1及び
図3Aの両方において、フレキシブルサブフレーム3及び8が、セル1における上りリンクサブフレーム及びセル2における下りリンクサブフレームであり、したがって、
図3Aにおける破線矢印で示されるセル1からセル2へのUEからUEへの干渉を千座右的に引き起こすように、2つのセルにおいて異なって設定されていることが分かる。この場合、UE1を「攻撃者(aggressor)UE」と呼び、UE2を「犠牲者(victim)UE」と呼びうる。同様に、セル1及びセル2を、それぞれ「攻撃者セル」及び「犠牲者セル」と呼びうる。このように、異なるセルにおいて1つ以上のフレキシブルサブフレームを伴う異なるTDD設定を許容する無線通信ネットワークでは、フレキシブルサブフレームの間に犠牲者セルにおける犠牲者UEによって受信される下りリンク無線信号は、例えば、通常は予想できないUEの相対距離および位置に応じて、そのサブフレームの間に攻撃者セルにおける攻撃者UEからの上りリンク送信によって引き起こされる干渉にさらされうることが問題である。
【0009】
無線通信では、チャネル状態情報(CSI)は、無線通信リンクのチャネル特性を指す。この情報は、基本的に、どのように信号が送信器から受信器へ伝搬するかを記述する。CSIは、送信を現在のチャネル状態に適応させることを可能とし、セルラネットワークにおいて高いデータレートで信頼性のある通信を達成するのに有用でありうる。CSIは、受信器、通常はUE、において推定される必要があり、通常、量子化されて、送信器、通常はUEにサービスを供する無線ノード、へ報告が返される。この報告は、一般に、CSIフィードバックと呼ばれる。CSI報告は、チャネル品質インジケータ(CQI)と、プリコーディング行列インジケータ(PMI)と、ランクインジケータ(RI)と、の少なくともいずれかを含みうる。
【0010】
CSIフィードバックは、通常、様々な観点において無線アクセスネットワークの性能を支えるために用いられる。例えば、一般に、スケジューリング、リンクアダプテーション、及び干渉調整などの様々なRRM機能に対する基礎として用いられる。また、MIMO伝送のためのランク及びプリコーディング行列のレコメンデーションに用いることもできる。LTEでは、周期CSI報告及び非周期CSI報告の、2つのCSI報告手法がサポートされている。以下の開示は、高速な、又は、フレキシブルな、UL/DL設定が用いられるTDDシステムのための、非周期CSI報告に関する。
【0011】
無線データトラフィックは、将来ますます局在化するようになり、そこでは、ほとんどのUEのユーザが、ホットスポットに、インドアエリアに、又は住居地域にいることが予想される。したがって、これらのUEのユーザは、通常、無線ノードによって供されるセルの限定的なエリア内のクラスタに位置し、UEは、異なる無線ノードへのULトラフィックと無線ノードからのDLトラフィックとをそれぞれ異なる時刻において生成する。これは、本質的に、ULリソース及びDLリソースを瞬時の(又は短期間の)トラフィックの変動に適合させるための動的な特徴が、将来のローカルエリアセルにおいて要求されるだろうことを意味している。この場合、現在のトラフィックの状況に応じて動的にUL/DLリソースを割り当てるためのフレキシビリティを有するTDDシステムが、非常に魅力的になる。
【0012】
上述のように、今日、
図1の表に示すように、DLのための40%〜90%の範囲のリソースを与える、LTEにおいて定められた7個の異なるTDDのUL/DL設定が存在する。
図1において、例えば、TDD設定5は、例えばTDD設定0より、非常に多くのDLのためのリソースを有していることが分かる。現在の規格では、UL/DL設定は、準静的に設定されており、したがって、極めて高速に変動しうる瞬時的なトラフィックの状況にあまり適合していないかもしれない。この後では「動的TDD」と呼ばれる、より高速なTDD設定は、特に低いシステム負荷から中程度のシステム負荷におけるUL及びDLの両方での良好な性能の潜在能力を示しており、動的TDDは、LTE Rel−12の標準化された特徴となるだろう。
図1の表にリスト化されているものより多くのTDD設定が将来導入されうることに留意されたい。ここで提案されるソリューションは、既存のTDD設定に限られず、むしろ、将来定められる新しい設定に等しく適用可能である。
【0013】
異なるタイムスケールを有する動的なTDD再設定を支えるために、異なるシグナリング方法が検討されている。理論的には、各サブフレームを、ULとDLとのいずれかとして割り当てることは可能であろう。しかしながら、これは、DL/ULスイッチング、ランダムアクセス、無線リンクモニタリング、ハンドオーバなどのような動作に対する大きな問題を引き起こすだろう。さらに、レガシーのUEとの後方互換性を達成することは事実上不可能であろう。したがって、例えば
図1の異なるTDD設定間での切り替えにより、サブフレームのサブセットの中でULとULとの間での動的な切り替えを行うことが、より実用的である。この場合、サブフレームは、スタティックサブフレームとフレキシブルサブフレームとの2つのタイプに分割されうる。スタティックサブフレームは、すべてのTDD設定に対して固定されたリンクの方向を有し、一方で、フレキシブルサブフレームは、異なるTDD設定においてUL又はDLのいずれかでありえ、それにより、例えば上述のように、セルに対するTDD設定の変更によって、ULとDLとの間で動的に切り替えられうる。
【0014】
トラフィック状況に応じてフレキシブルサブフレームのセットを設定するかはeNB次第でありうる。1つの考えられる方法は、フレキシブルサブフレームが2つの参照TDD設定によって黙示的に決定されるように、すなわち、上述のように、2つのTDD設定におけるリンクの方向が異なりうるサブフレームがフレキシブルサブフレームとして定められるように、2つの異なるUL/DLのTDD設定をUEにシグナリングすることである。
図3Bは、参照TDD設定0がULのために用いられ、参照TDD設定2がDLのために用いられる例を示している。この例では、通常のサブフレームと特別サブフレームとを含みうるスタティック下りリンクサブフレームがサブフレーム0、1、5及び6である一方で、スタティック上りリンクサブフレームは、サブフレーム2及び7であり、したがって、サブフレーム0〜2及び5〜7が固定のリンク方向を有するスタティックサブフレームである。残りのサブフレーム3、4、8及び9は、上りリンク又は下りリンクのいずれかの送信のために用いられうるフレキシブルサブフレームである。
【0015】
2つのタイプのサブフレームにおけるUEの受信を検討すると、例えば
図1〜3Bを参照して上述したように、干渉状況は、異なるサブフレームにおいて異なりうる。スタティックDLサブフレームでは、隣接eNBによりセル間干渉が生じる一方で、フレキシブルサブフレームでは、隣接eNBと、隣接eNBによってサービスの提供を受けており、現在ULの送信のためにスケジューリングされている所定のUEとのいずれかにより、セル間干渉が生じうる。上述の異なる干渉状況に対処するために、2つのタイプのサブフレームに対して、DLスケジューリング及びリンクアダプテーションがそれぞれのCSI測定に基づいて両方のタイプのサブフレームのために適切に実行されうるように、別個のCSI測定が採用されるべきである。したがって、そのような個別のCSI報告を処理するための機構にたいする要求がある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
スタティックサブフレーム及びフレキシブルサブフレームに対する個別のCSI測定を処理するための方法を発見するのが望ましい。本開示では、UEに、スタティック下りリンクサブフレームのための、及び、フレキシブル下りリンクサブフレームのための非周期CSI報告を別個に実行するためのトリガを与えるためのソリューションについて説明する。これは、添付の独立請求項に記載の方法及びノードによって達成される。本ソリューションは、ロバストで、実装が容易で非常に小さいオーバーヘッドのみを生じ、さらに現在の標準への影響が少なく、例えば変更の必要性を最小化している。
【0017】
第1の態様によれば、UEによって実行される、信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期CSI報告を処理するための方法が提供される。本方法は、スタティックDLサブフレームにおいて、無線ノードから、ULグラントの一部として、非周期CSI報告のためのトリガを受信することを含む。そのトリガは、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、CSIサブフレームセットを指示する。その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは、1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する。本方法は、さらに、指示されたCSIサブフレームセットにおけるCSI参照リソースのための非周期CSI測定を実行することと、無線ノードへのそのCSI測定の結果を報告することとを含む。CSI測定の結果は、CSI報告サブフレームnにおいて無線ノードへ報告されうる。
【0018】
第2の態様によれば、無線ノードによって実行される、信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期CSI報告を処理するための方法が提供される。本方法は、スタティックDLサブフレームにおけるULグラントにおいて、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、UEがCSI参照リソースに対して非周期CSI測定を実行すべきCSIサブフレームセットを指示することを含む。その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは、1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する。本方法は、さらに、指示されたCSIサブフレームセットにおけるCSI測定の結果を含んだUEからのCSI報告を受信することを含む。本報告は、CSI報告サブフレームnにおいて受信されうる。
【0019】
第3の態様によれば、信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期CSI報告を処理するためのUEが提供される。本UEは、スタティックDLサブフレームにおいて、無線ノードから、ULグラントの一部として、非周期CSI報告のためのトリガを受信するように構成される。そのトリガは、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、CSIサブフレームセットを指示する。その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは、1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する。本UEは、さらに、指示されたCSIサブフレームセットにおけるCSI参照リソースのための非周期CSI測定を実行し、無線ノードへ、そのCSI測定の結果を報告するように構成される。本UEは、CSI報告サブフレームnにおいて、CSI測定の結果を無線ノードへ報告するように構成されうる。
【0020】
第4の態様によれば、信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期CSI報告を処理するための無線ノードが提供される。本無線ノードは、スタティックDLサブフレームにおけるULグラントにおいて、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、UEがCSI参照リソースに対して非周期CSI測定を実行すべきCSIサブフレームセットを指示するように構成される。その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは、1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する。本無線ノードは、さらに、指示されたCSIサブフレームセットにおけるCSI測定の結果を含んだUEからのCSI報告を受信するように構成される。本無線ノードは、CSI報告サブフレームnにおいて、UEからのCSI報告を受信するように構成されうる。
【0021】
第5の態様によれば、無線機器へ複数の異なるCSIサブフレームセットのうちの1つを指示するためのPDCCH又はePDCCH上でのULグラントにおけるCSI要求フィールドにおける少なくとも1つのビットの使用が提供され、その複数の異なるCSIサブフレームセットのうちの1つが1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その複数の異なるCSIサブフレームセットのうちの別の1つが1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する点を特徴とする。
【0022】
ここで、本発明について、例示の実施形態を用いると共に添付の図面を参照して、より詳細に説明する。
【発明を実施するための形態】
【0024】
従来技術の規格において、非周期CSI報告は、物理下りリンク制御チャネル(PDCCH)又はエボルブドPDCCH(E−PDCCH)によって運ばれる上りリンクグラント(DCIフォーマット0/4)によりトリガされる。サブフレームnにおいて非周期CSI報告がトリガされると、UEは、黙示的なCSI参照リソースでCSI測定を実行し、kがPUSCHに対するスケジューリングタイミング遅延である場合のサブフレームn+kにおいて、物理上りリンク共有チャネル(PUSCH)を用いた非周期CSI報告を実行しなければならない。CSIは、3GPPにおける「CSI参照リソース」と呼ばれる下りリンク物理リソースのグループに対して決定される。非周期CSI報告のために、時間領域において、CSI参照リソースは、対応するCSI要求のサブフレームに対応する。すなわち、CSI参照リソースは、非周期CSI報告の要求が送信されたサブフレームによって黙示的に決定される。動的TDDでは、スタティックサブフレームとフレキシブルサブフレームとの両方におけるUL伝送が、スタティックDLサブフレームで送信されるULグラントによってスケジューリングされる。本発明者は、UEによってスタティックサブフレーム及びフレキシブルサブフレームに対してなされる非周期CSI測定及び報告が別個に要求されるべき時に、動的TDD配置に対する非周期CSI手順のための現在の規定された要求の機構に伴う問題があることを認識した。
【0025】
スタティックDLサブフレームにおいてULグラントを送信する理由は、後方互換性を有効にし、実質的に追加の複雑性をeNB及びUEの両方に引き起こすであろう、新しいULスケジューリング及びHARQタイミング設計を導入することを避けることである。後方互換性は、例えば、使用されるDLのTDD設定によらず、任意のUEがULグラントを受信できるべきであることを意味する。したがって、従来技術において、CSI参照リソースが、非周期CSIがトリガされたDLサブフレームに依存し、そして、実際には時間領域に対してそのDLサブフレームであるため、常に、同一のタイプのサブフレーム、すなわち、スタティックサブフレームである。これは、本発明者によって認識されたように、フレキシブルサブフレームに対しても非周期CSIを要求することの必要性と両立しない。
【0026】
本発明者は、スタティックサブフレームとフレキシブルサブフレームとの両方のための非周期CSI要求をそれぞれ有効にするために必要なソリューションが必要であることを認識している。本ソリューションは、可能な限り小さいオーバーヘッドを生じさせ、実装が容易であり、そして、本ソリューションが現在の標準への最小の変更を引き起こす場合にさらに有利であることが望ましい。
【0027】
先行技術によれば、異なるキャリア及び異なるCSI処理に対して非周期CSI報告をトリガする可能性がある。異なるキャリアに対してCSI報告をトリガする可能性は、異なるCSI報告を必要としうる、異なる無線周波数における複数の異なるキャリアを用いて、UEが設定されうる、キャリアアグリゲーション(CA)に関する。異なるCSI処理に対して非周期CSI報告をトリガする選択肢は、「強調マルチポイント送受信」(CoMP)と呼ばれる技術に関する。CSI処理は、以下のように説明されうる:CoMPにおける送信仮説(hypothesis)は、信号仮説と干渉仮説との2つの部分から成る。信号仮説は、そこからデータが送信されると仮定される送信点(TP)を規定し、干渉仮説は、その仮定されたデータ送信の間に受ける干渉を表す。1つの送信仮説に対応するCSIが、CSI処理として定められる。CSI処理は、信号仮説及び干渉仮説の関連性によって判定され、そこでは、信号仮説及び干渉仮説がCSI−RS及び干渉測定リソースとのそれぞれを通じて、または、それぞれにおいて、測定される。しかしながら、これは、スタティックサブフレーム又はフレキシブルサブフレームのいずれかを含む異なるサブフレームセットには関連しない。
【0028】
本発明者は、スタティックサブフレーム及びフレキシブルサブフレームのそれぞれのために、非周期CSI報告を別個に要求すること又はトリガすることを可能とするために、異なるタイプのサブフレームを取り扱うための新しい手法が要求されることを認識している。以下では、このような手法について、説明用の図面を参照して説明する。本ソリューションについて、まず、UEの観点から説明し、その後、無線ノード、BS又はeNBの観点から説明する。
【0029】
以下の説明では、非周期CSI報告を実行することをUEにトリガすることを、場合によっては、例えば「CSI要求」又は「CSI報告要求」と呼ぶ。
【0030】
ユーザ端末(UE)のための方法
UEによって実行される、信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期CSI報告を処理するための方法の実施形態の例について、
図4に描かれているフローチャートを参照して説明する。UEは、動的TDDを適用する無線通信システムにおいて動作可能であるように構成される。本方法は、以下の動作を含み、この動作は任意の適切な順序で取り込まれうる。
【0031】
動作401
UEは、スタティックDLサブフレームにおいて、無線ノード、例えばBSから、上りリンク(UL)グラントの一部として、非周期CSI報告のためのトリガを受信する。そのトリガは、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、CSIサブフレームセットを指示する。その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは、1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する。
【0032】
ULグラントは、ULサブフレームにおいて送信することのUEへの許可を与える。ULグラントは、下りリンク制御情報(CSI)において送信されうる。用語「ULグラント」は、ここでは、ランダムアクセスグラントも含むとみなされる。受信されたULグラントは、CSI要求フィールドにおいて、CSIサブフレームセットを示す1つ以上のビットを含む。指示されたCSIサブフレームセットは、1つ以上のスタティックサブフレームを参照し若しくは含んでもよく、又は、指示されたCSIサブフレームセットは、1つ以上のフレキシブルサブフレームを参照し若しくは含みうる。例えば、トリガ又はインジケータが、値「01」を有する2つのビットを含む場合、これは、1つ以上のフレキシブルサブフレームに対する非周期CSI報告が要求されることが示されると定められうる。同様に、その2つのビットが値「11」を有する場合、これは、1つ以上のスタティックサブフレームに対する非周期CSI報告が要求されることが示されると定められうる。トリガは、さらに、他の値、例えば「00」をとってもよく、これは、この時点において非周期CSI報告が要求されていないことを示すように定められうる。このように、CSI要求フィールドにおけるそのビットは、非周期CSI報告が要求されるCSIサブフレームを示すトリガと見られうる。指示またはトリガは、例えばPDCCH又はE−PDCCHを介して受信されうる。
【0033】
いくつかの実施形態では、トリガは、さらに、1つ以上のCSI処理を示しうる。
【0034】
動作402
本動作は、黙示的に、例えば動作403に黙示的に含まれる(したがって破線の輪郭を有する)とみなされうるが、理解を促進するために
図4に示されている。トリガが受信されると、トリガは復号される必要があり、すなわち、UEはどのタイプのCSIサブフレームセットがトリガによって示されているか、すなわち指示されたCSIサブフレームセットにおける1つ以上のサブフレームがフレキシブルであるかスタティックであるかを判定する必要がある。これは、代わりに、UEが、複数のトリガのうち、ULグラントに含まれたトリガがどれであるかを判定する必要があると表現されてもよい。
【0035】
動作403
UEは、示されたCSIサブフレームセットにおけるCSI参照リソースに対して非周期CSI測定を実行する。
【0036】
トリガが、スタティックサブフレームのセット、すなわち1つ以上のスタティックサブフレームを、CSIサブフレームセットとして示す、又は、トリガがスタティックサブフレームのセットをCSIサブフレームセットとして示すと判定された場合、CSI測定は、そのスタティックサブフレームのセットにおける少なくとも1つのCSI参照リソースに対して実行される。対応して、トリガが、フレキシブルサブフレームのセット、すなわち1つ以上のフレキシブルサブフレームを、CSIサブフレームセットとして示す、又は、トリガがフレキシブルサブフレームのセットをCSIサブフレームセットとして示すと判定された場合、CSI測定は、そのフレキシブルサブフレームのセットにおける少なくとも1つのCSI参照リソースに対して実行される。CSI測定は、CSI参照リソースとして定められた厳密なリソースで実行される必要はなく、CSI参照リソースに対応する又はCSI参照リソースを表す無線リソースにおいて実行されることができる。換言すれば、CSI測定は、CSI参照リソースで実行される測定を表すべきである。異なるCSIサブフレームセットに対するCSI参照リソースは、UEがその指示またはトリガを受信することと無線ノードがその指示またはトリガを送信することの両方が合意する、すなわち、どのリソースがそれぞれの個別のCSIサブフレームセットのためのCSI参照リソースであるかの共通の理解を有するように、事前に定められうる。UE及び無線ノードは、さらに、これもまた事前に定められうる、トリガの定義について合意すべきである。トリガ及びCSI参照リソースの、この情報は、UEと無線ノードとの少なくともいずれかに対して、設定手順の一部として提供されるか、例えば、そうでなければ、管理ノードから無線ノードへ、そして、無線ノードからUEへ、例えばRRCシグナリングを介して、通信され又は更新されるか、の少なくともいずれかでありうる。どのようにCSI参照リソースを定めうるかについては、さらにあとにより詳細に説明する。
【0037】
動作404
UEは、CSI測定の結果を、無線ノードへ報告する。
【0038】
CSI測定結果は、UEによって処理され、その結果は、非周期CSI報告において無線ノードへ提示される。報告は、トリガによって定められうる、又は、非周期CSI報告がトリガされたサブフレームに黙示的に関連しうる、ULサブフレームで送信される。例えば、報告は、CSI報告サブフレームnにおいて送信されてもよく、ここで、nはサブフレームインデクスである。
【0039】
いくつかの実施形態では、指示されたCSIサブフレームセットが1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する場合、CSI参照リソースは、時間領域において、単一の下りリンクサブフレームn−n
CQI_refとして定められ、ここで、n
CQI_refは、その単一の下りリンクサブフレームが、指示されたCSIサブフレームセットに属する有効な下りリンクサブフレームであるようなオフセットであり、nはCSI報告サブフレームに対するサブフレームインデクスである。
【0040】
無線ノード、例えばBS、のための方法
ここで、無線ノード、例えばBSの観点から見た、方法の実施形態について説明する。無線ノード又はBSは、いくつかの実施形態において、eNBでありうる。このように、無線ノードによって実行される、信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期CSI報告を処理するための方法の実施形態の例について、
図5に描かれているフローチャートを参照して説明する。本方法は、以下の動作を含み、この動作は任意の適切な順序で実行されうる。
【0041】
動作501
この動作は、例えば動作503に、目次的に含まれると考えられうるが、ここでは、理解を促進するために概略的に図解している。このため、本動作は、破線で輪郭が描かれている。本動作は、UEからの非周期CSI報告の必要性があるかを無線ノードが判定するように説明されうる。必要性がある場合には、上述のように、DL制御情報の一部として、非周期CSI報告要求がUEへ送信されるべきである。
【0042】
動作502
動作501に対するように、本動作も、動作503に又は動作501に、目次的に含まれると考えられうる。本動作は、非周期CSI報告が、フレキシブルサブフレーム/リソースのために必要であるか、スタティックサブフレーム/リソースのために必要であるかを判定することのように説明されうる。これは、例えば動作501における非周期CSI報告を要求することの、見込まれる必要性の判定と関連して判定されうる。
【0043】
動作503
無線ノードは、スタティックDLサブフレームにおけるULグラントにおいて、UEに対して、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、その中で又はそこでUEがCSI参照リソースに対するCSI測定を実行すべき、CSIサブフレームセットを知らせる。ここで、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは、1つ以上のスタティックサブフレームに関し、例えば、1つ以上のスタティックサブフレームを参照し又は含み、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは、1つ以上のフレキシブルサブフレームに関し、例えば、1つ以上のフレキシブルサブフレームを参照し又は含む。
【0044】
フレキシブル又はスタティックの、所定のタイプのサブフレームに対する非周期CSI報告の必要性があるのが明らかである場合は、そのような報告の要求が、無線ノードからUEへシグナリングされるべきである。すなわち、そのような報告が、無線ノードによってトリガされるべきである。本動作は、代わりに、インジケータ又はトリガを用いて、報告が要求されるように編成されてもよい。インジケータ又はトリガは、少なくとも1つのビットを含み、「01」「10」又は「11」などのその少なくとも1つのビットの様々な値は、異なるCSIサブフレームセット、例えば、1つ以上のスタティックサブフレームまたは1つ以上のフレキシブルサブフレームを指し示し、どのCSIサブフレームセットが指示されているかに応じて異なるCSI参照リソースと関連する、異なるトリガとして参照されてもよい。
【0045】
いくつかの実施形態では、その指示は、さらに、1つ以上のCSI処理を、UEに知らせることを含みうる。
【0046】
動作504
無線ノードは
、UEからCSI報告を受信する。CSI報告は、
指示されたCSIサブフレームセットにおける非周期CSI測定の結果を含む。
【0047】
CSI報告は、上述の指示又はトリガを含んだ非周期CSI報告要求に応答して受信される。トリガがフレキシブルサブフレームのCSIサブフレームセットを指示している場合、CSI報告は、1つ以上のフレキシブルサブフレームにおけるCSI参照リソースに関する。同様に、トリガがスタティックサブフレームのCSIサブフレームセットを指示している場合、CSI報告は、1つ以上のスタティックサブフレームにおけるCSI参照リソースに関する。CSI報告は、黙示的に知られると共にCSI報告が要求されたサブフレームに依存しうる、ULサブフレームnにおいて受信される。したがって、ULサブフレームnは、そこでCSIサブフレームセットによって指示された非周期CSI測定の結果を含むCSI報告が無線ノードにおいて受信される、CSI報告サブフレームである。
【0048】
いくつかの実施形態では、指示されたCSIサブフレームセットが1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する場合、CSI参照リソースは、時間領域において、単一の下りリンクサブフレームn−n
CQI_refとして定められ、ここで、n
CQI_refは、その単一の下りリンクサブフレームが、指示されたCSIサブフレームセットに属する有効な下りリンクサブフレームであるようなオフセットであり、nはCSI報告サブフレームに対するサブフレームインデクスである。
【0049】
CSI参照リソース
UEが上に従って非周期CSI測定及び報告を受信すると、UEは、例えばチャネル測定と干渉測定との少なくともいずれかの観点で、CSI参照リソースで送信された信号を表す又はそれに対応する信号を測定し、さらにその測定からCSIを決定するべきである。CSI参照リソースは、UEがCSIを決定する対象の周波数領域のリソースである。そして、CSIは無線ノードへ報告され、そして、例えば、上述のように、対応するリソースにおいてスケジューリングするために無線ノードによって使用される。
【0050】
上述の方法の例示の実施形態では、フレキシブルサブフレーム、すなわちフレキシブルサブフレームセットに対するCSI参照リソースは、以下のように定められうる。
【0051】
・時間領域において、CSI参照リソースを、例えば、CSI参照リソースサブフレームとも表される、単一の下りリンクサブフレームn−n
CQI_refとして定めてもよく、ここでn
CQI_refはCSI報告サブフレームnと、その単一の下りリンクサブフレームとの時間オフセットである。
・ここで、n
CQI_refは、CSI参照リソースがフレキシブルサブフレームのセットに属する有効な下りリンクサブフレーム内にあるようなものであるべきである。n
CQI_refは、設定手順の一部として構成されて、したがってUE及び無線ノードに知られるようにしてもよいし、制御シグナリング、例えばRRCシグナリングの一部として与えられ又は更新されてもよいし、その両方が行われてもよい。
【0052】
・周波数領域では、CSI参照リソースは、導出されるCQI値が関連する帯域に対応する下りリンク物理リソースブロックのグループとして定義されうる。
【0053】
「有効な下りリンクサブフレーム」により、下りリンク通信のためにスケジューリングされ、又は、下りリンク通信のために少なくとも設定されたサブフレームを意味する。
【0054】
上の実施形態では、UEに、CSI測定を実行すること、及び、固定の、すなわちスタティックな、サブフレーム、又はフレキシブルサブフレームのための非周期CSI報告を送ることをトリガするために、1つ以上のビットが下りリンク制御情報(DCI)に付加されうる。代わりに、DCIにおける1つ以上の既存のビットが、UEに、CSI測定を実行すること、及び、固定の、すなわちスタティックな、サブフレーム、又はフレキシブルサブフレームのための非周期CSI報告を送ることをトリガするために用いられてもよい。例えば、DCIにおける付加された又は既存のビットが1(又は0)にセットされた場合、そのビットは、固定の、すなわち、スタティックな、サブフレームのための非周期CSI報告のためのトリガであってもよく、また、DCIにおけるこのビットが0(又は1)にセットされた場合、そのビットは、フレキシブルサブフレームのための非周期CSI報告のためのトリガであってもよい。また、1つ以上の既存のビットと1つ以上の追加のビットとの組み合わせが、様々な非周期CSI報告をトリガするために用いられてもよい。
【0055】
キャリアアグリゲーションの場合、UEが少なくとも2つのキャリアに関連付けられているときに、ULグラントにおける非周期CSI要求フィールドは2つのビットを含む。同様に、複数のCSI処理を伴って構成されるCoMPを適用するUEに対して、ULグラントにおける非周期CSI要求フィールドまたはCSI情報フィールドは、2つのビットを含む。その一方で、1つのキャリア及び1つのみのCSI処理を伴って構成されるUEに対しては、ULグラントにおける非周期CSI要求フィールドは1ビットのみを含む。このような単一キャリア、単一のCSI処理のUEに対して、非周期CSI要求フィールドは、1つより多くのビット、例えば2ビットを有するように、更新されてもよい。非周期CSI要求フィールドがすでに1つより多くのビットを含んでいるUEに対しては、これらのビットは、再利用され、再定義されてもよい。
【0056】
上述の実施形態のいずれかによるソリューションを実装することにより得られうるくつかの潜在的な利点は、スタティックサブフレームとフレキシブルサブフレームとの両方を伴う動的TDDが採用されているときにより正確で役立つCSI報告をUEが提供することができるようにされるため、セルラネットワークにおける性能と容量との少なくともいずれかの改善を含む。UEは、簡単な方法で、かつ、最小のシグナリングオーバーヘッドで、CSI報告を実行することのトリガを受けることができる。本ソリューションを実装することは、標準に対する影響が非常に小さく、例えば、標準の変更を最小化するだろう。
【0057】
ノードの実施形態
以下、UE及び無線ノード、例えばBE、の実装について、
図6〜9を参照して説明する。UE及び無線ノードは、
図4〜5を参照して上述した方法のうちの、少なくともそれぞれのものを実行するように構成される。本ノードについて、不必要な繰り返しを避けるため、簡単に説明する。
【0058】
ユーザ端末(UE)
ここで説明される実施形態は、無線通信システムで動作可能なUEにも関する。UEは、上述のUEによって実行される方法の少なくとも1つの実施形態を実行するように構成される。UEは、上述され、例えば
図4を参照して説明された方法と、同一の技術的特徴、目的及び利点と、関連付けられる。
【0059】
以下、信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期CSI報告を処理するための上述した方法を実行することができるように構成された例示のUE600について、
図6を参照して説明する。UE600は、無線通信ネットワークで動作可能なように構成され、したがって、例えば、そのUEにサービスを供する無線ノードと通信して、無線信号に関する測定を実行することができることが想定されうる。ここで説明される方法への適合によって最も影響を受けるUE600の部分を、破線によって囲まれた構成601として図解している。UE600及び構成601は、さらに、無線通信のための手段を有する通信部602を介して他のエンティティと通信するように構成される。UE600又は構成601は、通常のUEの機能を実行するためのさらなる機能606を有することが想定されうる。
【0060】
UEの構成部分は、以下のように実装と記述との少なくともいずれかがなされうる:構成601は、プロセッサなどの処理手段603及び命令を記憶するためのメモリ604を含み、メモリは、処理手段によって実行されるときに、UE600又は構成601に、無線ノードから、スタティックDLサブフレームにおけるULグラントの一部として非周期CSI報告のためのトリガを受信させる命令、例えばコンピュータプログラム605を含む。そのトリガは、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、CSIサブフレームセットを指示する。命令の実行は、さらに、UE600又は構成601に、上述のように、指示されたCSIサブフレームセットにおけるCSI参照リソースに対する非周期CSI測定を実行させ、そのCSI測定の結果を無線ノードへ報告させ、ここで、上述の少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する。UE600又は構成601は、CSI報告サブフレームnにおいて、CSI測定の結果を無線ノードへ報告するように構成されうる。
【0061】
UE600の代わりの実施形態を
図7に示す。
図7は、無線通信ネットワークで動作可能なUE700を示している。ここで説明される方法への適合によって最も影響を受けるUE700の部分を、破線によって囲まれた構成701として図解している。UE700又は構成701は、無線通信において他のエンティティと通信するように構成される通信部702を有する。UE700又は構成701は、通常のUEの機能を実行するためのさらなる機能部706を有することが想定されうる。
【0062】
UE700又は構成701は、スタティックDLサブフレームにおいて、無線ノードから、ULグラントの一部として、非周期CSI報告のためのトリガを受信するように構成された受信部703を有する。そのトリガは、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、CSIサブフレームセットを指示する。
【0063】
UE700又は構成701は、指定されたCSIサブフレームセットにおけるCSI参照リソースに対して、非周期CSI測定を実行するように構成された測定部704をさらに有する。UEは、さらに、そのCSI測定の結果を無線ノードへ報告するように構成された報告部705を有する。報告部705は、CSI報告サブフレームnにおいて、CSI測定の結果を無線ノードへ報告するように構成されうる。
【0064】
無線ノード、例えばBS
ここで説明される実施形態は、無線通信システムで動作可能な無線ノード又はBSにも関する。無線ノードは、上述の無線ノードによって実行される方法の少なくとも1つの実施形態を実行するように構成される。無線ノードは、上述され、例えば
図5において説明された方法と、同一の技術的特徴、目的及び利点と、関連付けられる。
【0065】
以下、信号伝送の方向が固定された1つ以上のスタティックサブフレームと、信号伝送の方向が可変の1つ以上のフレキシブルサブフレームとに対する別個の非周期CSI報告を処理するための上述した方法を実行することができるように構成された例示の無線ノード800について、
図8を参照して説明する。無線ノード800は、無線通信ネットワークにおいて動作可能であるように構成される。ここで説明される方法への適合によって最も影響を受ける無線ノード800の部分を、破線によって囲まれた構成801として図解している。無線ノード800及び構成801は、無線通信のための手段と、場合によっては有線通信のための手段とを有する通信部802を介して、UE及びMME等の他のエンティティと通信するように構成される。無線ノード800又は構成801は、スケジューリングなどの、通常の無線ノードの機能を実行するための、他のさらなる機能806を有することが想定されうる。
【0066】
無線ノード800の構成部分は、以下のように実装と記述との少なくともいずれかがなされうる:
構成801は、プロセッサなどの処理手段803と命令を記憶するメモリ804とを含み、メモリは、処理手段によって実行させるときに、無線ノード800又は構成801に、スタティックDLサブフレームにおけるULグラントにおいて、そこの中でまたはそこでUEがCSI参照リソースに対する非周期CSI測定を実行すべき、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中からのCSIサブフレームセットをそのUEへ指示させる命令、例えばコンピュータプログラムを有し、ここで、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する。命令の実行は、さらに、無線ノード800又は構成801に、指示されたCSIサブフレームセットにおける非周期CSI測定の結果を含んだUEからのCSI報告を受信させる。無線ノード800又は構成801は、CSI報告サブフレームnにおいて、UEからのCSI報告を受信するように構成されうる。
【0067】
無線ノード800の代わりの実施形態を
図9に示す。
図9は、無線通信ネットワークで動作可能な無線ノード900を示している。ここで説明される方法への適合によって最も影響を受ける無線ノード900の部分を、破線によって囲まれた構成901として図解している。UE900又は構成901は、無線通信において及び場合によっては有線通信においても、他のエンティティと通信するように構成される通信部902を有する。無線ノード900又は構成901は、さらに、スケジューリングなどの、通常の無線ノードの機能を実行するための、さらなる機能部906を有することが想定されうる。
【0068】
無線ノード900又は構成901は、スタティックDLサブフレームにおけるULグラントにおいて、UEに対して、少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットの中から、その中で又はそこでUEがCSI参照リソースに対するCSI測定を実行すべき、CSIサブフレームセットを知らせるように構成された指示部903を有し、ここで、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの1つは、1つ以上のスタティックサブフレームに関し、その少なくとも2つの選択肢のCSIサブフレームセットのうちの別の1つは、1つ以上のフレキシブルサブフレームに関する。無線ノード900又は構成901は、さらに、指示されたCSIサブフレームセットにおける非周期CSI測定の結果を含んだUEからのCSI報告を受信するように構成された受信部904を含む。無線ノード900又は構成901は、CSI報告サブフレームnにおいて、UEからのCSI報告を受信するように構成されうる。
【0069】
上述の様々なノードにおける構成内のユニットまたはモジュールは、例えば、上述され、例えば
図4〜5に図解された動作を実行するように構成された、プロセッサ若しくはマイクロプロセッサと適切なソフトウェア及びそれを記憶するためのメモリ、プログラマブル論理デバイス(PLD)、又は、他の電子コンポーネント若しくは処理回路のうちの1つ以上によって実装されうる。すなわち、上述の様々なノードにおける構成内のユニットまたはモジュールは、アナログ回路とデジタル回路との組合せ、若しくは、例えばメモリに記憶された、ソフトウェアとファームウェアとを伴って構成される1つ以上のプロセッサ、又はその両方によって実装されうる。これらの1つ以上のプロセッサ及び他のデジタルハードウェアは、単一の特定用途向け集積回路(ASIC)、又はいくつかのプロセッサに含まれてもよく、様々なデジタルハードウェアは、個別にパッケージされるにしてもシステムオンチップ(SoC)にまとめられるにしても、いくつかの分離したコンポーネントの間で分散されてもよい。
【0070】
ここで説明するインジケータ又はトリガは、上に述べたように、ここでも使われている用語である非周期CSI報告要求と見られうる。さらに、本開示では、上述の用語「スタティック/フレキシブルサブフレーム」は、1つのスタティック/フレキシブルサブフレームのみに限られず、少なくとも1つのスタティック/フレキシブルサブフレームと解釈されるべきである。
【0071】
本開示の範囲内の相互作用するユニットの選択及びユニットの命名は、例示の目的のためのものにすぎず、上述の方法のいずれかを実行するのに適したノードは、提案された手順の動作を実行することが可能であるように、複数の選択的な方法で構成されうる。本ソリューションについて特定の例示の実施形態を参照して説明したが、本説明は、概して発明のコンセプトを説明することのみを意図したものであり、本ソリューションの範囲を限定するようにとらえられるべきではない。例えば、ここで説明した特徴及び特性を有する任意の他の対応するエンティティと、機能と、パラメータとの少なくともいずれかをも使用することができるが、用語「無線ノード」、「ユーザ端末(UE)」、「スタティックサブフレーム」、「フレキシブルサブフレーム」、「トリガ」、「CSI報告」及び「CSI測定」が、本発明を通じて使用されている。
【0072】
また、本開示で説明されたユニットは論理エンティティとして見なされるべきであり、必然性なく個別の物理エンティティとみなされるべきではない。
【0073】
略語
3GPP: 第3世代パートナーシッププロジェクト
CCE: 制御チャネルエレメント
CoMP: 協調マルチポイント
CQI: チャネル品質インジケータ
CSI: チャネル状態情報
DCI: 下りリンク制御情報
DL: 下りリンク
DM RS: 復調参照シンボル
eNB: エボルブドNodeB
(E)PDCCH: エンハンスドPDCCH
HARQ: ハイブリッド自動再送要求
ICIC: セル間干渉協調
ID: アイデンティティ
L1: レイヤ1
LTE: ロングタームエボリューション
MIMO: 多入力多出力
PDCCH: 物理下りリンク制御チャネル
PUSCH: 物理上りリンク共有チャネル
Rel: リリース
RRM: 無線リソース管理
RS: 参照信号
TDD: 時分割複信
UE: ユーザ端末
UL: 上りリンク
【0074】
以下、付録において、非周期CSIのトリガに対するいくつかの代わりのソリューションについて言及する。
【0075】
付録
本開示の焦点である明治のシグナリング又はトリガへの代替案は、目次のトリガでありうる。黙示のトリガのために、以下の基準のいずれかに従って、スタティック又はフレキシブル下りリンクサブフレームに対して、非周期CSI要求が異ならしめられうる。
−(以下の実施形態1で説明される、)非周期CSI報告要求がスタティック又はフレキシブル上りリンクサブフレームのための上りリンクグラント上で運ばれる。
−(以下の実施形態2で説明される、)非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントのCCEインデクス。
−(以下の実施形態3で説明される、)非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントが送信される、下りリンクサブフレームが特別下りリンクサブフレームであるか否か。
−(以下の実施形態4で説明される、)非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントが送信される下りリンクサブフレームのインデクス。
−(以下の実施形態5で説明される、)非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントに対応するHARQ処理ID。
−(以下の実施形態6で説明される、)非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントにおける、CSI処理ID。
【0076】
以下、上述の基準について、様々な実施形態として、より詳細に説明する。これらの実施形態を実現するために、無線ノード又は基地局は、本開示において先に説明した明治のトリガの場合のように、スタティックサブフレームに対する非周期CSI報告を実行するためのUEに対する第1のトリガを送信し、フレキシブルサブフレームに対する非周期CSI報告を実行するためのUEに対する第2のトリガを送信するように構成される。
【0077】
実施形態1:非周期CSI報告要求がスタティック又はフレキシブル上りリンクサブフレームのための上りリンクグラント上で運ばれる
本実施形態では、報告をトリガするように設定されたそれぞれのCSI要求フィールドを伴う上りリンクグラント又はランダムアクセス応答グラントをUEが受信すると、そのUEは、ULグラント又はランダムアクセス応答グラントがスタティックサブフレームとフレキシブルサブフレームとのいずれにおいてPUSCH伝送をスケジューリングしたかに基づいて、非周期CSI報告を実行することがトリガされる。これは、様々な可能性に従って実現されうる:
・上りリンクグラント又はランダムアクセス応答グラントが、スタティックサブフレームにおけるPUSCH伝送をスケジューリングした場合、非周期CSI報告は、1つ以上のスタティック下りリンクサブフレームにおけるCSI測定を含むべきである。したがって、このスケジューリングは第1のトリガに対応する。
・上りリンクグラント又はランダムアクセス応答グラントが、フレキシブルサブフレームにおけるPUSCH伝送をスケジューリングした場合、非周期CSI報告は、1つ以上のフレキシブル下りリンクサブフレームにおけるCSI測定を含むべきである。したがって、このスケジューリングは第2のトリガに対応する。
・上りリンクグラントがスタティックサブフレーム及びフレキシブルサブフレームの両方におけるPUSCHをスケジューリングしている、例えばUL/DL設定0である場合、非周期CSI報告は、スタティックサブフレームとフレキシブルサブフレームとの両方におけるCSI測定を含むべきである。したがって、このスケジューリングは第1のトリガと第2のトリガとの両方に対応する。
【0078】
実施形態2:非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントのCCEインデクス
本実施形態では、非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントの第1のCCEのインデクスの関数としてメトリックが定められうる。本メトリックは、γ
CCEと表される。その場合、UEは、メトリックに応じて所定のルールに従って、スタティック又はフレキシブル下りリンクサブフレームに対するCSIを報告することを決定する。
【0079】
一例として、
である。ここで、Ind
1st_CCEは第1のCCEのインデクスであり、Agg
pdcchは、CSI報告のトリガを運ぶULグラントのアグリゲーションレベルである。本実施形態では、メトリックγ
CCEがそれぞれ0及び1である場合、又はメトリックγ
CCEがそれぞれ1及び0である場合に、スタティック下りリンクサブフレーム及びフレキシブル下りリンクサブフレームに対する非周期CSI報告を実行することがUEにトリガされる。
【0080】
実施形態3:非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントが送信される、下りリンクサブフレームが特別下りリンクサブフレームであるか否か
本実施形態では、UEによって受信されたCSI報告要求が特別サブフレームである又は特別サブフレームでない場合に、UEが(CSI要求搬送サブフレームとも呼ばれうる)サブフレームに基づいてスタティック又はフレキシブル下りリンクサブフレームに対する非周期CSI報告を判定することができることが事前に定められ/設定されうる。
【0081】
本実施形態では、UEは、CSI要求搬送サブフレームが特別サブフレームである場合及び特別サブフレームでない場合のそれぞれにおいて、又は、CSI要求搬送サブフレームが特別サブフレームでない場合及び特別サブフレームである場合のそれぞれにおいて、スタティック下りリンクサブフレーム及びフレキシブル下りリンクサブフレームに対する非周期CSI報告を実行することがUEにトリガされうる。
【0082】
実施形態4:非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントが送信される下りリンクサブフレームのインデクス
本実施形態における可能性として、上りリンクグラントを運ぶことができる(例えば特別サブフレームを含む)下りリンクサブフレームが、第1の下りリンクサブフレームグループと、第2の下りリンクサブフレームグループとの2つのグループに分割されうる。第1の又は第2の下りリンクサブフレームグループに属する下りリンクサブフレームで運ばれた非周期CSI報告要求が、それぞれ、スタティック又はフレキシブルサブフレームに対する非周期CSI測定を実行することをUEにトリガすることが、事前に定められうる。
【0083】
本実施形態の別の可能性として、CSI要求搬送サブフレームのサブフレームインデクスの関数として、別のメトリックを定めることができる。本メトリックは、γ
CCE-fnと表される。事前に定められたルールに従って、UEがスタティック又はフレキシブル下りリンクサブフレームに対する非周期CSI報告を決定することができることを、ネットワークによって事前に定め/設定することができる。一例として、メトリックγ
CCE-fnは、
のように定義されうる。ここで、subFnはサブフレーム番号又はインデクスである。本実施形態では、UEは、γ
CCE-fnがそれぞれ0及び1である場合、又はγ
CCE-fnがそれぞれ1及び0である場合に、スタティック下りリンクサブフレーム及びフレキシブル下りリンクサブフレームに対する非周期CSI報告を実行することがUEにトリガされうる。
【0084】
実施形態5:非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントに対応するHARQ処理ID
本実施形態における可能性として、HARQ処理IDを、2つのグループ(第1及び第2)に分割することができる。第1の/第2のHARQ処理IDグループに属する、非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントに対応するHARQ処理IDは、それぞれ、UEがスタティック/フレキシブル下りリンクサブフレームに対する、又は逆の場合も同様の、非周期CSI報告を実行すべきであることを意味する。
【0085】
本実施形態の別の可能性として、非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントに対応するHARQ処理IDの関数としてメトリックを定義することができ、UEは、所定のルールに従って、スタティック又はフレキシブル下りリンクサブフレームに対する非周期CSI報告を実行することを決定することができる。一例として、メトリックγ
hpは、
のように定義されうる。ここで、hp_Idは、HARQ処理アイデンティティである。本実施形態では、UEは、γ
hpがそれぞれ0及び1である場合、又はγ
hpがそれぞれ1及び0である場合に、スタティック下りリンクサブフレーム及びフレキシブル下りリンクサブフレームに対する非周期CSI報告を実行することがUEにトリガされる。
【0086】
実施形態6:非周期CSI報告要求を運ぶ上りリンクグラントにおける、CSI処理ID
本実施形態における可能性として、CSI処理IDを、スタティック/フレキシブル下りリンクサブフレームと関連付けることができる。本実施形態の例では、CSI処理IDの2つのセットが、無線ノード又はeNBにおいて定義されうる。1つのセットはスタティック下りリンクサブフレームと関連付けられ、別のセットがフレキシブル下りリンクサブフレームに関連付けられる。スタティック下りリンクサブフレームに関連付けられたCSI処理に対して、対応するゼロ電力/非ゼロ電力のCSI RS及びDM RSが、スタティックサブフレームのみにおいて設定されてもよく、その一方で、フレキシブル下りリンクサブフレームに関連付けられたCSI処理に対して、対応するゼロ電力/非ゼロ電力CSI RS及びDM RSがフレキシブルサブフレームのみにおいて設定されてもよい。