【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るデータの表示方法は、
対象のデータを所定の基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを基礎グラフとして表示する第1画面を表示する表示部において、前記表示部に表示される前記基礎グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを対象分類項目として選択する分類項目選択工程と、
選択された前記対象分類項目に属する前記データを、前記基礎グラフにおける基準とは異なる基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを前記基礎グラフに対する派生グラフとして生成して、前記基礎グラフとともに前記派生グラフを表示する第2画面を生成する第2画面生成工程と、
前記第2画面において前記基礎グラフを選択することにより前記表示部に表示される画面が前記第1画面に切り替わる状態で前記第2画面を前記表示部に表示する第2画面表示工程と、を有する。
【0008】
例えば流体漏洩箇所のデータを例に説明すると、上記構成によれば、ある基準(例えば
図3Aのような年度)で流体漏洩箇所のデータ(
図3Aでは流体漏洩箇所の総数、及び、流体漏洩に伴う総損失金額)を分類した基礎グラフを第1画面として表示するのに加え、基礎グラフのある分類項目(例えば
図3Aにおける2014年度の項目)を選択することで、その分類項目に属するデータをさらに異なる基準(
図3Bでは流体種)で分類した派生グラフ(
図3Bでは2014年度に属するデータを流体種ごとのデータに分類したグラフ)を基礎グラフとともに表示する第2画面を表示する。
【0009】
このように、上記構成によれば、第2画面から、基礎グラフによりある基準における流体漏洩箇所の大枠の傾向を表示すると同時に、基礎グラフで示す項目をさらに細分化した派生グラフにより、基礎グラフのある分類項目における流体漏洩箇所の詳細な傾向を表示することができる。これにより、流体漏洩箇所の大枠の傾向と、その大枠の傾向をさらに細分化した詳細な傾向とを一括に且つわかりやすい形で示すことができるから、流体漏洩箇所の傾向を容易に理解できる。さらに、派生グラフを表示する第2画面において基礎グラフを選択することにより、元の第1画面に戻ることができ、これにより容易に2つの画面を行き来することができ、容易に情報を把握することができる。
【0010】
なお、分類項目選択工程では、基礎グラフにおける各分類項目のうち複数の項目、又は、各分類項目の全て(即ち基礎グラフの全体)を選択する場合を含む。例えば、各分類項目の全てを選択した場合、派生グラフ生成工程では、基礎グラフを構成する全データを、基礎グラフとは異なる基準で分類した派生グラフ(いわば、基礎グラフを異なる基準で分類しなおしたグラフ)を生成する。例えば、流体種で流体漏洩箇所のデータを分類している基礎グラフを、流体種に代えて流体漏洩箇所の属するエリアで流体漏洩箇所のデータを分類した派生グラフを生成する。
【0011】
例えば、表示する流体漏洩箇所のデータとしては、流体漏洩箇所の総数、総流体漏洩量、若しくは、総流体漏洩量に単価を乗算して求めた総損失金額、又は、過去のある期間における流体漏洩箇所の総数・総流体漏洩量・総損失金額からの現時点における流体漏洩箇所の総数・総流体漏洩量・総損失金額の増減などが挙げられる。また、このデータを分類する基準としては、各流体漏洩箇所が発見された期間(年単位、月単位など)、漏洩流体種、プラントにおけるエリア、担当する課、漏洩を起こしている部材(配管、バルブ、ホースなど)などが挙げられる。
【0012】
なお、流体漏洩箇所のデータを対象とするデータとして説明したが、これに限定されず、上記構成を他のデータに適用しても同様の作用効果を得ることができる。
【0013】
以下、本開示に係るデータの表示方法の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本開示の範囲が限定される訳ではない。
【0014】
一つの態様として、前記分類項目選択工程において、前記第2画面で表示される前記派生グラフを新たな前記基礎グラフとして、前記派生グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを前記対象分類項目として選択可能で、前記第2画面生成工程において、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフに対する新たな前記派生グラフを生成して、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフとともに新たな前記派生グラフを表示する新たな前記第2画面を生成可能で、前記第2画面表示工程において、新たな前記第2画面において新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフを選択することで前記表示部に表示される画面が前記第2画面に切り替わる状態で、新たな前記第2画面を表示可能であると好適である。
【0015】
つまり、上記構成によれば、基礎グラフを細分化した派生グラフをさらに異なる基準で細分化した新たな派生グラフを表示する新たな第2画面を表示部に表示する。これにより、対象とするデータのより詳細な傾向を理解することができる。
【0016】
そして、上記構成の実施により表示部に表示する新たな第2画面に対し、繰り返し上記構成を実施することで、さらに細分化された派生グラフを順次得ることができる。また、新たに表示部に表示される画面における基礎グラフを繰り返し選択すれば、元の画面に順次戻っていくことができる。即ち、上記構成によれば、表示部に表示される基礎グラフや派生グラフの選択を繰り返すことで、様々な基準で細分化されたグラフが表示される画面を容易に行き来することができ、極めて容易に対象のデータの傾向を把握することができる。
【0017】
一つの態様として、前記対象分類項目に属する前記データをそれぞれ異なる基準に基づいて分類した複数の前記派生グラフを生成し、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成すると好適である。
【0018】
つまり、上記構成によれば、それぞれ異なる基準に基づいて分類された複数の派生グラフをまとめて表示することにより、複数の基準から対象のデータの詳細な傾向を把握することができる。
【0019】
一つの態様として、前記分類項目選択工程での前記基礎グラフに対する選択指示に伴い、選択された前記対象分類項目に属する前記データのリストを生成するリスト生成工程を有し、
前記第2画面生成工程において、前記基礎グラフを表示した状態で、前記派生グラフとともに、又は、前記派生グラフに代えて、前記リストを表示する前記第2画面を生成すると好適である。
【0020】
つまり、上記構成によれば、対象のデータをリスト表示することで、対象のデータについてのより詳細な情報を得ることができる。さらに、第2特徴構成のように、派生グラフ表示工程で表示した派生グラフを基礎グラフとして分類項目選択工程を行う場合、基礎グラフをさらに細分化した派生グラフ(さらには派生グラフをさらに細分化した新たな派生グラフ)の分類項目に属するデータの数は限られたものとなっているため、リスト表示したとしても内容の把握は容易となる利点がある。さらに、上記構成によれば、リストの基となる基礎グラフを表示した状態で選択した分類項目に関するリストを表示するため、対象のデータの詳細な情報を容易に把握できる。
【0021】
一つの態様として、前記分類項目選択工程において、前記基礎グラフにおける各分類項目のうち前記対象分類項目とする分類項目を複数選択可能で、前記第2画面生成工程において、それぞれの前記対象分類項目に属する前記データを異なる基準に基づいて分類した前記派生グラフをそれぞれ生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成可能であると好適である。
【0022】
つまり、上記構成によれば、分類項目選択工程において選択した複数の分類項目について、選択した各分類項目について派生グラフをそれぞれ生成して表示することから、多様な情報を一括に得ることができ対象のデータの詳細な傾向を把握することができる。
【0023】
本開示に係るデータの表示システムは、
対象のデータを所定の基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを基礎グラフとして表示する第1画面を表示する表示部と、
前記表示部に表示される前記基礎グラフにおける各分類項目のうちの少なくとも1つを対象
分類項目として選択指示する選択指示部と、
選択された前記対象分類項目に属する前記データを、前記基礎グラフにおける基準とは異なる基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを前記基礎グラフに対する派生グラフとして生成して、前記基礎グラフとともに前記派生グラフを表示する第2画面を生成する第2画面生成部と、を備え、
前記表示部は、前記第2画面において前記基礎グラフを選択することにより前記表示部に表示される画面が前記第1画面に切り替わる状態で、前記第2画面を表示する。
【0024】
上記構成によれば、本開示に係る表示方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
以下、本開示に係るデータの表示システムの好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本開示の範囲が限定される訳ではない。
【0026】
一つの態様として、前記選択指示部は、前記第2画面で表示される前記派生グラフを新たな前記基礎グラフとして、前記派生グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを前記対象分類項目として選択指示可能であり、前記第2画面生成部は、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフに対する新たな前記派生グラフを生成して、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフとともに新たな前記派生グラフを表示する新たな前記第2画面を生成可能であり、前記表示部は、新たな前記第2画面において新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフを選択することで前記表示部に表示される画面が前記第2画面に切り替わる状態で、新たな前記第2画面を表示する構成にしてあると好適である。
【0027】
一つの態様として、前記第2画面生成部は、前記対象分類項目に属する前記データをそれぞれ異なる基準に基づいて分類した複数の前記派生グラフを生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する第2画面を生成可能であると好適である。
【0028】
一つの態様として、前記選択指示部での前記基礎グラフに対する選択指示に伴い、選択された前記対象分類項目に属する前記データのリストを生成するリスト生成部を備え、前記第2画面生成部は、前記基礎グラフを表示した状態で、前記派生グラフとともに、又は、前記派生グラフに代えて、前記リストを表示する前記第2画面を生成可能であると好適である。
【0029】
一つの態様として、前記選択指示部は、前記基礎グラフにおける各分類項目のうち前記対象分類項目とする分類項目を複数選択可能であり、前記第2画面生成部は、前記選択指示部により選択された複数の前記対象分類項目について、それぞれの前記対象分類項目に属する前記データを異なる基準に基づいて分類した前記派生グラフをそれぞれ生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成可能である構成にしてあると好適である。
【0030】
上記構成によれば、上記した本開示に係る表示方法の好適な態様と同様の作用効果を得ることができる。