特許第6078312号(P6078312)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078312
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月8日
(54)【発明の名称】プレス部品用検査装置
(51)【国際特許分類】
   G01N 21/88 20060101AFI20170130BHJP
   G06T 1/00 20060101ALI20170130BHJP
【FI】
   G01N21/88 J
   G06T1/00 300
【請求項の数】3
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2012-266361(P2012-266361)
(22)【出願日】2012年12月5日
(65)【公開番号】特開2014-112051(P2014-112051A)
(43)【公開日】2014年6月19日
【審査請求日】2015年9月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】590000721
【氏名又は名称】株式会社キーレックス
(74)【代理人】
【識別番号】110001427
【氏名又は名称】特許業務法人前田特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】山根 稔正
(72)【発明者】
【氏名】山根 義昭
【審査官】 越柴 洋哉
(56)【参考文献】
【文献】 特開平07−181025(JP,A)
【文献】 特開2011−007728(JP,A)
【文献】 特開2010−243242(JP,A)
【文献】 特開2003−194734(JP,A)
【文献】 特開2000−028330(JP,A)
【文献】 特開平01−207878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G01N 21/84−21/958
G06T 1/00− 1/40
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
プレス部品を撮影するカメラと、
該カメラに接続され、当該カメラで撮影されたプレス部品の画像を基に該プレス部品の成形状態を検査する検査手段とを備え、
該検査手段は、上記カメラで撮影したプレス部品の画像を演算処理し、当該プレス部品のエッジ部に対応する多数のエッジ部画素データを取得するとともに該各エッジ部画素データに上記エッジ部に沿って順に番号を付す画素データ演算部と、
上記各エッジ部画素データの位置から最大N個離れた画素に囲まれる検査領域画素内において、上記各エッジ部画素データの番号にNを加えた番号より大きな番号のエッジ部画素データが上記検査領域画素内に位置しているとプレス部品に割れが発生していると判定する一方、上記各エッジ部画素データの番号にNを加えた番号より大きな番号のエッジ部画素データが検査領域画素内に位置していないとプレス部品に割れが発生していないと判定する判定部とを備えていることを特徴とするプレス部品用検査装置。
【請求項2】
請求項1に記載のプレス部品用検査装置において、
上記検査手段は、上記各エッジ部画素データに対応するエッジ部座標データをそれぞれ取得する座標データ演算部と、
該座標データ演算部で取得された各エッジ部座標データを番号1から順に基準とし、基準としたエッジ部座標データVa及び該エッジ部座標データVaの番号から所定数n加えた番号のエッジ部座標データVb間のベクトルV1と、上記エッジ部座標データVbの番号から所定数mを加えた番号のエッジ部座標データVc及び該エッジ部座標データVcの番号から所定数nを加えた番号のエッジ部座標データVd間のベクトルV2とを順次演算するベクトル演算部とを備え、
上記判定部は、上記エッジ部において上記ベクトルV1に対応する部分と上記ベクトルV2に対応する部分との間の角度が割れ除外角度D以下であるとプレス部品に割れが発生していると判定する一方、上記角度が割れ除外角度Dを超えるとプレス部品に割れが発生していないと判定するように構成されていることを特徴とするプレス部品用検査装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載のプレス部品用検査装置において、
上記検査手段は、色強度をR値+G値+B値として、上記撮影画像全体の各画素の色強度をそれぞれ演算するとともに、色強度が上記プレス部品表面の色強度に対応する設定値W未満である各画素を黒色の背景に変更する背景生成部と、
該背景生成部で演算された撮影画像における端部の所定位置からX方向又はY方向に連続する各画素の色強度を順に調べ、色強度が上記設定値W以上変化する位置の画素をエッジ部に対応する基準画素データとして抽出する基準画素データ抽出部とを備え、
上記画素データ演算部は、上記基準画素データ周りの8つの画素を周方向に順に調べ、色強度が上記設定値W以上変化する位置の画素を上記基準画素データに隣接するエッジ部対応隣接画素データとして抽出するとともに、抽出した隣接画素データを基準画素データとしてさらに当該基準画素データに隣接する隣接画素データを順次抽出していくことで上記エッジ部画素データを取得するよう構成されていることを特徴とするプレス部品用検査装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、プレス部品の成形状態を検査するプレス部品用検査装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、プレス部品の生産ラインには、成形後のプレス部品に割れが発生しているか否かを検査する検査装置が配置されている。例えば、特許文献1に開示されているプレス部品用検査装置は、アーム部先端にカメラが取り付けられた産業用ロボットを備え、コンベアで搬送されるプレス部品を上記カメラで撮影するとともに、撮影した画像を制御部に取り込んで演算するようになっている。そして、制御部で演算して得た演算データを予め制御部に記憶された基準データと比較してプレス部品に割れが発生しているか否かを判定するようになっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−121599号公報(段落0043〜0088欄、図1,8)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかし、特許文献1では、プレス部品がコンベアに無造作に載置されて基準が明確でない状態で搬送されるので、撮影画像を演算して得られた演算データと上記基準データとを比較する際、基準データに対する演算データの位置補正を制御部にて行う必要があり、演算処理に時間がかかってしまう。
【0005】
また、プレス部品は3次元形状であり、割れが発生する箇所はランダムであるため、カメラの姿勢を変えながら撮影する必要がある。したがって、各撮影位置に対してそれぞれ対応する基準データを事前に準備しておく必要があり、手間がかかり煩雑である。
【0006】
本発明は、掛かる点に鑑みてなされたものであり、その目的とするところは、成形後のプレス部品の割れを短時間で検出でき、しかも、事前準備に手間がかからないプレス部品用検査装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記の目的を達成するために、本発明は、撮影した画像からプレス部品に発生した割れを基準データを用いることなく判定できるよう画像処理に工夫を凝らしたことを特徴とする。
【0008】
すなわち、第1の発明では、プレス部品を撮影するカメラと、該カメラに接続され、当該カメラで撮影されたプレス部品の画像を基に該プレス部品の成形状態を検査する検査手段とを備え、該検査手段は、上記カメラで撮影したプレス部品の画像を演算処理し、当該プレス部品のエッジ部に対応する多数のエッジ部画素データを取得するとともに該各エッジ部画素データに上記エッジ部に沿って順に番号を付す画素データ演算部と、上記各エッジ部画素データの位置から最大N個離れた画素に囲まれる検査領域画素内において、上記各エッジ部画素データの番号にNを加えた番号より大きな番号のエッジ部画素データが上記検査領域画素内に位置しているとプレス部品に割れが発生していると判定する一方、上記各エッジ部画素データの番号にNを加えた番号より大きな番号のエッジ部画素データが検査領域画素内に位置していないとプレス部品に割れが発生していないと判定する判定部とを備えていることを特徴とする。
【0009】
第2の発明では、第1の発明において、上記検査手段は、上記各エッジ部画素データに対応するエッジ部座標データをそれぞれ取得する座標データ演算部と、該座標データ演算部で取得された各エッジ部座標データを番号1から順に基準とし、基準としたエッジ部座標データVa及び該エッジ部座標データVaの番号から所定数n加えた番号のエッジ部座標データVb間のベクトルV1と、上記エッジ部座標データVbの番号から所定数mを加えた番号のエッジ部座標データVc及び該エッジ部座標データVcの番号から所定数nを加えた番号のエッジ部座標データVd間のベクトルV2とを順次演算するベクトル演算部とを備え、上記判定部は、上記エッジ部において上記ベクトルV1に対応する部分と上記ベクトルV2に対応する部分との間の角度が割れ除外角度D以下であるとプレス部品に割れが発生していると判定する一方、上記角度が割れ除外角度Dを超えるとプレス部品に割れが発生していないと判定するように構成されていることを特徴とする。
【0010】
第3の発明では、第1又は第2の発明において、上記検査手段は、色強度をR値+G値+B値として、上記撮影画像全体の各画素の色強度をそれぞれ演算するとともに、色強度が上記プレス部品表面の色強度に対応する設定値W未満である各画素を黒色の背景に変更する背景生成部と、該背景生成部で演算された撮影画像における端部の所定位置からX方向又はY方向に連続する各画素の色強度を順に調べ、色強度が上記設定値W以上変化する位置の画素をエッジ部に対応する基準画素データとして抽出する基準画素データ抽出部とを備え、上記画素データ演算部は、上記基準画素データ周りの8つの画素を周方向に順に調べ、色強度が上記設定値W以上変化する位置の画素を上記基準画素データに隣接するエッジ部対応隣接画素データとして抽出するとともに、抽出した隣接画素データを基準画素データとしてさらに当該基準画素データに隣接する隣接画素データを順次抽出していくことで上記エッジ部画素データを取得するよう構成されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明では、各エッジ部画素データの番号にNを加えた番号より大きな番号のエッジ部画素データが各エッジ部画素データの位置から最大N個離れた画素に囲まれる検査領域画素内に位置していると、検査領域画素内においてエッジ部が直線形状や緩やかに湾曲する形状ではなく大きく変化している形状であることが分かるので、プレス部品に割れが発生していることを知ることができる。また、割れが発生しているか否かの判定をする際に、特許文献1の如き基準データを用いる必要がなく、当該基準データに対して演算データを位置補正する際の演算処理の時間を省けるので、成形後のプレス部品の割れを短時間で検出することができる。さらに、特許文献1の如き基準データを用いる必要がないので、複数の基準データを事前に準備しておく必要がなく、手間がかからない。
【0012】
第2の発明では、プレス部品のエッジ部における割れと判定されたくない変化部分について割れ判定から除外することができるので、プレス部品において発生する割れだけを確実に検出することができる。
【0013】
第3の発明では、各エッジ部対応画素データを取得する際、撮影画像の全ての画素を順に演算してエッジ部対応画素データを抽出するのではなく、エッジ部周りの画素のみ順次演算してエッジ部対応画素データを抽出するので、画素データ演算部の演算負荷が減り、検査手段の演算処理を速くできる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
図1】本発明の実施形態に係るプレス部品用検査装置の概略構成図である。
図2】制御装置により演算した撮影画像における全画素の色強度分布を示すグラフである。
図3】画素データ演算部により撮影画像を演算処理して多数のエッジ部画素データを取得した状態を示す図である。
図4】エッジ部周りを演算処理して多数のエッジ部画素データを順次抽出していく演算方法を示す説明図であり、(a)は、基準画素データを抽出した直後の状態を、(b)は、基準画素データに隣接する隣接画素データを抽出した直後の状態を、(c)は、抽出した隣接画素データを基準画素データとしてさらに当該基準画素データに隣接する隣接画素データを抽出した直後の状態を示す図である。
図5】(a)は、図3のA部を拡大して各画素を誇張した概略図であり、割れが発生しているプレス部品の検査をしている途中の状態を、(b)は、(a)相当図であり、割れが発生していないプレス部品の検査をしている途中の状態をそれぞれ示す図である。
図6】(a)は、図3のA部を拡大して各画素を誇張した概略図であり、判定部によりエッジ部画素データの湾曲部分が割れ判定の除外部分であるか否かを判定している途中の状態を、(b)は、制御部に格納されたエッジ部座標データのリストを示す図である。
図7】判定部により、プレス部品のエッジ部以外に割れが発生しているか否かを検査している図である。
図8】判定部により、プレス部品の貫通孔周縁に割れが発生しているか否かを検査している図である。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。尚、以下の好ましい実施形態の説明は、本質的に例示に過ぎない。
【0016】
図1は、本発明の検査装置1を示す。該検査装置1は、所定の板材から3次元形状をなすプレス部品Fをプレス成形する車両の生産ラインに配置され、プレス部品Fに割れが発生しているか否かを検査するものである。
【0017】
上記検査装置1は、上記プレス部品Fをパネル表面が上向く姿勢で載置して約0.7m/sで略水平方向に搬送するベルト式のコンベア2を備えている。
【0018】
該コンベア2の上方には、図示しない産業用ロボットのアーム先端に取り付けられたCCDカメラ3が配置され、上記コンベア2で搬送されるプレス部品Fを上記CCDカメラ3の姿勢を変えながら撮影可能となっている。
【0019】
上記CCDカメラ3には、当該CCDカメラ3で撮影されたプレス部品Fの撮影画像P(図3参照)を取り込み、当該撮影画像Pを基に上記プレス部品Fの成形状態を検査する制御盤4(検査手段)が接続されている。
【0020】
該制御盤4は、上記CCDカメラ3による撮影画像Pの各画素の色強度(R値+B値+G値)を演算する背景生成部5を有し、該背景生成部5は、図2に示すように、横軸を色強度、縦軸を同じ色強度の画素数にしたグラフを出力するようになっている。そして、同じ色強度の画素数における最大値の30%(設定値W)以上の色強度の領域が上記プレス部品F表面に対応する色強度の領域とし、上記背景生成部5は、上記撮影画像Pにおいて上記設定値W未満である各画素を黒色の背景に変更するようになっている。
【0021】
また、上記制御盤4は、図4(a)に示すように、上記背景生成部5で演算された撮影画像Pにおける端部の所定位置からY方向に連続する各画素の色強度を順に調べ、色強度が上記設定値W以上変化する位置の画素をエッジ部に対応する基準画素データBpとして抽出する基準画素データ抽出部6を有している。
【0022】
さらに、上記制御盤4は、上記撮影画像Pを演算処理する画素データ演算部7を有し、該画素データ演算部7は、図5(a)に示すように、上記プレス部品Fのエッジ部に対応する多数のエッジ部画素データPxを取得するとともに、該各エッジ部画素データPxに上記エッジ部に沿って順に番号を付すようになっている。
【0023】
具体的には、上記画素データ演算部7は、図4(b)に示すように、上記基準画素データBp周りの8つの画素を周方向に順に調べ、色強度が上記設定値W以上変化する位置の画素を上記基準画素データBpに隣接するエッジ部対応隣接画素データNpとして抽出するようになっている。
【0024】
さらに、上記画素データ演算部7は、図4(c)に示すように、抽出した隣接画素データNpを基準画素データBpとしてさらに当該基準画素データBpに隣接する隣接画素データNpを順次抽出していくことで上記各エッジ部画素データPxを取得するよう構成されている。
【0025】
尚、上記画素データ演算部7は、図3の矢印X1,X2で示すように、基準画素データBpから撮影画像Pの端部までX1方向に順次隣接データNpを抽出した後、基準画素データBpから撮影画像Pの端部までX2方向に順次隣接データNpを抽出するようになっている。
【0026】
また、上記制御盤4は、上記各エッジ部画素データPxに対応するエッジ部座標データCdをそれぞれ取得する座標データ演算部8を有している。
【0027】
該座標データ演算部8で演算された各エッジ部座標データCdは、図6(b)に示すように、リストLとして上記制御盤4に格納されるようになっている。
【0028】
さらに、上記制御盤4は、上記プレス部品Fのエッジ部の形状を特定するためのベクトル演算部9を有している。該ベクトル演算部9は、図6(a)に示すように、上記座標データ演算部8で取得された各エッジ部座標データCdを番号1から順に基準とし、基準としたエッジ部座標データVa及び該エッジ部座標データVaの番号から所定数n加えた番号のエッジ部座標データVb間のベクトルV1と、上記エッジ部座標データVbの番号から所定数m加えた番号のエッジ部座標データVc及び該エッジ部座標データVcの番号から所定数n加えた番号のエッジ部座標データVd間のベクトルV2とを順次演算するようになっている。
【0029】
例えば、もし仮に図6(a)に示すように各エッジ部座標データCdに番号を付すとともに、エッジ部座標データVaを11番のエッジ部座標データCdとし、且つ、n=3,m=10とすると、上記ベクトル演算部9は、エッジ部座標データVbを14番、エッジ部座標データVcを24番、エッジ部座標データVdを27番としてベクトルV1,V2を演算するようになっている。尚、上記所定数n,mは任意に設定することができる。
【0030】
そして、上記制御盤4は、プレス部品Fに割れが発生しているか否かを判定する判定部10を有し、該判定部10は、上記各エッジ部画素データPxの位置から最大N個離れた画素に囲まれる検査領域画素R内において、上記各エッジ部画素データPxの番号にNを加えた番号より大きな番号のエッジ部画素データPxが上記検査領域画素R内に位置しているとプレス部品Fに割れが発生している判定する一方、上記各エッジ部画素データPxの番号にNを加えた番号より大きな番号のエッジ部画素データPxが検査領域画素R内に位置していないとプレス部品Fに割れが発生していないと判定するように構成されている。
【0031】
例えば、もし仮に図5に示すように各エッジ部画素データPxに番号を付すとともに、11番のエッジ部画素データPxの位置から最大4個離れた画素に囲まれた領域を検査領域画素Rとすると、割れが発生していないプレス部品Fの場合、図5(b)に示すように、検査領域画素R内には、11番のエッジ部画素データPxに4を加えた番号15より大きな番号のエッジ部画素データPxが位置していないので、上記判定部10は割れが発生していないと判定するが、割れが発生しているプレス部品Fの場合、図5(a)に示すように、検査領域画素R内には、11番のエッジ部画素データPxに4を加えた番号15より大きな番号25,26,27のエッジ部画素データPxが位置しているので、上記判定部10は割れが発生していると判定するようになっている。
【0032】
また、上記判定部10は、図6(a)に示すように、上記プレス部品Fのエッジ部において上記ベクトルV1に対応する部分とベクトルV2に対応する部分との間の角度θが割れ除外角度D(60度)以下であるとプレス部品Fに割れが発生していると判定する一方、上記角度θが割れ除外角度Dを超えるとプレス部品Fに割れが発生していないと判定するように構成されている。尚、上記割れ除外角度Dは任意に設定することができる。
【0033】
さらに、上記制御盤4は、図7に示すように、上記背景生成部5で演算された撮影画像Pにおける端部の複数の所定位置からX方向又はY方向に連続する各画素の色強度を順に調べ、色強度が上記設定値W以上の部分から設定値W未満になった位置の画素の番号に所定数s(図7ではs=8)を加えた番号の画素の色強度が上記設定値W以上であるとプレス部品Fのエッジ部以外に割れが発生していると判定するようになっている。
【0034】
以上より、本発明の実施形態によると、各エッジ部画素データPxの番号にNを加えた番号より大きな番号のエッジ部画素データPxが各エッジ部画素データPxの位置から最大N個離れた画素に囲まれる検査領域画素R内に位置していると、上記検査領域画素R内においてエッジ部が直線形状や緩やかに湾曲する形状ではなく大きく変化している形状であることが分かるので、プレス部品Fに割れが発生していることを知ることができる。また、撮影画像Pのエッジ部周りだけを演算処理して割れが発生しているか否かを判定するので、特許文献1の如き基準データを用いる必要がなく、当該基準データに対して演算データを位置補正する際の演算処理の時間を省けるので、成形後のプレス部品Fの割れを短時間で検出することができる。さらに、特許文献1の如き基準データを用いる必要がないので、複数の基準データを事前に準備しておく必要がなく、手間がかからない。
【0035】
また、プレス部品Fのエッジ部における割れと判定されたくない変化部分について割れ判定から除外することができるので、プレス部品Fにおいて発生する割れだけを確実に検出することができる。
【0036】
さらに、各エッジ部対応画素データPxを取得する際、撮影画像Pの全ての画素を順に演算してエッジ部対応画素データPxを抽出するのではなく、エッジ部周りの画素のみ順次演算してエッジ部対応画素データPxを抽出するので、画素データ演算部7の演算負荷が減り、プレス部品用検査装置1の演算処理を速くできる。
【0037】
尚、本発明の検査装置1は、図8に示すように、プレス部品Fの貫通孔F1のエッジ部(貫通孔周縁)についても、上記制御盤4における上述と同様の演算により割れが発生しているか否かを判定することができる。
【0038】
また、本発明の実施形態では、制御盤4が上記背景生成部5で演算された撮影画像Pにおける端部の所定位置からY方向に連続する各画素の色強度を順に調べて基準画素データBpを抽出しているが、これに限らず、X方向に連続する各画素の色強度を順に調べて基準画素データBpを抽出してもよい。
【0039】
さらに、判定部10にて判定した結果を撮影画像Pにおいて視覚的に分かり易くするために、各エッジ部画素データPxのうち、割れと判定された各画素を他の画素と異なる色に変更して表示するようにしてもよい。
【0040】
それに加えて、本発明の実施形態の検査装置1は、車両の生産ラインに配置されているが、特に車両の生産ラインに配置されている必要はなく、配置場所にこだわらない。
【産業上の利用可能性】
【0041】
本発明は、プレス部品の成形状態を検査するプレス部品用検査装置に適している。
【符号の説明】
【0042】
1 プレス部品用検査装置
3 CCDカメラ
4 制御盤(検査手段)
5 背景生成部
6 基準画素データ抽出部
7 画素データ演算部
8 座標データ演算部
9 ベクトル演算部
10 判定部
Bp 基準画素データ
F プレス部品
Np 隣接画素データ
P 撮影画像
Px エッジ部画素データ
R 検査領域画素
V1,V2 ベクトル
Va,Vb,Vc,Vd エッジ部座標データ
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8