(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
熱媒体が循環する循環回路と、前記循環回路に配置されて前記熱媒体を熱媒体設定温度に加熱する暖房用熱源部と、給湯水をカランに供給する給湯回路と、前記給湯回路に配置されて前記給湯水を加熱する給湯用熱源部と、前記給湯回路の前記給湯用熱源部より下流に設けられた給湯用バイパス管と、前記給湯回路と前記給湯用バイパス管の上流側接続点に配設され、前記給湯用バイパス管に供給する前記給湯水を制御する制御バルブと、前記循環回路を流れる前記熱媒体と前記給湯用バイパス管を流れる前記給湯水との間で熱交換を行うことにより前記給湯水を加熱する液液熱交換器と、前記カランを開いた時に前記制御バルブに前記給湯水を前記給湯用バイパス管に供給させる制御手段と、を有する即時給湯システムにおいて、
前記循環回路に配置される浴室暖房乾燥機を有すること、
前記循環回路が、前記暖房用熱源部から前記浴室暖房乾燥機へ前記熱媒体を流す往き配管と、前記浴室暖房乾燥機から前記暖房用熱源部へ前記熱媒体を流す戻り配管を含むこと、
前記液液熱交換器が前記戻り配管に配置されていること、
前記液液熱交換器を覆う蓄熱材を有すること
を特徴とする即時給湯システム。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、特許文献1記載のユニットは、例えば、暖房用熱源部が停止して数十分以上経過した後に即時給湯モードが設定されると、暖房用温水が冷めているため、暖房用熱源部を再稼働して暖房用温水を加熱した後に、液液熱交換器で給湯水を加熱しなければならず、暖房用温水を加熱するためのエネルギーを要する上に、即時給湯を準備する時間が長くなってしまっていた。
【0007】
近年、50℃の湯をボール等の容器に張って野菜等を湯で洗う50℃洗い調理法が、野菜や果物の鮮度を復活・長持ちさせたり、肉や魚の余分な脂を落として身をふっくらさせるなど、多くの利点を有し、注目を浴びている。この調理法は、とても単純であるため、一般家庭でも時間と手間をかけずに実践できる。一般家庭で50℃洗い調理法を実践する場合、消費湯量は多くても10L程度と少量であり、家事の合間に短時間で行われると考えられる。
【0008】
ところが、特許文献1記載のシステムを用いて50℃洗い調理法を実践する場合、暖房用温水が冷めていると、即時給湯のために暖房用温水を加熱するエネルギーが必要であり、即時給湯モードが設定されてから即時給湯の準備が完了するまでの間、使用者が何もせずに待たなければならない等の問題を生じる。
【0009】
本発明は、上記問題点を解決するためになされたものであり、暖房用熱源部の停止時でも、短時間且つ省エネルギーで湯を即時に供給できる即時給湯システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
(1)本発明の一態様に係る即時給湯システムは、熱媒体が循環する循環回路と、前記循環回路に配置されて前記熱媒体を熱媒体設定温度に加熱する暖房用熱源部と、給湯水をカランに供給する給湯回路と、前記給湯回路に配置されて前記給湯水を加熱する給湯用熱源部と、前記給湯回路の前記給湯用熱源部より下流に設けられた給湯用バイパス管と、前記給湯回路と前記給湯用バイパス管の上流側接続点に配設され、前記給湯用バイパス管に供給する前記給湯水を制御する制御バルブと、前記循環回路を流れる前記熱媒体と前記給湯用バイパス管を流れる前記給湯水との間で熱交換を行うことにより前記給湯水を加熱する液液熱交換器と、前記カランを開いた時に前記制御バルブに前記給湯水を前記給湯用バイパス管に供給させる制御手段と、を有する即時給湯システムにおいて、前記循環回路に配置される浴室暖房乾燥機を有すること、前記循環回路が、前記暖房用熱源部から前記浴室暖房乾燥機へ前記熱媒体を流す往き配管と、前記浴室暖房乾燥機から前記暖房用熱源部へ前記熱媒体を流す戻り配管を含むこと、前記液液熱交換器が前記戻り配管に配置されていること、前記液液熱交換器を覆う蓄熱材を有することを特徴とする。
【0011】
この態様では、1年を通じてほぼ毎日使用される浴室暖房乾燥機が配置される循環回路の戻り配管に液液熱交換器を配置し、その液液熱交換器を蓄熱材で覆っているため、浴室暖房乾燥機で使用されなかった熱媒体の余熱を蓄熱材にほぼ毎日蓄熱し、蓄熱材が蓄熱温度を維持する間であれば、暖房用熱源部を駆動しなくても、給湯管に残った給湯水を蓄熱材で加熱し、短時間かつ省エネルギーで湯をカランに即時に供給することができる。
【0012】
(2)(1)に記載の構成において、好ましくは、前記浴室暖房乾燥機の非稼働時に前記往き配管から前記戻り配管への前記熱媒体の供給を制御する熱動弁と、前記戻り配管の前記液液熱交換器より上流側と前記液液熱交換器より下流側を接続する熱媒体用バイパス管と、前記熱媒体用バイパス管の上流側接続点に配設され、前記熱媒体用バイパス管又は前記液液熱交換器に供給する前記熱媒体を制御する流路切替バルブと、前記蓄熱材が熱回収しない蓄熱不能状態である場合には、前記流路切替バルブに前記熱媒体を前記熱媒体用バイパス管に供給させる一方、前記蓄熱材が熱回収する蓄熱可能状態である場合には、前記暖房用熱源部を稼働し、前記熱動弁を開いた状態で、前記流路切替バルブに前記熱媒体を前記液液熱交換器に供給させる自動蓄熱手段を有することを特徴とする。
【0013】
この態様によれば、省エネルギーで常に蓄熱材が蓄熱した状態となり、カランを開いて給湯動作を開始すると、いつでも湯を即時に供給することができる。
【0014】
(3)(2)に記載の構成において、好ましくは、前記液液熱交換器に入力する熱媒体の入力側温度を検出する熱媒体入力側温度センサと、前記液液熱交換器から出力される熱媒体の出力側温度を検出する熱媒体出力側温度センサとを有し、前記自動蓄熱手段は、前記出力側温度と前記入力側温度の差分が第1所定温度未満である場合には蓄熱不能状態であると判断し、前記出力側温度と前記入力側温度の差分が前記第1所定温度以上である場合には蓄熱可能状態であると判断することを特徴とする。
【0015】
この態様によれば、出力側温度と入力側温度の差分に基づいて蓄熱材の蓄熱不能状態と蓄熱可能状態を簡単に判別できる。
【0016】
(4)(2)又は(3)に記載の構成において、好ましくは、前記自動蓄熱手段による自動蓄熱動作を解除する解除時間帯を設定する解除時間帯設定手段を有することを特徴とする。
【0017】
この態様によれば、解除時間帯設定手段により設定された解除時間帯は暖房用熱源部等を稼働させず、エネルギーを浪費しない。
【0018】
(5)(1)乃至(4)の何れか1つに記載の構成において、好ましくは、前記給湯用熱源部が加熱する給湯水の給湯設定温度を設定する熱源用リモコンと、前記給湯水を前記カランに即時に供給する即時給湯モードを設定する即時給湯モード設定手段と、前記即時給湯モードが設定された場合に供給する湯の即湯設定温度を設定する即湯設定温度設定手段を備える即湯用リモコンとを有することを特徴とする。
【0019】
この態様によれば、給湯設定温度と異なる即湯設定温度を設定できると共に、即湯設定温度を設定するつもりで誤って給湯設定温度を設定することがない。
【0020】
(6)(5)に記載の構成において、好ましくは、前記即時給湯モードが設定されていない状態で所定時間が経過した場合に、前記制御バルブと前記流路切替バルブを動作させる固着防止手段を有することを特徴とする。
【0021】
この態様によれば、即時給湯モードが設定されていない状態で所定時間が経過した場合に、制御バルブと流路切替バルブを強制的に動作させるので、制御バルブと流路切替バルブが固着しにくい。
【発明の効果】
【0022】
上記態様によれば、暖房用熱源部の停止時に即時給湯モードが設定された場合でも、短時間且つ省エネルギーで湯を即時に供給できる即時給湯システムを提供できる。
【発明を実施するための形態】
【0024】
以下に、本発明に係る即時給湯システムの一態様を、図面に基づいて説明する。
図1は、本発明に係る即時給湯システム(以下「即湯システム」ともいう。)1の一態様を示す概略構成図である。
図2は、
図1に示す即湯システム1の制御ブロック図である。
【0025】
即湯システム1は、ほぼ1年を通じて使用される浴室暖房乾燥機5で使用されなかった熱媒体の余熱を即時給湯装置(以下「即湯装置」ともいう。)6の蓄熱材63に回収し、蓄熱材63の蓄熱を利用して給湯水を加熱するよう構成され、蓄熱材63に自動的に蓄熱する自動蓄熱機能と、回路3,4に配置されたバルブ64,67を定期的に動作させて固着を防ぐ機能を制御ユニット(制御手段、自動蓄熱手段、固着防止手段の一例)25が持つ。以下の説明では、まず、
図1を用いて即湯システム1の概略構成を説明する。次に、
図2を用いて即湯システム1の制御構成を説明する。そして、即湯システム1の動作をいくつかの事例に分けて説明した後、即湯システム1の作用効果を説明する。
【0026】
<即湯システムの概略構成>
図1に示すように、即湯システム1は、屋外に設置される熱源機2を備える。熱源機2には、熱媒体が循環する循環回路3と、給湯水をカラン8に供給する給湯回路4が接続している。循環回路3には、浴室暖房乾燥機5と即湯装置6が配置されている。
【0027】
熱源機2は、循環回路3に配置されて熱媒体を熱媒体設定温度に加熱する暖房用熱源部22と、循環回路3に配置されるポンプ23と、給湯回路4に配置されて給湯水を給湯設定温度に加熱する給湯用熱源部24が、ハウジング21に内設されている。熱源用リモコン26は、熱源機2の動作を設定するものであり、液晶画面27や、熱源用リモコン26をON/OFFする熱源用リモコン電源スイッチ28、給湯設定温度を設定する給湯設定温度設定スイッチ29等が設けられている。熱源用リモコン26は、例えば、キッチンや脱衣室の壁面に取り付けられる。
【0028】
循環回路3は、ハウジング21の内部に設けられた熱媒体共通管35と、ハウジング21の外部に設けられた複数の分岐管からなる。熱媒体共通管35に暖房用熱源機22が配置されている。分岐管は、それぞれ、往き配管31と戻り配管32を含む。分岐管の一つは、暖房用熱源部22から浴室暖房乾燥機5に熱媒体を流す往き配管31と、浴室暖房乾燥機5から暖房用熱源部22へ熱媒体を流す戻り配管32より構成される。これら複数の往き配管31と戻り配管32は、出口側ヘッダ33と入口側ヘッダ34を介して熱媒体共通管35に接続されている。
【0029】
浴室暖房乾燥機5は、熱媒体の熱により空気を加熱して温風を浴室へ送り出す温風発生手段52や、温風発生手段52の非稼働時に往き配管31から戻り配管32への熱媒体の供給を制御する熱動弁53等が、ハウジング51に内設されている。浴室暖房乾燥機5は、浴室暖房・乾燥、衣類乾燥など多機能を備え、浴室のカビ発生防止や悪天候時の衣類乾燥の目的で1年を通じてほぼ毎日使用され、冬のみ使用される床暖房等の暖房機器と異なる特性を有する。乾燥機用リモコン54は、浴室暖房乾燥機5の温風発生手段52や熱動弁53等に接続され、浴室暖房乾燥機5の運転制御や設定を行う。乾燥機用リモコン54には、浴室の乾燥を指示する浴室乾燥指示スイッチ56、衣類の乾燥を指示する衣類乾燥指示スイッチ57、浴室の暖房を指示する暖房指示スイッチ58、液晶画面59等が設けられている。
【0030】
給湯回路4は、給湯用熱源部24へ水を供給する給水管41と、給湯用熱源部24で加熱された給湯水をカラン8に供給する給湯管42を備える。給水管41と給湯管42は、カラン8の上流側で給水用バイパス管43を介して接続している。給水用バイパス管43と給湯管42の接続点P1には、ミキシングバルブ44が配設され、給水管41の水と給湯管42の湯を混合する割合を制御する。ミキシングバルブ44の下流側には、カラン8に供給する給湯水の温度を検出する給湯温度センサ45が配設されている。尚、給水管は、ハウジング21の外部で複数に分岐しても良いことは言うまでもない。
【0031】
給湯用バイパス管9は、給湯回路4の給湯用熱源部24より下流側、すなわち、給湯管42に設けられている。即湯装置6は、給湯回路4(給湯管42)と給湯用バイパス管9の上流側接続点P2に制御バルブ67を配設している。制御バルブ67は、給湯水の供給先を制御する三方弁であって、給湯水を入力するaポート67aと、給湯水を給湯用バイパス管9に出力するbポート67bと、給湯水を給湯回路4(給湯管42)に出力するcポート67cを備える。尚、説明の便宜上、給湯管42のうち、制御バルブ67より上流側を給湯水上流管42a、制御バルブ67より下流側を給湯水下流管42bという。
【0032】
ここで、給湯水上流管42aから給湯用バイパス管9へ給湯水を絞らずにそのまま供給すると、液液熱交換器62の能力を大きくしなければ、液液熱交換62で給湯水を加熱できない。つまり、液液交換器62が大型になり、ひいては、即湯装置6が大型になる。一方、使用者が即時に得たい湯は、風呂の湯張りやシャワーなどでない限り、流量がそれほど必要でないと考えられる。そこで、給湯用バイパス管9は、給湯管42の上流側接点P2と液液熱交換器62との間に流量調整弁69が配設され、制御バルブ67から供給される給湯水の流量を絞って液液熱交換器62へ供給するようにしている。本実施形態では、給湯管42を流れる給湯水の流量が約12L/minであるのに対して、流量調整弁69は給湯水を約3L/minに絞るよう構成されている。
【0033】
即湯装置6は、液液熱交換器62と、液液熱交換器62を覆う蓄熱材63が、ハウジング61に内設されている。液液熱交換器62は、循環回路3(戻り配管32)を流れる熱媒体と給湯用バイパス管9を流れる給湯水との間で熱交換を行うことにより給湯水を加熱するように設けられている。蓄熱材63は、熱伝導率を高めるために、戻り配管32と給湯用バイパス管9に密着又は近接するように配設されている。本実施形態では、液液熱交換器62が、戻り配管32に接続する外管の内側に、給湯用バイパス管9に接続する内管を配置する構成をなし、例えば、三菱電線工業製の蓄熱温度が65℃の蓄熱シートを蓄熱材63として液液熱交換器62の外管に巻き付けて密着させている。尚、蓄熱温度はこれに限定されないことは言うまでもない。
【0034】
即湯装置6は、給湯動作が開始されると直ぐに出湯して欲しいカラン8の近くに配置され、カラン8までの距離(給湯水下流管42bの長さ)を短くして即湯装置6で加熱された湯の放熱を小さくしている。本実施形態では、例えば、流し台の下に即湯装置6を設置している。
【0035】
戻り配管32には、液液熱交換器62の上流側と液液熱交換器62の下流側を接続する熱媒体用バイパス管10が設けられている。即湯装置6は、戻り配管32と熱媒体用バイパス管10の上流側接続点P4に流路切替バルブ64を配設している。流路切替バルブ64は、熱媒体の供給先を切り替える三方弁であって、熱媒体を入力する第1ポート64aと、熱媒体を熱媒体用バイパス管10に出力する第2ポート64bと、熱媒体を液液熱交換器62に出力する第3ポート64cを備える。
【0036】
即湯装置6は、液液熱交換器62に入力する熱媒体の入力側温度を検出する熱媒体入力側温度センサ65と、液液熱交換器62から出力される熱媒体の出力側温度を検出する熱媒体出力側温度センサ66を備える。熱媒体入力側温度センサ65は、流路切替バルブ64の上流側に配置され、浴室暖房乾燥機5で熱回収された熱媒体の温度を常時検出する。熱媒体出力側温度センサ66は、熱媒体用バイパス管10の下流側接続点P5と液液熱交換器62との間、更に言えば、ハウジング61の内部で液液熱交換器62の出口付近に設けられ、液液熱交換器62を通過した直後の熱媒体の温度を検出する。
【0037】
即湯装置6は、給湯用バイパス管9の液液熱交換器62の下流側、更に言えば、液液熱交換器62と給湯用バイパス管9の下流側接続点P3との間に即湯用温度センサ68が配設され、液液熱交換器62を通過した給湯水の温度を検出する。
【0038】
即湯装置6は、熱源用リモコン26と別に設けられた即湯用リモコン7を備える。即湯用リモコン7は、液晶画面71と、即湯用リモコン7をON/OFFする即湯用リモコン電源スイッチ(給湯水をカラン8に即時に供給する即時給湯モードを設定する即時給湯モード設定手段の一例)72と、即時給湯モードが設定された場合に供給する湯の即湯設定温度を設定する即湯設定温度設定スイッチ(即湯設定温度設定手段の一例)73と、即湯設定温度の湯を供給可能であることを通知する即湯準備完了表示ランプ74と、即湯設定温度の湯を供給できるように準備していることを通知する即湯準備中表示ランプ75と、即時給湯モードが設定されていないこと(即湯用リモコン7がOFFされていることを通知する即湯未設定表示ランプ76と、蓄熱材63に自動的に蓄熱する自動蓄熱機能を解除する解除時間帯を設定する解除時間帯設定スイッチ(解除時間帯設定手段の一例)77などを備える。尚、液晶画面71に、即湯準備完了、即湯準備中、即湯未設定を表示することにより、表示ランプ74,75,76を省いても良いことは言うまでもない。また、タッチパネルで各スイッチを構成しても良いことは言うまでもない。
【0039】
即湯システム1は、熱源機2のハウジング21に内設される制御ユニット(制御手段、自動蓄熱手段、固着防止手段の一例)25により、動作を制御される。制御ユニット25は、周知のマイクロコンピュータで構成される。
【0040】
<即湯システムの制御構成>
制御ユニット25は、熱源機2の暖房用熱源部22と、ポンプ23と、給湯用熱源部24と、熱源用リモコン26の液晶画面27と、熱源用リモコン電源スイッチ28と、給湯設定温度設定スイッチ29と、給湯回路4のミキシングバルブ44と、給湯温度センサ45と、即湯装置6の流路切替バルブ64と、熱媒体入力側温度センサ65と、熱媒体出力側温度センサ66と、制御バルブ67と、即湯温度センサ68と、流量調整弁69と、即湯用リモコン7の液晶画面71と、即湯用リモコン電源スイッチ72と、即湯設定温度設定スイッチ73と、即湯準備完了表示ランプ74と、即湯準備中表示ランプ75と、即湯未設定表示ランプ76と、解除時間帯設定スイッチ77に、電気信号を送受信可能に接続されている。尚、制御ユニット25は、浴室暖房乾燥機5の熱動弁53にも接続され、浴室暖房乾燥機5から独立して熱動弁53の動作を制御できるようになっている。
【0041】
<即湯システムの動作説明>
即湯システム1は、給湯設定温度が熱源用リモコン26の給湯設定温度設定スイッチ29により設定される一方、即湯設定温度が即湯用リモコン7の即湯設定温度設定スイッチ73により設定される。このように、給湯設定温度と即湯設定温度が、別個のリモコン26,7で設定されるため、給湯設定温度と別の即湯設定温度を設定でき、また、例えば、給湯設定温度を誤って即湯設定温度に設定しにくい。
【0042】
以下、即湯システム1の給湯動作について、即時給湯モードが未設定の場合、即湯設定温度が給湯設定温度より低温の場合、即湯設定温度が給湯設定温度以上で、浴室暖房乾燥機5の運転中に即時給湯モードが設定された場合、即湯設定温度が給湯設定温度以上で、浴室暖房乾燥機5の停止中に即時給湯モードが設定された場合に分けて説明する。その後、自動蓄熱機能、固着防止機能について説明する。
【0043】
<即時給湯モードが未設定の場合>
即湯システム1は、即湯用リモコン7の電源スイッチ72がOFFされている場合、即時給湯モードが設定されない。この場合、制御ユニット25は、aポート67aをcポート67cに連通させるように制御バルブ67を制御している。制御ユニット25は、給湯用熱源部24を動作させ、給水管41から給湯用熱源部24に供給された水を給湯設定温度に加熱する。加熱された給湯水は、給湯水上流管42aから給湯水下流管42bへ流れる。制御ユニット25は、給湯温度センサ45が検出する温度が、要求された温度となるようにミキシングバルブ44をフィードバック制御する。尚、即時給湯モードが未設定の場合、制御ユニット25は、即湯未設定表示ランプ76を消灯している。
【0044】
<即湯設定温度が給湯設定温度より低温の場合>
即湯システム1は、即湯設定温度が給湯設定温度より低温である場合に、即湯用リモコン7の電源スイッチ72がONされ、即時給湯モードが設定されたときには、給湯用熱源部24の方が液液熱交換器62より給湯水を短時間で加熱できるので、aポート67aをcポート67cに連通させるように制御バルブ67を動作させる。そして、制御ユニット25は、給湯用熱源部24を駆動させ、給湯用熱源部24で水を給湯設定温度に加熱する。加熱された湯は、給湯水上流管42aから給湯水下流管42bへ流れ、ミキシングバルブ44により即湯設定温度に調整された後、カラン8に供給される。尚、制御ユニット25は、給湯用熱源部24により即湯設定温度の湯を即時に供給できるので、電源スイッチ72がONされると直ぐに、即湯準備完了表示ランプ74を点灯させる。
【0045】
<即湯設定温度が給湯設定温度以上で、浴室暖房乾燥機5の運転中に即時給湯モードが設定された場合>
即湯システム1は、乾燥機用リモコン54の浴室乾燥指示スイッチ56、衣類乾燥指示スイッチ57、暖房指示スイッチ58の何れかがONされると、制御ユニット25が暖房用熱源部22とポンプ23を駆動させる。また、浴室暖房乾燥機5は、温風発生手段52を駆動すると共に、熱動弁53を弁開状態にする。暖房用熱源部22で熱媒体設定温度(例えば、75℃以上80℃以下)に加熱された熱媒体は、往き配管31を介して温風発生手段52に供給される。浴室暖房乾燥機5は、温風発生手段52が浴室から吸い込んだ空気を熱媒体の熱で温めて浴室へ温風を送り出すことにより、浴室を乾燥・暖房させる。温風発生手段52で熱回収された熱媒体は、戻り配管32を介して液液熱交換器62に供給される。この熱媒体は、余熱(例えば60℃以上65℃以下)を有する。液液熱交換器62は蓄熱材63で覆われており、熱媒体は蓄熱材63に余熱を回収された後、暖房用熱源部22に戻されて再加熱される。
【0046】
この浴室暖房乾燥機5の運転中に、即湯用リモコン7の電源スイッチ72がONされて即時給湯モードが設定されると、制御ユニット25は、aポート67aをbポート67bに連通させるように制御バルブ67を動作させ、給湯水上流管42aから給湯用バイパス管9へ給湯水を供給する。また、制御ユニット25は、給湯水上流管42aから液液熱交換器62へ供給する給湯水の流量が液液熱交換器62の能力に対応するように、流量調整弁69の弁開度を制御する。液液熱交換器62を通過した給湯水の即湯温度は、即湯温度センサ68に検出されている。ここで、循環回路3を循環する熱媒体、液液熱交換器62、及び、蓄熱材63は、加熱されている。そこで、制御ユニット25は、省エネ効果が最大となるように、即湯温度に基づいて給湯用バイパス管9を流れる給湯水と熱交換する対象を変える。
【0047】
具体的には、制御ユニット25は、即湯温度が即湯設定温度に対して−2℃未満である場合には、蓄熱材63が給湯水に効率よく熱を供給していると考えられるので、第1ポート64aを第2ポート64bに連通させるように流路切替バルブ64を切り替え、熱媒体を液液熱交換器に供給しない。この場合、給湯用バイパス管9に供給された給湯水は、液液熱交換器62及び蓄熱材63と熱交換して加熱された後、カラン8に供給される。このように、給湯水と熱交換する対象を液液熱交換器62及び蓄熱材63とし、熱媒体を液液熱交換器62に供給しないので、戻り配管32を流れる熱媒体の放熱量を減らし、暖房用熱源部22が熱媒体を加熱するために消費するエネルギーを減らすことができる。
【0048】
一方、制御ユニット25は、即湯温度が即湯設定温度に対して−2℃以上となった場合には、蓄熱材63が熱不足であると考えられるので、第1ポート64aを第3ポート64cに連通させるように流路切替バルブ64を切り替え、熱媒体を液液熱交換器62に供給する。この場合、給湯用バイパス管9に供給された給湯水は、液液熱交換器62を通過する熱媒体と熱交換して直ちに即湯設定温度に加熱され、カラン8に供給される。また、蓄熱材63は、熱媒体の余熱を回収する。このように、熱媒体を液液熱交換器62に供給し、熱媒体で給湯水を加熱すると共に、蓄熱材63に蓄熱を行わせるので、給湯水の即時供給と蓄熱材63の蓄熱を低エネルギーで効率良く行うことができる。
【0049】
その後、制御ユニット25は、即湯温度が即湯設定温度に対して−2℃未満になると、再び、第1ポート64aを第2ポート64bに連通させるように流路切替バルブ64を切り替え、給湯水を蓄熱材63により加熱する。
【0050】
尚、浴室暖房乾燥機5の運転中は、熱媒体、液液熱交換器62、蓄熱材63の何れかで給湯水を即湯設定温度に即時に加熱できるので、制御ユニット25は、電源スイッチ72がONされると直ぐに、即湯準備完了表示ランプ75を点灯させる。
【0051】
<即湯設定温度が給湯設定温度以上で、浴室暖房乾燥機5の停止中に即時給湯モードが設定された場合>
即湯システム1の制御ユニット25は、浴室暖房乾燥機5の停止中に即湯用リモコン7の電源スイッチ72がONされて即時給湯モードを設定されると、熱動弁52に弁開動作させ、暖房用熱源部22とポンプ23を駆動する。これにより、浴室暖房乾燥機5が運転されない状態でも、熱媒体が加熱されながら循環回路3を循環し始める。そして、制御ユニット25は、aポート67aをbポート67bに連通させるように制御バルブ67を動作させ、給湯水を液液熱交換器62に供給すると共に、流量調整弁69の弁開度を制御する。
【0052】
浴室暖房乾燥機5の停止中は、熱媒体の温度が熱媒体設定温度より低い。そのため、即時給湯モード設定後直ぐに、低温の熱媒体を液液熱交換器62に供給しても、給湯水が加熱されない。それどころか、低温の熱媒体が蓄熱材63の熱を奪う恐れがある。そこで、制御ユニット25は、熱媒体入力側温度センサ65が検出する熱媒体入力側温度が熱媒体設定温度になるまで、第1ポート64aを第2ポート64bに連通させるように流路切替バルブ64を切り替え、熱媒体を液液熱交換器62に供給しない。
【0053】
ここで、蓄熱材63は、浴室暖房乾燥機5が停止された後、数時間は所定の蓄熱温度を維持する。
【0054】
制御ユニット25は、電源スイッチ72がONされたのが、浴室暖房乾燥機5が停止してから数時間以上経過した後であり、蓄熱材63が所定の蓄熱温度を維持していない場合には、即湯準備中表示ランプ75を点灯させる。その後、制御ユニット25は、熱媒体入力側温度センサ65が熱媒体設定温度を検出すると、第1ポート64aを第3ポート64cに連通させるように流路切替バルブ64を切り替え、熱媒体を液液熱交換器62に供給する。蓄熱材63は、熱媒体の熱を回収し、蓄熱する。この時点で、熱媒体の熱により給湯水を即湯設定温度に加熱できるようになるので、制御ユニット25は、即時準備中表示ランプ75を消灯させ、即時準備完了表示ランプ74を点灯させる。よって、使用者は、即湯準備完了表示ランプ74が点灯してからカラン8を開けば、即湯設定温度の湯を得ることができる。
【0055】
これに対して、制御ユニット25は、電源スイッチ72がONされたのが、浴室暖房乾燥機5を停止してから数時間内であり、蓄熱材63が所定の蓄熱温度を維持している場合には、即湯準備完了表示ランプ74を直ぐに点灯させる。この場合に使用者がカラン8を開くと、蓄熱材63と熱交換して即湯設定温度に加熱された給湯水が、カラン8に供給される。
【0056】
制御ユニット25は、熱媒体入力側温度が熱媒体設定温度になったと判断すると、第1ポート64aを第3ポート64cに連通させるように流路切替バルブ64を切り替え、熱媒体を液液熱交換器62に供給する。これにより、給湯用バイパス管9を流れる給湯水は、液液熱交換器62において熱媒体と熱交換し、即湯設定温度に加熱される。また、蓄熱材63は、熱媒体の熱を回収する。
【0057】
尚、熱媒体を熱媒体設定温度に加熱した後の即湯システム1の動作は、上記<即湯設定温度が給湯設定温度以上で、浴室暖房乾燥機5の運転中に即時給湯モードが設定された場合>(但し、温風発生手段52は未稼働)と同様であるので、説明を省略する。
【0058】
上述したように、即湯システム1は、浴室暖房乾燥機5が停止していても、蓄熱材63が蓄熱温度を維持する限り、蓄熱材63で給湯水を即湯設定温度に加熱してカラン8に即時に供給できる。
【0059】
よって、例えば、浴室暖房しながら入浴すると、入浴後数時間は、蓄熱材63が蓄熱温度を維持する。その間に、即湯設定温度を50℃に設定し、50℃洗い調理法を実践すれば、使用者は、厨房のカラン8を開けば50℃の湯を直ぐに容器にためて、作業できる。また、一般家庭において50℃洗い調理法で使用する湯量は多くても10L程度と少量なので、蓄熱材63の熱だけで、50℃洗い調理法に使用する湯を加熱でき、エネルギー消費量を減らせる。
【0060】
また、食器洗い乾燥機は、通常、衛生上の観点より60℃の湯で食器を洗う。即湯システム1を食器洗い乾燥機に接続した場合、即湯設定温度を60℃に設定すれば、食器洗い乾燥機のヒータを使用しなくても、蓄熱材63で加熱した60℃の湯を食器洗い乾燥機に使用できる。この場合、ヒータが消費するエネルギーを省くことができると共に、給湯水を加熱する時間を短縮して食器洗い乾燥に要するトータル時間を短くできる。
【0061】
<自動蓄熱機能>
蓄熱材63は、例えば、浴室暖房乾燥機5が停止された後、数時間経過すると、冷却されて蓄熱温度が低下する。そこで、即湯システム1は、蓄熱材63に自動的に蓄熱する自動蓄熱機能を備える。
【0062】
制御ユニット25は、熱媒体出力側温度センサ66が検出する出力側温度が、熱媒体入力側温度センサ65が検出する入力側温度の差分に基づいて、蓄熱材63の蓄熱状態を監視する。
【0063】
制御ユニット25は、熱媒体の出力側温度と入力側温度との差分が第1所定温度(例えば1℃)未満である場合には、蓄熱材63が十分に蓄熱しており、熱回収しない蓄熱不能状態であると判断する。この場合、制御ユニット25は、第1ポート64aを第2ポート64bに連通させるように流路切替バルブ64を切り替え、熱媒体を液液熱交換器62に供給せず、熱媒体用バイパス管10に供給する。これにより、蓄熱材63が十分蓄熱されている間は、熱媒体が流れる経路が短縮され、熱媒体の無駄な放熱を防げる。つまり、暖房用熱源部22が消費するエネルギーを減らすことができる。
【0064】
制御ユニット25は、熱媒体の出力側温度が入力側温度より第1所定温度(例えば1℃)以上低くなった場合には、蓄熱材63が熱回収する蓄熱可能状態であると判断する。そして、制御ユニット25は、浴室暖房乾燥機5の熱動弁53に弁開動作させ、暖房用熱源部22とポンプ23を駆動させる。このとき、制御ユニット25は、第1ポート64aを第3ポート64cに連通させるように流路切替バルブ64を切り替え、熱媒体を液液熱交換器62に供給する。蓄熱材63は、加熱された熱媒体から熱を回収し、蓄熱する。
【0065】
制御ユニット25は、熱媒体の出力側温度と入力側温度が等しくなると、蓄熱材63が蓄熱不能状態であると判断し、熱動弁53に弁閉動作させ、暖房用熱源部22とポンプ23を停止させる。これ以降も、上記蓄熱不能状態と蓄熱可能状態の動作を行い、蓄熱材63に自動的に蓄熱する。
【0066】
よって、即湯システム1は、自動蓄熱機能により、省エネルギーで常に蓄熱材63が蓄熱した状態となり、カラン8を開いて給湯動作を開始すると、いつでも湯を即時に供給することができる。
【0067】
ところで、一般家庭の給湯需要は、生活パターンによりある程度決まる。例えば、家族が寝ている夜間(例えば23時から翌朝4時)は、給湯需要がなく、暖房用熱源部22やポンプ23、熱動弁53をわざわざ稼働させて蓄熱材63に蓄熱するのは、エネルギーの無駄である。そこで、使用者は、即湯用リモコン7の解除時間帯設定スイッチ77を用いて、自動蓄熱動作を停止する時間帯(例えば23時から翌朝4時)を設定する。制御ユニット25は、時計機能を備え、解除時間帯設定スイッチ77により設定された時間帯は、熱媒体の出力側温度が入力側温度より1℃以上低くなっても、暖房用熱源部22とポンプ23と熱動弁53を稼働させない。よって、即湯システム1は、使用者が望まない時間帯まで蓄熱材63に自動蓄熱せず、エネルギーロスが少ない。
【0068】
<固着防止機能>
即時給湯モードが未設定の場合、制御ユニット25は、制御バルブ67と流路切替バルブ64を、給湯水と熱媒体を液液熱交換器62に供給しない状態にしている。このとき、制御バルブ67と流路切替バルブ64と流量調整弁69には、流体圧が常時作用している。そのため、即湯用リモコン7が長期間(例えば1ヶ月以上)OFFされている(即時給湯モードが設定されない)と、制御バルブ67と流路切替バルブ64の弁部が固着する恐れがある。
【0069】
そこで、制御ユニット25は、即時給湯モードが設定されていない状態で所定時間(例えば1ヶ月)が経過した場合に、液液熱交換器62に給湯水と熱媒体を供給するように制御バルブ67と流路切替バルブ64と流量調整弁69を強制的に動作させる。これにより、即湯用リモコン7が1ヶ月以上空けてONされた(即時給湯モードが設定された)場合でも、制御バルブ67と流路切替バルブ64と流量調整弁69が固着しにくい。つまり、即湯システム1は、制御バルブ67と流路切替バルブ64と流量調整弁69を常に応答性良く作動させ、即時設定温度の湯をカラン8に即時に供給することができる。
【0070】
<即時給湯システムの作用効果>
以上説明したように、即湯システム1は、1年を通じてほぼ毎日使用される浴室暖房乾燥機5が配置される循環回路3の戻り配管32に液液熱交換器62を配置し、その液液熱交換器62を蓄熱材63で覆っているため、浴室暖房乾燥機5で使用されなかった熱媒体の余熱を蓄熱材63にほぼ毎日蓄熱し、蓄熱材63が蓄熱温度を維持する間であれば、暖房用熱源部22を駆動しなくても、給湯管42(給湯水上流管42a)に残った給湯水を蓄熱材で加熱し、短時間かつ省エネルギーで湯をカランに即時に供給することができる。
【0071】
尚、本発明は、上記態様に限定されることなく、色々な応用が可能である。
例えば、上記実施形態では、制御ユニット25が熱媒体出力側温度センサ66と熱媒体入力側温度センサ65が検出する温度の差分に基づいて蓄熱不能状態と蓄熱可能状態を判断した。これに対して、蓄熱材63の蓄熱温度を検出する蓄熱温度センサを蓄熱材63の側面に設け、蓄熱温度が基準値を超える場合には蓄熱不能状態と判断し、蓄熱温度が基準値以下である場合には蓄熱可能状態と判断するようにしても良い。