(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
グリル庫内に備えられた載置部に載置された被調理物を加熱するグリル用加熱手段と、前記グリル用加熱手段による加熱開始及び加熱停止を指令するグリル用加熱状態指令手段と、前記グリル用加熱手段による加熱状態を制御する制御手段とが設けられ、前記制御手段が、設定タイマ時間になると前記グリル用加熱手段による加熱を停止させるタイマ処理を実行するように構成されているグリル付き加熱調理器であって、
前記設定タイマ時間が、所定の順序に並んで分割された複数の分割タイマ時間の総和として設定可能で、かつ、
前記分割タイマ時間の夫々に対応した前記グリル用加熱手段の加熱量として前記分割タイマ時間毎の加熱量が設定可能に構成され、
前記制御手段が前記タイマ処理を実行するときに、前記分割タイマ時間毎の加熱量による加熱を前記分割タイマ時間に亘って行う分割タイマ加熱を前記所定の順序で行い、
前記分割タイマ時間とは別に、全体の設定タイマ時間の設定入力が可能に構成され、
前記全体の設定タイマ時間の設定入力がなかった場合は前記制御手段が、前記分割タイマ加熱を前記所定の順序で一通り行った時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させ、
前記全体の設定タイマ時間の設定入力があった場合で前記設定タイマ時間の設定入力時間が前記複数の分割タイマ時間の総和より小さいときには、前記制御手段が、前記分割タイマ加熱を前記所定の順序で一通り行う途中において前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が経過した時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させ、
前記全体の設定タイマ時間の設定入力があった場合で前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が前記複数の分割タイマ時間の総和より大きいときには、前記制御手段が、分割タイマ加熱を前記所定の順序で行う加熱を繰り返し行う途中において前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が経過した時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させるように構成されているグリル付き加熱調理器。
前記分割タイマ時間と前記所定の順序と前記分割タイマ時間毎の加熱量とが含まれるデータを一組とする調理データが記憶可能で、前記制御手段が、既に記憶された前記調理データに基づいて前記分割タイマ加熱を前記所定の順序で行うように構成されている請求項1記載のグリル付き加熱調理器。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1などに示されるグリル付き加熱調理器では、グリルバーナへの点火操作後に、火力の切替指令があればその指令された内容に従って、グリルバーナの火力を切り替え、且つ、火力表示部における表示状態を切り替える。又、設定タイマ時間(グリル用タイマ時間)の変更指令があればその指令された内容に従って設定タイマ時間(グリル用タイマ時間)を変更し、且つ、表示状態を変更する。そして、設定されている設定タイマ時間(グリル用タイマ時間)が経過してタイマがカウントアップすると、グリルバーナの消火処理を実行する。
【0005】
上述のように、特許文献1などに示される従来のグリル付き加熱調理器では、グリル用タイマの設定およびグリル用タイマによるグリル調理を行う際のグリル用加熱手段の加熱量の大小が設定可能に構成されており、被調理物の種類に応じた調理が良好に行えるものである。
【0006】
しかしながら、従来のグリル付き加熱調理器では、グリル用タイマによるグリル調理の途中でグリル用加熱手段の加熱量の大小を切り替えたいとき、たとえば、鯛などの大型の魚を調理する際などに、最初は大きな加熱量で加熱し、グリル用タイマの設定タイマ時間の途中で加熱量を小さく変更し、表面はこんがり、しかも、じっくり被調理物の中央まで加熱されるように調理したい場合には、グリル用タイマによるグリル調理の途中で使用者が加熱量を小さく変更する必要があり、せっかく自動的に加熱を停止するグリル用タイマによるグリル調理を行っているにもかかわらず、グリル用タイマによるグリル調理の途中で使用者が加熱量を切り替えるという、煩わしい操作が必要とされることがあり、改善が望まれていた。
【0007】
本発明は、上記の実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、グリル用タイマによるグリル調理の途中でグリル用加熱手段の加熱量の大小を切り替えたいときに、グリル用タイマによるグリル調理の途中で使用者が加熱量を切り替える必要がない使い勝手の良いグリル付き加熱調理器を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係るグリル付き加熱調理器は、グリル庫内に備えられた載置部に載置された被調理物を加熱するグリル用加熱手段と、前記グリル用加熱手段による加熱開始及び加熱停止を指令するグリル用加熱状態指令手段と、前記グリル用加熱手段による加熱状態を制御する制御手段とが設けられ、前記制御手段が、設定タイマ時間になると前記グリル用加熱手段による加熱を停止させるタイマ処理を実行するように構成されているグリル付き加熱調理器であって、その第1特徴構成は、前記設定タイマ時間が、所定の順序に並んで分割された複数の分割タイマ時間の総和として設定可能で、かつ、前記分割タイマ時間の夫々に対応した前記グリル用加熱手段の加熱量として前記分割タイマ時間毎の加熱量が設定可能に構成され、前記制御手段が前記タイマ処理を実行するときに、前記分割タイマ時間毎の加熱量による加熱を前記分割タイマ時間に亘って行う分割タイマ加熱を前記所定の順序で行
い、前記分割タイマ時間とは別に、全体の設定タイマ時間の設定入力が可能に構成され、前記全体の設定タイマ時間の設定入力がなかった場合は前記制御手段が、前記分割タイマ加熱を前記所定の順序で一通り行った時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させ、前記全体の設定タイマ時間の設定入力があった場合で前記設定タイマ時間の設定入力時間が前記複数の分割タイマ時間の総和より小さいときには、前記制御手段が、前記分割タイマ加熱を前記所定の順序で一通り行う途中において前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が経過した時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させ、前記全体の設定タイマ時間の設定入力があった場合で前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が前記複数の分割タイマ時間の総和より大きいときには、前記制御手段が、分割タイマ加熱を前記所定の順序で行う加熱を繰り返し行う途中において前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が経過した時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させるように構成されている点にある。
【0009】
第1特徴構成によれば、設定タイマ時間を複数の所定の順序に並んで分割された分割タイマ時間の総和として設定でき、この分割タイマ時間の夫々に対応したグリル用加熱手段の加熱量が分割タイマ時間毎に設定でき、制御手段がタイマ処理を実行するときに、分割タイマ時間毎の加熱量による加熱を分割タイマ時間に亘って行う分割タイマ加熱を前記所定の順序で行うことができるから、設定タイマ時間に亘って行うグリル用タイマによるグリル調理の途中で複数の加熱量による調理を行うときにも、グリル用タイマによるグリル調理の途中で使用者がこの複数の加熱量を切り替える必要ないものとすることができ、使い勝手のよいグリル付き加熱調理器とすることができる。
なお、以下の説明において、グリル用タイマによるグリル調理を、単にタイマ調理と呼ぶものとする。
【0010】
例えば、グリルの設定タイマ時間Tsをn個(n≧2)の分割タイマ時間に分割する場合、
グリルの設定タイマ時間Tsをn個(n≧2)の分割タイマ時間
T1、T2、T3・・・Ti・・・Tn−1、Tn
(ただし、T1+T2+T3+・・・+Ti+・・・+Tn−1+Tn=Ts)
に分割し、上記分割タイマ時間毎に上記分割タイマ時間に対応させてグリル用加熱手段の加熱量
K1、K2、K3・・・Ki・・・Kn−1、Kn
が設定できる。
【0011】
そして制御手段がタイマ処理を実行するときには、時間T1に亘り加熱量K1で加熱する分割タイマ加熱を行った後に、時間T2に亘り加熱量K2で加熱する分割タイマ加熱、時間T3に亘り加熱量K3で加熱する分割タイマ加熱・・・時間Tiに亘り加熱量Kiで加熱する分割タイマ加熱・・・、時間Tn−1に亘り加熱量Kn−1で加熱する分割タイマ加熱、時間Tnに亘り加熱量Knで加熱する分割タイマ加熱が順次行われ、分割タイマ時間T1、T2、T3・・・Ti・・・Tn−1、Tnの総和である設定タイマ時間Tsに亘りタイマ調理を行う過程において、使用者による加熱量の切り替えなしに、加熱量が、K1、K2、K3・・・Ki・・・Kn−1、Knの順で切り替えられる。因みに、この場合、1、2、3、・・・i・・・n−1、nの順序が上記所定の順序を表している。
【0012】
つまり、第1特徴構成によって、タイマ調理の途中でグリル用加熱手段の加熱量を複数の加熱量に変化させる調理を行うときにも、タイマ調理の途中で使用者が加熱量を切り替える必要ない使い勝手のよいグリル付き加熱調理器とすることができる。
【0013】
本発明の第2特徴構成は、第1特徴構成に加えて、前記分割タイマ時間と前記所定の順序と前記分割タイマ時間毎の加熱量とが含まれるデータを一組とする調理データが記憶可能で、前記制御手段が、既に記憶された前記調理データに基づいて前記分割タイマ加熱を前記所定の順序で行うように構成されている点にある。
【0014】
第2特徴構成によれば、同じ調理データに基づく分割タイマ加熱を繰り返し行う場合に、複数の分割タイマ時間及びその順序及び複数の分割タイマ時間毎の加熱量を使用者がタイマ調理を行う毎に設定することなく、既に記憶された調理データに基づいて分割タイマ加熱が実行可能であるから、さらに使い勝手のよいグリル付き加熱調理器とすることができる。
【0015】
また、本発明の第1特徴構成では、前記分割タイマ時間とは別に、全体の設定タイマ時間の設定入力が可能に構成され、前記全体の設定タイマ時間の設定入力がなかった場合は前記制御手段が、前記分割タイマ加熱を前記所定の順序で一通り行った時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させ、前記全体の設定タイマ時間の設定入力があった場合で前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が前記複数の分割タイマ時間の総和より小さいときには、前記制御手段が、前記分割タイマ加熱を前記所定の順序で一通り行う途中において前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が経過した時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させ、前記全体の設定タイマ時間の設定入力があった場合で前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が前記複数の分割タイマ時間の総和より大きいときには、前記制御手段が、分割タイマ加熱を前記所定の順序で行う加熱を繰り返し行う途中において前記全体の設定タイマ時間の設定入力時間が経過した時点で前記グリル用加熱手段による加熱を停止させるように構成されてい
る。
【0016】
第1特徴構成によれば、サイクリックに加熱量を変化させてタイマ調理を行う場合に、設定タイマ時間の全期間に亘って分割タイマ時間とその順序と分割タイマ時間毎の加熱量を設定する必要がないから、設定の手間が省けて、さらに使い勝手のよいグリル付き加熱調理器とすることができる。
【0017】
たとえば、時間T1に亘り加熱量K1で加熱し、時間T2に亘り加熱量K2で加熱し、時間T3に亘り加熱量K3で加熱する一連の加熱を1セットとして全体の設定タイマ時間Tssの時間に亘って複数セットサイクリックに繰り返して行うタイマ調理を行う場合、T1、T2、T3、K1、K2、K3、Tssの7個値を設定するだけでサイクリックに加熱量を変化させたタイマ調理が行える。
【0018】
これに対し、
第1特徴構成を備えない場合は、T1+T2+T3より長い時間Tssに亘ってグリル調理を行いたいときには、分割タイマ時間の設定をTss÷(T1+T2+T3)の商の2×3=6倍以上の回数行う必要があることになり設定する値の個数は多いものとなる。
【0019】
つまり、
第1特徴構成によれば、サイクリックに加熱量を変化させてタイマ調理を行う場合に、設定の手間が省けて、さらに使い勝手のよいグリル付き加熱調理器とすることができる。
【発明の効果】
【0020】
以上のように、第1特徴構成によれば、タイマ調理の途中でグリル用加熱手段の加熱量を複数の加熱量に変化させる調理を行うときにも、タイマ調理の途中で使用者が加熱量を切り替える必要のない使い勝手のよいグリル付き加熱調理器とすることができる。また、第2特徴構成によれば、さらに使い勝手のよいグリル付き加熱調理器とすることができる。
また、第1特徴構成によれば、サイクリックに加熱量を変化させてタイマ調理を行う場合に、設定の手間が省けて、さらに使い勝手のよいグリル付き加熱調理器とすることができる。
【発明を実施するための形態】
【0022】
以下、図面に基づいて、本発明に係るガスコンロの実施形態の一例を説明する。
図1には、第1実施形態のグリル40を備えたガスコンロ(ガステーブルコンロ)10を示し、グリル40を、ガスコンロ10の左右方向の略中央に備える。このガスコンロ10には、ガスコンロ10の上面を覆う天板13にコンロバーナ20を臨ませて配置してある。天板13の後方には、グリル40からの調理排気を排出するために排気出口45が配設されている。
【0023】
グリル40の前面には、グリル40の前面に備えるグリル扉(図示せず)を開閉するグリル扉取っ手44を備える。また、ガスコンロ10の前面には、左側コンロバーナ20の点消火を行うための点消火操作部41、および、右側コンロバーナ20の点消火を行うための点消火操作部42が配設されている。また、ガスコンロ10の前面における点消火操作部42の右方には、グリル40に備える上バーナ32a、下バーナ32b(
図2参照。)の点消火を行うための点消火操作を行うための点消火スイッチ51及び上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を切り替える火力切替スイッチ52、上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を表示する火力表示部53などを備えた、操作パネル50(
図3、
図4、
図5参照)が配設されている。
【0024】
図2に示すように、グリル40は、グリル庫30に備える焼き網33上に被調理物34を載置し収容して、グリル庫30の天井部に設けられた上バーナ32aによって主に被調理物34の上面を加熱し、グリル庫30の左右の両側壁の下方に設けられた下バーナ32bによって主に被調理物34の下面を加熱し、被調理物34の上下両面を同時に加熱する両面焼きグリル調理を行う。調理によって被調理物34から落下する焼き汁は、焼き網33の下に備えるグリル皿37によって受け止められる。
【0025】
また、グリル庫30の両側壁において下バーナ32bの下側に固定された固定レール(図示せず)に対してスライド自在に構成されたスライドレール35にグリル皿37の左右端が取り付けられており、グリル扉取っ手44(
図1)を把持して前後に移動操作することで、グリル皿37は、その上に載置された焼き網33と共に、グリル庫30内への収納およびグリル庫30からの引き出し自在に構成されている。
【0026】
図3、
図4、
図5を参照して、操作パネル50に備える点消火スイッチ51の操作によって上バーナ32a、下バーナ32bの点消火操作を行い、火力切替スイッチ52を操作して上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)の切換を行うことが出来る。火力切替スイッチ52によって切り替えられた上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)は火力表示部53に表示される。
【0027】
点消火スイッチ51の操作によって上バーナ32a、下バーナ32bが点火された初期における上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)は、(上バーナ=大、下バーナ=大)の第1状態に設定され、その後火力切替スイッチ52を押し操作する毎に、(上バーナ=大、下バーナ=大)の第1状態から(上バーナ=大、下バーナ=小)の第2状態へ、(上バーナ=大、下バーナ=小)の第2状態から(上バーナ=小、下バーナ=小)の第3状態へ、(上バーナ=小、下バーナ=小)の第3状態から(上バーナ=小、下バーナ=大)の第4状態へ、(上バーナ=小、下バーナ=大)の第4状態から(上バーナ=大、下バーナ=大)の第1状態へとサイクリックに上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)の組み合わせが切り替わる。
【0028】
また、グリル40では、タイマ調理が可能であり、操作パネル50には、グリル40においてタイマ調理を行う場合にタイマ調理の設定タイマ時間Tsを設定するグリルタイマ設定部54を備え、グリルタイマ設定部54で設定した設定タイマ時間Tsは、グリルタイマ表示部55に表示される。本実施形態においては、グリルタイマ設定部54の「+」スイッチを押し操作する毎に設定タイマ時間Tsが1分増加し、グリルタイマ設定部54の「−」スイッチを押し操作する毎に設定タイマ時間Tsが1分減少する。
【0029】
以下、グリル40を用いてタイマ調理を行う手順について説明する。
グリル40で行えるタイマ調理には、通常タイマ調理と分割タイマ調理とに大別される。
【0030】
グリルタイマ設定部54によってタイマ調理の設定タイマ時間Tsを設定した後、点消火スイッチ51を押し操作することで、通常タイマ調理を行うことができ、図示しない制御部Cによって、上バーナ32a、下バーナ32bが点火されてタイマ処理を実行し、グリルタイマ表示部55に表示されたタイマ調理の設定タイマ時間Tsが、1分の時間経過と共にデクリメントされ、グリルタイマ表示部55に表示される時間が「00」になると、図示しない制御部Cによって上バーナ32a、下バーナ32bが消火されて、図示しない制御部Cによるタイマ処理の実行を終了し、通常タイマ調理を終了する。なお、通常タイマ調理中における上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)は、点消火スイッチ51を押し操作する前に火力切替スイッチ52の押し操作により設定可能であり、また、通常タイマ調理の開始後においても火力切替スイッチ52の押し操作により上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)が変更設定可能である。なお、通常タイマ調理では、後述する第2グリルタイマ表示部75が消灯している。
【0031】
分割タイマ調理では、タイマ調理を行う途中で上バーナ32a、下バーナ32bの何れか一方またはその両方の火力(加熱量)を使用者が操作することなしに自動的に切り替えることができるもので、以下詳しく説明する。
図3、
図4、
図5に示すように操作パネル50には、第2火力切替スイッチ72、第2火力表示部73、第2グリルタイマ設定部74、第2グリルタイマ表示部75を備える。
【0032】
グリルタイマ設定部54によってタイマ調理の設定タイマ時間Tsを設定した後、点消火スイッチ51を押し操作する前に、第2グリルタイマ設定部74を操作することによって、図示しない制御部Cは、グリルタイマ設定部54によって設定されグリルタイマ表示部55に表示されたタイマ調理の設定タイマ時間は分割タイマ第1設定時間T1であると認識する。そして、図示しない制御部Cは、第2グリルタイマ設定部74の操作によって設定した時間が分割タイマ第2設定時間T2であると認識してその時間を第2グリルタイマ表示部75に表示する。
【0033】
そして、図示しない制御部Cは、火力切替スイッチ52によって設定され火力表示部53に表示される上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)は、グリルタイマ設定部54によって設定されグリルタイマ表示部55に表示された分割タイマ第1設定時間T1に対応する火力(加熱量)であると認識する。また、第2グリルタイマ設定部74の操作によって設定した分割タイマ第2設定時間T2を設定した後、第2火力切替スイッチ72を操作することで、分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)が設定でき、第2火力表示部73に表示される。なお、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との総和である設定タイマ時間Tsは、操作パネル50に備える設定タイマ時間表示部80に表示される。
【0034】
その後、点消火スイッチ51を押し操作することで、グリルタイマ設定部54によって設定されグリルタイマ表示部55に表示された分割タイマ第1設定時間T1に亘り火力表示部53に表示される火力(加熱量)で加熱を行い、グリルタイマ表示部55に表示される時間が1分の時間経過と共にデクリメントされ分割タイマ第1設定時間T1が経過した時点で「00」になると、図示しない制御部Cによって上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)が第2火力表示部73に表示される火力(加熱量)に切り替わり、第2グリルタイマ表示部75に表示された分割タイマ第2設定時間T2が、1分の時間経過と共にデクリメントされ、分割タイマ第2設定時間T2が経過して、第2グリルタイマ表示部75で表示される時間が「00」になると、図示しない制御部Cによって上バーナ32a、下バーナ32bが消火されて、分割タイマ加熱を終了する。なお、設定時間表示部80に表示される分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との総和時間も1分の時間経過と共にデクリメントされ、第2グリルタイマ表示部75で表示される時間が「00」になる時点で設定タイマ時間表示部80に表示される時間も「00」となる。
【0035】
〔第1実施形態の使用例〕
図3は、第1実施形態の使用例1として、例えば鯛の丸焼きを想定した分割タイマ調理に際し、分割タイマ第1設定時間T1として10分、分割タイマ第1設定時間T1に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=大、下バーナ32b=大に設定され、分割タイマ第2設定時間T2として5分、分割タイマ第2設定時間T2に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=小、下バーナ32b=大に設定された時点の操作パネル50を示す。
【0036】
図4は、
図3の時点から10分経過した時点の操作パネル50を示し、グリルタイマ表示部55に表示される時間が「00」になり、第2グリルタイマ表示部75で表示される時間「05」がこの時点から1分の時間経過と共にデクリメントされることになる。
図4に示す時点においては、上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)は、図示しない制御部Cによって上バーナ32a=小、下バーナ32b=大に変更設定されている。
【0037】
さらに、第1実施形態では、分割タイマ第1設定時間T1、及び、分割タイマ第2設定時間T2、及び、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との順序、及び、分割タイマ第1設定時間T1に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)、及び、分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)が複数のモード(特定パターン)として記憶可能に構成してある。そして、記憶したモード(特定パターン)に基づいて分割タイマ加熱を行う分割タイマ調理が可能である。
【0038】
図3、
図5等に示すように、操作パネル50には、モード記憶/呼び出しスイッチ82、モード番号表示部83を備えており、グリルタイマ設定部54によって分割タイマ第1設定時間T1を、火力切替スイッチ52によって分割タイマ第1設定時間T1に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を、第2グリルタイマ設定部74によって分割タイマ第2設定時間T2を、第2火力切替スイッチ72によって分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を、夫々設定した後に、モード記憶/呼び出しスイッチ82を長時間(3秒以上)押し操作することで、図示しない制御部Cは、分割タイマ第1設定時間T1、及び、分割タイマ第2設定時間T2、及び、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との順序、及び、分割タイマ第1設定時間T1に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)、及び、分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を1つのモード(特定パターン)として記憶する。
【0039】
グリルタイマ設定部54によって分割タイマ第1設定時間T1を、火力切替スイッチ52によって分割タイマ第1設定時間T1に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を、第2グリルタイマ設定部74によって分割タイマ第2設定時間T2を、第2火力切替スイッチ72によって分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を、夫々設定した後にモード記憶/呼び出しスイッチ82が押し操作されない場合は、
図3に示すようにモード番号表示部83には「0」が表示されている。
【0040】
グリルタイマ設定部54によって分割タイマ第1設定時間T1を、火力切替スイッチ52によって分割タイマ第1設定時間T1に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を、第2グリルタイマ設定部74によって分割タイマ第2設定時間T2を、第2火力切替スイッチ72によって分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)を、夫々設定した後にモード記憶/呼び出しスイッチ82が長時間(3秒以上)押し操作されると、
図5に示すようにモード番号表示部83には「1」が表示され、分割タイマ第1設定時間T1、及び、分割タイマ第2設定時間T2、及び、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との順序、及び、分割タイマ第1設定時間T1に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)、及び、分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)が1組、モード(特定パターン)として記憶したことを表示する。
【0041】
なお、第1実施形態では、8組のモード(特定パターン)が記憶可能であり、既にm組のモード(特定パターン)が記憶されているときには、モード記憶/呼び出しスイッチ82が長時間(3秒以上)押し操作され任意のモード(特定パターン)を記憶した時に、モード番号表示部83には「m+1」が表示されることになる。
【0042】
一旦記憶したモード(特定パターン)は、モード記憶/呼び出しスイッチ82を短時間(3秒未満)押し操作することで呼び出し可能で、呼び出されたモード(特定パターン)を識別する番号がモード番号表示部83に表示されると共に、呼び出されたモード(特定パターン)についての分割タイマ第1設定時間T1、分割タイマ第1設定時間T1に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)、分割タイマ第2設定時間T2、分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)が、グリルタイマ表示部55、火力表示部53、第2グリルタイマ表示部75、第2火力表示部73の夫々に表示される。
【0043】
その後、点消火スイッチ51を押し操作することで、呼び出されたモード(特定パターン)についての分割タイマ第1設定時間T1、分割タイマ第1設定時間T1に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)、分割タイマ第2設定時間T2、分割タイマ第2設定時間T2に対応する上バーナ32a、下バーナ32bの火力(加熱量)に基づいて図示しない制御部Cが分割タイマ加熱を行う、分割タイマ調理が実行可能である。
【0044】
つぎに、第2実施形態について説明する。
第1実施形態では、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との総和を、一連のタイマ調理における設定時間Tsとするように構成されているが、第2実施形態では、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との総和を設定タイマ時間Tsとするだけでなく、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との総和である設定タイマ時間Tsとは異なる時間を分割タイマ加熱を行う場合の一連のタイマ調理における全体の設定タイマ時間Tssが、全体の設定タイマ時間設定部88(
図6、
図7、
図8参照)を操作することで、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2とは別に設定でき設定時間表示部80に表示できる。
【0045】
図6、
図7、
図8に示すように、第2実施形態では、設定タイマ時間表示部80の右横に、全体の設定タイマ時間設定部88を備える。
そして、全体の設定タイマ時間設定部88による全体の設定タイマ時間Tssの設定入力がなかった場合は、図示しない制御部Cが第1実施形態と同様に分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2に亘り分割タイマ加熱を一通り行った時点で上バーナ32a、下バーナ32bによる加熱を停止させる。
【0046】
全体の設定タイマ時間Tssの設定入力があった場合で全体の設定タイマ時間Tssの設定入力時間が分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との総和より小さいときには、図示しない制御Cが、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2に亘り分割タイマ加熱を一通り行う途中において全体の設定タイマ時間Tssの設定入力時間が経過した時点で上バーナ32a、下バーナ32bによる加熱を停止させる。
【0047】
全体の設定タイマ時間Tssの設定入力があった場合で全体の設定タイマ時間Tssの設定入力時間が分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との総和より大きいときには、図示しない制御部Cが、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2に亘る分割タイマ加熱を繰り返し行う途中において全体の設定タイマ時間Tssの設定入力時間が経過した時点で上バーナ32a、下バーナ32bによる加熱を停止させるように構成されている。
【0048】
〔第2実施形態の使用例〕
図6は、第2実施形態の使用例1として、例えばグラタンを想定した分割タイマ調理に際し、分割タイマ第1設定時間T1として1分、分割タイマ第1設定時間T1に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=大、下バーナ32b=大に設定され、分割タイマ第2設定時間T2として1分、分割タイマ第2設定時間T2に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=小、下バーナ32b=大に設定され、全体の設定タイマ時間設定部88の操作によって全体の設定タイマ時間Tssが15分に設定され設定タイマ時間表示部80に「15」が表示されたときの操作パネル50を示す。
【0049】
説明を加えると、
図6に示す設定は、グラタン皿を用いたグラタンの調理に際して、上バーナ32aの火力(加熱量)が小では弱すぎ、上バーナ32aの火力(加熱量)が大では強すぎるときに、上バーナ32aの火力(加熱量)が小で1分間加熱すること及び上バーナ32aの火力(加熱量)が大で1分間加熱すること、を繰り返して行うことにより、上バーナ32aの火力(加熱量)が大と小の中間の火力(加熱量)で行った場合と同様の焼き上がり状態を得ようとするものであり、上バーナ32aの火力(加熱量)が大と小の中間の火力(加熱量)に近い火力を得るために、上バーナ32aの火力(加熱量)が大であるデューティ比と上バーナ32aの火力(加熱量)が小であるデューティ比と50%とすることで所望の上バーナ32aの火力(加熱量)に相当する火力(加熱量)を得ようとするものである。
【0050】
図6の状態で点消火スイッチ51を押し操作することで上バーナ32aと下バーナ32bとによる加熱を開始し、1分経過した時点でグリルタイマ表示部55の表示はデクリメントして「00」を表示すると共に、上バーナ32a=小、下バーナ32b=大にて加熱を行う状態に移行し、設定タイマ時間表示部80には、1分経過に伴い「15」がデクリメントして「14」が表示され、操作パネル50の表示は
図7に示すようになる。
【0051】
図7の状態からさらに1分経過すると、分割タイマ第1設定時間T1として1分、分割タイマ第1設定時間T1に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=大、下バーナ32b=大に設定され、分割タイマ第2設定時間T2として1分、分割タイマ第2設定時間T2に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=小、下バーナ32b=大に設定された状態で、設定タイマ時間(総設定時間)の残時間が13分であること表す、
図8の状態に移行する。この、分割タイマ第1設定時間T1として1分、分割タイマ第1設定時間T1に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=大、下バーナ32b=大に設定され、分割タイマ第2設定時間T2として1分、分割タイマ第2設定時間T2に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=小、下バーナ32b=大に設定された状態での分割タイマ加熱を、1分経過する毎に全体の設定タイマ時間を表示する設定タイマ時間設定部80の表示がディクリメントされて、全体の設定タイマ時間を表示する設定タイマ時間設定部80の表示が「00」になるまで繰り返し行う分割タイマ調理を行うことになる。
【0052】
因みに、分割タイマ第1設定時間T1として1分、分割タイマ第1設定時間T1に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=大、下バーナ32b=大に設定され、分割タイマ第2設定時間T2として1分、分割タイマ第2設定時間T2に対応する火力(加熱量)が上バーナ32a=小、下バーナ32b=大に設定され、全体の設定タイマ時間設定部88の操作によって全体の設定タイマ時間Tssが、例えば1分に設定され設定タイマ時間表示部80に「1」が表示された場合、つまり、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2との総和より全体の設定タイマ時間Tssが小さい値に設定されたときには、分割タイマ第1設定時間T1(1分)と分割タイマ第2設定時間T2(1分)に亘る分割タイマ加熱を繰り返し行う途中において全体の設定タイマ時間Tssの設定入力時間(1分)が経過した時点で上バーナ32a、下バーナ32bによる加熱を停止するから、分割タイマ第1設定時間T1(1分)が経過した時点で上バーナ32a、下バーナ32bによる加熱を停止することになる。
【0053】
別実施形態
以下、別実施形態について列挙する。
(1)上述の第1実施形態および第2実施形態では、分割タイマ時間として、分割タイマ第1設定時間T1と分割タイマ第2設定時間T2の2つの分割タイマ時間が設定されるものであったが、設定可能な分割タイマ時間は2つに限定されるものではなく、3つ以上の分割タイマ時間とその順序及び3つ以上の分割タイマ時間に対応するグリル40における加熱量が設定可能なように構成してもよい。
【0054】
(2)上述の第1実施形態では、記憶できるモード(特定パターン)の数は8組であったが、記憶できるモード(特定パターン)の数を7組以下、または、9組以上とするように構成しても良い。
【0055】
(3)上述の第1実施形態のガスコンロ10は、両面焼きグリル付ガステーブルコンロを一例として説明したが、本発明はグリル付ガステーブルコンロに限定されるものではなく、キッチンカウンターの上部に設けた開口に設置されるグリル付ドロップインコンロにも適用可能である。
【0056】
(4)上述の第1実施形態では、上バーナ32a、下バーナ32bを備える両面焼きグリルを備えるガスコンロを一例として説明したが、本発明は、片面焼きグリルにも適用可能である。
【0057】
(5)本発明によるグリル付加熱調理器の燃料はガスに限定されず、本発明は、電気グリルを備える加熱調理器にも適用可能である。