(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記第1の基材部分(11)及び第2の基材部分(12)を前記回転する形成シリンダ(22)の少なくとも一部の周りに巻き付ける工程を更に含む、請求項1に記載の方法。
前記形成シリンダ(22)が外側周囲表面(26)を更に含み、前記加圧部材(24)及び前記流体開口部(30)は、前記形成シリンダ(22)の前記外側周囲表面(26)内に配置される、請求項1又は2に記載の方法。
前記加熱された流体のジェットが、前記第1の基材部分(11)及び第2の基材部分(12)の低い方の融点−30℃から、前記第1の基材部分(11)及び第2の基材部分(12)の低い方の融点+100℃までの範囲の温度である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本明細書において記載される方法及び装置は、基材を継ぎ合わせることに関連する。一般的に、基材の部分は重複してもよく、加熱された流体のジェットが開口部から供給されて、重複する基材部分の少なくとも一部を溶融する。より具体的には、加熱された流体のジェットが基材の一部分に浸透し、重複する基材部分の少なくとも一部を溶融し、重複する領域において基材部分が接合される。基材部分の、開口部に対する位置は、加熱操作中に、基材部分が開口部から所定の距離で保持されるように、制御され得る。その後重複領域に圧力が加えられて、基材部分を一緒に接合してもよい。本明細書において開示される全ての実施形態において、流体は周囲空気又は他の気体を含み得る。
【0011】
用語「機械方向」(MD)は、本明細書において、プロセスを通して材料が流れる方向を指すために用いられる。加えて、材料の相対的配置及び動きは、プロセスを通して、プロセスの上流からプロセスの下流へ、機械方向に流れるものとして記述され得る。
【0012】
用語「横断方向」(CD)は、本明細書において、機械方向に対してほぼ垂直な方向を指すために使用される。
【0013】
本明細書で使用するとき、用語「接合」とは、第1の要素を他の要素に直接添着することにより、第1の要素が別の要素に直接固定される構成を説明する。
【0014】
本明細書において使用するとき、用語「基材」は、本明細書においては、主に二次元(すなわち、XY平面)であり、その厚さ(Z方向)が、その長さ(X方向)及び幅(Y方向)と比べて比較的小さい(すなわち、1/10以下である)材料を説明するために用いられる。基材の非限定的な例としては、基材、層、又は繊維製材料、不織布、フィルム、及び箔、例えばポリマーフィルム又は金属箔が挙げられる。これらの材料は、単独で使用されてもよく、又は一緒に積層化された2つ以上の層で構成されてもよい。そのため、ウェブは基材である。
【0015】
本明細書で使用するとき、用語「プルオンおむつ」とは、一般に乳児及び失禁を患う人々によって着用される、パンツのように履く衣類を指す。しかしながら、本開示は、乳児、子供、及び大人が使用するのを目的とした吸収性物品を含む、テープ式おむつ、失禁用ブリーフ、婦人用衛生衣類等などの他の吸収性物品にも適用可能であることを理解すべきである。
【0016】
本明細書で使用するとき、用語「内側」とは、第2の要素又は材料と比べて物品の横方向又は長手方向中心線により近い第1の要素又は材料を指し、第2の要素又は材料は第1の要素又は材料の「外側」である。
【0017】
本明細書で使用するとき、用語「多孔質」とは、Federal Test Method Standard No.191AのMethod 5450に記載のような、Permeability to Air;Cloth;Calibrated Orifice Methodの標準試験法に従って試験した場合に、少なくとも30cm
3/cm
2/秒の空気透過率を有する材料を指す。
【0018】
本明細書で使用するとき、用語「少なくとも一部が溶融される」とは、少なくとも一部は少なくとも軟化点温度に達しているが、融点温度に達していない材料を指す。「溶融される」はまた、通常の意味では、材料の少なくとも一部にわたって融点温度を超えている材料を指す。
【0019】
いくつかの態様において、本開示は、シーム、シームを形成する方法、シームを含む物品、及びシームを含む物品を作製する方法に関する。以下により詳細に記載されるように、シームは、それぞれの基材が1つ以上の溶融可能な構成要素を含む2つの基材の間に形成され得る。シームはまた、例えば、2つの基材部分の間に形成される折り目に沿って折られた同一基材の部分間に形成されてもよい。継ぎ合わされる基材部分は互いに隣接するように位置付けられ、基材部分の一方又は両方の少なくとも一部を溶融するために、少なくとも軟化温度、又は溶融温度まで加熱され得る。基材部分は、加熱後に圧縮されてもよい。以下の記載は概して、シーム、シームの作製方法、及びシームを作製する装置について説明する。種々の実施形態は個別に記載され図示されるが、異なる実施形態の様々な態様は、組み合わされて、簡略化の目的で明示的に記載されていない場合がある更なる実施形態をもたらすことができることを理解されたい。
【0020】
接合される2つの基材部分の概略的な断片側面図が
図1A、
図1B、及び
図1Cに示される。少なくとも2つの基材部分11、12は、シーム10を形成するように隣接する様式で構成される。シーム10は、外側表面13、14、及び基材11と基材12との間の重複領域15を含む。
図1Aは、本明細書では重ねシームと呼ばれる構成を示しており、2つ以上の材料は、隣接した重なり合う表面に沿って接合されている。
図1Bは、本明細書では突き合わせシームと呼ばれる構成を示しており、2つ以上の材料は、それらの縁部において又はその近くで接合され、材料はシームと反対側に折り返されている。
図1Cは、折り目Fで折られて重なっている、同一の連続した基材の一部である、基材部分11及び12を例示する。
【0021】
図1A又は
図1Bに例示されるように、シーム10を形成するように隣接する様式で構成される少なくとも2つの基材部分11及び12の接合は、第1の基材を供給してその基材を折り、基材部分11及び12をもたらす工程を含み、基材部分は溶融温度、及び外側表面13、14を有し、第1の基材11及び第2の基材12の溶融温度は実質的に同じであるか、又は実質的に異なる。継ぎ合わせ作業は、例えば、米国特許第5,779,831号(Schmitz)に記載されるような、一体型折り畳み・封止装置(integrated folding-and-sealing unit)で達成されてもよい。いくつかの実施形態において、基材部分11及び12は、重複する、異なる別個の基材の一部であり得る。継ぎ合わせ操作は、基材部分12に隣接して基材部分11を位置付け、重複領域15を形成する工程を更に含み得る。流体は、基材部分11、12の少なくとも一部の溶融を可能にするために、十分に加熱されてもよい。加熱された流体のジェットは、基材部分11の外側表面13及び基材部分12の外側表面14の少なくとも一方に向けられてもよい。基材部分11及び12のそれぞれの少なくとも一部が、重複領域15において溶融するように、流体を基材部分11及び12に浸透させてもよい。温度及び圧力を制御された加熱された流体が流体出口から流れ出て、制御及び圧縮された加熱された流体のジェットを形成し、これは、接合される基材部分11、12の外側表面13、14に向けられる。
【0022】
制御されたとは、公称セットポイント(nominal set points)が選択された時点で温度及び圧力が特定範囲内に維持されることを意味する。例えば、セットポイントは上述の範囲から選択されてもよく、次いで温度は、公称セットポイント前後(例えば±30℃)の一定の範囲内に維持されることができ、圧力は、公称セットポイント前後(例えば±100kPa(1bar))の一定の範囲内に維持されることができる。許容可能範囲は、接合される材料の特性(例えば、軟化点及び/又は溶融温度など)と選択された公称セットポイントとの間の関係によって決定される。例えば、接合される材料のうちの1つ以上の溶融温度を超える公称セットポイントは、接合される1つ以上の材料の溶融温度をはるかに下回る公称セットポイントよりも厳しい制御範囲を必要とし得る。制御範囲は、公称セットポイントに関して非対称であってもよい。十分に加熱するとは、流体が、基材の少なくとも一部の溶融、又は少なくとも軟化を可能にする温度まで加熱されることを意味する。十分な加熱は、使用する材料及び機材によって異なり得る。例えば、加熱された流体が、ほとんど又は全く冷却する時間なしにほぼすぐに基材に適用される場合、流体は、基材のおよそ軟化点又はおよそ融点まで加熱されてもよい。加熱された流体がいくらかの時間又は距離間隔を置いて基材に向けられ、それにより、加熱された流体が基材と相互作用する前にいくらか冷却する可能性がある場合、基材の軟化点又は融点を上回って、場合により大きく上回って流体を加熱する必要があり得る。
【0023】
流体はまた、間欠印加により外側表面13、14に供給されてもよい。加熱された流体のジェットの衝撃は、ジェットによって導入されるエネルギーと、加熱されたアンビル(アンビルが加熱される場合)、ジェットノズルの表面、基材部分11、12の変形などの他の手段によって導入されるエネルギーとの合計、及び基材部分11、12の内部摩擦の両方が、基材部分11、12の溶融可能な構成要素の少なくとも一部を溶融して、圧縮されると重複領域15に強い接合部を形成する一定の粘着性を生じるのに十分であるように調整され得る。溶融可能な構成要素の溶融は、基材部分11、12全体にわたって不均一な様式で生じてもよい。
【0024】
本明細書に記載のプロセスにおけるエネルギー伝達の持続時間は、動力学過程であり得、溶融可能な構成要素の断面にわたり温度勾配を生じさせ得る。すなわち、溶融可能な構成要素の中心部は固体を維持し得るが、溶融可能な構成要素の外面は、溶融するか又は溶融しそうになる。溶融温度未満でも、外面は軟化点に達する場合があり、それにより、周囲温度における同一材料よりもはるかに低い負荷で、材料の塑性変形が生じ得る。したがって、シーム10において接合される材料の1つ以上が軟化点を有する場合、プロセスは、基材部分11、12の少なくとも一部の温度が、軟化点と融点との間の温度になるように調整されてもよい。溶融可能な構成要素のうちの1つ以上の軟化点以上であるが、融点未満である温度を用いることにより、溶融可能な構成要素の構造の破損(例えば、溶融可能な構成要素の脆弱化又は弱体化)が低減された、基材部分11と基材部分12との間の強い結合を形成することが可能となり得る。
【0025】
以下でより詳細に記載されるように、少なくとも2つの基材部分を接合する方法は、溶融可能な構成要素の少なくとも一部が溶融している、及び/又は粘着状態にある間に、1つ以上の加圧部材によりシーム10を圧縮する工程を更に含み得る。加圧部材の温度は、少なくともシーム10の融点を下回ることがある。いくつかの実施形態において、加圧部材は加熱されてもよい。溶融可能な構成要素の粘着性特性は、基材部分11、12の接合を可能にするので、溶融した基材材料の蓄積を低減又は回避することができる。そのような溶融材料は、固化する際に、シーム10の外側表面上に硬くてゴワゴワした突起部を形成する可能性がある。加圧部材は、例えば、基材部分11、12が接合される別個の成形された点をもたらすために、審美的基準に従って設計され得る。別個の圧縮点はまた、所望により、開くのがより容易なシームを作製してもよい。圧縮点は一般的に、加圧表面の形状及び間隔をとり得る。一例として、加圧部材はほぼ楕円であってもよく、又は所望の除去力及び除去力の知覚と一致する、他の任意の幾何構造若しくは装飾的形状を有してもよい。加圧部材は、規則的又は不規則的に離間してもよく、かつ様々な方向に向けられてもよい。
【0026】
いくつかの実施形態において、本明細書に記載の方法は、吸収性物品を作製する方法の一部である。例えば、吸収性物品の作製方法は、第1の基材部分11及び第2の基材部分12を提供する工程を含むことがあり、第1の基材部分11及び第2の基材部分12はそれぞれ、融点及び外側表面13、14を有し、第1の基材部分11及び第2の基材部分12の融点が、実質的に同じであるか、又は実質的に異なる。第1の基材部分11は、少なくとも第2の基材部分12と隣接するように位置付けられて、重複領域15を形成してもよい。流体は、第1の基材部分11及び第2の基材部分12の少なくとも一部の溶融を可能にするために、十分に加熱され得る。加熱された流体のジェットは、第1の基材部分11の外側表面13及び第2の基材部分12の外側表面14の少なくとも一方に向けられてもよい。第1の基材11及び第2の基材12のそれぞれの少なくとも一部が重複領域15において溶融するように、流体を第1の基材部分11及び第2の基材部分12に浸透させてもよい。第1の基材部分11及び第2の基材部分12は、サイドパネル、前側部分、後側部分、又はこれらの組み合わせを含んでもよい。以下でより詳細に記載されるように、吸収性物品は、一例としてプルオンおむつであってもよい。第1の基材部分及び第2の基材部分は、不織布材料であり得る。第1の基材部分及び第2の基材部分は、弾性フィルムを更に含み得る。吸収性物品を作製する方法は、重複領域15を圧縮する工程を更に含み得る。重複領域15の圧縮は、重複領域15の基材部分11及び12の一部が溶融した後に行われてもよい。例えば、重複領域15の圧縮は、基材部分11及び/又は12の一部が溶融した後5ミリ秒、又は10ミリ秒、又は50ミリ秒以内に生じ得る。いくつかの実施形態において、重複領域15は、複数回の反復により圧縮されてもよい。一度圧縮されると、基材部分11及び12は例えば、屈曲ブレード又は金型ナイフなどの機械的切断装置を使用して、個別の物品に切断されてもよい。いくつかの実施形態において、基材部分11及び12は、単一の工程において圧縮され切断されることが理解される。
【0027】
基材部分11及び12は、1デニール未満のマイクロファイバーから、1〜7デニールの範囲の従来的な繊維に及ぶ、繊維を含む、10〜500グラム/平方メートルの範囲の坪量を有する不織布基材であり得る。不織布基材はまた、ストランドの形態の弾性材料を含んでもよい。1つには基材の厚さに基づいて、この方法で基材11、12を接合するのに必要な時間間隔は5〜2000ミリ秒の範囲であり得る。いくつかの実施形態では、加熱のために30〜250ミリ秒が、圧縮/冷却のために5〜250ミリ秒が用いられてもよい。いくつかの実施形態において、圧縮する工程は非常に短く、ほぼ瞬間的であってもよい。用いる時間間隔は、公称圧力及び温度の選択に伴って変化し得る。低い圧力及び/又は温度では、材料は損傷なく長い処理時間に耐えることができるのに対して、高い圧力及び/又は温度はより短い処理時間で用いることができる。
【0028】
基材部分11及び12の少なくとも一方は、基材部分が、別の基材部分に熱的に接合されるように感受性が高くなるよう、十分に溶融可能な材料を含み得る。基材部分11、12は多孔質(空気透過性、流体透過性、又は蒸気透過性)であり、基材部分11、基材部分12、又は基材部分11及び12の両方が、溶融可能な構成要素を含み得る。基材部分11、12は、織布であっても不織布であってもよく、また、繊維又はポリマー結合剤、セルロース−木材パルプ、綿、黄麻、大麻などの天然繊維;レーヨン、ポリエステル、ポリオレフィン、アクリル、ポリアミド、アラミド、ポリテトラフルオロエチレン金属、ポリイミド、ポリプロピレン、ポリエチレンなどの合成繊維;あるいは2成分繊維、コポリマーポリエステル、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアセテート/クロライドコポリマー、コポリマーポリアミド、ポリウレタン−ポリ尿素コポリマーなどの結合剤を含んでもよい。基材部分11及び12は、材料のブレンドを含むことがあり、構成材料の一部は溶融不可能である。基材部分11、12は、同じ材料であっても、異なる材料であってもよい。基材部分11、12はそれぞれ、溶融温度を有し、基材部分11、12の溶融温度は、異なっていても、又は実質的に同じであってもよい。溶融温度は、互いの30℃以内であれば実質的に同じである。基材部分11、12の溶融温度は、互いの10℃以内、又は互いの5℃以内であってもよい。いくつかの実施形態において、基材部分11、12の溶融温度は同じである。基材部分11、12の溶融温度の差が減少すると、シームを制御する能力は向上し得る。
【0029】
継ぎ合わせプロセスは、結合が形成される重複領域内及びその周囲に熱エネルギーを照射し分散させる。いくつかの場合において、結合を形成するために供給される熱エネルギーが低いほど、このプロセスが近くの材料に損傷を与える可能性、又は意図される結合部位に隣接する層に影響を与える可能性が低くなる。例えば空気などの、加熱された流体のジェットが多孔質層を通じて分散されてもよく、又は基材部分11、12の溶融温度が同じでない場合、外側層を通る孔を形成するために熱風を使用してもよく、熱風が内側基材部分に浸透するのを可能にする。基材部分11、12がそれぞれ多孔質であり、かつ基材部分11、12が実質的に同じ溶融温度を有する場合には、比較的低温、低圧の気流を使用することができ、その結果、結合領域内及びその周囲の繊維に与える損傷がほとんど生じない。いくつかの場合において、基材部分11、12の一方、又は熱風源と基材部分11、12との間に介在する別の材料の層が多孔質でない場合、あるいは他の層と実質的に同じでない溶融温度を有する場合、比較的高い温度の高圧気流が必要であり得る。
【0030】
図2を参照し、回転継ぎ合わせ装置20の単純化した略図は、基材部分11及び12を接合してシーム10を形成するために使用され得る。回転継ぎ合わせ装置20は、形成シリンダ22を含み、これは、形成シリンダ22の外側周囲表面26から半径方向外側に延びる、加圧部材24を備える。形成シリンダ22は、1つ以上の加圧部材24を含んでもよいことが理解される。加圧部材24は、流体出口28を含んでもよく、各流体出口28は、流体開口部30を含む。流体出口28は、流体チャンバ32と流体連通し、例えば空気などの加熱され加圧された流体を、流体出口28に供給するための、加圧流体源をもたらす。いくつかの実施形態において、流体チャンバ32内の流体を加熱するために加熱装置34が設けられてもよい。いくつかの実施形態において、弁36は、流体チャンバ32から、流体出口28への流体の流出を制御し得る。
【0031】
図2に示されるように、基材部分11及び12を、形成シリンダ22上へ機械方向MDに進めるために、駆動ロール38が使用されてもよい。基材部分11及び12は、形成シリンダ22が回転する際に、その外側周囲表面の周りに巻かれる。一度形成シリンダ22上に受け取られると、加熱され加圧された流体が流体出口から放出されて、形成シリンダが回転する際に基材部分11及び12を加熱する。少なくとも一部が溶融した基材部分が、形成シリンダ22とアンビルシリンダ42との間のニップ40を通じて前進する。アンビルシリンダ42は、基材部分11及び12がニップ40を通じて前進する際に、加圧部材24の加圧表面44が、重複領域15において基材部分11及び12を一緒に圧縮することができるように、形成シリンダ22に対して位置付けられてもよい。いくつかの実施形態において、ニップ40の高さは、加圧部材24を通じて基材部分11及び12にかけられる圧力を制御するために調節されてもよい。基材部分11及び12に適用される圧力は、例えば、1×10
5ニュートン/m
2〜1×10
8ニュートン/m
2の範囲であり得る。
【0032】
図示されないが、基材部分11、12の上流端部又は供給源、及びシーム10の下流到達点は、様々な異なる構成を有し得ることが理解される。例えば、基材部分11及び12は元々ロール形態であってもよく、ここで、基材の構造を形成するために、接合手段及び/又は変換器を通じてこのような基材の連続的な長さを送ることを可能にするため、上流での巻き出し、スプライシング、及び/又は折り返し手段がもたらされてもよい。更に、装置20は、本明細書においては、形成シリンダ22及びアンビルシリンダ42を備えるものとして記載されているが、このような記載は、記載される方法を、シリンダを備える装置に限定することを決して意図するものではない。
【0033】
図3を参照し、代表的な加圧部材24を有する、形成シリンダ22の単純化した部分断面図が示されている。加圧部材24は、例えば、円錐形又は円筒形の流体出口28を含んでもよく、基材部分11、12の溶融可能な構成要素の少なくとも一部を溶融するために必要とされる加熱された流体が、ここを通るように向けられる。以下の記載は円筒形の流体出口28についてのものであるが、例えば、円錐、箱型、及び角錐など、他の様々な形状を有する流体出口28が使用されてもよいことが理解される。流体ジェットノズルは、流体出口28の上面50に接続されている。上面50及び開口部30は、様々な異なる寸法を有するように構成され得ることが理解される。例えば、いくつかの実施形態において、円筒形の流体出口28の上面50の直径は、1ミリメートル〜8ミリメートルの範囲であり得、円筒形ゾーン34の開口部30の直径は、0.1ミリメートル〜6ミリメートルの範囲であり得る。
【0034】
流体出口28を通過する加熱された流体は、基材部分11、12が形成シリンダ22とアンビルシリンダ42との間のニップ40を通じて機械方向MDに前進する際に、基材部分11、12の重複領域15に向けられる。加熱された流体が、基材部分11、12の溶融可能な構成要素の一部を溶融させた後、加圧部材24は、基材部分11、12の一部溶融した構成要素に圧力をかけて圧縮し、シーム10において基材部分11、12を接合する。先に記載したように、流体は周囲空気又は他の気体を含んでもよい。流体は様々な温度に加熱されてもよく、様々な圧力に加圧されてもよいことが理解される。例えば、いくつかの実施形態において、流体は、基材部分11、12の低い方の融点−30℃〜基材部分11、12の低い方の融点+100℃の範囲の温度まで加熱され得る。いくつかの代表的な構成において、流体圧は、0.1×10
5ニュートン/m
2〜1×10
6ニュートン/m
2の範囲であり得る。
【0035】
操作中、流体出口28は、様々な時間間隔で、基材部分11、12の重複領域15と同じ速度又はほぼ同じ速度で移動してもよく、加熱された流体が少なくとも1つの外側表面13、14に向けられるようにする。いくつかの実施形態において、加熱された流体は、10〜1000ミリ秒以上の範囲の時間間隔にわたって少なくとも1つの外側表面13、14に向けられてもよい。より短い、又はより長い時間間隔が使用されてもよい。形成シリンダ22上の加圧部材24は、所定のパターンで配置されてもよく、各加圧部材24は、基材部分11、12の少なくとも一部が加熱された流体により溶融された後に、基材部分11、12に圧力をかけるか、又はこれを一緒に圧縮するように構成及び配置されることが理解される。いくつかの実施形態において、形成シリンダ22は、形成シリンダ22の各端部の周りで周囲方向に延びる加圧部材24を有し得る。
【0036】
アンビルシリンダ42は、滑面で直円のスチールシリンダであってもよく、速度制御直流電動機によって独立して給電されて回転されることができる。アンビルシリンダ42はまた、非平坦な結合部を形成するために、粗い表面を有してもよい。いくつかの構成において、アンビルシリンダ42は、重複領域15における基材部分11、12と同じ速度で移動してもよい。このとき、重複領域15は、加圧部材24を使用して変形されてもよく、接合が行われ、その後冷却される。いくつかの実施形態において、アンビルシリンダ42及び加圧部材24は、基材部分11、12がアンビルシリンダ42及び加圧部材24に粘着するのを防ぐためにコーティングされてもよい。アンビルシリンダ42及び加圧部材24が、例えば、プラズマコーティング、ポリテトラフルオロエチレン、又はシリコーンでコーティングされてもよいことが理解される。
【0037】
いくつかの実施形態において、
図2に示されるように、形成シリンダ22及びアンビルシリンダ42を駆動するために、シリンダ作動装置43、45が提供される。加えて、形成シリンダ22の表面速度と、アンビルシリンダ42の表面速度との間にあらかじめ定められているが調節可能な関係性が存在してもよい。このような関係性は同期的、又は非同期的であり得、すなわち、表面速度が等しいか、あるいは形成シリンダ22又はアンビルシリンダ42のいずれかが他方より速く駆動されて表面速度に所定の差異がある。駆動ロール38は、緩んだ基材の状態、又は過度に緊張/伸張した基材が望ましくない結果をもたらすことがないように、所定のレベルの張力、又は伸張を維持する表面速度で駆動されてもよい。
図2には9つの駆動ロール38が示されているが、より多い又はより少ない駆動ロールが使用され得ることが理解されるべきである。いくつかの実施形態において、基材部分11、12、及び接合された基材は、形成シリンダ22及び/又はアンビルシリンダ42に組み込まれる要素によって、又は装置20の上流若しくは下流の他の機能的装置によって、駆動され得るため、駆動ロール38は必要でない場合がある。
【0038】
図2及び
図4を参照すると、継ぎ合わせ操作が示され、基材部分11及び12は、形成シリンダ22の外側周囲表面26上を機械方向MDに前進する。
図4に示されるように、加熱された流体のジェット52は、重複領域15において基材部分11及び12に向けられる。いくつかの実施形態において、加熱された流体のジェット52は、加熱された流体が基材部分11及び12に向けられる際に、機械方向MD及び/又は横断方向CDに広がって実質的な円錐形状を形成し、ジェット52の底部における幅Wは、流体開口部30の直径Dよりも大きい。ジェット52は円錐形状であってもよいが、例えば、円筒形、扇型などの、他の噴霧パターンも可能であり、これは、使用される流体開口部30及び流体出口28の形状、流体の圧力、並びに流体の種類に少なくとも一部依存し得る。
【0039】
引き続き
図4を参照し、いくつかの実施形態において、基材部分11及び12は、例えば、加圧部材24を使用して、流体開口部30から、あらかじめ選択された距離Yで維持されてもよい。加圧部材24は、基材部分11及び12が継ぎ合わせ操作中に加熱されるときに、基材部分11及び12の流体開口部30に向かう、及び/又はここから離れる垂直移動を制限するように位置付けられてもよい。いくつかの実施形態において、流体開口部30とこれに面する基材部分11の外側表面13との間の距離Yは、約0〜約20mm、例えば、約0mm〜約5mm、例えば、約0.5mm〜約3mmであり得る。流体開口部30とこれに面する基材部分11の外側表面13との間の距離Yは、あらかじめ選択された距離Yから3mm以内であるように維持され得る。距離Yの制御はまた、比較的より予測可能な流体噴霧、及び加熱プロセス中の溶融パターンを生じ得る。
【0040】
いくつかの実施形態において、形成シリンダ22は、一定速度で、減速しながら、加速しながら回転してもよく、又は加熱された流体のジェット52が基材部分11及び12の少なくとも一部を溶融する間、静止していてもよい。基材部分11及び12の少なくとも一部が溶融すると、加圧部材24の加圧表面44が、重複する少なくとも一部溶融した領域15において、基材部分11及び12と接触する。加圧部材24は、加圧表面44とアンビルシリンダ42との間で基材部分11及び12を一緒に圧縮する。単一の流体出口28及びジェット52が
図4に例示されるが、例えば、複数の流体出口が設けられてもよく、それにより基材部分11及び12の少なくとも一部を溶融するために加熱された流体の複数のジェットが使用されてもよい。
【0041】
いくつかの実施形態において、流体が重複領域を加熱しているときに、吸収性物品を形成シリンダの外側周囲表面から一定距離内に維持するために、位置制御部材が使用されてもよい。位置制御装置は、継ぎ合わせ操作中において、基材部分の流体開口部に向かう、及び/又はここから離れる垂直移動を制限するように位置付けられてもよい。いくつかの実施形態において、位置制御部材はベルトであってもよい。位置制御部材は、形成シリンダに隣接するように配置されてもよく、形成シリンダの少なくとも一部の形状を有してもよい。位置制御部剤は、形成シリンダから0ミリメートル〜約10ミリメートル、又は形成シリンダから約0.5ミリメートル〜約5ミリメートルの範囲で基材を保持してもよい。
【0042】
図5は、基材部分11及び12を接合してシーム10を形成するために使用され得る、並進移動継ぎ合わせ装置60の実施形態を示す。並進移動継ぎ合わせ装置60は、形成ブロック62(概略的に断面図で示される)を含み、これは形成ブロック62の面66から外側に延びる加圧部材64を有する。単一の加圧部材64が例示されているが、2つ以上の加圧部材が存在してもよい。流体開口部70を含む流体出口68が、加圧部材64から横方向に隣接及び離間している。流体出口68は、加熱され加圧された流体を流体出口68へ供給する加圧流体源をもたらす、流体チャンバ71と流体連通している。流体チャンバ70内の流体を加熱するために加熱装置72が設けられてもよい。いくつかの実施形態において、弁は、流体チャンバ70から、流体出口68への流体の流出を制御し得る。
【0043】
上記の装置20と同様に、駆動ロール74は、基材部分11及び12を、形成ブロック62とアンビルブロック77との間の開口76へ供給するために使用され得る。加圧部材64の加圧表面78が、重複領域15において基材部分11及び12を一緒に圧縮することを可能にするように、アンビルブロック76が位置付けられる。上記のように、位置制御部材は、流体が重複領域を加熱する際に、吸収性物品を形成ブロックから一定距離内に維持するために使用され得る。位置制御部材は、形成ブロックから0ミリメートル〜約20ミリメートル、又は形成ブロックから約0.5ミリメートル〜約5ミリメートルの範囲で基材を保持してもよい。
【0044】
継ぎ合わせ操作が
図6A及び
図6Bに示され、基材部分11及び12は、形成ブロック62と、アンビルブロック(明瞭さのために図示されない)との間の開口76を通じて機械方向MDに前進する。加熱された流体(例えば、空気)のジェット84は、重複領域15において基材部分11及び12に向けられる。
図6Aに見られるように、加熱された流体のジェット84は、これが基材部分11及び12に近づくにつれて、機械方向MD及び横断方向CDに広がって実質的に円錐の形状を形成してもよく、よってジェト84の底部における幅Wは、流体開口部70の直径Dよりも大きい。ジェット84は円錐形状であってもよいが、例えば、円筒形、扇型など、他の噴霧パターンも可能であり、これは、使用される流体開口部70及び流体出口68の形状、流体の圧力、並びに流体の種類に少なくとも一部依存し得る。
【0045】
基材部分11及び12は、例えば、位置制御装置を使用して、流体開口部70から、あらかじめ選択された距離Yに維持され得る。いくつかの実施形態において、流体開口部30とこれに面する基材部分11の外側表面13との間の距離Yは、約0mm〜約20mm、約0mm〜約5mm、又は約0.5〜3mmであり得る。距離Yの制御はまた、比較的より予測可能な流体噴霧、及び加熱プロセス中の溶融パターンを生じ得る。
【0046】
加圧部材64及び流体開口部70はまた、互いに分離していてもよい。例えば、
図6A及び
図6Bに示されるように、流体開口部70は、加圧部材64から横方向にオフセットされている。流体開口部70は、加圧部材64が、距離Yに沿ったどの部分においてもジェット84と交差しないように、加圧部材から一定の距離でオフセットされてもよい。加えて、加圧部材64の加圧表面78は、加圧操作中に、基材部分11及び12から離間している。したがって、加圧部材64は、加熱された流体のジェット84による基材部分11及び12の加熱と干渉しない。
【0047】
形成ブロック62は、一定速度で、減速しながら、加速しながら移動してもよく、又は加熱された流体のジェット84が基材部分11及び12の少なくとも一部を溶融する間、静止していてもよい。基材部分11及び12の少なくとも一部が溶融すると、形成ブロック62は、基材部分11及び12の方に移動し(矢印65及び67により示されるように、機械方向MD、及び垂直方向の両方で)、加圧部材64の加圧表面78は、重複する、少なくとも一部溶融した領域15において基材部分11及び12と接触する。加圧部材64は、加圧表面78とアンビルブロック76との間で基材部分11及び12を一緒に圧縮する。
【0048】
図7は、基材部分11及び12を接合してシーム10を形成するために使用され得る、別の並進移動継ぎ合わせ装置90を示す。形成ブロック92は、
図5に示される形成ブロック62と同じ又は同様の機構を多く含み、それには形成ブロック92の面96から外側に延びる加圧部材94、及び加圧部材94から離間した流体開口部100を含む流体出口98が挙げられる。流体出口98は、加熱され、加圧された流体を流体出口98へ供給する加圧流体源をもたらす、流体チャンバ103と流体連通している。
【0049】
図7の実施形態において、流体出口98は、垂直線に対して、例えば約0〜約75°、約30〜約60°、又は約45°など、一定の角度となるように構成されている。したがって、流体出口98は、加熱された流体のジェット104を、加圧部材94の少なくとも一部下の位置に向け、加圧部材94の加圧表面106が、基材部分11及び12から離間している。加圧部材94及び流体開口部100は、互いに離間している。図示される例において、流体開口部100は、加圧部材100がジェット104の高さに沿ったどの部分においてもジェット104と交差しないように、加圧部材94から横方向に一定距離でオフセットされている。加えて、加圧部材94の加圧表面106は、加熱操作中、基材部分11及び12から離間している。したがって、加圧部材94は、加熱された流体のジェット104による基材部分11及び12の加熱と干渉しない。
【0050】
形成ブロック92は、加熱された流体のジェット104が基材部分11及び12の少なくとも一部を溶融させる間、静止していてもよい。基材部分11及び12の少なくとも一部が溶融すると、形成ブロック92は基材部分11及び12に向かって、矢印109の方向に垂直方向に移動してもよく、加圧部材94の加圧表面106は、重複する少なくとも一部溶融した領域15において、基材部分11及び12と接触する。加圧部材94は、加圧表面106とアンビルブロックとの間で基材部分11及び12を一緒に圧縮する。
【0051】
いくつかの実施形態において、
図6A、
図6B、及び
図7における並進移動継ぎ合わせ装置が、回転ドラム装置と一体であり得ることが理解される。例えば、ドラムは、加圧部材が、基材部分に対して位置変更するように、揺動運動してもよい。位置制御装置は、流体が重複領域を加熱する際に、吸収性物品を回転ドラム装置から一定の距離内に維持するために使用され得る。位置制御装置は、継ぎ合わせ操作中において、基材部分の流体開口部に向かう、及び/又はここから離れる垂直移動を制限するように位置付けられてもよい。いくつかの実施形態において、位置制御部材はベルトであってもよい。
【0052】
図8は、基材部分11及び12を接合してシーム10を形成するために使用され得る、回転継ぎ合わせ装置110の別の実施形態の、単純化した略図を示す。回転継ぎ合わせ装置110は、加熱シリンダ112(概略的に断面図で示される)を含み、複数の流体出口114が、加熱シリンダ112の周辺部116の周りに配置されている。流体出口114はそれぞれ、加熱され、加圧された流体を流体出口114へ供給する加圧流体源をもたらす、流体チャンバ118と連通している。流体チャンバ118内の流体を加熱するために加熱装置120が設けられてもよい。いくつかの実施形態において、弁は、流体チャンバ118から、流体出口114への流体の流出を制御し得る。
【0053】
引き続き
図8を参照し、加熱シリンダ112は、基材部分11及び12を、アンビルシリンダ124と加圧シリンダ126との間に形成されるニップ122へ進める。加圧シリンダ126は、加圧シリンダ126の周辺部130の周りに配置された複数の加圧部材128を含み得る。他の実施形態において、アンビルシリンダ124は、加圧シリンダ126と交換されてもよい。
【0054】
操作中、基材部分11及び12は、加熱シリンダ112の周辺部116へ機械方向MDに進められ、加熱シリンダ112の回転と共に、加熱シリンダ112の周囲を移動する。加熱された流体は、複数の流体出口114を通じて基材部分11及び12に供給され、これにより、基材部分11及び12の重複領域の少なくとも一部を溶融させる。基材部分11及び12は、加熱シリンダ112の回転と共に移動するため、基材部分11及び12の加熱は、基材部分11及び12の移動速度を、加熱シリンダ112の表面速度に合わせることによって促進され得る。いくつかの実施形態において、基材部分11及び12はまた、加熱シリンダ112の周辺部116の周りで、例えば45°以上など、所定の接触角で移動し得る。いくつかの実施形態において、接触角は、基材部分11及び12の重複領域15を、約5〜2000ミリ秒、例えば、約10〜500ミリ秒、例えば約20〜約200ミリ秒加熱するように、選択される。
【0055】
加熱されると、基材部分11及び12は、回転アンビルシリンダ124と、回転加圧シリンダ126との間に形成されるニップ122へ進む。シリンダ124及び126が回転すると、基材部分11及び12がニップ122へ引き込まれ、その後加圧部材128が少なくとも一部が溶融した重複領域15を圧縮し、これにより、シーム10を形成して基材部分11及び12を一緒に接合する。
【0056】
図9は、基材部分11及び12を接合してシーム10を形成するために使用され得る、横送り継ぎ合わせ装置140の実施形態を示す。横送り継ぎ合わせ装置140は、形成ブロック142を含み、複数の加圧部材144が形成ブロック142の面146から外側に延びている。任意の好適な数の加圧部材144が使用され得る。アンビルブロック150は、形成ブロック142に隣接するように配置され、その間に開口152を画定している。いくつかの実施形態において、アンビルブロック150は、アンビルブロック150及び/又は形成ブロック142を互いに向かって、及び互いから離れるように移動させる、任意の好適な接続によって形成ブロック142に接続され得る。例えば、アンビルブロック150及び形成ブロック142の一方若しくは両方を互いに向かって、又は互いから離れるように移動させる、空気圧又は液圧作動装置などの作動装置が設けられてもよい。いくつかの実施形態において、形成ブロック142及びアンビルブロック150は別個に支持されてもよく、一方又は両方が形成ブロック142及びアンビルブロック150を移動させるための独自の作動装置を含んでもよい。
【0057】
図9に示される複数の流体出口158を含む加熱ブロック156(概略的に断面図で示される)は、形成ブロック142及びアンビルブロック150に隣接し、これらから横方向に離間している。流体出口158は、流体出口158に加熱され、加圧された流体(例えば、空気)を供給するための加圧流体源をもたらす、流体チャンバ160と流体連通している。流体チャンバ160内の流体を加熱するために加熱装置162が設けられてもよい。いくつかの実施形態において、弁は、流体チャンバ160から、流体出口158への流体の流出を制御し得る。
【0058】
上記の装置と同様に、基材部分11及び12を、形成ブロック142とアンビルブロック150との間の開口152へ機械方向MDに進めるために、駆動ロール(図示されない)が使用されてもよい。アンビルブロック150は、加圧部材144の加圧表面が、重複領域15において基材部分11及び12を一緒に圧縮するように位置付けられる。
【0059】
操作中、基材部分11及び12は、加熱ブロック156に隣接する位置へ移動される。加熱された流体のジェットは、重複領域15において基材部分11及び12に向けられる。上記のように、基材部分11及び12は、例えば、位置制御装置を使用して、流体出口158から、あらかじめ選択された距離Yに維持され得る。加熱操作中、基材部分11及び12は、重複領域15において基材部分11及び12の少なくとも一部が溶融するように、あらかじめ選択された時間にわたり、静止してもよい。少なくとも一部が溶融すると、基材部分11及び12は、形成ブロック142とアンビルブロック150との間の開口152へ進み得る。形成ブロック142及びアンビルブロック150の一方又は両方が互いに対して移動し、これにより、少なくとも一部が溶融した重複領域15において基材部分11及び12を一緒に圧縮してもよい。
【0060】
図10は、基材部分11及び12を接合してシーム10を形成するための、横送り継ぎ合わせ装置170の別の実施形態を示す。横送り継ぎ合わせ装置170は、加熱及び形成ブロック184(概略的に断面図で示される)と、アンビルブロック180とを含み、アンビルブロック180と加熱及び形成ブロック184との間に開口182が形成されている。加熱及び形成ブロック184は、加圧及び形成ブロック184の面188から外側に延びる加圧部材186と、流体出口190とを両方含み、流体出口190はそれぞれ、流体出口190に加熱され加圧された流体を供給するための加圧流体源をもたらす、流体チャンバ192と連通している。流体チャンバ192内の流体を加熱するために加熱装置194が設けられてもよい。いくつかの実施形態において、弁は、流体チャンバ192から、流体出口190への流体の流出を制御し得る。
【0061】
図10を再び参照し、操作中、基材部分11及び12は、加熱及び形成ブロック184とアンビルブロック180との間の開口182へ移動される。加熱された流体のジェットは、重複領域15において基材部分11及び12に向けられる。上記のように、基材部分11及び12は、例えば、位置制御装置を使用して、流体出口190から、あらかじめ選択された距離Yに維持され得る。加熱操作中、基材部分11及び12は、重複領域15において基材部分11及び12の少なくとも一部が溶融するように、あらかじめ選択された時間にわたり、静止してもよい。少なくとも一部が溶融すると、加熱及び形成ブロック184並びにアンビルブロック180の一方又は両方が互いに対して移動し、これにより、少なくとも一部が溶融した重複領域15において基材部分11及び12を一緒に圧縮してもよい。
【0062】
いくつかの実施形態は、流体出口が加圧部材から離れて、及び/又は分離して配置されるものとして示されているが、流体出口は加圧部材と組み合わされるように構成されてもよいことが理解されるべきである。例えば、
図11は、流体出口190及び加圧部材186が組み合わされている実施形態を示す。加圧部材186は、加熱及び形成ブロック184の面188から外側に延びる外側壁部196と、流体出口190の流体開口部200に向かって下方に延びる内側壁部198と、外側壁部196と内側壁部198との間に延在する加圧表面202とを含む。示されるように、流体開口部200は、加圧表面202から垂直方向に離間しているか、又は後ろに窪んでいる。このような構成は、例えば、加圧表面202が基材部分11及び12と接触する際に、基材材料による、流体開口部200の目詰り防止に役立つことがある。加圧部材186は、流体出口190の周辺部全体の周りに延び、管状又は円筒状であるものとして例示されているが、他の構成も可能である。
【0063】
図4Bは、流体出口204及び加圧部材206の組み合わせの別の例を示す。加圧部材206は、加熱及び形成ブロック184の面188から外側に延びる外側壁部208と、流体出口204の流体開口部203に向かって下方に延びる内側壁部210と、外側壁部208と内側壁部210との間に延在する加圧表面212とを含む。上記のように、流体開口部203は、加圧表面212から垂直方向に離間しているか、又は後ろに窪んでいる。しかしながら加圧部材186とは異なり、加圧部材206はU又は蹄鉄の形状であり、流体出口204の一部の周囲にのみ延在している。不規則形状、正方形、矩形など、他のいくつかの好適な形状が使用されてもよい。
【0064】
図11は、基材部分11及び12を接合してシーム10を形成するための、横送り継ぎ合わせ装置220の別の実施形態を示す。装置220は、アンビルシリンダ222、及びアンビルシリンダ222と共に回転する少なくとも1つの形成ブロックアセンブリ224を含む。
図11に示される装置220は、アンビルシリンダ222の周辺部の周りで、90°ずつ離間した4つの形成ブロックアセンブリを含む。各形成ブロックアセンブリ224は、形成ブロックアセンブリ224のアンビルシリンダ222に向かう、及びここから離れる移動を制御するために、カム部材230のカム表面228と係合する、カム従動部226を含む。
図11Aに示されるように、形成ブロックアセンブリ224は、ブロックアセンブリ224の面234からアンビルシリンダ222に向かって外側に延びる加圧部材232を含む。形成ブロックアセンブリはまた、加熱され加圧された流体を流体出口236に供給するために、加圧された流体源をもたらす流体チャンバと連通する、加圧部材232から横方向に離間した流体出口236を含む。
【0065】
引き続き
図11Aを参照し、ブロックアセンブリ224は、アンビルシリンダ222に隣接し、アンビルシリンダ222の周辺部から距離X
1だけ半径方向に離間した位置で、アンビルシリンダ222と共に回転する。基材部分11及び12は、アンビルシリンダ222が回転する際に、アンビルシリンダ222の周辺部へ、機械方向MDに進む。
図11Bに示されるように、ブロックアセンブリ224は、アンビルシリンダ222の周辺部及び基材部分11及び12の上の位置へ、距離Y
1だけ横方向に移動する。カム従動部226はカム部材230のカム表面228に係合し、ブロックアセンブリ224を、アンビルシリンダ222の周辺部から、基材部分11及び12に向かって距離X
2だけ制御可能に移動させる。
【0066】
加熱された流体のジェットは、重複領域15において基材部分11及び12に向けられる。上述のように、基材部分11及び12は、カム表面228を使用して、流体出口236からあらかじめ選択された距離に維持されてもよい。加熱操作の間、基材部分11及び12は一緒に、又は実質的に同じ速度で移動して、重複領域15において基材部分11及び12の少なくとも一部分の溶融を可能にし得る。少なくとも一部が溶融すると、ブロックアセンブリ224は
図11Cに示されるように、距離Y
2だけ進んでもよい。形成ブロックアセンブリ224はまたアンビルシリンダ222の周辺部に向かって、距離X
3だけ移動してもよく、これにより、少なくとも一部が溶融した重複領域15において基材部分11及び12を一緒に圧縮する。
【0067】
以下は、シーム内の層の溶融温度に関するいくらかの差異に対処する。1つ以上の層が別の層と実質的に異なる溶融温度を有する場合には、気温、若しくは材料が熱風にさらされる時間の長さ、又はその両方は、シーム内で最も高い溶融温度に適合するように調整され得る。いくつかの場合において、同程度の融点を有するシーム材料を選択することにより、融点が同程度の基材間のシームがより一貫した結合をもたらし得ることが見出された。
【0068】
同程度の融点の基材部分を使用することによってまた、加工上の利益がもたらされる場合がある。比較的高い溶融温度に合わせてプロセスパラメータが調整されると、シーム内の低い溶融温度を有する基材は、加工中に損傷を受ける可能性がある。このような損傷を抑えるために、比較的小さい開口部を使用して、熱風の流れを限定領域に制限してもよい。シーム内の基材の溶融温度と比べてより低い温度及び短い滞留時間を用いることにより、より大きな開口部を使用することが可能となり得る。大きな開口部はツール汚染が起きにくいので、必要となる洗浄及び保守の頻度及び強度をより少なくすることができる。更に、シーム材料が熱風にさらされる滞留時間を低減し、その結果より高速で加工することが可能であり得る。
【0069】
上記のように、本明細書において記載されるプロセス及び装置は、様々な種類の基材構成(そのいくつかは異なる種類の吸収性物品の製造において使用され得る)を結合するために使用されてもよい。プロセス実施形態の以降の説明に追加的な関連事項をもたらすのに役立てるため、以下では、本明細書において記載される方法及び装置により結合され得る構成要素を含む、おむつの形態の吸収性物品の一般的説明が提示される。
【0070】
図12及び
図13は、本明細書において開示される装置及び方法に従って組み立て、折ることができる、おむつパンツ300の例を示す。具体的には、
図12は、事前に固定された構成のおむつパンツ300の斜視図を示し、
図13は、着用者の反対側を向くおむつの部分が観察者の方に向けられている状態でおむつパンツ300の平面図を示す。
図12及び
図13に示されるおむつパンツ300は、シャーシ302と、リング状弾性ベルト304を形成する第1の基材部分11及び第2の基材部分12とを含む。以下でより詳細に記載されるように、第1の弾性ベルト306の形態の第1の基材部分11、及び第2の弾性ベルト308の形態の第2の基材部分12が一緒に接続されて、リング状弾性ベルト304を形成する。
【0071】
図13を続けて参照すると、シャーシ302は、第1の腰部区域316と、第2の腰部区域318と、第1の腰部区域と第2の腰部区域との間に配置された股部区域320と、を含む。第1の腰部区域316は、前側腰部区域として構成されてもよく、また第2の腰部区域318は、後側腰部区域として構成されてもよい。いくつかの実施形態において、前側腰部区域、後側腰部区域、及び股部区域のそれぞれの長さは、吸収性物品300の長さの1/3であり得る。おむつ300はまた、前側腰部区域316内で横方向に延在する前側腰部縁部321、及び長手方向に対向し、後側腰部区域318内で横方向に延在する後側腰部縁部322を含み得る。本考察に関する基準枠を提供するため、
図13のおむつ300及びシャーシ302は、長手方向軸324及び横方向軸326を備えるものとして示される。いくつかの実施形態において、長手方向軸324は、前側腰部縁部321を通り、かつ後側腰部縁部322を通って延在し得る。横方向軸326は、シャーシ302の第1の長手方向すなわち右側縁部328を通り、かつ第2の長手方向すなわち左側縁部330の中点を通って延在し得る。
【0072】
図12及び
図13に示されるように、おむつパンツ300は、内側の身体に面する表面332と、外側の衣類に面する表面334とを含んでよい。シャーシ302は、バックシート336及びトップシート338を含み得る。シャーシ302はまた、トップシート338の一部分とバックシート336との間に配置され得る吸収性コア342を含む、吸収剤アセンブリ340を含んでもよい。以下でより詳細に述べられるように、おむつ300はまた、着用者の脚部の周りのフィット性を改善するために、脚部弾性部材及び/又はレッグカフなどの他の特徴を有していてもよい。
【0073】
図13に示されるように、シャーシ302の周縁部は、第1の長手方向側縁部328と、第2の長手方向側縁部330と、第1の腰部区域316内に配置される第1の横方向に延在する端縁部344と、第2の腰部区域318内に配置される第2の横方向に延在する端縁部346とによって画定され得る。側縁部328及び330の双方は、第1の端縁部344と第2の端縁部346との間に長手方向に延在している。
図13に示されるように、横方向に延びている端縁部344及び346は、前側腰部区域316内の横方向に延びている前側腰部縁部321、及び後側腰部区域318内の横方向に延びている後側腰部縁部322から、長手方向内側に配置される。おむつパンツ300が、着用者の下部胴体上に着用されているとき、シャーシ302の前側腰部縁部321及び後側腰部縁部322は、着用者の腰の一部分を取り囲み得る。同時に、シャーシ側縁部328及び130は、着用者の脚の少なくとも一部分を取り囲み得る。また、股部区域320は着用者の脚の間におおむね位置し、吸収性コア342は前側腰部区域316から股部区域320を通って後側腰部区域318まで延在する。
【0074】
おむつ300の一部又は全体はまた、横方向に延伸性があるように作製され得ることも理解すべきである。この追加の延伸性は、着用者が動いている間、おむつ300が着用者の身体に適合するのを可能にするのを支援することができる。追加の延伸性はまた、異なる寸法の着用者のための追加の身体適用範囲を提供するために、すなわち、おむつを個々の着用者に合わせて調整するために、例えば、延伸前に特定の大きさを有するシャーシ302を含むおむつ300のユーザーが、おむつ300及び/又はシャーシ302の前側腰部区域316、後側腰部区域318、又は両方の腰部区域を延ばすのを可能にするのを支援することができる。腰部区域のこのような延伸は、股部区域が腰部区域より相対的に少ない程度に延伸される限り、吸収性物品に略砂時計形状を与えることがあり、またそれが着用されたときに、ぴったり合った外観を物品に付与することがある。
【0075】
第1の弾性ベルト306、及び第2の弾性ベルト308はまた、それぞれ、外側層362と内側層364との間に間置される、ベルト弾性材料を含んでもよい。ベルト弾性材料は、弾性ベルトの長さに沿って延びているストランド、リボン、又はパネルなどの1つ以上の弾性要素を含んでよい。
図13、
図15A、及び
図15Bに示されるように、ベルト弾性材料は、複数の弾性ストランド368を含んでよく、これらは本明細書では、外側腰部弾性体370及び内側腰部弾性体372と称され得る。
図13に示されるように、弾性ストランド368は、第1の弾性ベルト306の両側の第1の端区域306aと第2の端区域306bとの間、及び第2の弾性ベルト308の両側の第1の端区域308aと第2の端区域308bとの間に、横方向に連続して延在している。いくつかの実施形態において、いくつかの弾性ストランド368は、領域内で不連続に構成されてもよく、例えば、第1の弾性ベルト306及び第2の弾性ベルト308は、吸収剤アセンブリ340と重なり合う。いくつかの実施形態において、弾性ストランド368は、一定間隔で長手方向に配置され得る。他の実施形態において、弾性ストランド368は、異なる間隔で長手方向に配置され得る。伸張状態のベルト弾性材料は、非収縮状態の外側層と、非収縮状態の内側層との間に間置及び結合され得る。ベルト弾性材料が弛緩しているとき、ベルト弾性材料は、非伸張状態に戻り、外側層及び内側層を収縮させる。ベルト弾性材料は、リング状弾性ベルトの領域内で望ましい収縮力の変化をもたらし得る。
【0076】
当然のことながら、シャーシ302及び弾性ベルト306、308は、
図13に表されるものとは異なる方法で構成されてもよい。例えば、
図14は、シャーシ302の第1の横方向に延びている端縁部344が、第1の弾性ベルト306の外側横方向縁部307aに沿って整列するとともに重なり、第2の横方向に延びている端縁部346が、第2のベルト308の外側横方向縁部309aに沿って整列するとともに重なることを除いて、
図13を参照して上述されるものと同一の構成要素を有する、おむつパンツ300の平面図を示す。
【0077】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らない限り、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示された寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。
【0078】
任意の相互参照又は関連特許若しくは関連出願を包含する本明細書に引用される全ての文献は、明確に除外ないしは別の方法で限定されない限り、その全体が本明細書中に参照により組み込まれる。いずれの文献の引用も、こうした文献が本願で開示又は特許請求される全ての発明に対する先行技術であることを容認するものではなく、また、こうした文献が、単独で、あるいは他の全ての参照文献とのあらゆる組み合わせにおいて、こうした発明のいずれかを参照、教示、示唆又は開示していることを容認するものでもない。更に、本文書において、用語の任意の意味又は定義の範囲が、参考として組み込まれた文書中の同様の用語の任意の意味又は定義と矛盾する場合には、本文書中で用語に割り当てられる意味又は定義に準拠するものとする。
【0079】
本発明の特定の実施形態が例示され記載されてきたが、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく他の様々な変更及び修正を実施できることが、当業者には明らかであろう。したがって、本発明の範囲内にあるそのような全ての変更及び修正を添付の特許請求の範囲で扱うものとする。