【実施例】
【0017】
(パチンコ機10について)
実施例に係るパチンコ機10は、
図1に示すように、前後に開口する矩形枠状に形成されて遊技店の図示しない設置枠台に縦置き姿勢で設置される固定枠としての外枠11の開口前面側に、遊技盤20を着脱可能に保持する本体枠としての中枠12が開閉および着脱可能に組み付けられて、該遊技盤20の裏側に、所定条件の成立(後述する始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を契機として演出用の図柄(以下飾図という)を変動表示させて図柄変動演出を行う演出実行手段としての図柄表示装置(図柄表示手段)17が着脱可能に配設されている。また、前記中枠12の前面側には、前記遊技盤20を透視保護するガラス板や透明な合成樹脂材により形成された透視保護板(図示せず)で前後に開口する窓口13aを覆うよう構成された装飾枠としての前枠13が開閉可能に組み付けられると共に、該前枠13の下方にパチンコ球を貯留する下球受け皿15が開閉可能に組み付けられる。なお、実施例では、前記前枠13の下部位置に、パチンコ球を貯留する上球受け皿14が一体的に組み付けられており、前枠13の開閉に合わせて上球受け皿14も一体的に開閉するよう構成される。
【0018】
また、前枠13には、窓口13aの外周を囲繞するようランプ装置(発光手段)18が配設されると共に、前枠13の上隅部に、音声や効果音を出力可能なスピーカ(音出力手段)19が配設されている。すなわち、前記ランプ装置18に設けられたLED等の発光体(図示せず)を点灯・点滅したり、前記スピーカ19から適宜の音声を出力することで、前記図柄表示装置17での図柄変動演出に合わせて発光演出や音声演出を行い得るよう構成されている。すなわち、前記前枠13に配設された前記ランプ装置18やスピーカ19も演出実行手段として機能している。
【0019】
また、前記中枠12の右下方位置には、該中枠12に配設された打球発射装置(図示せず)を作動する操作ハンドル16が設けられている。前記操作ハンドル16は、左回転方向に付勢された操作レバー16aを備えており、該操作レバー16aを右回転するよう遊技者が回動操作することで打球発射装置が作動されて、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球が前記遊技盤20の遊技領域20aに向けて1球ずつ発射されるようになっている。なお、実施例では、前記上球受け皿14に貯留されたパチンコ球を所定の発射間隔(0.6s(秒)間隔)で遊技盤20に向けて連続的に発射し得るようになっている。また、前記操作レバー16aの回動量に応じて前記打球発射装置によるパチンコ球の打球力が強弱変化するよう構成されており、遊技者が操作レバー16aの回動量を調節することで、前記遊技領域20aへのパチンコ球の発射位置を任意に変更し得るようになっている。なお、実施例では、前記図柄表示装置17としては、飾図の他に各種絵柄やキャラクタ等を表示可能な液晶パネルを収容ケースに収容した液晶表示装置が採用されているが、これに限られるものではなく、ドラム式の図柄表示装置やドットマトリックス式の図柄表示装置等の各種図柄を停止および変動表示可能な従来公知の各種の表示装置を採用し得る。また、前記上球受け皿14は、前記前枠13と別体に形成して中枠12に対して開閉可能に組み付けるようにしてもよい。
【0020】
図1に示す如く、前記上球受け皿14の上面には、遊技者が操作可能な操作手段としての第1操作ボタン36および第2操作ボタン37a,37bが設けられている。実施例では、第1操作ボタン36は、1つのボタンを備えた押しボタン式とされ、第2操作ボタン37a,37bは、押しボタン式で左右2つ設けられている。操作ボタン36,37a,37bは、押下したときに押下信号を統括制御基板65の統括制御CPU65aに出力するよう構成されており、該統括制御CPU65aは、後述する各種の有効期間において、押下信号を受け付けるよう構成されている。また、第1操作ボタン36および第2操作ボタン37a,37bの内部には、図示しないがLED等の発光体を配設したランプ装置が配設され、該ランプ装置を発光することで、操作ボタン36,37a,37bの操作時期等を知らせ得るよう構成されている。具体的には、操作が有効である場合には、ランプ装置が点灯し、操作が無効である場合にはランプ装置が消灯するようになっている。
【0021】
前記パチンコ機10の裏側には、図示しないが、球払出装置を駆動制御する払出制御基板(払出制御手段)、前記打球発射装置を駆動制御する発射制御基板等が配設されている。前記払出制御基板は、前記パチンコ機10の後側に配設されるメイン制御基板(
図8参照)60に配線接続されており、該メイン制御基板60のメイン制御CPU60aから出力された制御信号が払出制御基板に入力され、該制御信号に基づいて払出制御基板が球払出装置を制御することで、所要数のパチンコ球を賞球として払い出すよう構成される。
【0022】
(遊技盤20について)
前記遊技盤20は、
図2に示すように、ベニヤ材や合成樹脂材により形成された略矩形状の板部材であって、遊技盤20の裏面側に、前記図柄表示装置17が着脱可能に組み付けられている。前記遊技盤20の前面には、略円形状に湾曲形成した案内レール21が配設されており、該案内レール21により画成される略円形の遊技領域20aに、前記中枠12に配設された図示しない打球発射装置から発射されたパチンコ球が打ち出されることで遊技が行われるようになっている。また、前記遊技盤20には、前後に貫通する装着口(図示せず)が適宜位置に開設されており、各装着口に対して各種の遊技盤設置部品(具体的には後述する枠状装飾体25、特別入賞装置40、ゲート部材48、普通入賞装置45等)が前側から取り付けられると共に、遊技領域20aの最下部位置には、該遊技領域20aに打ち出されたパチンコ球を排出するアウト口22が開設されている。なお、前記装着口の形成数は、遊技盤20に取り付けられる各種遊技盤設置部品の個数や配設位置等により必要に応じて適宜変更される。
【0023】
ここで、実施例の前記遊技盤20には、
図2に示すように、前記案内レール21で囲まれた遊技領域20aの略中央で開口する装着口に、前後に開口する表示窓口25aが形成されたセンター役とも称される枠状装飾体25が取り付けられ、該枠状装飾体25の表示窓口25aを介して図柄表示装置17の画像表示面17aが遊技盤20の前面側に臨むよう構成されている。なお、前記遊技盤20には、前記遊技領域20a内に多数の遊技釘23が設けられており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が遊技釘23に接触することで、流下方向が不規則に変化するよう構成されている。また、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右側下方位置に開設された装着口に、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な特別入賞口(特別入賞手段)41を有する特別入賞装置(入賞手段)40が取り付けられている。
【0024】
ここで、前記枠状装飾体25は、その全周に亘って前記遊技盤20の前面から前方へ突出するよう形成されて、前記遊技領域20aと表示窓口25aとを区画するよう構成されており、遊技領域20aを流下するパチンコ球が枠状装飾体25の表示窓口25a内側に進入しないようになっている。すなわち、実施例の遊技領域20aは、前記枠状装飾体25の左側に画成される第1球流下経路と、当該枠状装飾体25の右側に画成される第2球流下経路とに区画されて、遊技盤20の遊技領域20aに打ち出されるパチンコ球の位置や発射強度に応じて、該第1球流下経路または第2球流下経路をパチンコ球が流下するようになっている。
【0025】
前記遊技盤20には、遊技領域20aを流下するパチンコ球が入賞可能な入賞口30,31,41,46が適宜の位置に設けられており、各入賞口30,31,41,46へのパチンコ球の入賞(具体的には、後述する各入賞検出センサ34,35,44,47a,47bの検出)を賞球の払出条件として、各入賞口毎に定めた払い出し個数の賞球が払い出されるよう構成されている。実施例のパチンコ機10では、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立すると共に図柄変動演出(後述する特図変動表示)の開始条件が成立する始動入賞口(始動入賞手段)30,31と、後述する特別遊技としての当り遊技の発生を契機としてパチンコ球の入賞が可能となると共にパチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する特別入賞口(特別入賞手段)41と、パチンコ球の入賞を契機として賞球の払出条件が成立する普通入賞口46とが設けられている。具体的に、前記始動入賞口30,31は、前記第1球流下経路および第2球流下経路の夫々に設けられ、前記特別入賞口41は、前記遊技領域20aの第2球流下経路に設けられると共に、前記普通入賞口46は、遊技領域20aの第1球流下経路および第2球流下経路の夫々に設けられている。なお、実施例のパチンコ機10では、当り遊技として、当り遊技後の遊技状態が当り遊技の種類に応じて定まる大当り遊技および小当り遊技が設定されており、以下大当り遊技および小当り遊技と表示する場合もある。
【0026】
(第1始動入賞口30および第2始動入賞口31について)
前記枠状装飾体25の下方で遊技盤20の左右方向の中央位置に、第1始動入賞口(始動入賞手段)30が設けられると共に、該第1始動入賞口30より右側位置に、第2始動入賞口(始動入賞手段)31が設けられている。第1始動入賞口30は、遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放型の入賞口とされ、枠状装飾体25の下側の遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が入賞可能に構成される。前記第2始動入賞口31は、
図2に示す如く、遊技盤20における枠状装飾体25の下方右側に配設された始動入賞装置29に設けられて該枠状装飾体25の右側に画成される遊技領域20a(第2球流下経路)内で開口している。また始動入賞装置29に、第2始動入賞口31を開閉する開閉部材33が設けられており、駆動手段としての始動入賞ソレノイド32(
図8参照)の駆動に伴って開閉部材33が第2始動入賞口31を閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。
【0027】
すなわち、実施例において前記第1始動入賞口30は、前記遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞可能に構成され、第2始動入賞口31は、始動入賞ソレノイド32を駆動することでパチンコ球の入賞確率を可変し得るよう構成されている。ここで、前記開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞が阻止されて、前記遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が低くなるよう設定されている。一方で、前記開閉部材33が開放位置に変位した状態では、開閉部材33で受止められたパチンコ球が第2始動入賞口31に案内されることで、前記遊技領域20a(第1球流下経路)を流下するパチンコ球が第1始動入賞口30へ入賞する確率よりも、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が第2始動入賞口31へ入賞する確率の方が高くなるよう設定されている。実施例では、前記開閉部材33が閉鎖位置に変位した状態では、前記第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞しないよう構成されているが(入賞確率0%)、パチンコ球が入賞可能な程度に第2始動入賞口31を開放させるようにしてもよい。
【0028】
また、前記第1および第2始動入賞口30,31は、該第1および第2始動入賞口30,31に入賞したパチンコ球を検出する入賞検出手段としての始動入賞検出センサ34,35(
図8参照)が設けられている。前記始動入賞検出センサ34,35は、パチンコ機10の裏側に配設されたメイン制御基板60(
図8参照)に配線接続されている。そして、始動入賞検出センサ34,35からの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。すなわち、メイン制御CPU60aは、所定の払出条件の成立に伴い、払い出し賞球数を決定する賞球数決定手段としての機能を有している。具体的に、第1始動入賞口30に対応した始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、第2始動入賞口31に対応した始動入賞検出センサ35によるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では3個)の賞球が払い出されるようになっている。なお、第1始動入賞口30および第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数を異なるようにしてもよい。
【0029】
また、始動入賞検出センサ34,35によるパチンコ球の検出(すなわち第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞)を遊技の開始条件として、前記メイン制御CPU60aが入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を取得して、この取得した情報に基づいて後述する特図当り抽選(大当り判定および小当り判定)が行われるよう構成されている。そして、特図当り抽選の結果に基づいて前記図柄表示装置17において図柄変動演出が実行されると共に、後述する特図表示部50A,50Bにおいて特図変動が実行されるようになっている。そして、前記図柄表示装置17での図柄変動演出の結果、該図柄表示装置17に所定の当り表示(大当り表示および小当り表示)となる図柄組み合わせ(例えば同一飾図の3つ揃い等)で飾図が確定停止表示されることで、遊技者に有利な当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与され、当り遊技の発生に伴って前記特別入賞口41を所定の開放条件で開放する当り遊技が行われて、遊技者が賞球を獲得し得る機会が与えられるよう構成されている。
【0030】
ここで、実施例では、前記始動入賞検出センサ34,35が始動入賞口30,31毎に設けられており、以下の説明では、第1始動入賞口30に対応するセンサを第1始動入賞検出センサ34と指称し、第2始動入賞口31に対応するセンサを第2始動入賞検出センサ35と指称するものとする。また、メイン制御基板60は、第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35からの検出信号が入力されると、払出制御基板(図示せず)に制御信号を出力して、前記球払出装置に所定数の賞球を払い出させるよう構成される。なお、球払出装置から払い出される賞球数は、前述したようにパチンコ球が入賞した始動口毎に予め設定されている。
【0031】
(特別入賞装置40について)
前記特別入賞装置40は、
図2に示すように、前記遊技盤20における枠状装飾体25の右下方位置の遊技領域20aに配置されている。この特別入賞装置40は、遊技領域20aに開口する特別入賞手段としての特別入賞口41を開閉自在に閉成する開閉体(開閉部材)43を備えており、駆動手段としての特別入賞ソレノイド42(
図8参照)の駆動に伴って開閉体34が閉鎖する閉鎖位置と開放する開放位置に変位するよう構成されている。また、前記特別入賞装置40には、前記特別入賞口41に入賞したパチンコ球を検出する特別入賞検出手段としての特別入賞検出センサ44(
図8参照)が設けられている。特別入賞検出センサ44は、前記メイン制御基板60に配線接続されており、特別入賞検出センサ44がパチンコ球を検出すると、検出信号をメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに出力し、メイン制御CPU60aは、特別入賞検出センサ44からの球検出信号の入力を賞球の払出条件として前記払出制御基板に制御信号を出力して前記球払出装置に予め設定された数(実施例では15個)の賞球を払い出させるようになっている。ここで、前記特別入賞ソレノイド42は、前記第1および第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞を契機として特別入賞口41を開放する当り遊技(大当り遊技および小当り遊技)が付与される場合に、当りの種類に応じた所定の開閉条件に従ってメイン制御基板60によって駆動制御される。
【0032】
(普通入賞装置45について)
前記普通入賞装置45に設けられる普通入賞口46は、
図2に示すように、前記遊技盤20の遊技領域20a内で常に上方へ開口する常時開放タイプの入賞口とされており、該遊技領域20aを流下するパチンコ球が常時一定の確率で入賞し得るよう構成されている。また、前記普通入賞装置45には、該普通入賞口46に入賞したパチンコ球を検出する普通入賞検出手段としての普通入賞検出センサ47a,47b(
図8参照)が設けられている。
【0033】
ここで、実施例では、
図2に示すように、前記遊技領域20aの第1球流下経路に、所定数(実施例では3つ)の普通入賞口46が設けられた普通入賞装置45が配設されると共に、前記遊技領域20aの第2球流下経路に、所定数(実施例では1つ)の普通入賞口46が設けられた普通入賞装置45が設けられている。また、普通入賞検出センサ47a,47bが左右の普通入賞装置45,45毎に設けられており、以下の説明では、左側の普通入賞装置45に対応するセンサを第1普通入賞検出センサ47aと指称し、右側の普通入賞装置45に対応するセンサを第2普通入賞検出センサ47bと指称するものとする。両普通入賞検出センサ47a,47bは、前記メイン制御基板60に配線接続されており、普通入賞検出センサ47a,47bからの検出信号がメイン制御基板60のメイン制御CPU60aに入力されることを賞球の払出条件として、該メイン制御CPU60aが賞球の払い出しを決定するようになっている。具体的に、左側の普通入賞装置45に対応する第1普通入賞検出センサ47aによるパチンコ球の検出(すなわち左側の普通入賞装置45の普通入賞口46へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では7個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。また、右側の普通入賞装置45に対応する第2普通入賞検出センサ47bによるパチンコ球の検出(すなわち右側の普通入賞装置45の普通入賞口46へのパチンコ球の入賞)を契機として賞球の払出条件が成立した場合には、メイン制御CPU60aが所定数(実施例では8個)の賞球の払い出しを決定するよう設定されている。なお、左右の普通入賞装置45,45の普通入賞口46,46へのパチンコ球の入賞時の払い出し賞球数を同じとしてもよい。
【0034】
(ゲート部材48について)
図2に示すように、前記枠状装飾体25の右側には、遊技領域20aの第2球流下経路を流下するパチンコ球が通過可能なゲート部材48が設けられている。前記ゲート部材48にはゲートセンサ49(
図8参照)が配設されており、該ゲート部材48を通過するパチンコ球をゲートセンサ49で検出するよう構成されている。前記ゲートセンサ49は、前記メイン制御基板60(メイン制御CPU60a)に配線接続されており、該ゲートセンサ49からメイン制御基板60への球検出信号の入力(すなわちゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)に伴って各種通過検出情報(後述する普図当り判定用乱数等の乱数情報)が取得され、この取得した情報に基づいて後述する普図当り判定(普図当り抽選)が行われるよう構成されている。そして、この普図当り抽選の結果に応じて前記始動入賞ソレノイド32が駆動制御されて開閉部材33が開閉動作するようになっている。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、ゲートセンサ49によるパチンコ球の検出に基づいて、前記第2始動入賞口31を開放するか否かを決定する入賞口開放判定手段として機能している。
【0035】
(遊技情報表示部Mについて)
前記遊技盤20の所定位置(実施例では、遊技領域20a外の右下部位置)には、前記メイン制御CPU60aにより決定された各種の遊技情報を表示する遊技情報表示部Mが設けられており、当該遊技情報表示部Mを目視することで、遊技に必要な遊技情報を適宜に確認し得るようになっている。ここで、実施例の遊技情報表示部Mには、前記遊技情報を表示する各遊技状態表示部として、特図表示部50A,50B、特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56および状態表示部58が設けられている。なお、前記遊技情報表示部Mの前面は、光透過性のカバー体Maにより覆蓋保護されており、カバー体Maを介して遊技状態表示部Mに表示された各種の遊技情報を確認し得るよう構成されている。
【0036】
(特図表示部50A,50Bについて)
前記特図表示部(表示手段)50A,50Bは、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31への入賞を契機として行われる特図当り判定(特図当り抽選)の結果を示す報知用の特別図柄(以下、特図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、
図2に示すように、特図表示部50A,50Bは、前記第1始動入賞口30への入賞(第1始動入賞検出センサ34による検出)を契機として変動表示(以下特図変動表示という場合がある)を開始する第1特図表示部50Aと、第2始動入賞口31への入賞(第2始動入賞検出センサ35による検出)を契機として特図変動表示を開始する第2特図表示部50Bとからなり、各特図表示部50A,50Bの何れも複数個(実施例では8個ずつ)の発光表示部により構成されている。そして、前記第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞を契機として、第1特図表示部50Aの発光表示部が順次点灯・消灯する特図変動表示が行われ、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するようになっている。また、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞を契機として、第2特図表示部50Bの発光表示部が点灯・消灯する特図変動表示が行われて、最終的に発光表示部が確定的に点灯した点灯位置(点灯パターン)により複数種類の特図の内の1つを表示するよう構成されている。なお、実施例の各発光表示部はLEDにより構成されているが、これに限らず点灯位置を適宜変更して表示態様を可変し得る形態であればよく、また7セグメント表示器やドットマトリックス表示器、小型の液晶表示器、その他特図を表示可能な表示手段を採用できる。
【0037】
ここで、前記特図は、大当りまたは小当りか否かなどの内部抽選の結果を示す報知用の図柄とされ、前記各特図表示部50A,50Bでは、発光表示部の点灯位置により複数種類の特図を表示し得るようになっている。具体的には、各特図表示器50A,50Bにおいて表示し得る特図としては、大当りを認識し得る大当り表示(大当り図柄)としての100種類の特図と、小当りを認識し得る小当り表示(小当り図柄)としての23種類の特図と、はずれを認識し得るはずれ表示(はずれ図柄)としての1種類の特図とが各特図表示部50A,50Bに対応して夫々設定されて、特図当り抽選の結果に応じて1つの特図が決定されて、特図変動表示の結果として、決定された特図が各特図表示器50A,50Bに確定停止表示される。なお、前述した各特図表示部50A,50Bにおいて表示し得る大当り図柄、小当り図柄およびはずれ図柄としての特図の数は一例であって、適宜に変更することができる。そして、前記特図表示部50A,50Bの何れかに、当り表示(大当り表示および小当り表示)としての特図が表示されることで、当り表示に対応した当り遊技(大当り遊技および小当り遊技)が引き続いて遊技者に付与されるようになっている。実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技および小当り遊技については後で詳細に説明する。ここで、小当り抽選(小当り判定)は、大当り抽選(大当り判定)に当選しなかった場合に行われるようになっている。なお、以下の説明では、第1特図表示部50Aで行われる特図変動表示を「第1特図変動表示」と称し、該第1特図変動表示の結果、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特図を特
図1と称する場合がある。同様に、第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示を「第2特図変動表示」と称し、該第2特図変動表示の結果、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特図を特
図2と称する場合がある。
【0038】
(特図保留表示部52,53について)
前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(後述する特図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に特図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該特図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、
図2に示すように、前記特図保留表示部52,53は、前記第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第1特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第1特図保留表示部52と、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数情報)をメイン制御RAM60cが第2特図始動保留情報として記憶した保留数を表示する第2特図保留表示部53とからなり、各特図保留表示部52,53の何れも複数個(実施例では2個ずつ)の発光表示部により構成されている。この第1特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第1特図保留表示部52が設けられると共に、該第2特図始動保留情報の保留数を表示する複数のLED(実施例では2個)から発光表示部が構成された第2特図保留表示部53が設けられている。すなわち、前記第1および第2特図保留表示部52,53の表示内容によって、保留されている第1特図変動表示および第2特図変動表示の回数(図柄変動演出の回数)が報知される。
【0039】
ここで、前記第1特図保留表示部52で表示される第1特図始動保留情報の保留数は、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第1特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。同様に、前記第2特図保留表示部53で表示される第2特図始動保留情報の保留数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞することで1加算されると共に、第2特図変動表示(図柄変動演出)が行われる毎に1減算される。なお、第1および第2特図始動保留情報の保留数には所定の上限数(実施例では何れに対しても「4」)が設定されており、該上限数まで第1および第2特図始動保留情報の保留数を夫々加算し得るよう設定されている。なお、前記第1および第2特図保留表示部52,53の夫々は、隣接した複数(実施例では2つ)のLEDから構成されており、各始動保留記憶数が「1」〜「2」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点灯し、各始動保留記憶数が「3」〜「4」の場合には対応の特図保留表示部52,53が左から順に点滅することで、保留情報の保留数を遊技者が把握し得るようになっている。
【0040】
(普図表示部55について)
前記普図表示部55は、前記ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として行われる普図当り判定(普図当り抽選)の結果を示す報知用の普通図柄(以下、普図という)を特定可能に表示する表示部である。ここで、
図2に示すように、普図表示部55では、ゲートセンサ49のパチンコ球の検出(ゲート部材48のパチンコ球の通過)を契機として、複数種類の普図を変動させて1つの普図を導出する変動表示(以下普図変動表示という場合がある)が行われるようになっている。実施例では、2つのLEDの発光態様にて複数種類(実施例では2種類)の普図を表示するようになっている。具体的には、左側LEDだけが点灯する発光態様および右側LEDだけが点灯する発光態様により普図を示している。なお、以下では、右側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「0」とし、左側LEDだけが点灯することにより示される普図を普図「1」とする。そして、前記普図表示部55の最終的な点灯結果から普図当りまたははずれを認識できるようになっている。具体的には、普図当りの場合に普図表示部55に普図「1」が表示され、はずれの場合に普図「0」が表示される。すなわち、この普図当りを認識できる普図が普図当りの表示結果となり、はずれを認識できる普図が普図はずれの表示結果となる。すなわち、実施例の普図表示部55は、ゲートセンサ49(球通過検出手段)の検出に伴い図柄変動を行うと共に、普図当り判定(第2の当り判定)の判定結果を表示する第2の図柄表示手段として機能するものである。
【0041】
(普図保留表示部56について)
前記普図保留表示部56は、前記ゲート部材48をパチンコ球が通過した際に取得される球通過検出情報(普図当り判定用乱数等の各種乱数情報)を、機内部の記憶手段(実施例では、メイン制御RAM60c)に普図始動保留情報(始動保留情報)として記憶する場合に、当該普図始動保留情報の保留数を特定可能に表示する表示部である。ここで、前記普図保留表示部56は、
図2に示すように、複数個(実施例では2個)の発光表示部により構成されており、該普図保留表示部56の表示内容によって保留されている普図の変動回数が報知される。前記普図保留表示部56で表示される普図始動保留記憶数は、ゲート部材48をパチンコ球が通過すると1加算され、普図変動表示が開始されることにより1減算される。なお、普図始動保留記憶数には所定の上限数(実施例では「4」)が設定されており、該上限数まで普図始動保留記憶数を加算し得るよう設定されている。具体的に、実施例の普図保留表示部56は、普図始動保留記憶数が1〜2の場合には普図保留表示部56が上から順に点灯し、普図始動保留記憶数が3〜4の場合には普図保留表示部56が上から順に点滅することで、普図変動表示が行われる保留数を把握し得るようになっている。
【0042】
(状態表示部58について)
前記状態表示部58は、パチンコ機10において遊技が行われる複数種類の遊技状態が設定されている場合に、当該遊技状態を特定可能に表示する表示部であって、複数個(実施例では3個)のLEDにより構成されている。ここで、実施例ではパチンコ機10に対しては、遊技が行われる遊技状態として後述のように確変状態および変短状態が設定されていることから、状態表示部58のLEDが異なった点灯パターンで点灯することで遊技状態としての確変状態および変短状態を特定するようになっている。ここで、実施例の状態表示部58は、前記第1特図表示部50Aの上方に隣接する1個のLEDと、普図表示部55の上端側に直線的に隣接する2個のLEDとから構成されており、第1特図表示部50Aに隣接するLEDにより確変状態であることを報知すると共に、普図表示部55に隣接するLEDにより変短状態であることを報知するよう構成されている。ここで、パチンコ機10は、当選した大当り図柄の種類に応じて大当り遊技の終了後の遊技状態が定まるよう設定され、大当りの当選を契機に遊技状態を変更可能になっている。また、前記状態表示部58は、特図表示部50A,50Bが大当り図柄を表す点灯パターンで点灯したと同時またはその後の大当り遊技が行われる時に、当選した大当り図柄に対応した大当り遊技の終了後の遊技状態を表示するパターンで点灯するよう設定される。また、状態表示部58は、特図表示部50A,50Bにおいて次の特図変動表示が行われるまで、点灯パターンを維持するよう設定されている。
【0043】
(図柄表示装置17について)
前記図柄表示装置17には、
図2に示すように、前記飾図を変動表示可能な図柄列26a,26b,26cが複数列設定されており、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として、各図柄列26a,26b,26cの飾図が変動開始されるようになっている。実施例の図柄表示装置17には、図柄変動演出の結果として1つの飾図を停止表示可能な複数の有効停止位置27が夫々設定されており、図柄変動演出により、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27を組み合わせた停止図柄有効ライン28に確定停止表示される飾図の図柄組み合わせを導出するようになっている。なお、実施例の図柄表示装置17には、3列の図柄列26a,26b,26cが左右横並び状に設定されると共に、各図柄列26a,26b,26c毎に飾図の有効停止位置27が1箇所ずつ定められており、3列の飾図からなる図柄変動演出が行われるようになっている。すなわち、実施例の図柄表示装置17には、1つの停止図柄有効ライン28が設定されている。以下の説明では、左側から順に左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cと指称する場合がある。
【0044】
また、前記図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cにおける飾図の表示領域は、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに比較して大きな領域で構成されて、特図に比較して飾図が遥かに大きく表示されるようになっている。このため、遊技者は、図柄表示装置17の停止図柄有効ライン28に停止表示された図柄組み合わせから大当り、小当りまたははずれを認識できる。
【0045】
前記図柄表示装置17には、図柄変動演出の開始と共に予め定めた変動方向(実施例では上から下の縦方向)に沿って飾図が移動するよう変動表示されるようになっており、予め定められた停止順序で変動表示されている飾図が各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に停止表示されるようになっている。なお、実施例では、図柄変動演出の開始時に、左図柄列26a、中図柄列26b、右図柄列26cの順で飾図が変動開始し、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの順で停止表示する飾図の変動タイミングを基本として、図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容や特図始動保留情報(後述)の記憶数等に応じて飾図の変動タイミングが適宜に変更されるよう構成されている。
【0046】
また、前記図柄表示装置17では、図柄変動演出が終了する前に各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図が一時的に仮停止表示されて、各図柄列26a,26b,26cの飾図が確定停止表示されることで1回の図柄変動演出が終了するようになっている。すなわち、図柄変動演出(第1特図変動表示および第2特図変動表示)は、1つの特図始動保留情報に基づいて行われる飾図(特
図1および特
図2)の変動開始から確定停止までを1回として実行されるようになっている。なお、「変動表示」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて、有効停止位置27に表示される飾図が所定順序で変化している状態である。そして、飾図の「確定停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に飾図が所定の特図変動インターバル時間に亘って継続して停止表示された状態である。なお、実施例では、第1始動入賞検出センサ34の検出に基づく図柄変動演出(第1特図変動表示)の特図変動インターバル時間として500ms(ミリ秒)が設定され、第2始動入賞検出センサ35の検出に基づく図柄変動演出(第2特図変動表示)の特図変動インターバル時間として500msが設定されている。また、飾図の「仮停止」とは、前記各図柄列26a,26b,26cにおいて有効停止位置27に留まるよう表示された飾図が特図変動インターバル時間だけ継続して停止していない状態である。すなわち、飾図の仮停止には、有効停止位置27において飾図がゆれ変動状態で表示されている状態や、特図変動インターバル時間より短い時間で停止表示されている状態を含んでいる。
【0047】
ここで、第1特図表示部50Aと図柄表示装置17では、第1特図変動表示と該第1特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特
図1と飾図とが確定停止表示される。同様に、第2特図表示部50Bと図柄表示装置17では、第2特図変動表示と該第2特図変動表示に関する図柄変動演出が開始され、特
図2と飾図とが確定停止表示される。なお、第1および第2特図表示部50A,50Bにおいて特図変動表示が同時に行われることはなく、一方の特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている場合には、メイン制御RAM60cに対応する第1または第2特図始動保留情報として保留記憶されるようになっている。
【0048】
ここで、実施例に係る図柄表示装置17には、各図柄列26a,26b,26cに「0」〜「9」の10種類の数字が基本の飾図として設定されており、該基本の飾図が各図柄列26a,26b,26cで順番に変動表示されるようになっている。そして、図柄変動演出において中図柄列(第1の図柄列)26bが最後に図柄変動を停止すると共に、該中図柄列26bの停止前に左図柄列(第2の図柄列)26aおよび右図柄列(第2の図柄列)26cが図柄変動演出を停止するようになっており、左図柄列26a、中図柄列26bおよび右図柄列26cの各々は、飾図が「0」−「1」−「2」−「3」−「4」−「5」−「6」−「7」−「8」−「9」の順に配列されて、該図柄配列が固定された状態で変動するようになっており、遊技者が各飾図の配列間隔を容易に認識し得るように構成されている。なお、飾図としては、これに限られるものではなく、任意の数字や文字、絵柄等のように、遊技者が各飾図を区別して識別し得る形態とされる。そして、実施例の飾図は、大当り遊技の終了後に確変状態(後述)を付与することを確定的に遊技者が認識可能な第1の識別図柄(確変報知図柄)と、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な第2の識別図柄(確変非報知図柄)に分類されている。ここで、実施例においては、「1」、「3」、「5」、「7」、「9」の奇数図柄を第1の識別図柄とし、「0」、「2」、「4」、「6」、「8」の偶数図柄を第2の識別図柄とした例で説明する。なお、本実施形態において大当り遊技終了後に付与可能な確変状態については後で詳細に説明する。また、第1の識別図柄としては、基本となる飾図の中から適宜に設定しても、基本となる飾図以外に定めた特別な飾図を用いることもできる。
【0049】
そして、前記図柄表示装置17における各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27(停止図柄有効ライン28)に確定停止表示された各図柄列26a,26b,26cの飾図が当りの図柄組み合わせであった場合に、当り遊技(大当り遊技または小当遊技)が付与されることを把握し得るようになっている。ここで、実施例では、大当りの図柄組み合わせとして、各図柄列の有効停止位置27に同じ飾図が確定停止表示される図柄組み合わせ(例えば、「222」、「777」等)が設定されている。この大当りを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される大当り表示となり、図柄変動演出の終了後に遊技者に有利な大当り遊技が付与される。また、実施例では、図柄表示装置17で変動表示される前述した基本の飾図とは別に、特殊飾図(特殊図柄)を表示し得るよう設定されており、各図柄列の有効停止位置27の何れか(例えば中図柄列の有効停止位置)に特殊飾図が確定停止表示されることで、所定の大当り遊技または小当り遊技が付与されることを認識できるよう構成されている。この大当り遊技や小当り遊技が発生する可能性を認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17に表示される当り示唆表示となる。一方で、図柄表示装置17の有効停止位置27に確定停止表示された全列の図柄が1つでも異なる種類の場合には、その図柄組み合わせ(例えば「123」、「734」、「171」等)から、原則的には当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)が付与されない「はずれ」であることを認識できる。このはずれを認識できる飾図の図柄組み合わせが、図柄表示装置17のはずれ表示となる。但し、このような3列の飾図が全て同一でない図柄組み合わせのうち、特定の図柄組み合わせを所定の演出(例えば、所定の大当り遊技)が実行される契機として用いることも可能である。特定の図柄組み合わせとは、当該図柄組み合わせから遊技者が何らかの法則性や意味を認識または連想し得るものである。特定の図柄組み合わせの具体例としては、3列の飾図が連続した昇順または降順で並ぶ図柄組み合わせ(例えば、「123」、「321」)や、左図柄列26aおよび中図柄列26bの飾図が同一で、右図柄列26cの飾図の値が1つずれた図柄組み合わせ(例えば、「778」)、3列の飾図が所定の語呂合わせとなる図柄組み合わせ(例えば、「758」(名古屋))等が挙げられる。このように、特定の図柄組み合わせは、はずれ表示結果としてだけでなく大当り表示結果としても選択され得る飾図の図柄組み合わせとされる。
【0050】
また、図柄変動演出において、複数の図柄列の内で、特定の図柄列(実施例では、左図柄列26aおよび右図柄列26c)に同じ飾図が停止表示され、かつ残りの図柄列(実施例では、中図柄列26b)が変動表示された表示(リーチ表示)となることで、リーチが生起されたことを遊技者が認識し得るようになっている。具体的なリーチ表示の例としては、左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ飾図が停止表示された図柄組み合わせ(「1↓1」、「4↓4」等)となる。なお、「↓」は変動中であることを表している。また、リーチ表示を形成する特定の図柄列(左図柄列26aおよび右図柄列26c)の飾図は、仮停止表示の状態とされ、残りの図柄列(中図柄列26b)に飾図が停止表示(仮停止表示)された後に、全ての図柄列の飾図が確定停止表示されるようになっている。
【0051】
また、前記図柄表示装置17には、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bで行われる特図変動表示の結果、表示される特図に応じた飾図の図柄組み合わせが表示される。すなわち、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに表示される特図と、図柄表示装置17に表示される飾図の図柄組み合わせとが夫々対応しており、図柄変動演出が終了すると、第1特図表示部50Aおよび第2特図表示部50Bに特図が確定停止されると共に、図柄表示装置17の各図柄列26a,26b,26cに飾図が確定停止表示されるようになっている。なお、特別図柄に対する飾図の図柄組み合わせは一対一とは限らず、1つの特別図柄に対して複数の飾図による図柄組み合わせの中から1つの飾図による図柄組み合わせが選択されるようになっている。
【0052】
(確変状態について)
実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第1特典遊技状態を付与する機能を備えている。第1特典遊技状態では、特図当り確率を低確率から高確率に変更することにより特別入賞口41へのパチンコ球の入賞機会を高めることができる。以下の説明では、第1特典遊技状態を、便宜的に「確変状態」というものとする。
【0053】
確変機能は、確定停止表示された大当り図柄(特
図1または特
図2)の種類が予め定めた確変図柄(特定図柄)であることを条件として、大当り遊技の終了後に大当りの抽選確率(大当り確率)が低確率(実施例では、168/65536)から高確率(実施例では、1516/65536)に変動させる確変状態を付与する機能である。なお、確変状態が付与されていない状態を非確変状態というものとする。実施例では、大当り遊技終了後に確変状態が付与される大当りが確変大当りであり、確変状態が付与されない大当りが非確変大当りとなる。このように、確変状態が付与されると、大当りの抽選確率が高確率に変動して大当り遊技が生起され易くなるため、確変状態は遊技者にとって有利であり、遊技者は確変大当りになることを期待しつつ遊技を行っている。また、実施例では、確変状態が付与される大当りの場合には、大当り遊技終了後、次回の大当りが生起されるまでの間継続して確変状態が付与されるよう設定してある。なお、確変状態が付与される期間としては、上記のものに限られない。例えば、確変状態が付与されてから所定条件を満たすまでの間継続して確変状態を付与し、当該所定条件を満たすことを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。ここで、所定条件としては、確変状態が付与されてから実行される図柄変動演出(特図変動表示)の回数とすることもできる。また、図柄変動演出(特図変動表示)毎に非確変状態に移行させるかを、始動入賞手段へのパチンコ球の入賞を契機に取得する乱数に基づいて判定(転落抽選)し、転落抽選に当選することを条件に非確変状態に移行させるようにすることもできる。
【0054】
(変短状態について)
また、実施例のパチンコ機10は、大当り遊技終了後に遊技者に有利な遊技状態として第2特典遊技状態(第2の遊技状態)を付与する機能を備えている。ここで、第2特典遊技状態としては、前記第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機が、当該第2特典遊技状態が付与されていない状態(第1の遊技状態)と較べて増加する入賞率向上状態である。具体的には、第2特典遊技状態では、(1)普図変動表示の変動時間の短縮、(2)普図当り確率を低確率から高確率に変動、(3)普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する開閉部材33の開放時間を増やすこと、により第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞契機を増加することができる。なお、第2特典遊技状態では、上記(1)〜(3)を単独または複数を組み合わせることができる。なお、普図当り1回についての第2始動入賞口31を開放する開閉部材33の開放時間を増やすに際しては、開閉部材33の開放時間を単純に延長することで実現してもよく、また開閉部材33の開放回数を増やすことで実現することもでき、またこれらを複合させてもよい。なお、実施例では、第2特典遊技状態を変短状態と指称するものとし、実施例の変短状態は上記(1)〜(3)を組み合わせて設定されている。また、変短状態が付与されていない状態を非変短状態というものとする。すなわち、変短状態は、第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞率が向上した入賞率向上状態である。
【0055】
実施例では、非変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間(以下、非変短時普図変動時間という)よりも、変短状態において普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間(以下、変短時普図変動時間)の方が短い時間に設定されており、変短状態の付与に伴い普図表示部55で行われる普図変動表示の変動時間が短縮されるようになっている。具体的に、実施例において非変短時普図変動時間が2000msに設定され、変短時普図変動時間が820msに設定されている。また、非変短状態における普図当り確率が低確率(実施例では、1/65536)に設定されると共に、変短状態における普図当り確率が高確率(実施例では、65535/65536)に設定されており、変短状態の付与に伴い普図当り確率が低確率から高確率に変動するようになっている。なお、実施例において、普図が確定停止表示されてから次回の普図変動が行われるまでの間(普図変動インターバル)は、700msに設定されている。
【0056】
また、変短状態が付与された状態では、変短状態が付与されていない状態とは異なる動作パターンで開閉部材33が開閉動作されるようになっている。具体的には、変短状態が付与されていない状態では、普図変動表示で当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33が開放してから所定時間(実施例では200ms)が経過するまで開放状態を維持する開放動作を1回行う。一方で、変短状態が付与されている状態では、普図変動表示に当選した場合(普図当りの場合)に、開閉部材33は開放してから所定の開放時間が経過するまで開放状態を維持する開放動作を5回行うようになっている。具体的には、896ms,960ms,960ms,960ms,1024msの開放動作を行うと共に、各開放動作の間の開閉部材33が閉鎖状態で保持されるインターバル時間が、640ms,560ms,560ms,560msに設定されている。すなわち、変短状態が付与されている状態では、変短状態が付与されていない状態と比較して、開閉部材33の合計開放時間が長く、遊技者にとって有利に動作するように設定されている。なお、1回の普図当りにおいて第2始動入賞口31への入賞を許容する入賞上限数(実施例では3個)が設定されており、前記開閉部材33を開放してからの入賞数が入賞上限個数(閉鎖条件)に達した場合には、開閉部材33の開閉動作を強制的に終了して閉鎖させるようになっている。
【0057】
ここで、大当りに当選した大当り図柄(大当り表示としての特
図1または特
図2)の種類に応じて、変短状態が付与される期間(以下、変短回数という)が定まるよう構成されている。また、変短状態が付与される変短回数は、大当り図柄だけでなく、大当り判定に当選した時点における遊技状態(すなわち確変状態か否かおよび変短状態か否か)によっても変化し得るよう構成されている。実施例では、第1始動入賞検出センサ34によるパチンコ球の検出(すなわち第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)を契機として大当り判定に当選した場合に、大当り図柄の種類および大当り判定に当選した時点での遊技状態に応じて変短回数が定まるよう構成されている。そして、第2始動入賞検出センサ35によるパチンコ球の検出(すなわち第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)を契機として大当り判定に当選した場合に、大当り図柄の種類に応じて変短回数が定まるよう構成されている。なお、大当りに当選した大当り図柄の種類および大当り判定に当選した時点における遊技状態と、大当り遊技後に付与される変短回数との関係については、後で詳述する。
【0058】
(大当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。大当り遊技は、特図変動表示の結果として第1特図表示部50Aまたは第2特図表示部50Bに大当り図柄が確定停止表示された後に開始されるよう設定されており、当選した大当り遊技(大当り図柄)の種類に応じて特別入賞装置40の開閉体43が開閉動作される。なお実施例の大当り遊技では、特別入賞装置40の開閉体43を開放するラウンド遊技を規定ラウンド数(実施例では15回)だけ実行することで、大当り遊技が終了するようになっている。1回のラウンド遊技は、特別入賞口41に規定個数(例えば7個)のパチンコ球が入賞するか、あるいは各ラウンド遊技の開始から規定時間(ラウンド遊技時間)が経過することで終了する。なお、大当り遊技における各ラウンド遊技の間は、所定時間だけ開閉体43が閉鎖状態で保持されるラウンド間インターバル時間が設定されている。ここで、前記大当り遊技の各ラウンド遊技における特別入賞装置40の開閉体43の開閉態様(開閉パターン)には、パチンコ球を所定の発射間隔で連続的に発射した条件において、1回の開放動作(開放してから閉鎖するまでの動作)においてラウンド遊技に定められた規定個数(例えば7個)のパチンコ球が入賞可能な時間だけ開放を継続する長時間開放動作と、該長時間開放動作よりも開閉体43の開放時間が短く設定された短時間開放動作とを適宜に組み合わせて構成されている。なお、実施例では、長時間開放動作において開閉体43が最大で25秒間開放するよう設定されると共に、短時間放動作において開閉体43が最大で0.024秒間開放するよう設定される。
【0059】
(大当り遊技の種類について)
実施例のパチンコ機10では、
図3A,
図3Bに示すように、大当り判定に当選した場合に、遊技者に与える価値が異なる複数種類の大当り遊技の中から1つの大当り遊技が決定され、その決定された大当り遊技が付与される。ここで、複数種類の大当り遊技の内で何れの大当り遊技が付与されるかは、大当り判定に当選した際に決定される大当り図柄(特
図1および特
図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例において第1特図表示部50Aに表示可能な100種類の大当り図柄としての特
図1は、図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄Eの5つのグループに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された大当り図柄としての特
図1に応じた大当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な100種類の大当り図柄としての特
図2は、図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄eの5つのグループに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された大当り図柄としての特
図2に応じた大当り遊技が付与される。ここで、100種類の大当り図柄としての特
図1は、図柄Aに47種類、図柄Bに10種類、図柄Cに20種類、図柄Dに2種類、図柄Eに21種類が夫々振り分けられている。また、100種類の大当り図柄としての特
図2は、図柄aに70種類、図柄bに9種類、図柄cに10種類、図柄dに7種類、図柄eに4種類が夫々振り分けられている。
【0060】
(大当り遊技について)
次に、実施例に係るパチンコ機10で付与される大当り遊技について説明する。実施例のパチンコ機10では、前記第1〜第2始動入賞口30,31へのパチンコ球の入賞に基づいて行われる大当り判定の判定結果が肯定の場合に、大当り図柄毎に定められた大当り遊技が決定される。また、前述のように、特定の大当り図柄(図柄A,B,C,D,E)に関しては、大当り判定の判定結果が肯定判定であった時点における遊技状態(確変状態か否かおよび変短状態か否か)に応じて、大当り遊技後に変短状態が付与される変短回数が決定されるようになっている。この変短回数の決定条件となる遊技状態として、非確変・非変短状態(確変状態および変短状態が何れも付与されていない遊技状態)、非確変・変短状態(確変状態が付与されない一方で変短状態が付与された遊技状態)、確変・非変短状態(確変状態が付与される一方で変短状態が付与されない遊技状態)および確変・変短状態(確変状態および変短状態が付与された遊技状態)がある(
図3参照)。
【0061】
(第1特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第1特図始動保留情報(第1始動入賞口30へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている。具体的に、実施例では、
図3Aに示すように、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、5種類の大当り図柄(図柄A、図柄B、図柄C、図柄D、図柄E)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、47%の割合で大当り図柄としての図柄Aが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄Bが選択され、20%の割合で大当り図柄としての図柄Cが選択され、2%の割合で大当り図柄としての図柄Dが選択され、21%の割合で大当り図柄としての図柄Eが選択されるよう特図決定用判定値が割当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分け割合は一例であり、これに限られるものではない。
【0062】
(第1の大当り遊技について)
前記図柄Aに対応した第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第1の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、
図3Aに示すように、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に、第1の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。
【0063】
具体的に、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・非変短状態および確変・非変短状態である場合には、当該第1の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として1回が設定されている。また、図柄A(第1の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・変短状態および確変・変短状態である場合には、当該第1の大当り遊技後、次回の大当りが生起されるまでの間変短状態が継続するように設定されている。
【0064】
また、実施例における第1の大当り遊技は、当該第1の大当り遊技(図柄A)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態が付与されているか否か)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第1の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。また第1の大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技において特別入賞装置40の開閉体43を複数回(実施例では11回)開放させ、2ラウンド目〜15ラウンド目のラウンド遊技においてラウンド遊技の開始から終了まで継続して特別入賞口41を開放する長時間開放動作を開閉体43に行わせるよう設定されている。すなわち、第1の大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技は、複数回(11回)の短時間開放動作を開閉体43に繰り返し行わせた後にラウンド遊技の終了まで継続して特別入賞口41を開放する長時間開放動作を行う特殊ラウンド遊技で構成され、該2ラウンド目のラウンド遊技以降の残りラウンド遊技(14ラウンド分)が全開放ラウンド遊技で構成されている。なお、全開放ラウンド遊技は、ラウンド遊技開始から終了まで開放する長時間開放動作を開閉体43に行なわせるラウンド遊技であって、各ラウンド遊技において開閉体43が1回だけ開放するようになっている。
【0065】
ここで、第1の大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技では、
図11(a)に示す如く、開放1回目〜開放11回目における開閉体43の開放時間が「0.024(秒)」に夫々設定されている。また、開放1回目から開放11回目の間の各1回分のラウンド内インターバル時間として「1.5(秒)」が夫々設定されている。これにより、第1の大当り遊技の1ラウンド目のラウンド遊技時間は、「(0.024(秒)+1.5(秒))×11」からなる「16.764(秒)」に設定されている。そして、第1の大当り遊技における2ラウンド目以降の1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されており、各ラウンド遊技において前記開閉体43が最大で「25.0(秒)」の長時間に亘って開放動作するようになっている。なお、第1の大当り遊技では、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が設定されている。また、第1の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は、「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、第1の大当り遊技における1ラウンド目における開閉体43の1回の開放時間(0.024(秒))は、特別入賞口41にパチンコ球が殆ど入賞する可能性のない時間に設定されている。このように、第1の大当り遊技では、1ラウンド目のラウンド遊技では入賞球は殆ど発生することはなく、実質的には残りの2ラウンド目から15ラウンド目までの14回のラウンド遊技で賞球が得られる大当り遊技として設定されている。
【0066】
(第2の大当り遊技について)
前記図柄Bに対応した第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第2の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、
図3Aに示すように、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に、第2の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄B(第2の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、次回の大当りが生起されるまでの間は変短状態が付与されるように設定されている。
【0067】
また、実施例における第2の大当り遊技は、当該第2の大当り遊技(図柄B)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第2の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。この第2の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.024(秒)」が設定されている。また、第2の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。なお、第2の大当り遊技は、第2の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態)の違いによって、オープニング演出時間およびエンディング演出時間として異なる時間が設定されるようになっている。具体的には、第2の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・非変短状態および確変・非変短状態である場合は、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定されると共に、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が設定され、第2の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・変短状態および確変・変短状態である場合は、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定されると共に、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が設定されている。すなわち、第2の大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.024(秒))は、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。
【0068】
(第3の大当り遊技について)
前記図柄Cに対応した第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第3の大当り遊技の終了後に確変状態が付与される一方で変短状態が付与される可能性がある大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、
図3Aに示すように、図柄C(第3の大当り遊技)が決定された場合に、第3の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。そして、変短状態に関しては、第3の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いによって付与される場合と付与されない場合がある。すなわち、第3の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・非変短状態である場合は、変短状態が付与されないように設定される一方で、第3の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が確変・非変短状態、非確変・変短状態および確変・変短状態である場合は、変短状態が次回の大当りが生起されるまでの間継続して付与されるように設定されている。
【0069】
また、実施例における第3の大当り遊技は、当該第3の大当り遊技(図柄C)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第3の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。この第3の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.024(秒)」が設定されている。また、第3の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。なお、第3の大当り遊技は、第3の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いによって、オープニング演出時間およびエンディング演出時間として異なる時間が設定されるようになっている。具体的には、第2の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・非変短状態、非確変・変短状態および確変・変短状態である場合は、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定されると共に、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、第3の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が確変・非変短状態である場合は、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定されると共に、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が設定されている。すなわち、第3の大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.024(秒))は、前記第2の大当り遊技と同様に、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。
【0070】
(第4の大当り遊技について)
前記図柄Dに対応した第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第4の大当り遊技の終了後に確変状態が付与される一方で変短状態が付与される可能性がある大当り遊技として設定されている。具体的に、実施例では、
図3Aに示すように、図柄D(第4の大当り遊技)が決定された場合に、第4の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。そして、変短状態に関しては、第4の大当り遊技に当選した時点における遊技状態(確変状態や変短状態の付与状態)の違いによって付与される場合と付与されない場合がある。すなわち、第4の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・非変短状態および確変・非変短状態である場合は、変短状態が付与されないように設定される一方で、第4の大当り遊技に当選した時点の遊技状態が非確変・変短状態および確変・変短状態である場合は、変短状態が次回の大当りが生起されるまでの間継続して付与されるように設定されている。
【0071】
また、実施例における第4の大当り遊技は、当該第4の大当り遊技(図柄D)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第4の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。この第4の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「0.024(秒)」が設定されている。また、第4の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。なお、第4の大当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が設定されている。すなわち、第4の大当り遊技における各ラウンド遊技時間(0.024(秒))は、前記第2および第3の大当り遊技と同様に、1回のラウンド遊技において、特別入賞口41に入賞するパチンコ球の入賞個数が入賞上限個数を満たさないような時間に設定されている。このように、第2の大当り遊技、第3の大当り遊技および第4の大当り遊技は、入賞球は殆ど発生することはなく賞球数が最も少ない大当り遊技として設定されている。また、第2の大当り遊技、第3の大当り遊技および第4の大当り遊技は、各大当り遊技において獲得可能な賞球数が等しくなるよう開閉体43が同一の開閉動作を行う一方で、各大当り遊技後の遊技状態を異ならせることで、大当り遊技の種類毎の特典に差を設けた大当り遊技となっている。すなわち、各大当り遊技に当選した時点の遊技状態に応じて、次回の大当りが生起されるまでの間継続して変短状態が付与される割合が異なることで、第2の大当り遊技、第3の大当り遊技、第4の大当り遊技の順で、大当り遊技の当選により獲得可能な特典が低くなるよう設定されている。
【0072】
(第5の大当り遊技について)
前記図柄Eに対応した第5の大当り遊技は、当該第5の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第5の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(
図3A参照)。また、図柄E(第5の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄E(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に応じて可変するよう設定されている。具体的に、
図3Aに示すように、図柄E(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・非変短状態および確変・非変短状態である場合には、当該第5の大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)として1回が設定されている。また、図柄E(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・変短状態および確変・変短状態である場合には、当該第5の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定されている。
【0073】
また、実施例における第5の大当り遊技は、当該第5の大当り遊技(図柄E)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。なお、前記第5の大当り遊技は、規定ラウンド数、各ラウンド遊技の入賞上限個数、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間、ラウンド間インターバル時間、オープニング演出時間、エンディング演出時間等の各種条件は、前記第1の大当り遊技(図柄A)と同じに設定されている。すなわち、第5の大当り遊技においても、前記第1の大当り遊技と同様に1ラウンド目における開閉体43の1回の開放時間(0.024(秒))は、特別入賞口41にパチンコ球が殆ど入賞する可能性のない時間に設定されており、第5の大当り遊技では、2ラウンド目から15ラウンド目までの14回のラウンド遊技で賞球が得られる大当り遊技として設定されている。このように、第1の大当り遊技および第5の大当り遊技は、各大当り遊技において獲得可能な賞球数が等しくなるよう開閉体43が同一の開閉動作を行う一方で、各大当り遊技後の遊技状態が異なる(第1の大当り遊技後の遊技状態の方が有利になる)よう設定された大当り遊技となっている。
【0074】
(第2特図始動保留情報に基づく大当り遊技について)
前記第2特図始動保留情報(第2始動入賞口31へのパチンコ球の入賞)に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合には、前記メイン制御CPU60aは、予め定められた複数種類の大当り図柄の中から1つの大当り図柄を決定するよう設定されている(
図3B参照)。具体的に、実施例では、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際に取得された特図決定用乱数に基づいて、5種類の大当り図柄(図柄a、図柄b、図柄c、図柄d、図柄e)の中から1つの大当り図柄を決定するようになっている。実施例のパチンコ機では、第2特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定判定の場合に、70%の割合で大当り図柄としての図柄aが選択され、9%の割合で大当り図柄としての図柄bが選択され、10%の割合で大当り図柄としての図柄cが選択され、7%の割合で大当り図柄としての図柄dが選択され、4%の割合で大当り図柄としての図柄eが選択されるよう特図決定用判定値が割当てられている。なお、前述した大当り図柄の振分け割合は一例であり、これに限られるものではない。
【0075】
(第6および第7の大当り遊技について)
前記図柄aに対応した第6の大当り遊技および図柄bに対応した第7の大当り遊技は、当該第6または第7の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第6または第7の大当り遊技の終了後に確変状態および変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(
図3B参照)。具体的に、実施例では、図柄a,b(第6または第7の大当り遊技)が決定された場合に、第6または第7の大当り遊技の終了後、次回の大当りが生起されるまでの間は確変状態が継続して付与されるよう設定されている。また、図柄a,b(第6または第7の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄a,b(第6または第7の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、次回の大当りが生起されるまでの間は変短状態が継続して付与されるよう設定されている。
【0076】
また、実施例における第6および第7の大当り遊技は、当該第6および第7の大当り遊技(図柄a,b)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第6および第7の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。また第6および第7の大当り遊技では、
図11(b)に示す如く、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されている。なお、第6および第7の大当り遊技では、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が夫々設定されている。また、第6および第7の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。このように、第6および第7の大当り遊技は、各大当り遊技によって得られる利益が等しくなるよう設定されると共に、実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技の種類の内で最も付与される特典(獲得可能な賞球数や大当り遊技後の遊技状態)が大きい大当り遊技として設定されている。
【0077】
(第8、第9および第10の大当り遊技について)
前記図柄cに対応した第8の大当り遊技、図柄dに対応した第9の大当り遊技および図柄eに対応した第10の大当り遊技は、当該第8、第9および第10の大当り遊技をメイン制御CPU60aが決定した際に、第8、第9および第10の大当り遊技の終了後に確変状態が付与されない一方で変短状態が付与される大当り遊技として設定されている(
図3B参照)。また、図柄c(第8の大当り遊技)、図柄d(第9の大当り遊技)および図柄e(第10の大当り遊技)が決定された場合に付与される変短状態の付与期間は、図柄c(第8の大当り遊技)、図柄d(第9の大当り遊技)および図柄e(第10の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関係なく、一定に設定されている。具体的には第8の大当り遊技の場合には、当該第8の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として100回が設定され、第9の大当り遊技の場合には、当該第9の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として75回が設定され、第10の大当り遊技の場合には、当該第10の大当り遊技後の変短状態の付与期間(変短回数)として50回が設定されている。
【0078】
また、実施例における第8、第9および第10の大当り遊技は、当該第8、第9および第10の大当り遊技(図柄c、d、e)が決定された時点の遊技状態(確変状態および変短状態)に関わりなく、前記特別入賞装置40の特別入賞口41が同じ開閉態様で開閉されるようになっている。具体的に、前記第8、第9および第10の大当り遊技は、規定ラウンド数が「15回」に設定された大当り遊技であって、各ラウンド遊技の入賞上限個数が「7個」に設定されている。また第8、第9および第10の大当り遊技では、1回のラウンド遊技のラウンド遊技時間として「25.0(秒)」が設定されている。なお、第8、第9および第10の大当り遊技では、オープニング演出時間として「13.0(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「11.5(秒)」が夫々設定されている。また、第8、第9および第10の大当り遊技のラウンド間インターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。このように、第8、第9および第10の大当り遊技は、前述した第6および第7大当り遊技と同様に実施例のパチンコ機10に設定された大当り遊技の種類の内で最も獲得可能な賞球数が多い大当り遊技として設定されている。
【0079】
このように、実施例のパチンコ機10では、第1始動入賞口30への入賞を契機とする第1特図始動保留情報に基づく当り判定の判定結果が肯定の場合には、規定ラウンド数が「15回」ではあるが、該規定ラウンド数(15回)より1ラウンド分少ないラウンド遊技(14回)でしか入賞上限個数までの入賞球の発生が期待できない第1および第5の大当り遊技に対して大当り図柄としての特
図1(図柄A,図柄E)が割当てられると共に、規定ラウンド数(15回)の全てのラウンド遊技において入賞球が殆ど発生することのない第2〜第4の大当り遊技に対して大当り図柄としての特
図1(図柄B,図柄C,図柄D)が割当てられている。これに対して、第2始動入賞口31への入賞を契機とする第2特図始動保留情報に基づく当り判定の判定結果が肯定の場合には、規定ラウンド数である「15回」の全てのラウンド遊技において入賞上限個数までの入賞球の発生が期待できる第6〜第10の大当り遊技に対して大当り図柄としての特
図2(図柄a,図柄b,図柄c,図柄d,図柄e)が割当てられている。
【0080】
そして、第1始動入賞口30への入賞を契機とする第1特図始動保留情報に基づく大当り判定の判定結果が肯定の場合には、大当りに当選した時点での遊技状態に応じて、大当り遊技後に付与される変短回数として0回または1回が決定されるようになっている。このように、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31への入賞に基づいた当り判定(第2特図始動保留情報に基づいて当り判定)の判定結果が肯定の場合に、第1始動入賞口30への入賞に基づいた当り判定(第1特図始動保留情報に基づいた当り判定)の判定結果が肯定の場合と比べて、付与される特典量(獲得可能な賞球数や大当り遊技後の変短回数)が多くなるよう設定されている。すなわち、前記第1特図始動保留情報に基づいて前記当り判定された場合よりも、前記第2特図始動保留情報に基づいて当り判定された場合の方が、付与可能な特典量の大きな当り遊技をメイン制御CPU60aが決定する確率が高くなるよう構成されている。
【0081】
また、図柄A(第1の大当り遊技)または図柄E(第5の大当り遊技)が決定された時点の遊技状態が非確変・非変短状態または確変・非変短状態である場合には、当該第1または第5の大当り遊技後に付与される変短回数(1回)は、実施例のパチンコ機10において変短状態を付与可能な変短回数として設定された複数種類(実施例では前述のように1回、50回、75回、100回および次回の大当りが生起されるまでの間、の5種類が設定されている)の変短回数の内で、最短期間に設定されている。すなわち、第1または第5の大当り遊技は、非変短状態で大当り判定が肯定となった場合に決定可能な当り遊技として、大当り遊技後に付与可能な変短状態の付与期間(変短回数)の内で最短期間を付与することをメイン制御CPU60aが決定する特定の当り遊技として設定された大当り遊技である。
【0082】
(小当り遊技について)
次に、実施例のパチンコ機10で付与される小当り遊技について説明する。小当り遊技は、特図変動表示の結果として特図表示部50A,50Bに小当り図柄が停止表示された後に開始されるよう設定されており、発生した小当り遊技の種類に応じた開閉動作で特別入賞装置40の開閉体43が開閉動作した後に、小当り遊技の終了を示すエンディング演出が行われるよう設定されている。ここで、小当り遊技では、パチンコ球を連続的に発射する条件において、数個のパチンコ球が入賞可能か或いはパチンコ球が入賞不能な時間だけ特別入賞装置40の開閉体43が開放する開閉動作が行われるよう構成される。すなわち、前記小当り遊技は、短時間開放動作を含んだ開放動作を特別入賞装置40の開閉体43に行なわせる当り遊技を構成している。そして、小当り遊技では、当該小当り遊技終了後の遊技状態を、小当り判定の当選時における遊技状態のまま継続させるようになっている。すなわち、小当り判定の当選時に確変状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも確変状態が継続して付与される一方、確変状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも確変状態が付与されることはない。また、小当り判定の当選時に変短状態が付与されていれば小当り遊技終了後にも変短状態が継続して付与される一方、変短状態が付与されていなければ小当り遊技終了後にも変短状態が付与されることはない。
【0083】
また、実施例のパチンコ機では、
図3A,
図3Bに示すように、小当り判定に当選した場合に、所定種類(実施例では2種類)の小当り遊技の中から1つの小当り遊技が決定され、その決定された小当り遊技が付与される。ここで、小当り遊技の内で何れの小当り遊技が付与されるかは、小当り判定に当選した際に決定される小当り図柄(特
図1および特
図2)の種類に基づいて決定されるようになっている。実施例では、第1特図表示部50Aに表示可能な小当り図柄としての特
図1(実施例では1種類の特
図1)は、図柄Fに分類されており、第1特図表示部50Aに確定停止表示された特
図1が小当り図柄の場合に、その小当り図柄(図柄F)の種類に応じた小当り遊技が付与されるようになっている。同様に、実施例において第2特図表示部50Bに表示可能な小当り図柄として特
図2(実施例では1種類の特
図2)は、図柄fに分類されており、第2特図表示部50Bに確定停止表示された特
図2が小当り図柄の場合に、その小当り図柄(図柄f)の種類に応じた小当り遊技が付与されるようになっている。
【0084】
実施例のパチンコ機10では、図柄Fに分類された小当り図柄としての特
図1が第1特図表示部50Aに表示された場合には、小当り遊技として第1の小当り遊技が付与され、図柄fに分類された小当り図柄としての特
図2が第2特図表示部50Bに表示された場合には、小当り遊技として第2の小当り遊技が付与されるようになっている。実施例における第1および第2の小当り遊技は、1回の開放時間が「0.024(秒)」に設定された開放動作を特別入賞装置40の開閉体43に15回行わせるよう設定されている。なお、複数種類の小当り遊技における開閉体43の開閉態様(開放回数や開放時間)を異ならせることも可能である。なお、第1および第2の小当り遊技では、オープニング演出時間として「0.004(秒)」が設定され、エンディング演出時間として「0.004(秒)」が夫々設定されている。また、第1および第2の小当り遊技の開閉体43の開放動作間のインターバル時間は「1.5(秒)」に設定されている。すなわち、非確変・変短状態または確変・変短状態の遊技状態で第2の大当り遊技に当選した際の開閉体43の開閉動作や、非確変・非変短状態、非確変・変短状態および確変・変短状態の何れかの遊技状態で第3の大当り遊技に当選した際の開閉体43の開閉動作、あるいは第4の大当り遊技に当選した際の開閉体43の開閉動作と、第1および第2の小当り遊技に当選した際の開閉体43の開閉動作とが同じ動作に設定されており、当該開閉体43の開閉動作から、これらの当り遊技の種類を判別し得ないように構成されている。
【0085】
(遊技演出モードについて)
実施例のパチンコ機10は、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の演出内容(表示内容)が異なる複数(実施例では7種類)の遊技演出モードを備えている。ここで、遊技演出モードは、その時点での遊技状態が確変状態であるか否かを遊技者に示唆または報知すると共に、変短状態であるか否かを遊技者に示唆または報知する遊技状態示唆画像を図柄表示装置17に表示させて遊技演出を行うようになっている。そして、実施例のパチンコ機10では、所定のモード移行条件が成立することで遊技演出モードが変更され得るようになっている。
【0086】
実施例に係る遊技演出モードには、メイン制御CPU60aにより確変状態および変短状態を何れも付与しないことが決定された遊技状態(非確変・非変短状態)に対応する通常演出モードと、確変状態および変短状態を何れも付与することが決定された遊技状態(確変・変短状態)に対応した確変演出モードと、変短状態を付与しないことが決定される一方で確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)に対応した第1潜伏演出モードと、変短状態を付与することが決定される一方で確変状態が付与されていることを示唆する遊技状態(すなわち、確変状態が付与されている状態と付与されていない状態とがある)に対応した第2潜伏演出モードとが設定されている。なお、遊技演出モードの種類としては、これらに限定されるものではなく、その他の遊技演出モードを設定することもできる。また、各遊技演出モード(通常演出モード、確変演出モード、第1潜伏演出モードおよび第2潜伏演出モード)の夫々において図柄表示装置17に表示される遊技状態示唆画像は1種類である必要はなく、これらの遊技演出モード毎に複数種類の遊技状態示唆画像を設定することができる。なお、本実施例における第1潜伏演出モードは、前記確変・非変短状態および非確変・非変短状態において滞在可能なモードであり、第2潜伏演出モードは、前記確変・変短状態および非確変・変短状態において滞在可能なモードである。
【0087】
そして、図柄表示装置17には、遊技演出モードに対応した内容の遊技状態示唆画像が表示されるようになっている。具体的には、遊技演出モード毎に、図柄表示装置17の飾図の背面に映し出される背景画像が異なるように設定されており、背景画像の種類から現在の遊技演出モードを遊技者が認識し得るようになっている。また、各遊技演出モードでは、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出の演出内容(後述する変動パターンや演出パターン)の一部または全部が異なっており、これらの遊技演出モード毎に特有の演出が実行され得るよう設定されている。
【0088】
(パチンコ機の制御構成について)
次に、パチンコ機10の制御構成について説明する。実施例のパチンコ機10には、
図8に示す如く、パチンコ機10を全体的に制御する制御手段としてのメイン制御基板(メイン制御手段)60と、該メイン制御基板60からの制御信号に基づいて各制御対象を制御する制御手段としてのサブ制御基板(サブ制御手段)65,70とが設けられている。すなわち、メイン制御基板60では、パチンコ機10に備えられた各種検出センサ(検出手段)からの検出信号に基づいて各種処理が実行され、その処理結果に応じた各種の制御信号(制御コマンド)がサブ制御基板65,70に出力されるようになっている。
【0089】
また、実施例のパチンコ機10には、サブ制御基板として、遊技演出を全体的に制御する統括制御基板65と、図柄表示装置17での表示内容を制御する表示制御基板70と、パチンコ機10が備える各種発光演出手段(ランプ装置18等)の発光制御を行うランプ制御基板72と、パチンコ機10が備えるスピーカ19の音出力制御を行う音制御基板73とを備えている。すなわち、メイン制御基板60が出力した制御信号(制御コマンド)に基づいて、前記統括制御基板65が表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を制御するよう構成されており、パチンコ機10で実行される各種遊技演出(図柄変動演出や発光演出、音声演出)を統括的にコントロールし得るようになっている。ここで、表示制御基板70は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、図柄表示装置17に表示される図柄(飾図)や背景画像等の図柄変動演出の表示内容を制御するよう構成される。また、ランプ制御基板72は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づいて、パチンコ機10が備える各種発光演出手段の点灯・消灯のタイミングや、発光強度等を制御している。そして、音制御基板73は、統括制御基板65から出力された制御信号(制御コマンド)に基づき、パチンコ機10が備える各スピーカ19からの音声出力のタイミングや出力内容等を制御するものである。
【0090】
(メイン制御基板60について)
前記メイン制御基板60は、
図8に示に示す如く、制御処理を実行するメイン制御CPU60a、該メイン制御CPU60aが実行する制御プログラムを記憶するメイン制御ROM60b、当該メイン制御CPU60aの処理に必要なデータの書込み・読出しが可能なメイン制御RAM60c等が備えられている。そして、前記始動入賞検出センサ34,35、特別入賞検出センサ44、普通入賞検出センサ47a,47b、ゲートセンサ49等の各種センサが前記メイン制御CPU60aに接続されている。また、メイン制御CPU60aには、遊技情報表示部Mの各表示部(第1および第2特図表示部50A,50B、第1および第2特図保留表示部52,53、普図表示部55、普図保留表示部56、状態表示部58)が接続されて、各検出センサ34,35,44,48,47a,47bの検出を契機としてメイン制御CPU60aで実行された制御処理に基づいて、遊技情報表示部Mの各表示部50A,50B,52,53,55,56,58の表示制御が実行されるようになっている。また、メイン制御CPU60aには、前記第2始動入賞口31を開閉する開閉部材33に連繋する始動入賞ソレノイド32および特別入賞口41を開閉する開閉体43に連繋する特別入賞ソレノイド42が接続されており、該メイン制御CPU60aでの制御処理結果に基づいて各ソレノイド32,42を駆動させることで、対応する開閉部材33や開閉体43が開閉するようになっている。そして、メイン制御CPU60aは、大当り遊技の種類に応じた開閉態様で開閉体43が開閉するよう前記特別入賞ソレノイド42を駆動制御し、開閉体43を長時間開放動作させる長時間開放制御および開閉体43を短時間開放動作させる短時間開放制御を実行するよう構成される。
【0091】
メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として入賞情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aが始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として取得する乱数としては、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数(リーチ判定用乱数)、特図変動パターン一次振分用乱数、特図変動パターン二次振分用乱数、普図当り判定用乱数、普図決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、第1または第2始動入賞検出センサ34,35の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
【0092】
また、前記第1始動入賞口30および第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した際に取得される入賞情報(各種乱数値)は、対応する第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の特図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。第1特図始動保留情報および第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する特図記憶領域が定まっており、各特図始動保留情報に基づいて図柄変動演出(特図変動表示)を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で特図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。実施例では、第1特図始動保留情報か第2特図始動保留情報かを区別可能に個別にメイン制御RAM60cに記憶されており、第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1特図始動保留情報よりも第2特図始動保留情報をメイン制御CPU60aが優先して読み出して図柄変動演出(特図変動表示)を実行させるよう設定されている。
【0093】
当り判定用乱数は、図柄変動演出の結果として当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)を発生するか否かの当り判定(大当り判定および小当り判定)で用いる乱数である。実施例では、当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、特図決定用乱数は、大当り判定の結果に応じて第1特図表示部50Aに確定停止表示させる特
図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる特
図2を決定する際に用いる乱数である。ここで、実施例では、特図決定用乱数として、「0」〜「123」の全124通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。特図決定用乱数の各値には、前述したはずれを示す1種類の特図表示に対応する乱数と、小当りの当選を示す23種類の特図表示に対応する乱数と、大当りの当選を示す100種類の特図表示に対応する乱数とが設定されており、該特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特
図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示される特
図2が特定されるようになっている。すなわち、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第1特図表示部50Aに確定停止表示される特
図1が特定され、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される特図決定用乱数の値により、第2特図表示部50Bに確定停止表示される特
図2が特定される。また、前述したように、前記大当り図柄としての特
図1および特
図2は、大当り遊技の種類毎に分類されており、特
図1または特
図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される大当り遊技の種類が特定されるようになっている。同様に、前記小当り図柄としての特
図1および特
図2は、小当り遊技の種類毎に分類されており、特
図1または特
図2が特定されることで、図柄変動演出の終了後に付与される小当り遊技の種類が特定されるようになっている。すなわち、特図決定用乱数が当り遊技(大当り遊技や小当り遊技)の種類を決定する乱数としての機能を有している。また、前述したように、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に確変状態および変短状態が付与されるか否かが一義的に定められており、特図決定用乱数が確変状態および変短状態を付与するか否かを決定する乱数としての機能も有している。更に、大当り遊技の種類毎に大当り遊技後に付与される変短状態の付与期間(変短回数)が1つまたは複数定められており、特図決定用乱数が変短状態の付与期間を決定する乱数としての機能も有している。
【0094】
また、演出実行判定用乱数は、前述した当り判定(大当り判定または小当り判定)における判定結果が否定となった場合に(大当りおよび小当りに当選しなかったはずれの場合に)、当り表示が表示される可能性を示唆する演出を行うか否かの演出実行判定(リーチ判定)で用いられる乱数である。実施例では、演出実行判定用乱数として、「0」〜「238」の全239通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。ここで、当り表示が表示される可能性を示唆する演出としては、図柄表示装置17に図柄変動の過程で表示されるリーチ表示を契機として行われるリーチ演出や、飾図の変動開始から変動停止までを1回とした変動サイクルを複数回連続して実行可能とする連続予告演出(先読み予告演出)や、図柄表示装置17に表示される当り表示される可能性を示唆する予告演出や、ランプ装置18の光やスピーカ19から出力される音声により当り表示が表示される可能性を遊技者に示唆する予告演出を含むものである。
【0095】
前記特図変動パターン一次振分用乱数は、図柄変動演出における演出内容を特定する特図変動パターンを演出内容毎にグループにした複数の特図変動パターングループから1つの特図変動パターングループを決定する際に用いられる乱数である。実施例では、特図変動パターン一次振分用乱数として、「0」〜「228」の全229通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。また、前記特図変動パターン二次振分用乱数は、特図変動パターン一次振分用乱数に基づいて決定された特図変動パターングループに含まれる特図変動パターンから1つの特図変動パターンを決定する際に用いる乱数である。実施例では、特図変動パターン二次振分用乱数として、「0」〜「250」の全251通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。すなわち、特図変動パターン一次振分用乱数により図柄変動演出における演出内容が大雑把に特定され、特図変動パターン二次振分用乱数により1つの特図変動パターンが特定されるようになっている。
【0096】
実施例のパチンコ機10では、当り判定用乱数、特図決定用乱数、演出実行判定用乱数、特図変動パターン一次振分用乱数、特図変動パターン二次振分用乱数は、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したこと(より具体的には第1始動入賞検出センサ34または第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている各乱数を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。また、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数は、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機に取得される各乱数と同一のものが共通で使用され、各始動入賞口30,31への入賞タイミングに応じた乱数を前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
【0097】
また、メイン制御CPU60aは、ゲート部材48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として通過検出情報としての各種乱数を取得するよう設定されている。ここで、メイン制御CPU60aがゲートセンサ49の検出を契機に取得する乱数としては、普図当り判定用乱数、普図変動パターン決定用乱数等の各種乱数が設定されている。そして、メイン制御CPU60aがこれらの乱数値を所定の周期(実施例では4ms)で更新し、更新後の乱数値をメイン制御RAM60cに一時的に記憶して更新前の値を書き換えることにより、ゲートセンサ49の検出信号がメイン制御CPU60aに入力されたタイミングに応じて乱数が取得されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、時間を計測するタイマ更新処理を実行する。メイン制御RAM60cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種情報(乱数値、タイマ値、フラグなど)が記憶(設定)されるようになっている。
【0098】
また、前記ゲートセンサ49をパチンコ球が通過した際に取得される通過検出情報(各種乱数値)は、普図始動保留情報としてメイン制御RAM60cの所定の普図記憶領域(記憶領域)に一時的に記憶保持されるよう構成されている。普図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶する順序で記憶する普図記憶領域が定まっており、普図始動保留情報に基づいて普図変動表示を実行する場合に、メイン制御RAM60cに記憶した順序で普図始動保留情報がメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。
【0099】
普図当り判定用乱数は、普図変動の結果として第2始動入賞口31の開放(普図当り)を発生させるか否かの普図当り判定(普図当り抽選)で用いられる乱数である。実施例では、普図当り判定用乱数として、「0」〜「65535」の全65536通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。前記普図変動パターン振分用乱数は、普図変動表示における普図変動の変動時間を定めた普図変動パターンの決定に用いる乱数である。実施例では、普図変動パターン振分用乱数として、「0」〜「8」の全9通りの整数値が設定されており、所定の周期(4ms)で1ずつ更新されるようになっている。そして、ゲート部材48をパチンコ球が通過したこと(より具体的にはゲートセンサ49がパチンコ球を検出したこと)を契機として、メイン制御RAM60cに一時的に記憶されている通過検出情報(普図当り判定用乱数および普図変動パターン振分用乱数等)を同じタイミングで前記メイン制御CPU60aが取得するようになっている。
【0100】
(判定値について)
一方、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、大当りを発生させることを示す大当り判定値が記憶されている。大当り判定値は、前記当り判定用乱数を用いて大当りか否かの判定(大当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、大当り判定値は、大当り判定を行う時点で前述した確変状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、確変状態のときに設定される大当り判定値の数(実施例では1516個)は、非確変状態の場合に設定される大当り判定値の数(実施例では168個)よりも多く設定されている。すなわち、確変状態における大当り判定値の設定数を多くすることで、大当り遊技が発生し易くなっている。
【0101】
また、メイン制御ROM60bには、特図決定用判定値が記憶されている。特図決定用判定値は、大当り判定の結果が肯定の場合に、第1特図表示部50Aに確定停止表示させる大当り図柄としての特
図1または第2特図表示部50Bに確定停止表示させる大当り図柄としての特
図2を、特図決定用乱数を用いて決定する判定値である。ここで、実施例では、特図決定用判定値には、前述した124種類の特図決定用乱数に対応した「0」〜「123」の整数値が設定されており、特図決定用判定値の夫々に個別に特
図1および特
図2が対応付けられている。
【0102】
また、メイン制御ROM60bには、図柄変動演出の結果、小当りを発生させることを示す小当り判定値が記憶されている。小当り判定値は、大当り判定の結果が否定の場合に、前記当り判定用乱数を用いて小当りか否かの判定(小当り判定)で用いる判定値であり、当り判定用乱数の取り得る数値(実施例では「0」〜「65535」までの全65536通りの整数)の中から所定数(実施例では9個)の判定値が定められている。すなわち、当り判定用乱数は、大当り判定および小当り判定において使用される乱数である。なお、当り判定用乱数として、大当り判定用の大当り判定用乱数と、小当り判定用の小当り判定用乱数とを個別に設定することも可能である。ここで、小当り判定値は、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得されたか、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得されたかに応じて判定値の設定数が異なっている。具体的には、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では222個)は、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に設定される小当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機とした場合よりも、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機とした場合に、小当り遊技が発生し易くなっている。
【0103】
また、メイン制御ROM60bには、演出実行判定値(リーチ判定値)が記憶されている。演出実行判定値は、当り判定(大当り判定および小当り判定)の結果が否定の場合に、当り表示が図柄表示装置17に表示される可能性を示唆するリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定(リーチ抽選)で用いる判定値であり、演出実行判定用乱数の取り得る数値「0」〜「240」までの全241通りの整数の中から定められている。すなわち、取得された演出実行判定用乱数の値が、設定された演出実行判定値と一致する場合に、リーチ演出等の演出を実行させることをメイン制御CPU60aが決定するようになっている。なお、実施例において、非確変・非変短状態または確変・非変短状態の場合に、演出実行判定値を用いてリーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定をメイン制御CPU60aが実行するよう設定されており、非確変・変短状態または確変・変短状態の場合には、前述した特図変動パターン一次振分用乱数を用いて特図変動パターングループをメイン制御CPU60aが決定することにより、リーチ演出等の演出を実行させるか否かの演出実行判定が決まるよう設定されている。
【0104】
ここで、第1始動入賞口30へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数および第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するよう構成されている。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第1または第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、演出実行判定値の設定数が定められている。すなわち、非確変・非変短状態または確変・非変短状態の場合には、メイン制御RAM60cに記憶されている特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれてリーチ演出の実行頻度が低下するようになっている。
【0105】
具体的には、第1特図始動保留情報の記憶数が「0」〜「1」個の場合に24個の演出実行判定値が設定され、第1特図始動保留情報の記憶数が「2」個の場合に15個の演出実行判定値が設定され、第1特図始動保留情報の記憶数が「3」個の場合に8個の演出実行判定値が設定されている。すなわち、第1特図始動保留情報の記憶数が「3」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。なお、第1特図始動保留情報の記憶数は、演出実行判定に用いられる第1特図始動保留情報を除いた残りの記憶数である。同様に、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞したことを契機として行われる演出実行判定の場合では、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数に応じて、演出実行判定値の設定数が変動するよう構成されている。具体的には、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の記憶数が増えるにつれて演出実行判定値の設定数が減少するように、演出実行判定値の設定数が定められている。具体的には、第2特図始動保留情報の記憶数が「0」〜「1」個の場合に24個の演出実行判定値が設定され、第2特図始動保留情報の記憶数が「2」個の場合に15個の演出実行判定値が設定され、第2特図始動保留情報の記憶数が「3」個の場合に8個の演出実行判定値が設定されている。すなわち、第2特図始動保留情報の記憶数が「3」の場合に、演出実行判定値の設定数が最小とされる。なお、第2特図始動保留情報の記憶数は、演出実行判定に用いられる第2特図始動保留情報を除いた残りの記憶数である。
【0106】
(特図変動パターンについて)
また、メイン制御ROM60bには、複数種類の特図変動パターンが記憶されている。前記特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから確定停止表示されるまでの間に実行される演出内容(図柄変動演出の表示内容、発光演出態様、音声演出態様)の基本的なベースとなる内容を特定するものである。また、特図変動パターンは、第1特図変動表示または第2特図変動表示が開始してから特
図1または特
図2が確定停止表示されるまでの変動時間(図柄変動演出および特図変動表示の時間)を特定している。
【0107】
ここで、前記特図変動パターンとして、複数種類の大当り用の特図変動パターンと、複数種類の小当り用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われる複数種類のリーチはずれ用の特図変動パターンと、リーチ演出が行われない通常はずれ用の特図変動パターンとが設けられている。なお、大当り用の特図変動パターンは、大当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、小当り用の特図変動パターンは、小当り判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、リーチはずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が肯定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンであり、通常はずれ用の特図変動パターンは、演出実行判定の結果が否定の場合にメイン制御CPU60aが選択可能な特図変動パターンである。なお、リーチ演出は、図柄表示装置17で行われる図柄変動演出においてリーチ表示が表示されてから、大当りまたははずれとなる飾図の図柄組み合わせが停止表示されるまでの間に行われる演出である。また、メイン制御ROM60bには、各種別(大当り用、小当り用、リーチはずれ用、通常はずれ用)の特図変動パターンを、各特図変動パターンに基づいて実行可能な演出内容に応じてグループ分けした特図変動パターングループが複数設定された特図変動パターンテーブルが設けられており、該特図変動パターンテーブルを用いて対応する特図変動パターングループが抽選により決定されるようになっている。
【0108】
(特図変動パターン一次振分判定値について)
メイン制御ROM60bには、各特図変動パターンテーブルから特図変動パターングループを決定するための特図変動パターン一次振分判定値が記憶されている。すなわち、特図変動パターン一次振分判定値を用いて特図変動パターングループを決定することで、最終的に決定される特図変動パターンを絞り込むようになっている。特図変動パターン一次振分判定値としては、特図変動パターン一次振分用乱数の取り得る「0」〜「252」の253通りの整数とされている。ここで、前記特図変動パターン一次振分判定値は、メイン制御ROM60bに設けられた特図変動パターン一次テーブルに、個別に設定されている。このように、特図変動パターン一次振分判定値を用いて特図変動パターングループを決定することで、決定された特図変動パターングループに含まれる特図変動パターンの範囲から最終的な特図変動パターンが決定されるようになっている。
【0109】
(特図変動パターン二次振分用判定値)
また、メイン制御ROM60bには、特図変動パターン二次振分用判定値が記憶されている。特図変動パターン二次振分用判定値は、特図変動パターン一次振分用乱数に基づいて決定された特図変動パターングループに含まれる特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定するための判定値であり、特図変動パターン二次振分用乱数の取り得る「0」〜「250」の全251通りの整数が特図変動パターングループ毎に割当てられている。そして、各特図変動パターングループに含まれる特図変動パターン毎に、特図変動パターン二次振分用判定値が所定数ずつ割当てられている。すなわち、特図変動パターン一次振分用乱数に基づいて決定された特図変動パターングループにおいて、特図変動パターン二次振分用乱数に対応する判定値が割当てられた変動パターンを特定することで、図柄変動演出において実行される特図変動パターン(演出内容や演出時間)が決定される。すなわち、実施例では、特図変動パターン一次振分用乱数に基づいて特図変動パターングループを決定することで、演出内容の系統毎の選択されやすさ(行われやすさ)を調整し、更に特図変動パターン二次振分用乱数に基づいて各特図変動パターングループから特図変動パターンを決定することで、各特図変動パターンの選択されやすさを調節している。
【0110】
また、メイン制御ROM60bには、普図変動演出の結果、普図当りを発生させることを示す普図当り判定値が記憶されている。普図当り判定値は、前記普図当り判定用乱数を用いて普図当りか否かの判定(普図当り判定)で用いる判定値であり、普図当り判定用乱数の取り得る「0」〜「65535」までの全65536通りの整数の中から所定数の判定値が定められている。ここで、普図当り判定値は、普図当り判定を行う時点で前述した変短状態が付与されているか否かで判定値の設定数が異なっている。具体的には、変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では65535個)は、非変短状態の場合に設定される普図当り判定値の数(実施例では1個)よりも多く設定されている。すなわち、変短状態における普図当り判定値の設定数を多くすることで、普図当りが発生し易くなっている。
【0111】
メイン制御ROM60bには、複数種類の普図変動パターンが記憶されており、各普図変動パターンに対応して普図変動パターン振分判定値が記憶されている。ここで、前記普図変動パターンは、普図変動表示を開始してから普図が確定停止表示されるまでの普図変動表示の変動時間を特定している。普図変動パターン振分判定値は、前記普図変動パターン振分用乱数を用いて普図変動パターンの決定に用いる判定値であり、普図変動パターン決定用乱数の取り得る数値「0」〜「8」までの全9通りの整数の中から定められている。そして、普図変動パターン毎に所定の判定値が割当てられており、取得された普図変動パターン振分用乱数に対応する普図変動パターン振分判定値が割当てられた普図変動パターンがメイン制御CPU60aにより特定されるようになっている。ここで、普図変動パターン決定用判定値は、普図当り判定を行った時点での遊技状態が変短状態か非変短状態であるかによって、割当てられる普図変動パターンの種類および割当数が異なっている。具体的に、実施例では、非変短状態の場合に1つの普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割当てられて、所定時間の変動時間(例えば2000ms)を定める普図変動パターンが決定されるのに対し、変短状態の場合に複数(実施例では2つ)の普図変動パターンに対して普図変動パターン決定用判定値が割当てられて、各普図変動パターンに対する普図変動パターン決定用判定値の割当数に応じた割合で、所定時間の変動時間(例えば820ms)を定める普図変動パターンおよびこれと異なる変動時間(例えば200ms)を定める普図変動パターンの何れかの普図変動パターンが決定される。
【0112】
(統括制御基板について)
前記統括制御基板65には、統括制御CPU65aが備えられている。該統括制御CPU65aには、
図8に示す如く、統括制御ROM65bおよび統括制御RAM65cが接続されている。また、統括制御CPU65aは、各種乱数の値を所定の周期毎に更新し、更新後の値を統括制御RAM65cの設定領域に記憶(設定)して更新前の値を書き換えている。
【0113】
ここで、前記統括制御ROM65bには、図柄変動演出において実行する図柄変動演出の具体的な演出内容を特定する演出パターンが記憶されている。前記演出パターンは前記特図変動パターンに対応付けられており、メイン制御CPU60aにより決定された特図変動パターンに基づいて対応する演出パターンを統括制御CPU65aが決定するようになっている。なお、前記演出パターンは、前記特図変動パターンに対して一対一の関係で対応付けられたものではなく、1つの特図変動パターンに対して複数の演出パターンが対応付けられている。また、演出パターンには、図柄変動演出において各図柄表示列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングが定められており、該演出パターンで定められる停止タイミングに従って各列に飾図が停止されると共に、該飾図の停止に合わせてスピーカ19から適宜の効果音が出力されたり、ランプ装置18が適宜の発光を行ったりするようになっている。
【0114】
また、統括制御ROM65bには、表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73を統括的に制御するための統括制御プログラムが記憶されている。統括制御CPU65aは、各種制御コマンドを入力すると、当該統括制御プログラムに基づき各種制御を実行する。
【0115】
(表示制御基板70について)
次に、
図8に基づき表示制御基板70について説明する。表示制御基板70には、表示制御CPU70aが備えられている。該表示制御CPU70aには、表示制御ROM70bおよび表示制御RAM70cが接続されている。また、表示制御基板70(表示制御CPU70a)には、図柄表示装置17が接続されている。表示制御ROM70bには、図柄表示装置17の表示内容を制御するための表示制御プログラムが記憶されている。また、表示制御ROM70bには、各種の画像データ(図柄、各種背景画像、文字、キャラクタなどの画像データ)が記憶されている。更に、表示制御RAM70cには、パチンコ機10の動作中に適宜書き換えられる各種の情報が記憶(設定)されるようになっている。
【0116】
すなわち、メイン制御CPU60aは、始動入賞口30,31への入賞を契機として各種乱数を取得する乱数取得手段としての機能を有すると共に、図柄変動演出の開始時に、乱数取得手段により取得された乱数の値が予め定められた当り判定値(大当り判定値または小当り判定値)と一致するか否かを判定することで、当り遊技(大当り遊技または小当り遊技)が付与されるか否かの当り判定を行う当り判定手段としての機能を備えている。また、始動入賞口30,31への入賞を契機として当りか否かを判定する当り判定手段、複数種類の当り遊技の中から付与する当り遊技の種類を決定する当り遊技決定手段(当り判定手段)および決定した種類の当り遊技を特図変動表示終了後(図柄変動演出終了後)に付与する当り遊技付与手段としての夫々の機能を前記メイン制御CPU60aが備えている。メイン制御CPU60aは、前記始動入賞口30,31への入賞に基づいて、前記メイン制御ROM60bが記憶する複数の特図変動パターン(変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する特図変動パターン決定手段(変動パターン決定手段)としての機能を備えている。また、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する確率(当り判定手段による判定結果が肯定となる確率)が通常よりも高確率となる確変状態を付与するか否かを決定する確変決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に確変状態を付与する確変付与手段として機能するよう構成されている。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)にのみ、確変状態を付与するか否かを判定するようになっている。
【0117】
更に、前記メイン制御CPU60aは、当りが発生する場合(当り判定手段の判定結果が肯定の場合)に、第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞する確率が高確率となる入賞率向上状態(変短状態)を付与するか否かを判定する入賞率向上状態判定手段として機能し、入賞率向上状態を付与する場合に、入賞率向上状態を付与する期間を決定する入賞率向上状態付与期間決定手段として機能すると共に、当り遊技終了後に決定された入賞率向上状態を付与する期間だけ変短状態を付与する変短状態付与手段としても機能している。ここで、前記メイン制御CPU60aは、当り遊技の終了後から予め決められた回数の特図変動表示(図柄変動演出)が実行されるまでの間、あるいは次回の当り遊技が付与されるまでの間の何れかの期間を、入賞率向上状態付与期間として決定するようになっている。このように、前記メイン制御CPU60aは、当り判定が肯定判定の場合に、始動入賞口30,31への入賞に基づいて当り遊技後に遊技者に有利な特典状態(確変状態、変短状態)を付与するか否かを決定する特典状態決定手段としての機能を備えている。また、前記メイン制御RAM60cは、図柄表示装置17で図柄変動演出が行われている間(すなわち第1および第2特図表示部50A,50Bで特図変動表示が行われている間)に取得された入賞情報を始動保留情報として複数記憶可能な保留記憶手段として機能する。具体的に、表示手段(図柄表示装置17や第1特図表示部50A)で変動表示が行われている間に第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として取得される入賞情報を第1始動保留情報として記憶する第1保留記憶手段および表示手段(図柄表示装置17や第2特図表示部50B)で変動表示が行われている間に第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として取得される入賞情報を第2始動保留情報として記憶する第2保留記憶手段として機能する。
【0118】
次に、メイン制御基板60のメイン制御CPU60aが制御プログラムに基づき実行する特図処理および特図開始処理について具体的に説明する。
【0119】
(特図入力処理について)
特図入力処理では、
図4に示すように、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する(ステップA11)。すなわち、ステップA11においてメイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30に対応する第1始動入賞検出センサ34がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA11の判定結果が否定の場合には、ステップA15に移行する。ステップA11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第1特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA12)。ステップA12の判定結果が否定(すなわち第1特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aは、ステップA15に移行する。
【0120】
ステップA12の判定結果が肯定(第1特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第1特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA13)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第1特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA14)。これにより、ステップA15に移行する。
【0121】
また、ステップA15では、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞したか否かをメイン制御CPU60aが判定する。すなわち、ステップA15においてメイン制御CPU60aは、第2始動入賞口31に対応する第2始動入賞検出センサ35がパチンコ球を検出した時に出力する検出信号が入力されたか否かを判定する。そしてステップA15の判定結果が否定の場合には、前記第1または第2始動入賞口31,32へパチンコ球が入賞した時点で既に前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1または第2特図始動保留情報に基づいて実行される図柄変動演出中に先読み予告を行わせるか否かを判定する先読み予告処理を実行し(ステップA19)、特図入力処理を終了する。ステップA15の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、メイン制御RAM60cに記憶されている第2特図始動保留情報の保留数が上限数の4未満であるか否かを判定する(ステップA16)。ステップA16の判定結果が否定(すなわち第2特図始動保留情報の保留数が4)の場合には、メイン制御CPU60aが先読み予告処理を実行して(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
【0122】
ステップA16の判定結果が肯定(第2特図始動保留情報の保留数<4)の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を1加算し、メイン制御RAM60cが記憶する第2特図始動保留情報の保留数を書き換える(ステップA17)。続いて、メイン制御RAM60cから入賞情報(特図当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが読み出して、当該入賞情報(乱数の値)を第2特図始動保留情報として保留数に対応付けたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定する(ステップA18)、メイン制御CPU60aが先読み予告処理を実行して(ステップA19)、特図入力処理を終了する。
【0123】
(特図開始処理について)
次に、特図開始処理について
図5に基づき説明する。メイン制御CPU60aは、特図開始処理を所定の周期(実施例では4ms)毎に実行している。特図開始処理では、メイン制御CPU60aは、特図表示部50A,50Bおよび図柄表示装置17において特
図1または特
図2が変動表示中であるか、または大当り遊技または小当り遊技中であるか否かを判定する(ステップB11)。そして、ステップB11の判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。一方、ステップB11の判定結果が否定の場合には、第2特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB12)、第2特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB13)。ステップB13の判定結果が否定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合には)、メイン制御CPU60aは、ステップB16の処理に移行する。またメイン制御CPU60aは、ステップB13の判定結果が肯定の場合には(第2特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第2特図変動演出を実行することを示す値「1」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第2特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB14)、保留数に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当該第2特図始動保留情報(当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数等の各種乱数の値)をメイン制御CPU60aが取得する(ステップB15)。
【0124】
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第2特図始動保留情報(乱数)を取得する。そして、メイン制御CPU60aは、第2特図始動保留情報に関連付けられた乱数を取得した後、2番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第2特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第2特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第2特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第2特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第2特図始動保留情報の保留数に対応するように第2特図保留表示部53の表示を変更させる。
【0125】
前記ステップB15の処理により第2特図始動保留情報としての各種乱数が取得されると、
図6に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB22)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、168/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1516/65536に設定されている。そして、ステップB22における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB23)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特
図2)を決定する(ステップB24)。ここで、特図決定用乱数の値は、特
図2の大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特
図2を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、大当り図柄が確変状態を付与する大当り図柄の場合には、確変状態を示す確変フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄の場合に確変フラグを「0」に設定する。また、大当り図柄が変短状態を付与する大当り図柄の場合には、変短状態を示す変短フラグを大当り遊技の終了後に「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄の場合に変短フラグを「0」に設定する。なお、変短フラグは、変短状態の終了条件が満たされると、変短フラグが「0」に設定される。大当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB25)。
【0126】
一方、ステップB22の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB27)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第2始動入賞検出センサ35の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、1/65536に設定されている。そして、ステップB27における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB28)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第2特図表示部50Bに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特
図2)を決定する(ステップB29)。ここで、特図決定用乱数の値は、特
図2の小当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特
図2を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特図)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターン(当り変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB30)。
【0127】
ステップB27の小当り判定の判定結果が否定の場合には(すなわち大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB31)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB15の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、実施例において演出実行判定は、非確変・非変短状態または確変・非変短状態の場合に演出実行判定用乱数に基づいて行われる一方で、非確変・変短状態または確変・変短状態の場合には、メイン制御CPU60aにより否定判定されるようになっている。すなわち、非確変・変短状態または確変・変短状態の場合には、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンまたは通常はずれ特図変動パターンを決定することで、リーチ演出を実行させるか否かが決まるようになっている。そして、ステップB31の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特
図2)として決定する(ステップB32)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB33)。なお、リーチ演出とは、同一飾図が2つ揃って残りの1つが変動中となる演出に限らず、特定の図柄変動が行われる状態を含むものである。
【0128】
また、ステップB31での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第2特図表示部50Bにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特
図2)として決定する(ステップB34)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB35)。
【0129】
ここで、ステップB25,B30,B33,B35において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特
図2)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB26)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第2特図変動表示を開始させるように第2特図表示部50Bを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特
図2を指示するための特
図2指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第2特図表示部50Bの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
【0130】
一方、ステップB13の判定結果が否定の場合(第2特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、第1特図始動保留情報の保留数を読み出し(ステップB16)、第1特図始動保留情報の保留数が「0」よりも大きいか否かを判定する(ステップB17)。メイン制御CPU60aは、ステップB17の判定結果が肯定の場合には(第1特図始動保留情報の保留数>0)の場合には、メイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶される特図変動処理フラグに第1特図変動演出を実行することを示す値「0」を設定する。次いで、メイン制御CPU60aが第1特図始動保留情報の保留数を1減算して(ステップB18)、当該第1特図始動保留情報に対応付けられたメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に記憶されている当り判定用乱数の値、特図決定用乱数の値、演出実行判定用乱数の値、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値をメイン制御CPU60aが取得して(ステップB19)、次いで当り判定処理を実行する。すなわち、実施例のパチンコ機10では、第2始動入賞口31への入賞を契機として取得される第2特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されている場合には、第1始動入賞口30への入賞を契機として取得される第1特図始動保留情報がメイン制御RAM60cに記憶されていたとしても、該第2特図始動保留情報に基づく図柄変動演出が優先的に実行されるようになっている。
【0131】
ここで、メイン制御CPU60aは、最も早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶される第1特図記憶領域から第1特図始動保留情報(乱数)を読み込む。そして、メイン制御CPU60aは、第1特図始動保留情報に関連付けられた乱数を読み込んだ後、2番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第2特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を、前記第1特図記憶領域に記憶させる。同様に、メイン制御CPU60aは、3番目に早く記憶した第1特図始動保留情報が記憶されている第3特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第2特図記憶領域に記憶させ、4番目に早く記憶した(すなわち最も新しい)第1特図始動保留情報が記憶されている第4特図記憶領域の第1特図始動保留情報(乱数)を前記第3特図記憶領域に記憶させる。すなわち、第1特図始動保留情報は、メイン制御RAM60cに記憶された順序でメイン制御CPU60aにより読み出されるようになっている。また、メイン制御CPU60aは、減算後の第1特図始動保留情報の保留数に対応するように第1特図保留表示部52の表示を変更させる。
【0132】
前記ステップB19の処理により各種乱数が取得されると、
図7に示すように、メイン制御CPU60aは、取得した当り判定用乱数の値がメイン制御ROM60bに記憶されている大当り判定値と一致するか否かを判定する大当り判定(当り抽選)を行う(ステップB36)。なお、前述したように、非確変状態の時(低確率の時)に大当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち大当り確率)は、164/65536に設定され、確変状態の時(高確率の時)に判定結果が肯定となる確率(大当り確率)は、1516/65536に設定されている。そして、ステップB36における大当り判定の判定結果が肯定の場合には(大当りが発生する場合には)、大当りの変動であることを示す大当りフラグに「1」が設定される(ステップB37)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される大当り図柄となる最終停止図柄(特
図1)を決定する(ステップB38)。ここで、特図決定用乱数の値は、特
図1毎に大当り図柄が対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特
図1を決定することで大当り図柄を決定することになる。また、メイン制御CPU60aは、決定した大当り図柄に応じて該大当り図柄により特定される大当り遊技後の遊技演出モード(遊技状態)を示す遊技演出モードフラグ(すなわち確変フラグ、変短フラグ)を設定する。大当り図柄(特
図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB39)。
【0133】
一方、ステップB36の大当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、小当りを発生させるか否かを判定する小当り判定(当り抽選)を行う(ステップB41)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した当り判定用乱数の値が、小当り判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、前述したように、第1始動入賞検出センサ34の検出を契機として入賞情報(当り判定用乱数)が取得された場合に小当り判定の判定結果が肯定となる確率(すなわち小当り確率)は、222/65536に設定されている。そして、ステップB41における小当り判定の判定結果が肯定の場合には(小当りが発生する場合には)、小当りの変動であることを示す小当りフラグに「1」が設定される(ステップB42)。そして、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に基づき、第1特図表示部50Aに確定停止表示される小当り図柄となる最終停止図柄(特
図1)を決定する(ステップB43)。ここで、特図決定用乱数の値は、特
図1の小当り図柄が各別に対応付けられていることから、メイン制御CPU60aは、取得した特図決定用乱数の値に対応付けられた特
図1を決定することで小当り図柄を決定することになる。なお、実施例のパチンコ機10では、小当り判定した時点の確変フラグおよび変短フラグの値を維持するよう設定されており、小当りの場合に確変フラグおよび変短フラグの値を変化させないよう構成されている。そして、小当り図柄(特
図1)が決定されると、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいて当り用の特図変動パターン(当り変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB44)。
【0134】
また、ステップB41の小当り判定の判定結果が否定の場合には(大当りおよび小当りでない場合には)、メイン制御CPU60aは、リーチ演出を実行させるか否かを判定する演出実行判定(リーチ判定)を行う(ステップB45)。実施例では、メイン制御CPU60aは、ステップB19の処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、演出実行判定値と一致するか否かにより当選判定を行う。なお、実施例において演出実行判定は、非確変・非変短状態または確変・非変短状態の場合に演出実行判定用乱数に基づいて行われる一方で、非確変・変短状態または確変・変短状態の場合には、メイン制御CPU60aにより否定判定されるようになっている。すなわち、前述と同様に非確変・変短状態または確変・変短状態の場合には、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターンまたは通常はずれ特図変動パターンを決定することで、リーチ演出を実行させるか否かが決まるようになっている。そして、ステップB45の判定結果が肯定の場合には(リーチ演出を行う場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特
図1)として決定する(ステップB46)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいてはずれリーチ用の特図変動パターン(はずれリーチ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB47)。
【0135】
また、ステップB45での演出実行判定の判定結果が否定の場合には(リーチ演出を行わない場合には)、メイン制御CPU60aは、第1特図表示部50Aにて確定停止表示されるはずれ図柄を最終停止図柄(特
図1)として決定する(ステップB48)。次に、メイン制御CPU60aは、特図変動パターン一次振分用乱数および特図変動パターン二次振分用乱数の値に基づいてはずれ用の特図変動パターン(はずれ変動パターン)の中から1つの特図変動パターンを決定する(ステップB49)。
【0136】
ここで、ステップB39,B44,B47,B49において特図変動パターンおよび最終停止図柄(特
図1)を決定したメイン制御CPU60aは、統括制御基板65に対し、所定の制御コマンドを所定のタイミングで出力する(ステップB40)。具体的には、メイン制御CPU60aは、特図変動パターンを指定すると共に図柄変動の開始を指示する特図変動パターン指定コマンドを出力すると共に、特図変動パターンで特定された変動時間の計測を開始する。これと同時に、メイン制御CPU60aは、第1特図変動表示を開始させるように第1特図表示部50Aを制御する。また、メイン制御CPU60aは、最終停止図柄となる特
図1を指示するための特
図1指定コマンドを出力する。そして、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。その後、特図開始処理とは別の処理で、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、決定した最終停止図柄を表示させるように第1特図表示部50Aの表示内容を制御する。また、メイン制御CPU60aは、前記指定した特図変動パターンに定められている変動時間に基づいて、飾図の変動停止を指示し、図柄組み合わせを確定停止表示させるための全図柄停止コマンドを出力する。また、変短状態の終了条件を満たした場合には、変短終了コマンドを出力する。
【0137】
一方、ステップB17の判定結果が否定の場合(第1特図始動保留情報の保留数=0の場合)には、メイン制御CPU60aは、デモ演出の実行を開始させるデモンストレーション指定コマンドを既に出力したか否かを判定し(ステップB20)、判定結果が否定の場合には、デモンストレーション指定コマンドを出力して特図開始処理を終了する(ステップB21)。また、ステップB20の判定結果が肯定の場合には(デモンストレーション指定コマンドを既に出力していた場合には)、メイン制御CPU60aは、特図開始処理を終了する。
【0138】
(統括制御について)
次に、統括制御基板65で実行される処理について説明する。統括制御基板65の統括制御CPU65aは、前記メイン制御CPU60aから入力された特図変動パターン指定コマンドに基づいて、当該図柄変動演出において実行する演出パターンを決定し、決定した演出パターンを指定する演出パターン指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。統括制御CPU65aは、特
図1指定コマンドまたは特
図2指定コマンドが入力されると、該コマンドに対応する特図の停止図柄指定に応じて図柄表示装置17に最終停止表示させる各図柄列26a,26b,26cの飾図を決定する。すなわち、統括制御CPU65aは、特
図1指定コマンドまたは特
図2指定コマンドで指定された図柄が大当り図柄の場合には、大当り表示となる飾図の図柄組み合わせとなるよう各図柄列26a,26b,26cの飾図が決定される。
【0139】
また、メイン制御CPU60aから出力される特
図1指定コマンドおよび特
図2指定コマンドに基づいて、確変情報フラグおよび変短情報フラグを統括制御CPU65aが設定するようになっている。具体的には、特
図1指定または特
図2指定コマンドで特定される特
図1または特
図2が、確変状態を付与する大当り図柄に対応する場合に確変状態を示す確変情報フラグを「1」に設定し、確変状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に確変情報フラグを「0」に設定する。また、特
図1指定または特
図2指定コマンドで特定される特
図1または特
図2が、変短状態を付与する大当り図柄に対応する場合に変短状態を示す変短情報フラグを「1」に設定し、変短状態を付与しない大当り図柄に対応する場合に変短情報フラグを「0」に設定する。
【0140】
そして、前記演出パターンで特定される各図柄列26a,26b,26cの飾図の停止タイミングにおいて、各列の飾図指定コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。具体的には、統括制御CPU65aは、特図変動パターン指定コマンドが入力されると同時にタイマ手段(図示せず)により時間の計測を開始し、左図柄列26aの飾図の停止タイミングにおいて左飾図指定コマンドを出力し、右図柄列26cの飾図の停止タイミングにおいて右飾図指定コマンドを出力し、中図柄列26bの飾図の停止タイミングにおいて中飾図指定コマンドを出力する。
【0141】
また、前記統括制御CPU65aは、特図指定コマンドで指定された停止図柄が、はずれ図柄の場合、はずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、はずれリーチ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含むはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。一方、統括制御CPU65aは、はずれ演出用の特図変動パターンが指示されている場合、リーチ形成図柄を含まないはずれを認識可能な図柄組み合わせを決定する。また、統括制御CPU65aは、全図柄停止コマンドを入力すると、該コマンドを表示制御基板70やランプ制御基板72、音制御基板73等に出力する。
【0142】
前記統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aが出力する特
図1指定コマンドまたは特
図2指定コマンドで指示された大当り図柄の種類と、変短状態の開始および終了に係る各指定コマンドと、演出モードフラグの設定値をもとに、遊技演出モードの種類を決定し、当該決定した遊技演出モードを示す値に演出モードフラグを更新する。遊技演出モードフラグは、現在滞在している遊技演出モードを識別可能な情報で構成されており、統括制御RAM65cに設定される。統括制御CPU65aは、遊技演出モードフラグを更新すると、遊技演出モードを指示するモード指定コマンドを表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73等に出力する。
【0143】
(表示制御について)
前記表示制御基板70では、演出パターン指定コマンドが入力されると、該コマンドで特定される演出パターンに対応する演出内容を示す表示データを表示制御CPU70aが選択し、該演出パターンに対応した表示内容で図柄変動演出を実行させるように図柄表示装置17を制御する。そして、表示制御CPU70aは、図柄変動演出の開始に伴って演出開始からの経過時間を計時し、計測した時間毎に演出パターンに基づいた画像が表示されるよう図柄表示装置17に映し出す画像を所定の周期毎に切り替える。そして、表示制御CPU70aは、各図柄列26a,26b,26cの図柄停止コマンドが入力されると、対応する図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指定された飾図を仮停止させ、全図柄停止コマンドが入力されると、各図柄列26a,26b,26cの有効停止位置27に飾図指定コマンドで指示された飾図を図柄表示装置17に確定停止表示させるように図柄表示装置17の表示内容を制御し、図柄変動演出を終了させる。
【0144】
ここで、前記図柄表示装置17で実行される図柄変動演出の内容は、メイン制御CPU60aから出力される特図変動パターン指定コマンドまたは統括制御CPU65aから出力される演出パターン指定コマンドに応じて設定されるものであり、メイン制御CPU60aおよび統括制御CPU65aが図柄変動演出の内容を特定する演出内容を決定する図柄変動演出決定手段としての機能を有している。
【0145】
(先読み予告演出について)
実施例のパチンコ機10は、1つの始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出(特図変動表示)の変動開始から変動停止までを1回の図柄変動演出として、複数回の図柄変動演出に跨がって図柄変動演出を実行させる連続予告演出を、図柄表示装置17において当り表示が表示される可能性を示唆する予告演出として実行可能に構成されている。具体的に、実施例のパチンコ機10は、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に取得した入賞情報に対応する始動保留情報に基づいて演出内容を特定(先読み)して、当該入賞情報を取得した時点で既にメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報に基づいて実行される図柄変動演出に跨がって連続予告演出を行わせるか否かを決定するよう構成されている。すなわち、実施例のパチンコ機10は、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として取得された入賞情報(乱数値)を始動保留情報として図柄変動演出(連続予告演出の本変動演出)が行われた際に大当り表示が表示される可能性(大当りが発生する可能性)を前もって示唆し得るよう構成されている。
【0146】
(先読み予告処理)
先ず、前述した先読み予告演出を実行するための先読み予告処理について説明する。なお、先読み予告処理は、
図4に一例を示すように、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞した際(特図入力処理が実行される際)に行われる。すなわち、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31へパチンコ球が入賞してから次の図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)が開始されるよりも前に(特図開始処理が行われるよりも前に)、先読み予告処理が実行される。言い換えると、先読み予告処理は、図柄変動演出の前に実行するよう構成されている。ここで、先読み予告処理は、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として入賞情報(乱数値)を取得する毎に、取得された入賞情報に対応する始動保留情報に基づいて統括制御CPU65aに伝達する特定情報(先読みコマンド)をメイン制御CPU60aが設定する処理である。すなわち、実施例のメイン制御CPU60aは、前記始動入賞口30,31への入賞を契機として入賞情報を取得する入賞情報取得手段として機能する一方、前記始動入賞口30,31への入賞を契機として入賞情報を取得する毎に、取得した入賞情報に基づいて特定情報(先読みコマンド)を特定する特定情報設定手段として機能している。なお、実施例では、取得された入賞情報に対応する入賞時の始動保留情報を変動開始時の始動保留情報とした場合に図柄変動演出で行われる演出内容に関する情報が先読みコマンドに含まれており、取得した入賞情報に基づいて演出内容を特定する演出内容先読み手段としてもメイン制御CPU60aが機能している。
【0147】
図9は、
図4に示す特図入力処理においてメイン制御CPU60aにより実行される先読み予告処理を示している。メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)の結果として大当り遊技が発生するか否かを事前判定する。具体的には、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された第1入賞時始動保留情報または第2入賞時始動保留情報における大当り判定用乱数の値が事前大当り判定値と一致するか否かを、メイン制御CPU60aが事前判定(事前大当り判定)する(ステップC11)。ここで、事前大当り判定値は、前述した特図開始処理の大当り判定(大当り抽選)で使用される大当り判定値と同一の値に設定されている。すなわち、第1または第2入賞時始動保留情報に基づく事前大当り判定が肯定であった場合は、遊技状態(より具体的には確変状態か非確変状態か)が変化しない限り、当該肯定判定された始動保留情報を変動開始時始動保留情報として本変動演出(図柄変動演出)が行われた際に、大当りが発生することになる。
【0148】
ここで、実施例では、前述のように、大当り遊技が発生しない図柄変動演出では、リーチ演出が行われた後にはずれとなる場合と、リーチ演出が行われることなくはずれとなる場合とがある。そこで、実施例のメイン制御CPU60aは、前記事前大当り判定の判定結果が否定の場合には、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)において特定演出としてのリーチ演出が実行されるか否かを事前判定(事前演出実行判定)する(ステップC12)。具体的に、実施例では、メイン制御CPU60aは、処理時においてメイン制御RAM60cから取得した演出実行判定用乱数の値が、事前演出実行判定値と一致するか否かにより判定を行う。ここで、事前演出実行判定値は、前述した特図開始処理における演出実行判定で使用される演出実行判定値と同一の値に設定されている。すなわち、事前演出実行判定において肯定であった場合には、当該肯定判定された特図始動保留情報に基づいた図柄変動演出が行われる際に実行される特図開始処理の演出実行判定においても肯定判定される。
【0149】
また、メイン制御CPU60aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて、当該入賞情報を変動開始時始動保留情報とした場合に図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)で行われる演出内容を事前判定するよう構成されている。具体的には、入賞情報を取得した時点でメイン制御RAM60cに記憶された第1入賞時始動保留情報または第2入賞時始動保留情報における特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aが事前判定(特図変動パターンの事前判定)する(ステップC13)。すなわち、前記事前大当り判定の判定結果が肯定の場合には、当該肯定判定となった入賞時始動保留情報の特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aが特定する。また、前記事前演出実行判定の判定結果が肯定の場合には、当該肯定判定となった入賞時始動保留情報の特図変動パターン振分用乱数の値に基づいて、複数種類の特図変動パターンの中から1つの特図変動パターンをメイン制御CPU60aを特定する。このように、メイン制御CPU60aは、始動入賞検出センサ34,35の検出を契機として入賞情報を取得する毎に、当該取得した入賞情報に対応した変動開始時始動保留情報に基づいて行われる図柄変動演出の演出内容や変動時間を定めた特図変動パターンを事前判定するよう構成されており、該メイン制御CPU60aが演出内容事前判定手段としての機能を備えている。
【0150】
(先読みコマンドの設定について)
前記メイン制御CPU60aは、前記第1始動入賞口30または第2始動入賞口31への入賞を契機として取得した入賞情報に対応する第1または第2入賞時始動保留情報に基づいて事前判定を行うと、当該事前判定の判定結果を示す情報が設定された先読みコマンド(特定情報)を設定する。実施例では、メイン制御CPU60aは、入賞時始動保留情報に基づく事前判定の判定結果に応じた先読みコマンドをメイン制御RAM60cの所定の記憶領域に設定すると共に、次に特図開始処理が行われる前にメイン制御CPU60aが当該先読みコマンドを統括制御基板65に出力することで、事前判定の判定結果が統括制御CPU65aに伝達されるよう構成されている。
【0151】
ここで、前記先読みコマンドは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞した時点で取得した入賞情報に対応する入賞時始動保留情報に基づいた事前大当り判定の判定結果を示す事前大当り情報や、当該入賞時始動保留情報に基づく事前演出実行判定の判定結果を示す事前演出実行情報や、当該入賞時始動保留情報に基づく特図変動パターン判定の判定結果を示す特図変動パターン情報を含んだコマンドである。そして、先読みコマンドで特定される保留数情報は、第1または第2始動入賞口30,31に対応する特図始動保留情報の記憶数情報である。従って、特図種別情報で第1始動入賞口30への入賞を契機とした先読みコマンドであることが特定される場合には、保留数情報は第1特図始動保留情報の記憶数を示しており、特図種別情報で第2始動入賞口31への入賞を契機とした先読みコマンドであることが特定される場合には、保留数情報は第2特図始動保留情報の記憶数を示している。従って、先読みコマンドを参照することで、統括制御CPU65aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31に入賞したときに取得された入賞情報を変動開始時始動保留情報として行われる図柄変動演出(第1または第2特図変動表示)において大当りが発生するか否かを当り情報に基づいて識別し得ると共に、当該図柄変動演出においてリーチ演出が行われるか否かを演出実行判定の判定結果に基づいて識別できる。また、特図変動パターン情報に基づいて図柄変動演出の演出内容や変動時間を、統括制御CPU65aが識別し得るようになっている。
【0152】
(先読みコマンド設定処理について)
次に、入賞時始動保留情報に基づいた事前大当り判定による先読みコマンド設定処理について、
図10を参照して説明する。すなわち、メイン制御CPU60aは、先読み予告処理における事前大当り判定が肯定か否かを判定する(ステップD11)。そして、ステップD11の判定結果が否定の場合には、メイン制御CPU60aは、事前大当り情報としてはずれ情報を設定(ステップD14)し、先読みコマンド設定処理を終了する。一方、ステップD11での判定結果が肯定の場合には、メイン制御CPU60aは、特図当り判定用乱数が大当り判定値と一致するか否かを判定する(ステップD12)。ステップD12が肯定であれば、メイン制御CPU60aは、事前大当り情報として大当り情報を設定し(ステップD13)、先読みコマンド設定処理を終了する。また、ステップD12の判定結果が否定の場合には、メイン制御CPU60aは、事前大当り情報としてはずれ情報を設定(ステップD14)し、先読みコマンド設定処理を終了する。すなわち、メイン制御CPU60aは、入賞時始動保留情報に基づいた事前大当り判定において、確変状態および非確変状態の何れの場合も肯定判定される(大当りとなる)大当り判定値と一致する特図当り判定用乱数で肯定判定した場合は、事前大当り情報として大当り情報を設定して、該大当り情報を含む先読みコマンドを統括制御CPU65aに出力する。一方、メイン制御CPU60aは、入賞時始動保留情報に基づいた事前大当り判定において、確変状態でのみ肯定判定される(大当りとなる)特定の大当り判定値と一致する特図当り判定用乱数で肯定判定した場合、および確変状態と非確変状態との何れの場合も否定判定される(はずれとなる)はずれ判定値と一致する特図当り判定用乱数で否定判定された場合は、事前大当り情報としてはずれ情報を設定して、該はずれ情報を含む先読みコマンドを統括制御CPU65aに出力するよう設定されている。
【0153】
そして、先読みコマンド設定処理により先読みコマンドの設定が完了すると、メイン制御CPU60aは、先読み予告処理を終了する。先読み予告処理において設定された先読みコマンドは、次の図柄変動演出(特図変動表示)が行われるよりも前(すなわち特図開始処理が行われる前)に統括制御CPU65aに出力されるよう設定されている。すなわち、前記始動入賞口30,31への入賞毎に取得した入賞情報に基づいて演出内容を特定する特定情報(先読みコマンド)を第1の制御手段としてのメイン制御CPU60aが生成して、生成した特定情報を第2の制御手段としての統括制御CPU65aに伝達するよう構成されている。これにより、統括制御CPU65aが、メイン制御CPU60aによる先読み予告処理の結果に基づいて連続予告演出を実行するか否かを判定可能になっている。
【0154】
(統括制御CPU65aによる連続予告演出判定処理)
次に、統括制御基板65の統括制御CPU65aによる連続予告演出の実行可否を判定する連続予演出告判定処理について説明する。連続予告演出判定処理は、
図11に示すように、メイン制御CPU60aから統括制御基板65に入力された前記先読みコマンドに基づいて行われる。統括制御CPU65aは、メイン制御CPU60aから先読みコマンドが入力されると(ステップE11)、後で説明する「連続予告演出実行条件」の成立可否を判定する(ステップE12)。そして、ステップE12での判定結果が否定の場合には、連続予告演出を実行しないことを決定して、連続予告演出判定処理を終了する。一方、ステップE12での判定結果が肯定の場合には、当該先読みコマンドに基づいて連続予告演出を実行するか否かを決定(実行可否判定)する(ステップE13)。すなわち、統括制御CPU65aは、先読みコマンドが入力された際に取得した乱数や、連続予告演出を「実行する」および「実行しない」に所定割合で振り分けられている判定値に基づいて、連続予告演出を実行するか否かを決定するよう構成されている。そして、ステップE13での判定結果が否定の場合は、連続予告演出を実行しないことを決定して、連続予告演出判定処理を終了する。一方、ステップE13での判定結果が肯定の場合は、後述する連続予告演出設定処理を実行した後、連続予告演出判定処理を終了する。すなわち、統括制御CPU65aは、先読みコマンドが入力された際に、始動入賞口30,31へパチンコ球が入賞した時点でメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報(実施例では第1特図始動保留情報)に基づいて実行される図柄変動演出に跨った連続予告演出を行わせるか否かを、前記メイン制御CPU60aが特定した演出内容に基づいて決定するようになっており、該統括制御CPU65aは連続予告演出決定手段としての機能を有している。
【0155】
(連続予告演出実行条件について)
実施例では、前述したステップE12において、連続予告演出を実行するか否かの判定条件として、連続予告演出実行条件が設定されている。ここで、連続予告演出実行条件として、次の第1連続予告演出実行条件および第2連続予告演出実行条件が設定され、両実行条件が同時に成立している場合に、連続予告演出の実行可否を判定可能となっている。第1連続予告演出実行条件は、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で、統括制御RAM65cに記憶されている事前大当り情報に大当りが含まれていない、ことである。また、第2連続予告演出実行条件は、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で、既に統括制御RAM65cに記憶されている変動パターン情報が、何れもリーチ変動を伴わない通常はずれ変動パターンの変動時間以下の変動時間である、ことである。言い換えると、統括制御CPUが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で、既に大当りの発生が確定している場合や、既に保留記憶手段に記憶されている各入賞情報の変動パターン情報として、リーチ変動を伴うリーチはずれ変動パターンやリーチ変動を伴うリーチ当り変動パターン等、前記通常はずれ変動パターンの変動時間より長い変動時間の変動パターンが1つ以上設定されている場合に、前記ステップE12において、統括制御CPU65aは連続予告演出を実行しないよう判定するようになっている。ここで、第2連続予告演出実行条件を設定したことにより、連続予告演出パターンに基づいて連続して実行される図柄変動演出に基づき、第1の図柄列である中図柄列26bに停止させる停止図柄と第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cに停止させる各停止図柄との図柄配列の間隔が徐々に小さくなる演出が可能となる。
【0156】
(連続予告演出設定処理について)
次に、
図11に示す連続予告演出判定処理のステップE14で実行される連続予告演出設定処理について、
図12を参照して説明する。統括制御CPU65aは、連続予告演出設定処理において、連続予告演出における図柄変動演出の実行回数を決定する処理と(ステップF11)、連続予告演出において連続して行われる図柄変動演出の演出パターン(連続予告演出パターン)を決定する処理と(ステップF12)、各図柄変動演出毎の左、中、右の図柄列26a,26b,26cの停止図柄を決定する(ステップF13)処理とを実行するようになっている。
【0157】
(実行回数の決定)
図12に示す前記連続予告演出設定処理におけるステップF11では、統括制御CPU65aは、連続予告演出における図柄変動演出の実行回数を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した時点で前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1始動保留情報の記憶数を最大連続回数として、連続予告演出において実行する図柄変動演出の実行回数を当該最大連続回数の範囲内で決定する。なお、実行回数の決定に関し、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した時点とは、先読みコマンドをメイン制御CPU60aが設定する契機となったパチンコ球の入賞時点である。ここで、先読みコマンドには、前述したように、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した時点においてメイン制御RAM60cが記憶する第1特図始動保留情報の記憶数を示す保留数情報が含まれている。そこで、実施例では、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とした範囲内で、統括制御CPU65aが連続予告演出の実行回数を決定する。そして、実施例では、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数を実行回数(すなわち最大連続回数=実行回数)として統括制御CPU65aが決定するよう設定されている。統括制御CPU65aが決定した実行回数は、統括制御RAM65cの実行回数記憶領域に記憶される。また、実行回数は、連続予告演出の図柄変動演出が1回実行された際に、統括制御RAM65cに記憶された実行回数データを統括制御CPU65aが1ずつ減算し、更新後のデータを実行回数として統括制御RAM65cに記憶させる。すなわち、実行回数=「1」の場合に、連続予告演出を実行することが決定された第1特図始動保留情報に基づく図柄変動演出(本変動)が行われること示している。
【0158】
ここで、ステップF11での実行回数の決定では、連続予告演出の本変動演出において遊技者に付与される価値を基準として決定するよう構成することもできる。例えば、連続予告演出の本変動演出において大当りが発生するかを基準として実行回数を決定したり、本変動演出において大当りが発生する場合の大当りの種類を基準として実行回数を決定することができる。より具体的には、連続予告演出の本変動演出において大当りが発生する場合に、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とした範囲で実行回数を決定する一方、本変動演出において大当りが発生しない場合に、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とし、かつ所定回数(例えば「4回」)を上限とした範囲で実行回数を決定する。また、大当りの種類として、確変状態が付与される大当りか否かを基準としたり、付与される大当り遊技のラウンド遊技の回数を基準としたりすることができる。なお、大当りの種類は、先読みコマンドにより統括制御CPU65aが把握することができる。
【0159】
また、ステップF11での実行回数の決定では、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とした範囲内で、任意の回数を決定することもできる。すなわち、例えば所定周期毎(例えば4ms)に更新される実行回数決定用の乱数を統括制御RAM65cに記憶させると共に、第1特図始動保留情報の記憶数「1」〜「4」の場合の夫々について該記憶数を最大連続回数として、実行回数毎に判定値を割当てる。そして、先読みコマンドが入力された時点で統括制御CPU65aが実行回数用の乱数を取得し、当該乱数に対応する判定値が割当てられた実行回数を決定するよう構成すれば、第1特図始動保留情報の記憶数を最大連続回数とした範囲内で、任意の回数を決定することが可能となる。このように、統括制御CPU65aは、連続予告演出における図柄変動演出の実行回数を決定する実行回数決定手段としての機能を有している。
【0160】
すなわち、統括制御CPU65aは、連続予告演出を実行しないことを決定した場合に、保留記憶手段が記憶する始動保留情報に基づいて図柄変動演出を図柄表示装置17に実行させる。また、統括制御CPU65aは、連続予告演出の実行を決定した場合に、保留記憶手段が記憶する始動保留情報に基づいて行われる複数回の図柄変動演出に跨がって連続予告演出を実行させ、当該統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定する契機となった入賞情報に対応する始動保留情報に基づいて連続予告演出の本変動演出を実行させるようになっており、当該統括制御CPU65aは、連続予告演出を実行する演出実行制御手段として機能する。
【0161】
(連続予告演出における連続予告演出パターンの決定について)
図12に示す前記連続予告演出設定処理におけるステップF12において、統括制御CPU65aは、ステップF11において決定された実行回数に基づき、後述する連続予告演出用の演出パターン(連続予告演出パターン)を決定する。実施例の統括制御基板65における統括制御ROM65bには、図柄表示装置17の左図柄列26a、中図柄列26bおよび右図柄列26cによる演出パターンとして、連続予告演出以外の図柄変動演出用の複数の非連続予告演出パターンを備えた非連続予告演出パターンテーブルと、連続予告演出用の複数の連続予告演出パターンを備えた連続予告演出パターンテーブルとが設定されている。ここでは、
図13に示すように、連続予告演出パターンテーブルには、第1〜第5の5つのパターン群が設定されており、各統括制御CPU65aは、前記ステップF12において、これら5つの連続予告演出パターンの中から1つの連続予告演出パターンを決定するようになっている。すなわち、前記各連続予告演出パターンには個別に連続予告演出パターン振分判定値が設定されており、
図11に示す連続予告演出判定処理のステップE13における判定結果が肯定の場合に統括制御CPU65aが取得した連続予告演出パターン決定用乱数に割当てられた連続予告演出パターン振分判定値が設定された連続予告演出パターンが決定される。
【0162】
(本変動演出における各図柄列の停止図柄の決定について)
前記連続予告演出設定処理におけるステップF12において連続予告演出パターンを決定したら、メイン制御CPU60aからの前記先読みコマンドの特図情報に基づいて、統括制御CPU65aは、連続予告演出の本変動演出における第1の図柄列である中図柄列26bの停止図柄および第2図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄を決定する。なお、先読みコマンドにはずれ情報が設定されている場合は、中図柄列26bの停止図柄と左図柄列26aおよび右図柄列26cとの停止図柄を異なる図柄として決定し、該先読みコマンドに大当り情報が設定されている場合には、中図柄列26bの停止図柄と左図柄列26aおよび右図柄列26cとを同じ図柄として決定する。
【0163】
(連続予告演出パターンについて)
実施例では、連続予告演出パターンテーブルに、5種類(第1〜第5)の連続予告演出パターンが備えられている。第1〜第5連続予告演出パターンは、基本的な演出態様として、所定の実行回数の連続予告演出における本変動演出を除く図柄変動演出において、第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄によりリーチ表示を形成すると共に、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と第1の図柄列である中図柄列26bの停止図柄との図柄配列位置の配列間隔が、直前の図柄変動演出における該左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄との図柄配列位置の配列間隔より小さくなるよう構成されたものである。
【0164】
具体的に、第1および第4の連続予告演出パターンは、連続予告演出における本変動演出を除く各図柄変動演出において、第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cではリーチ表示を形成するリーチ図柄として同じ図柄配列位置の図柄が停止表示されると共に、第1の図柄列である中図柄列26bでは、図柄変動演出の実行毎に直前の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄よりリーチ図柄との配列間隔が小さい図柄配列位置の図柄を停止表示する演出パターンである。また、第2および第5の連続予告演出パターンは、連続予告演出における本変動演出を除く各図柄変動演出において、第1の図柄列である中図柄列26bでは同じ図柄配列位置の停止図柄が停止表示されると共に、第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cでは、図柄変動演出毎に直前の図柄変動演出におけるリーチ表示を形成するリーチ図柄より中図柄列26bの停止図柄との配列間隔が小さい図柄配列位置の図柄をリーチ図柄として停止表示するものである。更に、第3連続予告演出パターンは、連続予告演出における本変動演出を除く各図柄変動演出において、第1の図柄列である中図柄列26bの停止図柄が、直前の図柄変動演出における第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cのリーチ表示を形成する停止図柄に近づくように変化すると共に、左図柄列26aおよび右図柄列26cのリーチ表示を形成する停止図柄も、直前の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄に近づくように変化するものである。
【0165】
また、第1および第2の連続予告演出パターンは、連続予告演出における各図柄変動演出において、第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cの図柄が、図柄変動開始時に変動開始すると共に所定時間後にリーチ表示を形成して停止した状態に継続表示するものであり、第4および第5の連続予告演出パターンは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの図柄を、図柄変動開始時からリーチ表示を形成して停止した状態に継続表示するものである。なお、リーチ表示を形成した左図柄列26aおよび右図柄列26cの図柄の継続表示は、両図柄列26a,26cの図柄を図柄有効ライン28に仮停止した状態であり、上下に微小にゆれた状態となることもある。
【0166】
(昇格判定について)
次に、連続予告演出の実行中に行われる昇格判定について説明する。実施例では、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報に、本変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄を決定するための図柄として確変報知図柄に対応する確変図柄が設定されている時に、前記連続予告演出設定処理において当該連続予告演出の最初の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として確変非報知図柄を統括制御CPU65aが決定した場合に、当該連続予告演出の実行中に確変状態を決定し得るように構成されている。具体的に、統括制御CPU65aは、連続予告演出における各図柄変動演出の開始前に昇格判定を行い、昇格判定の判定結果が肯定となった場合に、直後の図柄変動演出の実行中に確変状態が決定されたことを示唆する昇格演出を実行するようになっており、本変動演出の図柄変動演出までの何れかの図柄変動演出において昇格演出を実行するようになっている。すなわち、統括制御CPU65aは、連続予告演出中に確変状態を決定可能な昇格判定手段としての機能を有している。
【0167】
(昇格演出について)
実施例では、昇格判定の判定結果が肯定の場合に連続予告演出の実行中に行われる前記昇格演出として、表示制御CPU70aによる図柄表示装置17の画像表示部17aでの演出や、ランプ制御基板72によるランプ装置18でのランプ表示演出や、音制御基板73によるスピーカ19での音声表示演出が実行される。すなわち、前記昇格判定の判定結果が肯定の場合は、当該図柄変動演出の実行中の所定タイミングで統括制御CPU65aから表示制御基板70、ランプ制御基板72および音制御基板73へ所定のコマンドが送信され、該コマンドに基づいて、表示制御CPU70a、ランプ制御基板72および音制御基板73が所定の制御を行う。なお、表示制御CPU70aによる画像表示面17aでの演出は、背景画像を確変用の背景画像に変更したり、昇格したことを認識可能なイラスト情報や文字情報等を表示させるようになっている。すなわち、実施例では、昇格判定の判定結果が肯定の場合に、各図柄列26a,b,cにおける図柄を確変非報知図柄から確変報知図柄に変更せずに昇格演出を実行するよう構成されている。
【0168】
(連続予告演出の実行処理について)
次に、統括制御基板65で実行される連続予告演出の実行処理について、
図14を参照して説明する。先ず、統括制御CPU65aは、第1始動入賞口30または第2始動入賞口31の何れへの入賞に基づく図柄決定処理であるかを判定する(ステップG11)。ここで、第2始動入賞口31への入賞に基づく図柄決定処理の場合には、統括制御CPUは、当該連続予告演出実行処理を終了する。一方、第1始動入賞口30への入賞に基づく図柄決定処理である場合には、連続予告演出決定手段としての統括制御CPU65aが連続予告演出を実行することを決定したか否かを判定する(ステップG12)。具体的には、統括制御RAM65cの所定領域に記憶された連続予告演出フラグが「1」であるか否かを判定する。統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定していない場合(連続予告演出フラグ=「0」)には、当該連続予告演出実行処理処理を終了する。
【0169】
統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定している場合(連続予告演出フラグ=「1」)には、ステップG13において、当該時点で統括制御RAM65cが記憶する実行回数が1より多いか否か(実行回数>1)を判定する。すなわち、ステップG13では、連続予告演出の本変動演出か否かを判定している。そして、実行回数が1より多い場合(連続予告演出の本変動演出ではない場合)には、連続予告演出の実行を決定してから最初(1回目)の図柄変動演出であるか否かを判定する(ステップG14)。
【0170】
(最初の図柄変動演出の場合)
ステップG14において、連続予告演出の実行を決定してから最初(1回目)の図柄変動演出であると判定された場合には、前記連続予告演出設定処理のステップF12で決定された連続予告演出パターンに基づいて、統括制御CPU65aは、第2の図柄列である左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および第1の図柄列である中図柄列28bの停止図柄を決定する(ステップG15)。ここで、統括制御CPU65aは、1回目(最初)の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄とを決定する場合に、連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で既に保留記憶手段に記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数と同数の図柄数分だけ左図柄列26aおよび右図柄列26cにおけるリーチ表示を形成する停止図柄から図柄配列において離れた図柄を、中図柄列26bの停止図柄として決定するよう構成されている。
【0171】
具体的に、連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で既に保留記憶手段に記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数が「3」である場合には、左図柄列26aおよび右図柄列26cにおけるリーチ表示を形成する図柄として決定された停止図柄に対し、図柄配列において3図柄分だけ離れた図柄配列位置の図柄を中図柄列26bにおける停止図柄として決定するようになっている。従って、連続予告演出の最初の図柄変動演出においては、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、リーチ表示を形成するリーチ図柄を決定すると共に、中図柄列26bの停止図柄として、はずれ表示を形成するはずれ図柄を決定する。
【0172】
そして、ステップG15において、左図柄列26aおよび右図柄列26cのリーチ表示を形成する各停止図柄および中図柄列26bの停止図柄が決定されたら、統括制御CPU65aは、決定された演出パターンに基づいて1回目の図柄変動演出を実行した後、先ず、左図柄列26aおよび右図柄列26cにリーチ表示を形成する図柄配列位置の図柄を有効停止位置27に停止表示すると共に、中図柄列26bの図柄を有効停止位置27に停止表示する(ステップG16)。そして、統括制御RAM65cに記憶されている実行回数を1減算して、新たな実行回数として記憶させ(ステップG17)、当該連続予告演出実行処理を終了する。
【0173】
なお、統括制御CPU65aは、該統括制御CPUが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報に、本変動演出における中図柄列26bの停止図柄として確変当りまたは非確変当りの場合に選択され得る非確変図柄(大当り)が記憶されている場合に、連続予告演出の最初の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄として確変非報知図柄を決定するよう構成されている。これにより、該統括制御CPUが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報に非確変図柄が記憶されているにも拘わらず、連続予告演出の最初の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄として確変報知図柄を決定することを防止することが可能となっている。
【0174】
また、メイン制御CPU60aから送信された先読みコマンドにより大当りが発生することを統括制御CPU65aが確認している場合は、ステップG16において、統括制御CPU65aは前記昇格判定を行い、昇格判定が否定の場合には昇格演出を行わず、昇格判定が肯定の場合には昇格演出を行うと共に確変状態への移行を報知する。
【0175】
(連続予告演出における本変動演出を除く2回目以降の図柄変動演出の場合)
ステップG14において、連続予告演出の実行を決定してから2回目以降の図柄変動演出であると判定された場合には、前記連続予告演出設定処理のステップF12で決定された連続予告演出パターンに基づいて、統括制御CPU65aは、第2の図柄列である左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および第1の図柄列である中図柄列28bの停止図柄を決定する(ステップG17)。ここで、統括制御CPU65aは、連続予告演出における本変動演出を除く2回目以降の図柄変動演出においては、第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、直前の図柄変動演出における停止図柄と同じリーチ表示を形成するリーチ図柄を決定する。また、中図柄列26bにおいては、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と該中図柄列26bの停止図柄との配列間隔が、直前の図柄変動演出における該左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄との配設間隔より小さくなる図柄配列位置の図柄を決定するようになっている。
【0176】
具体的には、連続予告演出における最初の図柄変動演出において、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄とが図柄配列において図柄配列位置が3図柄分だけ離れているから、当該連続予告演出における2回目の図柄変動演出においては、左図柄列26aおよび右図柄列26cにおけるリーチ表示を形成する図柄として決定された停止図柄に対して図柄配列において2図柄分だけ離れた図柄配列位置の図柄を中図柄列26bにおける停止図柄として決定するようになっている。また、当該連続予告演出における3回目の図柄変動演出においては、左図柄列26aおよび右図柄列26cにおけるリーチを形成する図柄として決定された停止図柄に対して図柄配列において1図柄離れた図柄配列位置の図柄を中図柄列26bにおける停止図柄として決定するようになっている。従って、連続予告演出の2回目以降の図柄変動演出においては、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、リーチ表示を形成するリーチ図柄を決定すると共に、中図柄列26bの停止図柄として、はずれ表示を形成するはずれ図柄を決定する。
【0177】
そして、ステップG18において、左図柄列26aおよび右図柄列26cのリーチ表示を形成する各停止図柄および中図柄列26bの停止図柄が決定されたら、統括制御CPU65aは、決定された演出パターンに基づいて2回目または3回目の図柄変動演出を実行した後、先ず、左図柄列26aおよび右図柄列26cにリーチ表示を形成する図柄を有効停止位置27に停止表示すると共に、中図柄列26bの図柄を有効停止位置27に停止表示する(ステップG19)。そして、統括制御RAM65cに記憶されている実行回数を1減算して、新たな実行回数として記憶させ(ステップG17)、当該連続予告演出実行処理を終了する。
【0178】
なお、メイン制御CPU60aから送信された先読みコマンドにより大当りが発生することを統括制御CPU65aが確認していて、ステップG16において昇格演出が実行されなかった場合は、ステップG19において、統括制御CPU65aは前記昇格判定を行い、昇格判定が否定の場合には昇格演出を行わず、昇格判定が肯定の場合には昇格演出を行うと共に確変状態への移行を報知する。
【0179】
(連続予告演出の本変動演出の場合)
ステップG13において、連続予告演出の本変動演出であると判定された場合には、統括制御CPU65aは、前記連続予告演出設定処理のステップF13で決定されて統括制御RAM65cに記憶されている左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄と中図柄列28bの停止図柄を確認する(ステップG20)。統括制御CPU65aは、決定された演出パターンに基づいて本変動演出の図柄変動演出を実行した後、先ず、左図柄列26aおよび右図柄列26cにリーチ表示を形成する図柄を有効停止位置27に停止表示すると共に、中図柄列26bの図柄を有効停止位置27に停止表示する(ステップG19)。そして、統括制御RAM65cに記憶されている実行回数を1減算して、新たな実行回数として記憶させ(ステップG17)、当該連続予告演出実行処理を終了する。
【0180】
なお、メイン制御CPU60aから送信された先読みコマンドにより大当りが発生することを統括制御CPU65aが確認していて、ステップG16およびステップG19において昇格演出が実行されなかった場合は、ステップG20において昇格演出を行うと共に確変状態への移行を報知する。
【0181】
次に、前述のように構成された実施例のパチンコ機10における連続予告演出の実施態様につき、実施態様を例示して具体的について説明する。
【0182】
(第1実施態様)
図15は、第1実施態様として、前記第1連続予告演出パターン(
図13参照)に基づく連続予告演出を概略的に示した説明図である。ここで、第1実施態様の連続予告演出は、
図11に示す連続予演出告判定処理のステップE12において、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で、前述した連続予告演出実行条件を満たしていると判定され、ステップE13において、連続予告演出の実行判定が肯定の場合に、
図14に示す連続予告演出の実行処理が行われる。なお、第1実施形態では、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数が「4」である場合を例示する。
【0183】
統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定した場合、
図14に示す連続予告演出実行処理において、該統括制御CPU65aは、最初の図柄変動演出における第2の図柄列である左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および第1の図柄列である中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、第1実施態様では、統括制御CPU65aが、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な前記確変非報知図柄(第2の識別図柄)である飾図「4」、「4」を各々決定した場合を例示する。また、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で既に保留記憶手段に記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数は「3」であるから、中図柄列26bの停止図柄として、該記憶数と同数の3図柄分だけ左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として決定した飾図「4」から図柄配列位置が離れた飾図「1」を決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における1回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「1」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「1」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0184】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、第1連続予告演出パターンに基づき、2回目の図柄変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、最初の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と同じ飾図「4」、「4」を夫々決定する。また、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と該中図柄列26bの停止図柄との配列間隔が、直前の図柄変動演出における該左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄との配列間隔より小さくなる図柄として、飾図「2」を決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における2回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「2」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「2」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。従って、図柄表示装置17の画像表示面17aに確定停止された左、中、右の図柄列26a,26b,26cの停止図柄が、1回目が飾図「4」、「1」、「4」で、2回目が飾図「4」、「2」、「4」となり、中図柄列26bの停止図柄と左、右図柄列26a,26cの停止図柄との図柄配列における図柄配列位置の間隔が1回目よりも2回目が小さくなる。
【0185】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、第1連続予告演出パターンに基づき、3回目の図柄変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、直前(2回目)の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と同じ飾図「4」、「4」を夫々決定する。また、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と該中図柄列26bの停止図柄との配列間隔が、直前(2回目)の図柄変動演出における該左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄との配列間隔より小さくなる図柄として、飾図「3」を決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における3回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「3」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「3」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。従って、図柄表示装置17の画像表示面17aに確定停止された左、中、右の図柄列26a,26b,26cの停止図柄が、1回目が飾図「4」、「1」、「4」で、2回目が飾図「4」、「2」、「4」で、3回目が飾図「4」、「3」、「4」となり、中図柄列26bの停止図柄と左、右図柄列26a,26cの停止図柄との図柄配列位置の間隔が、図柄変動演出の実行回数が進むにつれて小さくなることが認識できる。
【0186】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、可動予告演出における本変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、本変動演出に対応した先読みコマンドを参照して大当りが判定されていることを確認した場合に、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、直前(3回目)の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と同じ飾図「4」、「4」を夫々決定する。また、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と同じ飾図「4」を決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における本変動演出において、各図柄列26a,26b,26cを変動開始した後、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「4」、「4」を有効停止位置27に確定停止させ、大当りの成立を遊技者に報知する。
【0187】
一方、統括制御CPU65aは、本変動演出に対応した先読みコマンドによりはずれが判定されていることを確認した場合に、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、直前(3回目)の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と同じ飾図「4」、「4」を夫々決定する。また、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、直前の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄と同じ飾図「3」か、または左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄である飾図「4」とは異なる飾図「5」等を決定する。なお、実施例では、飾図「5」を決定した場合を例示している。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における本変動演出において、各図柄列26a,26b,26cを変動開始した後、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「5」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「4」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0188】
従って、第1実施態様における連続予告演出によれば、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aの判定結果が肯定となって連続予告演出が実行される場合に、始動保留情報の記憶数に応じて実行される各図柄変動演出において、最後の本変動演出の前に行われる図柄変動演出では、該本変動演出に近づくにつれて第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cにおけるリーチ表示を形成する停止図柄と第1の図柄列である中図柄列26bにおける停止図柄との図柄配列位置の間隔が徐々に小さくなり、左および右図柄列26a,26cの停止図柄に対して中図柄列26bの停止図柄が近づく演出が行われるから、遊技者に有利な大当り遊技の付与に対する期待度が高められ、連続予告演出の興趣が向上して遊技者の関心を維持することができる。
【0189】
(第2実施態様)
図16は、第2実施態様として、第2連続予告演出パターン(
図13参照)に基づく連続予告演出を概略的に示した説明図である。ここで、第2実施態様の連続予告演出は、
図11に示す連続予演出告判定処理のステップE12において、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で、連続予告演出実行条件を満たしていると判定され、ステップE13において、連続予告演出の実行判定が肯定の場合に、
図14に示す連続予告演出実行処理が行われる。なお、第2実施形態では、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数が「4」である場合を例示する。
【0190】
統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定した場合、
図14に示す連続予告演出実行処理において、該統括制御CPU65aは、最初の図柄変動演出における第2の図柄列である左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および第1の図柄列である中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、第2実施態様では、統括制御CPU65aが、中図柄列26bの停止図柄として、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な前記確変非報知図柄(第2の識別図柄)である飾図「4」を各々決定した場合を例示する。また、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で既に保留記憶手段に記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数は「3」であるから、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、該記憶数と同数の3図柄分だけ決定した飾図「4」から図柄配列位置が離れた飾図「7」,「7」を決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における1回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「7」、「7」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「7」、「4」、「7」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0191】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、第2連続予告演出パターンに基づき、2回目の図柄変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、1回目(最初)の図柄変動演出において決定した該中図柄列26bの停止図柄と同じ飾図「4」を決定する。また、統括制御CPU65aは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、中図柄列26bの停止図柄と該左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄との図柄配列位置の間隔が、直前(1回目)の図柄変動演出における該中図柄列26bの停止図柄と左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄との間隔より小さくなる図柄として、飾図「6」、「6」を夫々決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における2回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「6」、「6」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「6」、「4」、「6」を有効停止位置27に確定停止させる。従って、図柄表示装置17の画像表示面17aに確定停止された左、中、右の図柄列26a,26b,26cの停止図柄が、1回目が飾図「7」、「4」、「7」で、2回目が飾図「6」、「4」、「6」となり、左、右図柄列26a,26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄との図柄配列における間隔が1回目よりも2回目が小さくなる。
【0192】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、3回目の図柄変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、1回目および2回目の図柄変動演出において決定した該中図柄列26bの停止図柄と同じ飾図「4」を決定する。また、統括制御CPU65aは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、中図柄列26bの停止図柄と該左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄との図柄配列位置の間隔が、直前(2回目)の図柄変動演出における該中図柄列26bの停止図柄と左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄との間隔より小さくなる図柄として、飾図「5」、「5」を夫々決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における3回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「5」、「5」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「5」、「4」、「5」を有効停止位置27に確定停止させる。従って、図柄表示装置17の画像表示面17aに確定停止された左、中、右の図柄列26a,26b,26cの停止図柄が、1回目が飾図「7」、「4」、「7」、2回目が飾図「6」、「4」、「6」、3回目が飾図「5」、「4」、「5」となり、左、右図柄列26a,26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄との図柄配列における間隔が、図柄変動演出の実行回数が進むにつれて小さくなることが認識できる。
【0193】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、可動予告演出における本変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、本変動演出に対応した先読みコマンドにより大当りが判定されていることを確認した場合には、中図柄列26bの停止図柄として、1〜3回目の図柄変動演出において決定した該中図柄列26bの停止図柄と同じ飾図「4」を決定する。また、統括制御CPU65aは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、中図柄列26bの停止図柄と同じ飾図「4」、「4」を夫々決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における本変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで適宜経過後に中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「4」、「4」を有効停止位置27に確定停止させ、大当りの成立を遊技者に報知する。
【0194】
一方、統括制御CPU65aは、本変動演出に対応した先読みコマンドによりはずれが判定されていることを確認した場合には、中図柄列26bの停止図柄として、1〜3回目の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄と同じ飾図「4」を決定する。また、統括制御CPU65aは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、直前の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄と同じ飾図「5」、「5」か、中図柄列26bの停止図柄である飾図「4」と図柄配列において近い「3」等を決定する。なお、実施例では「3」、「3」を決定した場合を例示している。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における本変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「3」、「3」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「3」、「4」、「3」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0195】
従って、第2実施態様における連続予告演出によれば、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aの判定結果が肯定となって連続予告演出が実行される場合に、始動保留情報の記憶数に応じて実行される各図柄変動演出において、最後の本変動演出の前に行われる図柄変動演出では、該本変動演出に近づくにつれて第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cにおけるリーチ表示を形成する停止図柄と第1の図柄列である中図柄列26bにおける停止図柄との図柄配列位置の間隔が徐々に小さくなり、左および右図柄列26a,26cの停止図柄が中図柄列26bの停止図柄に対して近づく演出が行われるから、遊技者に有利な大当り遊技の付与に対する期待度が高められ、連続予告演出の興趣が向上して遊技者の関心を維持することができる。
【0196】
(第3実施態様)
図17は、第3実施態様として、第3連続予告演出パターン(
図13参照)に基づく連続予告演出を概略的に示した説明図である。ここで、第3実施態様の連続予告演出は、
図11に示す連続予演出告判定処理のステップE12において、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で、連続予告演出実行可能条件を満たしていると判定され、ステップE13において、連続予告演出の実行判定が肯定の場合に、
図14に示す連続予告演出実行処理が行われる。なお、第3実施形態では、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数が「4」である場合を例示する。
【0197】
統括制御CPU65aが連続予告演出の実行を決定した場合、
図14に示す連続予告演出実行処理において、該統括制御CPU65aは、最初の図柄変動演出における第2の図柄列である左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および第1の図柄列である中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、第3実施態様では、統括制御CPU65aが、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、各々飾図「7」、「7」を決定した場合を例示する。また、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で既に保留記憶手段に記憶されている第1特図始動保留情報の記憶数は「3」であるから、中図柄列26bの停止図柄として、該記憶数の2倍に相当する6図柄分だけ左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として決定した飾図「7」から図柄配列位置が離れた飾図「1」を、中図柄列26bの停止図柄として決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における1回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「7」、「7」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「1」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「7」、「1」、「7」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0198】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、2回目の図柄変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、最初の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄より中図柄列26bの停止図柄に図柄配列位置が近い飾図「6」、「6」を夫々決定する。また、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と該中図柄列26bの停止図柄との配列間隔が、直前の図柄変動演出における該左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄との配設間隔より小さくなる図柄、すなわち該左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄に図柄配列位置が近い飾図「2」を決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における2回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「6」、「6」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「2」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「6」、「2」、「6」を有効停止位置27に確定停止させる。従って、図柄表示装置17の画像表示面17aに確定停止された左、中、右の図柄列26a,26b,26cの停止図柄が、1回目が飾図「7」、「1」、「7」で、2回目が飾図「6」、「2」、「6」となり、中図柄列26bの停止図柄が左、右図柄列26a,26cの停止図柄に近づくと共に左、右図柄列26a,26cの停止図柄も中図柄列26bに近づくから、左、右図柄列26a,26cの停止図柄と中図柄列26bの停止図柄との図柄配列における間隔が1回目よりも2回目が小さくなる。
【0199】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、3回目の図柄変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、直前(2回目)の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄より中図柄列26bの停止図柄に図柄配列位置が近い飾図「5」、「5」を夫々決定する。また、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、直前(2回目)の図柄変動演出における中図柄列の停止図柄より左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄に図柄配列位置が近い「3」を決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における3回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「5」、「5」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「3」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「5」、「3」、「5」を有効停止位置27に確定停止させる。従って、図柄表示装置17の画像表示面17aに確定停止された左、中、右の図柄列26a,26b,26cの停止図柄が、1回目が飾図「7」、「1」、「7」で、2回目が飾図「6」、「2」、「6」で、3回目が飾図「5」、「3」、「5」となり、中図柄列26bの停止図柄と左、右図柄列26a,26cの停止図柄とが、互いに近づいて図柄配列における間隔が図柄変動演出の実行回数が進むにつれて小さくなることが認識できる。
【0200】
次に、統括制御CPU65aは、
図14に示す連続予告演出実行処理において、可動予告演出における本変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定する。ここで、統括制御CPU65aは、本変動演出に対応した先読みコマンドにより大当りが判定されていることを確認した場合には、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、直前(3回目)の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄より中図柄列26bの停止図柄に図柄配列位置が近い飾図「4」、「4」を夫々決定する。また、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、直前(3回目)の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄より左、右図柄列26a,26cの停止図柄に図柄配列位置が近い飾図「4」を決定する。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における本変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「4」、「4」を有効停止位置27に確定停止させ、大当りの成立を遊技者に報知する。
【0201】
一方、統括制御CPU65aは、本変動演出に対応した先読みコマンドによりはずれが判定されていることを確認した場合には、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として、直前(3回目)の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄より中図柄列26bの停止図柄に図柄配列位置が近い飾図「4」、「4」を夫々決定する。また、統括制御CPU65aは、中図柄列26bの停止図柄として、直前(3回目)の図柄変動演出における中図柄列26bの停止図柄と同じ飾図「2」か、左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄である飾図「3」と図柄配列位置が近い「5」等を決定する。なお、実施例では「5」を決定した場合を例示している。これにより、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における本変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「5」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「5」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0202】
従って、第3実施態様における連続予告演出によれば、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aの判定結果が肯定となって連続予告演出が実行される場合に、始動保留情報の記憶数に応じて実行される各図柄変動演出において、最後の本変動演出の前に行われる図柄変動演出では、該本変動演出に近づくにつれて第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cにおけるリーチ表示を形成する停止図柄と第1の図柄列である中図柄列26bにおける停止図柄との図柄配列位置の間隔が徐々に小さくなり、左および右図柄列26a,26cの停止図柄および中図柄列26bの停止図柄が互いに近づく演出が行われるから、遊技者に有利な大当り遊技の付与に対する期待度が高められ、連続予告演出の興趣が向上して遊技者の関心を維持することができる。
【0203】
(第4実施態様)
図18は、第4実施態様として、第4連続予告演出パターン(
図13参照)に基づく連続予告演出を概略的に示した説明図である。ここで、第4実施態様では、第1実施態様と同様に、先読みコマンドの保留数情報で特定される第1特図始動保留情報の記憶数が「4」で、連続予告演出の1回目の図柄変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄として飾図「4」、「4」を決定すると共に、中図柄列26bの停止図柄として飾図「1」を決定した場合で例示する。統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における1回目の図柄変動演出において、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「1」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「1」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0204】
次に、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における2回目の図柄変動演出を開始すると、左図柄列26aおよび右図柄列26cは変動させずに飾図「4」、「4」を有効停止位置27に停止(仮停止)した状態に継続表示させてリーチ表示を行い、所定のタイミングで該中図柄列26bを停止させて飾図「2」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「2」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。次に、統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における3回目の図柄変動演出を開始すると、左図柄列26aおよび右図柄列26cは変動させずに飾図「4」、「4」を有効停止位置27に停止(仮)した状態に継続表示させてリーチ表示を行い、所定のタイミングで該中図柄列26bを停止させて飾図「3」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「3」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0205】
そして、統括制御CPU65aは、本変動演出に対応した先読みコマンドにより大当りが判定されていることを確認した場合には、図柄表示装置17での連続予告演出における本変動演出の図柄変動演出を開始すると、左図柄列26aおよび右図柄列26cは変動させずに飾図「4」、「4」を有効停止位置27に停止(仮停止)した状態に継続表示させてリーチ表示を行い、所定のタイミングで該中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「4」、「4」を有効停止位置27に確定停止させ、大当りが成立したことを遊技者に報知する。一方、統括制御CPU65aは、本変動演出に対応した先読みコマンドによりはずれが判定されていることを確認した場合には、図柄表示装置17での連続予告演出における本変動演出の図柄変動演出を開始すると、左図柄列26aおよび右図柄列26cは変動させずに飾図「4」、「4」を有効停止位置27に停止(仮停止)した状態に継続表示させてリーチ表示を行い、所定のタイミングで該中図柄列26bを停止させて飾図「5」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「5」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。
【0206】
従って、第4実施態様における連続予告演出によれば、連続予告演出決定手段である統括制御CPU65aの判定結果が肯定となって連続予告演出が実行される場合に、連続予告演出における2回目以降の図柄変動演出において、第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄を停止した状態で表示するから、停止した左図柄列26aおよび右図柄列26cのリーチ表示を形成する停止図柄に中図柄列26bの停止図柄が図柄変動演出毎に近づいていくことが認識され、遊技者の期待度を高めて関心を維持することができる。
【0207】
(第5実施態様)
図19は、第5実施態様として、第1連続予告演出パターン(
図13参照)に基づく連続予告演出の実行中に、昇格判定が肯定となって昇格演出が行われる場合を概略的に示した説明図である。なお、第5実施態様では、メイン制御CPU60aから送信された先読みコマンドの事前大当り情報により大当りが発生することを統括制御CPU65aが確認したもとで、連続予告演出における最初の図柄変動演出において、第2の図柄列である左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄として、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な前記第2の識別図柄である飾図「4」、「4」を各々決定すると共に、第1の図柄列である中図柄列28bの停止図柄として、飾図「1」を決定した場合を例示する。また、連続予告演出の2回目の昇格判定において、「する」と判定した場合を例示する。
【0208】
統括制御CPU65aは、図柄表示装置17での連続予告演出における1回目の図柄変動演出の開始前に昇格判定を行う。そして、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「1」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「1」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。また、昇格判定の判定結果が否定となり、昇格演出を実行しない。
【0209】
次に、統括制御CPU65aは、2回目の図柄変動演出における左図柄列28aおよび右図柄列28cの停止図柄および中図柄列28bの停止図柄を決定すると共に昇格判定を行う。そして、決定した演出パターンに基づいて各図柄列26a,26b,26cを変動させ、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「2」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「2」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。また、昇格判定の判定結果が肯定となり、昇格演出を実行して、図柄表示装置17の画像表示面17aの右上領域に「確変間近!」を表示させたり、背景画像が確変演出モードを示唆する背景画像に変更する制御を行うと共に、ランプ装置18によるランプ表示やスピーカ19による音声表示による演出がなされる。
【0210】
次に、統括制御CPU65aは、昇格演出が実行された状態で、連続予告演出の3回目の図柄変動演出を開始して、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「3」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「3」、「4」を有効停止位置27に確定停止させる。更に、統括制御CPU65aは、昇格演出が実行された状態で、連続予告演出の4回目の図柄変動演出を開始して、先ず左図柄列26aおよび右図柄列26cを停止させて飾図「4」、「4」によるリーチ表示を行い、次いで所定のタイミングで中図柄列26bを停止させて飾図「4」を表示して、各図柄列26a,26b,26cの飾図「4」、「4」、「4」を有効停止位置27に仮停止させる。そして、統括制御CPU65aは、飾図「4」、「4」、「4」を有効停止位置27に一旦停止させた後、例えば各図柄列26a,26b,26cを再変動させて、大当り遊技終了後に確変状態を付与される可能性のあることを非確定的に認識可能な確変報知図柄(第1の識別図柄)として、例えば飾図「3」、「3」、「3」を有効停止位置27に確定停止させ、確変状態での大当り遊技が生起されたことを遊技者に報知する。
【0211】
従って、第5実施態様における連続予告演出によれば、連続予告演出の最初の図柄変動演出における左図柄列26aおよび右図柄列26cの停止図柄として確変非報知図柄が決定されて、連続予告演出の各図柄変動演出において該左図柄列26aおよび右図柄列26cに同じ停止図柄が停止表示される場合でも、統括制御CPU65aの昇格判定により図柄表示装置17の画像表示面17aに確変状態の決定を示唆する演出を実行させるようにしたから、遊技者は連続予告演出中に確変状態が確定することを認識でき、遊技者に安心感を与えることができる。
【0212】
また、実施例のパチンコ機10によれば、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で既にメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報の変動パターン情報が、リーチ変動を伴わない通常はずれ変動パターンの変動時間以下の変動時間である場合に、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行することを決定し得るように構成されているから、連続予告演出を実行する際に各図柄変動演出の演出時間が通常はずれ変動パターンの変動時間以下となり、各図柄変動演出の関連性や連続性が損なわれない。従って、第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cのリーチ表示を形成する停止図柄と第1の図柄列である中図柄列26bの停止図柄とが本変動演出に近づくにつれて徐々に近づくことが認識され易くなり、連続予告演出に対する遊技者の関心を高めることができる。
【0213】
また、第1、第2、第4および第5連続予告演出パターンによる連続予告演出においては、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報をメイン制御CPU60aが取得した時点で既にメイン制御RAM60cに記憶されている始動保留情報の記憶数と同数の図柄数分だけ第2の図柄列である左、右図柄列26a,26cにおけるリーチ表示を形成する図柄から図柄配列位置が離れた図柄を、連続予告演出の最初の図柄変動演出における第1の図柄列である中図柄列26bの停止図柄として決定するようになっている。従って、連続予告演出において図柄変動演出が実行される毎に、左、右図柄列26a,26cにおけるリーチ表示を形成する停止図柄と中図柄列26bにおける停止図柄とが1図柄ずつ近づいていく演出が明確に認識されるから、遊技者に有利な当り遊技の付与に対する遊技者の関心を維持することができる。
【0214】
また、前記第3および第4連続予告演出パターンによる連続予告演出においては、連続予告演出における2回目以降の図柄変動演出において、変動開始時に第2の図柄列である左、右図柄列26a,26cの停止図柄を変動開始時から停止した状態に継続表示するから、停止した左、右図柄列26a,26cのリーチ表示を形成する停止図柄に中図柄列26bの停止図柄が図柄変動演出毎に近づいていくことが適切に認識され、遊技者の期待度を高めて関心を維持することができる。
【0215】
更に、統括制御CPU65aが連続予告演出を実行するか否かを判定する契機となった入賞情報に、本変動演出における第2の図柄列である左、右図柄列26a,26cのリーチ表示を形成する停止図柄として非確変図柄が記憶されている場合に、連続予告演出において確変報知図柄がリーチ表示を形成する停止図柄でリーチ演出を行うことが防止されるから、メイン制御CPU60aが決定した変動パターンに適合しない演出パターンが実行される不都合を防止し得る。
【0216】
〔変更例〕
なお、遊技機の構成としては、実施例のものに限られるものではなく、種々の変更が可能である。
(1)前記第1の図柄列である中図柄列26bおよび第2の図柄列である左図柄列26aおよび右図柄列26cは、
図20に示すように、配列順序を識別可能な図柄(飾図)が設定された複数(第1〜第10の10個)のアドレスを図柄配列位置に備えた形態であってもよい。第1アドレスは、確変非報知図柄(第2の識別図柄)の「0」および確変報知図柄(第1の識別図柄)の「0☆」を備え、第3アドレスは、確変非報知図柄(第2の識別図柄)の「2」および確変報知図柄(第1の識別図柄)の「2☆」を備え、第5アドレスは、確変非報知図柄(第2の識別図柄)の「4」および確変報知図柄(第1の識別図柄)の「4☆」を備え、第7アドレスは、確変非報知図柄(第2の識別図柄)の「6」および確変報知図柄(第1の識別図柄)の「6☆」を備えると共に、第9アドレスは、確変非報知図柄(第2の識別図柄)の「8」および確変報知図柄(第1の識別図柄)の「8☆」を備えている。また、第2アドレスは、確変報知図柄(第1の識別図柄)の「1」を備え、第4アドレスは、確変報知図柄(第1の識別図柄)の「3」を備え、第6アドレスは、確変報知図柄(第1の識別図柄)の「5」を備え、第8アドレスは、確変報知図柄(第1の識別図柄)の「7」を備えると共に、第10アドレスは、確変報知図柄(第1の識別図柄)の「9」を備えている。このような構成の各図柄列26a,26b,26cでは、連続予告演出の実行時に、中図柄列26bのアドレスと左図柄列26aおよび右図柄列26cの各アドレスとの間隔を、図柄変動演出が実行される毎に小さくするように制御することができる。そして、前記昇格判定の判定結果が肯定の場合には、第1、第3、第5、第7、第9アドレス内において、確変非報知図柄から確変報知図柄に変更することで、アドレスを変更することなく(図柄配列位置を変更することなく)昇格を示唆する昇格演出を実行することが可能である。
【0217】
(2)実施例では、図柄表示手段における図柄列の数は、1つの第1の図柄列および2つの第2の図柄列からなる3つに限らず、第2の図柄列が3つ以上で構成された4つ以上であってもよい。
(3)配列順序が識別可能な図柄としては、実施例に例示した「0」〜「9」の数字に限らず、一・二・三・・・または壱・弐・参・・・からなる漢数字、I・II・III・・・からなるローマ数字、A・B・C・・・からなるアルファベット、子・丑・寅・・・からなる干支等、配列順序が識別可能であれば様々な形態が実施可能である。また、図柄としての飾図は、該飾図自体が配列順序が識別可能なデザインに形成されていてもよいし、該イラストやキャラクター等にデザインされた飾図の一部に配設順序が識別可能なデザインを付加したものであってもよい。また、配列順序が識別可能な状態は、常時表示されるようにしてもよいし、連続予告演出が行われる間だけ表示されるよう構成してもよい。
(4)昇格判定の判定結果が肯定の場合に連続予告演出の実行中に行われる昇格演出は、左図柄列26a、右図柄列26c、中図柄列26bの図柄(飾図)を、確変非報知図柄を意味する色調から確変報知図柄を意味する色調に変更するようにしてもよい。
(5)実施例では、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した時点で前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1始動保留情報の記憶数(実施例では4回)を最大連続回数に設定する連続予告演出を例示したが、該連続予告演出は、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した時点で前記メイン制御RAM60cに記憶されている第2始動保留情報の記憶数(実施例では4回)を最大連続回数に設定するようにしてもよい。
(6)連続予告演出は、第1始動入賞口30にパチンコ球が入賞した時点で前記メイン制御RAM60cに記憶されている第1始動保留情報の記憶数(実施例では4回)と、第2始動入賞口31にパチンコ球が入賞した時点で前記メイン制御RAM60cに記憶されている第2始動保留情報の記憶数(実施例では4回)とを合わせた回数を、最大連続回数(実施例では8回)として設定するようにしてもよい。この場合には、連続予告演出の図柄変動回数を最大で8回まで設定可能であるから、より複雑かつ変化に富んだ多彩な連続予告演出を実行することができる。
(7)実施例では、
図5〜
図7に示す特図開始処理において、ステップB22およびステップB36で大当り判定を行い、ステップB22での当該大当り判定の判定結果が否定の場合にステップB27において小当り判定を行うと共に、ステップB36での当該大当り判定の判定結果が否定の場合にステップB41において小当り判定を行う場合を例示したが、1回の大当り判定により大当り判定および小当り判定を行うようにしてもよい。
(8)遊技機は、実施例で例示したパチンコ機に限られるものではなく、アレンジボール機やスロットマシンであってもよい。