特許第6078210号(P6078210)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 株式会社テイエルブイの特許一覧

(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078210
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】データの表示方法及び表示システム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/0482 20130101AFI20170130BHJP
【FI】
   G06F3/0482
【請求項の数】10
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2016-543756(P2016-543756)
(86)(22)【出願日】2015年12月9日
(86)【国際出願番号】JP2015084535
(87)【国際公開番号】WO2016117235
(87)【国際公開日】20160728
【審査請求日】2016年7月6日
(31)【優先権主張番号】特願2015-8051(P2015-8051)
(32)【優先日】2015年1月19日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000133733
【氏名又は名称】株式会社テイエルブイ
(74)【代理人】
【識別番号】110001818
【氏名又は名称】特許業務法人R&C
(72)【発明者】
【氏名】藤本 啓介
【審査官】 若林 治男
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−065768(JP,A)
【文献】 特開2014−182640(JP,A)
【文献】 特開2007−133495(JP,A)
【文献】 特開2007−87125(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/0482
G06F 3/048
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
対象のデータを所定の基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを基礎グラフとして表示する第1画面を表示する表示部において、前記表示部に表示される前記基礎グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを対象分類項目として選択する分類項目選択工程と、
選択された前記対象分類項目に属する前記データを、前記基礎グラフにおける基準とは異なる基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを前記基礎グラフに対する派生グラフとして生成して、前記基礎グラフとともに前記派生グラフを表示する第2画面を生成する第2画面生成工程と、
前記第2画面において前記基礎グラフを選択することにより前記表示部に表示される画面が前記第1画面に切り替わる状態で前記第2画面を前記表示部に表示する第2画面表示工程と、を有するデータの表示方法。
【請求項2】
前記分類項目選択工程において、前記第2画面で表示される前記派生グラフを新たな前記基礎グラフとして、前記派生グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを前記対象分類項目として選択可能で、
前記第2画面生成工程において、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフに対する新たな前記派生グラフを生成して、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフとともに新たな前記派生グラフを表示する新たな前記第2画面を生成可能で、
前記第2画面表示工程において、新たな前記第2画面において新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフを選択することで前記表示部に表示される画面が前記第2画面に切り替わる状態で、新たな前記第2画面を表示可能である請求項1に記載のデータの表示方法。
【請求項3】
前記第2画面生成工程において、前記対象分類項目に属する前記データをそれぞれ異なる基準に基づいて分類した複数の前記派生グラフを生成し、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成する請求項1又は2に記載のデータの表示方法。
【請求項4】
前記分類項目選択工程での前記基礎グラフに対する選択指示に伴い、選択された前記対象分類項目に属する前記データのリストを生成するリスト生成工程を有し、
前記第2画面生成工程において、前記基礎グラフを表示した状態で、前記派生グラフとともに、又は、前記派生グラフに代えて、前記リストを表示する前記第2画面を生成する請求項1〜3のいずれか1項に記載のデータの表示方法。
【請求項5】
前記分類項目選択工程において、前記基礎グラフにおける各分類項目のうち前記対象分類項目とする分類項目を複数選択可能で、
前記第2画面生成工程において、それぞれの前記対象分類項目に属する前記データを異なる基準に基づいて分類した前記派生グラフをそれぞれ生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成可能である請求項1〜4のいずれか1項に記載のデータの表示方法。
【請求項6】
対象のデータを所定の基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを基礎グラフとして表示する第1画面を表示する表示部と、
前記表示部に表示される前記基礎グラフにおける各分類項目のうちの少なくとも1つを対象分類項目として選択指示する選択指示部と、
選択された前記対象分類項目に属する前記データを、前記基礎グラフにおける基準とは異なる基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを前記基礎グラフに対する派生グラフとして生成して、前記基礎グラフとともに前記派生グラフを表示する第2画面を生成する第2画面生成部と、を備え、
前記表示部は、前記第2画面において前記基礎グラフを選択することにより前記表示部に表示される画面が前記第1画面に切り替わる状態で、前記第2画面を表示する構成にしてあるデータの表示システム。
【請求項7】
前記選択指示部は、前記第2画面で表示される前記派生グラフを新たな前記基礎グラフとして、前記派生グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを前記対象分類項目として選択指示可能であり、
前記第2画面生成部は、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフに対する新たな前記派生グラフを生成して、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフとともに新たな前記派生グラフを表示する新たな前記第2画面を生成可能であり、
前記表示部は、新たな前記第2画面において新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフを選択することで前記表示部に表示される画面が前記第2画面に切り替わる状態で、新たな前記第2画面を表示する構成にしてある請求項6に記載のデータの表示システム。
【請求項8】
前記第2画面生成部は、前記対象分類項目に属する前記データをそれぞれ異なる基準に基づいて分類した複数の前記派生グラフを生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する第2画面を生成可能である請求項6又は7に記載のデータの表示システム。
【請求項9】
前記選択指示部での前記基礎グラフに対する選択指示に伴い、選択された前記対象分類項目に属する前記データのリストを生成するリスト生成部を備え、
前記第2画面生成部は、前記基礎グラフを表示した状態で、前記派生グラフとともに、又は、前記派生グラフに代えて、前記リストを表示する前記第2画面を生成可能である請求項6〜8のいずれか1項に記載のデータの表示システム。
【請求項10】
前記選択指示部は、前記基礎グラフにおける各分類項目のうち前記対象分類項目とする分類項目を複数選択可能であり、
前記第2画面生成部は、前記選択指示部により選択された複数の前記対象分類項目について、それぞれの前記対象分類項目に属する前記データを異なる基準に基づいて分類した前記派生グラフをそれぞれ生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成可能である請求項6〜9のいずれか1項に記載の表示システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えばプラントを構成する各部から収集された流体漏洩を起こしている流体漏洩箇所のデータ等のデータの表示方法及び表示システムに関する。
【背景技術】
【0002】
石油精製、石油化学、一般化学、鉄鋼、重工業、自動車、食料・飲料など、様々な分野におけるプラントの生産活動において、種々のガス(水素、窒素、都市ガス、アルゴン、二酸化炭素、炭酸ガスなど)、エア、蒸気など様々な流体が使用されている。この種のプラントにおいて、経年劣化などにより配管系や容器系から流体漏洩が生じることは避けられず、そして、流体漏洩の分だけ損失が生じることとなるため、プラントにおける流体漏洩を防ぐため定期的にメンテナンスを行う必要がある。
【0003】
そして、メンテナンスを行うには、流体漏洩を起こし、その補修が必要な箇所を特定する必要があり、そのための装置として、特許文献1に示すような可搬式漏洩検出装置が用いられている。この可搬式漏洩検出装置により流体漏洩箇所を検出するとともにその流体漏洩量や場所などのデータを収集し、収集した全流体漏洩箇所のデータを管理装置に入力する。そして、管理装置に入力された全流体漏洩箇所のデータに基づいて、補修が必要な流体漏洩箇所を特定することでメンテナンスを行っていた。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−106927号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
メンテナンスを行うには人件費などのコストが発生することとなるため、現時点で流体漏洩によりどれだけの損失が生じているか、そして、メンテナンスを行うことによりどれだけの経済効果が得られるかといったことを顧客に示す必要がある。特に、メンテナンスでは、対象のプラントにおける流体漏洩箇所の傾向を把握し、その傾向に沿った方針でメンテナンスを行うことが効率的であるが、流体漏洩箇所に関するデータは、漏洩している流体種、漏洩を起こしているプラントのエリア、漏洩を起こしている部材など様々な項目に関連するもので把握が難しく、メンテナンスの方針の決定に必要な流体漏洩箇所の傾向を顧客が分かりやすい形で示す必要があった。
【0006】
この実情に鑑み、本開示の主たる課題は、プラントを構成する各部から収集された各流体漏洩箇所のデータをわかりやすい形で表示する表示方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本開示に係るデータの表示方法は、
対象のデータを所定の基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを基礎グラフとして表示する第1画面を表示する表示部において、前記表示部に表示される前記基礎グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを対象分類項目として選択する分類項目選択工程と、
選択された前記対象分類項目に属する前記データを、前記基礎グラフにおける基準とは異なる基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを前記基礎グラフに対する派生グラフとして生成して、前記基礎グラフとともに前記派生グラフを表示する第2画面を生成する第2画面生成工程と、
前記第2画面において前記基礎グラフを選択することにより前記表示部に表示される画面が前記第1画面に切り替わる状態で前記第2画面を前記表示部に表示する第2画面表示工程と、を有する。
【0008】
例えば流体漏洩箇所のデータを例に説明すると、上記構成によれば、ある基準(例えば図3Aのような年度)で流体漏洩箇所のデータ(図3Aでは流体漏洩箇所の総数、及び、流体漏洩に伴う総損失金額)を分類した基礎グラフを第1画面として表示するのに加え、基礎グラフのある分類項目(例えば図3Aにおける2014年度の項目)を選択することで、その分類項目に属するデータをさらに異なる基準(図3Bでは流体種)で分類した派生グラフ(図3Bでは2014年度に属するデータを流体種ごとのデータに分類したグラフ)を基礎グラフとともに表示する第2画面を表示する。
【0009】
このように、上記構成によれば、第2画面から、基礎グラフによりある基準における流体漏洩箇所の大枠の傾向を表示すると同時に、基礎グラフで示す項目をさらに細分化した派生グラフにより、基礎グラフのある分類項目における流体漏洩箇所の詳細な傾向を表示することができる。これにより、流体漏洩箇所の大枠の傾向と、その大枠の傾向をさらに細分化した詳細な傾向とを一括に且つわかりやすい形で示すことができるから、流体漏洩箇所の傾向を容易に理解できる。さらに、派生グラフを表示する第2画面において基礎グラフを選択することにより、元の第1画面に戻ることができ、これにより容易に2つの画面を行き来することができ、容易に情報を把握することができる。
【0010】
なお、分類項目選択工程では、基礎グラフにおける各分類項目のうち複数の項目、又は、各分類項目の全て(即ち基礎グラフの全体)を選択する場合を含む。例えば、各分類項目の全てを選択した場合、派生グラフ生成工程では、基礎グラフを構成する全データを、基礎グラフとは異なる基準で分類した派生グラフ(いわば、基礎グラフを異なる基準で分類しなおしたグラフ)を生成する。例えば、流体種で流体漏洩箇所のデータを分類している基礎グラフを、流体種に代えて流体漏洩箇所の属するエリアで流体漏洩箇所のデータを分類した派生グラフを生成する。
【0011】
例えば、表示する流体漏洩箇所のデータとしては、流体漏洩箇所の総数、総流体漏洩量、若しくは、総流体漏洩量に単価を乗算して求めた総損失金額、又は、過去のある期間における流体漏洩箇所の総数・総流体漏洩量・総損失金額からの現時点における流体漏洩箇所の総数・総流体漏洩量・総損失金額の増減などが挙げられる。また、このデータを分類する基準としては、各流体漏洩箇所が発見された期間(年単位、月単位など)、漏洩流体種、プラントにおけるエリア、担当する課、漏洩を起こしている部材(配管、バルブ、ホースなど)などが挙げられる。
【0012】
なお、流体漏洩箇所のデータを対象とするデータとして説明したが、これに限定されず、上記構成を他のデータに適用しても同様の作用効果を得ることができる。
【0013】
以下、本開示に係るデータの表示方法の好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本開示の範囲が限定される訳ではない。
【0014】
一つの態様として、前記分類項目選択工程において、前記第2画面で表示される前記派生グラフを新たな前記基礎グラフとして、前記派生グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを前記対象分類項目として選択可能で、前記第2画面生成工程において、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフに対する新たな前記派生グラフを生成して、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフとともに新たな前記派生グラフを表示する新たな前記第2画面を生成可能で、前記第2画面表示工程において、新たな前記第2画面において新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフを選択することで前記表示部に表示される画面が前記第2画面に切り替わる状態で、新たな前記第2画面を表示可能であると好適である。
【0015】
つまり、上記構成によれば、基礎グラフを細分化した派生グラフをさらに異なる基準で細分化した新たな派生グラフを表示する新たな第2画面を表示部に表示する。これにより、対象とするデータのより詳細な傾向を理解することができる。
【0016】
そして、上記構成の実施により表示部に表示する新たな第2画面に対し、繰り返し上記構成を実施することで、さらに細分化された派生グラフを順次得ることができる。また、新たに表示部に表示される画面における基礎グラフを繰り返し選択すれば、元の画面に順次戻っていくことができる。即ち、上記構成によれば、表示部に表示される基礎グラフや派生グラフの選択を繰り返すことで、様々な基準で細分化されたグラフが表示される画面を容易に行き来することができ、極めて容易に対象のデータの傾向を把握することができる。
【0017】
一つの態様として、前記対象分類項目に属する前記データをそれぞれ異なる基準に基づいて分類した複数の前記派生グラフを生成し、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成すると好適である。
【0018】
つまり、上記構成によれば、それぞれ異なる基準に基づいて分類された複数の派生グラフをまとめて表示することにより、複数の基準から対象のデータの詳細な傾向を把握することができる。
【0019】
一つの態様として、前記分類項目選択工程での前記基礎グラフに対する選択指示に伴い、選択された前記対象分類項目に属する前記データのリストを生成するリスト生成工程を有し、
前記第2画面生成工程において、前記基礎グラフを表示した状態で、前記派生グラフとともに、又は、前記派生グラフに代えて、前記リストを表示する前記第2画面を生成すると好適である。
【0020】
つまり、上記構成によれば、対象のデータをリスト表示することで、対象のデータについてのより詳細な情報を得ることができる。さらに、第2特徴構成のように、派生グラフ表示工程で表示した派生グラフを基礎グラフとして分類項目選択工程を行う場合、基礎グラフをさらに細分化した派生グラフ(さらには派生グラフをさらに細分化した新たな派生グラフ)の分類項目に属するデータの数は限られたものとなっているため、リスト表示したとしても内容の把握は容易となる利点がある。さらに、上記構成によれば、リストの基となる基礎グラフを表示した状態で選択した分類項目に関するリストを表示するため、対象のデータの詳細な情報を容易に把握できる。
【0021】
一つの態様として、前記分類項目選択工程において、前記基礎グラフにおける各分類項目のうち前記対象分類項目とする分類項目を複数選択可能で、前記第2画面生成工程において、それぞれの前記対象分類項目に属する前記データを異なる基準に基づいて分類した前記派生グラフをそれぞれ生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成可能であると好適である。
【0022】
つまり、上記構成によれば、分類項目選択工程において選択した複数の分類項目について、選択した各分類項目について派生グラフをそれぞれ生成して表示することから、多様な情報を一括に得ることができ対象のデータの詳細な傾向を把握することができる。
【0023】
本開示に係るデータの表示システムは、
対象のデータを所定の基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを基礎グラフとして表示する第1画面を表示する表示部と、
前記表示部に表示される前記基礎グラフにおける各分類項目のうちの少なくとも1つを対象分類項目として選択指示する選択指示部と、
選択された前記対象分類項目に属する前記データを、前記基礎グラフにおける基準とは異なる基準に基づいて複数の項目に分類した統計グラフを前記基礎グラフに対する派生グラフとして生成して、前記基礎グラフとともに前記派生グラフを表示する第2画面を生成する第2画面生成部と、を備え、
前記表示部は、前記第2画面において前記基礎グラフを選択することにより前記表示部に表示される画面が前記第1画面に切り替わる状態で、前記第2画面を表示する。
【0024】
上記構成によれば、本開示に係る表示方法と同様の作用効果を得ることができる。
【0025】
以下、本開示に係るデータの表示システムの好適な態様について説明する。但し、以下に記載する好適な態様例によって、本開示の範囲が限定される訳ではない。
【0026】
一つの態様として、前記選択指示部は、前記第2画面で表示される前記派生グラフを新たな前記基礎グラフとして、前記派生グラフにおける各分類項目の少なくとも1つを前記対象分類項目として選択指示可能であり、前記第2画面生成部は、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフに対する新たな前記派生グラフを生成して、新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフとともに新たな前記派生グラフを表示する新たな前記第2画面を生成可能であり、前記表示部は、新たな前記第2画面において新たな前記基礎グラフとした前記派生グラフを選択することで前記表示部に表示される画面が前記第2画面に切り替わる状態で、新たな前記第2画面を表示する構成にしてあると好適である。
【0027】
一つの態様として、前記第2画面生成部は、前記対象分類項目に属する前記データをそれぞれ異なる基準に基づいて分類した複数の前記派生グラフを生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する第2画面を生成可能であると好適である。
【0028】
一つの態様として、前記選択指示部での前記基礎グラフに対する選択指示に伴い、選択された前記対象分類項目に属する前記データのリストを生成するリスト生成部を備え、前記第2画面生成部は、前記基礎グラフを表示した状態で、前記派生グラフとともに、又は、前記派生グラフに代えて、前記リストを表示する前記第2画面を生成可能であると好適である。
【0029】
一つの態様として、前記選択指示部は、前記基礎グラフにおける各分類項目のうち前記対象分類項目とする分類項目を複数選択可能であり、前記第2画面生成部は、前記選択指示部により選択された複数の前記対象分類項目について、それぞれの前記対象分類項目に属する前記データを異なる基準に基づいて分類した前記派生グラフをそれぞれ生成して、前記基礎グラフとともに複数の前記派生グラフを表示する前記第2画面を生成可能である構成にしてあると好適である。
【0030】
上記構成によれば、上記した本開示に係る表示方法の好適な態様と同様の作用効果を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0031】
図1】流体漏洩箇所のデータ収集の方法を示す図
図2】管理装置のブロック図
図3A】流体漏洩箇所のデータの表示方法を示す図
図3B】流体漏洩箇所のデータの表示方法を示す図
図4A】流体漏洩箇所のデータの表示方法を示す図
図4B】流体漏洩箇所のデータの表示方法を示す図
図5A】流体漏洩箇所のデータの表示方法を示す図
図5B】流体漏洩箇所のデータの表示方法を示す図
図6A】流体漏洩箇所のデータの表示方法を示す図
図6B】流体漏洩箇所のデータの表示方法を示す図
【発明を実施するための形態】
【0032】
以下に、本開示に係るデータの表示方法を、プラントを構成する各部から収集された流体漏洩を起こしている流体漏洩箇所のデータに適用した例を説明する。まず、プラントにおける流体漏洩箇所のデータ収集について説明すると、例えば、図1に示すような、検出器2と端末器3とからなる可搬式の漏洩検出装置1を用いて、流体漏洩箇所での発生超音波を検出することによりプラントの配管系や容器系に対しその各部からの流体漏洩を検出し、そのデータを収集する。
【0033】
具体的には、検出器2が超音波を検出して流体漏洩Lが検出された場合には(図1中の符号L)、端末器3に対して漏洩流体種、検出日時、流体漏洩箇所におけるエリア、そのエリアを担当している課、流体漏洩箇所を起こしている部材など各種情報を入力し、また、検出超音波に基づいて端末器3にその箇所における流体漏洩量を演算させる。そして、流体漏洩箇所を端末器3に搭載のカメラにより撮影し、端末器3のディスプレイに表示される診断エリアのエリア図画像や撮影した撮影画像に対し流体漏洩箇所のマーキングを行う。そして、その場で修理可能である場合には流体漏洩箇所の修理を行って、修理済みであることを端末器3に入力する。このようにして、入力情報や演算された流体漏洩量、撮影画像や、エリア図画像及び撮影画像へのマーキング位置、修理済みか否かを、その漏洩箇所に付与した管理番号に関連付けた収集データDを作成し、端末器3にこの収集データDを保存する。そして、順次各箇所についての診断を行い各箇所の収集データを蓄積して保存していくことで、漏洩検出装置1により流体漏洩箇所のデータを収集する。最後に、漏洩検出装置1により収集したデータDは、管理装置4に入力し保管する。
【0034】
このような漏洩検出装置1による流体漏洩診断は定期的に行われる。そして、漏洩検出装置1により収集されたデータDは、その都度管理装置4に入力されて、管理装置4には診断ごとに流体漏洩箇所のデータDが蓄積的に記憶されることになる。本開示では、このように複数回の流体漏洩診断にわたって蓄積的に収集されるデータDの表示を行う。
【0035】
また、管理装置4は、図1,2に示すように、キーボードやマウスからなる操作部5(選択指示部に相当)と、漏洩検出装置1用の専用端子、赤外線通信手段などの無線通信手段、CDドライブ等からなる入力部6と、ハードディスクからなる記憶部7と、内臓CPUからなる演算部(第2画面生成部に相当)8と、ディスプレイからなる表示部9と、を備える。
【0036】
漏洩検出装置1により収集された流体漏洩箇所のデータの管理装置4への入力は、入力部6により行う。そして、入力したデータDは記憶部7に蓄積的に記録される。また、記憶部7にはデータ表示用プログラムを格納してあり、管理装置4は演算部8による管理用プログラムの実行によりデータDの表示部9への表示を行う。
【0037】
管理装置4は、表示部9を通じての操作部5の簡単な操作で指令入力を受け取るため、図2に示すように、グラフィックユーザインターフェースを実現するGUI部10を備え、これにより、管理装置4は、表示部9を介した操作部5からの選択指示に応じて、演算部8が記憶部7に記憶された流体漏洩箇所のデータDを処理して、操作部5の選択指示に対応したグラフを生成し、表示部9に生成したグラフを表示する。操作部5の選択指示は、操作部5としてのマウスを用いて表示部9に表示されるカーソルにより行ったり、操作部5としてのキーボードにより指示を入力して行えばよい。
【0038】
次に、データ表示用プログラムにより演算部8が実現するデータ表示機能について説明する。記憶部7に記憶されているデータDは、漏洩流体種、検出日時、流体漏洩箇所のプラントにおけるエリア及びそのエリアを担当している課、流体漏洩箇所を起こしている部材、流体漏洩量、修理済みか否かなど、複数の項目にわたるデータとなっている。そして、演算部8は、リストやグラフとして表示されたデータDに対する操作部5による選択指示に応じて、データDを所定の基準に基づいて分類した統計グラフを生成する。
【0039】
例えば、データDを表示するリストに対して、ある項目(例えば検出日時、エリア、部材など)を選択した場合、選択した項目を分類基準としてデータDを分類する(例えば、データDを年度ごとに分類するなど)。そして、分類項目ごとの(1)流体漏洩箇所の総数、(2)総流体漏洩量、(3)総流体漏洩量に単価を乗算して求めた総損失金額、又は、(4)過去のある期間からの現時点における前記(1)〜(3)の量の増減(例えば前年度からの流体漏洩量の増減)などを示す統計グラフを生成する。
【0040】
また、操作部5により統計グラフのある分類項目を対象分類項目として選択した場合、対象分類項目に属するデータDを、操作部5により選択した統計グラフ(以下、基礎グラフと称する場合がある)における基準とは異なる基準に基づいて複数の項目に分類し、同様に、分類項目ごとの上記(1)〜(4)を示す統計グラフ(以下、派生グラフと称する場合がある)を作成する。操作部5によりグラフにおけるある分類項目を選択するのでなく、そのグラフ全体を選択指示した場合、選択したグラフを構成する全データを、選択したグラフとは異なる基準で分類したグラフ(つまり、選択したグラフを構成するデータを異なる基準で分類しなおしたグラフ)を生成する。
【0041】
演算部8は生成した統計グラフを表示する画面を生成して表示部9に表示させる。そして、演算部8は、基礎グラフとするグラフを表示した画面(以下、第1画面と称する場合がある)において、表示される基礎グラフに対して操作部5により選択指示を行って、この基礎グラフに対する派生グラフを生成するときは、基礎グラフとともに派生グラフを表示する画面(以下、第2画面と称する場合がある)を生成して表示部9に表示する(つまり、基礎グラフと派生グラフとを同一の画面で表示する)。この場合、演算部8は、第2画面において基礎グラフを選択することにより表示部9が第1画面に切り替わる状態で第2画面を表示部9に表示させる。即ち、第2画面において基礎グラフを選択した場合、表示部9に表示される画面が第1画面に切り替わるようになっている。
【0042】
また、演算部8は、派生グラフを基礎グラフとして、操作部5により派生グラフにおける各分類項目から対象分類項目を選択した場合、基礎グラフとした派生グラフに対する新たな派生グラフを生成して、基礎グラフとした派生グラフとともに新たな派生グラフを表示する新たな第2画面を生成して、表示部9に表示する。この場合、演算部8は、新たな第2画面において基礎グラフとした派生グラフを選択することにより表示部5に表示される画面が第2画面(即ち、新たな第2画面の元となった画面)に切り替わる状態で、新たな第2画面を表示させる。即ち、新たな第2画面において基礎グラフとした派生グラフを選択した場合、表示部9に表示される画面が新たな第2画面の元となった画面に切り替わるようになっている。
【0043】
また、基礎グラフに対して生成する派生グラフの数は1つに限らず、演算部8は、後述する設定情報に応じて、選択した分類項目に属するデータDをそれぞれ異なる基準に基づいて分類した複数の派生グラフを生成し、基礎グラフとともに複数の派生グラフを表示する第2画面を生成して表示部5に表示するようになっている。
【0044】
また、演算部8は、基礎グラフに対する選択指示に伴い、設定情報に応じて、選択された対象分類項目に属するデータDのリストを生成し、基礎グラフを表示した状態で、派生グラフとともに、又は、派生グラフに代えて、リストを表示する第2画面を生成して表示部5に表示するようになっている。
【0045】
そして、分類基準ごとにどの形式のグラフ(折れ線グラフ、棒グラフ、円グラフなど)で表示するか、前記(1)〜(4)のいずれの量を分類項目ごとに示すか、グラフに対して選択指示を行う場合、どの分類基準で分類された分類項目(又は基礎グラフ)をどの分類基準で分類して新たに派生グラフを作成するか、基礎グラフに対していくつの派生グラフを生成して表示するのか、又は、基礎グラフに対してリストを生成するか、などを設定情報として予め設定してある。
【0046】
設定情報としては、例えば、本実施形態では、図3Aに示すように、検出日時を分類基準とした場合は、流体漏洩箇所の総数と総損失金額とを分類項目としての年度ごとに示すよう設定し、さらに、流体漏洩箇所の総数を折れ線グラフで、総損失金額を棒グラフで表示するように設定してある。そして、検出日時を分類基準としたグラフにおける分類項目(即ち年度)を操作部5で選択した場合は、その年度に属するデータについて、漏洩流体種ごとの損失金額に関する簡易リスト、及び、漏洩流体種を分類基準として分類したグラフを生成するように設定してあり、またその表示形式としては、図3Bに示すように、漏洩流体種ごとの流体漏洩箇所の総数についての円グラフと並べて漏洩流体種ごとの損失金額についての簡易リストを並べて表示したグラフとの3種の情報を表示するように設定してある。
【0047】
管理装置4に記憶されたデータの表示について具体例を挙げて説明する。まず、全収集データDのリストを表示部9に表示させて検出日時の項目を選択する。すると、設定情報に従って、図3Aに示すような、検出日時を分類基準として年度ごとに分類された流体漏洩箇所の総数についての折れ線グラフと総損失金額についての棒グラフとからなるグラフg1を表示する画面P1が生成されて表示部9に表示される。
【0048】
次に、画面P1において、年度ごとの総損失金額についての棒グラフにおける2014年度の項目g1aを操作部5により選択すると(分類項目選択工程に相当)、演算部8により、設定情報に従って、漏洩流体種ごとの流体漏洩箇所の総数についての円グラフと並べて漏洩流体種ごとの損失金額についての簡易リストを並べて表示した派生グラフとしてのグラフg2が生成され、基礎グラフとしてのグラフg1とともに、グラフg2を表示する画面P2を生成される(第2画面生成工程に相当)。そして、図3Bに示すように、画面P1から切り替わって、表示部9に画面P2が表示される(第2画面表示工程に相当)。なお、この場合、画面P2において、基礎グラフとしてのグラフg1を選択することで、表示部9に表示される画面が画面P1に切り替わる状態となっている。
【0049】
さらに、図4Aに示すように、画面P2において、グラフg2を操作部5により選択すると(分類項目選択工程に相当)、設定情報に従って、演算部8により、グラフg2を構成するデータ(即ち、2014年度の項目g1aを構成するデータ)を、担当の課を分類基準として分類しなおし、課ごとの選択年度(2014年度)とその前年度との量とにおける流体漏洩箇所の総数及び総損失金額を並べて表示した棒グラフg3,g4と、修理状況を示すグラフとして、総漏れ金額、総漏れ金額における修理済み箇所と未修理箇所との内訳、及び、修理済み箇所の総漏れ金額における漏洩流体種の内訳を並べて表示したグラフg5の3つの派生グラフが生成され、基礎グラフとしてのグラフg2とともに、これら派生グラフg3,g4,g5を表示する画面P3が生成される(第2画面生成工程に相当)。そして、図4Bに示すように、画面P2から切り替わって、表示部9に画面P3が表示される(第2画面表示工程に相当)。なお、この場合、画面P3において、基礎グラフとしてのグラフg2を選択することで、表示部9に表示される画面が画面P2に切り替わる状態となっている。
【0050】
さらに、図5Aに示すように、画面P3において、グラフg3におけるいずれかの分類項目(図5A中はE課)を選択すると(分類項目選択工程に相当)、設定情報に従って、演算部8により、選択した分類項目(図5B中はE課)に属する全データのリストlが生成されて(リスト生成工程に相当)、基礎グラフとしてのグラフg3とともにリストlを表示する画面P4が生成される(第2画面生成工程に相当)。そして、図5Bに示すように、画面P3から切り替わって、表示部9に画面P4が表示される(第2画面表示工程に相当)。なお、この場合、画面P4において、基礎グラフとしてのグラフg3を選択することで、表示部9に表示される画面が画面P3に切り替わる状態となっている。
【0051】
また、図6Aに示すように、画面P3において、グラフg5における総漏れ金額の修理済み箇所と未修理箇所との内訳を示す項目のうち、未修理箇所の項目を選択すると(分類項目選択工程に相当)、設定情報に従って、演算部8により、未修理箇所に属するデータを漏洩流体種ごとに分類し、漏洩流体種ごとの流体漏洩箇所の総数に関する円グラフg6、及び、漏洩流体種ごとの流体漏洩箇所の総漏れ金額に関する円グラフg7が生成され、基礎グラフとしてのグラフg5とともにグラフg6,g7を表示する画面P5が生成される(第2画面生成工程に相当)。そして、図6Bに示すように、画面P3から切り替わって、表示部9に画面P5が表示される(第2画面表示工程に相当)。なお、この場合、画面P5において、基礎グラフとしてのグラフg5を選択することで、表示部9に表示される画面が画面P3に切り替わる状態となっている。
【0052】
このように、基礎グラフによりある基準における流体漏洩箇所の大枠の傾向を表示すると同時に、基礎グラフで示す項目をさらに細分化した派生グラフにより、基礎グラフのある分類項目における流体漏洩箇所の詳細な傾向を表示することができる。これにより、流体漏洩箇所の経時的な傾向と、その経時的な傾向をさらに細分化した漏洩流体種の傾向とを一括に且つわかりやすい形で示すことができて、流体漏洩箇所の傾向を容易に理解できる。さらに、表示部9に表示される基礎グラフや派生グラフの選択を繰り返すことで、様々な基準で細分化されたグラフが表示される画面を容易に行き来することができ、極めて容易に流体漏洩箇所の傾向を把握することができる。
【0053】
〔別実施形態〕
上述の実施形態において、さらに演算部8は、操作部5により基礎グラフにおける各分類項目のうち対象分類項目とする分類項目を複数選択した場合に、それぞれの対象分類項目に属するデータを異なる基準に基づいて分類した派生グラフをそれぞれ生成して、基礎グラフとともに複数の派生グラフを表示する第2画面を生成して表示部5に表示するようにしてもよい。この場合、選択した複数の対象分類項目に属するデータを、各対象分類項目間で比較した派生グラフや、各対象分類項目間の相関を示す派生グラフなど、選択した複数の対象分類項目に属するデータ全体に関する派生グラフを生成してもよい。
【0054】
上述の実施形態では、管理装置4の表示部9を介してその操作部5により選択指示を行いデータを表示させたものを示したが、これに限定されず、管理装置4をウェブサーバとして、ウェブブラウザを介して顧客や管理者側のパソコンなどの通信機器の操作部からの選択指示を受け取って所定の処理を行い、顧客や管理者側のパソコンの表示部にその選択指示に応じたデータの表示を行うようにしてもよい。
【0055】
上述の実施形態で示したグラフ及びリストの表示形態はあくまでも例示であり、これに限定されず、設定情報を変更することでグラフ及びリストの表示形態を自由に変更してもよい。また、上述の実施形態では、本開示を流体漏洩箇所のデータに適用した例を示したが、これに限定されず、種々のデータに適用することができる。
【産業上の利用可能性】
【0056】
本開示のデータの表示方法及び表示システムは各種分野における種々のデータの表示に適用することができる。
【符号の説明】
【0057】
5 操作部(選択指示部)
8 演算部(第2画面生成部、リスト生成部)
9 表示部
D データ
図1
図2
図3A
図3B
図4A
図4B
図5A
図5B
図6A
図6B