【実施例1】
【0010】
以下本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。
図1〜
図3において10は
本発明のバッティング練習装置の骨組みをなすネット支持枠としての枠体であり、手前側(紙面側)の枠組12と後側(紙面反対側)の枠組14とが連結部材により所定間隔を隔てて一体に連結されて構成され、内部に空間部を生ずるようにされている。なお、枠組12,14は両者間の中心線に対して対称をなしている。
【0011】
枠体10は主にバイプ材を接合して構成され、枠組12は練習装置の設置面BLより上方で横方向に配置された横パイプ材16の一端部に、縦方向の縦パイプ材18の上端部が接合されると共に、横パイプ材16の中間部でやや他端部寄り部分には前記縦パイプ材18よりやや短い目の縦パイプ材20の上端部が接合され、その下端部は練習装置の設置面BL寄りに横方向に配置された横パイプ材22の中間部に接合されている。横パイプ材22の一端部は縦パイプ材18の下端部寄りに接合され、他端部は後述するボール捕集路24の下部を支えるボール捕集路支持部26の一部(縦パイプ材28)に接合されている。なお、ボール捕集路支持部26はボール捕集路24の下端部に接する状態で枠組12から枠組14に至る横方向に配置された横パイプ材(図示省略)の両端部に縦パイプ材28が接合さてなるものであり、その縦パイプ材28の中間部に、前記横パイプ材22の他端部が接合されている。さらに、横パイプ材16の他端部には
図1,
図2に示すように横パイプ材30がヘの字形に接合されている。
【0012】
前述のようにして枠組12が構成されるが、すでに説明した通り
図2に示すように枠組14はこれと対称をなし、枠組12の横パイプ材16,30に相当する部分は横パイプ材32,34であるが、横パイプ材16、32の図上左端部(投球マシン設置側)では連結パイプ材36により連結され、横パイプ材30、34の図上右端部(練習打者側)では連結パイプ材38により連結され、それぞれの左端側と右端側では間隔が狭くされている。また、横パイプ材16,32の中間部では連結パイプ40により連結されている。さらに、
図3に示すように枠組12の縦パイプ材18と、これに相当する枠組14の縦パイプ材42とは、連結パイプ44により連結されている。なお、各パイプ材間の接合はこれに適した継ぎ手が使用され、パイプ材同士が直角をなす部分は斜めの支持部材で補強されている。
【0013】
枠体10のバッティング練習者側、すなわち投球マシンによるボール発射側の反対側には
図1,
図2に示すようにボール発射側に向かって登り勾配の状態で
直撃防止部材48が配置されている。
直撃防止部材は打球の弾道の高さを規制し、投球マシンへの直撃を防止するもので、高さと傾斜を調節可能とされている。すなわち、
図1,図4に示すように枠体10の縦パイプ材28に立設状態に固定された支持部材50の上端部には、
直撃防止部材48の裏面側に揺動可能に設けられた調節部材52が摺動可能に嵌合され、かつ高さ位置を調節できるようにされると共に、
直撃防止部材48の裏面の他端側には、脚54が揺動可能に設けられている。調節部材52と脚54を同時に、あるいは別々に調節することにより、
直撃防止部材の高さと傾斜角を調節することできる。
【0014】
打球弾道規制部材48の前端部の下方位置には、
図1,
図2に示すように投球マシン設置側(ボール発射側)に向かって下り勾配に断面が半円状のボール捕集路24が配置され、その両縁には
図3に示すように上方に開いた平面状の金属メッシュ56が接合され、ボール捕集用傾斜部をなしている。枠体10は後述するネットにより覆われているが、投球マシンから発射されたボールは練習者に打ち返され、ネットに当たると落下し、金属メッシュ56上を転がり、ボール捕集路24内に落ち、投球マシン側に向かって転動し送られる。なお、ボール捕集路24の末端部には断面が半円状の送給路が接合され、ボールを投球マシンの投球アーム先端のボール受け部に送られる。
【0015】
枠体10は、打球が外に逸散しないよう
図4〜
図6に示すように、一部を除いてネット60で覆われている。すなわち、枠体10の上面部、投球マシン設置側の端部側面および枠体10の前後両側部の投球マシン設置側寄りの大部分はネットで覆われるが、前後両側部で練習者側から打球弾道規制部材の先端部側方付近の位置までは覆われていない。この部分はバットスイング領域でバッティング練習の邪魔になるからであり、また、この部分はネットがなくても前面から定位置に飛んでくるボールを打ち損じて外に飛び出すことは殆どないからである。練習者側に面する部分は、発射されたボールが飛び出してくる部分であり、また練習者がこれを打ち返す開口部であるから当然ネットは存在しない。なお、横パイプ材22より下部はボールが飛び出すことはないので、ネットで覆う必要はない。また、投球マシン設置側の端部側面のネット60には、ボール発射時の投球アームの回動の妨げとならないように一部が切り欠かれている。そのネット内面側には打球の衝撃を緩和するための緩衝材(図示省略)が取り付けられる。なお、ネットは強く張設すると打球の衝撃が緩和されずに強く反発するが、緩い目に張設すると衝撃が緩和され、好都合である。
【0016】
投球マシンは、投球マシン本体部に、外向きに突出したカムを先端部に有するカム軸が電動機により所定周期で駆動回転可能に設けられると共に、その側方にカムフォロワー軸が回動可能に設けられ、カムフォロワーにはその軸寄りに、先端部にボール受け部を有する投球アームが取り付けられると共に、前記カムフォロワー軸には引張りばねによりカムフォロワーが前記カムに圧接する方向の力を付勢するようにされており、しかも投球マシン61の本体部は
図7に示すようにボール捕集路24より下方位置に、かつボール発射側のネット寄りに設置され、静止状態にある投球アーム先端の発射用ボール受け部はネットの外側に位置するようにされ、所定周期で投球マシン自体が作動開始し、カム軸が回転するするとカムとカムフォロワーとの係合が外れ、カムフォロワー軸は前記引張りばねの付勢力により急速回動し、投球アームはその基端部を回動中心とし先端のボール受け部が前記ボール捕集路の上方を通過する状態で所定範囲回動し、かつボールを所定速度で所定発射角度で前記開口部に向かって発射できるようにしてなるものである。
なお、ボール捕集路24の末端部と投球アーム先端の発射用ボール受け部との間には、断面が半円形のボール移送路により、あるいは直接連結され、ボールを転送できるようにされている。ボール移送路の底部中央は、投球アームの回動に支障を来さない程度の切欠きが設けられている。
【0017】
図7に基づき
打球弾道調節部材48の作用を説明図する。練習装置の設置面BLから打球ポイントPまでの高さをHとし、その打球ポイントPから
打球弾道調節部材48の先端部に接する状態に引いた直線
(打球到達点予測用基礎直線または予測基礎直線という)Uがネットに交わる
交点をRとすれば、実際に打球ポイントPでボール58を打ち、
打球弾道調節部材48の先端すれすれ(先端に接する状態)の軌道を描くように飛んだとしても、重力の影響を受け、打球の初速によっても異なるが、打球の弾道軌跡Tは放物線を描いてP点より下方のS点でネットに交わることになる。従って、S点が投球マシン61の投球アームの回動範囲より上になるように
打球弾道調節部材48の先端部を調節しておけば、打球が投球マシン61を直撃して破損することを回避できる。その状態におけるR点を記録しておけば、
他の練習者が設定変更した後であってもいちいち打撃の試行をすることなく、
打球弾道調節部材48の先端部を簡単に適正位置に調節できる利点がある。
またネット上の打球の到達点S、予測基礎直線Tの交点R間の距離aは練習者が同一である場合には常時略一定であるから、到達点Sを下方にcだけ移動したい場合その到達点S1と予測基礎直線Uのネット上の交点R1との距離bは、前記到達点S、交点R間の距離aは同じ、すなわちa=bである。従って、到達点Sを到達点S1に距離cだけ下方に移動したい場合には交点Rを交点R1に下げる設定をすればよい。
前述のようにa=bであるから、当然到達点S、S1間の距離cと交点R、R1間の移動距離dと等しくc=dである(参考図1参照)。従って、あらかじめ記録しておいた交点Rから到達点S、S1間の距離cだけ下方に移動するように設定すればよい。具体的には打球ポイントPから距離cだけ下方に位置する交点R1と打球ポイントPとを結ぶ予測基礎直線T1に接するように打球弾道調節部材48の先端部の高さを調節すればよい(参考図1参照)このようにバッティングの試行を要せず簡単に算出できる。予測基礎直線T1として、目で観察し打球ポイントPから交点R1とを結ぶ視線を用いることも可能である。
なお、S、S1間の距離とR、R1間の距離とが略等しい理由は、同一の練習者が実施する場合はボールの初速もあまり変わらないのて、ボールの前方に飛行する力も重力による下向きの力も略一定と考えられるからである。
また、打球ポイントPは、人により(身長に応じて)略一定であるとされているので、練習者の身長に応じて
打球弾道調節部材48の先端部の高さを調節すれば、打球の投球マシンへの直撃を回避することができる。
しかし。バッティング練習者のうち、S点を最も上方位置に調節しなければならない者に合わせて予め調節しておけば、いちいち調節するという煩わしさを解消できる。
【0018】
以上のように構成された実施例においては、投球マシンから発射されたボールを練習者が打ち返すと、打球は直接周囲のネット60に当たり、あるいは打球弾道規制部材48の板状部で跳ね返ってネットに当たると勢いが減殺され、捕集用傾斜部としての金属メッシュ48上に落ち、ボール捕集路24内を転動しつつ落下し、投球マシンの投球アームのボール受け部に送られ、再び練習者側に向かって発射され、練習者はこれを打ち返す。以下これの繰り返しにより、練習者は連続してバッティングの練習ができることになる。
【0019】
図8は、
図1〜
図6に示す捕集用傾斜部としての金属メッシュ56とボール捕集路24に代えて使用する捕集用傾斜部・ボール捕集路兼用部材62を示す。この兼用部材62は横方向に配置したそれぞれ長さの異なる針金等の複数の線条体72、74を組み合わせてなる一対の傾斜エレメント64、66を上方に開いた状態に、かつ両傾斜エレメント64,66の基端部が所定間隔を隔てた状態に支持部材68により一体に取り付けたものである。なお、傾斜エレメント64,66は、
図8に示すように長さの異なる複数の線状体72,74が長さの順に配列されている。
傾斜エレメント64,66は、それぞれ針金等の複数の線条体72、74をボールが落ちない程度の間隔で横方向に配置し、その線条体72、74の各基端部に縦方向に配置した針金等の連結部材76、78で接合すると共に他端部側は若干基端部側寄りの位置に縦方向に配置した針金等の連結部材80、82で接合すると共に各線条体の他端部をネットに引っ掛け可能に折り曲げて構成されている。
【0020】
なお、傾斜エレメント64,66の複数の各線状材72,74の基端部に接合された前記連結部材76,78は、前記支持部材68と、その連結部材76,78の両端部寄りに設けた円弧状の接合部材84、86とにより、ボール58が落ちない程度の間隔に保持され、かつ接合部材84側が高く、接合部材86側が低くし、下り勾配をなすように取り付けられる。2本の連結部材76,78は複数の線状体72,74からなる捕集用傾斜部上に落ちたボール58を受け止め、これを転動・送給させるボール捕集路としての役割を有する。また、傾斜エレメント64,66の複数の各線状材72,74は、前述したように接合部材86側から84側に向かうにつれて順次長くなるようにされている。これは、
図5に示すように、投球マシン取り付け側に向かって先細りの状態に張設されたネット60に、引っ掛けて取り付け易くするためである。
【0021】
この1対の傾斜エレメント64,66を支持部材68で結合させてなる捕集用傾斜部・ボール捕集路兼用部材62は、両端の折曲部をネット60に引っ掛けて取り付けできるので、取り付け、取り外しが容易であり、また屋外で降雨にあった場合水はけがよいので、雨が止んだ後の再使用が早くでき、かつ容易であるという利点がある。
【0022】
前記 実施例において、枠体10の各パイプ材の接合には、バイブ材端部を差し込んで行うタイプのパイプ接手を使用しているが、これに代えてワンタッチ式のパイプ接手
を使用することも可能である。そのようなパイプ接手として例えば、一部又は全部のパイプ差込部が所定幅で切り欠かれ、その切り欠かれた部分からパイプを押し込んでパイプを接合可能としたもの等がある。また、パイプ材に代えて内部の詰まった中実材(無垢材)を使用することも可能である。さらに、前記実施例の投球マシンには、投球アーム回動式のものを使用したが、これに代えて互いに逆方向に回転する上下1対のロール間に、ボール送給路末端から昇降コンベアによりボールを持ち上げて供給し、発射するようにしたロール式投球マシンを使用することも可能である。