特許第6078221号(P6078221)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078221
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】包装容器
(51)【国際特許分類】
   B65D 43/16 20060101AFI20170130BHJP
【FI】
   B65D43/16 300
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2011-114524(P2011-114524)
(22)【出願日】2011年5月23日
(65)【公開番号】特開2012-240729(P2012-240729A)
(43)【公開日】2012年12月10日
【審査請求日】2014年4月18日
【前置審査】
(73)【特許権者】
【識別番号】000222141
【氏名又は名称】東洋アルミエコープロダクツ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100101409
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 泰二
(74)【代理人】
【識別番号】100175385
【弁理士】
【氏名又は名称】葛西 さやか
(74)【代理人】
【識別番号】100175662
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 英明
(72)【発明者】
【氏名】荒内 隆志
(72)【発明者】
【氏名】徳永 大輔
(72)【発明者】
【氏名】谷 元進
【審査官】 浅野 弘一郎
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第1998/002362(WO,A1)
【文献】 欧州特許出願公開第01063173(EP,A1)
【文献】 特開2006−036340(JP,A)
【文献】 特開平10−081326(JP,A)
【文献】 実開平01−063616(JP,U)
【文献】 実開昭52−008006(JP,U)
【文献】 特開2007−055656(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 43/16
B65D 67/00−79/02
B65D 81/18−81/30
B65D 81/38
B65D 1/30
B65D 5/54
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
包装容器であって、
合成樹脂よりなり、上部が開放された容器本体と、
合成樹脂よりなり、前記容器本体にヒンジ部を介して開閉自在に嵌合する蓋体とを備え、
前記ヒンジ部に対向する位置であって、前記容器本体の上縁から外方に延びる第1のタブと、
前記蓋体の下縁から外方に延び、前記容器本体との嵌合時に前記第1のタブと少なくとも一部が重なりあう第2のタブとを備え、
前記第1のタブは、使用前提領域と除去領域とを有し、これらの境界に形成されると共に波形形状に形成されるミシン目を有する第1のミシン目構造体よりなり、
前記第2のタブは、使用前提領域と除去領域とを有し、これらの境界に形成されると共に波形形状に形成されるミシン目を有する第2のミシン目構造体よりなり、
前記第1のミシン目構造体及び前記第2のミシン目構造体は、それぞれ、
前記ミシン目を構成する、間隔を隔てて形成される少なくとも2つの開口部と、
前記開口部の各々の間に位置する被切断部とを備え、
前記開口部であって隣接する少なくとも2つは、それぞれ、開口を構成する縁の1つであって前記使用前提領域側の縁である特定縁を含み、
前記被切断部は、隣り合う前記開口部の前記特定縁の各々で形成される前記波形形状のそれぞれに接する直線より前記使用前提領域側に位置するものであり、
前記第1のミシン目構造体の第1のミシン目と前記第2のミシン目構造体の第2のミシン目とが重なるように配置され、前記第1のタブの第1の除去領域の少なくとも一部と前記第2のタブの第2の除去領域の少なくとも一部とが溶着されて一体化され、
前記第1のタブ及び前記第2のタブの一方端部及び他方端部の少なくともいずれかにおいて前記ミシン目の形成方向に凹んだ凹部が設けられ、
前記第1のミシン目及び前記第2のミシン目のぞれぞれは、一方端が、前記凹部に接続すると共に、他方端が、前記ミシン目を構成する開口部の端部に接続する直線状部分を含み、
前記第1のミシン目の前記直線状部分は、その一方端が、前記第1のタブの凹部の中央に接続する一方で、前記第2のミシン目の前記直線状部分は、その一方端が、前記第2のタブの凹部において前記蓋体の外縁に沿う位置に接続する位置関係にある、包装容器。
【請求項2】
記蓋体には、更に、前記蓋体の下縁から外方に延び、前記第2のタブが形成された位置とは異なる位置につみが形成されている、請求項1記載の包装容器。
【請求項3】
前記被切断部は前記ミシン目の底部分に形成される、請求項1又は請求項に記載の包装容器。
【請求項4】
前記波形形状は、周期は4〜8mmに設定されると共に曲率半径は1〜1.5mmに設定される、請求項記載の包装容器。
【請求項5】
前記被切断部の長さは、1〜1.2mmに設定される、請求項1から請求項のいずれかに記載の包装容器。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明はミシン目構造体を用いた包装容器に関し、特に使用前提領域から除去領域を分離するのに用いられるミシン目構造体を用いた包装容器に関するものである。
【背景技術】
【0002】
図8は、特許文献1に示されているような従来のミシン目構造体の一つである食品収納容器の斜視図である。
【0003】
図を参照して、食品収納容器70は、軟質な合成樹脂シートよりなり、上方が開放された逆円錐台形の4つの個食用容器71(使用前提領域)と、個食用容器71の各々の開口縁72から外方に延び、各個食用容器71の開口縁72同士を一体的に繋ぐフランジ73とからなる。個食用容器71の各々の間のフランジ73には、フランジ73を個食用容器71毎の個別フランジ74(除去領域)に分割するための分割ミシン目75が形成されている。又、個別フランジ74には、個別フランジ74から個食用容器71を分離するために、個食用容器71の各々の開口縁72の周縁に配置される分離ミシン目76と、一方端部が分離ミシン目76に接続し、他方端部が個別フランジ74の外縁まで延びる補助ミシン目77とが形成されている。
使用に当たっては、まず、分割ミシン目75を切断して使用する個食用容器71に対応する個別フランジ74毎にフランジ73を分割し、次に、補助ミシン目77を切断した後続けて分離ミシン目76を切断して個食用容器71を個別フランジ74から分離する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2003−252371号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記のような従来のミシン目構造体では、切断後に問題を生じる場合がある。
【0006】
図9は、図8で示した“Y”部分における分離ミシン目の切断前後を示した拡大平面模式図であり、図10は、図8で示した分離後の個食用容器に食品を充填した状態の拡大斜視図である。
【0007】
まず、図9の(1)を参照して、分離ミシン目76は、所定間隔Dを隔てて形成される複数の開口部81により構成されている。分離ミシン目76の切断は、各々の開口部81の間に位置する被切断部82を切断することにより行う。
【0008】
次に、図9の(2)を参照して、個別フランジ74を個食用容器71に対して外側に引っ張って、分離ミシン目76を切断する。すると、切断に際し、個食用容器71の側の被切断部82の各々に、外方に向かう鋭利なバリ83が生じる。
【0009】
すると、図10を参照して、個食用容器71は、使用時には、外周の複数の箇所に上述したバリ83が発生しているものとなる。
【0010】
その結果、従来のミシン目構造体では、使用に際してバリに手が触れたり、バリに引っ掛かったりするなど、使用感の悪いものとなっていた。
【0011】
この発明は、上記のような課題を解決するためになされたもので、使用に際して切断箇所に触れにくくなり、使用感が向上するミシン目構造体を用いた包装容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0012】
上記の目的を達成するために、請求項1記載の発明は、包装容器であって、合成樹脂よりなり、上部が開放された容器本体と、合成樹脂よりなり、容器本体にヒンジ部を介して開閉自在に嵌合する蓋体とを備え、ヒンジ部に対向する位置であって、容器本体の上縁から外方に延びる第1のタブと、蓋体の下縁から外方に延び、容器本体との嵌合時に第1のタブと少なくとも一部が重なりあう第2のタブとを備え、第1のタブは、使用前提領域と除去領域とを有し、これらの境界に形成されると共に波形形状に形成されるミシン目を有する第1のミシン目構造体よりなり、第2のタブは、使用前提領域と除去領域とを有し、これらの境界に形成されると共に波形形状に形成されるミシン目を有する第2のミシン目構造体よりなり、第1のミシン目構造体及び第2のミシン目構造体は、それぞれ、ミシン目を構成する、間隔を隔てて形成される少なくとも2つの開口部と、開口部の各々の間に位置する被切断部とを備え、開口部であって隣接する少なくとも2つは、それぞれ、開口を構成する縁の1つであって使用前提領域側の縁である特定縁を含み、被切断部は、隣り合う開口部の特定縁の各々で形成される波形形状のそれぞれに接する直線より使用前提領域側に位置するものであり、第1のミシン目構造体の第1のミシン目と第2のミシン目構造体の第2のミシン目とが重なるように配置され、第1のタブの第1の除去領域の少なくとも一部と第2のタブの第2の除去領域の少なくとも一部とが溶着されて一体化され、第1のタブ及び第2のタブの一方端部及び他方端部の少なくともいずれかにおいてミシン目の形成方向に凹んだ凹部が設けられ、第1のミシン目及び第2のミシン目のぞれぞれは、一方端が、凹部に接続すると共に、他方端が、ミシン目を構成する開口部の端部に接続する直線状部分を含み、第1のミシン目の直線状部分は、その一方端が、第1のタブの凹部の中央に接続する一方で、第2のミシン目の直線状部分は、その一方端が、第2のタブの凹部において蓋体の外縁に沿う位置に接続する位置関係にあるものである。
【0013】
このように構成すると、切断によって使用前提領域に残った切断箇所は、直線に対して内方側に位置する。又、切断後の開口部の外方側は曲線形状となる。更に、第1のミシン目と第2のミシン目とを併せて切断すると、蓋体が開閉可能になると共に容器本体及び蓋体の各々の切断部が内方側に位置する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の構成において、蓋体には、更に、蓋体の下縁から外方に延び、第2のタブが形成された位置とは異なる位置につみが形成されているものである。
このように構成すると、切断によって使用前提領域に残った切断箇所は、直線に対して内方側に位置する。又、切断後の開口部の外方側は曲線形状となる。更に、第1のミシン目と第2のミシン目とを併せて切断すると、蓋体が開閉可能になると共に容器本体及び蓋体の各々の切断部が内方側に位置する
【0014】
請求項記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の構成において、被切断部はミシン目の底部分に形成されるものである。
【0015】
このように構成すると、切断後の被切断部に指が触れにくい。
【0016】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明の構成において、波形形状は、周期は4〜8mmに設定されると共に曲率半径は1〜1.5mmに設定されるものである。
【0017】
このように構成すると、切断後の被切断部に指が触れにくい。
【0018】
請求項記載の発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の発明の構成において、被切断部の長さは、1〜1.2mmに設定されるものである。
【0019】
このように構成すると、被切断部の切断が容易となり、鋭利なバリを生じにくい。
【発明の効果】
【0022】
以上説明したように、請求項1記載の発明は、切断によって使用前提領域に残った切断箇所は、直線に対して内方側に位置するので、使用に際して切断箇所に触れにくくなり、使用感が向上する。又、切断後の開口部の外方側は曲線形状となるので、外周が滑らかになり、より使用感が向上する。更に、第1のミシン目と第2のミシン目とを併せて切断すると、蓋体が開閉可能になると共に容器本体及び蓋体の各々の切断部が内方側に位置するので、使用に際しての容器本体及び蓋体のいずれも使用感が向上する。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明の効果に加えて、切断によって使用前提領域に残った切断箇所は、直線に対して内方側に位置するので、使用に際して切断箇所に触れにくくなり、使用感が向上する。又、切断後の開口部の外方側は曲線形状となるので、外周が滑らかになり、より使用感が向上する。更に、第1のミシン目と第2のミシン目とを併せて切断すると、蓋体が開閉可能になると共に容器本体及び蓋体の各々の切断部が内方側に位置するので、使用に際しての容器本体及び蓋体のいずれも使用感が向上する
【0023】
請求項記載の発明は、請求項1又は請求項2記載の発明の効果に加えて、切断後の被切断部に指が触れにくいので、不用意にも被切断部に触れないので更に使用感が向上する。
【0024】
請求項記載の発明は、請求項記載の発明の効果に加えて、切断後の被切断部に指が触れにくいので、不用意にも被切断部に触れないので更に使用感が向上する。
【0025】
請求項記載の発明は、請求項1から請求項のいずれかに記載の発明の効果に加えて、被切断部の切断が容易となり、鋭利なバリを生じにくいので、被切断部の位置とで相乗的に使用感が向上する。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1】この発明の第1の実施の形態によるミシン目構造体としての食品収納容器の斜視図であって、従来の食品収納容器の図8に対応した図である。
図2図1に示した“X”部分の拡大平面図である。
図3図1で示した“X”部分における分離ミシン目の切断前後を示した拡大平面模式図であって、従来の食品収納容器の図9に対応した図である。
図4図1で示した分離後の個食用容器に食品を充填した状態の拡大斜視図であって、従来の食品収納容器の図10に対応した図である。
図5】この発明の第2の実施の形態による蓋付包装容器の閉状態を示した平面図である。
図6図5で示した蓋付包装容器の開状態を示した平面図である。
図7図5で示した第1分離ミシン目及び第2分離ミシン目を切断した状態を示した平面図である。
図8】従来のミシン目構造体の一つである食品収納容器の斜視図である。
図9図8で示した“Y”部分における分離ミシン目の切断前後を示した拡大平面模式図である。
図10図8で示した分離後の個食用容器に食品を充填した状態の拡大斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
図1は、この発明の第1の実施の形態によるミシン目構造体としての食品収納容器の斜視図であって、従来の食品収納容器の図8に対応した図である。
【0029】
図を参照して、軟質な合成樹脂シートよりなる食品収納容器10は、個別フランジ14(除去領域)と個食用容器11(使用前提領域)との境界に形成される分離ミシン目16の各々が波形形状に形成されたものに置き換わっている。このように構成したことによる効果は後述する。尚、他の食品収納容器10の構成要素は従来の食品収納容器70によるものと同一であるため、ここでの説明は繰り返さない。
【0030】
図2は、図1に示した“X”部分の拡大平面図であり、図3は、図1で示した“X”部分における分離ミシン目の切断前後を示した拡大平面模式図であって、従来の食品収納容器の図9に対応した図であり、図4は、図1で示した分離後の個食用容器に食品を充填した状態の拡大斜視図であって、従来の食品収納容器の図10に対応した図である。
【0031】
まず、図2を参照して、分離ミシン目16は、所定間隔Dを隔てて形成される複数の開口部21により、個食用容器11側を底とする波形形状に構成されている。このように構成したことによる効果は後述する。
【0032】
分離ミシン目16の被切断部22は、各々の開口部21の間であって波形形状の底部分である、図3の(1)にて破線で示した部分に形成されている。すなわち、被切断部22は、開口部21の各々を構成する縁の1つであって、個食用容器11側の特定縁を構成する線の各々に対して接する、図において二点鎖線で示した直線より個食用容器11側に位置する。このように構成したことによる効果は後述する。
【0033】
ここでの所定間隔D、すなわち被切断部22の長さは1mmとする。又、波形形状の周期Wは4mmに、波形形状の曲率半径Rは1mmに、それぞれ設定されている。このように構成したことによる効果は後述する。
【0034】
分離ミシン目16の切断は、図3の(1)及び(2)を参照して、個別フランジ14を個食用容器11に対して外側に引っ張って、被切断部22を切断することにより行う。すると、切断に際し、個食用容器11の側の被切断部22に、外方に向かう鋭利なバリ23が生じる。
【0035】
しかし、上述したように、被切断部22が図3(1)にて二点鎖線で示した直線より個食用容器11側に位置するため、切断によって使用前提領域に残った切断箇所は、上述の二点鎖線に対して個食用容器11側に位置する。よって、使用に際して切断箇所に触れにくくなり、使用感が向上する。又、切断後の開口部21の外方側は曲線形状となるので、外周が滑らかなり、使用感が向上する。
【0036】
更に、波形形状の周期W、波形形状の曲率半径R及び所定距離Dが上述のような寸法に設定されているため、切断後の被切断部22に不用意に指が触れにくいので、更に使用感が向上する。又、被切断部22の切断が容易となり、鋭利なバリ23も生じにくいので、上述した被切断部22の位置とで相乗的に使用感が向上する。
【0037】
最後に、図4を参照して、個食用容器11は、使用時には上述したバリ23が外周に突出しないものとなり、使用感が優れた容器となる。
【0038】
図5は、この発明の第2の実施の形態による蓋付包装容器の閉状態を示した平面図であり、図6は、図5で示した蓋付包装容器の開状態を示した平面図であり、図7は、図5で示した第1分離ミシン目及び第2分離ミシン目を切断した状態を示した平面図である。
【0039】
これらの図を参照して、蓋付包装容器30は、0.35mm厚さのポリエチレンテレフタレート(PET)よりなる一枚のシートを真空成形して一体的に形成されたものからなり、上部が開放され、上縁35がコーナーが丸められた平面視略正八角形の容器本体31と、容器本体31にヒンジ部33を介して開閉自在に嵌合する、下縁36がコーナーが丸められた平面視略正八角形の蓋体32とからなる。
【0040】
容器本体31には、ヒンジ部33に対向する位置に容器本体31の上縁35から外方に延びる第1のタブ41が形成され、蓋体32には、その下縁36から外方に延び、容器本体31と蓋体32との嵌合時に第1のタブ41と全体が重なる第2のタブ42が形成されている。
【0041】
第1のタブ41には、容器本体31に沿う方向で一方端部43から他方端部44に掛け渡すように、第1の分離ミシン目51が形成されている。又、第2のタブ42には、容器本体31と蓋体32との嵌合時に第1の分離ミシン目51に重なる第2の分離ミシン目52が形成されている。尚、第1の分離ミシン目51及び第2の分離ミシン目52は蓋体32の下縁36の延長線上に形成され、平面視において容器本体31及び蓋体32の側を底とする波形形状となっている。すなわち、第1の分離ミシン目51は、所定間隔を隔てて形成される複数の開口部61により、容器本体31側を底とし、底部分に被切断部62が形成されている波形形状に、第2の分離ミシン目52は、所定間隔を隔てて形成される複数の開口部65により、蓋体32側を底とし、底部分に被切断部66が形成されている波形形状に、それぞれ構成されている。このように構成されていることによる効果は後述する。尚、ここでの所定間隔、すなわち被切断部62及び66の長さは1mmに、波形形状の周期は4mmに、波形形状の曲率半径は1mmに、それぞれ設定されている。
【0042】
蓋付包装容器30の使用に当たっては、まず図5を参照して、容器本体31に内容物を入れた状態で蓋体32を容器本体31に嵌合し、第1の分離ミシン目51及び第2の分離ミシン目52の外方部分において、第1のタブ41と第2のタブ42とを超音波溶着により溶着し、これらを一体化させて閉状態にする。
【0043】
容器本体31から内容物を取り出す際には、第1のタブ41及び第2のタブ42を容器本体31及び蓋体32に対して外側に引っ張ると、第1の分離ミシン目51及び第2の分離ミシン目52は上述のように重なり合うように形成されているから、共に切断されていく。
【0044】
すると、図5及び図7を参照して、第1の分離ミシン目51及び第2の分離ミシン目52の切断に伴い、第1のタブ41及び第2のタブ42の溶着部分(除去領域)が第1の分離ミシン目51及び第2の分離ミシン目52の内方部分における第1のタブ41及び第2のタブ42(使用前提領域)から分離・除去されるので、蓋体32の開閉が可能となる。又、第1の分離ミシン目51の被切断部62及び第2の分離ミシン目52の被切断部66が上述のように位置しているため、容器本体31及び蓋体32の各々の切断部が容器本体31及び蓋体32側に位置し、バリ63及び67が蓋付包装容器30の外周に突出しない。尚、蓋体32の開閉はローレット加工されたつまみ39を摘んで行う。
【0045】
このように構成すると、開封時までの閉状態が安定し、蓋付包装容器30の信頼性が向上すると共に、使用に際しての容器本体31及び蓋体32のいずれも使用感が向上する。
【0046】
尚、上記の各実施の形態では、特定長さに設定されていた被切断部の長さは、他の長さに設定されていてもよいが、指先の形状や大きさを考慮すると、1〜1.2mmの範囲において設定されていれば好ましい。
【0047】
又、上記の各実施の形態では、特定長さに設定されていた波形形状の周期及び曲率半径は、それぞれ他の長さに設定されていてもよいが、周期は4〜8mmの範囲において、曲率半径は1〜1.5mmの範囲において、それぞれ設定されていれば好ましい。
【0048】
更に、上記の各実施の形態では、被切断部は波形形状の底部分に位置していたが、開口部の各々を構成する縁の1つであって、使用領域側の特定縁を構成する線の各々に対して接する直線より使用前提領域側に位置していればよい。
【0049】
更に、上記の各実施の形態では、分離ミシン目は波形形状とされていたが、被切断部が開口部の各々を構成する縁の1つであって、使用前提領域側の特定縁を構成する線の各々に対して接する直線より使用前提領域側に位置する形状であれば、他の形状であってもよい。
【0050】
更に、上記の第1の実施の形態では、ミシン目構造体は食品収納容器としていたが、使用前提領域と除去領域とを有し、これらの境界に形成されるミシン目を有するものであれば、他の物品であってもよい。
【0051】
更に、上記の各実施の形態では、ミシン目構造体は使用前提領域と除去領域とを有するものであったが、いずれの領域も使用する場合は、例えば使用頻度に応じて領域を定めれば良い。
【符号の説明】
【0052】
10…食品収納容器
11…個食用容器
14…個別フランジ
16…分離ミシン目
21…開口部
22…被切断部
30…蓋付包装容器
31…容器本体
32…蓋体
33…ヒンジ部
35…上縁
36…下縁
41…第1のタブ
42…第2のタブ
51…第1の分離ミシン目
52…第2の分離ミシン目
61…開口部
62…被切断部
65…開口部
66…被切断部
尚、各図中同一符号は同一又は相当部分を示す。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10