(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
それぞれが所定長さを有するコイル成形体を既設管内に敷設し、コイル成形体内にライニング材によってライニング管を形成するライニング工法に用いられるコイル成形体敷設装置であって、
所定の軸方向長さを有し、前記コイル成形体を縮径させた状態のまま外嵌させる本体、
前記本体に外嵌させたコイル成形体の各端部をそれぞれ取り外し可能に前記本体に固定する固定手段、
前記本体の前記軸方向の前後に設けられ、前記本体を前記既設管内の所定位置に移動させる車輪ユニット、および
前記固定手段の固定を解除する解除手段を備え、
前記車輪ユニットによって前記既設管内の所定位置に前記本体を移動させた後に前記解除手段で前記コイル成形体の各端部を解放することによって、前記縮径させた状態から復元させる、コイル成形体敷設装置。
それぞれが所定長さを有するコイル成形体を既設管内に敷設し、コイル成形体内にライニング材によってライニング管を形成するライニング工法に用いられるコイル成形体敷設装置であって、
所定の軸方向長さを有し、前記コイル成形体を縮径させた状態のまま外嵌させる本体を備え、前記本体は、前後方向に連続する第1および第2本体を含み、さらに
前記第1および第2本体のそれぞれに設けられ、かつ各々が前記コイル成形体の各端部を固定する第1および第2固定部、および
前記第1本体と前記第2本体を相対的に逆周方向に回転する回転モータを備え、
前記コイル成形体の一方の端部を前記第1固定部によって固定しかつ前記コイル成形体の他方端部を前記第2固定部によって固定した状態で前記回転モータによって前記第1本体と前記第2本体とを相対的に逆周方向に回転させることによって、前記コイル成形体が縮径され前記第1および第2本体に跨って外嵌される、コイル成形体敷設装置。
縮径させた状態から復元させたコイル成形体の端部を押圧して隣接する線材間の隙間を詰める押圧手段をさらに備える、請求項1ないし7のいずれかに記載のコイル成形体敷設装置。
請求項1記載のコイル成形体敷設装置を用いて、それぞれが所定長さを有するコイル成形体を既設管内にコイル成形体を敷設し、そのコイル成形体内に挿入したライニング材によって前記既設管内でライニング管を形成するライニング工法であって、
(a)前記コイル成形体敷設装置の前記本体上にコイル成形体を縮径させた状態のまま外嵌し、そのコイル成形体敷設装置を前記車輪ユニットによって既設管内の所定位置に移動させるステップ、
(b)前記ステップ(a)で既設管内の所定位置に移動させたコイル成形体敷設装置において前記解除手段で前記固定手段を解除することによって前記コイル成形体を前記本体から解放し、縮径させた状態から復元させるステップ、
(c)前記ステップ(b)の後、縮径させた状態から復元させたコイル成形体の外部へ前記コイル成形体敷設装置を移動させるステップ、
(d)前記ステップ(a)ないし(c)を必要に応じて繰り返して行い、施工区間の全長に亘って前記既設管内に前記コイル成形体を敷設するステップ、および
(e)前記ステップ(d)で前記既設管内に敷設したコイル成形体内にライニング材を敷設してライニング管を形成するステップを備える、ライニング工法。
前記ステップ(b)は、(b1)縮径させた状態から復元させたコイル成形体の端部を押圧して隣接する線材間の隙間を詰めるステップを含む、請求項10記載のライニング工法。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1の技術では、復元後のライナパイプに埋設の土圧等に耐えることができるだけの扁平強度をもたせようとすると、ライナパイプの管壁の厚みを厚く形成しなければならない。しかしながら、ライナパイプの管壁の厚みを厚く形成すると、ライナパイプを既設管内で加熱して拡径させたり、冷却したり等の一連の工程に時間がかかってしまう。
【0006】
また、特許文献2の技術では、鉄筋が補強材として機能するので、ライナー自体に扁平強度をもたせなくてもよいが、作業者が管内に入って螺旋状に線材を配置する必要があるため、その施工に手間がかかってしまう。
【0007】
一方、特許文献3の技術では、コイル成形体に埋設土圧に対する耐外圧強度をもたせることで、ライニング材の管壁の厚みを薄くすることができるので、ライニング管を形成するための時間を短縮することができ、また、コイル成形体を縮径させて、それを既設管内に挿入するだけでよいので、管内で作業者が線材を螺旋状に配置する場合と比較して、施工にも手間がかからない。しかしながら、既設管の全長に亘るように連結等したコイル成形体を施工現場で縮径させながら、そのコイル成形体を牽引して既設管内に引き込む作業は煩雑であるため、作業員の技量(スキル)に依存しなければならないのが現状であり、施工のより簡単化ならびに効率化が求められていた。
【0008】
それゆえに、この発明の主たる目的は、新規な、コイル成形体敷設装置
およびライニング工
法を提供することである。
【0009】
この発明の他の目的は、施工性に優れる、コイル成形体敷設装置
およびライニング工
法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、上記の課題を解決するために、以下の構成を採用した。なお、括弧内の参照符号および補足説明などは、本発明の理解を助けるために後述する実施の形態との対応関係を示したものであって、本発明を何ら限定するものではない。
【0011】
第1の発明は、
それぞれが所定長さを有するコイル成形体を既設管内に敷設し、コイル成形体内にライニング材によってライニング管を形成するライニング工法に用いられるコイル成形体敷設装置であって、
所定の軸方向長さを有し、コイル成形体を縮径させた状態のまま外嵌させる本体、本体に外嵌させたコイル成形体の各端部をそれぞれ取り外し可能に本体に固定する固定手段、本体の軸方向の前後に設けられ、本体を既設管内の所定位置に移動させる車輪ユニット、および固定手段の固定を解除する解除手段を備え、車輪ユニットによって既設管内の所定位置に本体を移動させた後に解除手段でコイル成形体の各端部を解放することによって、縮径させた状態から復元させる、コイル成形体敷設装置である。
【0012】
第1の発明では、コイル成形体敷設装置(10)は、既設管(200)内に敷設した
それぞれが所定長さを有するコイル成形体(14)の内面にライニング材(16)を敷設することによって既設管内に更生管路(12)を形成するライニング工法において、既設管内にコイル成形体を敷設するために用いられる。コイル成形体敷設装置は、保持手段(18,98,100)、および移動手段(24,26,28,96)を備え
る。保持手段は、たとえば円筒状に形成され、所定の軸方向長さを有し、コイル成形体を縮径させた状態のまま外嵌させる本体(18)および固定手段(98,100)を備えており、固定手段は、本体に外嵌された縮径したコイル成形体の各端部をそれぞれ取り外し可能に固定する。移動手段は、本体の軸方向の前後に設けられ、本体を既設管内の所定位置に移動させる車輪ユニット(24,26,28)を含み、ライニング工法の施工時には、コイル成形体を縮径させた状態のまま
本体上に保持したコイル成形体敷設装置が、
一例として牽引ロープ(212)によって牽引され
て車輪ユニッ
トによって既設管内に車輪移動する。
車輪ユニットによって既設管内の所定位置に本体を移動させた後に解除手段(106)でコイル成形体の各端部を解放することによって、コイル成形体を縮径させた状態から元の径に復元させ
、既設管内に敷設する。
【0013】
第1の発明によれば、既設管内にコイル成形体を敷設する作業をより簡単化することができ、しかも、その作業をコイル成形体敷設装置を用いて行うようにしていることで、作業者のスキルに依存する必要もなくなるので、施工性を向上させることができる。
【0014】
第2の発明は、第1の発明に従属し、車輪ユニットは、本体に車輪を支持する支持手段および支持
手段に支持された車輪を既設管の内面に押し付ける押し付け手段を含む。
【0015】
第2の発明では、車輪ユニットは、本体に車輪を支持する支持手段(30,62)を含み、たとえばスプリングのような押し付け手段(40,72)は、その弾性力によって、支持
手段に支持された車輪を既設管の内面に押し付ける。
第2の発明によれば、車輪が既設管の内面に密着した状態で回転されるので、コイル成形体敷設装置が安定的に既設管内を移動することができる。
【0016】
第3の発明は、
第1または第2の発明に従属し、固定手段のうち少なくとも一方を周方向に回転させる回転手段、および固定手段で固定した前記コイル成形体の各端部のうち少なくとも一方を前記回転手段により巻回方向へ回転させることによって、前記コイル成形体を縮径させる縮径手段をさらに備える。
【0017】
第3の発明では、コイル成形体敷設装置(10)は、固定手段のうち少なくとも一方を周方向、つまり管軸周りに回転させる回転手段(74,76)を備えている。さらに、コイル成形体敷設装置は、コイル成形体を縮径させる縮径手段(74,76,98,100)を備えており、この縮径手段では、本体(18)に外嵌させたコイル成形体(14)の各端部を固定手段(98,100)に固定し、その状態で、コイル成形体の一方の端部を回転手段によりその巻回方向に回転させることによって、コイル成形体を縮径させる。
【0018】
第3の発明によれば、コイル成形体敷設装置によって縮径させたコイル成形体を、そのままコイル成形体敷設装置とともに既設管内に移動させることが可能であり、一連の施工工程をコイル成形体敷設装置によってまとめて行うことができるようになるので、施工のより効率化を実現することが可能である。
【0019】
第4の発明は、第3の発明に従属し、本体は、前後方向に連続する第1および第2本体を含み、固定手段は、第1および第2本体のそれぞれに設けられ、かつ各々がコイル成形体の各端部を固定する第1および第2固定部を含み、縮径手段は、コイル成形体の一方の端部を第1固定部によって固定した第1本体と、コイル成形体の他方端部を第2固定部によって固定した第2本体とを回転手段により相対的に逆周方向に回転させることによって、コイル成形体を縮径させる。
【0020】
第5の発明は、それぞれが所定長さを有するコイル成形体を既設管内に敷設し、コイル成形体内にライニング材によってライニング管を形成するライニング工法に用いられるコイル成形体敷設装置であって、所定の軸方向長さを有し、コイル成形体を縮径させた状態のまま外嵌させる本体を備え、本体は、前後方向に連続する第1および第2本体を含み、さらに第1および第2本体のそれぞれに設けられ、かつ各々がコイル成形体の各端部を固定する第1および第2固定部、および第1本体と第2本体を相対的に逆周方向に回転する回転モータを備え、コイル成形体の一方の端部を第1固定部によって固定しかつコイル成形体の他方端部を第2固定部によって固定した状態で回転モータによって第1本体と第2本体とを相対的に逆周方向に回転させることによって、コイル成形体が縮径され第1および第2本体に跨って外嵌される、コイル成形体敷設装置である。
第4
または第5の発明では、本体(18)は、同径の円筒状に形成される第1本体(20)および第2本体(22)をこの順に前後方向に連続させることによって構成される。たとえば、固定手
段として、第1本体には、第1固定部(98)が設けられ、第2本体には、第2固定部(100)が設けられる。そして、本体に外嵌させたコイル成形体(14)の各端部を第1固定部および第2固定部にそれぞれ固定し、第1本体と第2本体(22)とを回転
モータ(74,76)により相対的に逆周方向に回転させることによって、コイル成形体を縮径させる。実施例では、回転モータ(74)から前方に延びるシャフト(76)に外嵌された転がり軸受(80)が第1本体に連結され、その回転モータによりシャフトを周方向に回転駆動させたときに、その回転に転がり軸受けが連動し、第1本体がシャフトを中心に回転する。
【0021】
第6の発明は、第
4の発明に従属し、第1本体および前記第2本体のいずれか一方を既設管に対して相対回転しないように支持する本体支持手段をさらに備え、縮径手段は、第1本体および第2本体のいずれか一方を本体支持手段によって支持した状態で、第1本体および第2本体の他方を回転手段により周方向に回転させることによって、コイル成形体を縮径させる。
【0022】
第
6の発明では、たとえば、第2本体(22)には、本体支持手段(128)が設けられる。本体支持手段は、既設管(200)の内面やマンホール(206)のインバート(208)などに固定アーム(132)をシリンダ(130)で押し当てることによって、たとえば第2本体を既設管に対して相対回転しないように支持するものであり、実施例では、2つの固定アームがそれぞれ既設管の内面やマンホールのインバートなどの対向する位置に押し当てられる。そして、本体に外嵌させたコイル成形体(14)の各端部を第1固定部および第2固定部にそれぞれ固定し、たとえば、第2本体を本体支持手段で支持した状態で、第1本体を回転手段(74,76)により周方向に回転させることによって、コイル成形体を縮径させる。
【0023】
第
7の発明は、第4
ないし6のいずれかの発明に従属し、第1本体と第2本体とが前後方向に接離可能に連結される。
【0024】
第
7の発明では、第1本体(20)と第2本体(22)とは、伸縮手段を有する連結機構によって前後方向に接離可能に連結されている。実施例では、回転モータ(74)から
前方に延びるシャフト(76)に軸方向に摺動可能に外嵌された転がり軸受(80)が第1本体に連結され、転がり軸受がシャフトに沿って前方に摺動すると、それに連動して第1本体も前方に移動して第2本体から離間する。
【0025】
第
7の発明によれば、コイル成形体の縮径に起因したコイル成形体の長さの変化に本体が追随できるようになるので、縮径時のコイル成形体の乱れを回避することが可能である。
【0026】
第
8の発明は、第
1ないし7のいずれかの発明に従属し、縮径させた状態から復元させたコイル成形体の端部を押圧して隣接する線材間の隙間を詰める押圧手段をさらに備える。
【0027】
第
8の発明では、コイル成形体敷設装置(10)は、押圧手段(110)を備えており、たとえば、押圧手段は、押し付け用シリンダ(118)、移動用シリンダ(122)およびアシストアーム(120)を含む。そして、押し付け用シリンダによってアシストアームを径方向の外側に突き出し、その状態で、移動用シリンダによって前方に動かして、縮径させた状態から復元させたコイル成形体(14)の後方側の端部を前方向に押圧して隣接する線材間の隙間を詰めることによって、コイル成形体の配置ずれや乱れなどを修正する。
【0028】
第
8の発明によれば、既設管内に規則的にコイル成形体を敷設することができるようになるので、コイル成形体によって安定的に耐外圧強度を確保することが可能になる。
【0029】
第
9の発明は、
請求項1記載のコイル成形体敷設装置を用いて、それぞれが所定長さを有するコイル成形体を既設管内にコイル成形体を敷設し、そのコイル成形体内に挿入したライニング材によって既設管内でライニング管を形成するライニング工法であって、(a)コイル成形体敷設装置
の本体上にコイル成形体を縮径させた状態のまま
外嵌し、そのコイル成形体敷設装置を
車輪ユニットによって既設管内の所定位置に移動させるステップ、(b)ステップ(a)で既設管内の所定位置に移動させたコイル成形体敷設装置
において解除手段で固定手段を解除することによってコイル成形体を
本体から解放し、縮径させた状態から復元させるステップ、(c)ステップ(b)の後、縮径させた状態から復元させたコイル成形体の外部へコイル成形体敷設装置を移動させるステップ、(d)ステップ(a)ないし(c)を必要に応じて
繰り返して行い、施工区間の全長に亘って既設管内にコイル成形体を敷設するステップ、および(e)ステップ(d)で既設管内に敷設したコイル成形体内にライニング材を敷設してライニング管を形成するステップを備える、ライニング工法である。
【0030】
第
9の発明では、ステップ(a)において、コイル成形体敷設装置(10)
の本体(18)上にコイル成形体(14)を縮径させた状態のまま外嵌し、そのコイル成形体敷設装置を
車輪ユニット(24,26,28,96)
によって既設管(200)
内の所定位置に移動させ
る。ステップ(b)において、
解除手段で固定手段を解除することによってコイル成形体を
本体から開放して、コイル成形体を縮径させた状態から復元させる。ステップ(c)において、縮径させた状態から復元させたコイル成形体の外部へコイル成形体敷設装置を移動させて、たとえばコイル成形体敷設装置を既設管の外へ戻す。そして、ステップ(d)で必要に応じてそれらの施工工程を繰り返し行い、施工区間全長に亘ってコイル成形体を敷設する。つまり、既設管の全長に亘ってライニング管(12)を形成する場合には、その既設管の全長に亘るようにコイル成形体を敷設し、既設管を部分的に更生する場合などには、少なくともその更生する部分の全体に亘るようにコイル成形体を敷設する。ステップ(e)において、既設管内に敷設したコイル成形体内にライニング材(16)を敷設し、たとえばそのライニング材を加熱するとともに内圧をかけることによって、コイル成形体内にライニング管、つまり更生管路(12)を形成する。
【0031】
第8の発明によれば、更生管路を形成する施工のより簡単化ならびに効率化を実現できる。
【0032】
第
10の発明は、第
9の発明に従属し、
コイル成形体敷設装置は、固定手段のうち少なくとも一方を周方向に回転させる回転手段をさらに備え、ステップ(a)は、(a1)コイル成形体敷設装置
の本体にコイル成形体を外嵌
して固定手段によって各端部を固定するステップ、(a2)
固定手段で固定したコイル成形体の各端部のうち少なくとも一方を回転手段により巻回方向へ回転させることによって、ステップ(a1)で
本体上に外嵌させたコイル成形体を縮径させるステップを含む。
【0033】
第
10の発明では、ステップ(a)は、サブステップ(a1)および(a2)を含む。ステップ(a1)において、
コイル成形体敷設装置の本体にコイル成形体(14)
を外嵌
して固定手段によって各端部を固定する。ステップ(a2)において、
固定手段で固定したコイル成形体の各端部のうち少なくとも一方を回転手段により巻回方向へ回転させることによって、ステップ(a1)で
本体上に外嵌させたコイル成形体を縮径させる。
【0034】
第
11の発明は、第
10の発明に従属し、ステップ(b)は、(b1)縮径させた状態から復元させたコイル成形体の端部を押圧して隣接する線材間の隙間を詰めるステップを含む。
【0035】
第
11の発明では、ステップ(b)は、サブステップ(b1)を含む。ステップ(b1)において、縮径させた状態から復元させたコイル成形体(14)の後方側の端部を押圧手段(110)によって前方向に押圧して隣接する線材間の隙間を詰めることによって、コイル成形体の配置ずれや乱れなどを修正する。
【発明の効果】
【0039】
この発明によれば、コイル成形体を縮径させた状態のまま保持したコイル成形体敷設装置を既設管内に移動させて、既設管内でコイル成形体を元の径に復元させるようにしているので、更生管路を形成するライニング工法の施工性を向上させることができる。
【0040】
この発明の上述の目的,その他の目的,特徴および利点は、図面を参照して行う以下の実施例の詳細な説明から一層明らかとなろう。
【発明を実施するための形態】
【0042】
図1および
図2を参照して、この発明の一実施例であるコイル成形体敷設装置10は、老朽化した既設管200内に更生管路12(ライニング管)を形成するライニング工法に用いられるものである。このライニング工法では、詳細は後に説明するように、先ず、コイル成形体敷設装置10を用いて既設管200内にコイル成形体14を敷設し、そして、コイル成形体14内に挿入したライニング材16によって、更生管路12を既設管200内に形成する。
【0043】
なお、既設管200の用途および構成材料は、種々のものが適用され得るが、たとえば、上下水道、ガス、通信ケーブル保護または電力ケーブル保護等の用途であってよいし、また、鉄筋コンクリート管、陶管、鋳鉄管、鋼管ならびに塩ビ管のような合成樹脂管等から構成される管路であってよい。
【0044】
ここで、コイル成形体敷設装置10の具体的な説明に先立って、ライニング工法に用いられるコイル成形体14、ならびにライニング材16の概要について説明しておく。
【0045】
図3に示すように、コイル成形体14は、十分な剛性を有する材料、たとえばアルミニウム合金、鋼またはステンレス鋼などの金属、合成樹脂、ならびにGFRP(ガラス繊維強化プラスチック)やCFRP(炭素繊維強化プラスチック)などの繊維強化プラスチックを素材として形成され、この実施例では、コイル成形体14の素材としてGFRPが使用される。
【0046】
コイル成形体14は、断面が横長の長方形状の線材を巻芯(図示せず)などに巻回することによって筒状に形成される。ただし、コイル成形体14の成形方法は特に限定されず、繊維強化プラスチック管に螺旋状に切り込みを入れることによってコイル成形体14を形成するようにしてもよいし、専用の金型に樹脂等を流し込んで成形するようにしてもよい。コイル成形体14の呼び径は、既設管200の内径とほぼ等しいサイズに設定され、たとえば、300−700mmであり、その軸方向の長さは、300−700mmである。
【0047】
コイル成形体14は、その形状特性により、巻回(されている)方向へ回転させたり、伸長方向に引っ張ったりすると、その回転力や引張力に応じて縮径される。また、コイル成形体14は、屈曲性を有しており、既設管200への挿入時には、
図4に示すように、直線状に配管されている直管部202のみならず、段差が形成されている段差部204などにも滑らかに追従可能である。
【0048】
続いて、ライニング材16は、
図5に示すように、縮径加工により周方向の一部が押し込まれた断面略ハート形状を有する縮径管である。ライニング材16の構成材料は、合成樹脂(ポリエチレン、ポリブテン、ポリプロピレン、ナイロン、塩化ビニル等)や繊維強化プラスチックであるが、ここでは、ポリエチレンの実施例を示す。
【0049】
ライニング材16は、所定の温度に加熱しかつ加圧されることにより円筒形に復元され、後に詳細を説明するように、コイル成形体14の内面に略密着して更生管路(ライニング管12)を形成する。ライニング材16は、復元したときの外径がコイル成形体14の内径と略等しいサイズとなるように設定されている。
【0050】
このライニング材16は、従来公知の方法(特許文献1等)によって製造することができるので、その製造方法の詳細な説明は省略するが、簡単に言えば、所定の径で押出成形された直管に対して、軟化点以上融点以下の範囲における所定の温度(この実施例では、たとえば約100℃程度)に加熱して、押し板やローラ等を用いて略U字状の押し込み部分を形成することによって製造される。よって、ライニング材16を再び軟化点以上融点以下の温度に加熱し加圧することにより、押し込み部分が外面側へ戻されて、ライニング材16は所定形状(円筒形等)に復元する。
【0051】
以上で、ライニング工法に用いられるコイル成形体14、ならびにライニング材16について説明した。以下に、それらを前提にして、必要に応じてそれらを援用しながら、本発明の実施例または実施形態について説明する。
【0052】
図1を参照して、コイル成形体敷設装置10は、既設管200内にコイル成形体14を敷設するために用いられるものであり、既設管200の管軸方向に延びる円筒状のハウジング(本体)18を備えている。なお、図面の簡素化のため、このコイル成形体敷設装置10の各部位にエアや電気を供給するためのホースやケーブルについては図示を省略している。以下、同様である。
【0053】
ハウジング18は、十分な剛性を有する材料、たとえばアルミニウム合金、鋼またはステンレス鋼などの金属、または合成樹脂などの素材からなり、
図6(a)および(b)に示すように、同径の円筒状に形成される第1本体20および第2本体22をこの順に前後に連続させることによって構成される。ハウジング18の外径は、既設管200の内径よりも小さくなるように設定され、たとえば200−600mmであり、その軸方向の長さは、コイル成形体14の長さに応じて設定され、たとえば500−900mmである。第1本体20と第2本体22とは、詳細は後述するように、伸縮手段と回転手段とを有した連結機構によって連結されている。
【0054】
ただし、この実施例における「前」とは、コイル成形体14の挿入方向を意味し、「後」とは、その反対方向を意味する。以下、同様である。
【0055】
ハウジング18の所定位置には、それぞれ前方車輪ユニット24、中間車輪ユニット26および後方車輪ユニット28が設けられる。そして、施工時には、これらの車輪ユニット24,26,28を利用してコイル成形体敷設装置10が車輪移動する。
【0056】
具体的には、第1本体20の前方側の端部に、周方向に所定間隔を隔てて複数(この実施例では6つ)の前方車輪ユニット24が設けられる。
図6(b)および
図7に示すように、前方車輪ユニット24は、第1本体20の内面にボルト32および図示しないナットで固着される支持部30を含む。
【0057】
支持部30は、鉄やSUSなどの金属によって平板状に形成され、第1本体20よりも前方で内方に(つまり、第1本体20の径方向の中心側に向けて)略く字状に屈曲する。支持部30の先端には、軸受け34が設けられる。軸受け34は、鉄やSUSなどの金属からなり、支持部30に固着される底面の両側縁から直角に側面が立ち上がった断面コ字形状に形成され、この2つの側面によって回転軸36を支承している。回転軸36には、前後左右に転がることが可能な複合車輪38が取り付けられている。複合車輪38としては、たとえばオムニホイール(商品名)などを利用し得る。
【0058】
複合車輪38は、金属や合成樹脂などからなり、回転軸36によって既設管200の管軸方向に回動自在に支持される第1車輪40を含む。第1車輪40の外周には、周方向に間隔を隔てて複数(この実施例では3つ)のローラ42が設けられる。ローラ42は、鉄やSUSなどの金属からなり、図示は省略する回転軸によって既設管200の周方向に回動自在に支持されている。
【0059】
さらに、支持部30とボルト32の頭部32aとの間には、スプリング44が介挿されている。このため、コイル成形体敷設装置10が既設管200内を移動する際には、複合車輪38はスプリング44の弾性力によって既設管200の内面に押し付けられた状態、つまり既設管200の内面に密着した状態で回動することとなる。
【0060】
また、
図6に戻って、第2本体22の前後方向の中央付近には、周方向に所定間隔を隔てて、第2本体22を厚み方向に貫通する複数(この実施例では6つ)の開口46が形成される。そして、各開口46から外方に突き出すようにして中間車輪ユニット26が設けられる。
【0061】
中間車輪ユニット26は、
図6(b)および
図8に示すように、開口46の後方で第2本体20の内面にボルト50および図示しないナットで固着される支持部48を含む。支持部48は、鉄やSUSなどの金属によって平板状に形成され、開口46の位置で内方にほぼ直角に屈曲する。支持部48の先端には、軸受け52が設けられる。軸受け52は、鉄やSUSなどの金属からなり、支持部48に固着される底面の両側縁からほぼ直角に側面が立ち上がった断面コ字形状に形成され、この2つの側面によって回転軸54を支承している。回転軸54には、硬質ゴムなどを用いて形成される第2車輪56が設けられる。そして、この第2車輪56が、回転軸54によって既設管200の管軸方向に回動自在に支持されている。
【0062】
また、支持部48とボルト50の頭部50aとの間には、スプリング58が介挿されている。このため、コイル成形体敷設装置10が既設管200内を移動する際には、第2車輪56はスプリング58の弾性力によって既設管200の内面に押し付けられた状態、つまり既設管200の内面に密着した状態で回動することとなる。
【0063】
さらに、
図6に戻って、第2本体22の後方端部には、周方向に所定間隔を隔てて、第2本体22を厚み方向に貫通する複数(この実施例では6つ)の開口60が形成されるそして、各開口60から外方に突き出すようにして後方車輪ユニット28が設けられる。
【0064】
後方車輪ユニット28は、
図8に示すように、開口60の前方で第2本体20の内面にボルト64および図示しないナットで固着される支持部62を含む。支持部62は、鉄やSUSなどの金属によって平板状に形成され、開口60の位置で内方に略く字状に屈曲する。支持部62の先端には、軸受け66が設けられる。軸受け66は、鉄やSUSなどの金属からなり、支持部62に固着される底面の両側縁からほぼ直角に側面が立ち上がった断面コ字形状に形成され、この2つの側面によって回転軸68を支承している。回転軸68には、硬質ゴムなどを用いて形成される第3車輪70が設けられる。そして、この第3車輪70が、回転軸68によって既設管200の管軸方向に回動自在に支持されている。
【0065】
また、支持部62とボルト64の頭部64aとの間には、スプリング72が介挿されている。このため、コイル成形体敷設装置10が既設管200内を移動する際には、第3車輪70はスプリング72の弾性力によって既設管200の内面に押し付けられた状態、つまり既設管200の内面に密着した状態で回動することとなる。
【0066】
さらにまた、
図6(b)に戻って、ハウジング18の内部には、シャフト76を周方向に回転駆動せしめる回転モータ74が設けられる。回転モータ74は、第2本体22の内部の所定位置に固定され、この回転モータ74から前方にシャフト76が延びている。
【0067】
図9(a)および
図10に示すように、シャフト76は、鉄やSUSなどの金属によって円柱棒状に形成され、回転モータ74から第1本体20よりも前方まで延びる。シャフト76の先端部の外面には、外方に突出するキー78が設けられる。そして、そのキー78が設けられた範囲内に、転がり軸受80が装着(外嵌)される。
【0068】
転がり軸受80は、鉄やSUSなどの金属によって円筒状に形成され、その内面には、キー78と嵌まり合う形状のキー溝82が形成されている。また、転がり軸受80の所定位置には、周方向に間隔を隔てて複数(この実施例では4つ)のボールローラ84が設けられる。ボールローラ84は、その先端部のボールベアリングがシャフト76の外面に接触するように、転がり軸受80を厚み方向に貫通して設けられている。そして、キー溝82とキー78とを嵌め合わせた状態で、転がり軸受80をシャフト76に外嵌させるようにすると、転がり軸受80をシャフト76に沿って前後、つまりシャフト76の軸方向に摺動可能にしつつ、転がり軸受80をシャフト76の回転に連動させることが可能となる。
【0069】
さらに、転がり軸受80の外面には、連結板86が一体的に設けられる。連結板86は、鉄やSUSなどの金属によって形成された板状体であって、転がり軸受80の外面に溶接などの適宜の接合方法によって固着され、転がり軸受80の外面から平面視十字形に外方へ拡がった形状を有している。そして、連結板86の各先端部(外縁部)が第1本体20の内面にボルトおよびナットで固着される。
【0070】
すなわち、転がり軸受80と第1本体20とは連結板86によって固定的に連結されているので、回転モータ74によってシャフト76を周方向に回転駆動させた場合には、シャフト76の回転に転がり軸受80が連動し、さらにその転がり軸受80の回転に第1本体20が連動することにより、第1本体20がシャフト76を中心に周方向、つまり管軸周りに回転する。さらに、
図9(b)に示すように、転がり軸受80をシャフト76に沿って前方、つまり矢印A方向に摺動させた場合には、シャフト76の移動に連動して第1本体20が前方に移動することにより、第1本体20が第2本体22から離間することとなる。このように、第1本体20と第2本体22とが、伸縮手段および回転手段を有した連結機構によって、前後に接離可能な状態でかつ相対的に回転可能な状態で連結されている。
【0071】
また、
図6(b)に戻って、シャフト76の外側には、外筒88が設けられる。外筒88は、鉄やSUSなどの金属によって円筒状に形成される。外筒88は、後述する第2本体22の固定板124に溶接などの適宜の接合方法によって固着され、第2本体22から第1本体20に亘ってシャフト76と同軸方向に延び、この外筒88の内部にシャフト76が挿通される。
【0072】
さらに、
図9(a)に示すように、第1本体20の内部において、外筒88の外側には、スイベル90が装着される。スイベル90は、外筒88に外嵌される本体を有し、この本体が回転部として外筒88に対し周方向に回転可能にされている。回転部92の外面には、外方に向けて延びる連結部材94が設けられ、この連結部材94の先端が第1本体20の内面にボルトおよびナットで固着される。このため、回転部92は第1本体20の回転に合わせて外筒88を中心に回転する。
【0073】
また、回転部92は、外筒88に沿って摺動可能に外嵌されており、
図9(a)および(b)に示すように、第1本体20がシャフト76に沿って前方に移動すると、回転部92も外筒88に沿って第1本体20とともに前方に動き、外筒88の外面上の適切な位置に移動する。回転部92の側壁には、空気圧や油圧などの供給ラインが接続され、ここからその供給ラインが、後述するチャックユニット98などに向けて延ばされる。ただし、図面の簡素化のため、供給ラインの図示を省略していることに留意されたい。
【0074】
さらにまた、シャフト76の先端には、アイナット96が取り付けられる。アイナット96には、従来公知のもの(市販品など)を利用するとよい。詳細は後で説明するように、施工時には、このアイナット96にコイル成形体敷設装置10を既設管200内に引き込む時に利用する牽引ロープ212等が連結される。
【0075】
さらに、
図6に戻って、第1本体20の前方端部ならびに第2本体22の軸方向中央付近には、それぞれチャックユニット98および100が設けられる。
【0076】
チャックユニット98および100は、ハウジング18に外嵌させたコイル成形体14の前後方向の各端部の線材を挟持してその位置で固定する固定部として機能し、
図11からよくわかるように、台座102およびチャック本体104を含んでいる。
【0077】
たとえば、この実施例では、第1本体20の前方端部に前方チャックユニット98が設けられ、施工時には、前方チャックユニット98によってコイル成形体14の一方端部(前方側の端部)の線材が固定される。また、第2本体22の軸方向中央付近には、後方チャックユニット100が設けられ、施工時には、後方チャックユニット100によってコイル成形体14の他方端部(後方側の端部)の線材が固定される。
【0078】
以下に、この実施例における前方チャックユニット98の構成について説明する。ただし、チャックユニット98および100の構成はこれに限定されるものではない。また、後方チャックユニット100については前方チャックユニット98と構成が同じであるためその説明を省略する。
【0079】
図11に示すように、台座102は、鉄やSUSなどの金属によって形成され、第1本体20内の前方端部の所定位置に固定的に設けられる。台座102は、底面102aとその前後両端から直角に立ち上がる側面102bとを有する略コ字形状を有し、この側面102bどうしの間に嵌め込んだコイル成形体14の端部が底面102a上に配置される。そして、2つの側面102bのうち前方の側面102bには、チャック本体104を通過させるための開口部102cが形成されている。
【0080】
チャック本体104は、鉄やSUSなどの金属によって径方向に延びる棒状に形成され、第1本体20内の台座102よりも前方の所定位置に固定される。チャック本体104は、略L字形状を有しており、その径方向外側の端部は、係止部104aとして台座102側に突き出している。また、チャック本体104の長さ方向の中央部付近には、回転軸104bが挿通され、その径方向内側の端部には、ボルト104cが挿通される。
【0081】
また、チャック本体104の後方の所定位置には、チャック本体104を開閉するために利用するシリンダ106が設けられている。シリンダ106内には、油圧や空気圧によって昇降可能(変位可能)なロッド106aが収納されている。ロッド106aの先端には、厚みのある円板状に形成された当たり部分106bが形成される。当たり部分106bの先端面は、たとえば硬質ゴムなどなどによって被覆されている。
【0082】
そして、
図12に示すように、コイル成形体14の端部の線材を台座102に配置して、その状態で、シリンダ106のロッド106aを上昇させて、当たり部分106bをチャック本体104のボルト104cに当てて、ボルト104cを前方、つまり矢印B方向に押すと、チャック本体104はシリンダ106の押圧力によって回転軸102bを中心に矢印C方向に回転する。すると、チャック本体104の係止部104aが開口102cを通ってコイル成形体14の端部の線材の上面に接触し、その線材を底面102aとの間に挟み込むことによって、コイル成形体14の端部の線材を台座102に押さえ付けそこに固定する。
【0083】
また、
図6に戻って、第2本体22の軸方向の中央付近には、上述した開口46よりも前方の位置に開口108が形成される。そして、この開口108から外方に突き出すようにしてアシストユニット110が設けられる。
【0084】
アシストユニット110は、コイル成形体14の配置ずれや隙間、乱れ等を抑制・修正するために用いられるものであり、上述した後方チャックユニット100よりも後方に位置するように設けられる。
図13に示すように、アシストユニット110は、外筒88に外嵌される可動筒部114を含む。
【0085】
可動筒部114は、鉄やSUSなどの金属によって円筒状に形成され、外筒88に沿って前後方向に摺動可能なように外嵌される。可動筒部114の外面には、溶接などの適宜の接合方法によって連結板116が固着される。連結板116は、鉄やSUSなどの金属によって形成された板状体であって、可動筒部114の外面から平面視Y字形状に外方へ、つまり3方へ拡がった形状を有している。そして、連結板116の各先端部(外縁部)に、押し付け用シリンダ118が設けられる。
【0086】
図13および
図14に示すように、押し付け用シリンダ118内には、油圧や空気圧によって昇降可能(変位可能)なロッド118aが収納されている。押し付け用シリンダ118は、ロッド118aが径方向の内外に変位するように連結板116に固定されており、ロッド118aの先端には、アシストアーム120が設けられる。すなわち、アシストアーム120は、押し付け用シリンダ118内のロッド118aが上昇することによって径方向の外側、つまり矢印D方向に変位する。そして、施工時には、既設管200の内面に押し付けられる。アシストアーム120は、鉄やSUSなどの金属によって直方体状に形成され、その先端面には、図示は省略するが、ローラが設けられており、このローラによってアシストアーム120の既設管200の管軸方向への動きがスムーズにされる。
【0087】
さらに、連結板116には、押し付け用シリンダ118より内方に、それぞれ移動用シリンダ122が接続固定されている。
図14および
図15に示すように、移動用シリンダ122内には、油圧や空気圧によって昇降可能なロッド122aが収納されており、このロッド122aの先端が固定板124に固定されている。移動用シリンダ122は、連結板116の後方側でロッド122aが前後方向に昇降するように連結板116に固定されている。また、固定板124は、鉄やSUSなどの金属からなる板状体であり、連結板116よりも後方に配置される。固定板124は、中央部に開口を有するドーナツ板状に形成される。そして、固定板124の外周縁部がボルトおよびナットで第2本体22の内面に固着されるとともに、固定板124の開口内に上述した外筒88が固定されている。
【0088】
このため、
図15に示すように、移動用シリンダ122を作動させると、第2本体22に固着された固定板124に向けてロッド122aが上昇することにより、移動用シリンダ122はその反力によって前方、つまり矢印E方向に変位する。そして、移動用シリンダ122に連動して連結板116が前方に動くことにより、その連結板116に固定されたアシストアーム120も前方に移動することとなる。
【0089】
さらに、
図6に戻って、第2本体22の後方端部には、円板部材126がボルトおよびナットで固定されており、その円板部材126の後方側の所定位置には、2つの本体支持ユニット128が設けられる。本体支持ユニット128は、第2本体22を既設管200に対して相対回転したり移動したりしないように支持するために用いられるものであり、シリンダ130および固定アーム132を含んでいる。
【0090】
たとえば、この実施例では、2つの本体支持ユニット128が、各々の固定アーム132を既設管200の内面や後述するマンホール206のインバート208の対向する位置に押し当てることができるように円板部材126に固定されている。なお、図面の都合上、
図6においては、本体支持ユニット128の固定アーム132が第2本体22の上方と下方とに突き出すように配置されているが、実際には、本体支持ユニット128の固定アーム132が水平方向の左右に突き出すように配置されることに留意されたい。以下、同様である。
【0091】
具体的には、シリンダ130内には、油圧や空気圧によって昇降可能なロッド130aが収納されている。そして、シリンダ130は、ロッド130aが径方向の内外に変位するように円板部材126に固定されている。ロッド130aの先端には、固定アーム132が設けられる。したがって、固定アーム132は、シリンダ130によって径方向の内外へ変位する。固定アーム132は、既設管200の内面やマンホール206のインバート208に押し付けられる部位であり、鉄やSUSなどの金属によって直方体状に形成され、その先端面は、既設管200の内面やマンホール206のインバート208に沿う曲面状に形成されている。また、固定アーム132の先端面は、たとえば硬質ゴムなどによって被覆されている。
【0092】
さらにまた、円板部材126の所定位置、たとえば中央部分には、アイナット134が取り付けられる。アイナット134には、従来公知のものを利用するとよい。
【0093】
図16−20を参照して、このようなコイル成形体敷設装置10を利用して既設管200内にライニング管12を形成し、そのライニング管12によって既設管200の内面をライニングするライニング工法の手順を説明する。
【0094】
先ず、
図16に示すように、タワークレーン等の作業車210を用いてコイル成形体敷設装置10を吊り上げ、地上からマンホール206の内部に降ろして搬入する。
【0095】
次に、
図17に示すように、マンホール206の内部でコイル成形体敷設装置10のハウジング18にコイル成形体14を装着し(外嵌させ)て、その状態で、コイル成形体敷設装置10をマンホール206のインバート208上に設置する。
【0096】
続いて、
図18(a)に示すように、コイル成形体敷設装置10の2つの本体支持ユニット128を作動させて、各シリンダ130内のロッド130aを上昇させ、固定アーム132をそれぞれ径方向の外向き、つまり矢印F方向に動かしてマンホール206のインバート208のたとえば上端部付近の対向する位置に押し当てる。これにより、コイル成形体敷設装置10の第2本体22が、既設管200に対して相対回転したり移動したりしないようにその場所で固定的に支持される。
【0097】
それから、コイル成形体14の前方側の端部の線材を前方チャックユニット98に固定するとともに、コイル成形体14の後方側の端部の線材を後方チャックユニット100に固定する。すなわち、
図12(b)からよく分かるように、コイル成形体14の各端部の線材をチャックユニット98,100の台座102にそれぞれ配置し、その状態で、チャック本体104によってコイル成形体14の端部の線材を台座102に押さえ付けて、台座102とチャック本体104との間でコイル成形体14の端部の線材を挟持しその位置に固定する。
【0098】
次に、コイル成形体敷設装置10のハウジング18に装着したコイル成形体14を縮径させる。
【0099】
具体的には、回転モータ74を作動させて、シャフト76をコイル成形体14の巻回方向と同方向に回転させる。すると、上述したように、シャフト76の回転が第1本体20に連動することにより、第1本体20はシャフト76を中心に回転し、これによって、
図18(b)に示すように、第2本体22が本体支持ユニット128によってマンホール206のインバート208に固定的に支持された状態つまり第2本体22が回転しない状態で、第1本体20のみがコイル成形体14の巻回方向と同方向に回転することとなる。すなわち、第1本体20と第2本体22とが相対的に逆周方向に回転して、そのそれぞれに設けられたチャックユニット98,100も相対的に逆周方向に旋回するので、チャックユニット98,100に各端部が固定されたコイル成形体14に巻回方向への回転力が付与されて、コイル成形体14が縮径することとなる。
【0100】
このとき、コイル成形体14は縮径することによってその軸方向の長さが長くなるので、それに追随するようにして、第1本体20がシャフト76に沿って前方に摺動して第2本体22から離間し、コイル成形体敷設装置10のハウジング18の軸方向の長さが長くなる。
【0101】
そうして、コイル成形体14がハウジング18の外面上に接触するまで縮径すると、回転モータ74を停止させて、本体支持ユニット128による第2本体22のマンホール206のインバート208への支持(固定)を解除する。
【0102】
それから、コイル成形体14を縮径させた状態のままチャックユニット98,100によって保持しつつ、コイル成形体敷設装置10を既設管200の端部開口である挿入口から既設管200内に引き込む(挿入する)。
【0103】
具体的には、アイナット96に連結した牽引ロープ212を既設管200の端部開口である引出口側で牽引することにより、既設管200内を車輪ユニット24,26,28によって車輪移動させる。このとき、上述したように、前方車輪ユニット24の複合車輪38(第1車輪40)、中間車輪ユニット26の第2車輪56、ならびに後方車輪ユニット28の第3車輪70は、それぞれスプリング44,58,72の弾性力によって既設管200の内面に密着した状態で回動する。
【0104】
そして、たとえばコイル成形体敷設装置10が既設管200の段差部204を通過する場合などには、
図19(a)および(b)に示すように、段差部204の段差が複合車輪38(第1車輪40)に接触することによりスプリング44が圧縮されるので、複合車輪38の位置が内向き、つまり矢印G方向に変位し、これによって、複合車輪38が段差部204の段差を乗り越えることが可能になる。そして、段差部204の段差を乗り越えた後には、スプリング44の弾性力によって複合車輪38が元の位置に戻り、複合車輪38は既設管200の内面に密着した状態で回動することとなる。中間車輪ユニット26、ならびに後方車輪ユニット28については、前方車輪ユニット24と同様であるため、説明を省略する。
【0105】
なお、ここでは、コイル成形体敷設装置10が既設管200の段差部204を通過する場合を想定して説明したが、コイル成形体敷設装置10が既設管200の屈曲部分や隙間を通過する場合においても、同様に複合車輪38の位置が内向きに変位することにより容易に通過することが可能である。
【0106】
そうして、コイル成形体敷設装置10の先端が既設管200の端部開口である引出口まで到達すると、本体支持ユニット128を再度作動させる。すなわち、各シリンダ130内のロッド130aを上昇させて、固定アーム132をそれぞれ既設管200の内面の対向する位置に押し当てることにより、第2本体22を既設管200に対して相対回転したり移動したりしないようにその場所に固定的に支持する。
【0107】
次に、アシストユニット110のアシストアーム120を既設管200の内面に押し付ける。具体的には、
図20に示すように、アシストユニット110の押し付け用シリンダ118を作動してロッド118aを上昇させ、アシストアーム120を径方向の外側に動かして、アシストアーム120を既設管200の内面に押し付ける。
【0108】
そして、後方チャックユニット100からコイル成形体14の後方側の端部の線材を取り外して、コイル成形体14に付与している回転力を解放し、コイル成形体14における前方側の端部を除いた残りの部分を元の径(既設管200の内径とほぼ等しい径)に戻す。このとき、アシストアーム120を既設管200の内面に押し付けていることにより、コイル成形体14の後方側の端部の線材の動きが制限される。すなわち、コイル成形体14はアシストアーム120よりも前方の範囲で復元する(元の径に戻る)ようになり、その結果、コイル成形体14の後方側の端部の線材がアシストアーム120のやや前方に位置することとなる。
【0109】
続いて、回転モータ74を再度作動させることによって、第1本体20を回転させる。そして、その状態で、
図18(a)および(b)に示すように、アシストユニット110の移動用シリンダ122を作動してロッド122aを上昇させることによって、コイル成形体14の後方側の端部の後方に位置しているアシストアーム120を前方向に移動させる。
【0110】
すると、コイル成形体14の前方側の端部の線材が前方チャックユニット98に固定された状態で、第1本体20が回転することによってコイル成形体14と既設管200の内面との摩擦が低減されるとともに、そのアシストアーム120によってコイル成形体14の後方側の端部が前方向に押圧されることとなるので、これにより、コイル成形体14の線材が順々に前に詰まって隣り合う線材どうしの隙間がなくなり(つまり、線材の巻回ピッチが小さくなり)、コイル成形体14の配置ずれや乱れ等が修正される。なお、このとき、既設管200の内面とコイル成形体14の外面との間に摩擦低減処理を施しておくようにすると、コイル成形体14の隣り合う線材どうしの隙間や乱れ等を修正する作業を容易に行えるとともに、コイル成形体14の損傷を防止することができるようになるため、好適である。
【0111】
それから、回転モータ74を停止させるとともに、既設管200の内面に押し付けているアシストアーム120を元の位置に戻す。そして、前方チャックユニット98からコイル成形体14の前方側の端部の線材を取り外して、コイル成形体14の全体を復元し、そのコイル成形体14を既設管200内に敷設(設置)する。
【0112】
次に、本体支持ユニット128による第2本体22のマンホール206のインバート208への支持(固定)を解除し、コイル成形体敷設装置10を既設管200の挿入口まで引き戻す。具体的には、予めコイル成形体敷設装置10のアイナット134に連結しておいた図示しない牽引ロープを既設管200の挿入口側で牽引することによって、コイル成形体敷設装置10を引き戻す。
【0113】
そして、マンホール206内で、コイル成形体敷設装置10のハウジング18に次のコイル成形体14を装着し、上述と同じ要領で、先に既設管200内に敷設したコイル成形体14の後方に次のコイル成形体14を敷設する。
【0114】
なお、2つ目以降のコイル成形体14を敷設する際には、管内カメラなどで適宜確認しながら、後続するコイル成形体14の前方端の位置を、先行するコイル成形体14つまり既設管200内に敷設されたコイル成形体14の後方端の位置に合わせるようにし、隣り合うコイル成形体14どうしを可能な限り近接させて、コイル成形体14どうしの間に隙間を小さくする。
【0115】
これを必要に応じて繰り返し行うことによって、所要個数のコイル成形体14を管軸方向に順次連続させ、コイル成形体14を既設管200の全長に亘って敷設する。
【0116】
そして、コイル成形体14を既設管200の全長に亘って敷設する作業が終了すると、次に、そのコイル成形体14(の連続体)の内部にライニング材16を挿入する。
【0117】
具体的には、図示は省略するが、牽引ワイヤをコイル成形体14内に挿通して、この牽引ワイヤを既設管200の挿入口側のライニング材16に接続する。それから、牽引ワイヤをウインチで巻き取って、ライニング材16をその先端が既設管200の引出口に到達するまで挿入する。
【0118】
続いて、ライニング材16内に蒸気や温水を供給した後、所定圧力に加圧して、コイル成形体14内にライニング管12を形成する。具体的には、ライニング材16は、加熱されるとともに内圧がかけられることで、その断面形状が真円または真円に十分に近い略真円形に復元する。そうして、復元したライニング材16の外周面の全体をコイル成形体14の内面の全体に密着させることにより、既設管200内にその全長に亘ってライニング管を形成して、作業を終了する。
【0119】
このようにして、
図2に示すような、既設管200の内面をライニングする更生管路12が形成される。
【0120】
以上のように、この実施例では、コイル成形体14を縮径させた状態のまま保持したコイル成形体敷設装置10を既設管200内に移動させて、既設管200内の所定位置でコイル成形体14を解放し、元の径に復元させるようにしている。
【0121】
このため、たとえば既設管の全長に亘るように連結したコイル成形体を施工現場で縮径させながら既設管内に引き込む場合と比較して、既設管200内にコイル成形体14を敷設する作業をより簡単化することができ、しかも、その作業をコイル成形体敷設装置10を用いて行うようにしていることで、作業者のスキル(技量)に依存する必要もなくなる。
【0122】
したがって、この実施例によれば、施工性を向上させることができる。
【0123】
また、この実施例では、ハウジング18に外嵌させたコイル成形体14の各端部をチャックユニット98,100によって第1本体20および第2本体22のそれぞれに固定して、その状態で第1本体20を回転させることによってコイル成形体14を縮径させ、そのままチャックユニット98,100によってコイル成形体14を縮径させた状態で保持するようにしている。
【0124】
すなわち、この実施例によれば、コイル成形体敷設装置10によって縮径させたコイル成形体14を、そのままコイル成形体敷設装置10とともに既設管200内に移動させて、既設管200内に敷設することが可能である。
【0125】
したがって、一連の施工工程をコイル成形体敷設装置10によってまとめて行うことができるので、施工のより効率化を実現することができる。
【0126】
さらに、この実施例では、アシストユニット110のアシストアーム120を既設管200に押し付けた状態で後方チャックユニット100を取り外すようにしている。すなわち、コイル成形体14の後方側の端部の動きを制限して、アシストアーム120よりも前方の範囲でコイル成形体14を復元させる(元の径に戻す)ようにしているので、たとえば既設管200に勾配が付いている場合などであっても、後方チャックユニット100を取り外したときに、コイル成形体14の後方側の端部がアシストアーム120よりも後方に飛び出してしまうことがない。よって、コイル成形体14の配置ずれや乱れ等を防止することが可能である。
【0127】
また、コイル成形体14を元の径に復元させた後で、コイル成形体14の後方側の端部をアシストアーム120によって前方向に押圧して、コイル成形体14の隣り合う線材どうしの隙間や乱れ等を修正するようにしているので、既設管200内に規則的にコイル成形体14を敷設することができるようになり、コイル成形体14によって適切かつ確実な耐外圧強度を確保することが可能になる。
【0128】
さらにまた、この実施例では、第1本体20と第2本体22とが伸縮手段を有した連結機構によって接離可能な状態で連結されている。すなわち、コイル成形体14を縮径させるときに、コイル成形体14の縮径に起因したコイル成形体14の長さの増加に追随させてハウジング18の軸方向の長さを長くすることができるので、縮径時にコイル成形体14の線材が重なったり乱れたりすることを回避することができる。
【0129】
さらに、この実施例では、コイル成形体敷設装置10のハウジング18には、前方車輪ユニット24、中間車輪ユニット26および後方車輪ユニット28が設けられる。
【0130】
各車輪ユニット24,26,28は、車輪38,56,70の位置を径方向の内外に変位させる変位手段44,58,72を有しており、コイル成形体敷設装置10が既設管200内を移動するときには、各車輪38,56,70を変位手段44,58,72によって既設管200の内面に密着させた状態で回動させることが可能である。したがって、既設管200の段差部分204や屈曲部分、隙間などに対応することが可能になり、既設管200の状況に対応して施工を行うことができるようになる。
【0131】
なお、上述の実施例では、断面が横長の長方形状の線材を巻回させたコイル成形体14を利用したが、これに限定される必要はなく、断面略円形状を有する線材や、断面半円形状を有する線材や、断面馬蹄形状を有する線材を巻回させたコイル成形体を利用するようにしてもよい。要は、この発明の要旨を逸脱しない範囲で、任意の断面形状の線材を巻回させたコイル成形体を利用することが可能である。
【0132】
そして、コイル成形体の線材の幅を大きく設定するようにすれば、その分だけ線材を巻回する回数が減るため、コイル成形体を製造するときの作業性を向上させることができるようになり、一方、コイル成形体の線材の厚みを大きく設定するようにすれば、その分だけコイル成形体の耐外圧強度を向上させることができるようになると言える。
【0133】
さらに、上述の実施例では、コイル成形体14の呼び径を既設管200の内径とほぼ等しく設定したが、これに限定される必要はない。
【0134】
たとえば、コイル成形体14の呼び径を既設管200の内径よりも小さく設定するようにしてもよい。この場合には、コイル成形体14を配置した後、ライニング材16を復元するときにそのライニング材16によってコイル成形体14に内圧をかけることで、コイル成形体14を拡径させて、既設管200の内面の全体に密着させるようにする。
【0135】
また、コイル成形体14の呼び径を既設管200の内径よりもやや大きく設定するようにしてもよい。この場合には、回転力から解放されることで元の径に戻ったコイル成形体14が既設管200の内面に密着するので、更生管路10の断面縮小をより小さくすることが可能である。
【0136】
さらにまた、上述の実施例では、縮径させる前のコイル成形体14の線材の巻回ピッチは、線材の幅(軸方向の長さ)と略等しい長さに設定されており、互いに隣接する線材どうしがほぼ隙間なく密着していたが、これに限定される必要はなく、コイル成形体14の線材の巻回ピッチを、線材の幅よりも大きく設定しておき、コイル成形体14を既設管200内で元の径に復元した後で、アシストユニット110によって線材の巻回ピッチを詰めるようにしもよい。
【0137】
さらに、上述の実施例では、コイル成形体14を既設管200内に挿入する前に、コイル成形体敷設装置10によってコイル成形体14を縮径させたが、これに限定される必要はない。たとえば、予め縮径させたコイル成形体14をハウジング18の外面上に装着し、そのコイル成形体14の前後方向の各端部の線材をチャックユニット98および100に固定して、縮径させた状態を保持させるようにしてもよい。
【0138】
さらにまた、上述の実施例では、ハウジング18に外嵌させたコイル成形体14の前後方向の各端部の線材を前方チャックユニット98および後方チャックユニット100によってそれぞれ固定し、その状態で、第2本体22を本体支持ユニット128によって固定的に支持するとともに第1本体20を周方向に回転させることによってコイル成形体14に回転力を付与して、コイル成形体14を縮径させたが、これに限定される必要はない。
【0139】
たとえば、必ずしも第2本体22を本体支持ユニット128によって固定的に支持した状態で第1本体20を周方向に回転させるようにする必要はなく、コイル成形体14の一方端部の線材を前方チャックユニット98に固定した状態で第1本体20を周方向に回転させるとともに、他方端部の線材を後方チャックユニット100に固定した状態で第2本体22を第1本体20とは反対方向に回転させることによってコイル成形体14に回転力を付与するようにしてもよい。
【0140】
また、同様にして、第1本体20を回転しないように固定的に支持した状態で、第2本体22を周方向に回転させるようにしてもよい。
【0141】
要は、コイル成形体14の一方端部の線材を前方チャックユニット98に固定し、かつ他方端部の線材を後方チャックユニット100に固定した状態で、第1本体20と第2本体22とを互いに逆周方向に回転させるようにすれば、コイル成形体14に回転力を付与して、コイル成形体14を縮径させることが可能である。
【0142】
さらに言えば、コイル成形体14の前後方向の各端部のうち少なくとも一方を巻回方向へ回転させることができるのであれば、コイル成形体14の各端部をそれぞれ別体の第1および第2本体20,22に固定する必要もない。たとえば、一体物として形成したハウジングの前後に可動式のチャックユニットをそれぞれ設け、各チャックユニットにコイル成形体14の前後方向の各端部をそれぞれ固定し、各チャックユニットをハウジングの外面上で周方向に回転(旋回)させるようにしてもよい。
【0143】
さらにまた、上述の実施例では、シリンダ106のロッド106aを上昇させることによってチャック本体104の係止部104aで台座102に配置したコイル成形体14の端部を押さえ付ける構造のチャックユニット98,100を利用したが、これに限定される必要はない。コイル成形体14の前後方向の各端部を固定することができるのであれば、チャックユニット98,100の構造を適宜変更するようにしてもよい。
【0144】
以下に、
図21を参照して、前方チャックユニット98の変形例について説明する。なお、後方チャックユニット100については、前方チャックユニット98と同様であるためその説明を省略する。
【0145】
図21に示すように、前方チャックユニット98は、チャック本体136および受け部材138を含み、第1本体20の前方端部の所定位置に固定的に設けられる。チャック本体136は、鉄やSUSなどの金属によって形成され、ねじ部140とその上端に形成された押さえ部142とを含む。
【0146】
ねじ部140は、側面にねじ溝が形成された円柱形状を有し、第1本体20に形成された開口144に挿通される。押さえ部142は、ねじ部140と一体的に形成され、たとえば開口144より大きな径を有した円形の板状に形成される。
【0147】
また、受け部材138は、第1本体20の内部でチャック本体136のねじ部140と螺合する部材であり、鉄やSUSなどの金属によって形成され、第1本体20の内面に溶接などの適宜の接合方法によって固着される。たとえば、受け部材138には、汎用のナットなどが用いられる。
【0148】
さらに、図示は省略するが、第1本体20の内部には、チャック本体136と受け部材138とを螺合させる適宜の螺合手段が設けられている。螺合手段には、チャック本体136のねじ部140を周方向に回転させる回転モータなどが用いられる。
【0149】
このようなチャックユニット98によってコイル成形体14の端部の線材を固定するときには、
図21(a)に示すように、コイル成形体14の端部の線材を第1本体20の外面上に配置するとともに、螺合手段によってチャック本体136を螺合方向に回転させて、チャック本体136のねじ部140と受け部材138とを螺合させる。すると、チャック本体136のねじ部140が開口144を通って徐々に下降して、
図21(b)に示すように、チャック本体136の押さえ部142がコイル成形体14の端部の線材の上面に接触して、その線材を第1本体20の外面との間に押さえ込む。これにより、コイル成形体14の端部の線材が固定される。
【0150】
また、チャックユニット98からコイル成形体14の端部を取り外す際には、螺合手段によってチャック本体136を螺合方向の逆方向に回転させて、チャック本体136の押さえ部142を上昇させるとよい。
【0151】
さらにまた、上述の実施例では、アシストユニット110のアシストアーム120を既設管200に押し付けた状態で後方チャックユニット100を解除することによって、コイル成形体14を元の径に復元させるときの配置ずれ等を防止したが、これに加えて、このアシストユニット110と同様のアシストユニットを第1本体20に設けられた前方チャックユニット98よりもやや前方に設けるようにしてもよい。そうして、そのアシストユニットのアシストアームを既設管200に押し付けた状態で前方チャックユニット98を解除するようにすると、コイル成形体14をアシストアーム120よりも後方の範囲で拡径させる(元の径に戻す)ことが可能になるので、前方チャックユニット98を解除したときに、たとえば既設管200に勾配が付いている場合などであっても、コイル成形体14の前方側の端部がアシストアーム120よりも前方に飛び出してしまうことがなくなる。したがって、コイル成形体14の配置ずれや乱れ等をより確実に防止することが可能である。
【0152】
さらに、上述の実施例では、先行するコイル成形体14の後ろ側に後続するコイル成形体14を敷設する際に、管内カメラなどによって適宜確認しながら、後続するコイル成形体14の前方端の位置を、既設管200内に敷設されたコイル成形体14の後方端の位置に合わせるようにしたが、これに限定する必要はない。
【0153】
一例として、管内カメラによって既設管200の内部の状況を確認することに代えて、またはそれに加えて、コイル成形体敷設装置10にコイル成形体14を検出するための検出手段を設け、その検出手段の検出結果に基づいて後続するコイル成形体14の前方端の位置を設定するようにしてもよい。
【0154】
図22に示すコイル成形体敷設装置10の変形実施例では、ハウジング18の第1本体20の前方端部に、検出手段としてインジケータ146が設けられる。
【0155】
図22に示すように、インジケータ146は、前方チャックユニット98よりもやや前方に位置するように設けられる。たとえば、この実施例では、第1本体20の前方端部に、円板部材148がボルトおよびナットで固定されており、その円板部材148の前面の所定位置にインジケータ146が固定される。なお、
図22においては、1つのインジケータ146が第1本体20の下方に突き出すように配置されているが、これに限定される必要はなく、インジケータ146が突出する方向やインジケータ146の数は適宜変更してもよい。
【0156】
図23(a)に示すように、インジケータ146は、シリンダ150および検出アーム152を含む。シリンダ150内には、油圧や空気圧によって昇降可能(変位可能)なロッド150aが収納されており、シリンダ150は、ロッド150aが径方向の内外に変位するように第1本体20に固定されている。また、ロッド150aの先端には、検出アーム152が設けられる。検出アーム152は、シリンダ150内のロッド150aが上昇することによって径方向の外側に変位し、
図23(b)に示すように、施工時には、既設管200の内面に押し付けられる。検出アーム152の先端面には、図示は省略するが、ローラが設けられており、このローラによってインジケータ146の既設管200の管軸方向への動きがスムーズにされる。
【0157】
また、検出アーム152には、検出部154が内蔵されている。検出部154は、
図23(c)に示すように、検出アーム152が先行するコイル成形体14の後方端と接触した時にその接触を検出するものであり、たとえば、検出部154には、ひずみゲージやリミットスイッチや感圧センサなどが利用される。なお、この実施例では、検出部154として、先行するコイル成形体14の後方端と接触することで検出アーム152に発生するひずみを感知するひずみゲージを利用しており、このひずみゲージの検出結果が既設管200の外側に設置した受信装置に無線で送信される。ただし、ひずみゲージを配線を介して受信装置に電気的に接続するようにしてもよい。
【0158】
図22および23を参照して、このようなコイル成形体敷設装置10を利用して、先行するコイル成形体14つまり既設管200内に敷設されたコイル成形体14の後方に、後続するコイル成形体14を敷設する際には、先ず、後続するコイル成形体14を装着したコイル成形体敷設装置10を既設管200内に引き込む。それから、コイル成形体敷設装置10が既設管200内に敷設されたコイル成形体14に近接するまでの適宜のタイミングで、インジケータ146のシリンダ150を作動させてロッド150aを上昇させ、検出アーム152を径方向の外側に動かして、検出アーム152を既設管200の内面に押し付ける。
【0159】
そして、検出アーム152を既設管200の内面に押し付けた状態でコイル成形体敷設装置10に既設管200内を前進させて、検出アーム152が既設管200内に敷設されたコイル成形体14の後方端に接触したことを検出部154が検出すると、その位置でコイル成形体敷設装置10を停止させる。
【0160】
続いて、上述と同じ要領でアシストユニット110のアシストアーム120を既設管200の内面に押し付けるとともに、後方チャックユニット100からコイル成形体14の後方側の端部の線材を取り外して、コイル成形体14に付与している回転力を解放し、アシストアーム120によってコイル成形体14の隣り合う線材どうしの隙間や乱れ等を修正する。
【0161】
そして、既設管200の内面に押し付けているアシストアーム120を元の位置に戻すとともに、前方チャックユニット98からコイル成形体14の前方側の端部の線材を取り外して、コイル成形体14の全体を復元する。それから、既設管200の内面に押し付けている検出アーム152を元の位置に戻し、コイル成形体敷設装置10を既設管200の挿入口まで引き戻す。
【0162】
これを必要に応じて繰り返し行うことによって、所要個数のコイル成形体14を管軸方向に順次連続させ、コイル成形体14を既設管200の全長に亘って敷設する。
【0163】
この実施例によれば、インジケータ146によって既設管200内に敷設されたコイル成形体14との接触を検出するようにしているので、後続するコイル成形体14の設置位置を目視による確認よりも正確に位置決めを行うことができる。すなわち、既設管200内に敷設されたコイル成形体14と後続するコイル成形体14とをより近接させて、コイル成形体14どうしの間に隙間を小さくすることが可能になる。
【0164】
さらに、この実施例によれば、検出アーム152を既設管200の内面に押し付けた状態で前方チャックユニット98を解除するようにしているので、コイル成形体14を検出アーム152よりも後方の範囲で拡径させることが可能である。したがって、前方チャックユニット98を解除した際にコイル成形体14の前方側の端部が検出アーム152よりも前方に飛び出してしまうことがなくなり、コイル成形体14の配置ずれや乱れ等をより確実に防止することが可能である。
【0165】
なお、この実施例では、インジケータ146をシリンダ150内のロッド150aが上昇・下降することによって検出アーム152が径方向に変位するような構成にしたが、これに限定される必要はない。コイル成形体敷設装置10の移動時に検出部154を既設管200内に敷設されたコイル成形体14に接触させることができ、かつ元の位置に戻すことができるような構成であれば、適宜の構成を採用することができる。
【0166】
さらに、このインジケータ146をコイル成形体14の端部を押圧して隣接する線材間の隙間を詰める手段として兼用させるようにしてもよい。
【0167】
たとえば、
図24に示すコイル成形体敷設装置10の変形実施例では、アシストユニット110を設ける代わりに、ハウジング18の第1本体20の前方端部に設けたインジケータ146によってコイル成形体14の隣り合う線材どうしの隙間や乱れ等を修正する作業を行うようにしている。
【0168】
図24に示すように、第1本体20の内部には、移動用シリンダ156が設けられる。たとえば、この実施例では、円板部材148に厚み方向に貫通する開口158が形成され、その開口158の位置において、円板部材148の後方側の面に移動用シリンダ156が接続固定される。移動用シリンダ156内には、油圧や空気圧によって昇降可能なロッド156aが収納されている。そして、このロッド156aが開口158に挿通されるとともに、円板部材148よりも前方側において、ロッド156aの先端にインジケータ146が取り付けられている。移動用シリンダ156は、インジケータ146の後方側でロッド156aを前後方向に昇降可能、つまりインジケータ146を前後方向に移動可能なように円板部材148に固定されている。
【0169】
なお、
図24においては、2つのインジケータ146がそれぞれ第1本体20の上方と下方とに突き出すように配置されているが、これに限定される必要はなく、インジケータ146が突出する方向やインジケータ146の数は適宜変更することができる。
【0170】
このようなコイル成形体敷設装置10を利用して、既設管200内に敷設されたコイル成形体14の後方に、後続するコイル成形体14を敷設する際には、先ず、コイル成形体14を装着したコイル成形体敷設装置10を既設管200内に引き込む。それから、上述と同じ要領で、インジケータ146の検出アーム152を既設管200の内面に押し付ける。そして、
図25(a)に示すように、検出アーム152の検出部154が既設管200内に敷設されたコイル成形体14の後方端に接触したことを検出すると、その位置でコイル成形体敷設装置10を停止させる。
【0171】
それから、
図25(b)に示すように、移動用シリンダ156を作動して、前方つまり矢印F方向にロッド156aを上昇させることによって、コイル成形体14の後方端に接触している検出アーム152を前方に移動させる。そして、検出アーム152によってコイル成形体14の後方端を前方向に押圧して、コイル成形体14の隣り合う線材どうしの隙間や乱れ等を修正する。そして、検出部154のひずみゲージが検出しているひずみが所定の閾値を越えた時に、隣り合う線材どうしの隙間がなくなったと判断して、移動用シリンダ156を停止させる。その後、前方に移動させたインジケータ146を元の位置に戻し、その分だけコイル成形体敷設装置10を前進させる。
【0172】
それから、上述と同じ要領で後方チャックユニット100からコイル成形体14の後方側の端部の線材を取り外して、コイル成形体14に付与している回転力を解放するとともに、前方チャックユニット98からコイル成形体14の前方側の端部の線材を取り外して、コイル成形体14の全体を復元する。それから、既設管200の内面に押し付けている検出アーム152を元の位置に戻し、コイル成形体敷設装置10を既設管200の挿入口まで引き戻す。
【0173】
これを必要に応じて繰り返し行うことによって、所要個数のコイル成形体14を管軸方向に順次連続させ、コイル成形体14を既設管200の全長に亘って敷設する。
【0174】
この実施例によれば、既設管200内に敷設されたコイル成形体14との接触を検出する作業と、そのコイル成形体14の隣り合う線材どうしの隙間や乱れ等を修正する作業とをインジケータ146によって行うことが可能である。このため、コイル成形体敷設装置10に、上述したようなアシストユニット110を設ける必要がなくなる。したがって、コイル成形体敷設装置10の構造をより簡素化することができる。
【0175】
さらにまた、上述の実施例では、コイル成形体敷設装置10を移動させるときに、アイナット96に連結した牽引ロープ212を牽引して、前方車輪ユニット24、中間車輪ユニット26、および後方車輪28によって車輪移動したが、これに限定される必要はなく、前方車輪ユニット24、中間車輪ユニット26および後方車輪ユニット28を駆動させるモータをハウジング18内に取り付けて、自走式のコイル成形体敷設装置10としてもよい。
【0176】
さらに、コイル成形体敷設装置10には、前方車輪ユニット24、中間車輪ユニット26および後方車輪ユニット28の3つの車輪ユニットがハウジング18の軸方向に間隔を隔てて設けられたが、これに限定される必要はなく、たとえば、1つの車輪ユニットによってコイル成形体敷設装置10を車輪移動させるようにしてもよい。ただし、ハウジング18の軸方向に間隔を隔てて、つまり位置をずらして複数の車輪ユニットを設けるようにすることで、既設管200の隙間などに車輪が落ち込むことを回避することが可能である。
【0177】
また、必ずしもコイル成形体敷設装置10を車輪ユニット24,26,28によって車輪移動させる必要もなく、コイル成形体敷設装置10を既設管200内の所定位置まで移動させることが可能な適宜の移動手段を採用することができる。
【0178】
さらにまた、各車輪ユニット24,26,28には、車輪38,56,70の位置を径方向の内外に変位させることが可能な変位手段としてスプリング44,58,72が設けられていたが、これに限定される必要はない。車輪38,56,70の位置を径方向の内外に変位させることができるのであれば、板バネやサスペンションなど適宜のばね性能を有する変位手段を採用することが可能である。
【0179】
さらに、上述の実施例では、既設管200内にその全長に亘って更生管路10を形成したが、これに限定される必要はなく、本発明のライニング工法によって既設管200を部分的に更生(補修、改築)するようにしてもよい。
【0180】
すなわち、既設管200の全長に亘って更生管路12を形成する場合には、ライニング工法の施工区間は既設管200となり、既設管200の全長に亘るようにコイル成形体14を繰り返し敷設(並設)する必要があるが、既設管200を部分的に更生する場合には、その更生する部分がライニング工法の施工区間となり、少なくともその更生する部分の全体に亘るようにコイル成形体14を敷設すればよい。
【0181】
そして、更生する部分の面積が小さい場合には、当然、コイル成形体敷設装置10によって縮径状態を保持したコイル成形体14を既設管200内に移動させ、既設管200内で縮径状態から復元させる作業を繰り返し行う必要はないので、その作業を必要に応じて施工区間の長さに合わせて1回以上行えばよい。
【0182】
さらにまた、上述の各実施例ではいずれも、1つのコイル成形体敷設装置10によってコイル成形体14を既設管200内に敷設した。つまり、コイル成形体敷設装置10によってコイル成形体14を既設管200内に敷設した後で挿入口まで引き戻すとともに、そのコイル成形体敷設装置10のハウジング18に次のコイル成形体14を装着して再び既設管200内に移動させる作業を繰り返し行うことによって、所要個数のコイル成形体14を管軸方向に順次連続させた。
【0183】
しかしながら、これに限定される必要はなく、
図26に示すライニング工法のように、複数のコイル成形体敷設装置10を利用してコイル成形体14を敷設するようにしてもよい。すなわち、縮径させた状態のコイル成形体14を装着した複数のコイル成形体敷設装置10を所定間隔を隔てて連結ロープ214によって連結し、それらのコイル成形体敷設装置10を既設管200内に引き込むようにしてもよい。
【0184】
なお、図示は省略するが、コイル成形体敷設装置10の各部位にエアや電気を供給するためのホースやケーブルについては分岐させて配管ないし配線するとよい。
【0185】
このライニング工法では、
図27(a)に示すように、先行するコイル成形体敷設装置10に固定したコイル成形体14をハウジング18から取り外して拡径させ、上述と同じ要領で、コイル成形体14の隣り合う線材どうしの隙間や乱れ等を修正して、既設管200内に敷設する。それから、
図27(b)に示すように、さらに牽引ロープ212を牽引して、先行するコイル成形体敷設装置10に拡径させたコイル成形体14の内部を挿通させつつ、後続するコイル成形体敷設装置10を所定位置まで移動させ、その位置で後続するコイル成形体敷設装置10に装着したコイル成形体14をハウジング18から取り外して拡径させる。これを必要に応じて繰り返し行うことによって、所要個数のコイル成形体14を管軸方向に順次連続させ、コイル成形体14を施工区間の全長に亘って敷設する。
【0186】
このようなライニング工法によってコイル成形体14の敷設作業を行うようにすれば、1つのコイル成形体敷設装置10を繰り返し利用してコイル成形体14を敷設する場合と比較して、施工効率を向上させることが可能である。
【0187】
さらにまた、上述の実施例では、ライニング材16は、縮径加工により周方向の一部が押し込まれたまたは折畳まれて扁平化された縮径管であったが、これに限定される必要はなく、断面略円形等の直管をそのままの形状で縮径した縮径管でもよい。
【0188】
さらに、ライニング管は、必ずしも縮径管をコイル成形体14の内面に略密着するように復元したものである必要はない。コイル成形体敷設装置10を用いて既設管200内にコイル成形体14を敷設した後で、長尺の帯状部材を螺旋状に巻回したライニング管や、板状部材を周方向や長手方向に貼り付けたライニング管など、種々のライニング管を適用可能であり、さらには、樹脂材料以外のライニング管を適用するようにしてもよい。
【0189】
また、上で挙げた寸法などの具体的数値はいずれも単なる一例であり、製品の仕様などの必要に応じて適宜変更可能である。