(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0003】
塩化ビニルペースト樹脂(Polyvinyl Chloride Paste Resin、以下、「PSR」という)は、建築用資材類、壁紙類、人造革、織布類、シート、フィルムなど、日常生活用品および産業用として広範囲に使用される汎用樹脂の一種であり、主に発泡製品に利用される。発泡製品で最も重要な点は、発泡された製品の表面、発泡セルのサイズおよびセルの均一性であり、このような特性を総称して発泡性という。
【0004】
PSRの発泡性を向上させる技術には、PSR自体を改質する方法と、発泡配合に使用される添加剤のうち発泡特性と密接な関係にある安定剤、発泡剤、セル(cell)調整剤などを最適に調節する方法とがある。
【0005】
このうち、PSR自体を改質する方法としては、1)重合度を調節して発泡条件に適した溶融粘度に合わせる方法、2)発泡用PSR重合に使用されるラウリル硫酸ナトリウム(Sodium Lauryl Sulfate、以下、「SLS」という)のような乳化剤の含量を増やす方法、3)アクリル系樹脂粉末をジオクチルフタレート(di−octyl phthalate、以下、「DOP」という)に溶解させて分散後、混合し、乾燥および粉砕する方法などがあり、発泡配合に使用される添加剤を調節する方法としては、樹脂の重合度により発泡剤、安定剤の組み合わせまたは含量を変更したり発泡セル調整剤を添加する方法などがある。
【0006】
最終製品の発泡性に最も大きい影響を与えるのは樹脂自体の発泡性である。したがって、樹脂自体の発泡特性がよくない場合、添加剤の調節(または追加)で発泡性を向上させる技術には限界がある。
【0007】
PSR自体の発泡特性を改質する方法のうち、重合度調整方法とSLS含量増加方法は最も簡単な方法であって、発泡倍率を増加させる長所はあるが、発泡性に優れた製品生産のためには限界がある方法である。
【0008】
また、アクリル系樹脂粉末をDOPに溶解した後、PSRラテックスに混合して乾燥および粉砕する方法は、発泡性の改善には効果があるが、イオン交換水が主成分であるPSRラテックスに添加するとイオン交換水との相溶性が落ちるため、分散が良好に行われない状態であるアクリル溶液凝集体として存在して、ラテックス内のPSR一次粒子の凝集を起こしたり、ラテックスの移送または乾燥時にふるい(sieve)や乾燥機の壁面に付着することとなり、正常的な樹脂生産を妨害する。このような問題を解決するためには、アクリル溶液に界面活性剤を用いて分散しなければならない煩わしさがある。
【0009】
このように従来の技術は、樹脂自体の発泡性の改善には効果があるが、熱安定性が弱化したり、発泡性の改善に限界または煩わしさがあるという短所がある。特に、乳化剤含量を増やす場合、大気中の水分により発泡性が悪化する可能性がある。一般にPSR樹脂は、親水基と親油基を同時に有する乳化剤の特性上、水分に非常に敏感であるが、PSR樹脂が大気中の水分を吸収すると、発泡時にセルの均一性が悪化し、セルのサイズが大きくなり、表面に凹凸ができる不良が発生するようになる。
【発明を実施するための形態】
【0017】
本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂(PVC paste resin、PSR)は、塩化ビニル系樹脂と、スチレン/アクリル系樹脂とを含む。
【0018】
また、本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂の製造方法は、塩化ビニル系樹脂を含む塩化ビニル系樹脂ラテックスを製造する段階と、前記塩化ビニル系樹脂ラテックスにスチレン/アクリル樹脂溶液を添加する段階と、前記スチレン/アクリル樹脂溶液が添加された塩化ビニル系樹脂ラテックスを乾燥する段階とを含む。
【0019】
本発明において、第1、第2などの用語は、多様な構成要素の説明に使用され、前記用語は一つの構成要素を他の構成要素から区別する目的のみで使用される。
【0020】
また、本発明において、各層または要素が各層または要素の「上」に形成されると言及される場合には、各層または要素が直接各層または要素の上に形成されることを意味したり、他の層または要素が各層の間、対象体、基材上に追加的に形成され得ることを意味する。
【0021】
本発明は多様な変更を加えることができ、様々な形態を有することができるところ、特定の実施例を例示し、下記で詳細に説明する。しかし、これは本発明を特定の開示形態に対して限定しようとするものでなく、本発明の思想および技術範囲に含まれるすべての変更、均等物または代替物を含むものと理解しなければならない。
【0022】
以下、本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂およびその製造方法をより詳細に説明する。
【0023】
本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂(PVC paste resin、PSR)は、塩化ビニル系樹脂と、スチレン/アクリル系樹脂とを含む。
【0024】
前記塩化ビニル系ペースト樹脂は、微細な粒子形態のパウダー(powder)を意味し、本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂は、塩化ビニル系樹脂およびスチレン/アクリル系樹脂を含む。この時、それぞれの粒子は、塩化ビニル系樹脂のみを含むか、スチレン/アクリル系樹脂のみを含むか、または塩化ビニル系樹脂およびスチレン/アクリル系樹脂が混合または結合して凝集された粒子であってもよく、前記塩化ビニル系ペースト樹脂はこのような粒子の混合物の形態といえる。
【0025】
前記塩化ビニル系樹脂は、塩化ビニル単量体単独、または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な共単量体が共重合された(共)重合体である。本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂に含まれる塩化ビニル系樹脂の重合度は、約1,000〜約1,700、重量平均分子量は、約45,000〜約200,000g/molであり得る。このような範囲の重合度および重量平均分子量を有する場合、可塑剤との分散性が良好であり、プラスチゾルの加工に適した効果がある。
【0026】
前記スチレン/アクリル系樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーとが重合された共重合体である。本発明の一実施例によれば、前記スチレン系モノマーとアクリル系モノマーが約60:40〜約80:20、好ましくは約60:40〜約70:30の重量比で重合された共重合体であり得る。このような重量比で重合されたスチレン/アクリル系共重合体を用いる場合、より優れた発泡性および耐湿性を示す塩化ビニル系ペースト樹脂を得ることができる。
【0027】
前記スチレン系モノマーとしては、スチレンを単独で含むか、またはスチレンとアルファメチルスチレンモノマーを共に含むことができる。スチレンとアルファメチルスチレンモノマーを共に含む場合、スチレンモノマー対アルファメチルスチレンモノマーは、約50:50〜約90:10の重量比で含まれていてもよい。
【0028】
また、アクリル系モノマーは、アクリル酸を単独で含むか、またはアクリル酸とアルキルアクリレートを共に含むことができる。アクリル酸とアルキルアクリレートを共に含む場合、アクリル酸対アルキルアクリレートは、約80:20〜約90:10の重量比で含まれていてもよい。
【0029】
前記スチレン/アクリル系樹脂は、約1,000〜約20,000g/mol、好ましくは約1,500〜約15,000g/mol、より好ましくは5,000〜14,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。このような重量平均分子量を有するスチレン/アクリル系樹脂を用いることによって、本発明の目的に適した、優れた発泡性および耐湿性を示す塩化ビニル系ペースト樹脂を得ることができる。
【0030】
本発明の一実施例によれば、前記塩化ビニル系樹脂と前記スチレン/アクリル系樹脂との重量比は、約1:0.0005〜約1:0.2、好ましくは約1:0.001〜約1:0.1であり得る。このような比率で前記塩化ビニル系樹脂およびスチレン/アクリル系樹脂を含む場合、優れた発泡性および耐湿性を示すことができる。
【0031】
高発泡用途の塩化ビニル系ペースト樹脂は、プラスチゾルの製造時、発泡倍率を高めるために発泡剤を多量含有させて発泡させるようにするが、このように発泡倍率が高まることによって均一な発泡性を実現しにくくなる。また、 静的粘度が低いことから、プラスチゾルに製造して基材にコーティングした後に流れやすいため、厚さに部分的に偏差ができる場合に不良が発生するようになる。また、一般に塩化ビニル系ペースト樹脂は、大気中の水分に非常に敏感で湿度が高い環境では発泡性が劣化し、表面不良などが発生する短所がある。
【0032】
しかし、このような本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂を用いて製造されたプラスチゾルは、良好な発泡表面、均一な発泡セルなど、優れた発泡性と高粘度を示して高発泡マット、シート、フィルムなどの多様な分野に有用に用いることができる。また、優れた耐湿性を示して湿度が高い環境でも発泡性を維持することができる。
【0033】
本発明の他の一実施形態によれば、塩化ビニル系樹脂を含む塩化ビニル系樹脂ラテックスを製造する段階と、前記塩化ビニル系樹脂ラテックスにスチレン/アクリル系樹脂溶液を添加する段階と、前記スチレン/アクリル樹脂溶液が添加された塩化ビニル系樹脂ラテックスを乾燥する段階とを含む塩化ビニル系ペースト樹脂(PVC paste resin)の製造方法を提供する。
【0034】
まず、塩化ビニル系樹脂を含む塩化ビニル系樹脂ラテックス(polyvinyl chloride resin latex)を製造する。塩化ビニル系樹脂ラテックスは、脱イオン水(deionized water)に0.1〜数μmの塩化ビニル系樹脂粒子が分散しているエマルジョン(emulsion)形態である。
【0035】
前記塩化ビニル系樹脂ラテックスを製造する方法は、特に制限されず、本発明が属する技術分野に知られている通常の方法により製造することができる。
【0036】
例えば、本発明の一実施例によれば、塩化ビニル単量体単独、または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な共単量体との混合物、乳化剤、および重合開始剤を水性溶媒中で添加して均質化した後、微細懸濁重合して製造することができる。
【0037】
または、塩化ビニル単量体単独、または塩化ビニル単量体およびこれと共重合可能な共単量体との混合物を水性媒体中で乳化剤、水溶性重合開始剤を添加して乳化重合またはシード(seed)乳化重合して製造することができる。
【0038】
前記塩化ビニル単量体と共重合可能な共単量体としては、エチレン、プロピレン、ブテンなどのオレフィン(olefin)類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、ステアリン酸ビニルなどのカルボン酸のビニルエステル(vinyl ester)類;メチルビニルエーテル、エチルビニルエーテル、オクチルビニルエーテル、ラウリルビニルエーテルなどのアルキル基を有するビニルエーテル(viny ether)類;塩化ビニリデンなどのハロゲン化ビニリデン(vinylidene)類;アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、無水マレイン酸、無水イタコン酸などの不飽和カルボン酸およびこれらの酸無水物;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、マレイン酸モノメチル、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ブチルベンジルなどの不飽和カルボン酸エステル(ester)類;スチレン、α−メチルスチレン、ジビニルベンゼンなどの芳香族ビニル化合物;アクリロニトリルなどの不飽和ニトリル;またはジアリルフタレートなどの架橋性単量体などが挙げられ、これらの共単量体を単独または2種以上混合して用いることができる。
【0039】
前記乳化剤としては、陰イオン系乳化剤または非イオン系乳化剤などを単独または2種以上混合して用いることができる。前記陰イオン系乳化剤としては、カルボン酸、アルキルスルホン酸、アルキルベンゼンスルホン酸、α−オレフィンスルホン酸またはアルキルリン酸などを用いることができる。前記非イオン系乳化剤としては、ポリオキシエチレンエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルケニルエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、グリセリン脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレン脂肪酸エステル、シリコン系乳化剤などを用いることができる。
【0040】
前記乳化剤は、重合反応前に水性媒体中に一括投入したり、重合反応中に水性媒体に連続投入することができる。または、重合反応が完了した後にラテックスに添加することもでき、必要に応じて前記方法を組み合わせて用いることもできる。
【0041】
前記微細懸濁重合、乳化重合またはシード乳化重合時に、必要に応じて補助分散剤をさらに用いることができる。
【0042】
前記補助分散剤は、乳化剤と共に重合およびラテックスの安定性を維持するために用いるものであり、具体的にラウリルアルコール、ミリスチックアルコール、ステアリルアルコールなどの高級アルコール類またはラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸などの高級脂肪酸などを用いることができる。
【0043】
前記微細懸濁重合時に用いる重合開始剤としては、ジイソプロピルペルオキシジカーボネートなどのペルオキシカーボネート(peroxy dicarbonate)類;t−ブチルペルオキシピバレート、t−ブチルペルオキシネオデカノエートなどのペルオキシエステル(peroxy ester)類などの有機過酸化物系開始剤、または2,2−アゾビスイソブチロニトリルなどのアゾ(azo)系開始剤などを単独または2種以上混合して用いることができる。
【0044】
前記乳化重合またはシード乳化重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウム、過硫酸ナトリウムまたは過酸化水素などを用いることができ、必要に応じて亜硫酸ナトリウム、ナトリウム、アスコルビン酸(ascorbic acid)などの還元剤と共に用いることができる。
【0045】
このような成分を混合して重合して塩化ビニル系樹脂ラテックスを製造することができる。重合が完了した後、重合されない未反応単量体は除去することができる。
【0046】
また、重合方法により変わり得るが、前記塩化ビニル系樹脂ラテックスには塩化ビニル系樹脂を含む固形分の含量が約30〜約60重量%であり得る。
【0047】
次に、前記塩化ビニル系樹脂ラテックスにスチレン/アクリル系樹脂溶液を添加する。
【0048】
前記スチレン/アクリル系樹脂は、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーが重合された共重合体である。本発明の一実施例によれば、前記スチレン系モノマーとアクリル系モノマーが約60:40〜約80:20、好ましくは約60:40〜約70:30の重量比で重合された共重合体であり得る。このような重量比で重合されたスチレン/アクリル系共重合体を用いる時、より優れた発泡性および耐湿性を示す塩化ビニル系ペースト樹脂を得ることができる。
【0049】
前記スチレン系モノマーとしては、スチレンを単独で用いるか、またはスチレンとアルファメチルスチレンモノマーの混合物の形態で用いることができる。スチレンとアルファメチルスチレンモノマーの混合物の形態で用いる場合、スチレンモノマー対アルファメチルスチレンモノマーは、約50:50〜約90:10の重量比に混合して用いることができる。
【0050】
また、アクリル系モノマーは、アクリル酸を単独で用いるか、またはアクリル酸とアルキルアクリレートの混合物の形態で用いることができる。アクリル酸とアルキルアクリレートの混合物の形態で用いる場合、アクリル酸対アルキルアクリレートは、約80:20〜約90:10の重量比に混合して用いることができる。
【0051】
前記のようにスチレン系モノマーおよびアクリル系モノマーを単量体として重合することによってスチレン/アクリル系樹脂を得ることができる。前記スチレン/アクリル系樹脂を重合する方法は、特に制限されず、本発明が属する技術分野に知られている通常の方法により重合することができる。例えば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはジプロピレングリコールメチルエーテルと水の混合溶媒の存在下に、スチレン系モノマーとアクリル系モノマーを150〜250℃の反応温度で連続バルク重合する方法によりスチレン/アクリル系樹脂を製造することができるが、本発明はこれに限定されない。
【0052】
前記スチレン/アクリル系樹脂は、約1,000〜約20,000g/mol、好ましくは約1,500〜約15,000g/mol、より好ましくは5,000〜14,000g/molの重量平均分子量(Mw)を有することができる。このような重量平均分子量を有するスチレン/アクリル系樹脂を用いることによって、本発明が目的に適した、優れた発泡性および耐湿性を示す塩化ビニル系ペースト樹脂を得ることができる。
【0053】
前記スチレン/アクリル系樹脂溶液は、前記塩化ビニル系樹脂ラテックス100重量部に対して約0.1〜約10重量部、より好ましくは約1〜約8重量部で添加されてもよい。前記スチレン/アクリル系樹脂溶液が0.1重量部未満と過度に少なく含まれる場合、発泡性改善の効果が殆どない。反面、10重量部を超えて過度に多く添加される場合、発泡速度の低下、粘度の上昇、乾燥工程で凝集誘発などの問題点が発生するおそれがある。
【0054】
前記スチレン/アクリル系樹脂溶液は、スチレン/アクリル系樹脂を弱アルカリの条件、例えばpH8〜9の条件で脱イオン水(deionized water)に約0.1〜約50%、好ましくは約1〜約30%の濃度に溶解した水溶液であり得る。
【0055】
前記のように、スチレン/アクリル系樹脂溶液は、水溶液状態で添加されるため、脱イオン水のように水性溶媒に分散した状態である塩化ビニル系樹脂ラテックスと高い相溶性を示すことができる。したがって、別途の界面活性剤や添加剤の使用が不要である。
【0056】
次に、前記スチレン/アクリル系樹脂溶液が添加された塩化ビニル系樹脂ラテックスを乾燥する。
【0057】
前記乾燥工程は、本発明が属する技術分野に知られている通常の方法で行うことができる。例えば、ホイールタイプの噴霧乾燥機(wheel type spray dryer)を用いて入口温度を約140〜約160℃に噴霧乾燥させて行うことができる。
【0058】
前記のように、塩化ビニル系樹脂ラテックスを乾燥することによって微細なパウダー形態の塩化ビニル系ペースト樹脂(PVC paste resin、PSR)に製造することができる。
【0059】
前記のように乾燥して得られた塩化ビニル系ペースト樹脂は、発泡剤、可塑剤、炭酸カルシウムおよびその他添加剤を添加してプラスチゾル(plastisol)を製造することができる。
【0060】
前記可塑剤の種類および含量は、本発明が属する技術分野に知られている物質を適切に選択して用途に合うように含量を調節して用いることができる。例えば、フタル酸ジオクチル、フタル酸ジブチル、フタル酸ジイソブチル、フタル酸ジヘプチル、ジ−(2−エチルヘキシル)フタレート、ジフタル酸−n−オクチル、ジノニルフタレート、ジイソデシルフタレート、ジウンデシルフタレート、ジシクロヘキシルフタレート、ブチルベンジルフタレート、ジフェニルフタレートなどのフタル酸誘導体、イソフタル酸誘導体、アジピン酸誘導体、セバシン酸誘導体、マレイン酸誘導体、トリメリット酸誘導体、ピロメリット酸誘導体;リン酸誘導体、グリコール誘導体、グリセリン誘導体、アジピン酸系ポリエステル、セバシン酸系ポリエステルなどを用いることができる。これらの可塑剤は1種を単独でまたは互いに異なる2種以上を混合して用いることができる。
【0061】
前記発泡剤も特に制限されず、本発明が属する技術分野に知られている物質を適切に選択して用途に合うように含量を調節して用いることができる。例えば、重炭酸ナトリウム、重炭酸アンモニウム、炭酸アンモニウム、アゾジカーボンアミド(azodicarbonamide)、アゾジイソブチロニトリル(azodiisobutyro−nitrile)、ベンゼンスルホニルヒドラジド(benzenesulfonhydrazide)、4,4−オキシベンゼンスルホニル−セミカルバジド(4,4−oxybenzene sulfonyl−semicarbazide)、p−トルエンスルホニルセミ−カルバジド(p−toluene sulfonyl semi−carbazide)、バリウムアゾジカルボキシレート(barium azodicarboxylate)、N,N’−ジメチル−N,N’−ジニトロソテレフタルアミド(N,N’−dimethyl−N,N’−dinitrosoterephthalamide)、トリヒドラジノトリアジン(trihydrazino triazine)などが挙げられる。これらの発泡剤は、1種を単独でまたは互いに異なる2種以上を混合して用いることができる。
【0062】
前記可塑剤、発泡剤および炭酸カルシウム以外に、その他添加剤、例えば、熱安定剤、充填剤、界面活性剤、粘度調節剤、接着性付与剤、着色剤、希釈剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、補強剤、その他樹脂などを必要に応じて添加して均一に混合することによってプラスチゾルを製造することができる。
【0063】
このように製造されたプラスチゾルは、良好な発泡表面、均一な発泡セルなど、優れた発泡性と高粘度を示して高発泡マット、シート、フィルムなどの多様な分野に有用に用いることができる。また、優れた耐湿性を示して湿度が高い環境でも発泡性を維持することができる。
【0064】
本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂を含むプラスチゾルは、例えば25℃でブルックフィールド(Brookfield)粘度計(4〜6番スピンドル)で測定した時、約500〜約400,000cps、好ましくは約3,000〜約10,000cps、より好ましくは約7,000〜約10,000cpsの高粘度を示すことができる。
【0065】
また、本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂を含むプラスチゾルは、1mm厚さにコーティングして230℃で発泡させた時、下記式1で計算される発泡されたセルのセル均一性が約2以下、好ましくは約1〜約2、より好ましくは約1〜約1.5と非常に均一な発泡性を示すことができる。
[式1]
セル均一性=最大セルサイズ/最小セルサイズ
【0066】
以下、本発明による実施例を参照して本発明をより詳細に説明する。ただし、このような実施例は発明の例示として提示されたものに過ぎず、本発明の権利範囲はこれによって 決定されない。
【実施例】
【0067】
[スチレン/アクリル系樹脂溶液の製造]
[製造実施例1]
1LのSUS反応器でバルク連続重合により下記表1に記載された量でスチレン系モノマー(スチレンおよびアルファメチルスチレン)とアクリル系モノマーを用いてスチレン/アクリル系水溶性樹脂を製造した。この時に使用された重合開始剤は、t−ブチルペルオキシベンゾエートであり、使用量はモノマー総量に対して0.2重量部であった。また、溶媒としては、ジプロピレングリコールメチルエーテルと水の混合物をモノマー100重量部に対して9.0重量部を用い、この時、混合溶媒中の水の含量は18%であった。反応温度は217℃であった。
【0068】
スチレン/アクリル系樹脂(Mw12,800)30重量部をイオン交換水62.8重量部と混合した後、70℃に加熱しながら28%のアンモニア水7.2重量部を2〜3回に分けて入れた。以降、2〜3時間程度高速攪拌してスチレン/アクリル系樹脂溶液を製造した。
【0069】
[製造実施例2]
1LのSUS反応器でバルク連続重合により下記表1に記載された量でスチレン系モノマー(スチレンおよびアルファメチルスチレン)とアクリル系モノマーを用いてスチレン/アクリル系水溶性樹脂を製造した。この時に使用された重合開始剤は、t−ブチルペルオキシベンゾエートであり、使用量はモノマー総量に対して0.4重量部であった。また、溶媒としては、ジプロピレングリコールメチルエーテルと水の混合物をモノマー100重量部に対して9.0重量部を用い、この時、混合溶媒中の水の含量は18%であった。反応温度は221℃であった。
【0070】
スチレン/アクリル系樹脂(Mw9,500)30重量部をイオン交換水62.8重量部と混合した後、70℃で加熱しながら28%のアンモニア水7.2重量部を2〜3回に分けて入れた。以降、2〜3時間程度高速攪拌してスチレン/アクリル系樹脂溶液を製造した。
【0071】
【表1】
【0072】
[塩化ビニル系ペースト樹脂の製造]
[実施例1]
高圧反応器に脱イオン水78kg、塩化ビニル単量体87kgを混合投入した後、高圧反応器の温度50℃下で乳化重合して塩化ビニル系ラテックスを製造した。
【0073】
製造された塩化ビニル系樹脂ラテックスの重量平均分子量は170,000g/molであり、塩化ビニル系樹脂を含む固形分の含量は45%であった。
【0074】
製造された塩化ビニル系樹脂ラテックス100重量部に対して、前記製造実施例1のスチレン/アクリル系樹脂溶液5重量部を添加した。スチレン/アクリル系樹脂溶液が添加された塩化ビニル系樹脂ラテックスをホイールタイプの噴霧乾燥機(Wheel type spray dryer)で乾燥および粉砕して塩化ビニル系ペースト樹脂(PVC paste resin)を得た。
【0075】
得られた塩化ビニル系ペースト樹脂100gにジオクチルフタレート(di−octyl phthalate)70g、Ba/Zn系安定剤3g、アゾジカーボンアミド(azodicarbonamide、ADCA)系発泡剤3g、炭酸カルシウム40gを添加した後、Ishikawa社のRaikaiki Mixer機の真空状態で15分間混合してプラスチゾルを製造した。
【0076】
[実施例2]
製造実施例2のスチレン/アクリル系樹脂溶液5重量部を添加したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で塩化ビニル系ペースト樹脂およびプラスチゾルを製造した。
【0077】
[実施例3]
製造実施例1のスチレン/アクリル系樹脂溶液1重量部を添加したことを除いては、前記実施例1と同様な方法で塩化ビニル系ペースト樹脂およびプラスチゾルを製造した。
【0078】
[比較例1]
実施例1で、スチレン/アクリル系樹脂溶液を添加しないことを除いては、前記実施例1と同様な方法で塩化ビニル系ペースト樹脂およびプラスチゾルを製造した。
【0079】
<実験例>
前記実施例および比較例について下記のような方法で物性を評価した。
【0080】
[粘度の測定]
前記実施例1、2および比較例1で製造されたそれぞれのプラスチゾルを25℃の恒温オーブンで1時間熟成(aging)させた後、ブルックフィールド粘度計(スピンドル#6、5rpm)を用いて粘度を測定した。
【0081】
[発泡表面および発泡セルの測定]
前記実施例1、2および比較例1で製造されたそれぞれのプラスチゾルをアプリケータ(applicator)で紙の上に1.0mm厚さにコーティングした後、230℃オーブンで発泡させて発泡シート(sheet)を製作した。
【0082】
製作された発泡シートの発泡性を肉眼で観察し、光学顕微鏡を用いて撮影した。発泡セルの均一性の評価のために発泡セルの最大サイズ、最小サイズおよび最大サイズに対する最小サイズの割合でセルの均一性を示した。
【0083】
実施例1、2および比較例1の粘度および発泡性を測定した結果を下記表2に示した。
【0084】
また、実施例1、2および比較例1の発泡セルを光学顕微鏡を用いて20倍に拡大して撮影した写真を
図1に示した。
【0085】
【表2】
【0086】
前記表2および
図1を参照すれば、実施例1および2は比較例1と比較して発泡表面の状態が良好でありながらも、均一なセル分布を示して改善された発泡性を示した。
【0087】
[耐湿性の測定]
前記実施例3および比較例1で製造されたそれぞれのプラスチゾルを温度が40℃、湿度が80%である恒温抗湿オーブンで4時間保管して吸湿させた。
【0088】
次に、アプリケータ(applicator)で紙の上に1.0mm厚さにコーティングした後、230℃オーブンで発泡させて発泡シート(sheet)を製作した。
【0089】
製作された発泡シートの発泡性を肉眼で観察し、光学顕微鏡を用いて撮影した。発泡セルの均一性の評価のために発泡セルの最大サイズ、最小サイズおよび最大サイズに対する最小サイズの割合でセルの均一性を示した。
【0090】
実施例3および比較例1の粘度および発泡特性を測定した結果を下記表3に示した。また、実施例3および比較例1の発泡セルを光学顕微鏡を用いて20倍に拡大して撮影した写真を
図2に示した。
【0091】
【表3】
【0092】
前記表3および
図2を参照すれば、実施例3は湿度が高い環境に露出させて強制的に吸湿した後にも優れた発泡性を示した。これによって、本発明の塩化ビニル系ペースト樹脂は、向上した耐湿性を示して高温多湿な環境でも優れた物性を維持することが分かる。