特許第6078532号(P6078532)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6078532再生可能エネルギーを高電圧型環境発電及び変換する実用規模の発電システム及びその視覚監視及び制御システム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6078532
(24)【登録日】2017年1月20日
(45)【発行日】2017年2月15日
(54)【発明の名称】再生可能エネルギーを高電圧型環境発電及び変換する実用規模の発電システム及びその視覚監視及び制御システム
(51)【国際特許分類】
   H02M 7/48 20070101AFI20170206BHJP
   G05F 1/67 20060101ALI20170206BHJP
   H02M 3/28 20060101ALI20170206BHJP
【FI】
   H02M7/48 R
   H02M7/48 T
   G05F1/67 A
   H02M3/28 Q
【請求項の数】8
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-510525(P2014-510525)
(86)(22)【出願日】2012年5月13日
(65)【公表番号】特表2014-516237(P2014-516237A)
(43)【公表日】2014年7月7日
(86)【国際出願番号】US2012037680
(87)【国際公開番号】WO2012155126
(87)【国際公開日】20121115
【審査請求日】2015年5月13日
(31)【優先権主張番号】61/485,384
(32)【優先日】2011年5月12日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】13/253,629
(32)【優先日】2011年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】PCT/US2011/054943
(32)【優先日】2011年10月5日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512117270
【氏名又は名称】アレンコン・アクイジション・カンパニー・エルエルシー
(74)【代理人】
【識別番号】110000523
【氏名又は名称】アクシス国際特許業務法人
(72)【発明者】
【氏名】オーレグ・エス・フィッシュマン
(72)【発明者】
【氏名】ウルリヒ・ケイ・ダブリュー・シュワベ
【審査官】 服部 俊樹
(56)【参考文献】
【文献】 特開2000−112545(JP,A)
【文献】 特開2007−259694(JP,A)
【文献】 特開2009−239990(JP,A)
【文献】 特開2003−339118(JP,A)
【文献】 特開2008−161037(JP,A)
【文献】 特表2002−517976(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02M 7/48
G05F 1/67
H02M 3/28
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
実用規模の再生可能エネルギー発電システムであって、
高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網にして、
各々が直流出力部を有する、再生可能エネルギー収集体の複数のストリングと、複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタとを含み、各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタが、再生可能エネルギー収集体の複数のストリングにおける少なくとも1つにおける直流出力部に接続した、少なくとも1つのストリング発電最適化装置入力部を有し、各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタが、正の直流リンク及び負の直流リンクを有するシステム直流リンクに接続した中立出力部を構成する正側(+)高電圧直流出力部及び負側(−)高電圧直流出力部を有し、前記正側(+)高電圧直流出力部を前記正の直流リンクに接続し、前記側(−)高電圧直流出力部を前記負の直流リンクに接続し、前記中立出力部を前記システム直流リンクの電気的中立部に接続した構成を有する前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網と、
中央電力系統に同期された多相定電流源インバータシステムにして、複数の電力系統インバータパッケージモジュールを有し、各前記電力系統インバータパッケージモジュールが、前記システム直流リンクに接続した電力系統インバータパッケージモジュール入力部と、前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網からの電力を供給するための出力部にして、電力系統に接続する昇圧変圧器を介して電力系統から電気的に分離された出力部と、を有する多相定電流源インバータシステムと、
三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境を含む仮想イマージョン式監視システムにして、前記表示環境が、VIEWコンピュータシステムを含む仮想イマージョン機器見張り装置(VIEW)モジュールを有し、前記VIEWコンピュータシステムが、前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網のためにシステム情報を収集し、収集したシステム情報を提示し、高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網から利用可能な電力を、前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網が太陽光エネルギーシステムである場合は高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網で利用可能なストリング放射の関数として、あるいは前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網が風力エネルギーシステムである場合は利用可能な風力エネルギーの関数として、予測する仮想イマージョン式監視システムと、
前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網及び前記中央電力系統に同期された多相定電流源インバータシステムを監視及び制御する中央制御システムにして、前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタ及び前記電力系統インバータパッケージモジュールの間で通信する無線手段と、前記複数の高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網のデータ及び中央電力系統に同期された複数の多相定電流源インバータシステムのデータを送受信する無線手段と、前記仮想イマージョン式監視システムと通信するための手段と、を含む中央制御システムと、
含む実用規模の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項2】
前記再生可能エネルギー収集体の複数のストリングの各ストリングが複数の太陽電池モジュールを含み、各前記再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタが、
少なくとも一対の直流/直流コンバータにして、各直流/直流コンバータがストリングインバータ入力部と、コンバータ対直流リンク出力部とを有し、前記ストリングインバータ入力部が、少なくとも1つのストリングの再生可能エネルギー発電最適化装置入力部に接続され、前記コンバータ対直流リンク出力部が高電圧直流出力部に接続された前記少なくとも一対の直流/直流コンバータと、
各前記少なくとも一対の直流/直流コンバータのストリングインバータ入力部位置のストリングインバータ入力電圧及びストリングインバータ入力電流を検出及び監視し、前記少なくとも一対の直流/直流コンバータの各々を最大出力点に制御するプロセッサと、
を含む請求項1に記載の実用規模の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項3】
各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタにおける複数のインバータ切替装置の転流周波数を制御するためのインバータ制御装置を含む請求項1または2に記載の実用規模の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項4】
一定の近共鳴周波数に維持される期間中の各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタの複数のインバータ切替装置の通電時間を制御するためのインバータ制御装置を含む請求項1または2に記載の実用規模の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項5】
各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタにおける複数のインバータ切替装置の共鳴周波数範囲付近での転流周波数と、各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタにおける複数のインバータ切替装置の、共鳴周波数範囲外の一定周波数に維持される期間中の通電時間とを制御するためのインバータ制御装置を含む請求項1または2に記載の実用規模の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項6】
前記複数の再生可能エネルギー収集体の各々が複数の風車被駆動式の交流発電機を含み、各前記複数の風車被駆動式の交流発電機が整流済み直流の出力部を有し、
各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタが、
少なくとも一対の直流/直流コンバータにして、各々がストリングインバータ入力部と、コンバータ対直流リンク出力部とを有し、前記ストリングインバータ入力部がストリングの少なくとも1つの発電最適化装置の入力部に接続され、コンバータ対直流リンク出力部が高電圧直流出力部に接続された前記少なくとも一対の直流/直流コンバータと、
各前記少なくとも一対の直流/直流コンバータにおけるストリングインバータ入力部位置のストリングインバータ入力電圧及びストリングインバータ入力電流を検出及び監視し、前記少なくとも一対の直流/直流コンバータの各々を最大出力点に制御するためのプロセッサと、
を含む請求項1に記載の実用規模の再生可能エネルギー発電システム。
【請求項7】
実用規模の再生可能エネルギーシステムからの再生可能エネルギーの環境発電、変換、監視及び制御方法であって、
前記システムは、各々が直流出力部を有する再生可能エネルギー収集体の複数のストリングを含む高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網と、複数の電力系統インバータパッケージモジュールを有し中央電力系統に同期された多相定電流源インバータシステムとを含み、
前記方法が、前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網内に単一の正の高電圧直流出力部及び単一の負の高電圧直流出力部及び単一の電気的中立部を提供するように構成し、配分した複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタにより前記再生可能エネルギー収集体の複数のストリングの直流出力部を最大出力点に最適化するステップと、
単一の正の高電圧直流出力部に接続した正のバス、単一の負の高電圧直流出力部に接続した負のバス、及び、単一の電気的中立部に接続した共通バスを有するシステム直流リンクにより、前記単一の正及び負の各高電圧直流出力部及び電気的中立部を、前記中央電力系統に同期された複数の多相定電流源インバータシステムに接続するステップと
前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網からの電力を、前記中央電力系統に同期された多相定電流源インバータシステムからの出力部にして昇圧変圧器を介して前記中央電力系統から電気的に分離された前記出力部を介して前記中央電力系統に供給するステップと、
前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網を、三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境において仮想イマージョン式監視するステップにして、仮想イマージョン機器見張り装置(VIEW)モジュールが、前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網のためにシステム情報を収集し、収集したシステム情報を提示し、高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網から利用可能な電力を、前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網が太陽光エネルギーシステムである場合は高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網で利用可能なストリング放射の関数として、あるいは前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網が風力エネルギーシステムである場合は利用可能な風力エネルギーの関数として、予測する仮想イマージョン式監視するステップと、
前記高電圧型の再生可能エネルギー環境発電網と、中央電力系統に同期された多相定電流源インバータシステムとを、前記三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境との通信状況下に無線式に中央制御するステップと、
を含む方法。
【請求項8】
少なくとも1対の直流/直流コンバータの各々が、可変周波数制御式の共鳴型インバータを更に含み、前記共鳴型インバータが、ストリングインバータ入力部の少なくとも1つに接続した共鳴型インバータ入力部と、単一の整流器の入力部に絶縁変圧器により接続した共鳴型インバータ出力部とを有し、前記単一の整流器が、前記正の整流器出力部及び負の整流器出力部に接続した出力部を有し、プロセッサが、前記可変周波数制御式の共鳴型インバータの運転周波数を変化させることにより前記少なくとも1対の直流/直流コンバータの各々を最大出力点に制御する請求項に記載の実用規模の再生可能エネルギー発電システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は一般に、実用規模の再生可能エネルギー発電システムに関し、詳しくは、高電圧型環境発電及び変換型の再生可能エネルギー収集及び変換システム及び、直流/直流変換器組み合わせ使用時の前記システムの視覚監視及び制御システムに関する。
【背景技術】
【0002】
“再生可能エネルギー発電システム”とは、太陽光発電所あるいは太陽光パワープラントを構成する相互接続した多数の太陽電池モジュール、または風力発電所あるいは風力パワープラントを構成する風力タービン発電機を用いる実用規模の発電システムを意味するものとする。
【0003】
実用規模(出力容量が5〜100メガワット(MWe))の太陽電池発電システムは、太陽電池モジュール等の太陽電池集電装置を多数含み、これら集電装置からの直流電力は、並置された直流/交流変換器に送られ、そこで交流電力に変換される。
【0004】
実用規模の風力発電システムは相互に電気的に接続した多数の風車式発電装置を含む。風車被駆動式発電機アセンブリはその出力軸を発電機に好適に接続したものであり得る。種々形式の発電システムを風車に接続できる。それらシステムの1つはType4工業規格の風車発電システムであり、その永久磁石同期電動機型発電機からの可変周波数及び可変電圧出力が整流器に送られ、整流済み直流出力が連動装置により直流/交流変換器に送られる。次いで、変換器出力電流の出力電圧水準が線条変圧器を通して電力系統電圧水準に変圧される。
【0005】
太陽光あるいは風力式の実用規模の再生可能エネルギー発電システムの場合、発電システム構成部品の地上範囲は従来の家庭用あるいは商業規模の発電所のそれよりかなり広いため、発電システムの物理的視覚化及び制御は、従来規模の発電所において代表的なワンライン集中制御盤によるそれよりずっと困難となる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第8,130,518号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
解決しようとする課題は、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムと組み合わされた高電圧型の再生可能エネルギー発電網の監視及び制御システムにして、再生可能エネルギー発電の電力分布が直流/直流電圧変換器の組み合わせ体により高電圧型の再生可能エネルギー発電網内で最適化される、高電圧型の再生可能エネルギー発電網の監視及び制御システムを提供することである。
解決しようとする他の課題は、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムと組み合わせた高電圧型の再生可能エネルギー発電及び、実用規模の再生可能エネルギーシステム用の監視及び制御システムを提供することである。
解決しようとする更に他の課題は、前記発電システムのオペレーターによる入出力の集中制御及び監視用の、三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境を含み得る、実用規模の再生可能エネルギー発電システム用の集電、変換、監視及び制御システムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の1様相によれば、実用規模の再生可能エネルギー発電システムが提供される。本システムは、高電圧型の再生可能エネルギー発電網と、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムとを有する。高電圧型の再生可能エネルギー発電網は、各々が直流出力を有する再生可能エネルギー収集装置の多重ストリングと、前記エネルギー発電網全体に分布された多数の再生可能エネルギー発電最適化装置とを有する。各前記再生可能エネルギー発電最適化装置は、再生可能エネルギー収集装置の多重ストリングの少なくとも1つにおける直流出力に接続した、エネルギー収集装置ストリングの少なくとも1つにおける発電最適化装置入力を有する。多数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタは各々、システム直流リンクに接続した高電圧直流出力を有する。多数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタは、単一の正の高電圧直流出力と単一の負の高電圧直流出力とがシステム直流リンクに提供され、単一の電気的中立部がシステム直流リンクの電気的接地部に接続される組み合わせで構成される。中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムはシステム直流リンクに接続され、且つ、高電圧電力系電力系統に接続され得る複数の電力系統変換器パッケージモジュールを有する。
【0009】
本発明の他の様相によれば、実用規模の再生可能エネルギー発電システムが提供される。本システムは、高電圧型の再生可能エネルギー発電網と、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムと、これら高電圧型の再生可能エネルギー発電網及び中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムを監視及び制御するための仮想イマージョン(没入感)式監視システム及び中央制御システムと、を有する。高電圧型の再生可能エネルギー発電網は、ストリングの各々が直流出力を有する再生可能エネルギー収集装置の複数のストリングと、複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタとを有する。各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタは、再生可能エネルギー収集装置の多重ストリングの少なくとも1つにおける直流出力に接続した、少なくとも1つのストリング発電最適化装置入力部を有する。複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタは、単一の正の高電圧直流出力及び単一の負の高電圧直流出力をシステム直流リンクに提供し、単一の電気的中立部をシステム直流リンクに接続する組み合わせで構成される。中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムはシステム直流リンクに接続され、且つ、高電圧型の電力系電力系統に接続され得る複数の電力系統変換器パッケージモジュールを有する。中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムはシステム直流リンクに接続され且つ複数の電力系統変換器パッケージモジュールを有する。
【0010】
本発明の更に他の様相によれば、実用規模の再生可能エネルギーシステムからの再生可能エネルギーの発電、変換、監視及び制御方法が提供される。前記再生可能エネルギーシステムは高電圧型の再生可能エネルギー発電網を含む。前記高電圧型の再生可能エネルギー発電網は、各々が直流出力を有する再生可能エネルギー収集装置の多重ストリングを含む。高電圧型の再生可能エネルギー発電網は、複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタをも有する。各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタは、再生可能エネルギー収集装置の多重ストリングの少なくとも1つにおける直流出力に接続した、少なくとも1つのストリング発電最適化装置入力部を有する。各前記複数の再生可能エネルギー発電最適化装置及びトランスミッタは、単一の正の高電圧直流出力及び単一の負の高電圧直流出力をシステム直流リンクに提供し、単一の電気的中立部をシステム直流リンクに接続する組み合わせで構成される。再生可能エネルギーシステムは、システム直流リンクに接続され且つ複数の電力系統変換器パッケージモジュールを有する、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムをも有する。本発明において、高電圧型の再生可能エネルギー発電網は、三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境下に仮想イマージョン方式において監視され、前記高電圧型の再生可能エネルギー発電網及び、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムが、前記三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境と組み合わせて集中制御される。
【発明の効果】
【0011】
中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムと組み合わされ、再生可能エネルギー発電の電力分布が直流/直流電圧変換器組み合わせ体により高電圧型の再生可能エネルギー発電網内で最適化される、高電圧型の再生可能エネルギー発電網及び制御システムが提供され、
中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムと組み合わせた高電圧型エネルギー発電及び、実用規模の再生可能エネルギーシステム用の監視及び制御システムが提供され、
発電システムのオペレーターによる入出力集中制御及び監視用の三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境を含み得る、再生可能エネルギー、実用規模の発電システム用の収集、変換、監視及び制御システムが提供される。
【図面の簡単な説明】
【0012】
図1図1は、太陽エネルギーを収集及び変換するための、実用規模の再生可能エネルギー発電システム及び、本発明における前記発電システム用の監視及び制御システム例のワンラインブロック略図である。
図2a図2aは、本発明で使用可能な太陽光発電最適化装置及びトランスミッタの例示図である。
図2b図2bは、本発明で使用可能な他の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタの例示図である。
図3a図3aは、図2aに示す太陽光発電最適化装置及びトランスミッタで使用可能な共鳴型直流/直流変換器の例示図である。
図3b図3bは、図2bに示す太陽光発電最適化装置及びトランスミッタで使用可能な共鳴型直流/直流変換器の例示図である。
図4図4は、直流/直流変換器の入力部に接続した太陽電池ストリングが低電圧時の、図3a及び図3bに示した共鳴型直流/直流変換器の共鳴電流付近における波形図である。
図5図5は、直流/直流変換器の入力部に接続した太陽電池ストリングが高電圧時の、図3a及び図3bに示した共鳴型直流/直流変換器の共鳴電流付近における波形図である。
図6図6は、本発明で使用する太陽光発電所の太陽電池モジュールと、太陽光発電最適化装置及びトランスミッタとの間の相互接続の例示図である。
図7図7は、本発明の三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境における三次元視覚表示枠の1つにおける白黒表示略図である。
図8図8は、風力エネルギーを収集及び変換するための、実用規模の再生可能エネルギー発電システム及び、本発明の発電システム監視及び制御システム例のワンラインブロック略図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
図1は太陽エネルギーを収集及び変換するための、実用規模の再生可能エネルギー発電システム及び、本発明における前記発電システム監視及び制御システム例のワンラインブロック略図である。本例には、高電圧型の太陽電池エネルギー収集(“ハーベスチング“とも称する)網12と、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システム14と、随意的な仮想イマージョン式監視及び制御システム16と、が含まれる。昇圧変圧器18が、電力系統の変換器パッケージモジュール(GrIP)14a−14dにおける前記変換器出力を高電圧の電力系統から電気的に分離させる。
【0014】
高電圧型の太陽電池エネルギー収集網及び中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムについては米国特許第8,130,518号に更に詳しく記載される。
仮想イマージョン式監視及び制御システムは、仮想イマージョン機器見張り装置(VIEW)モジュール16a及び中央制御モジュール16bを含む。
図2aには、図1の高電圧型の太陽電池エネルギー収集網12で使用可能な太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ(SPOT)の1例が示される。図2aのSPOT20は、複数の直流/直流変換器20a(本例では4台)と、プロセッサ20b(本例ではマイクロプロセッサ(μP)として表す)と、トランシーバ20c(本例では送受信アンテナ20c’を備える無線周波数(RF)トランシーバとして表す)と、を含む。
【0015】
図2aの4台の直流/直流変換器は太陽電池の可変の“ストリング”電圧及び電流を並列の固定高電圧(例えば直流1250V)に変換する。本実施例では、2台の変換器の正側(+)出力は共に、図2aに示す如く他の2台の変換器の負側(−)出力に接続される。4台の変換器の残余の4台の出力部は図2aに示すように相互に共通接続されて共通(中立)回路を構成する。変換器の並列の正負の各出力部は、各前記直流/直流変換器の出力電圧(例えば直流1.25kV)の2倍の高直流電圧(例えば直流2.5kV)下に、システム直流リンク(図1及び図2aで直流リンクバス22として示す)に直列接続(クランプ)される。図1のワンラインブロック図を再度参照するに、複数の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ(図2aに示す如き)を複数の太陽電池モジュール30に接続させ得る。従って、図2aにおける4台の直流/直流変換器組み合わせは、図で右側を第1対、左側を第2対として、第1対の各変換器の正側出力接続部が単一の正側高電圧直流出力部を構成し、第2対の各変換器の負側出力接続部が単一の負側高電圧直流出力部を構成し、前記第1対の負側出力接続部が第2対の各変換器の正側出力接続部と共にシステム直流リンクの共通部に接続して単一の中立接続部を構成するものと説明し得る。本発明の他の例では、任意の偶数台の直流/直流変換器を、前記4台の直流/直流変換器について説明したと同様に、各出力部を相互接続して単一の正及び負の各高電圧直流出力部とし、単一の中立接続部をシステム直流リンクに接続した構成とし得る。
【0016】
図3aには、図2aに示す太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ20において使用可能な直流/直流変換器例が略示される。各直流/直流変換器は2つのセクション、即ち、全ブリッジ型直列共鳴変換器セクション20a’(本例では半導体スイッチング装置Q1−Q4と共に示す)と、出力フィルタ及び単一整流器組み合わせセクション20a”とから構成される。これらセクションは高周波数(10kHz〜20kHz)型変圧器Txを介して相互に分離される。端子1及び2位置の太陽電池ストリング源の入力部から引き出される電力は変換器の運転周波数により変化する。入力電流(Idc)及び電圧(E)は図2aのプロセッサ20bにより測定され、前記プロセッサが、直流/直流変換器が最大電力値で作動するよう変換器の運転周波数を調節する。変換器の入力側の変換器の運転周波数は、図3aに示す直列共鳴ループを構成するインダクタLタンク及びキャパシタCタンクの各値により定義される共鳴周波数で変化する。周波数が共鳴点に近づくに従い、変換器は太陽電池ストリングの入力部からより多くの電流を取り出し、かくして太陽電池ストリングの電圧を降下させる。以下に更に詳しく説明する如く、プロセッサ20bの機能の1つは、太陽電池ストリングの最大発電時の電圧及び電流の算出値を維持することである。図4には、太陽電池ストリングの入力電圧が低い場合の共鳴周波数付近での変換器出力電流を示し、図5は太陽電池ストリングの入力電圧が高い場合の共鳴外周波数時の変換器出力電流を示す。
【0017】
プロセッサ20bは、各直流/直流変換器20aに対するストリング電圧及び電流を検出するI/O装置と通信するマイクロプロセッサであり得る。このマイクロプロセッサは各変換器の入力部位置でのストリング電圧及び電流を監視し、各変換器の運転を制御して最大発電点追尾(MPPT)アルゴリズム用のコンピューターコードを実行することにより、各太陽電池モジュールから最大電力を発電させる。例えば、前記アルゴリズムは、直流/直流変換器の運転周波数を少変動させる“妨害及び観察”サブルーチンを含み得、前記MPPTアルゴリズムが周波数変動に伴う発電量増減を判定する。
【0018】
トランシーバ20cは発電システムのデータを、本発明の特定例において仮に使用される場合は、仮想イマージョン式観察及び制御システムに送信する。発電システムのデータには、ストリング電圧値、ストリング電流値、ストリング発電量、SPOT出力電流値、SPOT運転温度、SPOTの運転状況データ、例えば、SPOTが全入力側太陽電池ストリングからの最大入力電力あるいは少なくとも幾つかの入力側太陽電池ストリングからの限定的最大入力電力で運転されているか等のデータが含まれ得る。トランシーバ20cは、発電システムの制限指令データや発電システムのオンオフの状況あるいは制御を含み得る発電量システムデータを受信する。発電システムオンオフ状況は、例えば、特定の直流/直流変換器が運転時振動状況(発電システムオン)に有るかを検出することで判定され得る。遠隔発電システムオンオフ指令(中央制御モジュールからの)を使用してSPOT管理を容易化させ得る。トランシーバ20cの送受信法の1つにはメッシュラジオシステムを介したものがある。
【0019】
図2bには、図1の高電圧型の太陽電池エネルギー収集網12の幾つかの例において使用する太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ(SPOT)の別態様が例示される。図2bのSPOT25は、二重整流器型の複数の直流/直流変換器25a(本例では4台)と、プロセッサ20b(本例ではマイクロプロセッサ(μP)として表す)と、トランシーバ20c(本例では送受信用アンテナ20c’付きの無線周波数(RF)トランシーバとして表す)とを含む。
【0020】
図2bの4台の二重整流器型の複数の直流/直流変換器25aは、太陽電池“ストリング“の種々の電圧及び電流を並列の固定高電圧(例えば直流1250V)に変換する。本例では図2bに示す如く、各変換器の4台の正(+)の出力部は相互に並列接続されて正の直流リンクに対する接続部を構成し、4台の負(−)の出力部は相互に並列接続されて負の直流リンクに対する接続部を構成する。4台の変換器の残余の8つの出力部は図2bに示す如く相互に共通接続され、電気的中立部(COMMON)に対する共通接続部を構成する。各変換器の並列接続された正及び負の各出力部は、各直流/直流変換器の出力電圧の2倍の出力電圧(例えば直流1250V)である高直流電圧(例えば、2.5kV)下に直流リンク(図1及び図2bでは直流リンクバス22と示す)に並列接続(クランプ)される。図1を再度参照するに、複数の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ(図2bに示す如き)は複数の太陽電池モジュール30に接続され得る。従って、図2bにおける4台の直流/直流変換器組み合わせは、各前記直流/直流変換器が、正側整流器(REC2)及び負側整流器(REC1)の一対の整流器を有するものとして説明され得る。全ての正側整流器の正側出力部が相互接続されて単一の正側高電圧直流出力部とされ、全ての負側整流器の負側出力部が相互接続されて単一の負側高電圧直流出力部とされ、負側整流器の負側接続部が負側整流器の正側接続部と相互接続されてシステム直流リンクの共通部に対する単一の中立接続部とされる。本発明の他の実施例では、任意数の直流/直流変換器を、4台の直流/直流変換器例に対して説明したそれと同様に、各出力部を相互接続してなる単一の正の高電圧直流出力部及び単一の負側高電圧直流出力部と、システム直流リンクに対する単一の中立接続部とを有する構成とし得る。
【0021】
図3bには、図2bに示す太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ25において使用可能な二重整流器型の直流/直流変換器の一例が略示される。各前記直流/直流変換器は2つのセクション、即ち、全ブリッジ型直列共鳴変換器セクション25a’と、2つの(二重あるいは対の)整流器及びフィルタ組み合わせセクション25a”とから構成される。これらセクションは高周波数(10kHz〜20kHz)型変圧器Txを介して相互に分離される。端子1及び端子2の各位置の太陽電池ストリング源の入力部から引き出される電力は変換器の運転周波数により変化する。入力電流(Idc)及び電圧(E)は図2aのプロセッサ20bにより測定され、前記プロセッサが、直流/直流変換器が最大発電量点で作動するよう変換器の運転周波数を調節する。入力側変換器の運転周波数は、図3bに示す直列共鳴ループを構成するインダクタLタンク及びキャパシタCタンクの各値により定義される共鳴周波数で変化する。周波数が共鳴点に近づくに従い、変換器は太陽電池ストリングの入力部からより多く電流を取り出し、かくして太陽電池ストリングの電圧を降下させる。以下に更に詳しく説明する如く、プロセッサ20bの機能の1つは、太陽電池ストリングの最大発電量点における電圧及び電流算出値を維持することである。図4は、太陽電池ストリングの入力電圧が低い場合の共鳴周波数付近での変換器出力電流を示し、図5は太陽電池ストリングの入力電圧が高い場合の共鳴外周波数での変換器出力電流を示す。
【0022】
図2a、2b、3a、3bで使用される直流/直流変換器は、これら直流/直流変換器の変換器セクションで使用する切替装置(本実施例では半導体Q1〜Q4)の転流周波数を変換器制御装置により変化させることで制御され得る。
前記直流/直流変換器は、これら直流/直流変換器の変換器セクションで使用する切替装置の通電時間を変換器制御装置により変化させることによっても制御され得る。
【0023】
あるいは前記直流/直流変換器は、これら直流/直流変換器の変換器セクションで使用する切替装置の転流周波数変化及び通電時間変化の組み合わせを変換器制御装置により変化させることによっても制御され得る。つまり変換器は、変換器の切替装置の転流周波数を第1レンジにおいて変化させ、転流周波数が一定に維持される各期間中における変換器の切替装置の通電時間を第2レンジにおいて変化させることによって実施され得る。前記転流周波数の可変範囲は共鳴周波数付近のものであり、変換器の切替装置の一定周波数及び通電時間可変範囲は共鳴周波数範囲外のものである。
【0024】
図2aあるいは図2bに示す太陽光発電最適化装置及びトランスミッタを用いる実施例において、太陽電池ストリング31は各々が20〜25台の太陽電池モジュールを含み得る。各ストリングの出力は、太陽放射、影、あるいはエネルギー劣化等の太陽光エネルギーシステムパラメータに依存して、代表的には1〜10直流アンペア(400〜1000直流電圧下)である。4台の太陽電池モジュールストリング群を接続して図2aあるいは図2bに示すような1台のSPOTとすることで凡そ200〜6250ワット、4台のストリング分では最大約25000ワットの“入力ストリング当たりのワット数”を発生させ得る。
【0025】
図6には、本発明の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタを使用する実用規模の再生エネルギー発電システムの接続例が示される。最大数、例えば20台の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタが、図6に示す各SPOTの“水平”バス21a、21b、21c〜21xを共有し得る。例えば、SPOT水平バス21aはこのバスに接続した20台の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ21a1〜21a20を有する。相互接続したこれら20台の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタと、これら20台の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタに接続した太陽電池モジュールとは、図1にダイヤグラムで例示す高電圧型の太陽電池エネルギー収集網12の1セクションを表す太陽電池発電アレイ21を含み、このアレイは太陽放射から最大500kWを発生可能である。太陽電池発電アレイ21は、この太陽電池発電アレイ21の20台の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタの各々に接続した、太陽電池モジュール4台からなる(太陽電池)ストリングを含み得、各太陽電池ストリングは、直列接続した約20〜25台の太陽電池モジュールから構成される。太陽電池モジュールを4台組み合わせた太陽電池ストリングは約80〜100台のモジュールからなる太陽電池“群”として識別され得、かくして、太陽電池発電アレイ21の20台の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタでは合計1600〜2000台の太陽電池モジュールがSPOTの“水平”バス21aに接続される。SPOTの水平バス21b、21c〜21x(“x”は最後のバスを表し、前記アレイは太陽電池エネルギー収集網23を含むものとする)を含むその他の太陽電池発電アレイは、同じく太陽光放射から最大500kWを発生し得るが、図6には前記その他アレイにおける太陽光発電最適化装置及びトランスミッタの各々に接続した太陽電池ストリングは示されない。SPOTの水平バスは各々SPOT“垂直”バス(図6の26a、26b、26c〜26x)に接続され、そこから中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システム14における電力系統の変換器パッケージモジュール(14a、14b、14c及び14d)に接続される。太陽光発電最適化装置及びトランスミッタの各1つに接続した太陽電池モジュールアレイからの最大供給アンペアが10直流アンペアである前記実用構成では、SPOTの各垂直バスを構成する導体のサイズは最大電流容量が200直流アンペアのものに限定される。
【0026】
図1の中央制御モジュール16bは回路、即ち、複数の太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ、及び、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムにおける電力系統の変換器パッケージモジュールとの間で通信し、各SPOTから送られる収集データ等の発電システムデータを送受信し、好ましくは、安全なイーサネット(登録商標)等の安全なデータリンク17(図1に点線で示す)により電力系統の変換器パッケージモジュール14a〜14dと通信し、本発明の特定実施例において仮に使用される場合は、三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境と、例えばVIEWコンピュータシステムを介して通信し、中央変換器システムから電力系統に挿入される高電圧(HV)電力系統の高電圧を監視し、太陽電池エネルギー収集網12と、中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システム14との間の直流リンク22における電圧を監視し、太陽電池エネルギー収集網12からの供給電流発生値を前記システム14の要求値に合致させるために設定されて各電力系統変換器パッケージモジュールに送られる設定直流入力電流値を制御し、電力系統に挿入される交流電流相を交流電力系統電圧相に関して制御するための回路を含む。
【0027】
本発明の1様相において、エネルギー変換システム14は複数の電力系統変換器パッケージモジュールを含む。図1〜6では4台のこれらエネルギー変換システム14a〜14dを示すが、本発明の他のシステム例ではその合計数は代表的には30〜40台の範囲である。電力系統変換器パッケージモジュールは、先に説明した如く、電力系統変換器パッケージモジュールの定格発電量(図1の実施例では2500kW)を直流から交流に変換し、電力系統変流器パッケージモジュールの運転パラメータを、中央制御モジュール及び、三次元、視覚指向、仮想現実の表示環境(例えば、VIEWコンピュータ)に送信(リポーティング)し、中央制御モジュールから、直流入力電流値設定点及び電力系統変換器パッケージの出力相角度等の運転パラメータを受信するための回路を格納する。送信される運転パラメータには、電力系統変流器パッケージモジュールに対する直流入力電流値、電力系統変流器パッケージモジュールからの交流出力電圧相、電力系統変流器パッケージモジュールからの交流出力電力値、電力系統変流器パッケージモジュールからの出力周波数値、電力系統変流器パッケージモジュール冷却サブシステムにおける冷媒(使用する場合)温度、電力系統変流器パッケージモジュールにおける選択部品温度、が含まれ得る。
本発明の1実施例において、仮想イマージョン式監視システムはVIEWコンピュータシステムを含む三次元、視覚指向、仮想現実の表示環境であり、前記コンピュータシステムが、発電システム情報を収集し、収集した発電システム情報を以下に詳細を説明する三次元仮想現実を用いて提示し、太陽光エネルギー再生可能発電システム用に入手可能なストリング放射を基に、電力系統に挿入される出力を予測する。
【0028】
図7には、本発明の仮想イマージョン式監視システムの鍵となる要素が例示され、高電圧型太陽電池エネルギー収集網の一部がVIEWコンピュータの表示ユニット上で白黒三次元画像で示されている。この画像では、太陽電池ストリングを構成する各太陽電池モジュール30は各部品における実時間での動的雲明暗化(dynamic real time cloud shading)を含む、インストールされた外部動的エネルギーに対して視覚化されている。SPOT20あるいは25の相対位置が、これらSPOT20あるいは25の入力部に接続した太陽電池ストリングからの導体91と、SPOT20あるいは25の出力部を接続する直流リンク22と共に示される。各SPOTは約12×12×6インチ(約30.5×30.5×15.2cm)の包囲体内に包囲され得、図7に示す如く、この包囲体はその頂部位置に太陽電池ストリング用の4つの接続部を有し、SPOT包囲体の各側部あるいは底部には、図7に例示する如く3つのパススルー(SPOT水平バスの端部SPOTを除く)入力及び出力用導体(図2a及び図2bに例示する如き正、負、及び中立(共通)の)が包囲され得る。太陽電池ストリングの各太陽電池群は1台の構造支持ラックに載置され得、このラックは、太陽電池群に関連する太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ取り付け構造(ラックの下側あるいは側方の)としても作用し得る。以下に説明する仮想イマージョン式監視システムにおける全ての色分け要素、雲の視覚化、及びその他の表示要素は、三次元、視覚指向、仮想現実の表示環境の1要素としてのVIEWコンピュータ視覚表示装置上に発電システム三次元画像を提供する。
【0029】
本発明の仮想イマージョン監視及び制御システムにおける太陽光発電のための代表的な2つの実施例が提供され、その一方は固定傾斜追尾型太陽電池アレイを使用し、他方は図1で架台31により例示される如く、2軸追尾型太陽電池アレイを使用する。太陽光発電所の正確な三次元描写がVIEWコンピュータ表示モデルに取り込まれる。三次元空間を自由に移動する仮想カメラビューを通した眺めが、好適なコンピュータ視覚出力装置上でVIEWコンピュータ表示モデルのオペレーターに提供され得る。オペレーターは、ハンドル型コントローラ、ジョイスティックあるいはトラックボール等の好適なコンピュータ入力装置を介して三次元空間を通してのカメラ移動を制御する。前記移動は太陽電池発電アレイ全体におけるものであり得、随意的には、太陽光発電所の個々の部品の所定の三次元空間を進む形で提供され得る。
【0030】
太陽光発電所の各太陽電池ストリングの出力はVIEWコンピュータ可視表示装置上に視覚化され得る。各太陽電池ストリングは、関連するストリングの性能データを中央制御モジュールに通信してストリングを制御するSPOTにより参照され、かくしてこのSPOTにより制御され得る。太陽電池モジュールにおける日射量は太陽光発電所上空における朝〜夜にかけての太陽光の遷移により変動し得、かくして、2軸型追尾装置(使用する場合)の、常時日射に直交する向きに影響を及ぼす。本発明の仮想イマージョン監視システムの1実施例において、出力、電流及び電圧値、はVIEWコンピュータ表示装置の発電システム部品、例えば、太陽電池モジュール、太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ、相互接続した導体、電力系統の変換器パッケージモジュールに関連する切替用部品、の好適な色強度範囲の画像により表され、前記色強度は発電システム部品に関連する出力、電流及び電圧値の関数である。
【0031】
本発明の1実施例において、太陽電池ストリングの各モジュールからの公称出力の色分けは連続的な色スペクトル陰影において表され、前記陰影は、最大出力時のストリングにおける明青色陰影から、最大発電量未満の運転時のもっと暗い青色陰影、そして、発電量ゼロの運転時のストリングにおける黒色までの範囲のものであり得る。色の遷移は公称発電量に直線的に関係する。設備故障により発電しないストリングは発電量ゼロの通常ストリングと区別するために赤色で視覚表示させ得る。発電システムの導体は、そこを流れる電流値を緑色の陰影で表し、より高い電流値を明るい緑色で、もっと少ない電流水準をより暗い緑色で表示させ得る。誤作動あるいは故障中の導体は赤色で表示させ得る。各STOP包囲体を黄色の陰影で表し、より高い電流水準を明るい黄色で、より低い電流水準をもっと暗い黄色で表示させ得る。誤作動あるいは故障中のSPOT包囲体を赤色で表示させ得る。変換器、変圧器、電力系統の切替装置及びその他部品を天然色で視覚表示させ得る。視覚表示装置の好適位置(例えば視覚表示装置の角部)にメーター機能アイコン図形を位置決めし、キロワット等の好適な単位で電力発電量を実時間表示させ得る。オペレーターは、視覚表示装置におけるオペレーター制御性のポインターアイコン図形を用いてシステム部品からの出力及びエネルギーの詳細な情報を、それら部品の番号等の一意識別子と共に前記メーター機能アイコン図形内に視覚表示させ得る。
【0032】
仮想イマージョン監視システムにおいて、太陽電池パネル表面上の雲の陰影から当該雲の画像を再構成させ得る。前記陰影は、太陽光発電所の1つのセクションにおける発電量の変動的低下により検知する。
本システムには、発電所上空の雲の移動パラメータ(雲の移動方向及び速度)に基づき、今後時点(例えば現在時刻から10分後)におけるシステムの出力を視覚表示する予測アルゴリズムの実施が含まれ得る。
本発明の1実施モデル例において、設備を有効化(例えば、太陽電池モジュール透明化)し、選択視覚層をオンあるいはオフに切替て発電システムの種々のステージをハイライト化させ得るよう、VIEWコンピュータ表示装置上に専用視覚層を表示させ得る。
【0033】
図8には、風力エネルギーを収集及び変換するための実用規模の再生エネルギー発電システムと、発電システム用の本発明の監視及び制御システムとがワンラインブロック図で略示されている。永久磁同期発電機(SG)50から発生された可変周波数の交流発電量が交流/直流変換器51により整流され、次いで、風力発電最適化装置及びトランスミッタ(WPOT)40の入力部に印加される。風力発電最適化装置及びトランスミッタが、風車を最大発電量で運転させる最適化負荷を同期発電機に印加する。風力発電最適化装置及びトランスミッタ40は、太陽光発電最適化装置及びトランスミッタ用の、図2a及び図2bに示す如き4台(あるいはその他偶数台)の直流/直流変換器に代えて、これに限定しないが、代表的には単一の直流/直流変換器(例えば図3aあるいは図3bに示す如き)を使用する点を除き、先に説明した太陽光発電最適化装置及びトランスミッタと類似のものである。1台あるいは1台超の風力発電最適化装置及び変換器の出力が、高電圧型直流リンク42を介し、3台以上の電力系統変換器パッケージモジュール、例えば図8に示す如く4台のそれらモジュール14a〜14dを用いる中央電力系統に同期された多相定電流源変換器システムに接続される。
【0034】
仮想イマージョン監視システムは、本発明の特定実施例においてそれを使用する場合、1台あるいは1台超の風力発電最適化装置及び変換器及び電力系統変換器パッケージモジュールと通信し、風力発電所の運転をVIEWコンピュータ表示装置上に視覚表示させる。三次元、視覚指向、仮想現実、の表示環境には、風力発電所の三次元地形層が含まれる。一般的な風車画像を使用できる。電力系統変換器パッケージは、風車数に基づいて適宜数選択され、各風車は約1.5MWの出力を有し、電力系統の各変換器パッケージは2.5メガワット(MW)の定格発電量を有する。仮想イマージョン監視システムの視覚化は、各前記電力系統変換器パッケージが前景に配置され、各風車及び変換器システムへの接続部が明瞭に目視し得るよう配列される。変圧器は、変換器をその内部に配置するビルの外側で各変換器に隣接して位置付け得る。風車の発電量は発電量メーターアイコン図形で少なくとも実時間発電量で、随意的には、三次元の、視覚指向の表示環境上に層表示した数値あるいは図形の履歴データであり得る。
上述した太陽光発電システム用の仮想イマージョンシステムの各要素は、風力発電ではなく太陽光発電に特に一意的に関連する部品あるいは機能用のものではない限り、風力発電システム用仮想イマージョンシステムにも適用可能である。
以上、本発明を実施例を参照して説明したが、本発明の内で種々の変更をなし得ることを理解されたい。
【符号の説明】
【0035】
1、2 端子
12 太陽電池エネルギー収集網
14 多相定電流源変換器システム
14a−14d 変換器パッケージモジュール
16 制御システム
16a 仮想イマージョン式機器見張り装置モジュール
16b 中央制御モジュール
17 データリンク
18 昇圧変圧器
20 トランスミッタ
20b プロセッサ
20c トランシーバ
21a SPOT水平バス
21 太陽電池発電アレイ
22 直流リンクバス
23 太陽電池エネルギー収集網
30 太陽電池モジュール
31 太陽電池ストリング
40 トランスミッタ
42 高電圧型直流リンク
51 交流/直流変換器
91 導体
図7
図1
図2a
図2b
図3a
図3b
図4
図5
図6
図8