(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078229
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】圧縮ガスエアロゾルとして投与するのに適した溶媒和活性剤を含有する組成物
(51)【国際特許分類】
C09K 3/30 20060101AFI20170130BHJP
A01N 25/06 20060101ALI20170130BHJP
A01N 25/30 20060101ALI20170130BHJP
A01N 43/80 20060101ALI20170130BHJP
A01N 47/12 20060101ALI20170130BHJP
A01N 47/22 20060101ALI20170130BHJP
A01N 53/02 20060101ALI20170130BHJP
A01N 53/04 20060101ALI20170130BHJP
A01N 53/08 20060101ALI20170130BHJP
A01P 3/00 20060101ALI20170130BHJP
A01P 7/04 20060101ALI20170130BHJP
A61K 8/02 20060101ALI20170130BHJP
A61L 9/01 20060101ALI20170130BHJP
A61L 9/14 20060101ALI20170130BHJP
A61Q 13/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
C09K3/30 B
C09K3/30 D
A01N25/06
A01N25/30
A01N43/80 102
A01N47/12 Z
A01N47/22 D
A01N53/00 502C
A01N53/00 504E
A01N53/00 504F
A01N53/00 508A
A01N53/00 508C
A01P3/00
A01P7/04
A61K8/02
A61L9/01 M
A61L9/01 Q
A61L9/14
A61Q13/00 100
【請求項の数】11
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2011-513487(P2011-513487)
(86)(22)【出願日】2009年6月8日
(65)【公表番号】特表2011-522953(P2011-522953A)
(43)【公表日】2011年8月4日
(86)【国際出願番号】US2009003452
(87)【国際公開番号】WO2009151572
(87)【国際公開日】20091217
【審査請求日】2012年5月24日
【審判番号】不服2014-19975(P2014-19975/J1)
【審判請求日】2014年10月3日
(31)【優先権主張番号】12/213,066
(32)【優先日】2008年6月13日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】500106743
【氏名又は名称】エス.シー. ジョンソン アンド サン、インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】110000408
【氏名又は名称】特許業務法人高橋・林アンドパートナーズ
(72)【発明者】
【氏名】クラーク ポール エー
(72)【発明者】
【氏名】ヴァルペイ リチャード エス サード
(72)【発明者】
【氏名】タスツ マシージ ケー
【合議体】
【審判長】
國島 明弘
【審判官】
豊永 茂弘
【審判官】
日比野 隆治
(56)【参考文献】
【文献】
特表2003−509196(JP,A)
【文献】
特開2003−55147(JP,A)
【文献】
特開2004−189729(JP,A)
【文献】
特表2006−509080(JP,A)
【文献】
特開2007−260338(JP,A)
【文献】
特表2006−503934(JP,A)
【文献】
特開昭62−1789(JP,A)
【文献】
特開2003−164515(JP,A)
【文献】
特開2004−107226(JP,A)
【文献】
特開2000−319643(JP,A)
【文献】
特開平5−279250(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
C09K 3/30
A01N 25/06
A01N 25/30
A01N 43/80
A01N 47/12
A01N 47/22
A01N 53/00
A01P 3/00
A01P 7/04
A61K 8/02
A61L 9/01
A61L 9/14
A61Q 13/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
0.1重量%から3重量%の非イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合物と、
0.1重量%から2重量%の少なくとも1種類の水不溶性の活性剤であって、前記少なくとも1種類の水不溶性の活性剤は、芳香剤、殺虫剤、薬、殺菌剤、防虫剤、臭気除去剤から選択され、少なくとも1種類の芳香剤又は殺虫剤を含む水不溶性の活性剤と、
0.1重量%から1重量%の圧縮ガス噴射剤と、
を含み、且つ
90重量%から99重量%の水を含む、溶解させた前記少なくとも1種の活性剤を含有する圧縮ガスによって加圧された水系組成物であって、
前記少なくとも1種類の水不溶性の活性剤に対する非イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合物の重量比が1:3〜5:1であり、
前記少なくとも1種類の水不溶性の活性剤は、前記非イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合物との組合せにより、前記圧縮ガスによって加圧された水系組成物中の水に溶解され、別の成分として如何なる揮発性有機化合物を含まない活性剤ベースの溶液を提供し、
如何なる揮発性有機化合物の噴射剤も含まない圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項2】
前記少なくとも1種類の水不溶性の活性剤は、少なくとも1種類の芳香剤である請求項1の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項3】
前記少なくとも1種類の水不溶性の活性剤は、少なくとも1種類の殺虫剤である請求項1の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項4】
前記非イオン性界面活性剤と陽イオン性界面活性剤との混合物に用いる界面活性剤は、エトキシル化硬化ヒマシ油;エトキシル化硬化ヒマシ油混合物;エトキシル化直鎖アルコール;第2級アルコールエトキシレート;ポリグリセリル−10ラウレート;ポリグリセリル−6カプリン酸;エトキシル化C6−C17アルコール;ソルビタンモノオレエート;ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレート;アルキルC9−C11ポリグリコシド;塩化ジデシルジメチルアンモニウム;ジデシルジメチルアンモニウムカーボネイト;ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシドから選択される請求項1の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項5】
前記圧縮ガス噴射剤は、空気、窒素、亜酸化窒素、アルゴン、二酸化炭素、メタン、エタン、およびこれの混合物の少なくとも1種類を含む請求項1の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項6】
補助剤として、少なくとも1種類の防蝕剤をさらに含む請求項1の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項7】
前記少なくとも1種類の防蝕剤は、リン酸塩、硝酸塩、または、アミノメチルプロパノールである請求項6の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項8】
補助剤として、少なくとも1種類の溶媒をさらに含む請求項1の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項9】
前記少なくとも1種類の溶媒は、1種類以上のアルキレングリコール、または、これらの混合物である請求項8の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項10】
補助剤として、少なくとも1種類の抗菌剤をさらに含む請求項1の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【請求項11】
前記少なくとも1種類の抗菌剤は、メチルイソチアゾロン、ベンゾイソチアゾロン、ポリヘキサメチレンビグアニド、カルバメート、または、これらの混合物である請求項10の圧縮ガスによって加圧された水系組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、透明な安定したマイクロエマルジョン(microemulsion)に活性剤を供給する、水溶液に1種類以上の活性剤を溶解させた組成物に関する。特に、本発明は、少なくとも1種類の界面活性剤、少なくとも1種類の活性剤、および圧縮ガス噴射剤を含む圧縮ガスエアロゾル組成物として投与するのに適した、水に活性剤を溶解させた組成物に関し、組成物は低量の少なくとも1種類の界面活性剤および少なくとも1種類の活性剤を含む。活性剤のより効果的な供給を許容するために、活性剤に対する界面活性剤全体の割合は低減され、粘性を低下させる。好ましい活性剤は芳香剤および殺虫剤である。
【背景技術】
【0002】
芳香剤オイル(fragrance oil)、殺虫剤(insecticide)、薬(medicine)、クリーナー、光沢剤(polish)、ヘアスプレー、化粧品、塗料(paints)などのような活性成分または組成物は、しばしば水に不溶性の材料からなる。このような活性成分または組成物は、エアロゾル組成物の製造に用いられる。このような活性成分および組成物は、普通は、溶媒が含まれるように要求され、水中で均一な混合物が製造される。
【0003】
また、エアロゾル組成物は、一般的に炭化水素噴射剤(propellant)で加圧される。環境的な懸念を含むさまざまな理由により、産業界は、エアロゾル組成物の炭化水素を圧縮ガスで代替している。しかし、圧縮ガスエアロゾル組成物は、一般的にこれに限定されないが、芳香剤オイル、殺虫剤、薬、クリーナー、光沢剤、ヘアスプレー、化粧品およびペイントの安定した水系混合物を製造できないことを含めてさまざまな問題がある。このような問題に起因し、今日製造される大部分の圧縮ガスエアロゾル組成物は、このような「活性」成分を溶解したり分散させたりすることを助ける材料を含む。一般的に、このような材料は界面活性剤と溶媒の混合物である。溶媒は、しばしば揮発性有機化合物(VOC)である。エタノールおよびイソプロピルアルコールのようなアルコールは、このような組成物に用いられる共通溶媒である。また、グリコールおよびその誘導体は、このような組成物の溶媒として用いられる。
【0004】
芳香剤オイル、殺虫剤、クリーナー、光沢剤、ヘアスプレー、化粧品などは水に不溶性の材料からなるが、これらの材料の全体的な溶解度を増加させるために、このような組成物に予め溶媒が添加される。
【0005】
このような組成物は、エアロゾルディスペンサーまたはポンプ噴射ディスペンサーを含む各種メカニズムによって投与してもよい。組成物は、VOCと見なされる炭化水素噴射剤のような噴射剤を含んでもよい。エアロゾル組成物中のVOCの含量は、環境保護国(EPA)、カリフォルニア州環境局(CARB)のような連邦および/または、州の監督庁によって規制される。このようなエアロゾル組成物中のVOC含量を減らす1つの方法は、液体製品(liquid product)を投与するのに用いられる炭化水素噴射剤の含量を減らすことにある。また、VOCを含有しないエアロゾル系の望ましさは、溶媒を含有しない安定したエマルジョンに対する要求を生み出した。
【0006】
現在、空気殺菌剤のような公知のエアロゾル組成物は、6%〜8.8%のグリコールレベルおよび純粋アルコール溶媒とともに約29.5重量%の量として炭化水素噴射剤を含有する。しかし、炭化水素噴射剤含量において減少は、製品の性能に悪影響を及ぼし得る。具体的に、エアロゾル空気殺菌剤において噴射剤含量の減少は、ディスペンサーアセンブリの寿命終了時の容器内に過剰な製品の残留(製品保有(product retention))および投与された製品の粒径の増加(増加した粒径)を引き起こすこともある。したがって、組成物中に低量の噴射剤を用いること、また、究極的には、組成物中に芳香剤または殺虫剤のような界面活性剤及び活性剤を結果的に低量で用いることが好ましい。製品の製造コストを減少させる高価な化学成分の量を減らし、また、大気中に放出される化学物質の量を減らすために、これら成分を低量で用いることが好ましい。
【0007】
S.C.Johnson & Son、Inc.により製造された公知の非エアロゾルエアフレッシュナー(non-aerosol air freshener)組成物は、水、芳香剤、エトキシル化アルコール、ポリエトキシル化硬化ヒマシ油(polyethoxylated hydrogenated castor oils)、殺菌剤、および消泡剤を含む。界面活性剤は、芳香剤に対して1.75:1の割合で存在する。
【0008】
米国特許出願公開番号2002/0004033 A1は、エアフレッシュナー、薬、防虫剤(repellants)などのような活性物質の蒸気の持続的な放出を提供するエマルジョン型組成物が開示されている。組成物は、水、気化する活性な空気処理材、および固体の形成のないエマルジョン濃度(emulsion consistency)を有する形態で、水中に乳化した活性成分を保持する量の乳化剤を含む。乳化剤(界面活性剤、viscofiers、増粘剤、乳化剤)は、1種類の物質、または、水中油型エマルジョン(oil-in-water emulsion)になる物質の混合物であってもよい。乳化剤は、水相中の油相の油滴を安定化させ、乳化剤は、溶液を形成するために水中にオイルを溶解はしない。芳香物質(fragrance chemicals)は、各種溶媒、希釈剤、オイル、ワックス、界面活性剤、または、芳香物質を溶解し、これらの強度、安定性、粘度、放出率、その他の物理的もしくは化学的特性を変形させる他の物質と混合してもよい。
【0009】
米国特許出願公開番号2004/0132831 A1および米国特許番号7,053,124 B2には、それに含まれる界面活性剤の量を減少させるエアロゾル運搬システムが開示されている。組成物は、0.1〜10重量%の二液発泡剤(biliquid form)、20〜95重量%の水相、5〜40重量%の噴射剤、および、少なくとも1種類の油溶性機能材料(oil-soluble functional material)、例えば芳香剤を含む。二液発泡剤は、70〜95重量%の油溶性機能材料、および、好ましくは水相である5〜30重量%の連続相を含む。界面活性剤は、二液発泡剤を安定化させるために0.1〜3重量%含まれてもよい。開示された、適した界面活性剤は、ポリエトキシル化硬化ヒマシ油である。界面活性剤は、噴射剤との親和性を付与するために選択してもよい。エアロゾル組成物は、多量の溶媒、または界面活性剤、および揮発性有機化合物の使用の必要性を排除するものである。組成物は、他のものの間でエアフレッシュナーとして用いることができる。エアフレッシュナーは、さらなる従来の成分を含んでもよい。
【0010】
米国特許番号6,984,617 B2には、包含材料(entrapment material)と芳香剤との芳香剤放出複合体(fragrance-releasing complex)、および、改良された芳香剤の補足と保持を提供するカプセル化物質を含む組成物が開示されている。カプセル化物質は、芳香剤を複合状態に維持するために、芳香剤放出複合体をコーティングする。カプセル化物質は、部分的に、または、全体的に水素化されたポリオキシエチレンヒマシ油エーテルのような非イオン性界面活性剤であってもよい。カプセル化物質は、他の物質がそれらの物質を可溶化することによって、芳香剤を排気することを防止する作用をしてもよい。包含材料は、抵抗性の壁(resistant wall)の中に小さい芳香剤の液滴を物理的に取り囲み、取り込むことにより、芳香剤オイルの放出を制御してきた。組成物は、髪および/または皮膚に芳香剤を伝達するためのパーソナルケア製品における用途として記載されている。カプセル化物質に対する芳香剤放出複合体の重量比は、1:0.1〜1:0.9である。組成物は、また、揮発性非水溶媒(volatile nonaqueous solvent)が存在する場合には水を含んでもよい。
【0011】
米国特許番号4,083,954には、噴射剤にエマルジョン安定性を付与する水−アルコールベースのエアロゾル組成物が記載されている。組成物は、(A)15〜80重量%の液相噴射剤、(B)85〜20重量%の液相組成物において、(i)(B)の重量に対して30〜80重量%の炭素数1〜3のアルカノール、(ii)(B)の重量に対して0.05〜1.0重量%の硬化化ヒマシ油を含む群から選択された物質に対して1〜300モルのエチレンオキシドの付加体(adduct)からなる乳化剤、(iii)(B)の重量に対して0.01〜20重量%の活性成分および(iv)差分の水を含む。アルカノールは、組成物内において水−不溶性活性成分を溶解させるものである。組成物は、エアフレッシュナーとして用いることができる。
【0012】
米国特許番号5,047,234には、組成物内にまた存在する香水のより均一な蒸発速度を生じる無機塩を含む水相エアフレッシュナー組成物が記載されている。組成物は、0.01〜0.5重量%の塩、3〜15重量%の揮発性溶媒、2〜15重量%の乳化剤、1〜20重量%の芳香剤、差分の水、および選択的に0〜15重量%の共溶媒を含むことができる。塩は、アルカリ金属、例えばカリウム、および陰イオン部、例えばリン酸塩であってもよい。塩は、安定化効果、すなわち相分離の阻害および/または蒸発速度の低下によるエアフレッシュナーの使用期間の延長を提供する。開示された溶媒に対する界面活性剤の最低の割合は、したがって6:1である。
【0013】
米国特許番号5,935,554に、活性成分(例えば、香水)および噴射剤を含むエマルジョンではない、エアロゾルスペーススプレーが開示されている。活性成分は、噴射剤を溶媒和する。溶媒は存在しても存在しなくてもよい。
【0014】
米国特許番号4,965,063および5,064,635に殺菌剤(germicide)を含むことのできる消える染料(disappearing dye)を含有する表面用の洗浄組成物が開示されている。染料は、pH感受性であるため、空気に曝されると染料が消える。組成物は、約0.1〜20.0%の界面活性剤または界面活性剤の混合物、および0.05〜0.07%の染料を含む。組成物の差分は水で満たされてもよい。組成物は、適した放出システムで包装される場合、泡状であってもよい。噴射剤がシステムに加えられる。約5〜7%の量の噴射剤システムは、液体界面活性剤を泡に転換させる。
【0015】
米国特許番号5,091,111および5,145,604には、エアロゾル運搬システムの噴射剤の成分に貯蔵効果を提供するのに用いることができる小胞構造を有するエマルジョンシステムが開示されている。水相エマルジョン製剤は、加圧容器からエアロゾル組成物を運ぶのに用いることができる。水相エアロゾル運搬システムは、システムの75〜98重量%に存在する水性のエマルジョン段階の成分及びシステムの2〜25重量%の噴射剤成分を含む。
【0016】
米国特許番号5,679,324に、プレディスペンス(pre-dispensed)状態で半透明であり、エアロゾル容器から出てくる時に速攻で(fast-breaking)泡を形成するピリッとひりつく感じの少ないエアロゾル泡形成芳香剤組成物が開示されている。組成物は、界面活性剤、噴射剤、芳香剤、増粘剤、および化粧用の小胞を含み、噴射剤に対する界面活性剤の割合は約1:1〜1:10である。
【0017】
米国特許番号6,875,732 B2に、洗濯組成物中に存在したり、基材から発射されたりしたときに、効果的な芳香剤運搬システムを提供するマイクロエマルジョン化芳香剤組成物が開示されている。芳香剤運搬システムは、重量パーセントで、(a)2〜50%の活性芳香剤、(b)、(i)0.03〜80%の非イオン性界面活性剤、(ii)0.00240%のN−C
8−C
18アルキルピロリドン、(iii)0〜60%のN−C
1−C
4アルキルピロリドン、(iv)0〜30%のエチレンオキシド/プロピレンオキシドブロック共重合体および(v)0〜10%のエトキシル化リン酸エステルを含む、50〜98%のマイクロエマルジョン濃縮物を含む。
【0018】
米国特許出願公開番号2004/0147416 A1には、繊維から悪臭を除去する方法、安定した水性の臭気中和剤組成物(odor counteractant composition)および前記組成物を含む物品および方法に対する指示、および/または、これによる長所が開示されている。組成物は、シクロデキストリンのような悪臭中和剤(malodor counteractant)を含み、シクロデキストリンは複合体を形成していない形態(uncomplexed form)でシクロデキストリンを維持するために、組成物中に存在できる他の物質及び/又は、選択的には、臭気を制御するために、ゼオライト、クレー、臭気ブロッカ、クラスI、および/または、クラスIIのアルデヒドのような臭気反応剤、フラボノイドを含むエッセンシャルオイル、金属塩、水溶性陰イオンポリマーなどとの相互作用から保護される。選択的に、組成物は、低分子量ポリオール、キレート剤等を含むことができる。組成物は、望ましくは、基本的に繊維を汚染させる他の物質がないものである。
【0019】
米国特許出願公開番号2005/0037945 A1にエアロゾル発生器によって分配される芳香剤組成物が開示されている。芳香剤組成物は、30重量%またはそれ以上の臭気クラスA(odor class A)の成分を含み、成分は、1ng/l以上の知覚閾値濃度(sensory threshold concentration)および10μg/l以上の蒸気圧で特徴付けられる。
【0020】
米国特許出願公開番号2006/0292111 A1に、特定のスプレーバルブおよびアクチュエータ装置と組み合わせた、空気から臭気を除去するための空気処理組成物、および、組成物中の活性成分の空気中への最大分散を提供するスプレー性能のパラメータが開示されている。臭気とさらに多く接触し、臭気を早く吸収するために、活性成分が空気中へ微細な分散として分散するように、組成物の粒子が小さい。組成物の粒径は、バルブおよびアクチュエータの体積の選択によって制御される。空気処理および臭気除去組成物は、水、低分子量ポリオール、乳化剤、および噴射剤を含む。組成物は、溶媒、芳香剤、防蝕剤、pH調節剤などのような付加的な添加剤も含んでもよい。
【0021】
米国特許番号4,382,078に、活性成分、界面活性剤、安定剤およびジメチルエーテル(DME))噴射剤を含む、2相水系エアロゾル組成物(a two-phase water-based aerosol composition)が開示されている。界面活性剤は、特定の化学式のエチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロック共重合体である。香水、殺虫剤、殺菌剤、殺真菌剤、除草剤、または、脱臭剤が組成物に含まれてもよい。
【0022】
米国特許番号6,238,646 B1に、芳香剤オイル、殺虫剤オイルおよび医薬用オイルのような噴霧されるオイルの運搬のための水相エアロゾル組成物が開示されている。組成物は、水、ジメチルエーテルのような水溶性噴射剤、水中分散オイル相(dispersed oil phase in water)、非イオン性界面活性剤および重合性の乳化剤を含む。非イオン性界面活性剤は、水中分散相の液滴サイズを減少させることによって、オイルの粒子を分散させる役割をする。
【0023】
米国特許出願公開番号2004/0209795 A1(WO 2005/093836 A2に相応)に、非常に透明なVOC−フリーのマイクロエマルジョン形態の香水組成物が開示されている。マイクロエマルジョンは、オイル(例えば、芳香剤オイル)と、1種類以上のイオン性界面活性剤および1種類以上の非イオン性界面活性剤を含む界面活性剤システムと、可溶化補助剤と、水とを含む。オイルは、溶媒を含んでもよい。イオン性界面活性剤は、陰イオン性、陽イオン性、または、両性であってもよい。存在する界面活性剤システムの量は、基本的には、存在するオイルおよび可溶化補助剤の量、およびマイクロエマルジョンに提供される必要量によって決められる。可溶化補助剤は、アンモニウム、C
1〜C
15のモノ−およびジカルボン酸誘導体のアンモニウム、アルカリおよびアルカル土類塩、重炭酸塩、ハロゲン化合物、チオシアン酸塩、および、これらの塩の混合物よりなる群から選択される有機または無機塩であってもよい。
【0024】
米国特許出願公開番号2005/0020698 A1(WO 2005/005264 A2に相応)に蒸気の栓がなく、製品に対して著しく低い割合の噴射剤を使用した、より安定したエマルジョンを有する、エアロゾル製品が開示されている。より安定したエマルジョンは、低減した重量比の噴射剤を使用しながら、製剤の他の成分に対して界面活性剤システムを調節し、バルブから蒸気の栓を除去して提供される。エアロゾル製品は、飛行昆虫殺虫剤(flying insects insecticides)、室内噴霧器殺虫剤(room fogger insecticides)および空気殺菌剤(air sanitizers)であってもよい。作用成分は、芳香、または、殺虫、殺菌または、他の機能を提供する。開示された実施例は、水、防蝕剤、香水オイル、界面活性剤および炭化水素噴射剤を含む。
【0025】
米国特許出願公開番号2003/0005522 A1、および米国特許番号6,451,065、6,248,135、6,077,318、5,670,475に、香水および水性キャリアおよび選択的に可溶化補助剤、シクロデキストリンおよび金属塩を含む、悪臭感を減少させるための水性組成物が開示されている。可溶化補助剤は、過剰量の有機物質、特に香水および添加された他の選択的な成分、例えば、虫除け剤を可溶化する。適した可溶化補助剤は、非イオン性、陽イオン性、両性、双性イオン性または、これらの混合物であってもよい界面活性剤である。陰イオン界面活性剤は、金属塩の金属イオンと水不溶性の塩を形成するため、好ましくない。組成物は、圧縮空気のような噴射剤を用いたエアロゾルのようなスプレーディスペンサーから噴射されてもよい。
【0026】
米国特許番号5,734,029、5,266,690、5,449,763、5,859,218、5,962,399に、重合の度合いおよび界面活性剤の性質の多様性によって、向上した界面活性剤性質を有し、アルキル鎖の長さの異なるアルキルポリグルコシドの混合物を含むアルキルポリグルコシド組成物が開示されている。界面活性剤のアルキルポリグルコシドは、パーソナルケア、化粧用、洗濯用、家庭用および産業用用途に有用なものと言われている。アルキルポリグルコシド混合物は、乳化および可溶化に有用な、向上した臨界ミセル濃度(CMC)および界面張力(IFT)を有するものである。
【0027】
米国特許番号6,729,559 B2に、エアロゾル組成物を入れる容器を含むエアロゾル製品が開示されている。エアロゾル組成物は、濃縮物(有効成分を含む液体)および噴射剤である。有効成分は、殺虫剤、または、芳香剤であってもよい。噴射剤は、二酸化炭素、窒素、亜酸化窒素または、空気のような圧縮ガスであってもよい。濃縮物は、界面活性剤のような発泡剤を含有するスプレー泡(spray foam)であってもよい。
【0028】
米国特許出願公開番号2005/0124512 A1に、香水及び空気のような圧縮空気を含有できる、空気および繊維のフレッシュナーが開示されている。香水成分および他の悪臭中和剤成分は、適した割合で含むことができ、差分はキャリア、および、界面活性剤のような他の選択的な成分であってもよい。
【0029】
米国特許番号5,538,978;5,494,912、および5,527,803に、プリンヌクレオシドホスホリラーゼ阻害剤(purine nucleoside phosphorylase inhibitors)が開示されている。これらの化合物は、生理学的に許容される希釈液中に化合物の注入可能な用量として投与することができる。希釈液は、疏水性塩基を有するエチレンオキシドの高分子量付加体のような1種類の成分または混合物であり得る界面活性剤であってもよい。化合物は、エアロゾルまたはスプレー組成物に投入することができる。スプレー組成物は、さらに界面活性剤を含むことができ、加圧下で噴射剤によって、または、ガス状噴射剤を使用せずに圧縮性プラスチックスプレー容器、ネブライザーまたは、アトマイザーによって、適用することができる。
【0030】
ヨーロッパ特許出願番号0 488 668 A1に、界面活性剤を含む除草剤含有液が開示されている。界面活性剤は、発泡を提供するためのもので、陽イオン性、陰イオン性非イオン性、または、両性であってもよい。水、アルコール、エチレングリコールおよびグリコールエーテルのような、除草剤および界面活性剤を溶解または懸濁するための希釈剤が使用されてもよい。液体は、エアロゾルとして適用されてもよい。除草剤、界面活性剤および希釈剤は、圧縮ガス(例えば、二酸化炭素、窒素ガス、亜酸化窒素および空気)のような、噴射剤と共にエアロゾル容器中に含まれてもよい。
【0031】
米国特許番号5,489,433に、ヒドロキシル非環式酸(hydroxyl acyclic acid)(活性物質として)および、他のイオン性または非イオン性界面活性剤を含む殺虫剤組成物が開示されている。組成物は、エアロゾル状に噴射される。界面活性剤の目的は、組成物が昆虫の体に適用された時、昆虫の正常的な呼吸機能を混乱させ、昆虫を窒息死させるために、昆虫の神経系へのヒドロキシル非環状酸の浸透が容易となるように、殺虫剤組成物の表面張力を減少させるものである。
【0032】
米国特許番号3,829,578に、従来の薬剤学的キャリア、例えば水と、界面活性剤の添加または無添加により有用な活性抗ウイルス性化合物(active antiviral compound)が開示されている。活性化合物は、ガス状または液化した噴射剤、例えば、二酸化炭素とともに、溶媒または、湿潤剤のような従来の添加剤と共に、エアロゾルとして包装されることができる。使用される典型的な表面活性成分は、高分子量アルキルポリグリコールエーテルを含む。
【0033】
米国特許出願公開番号2005/0192197 A1に、微生物の繁殖を減少させるためのペルオキシカルボン酸が開示されている。多様な可溶化剤が、多様な界面活性剤を含む酸と共に用いられる。アルコールエトキシレートおよびアルキルエーテル硫酸塩のような酸化合物および発泡性の界面活性剤を含む発泡性の組成物が開示されている。使用時に、圧縮空気を混合物に注入してもよい。
【0034】
米国特許出願公開番号2005/0165042 A1に、注入により投与することのできる、活性複素環化合物(active heterocyclic compound)が開示されている。注入される組成物は、複素環化合物と共に非イオン性界面活性剤を含んでもよい。界面活性剤は1種類の成分であってもよい。
【0035】
米国特許出願公開番号2005/0089540 A1に、マイクロカプセル化された、香水のような活性成分の放出制御を提供する、表面に適用のための組成物が開示されている。組成物は、圧縮空気のようなエアロゾル噴射剤を含んでもよい。香水および噴射剤に加えて、組成物は、ミリスチン酸イソプロピルのような安定剤、分散剤および水性キャリアを含んでもよい。分散剤は、組成物中でマイクロカプセルを懸濁させるものとして提供される。組成物は、界面活性剤または界面活性剤の混合物を選択的に含んでもよい。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0036】
【特許文献1】米国特許出願公開2002/0004033 A1号
【特許文献2】米国特許出願公開2004/0132831 A1号
【特許文献3】米国特許7,053,124 B2号
【特許文献4】米国特許6,984,617 B2号
【特許文献5】米国特許4,083,954号
【特許文献6】米国特許5,047,234号
【特許文献7】米国特許5,935,554号
【特許文献8】米国特許4,965,063号
【特許文献9】米国特許5,064,635号
【特許文献10】米国特許5,091,111号
【特許文献11】米国特許5,145,604号
【特許文献12】米国特許5,679,324号
【特許文献13】米国特許6,875,732 B2号
【特許文献14】米国特許出願公開2004/0147416 A1号
【特許文献15】米国特許出願公開2005/0037945 A1号
【特許文献16】米国特許出願公開2006/0292111 A1号
【特許文献17】米国特許4,382,078号
【特許文献18】米国特許6,238,646 B1号
【特許文献19】米国特許出願公開2004/0209795 A1号(WO 2005/093836 A2に相応)
【特許文献20】米国特許出願公開2005/0020698 A1号(WO 2005/005264 A2に相応)
【特許文献21】米国特許出願公開2003/0005522 A1号
【特許文献22】米国特許6,451,065号
【特許文献23】米国特許6,248,135号
【特許文献24】米国特許6,077,318号
【特許文献25】米国特許5,670,475号
【特許文献26】米国特許5,734,029号
【特許文献27】米国特許5,266,690号
【特許文献28】米国特許5,449,763号
【特許文献29】米国特許5,859,218号
【特許文献30】米国特許5,962,399号
【特許文献31】米国特許6,729,559 B2号
【特許文献32】米国特許公開2005/0124512 A1号
【特許文献33】米国特許5,538,978号
【特許文献34】米国特許5,494,912号
【特許文献35】米国特許5,527,803号
【特許文献36】ヨーロッパ特許出願0 488 668 A1号
【特許文献37】米国特許5,489,433号
【特許文献38】米国特許3,829,578号
【特許文献39】米国特許出願公開2005/0192197 A1号
【特許文献40】米国特許出願公開2005/0165042 A1号
【特許文献41】米国特許出願公開2005/0089540 A1号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0037】
上述した組成物は様々な欠点を有する。組成物のこれら及び他の欠点が、本発明で取り組まれる。
【課題を解決するための手段】
【0038】
本発明は、透明な、安定したマイクロエマルジョン中に活性剤を提供する、水溶液に1種類以上の活性剤を溶解させる組成物に関する。前記組成物は、圧縮ガスエアロゾル組成物として投与するのに特に適している。前記組成物は、組成物中に存在する活性剤に対する界面活性剤全体の割合に対して、界面活性剤および活性剤の量の低減に有用である。活性剤に対する界面活性剤全体の重量比は、好ましくは約1:3〜約5:1である。より好ましくは約1.2:1〜約3:2である。このような低減は、より効果的な活性剤の供給を提供する。また、成分の量の低減により、本発明の組成物は圧縮ガスによる投与時に低減された粘性を有する。従来知られている圧縮ガス投与装置によって投与された圧縮ガスディスペンス組成物は、長期間の使用で粒子が後続のアプリケーションと接触する表面上に粘性もしくは粘着性を与える投与したスプレー組成物をもたらす標準エアロゾルに比べて、一般的により大きな粒径を有する。このような影響は、本発明の組成物により低減される。
【0039】
組成物は、好ましくは、約0.1重量%〜約3重量%の少なくとも1種類の界面活性剤、約0.1重量%〜約2重量%の少なくとも1種類の活性剤、および約0.1重量%〜約1重量%の圧縮ガス噴射剤を含む。活性剤は、好ましくは、芳香剤、殺虫剤、薬、殺菌剤、防虫剤、臭気除去剤などである。この活性剤は、水不溶性、または、一般的に水と混ざらず、従って、活性剤を溶解させる必要がある。溶解しない場合には、活性剤は遊離したオイルまたは濁ったエマルジョンの好ましくない生成物を与える。好ましい実施形態は、活性剤が芳香剤または殺虫剤の場合である。活性剤が1種類以上の芳香剤および/または殺虫剤の場合には、活性剤は組成物全体の約0.2〜約2重量%の量で存在する。組成物は、さらに1種類以上の防蝕剤、PH調節剤、溶媒、抗菌剤、キャリア溶媒(carrier solvents)、加工助剤(processing aids)、増粘剤、チキソトロープ剤(thixotrope)、染料などの他の補助剤を含有してもよい。組成物は、従来知られている圧縮ガスエアロゾル装置を用いて投与してもよい。
【0040】
本発明のこれら、又は他の態様、特徴および効果のより良い理解は、本発明の好ましい実施形態に例示または記載された、添付の詳細な説明を参照することにより得られる。
【発明を実施するための形態】
【0041】
本発明は、活性剤の透明な、または実質的に透明な安定したマイクロエマルジョンを提供する、水溶液中組成物の1種類以上の活性剤、すなわち、不溶性または水に混合しない成分を溶媒和、すなわち溶解したり分散させたりする組成物に関する。組成物は、好ましくは、低い(4%以下)揮発性有機化合物(VOC)、またはVOCのない圧縮ガスエアロゾル組成物である。組成物は、少なくとも1種類の界面活性剤、少なくとも1種類の活性剤および少なくとも1種類の圧縮ガス噴射剤を含む。組成物は、低減された量の界面活性剤および活性剤を用いる。界面活性剤および活性剤は、それぞれに対して、活性剤の重量%に対する界面活性剤全体の重量%の割合が約1:3〜約5:1、好ましくは約1:1〜約3:2で存在する。活性剤は、好ましくは、芳香剤、殺虫剤、薬、殺菌剤、防虫剤、殺菌剤、臭気除去剤などである。組成物は、組成物中の界面活性剤の量の低減により、長期間の使用の間に後続するスプレーアプリケーションと接触する表面に対して、粘性もしくは粘着性顕著な低減を有する。
【0042】
組成物は、エアフレッシュナー、殺虫剤、防虫剤などのような、圧縮ガスエアロゾル組成物として投与するのに特に適している。組成物は、従来知られている圧縮ガスエアロゾル装置を用いて投与してもよい。圧縮ガスエアロゾル装置が一般的に、標準エアロゾルパッケージよりも大きな粒径を有するスプレーを提供するため、上述したように、組成物の粘性もしくは粘着性の低減が、公知の圧縮ガスエアロゾル組成物よりも顕著な進歩および効果を与える。
【0043】
組成物は、好ましくは、約0.1重量%〜約3重量%の少なくとも1種類の界面活性剤、約0.1重量%〜約2重量%の少なくとも1種類の活性剤、および約0.1重量%〜約1重量%の圧縮ガス噴射剤を含む。
【0044】
組成物は、周辺の環境へ芳香剤を投与するのに特に適している。活性剤が1種類以上の芳香剤および/または1種類以上の殺虫剤であるとき、芳香剤または殺虫剤は、好ましくは組成物全体の約0.1〜約2重量%の範囲、より好ましくは約0.3〜約0.6重量%、最も好ましくは約0.5重量%で存在する。
【0045】
界面活性剤は、活性剤に対して重量%で約1:3〜約5:1の割合、より好ましくは約1:1〜約3:2存在する。この割合範囲は、活性剤、例えば、芳香剤に対する界面活性剤全体の量における低減を提供し、それによって、活性剤のさらに効果的な供給を提供する。組成物は、1種類以上の防蝕剤、PH調節剤、溶媒、抗菌剤、加工助剤、粘度剤、チキソトロープ剤等のような他の補助剤を含有してもよい。
【0046】
本発明の組成物において、少なくとも1種類の界面活性剤は、1種類の界面活性剤、または界面活性剤の混合物であってもよい。少なくとも1種類の界面活性剤は、約0.1重量%〜約3重量%、好ましくは約0.3重量%〜約2重量%、より好ましくは約0.5重量%〜約1重量%の量で存在する。活性剤は、約0.1重量%〜約2重量%、好ましくは約0.1重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.3重量%〜約0.6重量%の量で存在する。圧縮ガス噴射剤は、約0.1重量%〜約1重量%、好ましくは約0.5重量%〜約1重量%、より好ましくは約0.6重量%〜約0.8重量%の量で存在する。
【0047】
また、選択的に存在する補助剤に対しては、一般的に以下のように存在する:約0.05重量%〜約1重量%の量の防蝕剤;0.1重量%〜約10重量%の量の溶媒;約0.05重量%〜約0.2重量%の量の抗菌剤;および好ましいpH活性を達成するのに適した量のpH調節剤。他の補助剤が存在すれば、それぞれは約0.0001重量%〜約4重量%の量で存在する。
【0048】
少なくとも1種類の界面活性剤は、活性成分との互換性に基づいた、いずれかの界面活性剤または界面活性剤の混合物であってもよく、非イオン性、陽イオン性、陰イオン性、および/または、両性を含む。単独または混合物として使用するのに適した特定の界面活性剤は、ポリエトキシル化硬化ヒマシ油、(例えば、TAGAT-CH60(60エチレンオキシド(EO)基);TAGAT-CH40(40EO));水素化およびエトキシル化ヒマシ油混合物(例えば、EMULGIN HPS(40EO));第2級アルコールエトキシレート(例えば、TERGITOL 15-S-12およびTERGITOL 15-S-7);ポリグリセリル−10ラウレート(例えば、DERMOFEEL G10L);ポリグリセリル−6カプリン酸エステル(例えば、DERMOFEEL G6CY);エトキシル化直鎖アルコール(例えば、LUTENSOL A08(8EO));ソルビタンモノオレエート(例えば、SPAN 80);ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノオレエート(例えば、TWEEN 80);ポリオキシエチレン(20)ソルビタンモノラウレート(例えば、TWEEN 20);アルキルC
9−C
11ポリグリコシド(例えば、APG 325NK);塩化ジデシルジメチルアンモニウム(例えば、BTC 1010);ジデシルジメチルアンモニウムカーボネイト(例えば、UNIQUAT 22C50);ポリエチレンオキシド/ポリプロピレンオキシド(例えば、PLURONIC F68、F108);およびその混合物を含むが、これに限定されない。
【0049】
活性剤は、いずれの適した芳香剤、殺虫剤、殺菌剤(germicide)、薬、殺菌剤(sanitizer)、臭気除去剤などでもよい。「活性」剤は、いくらかの作用または効力を与える、活性能のある化学物質として理解される。また、活性剤は、不水溶性、または、水に混合されないものと理解される。
【0050】
活性剤として用いられるのに適した芳香剤は、1種類の成分、または、成分の混合物に基づいて、何れの適した天然または合成芳香剤であってもよい。芳香剤は、Takasago、International Flavors & Fragrances Inc.、Quest、Firmenich、Givaudan、Symriseなどのような芳香剤製造業者から市販されている。
【0051】
殺虫剤は、天然ピレトリンおよび除虫菊エキスおよび合成ピレスロイドであってもよい。使用に適した殺虫剤は、プロポクサー;MGK 264;イミプロトリン(imiprothrin);スミスリン(sumithrin);ピナミンフォルテ(Pynamin Forte(登録商標));ネオピナミンフォルテ(neo-pynamin Forte(登録商標));シペルメトリン(cypermethrin);ペルメトリン(permethrin);シフルトリン(cyfluthrin);アクリナトリン(acrinathrin);D−アレスリン(D-allethrin)などのアレスリン(allethrin);ピナミン(Pynamin(登録商標));ベンフルトリン(benfluthrin);ビフェントリン(bifenthrin);S−ビオアレトリン(S-bioallethrin)などのビオアレトリン(bioallethrin);エスビオトリン(esbiothrin);エスビオール(esbiol);ビオレスメトリン(bioresmethrin);シクロプロトリン(cycloprothrin)、β-シフルトリン(beta-cyfluthrin);シハロトリン(cyhalothrin);λ−シハロトリン(lamda-cyhalothrin);シペルメトリン(cypermethrin);α-シペルメトリン(alpha-cypermethrin);β−シペルメトリン(beta-cypermethrin);シフェノトリン(cyphenothrin);デルタメトリン(deltamethrin);エンペントリン(empenthrin);エスフェンバレレート(esfenvalerate);フェンプロパトリン(fenpropathrin);フェンバレレート(fenvalerate);フルシトリネート(flucythrinate);τ−フルバリネート(tau-fluvalinate);カデトリン(kadethrin);フェノトリン(phenothrin);Etoc(登録商標)などのプラレトリン(prallethrin);レスメトリン(resmethrin);テフルトリン(tefluthrin);テトラメトリン(tetramethrin);またはトラロメトリン(tralomethrin)を含み、ただ、これに限定されず、米国特許番号4,439,415に記載された他の揮発性殺虫剤も用いることができる。
【0052】
表1は、各種殺虫剤添加剤およびその物理的状態を説明する。
【表1】
【0053】
シフルトリンは、Nanjing Agrovance Chemical Industry Ltd.製のα−シアノ−3−フェノキシ−4−フルオロベンジル−2,2−ジメチル−3(2,2−ジクロロビニル)シクロプロパンカルボキシレート(α-cyano-3-phenoxy-4-fluorobenzyl-2,2- dimethyl-3 (2, 2-dichlorovinyl) cyclopropanecarboxylate)である。
【0054】
プロポクサーは、Mobay Chemical Corporationの農薬部門製の登録商標BAYGON TECHNICALの2−(1−メチルエトキシ)フェノールメチルカルバメート(2-(1-methylethoxy)phenol methyl carbamate)である。
【0055】
MGK 264は、McLaughlin Gormley King Company製の、N−オクチルバイシクロヘプタンジカルボオキシイミド(N-octyl bicycloheptane dicarboximide)である。
【0056】
除虫菊エキスは、AJE GmbH製の除虫菊(chrysanthemum cinerariifolium)の花頭からの天然抽出物である。
【0057】
ペルメトリンは、Sumitomo製の3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパンカルボン酸(3−フェノキシフェニル)メチルエステル(3-(2,2-Dichloroethenyl)-2,2-dimethylcyclopropanecarboxylic acid (3-phenoxyphenyl)methyl ester);すなわち、3−フェノキシベンジル(1RS)−シス,トランス−3−(2,2ジクロロビニル)−2,2ジメチル−シクロプロパンカルボキシレート(3-phenoxy benzyl (1RS)-cis,trans-3-(2,2 dichlorovinyl)-2,2 dimethyl-cyclopropane carboxylate)である。
【0058】
シペルメトリンは、Nanjing Agrovance Chemical Industry Ltd.製のシアノ(3−フェノキシフェニル)メチル3−(2,2−ジクロロエテニル)−2,2−ジメチルシクロプロパン−カルボキシレート(cyano(3-phenoxyphenyl)methyl 3-(2,2-dichloroethenyl)-2,2-dimethylcyclopropane-carboxylate)である。
【0059】
イミプロトリンは、Sumitomo製の[2,5−ジオキソ−3−(2−プロピニル)−1−イミダゾリジニル]メチル(1R)−2,2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)シクロプロパンカルボキシレート([2,5-dioxo-3-(2-propynyl)-1-imidazolidinyl]methyl (1R)-2,2-dimethyl-3-(2-methyl-1-propenyl)cyclopropanecarboxylate)である。
【0060】
クエストQ−9633は、pHと硬水などの要素を改良することにより、殺虫剤の性能を高めるように設計されたHelena Chemical Co.製の水質調整剤と活性剤の調製された混合物である。
【0061】
ネオピナミンフォルト(Neopynamin Forte、(登録商標))は、Sumitomo製の1,3,4,5,6,7−ヘキサヒドロ−(1,3−ジオキソ−2H−イソインドール−2−イル)メチル2、2−ジメチル−3−(2−メチル−1−プロペニル)−シクロプロパンカルボキシレート(1,3,4,5,6,7-hexahydro-(1,3-dioxo-2H-isoindol-2-yl)methyl 2,2-dimethyl-3-(2-methyl-1-propenyl)-cyclopropanecarboxylate)である。
【0062】
スミスリンは、Sumitomo製の3−フェノキシベンジル2−ジメチル−3−(メチルプロペニル)シクロプロパンカルボキシレート(3-phenoxybenzyl 2-dimethyl-3-(methylpropenyl) cyclopropanecarboxylate)である。
【0063】
ピナミンフォルテ(Pynamin Forte、(登録商標))は、Sumitomo製品の(1R)−シス、トランス−菊酸((IR) -cis, trans-chrysanthemic acid)の(RS)−アレトロロン((RS) -allethrolone)エステルである。
【0064】
圧縮ガス噴射剤は、空気、窒素、亜酸化窒素、二酸化炭素、アルゴン、メタン、エタンおよびその混合物を含み、それに限定されず、いずれかの適した従来知られている圧縮ガス噴射剤であってもよい。圧縮ガス噴射剤は、約100〜165psigの範囲、好ましくは約120〜155psig、より好ましくは約135psigで加圧される。
【0065】
防蝕剤は、リン酸二水素カリウム、リン酸水素カリウム、リン酸2アンモニウム、リン酸カリウム(一塩基性または、ニ塩基性)、リン酸ナトリウム(一塩基性または、ニ塩基性)などのリン酸塩;亜硝酸ナトリウム、亜硝酸カリウムおよび亜硝酸アンモニウムなどの亜硝酸塩;および/または、アミノメチルプロパノールを含むいずれかの適した防蝕剤であってもよく、それに限定されない。
【0066】
抗菌剤は2−メチル−2H−イソチアゾール−3−オン(2-methyl-2H-isothiazol-3-one)、1,2−ベンゾイソチアゾール−3(2H)−オン(1,2-benzisothiazol-3(2H)-one)、ポリヘキサメチレンビグアニド(polyhexamethylene biguanide)、ベンゾ−イソ−チアゾロン(benzo-iso-thiazolone)、2−メチル−4−イソチアゾロン−3−オン(2-methyl-4-isothiazolin-3-one)、および/または、3−ヨード−2−プロピニルブチルカルバメート(3-iodo-2-propynylbutyl carbamate)を含むいずれの抗菌剤であってもよく、それに限定されない。
【0067】
溶媒は、プロピレングリコールおよびトリエチレングリコールのようなアルキレングリコール;グリセリン;エタノールおよび/または、プロパノールを含む、適したいずれかの溶媒であってもよく、それに限定されない。
【0068】
キャリア溶媒は、脱イオン水、蒸留水、逆浸透水、および/または、水道水を含む適切なあるキャリア溶媒でもよく、それに限定されない。
【0069】
pH調節剤として含まれるのに適した化合物は、リン酸塩、炭酸塩、ホウ酸塩および有機酸を含み、それに限定されない。
【0070】
本発明の一般的な組成の好ましい実施形態を以下の表2に説明する。
【表2】
【0071】
活性剤が芳香剤である本発明の組成物の好ましい実施形態を以下の表に示す。
【0073】
表3の組成物は、芳香剤に対する界面活性剤全体の割合が1.6:1である。
【0075】
表4の組成物は、芳香剤に対する界面活性剤全体の割合が5:2である。
【表5】
【0076】
表5の組成物の芳香剤に対する界面活性剤全体の割合は、
1.2:1である。
【0078】
表6の組成物において芳香剤に対する界面活性剤全体の割合は、
1.2:1である。
【0079】
炭化水素ガスのような標準エアロゾル噴射剤に比べて、本発明における圧縮ガス噴射剤を用いることによって、組成物は、炭化水素ガスのような標準エアロゾル噴射剤とともに使用される界面活性剤および活性剤の量と比較して、より少ない量の噴射剤を有し、従って、同量の活性剤の運搬のための界面活性剤の量が低減することができる。組成物中で、より少ない量の界面活性剤、活性剤および噴射剤を利用することは、組成物のコストを低減し、標準エアロゾル組成物からの成分に比べて、より少ない量の化学物質が環境へ放出されるため、より少ない量の界面活性剤、活性剤および噴射剤の使用は重要で、且つ有用である。上記に示した通り、低減された量の界面活性剤および活性剤は、使用後に組成物の粒子が落ちる表面上での組成物の粘性もしくは粘着性の低減をもたらす。圧縮ガスエアロゾルは従来の非圧縮ガスエアロゾルより、一般的に、より大きな粒径を有するため、これは重要である。
【0080】
本発明の組成物は、活性剤が界面活性剤との組合せに基づいて溶媒和されるように、成分が組合されるという理解において、いずれの適した方法、および、いずれの適した手段によって製造されてもよい。好ましい実施形態において、組成物は活性剤ベースの溶液、例えば芳香剤ベースの溶液または、殺虫剤ベースの溶液を製造することによって、およびこれらの溶液と、防腐剤、防蝕剤、水および圧縮ガス噴射剤を組合せることによって製造してもよい。表5の組成物に対して、芳香剤ベースの溶液はエトキシル化(60EO)硬化ヒマシ油、3−6EOを有するC
6−17第2級アルコール、芳香剤、プロピレングリコールおよび塩化ジデシルジメチルアンモニウムと組合せることによって提供される。ビグアニド防腐剤、リン酸カリウム防蝕剤および脱イオン水の組合せが提供される。芳香剤ベースの溶液、防腐剤および防蝕剤を含む溶液、および圧縮ガス噴射剤が、表7の例に示すように、最終製品組成物を製造するために組合される。
【表7】
【0081】
活性剤ベースの溶液、例えば、芳香剤ベースの溶液、または、殺虫剤ベースの溶液、防腐剤の溶液、防蝕剤、および水および圧縮ガス噴射剤の組合せは、本発明の最終製品組成物を形成するために提供される。しかし、本発明の成分は、本発明の組成物を製造するために、他の適した方法と組み合わせてもよい。
【0082】
ここに開示された例示の実施形態は、本発明の範囲を限定しない。例示の実施形態は、他の当業者が本発明を実施するために、本発明の原理を説明するために選択して記載したものである。当業者によって明白であるため、多様な変形は、先に記載した範囲内から作り出すことができる。当業者の能力における、このような変形は、本発明の一部を形成し、添付された請求項によって包含される。